JP4914710B2 - 発光素子実装パッケージ用リードフレームおよびその製造方法 - Google Patents

発光素子実装パッケージ用リードフレームおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、LED(Light Emitting Diode)のような発光素子が実装され、例えば液晶表示パネル用のバックライトとして用いられる、発光素子実装パッケージ用のリードフレームおよびその製造方法に関する。
液晶表示パネルのような非発光素子を用いて構成されたフラットパネルディスプレイデバイスでは、バックライトと呼ばれる背面投光装置が用いられる。
バックライトは、光源となる発光デバイスと、光源から供給される光を液晶表示パネルへと光学的に導く導光板とから、その主要部が構成されている。
光源用の発光デバイスとしては、従来、陰極蛍光管が用いられてきたが、近年では、さらなる省電力化や薄型・軽量化を図るため等の理由から、LED(発光ダイオード)素子に主流が移行している。
一般に、バックライトでは、フラットパネルディスプレイデバイスの特質を生かすことができるように薄型化が強く要請されており、それに対応するために、いわゆるサイドライトタイプと呼ばれる、樹脂からなるランプハウスと金属製のリードフレームとを組み合わせた構造が、一般的なものとなっている。
図11は、従来の一般的な発光デバイスの構造を示す図である。この図11に一例を示したように、発光デバイス全体が、LED実装パッケージ100になっており、銅合金又は鉄からなる薄板材をプレス加工してなる金属製のアウターリードフレーム200およびリード部700と、合成樹脂をモールド成形してなるランプハウス300と、LEDチップ500とを、その主要部として備えている。
さらに詳細には、ランプハウス300には開口部400が設けられている。この開口部400は、LEDチップ500から出射される光を外部へと放射するための導光板兼反射板として機能する点で重要な部位となっている。
開口部400の外側から内側を見ると、開口部400の底面にはアウターリードフレーム200に連なるダイパッド部600が露出しており、かつそのダイパッド部600の表面上にはLEDチップ500が搭載されて、導電性接着剤などによって固着されている。そしてダイパッド部600から所定の間隙を隔てて、リード部700が配置されている。その間隙によって、ダイパッド部600とリード部700とは電気的に絶縁されている。リード部700は、ボンディングワイヤ800によってLEDチップ500と電気的に接続されている。そして、開口部400からその内部へと蛍光体(図示省略)が注入され、ダイパッド部600を底面としランプハウス300の側壁900および斜面910を側面として囲まれた空間を封止材によって密閉されて、この実質的にバックライトであるLED実装パッケージの主要部が構成されている。
このような構造のバックライトでは、所定の動作電流がアウターリードフレーム200およびリード部700を通ってLEDチップ500へと供給されて、LEDチップ500が発光する。そしてそのLEDチップ500から供給される光は、開口部400から外部へと放射される。
上記のような従来のバックライト(以下、LED実装パッケージとも呼ぶ)では、外部への光の効果的な放射が、樹脂製のランプハウス300の導光性能や反射性能等に対して顕著に依存した構造となっている。
ここで、ランプハウス300のハウス幅Wは一般に、0.8mm程度と設定されている
。また、ランプハウス300の側壁900の肉厚tは、樹脂材料からなる部品としての耐久性や製造上の限界等を考慮して、0.1mm程度乃至それ以上の厚さとなるように設定されることが一般的である(特許文献1参照)。
特開2004−363533号公報
前述のように、バックライトを含むフラットパネルディスプレイデバイス全体の薄型化への強い要請に対応するために、実質的にバックライト自体であるLED実装パッケージのさらなる薄型化が強く要請されている。
ところが、上記のような構造を有する従来のLED実装パッケージでは、そのさらなる薄型化を達成するためには、次のような問題がある。
第1に、ランプハウス300の側壁900の肉厚をさらに薄くすることは、その製造工程におけるモールド樹脂の流動性の限界等に起因して、極めて困難である。あるいは、例えばモールド金型に工夫を凝らすなどして超薄型の側壁900をモールド成形すると、歩留まりが顕著に悪化し、延いては製造コストの低廉化の著しい妨げとなるという不都合が生じる。
第2に、たとえ側壁900を0.1mm未満のように薄肉化できたとしても、そのような余りにも薄い樹脂からなる側壁900では、耐久性が不十分なものとなるという問題がある。
すなわち、輝度の向上を実現するために、バックライト用のLEDチップ500の出力はさらに増強される傾向にあるが、それに付随して、LEDチップ500から放出される光や熱のエネルギ量も増大する傾向にある。このため、LEDチップ500の間近に配置されてそこから放出される光や熱のエネルギを長期間に亘って直接的に受けるランプハウス300の側壁900は、紫外劣化や熱劣化がさらに早く進んでしまうこととなる。
