JP4911772B2 - ラケット - Google Patents

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Description

本発明は、テニス用などのラケットに関し、詳しくは、ガット張架部に穿設されるストリング孔に装着するグロメットを改良して、打球面のスイートエリアを拡大すると共に振動減衰性の向上を図るものである。
従来、ラケットは、図8に示すように、打球面を囲む円弧状のフレームからなるガット張架部1の接線に対して垂直方向にストリング孔2を貫通させて設けていた。これは、ガット張架部1の内周側1aから外周側1bに向けてドリルで開けてストリング孔2を設ける作業が簡便になる点と、ストリングSの所要長さが最短となる点において好都合であったことに因る。
ラケットに張架するストリングは、打球面の頂点のトップ部とグリップの中心とを結ぶラケットフレームの長手方向の軸線と平行あるいは略平行に張架する縦ストリングと、該縦ストリングと直交方向に張架する横ストリングとから構成される。
これら縦・横ストリングを貫通させるストリング孔2は、フレーム1のトップ部を通る縦ストリングと、最大横幅部のサイド部を通る横ストリングを除き、ストリング張設方向とストリング孔2の貫通方向とが一致していない。従って、ストリングSは、フレーム1の内周側に設けられた内側孔2aに接触して屈折するため、ストリングSの有効長さは、打球面を囲むフレーム1の内周面間の幅となる。
ストリングの有効長さを増大させると、ラケットフレームのスイートエリアの拡大を図ることができるため、従来よりストリングの有効長さを増大させる様々な提案がなされている。
例えば、特許第2534963号(特許文献1)では、図9に示すように、フレーム3に装着するグロメット部材4の筒部4a内のストリング挿通孔4bの内径を、外側開口部4dよりも内側開口部4cで大きくし、フレーム3の内側でストリングSの可動性を大きくした構造が提案されている。
また、特開2004−105558号(特許文献2)では、図10(A)(B)に示すように、フレームに装着するガット保護材5を、フレームのストリング孔に挿通される軟質グロメット部材6と、該軟質グロメット部材6の外側に重合される帯状部材7とで構成し、該帯状部材7には、軟質グロメット部材6の挿通孔6aと連通し、かつ、該挿通孔6aを打球方向に横切る細長のスリット孔8を設け、打球時にストリングSに加わる応力により、前記細長のスリット孔8に沿ってストリングSが打球方向に摺動できる構造が提案されている。
前記特許文献1のグロメット部材4および特許文献2のガット保護材5はいずれも、ストリングSの変形支点がフレームの内側から外側へと移動するため、ストリングの有効長さが増大し、スイートエリアの増大が可能と考えられている。
しかしながら、特許文献1のグロメット部材4は、ストリングSとグロメット部材4との接触範囲が短く、ストリングの振動減衰が不十分となり、打球感が悪化すると考えられる。
また、特許文献2のガット保護材5も、ストリングSとグロメット部材6との接触範囲がほとんど無いため、ストリングの振動減衰が難しく、打球時に不快な振動を感じると考えられる。さらに、前記細長のスリット孔8に沿って打球時にストリングSが摺動するため、その擦れによりストリングの耐久性が低下するうえ、打球毎にストリング位置が変化するため打球時の打球速度やフィーリングも変化する。また、グロメット部材6と帯状部材7とが別部材からなるため、組立性が悪く、装着不良が発生しやすい点にも問題がある。
特許第2534963号公報 特開2004−105558号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、グロメットおよび該グロメットを装着するストリング孔を改良し、ストリングの有効長さを増大してスイートエリアを拡大し、打球の反発性を向上させると共に、打球時のストリングおよびフレームの振動を減衰して快適な打球感を得ることができるラケットを提供することを課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、ストリングを張設して打球面を形成するガット張架部に穿設されるストリング孔にグロメットを装着しているラケットにおいて、
少なくとも1つの前記ストリング孔に装着するグロメットは二重グロメットとし、
該二重グロメットは、
ストリングを接触させて貫通させるストリング挿通孔を備え、該ストリング挿通孔を貫通させるストリングを内外端開口より引き出す内側筒部と、
前記内側筒部と隙間をあけて配置すると共に前記ストリング孔に内嵌する外側筒部と、
前記内側筒部と外側筒部の外方側端を連結して前記ガット張架部の外周面側に配置する基底部とを備えた一体成形品からなることを特徴とするラケットを提供している。
前記ラケットは繊維強化樹脂等からなるフレームにより前記ガット張架部および使用者が把持するグリップを備え、該ガット張架部に設けられている多数のストリング孔に縦ストリングと横ストリングが挿通されて張設されている。
