JP4956699B2 - カンジダ・アルビカンスおよびカンジダ・デュブリニエンシスの検出および定量化のためのポリヌクレオチドプローブ - Google Patents

カンジダ・アルビカンスおよびカンジダ・デュブリニエンシスの検出および定量化のためのポリヌクレオチドプローブ Download PDF

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Description

【0001】
関連出願
本出願は、米国仮出願第60/201,247号、2000年5月1日出願の優先権を請求する。この関連出願の全開示は、本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、病原性酵母種、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)およびカンジダ・デュブリニエンシス(Candida dubliniensis)を検出するための組成物および方法に関する。より具体的には、本発明は、これらの種のリボソーム核酸に特異性を有する、ハイブリダイゼーションプローブおよび補助ポリヌクレオチドに関する。
【0003】
発明の背景
酵母、カンジダ・アルビカンス(C.アルビカンス)は、ヒトに感染する、最も一般的な真菌病原体の1つである。カンジダ・アルビカンスは、気道、胃腸管および女性生殖器官の粘膜の正常フロラ(flora)の一部であるが、この日和見病原体は、これらの位置で優位を獲得し、そして疾患状態を生じる可能性がある。実際、そうでなければ健康な個体のC.アルビカンス感染が致死であることはまれであるが、例えばAIDS患者、化学療法を受けている癌患者、および免疫抑制薬剤を投与されている臓器移植患者などの、損なわれた免疫系を有する個体では、感染は、生命を脅かす異常につながる可能性がある。散在性(全身性)カンジダ症は、免疫抑制された個体で最も一般的であり、そして通常、該生物が粘膜上皮を通過して血流に出た後に、確立される。ひとたび血流に入ると、この生物は、血栓静脈炎、心内膜炎、または眼の感染を引き起こす可能性がある。さらに、C.アルビカンスは、例えば管、針または麻薬乱用を介して、静脈内に導入されると、実質的にいかなる器官または組織にも侵入しうる。
【0004】
カンジダは、酵母の不均一な属である。少なくとも6つのカンジダ種がヒト病原体として関連付けられてきているが、カンジダ感染の大部分は、C.アルビカンスおよびC.トロピカリスによって引き起こされる。C.アルビカンス感染の適切な診断および早期治療は、医学的治療に関して、明らかな利点を提供するため、この生物の広範囲の異なる株を検出するのに利用可能な方法を有することが非常に望ましい。
【0005】
新規日和見病原体、カンジダ・デュブリニエンシスの発見が、ヒト疾患に関与する生物の範囲に加えられた(Sullivanら, Microbiology 141:1507(1995)を参照されたい)。この酵母種の単離体は口腔カンジダ症の臨床症状を伴い、そして伴わず、主に、HIV感染患者の口腔から、回収されている。しかし、C.デュブリニエンシスはまた、はるかにより少ない度合いであるが、無症候性および症候性免疫適格個体の口腔からも回収されている。痰、血液、糞便および膣標本からのC.デュブリニエンシスの単離もまた、いくつか報告されている。OddsらによってJ. Clin. Microbiol. 36:2869(1998)に報告された研究では、もともとC.アルビカンスと同定された酵母の約2%は、DNAフィンガープリンティングに基づいて、C.デュブリニエンシスと再同定された。
【0006】
デオキシリボ核酸(「DNA」)またはリボ核酸(「RNA」)の2つの一本鎖は、互いに会合または「ハイブリダイズ」し、相補塩基対間の水素結合によって共に保持される2つの鎖を有する二本鎖構造を形成可能であることが、よく確証されている。核酸の個々の鎖は、塩基:アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)、グアニン(G)、ウラシル(U)およびイノシン(I)を含むヌクレオチドから形成される。核酸の二重らせん構造において、塩基アデニンは、塩基チミンまたはウラシルと水素結合し、塩基グアニンは、塩基シトシンと水素結合し、そして塩基イノシンは、アデニン、シトシンまたはウラシルと水素結合する。したがって、鎖沿いのいかなる点でも、古典的な「ワトソン−クリック」塩基対、A:TまたはA:U、T:AまたはU:A、およびG:CまたはC:Gが見出される可能性がある。しかし、伝統的な(「規範的な(canonical)」)塩基対に加え、A:G、G:Uおよび他の「ゆらぎ(wobble)」またはミスマッチ塩基対もまた、見出される可能性がある。
【0007】
第一の一本鎖ポリヌクレオチドが、ハイブリダイゼーション促進条件下で、第一のポリヌクレオチドの配列に相補的な、十分な数の近接する塩基を有する、第二の一本鎖ポリヌクレオチドと接触すると、二本鎖核酸ハイブリッドが生じるであろう。適切な条件下で、DNA/DNA、RNA/DNAまたはRNA/RNAハイブリッドが形成可能である。
【0008】
一般的に、プローブは、検出しようとする核酸配列(「標的配列」)とある程度の相補性を有する一本鎖ポリヌクレオチドである。プローブは、一般的に、放射性同位体、抗原または化学発光部分などの検出可能部分で標識される。
【0009】
特定の核酸配列を検出する方法としての核酸ハイブリダイゼーションの説明は、Kohneらによって米国特許第4,851,330号に、そしてHoganらによって米国特許第5,541,308号および第5,681,698号に提供される。これらの参考文献はまた、RNA含有生物を含む可能性がある試料中の、こうした生物の存在を決定するための方法も記載する。これらの方法は、1以上の非ウイルス生物または非ウイルス生物群のリボソームRNA(rRNA)に十分に相補的なプローブを必要とする。該方法にしたがって、試験しようとする試料由来の核酸および適切なプローブをまず混合し、そしてその後、明記されるハイブリダイゼーション条件下でインキュベーションする。必ずというわけではないが、慣用的に、プローブは、検出可能標識で標識されるであろう。生じたハイブリダイゼーション反応をその後、アッセイし、試験試料中に含まれるrRNAの存在を検出するため、二重鎖構造を形成した標識プローブを検出し、そしてその量を定量化する。
【0010】
ウイルスを例外とし、すべての原核生物は、原核5S、16Sおよび23S rRNA分子の相同体(homolog)をコードするrRNA遺伝子を含む。真核生物では、これらのrRNA分子は、原核生物分子に実質的に類似の5S rRNA、5.8S rRNA、18S rRNAおよび28S rRNAである。試料中の特定の生物または生物群における、特異的にターゲッティングされたrRNA下位配列を検出するためのプローブは、先に記載されてきている。これらの非常に特異的なプローブ配列は、好適に、適切なストリンジェンシー条件下で、いかなる他の細菌種または感染性病原体由来の核酸とも交差反応しない。
【0011】
本発明は、非常に特異的な方式で、広範囲のカンジダ・アルビカンス株およびカンジダ・デュブリニエンシスを検出するのに使用可能なポリヌクレオチドプローブを提供する。
【0012】
発明の概要
本発明の第一の側面は、100ヌクレオチドまでの長さおよび配列番号6またはその相補体由来の少なくとも17の近接するヌクレオチドを含む配列を有する、オリゴヌクレオチドに関する。オリゴヌクレオチドの配列は、配列番号1またはその相補体、配列番号2またはその相補体、配列番号3またはその相補体、配列番号4またはその相補体、あるいは配列番号5またはその相補体のいずれか1つを含むことが可能である。これらの場合の各々で、オリゴヌクレオチドは、100ヌクレオチドまでの長さを有するよりむしろ、わずか60ヌクレオチドまでの長さを有することが可能である。特定の態様において、オリゴヌクレオチドはDNAで作成される。本発明の特定の他の態様において、オリゴヌクレオチドの配列は、正確に、配列番号1またはその相補体、配列番号2またはその相補体、配列番号3またはその相補体、配列番号4またはその相補体、および配列番号5またはその相補体のいずれか1つに提供される。この場合、オリゴヌクレオチドは、所望により、検出可能標識を含むことが可能である。非常に好ましい態様において、オリゴヌクレオチドの配列は、配列番号1または配列番号4のいずれかに提供される。さらにより非常に好ましい態様において、配列番号1または配列番号4いずれかの配列を有するオリゴヌクレオチドは、検出可能標識をさらに含む。検出可能標識の例には、アクリジニウムエステルなどの化学発光標識が含まれる。
【0013】
本発明の第二の側面は、C.アルビカンスまたはC.デュブリニエンシスのいずれかである酵母の核酸を検出するのに使用可能な組成物に関する。この組成物は、100ヌクレオチド塩基までの長さおよび配列番号6またはその相補体由来の少なくとも17の近接するヌクレオチドを含む配列を有する、オリゴヌクレオチドプローブを含む。特定の例では、100ヌクレオチドまでの長さを有するよりむしろ、オリゴヌクレオチドプローブの長さは、わずか60ヌクレオチドまでである。本発明の組成物において、プローブは、好適に、DNAで作成可能である。本発明のオリゴヌクレオチドプローブの特定の好ましい態様において、検出可能標識が含まれ、該標識は、化学発光標識または放射標識であり、そしてプローブの長さは、60ヌクレオチド以下である。オリゴヌクレオチドプローブの配列が、正確に配列番号1または配列番号4いずれかによって提供される場合、そしてさらに、プローブが検出可能標識を含む場合、検出可能標識は、化学発光標識または放射標識であることが可能である。特定の例として、検出可能標識は化学発光標識であり、そしてこの化学発光標識はアクリジニウムエステルである。あるいは、オリゴヌクレオチドプローブの配列が、正確に配列番号1または配列番号4いずれかによって提供される場合、そしてさらに、プローブが検出可能標識を含む場合、組成物中に少なくとも1つのヘルパーオリゴヌクレオチドが含まれていてもよい。本発明の1つの非常に好ましい態様にしたがって、オリゴヌクレオチドプローブの配列は、配列番号1に提供され、そしてヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号2および配列番号3からなる群より選択される。別の非常に好ましい態様にしたがって、オリゴヌクレオチドプローブの配列は、配列番号4に提供され、そしてヘルパーオリゴヌクレオチドは、配列番号2および配列番号5からなる群より選択される。
