JP4913282B2 - ブドウ球菌属の検出および定量用のポリヌクレオチドプローブ - Google Patents

ブドウ球菌属の検出および定量用のポリヌクレオチドプローブ Download PDF

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Description

【0001】
関連出願
本出願は、1999年5月3日出願の米国仮特許出願第60/132,409号の恩典を請求する。この関連出願の開示は、本明細書中に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、核酸検出システムに関する。より詳しくは、本発明は、ブドウ球菌属(Staphylococcus)のメンバーである細菌のrRNAまたはrDNAへの結合特異性を有するポリヌクレオチドプローブに関する。
【0003】
発明の背景
ブドウ球菌属の中の細菌は、広範なバチルス属(Bacillus)−乳酸桿菌属(Lactobacillus)−連鎖球菌属(Streptococcus)クラスターのメンバーとして分類される。系統発生的にブドウ球菌属に最も近縁のものには、バチルス属、ブロンコトリクス属(Bronchothrix)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、リステリア属(Listeria)およびプラノコッカス属(Planococcus)が含まれる。ブドウ球菌細菌は、30〜39%の範囲のグアニンおよびシトシンのゲノムモル%(G+C)を有する非運動性グラム陽性球菌である。これら細菌は、一般的には、ヒトの皮膚および粘膜表面上で見出される。特に、これら微生物は、皮膚への外傷後、日和見病原体に成ることがありうる。実際に、黄色ブドウ球菌(S.aureus)は、しばしば、皮膚の感染に関連している。このブドウ球菌種の創傷および深組織への感染は、生命を危うくすることになりうる。
【0004】
デオキシリボ核酸(“DNA”)またはリボ核酸(“RNA”)の二つの一本鎖は、互いに結合または“ハイブリダイズ”して、相補的塩基対間の水素結合によって一緒になっている二つの鎖を有する二本鎖構造を形成することができるということが充分に確かめられている。核酸の一つ一つの鎖は、塩基、すなわち、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)、グアニン(G)、ウラシル(U)およびイノシン(I)を含むヌクレオチドから形成される。核酸の二重らせん構造において、塩基アデニンは塩基チミンまたはウラシルと水素結合し、塩基グアニンは塩基シトシンと水素結合し、そして塩基イノシンは、アデニン、シトシンまたはウラシルと水素結合する。したがって、その鎖に沿ったどの地点でも、古典的“ワトソン・クリック”型塩基対A:TまたはA:U、T:AまたはU:A、およびG:CまたはC:Gが見出されうる。しかしながら、伝統的な(“規定”)塩基対に加えて、A:G、G:Uおよび他の“ゆらぎ”または誤対合塩基対も見出されうる。
【0005】
二本鎖核酸ハイブリッドは、第一の一本鎖ポリヌクレオチドが、ハイブリダイゼーション促進条件下において、その第一ポリヌクレオチドの配列に相補的な充分に多数連続した塩基を有する第二の一本鎖ポリヌクレオチドと接触する場合に生じるであろう。DNA/DNA、RNA/DNAまたはRNA/RNAハイブリッドは、適当な条件下で形成されうる。
【0006】
概して、プローブは、検出されるべき核酸配列(“標的配列”)とのある程度の相補性を有する一本鎖ポリヌクレオチドである。プローブは、一般的には、放射性同位体、抗原または化学発光残基のような検出可能残基を用いて標識される。
【0007】
特定の核酸配列を検出する方法としての核酸ハイブリダイゼーションについての説明は、Kohne による米国特許第4,851,330号および Hogan et al. による米国特許第5,541,308号および同第5,681,698号に与えられている。これら参考文献は、RNA含有微生物を含有するかもしれない試料中におけるこのような微生物の存在を決定する方法も記載している。これらの方法は、1種類またはそれ以上の非ウイルス微生物または非ウイルス微生物群のリボソームRNA(rRNA)に充分に相補的であるプローブを必要とする。その方法によれば、試験される試料からの酢酸および適当なプローブを最初に混合した後、規定のハイブリダイゼーション条件下でインキュベートする。不可欠ではないが、便宜上、そのプローブは、検出可能な標識を用いて標識されるであろう。次に、得られたハイブリダイゼーション反応を、試験試料中に含有されるrRNAの存在を検出するために、二重らせん構造を形成した標識プローブの量を検出し且つ定量するように検定する。
【0008】
ウイルスを除いて、原核生物は全て、原核性5S、16Sおよび23SrRNA分子の同族体をコードしているrRNA遺伝子を含有する。真核生物の場合、これらrRNA分子は、原核性分子と実質的に同様である5SrRNA、5.8SrRNA、18SrRNAおよび28SrRNAである。試料中の特定の微生物または微生物群中の標的rRNA部分配列を特異的に検出するためのプローブは、以前に記載されている。これら極めて特異的なプローブ配列は、好都合には、適当なストリンジェンシー条件下においていずれか他の細菌種からの核酸または感染性物質と交差反応しない。
【0009】
本発明は、ブドウ球菌属のメンバーを極めて特異的に検出するのに用いることができるポリヌクレオチドプローブを提供する。
発明の概要
本発明の一つの側面は、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において、大腸菌(E.coli)16SrRNAヌクレオチド1276位〜1305位に相当するブドウ球菌核酸標的領域に特異的にハイブリダイズして、検出可能なプローブ:標的二重らせんを形成するオリゴヌクレオチドプローブに関する。そのオリゴヌクレオチドプローブは、100個までのヌクレオチド長さを有し且つ配列番号:10の配列中に含有される少なくとも17個連続したヌクレオチドを含む。好ましい態様において、そのオリゴヌクレオチドプローブは、配列番号:10の配列中に含有される少なくとも30個連続したヌクレオチドを含む。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、(a)0.48Mリン酸ナトリウム緩衝液、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、および各1mMのEDTAおよびEGTAかまたは(b)0.6M LiCl、1%ラウリル硫酸リチウム、60mMコハク酸リチウムおよび各10mMのEDTAおよびEGTAによって提供されてよい。オリゴヌクレオチドプローブは、DNAから製造されてよいが、少なくとも1個のヌクレオチド類似体を含んでいてもよい。例えば、そのヌクレオチド類似体は、リボース残基の2’位にメトキシ基を含んでいてよい。一つの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドプローブは、配列番号:1またはその相補体、配列番号:2またはその相補体、および配列番号:3またはその相補体のいずれか一つの配列を有する。好ましい態様において、そのオリゴヌクレオチドの配列は、配列番号:2または配列番号:3によって与えられ、そのオリゴヌクレオチドはヘルパーオリゴヌクレオチドである。開示されるオリゴヌクレオチドはいずれも、検出可能な標識を含むことができる。検出可能な標識の具体的な例には、化学発光標識および放射性標識が含まれる。もう一つの好ましい態様において、オリゴヌクレオチドプローブは、配列番号:1によって与えられる配列を有し、検出可能な標識を更に含む。極めて好ましい検出可能な標識は、アクリジニウムエステルである。
【0010】
本発明のもう一つの側面は、ブドウ球菌属(Staphylococcus)のメンバーである細菌の核酸を検出するためのプローブ組成物に関する。この組成物は、高ストリンジェンシー条件下において、大腸菌16SrRNAヌクレオチド1276位〜1305位に相当するブドウ球菌標的領域にハイブリダイズして、検出可能なプローブ:標的二重らせんを形成するオリゴヌクレオチドプローブを含む。このオリゴヌクレオチドプローブは、100個までのヌクレオチド塩基長さを有し且つ配列番号:10またはその相補体の配列中に含有される少なくとも30個連続したヌクレオチドを含む。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において、そのオリゴヌクレオチドプローブは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・コーニイ(Staphylococcus cohnii)、スタフィロコッカス・デルフィ(Staphylococcus delphi)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモリティクス(Staphylococcus haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・ハイクス(Staphylococcus hyicus)、スタフィロコッカス・インターメディウス(Staphylococcus intermedius)、スタフィロコッカス・サプロフィティクス(Staphylococcus saprophyticus)、スタフィロコッカス・シムラン(Staphylococcus simulan)およびスタフィロコッカス・ワルネリ(Staphylococcus warneri)中に存在する核酸に特異的にハイブリダイズする。いくつかの態様において、そのオリゴヌクレオチドプローブは、DNAから製造される。