JP4912531B2 - 高所作業車の作動範囲規制装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両上に旋回、起伏ならびに伸縮作動自在に取り付けられた基端側ブームと、基端側ブームの先端に当該基端側ブームの起伏動作に関わりなく一定の対地姿勢を維持するよう取り付けられた姿勢維持部材と、この姿勢維持部材に旋回、起伏ならびに形状変更作動自在に取り付けたられた先端側ブームと、先端側ブームの先端に取り付けられた作業台とを備えてなる高所作業車の作動範囲規制装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の作動範囲規制装置の従来技術を説明する先立ち、本発明の作動範囲規制装置の取り付け対象の高所作業車を図2〜図3に基づいて説明する。
【0003】
図2および図3において、1は車両、2は車両1上に旋回作動自在に取り付けた旋回台、3は旋回台2に起伏作動自在に取り付けた伸縮作動自在な基端側ブームである。4は基端側ブーム3の先端部に取り付けられた姿勢維持部材であって、この姿勢維持部材4は、基端側ブーム3の起伏駆動に関わりなく一定の対地姿勢を維持するよう適宜のレベリング装置(図示せず)を介して基端側ブーム3の先端部に取り付けられている。5は姿勢維持部材4に水平旋回駆動自在に取り付けた旋回部材である。6は旋回部材5に起伏作動自在に取り付けた姿勢変更作動自在な先端側ブームである。7は先端側ブーム6の先端部に取り付けた作業台である。作業台7は、基端側ブーム3および先端側ブーム6の作動に関わらず常に水平を維持するよう適宜のレベリング装置(図示せず)を介して先端側ブームの先端部に取り付けられている。
【0004】
8は基端側ブーム3(旋回台2)を旋回作動させる旋回駆動装置、9は基端側ブーム3を起伏作動させる起伏駆動装置、10は基端側ブーム3を伸縮作動させる伸縮駆動装置、11は先端側ブーム6(旋回部材5)を旋回作動させる旋回駆動装置、12は先端側ブーム6を起伏作動させる起伏駆動装置、13は先端側ブーム6を形状変更作動させる形状変更駆動装置である。
【0005】
図2および図3では、形状変更作動自在な先端側ブーム6として、屈曲作動自在に構成したものを示しているが、形状変更作動自在な先端側ブーム6としては、屈曲作動自在なものに限らず伸縮作動自在なもの、あるいは、屈曲作動ならびに伸縮作動が自在なものもある。すなわち、先端側ブーム6は、その形状変更作動によりその基端部と先端部の距離が変更できるものであれば、その形状変更作動の形態にはさまざまなものがある。本発明の作動範囲規制装置の取り付け対象たる高所作業車は、先端側ブーム6の形状変更作動の形態を問わないものである。
【0006】
なお、図2に示す高所作業車は、基端側ブーム3先端部の上方域で先端側ブーム6が水平旋回(姿勢維持部材4に水平旋回作動自在に取り付けた旋回部材5を介して)自在に取り付けられている。この種の高所作業車は、車両1よりも相当高い位置に作業対象が存在する場合に用いられる。また、図3に示す高所作業車は、先端側ブーム3先端部の下方域で先端側ブーム6が水平旋回(姿勢維持部材4に水平旋回作動自在に取り付けた旋回部材5を介して)自在に取り付けられている。この種の高所作業車は、車両1よりも低い位置に作業対象が存在している場合に用いられるものであり、例えば橋梁点検用の高所作業車として知られている。
【0007】
このように、本発明の作動範囲規制装置の取り付け対象の高所作業車は、車両1上に旋回、起伏ならびに伸縮作動自在に取り付けられた基端側ブーム3と、基端側ブーム3の先端に当該基端側ブーム3の起伏動作に関わりなく一定の対地姿勢を維持するよう取り付けられた姿勢維持部材4と、この姿勢維持部材4に旋回、起伏ならびに形状変更作動自在に取り付けたられた先端側ブーム6と、先端側ブームの先端に取り付けられた作業台7とを備えて構成されている。
【0008】
