JP4911358B2 - 光バースト信号中継装置及び光通信システム - Google Patents
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Description
この光通信システムにおいて、局側装置OLTと各宅側装置ONUとの間を、それぞれ1本の光ファイバで放射状に結ぶ(Single Star)構成を有する光ファイバ通信ネットワークが構築,実用化されている。このネットワークの構成では、システムや通信機器などの構成は簡単になるが、1つの宅側装置ONUが、一本の光ファイバを占有しており、局側装置OLTにこの光ファイバを直接配線接続しなければならない。よって、宅側装置ONUがN局あれば、局側装置OLTから直接配線接続される光ファイバがN本必要となり、光通信システムの低価格化を図るのが困難である。
1つの光通信システムには、宅側装置ONUは通常、複数あり、光カプラで分岐された光ファイバが、宅側装置ONUの数に合わせて備えられている。
このようなPONシステムではN局の宅側装置ONUが1つの局側装置OLTを共有するため、宅側装置ONUから局側装置OLTへは時分割多重によって信号が衝突しないようにデータ伝送を行う。宅側装置ONUは局側装置OLTによって割り当てられた期間でのみ光信号を発光してデータ伝送を行うため、局側装置OLTにはN局の宅側装置ONUから間欠的な信号(多数の0と1とを含むひとかたまりの信号;光バースト信号という)が伝送される。
またこの光バースト信号中継装置によれば、1バーストごとに光強度や周波数/位相が変化する光バースト信号に追随して電気信号を復元する。復元された電気信号を光信号に変換する際に、レーザダイオードなどの発光素子の発光消光が頻繁に行われる。発光の有無で発光素子に流れる電流量が変化するため、温度が不安定になる。発光素子の発光波長は温度依存性を持つため、発光素子の温度管理が必要になってくる。温度管理をしなければ、発光素子の発振波長の精度が下がるという問題がある。
この光バースト信号中継装置によれば、無信号区間に中継装置の監視情報を挿入して中継することで、中継装置の監視情報を局側に提供することができる。 さらにこの光バースト信号中継装置によれば、光バースト信号を光連続信号に変換して中継するので、中継装置の発光素子の温度が安定し、波長の精度が向上する。
前記タイミング制御部は、監視情報信号を挿入する前に、前記バッファ部に記憶された上り信号の無信号区間に、他の光バースト信号中継装置により挿入された監視情報パターンが存在しているかどうかを検出する機能を持っていることが好ましい。中継装置同士を接続した多重中継光通信システムにおいては、上流の中継装置により挿入された監視情報パターンとの競合を回避する必要があるので、このような検出機能が必要となる。これにより、中継されてきた監視情報(多段中継の場合は複数になる)と自身の監視情報をまとめて、通信ポートから局側に出力することができる。
前記監視情報パターン保持部の保持する監視情報の例として、中継装置の電源に関する情報、受信信号のフレームエラーに関する情報があげられる。
図1は、局側装置OLTと複数の宅側装置ONUとを、光ファイバで接続した光通信システム1の構成例を示す概略図である。
光通信システム1は、制御局側局舎に備えられる局側装置OLT2と、複数の加入者宅に備えられる宅側装置ONU3a,3b,...(以下、総称するときは「宅側装置ONU3」という)と、局側装置OLT2に接続された幹線光ファイバ4a及び各宅側装置ONU3に接続された支線光ファイバ4b(以下、総称するときは「光ファイバ4」という)と、幹線光ファイバ4aと複数の支線光ファイバ4bとを接続するための光カプラ5と、幹線光ファイバ4aの途中に挿入された光信号中継装置7を備えている。
光カプラ5は、外部からの電源供給を特に必要とせず、一方に接続された光ファイバ4から入力される信号を、受動的に分岐又は多重化して、他方に接続された光ファイバ4に出力することができるスターカプラで形成されている。これにより、1つの局側装置OLT2に対して、多くの宅側装置ONU3を割り当てることができ、全体的な設備コストを抑えることができる。
このGE−PONシステムに従えば、局側装置OLT2と宅側装置ONU3とは、可変長なフレームを単位として、相互の通信を行う。このフレームは、サンプリング・データを含む同期ビット部と、64バイト以上のデータ部とを有している。
