JP2018174366A - 通信装置および通信方法 - Google Patents

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豊 羽山
石井 宏幸
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Abstract

【課題】故障した通信装置からの連続光を消光できない場合でも、正常な通信装置との通信を再開できる通信装置を提供する。【解決手段】通信装置2は、データに変換できない消光不良光30を受信した場合、送信波長の変更を複数の通信装置6夫々に命令すると共に、この命令で指定した変更先の波長に自局の受信波長を変更する。【選択図】図5

Description

本発明は、通信装置および通信方法に関する。
PON(Passive Optical Network)は、複数のONU(Optical Network Unit)と、センター局内に配置されたOLT(Optical Line Terminal)と、複数のONUとOLTとを接続する光伝送路とを有する光通信システムである。PONの光伝送路は、OLTに一端が接続された一本のファイバと、このファイバの他端に接続された光分岐器と、光分岐器と複数のONUとを接続する複数の光ファイバとを有する光伝送路である(例えば、特許文献1〜3参照)。OLTからONUへの信号光は放送形態で配信され、ONUからOLTへの信号光は時分割で送信される。
ONUの回路が故障すると、信号光を生成するレーザーダイオードが常時点灯状態になることがある。この場合、OLTは、故障していないONUを含む全ONUからの信号光を受信できなくなる。
この様な障害から復旧するため、OLTからのコマンドにより複数のONUを順次消光させることで、故障したONU(以下、故障ONUと呼ぶ)を特定する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
故障ONUが特定されることで、故障ONUに人員を派遣して、故障ONUを修理することが可能になる。一方、故障していないONU(以下、正常ONUと呼ぶ)には、信号光の送信を再開させるためのコマンドが送信され、正常ONUとOLTとの間の通信が回復される。
特開平11−122172号公報 特開2004−112746号公報 特開2010−28287号公報
しかし、OLTからのコマンドを受信しても、故障ONUが消光(すなわち、発光の停止)しない場合がある。この場合、OLTからのコマンドにより、故障ONUを特定することは困難である。更に、正常ONUとOLT間の通信の再開も困難である。これは、故障ONUが送信し続ける連続光が、OLTが正常ONUからの信号光をデータに変換するプロセスを妨害するためである。そこで、本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
一つの実施の形態では、通信装置は、複数の通信装置によって送信され中心波長が第1波長である複数の第1信号光を順次受信してデータに変換する受信部と、データを送信光に変換して前記複数の通信装置に送信する送信部とを有し、前記送信部は、前記受信部がデータに変換できない消光不良光を受信した場合、前記複数の通信装置夫々に中心波長が前記第1波長とは異なる第2波長である第2信号光を送信させるための少なくとも一つの第1コマンドを送信し、前記受信部は、前記消光不良光の受信後は、受信した光から中心波長が前記第2波長である第2波長光を抽出し、抽出した前記第2波長光をデータに変換する。
一つの側面では、本発明は、故障した通信装置(例えば、故障ONU)からの連続光を消光できない場合でも、正常な通信装置(例えば、正常ONU)との通信を再開できる通信装置(例えば、OLT)を提供できる。
図1は、実施の形態1の通信装置2が適用されたPON4の一例を示す図である。 図2は、実施の形態1のPON4における信号の流れを示す図である。 図3は、受信部14に入射する光を説明する図である。 図4は、経年変化等によりONU#2が故障した場合のPON4内を伝搬する光の一例を説明する図である。 図5は、受信部14が消光不良光30を受信した場合の送信部16の応答を示す図である。 図6は、複数の通信装置6が第1コマンド32aを受信した場合の応答を説明する図である。 図7は、第2波長光の強度変化の一例を示す図である。 図8は、伝送媒体へのアクセス制御に着目した、通信装置2の機能ブロック図の一例である。 図9は、図8の機能ブロック図における信号およびデータの流れを示すである。 図10は、通信装置2が通信ネットワークから受信するパケット55の一例を示す図である。 図11は、データ56dの構造を示す図である。 図12は、OAMフレームの構造を示す図である。 図13は、通信装置2のハードウエア構成の一例を示す図である。 図14は、光電気変換回路88のハードウエア構成の一例を示す図である。 図15は、図14の光電気変換回路88における信号およびデータの流れを示すである。 図16は、CPU92が実行する回復処理の一例を示すフローチャートである。 図17は、回復処理に関する信号の流れを示す図である。 図18は、複数の通信装置6の機能ブロック図の一例である。 図19は、図18の機能ブロック図における信号およびデータの流れを示す図である。 図20は、複数の通信装置6のハードウエア構成の一例を示す図である。 図21は、光電気変換回路188のハードウエア構成の一例を示す図である。 図22は、図21の光電気変換回路188における信号およびデータの流れを示すである。 図23は、CPU192が実行する応答処理の一例を示すフローチャートである。 図24は、応答処理に関する信号の流れを示す図である。 図25は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。 図26は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。 図27は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。 図28は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。 図29は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。 図30は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。 図31は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。 図32は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。 図33は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。 図34は、CPU92が実行する回復処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。図面が異なっても同じ構造を有する部分等には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
(1)構造および機能
図1は、実施の形態1の通信装置2が適用されたPON4の一例を示す図である。図2は、実施の形態1のPON4における信号の流れを示す図である。PON4は例えば、IEEE802.3ahに規定された機能を有するシステム(所謂、G−PON(Gigabit Ethernet-PON))である。
PON4は、通信装置2と複数の通信装置6と光スプリッタ8(光分岐器)とを有するシステムである。通信装置2は例えば、SNI(Service Node Interface)を介して通信ネットワーク(例えば、インターネット)に接続されたOLT(Optical Line terminal)である。
複数の通信装置6は例えば、UNI(User Network Interface)を介してユーザの端末に接続されたONU(Optical Network Unit)である。図1には、3つのONU6が示されている。しかし、ONUの数は3つには限られない。ONUの数は例えば、2〜32であってもよい。
光スプリッタ8は、一つの光ファイバから入射した光を複数の光ファイバに分岐する光受動部品である。光スプリッタ8は更に、複数の光ファイバから入射した光を合波して、一つの光ファイバに出射する光受動部品である。光スプリッタ8は例えば、平面光導波路またはファイバ溶融型光カプラである。
PON4は更に、通信装置2と光スプリッタ8とを接続する光ファイバ10(以下、共通光ファイバと呼ぶ)を有する。PON4は更に、それぞれが複数の通信装置6の一つと光スプリッタ8とを接続する複数の光ファイバ12(以下、個別光ファイバと呼ぶ)とを有する。
通信装置2は、受信部14と送信部16とを有する。受信部14は、複数の通信装置6(図2参照)によって送信された複数の第1信号光20aを、順次受信してデータに変換する。複数の第1信号光20aの中心波長は、第1波長λ1(例えば、1310nm)である。第1信号光20aは、光の信号である(後述する第2信号光20bおよび送信光22についても同様)。信号とは、情報を伝達するために符号化された媒体(例えば、光や電気)のことである。第1信号光20aは、個別光ファイバ12、光スプリッタ8および共通光ファイバ10を介して通信装置2に送信される(後述する第2信号光20bについても同様)。
送信部16は、データを送信光22に変換して複数の通信装置6に送信する。送信光22は、時分割多重化された複数のデータ(例えばデータdt1、dt2、dt3)を伝達するために符号化された信号光22a、22b、22cの集まりである。送信光22の中心波長λ0は例えば、1490nmである。送信光22は、共通光ファイバ10、光スプリッタ8および個別光ファイバ12を介して複数の通信装置6に送信される(後述する第1コマンド32aおよび第2コマンド32bについても同様)。
受信部14による第1信号光20aの変換により得られるデータは例えば、パケットに分割されたデータである。同様に、送信部16が送信光22に変換するデータは例えば、パケットに分割されたデータである。
図3は、受信部14に入射する光(すなわち、入射光)を説明する図である。図3(a)は、図1に示すPON4の運転開始間もない時期の入射光の光強度(すなわち、パワー)の時間変化(以下、光強度変化と呼ぶ)の一例を示す図である。横軸は時間である。縦軸は、入射光の光強度である。
図2に示す受信部14の入射光は、複数の通信装置6のうちの1番目の装置(以下、ONU#1と呼ぶ)により送信された第1信号光20a1を含む。受信部14の入射光は更に、複数の通信装置6のうちの2番目の装置(以下、ONU#2と呼ぶ)により送信された第2信号光20a2を含む。受信部14の入射光は更に、複数の通信装置6のうちの3番目の装置(以下、ONU#3と呼ぶ)により送信された第2信号光20a3を含む。
図3(a)には、ONU#1により送信された第1信号光20a1の強度変化24aの一例が示されている。図3(a)には更に、ONU#2により送信された第1信号光20a2の強度変化24bの一例が示されている。図3(a)には更に、ONU#3により送信された第1信号光20a3の強度変化24cの一例が示されている。
