JP4914855B2 - 水処理担体 - Google Patents
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また、そのような水処理担体として用いられるポリウレタン発泡体としては、発泡体のセルを粗くすると共に、セル膜を除去して発泡体内部への処理水の侵入性を高めたポリウレタン発泡体(特許文献2参照)等が挙げられる。
1.ポリエーテルポリオール、イソシアネート、触媒、整泡剤及び発泡剤を含有する発泡原料を用いて製造されたポリウレタン発泡体からなる水処理担体において、上記ポリエーテルポリオールは、アルキレンオキサイドが付加されて得られたものであり、該アルキレンオキサイドは、プロピレンオキサイド(PO)のみを含み、上記整泡剤は水酸基を有するポリエーテル変性シリコーン化合物からなる反応型整泡剤であり、上記触媒は反応型触媒であり、上記イソシアネートのイソシアネートインデックスが110以上であって、水温25℃の水に試験片を10分間浸漬した後、該試験片を該水から取り出し、取り出した直後に測定した該試験片の体積を測定し、上記水への浸漬前後の該試験片の体積より、下記式で表される膨潤率が100〜120%であり、
膨潤率(%)=浸漬後の試験片の体積/浸漬前の試験片の体積×100
JIS K−0102に準拠し、過マンガン酸カリウムを用いて測定したCODの値が、7mg/l以下であり、該CODの値は、上記ポリウレタン発泡体を一辺が5mmの立方体に加工して試験片を作製し、該試験片13.5gを1リットルの蒸留水に23℃で24時間浸漬した後、該試験片を該蒸留水から取り出し、該蒸留水を用いて測定した値であることを特徴とする水処理担体。
2.上記反応型触媒が水酸基及びアミノ基のうちの少なくとも一種を有するアミン触媒である上記1.に記載の水処理担体。
また、発泡原料に用いる触媒が反応型触媒であるため、COD値がより低減された水処理担体とすることができる。
更に、反応型整泡剤が水酸基を有するポリエーテル変性シリコーン化合物であるため、COD値がより低減された水処理担体とすることができる。
また、反応型触媒が水酸基及びアミノ基のうちの少なくとも一種を有するアミン触媒である場合は、COD値がより低減された水処理担体とすることができる。
本発明の水処理担体は、ポリエーテルポリオール、イソシアネート、触媒、整泡剤及び発泡剤を含有する発泡原料を用いて製造されたポリウレタン発泡体からなる水処理担体において、上記ポリエーテルポリオールは、アルキレンオキサイドが付加されて得られたものであり、該アルキレンオキサイドは、プロピレンオキサイド(PO)のみが用いられ、上記整泡剤は反応型整泡剤であり、上記触媒は反応型触媒であり、上記イソシアネートのイソシアネートインデックスが110以上であり、膨潤率が100〜120%であって、CODの値が、7mg/l以下であることを特徴とする。
そして、上記ポリエーテルポリオールのアルキレンオキサイド由来の全構成単位を100モル%とした場合、PO由来の構成単位の含有量は100モル%である。
尚、ポリエーテルポリオールは1種のみ用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記開始剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、シュークロース、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等が用いられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
尚、上記ポリエーテルポリオールは、アルキレンオキサイドが縮合して得られたものであっても構わない。その縮合に用いられるアルキレンオキサイドの種類、及び構成単位の含有量等は上記の場合と同様である。
イソシアネートインデックスが110未満の場合、ポリエーテルポリオール等の未反応成分が発泡体に残留されることとなり、その未反応成分がCOD値を高める要因になる。一方、イソシアネートインデックスが高い場合、イソシアネートが過剰となるが、イソシアネートは、反応性が高く、更に架橋反応を形成する。
即ち、ポリウレタンの生成反応において、イソシアネート基とヒドロキシル基との反応によりウレタン結合が生成する。また、水とイソシアネートとの反応によって、尿素結合が生成する。
そして、イソシアネートが過剰の場合、ウレタン結合にイソシアネート基が更に反応し、アルファネート結合が生成し、架橋が行われる。また、尿素結合にイソシアネート基が更に反応し、ビューレット結合が生成し、架橋が行われる。これにより、イソシアネートが過剰である場合も、イソシアネートが未反応成分としてCOD値を高める要因にはならないと考えられる。
