JP5444654B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置に関し、より詳細には、リードフレームを屈曲させて反射面を形成した発光装置に関する。
近年、高輝度、高出力の発光素子及び小型かつ好感度の発光装置が開発され種々の分野に利用されている。このような発光装置は、小型、低消費電力や軽量等の特徴を生かして、例えば、携帯電話及び液晶バックライトの光源、各種メータの光源及び各種読みとりセンサ等に利用されている。
例えば、バックライトに用いられる光源は、それを使用する機器の小型化及び軽量化のために、薄型化が求められている。従って、光源として用いられる発光装置自体も小型化することが必要であり、そのために、サイドビュータイプと呼ばれる形態の発光装置が種々開発されている。サイドビュータイプの発光装置は、一般に、底面と内壁とを有する凹部を備えたパッケージに発光素子が載置され、リードフレームの一部が外部端子としてパッケージ内部から外部に引き出されて構成されている。
このようなサイドビュー型発光装置を小型化するために、主に高さ(厚み)方向の小サイズ化が進められている。サイズを小さくするに伴い、発光素子と内壁との距離が極めて近くなり、発光素子から直接パッケージ内壁に入射された光により、パッケージが変色し、使用寿命が短くなるという問題があった。このような問題を解決するための改善策として、例えば、リードフレームの一部を折り曲げてパッケージ内壁に沿うように形成することで、パッケージ内壁に入射する光を遮断し、パッケージの変色を防止するという技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2008−53726号公報
しかしながら、リードフレームは熱伝導性に優れているため、発光素子から放出された熱は、パッケージ内壁に沿わせたリードフレームに伝わることになる。パッケージの凹部は、発光素子を保護するため、あるいは波長変換部材を配置するために、通常、樹脂で封止される。これらの封止樹脂は、リードフレームと接しているため、リードフレームから放熱される熱や、リードフレームに伝わる熱によって悪影響を受けてしまう。すなわち、上述した特許文献1のような方法は、パッケージ内壁の変色を防止することに対しては効果的であるが、封止樹脂とリードフレームとの接触面積が大きいために、リードフレームを伝わる熱によって封止樹脂の変色が促進され、使用寿命が短くなるという問題があった。また、リードフレームと封止樹脂との密着性は、パッケージと封止樹脂とのそれよりも低いため、リードフレームと封止樹脂との界面で剥離が起こりやすくなるという問題もあった。
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、パッケージ内壁の変色を防止しつつ、封止樹脂の劣化も抑制し、放熱性に優れた信頼性の高い小型の発光装置を提供することにある。
以上の目的を達成するために、本発明に係る発光装置は、正面に凹部を有するパッケージと、前記凹部の底面に露出するリードフレームと、前記リードフレームに載置された発光素子と、前記凹部に充填される封止樹脂と、を有する発光装置であって、前記リードフレームは、前記凹部内にて前記パッケージの正面側に向かって屈曲された屈曲部と、前記パッケージから外部に突出されて屈曲され前記パッケージの正面と反対側の面に配置されてなる突出部と、を有することを特徴とする。
この発光装置においては、前記パッケージの正面と反対側の面に切欠部を有し、前記切欠部に前記突出部が収納されることが好ましい。
また、前記リードフレームは、前記屈曲部を挟んで、前記パッケージに埋設される支持部を少なくとも一対有することが好ましい。
本発明の発光装置によれば、パッケージ内壁の変色を防止しつつ、封止樹脂の劣化も抑制し、放熱性に優れた信頼性の高い小型の発光装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明は発光装置を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
