JP4915660B2 - 三次元形状造形物の製造方法 - Google Patents

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本発明は金属材料に光ビームの照射を行なう三次元形状造形物の製造方法に関する。
従来から、金属材料で形成した材料層に光ビーム(指向性エネルギービーム、例えばレーザ光)を照射して焼結層又は溶融層を形成し、この焼結層又は溶融層の上に新たな材料層を形成して光ビームを照射することで焼結層又は溶融層を形成するということを繰り返して三次元形状造形物を製造する技術が知られている。この技術の特徴は、複雑な三次元形状物を短時間で製造することができることである。エネルギー密度の高い光ビームを照射することで金属材料がほぼ完全に溶融した後に固化した状態、つまり溶融後の材料密度がほぼ100%の状態となり、この高密度の造形物の表面を仕上げ加工することにより滑らかな面を形成することができ、プラスチック成形用金型などに適用される。
金属光造形と称されるこの技術において、通常使用する金属材料は、粉末の状態で用いられている。積層する材料を金属粉末とすることで、材料の表面積が大きくなりレーザ光の吸収率も大きくなるので、エネルギー密度の低い照射条件でも材料を焼結又は溶融することが可能となり、造形速度が向上する。
ある程度の強度を有する造形物を得るためには、レーザ光を照射する材料層においてレーザ光走査箇所に隣接する造形部との密着強度を高めると共に、照射された造形部とその下層にある造形層との密着強度も高くしなければならない。積層する材料が金属粉末であれば、粉末間にある隙間を通してレーザ光が下層の造形層にも照射され、下層の造形層も加熱されて密着強度が向上する。
更に、レーザ照射された箇所の上面があまり大きく盛り上がってはならない。次の層を造形するための次の材料層を形成する際に、盛り上がり高さが金属粉末を積層する厚み以上となると、材料層の形成そのものが困難となってしまう。
もちろん、造形物の外観に割れが生じてはならないし、内部組織にもマイクロクラックの無いことが望まれる。
ここにおいて、レーザ照射された金属材料は、その一部、又は全部が一旦溶融し、その後冷却凝固されて造形物となるが、この溶融した時の濡れ性が大きいと隣接する造形部との接合面積が大きくなり、流動性が大きければ盛り上がりが小さくなることから、溶融した時の流動性が大きく、かつ、濡れ性が良いことが望まれる。
このような観点から、本出願人は特許文献1に示されるように、クロムモリブデン鋼からなる鉄系粉末と、ニッケル粉末と、リン銅又はマンガン銅粉末からなる金属光造形用の混合粉末を提案した。クロムモリブデン鋼粉末はその硬度や強度の点から、ニッケル粉末は強度、靭性及び加工性の点から、リン銅又はマンガン銅粉末は濡れ性及び流動性の点から採用している。
鉄系粉末のみにレーザ光を照射して高密度な三次元形状造形物を製造することは困難である。これは、先に形成された鉄の造形層に次の造形層を、隙間を作ることなく一体化することが困難であるからである。クロムモリブデン鋼自体は硬度が高く機械的強度に優れていても、クロムモリブデン鋼粉末のみでレーザ照射をして得られる三次元造形物の造形密度は低く、その強度も弱い。
鉄系粉末がニッケル成分を多く含む合金の場合、粉末の表面に形成される強固な酸化膜が鉄系粉末同士の融着一体化を阻害するため、前記の問題が甚だしくなる。鉄系金属にニッケルを含有させることは、その鉄系金属の靭性や強度及び耐食性を向上できるという利点があるが、レーザ照射による三次元造形物の製造に使用した場合には、その利点が発揮されにくい。
レーザ照射のエネルギーを大きくすれば、クロムモリブデン鋼やニッケル成分を含む鉄系粉末でも、十分に融着一体化できるが、その場合には、レーザ光の照射装置が大掛かりになったり、過大な電カが必要となり、製造コストが高くつくという欠点がある他、レーザ光の走査速度を高められないため、製造能率が低下する。また、過大な照射エネルギー量でつくられた造形物は、熱応力により反りや変形を起こし易くなる。
溶融された時にその流動性が良く、溶融状態で鉄系材料との濡れ性が良く、かつ鉄系材料と合金化された場合でも特性の劣化がほとんどない金属材料が銅である。鉄系粉末と銅合金粉末からなる混合粉末にレーザ光を照射すると、この銅合金が先に溶融し、鉄系粉末間の隙間を埋めると同時に、これが結合材となって融着一体化する。レーザ光の照射エネルギーが高い場合は混合粉末を形成する鉄系粉末及び銅合金粉末が溶融し合金となる。
