JP4911523B2 - 温度応答性配列を含むデプシペプチド構造と親水性高分子構造からなるブロック共重合体 - Google Patents
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両親媒性ブロック共重合体からなる高分子ミセルを難溶性薬物の溶解性向上や内核からの薬物徐放に適用する研究は1970年後半から始まった(非特許文献1,2)。抗ガン剤であるドキソルビシンを含有した高分子ミセルについて、特に固形ガンへの集積は1980年代後半からはじまった(非特許文献3〜7)。1990年代より、ブロック共重合体はpolymer therapeutics研究の主要材料として、世界中の多くの研究者によって研究が展開されている(非特許文献8,9)。
近年、温度を上昇させることで凝集する温度応答性材料の研究に注目が集まっている。これらは水を多く含有する性質を利用して薬物運搬体、創傷被覆材料、人工筋肉、マイクロカプセル、バイオマシン、バイオセンサー、分離膜などへの利用が期待されている。
ことができる(奥ら、2000年、未発表データ)。
温度応答性材料中でも最も研究が盛んであるのは、ポリ(N置換メタクリルアミド)またはポリ(N置換アクリルアミド)というビニルポリマーを主成分とした材料である(特許文献1〜6)。ビニルポリマーは生体内や土壌中での分解ができないためにこれを改良する研究も盛んである。例えばデンプン(特許文献7)、デキストラン(特許文献8)、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール(特許文献9)との共重合体が用いられているが、生体や土壌で分解されないビニルオリゴマーの残留は依然として問題となりうる。
生分解性や環境分解性や精密な分子設計に利点を持つ、アミノ酸を用いた温度応答性ペプチドが報告されている。ウリーらは、エラスチンと呼ばれる蛋白質のモデル物質の化学合成やその構造研究によって温度応答性材料を開発している。主に用いられている基本配列は-Gly-Aaa-Gly-Baa-Pro-(配列番号1:Aaaはバリンをはじめとするほとんどのα−アミノ酸、Baaはバリンまたはイソロイシン)である。これらはアミノ酸配列や組成を変化させて幅広い特性を持つ温度応答性材料とすることが可能である。(BaaがVal残基での例として、非特許文献16〜18、BaaがIle残基での例として、非特許文献19)しかしながら、ウリーらは温度応答性ペプチドとポリエチレングリコールのブロック共重合体について合成研究は行っていない。
デプシペプチドを用いた方法によっても近年、温度応答性材料が開発された(特許文献12,13)。デプシペプチドとはアミノ酸やヒドロキシカルボン酸が脱水縮合によって配列した、式(A)に示すような主鎖がエステル結合とアミド結合で連結されたポリマーまたはオリゴマーである。その構造の骨格はアミド結合とエステル結合からできている。
バリン酸残基)、-Gly-Val-Gly-Hmb-Ala-Pro-、-Gly-Val-Gly-Lac-Pro-(Lac = 乳酸残基)、-Gly-Ile-Gly-Lac-Pro-、-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-、-Gly-Ile-Gly-Lac-Pro- を繰り返し単位としている。
b-Pro- または -Gly-Hmb-Ala-Pro- の配列を用いること、配列全体の疎水性・親水性バランス、の2点が重要であると考えられている。温度応答性デプシペプチドの利点は、用いるアミノ酸やヒドロキシカルボン酸の種類や組成、配列を変化させることで製剤や分解性に幅広い特性を持たせることができる点にある。すなわち、生分解性や環境分解性や精密な分子設計に利点を持つ点で温度応答性ペプチドと同様であり、有機溶媒や水系溶媒への溶解度に優れる点で温度応答性ペプチドよりも優れている。
温度応答性の両親媒性ブロック共重合体および関連材料を用いた高分子ミセルの研究は、ビニルポリマーを温度応答性配列として用いた基材がほとんどである。これらにはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ乳酸との共重合体が用いられているが、生体や土壌で分解されないビニルオリゴマーの残留は依然として問題となりうる。例えば下記の3種類の高分子ミセルが研究されている。
含有した9 mg/mLの高分子ミセルを用いて、37℃ pH7.4の条件下、20時間後までに70%の薬物を放出することが報告されている。
我々は温度応答性ポリペプチドを用いた両親媒性ブロック共重合体の合成研究を行った。これは温度応答性ビニルポリマーを用いた研究と異なり、生分解性と生体適合性に優れている。また、ポリエチレングリコールの末端から高分子重合反応でポリアミノ酸を伸ばすのとは異なり、5残基のオリゴペプチドを繰り返しフラグメント縮合することによってペプチド鎖の伸長を行っている。例えば下記の高分子ミセルが研究されている。
我々は温度応答性ではないデプシペプチドを用いた両親媒性ブロック共重合体の合成研究を行った。これは温度応答性を示さないが、生分解性と生体適合性に優れている。また、ポリエチレングリコールの末端に4残基のオリゴデプシペプチドを繰り返しフラグメント縮合することによってデプシペプチド鎖の伸長を行っている。例えば下記の高分子ミセルが研究されている。
例えば21 mg/mLのデキサメタゾンパルミテート(dexamethasone palmitate)を含有した250 mg/200 mLの高分子ミセルを用いて、37℃の条件下、20時間後までに50%の薬物を放出することが報告されている。
000とHCl.H-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro- PEG5000-OMeを得た。同様にしてBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OSuとBoc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSuをそれぞれ縮合反応させて2量体のBoc-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)2-PEG4000とBoc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)2-PEG5000-OMeを得た。引き続きフラグメント縮合反応を行うことで、Boc-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)n-PEG4000とBoc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)n-PEG5000-OMe (n = 1-6) を得た。
(1)親水性高分子構造部分と温度応答性を示すデプシペプチド構造部分からなるブロック共重合体。
(2)親水性高分子構造部分としてポリエチレングリコール鎖を有する(1)に記載のブロック共重合体。