しかも、そのような一般的な傾向にさらに加えて、LED実装パッケージのさらなる薄型化がさらに進むと、その分、側壁900がLEDチップ500に益々近接した状態となり、側壁900の紫外劣化や熱劣化がさらに助長されてしまう。
また、側壁900をさらに薄くすると、その側壁900自体の耐熱性や対紫外線耐久性もさらに低下するので、側壁900の樹脂劣化は益々顕著なものとなる。
また、側壁900を0.1mm未満のように極めて薄くすると、その極薄の樹脂からなる側壁900をLEDチップ500からの光が透過してしまい、その分、光の大きな損失となるという問題がある。
第3に、側壁900を薄肉化すること以外に、LED実装パッケージ全体の薄型化を達成するためには、ダイパッド部600の幅をさらに狭くしなければならない。ところが、そのようにダイパッド部600の幅を著しく狭小化すると、LEDチップ500と側壁900とが著しく近接したものとなる。そうすると、LEDチップ500から放射される光の利用効率が低下する、あるいは充分な輝度を得ることが困難になるという問題が生じる。
すなわち、LEDチップ500は、その側面からも光を放出しており、その光は側壁900の表面で反射されて開口部400の外部へと導かれ、光源光として有効に利用されるように設定されている。ところが、上記のようにLEDチップ500と側壁900とが余りにも近接していると、LEDチップ500の側面からの光を側壁900によって外部へと効果的に導くことが困難になり、光の利用効率が低下する、あるいは充分な輝度を得ることが阻害されてしまうこととなる。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、ランプハウスの耐久
性や光利用効率を損なうことなく、発光素子実装パッケージの全体的な薄型化を実現可能とする、発光素子実装パッケージ用リードフレームおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の発光素子実装パッケージ用リードフレームは、発光素子が搭載されて当該発光素子の正負両極のうちの一方の電極に接続されるダイパッド部と、前記ダイパッド部に対して所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態で前記ダイパッド部と略同一平面に配置され、前記発光素子の他方の電極に接続されるリード部と、前記リード部に連結した一枚の金属板からなり、前記リード部および前記ダイパッド部を底面として当該底面に対して屹立した状態となり、かつ前記ダイパッド部に対して所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態となるように、前記リード部に連結する部分にて折り曲げ加工してなる側壁部であって、前記リード部の厚さ未満の厚さを有する側壁部とを備えたことを特徴としている。
本発明の第2の発光素子実装パッケージ用リードフレームは、上記第1の発光素子実装パッケージ用リードフレームにおいて、前記側壁部の厚さが、前記リード部の厚さの80%以下であることを特徴としている。
本発明の第3の発光素子実装パッケージ用リードフレームは、上記第1または第2の発光素子実装パッケージ用リードフレームにおいて、前記側壁部の折り曲げ位置に、折り曲げ加工用のV溝を設けてなることを特徴としている。
本発明の第4の発光素子実装パッケージ用リードフレームは、上記第1ないし第3のうちいずれかの発光素子実装パッケージ用リードフレームにおいて、前記側壁部の表裏両面のうち、前記発光素子からの光を受ける側の面に、前記発光素子から放射される光を拡散させるための凹凸を設けたことを特徴としている。
本発明の第1の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法は、発光素子が搭載されて当該発光素子の正負両極のうちの一方の電極が接続されるように設定されたダイパッド部を形成する工程と、前記発光素子の他方の電極に接続部材を介して接続されるリード部と、当該リード部に連なるように当該リード部と同じ一枚の金属板からなる側壁部とを設ける工程と、前記側壁部の厚さを、前記リード部の厚さ未満の厚さにする工程と、前記側壁部を、前記リード部と連結する部分で前記リード部を底面として当該底面に対して所定の角度で屹立するように折り曲げ加工する工程と、前記ダイパッド部と略同一平面に、前記ダイパッド部に対して所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態で前記リード部を配置する工程とを含むことを特徴としている。
本発明の第2の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法は、上記第1の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、前記側壁部の厚さを、前記リード部の厚さの80%以下とすることを特徴としている。