図3(a)に示すように、第1信号光20a1、20a2、20a3は、光強度が略ゼロ(例えば、−40dBm以下)とゼロより十分大きい一定値(以下、ピーク強度と呼ぶ)の間で交互に変化するバースト状の信号光である。受信部14に入射する時の第1信号光20a1、20a2、20a3のピーク値は、個別光ファイバ12の長さに応じて変化する。上記ピーク値は例えば、−35dBm以上である。第1信号光20a1、20a2、20a3は、データ(DT1、DT2、DT3)を伝達するために符号化された光である。
図4は、経年変化等によりONU#2が故障した場合のPON4内を伝搬する光の一例を説明する図である。図3(b)は、経年変化等によりONU#2が故障した場合に受信部14に入射する光の強度変化を示す図である。
図4に示す例では、ONU#1およびONU#3は、運転開始時と同様、第1信号光20a1、20a3を送信する。一方ONU#2は、第1信号光20a2の代わりに、略一定の光強度を長時間(例えば、1μs以上)維持する連続光26を送信する。
この場合、通信装置2の入射光の強度変化24dは図3(b)に示すように、連続光26の強度変化24eに、第1信号光20a1、20a3の強度変化24a、24cが重畳されたものである。
受信部14は、バースト状の信号光(光強度が繰り返し略ゼロになる光)をデータに変換するよう構成されている。従って、受信部14が第1信号光20aを受信している間一定の値(以下、変換限界と呼ぶ)を超える光強度を保ち続ける連続光を受信部14が更に受信した場合、受信部14は受信した第1信号光20aをデータに変換できない。
例えば、受信部14が複数の第1信号光20a1、20a3を受信した期間28a、28c(図3(b)参照)とこれらの期間に挟まれた期間28bを含む一期間28dの間光強度が変換限界以を超える連続光を、受信部14が受信したとする。この場合、受信部14は第1信号光20a1、20a3をデータに変換できない。変換限界は例えば、-35dBmである。
故障したONU#2が発生する連続光26が受信部14に入射する時点でも、上記変換限界を超える光強度を保っている場合、第1信号光20a1、20a3と連続光26とが合波されて、受信部14がデータに変換できない光が生成される。
このような光を以下、消光不良光と呼ぶ。消光不良光は、少なくとも受信部14が複数の第1信号光のうちの一つ(例えば、20a1)の受信を開始してから複数の第1信号光のうちの別の信号光(例えば、20a3)の受信を終了するまでの一期間の間、変換限界を超える光強度を維持する光である。
図5は、受信部14が消光不良光30を受信した場合の送信部16の応答を示す図である。
受信部14がデータに変換できない消光不良光30を受信した場合、送信部16は、複数の通信装置6夫々に中心波長が第1波長λ1とは異なる第2波長λ2である第2信号光を送信させるための第1コマンド32aを送信する。第2波長λ2は例えば、1100nmである。第1コマンド32aは信号光に変換された後、送信部16から複数の通信装置6に送信される。第1コマンド32aが変換された信号光の中心波長は例えば、送信光22の中心波長λ0と同じ波長である。
なお光の中心波長とは、光の単位波長当たりのパワー(以下、パワー密度と呼ぶ)が、その最大値(パワー密度の最大値)の半分と等しくなる2つの波長の平均値のことである。信号光の波長幅(パワー密度がその最大値の半分以上の値を維持する波長範囲)は例えば、0.1nm以下である。従って、回折格子を用いる分光器で信号光の波長を測定して得られる波長は、信号光の中心波長である。中心波長が波長λである信号光は、波長λを有する光であるとも言われる。
図6は、複数の通信装置6が第1コマンド32aを受信した場合の応答を説明する図である。複数の通信装置6のうちの正常な通信装置(例えば、ONU#1、ONU#3)は、第1コマンド32aに応答して、第2信号光20b1、20b3を送信する。第2信号光20b1、20b3の中心波長は、第2波長λ2である。一方、故障ONU#3は、連続光26を送信し続ける。連続光26の中心波長は、第1波長λ1である。
受信部14は消光不良光30の受信後は、受信した光から中心波長が第2波長λ2である光(以下、第2波長光と呼ぶ)を抽出し、抽出した第2波長光をデータに変換する。図6に示す例では、第2波長光は第2信号光20b1、20b3(または、第2信号光20b1、20b3の一部)である。
図7は、第2波長光の強度変化の一例を示す図である。横軸は時間である。縦軸は、入射光の光強度である。
正常な通信装置(例えばONU#1、ONU#3)が第2信号光20b1、20b3の送信を開始すると、受信部14には故障した通信装置(例えば、故障ONU#2)が送信する連続光26と第2信号光20b1、20b3とが到達する。
上述したように、受信部14は、中心波長が第2波長λ2である第2波長光を抽出する。従って、第2波長光の強度変化24fは、図7に示すように、第2信号光20b1、20b3の強度変化24g、24hを合成したものである。強度変化24gは、正常なONU#1により送信された第2信号光20b1の強度変化の一例である。強度変化24hは、正常はONU#3により送信された第2信号光20b3の強度変化の一例である。
第2信号光20b1、20b3は例えば、受信部14に入射する時点の光強度が上述した変換限界以下の値(例えば、−40dBm)と変換限界より十分大きい一定値(例えば、−30dBm)の間で交互に変化するバースト状の信号光である。従って受信部14は、第2信号光20b1、20b3をデータに変換することができる。従って通信装置2によれば、複数の通信装置6の一部(例えば、ONU#2)からの連続光を消光できない場合でも、正常な通信装置(例えば、ONU#1、#3)との通信を再開できる。
ところで、正常な通信装置(例えば、正常ONU)が送信する信号光の波長を変更しなくても、故障した通信装置(例えば、故障ONU)が発光を停止すれば、正常な通信装置の信号光をデータに変換できる。しかし故障した通信装置は、発光を停止させるためのコマンドに応答しないことがある。
この場合、故障した通信装置(例えば、故障ONU)からの連続光は消光しない。従って、正常な通信装置(例えば、正常ONU)からの信号光はデータに変換できない。
一方、実施の形態1の通信装置2(例えば、OLT)は、正常な通信装置(例えば、ONU)に送信する光の波長(正確には、中心波長)を変更させることで、正常な通信装置が送信する信号光20aを、故障した通信装置が送信する連続光26から分離する。そして連続光から分離された信号光は、データに変換する。
従って、実施の形態1の通信装置2によれば、故障した通信装置(例えば、故障ONU)からの連続光を消光できなくても、正常な通信装置(例えば、正常ONU)からの信号光をデータに変換できる。換言するならば、実施の形態1の通信装置2(例えば、OLT)によれば、故障した通信装置(例えば、故障ONU)からの連続光を消光できない場合でも、正常な通信装置(例えば、正常ONU)との通信を再開できる。
(2)機能ブロック
図8は、伝送媒体(例えば、光ファイバや電気ケーブル)へのアクセス制御に着目した、通信装置2の機能ブロック図の一例である。図9は、図8の機能ブロック図における信号およびデータの流れを示すである。
図8に示すように通信装置2は例えば、サービスノード・インターフェース部34(以下、SNI部と呼ぶ)、レイヤー2スイッチ部36(以下、L2SW部と呼ぶ)、受信バッファ部38、送信バッファ部40、OAM挿入部42およびPON部44を有する。通信装置2は更に、符号化−復号化部46、PS変換部48、光電気変換部50、監視部52および制御部54を有する。図8において互いに実線で結ばれた機能ブロックは、互いにデータまたは信号を送受信する(図9、18、19についても同様)。
―送信光の送信―
通信ネットワークでは、データ列を分割した断片を含むパケットを電気信号に変換し、この電気信号を送受信する。図10は、通信装置2が通信ネットワークから受信するパケット55の一例を示す図である。
パケット55は、プリアンブル68、宛先アドレス、送信元アドレス、タイプ、送信データ70およびFCS(Frame Check Sequence)を有する(図10の上部参照)。宛先アドレスおよび送信元アドレスは、MAC(Media Access Control)アドレスである。タイプは、パケットの種類を示す情報である。プリアンブル68は、0x55で表される7つのビット列と、0x5dで表される1つのビット列とを有する(図10の下部参照)。「0x」は、16進数表記を明示する記号である。0x55の2進数表記は、01010101である。パケット55の間には、インターフレームが挿入される。
SNI部34は、SNIを介して通信ネットワークから受信した電気信号をデータ56a(図9参照)に変換し、L2SW部36に送出する。
データ56aは、一又は複数のパケットである(後述するデータ56b〜データ56e、データ156a〜データ156e、データ60a〜データ60d、データ160a〜データ160dについても同様)。データ56aの実体は、SNI部34から順次送出される一又は複数の並列信号である(後述するデータ56b〜データ56e、データ156a〜データ156e、データ60a〜データ60d、データ160a〜データ160dについても同様)。データ56aは例えば、図10を参照して説明した構造を有するパケットである(後述するデータ56b〜データ56c、データ156a〜データ156c、データ60c〜データ60d、データ160c〜データ160dについても同様)。
L2SW部36は、SNI部34から受信したデータ56aからデータ56bを抽出する。データ56bは、複数の通信装置6(図1参照)に接続された端末宛てのパケットである。送信バッファ部40は、データ56bを一時的に蓄積する。
PON部44は、OAM挿入部42を介して、送信バッファ部40からデータ56cを抽出する。データ56cは、送信バッファ部40に一時的に蓄積されたデータ56bである。
PON部44は、抽出したデータ56cをFCSに基づいてチェックし、データ56cに誤りがある場合にはデータ56cを破棄する。PON部44は抽出したデータ56cのプリアンブルを破棄し、新たなプリアンブルをデータ56cに付ける。新たなプリアンブルは、LLID(Logical Link Identifier)を含む。LLIDは、複数の通信装置6夫々に割当られた識別子である。PON部44は、データ56cの宛て先に接続された通信装置(例えば、ONU)を特定し、特定した通信装置のLLIDをプリアンブルに埋め込む。PON部44は、これらの処理により得られたデータ56dを出力する。データ56dは、TDM(Time Division Multiplexing)に適合するように、PON部44から順次出力される。
図11は、データ56dの構造を示す図である。データ56dの構造は、データ56cの構造(図10参照)に類似している。データ56dのプリアンブル168は、0x55で表される5つのビット列と、LLIDと、誤りチェックのためのCRC8(Cyclic Redundancy Check 8)とを有する。図11に示すように、プリアンブル168は2つのLLIDを有する。CRC8に接しているLLIDは、複数の通信装置6のうちの一つのLLIDである。CRC8から離隔しているLLIDはダミーであり、使用されない。後述するデータ56e、データ60a、データ60b、データ156d、データ156e、データ160a、データ160bも、図11を参照して説明した構造を有する。
符号化−復号化部46は、PON部44から出力されたデータ56dを符号化し、符号化により得られたデータ56eを出力する。