これらの触媒のうち、反応性アミン触媒が用いられ、この反応性アミン触媒としては、ポリイソシアネートと反応する活性水素基、例えば、水酸基(−OH基)及びアミノ基(−NH基)から選ばれる少なくとも一種を少なくとも1つ以上有するものが挙げられる。具体的には、−OH基を有する反応性アミン触媒としては、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。また、−NH基を有する反応性アミン触媒としては、N,N,N",N"−テトラメチルジエチレントリアミンが挙げられる。これらは、1種のみ用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記反応性アミン触媒と共に、有機金属化合物系触媒を併用することが好ましい。この有機金属化合物系触媒としては、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫メルカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート等の有機錫化合物;オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛等の有機鉛化合物;オクチル酸カリウム、ネオデカン酸亜鉛等が挙げられる。これらは、1種のみ用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、上記触媒は、アミン系触媒単独の使用でもよく、泡化と樹脂化のバランスから、アミン系触媒と有機金属化合物触媒との併用がより好ましい。アミン系触媒と有機金属化合物系触媒を併用する場合その割合は、アミン系触媒と、有機金属化合物系触媒との質量比(アミン触媒/有機金属化合物系触媒)で、(1〜8)/1が好ましく、より好ましくは(2〜5)/1である。
この範囲であれば、ポリウレタン発泡体の製造を良好、且つ安定して行うことができる。
また、ポリエーテル化合物による変性されたポリエーテル変性シリコーン化合物としては、ポリジメチルシロキサンとポリエーテル化合物を直鎖状にブロック変性させたものや、ポリジメチルシロキサンのメチル基に側鎖状にポリエーテル化合物を変性させたもの等が用いられる。
これらは、1種のみ用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この範囲であれば、ポリウレタン発泡体の製造を良好、且つ安定して行うことができる。
また、上記「水」は特に限定されず、例えば、イオン交換水、水道水、蒸留水等の各種の水を用いることができる。
また、セル数は、通常、30〜70個/25mm、好ましくは40〜60個/25mmに設計される。セル数が30〜70個/25mmである場合、ポリウレタン発泡体は機械的強度を備え、対磨耗性及び耐久性に優れると共に、微生物がポリウレタン発泡体で効率よく繁殖できる水処理担体となる。
体積膨潤率の測定方法は、所定の大きさに加工した試験片の体積を測定し、水温25℃の水に試験片を10分間浸漬した後、その試験片を水から取り出し、水から取り出した直後に試験片の体積を測定する。そして、体積膨潤率は、水への浸漬による試験片の体積増加の割合を示し、下記式より算出される。
膨潤率(%)=浸漬後の試験片の体積/浸漬前の試験片の体積×100
尚、除膜処理の方法としては、例えば、爆破処理、燃焼処理及び溶解処理等が挙げられる。
また、固定床として使用する場合の形状は特に限定されないが、例えば、格子状、パイプ状、パイプの集合体状、波板状、ハニカム状及び棒状等が挙げられる。
〔実施例1〜4及び比較例1〜9〕
実施例及び比較例において、表1及び表2に示す配合の発泡原料を用いた。
ポリオール1:ポリエーテルポリオール(アルキレンオキサイド付加物、以下同様)、三洋化成工業(株)製、品名;GP3000、Mw;3000、3官能、水酸基価;56.1(mgKOH/g)、PO由来の構成単位含有率;100モル%(ポリエーテルポリオール形成する全アルキレンオキサイド由来の全構成単位を100モル%とした場合の含有率、以下同様。)
ポリオール2:ポリエーテルポリオール、三洋化成工業(株)製、品名;GP3050、Mw;3000、3官能、水酸基価56.1(mgKOH/g)、PO由来の構成単位含有率:90モル%、EO由来の構成単位含有率;10モル%