本発明の第3の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法は、上記第1または第2の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、前記側壁部の折り曲げ位置にV溝を設けておき、当該V溝を折り曲げ加工の際の案内溝として用いて、前記側壁部を前記リード部に対して屹立するように折り曲げ加工することを特徴としている。
本発明の第4の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法は、上記第1ないし第3のうちいずれかの発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、
前記側壁部の表裏両面のうち、前記発光素子からの光を受ける側の面に、前記発光素子から放射される光を拡散させるための凹凸を設ける工程を、さらに含むことを特徴としている。
本発明の第5の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法は、上記第1ないし第4のうちいずれかの発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、前記側壁部に潰し加工を施して、当該側壁部の厚さを前記リード部の厚さ未満にする工程と、前記潰し加工に伴う延展によって拡大した前記側壁部の寸法を所定の設定寸法に補正する工程とを含むことを特徴としている。
本発明の第6の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法は、上記第1ないし第5のうちいずれかの発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、前記側壁部の頂辺を断面テーパー状にエッジ加工する工程を、さらに含むことを特徴としている。
本発明の第7の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法は、上記第1ないし第6のうちいずれかの発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、前記側壁部の前記リード部に対して屹立する角度を、鈍角とすることを特徴としている。
本発明の第8の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法は、上記第1ないし第7のうちいずれかの発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、少なくとも前記側壁部は、プレス加工による打ち抜きで形成し、当該プレス加工工程で、プレス滓上がりを防止するための切り欠き形状を、側壁部の周縁に設けることを特徴としている。
本発明の第9の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法は、上記第1ないし第8のうちいずれかの発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、当該発光素子用リードフレームを、連続した一枚の金属材料板から複数個製造するものとし、前記リード部を底面として前記側壁部を屹立させた状態で前記側壁部の前記底面からの高さよりも大きな高さを有する変形防止用フィンを前記金属板材料の面内に設ける工程を、さらに含むことを特徴としている。
本発明によれば、側壁部を、リード部に連結した一枚の金属板から形成し、リード部およびダイパッド部を底面としてその底面に対して屹立し、かつ前記ダイパッド部に対して所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態となるように、リード部に連結する部分にて折り曲げ加工して形成するようにしたので、側壁部をリード部と同じ金属板からなるものとすることができる。従って、側壁部の高い耐久性・光遮断性を確保したままで、その側壁部の厚さを0.1mm未満のように薄くすることが可能となる。これにより、耐久性・光遮断性を損なうことなく、実質的にバックライト自体である発光素子実装パッケージ全体のさらなる薄型化を達成することが可能となる。
また、側壁部の厚さを、リード部の厚さよりも薄いものとしたので、その側壁部とそれよりも厚いリード部との連結部分における厚さの違いによって生じる段差が、上記の折り曲げ加工の際の案内線として機能することとなり、側壁部の正確な位置での折り曲げ加工を簡易に達成することが可能となる。
しかも、側壁部は、発光素子が搭載されるダイパッド部に連結されるのではなく、ダイパッド部とは別体で形成されるリード部に連結されており、折り曲げ加工によってそのリード部を底面として屹立するようにしたので、発光素子のダイパッドへの搭載工程を、側
