JP4914798B2 - フレキシブル基板と端子金具との接続構造 - Google Patents

フレキシブル基板と端子金具との接続構造 Download PDF

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本発明は、メンブレンやフレキシブル回路基板(FPC)などのフレキシブル基板と端子金具との接続構造に関する。
従来のこの種の接続構造としては、上板と下板とを備えた端子金具の下板にバレルを起立して形成し、この下板のバレルが挿入される穴を回路基板に形成し、これら穴形成個所の回路基板に同様の穴をあけた補強板を設け、前記上板を持ち上げて回路基板の穴に下板に形成されたバレルを挿入した後に上板を戻して下板と上板とで当該基板を挟んでバレルを折り曲げて上板を固定し、回路基板の印刷面と前記下板とが接触するものが知られている(特許文献1参照)。この従来例によれば、作業性を向上させ、回路表面の損傷を防止し、接続の信頼性を高めることができる。
他の従来例としては、基台の長手方向の一端に端子が設けられ、基台の設置面上にFPCが載置され、この基台の長手方向に対して略直交した両側より延出して設置面に対向して設けられた内側に円筒状に曲げ形成された曲がり梁部の外周面と設置面とでFPCが圧着固定されるものが知られている(特許文献2参照)。これにより、曲がり梁部の外周面がFPCに面接触し、FPCへの応力集中が緩和されるので、FPCの損傷を防止できる。又、経年変化によりFPCの応力緩和によって肉厚が低下しても、曲がり梁部よりFPCに対して弾性力を付与できるのでFPCを経時的に安定して接続できる。この曲がり梁部はバネ定数が小さいので、FPCの肉厚減少に伴う弾性押圧力の減少分を小さくできる。
さらに別の従来例としては、メンブレン回路を挟持する一対の金属板と、メンブレン回路を介在させた前記一対の金属板を固定的に結合する2つの結合部材と、一対の金属板の少なくとも一方に、2つの結合部材の中間に位置して、メンブレン回路に向かって突出するように形成された少なくとも1つの凸部とを備えたものが知られている(特許文献3参照)。
特開2006−172751号公報(第2頁、図1) 特許第3271952号公報(第2頁、図1) 特開2001−52769号公報(第2頁、図1)
特許文献1に記載のものでは、端子の上板又は下板のみ凸部を設け、フレキシブル基板の回路と端子とを接触させる構造であるため、端子の凸部が設けられていない面と回路面とを接触させた場合に接続の信頼性に欠けるので、フレキシブル基板の回路面に合わせ、端子の向きを変える必要があった。
特許文献2に記載のものでは、上部には凸部を、下部には穴を設けることで両面接続を行なう構造の場合、接点形状が上下で異なるため接触力のバランスがとりにくいという不都合があった。上手くバランスがとれない場合、環境試験等を行なった際に異なる挙動となってしまうことがあった。
特許文献3に記載のものでは、端子の凸部とフレキシブル基板との回路面を一致させて接触を行なうので、作業性が悪いものであった。また、この従来例の構造では、多極化しにくいものであった。
そこで、本発明は、フレキシブル基板の回路面が上下どちらであっても確実に回路基板と端子を接触、導通させることができ(フレキシブル基板の両面接続が可能)、従来の端子形状のまま(圧着部のみの変更)で両面接続を可能とし、上下の接触力のバランスがとりやすく接続信頼性を向上させ、フレキシブル基板の回路面を気にすることなく端子圧着作業を行なえるため作業性が向上し、大幅な工数削減となるようにしたフレキシブル基板と端子金具との接続構造を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、上板と下板とを備えた端子金具の下板にバレルを起立して形成し、この下板のバレルが挿入される孔をフレキシブル基板に形成し、この孔に挿入されたバレルを折り曲げて上板と下板とでフレキシブル基板を挟持するフレキシブル基板と端子金具との接続構造において、前記上板と下板とに形成された突起部間でフレキシブル基板を挟持し、上板あるいは下板のいずれか一方の幅方向に細長く形成された突起部が隣り合う長手方向に細長く形成された突起部よりも長く突出し、他方の長手方向に細長く形成された突起部が隣り合う幅方向に細長く形成された突起部よりも長く突出し、これら突起部の裏側にはそれぞれ凹部を形成し、ともに長く突出する突起部同士がフレキシブル基板を介して圧接するとき幅方向に細長く形成された突起部の表面が円弧状に丸みを帯びた形状でフレキシブル基板に圧接し、対向する長手方向に細長く形成された突起部の表面を平坦な面に形成したものである。