PS変換部48は、符号化−復号化部46から出力されるデータ56eの間にインターフレームを埋め込んで、連続したビット列を生成する。PS変換部48は生成したビット列を、光通信に適した形式を有するシリアルな電気信号56fに変換する。光電気変換部50は、この電気信号56fを信号光(送信光22)に変換して、共通光ファイバ10に送出する。
以上のように通信装置2は、通信ネットワークから受信したデータ56bを送信光22に変換して、複数の通信装置6に逐次送信する。送信光22は例えば、TDMに従って送信される。
―第1信号光の受信―
光電気変換部50は、複数の通信装置6によって送信された第1信号光20aを順次受信して、電気信号58に変換する。第1信号光20aは、TDMA(Time Division Multiple Access)に従って送信された信号である。電気信号58は、シリアルな電気信号である(後述する電気信号158についても同様)。電気信号58は例えば、一又は複数のパケットに対応するビット列を電気信号に変換することで得らえる信号である。
PS変換部48は、電気信号58をデータ60aに変換する。データ60aの実体は、一又は複数の並列信号である。
符号化−復号化部46は、先ずデータ60aを復号化し、復号化により得られたデータ60bを出力する。
PON部44は、FCSに基づいてデータ60bにチェックし、データ60bに誤りがある場合にはデータ60bを破棄する。PON部44は更に、データ60bのLLIDDに基づいて、データ60bを送出した通信装置(例えばONU)を判別する。PON部44は更にデータ60bのプリアンブル168を破棄し、新たなプリアンブルをデータ60bに付ける。新たなプリアンブルは、LLIDおよびCRC8を含まないプリアンブル68である(図10参照)。PON部44は、以上の処理により得られたデータ60cを出力する。
受信バッファ部38は、データ60cを一時的に蓄積する。L2SW部36は、受信バッファ部38からデータ60dを抽出し、SNI部34に出力する。データ60dは、受信バッファ部38に一時的に蓄積されたデータ60cである。
SNI部34は、L2SW部36から受信したデータ60dを通信ネットワークのプロトコルに従ってシリアルな電気信号18bに変換し、このシリアルな電気信号18bを通信ネットワークに送信する。
以上のように、光電気変換部50により順次受信された第1信号光20aは、データ(例えば、データ60c)に変換される。
―第1コマンドの送出―
光電気変換部50は、受信した光のレベルを監視し、光電気変換部50およびPS変換部48がデータ60aに変換できない光(すなわち、消光不良光30)が受信された場合、検出信号62を監視部52に送出する。
監視部52は、検出信号62を受信すると、OAM(Operations, Administration,and Maintenance)フレーム64をOAM挿入部42に送出する。監視部52は更に、OAM挿入部42を介してPON部44に、ブロードキャストLLIDを含むプリアンブルをOAMフレーム64に付けるよう命令する。OAMフレーム64は、複数の通信装置6夫々に第2信号光20bを送信させるためのフレーム(すなわち、パケット)である。ブロードキャストLLIDは、複数の通信装置6全てに対応する識別子である。
OAM挿入部42は、PON部44にデータ56cの抽出を一時的に停止させ、データ56cの抽出が停止している間にOAMフレーム64をPON部44に送出する。PON部44等(PON部44、符号化―復号化部46、PS変換部48および光電気変換部50)は、OAMフレーム64にブロードキャストLLIDを含むプリアンブルを付けて、第1コマンド32aを形成する。符号化―復号化部46とPS変換部48は協働して、第1コマンド32aを符号化し更に、符号化した第1コマンド32aをシリアルな電気信号に変換する。光電気変換部50は、このシリアルな電気信号(すなわち、第1コマンド32a)を信号光に変換して、複数の通信装置6に送信する。
第1コマンド32aに対してPON部44等(PON部44、符号化―復号化部46、PS変換部48および光電気変換部50)が行う処理は、PON部44等がデータ56cに対して行う処理と略同じである。第1コマンド32aは、TDMに従って送信される。
第1コマンド32aの宛先は、共通光ファイバ10および個別光ファイバ12を介して通信装置2に接続された複数の通信装置6全てである。OAMフレーム64の構造については、後述する。
以上の例では送信部16は、ブロードキャストLLIDを用いて全ての複数の通信装置6宛ての第1コマンド32aを送信する。しかし送信部16は、複数の通信装置6夫々に宛てた複数の第1コマンド(例えば、ONU#1宛ての第1コマンド、ONU#2宛ての第1コマンド、およびONU#3宛ての第1コマンド)を送信してもよい。
―第1コマンド送信後の受信処理―
監視部52は、検出信号62を受信すると、切替信号66を光電気変換部50に送出する。光電気変換部50は、切替信号66に応答して、受信した光から中心波長が第2波長λ2である第2波長光を抽出する。光電気変換部50は更に、抽出した第2信号光を電気信号58に変換する。この電気信号58は、PS変換部48によりデータ60aに変換される。
符号化−復号化部46はデータ60aを復号し、データ60bを出力する。データ60bは、データ60aの復号化により得られたデータである。PON部44は、データ60bに誤りがある場合にはデータ60bを破棄し、データ60bに誤りがない場合にはデータ60bのプリアンブル168を新たなプリアンブル68に変更する。PON部44はこれらの処理により得られたデータ60cを受信バッファ部38、L2SW部36およびSNI部34を介して、通信ネットワークに送出する。
PON部44、L2SW部36およびSNI部34が、第2波長光の変換により得られるデータ60bに対して行う処理は、第1信号光20aの変換により得られるデータ60bに対してPON部44等が行う処理と略同じである。
―制御部―
制御部54は、制御信号65等を用いて各機能ブロック(PON部44等)が動作するタイミングを制御する。
―PON部―
PON部44は上述した処理に加え、複数の通信装置6と通信装置2との通信リンクの確立および維持を行う。PON部44は更に、複数の通信装置6が第1信号光20aを通信装置2に送信するタイミングの制御を行う。PON部44は、複数の通信装置6の認証、複数の通信装置6に対する動的帯域割り当て、パケットの暗号化および複合化、複数の通信装置6の保守等を行ってもよい。
ところで図1に示す受信部14は、通信装置2の機能ブロックである。受信部14は、図8に示す機能ブロックのうち「―第1信号光の受信―」および「―第1コマンド送信後の受信処理―」で説明した処理を実行するブロックおよび制御部54を含む。
図1の送信部16は、通信装置2の機能ブロックである。送信部16は、図8に示す機能ブロックのうちのうち「―送信光の送信―」および「―第1コマンドの送出―」で説明した処理を実行するブロックおよび制御部54を含む。
―OAMフレーム―
OAMフレームは、IEEE802.3ahに規定された保守機能で用いられるフレームである。図12は、OAMフレームの構造を示す図である。図12に示すように、OAMフレームは、宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、フレームタイプ、サブタイプ、フラグ、コード、データ/バディングおよびFCSを有する。
サブタイプ、フラグ、コード、データ/バディングは、図10を参照して説明した送信データ70に相当する。サブタイプは、1オクテットのビット列である。サブタイプは、0x03で表されるビット列に固定されている。フラグは、2オクテットのビット列である。コードは、1オクテットのビット列である。データ/バディングは、42〜1496オクテットのビット列である。
実施の形態1のOAMフレーム64は、コードとデータ/バディングを用いて、複数の通信装置6に中心波長が特定の波長(第1波長λ1または第2波長λ2)である信号光を送信させるように構成されている。
実施の形態1で用いるOAMフレーム64のコード72は、0xFDで表されるビット列である。IEEE802.3ahの保守機能では、コード72が0x05〜0xFDで表されるビット列であるOAMフレームは使用されない。すなわち、実施の形態1で用いるOAMフレーム64は未使用(Reserved)のOAMフレームである。
実施の形態1のOAMフレーム64のデータ/バディング74は、42オクテットのビット列である。実施の形態1のデータ/バディング74は、1オクテットのビット列76(データ)と、0x00で表される41個のビット列78(バディング)とを有する。
複数の通信装置6夫々は、受信したOAMフレームのコード72が、0xFDで表されるビット列の場合、データ/バディング74の最初の1オクテットのビット列76に対応する波長を中心波長とする信号光を送出する。例えば最初のビット列76が0x01で表されるビット列の場合、複数の通信装置6は、中心波長が第2波長λ2である第2信号光20bを送出する。
一方、最初のビット列76が0x00で表されるビット列の場合、複数の通信装置6は、中心波長が第1波長λ1である第1信号光20aを送出する。実施の形態1のOAMフレーム64は、ビット列76が0xFDで表されるフレームである。
実施の形態1のOAMフレーム64に付けられるプリアンブルは例えば、ブロードキャストLLIDを含むプリアンブルである。
複数の通信装置6は夫々、ブロードキャストLLIDを含むOAMフレームを自局宛てのパケットとして取り扱う。従って、ブロードキャストLLIDを用いることで、複数の通信装置6夫々の信号光の波長を変更することができる。
コード72のビット列は、上述した0xFDで表されるビット列以外のビット列(具体的には、0x05〜0xFCで表されるビット列)であってもよい。同様に、データ/バディング74は上述したビット列以外のビット列であってもよい。
(3)ハードウエア構成
図13は、通信装置2のハードウエア構成の一例を示す図である。
通信装置2は例えば、通信ネットワーク側のインターフェース回路80a、レイヤー2スイッチ回路82、およびレイヤー2スイッチ回路82に接続されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)84aを有する。通信装置2は更に、FPGA84aに接続された2つのメモリ86a〜86b、複数の通信装置6(例えば、ONU)側のインターフェース回路80b、光電気変換回路88、および光電気変換回路88に接続されたFPGA84bを有する。
通信装置2は更に、CPU(Central Processing Unit)92、CPU92に接続されたメモリ86c、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)94、およびROM(Read Only Memory)96を有する。通信装置2は更に、入力装置98および出力装置100を有する。通信装置2は更に、CPU92、メモリ86c、FPGA84b、不揮発性メモリ94、ROM96、入力装置98および出力装置100夫々に接続されたバス101を有する。
