JP2010103243A - Ledパッケージ用リードフレーム及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フープ材のような薄板金属の条を用いて、通常の抜き、曲げ、絞りのプレス技術による高速プレスで生産性の高い、安価なリードフレームを得る。
【解決手段】 LED素子の保持領域を含むLED保持面と、このLED保持面の周囲を囲む樹脂枠部材と、この樹脂枠部材のLED保持面に表出されたLED素子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるリード部と、LED保持面と枠部材とで構成される素子保持空間を封止した光透過性樹脂とを備えたLED装置を構成するLED保持面と樹脂枠部材とリード部とからなるLED用パッケージのうち、LED保持面とリード部とを構成するためのリードフレームであって、LED保持面としてLED素子を内側に保持するカップ状部材と、リード部を1つ以上備えたサブリードフレーム部と、カップ状部材とサブリードフレーム部とを連結する連結桟とを備え、連結桟にカップ状部材とサブリードフレーム部との間隙を予め定められた間隙距離に縮める曲げ加工部を更に備えもの。
【選択図】 図3

Description

本発明は、放熱性と反射効率とを向上させることができるLED装置のパッケージの製造法に関するものである。特に、高出力LEDや白色LEDの用途に主眼をおいたLED装置用パッケージを低コストで提供するためのリードフレーム、リードフレームの製造法及びLED用パッケージの製造法に関するものである。
発光ダイオード(Light Emitting Diode:「LED」と称する)の光量は投入電力に比例する。投入できる電力としては自ずと限界がある。その限界は、素子の性能によるところが大であるが、パッケージの放熱性も関係している。そもそも、半導体素子の動作領域は温度で制限されていて、限界温度を超えると半導体素子は破壊されたり、著しく寿命が短くなったりする。
LED素子の場合、投入電力の一部が光エネルギーに変換され、残りは熱に変換されるため、LEDは、例えば、白熱電球に比べて、発熱の少ないことが特徴であるが、高出力(高輝度)タイプのLED素子は大電流が流れるため、無視できないレベルの発熱・温度上昇が生じる。一方で、装置の小型化、薄型化の要求は高く、小型・薄形のLED装置の開発が進んでおり、LED装置としては、小型・薄形で、かつ、放熱効果の大きいパッケージの開発競争が展開されている。
もう一つの背景は、反射効率の高いパッケージの要求である。LED素子は素子上面方向に所定の放射角で光が放射されるが、素子の横方向にも無視できない量の光を放射する。横方向の光を無駄にすることなく、有効利用するために素子の横に反射板を配置する方法が従来から採用されてきた。
最も単純な反射板としては、パッケージを構成するプラスチックの樹脂枠部材において、LED素子を搭載する側面に傾斜を持たせ、かつ、白色プラスチックを採用するものであった。白色プラスチックは比較的に反射特性に優れてはいるが、高出力LEDや白色LEDに対しては次のような問題を抱えていた。即ち、
(1) プラスチック自体の光吸収率が高く、金属反射板に比べて反射効率は低い。
(2) 短波長の青色、紫外光の吸収率は著しく高いため、短時間で茶褐色に変色し、この変色によって反射率の低下と白色光の色ズレが生じる。
以上の背景から、金属による下面からの放熱と反射板とを兼ねたリードフレームによる種々のパッケージが開発されてきた。例えば、リードフレームから一対のリード部材を互いに対向させ、一方のリード部の先端をカップ状に形成したLED発光装置の提案がなされている(特許文献1参照)。この提案においては、カップ底部の裏面が露出して放熱すること、及び、カップ内面の反射が期待できるという利点があるが、次のような問題を抱えている。即ち、
(1) カップ形状の周りにスリットを形成した場合には、カップ絞り工程でそのスリットが広がるため、カップ形状にするために、プレスのブランク工程(材料取り)では、余裕を持たせる必要があり、リード部間の距離が大きくなってしまい、小型化が難しい。
(2) LED素子をカップ上に搭載してボンディングした後に、封止樹脂を注入してLED装置を形成するため、封止工程の際に、反射部の底面部が下型から浮くことがあるため(特許文献1段落番号0083参照)、放熱効果を悪化させる。
