JP4916757B2 - 医療用粘着テープまたはシート - Google Patents

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Description

本発明は、空隙率の高い基材を用いた皮膚に優しい医療用粘着テープまたはシートに関し、エマルション粘着剤の直写により製造コストが低減され、かつ貼付時の使用感が優れた粘着テープまたはシートに関する。
皮膚面に貼付して使用することを目的とする医療用粘着テープまたはシートは、一般に粘着剤層を介して適用すべき皮膚面に貼付使用される。この時に空隙率の高い基材を用いた粘着シートまたはテープを使用すると、肌触りが良好であり、貼付時の不快感が減少される。しかし、空隙率の高い基材を用いる場合は、空隙から粘着剤が裏抜けするのを防ぐため、転写により粘着剤を積層するのが一般的である。該転写による場合は、基材に粘着剤を積層するために予め剥離紙などのシートに粘着剤を積層し、該粘着剤が積層されたシートを基材に貼り合わせて転写させる操作が必要となる。しかし、基材に粘着剤が転写された後は、医療用粘着テープまたはシートの形態によっては該剥離紙などのシートが不要となる場合があり、該剥離紙などのシートは廃棄されるので製造コストがかかる。
製造コストの低減や環境面を考慮すると、基材に直接粘着剤を塗布する直写法により粘着剤を積層することが望まれる。しかし、空隙率の高い基材に直写で粘着剤を積層すると、基材の隙間に粘着剤が浸入し、粘着シートとしての機能を果たさなくなるという問題が生じる。また、粘着剤が基材の裏側に漏出するという裏抜けも生じうる。
基材の隙間への粘着剤の浸入を防止するために、基材に目止め処理を行うと空隙率が低下し、肌触りが悪くなる上に、基材端部での物理刺激によりかぶれを生じるなどの問題が考えられる。
また特許文献1には、貼付剤用支持体(基材)に関し、粘着剤の直写を行うために不織布とフィルムを組み合わせ、フィルム面への直写を可能とする方法が開示されている。しかし、フィルムを皮膚へ長時間貼付する場合、フィルムに通気性がないと蒸れが発生する。
従って、蒸れにくく、肌触りの良好な医療用粘着テープまたはシートであって、かつ製造コストが低減された医療用粘着テープまたはシートが望まれる。
特開平10−67652号公報
本発明は、蒸れにくく、肌触りの良好な医療用粘着テープまたはシートであって、かつ製造コストが低減され、環境に優しい医療用粘着テープまたはシートを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、基材が積層され、該積層された基材に目止め処理を施すことにより、基材の隙間に粘着剤が浸入したり裏抜けするのを防止でき、かつ肌触りの良い基材を提供できることを見出した。さらに、粘着テープまたはシートのループ硬さを15mN以上60mN以下とすることで、優れた医療用粘着テープまたはシートを提供しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、以下よりなる。
1.基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する医療用粘着テープまたはシートであって、基材が嵩密度の異なる不織布が少なくとも2層積層され、該積層された基材の少なくとも一方が嵩密度が0.25g/cm 以下の不織布からなり、他の一方が嵩密度0.30g/cm 以上の不織布からなり、該嵩密度0.30g/cm 以上の不織布が目止め処理されてなり、ループ硬さが15mN以上30mN以下であることを特徴とする医療用粘着テープまたはシート。
2.目止め処理により、基材に対して目止め剤が15〜50g/m塗布されてなる前項に記載の医療用粘着テープまたはシート。
3.嵩密度の異なる不織布が2層積層されて構成されており、基材に対して目止め剤が少なくとも40g/m 塗布されてなる前項2に記載の医療用粘着テープまたはシート。
4.嵩密度の異なる不織布が3層積層されて構成されており、基材に対して目止め剤が15〜20g/m 塗布されてなる前項2に記載の医療用粘着テープまたはシート。
5.目止め剤が、エマルション剤である前項1〜4のいずれか1項に記載の医療用粘着テープまたはシート。
6.粘着剤が、エマルション粘着剤である前項1〜5のいずれか1項に記載の医療用粘着テープまたはシート。
7.基材を構成する部材が、ポリエステルからなる前項1〜のいずれか1項に記載の医療用粘着テープまたはシート。
8.医療用粘着テープまたはシートが、ロール状の形態からなる前項1〜のいずれか1項に記載の医療用粘着テープまたはシート。
