JP4911767B2 - 信号機用フードカバー - Google Patents

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Description

本発明は、道路や鉄道線路に設置される標識としての信号機の信号灯の上に装着される信号機用フードカバーや、信号機や表示案内としてのディスプレイ装置を構成するLED光源を固定するためのLED光源固定板に使用される光吸収板に関する。
鉄道や道路に設置される信号機80には、図8に示すように、交通信号を示す赤色、黄色、青色から成る各信号灯81が配されている。この信号灯が直射日光を受けた場合など信号灯の発光状態が見え難くなる不都合が生じる。このような不都合がおきないように、信号機の各信号灯にはフードカバー82が装着されて構成されている。また、フードカバー82は、信号灯81から照射された光の拡散光が反射して信号色の輪郭がぼやけないように、その信号灯のフードカバー82側内面83には黒色の反射防止塗料が塗布されることで光吸収板としての機能を併せ持つ。
近年、信号機や各種案内としてのディスプレイ装置の光源として、視認性に優れ、且つ耐久性を向上させたLED光源の使用が増加してきた。
信号機の信号灯に使用するLED光源は、光の強度が向上したことで、LED光源による信号灯には反射防止塗料が塗布された塗装アルミ板を使用したフードカバー82側内面83が使われているが、それでは反射防止効果が十分でなく、信号灯81から発光した光がフードカバー82で反射し、信号灯としての輪郭がぼやけるという状況が生じるに至った。
信号機において、信号灯からの反射を防止する構造としては特許文献1に示すように種々提案されているが、フードカバーの表面について、反射防止塗料を塗布する以外の対策についての提案はなかった。
特開2003−173496
また、LED光源91は、図9に示すように、多数の孔92が穿孔された合成樹脂製のLED光源固定板90の各孔92に固定されている。そのLED光源固定板の面93には黒色の艶消塗料が塗布された光吸収板あるいは黒色の樹脂成型品(表面艶消し仕上げ)で構成され、LED光源から発光される光の拡散光の反射を抑える構造となっている。
しかしながら、LED光源固定板90に反射防止塗料や艶消塗料を塗布しただけではLED光源からの発光に対して反射防止効果が十分でなく、従ってLED光源からの発光の輪郭がぼやけるという現象が生じてしまう。
多数のLED光源を以て所望の文字図柄状に配して構成する案内用のディスプレイ装置についても、各LED光源は黒色の艶消し塗料が塗布されたLED光源固定板に配設されているが、上記同様の現象が生じていた。
本発明は、合成樹脂、金属から成る物体(平板としてもよい)に、静電植毛法により黒色短繊維から成る植毛面を形成することにより、植毛面を形成する短繊維群の無数の縦、横から成る隙間に光の吸収機能をもたせた光の拡散光吸収体を作ろうとするものである。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、LED光源から発光する光の拡散光に対して、十分な光吸収効果を有しLED光源から発光する光を鮮明に視認することができる信号機用フードカバー、LED光源固定板としての機能を発揮する植毛金属板から成る光吸収板を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため請求項1の信号機用フードカバーは、合成樹脂或いは金属から成る所望形状の平板の一方面に、接着剤層を介在して、短繊維の表面を黒色着色剤で着色し、かつフッ素樹脂をコーティング処理をして撥水性を持たせた合成樹脂から成る黒色短繊維を静電植毛法によって濃密度に植毛し、植毛面を内側として湾曲して形成して光吸収機能を発揮する構成としたことを特徴としている。
請求項2の信号機用フードカバーは、合成樹脂或いは金属から成る所望形状の平板の一方面に、接着剤層を介在して、表面にフッ素樹脂をコーティング処理して撥水性を持たせ、かつ黒色着色剤を混入した合成樹脂から成る黒色短繊維を静電植毛法によって濃密度に植毛し、植毛面を内側として湾曲して形成して光吸収機能を発揮する構成としたことを特徴としている。