この種の高所作業車は、作業台7の三次元空間位置を決定するための動作パラメータとして、基端側ブーム3の動作パラメータと、先端側ブーム6の動作パラメータを持っている。基端側ブーム3の動作パラメータは、基端側ブーム3の旋回(旋回台2の旋回)、起伏ならびに伸縮の各作動が該当し、先端側ブーム6の動作パラメータは、先端側ブーム6の旋回(旋回部材5の旋回)、起伏ならびに形状変更の各作動が該当する。したがって、この種の高所作業車は、これら基端側ブーム3の動作パラメータと先端側ブーム6の動作パラメータを高所作業に応じて適宜選択作動することで、作業台を作業対象に多方面から近づけることができるという利点を持っている。
【0009】
ところで、この種の高所作業車には作動範囲規制装置が取り付けられており、作業中の高所作業車の転倒ならびに破損を未然に防止するようにしている。図4は従来の作動範囲規制装置を示している。図4に示すように従来の作動範囲規制装置は、基端側ブーム3の各動作パラメータ(基端側ブーム3の旋回、起伏ならびに伸縮作動)の実際値をそれぞれ検出する基端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段14〜16、先端側ブーム6の各動作パラメータ(先端側ブーム6の旋回、起伏ならびに形状変更作動)の実際値をそれぞれ検出する先端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段17〜19、基端側ブーム3を起伏動作させる起伏駆動装置9に作用する負荷を検出する基端側ブーム起伏負荷検出手段20、および、前記各検出手段14〜16、17〜19、20からの検出信号を受け取り、基端側ブーム3の旋回、基端側ブーム3の起伏、基端側ブーム3の伸縮、先端側ブーム6の旋回、先端側ブーム6の起伏、先端側ブーム6の形状変更の各駆動装置8〜13の駆動制御部8a〜13aへ規制信号を出力する作動規制信号出力部21とで構成されている。
【0010】
なお、前記基端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段14〜16のうち、14は基端側ブーム3の旋回動作パラメータ実際値検出用、15は基端側ブーム3の起伏動作パラメータ実際値検出用、16は基端側ブーム3の伸縮動作パラメータ実際値検出用である。また、前記先端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段17〜19のうち、17は先端側ブーム6の旋回動作パラメータ実際値検出用、18は先端側ブーム6の起伏動作パラメータ実際値検出用、19は先端側ブーム6の形状変更動作パラメータ実際値検出用である。
【0011】
そして、前記作動規制信号出力部21は、基端側ブーム3を起伏駆動させる起伏駆動装置9に作用する負荷が、基端側ブーム3および先端側ブーム6の全動作パラメータ(基端側ブーム3の旋回、起伏、伸縮、先端側ブーム6の旋回、起伏、形状変更)の関数としての限界を超過しようとしたときに、当該超過を促進する方向への基端側ブーム3の旋回、起伏、伸縮、先端側ブーム6の旋回、起伏、形状変更の各動作を規制するための規制信号を、基端側ブーム3の旋回駆動装置8、起伏駆動装置9、伸縮駆動装置10、先端側ブーム6の旋回駆動装置11、起伏駆動装置12、形状変更駆動装置13の各駆動制御部8a〜13aへ出力するよう構成している。
【0012】
このように構成した従来の作動範囲規制装置は、基端側ブーム3の起伏駆動装置9に作用する負荷が、基端側ブーム3の姿勢を決定する動作パラメータおよび先端側ブーム6の姿勢を決定する動作パラメータの関数としての限界値を超過しようとすると、基端側ブーム3および先端側ブーム6の作動を自動的に規制することができるので、高所作業車の転倒および破損を未然に防止することができるものである。
【0013】