壁部の折り曲げ加工工程とは全く独立して行うことが可能となる。従って、側壁部をダイパッド部と連結した構成の場合と比較して、製造プロセス設計の自由度が飛躍的に向上する。また、側壁部の折り曲げの際に必要とされる寸法マージン等の制約に阻害されることなく、ダイパッド部やリード部の幅のさらなる狭小化を達成することが可能となる。
以下、本実施の形態に係る発光素子実装パッケージ用リードフレームおよびその製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係るリードフレームが組み込まれた発光素子実装パッケージ全体の主要部の構成を示す図であり、図2は、本発明の形態に係るリードフレームの折り曲げ加工前における状態を示す図、図3は、そのリードフレームの折り曲げ加工工程後かつ樹脂モールド工程前における状態を示す図である。
図1に示したように、発光素子実装パッケージ全体は、リードフレーム1と、ランプハウス樹脂部3と、LEDチップ5とを、その主要部として備えている。この発光素子実装パッケージ全体で特徴的なことは、リードフレーム1の側壁部10をランプハウス11の側壁の一部として含むように、ランプハウス樹脂部3をインサートモールド成形してランプハウス11全体が構成されている、ということである。換言すれば、この発光素子実装パッケージにおいては、LEDチップ5から放射される光を外部へと効果的に放射するための主要部であるランプハウス11の側壁の部分を、従来の樹脂製の代りにリードフレーム1の一部分である側壁部10に置き換えて、金属製としているということである。
この発光素子実装パッケージに組み込まれる、本実施の形態に係るリードフレーム1は、図2の展開平面図(a)およびそのA−A断面図(b)ならびに図3の平面図(a)、側面図(b)、正面図(c)に示したように、アウターリード部2と、ダイパッド部6と、リード部7と、側壁部10とからその主要部が構成されている。
アウターリード部2は、外部の電子機器本体側のプリント配線板等(図示省略)に対して接続されるための、いわゆる外部接続端子として用いられるように設定されている。このアウターリード部2は、ダイパッド部6と同じ1枚の金属材料をプレス金型等を用いた打ち抜き加工して形成されて、その長手方向でダイパッド部6に連続している。
ダイパッド部6は、細長状に形成されており、そのほぼ中央部に、発光素子としてLEDチップ5が搭載され、そのLEDチップ5の正負両極のうちの一方の電極と電気的に接続されるように設定されている。このダイパッド部6は、リード部7および側壁部10とは別体で、それらに対して所定の間隙を有して非接触な(従って電気的に絶縁された)状態となるように配置される。その間隙には、ランプハウス樹脂部3が食い込む形でインサートモールドされて、両者の配置関係が固定化されると共に両者の間での電気的絶縁性がさらに確実化されるように設定されている。
リード部7は、側壁部10と連続した1枚の金属材料からなり、ダイパッド部6に対して所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態で、そのダイパッド部6とほぼ同一平面に配置される。このダイパッド部6には、LEDチップ5の他方の電極が、接続部材8を介して接続される。
側壁部10は、リード部7に連結した一枚の金属板からなり、リード部7およびダイパッド部6を底面として、その底面に対して例えば90度(直角)あるいは100度のような鈍角を成して屹立するように、リード部7と連結する部分にて折り曲げ加工して形成されている。
さらに具体的には、この側壁部10における長手方向の一端側に片寄った位置で、リー
ド部7と連結されている(連続している)。図2に示した一例では、側壁部10の長手方向下側の一端に片寄った位置に、その側壁部10の長手方向(全長)の約1/4の長さに亘る部分で、側壁部10と連結されている。そして残りの約3/4の長さに亘る部分では、その左右2つの側壁部10によって挟まれる域内に、それら側壁部10とは非接触な状態でダイパッド部6が配置される。
この側壁部10の厚さは、リード部7の厚さよりも薄いものとなっている。その厚さは、リード部7の厚さの80%以下、さらに望ましくは50%以下が好適である。
一般にリードフレームの厚さは0.1〜0.2mmであり、従ってリード部7の厚さもその程度となるが、例えばリード部7の厚さが0.1mm程度の場合には、その80%〜50%に設定することにより、側壁部10の厚さを0.08mm〜0.05mmとすることができ、従来の樹脂製ランプハウスでは不可能だった側壁の極薄化が達成される。あるいはリード部7の厚さが0.2mmの場合には、その50%以下に設定することにより、側壁部10の厚さを0.1mm以下とすることができる。
しかも、この側壁部10の厚さをリード部7の厚さの80%以下にするということは、側壁部10の厚さとリード部7の厚さとの差(段差)がリード部7の厚さの20%以上のように明確なものとなる、ということである。従って、そのような明確な段差を設けることにより、その段差を折り曲げ案内線として用いて、側壁部10の折り曲げ加工を、正確な位置で簡易かつ確実に行うことが可能となる。