図1〜図6に、本発明の実施の形態1に係る発光装置100の外観と、断面図、本発明に適用可能なリードフレーム102の図を示す。これらの図において、図1は発光装置100を正面から見た図、図2は図1のA−A線断面斜視図、図3は図1のB−B線断面斜視図、図4は正面と反対側の面(以下、「背面」ともいう)側を斜め上から見た斜視図、図5および図6は本実施の形態に係る発光装置に使用されるリードフレーム102を示す図である。
これらの図に示す発光装置100は、その正面に凹部を有するパッケージ101と、凹部の底面に露出するリードフレーム102と、リードフレーム102に載置された発光素子103とを有している。凹部は、封止樹脂(図示せず)によって封止される。
本実施の形態において、図2に示すように、リードフレーム102は、パッケージ101の凹部内にてパッケージ101の正面側に向かって屈曲された屈曲部102aと、図3に示すように、パッケージ101の底面から外部に突出されて2度屈曲され、前記パッケージ101の背面に配置されてなる突出部102bとを有する。発光素子103は、ワイヤ106等の導電性部材により、リードフレーム102と電気的に接続されている。
このように、発光素子103を載置するリードフレーム102は、パッケージ101に形成される凹部の内壁の変色を防止することができる屈曲部102aと、パッケージ101の外部にて、リードフレームに搭載された発光素子103から生じる熱を放熱することのできる突出部102bを、1つのリードフレームに一体に形成することにより、放熱性の高い発光装置とすることができる。これにより、凹部内にてリードフレーム102の面積を広く形成し、封止樹脂とリードフレームが多く接する場合においても、封止樹脂(図示せず)の劣化および変色を抑制し、信頼性の高い発光装置とすることができる。
本実施の形態において、突出部102bは、図3および図4に示すように、パッケージ101の底面から突出され、その底面(実装面となる面)に沿って屈曲され、さらに、パッケージ101の背面に沿って屈曲される。突出部102bがこのように屈曲されることにより、小型の発光装置、例えばサイドビュー型の発光装置の場合であっても、発光装置の外形サイズを大きくすることなく、放熱に寄与するリードフレームの面積を増やすことができる。なお、底面ではなく、上面から突出部102bを突出させ、上面に沿って屈曲し、背面に沿って配置されてもよい。上面と底面の双方から突出していてもよい。
以下に、本実施の形態における発光装置100の各部材及び構造について説明する。
(リードフレーム102)
パッケージ101の内部には、リードフレーム102が埋設され、リードフレーム102の上面すなわち発光素子103の載置面を、後述する凹部の底面で露出させるように、パッケージ101と樹脂成形などにより一体的に形成される。
リードフレーム102は、実質的に板状であればよく、波形板状、凹凸を有する板状であってもよい。その厚みは均一であってもよいし、部分的に厚くなる又は薄くなってもよい。リードフレーム102を構成する材料は特に限定されないが、熱伝導率の比較的大きな材料で形成することが好ましい。このような材料で形成することにより、発光素子103で発生する熱を効率的に後述の突出部102bに伝達し、外部に放熱することができる。例えば、200W/(m・K)程度以上の熱伝導率を有しているもの、比較的大きい機械的強度を有するもの、あるいは打ち抜きプレス加工又はエッチング加工等が容易な材料が好ましい。具体的には、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル等の金属又は鉄−ニッケル合金、燐青銅等の合金等が挙げられる。また、リードフレーム102の表面には、搭載される発光素子103からの光を効率よく取り出すために反射メッキが施されていることが好ましい。
なお、リードフレームは、発光素子103が載置されるリードフレーム以外に、少なくとも1つ以上設けられ、発光素子103とワイヤ106等により電気的に接続される。
(屈曲部102a)
発光素子103を載置するリードフレーム102は、パッケージ101の凹部底面に表出する部分からパッケージ101の正面、すなわち、光出射面方向に屈曲されて形成される屈曲部102aを有する。発光素子103から放出された光が、屈曲部102aで遮断されることにより、パッケージ101の凹部内壁の変色が防止・抑制される。また、屈曲部102aに反射メッキを施すことにより、発光素子103からの光を効率よく反射し、光取り出し効率を高めることができる。なお、発光素子を載置するリードフレームに屈曲部を形成するとともに、発光素子を載置しないリードフレームにもパッケージ101の変色を抑制するために、パッケージの凹部内壁に沿ってリードフレームを屈曲させてもよい。