(3) 1回の封止工程でLED素子及びリード材全体を封止してLED発光装置を形成させるため、1種類の透明な樹脂を使用する必要がある。このため、樹脂部での光の屈折が起こらず反射はカップ形状の金属部分のみとならざるを得ず、反射効率は低くなる。
(4) また、光透過性の耐熱樹脂は材料が限定される。
(5) ボンディング工程では、各リード部材の裏面に支持部材を必要とし、特にカップにおいては、その裏面を支持する支持部材を装着させておいても不安定となり、ボンディング工程での失敗や不良品増加が想像される。
また、他の提案として、一対のリード材の一方に凹部を設けてLED素子を搭載させた半導体発光装置がある(特許文献2参照)。この提案においては、リード裏面が露出している点では前述の特許文献1と類似しているが、次のような問題を抱えている。即ち、
(1) リードの半田付け部とLED素子搭載部の厚さが異なる構造のため、予め板厚が部分的に異なる異形条を準備しなければならない。異形条は切削法や圧延法などがあるが、何れにしろ高価な材料であり、コスト高になる。
(2) リード材の板厚の厚い部分をコイニング等によって形成された凹部の深さには、リード材の圧延強さ(硬度)と、材料の横方向への逃げ・変形等によって、限界があり、プレス機械の回転数を上げることも困難で生産性が低い。
(3) このリード材の凹部の凹みが浅いため、反射は凹部の周囲の樹脂製の凹部が担っており、前述の通り、プラスチック自体の光吸収率が高く、金属反射板に比べて反射効率は低いこと、短波長の青色、紫外光の吸収率は著しく高いため、短時間で茶褐色に変色し、この変色によって反射率の低下と白色光の色ズレが生じることの弊害がある。
特許第4044078号公報 特開2005−353914号公報
本発明は、フープ材のような薄板金属の条を用いて、通常の抜き、曲げ、絞りのプレス技術による高速プレスで生産性の高い、安価なリードフレームを得ることを目的とする。このリードフレームは、カップ形状のLED素子搭載部とリード部との間隙を前述の通常のプレス技術を用いて、極限まで狭めることができ、このリードフレームを用いたLED装置を小型化することが可能となる。
また、カップ底面の裏面は平坦で、かつ、樹脂部と同一面になること、更に、カップ裏面の面積は放熱効果を向上させるために可能な限り大きいこと、また、カップ内面は、主たる反射面となるため、プレス工程の中で鏡面仕上げになるようにすること、更に、カップの深さは可能な限り深くすること、また、リードフレームをインサート成形する工程までで、パッケージ完成度を高めて、後工程に対して堅牢で安定した寸法の信頼性の高いLED用パッケージを提供することを目的とする。
請求項1に記載された発明に係るLEDパッケージ用リードフレームは、LED素子の保持領域を含むLED保持面と、このLED保持面の周囲を囲む樹脂枠部材と、この樹脂枠部材のLED保持面に表出されたLED素子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるリード部と、前記LED保持面と前記枠部材とで構成される素子保持空間を封止した光透過性樹脂とを備えたLED装置を構成する前記LED保持面と樹脂枠部材とリード部とからなるLED用パッケージのうち、前記LED保持面とリード部とを構成するためのリードフレームであって、
前記LED保持面としてLED素子を内側に保持するカップ状部材と、前記リード部を1つ以上備えたサブリードフレーム部と、前記カップ状部材とサブリードフレーム部とを連結する連結桟とを備え、
前記連結桟に、前記カップ状部材とサブリードフレーム部との間隙を予め定められた間隙距離に縮める曲げ加工部を更に備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係るLEDパッケージ用リードフレームは、請求項1に記載の一組のサブリードフレーム部が、前記カップ状部材を間にして対向して配置されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明に係るLEDパッケージ用リードフレームの製造法は、LED素子の保持領域を含むLED保持面と、このLED保持面の周囲を囲む樹脂枠部材と、この樹脂枠部材のLED保持面に表出されたLED素子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるリード部と、前記LED保持面と前記枠部材とで構成される素子保持空間を封止した光透過性樹脂とを備えたLED装置を構成する前記LED保持面と樹脂枠部材とリード部とからなるLED用パッケージのうち、前記LED保持面とリード部とを構成するためのリードフレームを製造する方法であって、