インターフェース回路80a、80bおよびレイヤー2スイッチ回路82は例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。メモリ86a、86b、86cは例えば、RAM(Random Access Memory)である。入力装置98は例えば、マウス等のポインティング・デバイスとキーボードとを含む装置である。出力装置100は例えば、液晶ディスプレイである。
ROM96には、回復プログラム102と制御プログラム103とが記録されている。不揮発性メモリ94には、複数の通信装置6(例えば、ONU#1、ONU#2、ONU#3)夫々のLLID93とブロードキャストLLID95が記録されている。
CPU92は、回復プログラム102をROM96から読み出して、回復プログラム102が有するプロセスを順次実行する。回復プログラム102(ソフトウエア)を実行するCPU92(プロセッサ)は、ハードウエアである。制御プログラム103については後述する。
SNI部34(図8参照)は、インターフェース回路80aにより実現される。レイヤー2スイッチ部36は、レイヤー2スイッチ回路82により実現される。受信バッファ部38は、メモリ86aにより実現される。送信バッファ部40は、メモリ86bにより実現される。PON部44は、FPGA84aと不揮発性メモリ94により実現される。FPGA84aは、LLIDを不揮発性メモリ94から読出し、データ56c(図9参照)およびOAMフレーム64のプリアンブルに埋め込む。
符号化−復号化部46は、インターフェース回路80bにより実現される。PS変換部48は、インターフェース回路80bにより実現される。
光電気変換部50は、光電気変換回路88により実現される。監視部52は、FPGA84b、CPU92、ROM96、メモリ86cおよび不揮発性メモリ94により実現される。制御部54は、CPU92、ROM96およびメモリ86cにより実現される。OAM挿入部42は、FPGA84aにより実現される。
図9の機能ブロックの一部または全部は、一または複数のシステムLSI(Large-Scale Integration;例えば、PONチップ)により実現されてもよい(後述する複数の通信装置6の機能ブロックについても同様)。
図1を参照して説明した受信部14は、インターフェース回路80a、レイヤー2スイッチ回路82、FPGA84a、メモリ86a、インターフェース回路80b、光電気変換回路88、CPU92、メモリ86cおよびROM96に実現される。送信部16は、インターフェース回路80a、レイヤー2スイッチ回路82、FPGA84a〜84b、メモリ86b、インターフェース回路80b、光電気変換回路88、CPU92、メモリ86cROM96、および不揮発性メモリ94により実現される。
―光電気変換回路―
図14は、光電気変換回路88(すなわち、光電気変換部50)のハードウエア構成の一例を示す図である。図15は、図14の光電気変換回路88における信号およびデータの流れを示すである。
光電気変換回路88は、波長λ0(送信光22の中心波長)で発光するレーザーダイオード104と、レーザーダイオード104に光学的に結合したモニタ・フォトダイオード106とを有する。光電気変換回路88は更に、レーザードライバー108、送信監視回路110、および光カプラ112を有する。光カプラ112は例えば、誘電体多層膜を有する合分波器である。
光電気変換回路88は更に、光分岐器114、光フィルタ116、光スイッチ117、フォトダイオード120、TIA(Trans-Impedance Amplifier )122、ポスト増幅器124、および受信監視回路126を有する。光分岐器114は例えば、Y分岐を有する平面光導波路または方向性結合器である。光フィルタ116は例えば、誘電体多層膜を有する光学素子である。光スイッチ117は例えば、光方向性結合器である。
PS変換部48(図9参照)からのシリアルな電気信号56fは、レーザードライバー108(図15参照)に供給される。図15中のVccは、電源電圧を表している。
レーザードライバー108は、シリアルな電気信号56fに従ってレーザーダイオード104を駆動して送信光22を生成する。送信光22は光カプラ112を介して、共通光ファイバ10に送出される。
モニタ・フォトダイオード106は、レーザーダイオード104の出力光の強度(以下、光出力と呼ぶ)に応じた光電流を、送信監視回路110に送出する。送信監視回路110は、レーザーダイオード104の光出力を監視する。この出力は、通信装置2の保守に用いられる。モニタ・フォトダイオード106および送信監視回路110は、省略してもよい。
光電気変換回路88に入射した光(第1信号光20a、第2信号光20b、消光不良光30等)は、光カプラ112を介して光分岐器114に入射し、2つの光路に分岐する。一方の光路115aに出射した光(以下、第1分岐光128aと呼ぶ)は、光スイッチ117の第1ポートP1に入射する。
他方の光路115bに出射した光(以下、第2分岐光128bと呼ぶ)は、光フィルタ116に入射する。光フィルタ116は、入射した光から中心波長が第1波長λ1である部分を除去して、第2波長λ2を有する第2波長光130を抽出する。第2波長光130は、光スイッチ117の第2ポートP2に入射する。
通信装置2の運転が開始すると第1ポートP1は第3ポートP3に接続され、その後第1ポートP1と第3ポートP3の接続は保持される。第1ポートP1と第3ポートP3の接続が保持されている間は、第1分岐光128aがフォトダイオード120に入射する。フォトダイオード120は、入射した第1分岐光128aをシリアルな電気信号58に変換する。
電気信号58は、TIA122とポスト増幅器124により増幅された後、PS変換部48(図9参照)に送出される。PS変換部48により受信された電気信号58は、PS変換部48等によりデータ(例えば、データ60c)に変換される。
電気信号58は、ポスト増幅器124を介して受信監視回路126にも供給される。受信監視回路126は、電気信号58の強度変化(例えば、電圧の時間変化)を監視する。受信監視回路126は、電気信号58の強度変化に基づいて、消光不良光30が光電気変換回路88に入射したと判定した場合には、検出信号62を監視部52(図9参照)に送出する。
監視部52(図9参照)は検出信号62に応答して、光スイッチ117に切替信号66を送出する。光スイッチ117はこの切替信号66に応答して、第3ポートP3を第2ポートP2に接続する。すると、フォトダイオード120には、第2波長光130が入射する。
フォトダイオード120は、入射した第2波長光130を電気信号58に変換する。電気信号58は、TIA122とポスト増幅器124とにより増幅された後、PS変換部48(図9参照)に供給される。PS変換部48に受信された電気信号58は、PS変換部48等によりデータ(例えば、データ60c)に変換される。
(4)CPUによる回復処理
図16は、CPU92が実行する回復処理の一例を示すフローチャートである。図17は、回復処理に関する信号の流れを示す図である。
通信装置2は、図17に示すように、CPU92、CPU92に結合されたメモリ86c、およびROM96を有する。通信装置2は更に、複数の回路(以下、送受信回路と呼ぶ)を有する装置である。送受信回路は少なくとも、光電気変換回路88、インターフェース回路80b、FPGA84aおよび84b、メモリ86aおよび86b、および不揮発性メモリ94とを含む回路である。
通信装置2が起動されると、CPU92はROM96に記録された制御プログラム103を読出して、制御プログラム103の各プロセスを順次実行する。制御プログラム103は、各機能ブロック(例えば、PON部44等)の動作タイミングの制御をCPU92に実行させるためのプログラムである。制御プログラム103は、制御部54(図9参照)により実行される。
FPGA84bは、光電気変換回路88からの検出信号62を受信すると、CPU92に割り込み信号132を送出する。するとCPU92は、回復処理を開始する(ステップS0)。具体的にはCPU92は、回復プログラム102をROM96から読み出して、回復プログラム102が有するプロセスの実行を開始する。
CPU92は先ず、送受信回路に、受信した光から中心波長が第2波長である第2波長光を抽出させ更に、抽出した第2波長光をデータに変換させる。ステップ2は、受信部14(図1参照)により実行される。ステップ2は、受信部14が実行する処理の一部である。
具体的にはCPU92は、FPGA84bを介して切替信号66(図17参照)を光電気変換回路88に送出する。
CPU92は更に、送受信回路に、複数の通信装置6(例えば、ONU)夫々に第2信号光20bを送信させるための第1コマンド32aを送信させる(ステップS4)。ステップS4は、送信部16(図1参照)により実行される。ステップS4は、送信部16が実行する処理の一部である。
具体的にCPU92は、OAMフレーム64と不揮発性メモリ94に記録されたブロードキャストLLID95とを、バス101を介してFPGA84aに送出する。CPU92は更に、FPGA84aに、ブロードキャストLLID95を含むプリアンブルをOAMフレーム64に付けて送信するように命令する。
CPU92は更に、出力装置100に警告を表示する(ステップS6)。
CPU92は、ステップS6が終了すると、上記制御プログラム103の実行を再開する。図16は回復処理の一例であって、ステップS2〜S6を実行する順番は図16の順番には限定されない。
ステップS2〜S6は、互いに独立したプロセスである。従って、ステップS2〜S6の順番は変更してもよい。
ステップS2〜S4が実行されれば、正常な通信装置(例えば、正常ONU)からの第2信号光20bの受信は可能になる。従って、ステップS6は省略してもよい。
通信装置2のオペレータはステップS6により、消光不良光30の受信を知ることができる。消光不良光30の受信を知ったオペレータは例えば、通信装置2に設けられた保守機能により故障した通信装置(例えば、故障ONU)を特定することができる。
具体的にはオペレータは、入力装置98と出力装置100とを操作して、通信装置2(例えばOLT)から複数の通信装置6(例えばONU)夫々に、パケットを送信するように命令する。故障した通信装置(例えば、ONU#2)は、パケットを送信できない。一方、正常な通信装置(例えば、ONU#1、ONU#3)は、第2信号光20bを用いてパケットを送信できる。
従ってオペレータは、パケットの送信命令に応答しない通信装置(例えば、ONU#2)を、故障した通信装置と特定することができる。パケットの送信および受信には、通信装置2の保守機能を用いる。
オペレータは、特定した通信装置(例えば、ONU#2)に人員を派遣して、故障した通信装置(例えば、ONU#2)を修理することができる。その後オペレータは、通信装置2(例えば、OLT)から複数の通信装置6(例えば、ONU)に、第1信号光20aを送信させるための第2コマンドを送信する。すると、複数の通信装置6は第1信号光20aを用いたパケットの送信を再開し、PON4は正常な状態(すなわち、第1信号光20aによる通信が行われる状態)に復旧する。
(5)複数の通信装置
(5−1)機能ブロック
図18は、複数の通信装置6(例えば、ONU)の機能ブロック図の一例である。図19は、図18の機能ブロック図における信号およびデータの流れを示す図である。
図18の機能ブロック図は、図8の機能ブロック図(すなわち、通信装置2の機能ブロック図)に類似している。従って図8と同じ部分については、説明を省略または簡単にする(図19についても同様)。