典型的な高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、(a)0.48Mリン酸ナトリウム緩衝液、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、および各1mMのEDTAおよびEGTAかまたは(b)0.6M LiCl、1%ラウリル硫酸リチウム、60mMコハク酸リチウムおよび各10mMのEDTAおよびEGTAによって提供される。極めて好ましい態様において、そのオリゴヌクレオチドプローブは、配列番号:1またはその相補体の配列を含む。もう一つの極めて好ましい態様において、オリゴヌクレオチドプローブの長さは60塩基までである。本発明のなお一層極めて好ましい態様において、オリゴヌクレオチドプローブは、配列番号:1の長さおよび配列を有する。本発明のプローブ組成物の若干の態様は、オリゴヌクレオチドプローブ上に検出可能な標識を更に含む。例えば、オリゴヌクレオチドプローブが60ヌクレオチドまでの長さを有する場合、そのプローブは、検出可能な標識を含んでいてよい。或いは、プローブが配列番号:1の長さおよび配列を有する場合、検出可能な標識が含まれうる。プローブ組成物が、17〜100ヌクレオチド長さまたは17〜60ヌクレオチド長さの標識オリゴヌクレオチドプローブを含むか、または配列番号:1の長さおよび配列を有するかどうかに関係なく、検出可能な標識は、アクリジニウムエステルのような化学発光標識または放射性標識であってよい。本発明のプローブ組成物は、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下での検出可能なプローブ:標的二重らせんの形成を容易にする少なくとも一つのヘルパーオリゴヌクレオチドを含むことが好適である。これらヘルパーオリゴヌクレオチドは、2’位に配置されたメトキシ基を有するリボース残基のような、少なくとも一つのヌクレオチド類似体を含んでいてよい。本発明のプローブ組成物の極めて好ましい態様において、ヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号:2または配列番号:3によって与えられる配列を有する。
【0011】
本発明のなおもう一つの側面は、試験試料中のブドウ球菌属細菌の存在を検出する方法に関する。この方法は、高ストリンジェンシー条件下において、大腸菌16SrRNAヌクレオチド1276位〜1305位に相当するブドウ球菌標的領域にハイブリダイズして、検出可能なプローブ:標的二重らせんを形成するオリゴヌクレオチドプローブを含むプローブ組成物を試験試料に与える工程を含む。そのオリゴヌクレオチドプローブは、100個までのヌクレオチド塩基長さを有し且つ配列番号:10またはその相補体の配列中に含有される少なくとも17個、またはより好ましくは、少なくとも30個連続したヌクレオチドを含む。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において、そのオリゴヌクレオチドプローブは、黄色ブドウ球菌、スタフィロコッカス・コーニイ、スタフィロコッカス・デルフィ、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス・ヘモリティクス、スタフィロコッカス・ホミニス、スタフィロコッカス・ヒイクス、スタフィロコッカス・インターメディウス、スタフィロコッカス・サプロフィティクス、スタフィロコッカス・シムランおよびスタフィロコッカス・ワルネリ中に存在する核酸に特異的にハイブリダイズする。その後、得られた混合物は、試験試料中に存在しうるブドウ球菌属細菌からの任意の核酸が、プローブオリゴヌクレオチドと一緒にプローブ:標的二重らせんを形成するように、高ストリンジェンシー条件下においてハイブリダイズしている。最後に、その方法は、そのプローブ:標的二重らせんを、試験試料中のブドウ球菌属細菌の存在の指標として検出することを含む。本発明の方法の一つの態様において、試験試料は細菌を含むので、試験試料中に存在しうる任意の細菌から核酸を放出させる予備工程を行う。別の方法の態様において、試験試料は溶解物(lysate)である。概して、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、(a)0.48Mリン酸ナトリウム緩衝液、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、および各1mMのEDTAおよびEGTAかまたは(b)0.6M LiCl、1%ラウリル硫酸リチウム、60mMコハク酸リチウムおよび各10mMのEDTAおよびEGTAによって提供されうる。しかしながら、他の高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件が、充分な結果を与えることがありうるということは理解されるはずである。好ましい態様において、オリゴヌクレオチドプローブは、配列番号:1の長さおよび配列を含み、所望により、検出可能な標識を含んでいてよい。この検出可能な標識は、アクリジニウムエステルであってよい。この場合、本発明の方法における検出工程には、ハイブリダイゼーション工程中に形成されるプローブ:標的二重らせんのいずれかを検出する発光測定を行う工程が含まれうる。オリゴヌクレオチドプローブが、配列番号:1の長さおよび配列を有する場合、そのプローブ組成物は、プローブ:標的二重らせんの形成を容易にする少なくとも一つのヘルパーオリゴヌクレオチドを更に含んでいてよい。極めて好ましいヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号:2および配列番号:3の配列を有する。
【0012】
本発明のまた更にもう一つの側面は、ブドウ球菌属のメンバーである細菌からの核酸の試験試料中における存在を検出するのに用いることができるキットに関する。そのキットは、高ストリンジェンシー条件下において、大腸菌16SrRNAヌクレオチド1276位〜1305位に相当するブドウ球菌標的領域にハイブリダイズして、検出可能なプローブ:標的二重らせんを形成するオリゴヌクレオチドプローブを含むプローブ組成物を含有する。そのオリゴヌクレオチドプローブは、100個までのヌクレオチド塩基長さを有し且つ配列番号:10またはその相補体の配列中に含有される少なくとも30個連続したヌクレオチドを含む。高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において、そのオリゴヌクレオチドプローブは、黄色ブドウ球菌、スタフィロコッカス・コーニイ、スタフィロコッカス・デルフィ、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス・ヘモリティクス、スタフィロコッカス・ホミニス、スタフィロコッカス・ハイクス、スタフィロコッカス・インターメディウス、スタフィロコッカス・サプロフィティクス、スタフィロコッカス・シムランおよびスタフィロコッカス・ワルネリ中に存在する核酸に特異的にハイブリダイズする。そのキットに更に含有されるのは、実行のために、オリゴヌクレオチドプローブとブドウ球菌属核酸標的との複合体を検出することによってブドウ球菌属のメンバーである細菌からの核酸を検出することを行う工程を規定する印刷された取扱説明書である。そのプローブ組成物および印刷された取扱い説明書は両方とも、互いの容器入り組合せである。
【0013】
定義
本明細書中で用いられるように、次の用語は、他に特に断らない限り、与えられた意味を有する。
【0014】
“ヌクレオチド”は、リン酸基、5炭糖および窒素含有塩基から成る核酸のサブユニットである。RNA中で見出される5炭糖はリボースである。DNAの場合、5炭糖は2’−デオキシリボースである。5’−ヌクレオチドに関して、糖は、5’−炭素−5にヒドロキシル基(−OH)を含有する。その用語は、リボースの2’位のメトキシ基(OMe)などのこのようなサブユニットの類似体も含む。本明細書中で用いられるように、“T”残基を含有するメトキシオリゴヌクレオチドは、リボース残基の2’位にメトキシ基、およびヌクレオチドの塩基の位置にウラシルを有する。
【0015】
“非ヌクレオチド単位”は、ポリマーのハイブリダイゼーションにほとんど関与しない単位である。このような単位は、例えば、ヌクレオチドとのいずれか有意の水素結合に関与してはならないし、5種類のヌクレオチド塩基の一つまたはその類似体を成分として有する単位を除外すると考えられる。
【0016】
“オリゴヌクレオチド”は、互いに共有結合した2個またはより多くのヌクレオチドサブユニットを有するヌクレオチドポリマーである。オリゴヌクレオチドは、概して、約10〜約100ヌクレオチド長さである。ヌクレオチドサブユニットの糖基は、リボース、デオキシリボース、またはOMeのようなその修飾誘導体であってよい。ヌクレオチドサブユニットは、ホスホジエステル結合、修飾結合のような結合によって、またはオリゴヌクレオチドのその相補的な標的ヌクレオチド配列へのハイブリダイゼーションを妨げない非ヌクレオチド残基によって結合していてよい。修飾結合には、標準的なホスホジエステル結合が、ホスホロチオエート結合、メチルホスホネート結合または中性ペプチド結合などの異なる結合によって置き換えられているものが含まれる。窒素含有塩基類似体は、本発明によるオリゴヌクレオチドの成分でもありうる。
【0017】
“標的核酸”は、標的核酸配列を含む核酸である。
“標的核酸配列”、“標的ヌクレオチド配列”または“標的配列”は、オリゴヌクレオチドによってハイブリダイズされうる特定のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド配列である。
【0018】