【0014】
本発明の第三の側面は、試験試料が、C.アルビカンスまたはC.デュブリニエンシスいずれかである生物を含むかどうか決定する方法に関する。この方法は、100ヌクレオチド塩基までの長さおよび配列番号6またはその相補体由来の少なくとも17の近接するヌクレオチドを含む配列を有するオリゴヌクレオチドプローブを含む、プローブ組成物を、試験試料に提供する、第一の工程を含む。方法の第二の工程は、プローブ:標的二重鎖を形成するため、高ストリンジェンシー条件下で、試験試料中に存在する可能性があるいかなる核酸も、該プローブ組成物とハイブリダイズさせることを含む。最後に、プローブ:標的二重鎖を検出する工程がある。こうした二重鎖が検出されることは、C.アルビカンスまたはC.デュブリニエンシスいずれかである生物が、試験試料中に存在することを示す。この方法は、配列番号1または配列番号4いずれかによって提供される配列を有するオリゴヌクレオチドプローブを用いて行うことが可能である。この場合、試験試料は酵母細胞を含む可能性があり、そして上述の第一の工程の前に、該試験試料中に存在する可能性がある、いかなる酵母細胞由来の核酸も遊離させる予備的工程がある。あるいは、試験試料は、溶解物として開始することも可能である。方法の第二の工程で使用可能な、有用な高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件の例は:(a)0.48Mリン酸ナトリウム緩衝液、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、各1mMのEDTAおよびEGTA;または(b)0.6M LiCl、1%ラウリル硫酸リチウム、60mMコハク酸リチウム、並びに各10mMのEDTAおよびEGTAのいずれかを含む。オリゴヌクレオチドプローブの配列が、配列番号1または配列番号4のいずれかからなる場合、オリゴヌクレオチドプローブがまた、検出可能標識も含むことが好ましい。本発明の方法の1つの態様において、この検出可能標識は、アクリジニウムエステルであり、そして「検出」工程は、いかなるプローブ:標的二重鎖も検出するため、発光測定を行うことを含む。本発明の方法の別の態様において、プローブ組成物は、少なくとも1つのヘルパーオリゴヌクレオチドをさらに含む。例えば、オリゴヌクレオチドプローブの配列が配列番号1に提供され、そしてさらに、少なくとも1つのヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号2または配列番号3に提供される配列を有することが、非常に好ましい。あるいは、オリゴヌクレオチドプローブの配列が配列番号4に提供され、そしてさらに、少なくとも1つのヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号2または配列番号5に提供される配列を有することが、非常に好ましい。
【0015】
定義
本明細書において、以下の用語は、反対に言及されない限り、既定の意味を有する。
【0016】
「ヌクレオチド」は、リン酸基、5炭糖および窒素性塩基からなる核酸のサブユニットである。RNAに見られる5炭糖はリボースである。DNAでは、5炭糖は2’−デオキシリボースである。5’−ヌクレオチドの糖は、5’−炭素−5位にヒドロキシル基(−OH)を含む。該用語はまた、天然存在ヌクレオチドの類似体も含み、そして特に、リボースの2’位にメトキシ基(OMe)を有する類似体を含む。本明細書において、「T」残基を含むメトキシオリゴヌクレオチドは、リボース部分の2’位にメトキシ基を有し、そしてヌクレオチドの塩基位にウラシルを有する。「OMeT」と特に特定される場合、ヌクレオチドの塩基位がチミン残基に占められることを意味する。
【0017】
「非ヌクレオチド単位」は、ポリマーのハイブリダイゼーションに重要には参加しない単位である。こうした単位は、例えば、ヌクレオチドとのいかなる重要な水素結合にも参加してはならず、そして構成要素として、5つのヌクレオチド塩基またはその類似体の1つを有する単位を排除するであろう。
【0018】
「オリゴヌクレオチド」は、共に共有結合する、2以上のヌクレオチドサブユニットを有するヌクレオチドポリマーである。オリゴヌクレオチドは、一般的に、長さ約10から約100ヌクレオチドである。ヌクレオチドサブユニットの糖基は、リボース、デオキシリボース、またはOMeなどのその修飾された誘導体であってもよい。ヌクレオチドサブユニットは、ホスホジエステル連結、修飾連結などの連結によって、または、相補標的ヌクレオチド配列へのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを妨げない、非ヌクレオチド部分によって、連結されてもよい。修飾連結は、標準的ホスホジエステル連結が、ホスホロチオエート連結、メチルホスホネート連結、または中性ペプチド連結などの異なる連結で置き換えられたものを含む。窒素性塩基類似体もまた、本発明にしたがったオリゴヌクレオチドの構成要素であることが可能である。
【0019】
「標的核酸」は、標的核酸配列を含む核酸である。
「標的核酸配列」、「標的ヌクレオチド配列」または「標的配列」は、オリゴヌクレオチドがハイブリダイズすることが可能な特定のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド配列である。
【0020】
「オリゴヌクレオチドプローブ」は、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で、検出可能ハイブリッドプローブ:標的二重鎖を形成することが可能な、標的核酸配列に十分に相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドプローブは、単離化学種であり、そして高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションを妨げない限り、ターゲッティングされる領域の外側に、さらなるヌクレオチドを含んでもよい。非相補配列、例えばプロモーター配列、制限エンドヌクレアーゼ認識部位、または触媒活性部位などの望ましい二次もしくは三次構造を与える配列を用いて、本発明のプローブを用いた検出を促進することが可能である。オリゴヌクレオチドプローブは、所望により、標的配列へのプローブハイブリダイゼーションを検出するかまたは確認するのに使用可能な検出可能部分、例えば放射性同位体、蛍光部分、化学発光部分、酵素またはリガンドで標識可能である。オリゴヌクレオチドプローブは、長さ10から100ヌクレオチドの範囲の大きさであることが好ましい。
【0021】
「検出可能部分」は、核酸プローブに付着した、または核酸プローブの一部として合成された分子である。この分子は、特有に検出可能でなければならず、そして、その結果、プローブが検出されるのを可能にするであろう。これらの検出可能部分は、しばしば、放射性同位体、化学発光分子、酵素、ハプテン、または特有のオリゴヌクレオチド配列でさえある。
【0022】
「ハイブリッド」または「二重鎖」は、2つの一本鎖核酸配列の間に、相補塩基間のワトソン−クリック塩基対形成または非規範的塩基対形成によって形成される複合体である。
【0023】
「ハイブリダイゼーション」は、核酸の2つの相補鎖が組み合わされ、二本鎖構造(「ハイブリッド」または「二重鎖」)を形成する過程である。
「相補性」は、各鎖上のワトソン−クリック塩基対の間の水素結合を通じて、ハイブリッドあるいは二本鎖DNA:DNA、RNA:RNAまたはDNA:RNAを形成することが可能な、DNAまたはRNAの一本鎖の塩基配列によって与えられる特性である。アデニン(A)は通常、チミン(T)またはウラシル(U)を相補し、一方、グアニン(G)は通常、シトシン(C)を相補する。
【0024】
「ミスマッチ」は、ハイブリッドにおいて、規範的なワトソン−クリック水素結合を形成しない2つのヌクレオチドのいかなる対形成も指す。さらに、以下の議論の目的には、ミスマッチは、非対形成ヌクレオチド(類)を生じる、ハイブリッドの1つの鎖における挿入または欠失も含む可能性がある。
【0025】
用語「ストリンジェンシー」は、ハイブリダイゼーションおよび続くプロセシング工程中に存在する温度および溶媒組成を記載するのに用いられる。高ストリンジェンシー条件下では、非常に相補的な核酸ハイブリッドのみが形成されるだろうし;十分な度合いの相補性を持たないハイブリッドは形成されないであろう。したがって、アッセイ条件のストリンジェンシーは、ハイブリッドを形成する2つの核酸鎖の間に必要な相補性の量を決定する。ストリンジェンシー条件は、標的および非標的核酸を用いて形成されるハイブリッド間の安定性の相違を最大にするよう選択する。典型的な高ストリンジェンシー条件を実施例に提供する。
【0026】
用語「プローブ特異性」は、プローブの特性を指し、標的および非標的配列の間を区別する能力を記載する。
用語「可変領域」は、試料中に含まれる標的生物および非標的生物の間で、少なくとも1つの塩基が異なる、ヌクレオチドポリマーを指す。
【0027】
「保存領域」は、少なくとも2つの異なるポリヌクレオチドの間で可変でない核酸下位配列である。
用語「配列分散(divergence)」は、ヌクレオチドポリマーが、進化中、より似なくなる過程を指す。
【0028】
用語「配列収束(convergence)」は、ヌクレオチドポリマーが、進化中、より似てくる過程を指す。
「Tm」は、プローブの50%が、ハイブリダイズ型から非ハイブリダイズ型に変換される温度を指す。
【0029】