この側壁部10の折り曲げ加工が施される位置には、その折り曲げ加工用のV溝26が設けられている。このV溝26を設けることによって、側壁部10の折り曲げ加工を、さらに正確かつ簡易なものとすることができる。このV溝26の深さは、側壁部10の厚さの1/3〜1/2程度とすることが望ましい。
この側壁部10は、ダイパッド部6に対して所定の間隙を有して配置されることで、ダイパッド部6に対して電気的に絶縁されている。その間隙には、ランプハウス樹脂部3が食い込む形でインサートモールドされ、両者の配置関係が固定化されると共に、両者の間での電気的絶縁性がさらに確実化されるように設定されている。
そしてこの側壁部10における、LEDチップ5からの光を受ける内側の面(開口部4の側壁を成している面)には、図8に示すように、光を拡散させるための凹凸20が設けられている。図8(a)に示した一例では、その凹凸20の平面的形状(パターン)は、複数の平行な直線を並べて配置してなるものとなっている。また、図8(b)に示した一例では、一つ一つが断面半球状の窪みである複数のディンプルを千鳥格子状に並べて配置してなるものとなっている。また、図8(c)に示した一例では、格子状パターンとなっている。
このような凹凸20を側壁部10に設けることにより、LEDチップ5から放出される光を適度に拡散させつつ外部へと効果的に放射して、面内均一性をさらに良好なものとした光源光の供給を実現することが可能となる。
次に、本実施の形態に係る発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法について説明する。
例えば銅薄板のような金属板材料から、金型等を用いたプレス(パンチング)加工によって、アウターリードフレーム2およびダイパッド部6を形成する。
他方、リード部7と、側壁部10とを、同じ一枚の連続した金属板材料から、金型等を用いたプレス(パンチング)加工によって、切れ目のない連続した(連結した)状態に形成する。
そして、図4に示すように、パンチングによって形成されたリード部7および側壁部1
0における、折り曲げ前の状態での(図4(a))、側壁部10の部分に、潰し加工を施して、その側壁部10の厚さをリード部7の厚さ未満の厚さにする(図4(b))。
その潰し加工の際の塑性変形に伴う延展によって、側壁部10の外形が拡大する。そこで、その側壁部10の拡大した部分12を、再度プレス加工等により切断して(図4(c))、側壁部10の大きさ(外形寸法)が所定の設定寸法となるように補正する。そして、側壁部10の折り曲げ位置に、曲げ加工の際の折り曲げ案内線となるV溝26を設ける(図4(d))。
この側壁部10の拡大した部分12の除去のためのプレスによる打ち抜き加工の際に、側壁部10が薄いことや、その寸法・形状精度を極めて高いものとしなければならないことなどに起因して、いわゆるプレス滓上がりが発生しやすい傾向にある。
すなわち、図9(a)に斜線を付して示したような側壁部10の周縁においては、拡大した部分12を除去するために、いわゆる抜き直しが行われるが、このとき、図9(b)に示すように、プレス金型のパンチ21とダイ22とによって側壁部10および拡大した部分12に大きなせん断力が与えられて、その部分12が側壁部10本体から切断される。その際、部分12はプレス滓となるが、このプレス滓はダイ21が滓上り現象を引き起こしやすく、抜き直しのプレス工程における作業能率を著しく低下させる要因となる虞がある。
そこで、図9(c)に示したように、抜き直しの際に側壁部10の周縁に円弧状の切り欠き24−1や稲妻状(鋸状)の切り欠き24−2のような切り欠き24を設けるようにすることで、プレス滓の金型への食い付き力を増強させて、滓上り発生を抑止することができる。
ここで、上記の側壁部10の潰し加工を行う工程で、その潰し加工に用いられる金型に凹凸20をプレス加工する部位を組み込むなどして、側壁部10に潰し加工を行うと共に凹凸20を設けてもよい。あるいは、凹凸20の形成は、潰し加工および抜き直し加工を行った後に、別工程として行うようにしてもよい。
側壁部10を所望の厚さに潰し加工し、V溝を形成した後、V溝26を折り曲げ加工の際の案内溝として用いて、プレス金型等により、側壁部10を所定の角度まで折り曲げ加工することで、側壁部10を、リード部7を底面として所定の角度で屹立した状態にする(図4(e))。
その際、側壁部10とリード部7とでの厚さの違いによって生じる段差も、折り曲げ加工の際の案内線として機能するので、V溝26による作用と相俟って、さらに簡易かつ正確に、所定の位置での折り曲げが達成される。
また、このようなV溝26等の作用により、曲げ変形に起因したリード部7全体の幅方向での無視できない程の撓み変形や残存歪み等の発生を抑止することができ、延いてはそのリード部7の平坦エリアにおける接続部材8のボンディング特性を良好なものとすることが可能となる。