(3)下記一般式 (I)または(II)で表される(2)に記載のブロック共重合体。
Y1−(F1−F2−F3−F4−F5)n−Z−PEG (I)
Y1−(F1−F2−F3−F4−F5−F6)n−Z−PEG (II)
(式中、Y1はデプシペプチド構造部分の末端に結合した疎水性修飾基を表し、F1、F2、F3、F4、F5およびF6はアミノ酸またはヒドロキシカルボン酸の残基を表し、式 (I)ではF1、F2、F3、F4およびF5の少なくとも1つ、式 (II)ではF1、F2、F3、F4、F5およびF6の少なくとも1つがヒドロキシカルボン酸残基を表し、nは2〜20の整数であり、PEGは一つまたは複数のポリエチレングリコール鎖を表し、Zはデプシペプチド構造部分とポリエチレングリコール構造を連結するスペーサー又は単結合を表す。)
(4)ヒドロキシカルボン酸がバリン酸または乳酸である、(3)に記載のブロック共重合体。
(5)式(I)におけるF1−F2−F3−F4−F5が-Xaa1-Xaa2-Gly-Lac-Pro- および/または -Xaa1-Xaa2-Gly-Hmb-Pro- であり、式(II)におけるF1−F2−F3−F4−F5−F6が-Xaa1-Xaa2-Gly-Hmb-Ala-Pro-である、(3)に記載のブロック共重合体(Xaa1、Xaa2は任意のアミノ酸残基を示し、Hmbは式(III)で示されるバリン酸残基を表し、Lacは式(IV)で示される乳酸残基を表す)。
(7)Zが疎水性アミノ酸又は疎水性アミノ酸からなるペプチド鎖である、(3)〜(6)のいずれかに記載のブロック共重合体。
(8)式(V)または式(VI)で表される、(1)〜(7)の何れかに記載のブロック共重合体。(式中、Y1はデプシペプチド構造部分の末端に結合した疎水性修飾基を表し、Rはポリエチレングリコール構造部分の末端に結合した修飾基または水素原子を表し、nは2〜20の整数を表し、mは2〜1000の整数を表す)
(10)(1)〜(9)の何れかに記載のブロック共重合体からなる薬物内包用の担体。(11)(1)〜(9)のいずれかに記載のブロック共重合体を、水、緩衝液、食塩水、または含水有機溶媒と混合することにより得られる、溶媒和、ゲル、懸濁物、均一な溶液、または相分離状態を形成する組成物。
(12)(1)〜(9)の何れかに記載のブロック共重合体と薬剤を含む、医薬組成物。
。本発明の方法で得られた材料や組成物は薬物を内包しうるミセルを形成し、薬物を温度応答性に放出することが出来るため、生体内で分解吸収される組成物、土壌などの環境下で分解吸収される組成物、細胞接着剤、薬物運搬体、創傷被覆材料、人工筋肉、マイクロカプセル、バイオマシン、バイオセンサー、分離膜、検査キットなどを構成するのに利用できる。これは発明者らの関連研究を踏まえれば容易に開発することが可能である(T. Sudaら、Peptide Science 2005: T. Wakamiya Ed., The Japanese Peptide Society、2006年、495-498ページ; A. Inoueら、Peptide Science 2006: H. Ishida and H. Mihara Eds., The Japanese Peptide Society、2006年、54-55ページ)。
親水性高分子としてはポリアルキレングリコール鎖が挙げられ、ポリエチレングリコール鎖が好ましい。ポリアルキレングリコール鎖の分子量は100〜40,000が望ましく、3,000〜10,000がさらに望ましく、4,000〜6,000がとくに望ましい。
本発明で述べている、ポリアルキレングリコール鎖には直線状または分岐状のものを用いることができる。これらのポリアルキレングリコール化合物は市販のものを購入または公知文献を参考にして合成することで得ることができる。
Y1−(F1−F2−F3−F4−F5)n−Z−PEG (I)
Y1−(F1−F2−F3−F4−F5−F6)n−Z−PEG (II)
上記ヒドロキシカルボン酸はバリン酸((S)-2-hydroxy-3-methylbutanoic acid)または乳酸が好ましい。
そして、繰り返し単位であるF1−F2−F3−F4−F5またはF1−F2−F3−F4−F5−F6は2種類以上の配列であってもよい。また、5残基の配列と6残基の配列が任意の順序で並んだ下記のようなものでもよい。
Y1−(F1−F2−F3−F4−F5)o−(F1−F2−F3−F4−F5−F6)p−Z−PEG
oは1〜19の整数、pは19〜1の整数を表す。
式(I)におけるF1−F2−F3−F4−F5としては、-Xaa1-Xaa2-Gly-Lac-Pro- または -Xaa1-Xaa2-Gly-Hmb-Pro- が挙げられ、式(II)におけるF1−F2−F3−F4−F5−F6としては-Xaa1-Xaa2-Gly-Hmb-Ala-Pro-が挙げられる。
ここで、Xaa1、Xaa2は任意のアミノ酸残基を示し、Hmbは式(III)で示されるバリン酸残基を表し、Lacは式(IV)で示される乳酸残基を表す。
本発明で述べているデプシペプチド単位、-Xaa1-Xaa2-Gly-Hmb-Pro-、-Xaa1-Xaa2-Gly-Hmb-Ala-Pro-または-Xaa1-Xaa2-Gly-Lac-Pro-を利用する場合、重合反応は、例えば、H-X1-X2-Gly-Hmb-Pro-PEG、H-X1-X2-Gly-Hmb-Ala-Pro-PEG、H-X1-X2-Gly-Lac-Pro-PEGの何れかとH-X1-X2-Gly-Hmb-Pro-OSu、H-X1-X2-Gly-Hmb-Ala-Pro-OSu、H-X1-X2-Gly-Lac-Pro-OSuなどの温度応答性配列の活性化フラグメントを混合することで可能である。
ここで、Rはポリエチレングリコール構造部分の末端に結合した修飾基または水素原子を表し、nは2〜20の整数を、mは2〜1000の整数を表す。
酸などが例示される。特に、糖鎖配列による修飾は薬剤を内包した本発明のブロック共重合体を標的組織に集積するために有用である。
なお、本発明のブロック共重合体は、デプシペプチド構造部分に含まれるアミノ酸残基の側鎖を介して上記のような修飾基が導入されたものであってもよい。
また、本発明のブロック共重合体は、高分子担体、ゲル、フィルム、ラテックス粒子、金属微粒子、シリコーン樹脂、シリカ、ゼオライト、ガラスプレート、またはプラスチックプレートなどの担体に結合したものでもよい。
これらの担体への固定化は、デプシペプチド鎖の結合していないポリエチレングリコール鎖の末端を介して、あるいは、デプシペプチド構造部分に含まれるアミノ酸残基の側鎖を介して行うことができる。
そして、本発明のブロック共重合体は水、緩衝液、食塩水、または含水有機溶媒の中でミセルを形成するため、薬物内包用の担体として使用できる。デプシペプチド構造部分は温度応答性を示すため、加温により溶媒分子や薬物を放出し、冷却により溶媒分子や薬物を取り込むことから、徐放性の医薬として特に有効である。
内包させる医薬組成物の種類は特に制限されないが、アドリアマイシン、パクリタキセルなどの抗癌剤、デキサメタゾンなどのステロイド化合物、抗生物質、光線力学療法のための色素(ポルフィリン類やクロロフィル類)などが挙げられる。