“オリゴヌクレオチドプローブ”は、オリゴヌクレオチドであって、その標的核酸配列に充分に相補的なヌクレオチド配列を有して、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において検出可能なハイブリッドプローブ:標的二重らせんを形成することができるオリゴヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドプローブは、単離される化学種であり、標的領域外のヌクレオチドが、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションを妨げない限りは、このような追加のヌクレオチドを含んでよい。プロモーター配列、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、または触媒活性部位のような望まれる二次または三次構造を与える配列などの非相補的配列は、本発明のプローブを用いた検出を容易にするのに用いることができる。オリゴヌクレオチドプローブは、所望により、その標的配列へのプローブハイブリダイゼーションを検出するまたは確認するのに用いることができる放射性同位体、蛍光残基、化学発光残基、酵素またはリガンドのような検出可能な残基を用いて標識されていてよい。オリゴヌクレオチドプローブは、10〜100ヌクレオチド長さのサイズ範囲であるのが好適である。
【0019】
“検出可能な残基”は、核酸プローブに結合した、または核酸プローブの一部分として合成される分子である。この分子は、特異に検出可能であるべきであり、結果としてプローブが検出されるのを可能にするであろう。これら検出可能な残基は、しばしば、放射性同位体、化学発光残基、酵素、ハプテン、またはなお一層独特のオリゴヌクレオチド配列である。
【0020】
“ハイブリッド”または“二重らせん”は、二つの一本鎖核酸配列間にワトソン・クリック型塩基対によってまたは相補塩基間の非規定塩基対によって形成される複合体である。
【0021】
“ハイブリダイゼーション”は、核酸の二つの相補鎖が一緒になって、二本鎖構造(“ハイブリッド”または“二重らせん”)を形成する過程である。
“相補性”は、それぞれの鎖上のワトソン・クリック型塩基対間の水素結合によってハイブリッドまたは二本鎖のDNA:DNA、RNA:RNAまたはDNA:RNAを形成しうるDNAまたはRNAの一本鎖の塩基配列によって与えられる性状である。アデニン(A)は、通常、チミン(T)またはウラシル(U)を相補するが、グアニン(G)は、通常、シトシン(C)を相補する。
【0022】
“誤対合(mismatch)”は、ハイブリッド中において、規定のワトソン・クリック型水素結合を形成しない二つのヌクレオチドの任意の対合を意味する。更に、次の考察の目的に関して、誤対合には、1個または複数の不対ヌクレオチドを生じるハイブリッドの一つの鎖における挿入または欠失が含まれうる。
【0023】
“ストリンジェンシー”という用語は、ハイブリダイゼーションおよび引き続きの処理工程中に存在する温度および溶媒組成を記載するのに用いられる。高ストリンジェンシー条件下では、極めて相補的な核酸ハイブリッドのみが形成されるであろうが、充分な程度の相補性のないハイブリッドは形成されないであろう。したがって、検定条件のストリンジェンシーは、ハイブリッドを形成する二つの核酸鎖間に必要な相補性の量を決定する。ストリンジェンシー条件は、標的と一緒に形成されるハイブリッドと非標的核酸との間の安定性の差を最大限にするように選択される。典型的な高ストリンジェンシー条件は、実際の実施例に与えられている。
【0024】
“プローブ特異性”という用語は、標的と非標的配列とを区別する能力を記載するプローブの特性を意味する。
“可変領域”という用語は、試料中に含有される標的微生物と非標的微生物との間で少なくとも一つの塩基によって異なるヌクレオチドポリマーを意味する。
【0025】
“保存領域”は、少なくとも二つの異なったポリヌクレオチドの間で変化し得ない核酸部分配列である。
“細菌”は、三つの主要な界の一つと考えられる系統発生群真正細菌のメンバーである。
【0026】
“配列分岐進化”という用語は、ヌクレオチドポリマーが、進化中にあまり類似しなくなる過程を意味する。
“配列収束進化”という用語は、ヌクレオチドポリマーが、進化中に更に類似するようになる過程を意味する。
【0027】
“Tm”は、プローブの50%が、ハイブリダイズされた形からハイブリダイズされない形に変換される温度を意味する。
“ヘルパーオリゴヌクレオチド”は、オリゴヌクレオチドプローブによって結合している領域以外の標的核酸の領域を結合するオリゴヌクレオチドである。ヘルパーオリゴヌクレオチドは、一本鎖核酸の標的とされる領域に新規な二次および三次構造を与えるので、オリゴヌクレオチドプローブの結合速度は促進される。ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標識オリゴヌクレオチドプローブと一緒に用いられた場合、検出可能な標識を用いて標識されないが、それらは、標識プローブの結合を容易にするので、間接的には、ハイブリダイゼーションシグナルを増強する。
【0028】
“から本質的に成る”または“から本質的に成ること”という句は、オリゴヌクレオチドが、特定のヌクレオチド配列と実質的に同様のヌクレオチド配列を有するということを意味する。付加または欠失はいずれも、オリゴヌクレオチドが、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において非標的核酸よりもその標的核酸に選択的にハイブリダイズしうるような、請求の範囲に記載の性状を有することを妨げない特定のヌクレオチド配列の非物質的変化である。
【0029】
当業者は、本発明の実質的に相当するプローブは、関係する配列とは異なっていても、同じ標的核酸配列になおハイブリダイズしうるということを理解するであろう。核酸からのこの変化は、配列内の同一塩基の百分率、またはプローブとその標的配列との間の完全な相補塩基の百分率に関して規定されうる。本発明のプローブは、これら百分率が100%〜80%、または10ヌクレオチド標的配列中に0塩基誤対合〜10ヌクレオチド標的配列中に2塩基誤対合である場合、核酸配列に実質的に相当する。好ましい態様において、その百分率は100%〜85%である。より好ましい態様において、この百分率は、90%〜100%であり、他の好ましい態様において、この百分率は95%〜100%である。
【0030】
“充分に相補的”または“実質的に相補的”とは、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において、検出に安定しているハイブリッドを形成するのに充分な量連続した相補ヌクレオチドを有する核酸を意味する。
【0031】
“核酸ハイブリッド”または“プローブ:標的二重らせん”とは、二本鎖の水素結合した構造、好ましくは、10〜100ヌクレオチド長さ、より好ましくは、14〜50ヌクレオチド長さである構造を意味する。その構造は、化学発光または蛍光検出、オートラジオグラフィー、電気化学分析またはゲル電気泳動などの手段によって検出するのに充分に安定している。このようなハイブリッドには、RNA:RNA、RNA:DNAまたはDNA:DNA二重らせん分子が含まれる。
【0032】
“負のセンス”とは、基準(すなわち、センス)核酸分子に完全に相補的な核酸分子を意味する。
“RNAおよびDNA均等物”は、同じ相補塩基対ハイブリダイゼーション性状を有するRNAおよびDNA分子を意味する。RNAおよびDNA均等物は、異なった糖基(すなわち、リボース対デオキシリボース)を有するが、RNA中のウラシルおよびDNA中のチミジンの存在によって異なることがありうる。RNAおよびDNA均等物の間の相違は、それら均等物が、特定の配列への同程度の相補性を有することから、実質的に相当する核酸配列中の相違の原因とはならない。
【0033】
“選択的にハイブリダイズする”とは、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において、オリゴヌクレオチドプローブが、それらの標的核酸をハイブリダイズさせて、安定なプローブ:標的ハイブリッドを、安定なプローブ:非標的ハイブリッド(他の微生物からの非標的核酸の存在を示すと考えられる)を形成することなく形成する(それによって、標的核酸の存在を示す)ことができるということを意味する。したがって、プローブは、非標的核酸によりも充分に大きな程度まで標的核酸にハイブリダイズして、当業者が、ブドウ球菌属中の細菌の存在を正確に検出し且つ他の微生物の存在とそれらの存在とを区別することを可能にする。選択的ハイブリダイゼーションは、当該技術分野において知られている技法を用いて測定することができ、本明細書中に記載されうる。例えば、カンジダアルビカンス(C.albicans)核酸へのハイブリダイゼーションと比較した場合、本発明のオリゴヌクレオチドプローブは、ブドウ球菌属の細菌からの核酸に約500〜3,000倍まで選択的にハイブリダイズする。
【0034】
ブドウ球菌属の細菌の“標的核酸配列領域”は、ブドウ球菌細菌において見出される核酸中に存在する核酸配列またはそれに相補的な配列であるが、他の種の核酸中には存在しない配列を意味する。標的配列に相補的なヌクレオチド配列を有する核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または転写に媒介される増幅のような標的増幅技術によって生じることができる(例えば、Kacian and Fultz, Nucleic Acid Sequence Amplification Methods, 米国特許第5,824,518号)。
【0035】
発明の詳細な記述
本明細書中において、本発明者は、ブドウ球菌属のメンバーである細菌のrRNAまたはrDNAを検出し且つ同定するのに用いることができる、オリゴヌクレオチドプローブおよびヘルパーオリゴヌクレオチドに好ましい標的ヌクレオチド配列を開示する。特に、これら細菌を特異的に検出するのに有用である極めて好ましいポリヌクレオチドプローブおよび補助ヘルパーオリゴヌクレオチドを開示する。それらプローブは、16SrRNAの特定のrRNA配列に相補的であるが、好都合には、ブドウ球菌微生物を、既知の系統発生的に最も近隣のものから区別することができる。
