JP4915083B2 - 車両の駆動力配分制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は車両の駆動力配分制御装置に係り、特に速度域に応じたきめ細かい制御を行い、速度域に応じた良好な四輪駆動性能を発揮させる車両の駆動力配分制御装置に関するものである。
車両においては、エンジンからの駆動力を車両の走行状態に応じて、主駆動輪及び副駆動輪へと配分する駆動力配分装置を備えているものがある。
特開平8−175208号公報 特開2001−287559号公報
ところで、従来の四輪駆動車(単に「車両」ともいう。)において、車輪へ伝達されるトルクを制御するために、車両の動力伝達経路に設けられて作動させられる駆動力配分装置が知られている。
電子制御を用いた駆動力配分装置のクラッチの締結度合いは、制御装置から出力される駆動電流値によって決定される。
この駆動電流値は、車両の各車輪に取り付けられている車輪用回転速度センサから計算される車速や前後差回転(「回転速度差」ともいう。)(ΔN)、その他のセンサ(エンジン回転・スロットル・アクセルなど)の情報を基に、副駆動輪に伝達するトルクを求め、伝達トルク−駆動電流値特性(図4参照)に当てはめて求められるが、低燃費や駆動系負荷軽減をし、かつ車両の性能を発揮するためには、前後差回転(ΔN)情報が最も重要であり、前後差回転(ΔN)の求め方が車両の性能に大きく影響する。
しかし、車輪用回転速度センサは、低車速になると出力されるパルス信号が少なくなるため、前後差回転(ΔN)を精度良く求めることが困難になってしまうという不都合がある。
上述の不具合に対して、現在では、回転速度センサから得られた過去複数個のパルスデータ(数個〜数十個)と、一番新しいパルスデータとを使い、フィルタ処理したパルス数から制御で用いる前後差回転(ΔN)を算出している。
しかし、フィルタ処理したパルス数を使って計算される前後差回転(ΔN)は、使用したデータの数に応じた応答遅延時間を持っているため、発進時等の急激に前後差回転(ΔN)が発生した場合において、後輪へのトルク伝達が応答遅延時間分だけ遅れてしまう。
この結果、発進時の前後差回転(ΔN)を抑制できない、スムーズに発進できない等の種々状況の発生によって、四輪駆動性能が十分に発揮できないという不都合がある。
この発明の目的は、速度域に応じたきめ細かい制御を実現し、どんな速度域においても良好な四輪駆動性能を発揮し得る車両の駆動力配分制御装置を実現するにある。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、車両速度を検出する車速検出手段、左右の前輪の車輪速度と左右の後輪の車輪速度とを検出し各車輪の瞬時回転速度と平均回転速度とを算出する回転速度検出手段、各車輪の瞬時回転速度から前記主駆動輪と前記副駆動輪との瞬時回転速度差を算出する瞬時回転速度差算出手段、各車輪の平均回転速度から前記主駆動輪と前記副駆動輪との平均回転速度差を算出する平均回転速度差算出手段、前記瞬時回転速度差算出手段と前記平均回転速度差算出手段とから前記主駆動輪と前記副駆動輪との回転速度差を算出する回転速度差算出手段、この回転速度差算出手段により算出された回転速度差の値を用い前記副駆動輪に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段、この伝達トルク算出手段により算出された伝達トルクに応じ前記駆動力配分装置を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段、前記車速検出手段により検出された車両速度に応じ前記回転速度差算出手段における前記瞬時回転速度差算出手段に対する重み付けを設定する重み付け設定手段を備え、車両の走行状態に応じてエンジンからの駆動力を変速機を介して主駆動輪及び副駆動輪へと配分する駆動力配分装置を備えている車両の駆動力配分制御装置において、前記重み付け設定手段は、任意に設定される設定車速を有し、この設定車速と前記車両速度の差分とその設定車速の比によって算出される車速係数を前記重み付けとし、前記回転速度差算出手段は、前記車両速度が前記設定車速未満の場合、前記瞬時回転速度差を前記重み付けして補正するとともに補正した前記重み付けの補数によって前回算出した前記回転速度差を補正しそれらを加算した上で前記重み付けを乗ずるとともに、前記重み付けの補数を前記平均回転速度差に対して乗じ、さらにこれらを加算することにより回転速度差を算出することを特徴とする。
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、回転速度差を算出する場合において、車両速度に応じて、算出式を変更できるような重み付けが設定されており、速度域に応じたきめ細かい制御を実現することが可能であり、これによって、どんな速度域においても良好な四輪駆動性能を発揮することが可能である。