本発明によれば、上板と下板とを備えた端子金具の下板にバレルを起立して形成し、この下板のバレルが挿入される孔をフレキシブル基板に形成し、この孔に挿入されたバレルを折り曲げて上板と下板とでフレキシブル基板を挟持するフレキシブル基板と端子金具との接続構造において、前記上板と下板とに形成された突起部間でフレキシブル基板を挟持し、上板あるいは下板のいずれか一方の幅方向に細長く形成された突起部が隣り合う長手方向に細長く形成された突起部よりも長く突出し、他方の長手方向に細長く形成された突起部が隣り合う幅方向に細長く形成された突起部よりも長く突出し、これら突起部の裏側にはそれぞれ凹部を形成し、ともに長く突出する突起部同士がフレキシブル基板を介して圧接するとき幅方向に細長く形成された突起部の表面が円弧状に丸みを帯びた形状でフレキシブル基板に圧接し、対向する長手方向に細長く形成された突起部の表面を平坦な面に形成したので、フレキシブル基板の回路面が上下どちらであっても確実に回路基板と端子を接触、導通させることができる(フレキシブル基板の両面接続が可能)とともに、従来の端子形状のまま(圧着部のみの変更)で両面接続が可能である。また、上下の接触力のバランスがとりやすく接続信頼性が向上する。さらに、フレキシブル基板の回路面を気にすることなく端子圧着作業を行なえるため作業性が向上し、大幅な工数削減となる。特に、長く突出する幅方向に長い突起部の表面は、円弧状に丸みを帯びているので、丸みを帯びた部分でフレキシブル基板を圧接するので、フレキシブル基板を傷つけることなく、フレキシブル基板が強い応力で接続されることになり、信頼性のある電気的・機械的な接続となる。
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照にして説明する。
図1ないし図3は、端子金具1を示し、図1の全体斜視図において、オス端子ないしは電線が挿入固定される筒部2から連成された上板3と下板4とが平行に延び、下板4にバレル5を起立して形成し、上板3と下板4との互いに向き合った内面にそれぞれ突起部6〜11を形成してある。図示するものでは、前記バレル5は、左右で2ヶ一対のものを2組形成してある。前記突起部6〜11は、上板3にその長手方向に沿った細長い形状のものを2つ(突起部6、8)とこれらの中間に幅方向に沿った細長い形状のものを1つ(突起部7)を形成し、下板4に幅方向に沿った細長い形状のものを2つ(突起部9、11)と、これらの中間に長手方向に沿った細長い形状のものを1つ(突起部10)を形成してある。そして、これらの突起部6〜11の表面を細長く平坦な面に形成し、裏側には凹部6A〜11Aを形成してある。これら凹部6A〜11Aは、金属製の板材をプレス成形して打込んだ個所に形成され、そのプレスされ飛び出た部分に突起部6〜11が形成される。
前記上板3の中間に位置する幅方向に細長い突起部7は、図3に示すように、突起部7に隣り合う長手方向に細長く形成された突起部6、8よりも長く突出し(図面では下方に長く伸びる)、下板4の中間に位置する長手方向に細長い突起部10は、この突起部10に隣り合う幅方向に細長く形成された突起部9、11よりも長く突出(図面では上方に長く伸びる)している。
図4は、FPCなどのフレキシブル基板Fを端子金具1に接続した状態を示し、フレキシブル基板Fに形成された孔Hに下板4に形成されたバレル5を挿入し、これらバレル5を内側へ折り曲げて上板3を抱きかかえるように上板3を下板4側に引き寄せる。
図5は、図4のB−B線の切断端面であり、上板3と下板4とでフレキシブル基板Fを挟持し、突起部7、10でフレキシブル基板Fを波形に変形させ、かつ凹部6A、8Aの底をフレキシブル基板Fに強く押し付けると、図3に示すように高さの違いから上板3の突起7の個所のバネ性が作用して上方に撓む。図5に示すような撓みにより突起7によるフレキシブル基板Fへの押圧力が高まり、挟持を確実なものとすることができる。
図6は、上板3の中央に形成された突起部7の表面形状を示す拡大図であり、円弧状に丸みを帯びた形状に突出形成されている。図7は、この丸みを帯びた表面形状がフレキシブル基板Fに圧接されたときの形状を示し、圧接部分は丸みを保持したままであり、とがった形でフレキシブル基板Fに圧接しない。
端子金具の斜視図。 バレルを省略した端子金具の斜視図。 図2のA−A線切断端面図。 接続状態の斜視図。 図4のB−B線切断端面図。 突起部先端の拡大図。 突起部先端を圧接したときの拡大図。
符号の説明
1 端子金具
3 上板
4 下板
5 バレル
6〜11 突起部
6A〜11A 凹部
F フレキシブル基板
H 孔

Claims (1)

  1. 上板と下板とを備えた端子金具の下板にバレルを起立して形成し、この下板のバレルが挿入される孔をフレキシブル基板に形成し、この孔に挿入されたバレルを折り曲げて上板と下板とでフレキシブル基板を挟持するフレキシブル基板と端子金具との接続構造において、
    前記上板と下板とに形成された突起部間でフレキシブル基板を挟持し、
    上板あるいは下板のいずれか一方の幅方向に細長く形成された突起部が隣り合う長手方向に細長く形成された突起部よりも長く突出し、
    他方の長手方向に細長く形成された突起部が隣り合う幅方向に細長く形成された突起部よりも長く突出し、
    これら突起部の裏側にはそれぞれ凹部を形成し、
    ともに長く突出する突起部同士がフレキシブル基板を介して圧接するとき幅方向に細長く形成された突起部の表面が円弧状に丸みを帯びた形状でフレキシブル基板に圧接し、
    対向する長手方向に細長く形成された突起部の表面を平坦な面に形成したことを特徴とするフレキシブル基板と端子金具との接続構造。
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