溶融金属の流動性は、溶融時の温度と融点との差が大きいほど良くなる。純銅よりもリン銅合金やマンガン銅合金の方が融点は低く、同じエネルギーで照射した場合の流動性は、純銅よりもリン銅合金やマンガン銅合金の方が良い。
従来の金属光造形用鉄系粉末材料には、ニッケル粉末も含まれている。前述したように、鉄系粉末がニッケル成分を含む合金である場合には、粉末表面に形成される強固な酸化膜によって、粉末同士の融着一体化が阻害されるが、鉄系粉末とは別個の粉末としてニッケル粉末が銅合金と共に混合された場合には、これらの粉末同上の融着一体化は良好に行なわれる。そして、鉄系成分とニッケルと銅合金成分とからなる硬化層は、その焼結密度は高く、その結果、靭性や強度が高くなる。
特に、クロムモリブデン鋼の配合量が60〜90wt%、ニッケル粉末の配合量が5〜35wt%、銅マンガン合金粉末の配合量が5〜15wt%である時に、特に好ましい結果を得ることができる。
上述した金属粉末を材料として使った金属光造形において、レーザ照射とその積層によって複雑な三次元形状造形物を得るという点において、概ね好ましい結果を得ることができている。
しかしながら、高精度な三次元形状造形物を得るためには、粉末材料をできるだけ薄くかつ均一に敷く必要があり、そのためには金属粉末の粒径を細かくしなければならないが、金属粉末の粒径が細かくなるほど粉末同士が凝集を起こし、結果的に金属粉末自身の流動性が低下してしまい、金属粉末を薄く均一に敷けなくなるという問題がある。
また、乾燥状態の微粉末は非常に舞い易く、取り扱い性が悪いだけでなく、その材料が混合粉末の場合、成分の変動を起こし、微粉末にしたために逆に高精度な造形が望めなくなる虞がある。
特開2005−48234号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、材料が微粉末で流動性が良好であって造形精度が良く、かつ、材料の取り扱い性が良い三次元形状造形物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、三次元形状造形用の材料を造形用プレート上に供給して、材料層を形成する材料層形成工程と、前記材料層に光ビームを照射して、焼結層又は溶解層を形成する照射工程と、前記材料層形成工程と照射工程とを繰り返すことにより前記焼結層又は溶解層を前記造形用プレート上に積層する積層工程と、を備えた三次元形状造形物の製造方法において、前記材料として、金属粉末と高揮発性溶剤とを混合したものを用い、前記照射工程における光ビーム照射は、前記材料層形成工程において形成された材料層中の前記高揮発性溶剤が揮発した後に行なうようにし、前記材料層は、金属線より形成された金網を有するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の三次元形状造形物の製造方法において、前記材料は、50vol%以上70vol%以下の金属粉末と、30vol%以上50vol%以下の高揮発性溶剤と、を有するものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の三次元形状造形物の製造方法において前記金属粉末の平均粒径が1μm以上100μm以下であるものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の三次元形状造形物の製造方法において、前記金属粉末は、鉄系粉末の構成比率が60wt%以上90wt%以下であり、ニッケル粉末及びニッケル系合金粉末の両方又はいずれか一方の構成比率が5wt%以上35wt%以下であり、銅粉末及び銅系合金粉末の両方又はいずれか一方の構成比率が5wt%以上15wt%以下であるものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の三次元形状造形物の製造方法において、前記材料層の厚みが1μm以上200μm以下であるものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の三次元形状造形物の製造方法において、前記材料層形成工程において、前記材料層を加熱して前記高揮発性溶剤を揮発させるものである。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の三次元形状造形物の製造方法における前記材料層形成工程において、前記材料層から揮発する前記高揮発性溶剤を吸引して回収するものである。
