JP5733589B2 - Pon光通信システム用中継方法 - Google Patents
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Description
この中継方法は、特に、GE−PON,10G−EPONなどの長距離大容量光通信システムに好適に使用される。
この光通信システムにおいて、局側装置OLTと各宅側装置ONUとの間を、それぞれ1本の光ファイバで放射状に結ぶ(Single Star)構成を有する光ファイバ通信ネットワークが構築,実用化されている。このネットワークの構成では、システムや通信機器などの構成は簡単になるが、1つの宅側装置ONUが、一本の光ファイバを占有しており、局側装置OLTにこの光ファイバを直接配線接続しなければならない。よって、宅側装置ONUがN局あれば、局側装置OLTから直接配線接続される光ファイバがN本必要となり、光通信システムの低価格化を図るのが困難である。
1つの光通信システムには、宅側装置ONUは通常、複数あり、光分岐器で分岐された光ファイバが、宅側装置ONUの数に合わせて備えられている。
このようなPON光通信システムではN局の宅側装置ONUが1つの局側装置OLTを共有するため、宅側装置ONUから局側装置OLTへは時分割多重によって信号が衝突しないようにデータ伝送を行う。宅側装置ONUは局側装置OLTによって割り当てられた期間でのみ光信号を発光してデータ伝送を行うため、局側装置OLTにはN局の宅側装置ONUから間欠的な信号(多数の0と1とを含むひとかたまりの信号;光バースト信号という)が伝送される。
光信号中継器は、光信号を電気の受信信号に変換して当該受信信号を基準クロックに合わせて復元信号として出力する。このためネットワーク上を伝送するフレームを、受信したデータの順番・形を変えないでそのまま中継することができる。
また中継エラーの発生頻度は、システム上の伝送速度が大きくなるほど高くなると予想される。例えば、伝送速度が1GbpsのGE−PONでは良好な受信ができていても、伝送速度が10Gbpsの10G−EPONとなると、パワーバジェットが小さいため、受信エラーの発生頻度は高くなると予想される。
そこで本発明は、伝送速度の異なる複数の光信号を中継する場合に、光信号中継器全体の遅延時間が、前記伝送速度の異なる複数の光信号ごとに同じ値となるようにしたPON光通信システム用中継方法を提供することを目的とする。
光信号中継器全体の上り遅延時間が、前記上り光信号に含まれる複数の光信号について同じ値となるように、前記電気信号に対して遅延時間を付与する、方法である。
前記PON光通信システム用中継方法において、前記上り光信号に対して誤り訂正復号を行い、前記誤り訂正復号された上り光信号に対して誤り訂正符号化を行うこととしてもよい。
本発明の方法は、好ましくは、下り光信号には、それぞれ伝送速度が異なる複数の光信号が含まれており、前記伝送速度が異なる複数の光信号は、それぞれ光通信路を伝搬する波長が異なるシステムに適用することができる。
前記下り光信号に含まれる伝送速度が異なる複数の光信号に対して、光信号中継器全体の下り遅延時間が、前記複数の光信号について同じ値となるように、遅延時間を付与するものであってもよい。
図1及び図2は、光信号中継器を有するPON(Passive Optical Network)光通信システムの概要図である。
PON光通信システムは、局舎に備えられる局側装置OLTと複数の加入者に備えられる宅側装置ONUとが、光ファイバ2及び光分岐器3を介して接続されている。
光分岐器3は、特に外部からの電源供給を必要とせず入力された信号から受動的に信号を分岐・多重する光パワースプリッタで構成されている。
GE−PONや10G−EPONはIEEE規格により伝送方式が規定されている。これによると、局側装置OLTと宅側装置ONU間の伝送距離は、光信号中継器を介さない場合、規格によって、最大10[km]又は20[km]とされる。したがって、本発明の実施形態のPON光通信システムは、これより長い伝送距離に特に有効である。
まず、上位のネットワークから放送形態で各局側装置OLTに入ってくる下りフレーム(データ)は、局側装置OLTにおいて所定の処理が行われ、中継されるべき論理リンク(MPCPリンクという)が特定される。そして、局側装置OLTを通して、光信号として光ファイバ2に送信される。光ファイバ2に送信させた光信号は、光分岐器3,3a,3bで分岐され、光分岐器3,3a,3bにつながる全宅側装置ONUに送信されるが、フレームの宛先アドレスに基づき、当該MPCPリンクを構成する宅側装置ONUのみが所定の下りフレームを取り込み、フレームを宅内ネットワークインタフェースに中継する。
図3に光信号中継器のシステム構成を示す。本実施の形態では、光信号中継器4は、波長分割多重フィルタWDMF(Wavelength Division Multiplexing Filter)41を通して、局側装置OLT向けの光ファイバ2に接続され、波長分割多重フィルタWDMF42を通して、宅側装置ONU向けの光ファイバ2に接続されている。
下りの光信号を中継する部分(図3の上半分)において、局側装置OLTからの波長1490nmの光(1G系)は、WDMF41で分波され、光信号を電気信号に変換する光/電気モジュール51に入る。局側装置OLTからの波長1577nmの光(10G系)は、WDMF41で分波され、光信号を電気信号に変換する光/電気モジュール52に入る。
光/電気モジュール51,52で変換された各電気信号に対して、CDRにより3R処理(波形整形(reshaping)、タイミング抽出(retiming)、識別再生(regenerating))を施し、さらにマルチプレクサにてシリアル/パラレル変換を行う(1G系はTBI(ten-bit interface)、10G系はXSBI(10 Gigabit Sixteen-Bit Interface))。