本発明のブロック共重合体は生体吸収性組成物、環境分解性組成物、細胞接着剤、マイクロカプセル、バイオマシン、バイオセンサー、検査キット、診断材料などを構成するのにも有用である。
(親水性高分子)
PEG4000: 平均分子量4000のポリエチレングリコール
PEG5000-OMe: 平均分子量5000のモノメトキシポリエチレングリコール
Boc-Gly-OH: N-α-t-ブトキシカルボニル-グリシン
Boc-Ala-OH: N-α-t-ブトキシカルボニル-L-アラニン
Boc-Ile-OH: N-α-t-ブトキシカルボニル-L-イソロイシン
Boc-Phe-OH: N-α-t-ブトキシカルボニル-L-フェニルアラニン
HCl・H-Pro-OBzl: L-プロリン ベンジルエステル 塩酸塩
H-Lac-OH: L-乳酸
H-Hmb-OH: L-バリン酸
Boc:tert-ブトキシカルボニル(t-Bu-O-CO-)
OBzl:ベンジル(-O-CH2-C6H5)
CA-OH:コール酸(cholic acid)
DCC: N,N'-ジクロロへキシルカルボジイミド
DCUrea: ジシクロへキシルウレア
HOSu: N-ヒドロキシスクシンイミド
(Boc)2O: ジ-t-ブチルカルボネート
NMM: N-メチルモルホリン
DMAP: N,N'-ジメチルアミノピリジン
TFA: トリフルオロ酢酸
THF: テトラヒドロフラン
CHCl3: クロロホルム
AcOEt: 酢酸エチル
D2O: 重水
DMSO-d6: 重水素化ジメチルスルホキシド
MeOH: メタノール
Et2O: ジエチルエーテル
TLC: 薄相クロマトグラフィー
L-アミノ酸または側鎖を保護したL-アミノ酸(1.0 mol)を4M NaOH (250 mL, 1.0 mol)に溶かし、氷-MeOHで徐々に冷却しながら最小量のジオキサンに溶かした(Boc)2O (240.0 g,
1.1 mol)を30分かけて徐々に加えた。氷浴で1時間、室温で1時間半攪拌した。析出したNaHCO3をろ別した後、pH3.0にしてAcOEtで抽出する。抽出溶液は10%クエン酸水溶液で洗浄の後、Na2SO4で乾燥させた。乾燥剤をろ別後、ろ液は減圧濃縮し、残渣にヘキサンを加えて結晶化させた。その後、AcOEt-ヘキサンで再結晶を行い、Boc-L-アミノ酸を得た。
アミノ基をN-α-t-ブトキシカルボニル保護したペプチド化合物を300 mLナスフラスコに入れドラフト内でTFA(または4M HClのジオキサン溶液)を加え溶解させた。直ちに塩化カルシウム管で蓋をし、水分の混入を防いだ。TLCにより反応の終了を確認後、濃縮しTFA臭(または塩酸臭)がなくなるまで繰り返し蒸留Et2Oを加えて濃縮すると最終的にTFA塩(または塩酸塩)の白色粉末を得る。収率は、ほぼ定量的である。
(1)Boc-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)n-Phe-PEG4000 (n = 1-6)の合成
(1a: Boc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OHの合成)
300 mLナスフラスコにBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OBzl (5.4 g, 8.5 mmol) を入れ、少量のMeOHによって溶解させた。5%Pd-Cと水素ガスによって接触還元反応を13時間行った。反応終了後、フィルターを用いて5%Pd-Cをろ別し、反応溶液を濃縮後、目的物を無色oilとして得た。収量4.3 g (収率93%)
300 mLナスフラスコにBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OH (4.3 g, 7.8 mmol)を入れ、少量の蒸留THFで溶解させた。その中に、HOSu (1.0 g, 8.6 mmol)を加え、さらに氷冷撹拌しながらDCC (1.8 g, 8.6 mmol)を加え氷冷下で1時間、室温で一晩撹拌しながら反応させた。21時間後、TLCにより反応の終了を確認後、反応溶液中のDCUをろ去した。ろ液を濃縮し、AcOEt-Et2O-石油エーテルから結晶化させた。ろ取、減圧乾燥した後に再びAcOEt-Et2O-石油エーテルから再結晶化し、無色固体のBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OSuを得た。収量4.7 g (収率95%)
500 mLナスフラスコにBoc-Phe-OH (15.9 g, 60.0 mmol)を入れ、蒸留THFで溶解させた。その中に、HOSu (8.3 g, 72.0 mmol)を加え、さらに氷冷撹拌しながらDCC (14.9 g, 72.0 mmol)を加え氷冷下で1時間、室温で一晩撹拌しながら反応させた。13時間後、TLCにより反応の終了を確認後、反応溶液中のDCUをろ去した。ろ液を濃縮し、AcOEt-ヘキサンで結晶化させた。ろ取、減圧乾燥した後、同様にAcOEt-ヘキサンより再結晶化させた。ろ取、減圧乾燥した後、無色固体のBoc-Phe-OSuを得た。収量23.0 g (収率は〜100%で定量的)
1000 mLナスフラスコに平均分子量4000のポリエチレングリコール(PEG4000, Merck社,
80.0 g, 20.0 mmol)を入れ、蒸留THF-アセトニトリル(=1:2 (v/v)) (300.0 mL) で溶解させた。38℃の湯浴で撹拌しながら、その中にBoc-Phe-OSu (21.7 g, 60.0 mmol)を加えた。さらに、DMAP (0.50 g, 4.0 mmol)を加え5日間反応させた。反応終了後、反応溶液を濃縮し、CH2Cl2に置換後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、蒸留水で2回、10%クエン酸水溶液で3回、蒸留水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機相はNa2SO4を加えて乾燥させた後に濃縮し、ベンゼン共沸を行い、CHCl3-Et2Oで結晶化させた。ろ取、減圧乾燥した後、ベンゼンによって脱水を行った。CHCl3-Et2Oより再結晶、ろ取、減圧乾燥した後、生成物の1H NMRスペクトルを測定したところ、反応が未完全であったため、再び反応させた。同様の手順で反応を行い、目的物の無色固体を得た。PEG40001分子に対して2等量のBoc-Pheの導入が可能である。収量55.3 g (収率61.5%)