前記ガット張架部に穿設されるストリング孔の少なくとも1には、前記内側筒部と外側筒部と基底部を、振動減衰性能を有するゴムまたは樹脂からなる素材で一体成形した二重グロメットを装着しており、前記基底部はガット張架部の外周面に直接または間接に接して配置している。
前記二重グロメット部は、前記基底部から内方に突設されてストリングが接触して挿通される挿通孔を有する前記内側筒部と、該内側筒部の外側に内側筒部から隙間をあけて配され、前記基底部から内方に突設される外側筒部とからなる。
ストリング孔を貫通させる前記内側筒部の内方側先端は、少なくとも前記ストリング孔の内側開口部までは位置させている。
このように、内側筒部と外側筒部とを隙間をあけて備えた前記二重グロメットを配置することにより、内側筒部内に挿通されたストリングがストリング孔の内側開口部で外側筒部やフレームと接触することを防ぎ、該ストリングの可動長さを増大させてスイートエリアを拡大することができる。また、ストリングには内側筒部が当接するためストリングの振動を減衰でき、さらにガット張架部を構成するフレームには外側筒部が当接するためフレームの振動も減衰できる。
従って、スイートエリアを拡大して打球反発性を向上できると共に、打球時にプレーヤーに伝わる不快な振動を効果的に減衰でき、良好な打球感を得ることができる。
また、前記二重グロメットは、基底部と内側筒部と外側筒部とを一体成形してなるため、組立性がよく、耐久性も向上する。
前記二重グロメットの基底部を隣接する二重グロメットの基底部または隣接する1つの筒部のみを有するグロメットの基底部を一体的に連結した帯状とすることが好ましい。
ただし、多数のグロメット部材を連結しすぎると、長くなりすぎて組立性が低下するため、一つのグロメット部材に設けられるグロメット部は、30個以下、さらには20個以下、さらに10個以下、特に5個以下とすることが好ましい。
さらに、帯状部の外面側に、前記二重グロメットの内側筒部および/または前記1つの筒部のストリング挿通孔を貫通するストリングを挟む一対のガイドリブを突設することが好ましい。
前記のように、二重グロメットの内側筒部の内方側先端はストリング孔の内側開口に位置し、さらには、内側開口を超えて打球面内まで突出させることが好ましい。外側筒部もストリング孔の内側開口、さらには内側開口を越えて打球面内にまで突出させてもよい。
このように、内側筒部の内方側先端と外側筒部の内方側先端の少なくとも一方が、ストリング孔の内側開口部まで、または該内側開口部を超えて打球面内まで突出することにより、ストリング張設時等にフレームのストリング孔周縁にストリングが直接接触することを防止でき、ストリングの耐摩耗性を高めることができる。
特に、内側筒部の内方側先端がストリング孔の内側開口部まで、または該内側開口部を超えて打球面内まで突出すると、ストリングと内側筒部との接触面積が増えるため、ストリングの振動を一層効果的に減衰することができる。
一方、外側筒部の内方側先端がストリング孔の内側開口部まで、または該内側開口部を超えて打球面内まで突出すると、フレームと外側筒部との接触面積が増えるため、フレームの振動を効果的に減衰することができる。
従って、内側筒部の内方側先端と外側筒部の内方側先端の両方が、ストリング孔の内側開口部まで、または該内側開口部を超えて打球面内まで突出することがより好ましい。
具体的には、外側筒部の突出長さは、ストリング孔の長さとの関係で定めるのがよく、通常のストリング孔の長さを考慮して、5mm以上、さらに8mm以上、さらに10mm以上、特に13mm以上とするのが良い。一方、突出量が長すぎるとコスト高や重量増加を招くため、30mm以下、さらに20mm以下、特に18mm以下がよい。
また、内側筒部の突出長さは、長い方がストリングとの接触面積が増えて振動減衰性が高まるため、5mm以上、さらに8mm以上、さらに10mm以上、特に13mm以上が良い。一方、突出量が長くしすぎても振動減衰効果は殆ど変わらないうえ、組立性が低下し、コスト高も招くため、30mm以下、さらに20mm以下、特に18mm以下がよい。
前記内側筒部の肉厚の下限は、0.2mm以上、さらに0.3mm以上、特に0.4mm以上がよく、上限は2mm以下、さらに1.5mm以下、さらに1.0mm以下、特に0.7mm以下が好ましい。これは、0.2mm未満ではストリング振動の減衰効果が低くなり、2mm超ではストリングの可動を抑制しやすくなることに因る。
前記外側筒部の肉厚の下限は、0.2mm以上、さらに0.3mm以上、特に0.4mm以上がよく、上限は2mm以下、さらに1.5mm以下、さらに1.0mm以下、特に0.7mm以下が好ましい。これは、0.2mm未満ではフレーム振動の減衰効果が低くなり、2mm超ではコスト上昇、重量増加を招くうえ、フレームのストリング孔への装着性が悪化することに因る。
前記内側筒部の中空部からなる前記ストリング挿通孔は、断面形状を円形とし、その直径を、ストリング直径を考慮して1.3mm以上2.5mm以下、特に1.5mm以上2.0mm以下とすることが好ましい。これにより、張設したストリングの挿通孔に対する位置が打球時に実質的に変化することを抑制でき、摺動によるストリングの磨耗を防止できると共に、打球感を安定させることができる。