本発明の医療用粘着テープまたはシートにより、蒸れにくく、粘着剤層とは反対側の基材表面について、肌触りのよい医療用粘着テープまたはシートを提供することができる。さらには、本発明の医療用粘着テープまたはシートは、エマルション粘着剤が直写されて製造されたものであり、環境に優しく、経済的かつ品質の優れたものである。
本発明の医療用粘着テープまたはシートは、上記性質を有するため、肌に優しい医療用の医療用粘着テープまたはシートとして利用することができる。
本発明の医療用粘着テープまたはシートは、基材の少なくとも片面に粘着剤層を有するものであり、嵩密度の異なる基材が積層され、該積層された基材が目止め処理されており、粘着テープまたはシートのループ硬さが15mN以上60mN以下であることを特徴とする。
本発明において、粘着剤は基材の少なくとも片面に、直写により積層されてなるものである。粘着剤は、層状に塗布乾燥した際に粘着性を示し、良好な接着力や保持力等を有するものあれば特に限定されないが、環境保護の観点から特にエマルション粘着剤が好適に使用される。エマルション粘着剤として、アクリル系ポリマー、ウレタン−アクリル系ポリマー等の水分散体、スチレン−ブタジエン共重合体等の合成ゴム、天然ゴム等のゴム系ポリマーの水分散体が挙げられる。本発明においては、必要に応じて架橋剤、粘着付与樹脂、充填剤、オイル、顔料等の添加剤を配合してもよい。
本発明の医療用粘着テープまたはシートのループ硬さは、15mN以上60mN以下が望ましく、より望ましくは15mN以上50mN以下であり、より望ましくは15mN以上40mN以下である。ループ硬さが60mNよりも硬い場合は、貼付時の不快感などが生じ、ループ硬さが15mN以下の場合は、目止め処理が不足しているため、粘着剤を直写により積層することができない。
本発明において、ループ硬さは、JIS L 1069に準拠してループ圧縮法により測定することができる。
本発明において、基材は少なくとも2層積層されている。基材を1層とすると、後述の目止め処理を施した場合に、目止め剤の塗布量が多く必要となるため、医療用粘着テープまたはシートの肌触りが悪くなることや、蒸れが生じやすくなるなどの欠点が生ずる。また、目止め処理が容易にできるように、嵩密度の高い部材のみとすると、粘着剤層とは反対側の基材の肌触りが悪くなる。前記少なくとも2層から構成される基材は、嵩密度の異なる部材であり、好適には嵩密度の異なる不織布とすることができる。嵩密度の高い基材により、目止め処理を容易に行うことができ、嵩密度の低い基材により、肌触りのよい基材とすることができる。
このような基材として、積層された基材の少なくとも一方を嵩密度が0.25g/cm以下の不織布とし、他の一方を嵩密度が0.30g/cm以上の不織布とすることができる。より好適には、基材の少なくとも一方を0.23g/cm以下の不織布とし、他の一方を0.37g/cm以上の不織布とすることができる。嵩密度が0.30g/cmより高い場合には、目止め処理を容易にすることができるが、肌触りの点で問題があり、嵩密度が0.25g/cmより少ない場合には、肌触りが優れているが、目止め処理を十分に行うには困難がある。
本発明において、嵩密度は1cmの基材の重量と厚みを測定し、以下の式により算出することができる。
嵩密度[g/cm]=基材重量[g/cm]/厚み[cm]
本発明において、基材が少なくとも2層積層とは、2層以上積層されていればよいが、医療用粘着テープまたはシートの硬さを15mN以上60mN以下とするために、2〜4層積層され、好ましくは2〜3層積層される。基材の積層方法は、特に限定されないが、熱溶融や接着剤による方法など、一般的な方法を適用することができる。このような方法により、例えば嵩密度が0.25g/cm以下の不織布と嵩密度0.30g/cm以上の不織布を積層したものや、嵩密度0.30g/cm以上の不織布の両側に嵩密度が0.25g/cm以下の不織布を積層することができる。
本発明において、基材を構成する部材は、高融点の材質のものを使用することができる。このような材質のものとして、ポリエステルが好適である。ポリエステルとしては、具体的にはポリエチレンエレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)など耐熱性に優れているものがより好適である。