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の三次元形状造形物の製造方法において、前記焼結層又は溶解層の形成後に、それまでに積層して得られた三次元形状造形物の表面部及び/又は不要部分の切削除去を行なう切削工程を更に備えたものである。
請求項1の発明によれば、金属粉末を微粉末にしても流動性が良いので、材料層を均一に薄く形成することができ、精度の良い三次元形状造形物を製造することができる。また、金属粉末が舞い上がることがなく、材料の取り扱い性が良い。また、高揮発性溶剤を揮発させており、不純物が少ないので高密度、高強度の三次元形状造形物を得ることができる。また、金属材料が高密度で供給されるので、精度が良く、高密度、高強度な三次元形状造形物を製造することができる。
請求項2の発明によれば、材料に適度な流動性と粘性を得ることができ、更に材料層を均一に薄く形成することができ、精度の良い三次元形状造形物を製造することができる。
請求項3の発明によれば、金属粉末の粒径が小さいので、更に材料層を均一に薄く形成することができ、精度の良い三次元形状造形物を製造することができる。
請求項4の発明によれば、クラックの無い高強度な三次元形状造形物を製造することができる。
請求項5の発明によれば、材料層の厚みが薄いので、精度の良い三次元形状造形物を製造することができる。
請求項6の発明によれば、高揮発性溶剤の揮発速度が速いので、光ビーム照射の待ち時間が短かくなり、製造時間を短縮することができる。
請求項7の発明によれば、光ビームが透過するレンズの汚れを防ぐことができるので、光ビームが安定し、精度の良い三次元形状造形物を製造することができる。吸引することにより、高揮発性溶剤の揮発速度も速くなり、光ビーム照射の待ち時間を短くすることができる。また、環境汚染を防止することができ、製造の安全性も高めることができる。
請求項の発明によれば、製造される三次元形状造形物の表面粗さが細かくなり、寸法精度が向上する。
(第1の参考形態)
本発明の第1の参考形態に係る三次元形状造形物の製造方法について図面を参照して説明する。図1は、三次元形状造形物の製造に用いる金属光造形加工機の構成を、図2は、材料に用いる金属粉末のSEM写真を示す。金属光造形加工機1は、材料となる金属ペースト21の材料層22が敷かれる造形用プレート31と、造形用プレート31を保持し、上下に昇降する造形テーブル32と、金属ペースト21を造形用プレート31に供給する筒状容器41と、矢印A方向に移動して材料層22を形成するワイパ42と、光ビームLを発する光ビーム発信器51と、光ビームLを材料層22の上にスキャニングするガルバノミラー52と、造形物の周囲を削るミーリングヘッド61と、ミーリングヘッド61を切削箇所に移動させるXY駆動機構62と、材料層22を加熱するヒータ71と、材料層22より発生するヒュームを吸引する吸引器72とを備えている。光ビーム発信器51は、例えば、炭酸ガスレーザやファイバーレーザの発信器である。ミーリングヘッド61の工具(ボールエンドミル)は直径が0.6mm(有効刃長1mm)のものを使用している。
金属ペースト21は、50〜70vol%の金属粉末と、30〜50vol%の高揮発性溶剤とを含んでいる。金属粉末は、形状が略球状であり、平均粒径が1〜100μmで、好ましくは1〜20μmである。金属粉末は、例えば、SCM440粉末である鉄系粉末と、ニッケル粉末及び/又はニッケル系合金粉末と、例えば、CuMnNi粉末である銅粉末及び/又は銅系合金粉末とから構成されている。そして、金属粉末中における鉄系粉末の構成比率が60〜90wt%であり、ニッケル粉末及び/又はニッケル系合金粉末の構成比率が5〜35wt%であり、銅粉末及び/又は銅系合金粉末の構成比率が5〜15wt%である。高揮発性溶剤は、例えば、キシレンやトルエンのようなアルコール系溶剤であり、金属ペースト21の流動性が良くなる。また、揮発して不純物を残さない。
図3は、三次元形状造形物の製造方法の動作を時系列的に示す。図3(a)に示されるように、金属光造形加工機は、周囲が囲まれた造形枠33の内部に昇降自由な造形テーブル32を備えており、造形テーブル32の上には造形物を積層する為の造形用プレート31が配設されている。図3(b)に示されるように、金属光造形加工機は、造形を開始する第1層目の高さBだけ造形テーブル32を下降させ、造形用プレート31の上に材料である金属ペースト21を、ワイパ42を矢印A方向に移動させて供給し、材料層22を形成する。この造形テーブル32を下降して金属ペースト21を供給する動作は、材料層形成工程を構成する。