ポリオール3:ポリエーテルポリオール、三洋化成工業(株)製、品名;GP2800、Mw;2800、3官能、水酸基価;60.1(mgKOH/g)、PO由来の構成単位含有率:50モル%、EO由来の構成単位含有率;50モル%
ポリオール4:ポリエーテルポリオール、三洋化成工業(株)製、品名;FA−103A、Mw;3366、3官能、水酸基価;50.0(mgKOH/g)、PO由来の構成単位含有率;20モル%、EO由来の構成単位含有率;80モル%
イソシアネート:2,4−トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートとが質量比で80:20であるトリレンジイソシアネート、日本ポリウレタン工業(株)製、品名;T−80
オクチル酸第1スズ:城北化学工業(株)製、品名;MRH110、NCO%;48.2%
反応型触媒:N,N−ジメチルアミノヘキサノール(分子内に反応性の水酸基を有するアミン触媒)、花王(株)製、品名;カオライザーNo.25
非反応型触媒:トリエチレンジアミンとジプロピレングリコールとが質量比で33:67である触媒、エアープロダクツジャパン(株)製、品名;DABCO 33−LV
反応型整泡剤:水酸基末端有するポリアルキレンオキシド−ジメチルシロキサンコポリマー(分子内に反応性水酸基を有するシリコーン化合物)、GE東芝シリコーン(株)製、品名;L−626
非反応型整泡剤:ポリアルキレンオキシド−ジメチルシロキサンコポリマー(分子内に反応性水酸基を有しないシリコーン化合物)、信越化学工業(株)製、品名;F−650
〔実施例1〜4及び比較例1〜9〕
イソシアネート以外の各成分を表1に示す所定の配合でハンドミキサーを用いて攪拌した後、所定の配合量のイソシアネートと混合し、混合物を発泡箱に投入して発泡、硬化させた。このようにして得られた各ポリウレタン発泡体を室温で1日静置した。
上記(2)で得られた実施例1〜4及び比較例1〜9の発泡体において、以下の方法により性能試験を行った。尚、それぞれの結果を表1及び表2に併記する。
(a)密度
密度(kg/m3)は、JIS K−6401に準じて測定した。
(b)セル数
セル数は、マイクロスコープ(キーエンス社製、型式「VH−50」)により、長さ25mm当たりのセル数(個/25mm)を測定した。
(c)COD値
上記ポリウレタン発泡体を各辺5mmのキュービックに加工し試験片を作成した。その試験片13.5gを蒸留水1lに沈め、室温下にて24時間保持した後、蒸留水から、試験片を取り出した。そして、その蒸留水のCOD値をJIS K−0102準じて測定した。COD値測定の酸価剤は過マンガン酸カリウムを使用した。
(d)体積膨潤率
上記ポリウレタン発泡体を各辺100×100×10mmの直方体に加工し水への浸漬前の試験片の体積を測定した。この試験片1個を室温25℃、水温25℃の蒸留水1lに10分間沈めた後、蒸留水から、試験片を取り出し、水から取り出した直後の試験片の体積を測定した。そして、体積膨潤率を下記式より算出した。
体積膨潤率(%)=浸漬後の試験片の体積/浸漬前の体積
Claims (2)
- ポリエーテルポリオール、イソシアネート、触媒、整泡剤及び発泡剤を含有する発泡原料を用いて製造されたポリウレタン発泡体からなる水処理担体において、
上記ポリエーテルポリオールは、アルキレンオキサイドが付加されて得られたものであり、該アルキレンオキサイドは、プロピレンオキサイド(PO)のみを含み、
上記整泡剤は水酸基を有するポリエーテル変性シリコーン化合物からなる反応型整泡剤であり、
上記触媒は反応型触媒であり、
上記イソシアネートのイソシアネートインデックスが110以上であって、
水温25℃の水に試験片を10分間浸漬した後、該試験片を該水から取り出し、取り出した直後に測定した該試験片の体積を測定し、上記水への浸漬前後の該試験片の体積より、下記式で表される膨潤率が100〜120%であり、
膨潤率(%)=浸漬後の試験片の体積/浸漬前の試験片の体積×100
JIS K−0102に準拠し、過マンガン酸カリウムを用いて測定したCODの値が、7mg/l以下であり、
上記CODの値は、上記ポリウレタン発泡体を一辺が5mmの立方体に加工して試験片を作製し、該試験片13.5gを1リットルの蒸留水に23℃で24時間浸漬した後、該試験片を該蒸留水から取り出し、該蒸留水を用いて測定した値であることを特徴とする水処理担体。 - 上記反応型触媒が水酸基及びアミノ基のうちの少なくとも一種を有するアミン触媒である請求項1に記載の水処理担体。
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