前記LED保持面としてLED素子を内側に保持するカップ状部材と、前記LED素子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるリード部を1つ以上備えたサブリードフレーム部と、前記カップ状部材とサブリードフレーム部とを連結する連結桟との構成要素からなるリードフレームを、絞り加工及び抜き加工で金属薄板に形成するリードフレーム形成工程と、
前記連結桟に曲げ加工を施して、前記カップ状部材とサブリードフレーム部との間隙距離を予め定められた距離に縮める曲げ加工工程とを備えたことを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明に係るLED用パッケージの製造法は、請求項3によって得られたリードフレームを用いたLED用パッケージの製造法であって、
前記カップ状部材のカップ底部裏面と、前記樹脂枠部材の裏面とが同一平面になるようにインサート成形することを特徴とするものである。
本発明は、フープ材のような薄板金属の条を用いて、通常の抜き、曲げ、絞りのプレス技術による高速プレスで生産性の高い、安価なリードフレームを得ることができるという効果がある。このリードフレームは、カップ形状のLED素子搭載部とリード部との間隙を前述の通常のプレス技術を用いて、極限まで狭めることができ、このリードフレームを用いたLED装置を小型化することができるという効果がある。
また、カップ底面の裏面は平坦で、かつ、樹脂部と同一面になること、更に、カップ裏面の面積は放熱効果を向上させるために可能な限り大きいこと、また、カップ内面は、主たる反射面となるため、プレス工程の中で鏡面仕上げになるようにすること、更に、カップの深さは可能な限り深くすること、また、リードフレームをインサート成形する工程までで、パッケージ完成度を高めて、後工程に対して堅牢で安定した寸法の信頼性の高いLED用パッケージを提供することができるという効果がある。
本発明においては、LED素子の保持領域を含むLED保持面と、このLED保持面の周囲を囲む樹脂枠部材と、この樹脂枠部材のLED保持面に表出されたLED素子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるリード部と、前記LED保持面と前記枠部材とで構成される素子保持空間を封止した光透過性樹脂とを備えたLED装置を構成する前記LED保持面と樹脂枠部材とリード部とからなるLED用パッケージのうち、前記LED保持面とリード部とを構成するためのリードフレームである。
即ち、本発明はリードフレームに関するものである。このリードフレームはLED保持面と樹脂枠部材とリード部とからなるLED用パッケージを例えばインサート成形で形成する際に用いられる。得られたLED用パッケージはLED保持面にLED素子が搭載され、リード部とワイヤボンディングした後に、LED保持面とその周囲の枠部材とで構成される素子保持空間を光透過性樹脂で封止してLED装置を得る。
本発明のリードフレームは、LED保持面としてLED素子を内側に保持するカップ状部材と、リード部を1つ以上備えたサブリードフレーム部と、カップ状部材とサブリードフレーム部とを連結する連結桟とを備え、連結桟に前記カップ状部材とサブリードフレーム部との間隙を予め定められた間隙距離に縮める曲げ加工部を更に備える。これにより、フープ材のような薄板金属の条を用いて、通常の抜き、曲げ、絞りのプレス技術による高速プレスで生産性の高い、安価なリードフレームを得ることができる。
本発明では、曲げ加工部により、間隙を縮めることが可能なるため、例えば、通常の抜き加工では不可能とされた金属薄板の厚さよりも短い間隙距離に縮めることも可能となる。