しかしながら、このように構成した従来の作動範囲規制装置は、その作動規制信号出力部21において、基端側ブーム3を起伏駆動させる起伏駆動装置9に作用する負荷が限界を超過しようとしているかどうかを判断するのに要するデータを、基端側ブーム3の姿勢を決定する動作パラメータおよび先端側ブーム6の姿勢を決定する動作パラメータのあらゆる組み合わせ毎に算出可能に記憶しておかねばならない。このため、作動規制信号出力部21には、膨大なデータを記憶しておく必要がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ある関数を、その変動域を離散的に複数区分し各区分毎に関数算出に必要なデータを記憶した因数(パラメータ)の組み合わせで記憶しようとする場合、記憶データは、組み合わせに係る因数(パラメータ)の区分数の乗算値となる。したがって、上記した従来の作動範囲規制装置では、基端側ブーム起伏負荷限界値の因数としての動作パラメータが6個あるので、記憶するデータ量が膨大となり、装置が複雑且つ高価になるという問題がある。また、上記した作動範囲規制装置によれば、基端側ブーム3の姿勢に応じて先端側ブーム6の作動可能域が変動するため、この種の高所作業車で多用される先端側ブーム6の姿勢変更による作業台7の位置調整に際してオペレータが先端側ブーム6の作動可能範囲を予測することが困難で、作業能率が悪いという問題があった。
【0015】
本発明の目的は、従来の作動範囲規制装置が持つ上記問題点を解決した作動範囲規制装置を提供することにある。
【0016】
上記の目的を達成するため、請求項1に該当する本発明に係る高所作業車の作動範囲規制装置は、以下の如く構成する。車両1上に旋回、起伏ならびに伸縮作動自在に取り付けられた基端側ブーム3と、基端側ブーム3の先端に当該基端側ブーム3の起伏動作に関わりなく一定の対地姿勢を維持するよう取り付けられた姿勢維持部材4と、この姿勢維持部材4に旋回、起伏、ならびに形状変更作動自在に取り付けられた先端側ブーム6と、先端側ブーム6の先端に取り付けられた作業台7、とを備えてなる高所作業車の作動範囲規制装置であって、基端側ブーム3の各動作パラメータの実際値をそれぞれ検出する基端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段14〜16、先端側ブーム6の各動作パラメータの実際値をそれぞれ検出する先端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段17〜19、基端側ブーム3を起伏動作させる起伏駆動装置9に作用する負荷を検出する基端側ブーム起伏負荷検出手段20、先端側ブーム6を起伏作動させる起伏駆動装置12に作用する負荷を検出する先端側ブーム起伏負荷検出手段22、前記各検出手段14〜19からの検出信号を受け取り、基端側ブームの旋回、起伏ならびに伸縮、および、先端側ブームの旋回、起伏ならびに形状変更の各駆動装置の駆動制御部へ規制信号を出力する作動規制信号出力部21、とからなり、前記作動規制信号出力部21は、先端側ブーム6を起伏駆動させる起伏駆動装置12に作用する負荷が、先端側ブーム6の各動作パラメータの関数としての限界値を超過しようとしたときに、当該超過を促進する方向への先端側ブーム6の旋回、起伏ならびに形状変更の各動作を規制するための規制信号を、先端側ブーム6の各駆動装置11〜13の駆動制御部へ出力するよう構成すると共に、基端側ブーム3を起伏駆動させる起伏駆動装置9に作用する負荷が、基端側ブーム3の各動作パラメータの関数としての限界値であって先端側ブーム6側からの基端側ブーム倒伏方向モーメントが最大となるよう先端側ブーム6を作動させた状態のもとで許容される限界値を超過しようとしたときに、当該超過を促進する方向への基端側ブーム3の旋回、起伏ならびに伸縮の各動作を規制するための規制信号を、基端側ブーム3の駆動装置8〜10の制御部へ出力するよう構成してあることを特徴とする高所作業車の作動範囲規制装置。
【0017】