ここで、材料層形成工程の詳細について図4を参照して説明する。図4(a)に示されるように、金属粉末24と高揮発性溶剤25とを混合容器43にいれて混合し、金属ペースト21を作成する。金属ペースト21の作成は、材料層積層工程を始める直前に行ない、高揮発性溶剤25の揮発を防止するのが望ましい。図4(b)に示されるように、混合容器43の金属ペースト21を筒状容器41に入れる。筒状容器41は、下部から金属ペースト21を注出するようになっている。図4(c)に示されるように、筒状容器41は、矢印C方向に移動しながら、金属ペースト21を造形用プレート31の近傍に注出する。次に、図4(d)に示されるように、ワイパ42は、矢印D方向へ移動し、金属ペースト21を造形用プレート31の上に敷き、厚みが1μm〜200μm、好ましくは5μm〜20μmの材料層22を形成する。
再び、図3に戻って、材料層22が形成された後の製造方法を説明する。図3(c)に示されるように、金属光造形加工機は、材料層22を自然乾燥させ、ヒューム23を生じて高揮発性溶剤を揮発する。次に、図3(d)に示されるように、金属光造形加工機は、造形用プレート31の上に形成された材料層22に光ビームLを照射する。照射された箇所のみが第1層目の造形物として造形用プレート31上に、接合して造形される。光ビーム発信器は、光ビームLを発し、ガルバノミラーによって材料層22の上の任意の位置にスキャニングし、材料層22を溶融し、凝固させて造形用プレート31と一体化した焼結層81を形成する。この光ビームLによって焼結層81を形成する動作は、照射工程を構成する。光ビームLの照射経路は、予め三次元CADデータから作成しておく。三次元CADモデルから生成したSTLデータを等ピッチでスライスした各断面の輪郭形状データを用いる。また、光ビームLの照射は、不活性雰囲気、又は還元性雰囲気で行なうことが望ましく、特に、高密度の三次元形状造形物の製造を行なう場合には、不活性雰囲気、又は還元性雰囲気が必要である。
第1層目の造形が終了すると、図3(e)に示されるように、金属光造形加工機は、積層する高さBだけ造形テーブル32を下降させ、次の層の金属ペースト21を供給し、図3(f)に示されるように、材料層22を自然乾燥させ、ヒューム23を生じて高揮発性溶剤を揮発させ、図3(g)に示されるように、造形する箇所に光ビームLを照射する。こうして、金属ペースト21の供給と光ビームLの照射を繰り返すことにより、図3(h)に示されるように、焼結層81を積層し、三次元形状造形物82を製造する。この、焼結層81を積層する動作は、積層工程を構成する。
上述の製造方法においては、材料が金属粉末と高揮発性溶剤とを混錬した金属ペースト21であるので、金属粉末を微粉末にしても流動性が良く、材料層22を均一に薄く形成することができ、精度の良い三次元形状造形物82を製造することができる。また、金属粉末が舞い上がることがなく、材料の取り扱い性が良い。金属粉末と高揮発性溶剤の混合を上述の混合比としているので、適度な流動性を得ることができ、更に材料層を均一に薄く形成することができ、精度の良い三次元形状造形物82を製造することができる。光ビームLの照射の前に高揮発性溶剤を揮発させており、不純物が少ないので、高密度、高強度の三次元形状造形物を得ることができる。また、金属粉末の平均粒径を1〜100μmと細かくし、材料層22を1〜200μmと薄くしているので、更に、精度の良い三次元形状造形物82を製造することができる。
金属粉末が上述の組成なので、焼結層81の盛り上がりが小さくなり、次の材料層22が形成しやすい。また、製造される三次元形状造形物82の外観での割れや、内部組織のマイクロクラックの発生を抑えることができる。
金属ペースト21が筒状容器41に入れられているので、高揮発性溶剤25が蒸発せず、組成が安定した状態で金属ペースト21を供給することができ、精度の良い三次元形状造形物82を製造することができる。また、材料の供給スペースを狭くすることができるので、金属光造形加工機を小型化することができると共に、光ビームLの照射中に供給する不活性ガスや還元性ガスを少なくすることができる。
(第2の参考形態)
本発明の第2の参考形態に係る三次元形状造形物の製造方法について説明する。図5は、本参考形態の製造方法における材料層の加熱動作を示す。本参考形態における金属光造形加工機は、第1の参考形態と同等の構成でよく、また、製造方法の各工程についても第1の参考形態と同等のものでよい(以下、同様)。本参考形態においては、材料層形成工程と照射工程の間において、材料層22をヒータ71により加熱し、高揮発性溶剤はヒューム23を生じて揮発する。自然乾燥に比べて高揮発性溶剤の揮発速度が速いので、光ビーム照射の待ち時間が短かくなり、製造時間を短縮することができる。