図5は、本実施の形態に用いられるリードフレーム102の図であり、図6は図5に示すリードフレームを屈曲した図である。通常、図5に示すような板状のリードフレームの屈曲部102aにあたる部分を屈曲し、凹部を有するパッケージを成型し、発光素子103を搭載し、凹部内に封止樹脂を充填したのちに、パッケージ外部に突出した突出部102bや、端子部102cをパッケージに沿って屈曲するが、図6では便宜上、完成した発光装置100から、リードフレーム102、発光素子103、ワイヤ106を抽出した図を示している。
図5に示されるように、屈曲部102aは、板状の金属板を加工して作製されるリードフレーム102に設けられる発光素子載置部102dに連続するように形成される。パッケージ101の変色を防止するために、屈曲部102aは、発光素子が発する光からパッケージ内壁を覆うような場所に形成される。屈曲部102aの幅および高さは、パッケージの凹部の大きさ等により、適宜調節される。例えば、図5に示すように、屈曲部102aの幅である、寸法αと寸法βは、同じ長さでもよいし、異なる長さでもよい。
屈曲部102aは、パッケージ101の変色防止の観点から、屈曲された際に、発光素子103と対向する位置に大きく設けられることが好ましい。しかしながら、リードフレームの一部である屈曲部102aと、凹部内に充填される封止樹脂との密着性は、パッケージと封止樹脂とのそれよりも低いため、屈曲部102aと封止樹脂との界面で剥離が起こりやすくなる。したがって、凹部にて表出される屈曲部102aの幅は、発光素子の幅以上となるよう、また、凹部にて表出される屈曲部の高さは、発光素子の高さ以上となるように設定し、かつ、凹部の内壁に屈曲部102aで覆われないパッケージ部が表出されることが好ましい。このとき、凹部の開口部の上面の全周にわたってパッケージ部が表出されていると、より好ましい。これにより、パッケージの変色を防止しつつ、封止樹脂と凹部の内壁との密着性を確保することができる。
屈曲部102aの折り曲げ角度は、適宜調整できるが、リフレクタとしての機能を持たせるために、パッケージに形成された凹部の開口面に向かって広がるような角度で形成されることが好ましい。また、屈曲部102aの端部は、パッケージ101に埋め込まれていることが好ましい。これにより、屈曲部102aとパッケージ101との剥離を防止することができる。本実施例においては、図1および図2に示すように、凹部の内壁に屈曲部102aの端部を係止する係止部104をパッケージ101と一体に形成している。このような係止部104は、例えばリードフレームをインサート成形する際に、金型側に対応する掘り込みを設けることで形成することができる。
(突出部102b)
発光素子103を載置するリードフレーム102は、パッケージ101から外部に突出されて屈曲され、パッケージ101の背面に配置されてなる突出部102bを有する。ここで、突出部102bとは、パッケージから突出し、外部に露出されている部分をいい、パッケージの底面、もしくは上面に沿って配置されている部分を含むものとする。
突出部102bは、その面積が広いほうが放熱性を向上させることができるため、好ましい。突出部102bの面積は、例えば、発光素子103が載置されるリードフレーム102の全体の面積の30%以上であることが好ましい。これにより、発光素子103からの熱を、効率的に放熱することができる。
突出部102bを大きくし、背面以外の面を実装面とすると、突出部102bの重量によって、発光装置を実装する際のバランスが悪くなるということが考えられるが、本実施例においては、図6に示すように、突出部102bと屈曲部102aが互いに反対方向に屈曲されているため、発光装置の重心が極端に偏ることを防止することができ、実装性に優れた発光装置とすることができる。
本実施の形態においては、図4に示すように、パッケージ背面に沿って配置される突出部102bを収納することのできる切欠部107を、パッケージ101の背面に設けている。比較的面積の大きい突出部102bが、パッケージ101の端部よりも外側に突出していると、発光装置の実装工程などに生じる外力により、突出部102bが曲がるおそれがある。切欠部を形成して、切欠部107に突出部102bを収納することにより、外力による突出部102bの曲がりや変形を防止することができる。