「ヘルパーオリゴヌクレオチド」は、オリゴヌクレオチドプローブが結合する領域以外の標的核酸領域に結合するオリゴヌクレオチドである。ヘルパーオリゴヌクレオチドは、一本鎖核酸のターゲッティングされる領域上に新たに二次および三次構造を課し、オリゴヌクレオチドプローブの結合速度が加速されるようにする。ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標識オリゴヌクレオチドプローブと組み合わせて用いられる場合、検出可能標識で標識されないが、標識プローブの結合を促進し、そしてしたがって、間接的にハイブリダイゼーションシグナルを増進する。
【0030】
句「本質的になる」、または「本質的になっている」は、オリゴヌクレオチドが、明記されるヌクレオチド配列に実質的に類似のヌクレオチド配列を有することを意味する。オリゴヌクレオチドが、請求される特性を有すること、例えば高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で、非標的核酸より標的核酸に優先的にハイブリダイズ可能であることを妨げない、いかなる付加または欠失も、明記されるヌクレオチド配列の重要でない変動である。
【0031】
当業者は、本発明の実質的に対応するプローブは、言及される配列と異なり、そしてなお同一の標的核酸配列にハイブリダイズ可能であることを理解するであろう。核酸からのこの変動は、配列内の同一塩基の割合、またはプローブおよびその標的配列間の完全に相補的な塩基の割合に関して、述べることが可能である。本発明のプローブは、これらの割合が、100%から80%、または10ヌクレオチド標的配列における0塩基ミスマッチから10ヌクレオチド標的配列における2塩基ミスマッチである場合、核酸配列に実質的に対応する。好ましい態様において、該割合は、100%から85%である。より好ましい態様において、この割合は、90%から100%であり;他の好ましい態様において、この割合は、95%から100%である。
【0032】
「十分に相補的」または「実質的に相補的」により、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で、検出のため安定であるハイブリッドを形成する、十分な量の近接する相補ヌクレオチドを有する核酸を意味する。
【0033】
「核酸ハイブリッド」または「プローブ:標的二重鎖」により、二本鎖、水素結合構造で、好ましくは、長さ10から100ヌクレオチド、より好ましくは、長さ14から50ヌクレオチドである構造を意味する。構造は、化学発光または蛍光検出、オートラジオグラフィー、電気化学的解析またはゲル電気泳動などの手段によって検出するのに十分に安定である。こうしたハイブリッドは、RNA:RNA、RNA:DNA、またはDNA:DNA二重鎖分子を含む。
【0034】
「負のセンス」により、レファレンス(すなわち、センス)核酸分子に完全に相補的な核酸分子を意味する。
「RNAおよびDNA均等物(equivalent)」は、同じ相補塩基対ハイブリダイゼーション特性を有する、RNAおよびDNA分子を指す。RNAおよびDNA均等物は、異なる糖基(すなわち、リボース対デオキシリボース)を有し、そしてRNAにはウラシル、そしてDNAにはチミンが存在する点が異なる可能性がある。RNAおよびDNA均等物の間の相違は、均等物が、特定の配列に対し、同じ度合いの相補性を有するため、実質的に対応する核酸配列における相違に貢献しない。
【0035】
「優先的にハイブリダイズする」により、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で、オリゴヌクレオチドプローブが、その標的核酸にハイブリダイズし、(他の生物由来の非標的核酸の存在を示すであろう)安定なプローブ:非標的ハイブリッドを形成することなく、(それにより標的核酸の存在を示す)安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成可能であることを意味する。したがって、プローブは、非標的核酸に対するより、標的核酸に対し、十分により高い度合いでハイブリダイズし、当業者が、C.アルビカンスおよび/またはC.デュブリニエンシスの存在を正確に検出し、そして他の生物とこれらの種を区別することを可能にする。優先的ハイブリダイゼーションは、当該技術分野に知られ、そして本明細書に記載する技術を用いて、測定可能である。
【0036】
「標的核酸配列領域」は、他の種の核酸に存在しない、生物の核酸に存在する核酸配列またはそれに相補的な配列を指す。標的配列に相補的なヌクレオチド配列を有する核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または転写仲介増幅(例えば、KacianおよびFultz、核酸配列増幅法、米国特許第5,824,518号)などの標的増幅技術によって生成可能である。
【0037】
発明の詳細な説明
本明細書において、我々は、他の微生物またはヒトのリボソーム核酸を実質的に検出することなく、カンジダ・アルビカンスおよびカンジダ・デュブリニエンシスのrRNAまたはrDNAを検出し、そして同定するのに使用可能な、オリゴヌクレオチドプローブの好ましい標的ヌクレオチド配列およびヘルパーオリゴヌクレオチドを開示する。C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスを特異的に検出する、非常に好ましいポリヌクレオチドプローブおよび補助ヘルパーオリゴヌクレオチドを、特に開示する。28S rRNAの特定のrRNA配列に相補的であるプローブは、好適に、これらの種を、既知の系統的に最も近い近縁種(neighbor)と区別することが可能である。
【0038】
C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスのリボソームRNA(rRNA)またはDNA(rDNA)配列に対するハイブリダイゼーションを可能にする核酸配列を有するのに加え、本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号7に同定する、記載するRNA標的配列領域の少なくとも一部に、少なくとも90%相補的であり、好ましくは、完全に相補的である。該部分は、好ましくは、少なくとも長さ15ヌクレオチドであり、より好ましくは、少なくとも長さ17ヌクレオチドであり、さらにより好ましくは、少なくとも長さ23ヌクレオチドであり、さらにより好ましくは、少なくとも長さ25ヌクレオチドであり、そしてさらにより好ましくは、少なくとも長さ34ヌクレオチドである。
【0039】
上述のように、本発明のオリゴヌクレオチドは、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスの核酸配列をターゲッティングする。これらのオリゴヌクレオチドは、核酸標的領域に優先的にハイブリダイズし、C.アルビカンスまたはC.デュブリニエンシスいずれかの存在を示す、検出可能二重鎖を形成するプローブとして使用可能である。あるいは、本発明のオリゴヌクレオチドは、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で、核酸標的領域にハイブリダイズし、そして標識オリゴヌクレオチドプローブおよびその相補標的核酸間の二重鎖の形成を増進することが可能である、ヘルパーオリゴヌクレオチドとして使用可能である。
【0040】
好ましい態様において、本明細書に記載するオリゴヌクレオチドプローブは、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で、他の生物由来のものより、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシス由来の核酸に、選択的にハイブリダイズする。本発明のいくつかの態様において、オリゴヌクレオチドプローブは、アクリジニウムエステルまたは放射性同位体などの検出可能部分を含む。
【0041】
C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスの存在を検出するのに好ましい方法は、高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で、他の生物の核酸配列より、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシス標的核酸配列に優先的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブと、試験試料を接触させる工程を含む。好ましくは、標的核酸配列は、配列番号7に提供する配列の、少なくとも15の近接するヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも17の近接するヌクレオチド、さらにより好ましくは、少なくとも23の近接するヌクレオチド、さらにより好ましくは、少なくとも25の近接するヌクレオチド、そしてさらにより好ましくは、少なくとも34の近接するヌクレオチドを有する。したがって、rRNA標的にハイブリダイズするのに有用なオリゴヌクレオチドは、長さ100ヌクレオチドまで、またはより好ましくは、長さ60ヌクレオチドまでであり、そして配列番号6の配列内に含まれる、少なくとも15の近接するヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも17の近接するヌクレオチド、さらにより好ましくは、少なくとも23の近接するヌクレオチド、さらにより好ましくは、少なくとも25の近接するヌクレオチド、そしてさらにより好ましくは、少なくとも34の近接するヌクレオチドを有する。しかし、rDNAにハイブリダイズするのに有用な他のプローブは、長さ100ヌクレオチドまで、またはより好ましくは、長さ60ヌクレオチドまでであり、そして配列番号6の相補体に提供される配列の、少なくとも15の近接するヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも17の近接するヌクレオチド、さらにより好ましくは、少なくとも23の近接するヌクレオチド、さらにより好ましくは、少なくとも25の近接するヌクレオチド、そしてさらにより好ましくは、少なくとも34の近接するヌクレオチドを有する。