また、請求項2に該当する本発明に係る高所作業車の作動範囲規制装置は、上記した請求項1記載の作動範囲規制装置において、その作動規制信号出力部21に、先端側ブーム6の各動作パラメータの関数として記憶されている先端側ブーム起伏負荷限界値は、基端側ブーム3の横曲げ破壊あるいは基端側ブーム3のねじり破壊を防止するために、先端側ブーム6が基端側ブーム3の起伏軌跡面に沿う方向に旋回した時の先端側ブーム起伏負荷限界値に対して、先端側ブーム6が基端側ブーム3の起伏軌跡面に直交する方向に旋回した時の先端側ブーム起伏負荷限界値を小さなものとして設定したものである。
【0018】
【作用および効果】
以上の如く構成した請求項1に該当する本発明に係る高所作業車の作動範囲規制装置の上記従来技術との差異は、従来の作動範囲規制装置では、負荷検出手段は、基端側ブーム3の起伏駆動装置9に作用する負荷を検出する基端側ブーム起伏負荷検出手段20のみであったが、本件発明の作動範囲規制装置では、基端側ブーム起伏負荷検出手段20に加えて、先端側ブーム6の起伏駆動装置12に作用する負荷を検出する先端側ブーム起伏負荷検出手段22を設け、この検出信号を規制信号出力部21に入力するようにしていること、
【0019】
従来の作動範囲規制装置では、基端側ブーム3および先端側ブーム6の双方の動作パラメータの関数として基端側ブーム起伏負荷の限界値関連データを記憶しており、この記憶値群から基端側ブーム3の実際の姿勢ならびに先端側ブーム6の実際の姿勢に応じたデータ値を読み出し、このデータ値を用いて先端側ブーム6の起伏駆動装置12に作用する負荷が限界を超過しようとしているかどうかを判断し、超過しようとしている時には基端側ブーム3および先端側ブーム6の双方の動作を規制するようにしているのに対し、本発明の作動範囲規制装置では、基端側ブーム3の作動規制と、先端側ブーム6の作動規制の演算処理を個別に行うようにしていること。
【0020】
このように構成した本発明に係る作業範囲規制装置は、その規制信号出力部21に記憶した基端側ブーム起伏負荷の限界値関連データ(群)と先端側ブーム起伏負荷の限界値関連データ(群)は、それぞれその因数としての動作パラメータの数が半減しているので、両データ(群)を加えても、従来の作動範囲規制装置の規制信号出力部21が記憶していたデータ(群)よりも大幅に少ないものとなる。したがって、作動規制信号出力部21に記憶する記憶量は、従来のものに比して大幅に減少させることができる。このため、装置が簡単且つ廉価になる。
【0021】
また、先端側ブーム6の作動可能域は、基端側ブーム3の姿勢の影響を受けることなく、先端側ブーム6の動作パラメータ(旋回、起伏、形状変更)のみによって定まるので、この種の高所作業車で多用される先端側ブーム6の姿勢変更による作業台7の位置調整に際してオペレータが先端側ブーム6の作動可能範囲を予測することが容易となる。このため、高所作業車による高所作業の作業能率が高まる。
【0022】
請求項2に該当する本発明に係る高所作業車の作動範囲規制装置は、上記した請求項1に係る作動範囲規制装置と同様の作用効果を持つ他、その作動規制信号出力部21に、先端側ブーム6の各動作パラメータの関数として記憶されている先端側ブーム起伏負荷限界値関連データを、基端側ブーム3の横曲げ破壊あるいは基端側ブーム3のねじり破壊を防止するために、先端側ブーム6が基端側ブーム3の起伏軌跡面に沿う方向に旋回した時の先端側ブーム起伏負荷限界値に対して、先端側ブーム6が基端側ブーム3の起伏軌跡面に直交する方向に旋回した時の先端側ブーム起伏負荷限界値を小さくなるようなデータとして記憶しているので、基端側ブーム3の横曲げ破壊あるいはねじり破壊を防止できるという効果がある。
【0023】
【発明実施の形態】
以下に、本発明に係る作動範囲規制装置の実施形態を図1を参照して説明する。本発明に係る作動範囲規制装置は、図4に示し上述した従来の作動範囲規制装置に比して、上記したおよびの差異があるものであるが、この差異点以外の構成については、図4に示した従来の作動範囲規制装置と同様の構成を持っている。
【0024】
