JP4910683B2 - エポキシ樹脂硬化剤およびエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
(R)2N−H2C−A−CH2−NHR ・・・(I)
(Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基であり、Rは水素原子またはフェネチル基である。複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rの少なくとも1つはフェネチル基である。)
即ち本発明は、(I)式で示されるポリアミン化合物と、グリシジル基間の炭素数が3以上である分岐状ジグリシジル化合物との反応生成物を含む、エポキシ樹脂硬化剤、および該エポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物、ならびに該エポキシ樹脂組成物を硬化させたエポキシ樹脂硬化物に関する。
(R)2N−H2C−A−CH2−NHR ・・・(I)
(Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基であり、Rは水素原子またはフェネチル基である。複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rの少なくとも1つはフェネチル基である。)
(R)2N−H2C−A−CH2−NHR ・・・(I)
(Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基であり、Rは水素原子またはフェネチル基である。複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rの少なくとも1つはフェネチル基である。)
H2N−CH2−A−CH2−NH2 ・・・(III)
(Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基である。)
(III)式で示されるジアミン化合物としてはオルソキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。中でも好ましいのはメタキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。特に好ましいのはメタキシリレンジアミンである。
(a):(Ph)HN−H2C−A−CH2−NH2
(b):(Ph)HN−H2C−A−CH2−NH(Ph)
(c):(Ph)2N−H2C−A−CH2−NH2
(d):(Ph)2N−H2C−A−CH2−NH(Ph)
本発明の(I)式で示されるポリアミン化合物は、1付加物、2付加物及び3付加物の各々単独からなるものであっても、これらの任意の混合物であってもよい。
RHN−H2C−A−CH2−NHR ・・・(II)
(Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基であり、Rは水素原子またはフェネチル基である。複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rの少なくとも1つはフェネチル基である。)
(I)式で示されるポリアミン化合物中に含まれる(II)式で示されるポリアミン化合物が80重量%未満であると、エポキシ樹脂硬化塗膜及びエポキシ樹脂硬化物の疎水性及び架橋密度が低下する場合がある。その結果、エポキシ樹脂硬化塗膜及びエポキシ樹脂硬化物の耐水性、耐有機溶剤性が低下するため好ましくない。
グリシジル基間の炭素数の上限に制限はないが、好ましくは12以下、より好ましくは8以下、特に好ましくは4以下である。グリシジル基間の炭素数が12を超えると有機溶剤に対する親和性が高くなり、エポキシ樹脂硬化塗膜及びエポキシ樹脂硬化物の耐有機溶剤性が低下するため好ましくない。
すなわち、グリシジル基間に存在するメチル基及び/またはエチル基の合計数が2以上であることが好ましい。メチル基及び/またはエチル基の合計数が2以上であると、アルキル基増加による疎水性増加の効果が、(I)式で示されるポリアミン化合物を付加させた際に生じる水酸基による疎水性の低下を上回るため、エポキシ樹脂硬化塗膜及びエポキシ樹脂硬化物の酸及びアルカリ水溶液に対する耐薬品性が向上する。
反応に使用されるジグリシジル化合物は単独でも良いし、2種以上のジグリシジル化合物を使用しても良い。2種以上のジグリシジル化合物を使用する場合、2種以上を混合して(I)式で示されるポリアミン化合物と反応させても良いし、1種類ずつ逐次反応させても良い。
中でも4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリシジルエーテル(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)及び4,4’−メチレンジフェノールジグリシジルエーテル(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、ならびにこれらの混合物を主成分とするのが好ましい。
ガスクロマトグラフィーGC−14A(株式会社島津製作所製)により下記の条件で測定した。
カラム:フロンティアラボ株式会社製UltraAlloy-1
(長さ15m、Film厚1.5μm、内径0.5mm)
キャリアーガス:ヘリウム 流速:5.3ml/min
内部標準物質:α,α’-Bis(4-aminophenyl)-1,4-diisopropylbenzene
溶媒:メタノール
試料注入量:0.5μl
温度条件;INJ,DET:300℃ COL:250℃/10min→20℃/min昇温→300℃/18.7min
エポキシ樹脂組成物を23℃、50%RHの条件下で、#240サンドペーパ処理を行い、キシレン脱脂した冷間圧延鋼板(SPCC−SB)(JIS−G−3141)に200μmの厚さで塗装した。
外観:塗装7日後の塗膜外観(光沢、透明性、平滑性)を目視で評価し、乾燥性(硬化16時間後、1、4、7日後)は指触により4段階(◎:優秀 ○:良好 △:やや不良 ×:不良)で評価した。