【0036】
ブドウ球菌微生物のリボソームRNA(rRNA)またはDNA(rDNA)配列へのハイブリダイゼーションを可能にする核酸配列を有することに加えて、本発明のオリゴヌクレオチドプローブは、配列番号:11によって識別される記載の標的配列領域の少なくとも一部分に、少なくとも90%相補的、好ましくは、完全に相補的である。その部分は、少なくとも17ヌクレオチド長さ、なお一層好ましくは、少なくとも30ヌクレオチド長さ、そしてなお一層好ましくは、少なくとも39ヌクレオチド長さである。
【0037】
上に示されるように、本発明のオリゴヌクレオチドは、ブドウ球菌微生物の核酸配列に的がしぼられる。これらオリゴヌクレオチドは、ブドウ球菌微生物の存在を示す検出可能な二重らせんを形成するように核酸標的領域に選択的にハイブリダイズするプローブとして用いることができる。或いは、本発明のオリゴヌクレオチドは、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において、これら細菌中に存在する核酸標的領域にハイブリダイズする、しかも標識オリゴヌクレオチドプローブとその相補的標的核酸との間の二重らせんの形成を促すことができるヘルパーオリゴヌクレオチドとして用いることができる。
【0038】
好ましい態様において、本明細書中に記載のオリゴヌクレオチドプローブは、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において、ブドウ球菌微生物からの核酸に、他の微生物からの核酸にりも選択的にハイブリダイズする。本発明のいくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプローブは、アクリジニウムエステルまたは放射性同位体のような検出可能な残基を含む。
【0039】
ブドウ球菌微生物の存在を検出する好ましい方法には、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下において、ブドウ球菌属微生物の標的核酸に、他の微生物の核酸配列によりも選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブと試験試料を接触させる工程が含まれる。ブドウ球菌属の細菌のrRNA中に含有される標的リボソーム核酸配列は、配列番号:11に与えられる配列を有する。ブドウ球菌属の細菌のrRNAを検出するのに好ましいプローブは、100個までのヌクレオチド長さの配列を有し、しかも
GCGATTCCAGCTTCATGTAGTCGAGTTGCAGACTACAATCCGAACTGAGAACAACTTTATGGGATTTGCTTGACCTCGCGGTTTCG(配列番号:10)
によって与えられる配列中に含有される少なくとも17個連続したヌクレオチド、より好ましくは、30個連続したヌクレオチド、そしてなお一層好ましくは、39個連続したヌクレオチドを有する。しかしながら、rDNAをハイブリダイズさせるのに有用なプローブは、100個までのヌクレオチド長さの配列を有し且つ配列番号:10の相補体によって与えられる配列中に含有される少なくとも17個連続したヌクレオチド、より好ましくは、30個連続したヌクレオチド、そしてなお一層好ましくは、39個連続したヌクレオチドを有する。好ましいオリゴヌクレオチド配列には、RNAおよびDNA均等物が含まれるが、少なくとも一つのヌクレオチド類似体も含まれてよい。
【0040】
序論および背景
本発明の開発において、同類のおよび無関係の微生物の集合からのrRNA配列を整列させて、ブドウ球菌属微生物を他の細菌および真核生物から区別するのに用いられうる、16SrRNA中に存在するブドウ球菌属内で保存される候補配列を識別した。この発見をするのに用いられた手順には、ブドウ球菌微生物および系統発生的に無関係の近隣のもののrRNAまたはrDNAの部分または完全な配列の検討、それら配列を整列させて最大の相同性の区域を示すこと、そしてブドウ球菌属のメンバーの中に保存されているが、他の近縁および遠縁の属のrRNA配列との誤対合を示すrRNAを識別するために、配列変化を含む領域について整列を検討することが含まれた。最後に、下記の方法によって候補プローブと考えられた配列を、rRNA標準および細菌溶解物のパネルに対して調べて、実験室条件下におけるそれらのプローブとしての有用性を証明した。
【0041】
rRNAのポリヌクレオチド配列は、最も好都合には、ジデオキシヌクレオチド配列決定法を用いて決定する。この方法では、約10〜100塩基長さの且つ5S、16Sまたは23SリボソームサブユニットのいずれかからのrRNAの保存領域に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを、逆転写酵素によって伸長させることができる。次に、得られたDNA伸長産物を、化学分解によって、またはジデオキシヌクレオチド配列決定によって配列決定することができる(Lane et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:6955(1985))。もう一つ好ましい方法により、rRNAをコードしているゲノム配列を決定することもできる。
【0042】
rRNA分子の二次構造および機能の強い相互依存性は、周知である。実際に、rRNAの一次配列における進化論的変化は、分子の二次構造が維持されるように有効に制限される。例えば、ある塩基が、rRNA分子のあるらせんの片側で変化した場合、そのらせんのもう一方の側で相殺する変化が起こり、相補性を保存するであろう(これを共変異(covariance)と称する)。この関係は、二つの極めて異なったrRNA配列を、保存一次配列および二次構造の保存要素に基づいて“整列させる”ことを可能にする。それら配列がいったん整列したら、rRNA配列の保存領域および可変領域を識別することは可能になる。
【0043】
rRNAの可変領域は、公表されたrRNA配列および本発明の開発中に決定された配列を用いた比較分析によって識別された。商業的に入手可能なソフトウェアは、本明細書中で開示された目的に用いることができるしまたは適合することができる。rRNAの可変領域(例えば、最低10ヌクレオチドにわたる)それぞれにおける配列進化は、大部分、分岐進化であり、収束進化ではないので、本発明者は、標的微生物とその系統発生的に最も近縁のものとの間で異なる数種類のrRNA配列に基づいて、確信をもってプローブを設計することができる。実際に、本発明者は、単一試料中における多数の標的微生物のrRNA配列とそれらの系統発生的に最も近縁のものとの間に充分な変化を検出して、下記の方法によって用いることができるプローブの設計を可能にしている。
【0044】
プローブ選択指針
以下の一般的な指標は、本発明によって望ましい特性を有するプローブを設計するのに用いることができる。ハイブリダイゼーション反応の程度および特異性に影響を与える多数の因子の一つまたはより多くのの操作は、特定のプローブの感度および特異性を決定することがありうる。これは、プローブがその標的ポリヌクレオチド配列の全長にわたって完全に相補的であろうとなかろうと、真実である。ここで、本発明に関連して有用なプローブを製造するための指針を次に続ける。
【0045】
第一に、プローブ:標的核酸ハイブリッドの安定性は、検定条件と適合するように選択されるべきである。これは、AおよびTの多い長い配列を避けることによって、G:C塩基対を用いてハイブリッドを終結させることによって、そして検定に用いられる標準条件にTmが適するようにプローブを設計することによって達成しうる。プローブのヌクレオチド配列は、その長さおよび%Gおよび%Cが、最終検定が行われる温度より約2〜10℃高いTmを有するプローブを生じるように選択されるべきである。プローブの塩基組成は、G:C塩基対が、A:T塩基対と比較した場合に、より大きい熱安定性を示すことから有意である。したがって、高G:C含量を有する相補的核酸を含むハイブリッドは、より低いG:C含量を有するハイブリッドと比較した場合、より高い温度で安定であろう。
【0046】
ヌクレオチド間のホスホジエステル結合によって与えられると考えられるように、負電荷主鎖を有するプローブを設計する場合、ハイブリダイゼーション反応が行われるイオン強度および温度条件も考慮されるべきである。概して、ハイブリダイゼーション速度は、反応混合物のイオン強度が増加するにつれて増加するということは知られている。同様に、ハイブリッドの熱安定性は、増加するイオン強度に伴って増加する。逆に、ホルムアミド、尿素、DMSOおよびアルコールのような水素結合破壊性試薬は、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを増加させる。この種類の試薬による水素結合の脱安定化は、Tmを大きく低下させることがありうる。概して、約10〜50塩基長さの合成オリゴヌクレオチドプローブの最適ハイブリダイゼーションは、ある与えられる二重らせんについて融解温度より約5℃低い温度で起こる。最適の温度未満で行われるハイブリダイゼーション反応は、誤対合塩基配列をハイブリダイズさせることがありうるし、減少したプローブ特異性を生じることがありうる。
【0047】
第二に、プローブがその標的ポリヌクレオチドを結合する位置は、プローブ:非標的ポリヌクレオチド間で形成されるハイブリッドの安定性を最小限にするように選択されるべきである。これは、非標的微生物のポリヌクレオチドとの完全な相補性を有する長さを最小限にすることによって、非標的配列と相同のG:Cの多い領域を避けることによって、そして可能な限り多数の脱安定化誤対合にわたるようにプローブを配置することによって達成されうる。プローブ配列が、特定の種類の微生物のみを検出するのに有用であるかどうかは、プローブ:標的ハイブリッドとプローブ:非標的ハイブリッドとの間の熱安定性差に大きく依存する。Tmの差は、極めて特異的なプローブを生じるように、可能な限り大きくあるべきである。
【0048】