500 mLナスフラスコ中でHCl.H-Phe-PEG4000 (48.8 g, 11.7 mmol; 合成手順2の方法でBoc-Phe-PEG4000より生成し、HCl.H-Phe- のモル比はPEG4000 に対し、およそ1等量であることを1H-NMRより確認した) を蒸留THFで溶解し、撹拌しながらNMM (1.3 mL, 11.7 mmol)で中和した。更にBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OSu (11.5 g, 17.6 mmol)を加え3日間反応させた。反応終了後、反応溶液を濃縮し、CH2Cl2に置換後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で3回、蒸留水で2回、10%クエン酸水溶液で3回、蒸留水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機相はNa2SO4によって乾燥、濃縮し、CHCl3-Et2Oにより結晶化した。AcOEt-Et2Oより再結晶し、目的物の無色固体を得た。収量50.1 g (収率92%)
500 mLナスフラスコ中でHCl.H-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-Phe-PEG4000 (48.1 g, 10.4 mmol; 合成手順2で合成) を蒸留THFで溶解し、撹拌しながらNMM(1.1 mL, 10.4 mmol)で中和した。その中にBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OSu (10.0 g, 15.6 mmol)を加え3日間反応させた。反応終了後、反応溶液を濃縮し、CH2Cl2に置換後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、蒸留水で2回、10%クエン酸水溶液で3回、蒸留水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機相はNa2SO4によって乾燥、濃縮し、CHCl3-Et2Oにより結晶化した。CHCl3-Et2Oより再結晶し、目的物の無色固体を得た。収量49.0 g (収率92%)
500 mLナスフラスコ中でHCl.H-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)2-Phe-PEG4000 (35.7 g, 7.0 mmol; 合成手順2で合成) を蒸留THFで溶解し、撹拌しながらNMM (0.8 mL, 7.0 mmol)で中和した。次にBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OSu (6.7 g, 10.5 mmol)を加え3日間反応させた。反応終了後、反応溶液を濃縮し、CH2Cl2に置換後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、蒸留水で2回、10%クエン酸水溶液で3回、蒸留水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機相はNa2SO4によって乾燥、濃縮し、CHCl3-Et2Oにより結晶化した。アセトニトリル-Et2Oより再結晶し、目的物の無色固体を得た。収量33.2 g (収率85%)
500 mLナスフラスコにHCl.H-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)3-Phe-PEG4000 (16.4 g, 3.0 mmol; 合成手順2で合成) を蒸留THFで溶解し、撹拌しながらNMM (0.3 mL, 3.0 mmol)で中和した。次にBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OSu (2.9 g, 4.5 mmol)を加え3日間反応させた。反応終了後、反応溶液を濃縮し、CH2Cl2に置換後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、蒸留水で2回、10%クエン酸水溶液で3回、蒸留水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機相はNa2SO4によって乾燥、濃縮し、CHCl3-Et2Oにより結晶化した。アセトニトリル-Et2Oより再結晶し、目的物の無色固体を得た。収量15.1 g (収率84%)
300 mLナスフラスコにHCl.H-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)4-Phe-PEG4000 (8.9 g, 1.5 mmol; 合成手順2で合成)を入れ、蒸留THFで溶解させ、撹拌しながらNMM (0.2 mL, 1.5 mmol, 1.0 eq.)で中和した。その中にBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OSu(1.4 g, 2.3 mmol, 1.5 eq.)を加え4日間反応させた。反応終了後、反応溶液を濃縮し、CH2Cl2に置換後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、蒸留水で2回、10%クエン酸水溶液で3回、蒸留水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機相はNa2SO4によって乾燥、濃縮し、アセトニトリルに溶解した。不溶物を遠心分離によって沈降させた後、上澄み液を濃縮し、Et2Oで結晶化し、目的物の無色固体を得た。収量8.7 g (収率90%)
300 mLナスフラスコにHCl.H-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)5-Phe-PEG4000 (5.8 g, 0.9 mmol; 合成手順2で合成) を入れ、蒸留THFで溶解させ、撹拌しながらNMM (0.1 mL, 0.9 mmol)で中和した。その中にBoc-Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro-OSu (0.9 g, 1.4 mmol)を加え4日間反応させた。反応終了後、反応溶液を濃縮し、CH2Cl2に置換後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、蒸留水で2回、10%クエン酸水溶液で3回、蒸留水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機相はNa2SO4によって乾燥、濃縮し、アセトニトリルに溶解した。不溶物を遠心分離によって沈降させた後、上澄み液を濃縮し、Et2Oで結晶化し、目的物の無色固体を得た。収量4.9 g (収率77%)
(2)Boc-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)n-Phe-PEG4000 (n = 1-6)の1H-NMRスペクトル
実施例1に記載した、フラグメント縮合反応によるデプシペプチド鎖の伸長を1H-NMRスペクトルにより追跡した(図1)。表1には観測された積分値のまとめを示した。これにより、ポリエチレングリコール鎖1分子に対し1分子のデプシペプチド鎖に相当する積分値がそれぞれのブロック共重合体に対して観測された。