まず、インターネット網などの上位のネットワークから宅側装置ONU3へ向けて送られる下り方向の信号の流れを説明する。
インターネット網から信号を受け取った局側装置OLT2において、中継されるべき論理リンクを特定するために、所定のブリッジ処理が行われる。このとき、局側装置OLT2は、フレーム信号に、論理リンク識別子を含む同期ビット部やGE−PONヘッダなどの情報を付加し、光信号に変換して、幹線光ファイバ4aに送る。この下りの光信号は、特定の宅側装置ONU3を指定した送信信号と、宅側装置ONU3を指定しないアイドル信号との組み合わせで構成されており、途絶えることのない光連続信号となっている。
各PC9からのデータは、各宅側装置ONU3を介して、光バースト信号に変換される。光バースト信号を構成するビットの伝送レートは、例えばGE−PONの場合1.25Gbpsである。
図2は、時分割方式を用いて、各宅側装置ONU3から光ファイバ4aを介して局側装置OLT2へ送られる、上り光フレーム信号の光バースト伝送を示す模式図である。
上り光フレーム信号は、上述のとおり、宅側装置ONU3aからの光バースト信号6aと、宅側装置ONU3bからの光バースト信号6bと、宅側装置ONU3cからの光バースト信号6cとが互いに時間的に競合しないように、ウィンドウによる制御を受けて、送信されている。
各宅側装置ONU3からの光バースト信号に含まれる信号は、プリアンブルを構成する同期ビット部PAと、複数のフレームやセルが含まれたデータ部DATAとを含んでいる。
図3は、本発明の光バースト信号中継装置7′の構成を示すブロック図である。図4は、光バースト信号中継装置7′内の各部の信号波形図である。
本実施の形態では、光バースト信号中継装置7′は、図1及び図2の光信号中継装置7において、宅側装置ONUから局側装置OLTへの上りの光バースト信号を中継する。局側装置OLTから宅側装置ONUへの下りの光連続信号の中継には、光連続信号用の中継装置を使用すればよい。光バースト信号中継装置7′を使用することもできるが、タイミング制御部や各パターン保持部など光連続信号の中継に不要な部分を除いた単純な光中継装置がより好ましい。
光/電気変換器71は、例えば光バースト信号の光強度をしきい値と比較することにより、光バースト信号の有無を検出する光バースト信号の検出回路を搭載している。
なお、タイミング制御部77は、次のような構成で光バースト信号の受信開始/受信終了を検出してもよい。すなわち、タイミング制御部77は、光/電気変換器71の出力をモニタして0信号の連続を検出する0連続検出部を持っている。GE−PONの場合、8B10Bの符号化を行うため、光バースト信号受信中は同一符号が高々5ビットしか連続しない。そのため、0信号が6ビット以上連続した場合に、受信終了となる。そして、受信終了後の0連続信号検出の解除(つまり1信号の検出)で受信開始を判断する。
光バースト信号の検出回路をピークホールド回路で構成する場合、ピークホールド回路はピーク値を保持するコンデンサへの充電は高速であるが、放電は緩やかに行われるため、光バースト信号の受信開始は高速に検出できるが、受信終了の検出は遅くなることがある。
そこで、光バースト信号検出で光バースト信号の受信開始を検出し、0連続検出で受信終了を検出することで、光バースト信号の受信開始/受信終了を高速に検出できる。
一方、光バースト信号中継装置7′には、基準クロック(図4(b)参照)が入力される。
この基準クロックは、光バースト信号中継装置7′のアイドルパターン保持部74、バッファ部73、タイミング制御部77、開始パターン保持部78、終了パターン保持部79、監視情報パターン保持部80に供給される。
これにより、前記再生クロックと基準クロックの周波数が少しずれていても、その時間範囲が1バースト信号区間に限定されるので、少ないバッファ容量でクロックのずれを吸収し、再生クロックから基準クロックに変換することができる。
(1.25×109)×(100×10-6)×200×10-6=25
となるため、50ビットのバッファ容量で、受信開始から25ビットを蓄積してから出力すれば、バッファがオーバフロー/ショートすることがなくなる。