標的核酸配列の長さおよび対応するプローブ配列の長さは、ブドウ球菌属を特異的に検出するのに有用なプローブを設計する場合に考慮されるべき重要な因子でもある。完全に相補的でないポリヌクレオチドを互いにハイブリダイズさせることは可能であるが、完全に相同の塩基配列の最も長い伸長は、通常、ハイブリッド安定性の主要な決定因子であろう。
【0049】
第三に、プローブのハイブリダイゼーションへの強力な内部構造阻害物質を形成することが知られているrRNAの領域は、標的としてあまり好ましくない。広範囲の自己相補性を有するプローブも、避けるべきである。上に示されるように、ハイブリダイゼーションは、水素結合した二本鎖構造を形成する相補的核酸の二つの一本鎖の結合である。それら二つの鎖の一方が、完全にまたは部分的に二本鎖である場合、それは、新規ハイブリッドの形成にあまり関与できないであろう。有意には、rRNA分子が全て、極めて安定な分子内ハイブリッドを形成する。
【0050】
プローブとその標的との間のハイブリダイゼーションの速度および程度は、目的の配列の実質的な部分が一本鎖であるようにプローブを設計することにより、実質的に増加することがありうる。検出されるべき標的核酸が、rRNAをコードしているゲノム配列である場合、その標的は、二本鎖の形で天然に存在するであろう。これは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物の場合でもある。これら二本鎖標的は、当然ながら、プローブとのハイブリダイゼーションに阻害性である。最後に、充分な自己相補性が存在する場合、単一プローブ分子内でまたは異なったプローブ分子間で望ましくない分子内および分子間ハイブリッドが形成されることがありうる。したがって、プローブ配列における広範囲の自己相補性は避けるべきである。
【0051】
好ましくは、下記の手順を行うのに有用なプローブは、高ストリンジェンシー条件下でのみハイブリダイズするであろう。これら条件下では、極めて相補的な核酸ハイブリッドのみが形成されるであろう(すなわち、相補的である一連の連続した塩基中の17塩基の内少なくとも14個を有するもの)。ハイブリッドは、充分な程度の相補性の不存在下では形成されないであろう。したがって、検定条件のストリンジェンシーは、ハイブリッドを形成する二つの核酸鎖間に必要な相補性の量を決定する。ストリンジェンシーは、標的および非標的核酸を用いて形成されるハイブリッド間の安定性差を最大限にするように選択される。典型的な高ストリンジェンシー条件は、下記の実施例において用いられる。
【0052】
異なった長さおよび塩基組成のオリゴヌクレオチドプローブは、ブドウ球菌属を検出するのに用いることができるが、本発明において好ましいプローブは、100ヌクレオチドまでの長さを有し、そしてより好ましくは、60ヌクレオチドまでの長さを有する。本発明のオリゴヌクレオチドの好ましい長さ範囲は、10〜100塩基長さ、またはより好ましくは、15〜50塩基長さであり、しかも下記の実施例において用いられるような高ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションを許すように充分に標的核酸に相同である。しかしながら、下記の特異的プローブ配列は、核酸クローニングベクターまたは転写物または他のより長い核酸中で与えられてもよいが、それでもなお、ブドウ球菌属のメンバーを検出するのに用いることができる。
【0053】
オリゴヌクレオチドの化学構造
本発明のオリゴヌクレオチドは全て、それらの性能を高めるように化学基を用いて修飾されていてよい。したがって、“オリゴヌクレオチドプローブ”または“ヘルパーオリゴヌクレオチド”または単に“オリゴヌクレオチド”の意味は、天然のヌクレオチドのポリマー、更には、少なくとも一つのヌクレオチド類似体を含むポリマーを包含するということは理解されるはずである。
【0054】
ホスホロチオエートまたはメチルホスホネート基を有するものなどの、主鎖が修飾されたオリゴヌクレオチドは、本発明のオリゴヌクレオチドと一緒に用いることができる類似体の例である。これら修飾は、オリゴヌクレオチドを、若干のポリメラーゼの核溶解活性にまたはヌクレアーゼ酵素に耐性にする。本明細書中に開示されるオリゴヌクレオチドの構造中に包含されうる他の類似体には、ペプチド核酸“PNA”が含まれる。PNAは、ホスホジエステル主鎖よりもむしろペプチド主鎖に結合するリガンドを含む化合物である。代表的なリガンドには、適当なリンカーによってペプチド主鎖に結合する4種類の主要な天然に存在するDNA塩基(すなわち、チミン、シトシン、アデニンまたはグアニン)かまたは他の天然に存在する核塩基(例えば、イノシン、ウラシル、5−メチルシトシンまたはチオウラシル)かまたは人工塩基(例えば、ブロモチミン、アザアデニンまたはアザグアニン等)が含まれる。PNAは、相補的なssDNAおよびRNA鎖を結合することができる。PNAを製造し且つ用いる方法は、米国特許第5,539,082号に開示されている。本明細書中に記載の配列を有するオリゴヌクレオチドを製造するのに用いることができる別の種類の修飾には、ハイブリダイゼーションまたはプライマーの延長の妨げにならない、核酸鎖中のヌクレオチド間に包含される非ヌクレオチドリンカー(例えば、本明細書中に援用される Arnold et al.,“Non-Nucleotide Linking Reagents for Nucleotide Probes”, 米国特許第6,031,091号)の使用が含まれる。
【0055】
核酸に基づくrRNAまたはrDNA検出方法
オリゴヌクレオチドプローブを単独でかまたは、1種類またはそれより多くのヘルパーオリゴヌクレオチドとの組合せで含む組成物は、ハイブリダイゼーション検定において、ブドウ球菌属のメンバーである細菌のrRNAまたはrDNAを検出するのに用いることができる。本発明を実施するのに用いることができる定義されたオリゴヌクレオチドは、シアノエチルホスホロアミダイト前駆物質を用いた自動固相化学合成(Barone et al., Nucl Acids Res 12:4051(1984))を含めたいくつかの周知の方法のいずれによっても製造することができる。合成オリゴヌクレオチドを製造する他の周知の方法を用いることもできる。
【0056】
特異的核酸ハイブリダイゼーションを監視するのに用いることができる標識および検出用のシステムはほとんど全て、標識プローブが望まれる場合、本明細書中に開示されたプローブと一緒に用いることができる。有用な標識の集合の中に含まれるのは、電気化学的検出法を行いやすい同位体標識、酵素、ハプテン、結合オリゴヌクレオチド、化学発光分子およびレドックス活性残基である。標識オリゴヌクレオチドを製造するのに用いることができる標準的な同位体標識には、3H、35S、32P、125I、57Coおよび14Cが含まれる。放射性標識プローブを用いる場合、ハイブリッドは、オートラジオグラフィー、シンチレーション計数またはγ計数によって検出することができる。
【0057】
非同位体物質も、オリゴヌクレオチドプローブを標識するのに用いることができる。これら非同位体標識は、オリゴヌクレオチドプローブの内部にまたは末端に配置されうる。修飾されたヌクレオチドは、プローブ合成中または後に、例えば、非ヌクレオチドリンカー基の使用によって行われるプローブの修飾を用いて酵素的にまたは化学的に包含されうる。非同位体標識には、蛍光分子、化学発光分子、酵素、補因子、酵素基質、ハプテンまたは他のリガンドが含まれる。アクリジニウムエステルは、プローブハイブリッドを検出するのに有用な特に好ましい非同位体標識である。
【0058】
実際に、どんなに多数の異なった非同位体標識でも、本発明にしたがって標識オリゴヌクレオチドを製造するのに用いることができる。好ましい化学発光分子には、均一保護検定に関連した使用に関して、Arnold et al. によって米国特許第5,283,174号に開示された種類、および単一反応で多数の標的を定量する検定に関連した使用に関して、Woodhead et al. によって米国特許第5,656,207号に開示された種類のアクリジニウムエステルが含まれる。これら特許文書に含まれる開示は、本明細書中に援用される。米国特許第5,998,135号は、プローブ上に配置されたランタニド金属標識からの蛍光発光を検出するのに蛍光測定法を用いた、本発明のプローブを標識し且つ検出するのに用いることができるなおもう一つの方法を開示しているが、この場合、これら標識からの発光は、それがエネルギー移動パートナーにごく接近している時に増強された状態になる。好ましい電気化学的標識付けおよび検出のアプローチは、米国特許第5,591,578号および同第5,770,369号および公開国際特許出願PCT/US98/12082号に開示されており、それらの開示は、本明細書中に援用される。本発明において電気化学的標識として有用なレドックス活性残基には、Cd、Mg、Cu、Co、Pd、Zn、FeおよびRuのような遷移金属が含まれる。
【0059】
当業者は、本発明のプローブを用いてブドウ球菌細菌を検出する別の方法を、標識プローブかまたは未標識プローブを用いて行うことができるということを理解するであろう。例えば、標識プローブの使用に頼らないハイブリダイゼーション検定法は、米国特許第5,945,286号に開示されているが、これは、ペプチド核酸(PNA)から製造される未標識プローブ、および二本鎖PNAプローブ/標的核酸二重らせんを結合しうる検出可能に標識された挿入性分子の固定化を記載している。これらの方法において、更には、“Detection of Analytes Using Reorganization Energy,”と称する公開国際特許出願第PCT/US98/12082号、“Electronic Methods for the Detection of Analytes,”と称する公開国際特許出願第PCT/US98/12430号、および“Electrodes Linked Via Conductive Oligomers to Nucleic Acids”と称する公開国際特許出願第PCT/US97/20014号に開示されたものなどの若干の電気化学的検出法において、オリゴヌクレオチドプローブは、検出可能な標識を含むのに必要ではない。