本発明において、嵩密度が0.30g/cm以上の不織布は、メルトブロー法により作製することができる。また、嵩密度が0.25g/cm以下の不織布は、一般的な不織布の作製方法により作製することができる。例えば、乾式法では接着剤型の浸漬法、プリント法、スプレー法、粉末法、サーマルボンド法など、機械結合型のフェルト法、ステッチ法、ニードルパンチ法、水流絡合型のスパンレース法、紡糸型のスパンボンド法、網状法、メルトブロー法、フィルム法などが挙げられ、湿式法では水流絡合型のスパンレース法、紡糸法のスパンボンド法、フラッシュ法、抄紙法の熱融着繊維法、熱圧法、接着剤法等を採用することができる。
本発明において、目止め処理は、10〜50g/mの目止め剤を基材に対して塗布することにより施すことができる。塗布量が10g/mより少ない場合は、粘着剤の裏抜けが防止できない。一方、塗布量が50g/mより多い場合は、肌触りが悪く蒸れやすくなり、基材端部の物理的刺激によりかぶれを生じる場合も考えられる。したがって、好ましい塗布量は10〜35g/mであり、より好適には10〜20g/mである。
目止め処理を施さなければ、直写法によりエマルション粘着剤を直接基材に積層する際に、基材に粘着剤が浸入してしまったり、あるいは、エマルション粘着剤の裏抜けなどにより、医療用粘着テープまたはシートとして機能しなくなる場合がある。
本発明において目止め剤塗布量は、目止め剤を塗布した基材1mの重量を測定し、以下の式により算出することができる。
目止め剤塗布量[g/m
=目止め剤を塗布した基材重量[g/m]−基材重量[g/m
目止め剤については、特に限定されるものではないが、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)系、ロジン系樹脂等を用いることができる。溶剤系のものを用いても良いが、環境保護の観点からエマルション状の水系のものが望ましい。目止め処理の方法としては、目止め剤を基材に含浸させ、乾燥させるなど、一般的な方法を用いる事ができる。
本発明の医療用粘着テープまたはシートは、積層された基材の少なくとも片面に、粘着剤層を有する。粘着剤層は、目止め処理された基材の側に直写され、積層されているのが好適である。基材が目止め処理されていることにより、粘着剤の浸入や裏抜けを防止することができる。
本発明の医療用粘着テープまたはシートの形態は、特に限定されないが、例えばロール状粘着部材のように、剥離紙を伴わないものが好適である。ロール状の粘着テープまたはシートは剥離紙を必要としないため、粘着剤の直写法での積層方法による製造コストの低減効果が大きいからである。ロール状の粘着テープまたはシートとする場合には、基材の粘着剤層とは反対側の面に背面処理を施す必要がある。背面処理剤としては、フッ素系剥離剤や長鎖アルキル系剥離剤、シリコーン系剥離剤またはその混合系等を用いることができる。背面処理の方法については一般的な方法を用いる事ができる。
以下に実施例を列記して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
なお、以下の実施例において「部」とあるのは「重量部」を意味する。
1.粘着シートの製造方法
1)粘着剤層形成用のポリマーの調製
アクリル酸2−エチルヘキシル95部およびアクリル酸5部からなる単量体混合物を、ラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)2部および過硫酸カリウム(重合開始剤)0.2部を使用して、常法により乳化重合させることにより、粒子内ゲル分(架橋分)を46重量%含有し、溶剤可溶分のポリマーの重量平均分子量が80万であるアクリル系ポリマーが水中に均一に乳化分散されてなる、固形分濃度が50重量%のエマルション粘着剤を得た。これを、粘着剤層形成用ポリマーとした。
2)目止め処理
目止め剤として、アクリルエステル共重合体のエマルション(Tg=−30℃)を用いた。目止め剤を基材に含浸させ、120℃で2分間乾燥した。
3)粘着剤層の形成
<直写による粘着剤層の形成方法>
調製した粘着剤層形成用ポリマーを、基材の片面に糊厚が40μmになるよう塗布し、130℃にて3分間乾燥し、粘着シートを得た。
<転写による粘着剤層の形成方法>
調製した粘着剤層形成用ポリマーを、剥離紙上に糊厚が40μmになるよう塗布し、130℃にて3分間乾燥し、予め粘着剤層を形成した。基材へ剥離紙上の粘着剤を転写することにより粘着シートを得た。
2.試験方法
各実施例および各比較例にて得られた皮膚貼付用粘着シートについて、以下の試験を行った。
1)目止め剤塗布量
目止め剤を塗布した基材1mの重量を測定し、以下の式により目止め剤塗布量を算出した。
目止め剤塗布量[g/m
=目止め剤を塗布した基材重量[g/m]−基材重量[g/m
2)嵩密度
1cmの基材の重量と厚みを測定し、以下の式より嵩密度を算出した。