すなわち、本発明の作動範囲規制装置は、図1に示すように、基端側ブーム3の各動作パラメータの実際値をそれぞれ検出する基端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段14〜16、先端側ブーム6の各動作パラメータの実際値をそれぞれ検出する先端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段17〜19、基端側ブーム3を起伏動作させる起伏駆動装置9に作用する負荷を検出する基端側ブーム起伏負荷検出手段20、先端側ブーム6を起伏作動させる起伏駆動装置12に作用する負荷を検出する先端側ブーム起伏負荷検出手段22、前記各検出手段14〜19からの検出信号を受け取り、基端側ブームの旋回、起伏ならびに伸縮、および、先端側ブームの旋回、起伏ならびに形状変更の各駆動装置の駆動制御部へ規制信号を出力する作動規制信号出力部21、とで構成されている。上記の構成要件のうち、先端側ブーム起伏負荷検出手段22以外の構成要件は、従来の作動範囲規制装置と同様である。
【0025】
そして、本発明の作動範囲規制装置では、その作動規制信号出力部21において、基端側ブーム3の作動規制と、先端側ブーム6の作動規制に係る演算処理を次のように個別に行うようにしている。
【0026】
(先端側ブーム6の作動規制に係る演算処理)前記作動規制信号出力部21は、先端側ブーム6を起伏駆動させる起伏駆動装置12に作用する負荷が、先端側ブーム6の各動作パラメータ(先端側ブーム6の旋回、起伏、形状変更)の関数としての限界値を超過しようとしたときに、当該超過を促進する方向への先端側ブーム6の旋回、起伏ならびに形状変更の各動作を規制するための規制信号を、先端側ブーム6の各駆動装置11〜13の駆動制御部11aから13aへ出力するよう構成している。
【0027】
作動規制信号出力部21に、先端側ブーム6の各動作パラメータの関数として準備(記憶)される先端側ブーム起伏負荷限界値関連データは、先端側ブーム6の起伏駆動装置12に作用する負荷の限界値そのものを記憶しておいても良いし、先端側ブームに作用可能な倒伏方向モーメントの限界値であっても良い。要は、先端側ブーム起伏負荷限界値関連データは、先端側ブーム6を起伏駆動させる起伏駆動装置12に作用する負荷が、先端側ブーム6の各動作パラメータの関数として定まる限界値を超過しようとしているかどうかを直接的あるいは間接的に判別できるものであれば良い。
【0028】
なお、先端側ブーム6の起伏駆動装置12に作用可能な負荷の限界値に関連する前記負荷限界値関連データは、主として先端側ブーム6の強度に関連して定められるものであるが、基端側ブーム3の横曲げ破壊あるいは基端側ブーム3のねじり破壊を防止するために、先端側ブーム6が基端側ブーム3の起伏軌跡面に沿う方向に旋回した時の先端側ブーム起伏負荷限界値に対して、先端側ブーム6が基端側ブーム3の起伏軌跡面に直交する方向に旋回した時の先端側ブーム起伏負荷限界値が小さなものとなるようなものとして設定しておくと、基端側ブーム3の横曲げ破壊あるいはねじり破壊を防止できるという効果がある。
【0029】
作動規制信号出力部21で行われる先端側ブーム6の作動規制に関する演算処理をより詳細に述べると次の通りである。作動規制信号出力部21は、先ず、先端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段17〜19の検出信号により、先端側ブーム起伏負荷限界値関連データ(群)から、その時(先端側ブーム6のその時の実際に姿勢)に応じた先端側ブーム起伏負荷限界値関連データを取り出す。次に、この取り出したデータまたは先端側ブーム起伏負荷検出手段22の検出値を、両者を対比可能な値になるように演算加工する。その上で両者を比較し、先端側ブーム6の起伏駆動装置12に作用する負荷が限界値を超えようとすると、この超過を促進する方向への先端側ブーム6の旋回、伸縮ならびに形状変更作動の各作動を規制するための信号を生成し、この規制信号を先端側ブーム6の各駆動装置11〜13の駆動制御11a〜13aへ出力するのである。