耐水性:塗装16時間後、1、4、7日後の塗膜上に水滴を滴下し、1日放置後の塗膜の変化を目視により4段階(◎:優秀 ○:良好 △:やや不良 ×:不良)で評価した。
耐薬品性:塗装7日後の塗装鋼板を各薬品に23℃で4週間浸漬し、1、4週間後の塗膜の変化を目視により4段階(◎:優秀 ○:良好 △:やや不良 ×:不良)で評価した。なお、塩水噴霧試験はJIS K 5600準拠。
攪拌装置、温度計、窒素導入管、滴下漏斗及び冷却管を備えた内容積0.5リットルのセパラブルフラスコに、メタキシリレンジアミンとスチレンとの付加反応物であるポリアミン化合物(商品名「G−240」;三菱ガス化学株式会社製、活性水素当量(AHEW):103g/eq、(I)式で示される化合物の含有率:99.8重量%、(II)式で示される化合物の含有率:88.8重量%)206.0gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら80℃に昇温した。
80℃に保ちながらネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製、エポキシ当量:140g/eq、以下「NPG」と称する。)56.0gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃に昇温して2時間反応を行い、G−240のNPG付加物(反応生成物A)261.4gを得た。
合成例1と同様のフラスコにG−240(三菱ガス化学株式会社製、AHEW:103g/eq)206.0gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら80℃に昇温した。80℃に保ちながら1,2−プロパンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製、エポキシ当量:134g/eq、以下1,2−PDと称する。)53.6gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃に昇温して2時間反応を行い、G−240の1,2−PD付加物(反応生成物B)258.8gを得た。
反応生成物AをビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828、エポキシ当量:186g/eq)と表1に示す割合で配合し、23℃50%RHの条件下で硬化させてエポキシ樹脂硬化塗膜を作製し、性能評価を行った。結果を表1に示す。
反応生成物AをビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート807、エポキシ当量:168g/eq)と表2に示す割合で配合し、23℃50%RHの条件下で硬化させてエポキシ樹脂硬化塗膜を作製し、性能評価を行った。結果を表1に示す。
反応生成物BをビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名エピコート828、エポキシ当量:186g/eq)と表3に示す割合で配合し、23℃50%RHの条件下で硬化させてエポキシ樹脂硬化塗膜を作製し、性能評価を行った。結果を表2に示す。
G−240(三菱ガス化学株式会社製、活性水素当量103g/eq)をビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828、エポキシ当量:186g/eq)及び1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製、エポキシ当量:156g/eq、以下1,6−HDと称する。)と表3に示す割合で配合し、23℃50%RHの条件下で硬化させてエポキシ樹脂硬化塗膜を作製し、性能評価を行った。結果を表2に示す。
G−240(三菱ガス化学株式会社製、活性水素当量103g/eq)をビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名:エピコート828、エポキシ当量:186g/eq)と表3に示す割合で配合し、23℃50%RHの条件下で硬化させてエポキシ樹脂硬化塗膜を作製し、性能評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (8)
- (I)式で示されるポリアミン化合物と、グリシジル基間の炭素数が3以上である分岐状ジグリシジル化合物との反応生成物を含むエポキシ樹脂硬化剤であって、該反応におけるポリアミン化合物とジグリシジル化合物の仕込み比(ポリアミン化合物の活性水素数/ジグリシジル化合物のエポキシ基数)が3〜10である、エポキシ樹脂硬化剤。
(R)2N−H2C−A−CH2−NHR ・・・ (I)
(Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基であり、Rは水素原子またはフェネチル基である。複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rの少なくとも1つはフェネチル基である。) - 前記ポリアミン化合物中に(II)式で示されるポリアミン化合物を80重量%以上含む、請求項1記載のエポキシ樹脂硬化剤。
RHN−H2C−A−CH2−NHR ・・・ (II)
(Aはフェニレン基またはシクロヘキシレン基であり、Rは水素原子またはフェネチル基である。複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rの少なくとも1つはフェネチル基である。) - 前記ジグリシジル化合物のグリシジル基間の炭素数が12以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 前記分岐状ジグリシジル化合物が2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ樹脂硬化剤。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物。
- 請求項7記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させたエポキシ樹脂硬化物。
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