突出部102bの、パッケージから突出する箇所は、左右対称に設けられることが好ましい。さらに、パッケージから突出する箇所に、溝部102fを設けることにより、パッケージ101とリードフレーム102との密着力を向上させることができ、好ましい。図5に示すように、突出部102bは、左右対称形状で、発光素子載置部102dの両側から延出するように設けられることが好ましい。このように形成することにより、発光素子から生じた熱を左右対称に拡散し、効果的に外部に放熱することができる。
また、突出部102bのパッケージから突出する部分は、発光素子載置部からなるべく近い箇所に設けられることが好ましい。発光素子103から発生する熱を、より早く外部に放熱することができるからである。
図6に示すように、本実施の形態において、突出部102bは、発光素子103と電気的に接続されている。すなわち、リードフレーム102は、屈曲部102aと突出部102bを有し、さらに、外部の電源と接続するための端子部102cを有している。端子部102cは、リードフレーム102から分岐し、パッケージ底面から突出される。突出部102bが発光素子103と電気的に接続されているため、突出部102bを外部の電源と接続するために用いることも可能であるが、突出部102bとは別に、接続用の端子部102cを、パッケージ101の左右の側面に沿うように一対形成することにより、発光装置を半田で実装する際にサイドフィレットを形成することができ、実装性、放熱性に優れた発光装置とすることができる。さらに、発光素子が搭載されるリードフレーム102の面積が、端子部102cの面積を含むことによって、より大きくなるので、さらに放熱性に優れた発光装置とすることができる。
一方、図7に示すように、突出部102bを有するリードフレーム102は、発光素子103との電気的接続に使用することなく、隣接されたリードフレームに対してワイヤで接続することもできる。このようにすると、隣り合うリードフレームが、それぞれ別の極性を持っていないため、隣り合うリードフレームが、例えばマイグレーションなどの何らかの原因で導通した場合であっても、ショートすることを防止することができる。
リードフレーム102は、図5乃至7に示すように、屈曲部102aを挟んだ位置に、もしくは、突出部のうち、パッケージから突出される部分と、発光素子載置部102dを挟んで略対向する位置に、支持部102eを少なくとも一対設けることが好ましい。このような支持部102eは、パッケージ101に埋設される。これにより、突出部102bをパッケージ101外部にて屈曲させる際にかかる応力により、パッケージ101からリードフレーム102が剥離することを防止することができる。
(発光素子103)
発光素子103としては、LED等の半導体発光素子が好適に利用できる。これらは、液相成長法、HDVPE法やMOCVD法により基板上にZnS、SiC、GaN、GaP、InN、AlN、ZnSe、GaAsP、GaAlAs、InGaN、GaAlN、AlInGaP、AlInGaN等の半導体を発光層として形成させたものが好適に用いられる。半導体層の材料やその混晶度の選択により、発光素子103の発光波長を紫外光から赤外光まで種々選択することができる。発光層の材料としては、例えばInXAlYGa1-X-YN(0≦X≦1、0≦Y≦1、X+Y≦1)等が利用できる。また、このような発光素子と、その発光により励起され、発光素子の発光波長と異なる波長を有する光を発する種々の蛍光体とを組み合わせた発光素子とすることもできる。赤色系の発光する発光素子の材料として、ガリウム・アルミニウム・砒素系の半導体やアルミニウム・インジウム・ガリウム・燐系の半導体を選択することが好ましい。なお、カラー表示装置とするためには、赤色系の発光波長が610nmから700nm、緑色が495nmから565nm、青色の発光波長が430nmから490nmのLEDチップを組み合わせることが好ましい。
発光素子103は、その発光素子103に電力を供給する端子部102cと電気的に接続される。