【0030】
(基端側ブームの作動規制に係る演算処理)前記作動規制信号出力部21は、基端側ブーム3を起伏駆動させる起伏駆動装置9に作用する負荷が、基端側ブーム3の各動作パラメータ(基端側ブーム3の旋回、起伏、伸縮)の関数としての限界値を超過しようとしたときに、当該超過を促進する方向への基端側ブーム3の旋回、起伏ならびに伸縮の各動作を規制するための規制信号を、基端側ブーム3の各駆動装置8〜10の駆動制御部8a〜10aへ出力するよう構成している。
【0031】
作動規制信号出力部21に、基端側ブーム3の各動作パラメータの関数として準備(記憶)される基端側ブーム起伏負荷限界値関連データは、先端側ブーム6側からの基端側ブーム倒伏方向モーメントが最大になるよう先端側ブーム6を作動させた状態(先端側ブーム6を、その起伏軌跡面が基端側ブーム3の起伏軌跡面に沿うようにして基端側ブーム3前方に旋回させた上で、先端側ブーム6の基端部に作用する先端側ブーム6倒伏方向モーメントが最大となるよう起伏作動ならびに形状変更作動させた状態)の下で、高所作業車が転倒せずしかも基端側ブーム3がその倒伏方向の曲げ力(縦曲げ力)によって破壊することのない基端側ブーム起伏負荷限界値に対応するものとして記憶されている。
【0032】
作動規制信号出力部21で行われる基端側ブーム3の作動規制に関する演算処理をより詳細に述べると次の通りである。作動規制信号出力部21は、先ず、基端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段14〜16の検出信号により、基端側ブーム起伏負荷限界値関連データ(群)から、その時(基端側ブーム3のその時の実際に姿勢)に応じた基端側ブーム起伏負荷限界値関連データを取り出す。次に、この取り出したデータまたは基端側ブーム起伏負荷検出手段20の検出値を、両者を対比可能な値になるように演算加工する。その上で両者を比較し、基端側ブーム3の起伏駆動装置9に作用する負荷が限界値を超えようとすると、この超過を促進する方向への基端側ブーム3の旋回、伸縮ならびに伸縮の各作動を規制するための信号を生成し、この規制信号を基端側ブーム3の各駆動装置8〜10の駆動制御部8a〜10aへ出力するのである。
【0033】
なお、基端側ブーム起伏負荷限界値関連データは、上記したように、先端側ブーム6側からの基端側ブーム倒伏方向モーメントが最大になるよう先端側ブーム6を作動させた状態の下で、高所作業車が転倒せずしかも基端側ブーム3が破壊することのない基端側ブーム起伏負荷限界値に対応するものとして記憶されているので、上記の演算処理により出力される規制信号により行われる基端側ブーム3の作動規制により、先端側ブーム6の作動状態如何に関わらず高所作業車の転倒を防止し、且つ基端側ブーム3がその倒伏方向の曲げ力(縦曲げ力)による破損を未然に防止できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高所作業車の作動範囲規制装置の説明図である。
【図2】本発明の取り付け対象としての高所作業車の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の取り付け対象としての高所作業車の他の例を示す説明図である。
【図4】従来の高所作業車の作動範囲規制装置の説明図である。
【符号の説明】