【0042】
序論および背景
本発明の開発において、関連および非関連生物のコレクション由来のrRNA配列を並列させ、カンジダ・アルビカンスを他の生物と区別するのに使用可能な、28S rRNAに存在する候補保存配列を同定した。カンジダ・アルビカンスおよび系統的に遠い近縁種のrRNAまたはrDNA配列を並列させ、最大相同性の領域を明らかにした。他の近い関連属および遠い関連属とミスマッチを示すrRNA配列を同定するため、配列変動に関して、相同領域を調べた。最後に、以下に記載する方法にしたがって、候補プローブと推定される配列を、一団のrRNA標準およびrRNA含有細胞溶解物に対して試験し、実験室条件下でのプローブとしての有用性を立証した。
【0043】
rRNAのポリヌクレオチド配列は、ジデオキシヌクレオチド配列決定法を用いて、最も好適に決定する。この方法において、長さ約10−100塩基で、そしてリボソームサブユニットいずれか由来のrRNAの保存領域に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを、逆転写酵素によって、伸長することが可能である。生じたDNA伸長産物をその後、化学分解またはジデオキシヌクレオチド配列決定いずれかによって、配列決定することが可能である(Laneら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:6955(1985))。別の好ましい方法にしたがって、rRNAをコードするゲノム配列もまた、決定可能である。
【0044】
rRNA分子の二次構造および機能の強い相互依存が公知である。実際、rRNAの一次配列における進化上の変化は、分子の二次構造が維持されるであろうように、有効に制限されている。例えば、rRNA分子のらせんの一方の側で塩基が変化すると、相補性を保存するため、らせんの逆側で、相殺する変化が行われるであろう(これは共変異(covariance)と呼ばれる)。この関係によって、2つの非常に異なるrRNA配列を、保存された一次配列および二次構造の保存要素に基づいて、「並列させる」ことが可能になる。配列が並列されたら、rRNA配列の保存および可変領域を同定することが可能になる。
【0045】
rRNAの可変領域は、公表されたrRNA配列および本発明の開発中に決定した配列を用いた比較解析によって同定した。商業的に入手可能なソフトウェアを用いても、または本明細書に開示する目的に適応させたものを用いてもよい。rRNAの可変領域(例えば、最低10ヌクレオチドに広がる)の各々での配列進化は、大部分、分散性であり、そして収束性でないため、標的生物およびその系統的に最近である類縁種(relative)の間で異なるいくつかのrRNA配列に基づいて、自信を持ってプローブを設計することが可能である。実際、我々は、単一試料において、多くの標的生物およびその系統的に最近である類縁種のrRNA配列間の十分な変動を検出し、以下に示す方法にしたがって使用可能なプローブの設計を可能にした。
【0046】
プローブ選択指針
本発明にしたがった、望ましい特性を有するプローブを設計するのに、以下の一般的な指針が使用可能である。ハイブリダイゼーション反応の度合いおよび特異性に影響を与える多くの要因の1以上を操作すると、特定のプローブの感受性および特異性を決定することが可能である。これは、プローブが、その標的ポリヌクレオチド配列の全長に渡って、完全に相補的であってもなくても、あてはまる。本発明と関連して有用なプローブを調製するための指針を以下に記載する。
【0047】
まず、プローブ:標的核酸ハイブリッドの安定性がアッセイ条件に適合するように選択しなければならない。これは、長いAおよびTリッチ配列を避け、ハイブリッドをG:C塩基対で終結させ、そしてTmが、アッセイに使用しようとする標準的条件に適切であろうような方式で、プローブを設計することによって、達成可能である。プローブのヌクレオチド配列は、長さ並びに%Gおよび%Cが、最終アッセイが行われるであろう温度より、約2−10℃高いTmを有するプローブを生じるように、選択しなければならない。G:C塩基対は、A:T塩基対と比較した際、より高い熱安定性を示すため、プローブの塩基組成は重要である。したがって、高G:C含量を有する相補核酸を伴うハイブリッドは、より低いG:C含量を有するハイブリッドと比較した際、より高い温度で安定であろう。
【0048】
ヌクレオチド間のホスホジエステル連結によって提供されるであろうような、陰性荷電主鎖を有するプローブを設計する際、ハイブリダイゼーション反応が行われるであろう、イオン強度および温度条件もまた、考慮しなければならない。ハイブリダイゼーション速度は、反応混合物のイオン強度が増加するにつれ、増加することが、一般的に知られる。同様に、ハイブリッドの熱安定性は、イオン強度の増加と共に増加する。逆に、ホルムアミド、尿素、DMSOおよびアルコールなどの水素結合破壊試薬は、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを増加させる。この種の試薬による水素結合の不安定化は、Tmを非常に減少させることが可能である。一般的に、長さ約10−50塩基の合成オリゴヌクレオチドプローブの最適ハイブリダイゼーションは、既定の二重鎖の融解温度のおよそ5℃下で起こる。最適温度以下で行われるハイブリダイゼーション反応は、ミスマッチ塩基配列がハイブリダイズすることを可能にする可能性があり、そしてプローブ特異性の減少を生じる可能性がある。
【0049】
第二に、プローブがその標的ポリヌクレオチドに結合する位は、プローブ:非標的ポリヌクレオチド間に形成されるハイブリッドの安定性を最小にするよう選択しなければならない。これは、非標的生物のポリヌクレオチドとの完全な相補性の長さを最小限にし、非標的配列と相同なG:Cリッチ領域を回避し、そして可能な限り多くの不安定化ミスマッチに渡るよう、プローブを配置することによって、達成可能である。プローブ配列が、特定の種類の生物のみを検出するのに有用であるかどうかは、主に、プローブ:標的ハイブリッドおよびプローブ:非標的ハイブリッド間の熱安定性相違に依存する。非常に特異的なプローブを産生するため、Tmの相違は、可能な限り大きくなければならない。
【0050】
標的核酸配列の長さおよび対応するプローブ配列の長さもまた、プローブを設計する際、考慮すべき重要な要因である。完全に相補的でないポリヌクレオチドが互いにハイブリダイズすることは可能であるが、完全に相同な塩基配列の最長の範囲が、通常、ハイブリッド安定性の主な決定要因であろう。
【0051】
第三に、プローブのハイブリダイゼーションに阻害性である強い内部構造を形成することが知られるrRNAの領域は、標的としてより好ましくない。広範囲の自己相補性を有するプローブもまた、避けなければならない。上述のように、ハイブリダイゼーションは、水素結合二本鎖構造を形成する、相補核酸の2つの一本鎖の会合である。2つの鎖の1つが、完全にまたは部分的に二本鎖を形成している場合、これは、新たなハイブリッドの形成に、より参加しにくいであろう。重要なことに、すべてのrRNA分子は、非常に安定な分子内ハイブリッドを形成する。
【0052】
プローブおよびその標的の間のハイブリダイゼーションの速度および度合いは、目的の配列のかなりの部分が一本鎖であるように、プローブを設計することによって、実質的に増加させることが可能である。検出しようとする標的核酸が、rRNAをコードするゲノム配列である場合、標的は、当然、二本鎖型で存在するであろう。これはまた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の産物にもあてはまる。これらの二本鎖標的は、当然、プローブとのハイブリダイゼーションに阻害性である。最後に、十分な自己相補性があれば、単一のプローブ分子内でまたは異なるプローブ分子間で、望ましくない分子内および分子間ハイブリッドが形成される可能性がある。したがって、プローブ配列内の広範囲の自己相補性は、避けなければならない。
【0053】
好ましくは、以下に記載する方法を行うのに有用なプローブは、高ストリンジェンシーの条件下で、ハイブリダイズするであろう。これらの条件下では、非常に相補的な核酸ハイブリッド(すなわち、一連の近接する塩基の、17塩基のうち少なくとも14が相補的であるもの)のみが、形成されるであろう。十分な度合いの相補性が存在しなければ、ハイブリッドは形成されないであろう。したがって、アッセイ条件のストリンジェンシーは、ハイブリッドを形成する2つの核酸鎖の間に必要な相補性の量を決定する。ストリンジェンシーは、標的および非標的核酸で形成されるハイブリッド間の安定性の相違を最大にするよう選択する。以下に示す実施例では、典型的な高ストリンジェンシー条件を使用する。
【0054】
異なる長さおよび塩基組成のオリゴヌクレオチドプローブを、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシス検出に用いることが可能であるが、本発明の好ましいプローブは、100ヌクレオチドまで、そしてより好ましくは、60ヌクレオチドまでの長さを有する。本発明のオリゴヌクレオチドの好ましい長さの範囲は、長さ10から100塩基、より好ましくは、長さ15および60塩基の間、またはさらにより好ましくは、長さ15および50塩基の間である。好ましいプローブは、標的核酸に対して、以下に記載する実施例に使用するような、高ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションを可能にするのに十分に相同である。しかし、以下に記載する特定のプローブ配列はまた、核酸クローニングベクター中に提供可能であり、そしてなお、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスを検出するのに使用可能である。
【0055】
オリゴヌクレオチドの化学構造