アイドルパターン保持部74は、1と0が混合した状態で続く所定のアイドルパターンを保持し、基準クロックに同期させて出力するメモリで構成される。なお、アイドルパターンを決定するとき、1と0は常に交互に存在させる必要はなく、例えば1がNビット続いたり、0がMビット続いたりしても良い。N,Mは、電気/光変換器76の前段に挿入されるコンデンサCのカットオフ周波数に相当するビット数を上限として選ばれる自然数であり、例えば「数百」の値となる。1が連続してNビット以下、又は0が連続してMビット以下続く場合は、送信信号は減衰なくコンデンサCを通過できるが、1がNビットを超えて連続したり、0がMビットを超えて連続したりすると、送信信号がコンデンサCのために減衰してしまうようにする。
監視情報パターン保持部80は監視情報パターンを保持している。監視情報パターンの種類については、後に[表1]を用いて説明する。
切替部75は、タイミング制御部77からの切替信号に基づいて、無信号区間の初めから所定時間にわたり、まず開始パターン保持部78に格納された開始パターンを出力させる。前記所定時間の後に、監視情報パターン保持部80に保持された監視情報パターン、又はアイドルパターン保持部74に保持されたアイドルパターンを出力させる。そして切替部75は、タイミング制御部77からの切替信号に基づいて、前記アイドルパターン又は監視情報パターンの後、無信号区間の最後で終了パターン保持部79に格納された終了パターンを出力させる。この切替部75の動作により、無信号区間において、アイドルパターン及び/又は監視情報パターンを挿入し、その前後にそれぞれ無信号区間の開始パターン、終了パターンを挿入することができる。
図5で、図面右方の無信号区間には、開始/終了パターンAの間にアイドルパターンのみが挿入された例が示されている。図面左方の無信号区間には、開始/終了パターンBの間にアイドルパターン及び監視情報パターンが挿入された例が示されている。このように、開始/終了パターンをA,B二種類設けたのは、監視情報パターンが含まれているかいないかを、開始/終了パターンを読み取って判断できるようにするためである。すなわち開始/終了パターンAは、アイドルパターンのみ挿入される場合に用いられ、開始/終了パターンBは、監視情報パターンが挿入される場合に用いられる。
次に監視情報パターンの生成方法を説明する。監視情報パターンの生成は、図3の光バースト信号中継装置7′の構成に含まれる監視情報パターン生成部83によって行われる。
監視情報パターン生成部83は、これらの監視情報を監視して、監視情報パターン(ビットパターン)を生成して監視情報パターン保持部80に保持させる。ここで監視情報の例として、表1のように、「電源異常」「エラーレート異常」があげられる。
エラーレート異常は、バッファ部に記憶された受信信号データの誤りチェックの結果である。この誤りチェックはフレームエラー監視部81で行う。フレームエラー監視部81は、バッファ部73に記憶された受信信号をモニタし、フレームデータに復号して、冗長ビットとの整合性をチェックして、エラーレートがしきい値を超えているかどうかをチェックし、その監視の結果を監視情報パターン生成部83に送る。
表2は、監視情報パターン生成部83で生成され、無信号区間に挿入される監視情報パターンの構成例を示す。
監視情報パターンは、8B10B等で符号化することで、0信号と1信号の比率(マーク率)が一定になるようにすることが好ましい。
監視情報は、表1に例示した「電源異常」「エラーレート異常」などの情報である。無信号区間が短く複数の監視情報のすべてを挿入できない場合には、監視情報を分割して、複数のフレームに載せて送ればよい。また監視情報が無信号区間よりも短くて時間が余る場合は、図5に示したように無信号区間の余った区間をアイドルパターンで埋めればよい。
この場合、前述したように、バッファ部73とアイドルパターン保持部74と監視情報パターン保持部80と開始パターン保持部と終了パターン保持部とは基準クロックで同期されており、切替え制御も基準クロックで同期させることで、挿入による周波数変動や位相変動は発生しない。
また、図3に示したように、タイミング制御部77はバッファ部73に記憶された受信信号をモニタしている。これは、複数の中継装置がつながる多段中継システムにおいて、別の「装置ID」を持った中継装置からの上り信号に監視情報パターンが挿入されているかどうかを検出するためである。
電気/光変換器76は、このようにして光バースト信号の存在しない無信号区間に監視情報パターンが挿入された送信信号を、光信号に変換して送出する。