なお、ストリング挿通孔の断面形状は楕円形状や長円形状としてもよいが、その場合は、断面形状の最長径の最短径に対する比を1.5以下、さらに1.2以下、特に1.1以下とすることが好ましく、さらに、(最長径+最短径)/2の値を1.3mm以上2.5mm以下、特に1.5mm以上2.0mm以下とすることが好ましい。一方、ストリング挿通孔の断面形状を四角形のように屈曲点がある形状とすると、ストリングと挿通孔との接触圧が部位によって異なり、一部に応力が集中して磨耗が早く生じやすいため、断面形状は滑らかに繋がる曲線で構成することが好ましい。
前記外側筒部の外周面の断面形状は、ストリング孔に密着して内嵌する形状とし、滑らかに繋がる曲線で構成された形状とすることが好ましく、特に円形状が好ましい。これは、例えば四角形状のように屈曲点がある形状とすると、フレームのストリング孔への装着性が低下することに因る。
また、外側筒部の外径は、上限を20mm以下、さらに15mm以下、特に12mm以下とすることが好ましく、下限を5mm以上、特に7mm以上とすることが好ましい。これは、20mm超では、フレームのストリング孔を大きく設ける必要があるためフレーム強度が低下しやすくなり、5mm未満では、ストリング張設力を低くした場合や、使用によってストリング弾性が低下した場合に、外側筒部と内側筒部が接触しやすくなり、打球速度、打球方向性、打球感が不安定になることに因る。
なお、外側筒部の外周面の断面形状を楕円形状や長円形状とすることも可能であるが、その場合は、断面形状の最長径の最短径に対する比を1.5以下、さらに1.2以下、特に1.1以下とすることが好ましく、さらに、(最長径+最短径)/2の値の上限を20mm以下、さらに15mm以下、特に12mm以下とし、下限を5mm以上、特に7mm以上とすることが好ましい。
外側筒部と内側筒部の隙間の幅、即ち、離間距離は、全周囲において、下限を1.5mm以上、さらに2mm以上、特に2.5mm以上とし、上限を5mm以下、さらに4mm以下、特に3.5mm以下とすることが好ましい。これは、該離間距離が1.5mm未満では、特にストリング張設力を低くした場合や、使用によってストリング弾性が低下した場合に、外側筒部と内側筒部が接触しやすくなり、打球速度、打球方向性、打球感が不安定になり、5mm超では、フレームのストリング孔が大きくなってフレーム耐久性を低下させたり、内側筒部や外側筒部が肉薄となって振動減衰性能を低下させてしまうことに因る。
前記内側筒部の内方先端は外側筒部の内方先端より突出させ、内側筒部をストリング孔の内方側開口を越えて突出させることが好ましい。
かつ、内側筒部の内径D3と外側筒部の内径D6とは、D3:D6=1;2〜1:10、さらに好ましくは1:3〜1:7である。
前記二重グロメットは、前記内側筒部のストリング張設前の延在方向と、該内側筒部内に挿通されたストリングの張設状態における打球面内の延在方向とがなす角度が10度以下であることが好ましい。
これにより、内側筒部の延在方向がストリングの延在方向に対して略平行となり、ストリングの可変支点をフレーム内周側から外周側へと確実に移動することができるため、スイートエリアを効果的に拡大することができる。なお、前記角度は、さらに5度以下、特に3度以下がより好ましい。
前記打球面の面積中心を原点とし、該原点とフレームトップ部とを結ぶ直線を基準線とし、前記ストリング孔の外側開口部の面積中心と前記原点とを結ぶ直線をストリング孔基準線とした場合において、
前記二重グロメットは、前記原点を中心として前記基準線から10度〜80度、100度〜170度、190度〜260度、280度〜350度の領域内に前記ストリング孔基準線が位置するストリング孔内に装着されていることが好ましい。
前記領域は、打球面の四隅領域に対応しており、この四隅は、ストリングの可変長さが短くなるため反発性が低くなり、スイートエリア縮小の大きな要因の一つであったため、この四隅に前記二重グロメットを配置することにより、該四隅のストリング可変長さを長くして、スイートエリアの拡大と反発性向上を効果的に図ることができる。
なお、前記四隅領域のうち、フレームトップ側の二隅ではトップ部寄りの領域において、グリップ側の二隅ではグリップ部寄りの領域において、特にスイートエリアの拡大や反発性向上が必要とされている。また、グリップ部側よりトップ部側の領域の方が、一層スイートエリア拡大や反発性向上が必要とされている。このことから、前記二重グロメットは、前記原点を中心として前記基準線から、10度〜45度、135度〜170度、190度〜225度、315度〜350度の領域内、
さらには、10度〜45度、315度〜350度の領域内、
特に、20度〜30度、330度〜340度の領域内に、前記ストリング孔基準線が位置するストリング孔に装着されることがより好ましい。