リードフレーム102に実装する発光素子103の数は、1つであってもよいし、複数個搭載してもよい。この場合、光度を向上させるために、同じ発光色の光を発する発光素子を複数個組み合わせてもよい。また、例えばRBGに対応するように、発光色の異なる発光素子を複数個組み合わせることにより、色再現性を向上させることができる。発光素子103を複数個実装する場合は、その全ての発光素子が、屈曲部102aと対向するように実装されるのが好ましい。
また必要に応じて、発光素子103の周囲に波長変換部材を配置し、発光素子の光の波長を変換して、異なる波長の光に変換して出力することもできる。波長変換部材は、例えば透光性樹脂に、発光素子の光で励起されて蛍光を発する蛍光体を混入することにより形成させたものである。これにより、発光素子の光をより長波長の光に変換し、発光素子の光と波長変換部材で変換された長波長の光との混色光を外部に取り出すことが可能となる。
(半導体素子の実装)
発光素子103は、リードフレーム102表面に接合部材を用いたダイボンディングによって固定される。このような接合部材として、例えば青及び緑発光を有し、サファイア基板上に窒化物半導体を成長させて形成された発光素子103の場合には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。また、発光素子103からの光や熱による接合部材の劣化を考慮して、発光素子裏面にAlメッキを施し、Au−Sn共晶などの半田、低融点金属等のろう材、導電性ペーストなどを接合材料として用いてもよい。さらに、GaAs等からなり、赤色発光を有する発光素子のように、両面に電極が形成された発光素子の場合には、銀、金、パラジウムなどの導電性ペースト等によってダイボンディングしてもよい。
(フリップチップボンディング又はワイヤボンディング)
発光素子103とリードフレーム102との電気的に接続は、導電部材を用いたフリップチップ実装(フェイスダウン実装)や、導電ワイヤを用いたフェイスアップ実装によって行える。
フリップチップ実装用の導電部材としては、Auなどの金属バンプ、Au−Sn共晶などの半田、異方導電性材料、Agなどの導電性ペーストなどが挙げられる。また導電ワイヤとしては、発光素子の電極とのオーミック性が良好であるか、機械的接続性が良好であるか、電気伝導性及び熱伝導性が良好なものであることが好ましい。熱伝導率としては、0.01cal/S・cm・℃/cm程度以上が好ましく、さらに0.5cal/S・cm・℃/cm程度以上がより好ましい。作業性などを考慮すると、ワイヤの直径は、10μm〜45μm程度であることが好ましい。このようなワイヤの材料としては、例えば、金、銅、白金、アルミニウム等の金属及びそれらの合金が挙げられる。
(封止樹脂 図示せず)
発光素子103を凹部内のリードフレーム102に実装した状態で、凹部を封止樹脂で充填する。これにより、外力や水分等から発光素子103を保護すると共に、ワイヤ106等の導電性部材を保護する。発光素子からの光を取り出すために、封止樹脂は透光性を有している。このような封止樹脂に利用できる封止樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂等の耐候性に優れた透明樹脂等が挙げられる。特に透明樹脂は、工程中あるいは保管中に透光性被覆材内に水分が含まれるような場合においても、100℃で14時間以上のベーキングを行うことによって、樹脂内に含有された水分を外気へ逃がすことができる。従って、水蒸気による破裂や、発光素子とモールド部材との剥がれを防止することができ、好ましい。
また封止樹脂には、適宜フィラーや散乱材、拡散材等を適宜分散させることもできる。さらに、蛍光体などの波長変換部材を混入した波長変換層を設けることもできる。拡散材は、光を拡散させるものであり、発光素子からの指向性を緩和させ、視野角を増大させることができる。蛍光物質は、発光素子からの光を変換させるものであり、発光素子からパッケージの外部へ出射される光の波長を変換することができる。発光素子からの光がエネルギーの高い短波長の可視光の場合、有機蛍光体であるペリレン系誘導体、ZnCdS:Cu、YAG:Ce、Eu及び/又はCrで賦活された窒素含有CaO−Al−Si0などの無機蛍光体など、種々好適に用いられる。発光装置において白色光を得る場合、特にYAG:Ce蛍光体を利用すると、その含有量によって青色発光素子からの光と、その光を一部吸収して補色となる黄色系が発光可能となり白色系が比較的簡単に信頼性良く形成できる。同様に、Eu及び/又はCrで賦活された窒素含有CaO−AlPSiO蛍光体を利用した場合は、その含有量によって青色発光素子からの光と、その光を一部吸収して補色となる赤色系が発光可能であり白色系が比較的簡単に信頼性よく形成できる。また、蛍光体を完全に沈降させ、気泡を除くことで色むらを低減させることができる。