【0060】
オリゴヌクレオチドの合成および精製後の最終産物の許容可能性は、いくつかの方法のいずれによっても証明することができる。最初に、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて、標準的な実験室法によってオリゴヌクレオチドのサイズおよび純度を決定することができる(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrook et al., eds. Cold Spring Harbor Lab Publ., 11.51,(1989) を参照されたい)。或いは、高圧液体クロマトグラフィー(“HPLC”)法をこの同じ目的に用いることができる。
【0061】
下記の手順での標識オリゴヌクレオチドプローブと標的核酸との間のハイブリダイゼーションは、Hogan et al. によって、“Means and Methods for Enhancing Nucleic Acid Hybridization”と称する米国特許第5,030,557号に開示された手順にしたがって、未標識“ヘルパーオリゴヌクレオチド”の使用によって促すことができる。上に示されるように、ヘルパーオリゴヌクレオチドは、検定用プローブによって結合している領域以外の標的核酸の領域を結合する。この結合は、一本鎖核酸の標的とされる領域に新規の二次および三次構造を与え、プローブ結合速度を加速する。本発明の標識オリゴヌクレオチドプローブと組み合わせて用いることができるヘルパーオリゴヌクレオチドは、好ましくは、17〜100ヌクレオチド長さであり、しかも配列番号:10の配列内に含有される少なくとも17個連続したヌクレオチドを含む配列を有する。他の好ましいヘルパーオリゴヌクレオチドは、100ヌクレオチドまでの長さを有し且つ配列番号:10の配列内に含有される少なくとも39個連続したヌクレオチドを含む。
【0062】
当業者は、プローブ:標的ハイブリッドの熱安定性に影響を与える因子が、プローブ特異性にも影響することがありうるということを理解するであろう。したがって、プローブ:標的ハイブリッドの融解温度(Tm)を含めた融解プロフィールは、それぞれのプローブ:標的組合せについて経験的に決定されるはずである。この決定を行うのに好ましい方法は、Arnold et al. によって“Homogeneous Protection Assay”と称する米国特許第5,283,174号に記載されている。
【0063】
プローブ:標的ハイブリッドのTmを測定する一つのアプローチには、ハイブリダイゼーション保護検定を行うことが含まれる。この検定の方法によれば、プローブ:標的ハイブリッドは、ラウリル硫酸リチウムを含有するコハク酸リチウム緩衝化溶液中において標的過剰の条件下で形成される。“予備形成される”ハイブリッドのアリコートを、ハイブリダイゼーション用緩衝液中で希釈し、そして予想のTm(典型的には、55℃)未満で開始し且つ2〜5度ずつ増加するいろいろな温度で5分間インキュベートする。次に、この溶液を、弱アルカリ性ホウ酸緩衝液を用いて希釈し、更に低い温度(例えば、50℃)で10分間インキュベートする。一本鎖プローブに結合したアクリジニウムエステル(AE)は、これら条件下において加水分解されるであろうが、ハイブリダイズしたプローブに結合したアクリジニウムエステルは、相対的に“保護される”であろう。この方法を、ハイブリダイゼーション保護検定(“HPA”)と称する。残りの化学発光の量は、ハイブリッドの量に比例し、過酸化水素を加え、次にアルカリを加えることによってルミノメーターで測定される。このデータを、最大シグナル%(通常は、最低温度から)対温度としてプロットする。Tmは、最大シグナルの50%が残っている地点として定義される。
【0064】
別のアプローチにおいて、プローブ:標的ハイブリッドのTmは、同位体によって標識されたプローブを用いて決定することができる。いずれの場合にも、ある与えられたハイブリッドのTmは、ハイブリダイゼーション溶液中に含有される塩類、デタージェントおよび他の溶質の濃度によって異なるであろう。これら因子はいずれも、熱変性中の相対ハイブリッド安定性に影響を与える(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrook et al., eds. Cold Spring Harbor Lab Publ., 9.51,(1989))。
【0065】
プローブがその標的にハイブリダイズする速度は、プローブ領域中の標的二次構造の熱安定性の尺度であり、C01/2測定値を用いて決定することができる。ハイブリダイゼーション速度のこれら動力学的測定値は、(ヌクレオチドのモル数/リットル)x(秒)の単位を有する。更に簡単に表すと、C01/2値は、プローブの濃度xその濃度でのハイブリダイゼーションの半減期である。この値は、いろいろな量のプローブを一定量の標的核酸に一定時間ハイブリダイズさせることによって決定することができる。例えば、0.05pmolの標的を、0.012pmol、0.025pmol、0.05pmol、0.1pmolおよび0.2pmolのプローブと一緒に30分間インキュベートする。C01/2は、標的およびプローブを、標的過剰の条件下においてハイブリダイズさせた後、二重らせん形成の増加を経時的に測定することによって決定することもできる。存在するハイブリッドの量は、その方法で放射性標識プローブを用いる場合、上記のHPA法を用いてまたはシンチレーション計数によって測定することができる。次に、AE標識プローブを用いる場合、測定されたシグナルを、最高プローブ濃度対プローブ濃度(ヌクレオチドのモル数/リットル)からの最大 Relative Light Units(“RLU”)%の対数としてプロットする。C01/2は、最大ハイブリダイゼーションの50%に相当する濃度に、秒でのハイブリダイゼーション時間を乗じたものからグラフによって決定される。これら値は、9x10-6〜9x10-5であり、好ましい値は3.5x10-5未満である。同様の値は、放射能を測定し且つある与えられた時点でのハイブリダイゼーション%対最大量をプロットすることによって得ることができる。
【0066】
ブドウ球菌属のメンバーの存在を示すと考えられるrRNAまたはrDNAを生体試料が含有しているかどうかを決定する好ましい方法では、核酸を、音波破壊によって、例えば、Murphy et al. によって米国特許第5,374,522号に開示された方法によって細菌細胞から放出させることができる。細胞を破壊する他の既知の方法には、酵素の使用、浸透圧ショック、化学処理およびガラスビーズを用いた旋回が含まれる。本明細書中に開示されたハイブリダイゼーション法を施すことができる核酸を微生物から放出させるのに適した他の方法は、Clark et al. によって米国特許第5,837,452号におよび Kacian et al. によって米国特許第5,5,364,763号に記載されている。rRNAの放出後またはと同時に、標識プローブを、加速性物質の存在下で加え、最適ハイブリダイゼーション温度で、有意のハイブリダイゼーション反応を達成するのに必要な時間インキュベートしてよい。
【0067】
次のポリヌクレオチド配列は、長さ、Tmおよびヌクレオチド配列の判定基準によって特性決定されたが、ブドウ球菌属の細菌のrRNAに特異的であることが判明した(SauA1276)
CCGAACTGAGAACAACTTTATGGGATTTGC(配列番号:1)。この配列は、ブドウ球菌属微生物すべての16SrRNA中で認められる独特のセグメントに相補的である。ブドウ球菌属内の代表的な細菌リストは、表2で見出されうる。プローブは、30塩基長さであり、5’末端から19および20ヌクレオチド間にRXLリンカーを有し、そして60.2℃のTm、および大腸菌16SrRNAの塩基1276〜1305に相当する領域中の黄色ブドウ球菌のハイブリダイズしたrRNAを有する。
【0068】
このプローブは、(1)高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で標的核酸にハイブリダイズする、(2)100ヌクレオチド塩基までの長さを有する、および(3)配列番号:10によって定義される1276〜1344標的領域またはその相補体中にある少なくとも17個、またはより好ましくは、少なくとも30個連続したヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの一例である。これらの性状を有する他のオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション検定用検出プローブとしての使用が考えられ、本発明によって包含される。
【0069】
同様に、配列番号:2および3の配列を有するオリゴヌクレオチドは、有用なヘルパーオリゴヌクレオチドとして本明細書中に開示される。本明細書中の作業実施例で用いられるヘルパーオリゴヌクレオチドと同様、本発明によって包含される他のヘルパーオリゴヌクレオチドも、100ヌクレオチドまでの長さの配列を有し且つ有配列番号:10によって定義される標的領域またはその相補体中に含有される少なくとも17個連続したヌクレオチドを更に有する。
【0070】