本発明のリードフレームとしては、通常の抜き、曲げ、絞りのプレス成形の可能な金属薄板が用いられる。より好ましくは金属フープ材を用いることにより、連続して成型が可能となる。金属薄板は少なくともLED保持面に表出されたLED素子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるリード部に電導通性を有するものであればよい。
本発明のサブリードフレーム部が、好ましくは、カップ状部材を間にして1組が対向して配置されるものでは、カップ状部材に対して向かい合う長辺に対して各々にリード部が配置可能となるため、多数のLED素子をカップ状部材に配置可能となるため、小型で発光性能が高いLED素子を得ることができる。
本発明のカップ状部材は、カップ状内部がLED保持面となり、カップの底面及び側面部が主たる反射部となるため、好ましくは、反射効率を向上させるように内面を鏡面仕上げする。この場合にも、絞り成形により、鏡面仕上げした金型の転写作用により、反射面の鏡面を得ることができる。
図1は本発明のLEDパッケージ用リードフレームの一実施例の打ち抜き成形工程後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図である。図1に示す通り、フープ状の金属薄板であるリードフレーム11の一区画の略中央部にカップ状部材12が絞り加工されており、そのカップ状部材12の上下部の各々にカップ周辺スリット13が抜き加工されている。
本実施例のリードフレーム11は、0.15mm程度の銅合金や鉄−ニッケル合金からなるリードフレームが採用されている。絞り加工と抜き加工とは何れを先に行ってもよいが、絞り加工の後に抜き加工を行うことにより、カップ状部材12の外形の変化が少なくなる。カップ状部材12の両側部はリードフレーム11に連結される連結部14となる。
カップ状部材12のカップ底面とカップ斜面は反射部になるため、プレス金型のダイ及びパンチにより面粗度として1μm以下の鏡面に仕上げた。また、リードフレーム11の上下縁部に穿設された孔はパイロット孔15である。尚、図1はフープ状の金属薄板の一区画のみを記載しており、図1のa図の左右に連続している。また、図1ではリードフレーム11に対して横一列に配しているが、幅広のリードフレームを用いたり、より小型のパッケージを作成するのであれば、二列以上配してもよい。
図2は図1のリードフレームに抜き成型してカップ状部材の外方にサブリードフレーム部及び連結桟となる部分を形成した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図である。図2に示す通り、カップ状部材12の外方にカップ状部材12を挟んだ対向位置にコ字状のサブリードフレーム部16が形成されている。
各々のサブリードフレーム部16の内側は、図1で形成した一組のカップ周辺スリット13を更に抜き加工された2つのリード部17がカップ状部材12の方向に延設されている。また、サブリードフレーム部16の外方には、コ字状のサブリードフレーム部外方スリット19を抜き加工することにより、カップ連結部14に連結して連結桟18が形成されたコ字状のサブリードフレーム部16が形成される。
尚、サブリードフレーム部16から延設されたリード部17は先端部手前でL字状に曲げ起こされた曲げ起こし部20が形成されて、リード部17の面の高さ位置がリードフレーム11の面よりも高くなっている。サブリードフレーム部16のカップ状部材12を挟んだ対向位置にはサブリードフレーム部16のパイロット孔21が穿設されている。
図3は図2のリードフレームのサブリードフレーム部及び連結桟の予め定められた箇所を曲げ加工した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。図3に示す通り、図2のサブリードフレーム部16とカップ連結部14とを連結する一組の連結桟18の各々を凸状に曲げた曲げ加工部22が形成されている。
即ち、図2に示した4本の連結桟18の各々に凸状の曲げ加工部22を形成することにより、リード部17と連絡されているサブリードフレーム部16をカップ状部材12方向に引き寄せたものである。
曲げ加工部22は、2つの立ち上がり部が同じ長さではなく、カップ状部材12から遠い方の立ち上がり部の長さを大きくすることにより、サブリードフレーム部16の裏面の高さ位置をカップ状部材12の裏面と同一平面になる深さとしている。更に、これにより、サブリードフレーム部16に連結されているリード部17の高さ位置がカップ状部材12の縁高さと同じ高さ位置となるように、図2における曲げ起こし部20の立ち上がり部の高さを予め調整しておく。