(第3の参考形態)
本発明の第3の参考形態に係る三次元形状造形物の製造方法について説明する。図6は、本参考形態の製造方法におけるヒュームの吸引動作を示す。本参考形態においては、材料層形成工程と照射工程の間において、吸引器72が材料層22より発生するヒューム23を吸引する。ヒューム23を吸引することにより、光ビームLが透過するレンズがヒューム23によって汚れないので、光ビームLが安定し、精度の良い三次元形状造形物を製造することができる。また、吸引することにより、高揮発性溶剤の揮発速度も速くなり、光ビーム照射の待ち時間が短くなり、製造時間を短縮することができる。また、環境汚染を防止することができ、製造の安全性も高めることができる。
第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る三次元形状造形物の製造方法について説明する。図7は、本実施形態における製造方法に用いる金網の構成を示す。本実施形態では、材料層積層工程において、金属ペーストと金網26を用いて材料層を形成する。金網26は、縦方向と横方向に並べられた金属線27により構成されており、金属線27同士は、電気溶接により接合されている。金属線27の線径Fは0.01〜0.1mmであり、金属線27間の間隔Gは、0.01〜0.1mmである。金属線27の成分は、金属粉末に含まれている金属を使用しており、金属線27と金属粉末とを合計した全体において、鉄の構成比率が60〜90wt%であり、ニッケルの構成比率が5〜35wt%であり、銅の構成比率が5〜15wt%である。
図8は、三次元形状造形物の製造方法の動作を時系列的に示す。図8(a)に示されるように、金網26が造形用プレート31に載置される。次に、図8(b)に示されるように、金属光造形加工機は、造形を開始する第1層目の高さBだけ造形テーブル32を下降させ、ワイパ42を矢印A方向に移動させて、金属ペースト21を造形用プレート31の上に供給し、材料層22を形成する。材料層22が形成されると、図8(c)に示されるように、金属光造形加工機は、材料層22を自然乾燥させ、ヒューム23を生じて高揮発性溶剤を揮発させる。次に、図8(d)に示されるように、金属光造形加工機は、材料層22に光ビームLを照射する。照射された箇所のみが第1層目の造形物として造形用プレート31上に、接合して造形される。光ビームLによって、焼結層81と金網26とを切り離しておくと、造形が終了した時に、三次元形状造形物を取り出しやすい。
第1層目の造形が終了すると、図8(e)に示されるように、積層する高さBだけ造形テーブル32を下降させ、次の層の金網26を載置し、金属ペースト21を供給し、図8(f)に示されるように、材料層22を自然乾燥により、高揮発性溶剤を揮発させ、図8(g)に示されるように、造形する箇所に光ビームLを照射する。こうして、金網26と金属ペースト21の供給と光ビームLの照射を繰り返すことにより焼結層81を積層し、図8(h)に示されるように、三次元形状造形物82を製造することができる。
本実施形態においては、金属材料として金網26と金属ペースト21とを複合して供給するので、金属ペースト21のみの場合と比較して金属を高密度で供給することができ、三次元形状造形物82を寸法精度が良く、かつ、高密度・高強度に製造することができ、また、材料の偏析が生じにくい。金属線27が細いので、材料層22の厚みを薄くすることができ、三次元形状造形物82の寸法精度を良くすることができる。また、金属線27が細すぎないので、光ビームLの照射時に金属線27が飛散しにくい。金網26が上述の組成なので、焼結層81の盛り上がりが小さくなり、次に積層する金網26を精度良く、配置することができ、また、製造される三次元形状造形物82の外観での割れや、内部組織のマイクロクラックの発生を抑えることができる。
第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る三次元形状造形物の製造方法について説明する。図9は、本実施形態における製造方法での切削工程を示す。本実施形態においては、造形物の周囲をミーリングヘッド61によって切削する。積層した焼結層の厚みがミーリングヘッド61の有効刃長1mm以下の、例えば、0.5mmになると、金属光造形加工機1は、ミーリングヘッド61を駆動し、XY駆動機構62によってミーリングヘッド61を矢印X及び矢印Y方向に移動させ(図1参照)、造形物の表面を切削する。この造形物の表面を切削する動作は、切削工程を構成する。そして、積層した焼結層の厚みが0.5mmになる度に、繰り返して造形物の表面を切削する。製造される三次元形状造形物82の表面粗さが細かくなり、寸法精度が向上する。