1G系の信号はイーサーネットフレーム毎にFECを施しているため、FEC同期回路61にてフレーム認識を行い、リードソロモン符号RS(255,239)で動作するFEC復号器71により復号化する。10G系の信号は、イーサーネットフレーム毎にFECを施していないためフレーム同期回路は不要となり、リードソロモン符号RS(255,223)で動作するFEC復号器72により復号化する。
なおFEC復号器71,72は、最大16bit(10G系)又は8bit(1G系)までのエラーを訂正できるが、それ以上のエラーが検出された場合や、エラー訂正が不可能である場合には、エラー訂正を行わない。
遅延処理が施された各信号は、FEC符号器91,92によりFEC符号化される。図4Bは、FEC符号器91,92の要部ブロック構成図である。この図4Bに示されるように、FEC符号器91,92は誤り訂正ビット計算を行い、誤り訂正された符号列を出力する。
なお、下り光信号が光信号中継器4全体で遅延される時間は、遅延回路81,82での遅延時間D1,D2とともに、FEC同期回路61で同期をとるための時間、FEC復号器71,72で復号化するための時間、FEC符号器91,92で符号化するための時間などを含む。そこで、下りの光信号を中継する部分において、光信号中継器に入った1G系の光信号が光信号中継器を出るまでに要する全体の遅延時間を「遅延時間T1」、光信号中継器に入った10G系の光信号が光信号中継器を出るまでに要する全体の遅延時間を「遅延時間T2」と言うことにする。
光/電気モジュール53で変換された各電気信号に対して、CDRにより3R処理(波形整形(reshaping)、タイミング抽出(retiming)、識別再生(regenerating))を施し、さらにマルチプレクサにてシリアル/パラレル変換を行う(1G系はTBI(ten-bit interface)に、10G系はXSBI(10 Gigabit Sixteen-Bit Interface))。
1G系の信号はシフトレジスタ等により構成される遅延回路83により、所定時間D3の遅延処理が施される。10G系の信号はシフトレジスタ等により構成される遅延回路84により、所定時間D4の遅延処理が施される。
なおFEC復号器73,74は、最大16bit(10G系)又は8bit(1G系)までのエラーを訂正できるが、それ以上のエラーが検出された場合や、エラー訂正が不可能である場合には、エラー訂正を行わないで、復号化する前のデータをそのまま出力する。
(1)上り下りとも1G系の信号(対称)が伝送される場合:局側装置OLTは1G系の信号で作った下りフレームを特定の宅側装置ONUに向かって送出する。光信号中継器を通過するときに所定時間T1の遅延を受ける。宅側装置ONUが局側装置OLTからの下りフレームに応答して、所定の上りフレームを局側装置OLTに返すと、その上りフレームは、光信号中継器を通過するときに所定時間T3の遅延を受ける。局側装置OLTが下りフレームを特定の宅側装置ONUに向かって送出してから、当該特定の宅側装置ONUから上りフレームを受け取るまでの、対称1G系での光信号中継器での上り/下りの合計遅延時間は、T1+T3である。
T1+T3=T2+T4=T2+T3・・・(1)
を満足する必要がある。この式を解けば、
T1=T2=一定、かつT3=T4=一定
という条件が導かれる。
具体的には、システム制御用CPU110は、フローチャート(図6)に示すように、システム制御用CPU110により、遅延回路81〜84(1G系及び10G系の上り/下り)にて、上の関係式(1)を満足するように遅延時間D1〜D4を設定する。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、局側装置OLTと宅側装置ONUとの間に介在する光信号中継器の数は1個とは限らず、複数の光信号中継器が直列に介在してもよく、この場合、各光信号中継器の構成は図3〜図6を用いて説明したものとなる。また本発明は、上り光信号や下り光信号に波長の異なる3波以上の光信号を用い、その中の複数の光信号の伝送速度が同じである場合にも適用することができる。さらに論理リンクに用いられない光信号が上り光信号や下り光信号に含まれるなら、それを分波器で取り出して増幅して合波するという具合に、その論理リンクに用いられない光信号を別個独立して中継する光信号中継器にも適用可能である。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
3 光分岐器
4 光信号中継器
41,42 WDMF
51,52,53 光/電気モジュール
61,63 FEC同期回路
71〜74 FEC復号器
81〜84 遅延回路
91〜94 FEC符号器
101〜104 電気/光モジュール
Claims (1)
- 局側装置OLTと複数の宅側装置ONUとの間の、上り光信号及び下り光信号を中継するためのPON光通信システム用中継方法であって、
前記上り光信号には、それぞれ伝送速度が異なる複数の光信号が含まれており、
前記上り光信号を、単一の光/電気変換回路で電気信号に変換し、
前記電気信号を、前記伝送速度が異なる複数の光信号に対応する各電気信号に分離し、
光信号中継器全体の上り遅延時間が、前記上り光信号に含まれる複数の光信号について同じ値となるように、前記電気信号に対して遅延時間を付与する、PON光通信システム用中継方法。
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