上述の如く発明したことにより、回転速度差を算出する場合において、車速検出手段により検出された車両速度に応じて、重み付け設定手段によって、回転速度差算出手段における前記瞬時回転速度差算出手段に対する算出式を変更できるような重み付けが設定が設定され、速度域に応じたきめ細かい制御を実現し、どんな速度域においても良好な四輪駆動性能を発揮している。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図4はこの発明の実施例を示すものである。図2において、1はFFベースの四輪駆動車(以下、単に「車両」という。)、2は車両1の駆動力配分制御装置である。
前記車両1は、図2に示す如く、前側かつ横置き状態にエンジン3を搭載するとともに、このエンジン3にトランスミッション4とフロントデフ5とトランスファ6を設ける。
そして、フロントデフ5に前側左用ドライブシャフト7及び前側右用ドライブシャフト8の一端側を接続し、前側左用ドライブシャフト7の他端側に前側左車輪9を装着するとともに、前側右用ドライブシャフト8の他端側には前側右車輪10を装着する。
また、前記トランスファ6には、プロペラシャフト11を介して駆動力配分装置12を接続し、この駆動力配分装置12にリヤデフ13を設ける。
そして、このリヤデフ13に後側左用ドライブシャフト14及び後側右用ドライブシャフト15の一端側を接続し、後側左用ドライブシャフト14の他端側に後側左車輪16を装着するとともに、後側右用ドライブシャフト15の他端側には後側右車輪17を装着する。
このとき、前記駆動力配分装置12は、前記エンジン3からの駆動力を車両の走行状態に応じて、主駆動輪側の前側左右用ドライブシャフト7、8及び副駆動輪側の後側左右用ドライブシャフト14、15へと配分する機能を有している。
つまり、前記エンジン3からの出力は、トランスミッション4とフロントデフ5と前側左右用ドライブシャフト7、8を介して、前側左右車輪9、10に伝達される。
そして、フロントデフ5に入力されたトルクの一部は、トランスファ6によって後輪側に伝達され、プロペラシャフト11と駆動力配分装置12とリヤデフ13と後側左右用ドライブシャフト14、15を介して、後側左右車輪16、17に伝達される。
前記駆動力配分装置12は、従来のものと同様に、電子制御可能なクラッチとコイル等によって構成されており、この駆動力配分装置12の締結力は、制御装置18からの駆動信号によって決定される。
更に、前記駆動力配分制御装置2は、制御装置18を備えるとともに、車両速度を検出する車速検出手段19を備え、左右の前輪の車輪速度と左右の後輪の車輪速度とを検出し、各車輪の瞬時回転速度と平均回転速度とを算出する回転速度検出手段20を備え、各車輪の瞬時回転速度から前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との瞬時回転速度差(「瞬時前後差回転」ともいう。)を算出する瞬時回転速度差算出手段21を備え、各車輪の平均回転速度から前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との平均回転速度差(「平均前後差回転」ともいう。)を算出する平均回転速度差算出手段22を備え、前記瞬時回転速度差算出手段21と前記平均回転速度差算出手段22とから前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差(「前後差回転」ともいう。)を算出する回転速度差算出手段23を備え、この回転速度差算出手段23により算出された回転速度差の値を用いて、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段24を備え、この伝達トルク算出手段24により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段25を備え、前記車速検出手段19により検出された車両速度に応じて、前記回転速度差算出手段23における前記瞬時回転速度差算出手段21に対する重み付けを設定する重み付け設定手段26を備える構成を有する。
詳述すれば、前記制御装置18には、図2に示す如く、前記回転速度検出手段20を構成する4個の前側左車輪9に取り付けられる第1回転速度センサ27と、前側右車輪10に取り付けられる第2回転速度センサ28と、後側左車輪16に取り付けられる第3回転速度センサ29と、後側右車輪17に取り付けられる第4回転速度センサ30とが接続されるとともに、CAN(自動車内のLAN(Local Area Network)規格)通信ラインと、モード切換スイッチ31とが接続される。