図18に示すように、複数の通信装置6は夫々、例えばユーザ網インターフェース部134(以下、UNI部と呼ぶ)およびレイヤー2スイッチ部136(以下、L2SW部と呼ぶ)を有する。更に複数の通信装置6は夫々、受信バッファ部138、パケット識別部142、送信バッファ部140およびPON部144を有する。複数の通信装置6は更に、符号化−復号化部146、PS変換部148、光電気変換部150、OAM終端部152および制御部154を有する。
制御部154は、制御信号165(図19参照)等を用いて各機能ブロック(PON部144等)が動作するタイミングを制御する。
―送信機能―
UNI部134は、UNI(User Network Interface)を介してユーザ端末から受信した電気信号118a(図19参照)をデータ156aに変換し、L2SW部136に送出する。L2SW部136は、UNI部134から受信したデータ156aからデータ156bを抽出する。データ156bは、通信装置2(図1参照)に接続された装置宛てのパケットである。送信バッファ部140は、データ156bを一時的に蓄積する。PON部144は、送信バッファ部140からデータ156cを抽出する。データ156cは、送信バッファ部140に一時的に蓄積されたデータ156bである。
PON部144は、抽出したデータ156cをFCSに基づいてチェックし、データ156cに誤りがある場合にはデータ156cを破棄する。PON部44は抽出したデータ156cのプリアンブルを破棄し、新たなプリアンブルをデータ156cに付ける。新たなプリアンブルは、自局に割当てられたLLIDを含む。PON部144は、これらの処理に得られたデータ156dを出力する。データ156dの構造は、図11を参照して説明したデータ56dの構造と略同じである。
データ156dは、TDMA(Time Division Multiplexing)に適合するように順次出力される。データ156dの構造は、図11を参照して説明したデータ56dの構造と略同じである。
符号化−復号化部146の機能は、図9を参照して説明した符号化−復号化部46の機能と略同じである。PS変換部148についても同様である。符号化−復号化部146はデータ156dを符号化し、符号化により得られたデータ156eを出力する。PS変換部148は、データ156eをシリアルな電気信号156fに変換する。
光電気変換部150は、シリアルな電気信号156fを信号光(第1信号光20aまたは第2信号光20b)に変換して、共通光ファイバ10に送出する。光電気変換部150が送出する信号光は、運転開始時点では第1信号光20aである。
以上のように複数の通信装置6は、端末から受信したデータ156bを信号光(第1信号光20aまたは第2信号光20b)に変換し、通信装置2に逐次送信する。複数の通信装置6により送出される信号光は例えば、TDMAに従って送信される。
―受信機能―
光電気変換部150は、通信装置2によって送信された送信光22を順次受信して、電気信号158に変換する。PS変換部148は、電気信号158をデータ160aに変換する。符号化−復号化部146はデータ160aを復号し、復号化により得られたデータ160bを出力する。
PON部144の機能は、信号光の受信に関し、図9を参照して説明したPON部44の機能と略同じである。PON部144は、データ160bの誤りチェックおよびプリアンブルの更新を行い、これらの処理により得られるデータ160cを出力する。
パケット識別部142は、データ160cからOAMフレーム164を抽出してOAM終端部152に送出する。
パケット識別部142は、データ160cからOAMフレーム164以外のパケットも抽出して受信バッファ部138に送出する。受信バッファ部138は、データ160cを一時的に蓄積する。
L2SW部136は、受信バッファ部138からデータ160dを取得する。データ160dは、受信バッファ部138に一時的に蓄積されたデータ160cである。
L2SW部136は更に、取得したデータ160dの宛先アドレスに対応する端末に送信する。データ160dは、UNI部134を介して送信される。
UNI部134は、データ160dをユーザネットワークのプロトコルに従ってシリアルな電気信号118bに変換し、このシリアルな電気信号118bを端末に送信する。
以上のように、複数の通信装置6は夫々、光電気変換部150により順次受信した信号光をデータ160c等に変換する。
―第2信号光の送出―
OAM終端部152は、パケット識別部142から受信したOAMフレーム164のLLIDを参照して、受信したOAMフレーム164が宛先に自局を含むパケットであるか否か判別する。OAM終端部152は更に、受信したOAMフレーム164のコードとデータ/バディング74とを参照して、受信したOAMフレーム164が第1コマンド32a(図5参照)であるか否か判定する。OAM終端部152は、OAMフレーム164が宛先に自局を含む第1コマンド32aである場合、切替信号166を光電気変換部150に送出する。
光電気変換部150は、切替信号166を受信すると、電気信号156fを第2波長を有する第2信号光20bに変換して、個別光ファイバ12に送出する。
以上のように、複数の通信装置6は夫々、第1コマンド32aに応答して、第2信号光20aを送出する。
(5−2)ハードウエア構成
図20は、複数の通信装置6(例えば、ONU)のハードウエア構成の一例を示す図である。
複数の通信装置6は夫々、端末側のインターフェース回路180a、レイヤー2スイッチ回路182、およびレイヤー2スイッチ回路182に接続されたFPGA184aを有する。複数の通信装置6は夫々更に、FPGA184aに接続された2つのメモリ186a、186b、通信装置2(例えば、OLT)側のインターフェース回路180b、光電気変換回路188、および光電気変換回路188に接続されたFPGA184bを有する。
複数の通信装置6は夫々更に、CPU192、CPU192に接続されたメモリ186c、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)194、およびROM196を有する。複数の通信装置6は夫々更に、CPU192、メモリ186c、FPGA184b、不揮発性メモリ194、およびROM196に接続されたバス201を有する。
インターフェース回路180a、180bおよびレイヤー2スイッチ回路118bは例えば、ASICである。メモリ186a、186b、186cは例えば、RAMである。
ROM196には、応答プログラム202と制御プログラム203が記録されている。不揮発性メモリ194には、複数の通信装置6夫々のLLID93が記録されている。
CPU192は、応答プログラム202をROM196から読み出して、応答プログラム202が有するプロセスを順次実行する。応答プログラム202(ソフトウエア)を実行するCPU192(プロセッサ)は、ハードウエアである。制御プログラム203については後述する。
UNI部134(図18参照)は、インターフェース回路180aにより実現される。レイヤー2スイッチ部136は、レイヤー2スイッチ回路182により実現される。受信バッファ部138は、メモリ186aにより実現される。送信バッファ部140は、メモリ186bにより実現される。PON部144は、FPGA184aと不揮発性メモリ194により実現される。FPGA184aは、LLID93を不揮発性メモリ194から読出し、データ156c(図19参照)のプリアンブルに埋め込む。
符号化−復号化部146は、インターフェース回路180bにより実現される。PS変換部148は、インターフェース回路180bにより実現される。
光電気変換部150は、光電気変換回路188により実現される。パケット識別部142は、FPGA184aにより実現される。制御部154は、CPU192、ROM196およびメモリ186cにより実現される。
OAM終端部152は、FPGA184b、CPU192、ROM196、メモリ1
86cおよび不揮発性メモリ194により実現される。
―光電気変換回路―
図21は、光電気変換回路188(すなわち、光電気変換部150)のハードウエア構成の一例を示す図である。図22は、図21の光電気変換回路188における信号およびデータの流れを示すである。
光電気変換回路188は、第1波長λ1で発光するレーザーダイオード204とレーザーダイオード204に光学的に結合したモニタ・フォトダイオード206とを有する。光電気変換回路188は更に、第2波長λ2で発光するレーザーダイオード304とレーザーダイオード304に光学的に結合したモニタ・フォトダイオード306とを有する。
光電気変換回路188は更に、レーザードライバー208、スイッチ回路209、送信監視回路210、および光カプラ212を有する。光カプラ212は例えば、誘電体多層膜を有する合分波器である。光電気変換回路188は更に、フォトダイオード220、TIA222、およびポスト増幅器224を有する。
光電気変換回路188に入射した光(送信光22)は、光カプラ212を介してフォトダイオード220に入射する。フォトダイオード220は、送信光22を電気信号158に変換する。電気信号158は、TIA222とポスト増幅器224により増幅された後、PS変換部148(図19参照)に送出される。
レーザードライバー208は、PS変換部148(図19参照)からの電気信号156fに従ってレーザーダイオード204を駆動して、第1信号光20aを生成する。或いはレーザードライバー208は、電気信号156fに従ってレーザーダイオード304を駆動して、第2信号光20bを生成する。
生成された信号光(すなわち、第1信号光20aまたは第2信号光20b)は、光カプラ212を介して個別光ファイバ12に送出される。電気信号156fは、端末から受信したデータ156b(図19参照)が、PON部144等により光通信に適した形式に変換された電気信号である。
複数の通信装置6の運転が開始すると、スイッチ回路209はレーザードライバー208をレーザーダイオード204に接続する。スイッチ回路209はそのまま、レーザードライバー208とレーザーダイオード204の接続を維持する。レーザーダイオード204は、レーザードライバー208に接続されている間、第1信号光20aを生成する。生成された第1信号光20aは、光カプラ212を介して個別光ファイバ12に送出される。
インターフェース回路180b等の故障により、電気信号156f(図19参照)が途絶えることがある。すると略一定の電圧(例えば、電源電圧Vcc)がレーザーダイオード204に印加され、レーザーダイオード204が連続光26(図4参照)を発生する。このような故障は、インターフェース回路180b以外の回路(例えば、FPGA184a、FPGA184b、CPU等)の故障でも発生する。
連続光26は別の通信装置6(例えば、ONU)からの第1信号光20aと合波されて、消光不良光30(図5参照)になる。消光不良光30は、通信装置2(例えば、OLT)により受信される。すると通信装置2は、第1コマンド32aを送出する。
故障してない通信装置6(例えば、正常ONU)が第1コマンド32aを受信すると、故障してない通信装置6(例えば、正常ONU)のOAM終端部152(図19参照)は、切替信号166を光電気変換回路188に送出する。
スイッチ回路209(図22参照)は、この切替信号166に応答して、レーザードライバー208をレーザーダイオード304に接続する。するとレーザーダイオード304は第2信号光20bを生成し、生成された第2信号光20bは光カプラ212を介して個別光ファイバ12に送出される。