そして本実施の形態によれば、光送信信号は、常に1と0が混合した状態で続いていることになる。したがって、光バースト信号が来ない無信号区間であっても、電気/光変換器76内のレーザダイオードを発光させることができる。すなわちレーザダイオードを連続駆動することができる。このため、レーザダイオードの温度を常に、ほぼ一定温度の状態に保つことができ、発光波長を安定させることができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。例えば、開始パターン保持部78、終了パターン保持部79の存在は必須ではない。多段中継の必要がなければ、監視情報パターンの先頭に識別パターンを設けて無信号区間に挿入することで、局側装置は識別パターンをもとに監視情報を抽出することができる。
2 局側装置
3 宅側装置
5 光カプラ
7′ 光バースト信号中継装置
14 光バースト信号中継装置
71 光/電気変換器
72 クロック再生部
73 バッファ部
74 アイドルパターン保持部
75 切替部
76 電気/光変換器
77 タイミング制御部
78 開始パターン保持部
79 終了パターン保持部
80 監視情報パターン保持部
81 フレームエラー監視部
82 二重化電源部
83 監視情報パターン生成部
Claims (8)
- 光バースト信号の中継をする光バースト信号中継装置であって、
光バースト信号を受信信号に変換する光/電気変換器と、
前記受信信号に基づいて、受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、隣り合う当該光バースト区間の間の無信号区間に中継装置の監視情報信号を含む信号を挿入して連続信号を作成するためのタイミング制御部と、
当該連続信号を、光信号に変換する電気/光変換器とを備え、
前記中継装置の監視情報信号を含む信号と、前記受信信号とは位相が揃っている、光バースト信号中継装置。 - 前記受信信号を取り込んで蓄積し、当該蓄積された受信信号を出力するためのバッファ部と、
監視情報パターンを保持し、当該監視情報パターンに相当する監視情報信号を出力するための監視情報パターン保持部と、
前記バッファ部から出力される受信信号と、前記監視情報パターン保持部からの監視情報信号との切替を行う切替部とをさらに備え、
前記タイミング制御部は、前記切替部に対して切替制御を行うものである、請求項1記載の光バースト信号中継装置。 - アイドルパターンを保持し、当該アイドルパターンに相当するアイドル信号を出力するためのアイドルパターン保持部をさらに備え、
前記タイミング制御部は、無信号区間の前記監視情報信号を除く部分に前記アイドル信号を挿入して、連続信号を作成するものである、請求項2記載の光バースト信号中継装置。 - 前記タイミング制御部は、前記無信号区間であって監視情報信号の前後に、無信号区間の開始を示す開始信号及び無信号区間の終了を示す終了信号を挿入して連続信号を作成するものである、請求項2又は請求項3記載の光バースト信号中継装置。
- 前記監視情報挿入の有無を示すコードは前記開始信号に含まれる、請求項4記載の光バースト信号中継装置。
- 前記タイミング制御部は、前記監視情報信号を挿入する前に、前記バッファ部に記憶された受信信号の無信号区間に、他の光バースト信号中継装置により挿入された監視情報パターンが存在しているかどうかを検出するものである、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の光バースト信号中継装置。
- 前記監視情報パターン保持部の保持する監視情報は、中継装置の電源に関する情報、又は受信信号のフレームエラーに関する情報である、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の光バースト信号中継装置。
- 複数の宅側装置と、局側装置との間を光カプラで結んだ光通信システムであって、
前記光カプラと前記局側装置との間に光バースト信号の中継をする光バースト信号中継装置が介在され、
前記光バースト信号中継装置は、宅側装置から伝送される光バースト信号を受信信号に変換する光/電気変換器と、前記受信信号に基づいて受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、隣り合う当該光バースト区間の間の無信号区間に中継装置の監視情報信号を含む信号を挿入して連続信号を作成するためのタイミング制御部と、当該連続信号を、光信号に変換する電気/光変換器とを備え、前記中継装置の監視情報信号を含む信号と、前記受信信号とは位相が揃っているものである、光通信システム。
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