(パッケージ101)
パッケージ101は、その正面に凹部を有し、該凹部の底面に前述のリードフレームが露出するように、射出成形などの方法で形成される。
パッケージ101の成形材料には、例えば、液晶ポリマー、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、ポリフタルアミド樹脂のような高融点結晶を含有する半結晶性ポリマー樹脂は、表面エネルギーが大きく、パッケージ101の凹部に充填する封止樹脂との密着性が良好であるので、好適である。これにより、封止樹脂を充填し硬化する工程において、樹脂の冷却過程の間にパッケージと封止樹脂との界面が剥離しにくくなる。また、成形部材中に酸化チタンなどの白色顔料などを混合してもよい。
また、パッケージの底面(実装面)には、図1に示すように、突出部102bと端子部102cとの間に、凸部105が形成されてもよい。このような凸部により、隣り合う極性の異なるリードフレームが、実装時にショートするおそれを防止することができる。
(実施の形態2)
発光装置の形状は、上記の構成に限られず、種々の形状のものが利用できる。一例として、突出部の形状を変更した発光装置の例を図8に示す。(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。図8(b)に示すように、パッケージの背面側に配置される突出部202bは、パッケージの射出成形時に用いられる樹脂注入口(ゲート)108と接触しないような形状にしている。本構成によっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
さらに別の形態として、実施の形態2と同様に、突出部の形状を変更した発光装置の例を図9に示す。(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。パッケージの背面側に配置される突出部302bの面積を、できるだけ大きく設けている。本構成によっても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
<実施例1>
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例1に係る発光装置を説明する。実施の形態1に係る発光装置と重複するところは説明を省略することもある。
図1は、実施例1に係る発光装置100を示す正面図であり、その寸法はおおよそ厚み1.0mm×幅3.4mm×奥行き1.0mmであり、パッケージに形成された凹部の深さが0.3mmである。
まず、図5に示すように屈曲部102aおよび突出部102bを、発光素子載置部102dと一体に形成したリードフレーム102を準備する。屈曲部102aの寸法αは0.85mm、寸法βは0.7mm、寸法γは0.2mmである。リードフレーム102は、鉄入り銅の合金からなる板状体により形成されており、リードフレーム102の表面には、発光素子からの光を反射させるために、銀メッキが施されている。このリードフレームの屈曲部102bを、破線部にて、発光素子載置部102dと屈曲部の反射面となる面とのなす角度が略60°となるように屈曲する。このようにして形成されたリードフレームと、ポリフタルアミド樹脂とを用いて、正面に凹部を備えるパッケージ101を射出成形する。正面視において、パッケージ101の下部には、3つの凸部が形成されており、凸部がなく、凹となっている部分に突出部102bおよび端子部102cが収納されている。