一方、第1コマンド32aを伝達するための信号光が故障した通信装置6(例えば、故障ONU)に入射しても、殆どの場合、故障した通信装置6は、入射した信号光をデータ(すなわち、第1コマンド32a)に変換できない。仮に入射した信号光が第1コマンド32aに変換されても、FPGA184b等が故障していると、切替信号166は送出されない。
従って殆どの場合、故障した通信装置6は、中心波長が第1波長λ1である連続光26を送出し続ける。しかし実施の形態1の通信装置2は、光フィルタ116(図15参照)により消光不良光30(図5参照)から第2波長光130を抽出し、抽出した第2波長光130をデータに変換する。従って、故障していない通信装置6(例えば、正常ONU)と故障した通信装置6(例えば、故障ONU)の通信は再開される。
モニタ・フォトダイオード206、306の機能は、図15を参照して説明したモニタ・フォトダイオード106の機能と略同じである。送信監視回路210についても、同様である。モニタ・フォトダイオード206、306および送信監視回路210は、省略してもよい。
スイッチ回路209は、リセット信号167に応答して、レーザードライバー208を第1波長λ1で発光するレーザーダイオード204に接続してもよい。リセット信号167は、故障した通信装置6の修理後に、故障していない通信装置6に第1信号光20aの送信を再開させるために用いることができる(「(4)CPUによる回復処理」参照)。リセット信号167については後述する。
(5−3)CPUによる応答処理
図23は、CPU192が実行する応答処理の一例を示すフローチャートである。図24は、応答処理に関する信号の流れを示す図である。
通信装置6(例えば、ONU)が起動されると、CPU192はROM196に記録された制御プログラム203を読出して、制御プログラム203の各プロセスを順次実行する。制御プログラム203は、各機能ブロック(例えば、PON部144等)の動作タイミングの制御をCPU192に実行させるためのプログラムである。制御プログラム203の各プロセスは、制御部154により実行される。
FPGA184aはOAMフレームを受信すると、CPU192に割り込み信号232を送出する。するとCPU192は、応答処理を開始する(ステップS100)。具体的にはCPU192は、応答プログラム202をROM196から読み出して、応答プログラム202が有するプロセスの実行を開始する。
CPU192は先ず、FPGA184aからOAMフレーム164を取得する(ステップS102)。ステップS102は、パケット識別部142とOAM終端部152とにより実行される。
CPU192は、取得したOAMフレーム164のLLIDを参照して、OAMフレーム164の宛先に自局が含まれるか否か判別する(ステップS104)。例えば、OAMフレーム164のLLIDがブロードキャストLLIDである場合、CPU192はOAMフレーム164の宛先に自局が含まれると判定する。
CPU192は、OAMフレーム164の宛先に自局が含まれない場合、応答処理を終了する(ステップS114)。ステップS104は、OAM終端部152により実行される。
OAMフレーム164の宛先に自局が含まれる場合、CPU192はOAMフレーム164が、信号光(通信装置6が送信する信号光)の波長を指定するコマンド(以下、切替コマンドと呼ぶ)であるか否か判別する(ステップS106)。OAMフレーム164が切替コマンドでない場合、CPU192は応答処理を終了する(ステップS114)。
具体的にはCPU192は、例えばOAMフレーム164のコード72が0xFDであるか否か判別する。コード72が0xFDでない場合、CPU192は応答処理を終了する。ステップS106は、OAM終端部152により実行される。
OAMフレーム164が切替コマンドである場合、OAMフレーム164が第1コマンド(すなわち、信号光の波長として第2波長λ2を指定するコマンド)であるか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108は、OAM終端部152により実行される。
具体的にはCPU192は、例えばOAMフレーム164のデータ/バディング74の最初のビット列76が0x01で表されるビット列であるか否かを判定する。
OAMフレーム164が第1コマンドである場合、CPU192はFPGA184bを介して切替信号166を光電気変換回路188に送出する(ステップS110)。ステップS110は、OAM終端部152により実行される。
例えばOAMフレーム164のデータ/バディング74の最初のビット列76が0x01で表されるビット列である場合、CPU192はFPGA184bを介して切替信号166を光電気変換回路188に送出する。その後CPU192は、応答処理を終了する(ステップS114)。
OAMフレーム164が第1コマンドでない場合(すなわち、OAMフレーム164が第2コマンドの場合)、CPU192はFPGA184bを介してリセット信号167を光電気変換回路188に送出する。その後CPU192は、応答処理を終了する(ステップS114)。ステップS114は、OAM終端部152により実行される。
CPU192は応答プログラムの終了後、制御プログラムの実行を再開する。
図23は応答処理の一例であって、ステップS104〜S108が実行される順番は図23の順番には限定されない。例えば、ステップS104とステップS106の順番を入れ替えても、自局を宛先に含む第1コマンドは検出される。従って、ステップS104とステップS106の順番を入れ替えてもよい。
ステップS112は例えば、故障した通信装置6(例えば、故障ONU)の修理後に故障していない通信装置6(例えば、正常ONU)に第1信号光20aの送信を再開させる際に用いることができる(「(4)CPUによる回復処理」参照)。
しかしステップS112が実行されなくても、故障していない通信装置6(例えば、正常ONU)は、第2信号光20bにより通信装置2(例えば、OLT)と通信できる。従って、ステップS112は省略してもよい。
なお、ステップS108とステップS112の間に、OAMフレーム164が第2コマンドであるか否か判別するステップを設けてもよい。
(6)通信方法
実施の形態1の通信方法を説明する。実施の形態1の通信方法は例えば、通信装置2により実行される。
実施の形態1の通信方法は、複数の通信装置6(図2参照)によって送信され中心波長が第1波長λ1である複数の第1信号光20aを順次受信して、受信した第1信号光20aをデータに変換する通信方法である。
実施の形態1の通信方法では更に、データに変換できない消光不良光30(図5参照)を受信した場合、複数の通信装置6夫々に第2信号光20bを送信させるための第1コマンド32aを送信する。第2信号光20bは、中心波長が第1波長λ1とは異なる第2波長λ2である信号光である。
実施の形態1の通信方法では更に、消光不良光30を受信した後は、受信した光から中心波長が第2波長λ2である第2波長光130(図15参照)を抽出し、抽出した第2波長光をデータに変換する。
以上のように実施の形態1では、通信装置2(例えば、OLT)がデータに変換できない消光不良光30(図5参照)を受信した場合、第1コマンド32aを送出する。この第1コマンド32aの送出により、故障していない通信装置6(例えば、正常ONU)に信号光の中心波長を第2波長λ2に変更させる。
一方、故障した通信装置6(例えば、故障ONU)は、殆どの場合、受信した信号光をデータ(コマンドを含む)に変換できない。従って、故障した通信装置6は、第1コマンドに応答できないので、中心波長が第1波長λ1である連続光26を送出し続ける。
通信装置2は中心波長が第2波長である光(第2波長光)を、例えば光フィルタ116(図15参照)により消光不良光30から抽出する。この抽出により、故障していない通信装置6(例えば、正常ONU)の信号光(例えば、第2信号光20b)は、故障した通信装置6(例えば、故障ONU)の連続光26から分離される。そして通信装置2は、連続光26から分離された信号光をデータに変換する(図6参照)。
従って、実施の形態1によれば、故障した通信装置(例えば、故障ONU)が連続光26の送信を停止しない場合でも、通信装置2(例えば、OLT)は、正常な通信装置(例えば、正常ONU)との通信を再開できる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1に類似している。従って、実施の形態1と同じ部分については、説明を省略または簡単にする。
実施の形態1では、故障した通信装置(例えば、故障ONU)は第1コマンド32a(図5参照)を受信しても中心波長が第1波長λ1である連続光26(図6参照)を送信し続ける。しかし稀ではあるが、故障した通信装置(例えば、故障ONU)が第1コマンド32aに応答して、中心波長が第2波長λ2である連続光を送信することがある。
例えば、レーザードライバー208(図22参照)だけが故障した通信装置(例えば、ONU)は、第1コマンド32aに応答して、故障したレーザードライバー208をレーザーダイオード304に接続する。レーザーダイオード304は、第2波長λ2で発光する素子である。従って、レーザードライバー208だけが故障した通信装置(例えば、ONU)は、中心波長が第2波長λ2である連続光を送信する。
実施の形態1の通信装置2(例えば、OLT)は、中心波長が第2波長λ2である連続光を受信した場合、故障していない通信装置(例えば、正常ONU)が送信した第2信号光20b(図6参照)をデータに変換できない。これは、実施の形態1の通信装置2が、夫々の中心波長が同じ波長である連続光と信号光とを分離できないためである。
一方、実施の形態2の通信装置302(例えば、OLT)は、中心波長が第2波長λ2である連続光を受信しても、第2信号光(中心波長が第2波長λ2である信号光)をデータに変換できる装置である。
(1)動作
図25〜33は、実施の形態2の通信装置302の動作の一例を説明する図である。図25〜33には、実施の形態2の通信装置302が適用されたPON304の一例が示されている。
通信装置302(例えば、OLT)のROM96(図13参照)には、後述する図34を参照して説明する処理をCPU92(図17参照)に実行させるためのプログラム(以下、実施の形態2の回復プログラムと呼ぶ)が記録されている。通信装置302のCPU92は、光電気変換回路88が送出する検出信号62に応答して、実施の形態2の回復プログラムを実行する。これらの点を除き、実施の形態3の通信装置302は、実施の形態1の通信装置2と略同じ構造および機能を有する。
図25に示す例では、複数の通信装置6は、ONU#1、ONU#2及びONU#3である。すなわち図24に示す例では、複数の通信装置6の数は3つである。しかし複数の通信装置6の数は3つに限られない(実施の形態1参照)。
実施の形態1の通信装置2は、一つの第1コマンドの32a(図5参照)により、複数の通信装置6に第2信号光20b(図6参照)を送信させる。一方、実施の形態2の通信装置302は、複数の第1コマンド332a(図26、28、32参照)を順次送信することで、複数の通信装置6(例えば、ONU#1、ONU#2およびONU#3)に第2信号光20bを送信させる。
複数の第1コマンド332aは夫々、複数の通信装置6(例えば、ONU)のうちの一つだけに第2信号光20bを送信させるためのコマンドである。そして、複数の通信装置6(例えば、ONU)は夫々、少なくとも運転が開始された時点では、複数の第1コマンド332aのうちの一つだけに応答して第2信号光20bを送信する。