(3)見かけの吸光度による温度応答性の観測
本発明により得られたブロック共重合体、Boc-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)n-Phe-PEG4000 (n = 1-6)について、それらの水溶液を加温することによる温度応答性変化をみかけの吸光度により観測した。観測波長には350 nmを用いた。これは目視による光の散乱即ち白濁する現象に対応している。図2〜7はn = 1〜6の鎖長を持つそれぞれのブロック共重合体水溶液を加温することによって観測された濁度データを示した。グラフの縦軸は透過率から換算した濁度を用いた。これにより温度応答の開始温度を比較することができる。ここには冷却による濁度変化を示していないが、n = 2〜6の水溶液は全て可逆な温度応答性を示した。n = 1では温度応答性が見られなかった。
(4)粒子径測定と温度変化
本発明により得られたブロック共重合体のミセル形成を調べるために、動的光散乱(DLS)測定装置(製品名、Zetasizer Nano)による粒子径測定を行った。この測定に於いて粒子径とは、測定している粒子の拡散速度と同じ拡散速度を示す球体の直径を粒子径と称する。これは、試料溶液中のブラウン運動している微粒子にレーザー光を照射し、粒子からの散乱光がブラウン運動の速度に対応した揺らぎ(光の強度の変動)であり、散乱光強度の変動速度を測定し、粒子径を求めるものである。そのため、DLSで測定する粒子径分布は光強度分布 (散乱光強度、Intensity) に対応している。粒子の体積分布や個数分布は、光強度分布を換算することで求めることができる。
(5)固体分散法によるミセルへの薬物導入効率
本発明により得られたブロック共重合体、Boc-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)5-Phe-PEG4000 の形成するミセルが薬物を内包する効率を固体分散法によって調べた(図9)。薬物にはデ
キサメタゾンパルミテート(dexamethasone palmitate, Dexpal)を用いた。薬物導入は2回目の相転移を起こす前の温度(〜38℃)で行った。得られた溶液は凍結乾燥し、Dexpal導入ミセルとして各種測定(粒径分布や1H-NMRスペクトル)に用いた。薬物導入効率のデータを表3に示した。
(6)固体分散法により形成された薬物内包ミセルの1H-NMRスペクトル
本発明により得られたブロック共重合体、Boc-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)5-Phe-PEG4000 の形成するミセルが薬物を内包していることを1H-NMRスペクトルによって調べた(図10)。DMSO-d6中のスペクトル(10 mg/mL、図10(c))では、ブロック共重合体とDexpalの両方のピークが観測された。一方、D2O中のスペクトル(15 mg/mL、図10(a))では、ポリエチレングリコールのピークが主に検出された。また小さく見えるのはデプシペプチド鎖のシグナルである。Dexpalのシグナルは観測されなかった。これらはD2O中で、ブロック共重合体がミセルを形成し、内核に取り込まれたDexpalのように、運動性が低い部分の1HシグナルがT2ブロードニングを起こすため観測されにくくなることに由来している。
(7)薬物導入型ミセルの粒子径測定と温度変化
本発明により得られたブロック共重合体、Boc-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)5-Phe-PEG4000 によって作成された薬物内包ミセルの粒径分布と温度変化を動的光散乱(DLS)測定装置(製品名、Zetasizer Nano)によって測定した(20 mg/mL、図11)。驚くべきことに、薬物を内包しているミセルは低温(10℃)でも安定なナノ粒子を形成し、高温(61℃)に於いて相転移が1回観測されただけであった。これは長鎖アルキル基であるパルミチン酸を有するDexpalは疎水性が高く、ミセルの内核を安定にしていることが考えられる。さらに驚くべきことはDexpalによって安定化されたミセルは観測された直径が広い温度範囲(10〜48℃)に於いても変化しない(109〜119 nm)ことがわかった(図11(a〜e))。高温に於ける相転移直後(図11(d))は1100 nmの粒径が一時的に観測されたが、30分後(図11(e))にはこのシグナルも観測されなくなり、大きな凝集体のみへと変化することも、ブロック共重合体の相転移挙動として非常に興味深い。より薄い濃度(10 mg/mL)に於いても同様な粒子径と相転移によるの粒子径の変化が観測された。
(8)薬物導入型ミセルからの薬物放出挙動
本発明により得られたブロック共重合体、Boc-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)5-Phe-PEG4000 によって作成された薬物内包ミセルからの薬物の放出挙動を調べた。薬物にはデキサメタゾン(dexamethasone, Dex)を用いた。薬物導入は22℃で行った。得られた溶液は凍結乾燥し、Dex導入ミセルとして本測定に用いた。Dex導入ミセル10 mg(薬物は1 mg内包)を
蒸留水 1 mLに溶解させて、透析チューブ(Spectra-Por Float-A-Lyzer Dialysis Tubes
(cellulose ester) MWCO = 5,000)に入れた。透析チューブは50 mLの蒸留水が入ったナスフラスコに乗せて、放出測定を開始した。ナスフラスコは水浴によって22℃、37℃、57℃に保温した。ナスフラスコ内には撹拌子を入れてゆっくり撹拌を行った。放出されたDexは240 nmの吸光度を測定して定量した。
(9)CA-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)5-Phe-PEG4000の合成
(9a: CA-OSuの合成)
100 mLナスフラスコにCA-OH (4.06 g, 9.94 mmol) を蒸留THF、アセトニトリル、DMFの混合溶液中で加温しながら溶解させ、その中にHOSu (1.26 g, 10.9 mmol) を加えた。さらに氷冷撹拌しながら DCC (2.22 g, 10.7 mmol) を加えて氷冷下で1時間、室温で19時間反応させた。反応終了後、DCUをろ去し、真空ポンプでDMFを濃縮し、酢酸エチル置換を行った。残渣に酢酸エチル/へキサンを加えて結晶化させた。それをろ取し、減圧乾燥後、同じく酢酸エチル/へキサンを加えて再結晶化させた。減圧乾燥後、目的物である白色固体を得た。収量4.90 g(収率97%)。