このとき、前記第1〜第4回転速度センサ27、28、29、30は、通常の四輪駆動車が備えるアンチ・ロック・ブレーキシステム(「ABS」ともいう。)のセンサを流用したものであり、第1〜第4回転速度センサ27、28、29、30からの出力が前記制御装置18に入力される。
そして、前側の前記第1、第2回転速度センサ27、28から前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10の回転速度(前記駆動力配分装置12の入力軸回転速度)を求めることができ、後側の前記第3、第4回転速度センサ29、30からは、駆動力配分装置12の出力軸回転速度を求めることができるため、前記回転速度差検出手段23は、以下の式によって車両の前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差を検出することとなる。
回転速度差(ΔN)
=駆動力配分装置12の入力軸回転速度−駆動力配分装置12の出力軸回転速度
また、CAN通信ラインからは、前記駆動力配分装置12へ出力する電流値を制御するために必要なエンジン回転やスロットル開度等の情報が前記制御手段18に入力される。
更に、前記モード切換スイッチ31は、2WDモードと、回転速度差が発生した時のみ4WD状態になる4WD−AUTOモードと、常時4WD状態になる4WD−LOCKモードとの3つモードを有し、これらのモードのうち、いずれかのモードを選択でき、このスイッチ信号は前記制御手段18に入力される。
このとき、前記重み付け設定手段26は、車速が設定車速未満において、車両速度が低くなるほど、前記瞬時回転速度差算出手段21に対する重み付けが大きくなるように設定される。
追記すれば、この発明の実施例においては、以下の2つの特徴を持った計算式を使用する。
(1)車速が「0」に近いほど、制御周期毎に更新される各車輪の第1〜第4回転速度センサ27、28、29、30のパルスデータから算出した瞬時回転速度差(「瞬時前後差回転」ともいう。)の重み付けが大きくなり、車速が任意の設定車速に近いほど、過去数十個(個数は任意)と一番新しいパルスデータでフィルタ処理したパルス数から算出した平均回転速度差(「平均前後差回転」ともいう。)の重み付けが大きくなる。
(今回は、上述の任意の設定車速を5km/h、フィルタ処理に用いたデータ数は50個とした。)
(2)係数が0%に近いほど、1つ前の制御周期で用いた回転速度差の重み付けが大きくなり、係数が100%に近いほど、瞬時回転速度差の重み付けが大きくなる。
(今回は、係数=8とした。)
ここで、前記計算式を開示する。
Figure 0004915083
なお、上記した計算式においては、種々の下付き記号や文字等を使用しているが、文字入力の際には、極めて小さくなって判別できない状況となるおそれがあり、このような不具合を解消し、判別かつ理解を容易とするために、通常の大きさの文字を使用して説明する。
そして、計算から求めた回転速度差の応答遅延時間を短くしたい車速領域(下限車速は0km/hで固定)を決め、任意の設定車速V0を、
V0=5km/h
とする。
車速Viが任意の設定車速V0よりも低い場合は、上記の計算式によって回転速度差ΔNiを算出し、制御に用いる。
車速Viが任意の設定車速V0よりも高い場合は、任意のデータ数で平均化した平均回転速度差ΔN平均を制御に用いる。
次に、上記の計算式の中で使用している瞬時回転速度差Δniと平均回転速度差ΔN平均との算出方法について記載する。
先ず、制御周期毎に更新される各車輪の第1〜第4回転速度センサ27、28、29、30のパルスデータから算出した瞬時回転速度差Δniについて説明する。
第1手順として、4個の各車輪の第1〜第4回転速度センサ27、28、29、30からパルス数を取得する。
第2手順として、各車輪である前側左右車輪9、10及び後側左右車輪16、17の瞬時回転速度を次式より算出する。
瞬時回転速度(rpm)
=パルス数/1回転当たりのパルス数X60000/制御周期(msec)
第3手順として、前輪の左右、つまり前側左右車輪9、10の瞬時回転速度から、以下の式によって前記駆動力配分装置12の入力軸の瞬時回転速度を算出する。
入力軸の瞬時回転速度
=(前側左車輪9の瞬時回転速度+前側右車輪10の瞬時回転速度)X前輪係数
第4手順として、後輪の左右、つまり後側左右車輪16、17の瞬時回転速度から、以下の式によって前記駆動力配分装置12の出力軸の瞬時回転速度を算出する。
出力軸の瞬時回転速度
=(後側左車輪16の瞬時回転速度+後側右車輪17の瞬時回転速度)X後輪係数
第5手順として、入力軸の瞬時回転速度と出力軸の瞬時回転速度とから、以下の式によって瞬時回転速度差Δniを算出する。