前記二重グロメットを装着するストリング孔は、前記領域内に1個以上、さらに2個以上、特に4個以上設けることが好ましく、さらには、二重グロメットを左右対称に配置することが好ましい。
一方、フレームのストリング孔の全てに二重グロメットを装着することも可能であるが、二重グロメットが多すぎると、大径のストリング孔をフレームに多数設けることになり、フレーム強度が低下するうえ、生産性低下やコスト上昇を招くため、二重グロメットを装着するストリング孔数は、20個以下、さらに10個以下、特に6個以下が好ましい。
同じ理由から、二重グロメットを装着するストリング孔数のストリング孔総数に対する割合は、下限を1%以上、さらに3%以上、特に5%以上とし、上限を30%以下、さらに15%以下、特に10%以下とすることが好ましい。
フレームのストリング孔の総数は、下限を50個以上、さらに60個以上、特に70個以上とし、上限を100個以下、さらに90個以下、特に80個以下とすることが好ましい。これは、50個未満ではストリングが疎になって反発性やコントロール性が低下し、100個超ではストリング孔が多くなってフレーム強度が低下するうえ、ストリング張設コストが上昇することに因る。
前記二重グロメットの外側筒部を内嵌するストリング孔の内径D1と、1つの筒部のみを有するグロメットを内嵌するストリング孔の内径D2とは、D1:D2=3:2〜5:1、好ましくは2:1〜4:1としている。
フレームは、金属製、木製、繊維強化樹脂製など、様々なフレームとすることができるが、軽量性、強度、打球性能などの総合性に優れるという理由で、繊維強化樹脂製が好ましい。
なお、繊維強化樹脂製とする場合は、フレーム全体の平均の繊維体積含有率を高く設定し、55%以上、さらに58%以上、特に60%以上とするのがよい。これは、一般に、フレームの繊維体積含有率を上げるとフレーム剛性が向上して打球速度が高くなるというメリットが生じる一方、振動減衰性が低下するというデメリットが生じるが、本発明のフレームは、前記二重グロメットの配置により優れた振動減衰性を備えるため、フレームの繊維体積含有率を上げても、必要な振動減衰性能を確保でき、かつ、フレーム剛性向上のメリットを得ることができることに因る。
前記二重グロメットは、振動減衰性能を有する樹脂またはゴムで一体成形している。
該二重グロメットの材質は、温度−5℃でのtanδの下限を、0.03以上、さらに0.05以上、さらに0.06以上、特に0.10以上とし、上限を0.5以下、さらに0.4以下、特に0.3以下とすることが好ましい。これは、0.03未満では振動減衰効果を十分に得ることができず、0.5超ではグロメット部材の強度が低下するうえ、打球のコントロール性や打球速度が低下しやすくなることに因る。
なお、ここでいうtanδは、粘弾性測定装置(島津製作所社製の粘弾性スペクトロメーター「DVA200改良型」)によって測定しており、測定条件は、試料:幅4mm×長さ30mm×厚み1.66mm、試料における変形部位の長さ:20mm(長さ30mmのうち両端5mmを挟持)、初期歪:2mm振幅±12.5μm、周波数:10Hz、昇温速度:2℃/min、温度分散法とする。
前記二重グロメットの材質には、架橋ゴム、樹脂(ソフトセグメントとハードセグメントとからなるエストラマーを含む)などを使用することができ、例えば、次に列挙する材料を単体あるいは組み合わせて使用できる。
(a)熱可塑性ポリウレタン
(b)スチレン系エストラマー
(c)ゴム分子鎖を含有した/あるいは含有しない重合反応性で得られる6ナイロン
(d)天然ゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエン等をベースとした配合ゴム
例えば、100部のゴム材に対し、ポリスチレンとビニルポリイソプレンが結合したブロック共重合体を5〜80部の範囲で添加する。このポリスチレンとピニルポリイソプレンが結合したブロック共重合体には、クラレ社の「ハイブラー」がある。このポリスチレンとビニルポリイソプレンが結合したブロック共重合体に限らず、その他にも各種の熱可塑性樹脂があり、例えば、スミライトレジンのPR−12686がある。また、添加物としては他に、エチレンとシクロペンタジエンからノルボーネンを合成し、このノルボーネンを開環重合して得られる主鎖に五員環と二重結合を持ったポリマー構造に、多量の伸展油を加えたゴム状油展ポリマーを加えることもできる、
(e)ハードセグメントがポリスチレンであり、ソフトセグメントがジエン成分に含まれる不飽和二重結合部分をエポキシ化したスチレン系可塑性エストラマー(ダイセル化学工業「エポフレンド」)
(f)ポリブチレンテレフタレート−ポリエーテルグリコール(デュポン社「ハイトレル」)
(g)カシュー変性フェノール樹脂(住友ヂュレズ社「スミライトレジンPR−12687」)
(h)エステル系ポリマー、ハロゲン系ポリマーをはじめとする複数のポリマーからなる色々の機能を有したポリマーアロイ型の材料(東ソー「エラステージ」)
(i)熱可塑性樹脂やゴムやそれらを改質した配合よりなる材料