請求項3の信号機用フードカバーは、請求項1または2において、前記平板は、植毛面と反対側の面を所望の色彩で着色した平板としたことを特徴としている。
請求項4の信号機用フードカバーは、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記黒色短繊維が前記平板の鉛直方向に対して傾斜して形成される植毛面を有し、植毛面を内側として湾曲して形成し、植毛面に形成された黒色短繊維が信号機の光源設置側に傾斜するように装着可能であることを特徴としている。
本発明の光吸収板によれば、平板の一方面に形成された短繊維植設接着層に黒色短繊維が植毛密度を密にして植毛された植毛層とすることで、植毛層を形成する短繊維群による植毛層面からの無数の縦或いは植毛層の厚みからの無数の横方向に形成される超微小隙間によって光源からの拡散光をこの植毛層で効率的に吸収することができる。
また、黒色短繊維について、着色剤を混入した合成樹脂から成る短繊維で形成することにより、660nm以上の波長の光に対しても優れた吸収効果を発揮することができ、赤色の光を含む可視光線に対して吸収効果を得ることができる。
したがって、この光吸収板をLED光源固定板22に使用すれば、植毛層25において光源から照射される光の拡散を吸収し反射を防止できるので、発光部位の輪郭をくずすことなく認識し易くすることができる。
また、光吸収板を信号機用フード30に使用すれば、植毛面31において光源から照射される光の拡散光を吸収し反射を防止できるので、信号灯による発光部位の輪郭が認識しやすい信号機を得ることができる。
本発明の信号機用フードカバー或いはLED光源固定板を作るために用いる光吸収板は、所望の材料から成り所望形状を有する平板の一方面に形成した合成樹脂接着剤層である短繊維植設接着層に、黒色短繊維を静電植毛法によって直立した密集状態で濃密度に植毛した植毛層を設けることで、光源からの光の拡散光の光吸収機能を発揮するように構成されている。所望の材料とは、例えば、合成樹脂、金属等、静電植毛が可能な材料であればよく、使用場所に応じて適宜選択される。また、平板の形状は、使用箇所に応じた適宜形状であり、例えば方形、円形等で形成されている。
所望の材料の平板は、例えば、表面処理鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板、マグネシウム合金板、ニッケル箔、鉄−ニッケル合金板等の加工性と強度を有する金属板を用いるのが望ましい。
前記金属板の表面は、接着剤との密着強度を高めるため、事前に金属板メーカーにてクロメート処理やリン酸塩処理等の化成処理、もしくはクロムを含まない有機もしくは無機複合皮膜、もしくは表面研磨処理等が施されても良い。
また、金属面の前記表面処理面(植毛面)と反対側の面は、塗料によりカラーコーティング、又は、電着により塗装されている。
表面処理鋼板としては、亜鉛めっき、亜鉛合金めっき、ニッケルめっき、ニッケル合金めっき、錫めっき、銅めっきあるいは銅合金めっきなどを被覆した電気めっき鋼板を用いることができる。亜鉛合金めっきとしては、亜鉛−ニッケル合金めっき、亜鉛−鉄合金めっき、亜鉛−コバルトめっきが適用でき、さらに亜鉛−コバルト−モリブデン複合めっき鋼板が適用できる。ニッケル合金めっきとして、リン、ボロン、錫、コバルトなど含んだニッケル合金めっき鋼板が適用できる。また、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムあるいはこれらの合金を含んだ溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコンめっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウムめっき鋼板または溶融アルミニウムめっき鋼板も適用できる。