嵩密度[g/cm]=基材重量[g/cm]/厚み[cm]
3.評価方法
各実施例および各比較例にて得られた皮膚貼付用粘着シートについて、以下により評価を行った。
1)粘着シートの形成
2)粘着剤層形成用ポリマーの裏抜け
基材片面に粘着剤層を形成した後に、該粘着剤層と反対側に粘着剤層形成用ポリマーが染み出ているか否かを官能評価した。
○:染み出しなし
△:染み出し、しっとりしている
×:染み出しべたべたしている
3)ループ硬さ
JIS L 1069に準拠し、ループ圧縮法によりループ硬さの測定を行った。
4)貼付時の観察
「蒸れ」や「カブレ」について、前腕部に25mm×50mmの粘着シートを貼付し、官能による確認を行った。
○:蒸れ無、カブレ無
×:蒸れ有、カブレ有
(実施例1)
メルトブロー法にて作製された嵩密度0.37g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布の両側に、それぞれスパンボンド法にて作製された嵩密度0.23g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布が積層された基材に、目止め剤を15g/m塗布し、その片面に、直写による粘着剤層の形成方法に従って40μmの粘着剤層形成用ポリマーを直写し、ループ硬さが26mNの粘着シートを得た。このとき粘着剤層形成用ポリマーの裏抜けは確認されなかった。皮膚へ貼付した際に蒸れに関しても問題なく、皮膚刺激も確認されなかった。
(実施例2)
メルトブロー法にて作製された嵩密度0.37g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布の両側に、それぞれスパンボンド法にて作製された嵩密度0.23g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布が積層された基材に、目止め剤を25g/m塗布し、その片面に、直写による粘着剤層の形成方法に従って40μmの粘着剤層形成用ポリマーを直写し、ループ硬さが30mNの粘着シートを得た。このとき粘着剤層形成用ポリマーの裏抜けは確認されなかった。皮膚へ貼付した際に蒸れに関しても問題なく、皮膚刺激も確認されなかった。
(実施例3)
メルトブロー法にて作製された嵩密度0.30g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布の片側に、スパンボンド法にて作製された嵩密度0.16g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布が積層された基材に、目止め剤を40g/m塗布し、メルトブロー法にて作製された嵩密度0.30g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布側へ、直写による粘着剤層の形成方法に従って40μmの粘着剤層形成用ポリマーを直写し、ループ硬さが15mNの粘着シートを得た。このとき粘着剤層形成用ポリマーの裏抜けは確認されなかった。皮膚へ貼付した際に蒸れに関しても問題なく、皮膚刺激も確認されなかった。
(比較例1)
メルトブロー法にて作製された嵩密度0.37g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布の両側に、それぞれスパンボンド法にて作製された嵩密度0.23g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布が積層された基材に、目止め剤を30g/m塗布し、その片面に、直写による粘着剤層の形成方法に従って40μmの粘着剤層形成用ポリマーを直写し、ループ硬さが72mNの粘着シートを得た。このとき粘着剤層形成用ポリマーの裏抜けは確認されなかった。皮膚へ貼付した際に蒸れが確認され、粘着シートのエッジ部で皮膚刺激が確認された。
(比較例2)
メルトブロー法にて作製された嵩密度0.37g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布の両側に、それぞれスパンボンド法にて作製された嵩密度0.23g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布が積層された基材に、目止め剤を10g/m塗布し、その片面に直写による粘着剤層の形成方法に従って40μmの粘着剤層形成用ポリマーを直写し、ループ硬さが22mNである粘着シートを作製しようとした。この条件では、粘着剤層形成用ポリマーの裏抜けが認められ、粘着シートを得ることができなかった。