ここで、図5および図7(a)に示した一例では、側壁部10はリード部7に対してほぼ直角に屹立した状態に設定されているが、この角度は、直角(90度)のみには限定されないことは勿論である。この他にも、例えば図7(b)に一例を示したように、角度設定Rにより90度超の鈍角に設定するようにしてもよい。このようにすることにより、LEDチップ5から放射される光の反射板としての側壁部10における反射光軸を、所望の角度に設定することが可能となる。
このようにして側壁部10をリード部7に対して所定の角度を成すように屹立させた後、そのリード部7を、ダイパッド部6とほぼ同一平面に、そのダイパッド部6に対して所定の間隙を有して非接触な(電気的に絶縁された)状態となると共に側壁部10もダイパ
ッド部6に対して所定の間隙を有して非接触な(電気的に絶縁された)状態となるように配置する。
そして、ランプハウス樹脂部3をインサートモールド成形し、そのランプハウス樹脂部3と側壁部10とでランプハウス11の側壁を構成する。このランプハウス樹脂部3をインサートモールドする工程では、図5に一例を示したように、下部モールド金型15にリードフレーム1を挿入してセットし(図5(a))、上部モールド金型14と下部モールド金型15とを閉じて樹脂を注入し(図5(b))、その樹脂が硬化した後、金型14、15を開いて離型させることで(図5(c))、ランプハウス樹脂部3をリードフレーム1にインサートモールドしてなる発光素子実装パッケージの主要部が得られる。
ここで、上記のリードフレーム1を下部モールド金型15に挿入する工程では、両者のクリアランス(S)が極めて微小であるため、図6(a)に一例を模式的に示したように、リードフレーム1の曲げ精度上の誤差や下部モールド金型15の寸法誤差等に起因して、リードフレーム1を下部モールド金型15に正しく挿入することが困難となる場合がある。このような不都合な事態の発生を回避するためには、図6(b)、(c)に示すように、側壁部10の頂辺27を断面テーパー状にエッジ加工することが望ましい。あるいは図6(d)に示すように、下部モールド金型14の開口部分28に面取加工を施すことでその開口部分28を末広がり状にして、リードフレーム1の頂辺27を下部モールド金型14の開口28が受け入れ易くなるようにしてもよいが、この場合には、図6(e)に示すように、出来上がりの製品であるランプハウス樹脂部3に若干の突起物がバリ19として残ることとなる。このようなバリ19を残すことがないという点で、上記のように側壁部10の頂辺27を断面テーパー状にエッジ加工することの方が、より望ましい。
なお、リードフレーム1を、例えばフープ材のような連続した一枚の金属材料板から、連続プレスライン等の製造設備によって複数個製造するようにしてもよい。そしてその場合には、リード部7を底面として側壁部10を屹立させた状態でフープ材を移動させる(運搬する)状況が生じるが、そのような場合に屹立した状態でいる側壁部10が変形したり破損したりなどする虞がある。そこで、このような場合には、図10に一例を示したように、側壁部10の、底面(金属板材料の平坦な表面)からの高さよりも大きな高さを有する変形防止用フィン25を、その金属板材料に設けて、その変形防止用フィン25によって、側壁部10が外部の障害物と衝突することを防止するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態に係るリードフレームおよびその製造方法によれば、側壁部10を、リード部7に連結した一枚の金属板から形成し、折り曲げ加工によってリード部7およびダイパッド部6を底面としてその底面に対して屹立させ、かつダイパッド部6に対して所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態となるようにしたので、側壁部10の高い耐久性・光遮断性を確保したままで、その側壁部10の厚さを0.1mm未満のように薄くすることが可能となる。これにより、耐久性・光遮断性を損なうことなく、実質的にバックライト自体である発光素子実装パッケージ全体のさらなる薄型化を達成することが可能となる。
また、側壁部10の厚さを、リード部7の厚さよりも薄いものとしたので、その側壁部10とそれよりも厚いリード部7との連結部分における厚さの違いによって生じる段差が、上記の折り曲げ加工の際の案内線として機能することとなり、側壁部10の正確な位置での折り曲げ加工を簡易に達成することが可能となる。
しかも、側壁部10は、発光素子であるLEDチップ5が搭載されるダイパッド部6に連結されているのではなく、ダイパッド部6とは別体で形成されるリード部7に連結されており、かつ折り曲げ加工によってそのリード部7を底面として側壁部10を屹立させるようにしたので、LEDチップ5をダイパッド部6上に搭載する工程を、側壁部10の折り曲げ加工工程とは全く独立して行うことが可能となる。
従って、背景技術として掲げた特許文献1に開示されているような側壁部をダイパッド部と連結してなる構成のリードフレームおよびそれを組み込んでなるバックライトの場合と比較して、側壁部10の折り曲げの際に必要とされる寸法マージン等の制約に阻害されることなく、ダイパッド部6およびリード部7の幅のさらなる狭小化を達成することが可能となる。また、ダイボンディング工程、折り曲げ工程、組立工程等の工程順序や部品間クリアランスの設定などのような製造プロセス設計の自由度や構造・寸法設定等の自由度が飛躍的に向上する。