サブリードフレーム部16をカップ状部材12方向に引き寄せるための曲げ加工部22の曲げ深さ(曲げの大きさ)は、リード部17の先端位置と、カップ状部材12の端縁位置とのギャップLが予め定められた間隙距離となるように設計すればよい。この曲げ加工部22により、ギャップLを縮めることが可能なるため、例えば、通常の抜き加工では不可能とされた金属薄板の厚さよりも短い間隙距離に縮めることも可能となる。
尚、曲げ加工部22は凸状に曲げ加工した実施例を示したが、R状に曲げ加工しても同様の効果を奏する。
図4は図3のリードフレームをインサート成形金型に装着した状態を示す説明図であり、a図は平面図、b図はA−A断面図、c図はB−B断面図、d図はC−C断面図である。図4に示す通り、図3のリードフレーム11の内側に形成されたサブリードフレーム部16を上下金型23,24で挟持し、カップ状部材12と4つのリード部17を含む一組のサブリードフレーム部16とを上下金型23,24の内部に装着する。
尚、図示していないが、下金型24にピンを設け、そこにサブリードフレーム部16のパイロット孔21を嵌合して、下金型24とリードフレーム11の水平方向の位置決めを行う。垂直方向の位置決めはリード部17を上下金型23,24で固定すると同時にカップ状部材12の底部の裏面を上金型23で押さえ、カップ状部材12の縁部を下金型24で支えることで位置決めされる。尚、図においては、カップ状部材12の底部の裏面を上面としている。
図4に示す状態で上金型23の樹脂注入ゲート25から樹脂を注入すると、上下金型内部のキャビティー(空隙)26に樹脂が充填されパッケージ製作工程が完了する。尚、上金型23のカップ状部材12の底部裏面側を取り巻いて突設された突起部材27はこの部分に樹脂が回らないためのもので、カップ状部材12の裏面に樹脂が這い上がることを防止して裏面の露出を確実にすると共に、LED装置を最終ユーザが基盤等に半田付けする際に、半田フラックスを誘導してLED装置が浮き上がることも防止するためのものである。
図5は図4の金型を用いてインサート成形を行った後のLED用パッケージの説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。図5に示す通り、リードフレーム11からパッケージ30を切り落とした図である。
本実施例のパッケージ30は、カップ状部材12の内側面としてのLED保持面28と、このLED保持面28の周囲を囲む樹脂枠部材29と、樹脂枠部材29の内側面に表出したリード部17とからなる。このパッケージ30は、LED保持面28にLED素子を搭載し、搭載されたLED素子とリード部とをワイヤボンディングによって電気的に接続した後、LED保持面と樹脂枠部材とで構成される素子保持空間を光透過性樹脂で封止することにより、LED装置を得る。
尚、図5において、カップ状部材12の縁部とリード部17の高さ位置は同一になっているが、実質上は同一高さである必要はない。カップ状部材12の底部にLED素子を搭載し、素子上面の電極とリード部17とをボンディングワイヤーで接続する際に、最適な高さにリード部17の高さを設定すればよいが、実用上、概ね同一高さになる。
また、カップ状部材12の底面に対する周囲のカップ斜面の傾きは水平方向の放射光に対しては45°が理想的であるが、LED素子からの放射角度は特定できないため、パッケージ30の縦幅Wを小さくしたいという要求との兼ね合いから45°〜80°の範囲で選択される。
樹脂枠部材29のカップ状部材12の周囲に設けられた樹脂斜面31は、カップ状部材12の底面及びカップ斜面で反射された光の一部が漏れた場合に、漏れた光を再反射するために副反射板となるため、白色のような反射しやすい色の樹脂(例えば、ナイロン系樹脂や液晶ポリマー系樹脂等)が用いられる。
ギャップ間隙Lは、パッケージ30の縦幅を小さくしたいという要求やボンディングワイヤを短くしたいという要求からは小さいことが望ましいが、ギャップ間に確実に樹脂を充填したいということからは大きい方が望ましい。尚、本成形技術ではギャップ間隙Lが0.1mmまで狭めることが可能となっている。