次に、パッケージの凹部に底面に露出された、リードフレームの発光素子搭載部に、幅0.5mm、高さ0.12mmの発光素子103を、透光性エポキシ樹脂を接合部材として載置し、固定する。発光素子103は約470nmに発光ピーク波長を持つ青色に発光する窒化ガリウム系半導体を発光層に持つ発光素子を用いる。発光素子103はサファイア基板上に窒化ガリウムからなるバッファ層、GaNからなるn型コンタクト兼クラッド層、GaAlNからなるp型クラッド層、GaNからなるp型コンタクト層が積層されている。n型コンタクト層およびp型クラッド層との間には多重量子井戸構造となるInGaN層が形成されている。サファイア基板上に形成された半導体層側から負極の電極を形成させるために窒化物半導体の一部をエッチングさせてn型コンタクト層を露出させ、負極の電極を形成させている。p型コンタクト層上には透光性導電膜をオーミック電極とし、さらにその上に正極の電極を形成させている。発光素子103はワイヤ106を介してリードフレーム102と電気的に接続されている。
凹部に充填する封止樹脂として、シリコーン樹脂を使用する。このシリコーン樹脂には、波長変換部材として、粒径が10μm〜20μmの(Y,Gd)Al12:Ce(YAG)蛍光体を含有させている。これにより、白色系に発光する発光装置とすることができる。
最後に、パッケージから外部に突出しているリードフレーム102(突出部102bおよび端子部102c)を、パッケージに沿うように屈曲させ、本実施例に係る発光装置とする。このようにして形成された発光装置は、パッケージの変色が少なく、封止樹脂の劣化も少ないという顕著な効果を有する。
照明用光源、各種インジケーター用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源、液晶のバックライト用光源、信号機、車載部品、看板用チャンネルレターなど、種々の光源に使用することができる。
本発明の実施形態1に係る発光装置を示す正面図である。 図1に示す発光装置をA−A線で切断したときの断面斜視図である。 図1に示す発光装置をB−B線で切断したときの断面斜視図である。 本発明に係る発光装置の背面側を斜め上から見た斜視図である。 本発明に係る発光装置に使用されるリードフレームを示す図である。 本発明に係る発光装置に使用されるリードフレームを示す図である。 本発明に係る発光装置に使用されるリードフレームを示す図である。 本発明の実施形態2に係る発光装置を示す6面図である。 本発明の実施形態3に係る発光装置を示す6面図である。
符号の説明
100…発光装置
101…パッケージ
102…リードフレーム
102a…屈曲部
102b、202b、302b…突出部
102c…端子部
102d…発光素子載置部
102e…支持部
102f…溝部
103…発光素子
104…係止部
105…凸部
106…ワイヤ
107…切欠部
108…樹脂注入口

Claims (6)

  1. 正面に凹部を有するパッケージと、前記凹部の底面に露出する第1及び第2のリードフレームと、前記第1のリードフレームに載置された発光素子と、前記凹部に充填される封止樹脂と、を有する発光装置であって、
    前記第1のリードフレームは、
    前記凹部内にて前記発光素子を上下方向に挟んで前記パッケージの正面側に向かって屈曲された屈曲部と、
    前記パッケージから外部に突出されて屈曲され前記パッケージの正面と反対側の面に配置されてなる突出部と、を有し、
    前記突出部は、前記屈曲部を左右方向に挟んだ位置から延出し、前記パッケージの底面及び/又は上面から突出されたことを特徴とする発光装置。
  2. 前記パッケージの正面と反対側の面に切欠部を有し、前記切欠部に前記突出部が収納される請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第1のリードフレームは、前記屈曲部を挟んで、前記パッケージに埋設される支持部を少なくとも一対有する請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記パッケージは、前記凹部の内壁に前記屈曲部の端部を係止する係止部を有する請求項1ないしのいずれかに記載の発光装置。
  5. 前記突出部は、前記パッケージから突出する箇所に溝部が設けられている請求項1ないしのいずれかに記載の発光装置。
  6. 前記第1のリードフレームは、前記突出部とは別に外部電源と接続するための端子部を有し、
    前記端子部は、前記パッケージの左右の側面に沿うように一体形成されている請求項1ないしのいずれかに記載の発光装置。
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