本発明のすべてのオリゴヌクレオチドは、その性能を増進するため、化学基で修飾可能である。したがって、「オリゴヌクレオチドプローブ」または「ヘルパーオリゴヌクレオチド」または単に「オリゴヌクレオチド」は、天然ヌクレオチドのポリマーと共に、少なくとも1つのヌクレオチド類似体を含むポリマーも含むと理解すべきである。
【0056】
ホスホロチオエートまたはメチルホスホネート基を有するものなどの主鎖修飾オリゴヌクレオチドが、本発明のオリゴヌクレオチドと組み合わせて使用可能な類似体の例である。これらの修飾は、オリゴヌクレオチドに、特定のポリメラーゼまたはヌクレアーゼ酵素の核酸溶解活性に対する耐性を与える。本明細書に開示するオリゴヌクレオチドの構造に取り込み可能な他の類似体には、ペプチド核酸、または「PNA」が含まれる。PNAは、ホスホジエステル主鎖でなくペプチド主鎖に連結したリガンドを含む化合物である。代表的なリガンドには、適切なリンカーを通じて、ペプチド主鎖に付着した、4つの主な天然存在DNA塩基(すなわち、チミン、シトシン、アデニンまたはグアニン)または他の天然存在核酸塩基(例えば、イノシン、ウラシル、5−メチルシトシンまたはチオウラシル)または人工的塩基(例えば、ブロモチミン、アザアデニン類またはアザグアニン類など)のいずれかが含まれる。PNAは、相補ssDNAおよびRNA鎖に結合可能である。PNAを作成しそして用いるための方法は、米国特許第5,539,082号に開示される。本明細書に記載する配列を有するオリゴヌクレオチドを作成するのに使用可能な修飾の別の種類は、プライマーのハイブリダイゼーションまたは伸長に干渉しない、核酸鎖中のヌクレオチド間に取り込まれた、非ヌクレオチドリンカーの使用を伴う(例えば、本明細書に援用される、Arnoldら、「ヌクレオチドプローブのための非ヌクレオチド連結試薬」、米国特許第6,031,091号)。
【0057】
rRNAまたはrDNAを検出する、核酸に基づく方法
オリゴヌクレオチドプローブを含む組成物は、単独で、あるいは1以上のヘルパーオリゴヌクレオチドと組み合わせて、ハイブリダイゼーションアッセイにおいて、C.アルビカンスまたはC.デュブリニエンシスいずれかのrRNAまたはrDNAを検出するのに使用可能である。本発明を実施するのに使用可能な明示したオリゴヌクレオチドは、シアノエチルホスホラミダイト前駆体を用いた自動化固相化学合成(Baroneら, Nucl Acids Res 12:4051(1984))を含む、いくつかの公知の方法のいずれによっても、産生可能である。合成オリゴヌクレオチドを調製するための他の公知の方法もまた、使用可能である。
【0058】
標識プローブが望ましい場合、本質的に、特異的な核酸ハイブリダイゼーションを監視するのに使用可能な、いかなる標識および検出系を、本明細書に開示するプローブと組み合わせて用いてもよい。有用な標識のコレクションに含まれるのは:同位体標識、酵素、ハプテン、連結オリゴヌクレオチド、化学発光分子および電気化学的検出法になじみやすい酸化還元活性部分である。標識オリゴヌクレオチドを産生するのに使用可能な標準的同位体標識には、3H、35S、32P、125I、57Coおよび14Cが含まれる。放射標識プローブを用いる場合、ハイブリッドは、オートラジオグラフィー、シンチレーション計測またはガンマ計測によって、検出可能である。
【0059】
非同位体成分もまた、オリゴヌクレオチドプローブを標識するのに使用可能である。これらの非同位体標識は、オリゴヌクレオチドプローブの内部に、または末端に配置可能である。修飾ヌクレオチドは、プローブ合成中または合成後に行われる、プローブの修飾を用いて、例えば非ヌクレオチドリンカー基の使用によって、酵素的または化学的に取り込み可能である。非同位体標識には、蛍光分子、化学発光分子、酵素、補因子、酵素基質、ハプテンまたは他のリガンドが含まれる。
【0060】
実際、本発明にしたがって、標識オリゴヌクレオチドを調製するのに、いかなる数の異なる非同位体標識を用いてもよい。好ましい化学発光分子には、Arnoldらによって、米国特許第5,283,174号に開示される、均質保護アッセイと関連して使用するための種類の、そしてWoodheadらによって、米国特許第5,656,207号に開示される、単一反応中で、多数の標的を定量化するアッセイと関連して使用するための種類の、アクリジニウムエステルが含まれる。これらの特許文書に含まれる開示は、本明細書に援用される。米国特許第5,998,135号は、蛍光測定を用いて、プローブ上に配置されたランタニド金属標識からの蛍光発光を検出する、本発明のプローブを標識しそして検出するのに使用可能な、さらに別の方法を開示し、ここで、これらの標識からの発光は、エネルギー移動パートナーにごく近接した際、増進される。好ましい電気化学的標識および検出アプローチは、米国特許第5,591,578号および第5,770,369号、並びに公開国際特許出願第PCT/US98/12082号に開示され、これらの開示は、本明細書に援用される。本発明において、電気化学標識として有用な酸化還元活性部分は、Cd、Mg、Cu、Co、Pd、Zn、FeおよびRuなどの遷移金属を含む。
【0061】
一般の当業者は、本発明のプローブを用い、標識プローブまたは非標識プローブいずれかを用いて、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスの核酸を検出する代替法を行うことが可能であると認識するであろう。例えば、標識プローブの使用に頼らないハイブリダイゼーションアッセイ法が米国特許第5,945,286号に開示され、該特許は、ペプチド核酸(PNA)で作成された非標識プローブの固定、および二本鎖PNAプローブ/標的核酸二重鎖に結合可能な検出可能に標識された挿入(intercalating)分子を記載する。これらの方法と共に、公開国際特許出願第PCT/US98/12082号、表題「再構成エネルギーを用いた解析物の検出」、公開国際特許出願第PCT/US98/12430号、表題「解析物検出のための電気的方法」、および公開国際特許出願第PCT/US97/20014号、表題「伝導性オリゴマーを介して核酸に連結された電極」に開示されるものなどの特定の電気化学的検出法において、オリゴヌクレオチドプローブは、検出可能標識を宿する必要がない。
【0062】
オリゴヌクレオチドの合成および精製後の最終産物の許容性は、いくつかの方法のいずれによっても、確認可能である。第一に、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用い、標準的実験室法(Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrookら監修, Cold Spring Harbor Lab Publ., 11.51(1989)を参照されたい)にしたがって、オリゴヌクレオチドの大きさおよび純度を決定することが可能である。あるいは、この同じ目的に、高圧液体クロマトグラフィー(「HPLC」)法が使用可能である。
【0063】
以下に記載する方法において、標識オリゴヌクレオチドプローブおよび標的核酸間のハイブリダイゼーションは、Hoganらによって、米国特許第5,030,557号、表題「核酸ハイブリダイゼーションを増進するための手段および方法」に開示される方法にしたがって、非標識「ヘルパーオリゴヌクレオチド」の使用を通じて、増進可能である。上述のように、ヘルパーオリゴヌクレオチドは、アッセイプローブが結合する領域以外の標的核酸領域に結合する。この結合は、一本鎖核酸のターゲッティングされる領域上に新たな二次および三次構造を課し、そしてプローブ結合速度を加速する。本発明の標識オリゴヌクレオチドプローブと組み合わせて使用可能であるヘルパーオリゴヌクレオチドは、好ましくは、長さ15から100ヌクレオチドであり、そして配列番号6またはその相補体の配列内に含まれる、少なくとも15の近接するヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも25の近接するヌクレオチド、またはさらにより好ましくは、少なくとも34の近接するヌクレオチドを含む配列を有する。
【0064】
一般の当業者は、プローブ:標的ハイブリッドの熱安定性に影響を与える要因はまた、プローブ特異性に影響を与える可能性もあることを認識するであろう。したがって、プローブ:標的ハイブリッドの融解温度(Tm)を含む融解プロフィールは、各プローブ:標的の組み合わせに関し、実験的に決定しなければならない。この決定を行うのに好ましい方法は、Arnoldらによって、米国特許第5,283,174号、表題「均質保護アッセイ」に記載される。
【0065】
プローブ:標的ハイブリッドのTmを測定するための1つのアプローチは、ハイブリダイゼーション保護アッセイを行うことを伴う。このアッセイの方法にしたがって、ラウリル硫酸リチウムを含むコハク酸リチウム緩衝溶液中、標的過剰の条件下で、プローブ:標的ハイブリッドを形成する。「あらかじめ形成された」ハイブリッドのアリコットを、ハイブリダイゼーション緩衝液で希釈し、そして予期されるTm(典型的には55℃)以下で始まり、そして2−5度増分で増加する、多様な温度で、5分間インキュベーションする。その後、この溶液を、穏やかなアルカリホウ酸緩衝液で希釈し、そしてより低い温度(例えば50℃)で10分間インキュベーションする。一本鎖プローブに連結したアクリジニウムエステル(AE)は、これらの条件下で加水分解されるであろうが、ハイブリダイズプローブに連結したアクリジニウムエステルは、比較的「保護される」であろう。この方法は、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(「HPA」)と称される。残存する化学発光の量は、ハイブリッドの量に比例し、そして過酸化水素に続き、アルカリの添加によって、発光測定装置中で測定する。データは、温度に対する最大シグナル(通常、最低温度からのもの)のパーセントとしてプロットする。Tmは、最大シグナルの50%が残存する点と定義される。
【0066】