図4及び図5に示したように、個々のリードフレーム11は切り離して加工したが、切り離さずに図4又は図5に示した加工工程が終了した時点で切り離してもよい。
図6は本発明のLEDパッケージ用リードフレームの別の実施例の絞り成型及び抜き成形してカップ状部材、サブリードフレーム部及び桟部を形成した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図である。図6に示す通り、本実施例は前述の実施例に比べ、リードの数が少ないより小型のパッケージへの応用例である。
図の通り、フープ状の金属薄板であるリードフレーム61の一区画の略中央部にカップ状部材62が絞り加工されており、そのカップ状部材62の周囲にカップ周辺スリット63が抜き加工されている。
カップ周辺スリット63は、2つのリード部67を形成する1つのサブリードフレーム部66と、このサブリードフレーム部66をカップ状部材62の上縁部に連結する連結桟68と、カップ状部材62の下縁部からリードフレーム61に連結する連結部64と、リードフレーム61の内側に形成された2つのリード部67とを構成している。
本実施例のリードフレーム61も、0.15mm程度の銅合金や鉄−ニッケル合金からなるリードフレームが採用されている。絞り加工と抜き加工とは何れを先に行ってもよいが、絞り加工の後に抜き加工を行うことにより、カップ状部材62の外形の変化が少なくなる。
尚、前述の実施例と同様に、カップ状部材62のカップ底面とカップ斜面は反射部になるため、プレス金型のダイ及びパンチにより面粗度として1μm以下の鏡面に仕上げた。また、リードフレーム61の上下縁部及びサブリードフレーム部66に穿設された孔はパイロット孔65である。また、図6はフープ状の金属薄板の一区画のみを記載しており、図6のa図の左右に連続している。更に、図6ではリードフレーム61に対して横一列に配しているが、幅広のリードフレームを用いたり、より小型のパッケージを作成するのであれば、二列以上配してもよい。
図7は図6のリードフレームのサブリードフレーム部のリード部を曲げ加工した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。図7に示す通り、カップ状部材62の周囲に配されていたリード部67の先端部手前をL字状に曲げ起こされた曲げ起こし部70が形成されて、リード部67の面の高さ位置がリードフレーム61の面よりも高くなっている。
即ち、図7において、リードフレーム61に対してカップ状部材62の縁部が同一面になり、カップ状部材62全体が沈んだ状態、または、リード部67が浮き上がった状態になっている。
図8は図7のリードフレームの連結桟の所定箇所を折れ加工及び曲げ加工した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。図に示す通り、連結部64と連結桟68とのカップ状部材62に近い位置で段付け曲げ加工部71が形成され、遠い位置で凸状に曲げた曲げ加工部72が形成されている。
即ち、連結部64と連結桟68とに段付け曲げを加えて段付け曲げ加工部71を形成することによって、リードフレーム61が垂直下方向に下り、同時にリード部67も同じ寸法だけ下がる。段付け曲げ寸法は、リードフレーム61の裏面と、カップ状部材62の裏面とが同一平面になるような寸法とする。
更に、連結部64と連結桟68とにR状又は凸状の曲げ加工を加えて、曲げ加工部72を形成することにより、サブリードフレーム部61のリード部67及びリードフレーム61の内側に形成されたリード部67と、カップ状部材62との間隙距離が狭まることになる。尚、段付け曲げ加工部71とR状又は凸状の曲げ加工部72との形成の順番はどちらが先でもよい。
リード部67と、カップ状部材62との間を狭めるための連結部64と連結桟68とに形成される曲げ加工部72の曲げ深さ(曲げの大きさ)は、リード部67の先端位置と、カップ状部材62の端縁位置とのギャップ間隙Lが予め定められた間隙距離となるように設計すればよい。この曲げ加工部72により、ギャップ間隙Lを縮めることが可能なるため、例えば、通常の抜き加工では不可能とされた金属薄板の厚さよりも短い間隙距離に縮めることも可能となる。