さらに、これらのめっき鋼板に公知の化成処理を施した表面処理鋼板も適用できる。例えば、クロメート処理、リン酸塩処理、リチウム−シリケート処理、シランカップリング処理、ジルコニウム処理あるいは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂エポキシ樹脂を含有した有機樹脂処理が適用できる。
植毛面に植毛される黒色短繊維としては、繊維の製造後に該繊維を極短に切断し、その表面に対して黒色着色剤(塗料又は染料)でカラーコートする繊維(以下、「塗装パイル」という)を使用する。
また、黒色短繊維として、黒色着色剤(顔料)を混入した合成樹脂から成る短繊維を使用してもよい。この黒色着色剤(顔料)を混入した合成樹脂から成る短繊維は、繊維の製造段階で顔料を含ませて色付けが行われた繊維を極短に切断したもの(以下、「原着パイル」という)である。この原着パイルは、繊維メーカーによる製造段階で、例えばナイロン材にカーボンブラックを含ませることで、着色剤(顔料)が混入されたナイロンパイルとしたものである。
原着パイルは、塗装パイルに比較して耐光性、耐食性が優れているので、光吸収板の植毛面を形成するパイルとして好適である。
また、原着パイルによる植毛面は、660nm以上の波長の光に対しても優れた吸収効果を発揮することができるので、赤色を含む可視光線に対して吸収効果を得ることができ、赤色の信号灯からの拡散光を吸収する光吸収板の植毛面を形成するパイルとして適している。
前記した塗装パイル及び原着パイルは、表面にフッ素樹脂をコーティング処理することで、撥水性を持たせるようにしてもよい。パイルに撥水性を持たせることにより、植毛された着色短繊維を雨等で濡れにくくし、汚れの発生を抑えることができるので、屋外に配置されるLED光源固定板やフードカバー等の信号機における植毛面として適したものになる。
上述の光吸収板をLED光源固定板や信号機用フードカバーに適用した具体例について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1は道路等に設置される交通信号機を示すもので、該交通信号機は、信号機本体10と、信号機本体10に設置された赤青黄の各色毎に発光する3個の信号灯20と、各信号灯20の上方に付設されたアルミニウム材のフードカバー30を具備して構成されている。図2に示すように、前記交通信号機に配設された各信号灯20はそれぞれ赤色・黄色・青色を発光する信号灯とするため、各色毎に発光する多数のLED光源21が各色毎のグループとして光吸収板であるLED光源固定板22に配設されている。前記したLED光源を配設したLED光源固定板22は透明カバー23から被覆する構成されている。
LED光源固定板22は、図3に示すように、黒色着色剤を混入した合成樹脂から成る短繊維(原着パイル24)を静電植毛法によって濃密度に植毛した植毛面25を一方側に形成する光吸収板として、光吸収板の所定の箇所を円形領域から成る光源埋設箇所とし、該箇所の円形領域内に多数のLEDを埋設するそれぞれの孔26を穿設し、該穿設された孔26の中に、該孔26からに対して植毛面側にLED光源21を臨ませるように埋設して構成されている。
信号灯20は、前記光吸収板の円形領域内に配設されたグループ毎の複数のLED光源21を例えば青、赤、黄色に点灯することにより信号表示を行うが、LED光源固定板22は黒色短繊維を濃密に植毛した植毛面25を設けこれにLED光源を前記した状態で配設することにより植毛面を形成した濃密に植毛した黒色短繊維がLED光源から発光する光の拡散光を吸収して拡散光の反射を抑え、LED光源全体周囲の円形輪郭を明確に表示させることができる。
フードカバー30は、黒色着色剤を混入した合成樹脂から成る短繊維(原着パイル)を静電植毛法によって濃密度に植毛した植毛面31を平板の一方側に形成する光吸収板として、該光吸収板の植毛面31が内側となるように信号灯20の円形周囲に沿って湾曲させ、植毛面31側が信号灯20側に位置するように信号機の信号機本体10に固定されている。