瞬時回転速度差Δni=入力軸の瞬時回転速度−出力軸の瞬時回転速度
ただし、前輪係数及び後輪係数は、ディファレンシャルのギヤ比などによって決定される係数である。
また、過去数十個と一番新しいパルスデータでフィルタ処理したパルス数から算出した平均回転速度差ΔN平均について説明する。
第1手順として、4個の各車輪の第1〜第4回転速度センサ27、28、29、30からパルス数を取得する。
第2手順として、各車輪である前側左右車輪9、10及び後側左右車輪16、17の平均回転速度を次式より算出する。
平均回転速度(rpm)
=n回の制御周期で取得したパルス数を全て加算した値/n
/1回転当たりのパルス数X60000/制御周期(msec)
第3手順として、前輪の左右、つまり前側左右車輪9、10の平均回転速度から、以下の式によって前記駆動力配分装置12の入力軸の平均回転速度を算出する。
入力軸の平均回転速度
=(前側左車輪9の平均回転速度+前側右車輪10の平均回転速度)X前輪係数
第4手順として、後輪の左右、つまり後側左右車輪16、17の平均回転速度から、以下の式によって前記駆動力配分装置12の出力軸の平均回転速度を算出する。
出力軸の平均回転速度
=(後側左車輪16の平均回転速度+後側右車輪17の平均回転速度)X後輪係数
第5手順として、入力軸の平均回転速度と出力軸の平均回転速度とから、以下の式によって平均回転速度差ΔN平均を算出する。
平均回転速度差ΔN平均=入力軸の瞬時回転速度−出力軸の瞬時回転速度
ただし、前輪係数及び後輪係数は、ディファレンシャルのギヤ比などによって決定される係数である。
ここで、例として、急発進時の各車輪である前側左右車輪9、10及び後側左右車輪16、17のパルスデータから、上記の計算式を使って求め、制御に用いる回転速度差ΔNiと、各車輪である前側左右車輪9、10及び後側左右車輪16、17の50個のパルスデータを平均して求めた回転速度差、つまり平均回転速度差ΔN平均と、各車輪1個のパルスデータから求めた回転速度差、つまり瞬時回転速度差Δniとを比較したグラフを図3に開示する。
(ただし、上記の計算式における設定車速V0は、
V0=5km/h
とした。)
このとき、図3のグラフに関して説明すると、各車輪1個のパルスデータから求めた回転速度差である瞬時回転速度差Δniを使用して制御行った場合には、図3(細線にて記載)に示す如く、回転速度差の激しい変動と同じように、車両の挙動も激しく変化するため、制御上好ましくない。
また、各車輪たる前側左右車輪9、10及び後側左右車輪16、17の50個のパルスデータを平均して求めた回転速度差である平均回転速度差ΔN平均を使って制御した場合には、図3(一点鎖線にて記載)に示す如く、発進直後の回転速度差の立ち上がりが遅く、副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17へトルクを伝達するまでに時間がかかるため、空転を抑制できなかったり、発進がスムーズでなかったり等の状況発生により、四輪駆動としての商品力が低下してしまう。
これに対して、上記の計算式を使って求め、制御に用いる回転速度差ΔNiは、図3(太線にて記載)に示す如く、立ち上がりが早く、副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクも立ち上がり速度に合わせて短時間で増加するため、発進時の空転が抑制でき、四輪駆動としての発進性能が十分に発揮できる。
従って、上記の計算式を使って求めた回転速度差ΔNiと、アクセル開度・車速・エンジン回転から、後輪、つまり副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを求め、そのトルクを図4の伝達トルク−駆動電流特性に当てはめ、駆動電流を算出し、前記制御装置18から前記駆動力配分装置12へ駆動信号を出力する。
次に図1の前記駆動力配分制御装置2の制御用フローチャートに沿って作用を説明する。
前記駆動力配分制御装置2の制御用プログラムがスタート(A01)すると、前記車両1の各車輪たる前側左右車輪9、10及び後側左右車輪16、17に取り付けられた第1〜第4回転速度センサ27、28、29、30からパルス数を取得するとともに、その他、駆動電流を算出するために必要なセンサデータやCAN通信ラインによるCANデータを取得する処理(A02)に移行する。
そして、データを取得する処理(A02)の後に、次式より各車輪である前側左右車輪9、10及び後側左右車輪16、17の瞬時回転速度を算出する処理(A03)に移行する。
瞬時回転速度(rpm)
=パルス数/1回転当たりのパルス数X60000/制御周期(msec)