100 mLナスフラスコにHCl・H-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)3-Phe-PEG4000 (0.69 g, 0.12 mmol; 合成手順2で合成) を入れ、蒸留THFとベンゼンに溶解させベンゼン共沸を行った。溶媒を完全に除去した後、蒸留THFを加え、氷冷撹拌しながらNMM (13 μL, 0.126 mmol) で中和した。次に、CA-OSu (95.8 mg, 0.18 mmol) を加えた。CA-OSuは蒸留THFだけでは溶解しなかったため、蒸留クロロホルムを少量加えて溶解させ、反応させた。途中から37 oC付近で加温しながら5日間反応させた。反応終了後、反応溶液を濃縮し、ジクロロメタンに置換し、10%クエン酸水溶液で3回、イオン交換水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。その後、有機層に無水Na2SO4を加え脱水した。Na2SO4をろ去し、ろ液を濃縮し、残渣にクロロホルム/エーテルを加えて結晶化させた。それをろ取し、減圧乾燥後、同じくクロロホルム/エーテルを加えて再結晶化させた。減圧乾燥後、目的物である白色固体を得た。収量470 mg(収率64%)。
(10)見かけの吸光度による温度応答性の観測
本発明により得られたブロック共重合体、CA-(Gly-Ile-Gly-Hmb-Pro)3-Phe-PEG4000 について、その水溶液を加温することによる温度応答性変化をみかけの吸光度により観測した。観測波長には350 nmを用いた。これは目視による光の散乱即ち白濁する現象に対応している。図13は観測された濁度データを示した。グラフの縦軸は透過率から換算した濁度を用いた。これにより温度応答の開始温度を比較することができる。
(11)Boc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)n-Leu-Phe-PEG5000-OMe (n = 1-6)の合成
(11a: Boc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OHの合成)
300 mLナスフラスコにBoc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OBzl (13.2 g, 21.3 mmol) を入れ、少量のMeOHによって溶解させた。5%Pd-Cと水素ガスによって接触還元反応を10時間行った。反応終了後、フィルターにより5%Pd-Cをろ別し、反応溶液を濃縮後、AcOEt-hexaneから結晶化させた。ろ取、減圧乾燥した後に再びAcOEt-hexaneから再結晶化し、白色固体のBoc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OHを得た。収量11.1 g (収率99%)。
300 mLナスフラスコにBoc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OH (3.2 g, 6.0 mmol)を入れ、少量の蒸留THFで溶解させた。その中に、HOSu (0.7 g, 6.0 mmol)を加え、さらに氷冷撹拌しながらDCC (1.4 g, 6.6 mmol)を加え氷冷下で1時間、室温で一晩撹拌しながら反応させた。30時間後、TLCにより反応の終了を確認後、反応溶液中のDCUをろ去した。ろ液を濃縮し、AcOEt-hexaneから結晶化させた。ろ取、減圧乾燥した後に再びAcOEt-hexaneから再結晶化し、白色固体のBoc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSuを得た。収量4.7 g (収率95%)。
1000 mLナスフラスコに平均分子量5000のモノメトキシポリエチレングリコール(PEG5000-OMe, Merck社, 50.0 g, 10.0 mmol)を入れ、蒸留THF-アセトニトリル(=1:2 (v/v)) (300.0 mL) で溶解させた。38℃の湯浴で撹拌しながら、その中にBoc-Phe-OSu (5.4 g, 15.0 mmol)を加えた。さらに、DMAP (0.18 g, 1.5 mmol)を加え5日間反応させた。反応終了後、反応溶液を濃縮し、CH2Cl2に置換後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、蒸留水で2回、10%クエン酸水溶液で3回、蒸留水で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回、蒸留水で1回、飽和食塩水で1回洗浄した。飽和食塩水で1回洗浄した。有機相はNa2SO4を加えて乾燥させた後に濃縮し、ベンゼン共沸を行い、CHCl3-Et2Oで結晶化させた。ろ取、減圧乾燥した。CHCl3-Et2Oより再結晶、ろ取、減圧乾燥した後、生成物の1H NMRスペクトルを測定したところ、反応が未完全であったため、再び反応させた。同様の手順で反応を行い、目的物の無色固体を得た。収量49.7 g (収率95%)。
HCl・H-Phe-OPEG5,000-OCH3 (48.9g, 9.4 mmol; 合成手順2で合成)を500 mLナスフラスコに入れ、蒸留THFを加えて溶解させた。さらに、NMM (9.4 mmol)を加え、中性になったことを確認後、Boc-Leu-OSu (4.63 g, 14.1 mmol)を室温中で加え、38℃で撹拌しながら反応させた。128時間後、反応溶液を濃縮した。その後CHCl3を加えて、10%クエン酸水溶液で2回、蒸留水で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、蒸留水で1回、飽和食塩水で1回洗浄した。洗浄後の有機相に無水Na2SO4を加えて脱水した。無水Na2SO4をろ去し、ろ液を濃縮後、CH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させた。それをろ取し減圧乾燥させた。その後、再びCH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させ、ろ取し減圧乾燥させた。目的物である白色粉末固体のBoc-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3を得た。収量46.8 g (収率93%); mp 54-55℃; [α]D 20 = -27.8°(MeOH, c0.1)。
HCl・H-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3 (22.7 g, 4.3 mmol; 合成手順2で合成)を500 mLナスフラスコに入れ、蒸留THFを加えて溶解させた。さらに、NMM (470μL, 4.3 mmol)を加え、中性になったことを確認後、Boc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSu (4.34 g, 6.9 mmol )を室温中で加え、38℃で撹拌しながら反応させた。65時間後、反応溶液を濃縮した。その後CHCl3を加えて、10%クエン酸水溶液で2回、蒸留水で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、蒸留水で1回、飽和食塩水で1回洗浄した。洗浄後の有機相に無水Na2SO4を加えて脱水した。無水Na2SO4をろ去し、ろ液を濃縮後、CH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させた。それをろ取し減圧乾燥させた。その後、再びCH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させ、ろ取し