本発明の実施の形態に係るリードフレームが組み込まれた発光素子実装パッケージ全体の主要部の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るリードフレームの折り曲げ加工前における状態を示す図である。 図2に示したリードフレームの折り曲げ加工工程後かつ樹脂モールド工程前における、側壁部を屹立させた状態を示す図である。 図2に示したリードフレームの潰し加工工程(a〜b)、抜き直し工程(b〜c)、V溝加工工程(c〜d)、折り曲げ工程(d〜e)を示す図である。 図1に示した発光素子実装パッケージの、モールド金型を用いたインサートモールド工程を示す図である。 図3に示した状態のリードフレームをモールド金型に挿入する状態を模式的に示す図である。 側壁部をリード部に対して屹立させる角度を、ほぼ直角にした場合(a)と、鈍角にした場合(b)についての一例をそれぞれ示す図である。 側壁部に凹凸を設けた場合の、その凹凸の平面的パターンのバリエーションを示した図である。 側壁部に設けられるプレス滓上り防止用の切り欠きを示す図である。 一枚のフープ材中から多数のリードフレームを連続して形成するに際して変形防止用フィンを設けた場合の一例を示す図である。 従来の発光素子実装パッケージ全体の主要部の構成を示す図である。
符号の説明
1 リードフレーム
2 アウターリード部
3 ランプハウス樹脂部
4 開口部
5 LEDチップ
6 ダイパッド部
7 リード部
8 接続部材
10 側壁部
26 V溝

Claims (14)

  1. 発光素子が搭載されて当該発光素子の正負両極のうちの一方の電極に接続されるダイパッド部と、
    前記ダイパッド部に対して所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態で前記ダイパッド部と略同一平面に配置され、前記発光素子の他方の電極に接続部材を介して接続されるリード部と、
    前記リード部から前記ダイパッド部に亘って前記リード部及び前記ダイパッド部の両側に配置される金属製の2枚の側壁部であって、前記側壁部が前記リード部連結されて前記リード部を構成する一枚の金属板で形成され前記ダイパッド部とは別体に形成されて所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態で配置されている側壁部と、を備え、
    前記側壁部は、
    前記リード部および前記ダイパッド部を底面として当該底面に対して屹立し、
    前記2枚の側壁部によって挟まれる域内に、前記2枚の側壁部とは非接触な状態で前記ダイパッド部上に前記発光素子が配置されるように、前記リード部に連結する部分にて折り曲げ加工してな
    前記リード部の厚さ未満の厚さを有す
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレーム。
  2. 請求項1記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームにおいて、
    前記側壁部の厚さが、前記リード部の厚さの80%以下である
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレーム。
  3. 請求項1または2記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームにおいて、
    前記リード部を底面とする前記側壁部の折り曲げ位置に、当該折り曲げ加工用のV溝を設けてなる
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレーム。
  4. 請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームにおいて、
    前記側壁部の表裏両面のうち、前記発光素子からの光を受ける側の面に、前記発光素子から放射される光を拡散させるための凹凸を設けた
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレーム。
  5. 発光素子が搭載されて当該発光素子の正負両極のうちの一方の電極が接続されるように設定されたダイパッド部を形成する工程と、
    前記発光素子の他方の電極に接続部材を介して接続されるリード部を設けると共に前記リード部から前記ダイパッド部に亘って前記リード部及び前記ダイパッド部の両側に配置される金属製の2枚の側壁部であって、前記側壁部が前記リード部と連結されて当該リード部を構成する一枚の金属板で形成され、前記ダイパッド部とは別体に形成されて所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態で配置される側壁部を設ける工程と、