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、金網は金属線を編んで作成してもよいし、金属線を圧着により接合して作成してもよい。また、金網において、金属線を2方向でなく、3方向に組み合わせてもよい。また、金属粉末の形状は略球状でなくても、例えば、棒状や板状でもよい。金属粉末が略球状でない場合の粒径は、顕微鏡法によって測定した粒子の最大差渡し寸法をいう。
本発明の第1の参考形態に係る製造方法に用いる金属光造形加工機の斜視図。 同製造方法に用いる金属粉末のSEM写真。 同製造方法を時系列に説明する図。 同製造方法の材料層形成工程の詳細を説明する図。 本発明の第2の参考形態に係る製造方法における材料層の加熱動作を説明する図。 本発明の第3の参考形態に係る製造方法におけるヒュームの吸引動作を説明する図。 本発明の第1の実施形態に係る製造方法に用いる金網の構成図。 同製造方法を時系列に説明する図。 本発明の第2の実施形態に係る製造方法における切削工程を説明する図。
符号の説明
22 材料層
24 金属粉末
25 高揮発性溶剤
26 金網
27 金属線
31 造形用プレート
81 焼結層
82 三次元形状造形物
L 光ビーム

Claims (8)

  1. 三次元形状造形用の材料を造形用プレート上に供給して、材料層を形成する材料層形成
    工程と、
    前記材料層に光ビームを照射して、焼結層又は溶解層を形成する照射工程と、
    前記材料層形成工程と照射工程とを繰り返すことにより前記焼結層又は溶解層を前記造
    形用プレート上に積層する積層工程と、を備えた三次元形状造形物の製造方法において、
    前記材料として、金属粉末と高揮発性溶剤とを混合したものを用い、
    前記照射工程における光ビーム照射は、前記材料層形成工程において形成された材料層
    中の前記高揮発性溶剤が揮発した後に行なうようにし、
    前記材料層は、金属線より形成された金網を有することを特徴とする三次元形状造形物
    の製造方法。
  2. 前記材料は、50vol%以上70vol%以下の金属粉末と、30vol%以上50
    vol%以下の高揮発性溶剤と、を有することを特徴とする請求項1に記載の三次元形状
    造形物の製造方法。
  3. 前記金属粉末の平均粒径が1μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  4. 前記金属粉末は、鉄系粉末の構成比率が60wt%以上90wt%以下であり、ニッケ
    ル粉末及びニッケル系合金粉末の両方又はいずれか一方の構成比率が5wt%以上35w
    t%以下であり、銅粉末及び銅系合金粉末の両方又はいずれか一方の構成比率が5wt%
    以上15wt%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載
    の三次元形状造形物の製造方法。
  5. 前記材料層の厚みが1μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれか一項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  6. 前記材料層形成工程において、前記材料層を加熱して前記高揮発性溶剤を揮発させるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の三次元形状造形物の製造方
    法。
  7. 前記材料層形成工程において、前記材料層から揮発する前記高揮発性溶剤を吸引して回
    収することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の三次元形状造形物
    の製造方法。
  8. 前記焼結層又は溶解層の形成後に、それまでに積層して得られた三次元形状造形物の表
    面部及び/又は不要部分の切削除去を行なう切削工程を更に備えたことを特徴とする請求
    項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
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