瞬時回転速度を算出する処理(A03)の後に、次式より各車輪である前側左右車輪9、10及び後側左右車輪16、17のn回の平均回転速度を算出する処理(A04)に移行する。
平均回転速度(rpm)
=制御周期n回分のパルス数を全て加算した値/n
X1回転当たりのパルス数X60000/制御周期(msec)
n回の平均回転速度を算出する処理(A04)の後には、前輪の左右、つまり前側左右車輪9、10の瞬時回転速度から、以下の式によって前記駆動力配分装置12の入力軸の瞬時回転速度を算出するとともに、後輪の左右、つまり後側左右車輪16、17の瞬時回転速度から、以下の式によって前記駆動力配分装置12の出力軸の瞬時回転速度を算出する処理(A05)に移行する。
入力軸の瞬時回転速度
=(前側左車輪9の瞬時回転速度+前側右車輪10の瞬時回転速度)X前輪係数
出力軸の瞬時回転速度
=(後側左車輪16の瞬時回転速度+後側右車輪17の瞬時回転速度)X後輪係数
入力軸の瞬時回転速度と出力軸の瞬時回転速度とを算出する処理(A05)の後に、以下の式によって、入力軸の瞬時回転速度と出力軸の瞬時回転速度とから瞬時回転速度差(「瞬時前後差回転」ともいう。)Δniを算出する処理(A06)に移行する。
瞬時回転速度差Δni=入力軸の瞬時回転速度−出力軸の瞬時回転速度
瞬時回転速度差Δniを算出する処理(A06)の後には、以下の式によって、前輪の左右、つまり前側左右車輪9、10の平均回転速度から前記駆動力配分装置12の入力軸の平均回転速度を算出するとともに、以下の式によって、後輪の左右、つまり後側左右車輪16、17の平均回転速度から前記駆動力配分装置12の出力軸の平均回転速度を算出するする処理(A07)に移行する。
入力軸の平均回転速度
=(前側左車輪9の平均回転速度+前側右車輪10の平均回転速度)X前輪係数
出力軸の平均回転速度
=(後側左車輪16の平均回転速度+後側右車輪17の平均回転速度)X後輪係数
入力軸の平均回転速度と出力軸の平均回転速度とを算出する処理(A07)の後に、以下の式によって、入力軸の平均回転速度と出力軸の平均回転速度とから平均回転速度差(「平均前後差回転」ともいう。)ΔN平均を算出する処理(A08)に移行する。
平均回転速度差ΔN平均=入力軸の瞬時回転速度−出力軸の瞬時回転速度
そして、平均回転速度差ΔN平均を算出する処理(A08)の後には、後輪、つまり後側左右車輪16、17の平均回転速度から車速Viを算出する処理(A09)に移行し、その後に判定1の判断(A10)に移行する。
つまり、この判定1の判断(A10)は、車速Viが任意の設定車速V0より小さいか否かを判断するものであり、この判定1である車速Viが任意の設定車速V0より小さいか否かの判断(A10)において、判断(A10)がYESの場合には、以下の計算式によって、回転速度差(「前後差回転」ともいう。)ΔNiを算出する処理(A11)に移行し、
Figure 0004915083
判断(A10)がNOの場合には、以下の等式によって、回転速度差(「前後差回転」ともいう。)ΔNiを求める処理(A12)に移行する。
回転速度差ΔNi=平均回転速度差ΔN平均
そして、上述の処理(A11)及び処理(A12)の後には、前記モード切換スイッチ31や車速、回転速度差ΔNi、アクセル開度等の情報から、後輪である後側左右車輪16、17に伝達するトルクを算出する処理(A13)に移行する。
この後側左右車輪16、17に伝達するトルクを算出する処理(A13)の後に、算出したトルクを図4の「伝達トルク−駆動電流値特性」に当てはめる処理(A14)に移行する。
また、算出したトルクを図4の「伝達トルク−駆動電流値特性」に当てはめる処理(A14)において、駆動電流値を求めた後には、この駆動電流値を出力する処理(A15)に移行し、その後に前記駆動力配分制御装置2の制御用プログラムのエンド(A16)に移行する。
これにより、前記制御装置18を備えるとともに、車両速度を検出する車速検出手段19を備え、左右の前輪の車輪速度と左右の後輪の車輪速度とを検出し、各車輪の瞬時回転速度と平均回転速度とを算出する回転速度検出手段20を備え、各車輪の瞬時回転速度から前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との瞬時回転速度差(「瞬時前後差回転」ともいう。)を算出する瞬時回転速度差算出手段21を備え、各車輪の平均回転速度から前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との平均回転速度差(「平均前後差回転」ともいう。)を算出する平均回転速度差算出手段22を備え、前記瞬時回転速度差算出手段21と前記平均回転速度差算出手段22とから前記主駆動輪である前側左車輪9及び前側右車輪10と前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17との回転速度差(「前後差回転」ともいう。)