    前記側壁部の厚さを、前記リード部の厚さ未満の厚さにする工程と、
    前記側壁部を、前記リード部を底面として当該底面から所定の角度で屹立させ、前記2枚の側壁部によって挟まれる域内に、前記2枚の側壁部とは非接触な状態で前記発光素子が配置されるように、前記リード部と連結する部分にて折り曲げ加工する工程と、
    前記発光素子が搭載された前記ダイパッド部と略同一平面に、前記ダイパッド部に対して所定の間隙を有して電気的に絶縁された状態で、前記折り曲げ加工した前記側壁部が連結された前記リード部を配置して、前記2枚の側壁部によって挟まれる域内に、前記2枚の側壁部とは非接触な状態で前記ダイパッド部上に前記発光素子を配置する工程とを含む
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
  6. 請求項5記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、
    前記側壁部の厚さを、前記リード部の厚さの80%以下とする
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
  7. 請求項5または6記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、
    前記側壁部の折り曲げ位置にV溝を設けておき、当該V溝を折り曲げ加工の際の案内溝として用いて、前記側壁部を前記リード部に対して屹立するように前記折り曲げ加工を行う
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
  8. 請求項5ないし7のうちいずれか1項に記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、
    前記側壁部の表裏両面のうち、前記発光素子からの光を受ける側の面に、前記発光素子から放射される光を拡散させるための凹凸を設ける工程を、さらに含む
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
  9. 請求項5ないし8のうちいずれか1項に記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、
    前記側壁部に潰し加工を施して、当該側壁部の厚さを前記リード部の厚さ未満にする工程と、
    前記潰し加工に伴う延展によって拡大した前記側壁部の寸法を所定の設定寸法に補正する工程と
    を含むことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
  10. 請求項5ないし9のうちいずれか1項に記載の発光素子実装パッケージ用リードフレー
    ムの製造方法において、
    前記側壁部の頂辺を断面テーパー状にエッジ加工する工程を、さらに含む
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
  11. 請求項5ないし10のうちいずれか1項に記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、
    前記側壁部の前記リード部に対して屹立する角度を、鈍角とする
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
  12. 請求項5ないし11のうちいずれか1項に記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、
    前記側壁部および前記リード部を一枚の金属板からプレス加工によって打ち抜き形成し、当該打ち抜きの工程中で切り欠きを側壁部の周縁に設ける
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
  13. 請求項12に記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、
    前記切り欠きは、円弧状若しくは稲妻状である
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
  14. 請求項5ないし13のうちいずれか1項に記載の発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法において、
    当該発光素子用リードフレームを、連続した一枚の金属材料板から複数個製造するものとし、前記リード部を底面として前記側壁部を屹立させた状態での当該側壁部の前記底面からの高さよりも大きな高さを有する変形防止用フィンを前記金属板材料の面内に設ける工程を、さらに含む
    ことを特徴とする発光素子実装パッケージ用リードフレームの製造方法。
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