下に示されるように、SauA1276プローブは、ヘルパーオリゴヌクレオチドの使用によって促進される方法で、黄色ブドウ球菌rRNAにハイブリダイズした。この決定を行うのに用いられた手順にしたがって、5’末端に放射性標識された一本鎖プローブオリゴヌクレオチドを、ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下または不存在下において、黄色ブドウ球菌からのrRNAと接触させた。そのrRNAをハイブリダイズさせて二本鎖ハイブリッドを形成したプローブ分子は、ヒドロキシアパタイト捕捉によって一本鎖プローブ分子から分離した。ヒドロキシアパタイトに結合した二本鎖ハイブリッドを検出し、シンチレーション計数によって定量した。次に、ハイブリダイゼーションの程度を、百分率として計算した。下に示されるように、プローブ:標的ハイブリッドのTmは、好都合には、一つまたはそれ以上のヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下で増加した。
【0071】
次の実施例は、SauA1276プローブが、黄色ブドウ球菌からのrRNAにハイブリダイズしたこと、およびこの相互作用は、ハイブリダイゼーション混合物中にヘルパーオリゴヌクレオチドを含むことによって促されたということを示すのに用いられた方法を記載する。
【0072】
実施例1
プローブ:標的ハイブリッドのTm測定
プローブ:標的およびヘルパー:標的のハイブリッドのTm値を、SauA1276の配列を有する末端標識プローブ、および(A)OMeSauA1259および(B)SauA1306の群より選択される末端標識ヘルパーオリゴヌクレオチドを用いて決定した。SauA1276の配列は、
CCGAACTGAGAACAACTTTATGGGATTTGC(配列番号:1)
であり、OMeSauA1259の配列は、
UUGACCUCGCGGUUUCG(配列番号:2)
であり、そしてSauA1306の配列は、
GCGATTCCAGCTTCATGTAGTCGAGTTGCAGACTACAAT(配列番号:3)
である。ヘルパーAおよびBは、プローブの直ぐ隣の分子の領域中のブドウ球菌微生物のrRNAを結合するように選択され、ヘルパーAは、16SrRNAの1259〜1275領域付近で結合し、ヘルパーBは、16SrRNAの1306〜1344領域で結合した。プローブおよびヘルパーのオリゴヌクレオチドは、本質的には、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Sambrook et al., eds. Cold Spring Harbor Lab Publ., 10.59,(1989))に記載のように、リン酸ドナーとしての[γ−32P]ATPおよびリン酸塩転移反応を触媒するT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて5’末端に標識された。末端標識されたオリゴヌクレオチドを、別々に、黄色ブドウ球菌からの精製rRNAと混合して、標的過剰の条件を与えた。プローブおよびヘルパー両方のオリゴヌクレオチドを含む試験では、プローブだけを末端標識し、ヘルパーオリゴヌクレオチドはそれぞれ、標的よりも10倍モル過剰で与えた。全部の混合物を、0.48Mリン酸ナトリウム緩衝液、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、1mM EDTAおよび1mM EGTAを含む溶液中で完全にハイブリダイズさせた。陰性の対照として、プローブおよび/またはヘルパーオリゴヌクレオチドを、核酸標的の不存在下でハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション手順の最後に、混合物を希釈し、ヒドロキシアパタイトカラムに通して、一本鎖核酸を二本鎖ハイブリッドから分離した。カラムフロースルー中の放射能の量は、一本鎖プローブを示し、シンチレーション計数によって測定された。ヒドロキシアパタイトに結合した放射能の量は、シンチレーション計数によって別に測定された。百分率として表されるハイブリダイズの程度は、ヒドロキシアパタイトに結合したプローブの量(cpmで測定される)を、カラムに加えられたプローブの全量(cpmで)で割ることによって計算された。これらの方法の結果を、表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0004913282
【0074】
この方法からの結果は、末端標識プローブが黄色ブドウ球菌rRNAにハイブリダイズしたこと、およびこの相互作用が、好都合には、ヘルパーオリゴヌクレオチドによって促されたことを確証した。本発明者は、特に、ハイブリダイゼーション反応中にヘルパーオリゴヌクレオチドが含まれた場合、プローブ:標的複合体のTmが、60.2〜65.2℃まで増加しうることを認めた。プローブは、ブドウ球菌属rRNAにハイブリダイズするのに、単独でかまたは一つまたはそれ以上のヘルパーオリゴヌクレオチドとの組合せで用いることができるが、プローブを特性決定する下記の実験は、OMeSauA1259およびSauA1306の配列を有するヘルパーオリゴヌクレオチドと組み合わせたプローブを用いて行った。本明細書中に記載の方法において有用なプローブおよびヘルパーのオリゴヌクレオチド組合せは、好ましくは、上記の条件下において約62〜66℃の範囲のプローブ:標的Tm値を有する。
【0075】
プローブ特異性は、特異性パネルからのrRNAに陽性のハイブリダイゼーションを示すことによって確認された。この方法において標的微生物源として用いられた微生物の集合は、広範な分類学的断面の微生物および最も近隣の群であった。次の手順では、AE標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いた定量結果を、陽性対照プローブを用いて、それぞれの試料中に存在する細菌rRNAの量と比較した。この陽性対照プローブは、全細菌種からのrRNAにハイブリダイズしたが、SauA1276プローブにハイブリダイズすることができない試料中の細菌rRNAの存在を確認するのに特に有用であった。このような場合、陽性対照プローブは、ハイブリダイズ可能なrRNAの存在について確証を与えたので、陰性の結果を確証した。真菌rRNA標的の場合、広範囲に反応性の真菌rRNAハイブリダイゼーションプローブは、陽性対照として役立った。
【0076】
次の実施例は、SauA1276AE19.20プローブが、ブドウ球菌微生物のパネルからのrRNAをハイブリダイズしたことを示すのに用いられた方法を記載する。
【0077】
実施例2
プローブ特異性の証明
細菌溶解物または精製RNAを、SauA1276AE19.20の配列を有するプローブのハイブリダイゼーションのための核酸標的として、SauA1259およびSauA1306の配列を有するヘルパーオリゴヌクレオチドと一緒に用いた。この方法においてrRNA源として用いられた微生物は、分類された臨床単離物であったかまたは American Type Culture Collection(ATCC)から得られた。試料は全て、表2に、Gen-Probe Incorporated のマスターログ番号で識別される。それぞれのrRNAの平行試料を、配列
CGACAAGGAAUUUCGC(OMeEcoB1933AE12.13)(配列番号:4)
を有する標識された陽性対照プローブ、および配列
UACCUUAGGACCGUUAU(OMeEcoB1916)(配列番号:5)および
CAGGUCGGAACUUACC(OMeEcoB1949a)(配列番号:6)
を有する未標識のヘルパーオリゴヌクレオチドを用いてハイブリダイズさせた。そのハイブリダイゼーション溶液は、0.6M LiCl、1%ラウリル硫酸リチウム、60mMコハク酸リチウム、および両方とも10mMのEDTAおよびEGTA,pH5.5を含有した。SauA1276プローブおよび陽性対照プローブは両方とも、本質的には、“Acridinium Ester Labeling and Purification of Nucleotide Probes”と称される米国特許第5,185,439号に開示された方法にしたがって、アクリジニウムエステルを用いて標識された。ハイブリダイゼーション反応の最後に、ハイブリダイズしていないプローブに結合したアクリジニウムエステルは、弱アルカリ性条件下で化学発光を得られなかったが、ハイブリダイズしたプローブに結合したアクリジニウムエステルは、失活に耐性のままであった。アクリジニウムエステルを用いて標識されたハイブリダイズしたプローブの加水分解および検出の条件は、Arnold et al. によって Clin.Chem. 35:1588(1989) に記載されている。これらの方法でのプローブハイブリダイゼーションの大きさは、当業者に公知の方法を用いて、発光測定によって定量された。次に、ブドウ球菌属プローブシグナルの大きさを、細菌の陽性対照シグナルの大きさで割って、研究中の結果を定量的に規格化した。陽性対照シグナルの30%より大のSauA1276AE19.20プローブシグナルを有する試料は、ヘルパーを用いたSauA1276AEプローブとの特異的ハイブリダイゼーションを示したが、より低い値は、検定形式について陰性の結果を示した。検定結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
Figure 0004913282
【0079】
表2に示される結果は、ブドウ球菌属rRNAに対して向けられたプローブが、多数のブドウ球菌種からのrRNA試料に効率よくハイブリダイズさせたことを確証した。
【0080】
ブドウ球菌属のrRNAに対して向けられたプローブの特異性を、広範なスペクトルの系統発生的に異なる微生物を示す種の集合からのrRNAと標識プローブをハイブリダイズさせることによって更に研究した。この方法では、AE標識プローブを、系統発生的にブドウ球菌属に遠縁であるにすぎない微生物からの精製rRNAまたはrRNA含有溶解物と別に混合した。陽性対照プローブを用いて得られた陽性のハイブリダイゼーション結果、および次の手順でSauA1276プローブを用いて得られた陰性の結果は、SauA1276プローブが、ブドウ球菌属に極めて特異的であるということを更に示した。
【0081】
次の実施例は、プローブの特異性を示すのに用いられた更に別の方法を記載する。より詳しくは、次の方法は、SauA1276プローブが、系統発生的に遠縁の微生物からの溶解物とクロスハイブリダイズしなかったことを示した。