(比較例3)
メルトブロー法にて作製された嵩密度0.37g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布の両側に、それぞれスパンボンド法にて作製された嵩密度0.23g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布が積層された基材の片面に、直写による粘着剤層の形成方法に従って40μmの粘着剤層形成用ポリマーを直写したところ、粘着剤層形成用ポリマーの裏抜けが認められ、粘着シートを得る事ができなかった。
(比較例4)
メルトブロー法にて作製された嵩密度0.30g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布の片側に、スパンボンド法にて作製された嵩密度0.16g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布が積層された基材に、目止め剤を20g/m塗布し、メルトブロー法にて作製された嵩密度0.30g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布側へ、直写による粘着剤層の形成方法に従って40μmの粘着剤層形成用ポリマーを直写したところ、粘着剤層形成用ポリマーの裏抜けが認められ、粘着シートを得ることができなかった。
(比較例5)
厚さ8μmのポリエチレンフィルムとスパンボンド法にて作製された嵩密度0.23g/cmのポリエチレンテレフタレート不織布が積層された基材のポリエチレンフィルム側へ、転写による粘着剤層の形成方法に従い、予め成型した40μmの粘着剤層形成用ポリマーを転写し、粘着シートを得た。このとき粘着剤層形成用ポリマーの裏抜けは確認されなかった。皮膚へ貼付した際に皮膚刺激は確認されなかったが、蒸れを生じた。
実施例1〜3および比較例1〜5により得られた粘着シートを表1にまとめた。
Figure 0004916757
実施例1〜3および比較例1〜5により得られた粘着シートの評価結果を表2にまとめた。
Figure 0004916757
上記詳述したように、本発明の医療用粘着テープまたはシートは、粘着剤が直写により塗布されているため、環境に優しく、製造コストが低減され経済的である。さらに、本発明の医療用粘着テープまたはシートは、蒸れにくく、粘着剤層とは反対側の基材表面については肌触りがよい。したがって、本発明の医療用粘着テープまたはシートは、肌に優しい医療用の粘着テープまたはシートとして利用することができる。具体的には、救急絆創膏や巻絆、パッド付き大型絆創膏やドレッシング材などに使用することができる。

Claims (8)

  1. 基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する医療用粘着テープまたはシートであって、基材が嵩密度の異なる不織布が少なくとも2層積層され、該積層された基材の少なくとも一方が嵩密度が0.25g/cm 以下の不織布からなり、他の一方が嵩密度0.30g/cm 以上の不織布からなり、該嵩密度0.30g/cm 以上の不織布が目止め処理されてなり、ループ硬さが15mN以上30mN以下であることを特徴とする医療用粘着テープまたはシート。
  2. 目止め処理により、基材に対して目止め剤が15〜50g/m塗布されてなる請求項1に記載の医療用粘着テープまたはシート。
  3. 嵩密度の異なる不織布が2層積層されて構成されており、基材に対して目止め剤が少なくとも40g/m 塗布されてなる請求項2に記載の医療用粘着テープまたはシート。
  4. 嵩密度の異なる不織布が3層積層されて構成されており、基材に対して目止め剤が15〜20g/m 塗布されてなる請求項2に記載の医療用粘着テープまたはシート。
  5. 目止め剤が、エマルション剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用粘着テープまたはシート。
  6. 粘着剤が、エマルション粘着剤である請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用粘着テープまたはシート。
  7. 基材を構成する部材が、ポリエステルからなる請求項1〜のいずれか1項に記載の医療用粘着テープまたはシート。
  8. 医療用粘着テープまたはシートが、ロール状の形態からなる請求項1〜のいずれか1項に記載の医療用粘着テープまたはシート。
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