例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢ビ共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、NBR、SBR、ブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等の高分子材料、これらをブレンドしたものを主成分として、これらにマイカ、ガラス片、グラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、バーライト、沈降硫酸バリウム等の物質や腐食防止剤、染料、酸化防止剤、安定剤、湿潤剤などを必要に応じて適時加えたもの。ナイロン樹脂やポリエーテルブロックアミド共重合体、アトフィナ社の「ペバックス」なども使用可能である。
前記二重グロメットは、振動減衰性能を高めるために軟質材料を用いることが好ましが、一方で、例えば前述のようなtanδが大きい材質を用いると、ラケット使用時の地面との擦れで傷がつきやすい。そこで、この二重グロメットの基底部の幅(フレーム厚み方向の幅)よりも広く、該基底部が嵌め込まれる凹部や中空部を有するバンパー部材を配設することが好ましい。
なお、前記基底部の最も外方の最外点が、バンパー部材の最も外方の最外点と一致するか、内方に位置することが好ましいが、必ずしもそれは必須でなく、基底部の最も外方の最外点が、バンパー部材の最も外方の最外点より外方に位置しても、基底部の一部が、前記凹部や中空部に少なくとも一部が嵌まり込んでおればよい。
前記バンパー部材は、例えば、ショアD硬度で前記二重グロメットより高いものとすればよく、材質としては、ナイロン樹脂やウレタン樹脂を用いることができる。
上述したように、本発明によれば、ガット張架部のストリング孔に前記二重グロメットを配置することにより、二重グロメットの内側筒部内に挿通されたストリングがフレームの内側開口部で外側筒部やフレームに接触して可動が抑制されることを防止できるため、ストリングの可動長さを増大してスイートエリアを拡大することができる。かつ、内側筒部によってストリング振動を、外側筒部によってフレーム振動をそれぞれ減衰できるため、打球時に発生する不快な振動がプレーヤーに伝わることも効果的に防止でき、良好な打球感を得ることができる。
また、二重グロメットは、基底部とグロメット部とを一体成形しているため、組立性がよく、装着不良も防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態はいずれも本発明を硬式テニス用ラケットに適用したものである。
図1乃至図6に、本発明の第一実施形態に係るラケットフレーム10を示す。
ラケットフレーム10は、繊維強化樹脂シートを積層した中空の管状体よりなり、ヘッド部12、スロート部13、シャフト部14、グリップ部15を連続して形成し、ヘッド部12とシャフト部14とを連結するスロート部13を二股状とし、左右スロート部13の両側枠の間にはヨーク部16を設け、該ヨーク部16とヘッド部12でガット張架部Gを構成している。該ガット張架部Gに設けた計70個のストリング孔20に縦ストリング51と横ストリング52を張設し、打球面Fを形成している。
図1(A)(B)に示すように、前記ヘッド部12の外周面側にはガット溝18を周方向に連続して形成すると共に、該ガット溝18の底面(ラケットフレーム外周側)から打球面Fと接する内周側にかけて、64個のストリング孔20を貫通して設けている。同様に、前記ヨーク部16にも6個のストリング孔20を貫通して設けている。
前記計70個のストリング孔20のうち、フレームトップ部Tとグリップ部15の中心軸を結んだフレーム中心軸線L1を挟んで右側の計35個のストリング孔20は、図2に示すように、トップ部Tから時計回り方向に順番にH+1、H+2、H+3・・・、H+35とする。また、フレーム中心軸線L1を挟んで左側の計35のストリング孔20は、トップ部Tから反時計回り方向に順番にH−1、H−2、H−3・・・、H−35とする。
前記ストリング孔20は、内側開口部21も外側開口部22も断面円形状としている。また、70個のストリング孔20のうち、H−7〜H+7、H+10〜H+26、H−10〜H−26、H+33〜H+35、およびH−33〜H−35は、前記フレーム中心軸線L1に平行方向または直交方向に、即ち、挿通される縦ストリング51または横ストリング52の延在方向と平行方向に貫通させた平行ストリング孔20Aとしている。
一方、H±8、H±9、H+27〜H+32、およびH−27〜H−32は、フレーム10の接線に対して略直交方向に貫通させた傾斜ストリング孔20Bとしている。
前記計70個の全ストリング孔20には通常グロメット部材30または二重グロメット33を装着し、縦ストリング51および横ストリング52を該グロメット部材30、33に挿通してガット張架部Gに張架している。
