JP4912954B2 - 硬度測定用引っかき傷生成装置 - Google Patents
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Description
この問題を解消するために、コイルばねで弾発された引っかき用の圧子を、この圧子とコイルばねとを内蔵する厚板状のボディの下面から先細の先端部が突き出た状態に保持するようにした引っかき傷生成具が提案された(例えば、特許文献1参照)。
つぎに、駆動機構部を駆動すると、ホルダーはその両端部がガイド機構部によりガイドされて摺動し、引っかき部材の尖頭部が向く方向と直交する上下方向へ移動する。このホルダーと一体に引っかき部材が移動し、対象物の表面に引っかき傷が一直線状に生成される。この場合、駆動機構部によってホルダーに保持された引っかき部材をガイド機構部によるガイド方向へゆっくりかつ定速度で移動させることが可能であるから、引っかき部材により同じ圧力で安定して円柱状の対象物の外周面を真っ直ぐに引っかくことができ、引っかき傷の溝幅に誤差が生じるのを防止でき、測定値の信頼性が大幅に高められる。
なお、駆動機構部の駆動源は、手操作のためのハンドルであってもよく、モーターやシリンダのような動力であってもよい。
この実施態様では、ハンドルの回動操作によりネジ軸が回動し、この回動に伴ってナット部と一体のホルダーがネジ軸に沿って移動する
なお、ばね部材としてコイルばねや板ばねなどを用いることができる他、ゴムなどの弾性体を用いることも可能である。
図示例の引っかき傷生成装置は、図4に示すような円柱形状の対象物9の硬度を測定するのに好適なものであり、対象物9の外周面に軸方向(長さ方向)に沿って引っかき傷91を一直線状に生成するのに用いられる。
既存の建造物の耐震診断を行うに際して、建造物の柱や壁を円柱状にくり抜いてコンクリートを切り出し、その採取物を硬度測定の対象物9として、後述する支持台20上にセットし、引っかき傷91の生成作業を行うものである。
図示例のような円柱状の対象物9では、外周面90の軸方向(長さ方向)に沿って直線状の引っかき傷91を生成することが可能である。対象物が角柱状の場合は外周の平坦な面に、また、対象物が板状の場合は表面の平坦な面に、それぞれ任意の方向へ直線状の引っかき傷を生成し得る。
対象物9の外周面90にはあらかじめ適当な範囲Sにわたって黒色の塗料を塗布し、前記領域Sに引っかき傷生成装置により引っかき傷91を生成した後、引っかき傷91を含む周辺の領域を図示しないカメラで撮像する。撮像して得られた画像は、引っかき傷91の部分は白く、その背景は黒く現れるので、その濃淡画像を適当なしきい値で2値化処理した後、傷の方向と直交する方向に沿って白画素の数を計測することで、引っかき傷91の溝幅dを測定し得る。
なお、引っかき部材3として、ばね部材34のばね圧が異なるものを予め複数個用意しておき、対象物9が硬ければばね圧の大きなものを、対象物9がそれほど硬くなければばね圧の小さなものを、それぞれ選択して使用する。
各側板41,42の対向する内面は第1のガイド面41a,42aとなし、各側板41,42の対象物9の側の端面は第2のガイド面41b,42bとなしている。第1のガイド面41a,42aおよび第2のガイド面41b,42bは鉛直面であり、第1のガイド面41a,42aにはホルダー8の下部保持板82の外側の端面82a、82bが、第2のガイド面41b,42bにはホルダー8の上部保持板81の後側の端面81aが、それぞれ摺動する。したがって、ホルダー8の下部保持板82は側板41,42の内面間の距離に一致する幅に形成され、一方、上部保持板81は側板41,42の外面間の距離に一致するかそれ以上の幅に形成されるとともに、下部保持板82は上部保持板81より大きな長さに形成される。
ハンドル73によりネジ軸71を回動させると、ネジ軸71に噛み合うナット部72が上方へ移動し、ナット部72と一体のホルダー8およびホルダー8と一体の引っかき部材3がナット部72とともに上方へ移動する。ネジ軸72を逆方向へ回動させると、ネジ軸71に噛み合うナット部72、ナット部72と一体のホルダー8、およびホルダー8と一体の引っかき部材3がともに下方へ移動する。