―消光不良光の発生―
図25には、ONU#2が運転中に故障して、連続光26を送信している場合が示されている。図25のケースは、実施の形態1の図4のケースと略同じである。ONU#1が送信する第1信号光20a1とONU#3が送信する第1信号光20a3と連続光26とが光スプリッタ8により合波されて、中心波長が第1波長λ1である消光不良光30(図5参照)が発生する。
―受信波長の変更―
通信装置302の受信部14は、消光不良光30を検出すると、光電気変換回路88のフォトダイオード120(図15参照)を光フィルタ116に接続する。この接続により受信部14は、光電気変換する光の波長(すなわち、受信波長)を変更する。
光フィルタ116の阻止帯域(入射光が大きく減衰する波長範囲(例えば、入射光が10dB以上減衰する波長範囲))は、消光不良光30の中心波長である第1波長λ1を含む。従って消光不良光30は、フォトダイオード120には殆ど到達しない。従って、フォトダイオード120が光フィルタ116に接続されている間は、消光不良光30は光電気変換されない。
―コマンド#1の送信―
通信装置302の送信部316は、受信部14が消光不良光30(図5参照)を受信すると、複数の第1コマンド332aのうちの一つであるコマンド#1(図26参照)を送信する。コマンド#1は、中心波長が第2波長λ2である第2信号光20b1(図27参照)をONU#1に送信させるためのコマンドである。従ってONU#1は、コマンド#1に応答して、第2信号光20b1(図27参照)を送信する。
光フィルタ116の通過帯域(入射光が殆ど減衰せずに通過する波長範囲(例えば、入射光が3dB以上減衰しない波長範囲))は、第2波長λ2を含む。従って、第2信号光20b1(図27参照)のうち光分岐器114(図15参照)を介して光フィルタ116に入射した部分(第2分岐光128b)は、光フィルタ116を通過しフォトダイオード120に入射する。フォトダイオード120に入射した第2分岐光128bは、電気信号58に変換される。変換された電気信号58は、インターフェース回路80b等(図13参照)によりデータに変換される。
―コマンド#2の送信―
送信部316は、受信部14が第2信号光20b1を受信した後、複数の第1コマンド332aのうちの一つであるコマンド#2を送信する(図28参照)。コマンド#2は、中心波長が第2波長λ2である第2信号光をONU#2に送信させるためのコマンドである。
―中心波長が第2波長λ2である消光不良光の発生―
故障ONUであるONU#2は、コマンド#2(図28参照)を受信すると、中心波長が第2波長λ2である連続光326(図29参照)を送信する。
ONU#1が送信する第2信号光20b1と連続光326とONU#3が送信する第1信号光20a3とは光スプリッタ8により合波されて、消光不良光330(図29参照)が発生する。
消光不良光330のうち光分岐器114(図15参照)を介して光フィルタ116に入射した部分(第2分岐光128b)から、中心波長が第2波長λ2である第2波長光230(図15参照)が抽出される。第2波長光230は、第2信号光20b1のうち光フィルタ116を通過した部分と連続光326のうち光フィルタ116を通過した部分とが合波された光である。
第2波長光230はフォトダイオード120に入射し、電気信号58に変換される。しかし、第2波長光230は連続光326の一部(約半分)を含むので、受信部14は連続光326をデータに変換できない。
―第2コマンドの送信―
連続光326(正確には、連続光326の一部)を含む第2波長光230(図15参照)が電気信号58に変換されると、受信監視回路126は検出信号62を出力する。検出信号62が出力されると、送信部316(図29)は第2コマンド32b(図30参照)を共通光ファイバ10に送信する。
ONU#2は、第2コマンド32bに応答して、中心波長が第2波長λ2である連続光326の送信を停止し、中心波長が第1波長λ1である連続光26(図31参照)の送信を再開する。その結果、フォトダイオード120(図15参照)には、第2信号光20b1(正確には、第2信号光20b1の一部)だけが入射する。すると受信部14は、第2信号光20b1のデータへの変換を再開する。
―コマンド#3の送信―
送信部316は、連続光26の受信後、複数の第1コマンド332aのうちの一つであるコマンド#3(図32参照)を送信する。コマンド#3は、中心波長が第2波長λ2である第2信号光をONU#3に送信させるためのコマンドである。ONU#3は、コマンド#3に応答して、第2信号光20b3(図33参照)を送信する。受信部14は、第2信号光20b1、20b3をデータに変換する。
以上のように、実施の形態2の通信装置302は、故障した通信装置(例えば、ONU#2)が第1コマンド332aに応答して、連続光の中心波長を第2波長λ2に変更しても、第2コマンド32bにより連続光の中心波長を第1波長λ1に戻せる。
従って、実施の形態2の通信装置302によれば、故障した通信装置(例えば、ONU#2)が第1コマンド332aに応答して連続光の中心波長を変更する場合でも、故障していない通信装置(例えば、ONU#1及びONU#3)との通信を再開できる。
(2)送信部
(2−1)第1コマンドの送信
実施の形態2の送信部316は、複数の第1コマンド332a(図26、28、32参照)を順次送信する。
送信部316は好ましくは、複数の第1コマンド332aを送信する送信間隔が、第2信号光20bが返信されるまでの応答時間より長くなるように、複数の第1コマンド32aを順次送信する。
送信間隔とは、複数の第1コマンド332aの各コマンド(例えば、コマンド#1)が送信されてから複数の第1コマンドのうち各コマンド(例えば、コマンド#1)の次に送信されるコマンド(例えば、コマンド#2)が送信されるまでの時間のことである。応答時間とは、各コマンド(例えば、コマンド#1)の送信から各コマンド(例えば、コマンド#1)への応答である光(以下、応答光と呼ぶ)が受信部14に到達するまでの時間のことである。
コマンド#1(図26参照)の応答光は、第2信号光20b1(図27参照)である。コマンド#2(図28参照)の応答光は、連続光326(図29参照)である。コマンド#3(図32参照)の応答光は、第2信号光20b3(図33参照)である。
(2−2)第2コマンドの送信
実施の形態2の送信部316は更に、送信部316が複数の第1コマンド332aの送信を開始した後に受信部14がデータに変換できない第2波長光230(図15参照)を検出した場合、第2コマンド32b(図30参照)を送信する。
第2コマンド32bは、複数の通信装置6の一つであって第2波長光230のうち第2波長光230のデータへの変換を妨げる部分を送信する装置に、この部分の代わりに中心波長が第1波長λ1である光を送信させるためのコマンドである。図29に示す例では、第2波長光230のデータへの変換を妨げる部分(以下、妨害光と呼ぶ)を送信する装置は、ONU#2である。妨害光は、連続光326のうち光分岐器114により分岐されその後、光フィルタ116(図15参照)を通過した部分である。
送信部316は好ましくは、複数の第1コマンド332aのうちデータに変換できない第2波長光230(図15参照)の検出の直前に送信されたコマンド(例えば、コマンド#2)に応答する装置に第2コマンド32bを送信する。
(3)CPUによる回復処理
図34は、CPU92が実行する回復処理の一例を示すフローチャートである。通信装置302は、図13に示すように、CPU92、CPU92に結合されたメモリ86c、および一または複数の回路(すなわち、送受信回路)を有する装置である。実施の形態2の回復プログラム402は、実施の形1の回復プログラム102とは異なるプログラムである。CPU92が回復プログラム402の実行を開始するまでのプロセスは、実施の形態1で説明したプロセスと略同じである。送受信回路は、光電気変換回路88、インターフェース回路80b、およびFPGA84a、84b等を含む回路である(実施の形態1の「(4)CPUによる回復処理」参照)。
CPU92は先ず、送受信回路に、受信した光から第2波長光130の抽出と、抽出した第2波長光130のデータへの変換を開始させる(ステップS202)。具体的には例えばCPU92は、切替信号66(図17参照)をFPGA84bを介して光電気変換回路88に送出する。
CPU92は次に、変数nに1を代入する(ステップS204)。
CPU92は次に、送受信回路に、第2信号光20bをn番目のONUに送信させるための第1コマンド332aを送信させる(ステップS206)。
具体的には例えばCPU92は、n番目のONUに対応するLLID93とOAMフレーム64とを、バス101を介してFPGA84aに送出する。CPU92は更に、FPGA84aに、上記LLID93を含むプリアンブルをOAMフレーム64に付けて送信させる。すなわちCPU92は、送受信回路に、n番目のONU宛ての第1コマンドを送信させる。
CPU92は次に、一定の時間待機する(ステップS208)。待機する時間は、n番目のONU宛ての第1コマンド332aの送信からこの第1コマンド332a(すなわち、n番目のONU宛てのコマンド)への応答である応答光が受信部14に到達するまでの時間(以下、応答時間と呼ぶ)より長い時間である。
CPU92は、例えばPON304の運転開示時およびONUが増設された時に各ONUの応答時間を測定し、不揮発性メモリ94に記録する。CPU92は、不揮発性メモリ94から応答時間を読出し、読み出した応答時間より長い時間をステップS208の待機時間として用いる。
CPU92は次に、n番目のONU宛ての第1コマンド332aの送信後に、データに変換できない第2波長光230(図15参照)を送受信装置が検出したか否か判別する(ステップS210)。
例えばCPU92は、FPGA84bに、ステップS206の後に検出信号62を受信したか否を問い合わせる(ステップS210)。検出信号62が受信されていない場合、CPU92はステップS212に進む。
CPU92は、変数nの値がONUの数Nより少ないか否か判別する(ステップS212)。変数nの値がONUの数Nより少ない場合、CPU92はステップS214に進む。CPU92は、変数nに1を加える(ステップS214)。その後CPU92は、ステップS206に戻る。
CPU92は、ステップS206の後に送受信装置が、データに変換できない第2波長光を検出したと判断した場合、ステップS216に進む。
CPU92は、送受信回路に、送信中の光の代わりに中心波長が第1波長λ1である光をn番目のONUに送信させるための第2コマンド32b(図30参照)を送信させる(ステップS216)。
具体的には例えばCPU92は、n番目のONUに第2信号光20bを送信させるように構成されたOAMフレーム64(図9参照)とn番目のONUに対応するLLID93(図17参照)とを、バス101を介してFPGA84aに送出する。CPU92は更に、FPGA84aに、上記LLID93を含むプリアンブルをOAMフレーム64に付けて送信するように命令する。実施の形態2のOAMフレーム64は例えば、データ/バディングの初のビット列76が0x00で表されるビット列である(実施の形態1の「(2)機能ブロック」参照)。
CPU92は次に、一定の時間待機する(ステップS218)。待機する時間は、ステップS208の待機時間と同じである。CPU92は次に、出力装置100にn番目のONUの識別情報(例えば、識別子)を表示する(ステップS220)。CPU92はその後、ステップS212に進む。