したがって、信号灯20からフードカバー側へ照射される発光する光の拡散光は、可視光線全域において植毛面31で吸収されて反射が抑えられるので、各色の信号灯20の円形輪郭を明確に表示させることができる。
また、フードカバーに使用される光吸収板は、平板の鉛直方向に対して黒色短繊維が信号機の信号灯20側に傾斜するように形成された植毛面31を有していることが好ましい。これは、信号灯20からフードカバーに向かって照射される光が、黒色短繊維が傾斜されて配置されることにより、植毛面31を形成する黒色短繊維群により無数の縦方向に形成される超微小隙間に導き易くさせることができ、光源からの拡散光をこの植毛面31で効率的に吸収させて反射を防止するためである。
植毛面に形成された黒色短繊維が信号機の信号灯20側に傾斜する植毛面を有する光吸収板を形成するには、静電植毛された植毛金属板をロール状に巻き取るに際して、植毛面が押圧されるようにすることで、植毛面の短繊維を一方向側に傾斜させた状態とすることができ、このようにして作製された植毛金属板を使用すればよい。
上述した植毛金属板から成る信号機用フードカバー30が装着された信号機を構成する信号灯は、光吸収板の円形領域内に穿設された多数の孔にLED光源をそれぞれ配設して信号灯20として装着される構造であるが、多数のLED光源を人物図形に並べて表示された歩行者用(横断歩道用)の信号灯器、若しくは多数のLED光源を青色矢印状に配置した標識においても上記構造のフードカバーが使用できることは勿論である。
また、植毛面25を有するLED光源固定板22は、信号灯に使用する他に、図5に示されるような、縦横に格子状に多数のLED光源21が配列され所望箇所を点灯させることで、文字等を表示可能とする案内用のディスプレイ装置に適用してもよい。
次に、上述した信号機用フードカバー及びLED光源固定板である光吸収板の製造方法について説明する。
先ず、コイル状に巻かれた長尺の金属板を巻き解きながら、この金属板(帯状板)の一方面(例えば下方面)に、短繊維を植え付けるための接着剤を塗布した接着剤層を形成する。接着剤層を形成する接着剤としては、スチレン・アクリル酸エステル系エマルジョンを使用した。また、接着剤層は、光吸収効果を有効に発揮させるために、黒色の着色剤が混入されることで黒色となっている。この接着剤の塗布は、ロールコーター等の手段によって前記金属板(帯状板)の一方面に行われるが、後述する打ち抜き工程により打抜かれてフードカバー材となる部分にのみ接着剤が塗布されるようにしてもよい。
金属板としては、信号機の部品として使用されるに適するように、軽量で0.03〜3.0mmの板厚を有するアルミニウム板が使用される。
接着剤層を黒色とすると、さらに光吸収効果は大きくなる。黒色とするためには、黒色の顔料を接着剤層に混入すると良い。黒色顔料としては、公知のものが適用でき、例えばチャンネル系ブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラックあるいはケッチェンブラックなどのカーボンブラックが適用できる。また、人造黒鉛、鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛あるいは土壌黒鉛などの黒鉛も適用できる。
次に、帯状板の接着剤塗布側に、黒色の着色剤が混入された着色短繊維を静電植毛法により濃密に植毛する(植毛鋼板を得る工程)。
静電植毛法は、接着剤が塗布されたワークである帯状板を静電植毛室内にアース状態に置いて、該ワークに対設された電極に高圧静電気を印加して、該電極と該ワークの間に生じた電界中に着色短繊維を飛翔させ、この黒色に着色された黒色短繊維(塗装パイル又は原着パイル)を帯電させて、電界中の電気力線の方向に沿って着色短繊維をワークの表面に形成された接着剤層に密植状態で直立させて突き刺して植設する技術である。
植毛に使う着色短繊維としては、再生繊維、合成繊維、半合成繊維などの化学繊維、又は植物繊維、動物繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の天然繊維が使用できる。有機繊維あるいは無機繊維のどちらでも使用できる。有機繊維として、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンあるいはフッ素樹脂などからなる公知の繊維が適用できる。