【0082】
実施例3
系統発生的に無関係の微生物とのクロスハイブリダイゼーションの欠如
ハイブリダイゼーション検定は、多数の異なった種から単離されるrRNAを含有する溶解物が標的核酸として役立つことを除いて、前の実施例に記載の手順にしたがって、AE標識プローブおよびヘルパーのオリゴヌクレオチドを用いて行った。その方法の結果を、表3に示す。配列
GTCTGGACCTGGTGAGTTTCCC(配列番号:7)
を有するパン酵母(pan-fungal)プローブ、および配列
CGUGUUGAGUCAAAUUAAGCCGC(配列番号:8)および
GCUCUCAAUCUGUCAAUCCUUAUUGU(配列番号:9)
を有するヘルパーオリゴヌクレオチドを、陽性対照として用いて、真菌rRNAを検出した。真菌微生物の集合を用いて得られた結果を、表4に示す。
【0083】
【表3】
Figure 0004913282
【0084】
Figure 0004913282
【0085】
Figure 0004913282
【0086】
Figure 0004913282
【0087】
【表4】
Figure 0004913282
【0088】
表3に示された結果は、プローブが、多数の系統発生的に異なった細菌種のrRNAとクロスハイブリダイズしなかったことを確証した。表4の結果は、プローブが、真菌種のrRNAとクロスハイブリダイズしなかったことを示す。表2に示された陽性のハイブリダイゼーション結果を総合すると、ハイブリダイゼーションプローブは、ブドウ球菌属のrRNAに極めて特異的であるということが明らかであった。
【0089】
上に示された結果は、本明細書中に開示された新規プローブが、ブドウ球菌属微生物を検出することが可能であったということを確証した。更に、それらプローブは、ブドウ球菌属を系統発生的に近縁である微生物から区別することが可能であった。
【0090】
本発明を、その多数の具体的な実施例および態様に関して記載してきた。当然ながら、本発明の多数の異なった態様は、前の詳細な記述の再検討で、当業者に考えられるであろう。したがって、本発明の真の範囲は、請求の範囲を参照して確認されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、陽性の反応性種および本発明のプローブとハイブリダイズしない系統発生的に無関係の種のいくつかのメンバーの配列と一緒に整列させた一つのオリゴヌクレオチドプローブおよび二つのヘルパーオリゴヌクレオチドの配列を示す。
【配列表】
Figure 0004913282
Figure 0004913282
Figure 0004913282
Figure 0004913282

Claims (19)

  1. ブドウ球菌属(Staphylococcus)に属する細菌の核酸を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブであって、ここで該プローブはブドウ球菌標的16SrRNAまたはrDNAにハイブリダイズして、検出可能なプローブ−標的二重らせんを形成し、
    ここにおいて、 該プローブの配列は、配列番号:1、その相補体、およびそれらのRNA均等物からなる群より選択される塩基配列からなり、そして
    高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション試験条件下において、該オリゴヌクレオチドプローブは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・コーニイ(Staphylococcus cohnii)、スタフィロコッカス・デルフィ(Staphylococcus delphi)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモリティクス(Staphylococcus haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)、スタフィロコッカス・ハイクス(Staphylococcus hyicus)、スタフィロコッカス・インターメディウス(Staphylococcus intermedius)、スタフィロコッカス・サプロフィティクス(Staphylococcus saprophyticus)、スタフィロコッカス・シムラン(Staphylococcus simulan)およびスタフィロコッカス・ワルネリ(Staphylococcus warneri)中に存在する核酸を特異的にハイブリダイズする、
    上記オリゴヌクレオチドプローブ。
  2. 前記プローブがDNAを含む、請求項1に記載のプローブ。
  3. 前記プローブが少なくとも1個のヌクレオチド類似体を含む、請求項1に記載のプローブ。
  4. 前記少なくとも1個のヌクレオチド類似体が、リボース残基の2’位にメトキシ基を含む、請求項3に記載のプローブ。
  5. 請求項1−4のいずれか一項に記載のプローブであって、ここで前記オリゴヌクレオチドプローブが、放射性同位体、蛍光残基、化学発光残基、酵素、リガンドまたはハプテン、もしくは、プロモーター配列、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、または触媒活性部位として機能する二次または三次構造を与える配列からなる群より選択される特異的な非相補的配列からなる群より選択される検出可能な標識であって、その標的配列へのプローブのハイブリダイゼーションを検出するために用いることのできる標識を更に含む、プローブ。
  6. 検出可能な標識が、化学発光標識または放射性標識である請求項5に記載のプローブ。
  7. 化学発光標識がアクリジニウムエステルである請求項6に記載のプローブ。
  8. 請求項1−7のいずれか一項に記載のプローブ、および前記検出可能なプローブ−標的二重らせんの形成を容易にする少なくとも一つのヘルパーオリゴヌクレオチドを含む組成物。
  9. 前記少なくとも一つのヘルパーオリゴヌクレオチドが、少なくとも一つのヌクレオチド類似体を含む請求項8に記載の組成物。
  10. 前記少なくとも一つのヌクレオチド類似体が、2’位に配置されたメトキシ基を有するリボース残基を含む請求項9に記載の組成物。
  11. 請求項8−10のいずれか一項に記載の組成物であって、ここで前記少なくとも一つのヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:2または配列番号:3の相補体、ならびにそれらのRNA均等物の塩基配列から成る群より選択される配列を含む、組成物。
  12. 配列番号:1の塩基配列からなるプローブ、配列番号:2の塩基配列からなるヘルパーオリゴヌクレオチド、および配列番号:3の塩基配列からなるヘルパーオリゴヌクレオチドを含む、請求項11に記載の組成物。
  13. 試験試料中のブドウ球菌属細菌の存在を検出する方法であって、
    (a)前記試料に、ブドウ球菌標的領域16SrRNAまたはrDNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを与え、ここで前記プローブの配列は、配列番号:1、その相補体、およびそれらのRNA均等物からなる群より選択される塩基配列からなり; (b)前記試料および前記プローブの混合物を高ストリンジェンシー試験条件に置き、ここで前記プローブは、前記試料中に存在するかもしれない黄色ブドウ球菌、スタフィロコッカス・コーニイ、スタフィロコッカス・デルフィ、表皮ブドウ球菌、スタフィロコッカス・ヘモリティクス、スタフィロコッカス・ホミニス、スタフィロコッカス・ハイクス、スタフィロコッカス・インターメディウス、スタフィロコッカス・サプロフィティクス、スタフィロコッカス・シムランまたはスタフィロコッカス・ワルネリの核酸と特異的にハイブリダイズしてプローブ−標的二重らせんを形成し;そして
    (c)前記プローブ−標的二重らせんを、前記試験試料中のブドウ球菌属細菌の存在の指標として検出する工程
    を含む上記方法。
  14. 工程(a)の前に、前記試験試料中に存在しうる任意の細菌から核酸を放出させる工程が存在する請求項13に記載の方法。
  15. 前記プローブが、配列番号:1の塩基配列を含む、請求項13または請求項14に記載の方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、ここで前記プローブが、放射性同位体、蛍光残基、化学発光残基、酵素、リガンドまたはハプテン、もしくはプロモーター配列、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、または触媒活性部位として機能する二次または三次構造を与える配列からなる群より選択される特異的な非相補的配列からなる群より選択される検出可能な標識であって、その標的配列へのプローブのハイブリダイゼーションを検出するために用いることのできる標識を含む、方法。
  17. 検出可能な標識がアクリジニウムエステルであり、検出工程が、いずれかの前記プローブ−標的二重らせんを検出する発光測定を行うことを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記プローブが、プローブ−標的二重らせんの形成を容易にする少なくとも一つのヘルパーオリゴヌクレオチドを含むプローブ混合物中に存在する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記少なくとも一つのヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:2または3の相補体、およびそれらのRNA均等物から成る群より選択される塩基配列を含む、請求項18に記載の方法。
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