詳しくは、前記平行ストリング孔20Aのうち計4個のストリング孔H+4、H+6、H−4、H−6には、図3に示すように、二重グロメット33を装着している。ストリング孔H+4、H+6、H−4、H−6は、ストリング孔基準線L3がそれぞれ、前記原点Oを中心として前記基準線L2から15度、25度、345度、335度の位置に設けられ、図5(A)にも示すように、直径D1を他のストリング孔よりも大きい10mmとしている。
他の平行ストリング孔20Aと傾斜ストリング孔20Bは直径D2を4mmとし、図3に一部示すように、通常グロメット部材30を装着している。
フレーム10のトップ部T側の外周には、図3に示すように、H−13〜H+13の範囲にバンパー部材40を装着し、図5にも示すように、フレーム10との間に該バンパー部材40を介在させて前記グロメット部材30、33を装着している。
前記二重グロメット33は、図4に示すように、フレーム10の外周面に前記バンパー部材40を介して当接する基底部34と、該基底部34から内方に突設する二重グロメット部35からなる。該二重グロメット部35は、内側筒部36と該内側筒部36の外側に全周囲にわたって離間して配された外側筒部37とからなる。
前記内側筒部36には、内径D3を1.7mmとするストリング挿通孔36bを貫通して設け、該ストリング挿通孔36bに縦ストリング51を接触して挿通している。該内側筒部36の外径D4は3.0mmとし、肉厚T1を0.65mmとしている。
前記外側筒部37は、内径D6を8.4mm、外径D5を9.7mmとし、図6に示すように、フレーム10のストリング孔20の内側開口部21と外側開口部22の両方の内周面に接触させて装着される。外側筒部37の肉厚T2は0.65mmとしている。
これにより、内側筒部36と外側筒部37の離間距離L5は全周囲にわたって2.7mmに設定される。
前記内側筒部36は、基底部34からの突出長さL6を13.1mmとし、図6に示すように、その突出側先端36aがフレーム10のストリング孔20の内側開口部21から内方に僅かに突出するように設定している。
前記外側筒部37は、基底部34からの突出長さL7を13.1mmとし、図6に示すように、その突出側先端37aがフレーム10のストリング孔20の内側開口部21の内周面に当接するように設定している。
前記通常グロメット30は、図5(A)に示すように、フレーム10の外周面側に配される基底部31から、ストリング挿通孔32aを備えた1つの筒部32のみ内方に突出させてなる。
ストリング孔H+4、H+6に装着される2つの二重グロメット33は、図4および図5に示すように、間のストリング穴H+5に装着される通常グロメット部材30と、基底部34、31で帯状に連結し、3個のグロメット部材33、30、33を一体に繋げた連結二重グロメット38を形成している。
前記帯状の連結部の外面には二重グロメットのストリング挿通孔36b、通常グロメット30のストリング挿通孔32との間にストリングをガイドする一対のガイドリブ39を設けている。
該連結二重グロメット38は、−5℃でのtanδが0.10でショアD硬度が69であるポリエーテルブロックアミド共重合体で一体成形している。
ストリング孔H−4、H−5、H−6に装着される二重グロメット33と通常グロメット部材30についても、同様に連結二重グロメット38としている。
他の通常グロメット30も、適宜、隣接する複数のグロメット30を基底部31を帯状に連結し、−5℃でのtanδが0.03でショアD硬度が85であるリルサン(ナイロン11)で一体成形している。
前記バンパー部材40は、図5(A)に示すように、フレーム10の外周面とガット溝18に沿って添装される形状の帯体よりなり、−5℃でのtanδが0.03でショアD硬度が85であるリルサン(ナイロン11)で成形している。該バンパー部材40には、通常グロメット30の筒部32を挿通する第1グロメット孔41と、前記連結二重グロメット38の二重グロメット部35と通常グロメットの筒部32を挿通する横長の第二グロメット孔42を穿設している。
前記第二グロメット孔42に連結二重グロメット38を装着するときは、図5(B)に示すように、連結二重グロメット38の基底部34、31の幅方向両側より内方に突設したリブ39を二重グロメット孔42に内嵌させて固定している。
前記構成のラケットフレーム10は、図6にも示すように、二重グロメット33の内側筒部36がストリング51と接触し、外側筒部37がフレーム10に接触するため、ストリング振動とフレーム振動を減衰することができ、打球時の不快な振動を効果的に抑制して良好な打球感を得ることができる。この振動減衰効果は、内側筒部36と外側筒部37の両方を、その突出側先端36a、37aが少なくともストリング孔20の内側開口部21に到達する突出長さとして、内側筒部36とストリング51との接触面積および外側筒部37とフレーム10との接触面積を多く確保していることによって、一層効果的に発揮される。
また、前記二重グロメット33は、内側筒部36と外側筒部37とが全周囲にわたって離間して配置されているため、外側筒部37内で内側筒部36の可動範囲、すなわち縦ストリング51の可動範囲を全周囲にわたってある程度確保でき、縦ストリング51の可変支点をフレーム10の外周側に移動させて、打球の反発性を高めることができる。