図9は図8のリードフレームをインサート成形金型に装着した状態を示す説明図であり、a図は底面図、b図はA−A断面図、c図はB−B断面図である。図9に示す通り、図8のリードフレーム61を切り離し、上下金型73,74にカップ状部材62と4つのリード部67とを内部に装着する。
図9に示す状態で上金型73の樹脂注入ゲート75から樹脂を注入すると、上下金型内部のキャビティー(空隙)76に樹脂が充填されパッケージ製作工程が完了する。尚、上金型73のカップ状部材62の底部裏面側を取り巻いて突設された突起部材77はこの部分に樹脂が回らないためのもので、カップ状部材62の裏面に樹脂が這い上がることを防止して裏面の露出を確実にすると共に、LED装置を最終ユーザが基盤等に半田付けする際に、半田フラックスを誘導してLED装置が浮き上がることも防止するためのものである。
尚、リードフレーム61のパイロット孔65はリードフレーム61を順送りプレスで送るときの基準孔であるが、リードフレーム61を上下金型73,74に装着して水平方向の位置決めの基準孔としても使う。
図10は図9の金型を用いてインサート成形を行った後のLED用パッケージの説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。図10に示す通り、リードフレーム61からパッケージ80を切り落とした図である。
また、カップ状部材62の底面に対する周囲のカップ斜面の傾きについては、前述の実施例と同様に、パッケージ80の縦幅Wを小さくしたいという要求との兼ね合いから45°〜80°の範囲で選択され、ギャップ間隙Lについても、パッケージ80の縦幅を小さくしたいという要求やボンディングワイヤを短くしたいという要求からは小さいことが望ましいが、ギャップ間に確実に樹脂を充填したいということからは大きい方が望ましい。尚、本成形技術ではギャップ間隙Lが0.1mmまで狭めることが可能となっている。
本実施例のパッケージ80は、カップ状部材62の内側面としてのLED保持面78と、このLED保持面78の周囲を囲む樹脂枠部材79と、樹脂枠部材79の内側面に表出したリード部67とからなる。このパッケージ80は、LED保持面78にLED素子を搭載し、搭載されたLED素子とリード部とをワイヤボンディングによって電気的に接続した後、LED保持面と樹脂枠部材とで構成される素子保持空間を光透過性樹脂で封止することにより、LED装置を得る。
本発明のLEDパッケージ用リードフレームの一実施例の絞り成型及び抜き成形してカップ状部材を形成した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図である。 図1のリードフレームに抜き成型してカップ状部材の外方にサブリードフレーム部及び連結桟となる部分を形成した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図である。 図2のリードフレームのサブリードフレーム部及び連結桟の予め定められた箇所を曲げ加工した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。 図3のリードフレームをインサート成形金型に装着した状態を示す説明図であり、a図は平面図、b図はA−A断面図、c図はB−B断面図、d図はC−C断面図である。 図4の金型を用いてインサート成形を行った後のLED用パッケージの説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。 本発明のLEDパッケージ用リードフレームの別の実施例の絞り成型及び抜き成形してカップ状部材、サブリードフレーム部及び桟部を形成した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図である。 図6のリードフレームのサブリードフレーム部のリード部を曲げ加工した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。 図7のリードフレームの連結桟の所定箇所を折れ加工及び曲げ加工した後の説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。 図7のリードフレームをインサート成形金型に装着した状態を示す説明図であり、a図は底面図、b図はA−A断面図、c図はB−B断面図である。 図9の金型を用いてインサート成形を行った後のLED用パッケージの説明図であり、a図は平面図、b図は正面図、c図は側面図、d図はA−A断面図、e図はB−B断面図、f図は底面図である。