CPU92は、ステップS212で変数nの値がONUの数N以上であると判断した場合、回復プログラムを終了する。
ステップS220を実行しなくても、通信装置302と正常ONUの間の通信は回復できる。従ってステップS220は、省略してもよい。
通信装置302(例えば、OLT)のオペレータはステップS220で表示された識別子情報により、故障ONU(すなわち、故障した通信装置)を特定できる。オペレータは、特定した故障ONUに人員を派遣して、故障ONUを修理することができる。
その後オペレータは、通信装置302から複数の通信装置6(例えば、ONU)に第2マンド32bを送信することで、複数の通信装置6(例えば、ONU)に第1信号光20aによるパケットの送信を再開させることができる。すなわち、PON4を正常な状態(すなわち、第1信号光により通信が行われる状態)に復旧できる。
以上のように、実施の形態2の通信装置302(例えば、OLT)は、故障した通信装置(例えば、故障ONU)が通信装置302のコマンドに応答して変更した連続光の中心波長を、元の波長に戻すことができる。従って、実施の形態2の通信装置302(例えば、OLT)によれば、複数の通信装置6(例えば、ONU)の何れかが連続光の中心波長を変更できるように故障した場合でも、故障していない通信装置(例えば、正常ONU)との通信を再開できる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1及び2に類似している。従って、実施の形態1及び2と同じ部分については、説明を省略または簡単にする。
実施の形態1及び2の送信部16、316は、受信部14が消光不良光30を受信すると、第1コマンド32aを送出する。一方、実施の形態3の送信部は、受信部が一定の時間(例えば、1〜1000msまたは10〜100ms)より長い時間、消光不良光30(図5参照)を受信し続ける場合に、第1コマンド32aを送信する。同様に、実施の形態3の送信部は、上記の場合に、消光不良光30から第2波長光130(図15参照)を抽出し、抽出した第2波長光130をデータに変換する。
複数の通信装置6は、短時間(例えば、1〜1000ms)連続光26を送信した後、第1信号光20aの送信を再開することがある。この場合、回復処理(すなわち、第1コマンド32aの送信および第2波長光130の抽出とデータへの変換)が実行されなくても、通信装置2、302と複数の通信装置6の通信は回復する。
実施の形態3の通信装置(例えば、OLT)は、消光不良光30の受信時間が短時間の場合には、回復処理(すなわち、第1コマンド32aの送信および第2波長光の抽出とデータへの変換)を実行しない。
従って、実施の形態3の通信装置(例えば、OLT)によれば、必要性が低い回復処理の実行を抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、実施の形態1〜3は、例示であって制限的なものではない。
例えば実施の形態1〜3では、通信装置や回線の保守および監視のためのOAMフレームを、第1コマンド32aおよび第2コマンド32bに転用している。しかし第1コマンド32aおよび第2コマンド32bは、OAMフレーム以外のフレームまたはパケットであってもよい。例えば第1コマンド32aおよび第2コマンド32bは、上述した回復処理専用のフレームであってもよい。
実施の形態1〜3では、第1波長λ1、第2波長λ2および送信波長λ0は単数である。しかし第1波長λ1、第2波長λ2および送信波長λ0は夫々、複数であってもよい。すなわち、実施の形態1〜3のPONは、波長多重化された信号光を取り扱うPONであってもよい。
以上の実施の形態1〜3に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の通信装置によって送信され中心波長が第1波長である複数の第1信号光を順次受信してデータに変換する受信部と、
データを送信光に変換して前記複数の通信装置に送信する送信部とを有し、
前記送信部は、前記受信部がデータに変換できない消光不良光を受信した場合、前記複数の通信装置夫々に中心波長が前記第1波長とは異なる第2波長である第2信号光を送信させるための少なくとも一つの第1コマンドを送信し、
前記受信部は、前記消光不良光の受信後は、受信した光から中心波長が前記第2波長である第2波長光を抽出し、抽出した前記第2波長光をデータに変換する
通信装置。
(付記2)
前記受信部は、前記複数の第1信号光を受信している間に一定の値を超える光強度を保ち続ける連続光を受信した場合、受信した前記複数の第1信号光をデータに変換できない機能部であり、
前記消光不良光は、前記受信部が前記複数の第1信号光のうちの一つの受信を開始してから前記複数の第1信号光のうちの別の信号光の受信を終了するまでの一期間の間、前記一定の値を超える光強度を維持する光である
ことを特徴とする付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記少なくとも一つの第1コマンドは、夫々が前記複数の通信装置のうちの一つだけに前記第2信号光を送信させるためのコマンドである複数の第1コマンドを含み、
前記複数の通信装置は夫々、運転が開始された時点では、前記複数の第1コマンドのうちの一つだけに応答して前記第2信号光を送信し、
前記送信部は、前記複数の第1コマンドを順次送信し、
前記送信部は更に、前記複数の第1コマンドの送信を開始した後に前記受信部がデータに変換できない前記第2波長光を検出した場合、前記複数の通信装置の一つであって前記第2波長光のうち前記第2波長光のデータへの変換を妨げる部分を送信する装置に、前記部分の代わりに中心波長が前記第1波長である光を送信させるための第2コマンドを送信することを
特徴とする付記1又は2に記載の通信装置。
(付記4)
前記複数の第1コマンドの前記送信では、前記複数の第1コマンドの各コマンドが送信されてから前記複数の第1コマンドのうち前記各コマンドの次に送信されるコマンドが送信されるまでの時間が、前記各コマンドの送信から前記各コマンドへの応答である応答光が前記受信部に到達するまでの時間より長くなるように、前記送信部が前記複数の第1コマンドを順次送信し、
前記第2コマンドの送信では、前記送信部は、前記複数の第1コマンドのうちデータに変換できない前記第2波長光の前記検出の直前に送信されたコマンドに応答した装置に前記第2コマンドを送信することを
特徴とする付記3に記載の通信装置。
(付記5)
前記少なくとも一つの第1コマンドの前記送信は、前記受信部が一定の時間より長い時間、前記消光不良光を受信し続ける第1場合に実行され、
前記第2波長光の前記抽出は、前記第1場合に実行されることを
特徴とする付記1乃至4に記載の通信装置。
(付記6)
複数の通信装置によって送信され中心波長が第1波長である複数の第1信号光を順次受信してデータに変換する通信方法において、
データに変換できない消光不良光を受信した場合、前記複数の通信装置夫々に中心波長が前記第1波長とは異なる第2波長である第2信号光を送信させるための少なくとも一つの第1コマンドを送信し、
前記消光不良光を受信した後は、受信した光から中心波長が前記第2波長である第2波長光を抽出し、抽出した前記第2波長光をデータに変換する
通信方法。
2・・・通信装置
6・・・複数の通信装置
14・・・受信部
16、316・・・送信部
30・・・消光不良光
20a、20a1、20a2、20a3・・・第1信号光
20b、20b1、20b2、20b3・・・第2信号光
30、330・・・消光不良光
26、326・・・連続光
32a・・・第1コマンド
32b・・・第2コマンド
130、230・・・第2波長光

Claims (5)

  1. 複数の通信装置によって送信され中心波長が第1波長である複数の第1信号光を順次受信してデータに変換する受信部と、
    データを送信光に変換して前記複数の通信装置に送信する送信部とを有し、
    前記送信部は、前記受信部がデータに変換できない消光不良光を受信した場合、前記複数の通信装置夫々に中心波長が前記第1波長とは異なる第2波長である第2信号光を送信させるための少なくとも一つの第1コマンドを送信し、
    前記受信部は、前記消光不良光の受信後は、受信した光から中心波長が前記第2波長である第2波長光を抽出し、抽出した前記第2波長光をデータに変換する
    通信装置。
  2. 前記受信部は、前記複数の第1信号光を受信している間に一定の値を超える光強度を保ち続ける連続光を受信した場合、受信した前記複数の第1信号光をデータに変換できない機能部であり、
    前記消光不良光は、前記受信部が前記複数の第1信号光のうちの一つの受信を開始してから前記複数の第1信号光のうちの別の信号光の受信を終了するまでの一期間の間、前記一定の値を超える光強度を維持する光である
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記少なくとも一つの第1コマンドは、夫々が前記複数の通信装置のうちの一つだけに前記第2信号光を送信させるためのコマンドである複数の第1コマンドを含み、
    前記複数の通信装置は夫々、運転が開始された時点では、前記複数の第1コマンドのうちの一つだけに応答して前記第2信号光を送信し、
    前記送信部は、前記複数の第1コマンドを順次送信し、
    前記送信部は更に、前記複数の第1コマンドの送信を開始した後に前記受信部がデータに変換できない前記第2波長光を検出した場合、前記複数の通信装置の一つであって前記第2波長光のうち前記第2波長光のデータへの変換を妨げる部分を送信する装置に、前記部分の代わりに中心波長が前記第1波長である光を送信させるための第2コマンドを送信することを
    特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
  4. 前記複数の第1コマンドの前記送信では、前記複数の第1コマンドの各コマンドが送信されてから前記複数の第1コマンドのうち前記各コマンドの次に送信されるコマンドが送信されるまでの時間が、前記各コマンドの送信から前記各コマンドへの応答である応答光が前記受信部に到達するまでの時間より長くなるように、前記送信部が前記複数の第1コマンドを順次送信し、
    前記第2コマンドの送信では、前記送信部は、前記複数の第1コマンドのうちデータに変換できない前記第2波長光の前記検出の直前に送信されたコマンドに応答した装置に前記第2コマンドを送信することを
    特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  5. 複数の通信装置によって送信され中心波長が第1波長である複数の第1信号光を順次受信してデータに変換する通信方法において、
    データに変換できない消光不良光を受信した場合、前記複数の通信装置夫々に中心波長が前記第1波長とは異なる第2波長である第2信号光を送信させるための少なくとも一つの第1コマンドを送信し、
    前記消光不良光を受信した後は、受信した光から中心波長が前記第2波長である第2波長光を抽出し、抽出した前記第2波長光をデータに変換する
    通信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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