特に、二重グロメット33を装着したストリング孔H±4、H±6はいずれも平行ストリング孔20Aであり、該平行ストリング孔20Aに装着された二重グロメット33の内側筒部36のストリング張設前の延在方向と、該内側筒部36内に挿通されたストリング51の打球面F内における延在方向とのなす角度はほぼ0度となるため、該ストリング51がストリング孔20の内側開口部21に当たって可動を抑制されることを防ぎ、ストリングの可変長さを効果的に増大することができる。
また、前記二重グロメット33は、スイートエリア拡大の視点から打球の反発性向上が強く求められる打球面Fの四隅領域のうち、トップ側二隅に計4個配置されているため、効果的にスイートエリアを拡大することができる。
さらに、二重グロメット33は、内側筒部36と外側筒部37の両方がストリング孔20の内側開口部21に至る長さであるため、ストリング張設時にストリング51がストリング孔20の内側開口部21の周縁に擦れて磨耗することを防止できる。
また、該二重グロメット33は、基底部34と二重グロメット部35とを一体成形しているため、組立性に優れ、装着不良の発生を防止できるうえ、耐摩耗性も高い。
(実施例)
以下の表1に示すとおり、前記原点Oを中心として前記基準線L2から15度、25度、345度、335度の位置にストリング孔基準線L3を有するストリング孔H+4、H+6、H−4、H−6に装着するグロメットを異ならせた実施例1および比較例1〜3のラケットフレームを作製し、スイートエリア、振動減衰性について実打評価を行い、結果を表1に示した。
Figure 0004911772
実施例1および比較例1〜3のいずれのラケットフレームも、繊維強化熱可塑性樹脂で成形した中空形状で、打球面Fの面積が100sqin、フレーム全長が27インチ(699mm)、ストリング孔数が70個である同一形状とした。
詳細には、ラケットフレームは炭素繊維を強化繊維とし、マトリクスをエポキシ樹脂とした繊維強化樹脂のプリプレグシートを、66ナイロンからなる内圧チューブを被覆したマンドレル上に積層し、鉛直状の積層体を成形した。プリプレグ角度は、0°、22°、30°、45°、90°とし、積層した。マンドレルを抜き取って前記積層体を金型にセットした。金型を型締して、金型を150℃に昇温し、30分間の加熱を行うと同時に内圧チューブ内に9kgf/cmの空気圧を付加し、加温保持し、加熱加温成型により作製した。
いずれの実施例1および比較例1〜3においても、ストリング孔20の形状は前記第1実施形態と同一とした。即ち、計70個のストリング孔20(H±1〜H±35)は断面円形状とし、また、H+1〜H+7、H−1〜H−7、H+10〜H+26、H−10〜H−26、H+33〜H+35、H−33〜H−35は平行ストリング孔20Aとし、H±8、H±9、H+27〜H+32、H−27〜H−32は傾斜ストリング孔20Bとした。
いずれの実施例1および比較例1〜3においても、前記ストリング孔20のうち、H−1〜H−13およびH+1〜H+13には、前記第一実施形態と同様に、バンパー部材40を介して各種グロメットを装着した。
前記バンパー部材40は、東レ社製の品番「BMP O P20」(−5℃でのtanδ:0.03、ショアD硬度:85、材質:リルサン(ナイロン11))で成形したものを使用した。
なお、ストリング孔H+4、H+6、H−4、H−6以外のストリング孔には、前記通常グロメット部材30を装着した。該通常グロメット30には、東レ社製の品番「BMP O P20」(−5℃でのtanδ:0.03、ショアD硬度:85、材質:リルサン(ナイロン11))で成形したものを使用した。
(実施例1)
前記第一実施形態と同一構成とした。即ち、ストリング孔H+4、H+6、H−4、H−6に二重グロメット33を装着し、内側筒部36の突出側先端36aをストリング孔20の内側開口部21より内方に僅かに突出させ、外側筒部37の突出側先端37aをストリング孔20の内側開口部21の内周面に当接させた。
該二重グロメット33には、アトフィナ社製の品番「PEBAX7033」(−5℃でのtanδ:0.10、ショアD硬度:69、材質:ポリエーテルブロックアミド共重合体)で成形したものを使用した。
(比較例1)
計70個の全ストリング孔20に前記通常グロメット30を装着した。
(比較例2)
ストリング孔H+4、H+6、H−4、H−6に、図9に示す従来例のグロメット4を装着した。ただし、該グロメット4の筒部4aおよびストリング挿通穴4bは断面円形状とした。
(比較例3)
ストリング孔H+4、H+6、H−4、H−6に、図7に示すグロメット60を装着した。該グロメット60は、筒部61の突出長さが短く、その先端61aが、ストリング孔20の内側開口部21まで到達しない長さとした。
(実打テスト)
ストリングを張架した前記実施例1および比較例1〜3のテニスラケットフレームを、20名のテニスプレーヤーにて試打を行い、比較例1のテニスラケットフレームを基準として、「比較例1よりも良い(広い)」「比較例1と同じ」「比較例1よりも悪い(狭い)」の3段階の官能評価を行い、それぞれの回答人数を表1に示した。