減圧乾燥させた。目的物である白色粉末固体のBoc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3を得た。収量23.2 g (収率94%); mp 55-56℃; [α]D 20 = 18.2°(MeOH, c0.1).
HCl・H-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3 (21.0 g, 3.7 mmol; 合成手順2で合成)を500 mLナスフラスコに入れ、蒸留THFを加え溶解させた。さらに、pyridine (295μL, 3.7 mmol)、NMM (404μL, 3.7 mmol)を加え、中性になったことを確認後、Boc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSu (3.45 g, 5.5 mmol)を室温中で加え、38℃で撹拌しながら反応させた。12時間後、反応溶液がゲル状になりスターラーが回らなくなった。そこで蒸留THFを濃縮し、蒸留CHCl3とCH3CNを加えて反応を再び開始させた。72時間後、反応を終了させ、反応溶液を濃縮し、ゲル状になった。これにCH2Cl2を加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、蒸留水で2回、10%クエン酸水溶液で2回、蒸留水で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。有機相に無水Na2SO4を加えて脱水した。無水Na2SO4をろ去したところ、洗浄の際エマルジョンになり、多量に塩が析出してしまった。そこで回転数3000-3500 rpmで遠心分離を6分間行った。その後、上澄み液を回収し、ろ液を濃縮後、CH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させた。それをろ取し、減圧乾燥させた。その後、再びCH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させ、ろ取し減圧乾燥させた。そして目的物である白色粉末固体のBoc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)2-Leu-Phe-OPEG5,000-OCH3を得た。収量19.8 g (収率87% ); mp 54-56℃; [α]D 20 = -29.5°(MeOH, c0.1).
HCl・H-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)2-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3 (17.5 g, 2.8 mmol; 合成手順2で合成)を500 mLナスフラスコに入れ、蒸留CHCl3とCH3CN (各200 mL, 100 mL)を加え溶解させた。さらに、pyridine (228μL, 2.8 mmol)、NMM (313μL, 2.8 mmol)を加え、中性になったことを確認後、Boc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSu (2.67 g, 4.3 mmol)を室温中で加え、38℃で撹拌しながら反応させた。69時間後、反応を終了させ、反応溶液を濃縮し、ゲル状になった。これにCH2Cl2を加えて、10%クエン酸水溶液で1回、蒸留水で1回、飽和食塩水で2回洗浄した。有機相に無水Na2SO4を加えて脱水した。無水Na2SO4をろ去したところ、洗浄の際エマルジョンになってしまったため、多量に塩が析出した。そこで回転数3000-3500 rpmで遠心分離を6分間2回行った。その後、上澄み液を回収し、ろ液を濃縮後、CH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させた。それをろ取し、減圧乾燥させた。その後、再びCH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させ、ろ取し減圧乾燥させた。白色粉末固体のBoc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)3-Leu-Phe-OPEG5,000-OCH3を得た。収量19.8 g (収率87%); mp 52-54℃; [α]D 20 = -17.2°(MeOH, c0.1).
HCl・H-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)3-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3 (14.5 g, 2.2 mmol; 合成手順2で合成)を500 mLナスフラスコに入れ、蒸留CHCl3とCH3CN (各200 mL, 100 mL)を加え溶解させた。さらに、pyridine (177μL, 2.2 mmol)、NMM (243μL, 2.2 mmol)を加え、中性になったことを確認後、Boc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSu (2.08 g, 3.3 mmol)を室温中で加え、38℃で撹拌しながら反応させた。88時間後、反応を終了させ、反応溶液を濃縮し、ゲル状になった。これにCHCl3を加えて、10%クエン酸水溶液で1回、蒸留水で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。有機相に無水Na2SO4を加えて脱水した。無水Na2SO4をろ去したところ、洗浄の際エマルジョンになってしまったため、多量に塩が析出した。そこで回転数3000-3500 rpmで遠心分離を6分間行った。その後、上澄み液を回収し、ろ液を濃縮後、CH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させた。それをろ取し、減圧乾燥させた。その後、再びCH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させ、ろ取し減圧乾燥させた。白色粉末固体のBoc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)4-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3を得た。収量14.0 g (収率90%); [α]D 20 = -55.5°(MeOH, c0.1).