また、ここで使用される着色短繊維は、繊維の製造段階(繊維メーカーによる製造段階)で顔料(カーボンブラック塗料)を含ませて色付けが行われた繊維から構成されているパイル(原着パイル)が好適である。したがって、この着色短繊維(原着パイル)は、通常の植毛鋼板で使用されているパイル表面に塗料層が設けられている塗装パイルと異なり、パイルに塗料が内在しているような構造となるため、耐光性、耐食性が優れているとともに、植毛面について塗装パイルに比較して660nm以上の波長の光に対する吸収性を向上させることができる。
上記工程を経て作られた植毛金属板は次の構成となる。即ち、金属板或いは合成樹脂板の片面に形成された短繊維植設層に植毛密度を濃密にした短繊維群が植設された短繊維の長さに応じた所望の厚さをもった植毛層が形成される。
この植毛層は、上面からも側面からも短繊維群が無数の超極微小の隙間が形成された植毛層として形成されている。植毛層は次の機能を果たす。光源からの拡散光がこの植毛層の上面或いは側面に照射されたときは、その拡散光はその植毛層の超極微小隙間に入り込み、その光は吸収される。
前記工程を経て形成された光吸収板である植毛金属板を所望の大きさのLED光源用材或いは平板形状のフードカバー材として打ち抜く(打ち抜き工程)。
そして、前記打ち抜き工程を経たフードカバー材について、前記着色短繊維を植毛した面31を内側にして所望のアール面を形成するようプレス処理して湾曲させることで、図4に示すような信号機用フードカバー30が形成される。
また、前記打ち抜き工程を経たLED光源用材について、所望の図柄を形成する穿孔群を穿設することでLED光源固定板が形成される。
LED光源固定板を得る場合には、打ち抜き工程を経て、穿孔群が穿設された平板を形成した後に、その一方の面に黒色短繊維を静電植毛法により植毛するようにしてもよい。
次に、本発明のLED光源固定板や信号機用フードカバーに使用される原着パイル(着色剤が混入された着色短繊維)を植毛した植毛面を有する光吸収板と、塗装パイルを植毛した植毛面を有する光吸収板と、従来の塗装鋼板について、それぞれの吸収性を比較する実験を行った。
実験は、原着パイルを植毛した光吸収板、塗装パイルを植毛した光吸収板、反射を防ぐ艶消しポリエステル系塗料が塗布された塗装鋼板を試験体として行った。波長の計測範囲は可視光線である350〜800nm、計測間隔は0.5nmである。測定は光を試験体に垂直に当て、正反射光及び拡散した光も収集し分光光度計により測定した。
原着パイルには、ポリへキサメチルアジパミドを使用し、パイルを植え付けるための接着剤としては、スチレン・アクリル酸エステル系エマルジョンを使用した。
光反射率は、横軸に波長をとった場合、図6に示すようなグラフとなった。
図6のグラフより、塗装鋼板に比較して塗装パイル及び原着パイルの植毛面を有する光吸収板は、700nm以下の波長について光反射率が低くなり(塗装鋼板が約6%に対して、植毛面を有する光吸収板が0.6%)光吸収効果が向上している。また、原着パイルを植毛した場合には、塗装パイルの光吸収板に比較して、660nm以上の波長においても光反射率を0.6%程度に安定させることができる。
したがって、原着パイルによる植毛面は、全波長領域について、塗装鋼板より光反射率が低く、吸収性が高いことが判る。
原着パイルによる植毛面は、660nm以上において、塗装パイルが植毛された植毛面より光反射率が低く、吸収性が高いことが判る。
赤色の波長は、610〜700nmであるので、原着パイルが植毛された植毛面は赤色の信号灯に対して有効に拡散光を吸収し反射を防止することが可能となる。
次に、光反射率の経年変化についての実験例を示す。