を算出する回転速度差算出手段23を備え、この回転速度差算出手段23により算出された回転速度差の値を用いて、前記副駆動輪である後側左車輪16及び後側右車輪17に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段24を備え、この伝達トルク算出手段24により算出された伝達トルクに応じて、前記駆動力配分装置12を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段25を備え、前記車速検出手段19により検出された車両速度に応じて、前記回転速度差算出手段23における前記瞬時回転速度差算出手段21に対する重み付けを設定する重み付け設定手段26を備える前記駆動力配分制御装置2によって、回転速度差を算出する場合において、車両速度に応じて、算出式を変更できるような重み付けが設定されており、速度域に応じたきめ細かい制御を実現することが可能であり、これによって、どんな速度域においても良好な四輪駆動性能を発揮することが可能である。
また、前記重み付け設定手段26は、車速が設定車速未満において、車両速度が低くなるほど、前記瞬時回転速度差算出手段21に対する重み付けが大きくなるように設定されることにより、発進時や低車速時のような回転速度検出手段から検出されるパルス数が少ない場合でも、制御応答時間を短縮することができ、これによって、発進性能と低車速時における四輪駆動性能を向上させることが可能である。
この発明の実施例を示す駆動力配分制御装置の制御用フローチャートである。 車両の駆動力配分制御装置のシステム図である。 前後差回転と時間とにより急発進時における前後差回転計算の比較を示す図である。 伝達トルク−駆動電流特性を示す図である。
符号の説明
1 四輪駆動車(以下、単に「車両」という。)
2 駆動力配分制御装置
3 エンジン
4 トランスミッション
5 フロントデフ
6 トランスファ
7 前側左用ドライブシャフト
8 前側右用ドライブシャフト
9 前側左車輪
10 前側右車輪
11 プロペラシャフト
12 駆動力配分装置
13 リヤデフ
14 後側左用ドライブシャフト
15 後側右用ドライブシャフト
16 後側左車輪
17 後側右車輪
18 制御装置
19 車速検出手段
20 回転速度検出手段
21 瞬時回転速度差算出手段
22 平均回転速度差算出手段
23 回転速度差算出手段
24 伝達トルク算出手段
25 駆動電流算出手段
26 重み付け設定手段
27 第1回転速度センサ
28 第2回転速度センサ
29 第3回転速度センサ
30 第4回転速度センサ
31 モード切換スイッチ

Claims (1)

  1. 車両速度を検出する車速検出手段、左右の前輪の車輪速度と左右の後輪の車輪速度とを検出し各車輪の瞬時回転速度と平均回転速度とを算出する回転速度検出手段、各車輪の瞬時回転速度から前記主駆動輪と前記副駆動輪との瞬時回転速度差を算出する瞬時回転速度差算出手段、各車輪の平均回転速度から前記主駆動輪と前記副駆動輪との平均回転速度差を算出する平均回転速度差算出手段、前記瞬時回転速度差算出手段と前記平均回転速度差算出手段とから前記主駆動輪と前記副駆動輪との回転速度差を算出する回転速度差算出手段、この回転速度差算出手段により算出された回転速度差の値を用い前記副駆動輪に伝達するトルクを算出する伝達トルク算出手段、この伝達トルク算出手段により算出された伝達トルクに応じ前記駆動力配分装置を駆動する駆動電流を算出する駆動電流算出手段、前記車速検出手段により検出された車両速度に応じ前記回転速度差算出手段における前記瞬時回転速度差算出手段に対する重み付けを設定する重み付け設定手段を備え、車両の走行状態に応じてエンジンからの駆動力を変速機を介して主駆動輪及び副駆動輪へと配分する駆動力配分装置を備えている車両の駆動力配分制御装置において、前記重み付け設定手段は、任意に設定される設定車速を有し、この設定車速と前記車両速度の差分とその設定車速の比によって算出される車速係数を前記重み付けとし、前記回転速度差算出手段は、前記車両速度が前記設定車速未満の場合、前記瞬時回転速度差を前記重み付けして補正するとともに補正した前記重み付けの補数によって前回算出した前記回転速度差を補正しそれらを加算した上で前記重み付けを乗ずるとともに、前記重み付けの補数を前記平均回転速度差に対して乗じ、さらにこれらを加算することにより回転速度差を算出することを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
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