1;車両、2;旋回台、3;基端側ブーム、4;姿勢維持部材、5;旋回部材、6;先端側ブーム、7;作業台、8;基端側ブーム3の旋回駆動装置、8a;駆動制御部、9;基端側ブーム3の起伏駆動装置、9a;駆動制御部、10;基端側ブーム3の伸縮駆動装置、10a;駆動制御部、11;先端側ブーム6(旋回部材5)の旋回駆動装置、11a;駆動制御部、12;先端側ブーム6の起伏駆動装置、12a;駆動制御部、13;先端側ブーム6の形状変更駆動装置、13a;駆動制御部、14;基端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段(旋回用)、15;基端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段(起伏用)、16;基端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段(伸縮用)、17;先端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段(旋回用)、18;先端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段(起伏用)、19;先端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段(形状変更用)、20;基端側ブーム起伏負荷検出手段、21;作動規制信号出力部、22;先端側ブーム起伏負荷検出手段、
以上
Claims (2)
- 車両1上に旋回、起伏ならびに伸縮作動自在に取り付けられた基端側ブーム3と、基端側ブーム3の先端に当該基端側ブーム3の起伏動作に関わりなく一定の対地姿勢を維持するよう取り付けられた姿勢維持部材4と、この姿勢維持部材4に旋回、起伏、ならびに形状変更作動自在に取り付けられた先端側ブーム6と、先端側ブーム6の先端に取り付けられた作業台7、とを備えてなる高所作業車の作動範囲規制装置であって、基端側ブーム3の各動作パラメータの実際値をそれぞれ検出する基端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段14〜16、先端側ブーム6の各動作パラメータの実際値をそれぞれ検出する先端側ブーム動作パラメータ実際値検出手段17〜19、基端側ブーム3を起伏動作させる起伏駆動装置9に作用する負荷を検出する基端側ブーム起伏負荷検出手段20、先端側ブーム6を起伏作動させる起伏駆動装置12に作用する負荷を検出する先端側ブーム起伏負荷検出手段22、前記各検出手段14〜19からの検出信号を受け取り、基端側ブームの旋回、起伏ならびに伸縮、および、先端側ブームの旋回、起伏ならびに形状変更の各駆動装置の駆動制御部へ規制信号を出力する作動規制信号出力部21、とからなり、前記作動規制信号出力部21は、先端側ブーム6を起伏駆動させる起伏駆動装置12に作用する負荷が、先端側ブーム6の各動作パラメータの関数としての限界値を超過しようとしたときに、当該超過を促進する方向への先端側ブーム6の旋回、起伏ならびに形状変更の各動作を規制するための規制信号を、先端側ブーム6の各駆動装置11〜13の駆動制御部へ出力するよう構成すると共に、基端側ブーム3を起伏駆動させる起伏駆動装置9に作用する負荷が、基端側ブーム3の各動作パラメータの関数としての限界値であって先端側ブーム6側からの基端側ブーム倒伏方向モーメントが最大となるよう先端側ブーム6を作動させた状態のもとで許容される限界値を超過しようとしたときに、当該超過を促進する方向への基端側ブーム3の旋回、起伏ならびに伸縮の各動作を規制するための規制信号を、基端側ブーム3の各駆動装置8〜10の駆動制御部へ出力するよう構成してあることを特徴とする高所作業車の作動範囲規制装置。
- 作動規制信号出力部21に、先端側ブーム6の各動作パラメータの関数として記憶されている先端側ブーム起伏負荷限界値は、基端側ブーム3の横曲げ破壊あるいは基端側ブーム3のねじり破壊を防止するために、先端側ブーム6が基端側ブーム3の起伏軌跡面に沿う方向に旋回した時の先端側ブーム起伏負荷限界値に対して、先端側ブーム6が基端側ブーム3の起伏軌跡面に直交する方向に旋回した時の先端側ブーム起伏負荷限界値を小さなものとして設定されていることを特徴とする請求項1記載の高所作業車の作動範囲規制装置。
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