この試験では、上述した原着パイルを植毛した光吸収板の複数の試験体について、屋外にそれぞれ3ヶ月、6ヶ月、2年暴露し、その光反射率を分光吸光計により計測し、無暴露の試験体と比較した。波長の計測範囲は可視光線である350〜800nm、計測間隔は0.5nmである。測定は光を試験体に垂直に当て、正反射光及び拡散した光も収集し分光光度計により測定した。
光反射率の経年変化は、横軸に波長をとった場合、図7に示すようなグラフとなった。また、無暴露、3ヶ月暴露、6ヶ月暴露、2年暴露した試験体の平均の光反射率を表1に示す。
図7のグラフ及び表1より、3ヶ月暴露、6ヶ月暴露、2年暴露した試験体の光反射率は、無暴露の試験体の反射率に比較して、13〜23%程度増加する程度に収まり、実用上問題ないことが確認できた。
また、3ヶ月暴露、6ヶ月暴露、2年暴露の平均光反射率は、それぞれ0.577、0.651、0.709であるので、これについて横軸を年、縦軸を平均光反射率としたグラフにプロットし、プロット点を直線で近似すると、20年暴露後の平均光反射率予測値は1.5%となる。前記した図6のグラフにおける塗装鋼板(反射を防ぐ艶消しポリエステル系塗料が塗布されている)の平均光反射率(無暴露)が5〜6%程度あるので、原着パイルを植毛した光吸収板は、20年暴露したものであっても塗装鋼板より光吸収効果が高いことが推察できる。
本発明に係る光吸収板は、黒色短繊維を植毛した植毛面を有しているので、光吸収効果を発揮でき、この部分に照射される光を吸収して反射を防止できるので、光の吸収が必要な部位(例えばLED光源固定板や信号機用フードカバーなど)に利用できる。
黒色短繊維について、黒色着色剤(顔料)を混入した合成樹脂から成る短繊維を使用することで、可視光線の全領域について植毛面で効率良く光が吸収される。
(a)〜(c)は本発明の信号機の一例を示すもので、(a)は平面説明図、(b)は正面説明図、(c)は側面説明図である。 信号機に装着されるLED光源を使用した信号灯の正面説明図である。 LED光源が固定されるLED光源固定板の一部断面説明図である。 信号機用フードカバーの斜視説明図である。 案内用のディスプレイ装置の平面説明図である。 原着パイルを植毛した光吸収板、塗装パイルを植毛した光吸収板、塗装鋼板の光反射率についての測定結果を示すグラフ図である。 原着パイルを植毛した光吸収板について、無暴露、3ヶ月暴露、6ヶ月暴露、2年暴露した場合における光反射率の測定結果を示すグラフ図である。 信号機の斜視説明図である。 従来のLED光源固定板の構造を示す一部断面説明図である。
符号の説明
10 信号機本体
20 信号灯
21 LED光源
22 LED光源固定板
24 原着パイル
25 植毛面
26 孔
30 信号機用フードカバー
31 植毛面

Claims (4)

  1. 合成樹脂或いは金属から成る所望形状の平板の一方面に、接着剤層を介在して、短繊維の表面を黒色着色剤で着色し、かつフッ素樹脂をコーティング処理をして撥水性を持たせた合成樹脂から成る黒色短繊維を静電植毛法によって濃密度に植毛し、植毛面を内側として湾曲して形成して光吸収機能を発揮する構成としたことを特徴とした信号機用フードカバー。
  2. 合成樹脂或いは金属から成る所望形状の平板の一方面に、接着剤層を介在して、表面にフッ素樹脂をコーティング処理をして撥水性を持たせ、かつ黒色着色剤を混入した合成樹脂から成る黒色短繊維を静電植毛法によって濃密度に植毛し、植毛面を内側として湾曲して形成して光吸収機能を発揮する構成としたことを特徴とした信号機用フードカバー。
  3. 前記平板は、植毛面と反対側の面を所望の色彩で着色した平板とした請求項1または2に記載の信号機用フードカバー。
  4. 前記黒色短繊維が前記平板の鉛直方向に対して傾斜して形成される植毛面を有し、植毛面を内側として湾曲して形成し、植毛面に形成された黒色短繊維が信号機の光源設置側に傾斜するように装着可能であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の信号機用フードカバー。
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