符号の説明
11…リードフレーム部材、
12…カップ状部材、
13…カップ周辺スリット、
14…カップ連結部、
15…パイロット孔、
16…サブリードフレーム部、
17…リード部、
18…連結桟、
19…サブリードフレーム部外方スリット、
20…曲げ起こし部、
21…パイロット孔、
22…連結桟の曲げ加工部、
L…カップ縁部とリード部とのキャップ間隙、
23…上金型、
24…下金型、
25…樹脂注入ゲート、
26…キャビティー(上下金型の内部空隙)、
27…突起部材、
28…LED保持面、
29…樹脂枠部材、
30…パッケージ、
31…樹脂斜面、
W…縦幅、
61…リードフレーム部材、
62…カップ状部材、
63…カップ周辺スリット、
64…連結部、
65…パイロット孔、
66…サブリードフレーム部、
67…リード部、
68…連結桟、
70…曲げ起こし部、
71…段付け曲げ加工部、
72…曲げ加工部、
L…カップ縁部とリード部とのキャップ間隙、
73…上金型、
74…下金型、
75…樹脂注入ゲート、
76…キャビティー(上下金型の内部空隙)、
77…突起部材、
78…LED保持面、
79…樹脂枠部材、
80…パッケージ、
W…縦幅、

Claims (4)

  1. LED素子の保持領域を含むLED保持面と、このLED保持面の周囲を囲む樹脂枠部材と、この樹脂枠部材のLED保持面に表出されたLED素子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるリード部と、前記LED保持面と前記枠部材とで構成される素子保持空間を封止した光透過性樹脂とを備えたLED装置を構成する前記LED保持面と樹脂枠部材とリード部とからなるLED用パッケージのうち、前記LED保持面とリード部とを構成するためのリードフレームであって、
    前記LED保持面としてLED素子を内側に保持するカップ状部材と、前記リード部を1つ以上備えたサブリードフレーム部と、前記カップ状部材とサブリードフレーム部とを連結する連結桟とを備え、
    前記連結桟に、前記カップ状部材とサブリードフレーム部との間隙を予め定められた間隙距離に縮める曲げ加工部を更に備えたことを特徴とするLEDパッケージ用リードフレーム。
  2. 一組の前記サブリードフレーム部が、前記カップ状部材を間にして対向して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のLEDパッケージ用リードフレーム。
  3. LED素子の保持領域を含むLED保持面と、このLED保持面の周囲を囲む樹脂枠部材と、この樹脂枠部材のLED保持面に表出されたLED素子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるリード部と、前記LED保持面と前記枠部材とで構成される素子保持空間を封止した光透過性樹脂とを備えたLED装置を構成する前記LED保持面と樹脂枠部材とリード部とからなるLED用パッケージのうち、前記LED保持面とリード部とを構成するためのリードフレームを製造する方法であって、
    前記LED保持面としてLED素子を内側に保持するカップ状部材と、前記LED素子とワイヤボンディングにより電気的に接続されるリード部を1つ以上備えたサブリードフレーム部と、前記カップ状部材とサブリードフレーム部とを連結する連結桟との構成要素からなるリードフレームを、絞り加工及び抜き加工で金属薄板に形成するリードフレーム形成工程と、
    前記連結桟に曲げ加工を施して、前記カップ状部材とサブリードフレーム部との間隙距離を予め定められた距離に縮める曲げ加工工程とを備えたことを特徴とするLEDパッケージ用リードフレームの製造法。
  4. 請求項3によって得られたリードフレームを用いたLED用パッケージの製造法であって、
    前記カップ状部材のカップ底部裏面と、前記樹脂枠部材の裏面とが同一平面になるようにインサート成形することを特徴とするLED用パッケージの製造法。
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