また、図1〜図3の実施例は、対象物9を定位させた状態で引っかき部材3を尖頭部31が向く方向と直交する方向(上下方向)へ移行させているが、これに限らず、図6に示す実施例のように、引っかき部材3を定位させた状態で対象物9を支持する支持台20を尖頭部31が向く方向と直交する方向(図示例では紙面と直交する方向)へ移行させるようにしてもよい。
また、図1〜図3の実施例では、円柱状の対象物9を支持台20上に縦向きに支持して、引っかき部材3を上下方向に移行させているが、これに限らず、図6に示す実施例のように、円柱状の対象物9を支持台20に横向きに支持して、支持台20を水平方向に移行させるようにしてもよい。
なお、図6に示す実施例において、40は断面L字形状の支持台20を水平方向(図の紙面と直交する方向)へ摺動させるガイド機構部、7は支持台20をガイド機構部40によってガイドされる方向へハンドル73の操作によって移動させる駆動機構部(例えばボールネジ)である。
図7に示す実施例は、前記変位機構5を、移動機構4のガイド機構部40の両端部に先端部が対象物9の表面に突き当てることが可能な突き当て部材100,100を備えたものとして構成したものである。各突き当て部材100は、引っかき部材3を尖頭部31が向く方向へ変位させて尖頭部31をばね部材(図示せず。)のばね圧が作用した状態で対象物9の表面に当接させることが可能なように伸縮可能な構成となっている。なお、図中、101は回動操作により突き当て部材100を伸縮させるためのリング状の操作具であり、102は手持ち操作のためのグリップである。
また、移動機構4や引っかき部材3の構成は、図1〜図3に示した実施例と同様であり、ここでは対応する構成に同じ符号そ付することで説明を省略する。
つぎに、移動機構4の駆動機構部7を駆動すると、支持台20はガイド機構部40によりガイドされて摺動し、水平方向へ移動する。支持台20と一体に対象物9が移動し、対象物9の外周面90の軸方向に引っかき傷が一直線状に生成される。
3 引っかき部材
4 移動機構
5 変位機構
6 位置決め機構
7 駆動機構部
8 ホルダー
20 支持台
31 尖頭部
34 ばね部材
40 ガイド機構部
Claims (4)
- 円柱状の対象物の外周面に硬度測定用の引っかき傷を長さ方向に沿って一直線状に生成するための引っかき傷生成装置であって、前記対象物を縦向きに支持する支持台と、対象物の外周面が垂直となるように支持台上に対象物を位置決め固定する位置決め機構部と、対象物の外周面に引っかき傷を形成するための尖頭部を有する引っかき部材と、引っかき部材を保持するホルダーと、引っかき部材に対して尖頭部が向く方向へ一定のばね圧を作用させるばね部材と、対象物の外周面に引っかき部材の尖頭部が当接するように尖頭部が向く方向へ引っかき部材を変位させるか又はその逆方向へ前記支持台を変位させる変位機構と、ホルダーの両端部と接してホルダーを引っかき部材の尖頭部が向く方向と直交する上下方向へ摺動させるガイド機構部と、ホルダーを前記ガイド機構部によってガイドされる方向へ移動させる駆動機構部とを備えて成り、前記支持台には、垂直をなす円筒状の支持枠が一体に設けられ、支持枠の引っかき部材と対向する面には対象物の外周面を臨ませる開放部が形成されており、前記位置決め機構は、前記支持枠の開放部より臨ませた対象物の外周面がガイド機構部によるガイド方向と平行となるように対象物を開放部の側へ変位させて押し付けることにより対象物の外周面が支持枠に突き当たった状態で対象物を支持台上に位置決め固定する硬度測定用引っかき傷生成装置。
- 前記移動機構の駆動機構部にはボールネジが用いられ、ボールネジのナット部にホルダーが一体に設けられるとともに、ナット部が噛み合うネジ軸に回動操作が可能なハンドルが取り付けられている請求項1に記載された硬度測定用引っかき傷生成装置。
- 前記引っかき部材は、尖頭部を有する軸状の圧子と、前記圧子を摺動自由に支持する支持穴を有するハウジングとから成り、前記支持穴には、尖頭部が支持穴の開口部より突出するよう圧子に尖頭部が向く方向へ一定のばね圧を作用させるばね部材が配備されている請求項1に記載された硬度測定用引っかき傷生成装置。
- 前記引っかき部材は、尖頭部を有する軸状の圧子と、尖頭部が突出するよう圧子を支持するハウジングとから成り、前記ハウジングには前記尖頭部が向く方向へ一定のばね圧を作用させるばね部材が連繋されている請求項1に記載された硬度測定用引っかき傷生成装置。
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