別のアプローチにおいて、同位体標識したプローブを用いて、プローブ:標的ハイブリッドのTmを決定することが可能である。すべての場合で、既定のハイブリッドのTmは、ハイブリダイゼーション溶液に含まれる塩、界面活性剤および他の溶質の濃度に応じて異なるであろう。これらの要因はすべて、熱変性中の相対ハイブリッド安定性に影響を与える(Molecular Cloning: A Laboratory Manual Sambrookら監修, Cold Spring Harbor Lab Publ.,9.51(1989))。
【0067】
プローブがその標的にハイブリダイズする速度は、プローブ領域における標的二次構造の熱安定性の測定値であり、そしてC01/2測定値を用いて、決定可能である。ハイブリダイゼーション速度のこれらの動力学的測定値は、(1リットルあたりのヌクレオチドのモル数)x(秒)の単位を有する。より簡単に表現すると、C01/2値は、プローブ濃度にその濃度でのハイブリダイゼーションの半減期を乗じたものである。この値は、多様な量のプローブを、一定の量の標的核酸に、固定した時間、ハイブリダイズさせることによって、決定可能である。例えば、0.05pmolの標的を、0.012、0.025、0.05、0.1および0.2pmolのプローブと30分間インキュベーションする。C01/2値はまた、標的過剰の条件下で、標的およびプローブをハイブリダイズさせ、そしてその後、時間に渡る二重鎖形成の増加を測定することによっても、決定可能である。存在するハイブリッドの量は、上述のHPA法を用いて、または方法に放射標識プローブを用いた場合、シンチレーション計測によって、測定可能である。その後、AE標識プローブを用いた場合、プローブ濃度(1リットルあたりのヌクレオチドのモル数)に対して、最高プローブ濃度からの最大相対光単位(「RLU」)のパーセントの対数として、測定シグナルをプロットする。C01/2は、最大ハイブリダイゼーションの50%に対応する濃度に秒でのハイブリダイゼーション時間を乗じて、グラフ的に決定する。これらの値は、9x10-6から9x10-5の範囲であり、好ましい値は、3.5x10-5未満である。同様の値は、放射能を測定し、そして最大の度合いに対して、既定の時点での%ハイブリダイゼーションをプロットすることによって、得ることが可能である。
【0068】
生物学的試料が、C.アルビカンスまたはC.デュブリニエンシスの存在を示すであろうrRNAまたはrDNAを含むかどうか決定する好ましい方法において、超音波破壊によって、例えばMurphyらにより米国特許第5,374,522号に開示される方法にしたがって、細胞から核酸を遊離させることが可能である。細胞を破壊する他の既知の方法には、酵素、浸透圧ショック、化学薬品処理、およびガラスビーズでのボルテックスの使用が含まれる。本明細書に開示されるハイブリダイゼーション法に供することが可能な、核酸を微生物から遊離させるのに適した他の方法は、Clarkらによって米国特許第5,837,452号に、そしてKacianらによって米国特許第5,364,763号に開示されている。rRNAの遊離に続き、またはそれと同時に、促進剤の存在下で、標識プローブを添加し、そして有意なハイブリダイゼーション反応を達成するのに必要な期間、最適ハイブリダイゼーション温度でインキュベーションすることが可能である。
【0069】
配列CGGCCATAAAGACCTACCAAGCG(配列番号1)を有するオリゴヌクレオチドは、長さ、Tmおよびヌクレオチド配列の規準によって、性質決定され、そしてC.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスのrRNAに特異的であることが見出された。本明細書において、CalB2208と称されるこのポリヌクレオチドは、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスの28S rRNAに見られる特有の部分に相補的である。該プローブは、長さ23塩基であり、61.4℃のTmを有し、そしてC.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスのrRNAに特異的にハイブリダイズする。
【0070】
CalB2208プローブの配列内に完全に含まれる、配列CGGCCATAAAGACCTAC(配列番号4)を有する第二のオリゴヌクレオチドもまた、性質決定した。長さ17塩基である、この後者のプローブは、CalB2208プローブのものより低いTmを有し、そしてしたがって別のハイブリダイゼーション温度条件を用いて、ハイブリダイゼーション法が行われるのを許容した。CalB2208プローブ同様、CalB2214プローブもまた、C.アルビカンスのrRNAに結合するが、特定の他のカンジダ種には結合しなかった。
【0071】
CalB2208およびCalB2214プローブはどちらも:(1)高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件下で標的核酸にハイブリダイズし、(2)100ヌクレオチド塩基までの長さを有し、そして(3)配列番号6またはその相補体に同定される標的領域内に属する、少なくとも15の近接するヌクレオチドを含む、オリゴヌクレオチドの例である。これらの特性を有する他のオリゴヌクレオチドが、ハイブリダイゼーションアッセイ検出プローブとしての使用に意図され、そして本発明に含まれる。
【0072】
同様に、配列番号2、配列番号3および配列番号5の配列を有するオリゴヌクレオチドを、有用なヘルパーオリゴヌクレオチドの例として、本明細書に開示する。本明細書の実施例で使用するヘルパーオリゴヌクレオチド同様、本発明に含まれる、他のヘルパーオリゴヌクレオチドもまた、長さ100ヌクレオチドまでの配列を有し、そしてさらに、配列番号6またはその相補体に同定される標的領域内に含まれる、少なくとも15、またはより好ましくは、少なくとも25、またはさらにより好ましくは、少なくとも34の近接するヌクレオチドを有する。
【0073】
以下に示すように、CalB2208プローブは、ヘルパーオリゴヌクレオチドの使用によって促進される方式で、C.アルビカンスrRNAにハイブリダイズした。この測定を行うのに用いた方法にしたがって、5’端で放射標識した一本鎖プローブオリゴヌクレオチドを、ヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下または非存在下で、C.アルビカンス由来のrRNAと接触させた。rRNAとハイブリダイズし、二本鎖ハイブリッドを形成しているプローブ分子は、ヒドロキシアパタイト捕捉によって、一本鎖プローブ分子から分離した。二本鎖ハイブリッドは、ヒドロキシアパタイトに結合させ、そしてシンチレーション計測によって検出し、そして定量化した。その後、ハイブリダイゼーションの度合いを、割合として計算した。プローブ:標的ハイブリッドのTmは、好適に、1以上のヘルパーオリゴヌクレオチドの存在下で、有意に増加した。
【0074】
以下の実施例は、CalB2208プローブが、C.アルビカンス由来のrRNAにハイブリダイズし、そしてこの相互作用が、ハイブリダイゼーション混合物中にヘルパーオリゴヌクレオチドを含むことによって促進されたことを立証するのに用いた方法を記載する。
【0075】
【実施例】
実施例1
プローブ:標的ハイブリッドのTm決定
プローブ:標的およびヘルパー:標的ハイブリッドのTm値は、配列番号1の配列を有する末端標識CalB2208プローブ、並びに群:(A)CalB2233および(B)CalB2171より選択される末端標識ヘルパーオリゴヌクレオチドを用いて、決定した。CalB2233の配列は、CCAGTTCTAAGTTGATCGTTAAACGTGCCCCGGA(配列番号2)であり、そしてCalB2171の配列は、TGTCTACAGCAGCATCCACCAGCAGTCCGTCGTG(配列番号3)であった。ヘルパーオリゴヌクレオチド、AおよびBは、プローブにすぐ隣接した分子領域でC.アルビカンスrRNAに結合するよう選択した。プローブおよびヘルパーオリゴヌクレオチドは、本質的に、Molecular Cloning: A Laborato ry Manual(Sambrookら監修, Cold Spring Harbor Lab Publ. 10.59(1989))に記載されるように、リン酸ドナーとして[γ−32P]ATPを、そしてリン酸移動反応を触媒するT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、5’端標識した。末端標識ヘルパーおよびプローブオリゴヌクレオチドは、別個に、C.アルビカンス由来の精製rRNAと合わせ、標的過剰の条件を提供した。プローブおよびヘルパーオリゴヌクレオチド両方を含む試験では、プローブのみを末端標識し、そして各ヘルパーオリゴヌクレオチドは、標的として働くC.アルビカンスrRNAより、少なくとも10倍モル過剰で存在した。すべての混合物は、0.48Mリン酸ナトリウム緩衝液、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、1mM EDTAおよび1mM EGTAを含む溶液中で、完全にハイブリダイズさせた。陰性対照として、プローブおよび/またはヘルパーオリゴヌクレオチドを、核酸標的の非存在下で、ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション過程が終了した際、混合物を希釈し、そしてヒドロキシアパタイトカラムに通過させ、二本鎖ハイブリッドから一本鎖核酸を分離した。カラムフロースルー中の放射能の量は、一本鎖プローブに相当し、そしてシンチレーション計測によって測定した。ヒドロキシアパタイトに結合した放射能の量は、シンチレーション計測によって、別個に測定した。ハイブリッド形成の度合いは、ヒドロキシアパタイトに結合したプローブの量(cpmで測定)をカラムに適用したプローブ総量(cpm)で割ることによって、計算した。これらの方法の結果を表1に示す。
【0076】
表1
標的rRNAとCalB2208プローブのハイブリダイゼーション
【0077】
【表1】
Figure 0004956699
【0078】