HCl・H-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)4-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3 (9.84 g, 1.4 mmol; 合成手順2で合成)を300 mLナスフラスコに入れ、蒸留CHCl3とCH3CN (各150 mL, 70 mL)を加え溶解させた。さらに、pyridine (114μL, 1.4 mmol)、NMM (156μL, 1.4 mmol)を加え、中性になったことを確認後、Boc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSu (1,33 g, 2.1 mmol)を室温中で加え、38℃で撹拌しながら反応させた。119時間後、反応を終了させ、反応溶液を濃縮し、ゲル状になった。これにCHCl3を加えて、10%クエン酸水溶液で1回、蒸留水で2回、飽和食塩水で2回洗浄した。有機相に無水Na2SO4を加えて脱水した。無水Na2SO4をろ去したところ、洗浄の際エマルジョンになり、多量に塩が析出した。そこで回転数3000-3500 rpmで遠心分離を6分間行った。その後、上澄み液を回収し、ろ液を濃縮後、CH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させた。それをろ取し、減圧乾燥させた。その後、再びCH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させ、ろ取し減圧乾燥させた。その後、1H NMR測定を行ったところ、クエン酸と見られるピークが観測されたので、その後CHCl3を加えて、蒸留水で1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、蒸留水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。洗浄後の有機相に無水Na2SO4を加えて脱水した。無水Na2SO4をろ去し、ろ液を濃縮後、CH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させた。それをろ取し減圧乾燥させた。そして目的物である白色粉末固体のBoc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)5-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3を得た。収量7.40 g (収率 70%); [α]D 20 = -48.3°(MeOH, c0.1).
HCl・H-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)5-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3 (3.9 g, 0.53 mmol; 合成手順2で合成)を300 mLナスフラスコに入れ、蒸留CHCl3とCH3CN (各100 mL, 50 mL)を加え溶解させた。さらに、pyridine (43μL, 0.53 mmol)、NMM (59μL, 0.53 mmol)を加え、中性になったことを確認後、Boc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSu (0.66 g, 1.05 mmol)を室温中で加え、38℃で撹拌しながら反応させた。48時間後、Boc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSu (0.22 g, 0.35 mmol)を追加した。135時間後、反応を終了させ、反応溶液を濃縮するとゲル状になった。これにCH2Cl2を加えて、10%クエン酸水溶液で1回、蒸留水で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、蒸留水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。有機相に無水Na2SO4を加えて脱水した。無水Na2SO4をろ去したところ、洗浄の際にエマルジョンになり、多量に塩が析出した。そこで回転数3000-3500 rpmで遠心分離を6分間行った。その後、上澄み液を回収し、ろ液を濃縮後、CH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させた。それをろ取し、減圧乾燥させた。その後、再びCH2Cl2/脱水etherを加えて結晶化させ、ろ取し減圧乾燥させた。白色粉末固体のBoc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)6-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3を得た。収量3.34 g (収率80%).
Boc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)7-Leu-Phe-PEG5000-OMeについても、Boc-Ala-Ile-Gly-Lac-Pro-OSu とHCl・H-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)6-Leu-Phe-OPEG5000-OCH3から同様な方法で合成することができる。収量1.50 g (収率80%).
(12)見かけの吸光度による温度応答性の観測
本発明により得られたブロック共重合体、Boc-(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)n-Leu-Phe-PEG5000-OMe (n = 5,6)について、その水溶液を加温することによる温度応答性変化をみかけの吸光度により観測した。観測波長には350 nmを用いた。これは目視による光の散乱即ち白濁する現象に対応している。図14と図15は観測された濁度データを示した。グラフの縦軸は透過率から換算した濁度を用いた。これにより温度応答の開始温度を比較することができる。
(■), 50 mg/mL (●)の相転移挙動は2つの相転移を確認できた。一方、濃度の低い10 mg/mL (△)は、高温側の相転移挙動は大きな濁度の上昇が見られなかった。高温側の相転移の温度は30 mg/mLで約43℃であり、50 mg/mLでは約30℃とわかった。よって、高温側の相転移温度はポリエチレングリコール鎖を持たないpoly(Ala-Ile-Gly-Lac-Pro)と同様に濃度依存性があった。また濁度上昇は比較的緩やかになることがわかった。これは共重合体による効果と考えられる。
Claims (6)
- 式(V)、式(VI)、式(VII)及び式(VIII)の何れかで表され、セグメント縮合により合成されるブロック共重合体。(式中、Y1はデプシペプチド構造部分の末端に結合した疎水性修飾基を表し、該疎水性修飾基はアルキル基、アリール基、コール酸、デオキシコール酸、アルキル脂肪酸、パルミチン酸、抗ガン剤、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、パクリタキセル(タキソール)、抗真菌薬、アンホテリシンB、抗生物質、デキサメタゾン、オリゴペプチド、オリゴデプシペプチド、蛍光色素、フルオレッセイン誘導体、ローダミン誘導体、シアニン誘導体及び放射性ラベル化剤から選ばれ、Rはポリエチレングリコール構造部分の末端に結合した修飾基または水素原子を表し、nは2〜20の整数を表し、mは2〜1000の整数を表す)
- 前記Y 1 が、tert-ブトキシカルボニル基又はコール酸である、請求項1に記載のブロック共重合体。
- 担体に固定化された、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載のブロック共重合体からなる薬物内包用の担体。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載のブロック共重合体を、水、緩衝液、食塩水、または含水有機溶媒と混合することにより得られる、溶媒和、ゲル、懸濁物、均一な溶液、または
相分離状態を形成する組成物。 - 請求項1又は2に記載のブロック共重合体と薬剤を含む、医薬組成物。
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