表1に示すように、スイートエリアについては、実施例1および比較例2、3は比較例1に比してスイートエリアが広いという評価が多くなったが、振動減衰性については、比較例2、3は比較例1よりも良いという評価がなく、むしろ悪いという評価もあったのに対し、実施例1は比較例1よりも良いという回答が多く、悪いという回答はなかった。
これは、実施例1は二重グロメット33を配置したことにより、ストリングの可動長さが増大すると共に該グロメット部材33とストリングおよびフレームとの接触面積を確保でき、スイートエリアと振動減衰性とをバランスよく高めることができたためと考えられる。これに対し、比較例2、3は、ストリングの可動長さは増大できたが、グロメット部材とストリングやフレームとの接触面積が少なく、振動減衰性が低下したと考えられる。
本発明の第一実施形態に係るラケットフレームを示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図1に示すラケットフレームにストリングを張架した状態を示す要部正面図である。 図2に示すラケットフレームのトップ部の分解正面図である。 二重グロメット(連結二重グロメット)を示し、(A)は上面図、(B)は断面図である。 バンパー部材とグロメットのフレームへの装着構造を示し、(A)は分解斜視図、(B)は装着状態における(A)のB−B線断面図である。 二重グロメットのストリング孔への装着状態を示す断面図である。 比較例3の要部断面図である。 従来例の問題点を示す図である。 他の従来例を示す図である。 他の従来例を示す図である。
符号の説明
10 ラケットフレーム
12 ヘッド部
13 スロート部
16 ヨーク部
20(H+1〜H+35、H−1〜H−35) ストリング孔
21 内側開口部
30 通常グロメット
33 二重グロメット
34 基底部
35 二重グロメット部
36 内側筒部
37 外側筒部
40 バンパー部材
51 縦ストリング
52 横ストリング
F 打球面
G ガット張架部

Claims (5)

  1. ストリングを張設して打球面を形成するガット張架部に穿設されるストリング孔にグロメットを装着しているラケットにおいて、
    少なくとも1つの前記ストリング孔に装着するグロメットは二重グロメットとし、
    該二重グロメットは、
    ストリングを接触させて貫通させるストリング挿通孔を備え、該ストリング挿通孔を貫通させるストリングを内外端開口より引き出す内側筒部と、
    前記内側筒部と隙間をあけて配置すると共に前記ストリング孔に内嵌する外側筒部と、
    前記内側筒部と外側筒部の外方側端を連結して前記ガット張架部の外周面側に配置する基底部と、を備えた一体成形品からなることを特徴とするラケット。
  2. 前記二重グロメットの内側筒部の内方側先端または/および前記外側筒部の内方側先端は、前記ストリング孔の内側開口に位置し、または該内側開口を超えて打球面内まで突出し、
    前記内側筒部のストリング張設前の延在方向と、該内側筒部内に挿通されたストリングの張設状態における打球面内の延在方向とがなす角度が10度以下である請求項1に記載のラケット。
  3. 前記打球面の面積中心を原点とし、該原点とフレームトップ部とを結ぶ直線を基準線とし、前記ストリング孔の外側開口部の面積中心と前記原点とを結ぶ直線をストリング孔基準線とした場合において、
    前記二重グロメットは、前記原点を中心として前記基準線から10度〜80度、100度〜170度、190度〜260度、280度〜350度の領域内に前記ストリング孔基準線が位置するストリング孔内に装着されている請求項1または請求項2に記載のラケット。
  4. 前記内側筒部の内方側先端は外側筒部の内方側先端より突出させ、かつ、内側筒部の内径D3と外側筒部の内径D6とは、D3:D6=1;2〜1:10とすると共に、内側筒部の外周面と外側筒部の内周面の隙間は1.5mm〜5mmとし、
    さらに、前記二重グロメットを内嵌するストリング孔の内径D1と、1つの筒部のみを有するグロメットを内嵌するストリング孔の内径D2とは、D1:D2=3:2〜5:1としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のラケット。
  5. 前記二重グロメットは、振動減衰性を有するゴムまたは樹脂で一体成形しており、
    前記基底部を隣接する二重グロメットの基底部または/および隣接する1つの筒部のみを有するグロメットの基底部を一体的に連結した帯状とし、該帯状部の外面側に、前記二重グロメットおよび/または前記1つの筒部のストリング挿通孔を貫通するストリングを挟む一対のガイドリブを突設している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のラケット。
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