本方法の結果は、末端標識プローブが、C.アルビカンス由来のrRNAにハイブリダイズすることを確認し、そしてこの相互作用は、ヘルパーオリゴヌクレオチドによって、好適に促進されることを示した。両方のヘルパーオリゴヌクレオチドをハイブリダイゼーション反応に含むと、プローブ:標的複合体のTmが、61.4から66.2℃に増加可能であることが、特に観察された。実際、ハイブリダイゼーション反応の度合いは、CalB2208プローブを、3’および5’ヘルパーオリゴヌクレオチドと組み合わせて用いた場合、最大であった。ハイブリダイゼーションアッセイにおいて、プローブを、単独で、または1以上のヘルパーオリゴヌクレオチドと組み合わせて用いてもよいが、プローブを性質決定する、以下に記載する実験は、配列番号2および配列番号3の配列を有するヘルパーオリゴヌクレオチドと組み合わせたプローブを用いて行った。本明細書に記載する方法に有用なプローブおよびヘルパーオリゴヌクレオチドの組み合わせは、好ましくは、上述の条件下で、約60−68℃の範囲のプローブ:標的Tm値を有する。
【0079】
プローブ特異性は、特異性パネル由来のrRNAに対する陽性ハイブリダイゼーションを立証することによって、確認した。本方法の標的核酸の供給源として用いた生物のコレクションは、生物の分類学上の代表的な一面および最近近縁種群に相当した。以下の方法において、AE標識ハイブリダイゼーションプローブを用いた定量的結果を、陽性対照プローブを用いて、各試料に存在する真菌rRNAの量に比較した。広い範囲の真菌生物由来のrRNAにハイブリダイズする、この陽性対照プローブは、CalB2208プローブにハイブリダイズしない、試料中のrRNAの存在を確認するのに、特に有用であった。こうした場合、陽性対照プローブは、ハイブリダイズ可能なrRNAの存在の確認を提供し、そしてしたがって、陰性結果を立証した。
【0080】
以下の実施例は、CalB2208プローブが、C.アルビカンスと共にC.デュブリニエンシス由来のrRNAにハイブリダイズすることを立証するのに用いた方法を記載する。
【0081】
実施例2
プローブ特異性の立証
真菌溶解物または精製RNAを、配列番号1の配列を有するプローブと共に、配列番号2および配列番号3の配列を有するヘルパーオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの核酸標的として用いた。本方法において、rRNAの供給源として使用した生物は、型決定された臨床的単離体であるか、またはアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)より得た。すべての試料は、Gen−Probe Incorporatedのマスターログ番号により、表2に同定される。大部分の単離体はATCCより得た。各rRNAの平行試料を、配列GTCTGGACCTGGTGAGTTTCCC(配列番号8)を有する標識陽性対照プローブ、並びに配列CGTGTTGAGTCAAATTAAGCCGC(配列番号9)およびGCTCTCAATCTGTCAATCCTTATTGT(配列番号10)を有する非標識メトキシヘルパーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション溶液は、0.6M LiCl、1%ラウリル硫酸リチウム、60mMコハク酸リチウム、並びに各10mMのEDTAおよびEGTA、pH5.5を含んだ。CalB2208プローブおよび陽性対照プローブはどちらも、米国特許第5,185,439号、表題「アクリジニウムエステル標識およびヌクレオチドプローブの精製」に開示される方法に本質的にしたがって、アクリジニウムエステルで標識した。ハイブリダイゼーション反応が終了した際、非ハイブリダイズプローブに連結したアクリジニウムエステルは、穏やかなアルカリ条件下で、非化学発光性となり、一方、ハイブリダイズプローブに付着したアクリジニウムエステルは、不活性化に耐性のままであった。加水分解およびアクリジニウムエステルで標識されたハイブリダイズプローブの検出の条件は、Arnoldらによって、Clin. Chem. 35:1588(1989)に記載される。これらの方法におけるプローブハイブリダイゼーションの大きさは、一般の当業者によく知られる方法を用いて、発光測定によって、定量化した。CalB2208プローブシグナルの大きさをその後、全真菌陽性対照シグナルの大きさで割り、研究結果を定量的に規準化した。陽性対照シグナルの約10%より大きいCalB2208プローブシグナルを有する試料は、ヘルパーを伴うCalB2208プローブの特異的ハイブリダイゼーションを示し、一方、より低い値は、陰性結果を示した。アッセイ結果を表2に示す。
【0082】
表2
CalB2208プローブおよびカンジダ種コレクション由来のrRNA含有溶解物のハイブリダイゼーション
【0083】
【表2】
Figure 0004956699
【0084】
*「GP#」記入項は、Gen−Probe Incorporatedのマスターログ番号を示す。
表2に示す結果によって、C.アルビカンスrRNAに対して向けられるプローブが、他のカンジダ種のrRNAに実質的にハイブリダイズすることなく、C.アルビカンス種の多くの株と共にC.デュブリニエンシス由来のrRNA試料に、効率的にハイブリダイズしたことが確認された。
【0085】
系統的に多様な生物の広い範囲に相当する種のコレクションと、標識プローブをハイブリダイズさせることによって、CalB2208プローブの特異性をさらに調べた。本方法では、AE標識プローブを、非カンジダ生物由来の個々のrRNA含有溶解物と別個に混合した。以下の方法で、陽性対照プローブを用いて得た陽性ハイブリダイゼーション結果、およびCalB2208プローブを用いて得た陰性結果は、CalB2208プローブが、好適に、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスに非常に特異的であることをさらに示した。
【0086】
以下の実施例は、このプローブの特異性を示すのに用いた、さらなる方法を記載する。より詳細には、以下の方法は、CalB2208プローブが、非カンジダ生物のコレクション由来の溶解物に含まれるrRNAとクロス・ハイブリダイズしないことを示した。
【0087】
実施例3
系統的に関連しない生物とのクロス・ハイブリダイゼーションの欠如
先の実施例に記載する方法にしたがい、AE標識プローブおよびヘルパーオリゴヌクレオチドを用いて、ハイブリダイゼーションアッセイを行った。非カンジダ生物由来のrRNA標的を使用したハイブリダイゼーション法で得た結果を表3に示す。
【0088】
表3
非カンジダ生物のコレクション由来のrRNAとCalB2208プローブのハイブリダイゼーション
【0089】
【表3】
Figure 0004956699
Figure 0004956699
【0090】
*「GP#」記入項は、Gen−Probe Incorporatedのマスターログ番号を示す。
表3に示す結果によって、CalB2208プローブが、多くの真菌種由来のrRNAと実質的にハイブリダイズしないことが確認された。表3に具体的に提示しないが、CalB2208プローブは、ヒト細胞株由来の核酸と実質的にハイブリダイズしなかった。表2に示した陽性ハイブリダイゼーション結果と合わせると、このプローブが、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスのrRNAに非常に特異的であることが明らかであった。
【0091】
CalB2208プローブに加え、CalB2208プローブ配列内に完全に含まれる配列を有する、より短いプローブもまた試験し、そしてこれが、他の微生物のrRNAより、C.アルビカンスのrRNAに優先的にハイブリダイズするのに有用であることが示された。このより短いプローブはCalB2214と称され、そして配列CGGCCATAAAGACCTAC(配列番号4)を有した。CalB2214プローブを、単独で、または上述のCalB2233ヘルパーオリゴヌクレオチドおよび/または配列CAAGCGTGTCTACAGCAGCATCCAC(配列番号5)を有するCalB2187ヘルパーオリゴヌクレオチドと組み合わせて用いた。このプローブ組成物の最初の性質決定は、Tm値の決定に焦点を合わせた。
【0092】
以下の実施例は、CalB2214プローブがC.アルビカンス由来のrRNAにハイブリダイズし、そしてこの相互作用を特徴付けるTmが、ハイブリダイゼーション混合物中にヘルパーオリゴヌクレオチドを含むことによって改変可能であることを立証するのに用いた方法を記載する。
【0093】
実施例4
プローブ:標的ハイブリッドのTm決定
CalB2214プローブ単独の、そしてCalB2187およびCalB2223ヘルパーオリゴヌクレオチドの1つまたは両方と組み合わせたTm値は、ハイブリダイゼーション保護アッセイ法を用いて決定した。プローブ:標的ハイブリッドは、まず、コハク酸リチウム緩衝溶液(0.1Mコハク酸リチウム緩衝液、pH5.0、2mM EDTA、2mM EGTA、10%(w/v)ラウリル硫酸リチウム)中で、標的過剰の条件下で形成した。プローブおよび/またはヘルパーの結合標的は、C.アルビカンス由来のrRNAであった。CalB2214プローブを1以上のヘルパーオリゴヌクレオチドと組み合わせて試験した例では、CalB2214プローブのみをアクリジニウムエステルで標識した。その後、あらかじめ形成したハイブリッドのアリコットをハイブリダイゼーション緩衝液で希釈し、50−72℃の範囲の多様な温度で5分間インキュベーションした。この溶液を、穏やかなアルカリホウ酸緩衝液(0.15M 四ホウ酸ナトリウム、pH7.6、5%(v/v)TRITON X−100)で希釈し、50℃で7分間インキュベーションし、そしてその後、氷槽に1分間移した。遊離プローブに連結したアクリジニウムエステルは、これらの方法によって加水分解された。ハイブリダイズしたプローブに連結したアクリジニウムエステルは、これらの条件下で加水分解されず、そして本質的に本明細書に記載される方法にしたがって、過酸化水素に続き、アルカリの添加後に、発光測定装置中で定量化した。数のデータを、温度に対して、最大シグナルのパーセントとしてプロットし、そしてTmは最大シグナルの50%が残る点と定義した。これらの方法の表形式の結果を、表4に示す。
【0094】
表4
標的rRNAとCalB2214プローブのハイブリダイゼーション
【0095】
【表4】
Figure 0004956699
【0096】
表4に示す結果は、CalB2214プローブおよびその標的間の相互作用を性質決定するTmが、期待どおりに、1以上のヘルパーオリゴヌクレオチドの存在によって、増加可能であることを示した。
【0097】
以下の実施例は、CalB2214プローブが、C.アルビカンス由来のrRNAに特異的にハイブリダイズするが、他のカンジダ種由来のrRNAにハイブリダイズしないことを示すのに用いた方法を記載する。
【0098】
実施例5
プローブ特異性の立証
実質的に実施例2に記載された方法を用いて、CalB2214プローブの特異性を調べた。ハイブリダイゼーション反応は、CalB2214プローブを含む試料では、55℃のハイブリダイゼーション温度を、そして該方法で用いたすべての真菌種のrRNAにハイブリダイズする陽性対照プローブでは、60℃の温度を用いて行った。ハイブリダイゼーション反応は、90μlのrRNA含有溶解物および10μlのAE標識プローブ組成物を含み、500,000RLUのプローブおよび1 A260単位のCalB2233およびCalB2187ヘルパーオリゴヌクレオチドを含んだ。混合物を55℃で15分間インキュベーションした後、遊離プローブに会合したAE標識を加水分解させ、そして本明細書に記載される方法にしたがって、ハイブリダイズしたプローブの量を、発光測定によって測定した。これらの方法の定量的結果を表5に示す。
【0099】
表5
CalB2214プローブおよびカンジダ種コレクション由来のrRNA含有溶解物のハイブリダイゼーション
【0100】
【表5】
Figure 0004956699
【0101】
*「GP#」記入項は、Gen−Probe Incorporatedのマスターログ番号を示す。
表5に示す結果によって、CalB2214プローブが、表に示す他の種のrRNAより、C.アルビカンスrRNAに、優先的にハイブリダイズすることが確認された。期待どおりに、全真菌プローブのハイブリダイゼーションは、方法に用いた溶解物のすべてが、rRNAを含むことを示した。全真菌プローブ読み取り値に対するCalB2214プローブ読み取り値の規準化によって、各C.アルビカンス溶解物が、全真菌値の5%より大きいCalB2214ハイブリダイゼーション読み取り値を生じることが示された。対照的に、他のカンジダ種由来の溶解物は、いずれも、全真菌値の0.7%より高いCalB2214ハイブリダイゼーション読み取り値を生じなかった。これは、CalB2214プローブが、C.アルビカンスrRNAに優先的にハイブリダイズするが、表に示す他のカンジダ種のrRNAにはハイブリダイズしないことを示した。
【0102】
配列番号4の配列を有するAE標識プローブ、並びに配列番号2および配列番号5の配列を有する非標識ヘルパーオリゴヌクレオチドを用いて、さらなる試験を行い、CalB2214プローブがC.デュブリニエンシスrRNAにハイブリダイズする能力を確認した。この評価を行うのに用いた方法は、ハイブリダイゼーション反応が、1.0x107RLUのCalB2214プローブまたは陽性対照プローブを含んだことを除いて、表5に示したデータを得るのに用いた方法と、実質的に同じであった。この方法の結果を表6に示す。
【0103】
表6
CalB2214プローブおよびカンジダ種コレクション由来のrRNA含有溶解物のハイブリダイゼーション
【0104】
【表6】
Figure 0004956699
【0105】
*「GP#」記入項は、Gen−Probe Incorporatedのマスターログ番号を示す。
期待どおりに、表6に示す結果は、CalB2214プローブが、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスのrRNAに陽性にハイブリダイズするが、近い関連のカンジダ種のrRNAに実質的にハイブリダイズしないことを示した。CalB2214プローブ読み取り値を、このデータに関する全真菌プローブ読み取り値に対して規準化すると、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスのみが、全真菌値の5%より高いハイブリダイゼーション読み取り値を生じた。したがって、CalB2214およびCalB2208プローブは、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスのrRNAに優先的にハイブリダイズし、そして該rRNAを検出するのに有用であった。
【0106】
本明細書に記載する結果によって、新規プローブが、C.アルビカンスおよびC.デュブリニエンシスを検出可能であることが確認された。さらに、該プローブは、これらの生物を、系統的に近い関連にある生物と区別することが可能であった。
【0107】
本発明は、いくつかの特定の実施例およびその態様に関して、記載してきている。もちろん、前述の詳細な説明を再吟味すると、一般の当業者には、本発明のいくつかの異なる態様が示唆されるであろう。したがって、本発明の真の範囲は、付随する請求項を参照し、決定されるべきものである。
【配列表】
Figure 0004956699
Figure 0004956699

Claims (23)

  1. 配列番号1またはその相補体、配列番号2またはその相補体、配列番号3またはその相補体、配列番号4またはその相補体、配列番号5またはその相補体のいずれか1つからなる配列を有するオリゴヌクレオチド。
  2. 前記オリゴヌクレオチドがDNAを含む、請求項1のオリゴヌクレオチド。
  3. 検出可能標識をさらに含む、請求項1のオリゴヌクレオチド。
  4. 前記配列が、配列番号1または配列番号4からなる、請求項1のオリゴヌクレオチド。
  5. 前記オリゴヌクレオチドが検出可能標識をさらに含む、請求項4のオリゴヌクレオチド。
  6. 検出可能標識が化学発光標識または放射標識である、請求項5のオリゴヌクレオチド。
  7. 検出可能標識が化学発光標識であり、そして化学発光標識がアクリジニウムエステルである、請求項6のオリゴヌクレオチド。
  8. C.アルビカンス(C. albicans)またはC.デュブリニエンシス(C. dubliniensis)のいずれかである酵母の核酸を検出する組成物であって、配列番号1または配列番号4のいずれか、および少なくとも1つのヘルパーオリゴヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドプローブを含む、前記組成物。
  9. 前記オリゴヌクレオチドプローブがDNAを含む、請求項8の組成物。
  10. 前記オリゴヌクレオチドプローブが検出可能標識をさらに含む、請求項8の組成物。
  11. 検出可能標識が化学発光標識または放射標識である、請求項10の組成物。
  12. 検出可能標識が化学発光標識であり、そして化学発光標識がアクリジニウムエステルである、請求項11の組成物。
  13. 前記オリゴヌクレオチドプローブの配列が配列番号1からなり、そして前記の少なくとも1つのヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号2および配列番号3からなる群より選択される、請求項10の組成物。
  14. 前記オリゴヌクレオチドプローブの配列が配列番号4からなり、そして前記の少なくとも1つのヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号2および配列番号5からなる群より選択される、請求項10の組成物。
  15. 試験試料が、C.アルビカンスまたはC.デュブリニエンシスいずれかである生物を含むかどうか決定する方法であって:
    (a)請求項8に記載の組成物を、前記試験試料に提供し;
    (b)プローブ:標的二重鎖を形成するため、高ストリンジェンシー条件下で、試験試料中に存在する可能性があるいかなる核酸も、前記組成物とハイブリダイズさせ;そして
    (c)工程(b)の前記プローブ:標的二重鎖を、試験試料中におけるC.アルビカンスまたはC.デュブリニエンシスの存在をこれらの生物の1つを他の1つから区別することなく指示するものとして検出する
    工程を含む、前記方法。
  16. 前記試験試料が酵母細胞を含む可能性があり、そして工程(a)の前に、前記試験試料中に存在する可能性がある、いかなる酵母細胞由来の核酸も遊離させる工程がある、請求項15の方法。
  17. 前記試験試料が溶解物である、請求項15の方法。
  18. 工程(b)の前記高ストリンジェンシー条件が、0.48Mリン酸ナトリウム緩衝液、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、各1mMのEDTAおよびEGTAを含む、請求項15の方法。
  19. 工程(b)の前記高ストリンジェンシー条件が、0.6M LiCl、1%ラウリル硫酸リチウム、60mMコハク酸リチウム、並びに各10mMのEDTAおよびEGTAを含む、請求項15の方法。
  20. 工程(a)のオリゴヌクレオチドプローブが検出可能標識を含む、請求項15の方法。
  21. 検出可能標識がアクリジニウムエステルであり、そして工程(c)がいかなる前記プローブ:標的二重鎖も検出するため、発光測定を行うことを含む、請求項20の方法。
  22. 前記オリゴヌクレオチドプローブの配列が配列番号1からなり、そして前記の少なくとも1つのヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号2および配列番号3からなる群より選択される、請求項20の方法。
  23. 前記オリゴヌクレオチドプローブの配列が配列番号4からなり、そして前記の少なくとも1つのヘルパーオリゴヌクレオチドが、配列番号2および配列番号5からなる群より選択される、請求項20の方法。
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