この発明は、発光素子駆動回路、発光素子駆動方法、及び該発光素子駆動回路を備えた映像表示装置に係り、特に、入力映像信号に基づいてレーザダイオード(半導体レーザ)などの発光素子を駆動して出力光強度を変調する場合に用いて好適な発光素子駆動回路、発光素子駆動方法、及び該発光素子駆動回路を備えた映像表示装置に関する。
プロジェクタ方式の映像表示装置では、従来からハロゲンランプが光源として用いられているが、近年では、レーザダイオードを用いた白色光源が開発されたため、このレーザダイオードを光源とする装置が実用化されている。このような映像表示装置では、光源から発せられた直進性の高い光(レーザビーム光)が走査ミラーなどの走査用デバイスによりスクリーン上に走査及び投影されて映像が表示される。このような映像表示装置により階調を表現するためには、光源からの光を何らかの手段で変調する必要がある。その手段の一つとして、レーザダイオードを駆動する電流を直接制御することにより出力光強度を変調する方法がある。また、レーザプリンタや複写機などにおいても、レーザビーム光で画像の書込みを行うためにレーザダイオードが光源として用いられているが、一般に、レーザダイオードの駆動電流が直接変調制御される。
このようなレーザダイオードでは、ある値以上の電流(閾値電流)が流れることによりレーザ発光が行われるが、温度変化や経時変化により、駆動電流/光出力特性、特に閾値電流が変動する特性を有するため、同レーザダイオードを定電流で駆動しても、閾値電流の変動に伴って出力光強度が変動するという問題点がある。この問題点を改善するために、自動光量調整(Automatic Power Control 、APC)が用いられる。自動光量調整では、レーザダイオードの出力光強度が検出され、この検出結果に基づいて駆動電流が制御される。一般に、自動光量調整を用いる映像表示装置や画像書込装置では、与えられた入力映像信号の各フレーム期間に含まれる非表示期間(ブランキング期間)中に光量調整用電圧が生成されてホールド回路で保持され、映像表示期間中に、上記光量調整用電圧に対応した一定の駆動電流がレーザダイオード駆動回路からレーザダイオードに供給される。
この種の発光素子駆動回路は、従来では、たとえば図25に示すように、電流出力回路1と、バイアス電流源2と、フォトダイオード(PD)3と、電流/電圧変換回路(I−V)4と、差動増幅器5と、サンプルホールド回路(S/H)6とから構成され、同電流出力回路1及びバイアス電流源2にレーザダイオード7が接続されている。電流出力回路1は、入力デジタル信号Din(“D7 D6 …D1 D0 ”)に対応して各電流源(1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,1/64,1/128,1/256)の出力電流を組み合わせることにより、バイナリに増減する電流Iaを出力する。バイアス電流源2は、サンプルホールド回路6からの制御電圧cvに基づいて制御されるバイアス電流IBIASを出力する。フォトダイオード3は、レーザダイオード7の出力光を受光して出力光強度に対応した電流を出力する。電流/電圧変換回路(I−V)4は、フォトダイオード3の出力電流を電圧vaに変換する。差動増幅器5は、電流/電圧変換回路4の電圧vaと参照電圧VREFとの差分をとり、差分電圧vbを出力する。サンプルホールド回路6は、差動増幅器5の差分電圧vbをサンプリングパルスSPに基づいてサンプリングした後、ホールドして上記制御電圧cvを出力する。
この発光素子駆動回路では、入力デジタル信号Dinが電流出力回路1に入力され、同電流出力回路1から出力される電流Iaでレーザダイオード7が駆動される。このとき、フォトダイオード3では、レーザダイオード7の光の強度に対応した電流が出力され、同電流が電流/電圧変換回路4で電圧vaに変換される。電圧vaは差動増幅器5で参照電圧VREFとの差分がとられ、同差動増幅器5から差分電圧vbが出力される。差分電圧vbはサンプルホールド回路6でサンプリングかつホールドされ、同サンプルホールド回路6から制御電圧cvが出力される。この制御電圧cvに基づいてバイアス電流源2のバイアス電流IBIASが制御され、最終的に、電流/電圧変換回路4の電圧vaと参照電圧VREFとが等しくなり、レーザダイオード7は入力デジタル信号Dinに対応した強度の出力光を発光する。これにより、レーザダイオード7の閾値電流の変動に対して、出力光強度の変動が抑制される。
しかしながら、この発光素子駆動回路では、電流出力回路1の入力信号/出力電流特性の傾きが制御されないため、レーザダイオード7の駆動電流/光出力特性の傾き(外部微分量子効率)の変動には対応できないという問題点がある。
この問題点を改善する発光素子駆動回路として、たとえば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された発光素子駆動回路(同文献では「発光素子駆動装置」)は、図26に示すように、レーザダイオード駆動装置10であり、レーザダイオード(LD)の光の検出電圧Vmonを出力するフォトダイオードを含む出力光強度検出部11と、同出力光強度検出部11から出力される検出電圧Vmonを複数の基準電圧Vref1,…,Vrefnと比較する複数のコンパレータ121 ,…,12n と、コンパレータ121 ,…,12n の出力差分電圧を保持する複数のサンプルホールド回路131 ,…,13n とを有している。これらのサンプルホールド回路131 ,…,13n で保持された電圧は、電圧/電流変換回路141 ,…,14n で電流I1 ,…,In に変換された後、演算回路15で所定のステップに基づいて演算処理が行われることで、レーザダイオードの閾値電流Ithが求められ、同閾値電流Ithを基準にバイアス電流Ibiasが出力され、同バイアス電流Ibiasは電流加算器17の一方の加算入力として与えられる。
スイッチ回路16は、データ入力端子20を介して入力されるデータ(DATA)に応じてオン/オフ(スイッチング)動作し、電流変換回路141 から供給される電流I1 に応じたスイッチング電流Iswを出力し、電流加算器17の他方の加算入力として与える。電流加算器17は、バイアス電流Ibiasとスイッチング電流Iswとを加算して駆動回路18に供給する。駆動回路18は、電流加算器17から供給される電流に応じた駆動電流をレーザダイオードのアノード側から供給して駆動する。このように、このレーザダイオード駆動装置10では、バイアス電流Ibiasとスイッチング電流Iswとに対してAPC制御が行われるため、レーザダイオードの駆動電流/光出力特性の閾値電流の変動及び傾きの変動に対して対応することが可能となる。
一方、入力映像信号に基づく映像をCRT(Cathode Ray Tube)以外のディスプレイで表示する場合、CRTの発光輝度特性に対応するために、レーザダイオードの出力光強度に対して、いわゆるガンマ補正を行う必要がある。ガンマ補正では、レーザダイオードの出力光強度が入力映像信号のレベルの2.2乗に比例するように調整する。従って、レーザダイオードを用いたプロジェクタにおいても、レーザダイオードの出力光強度が映像信号レベルの2.2乗に比例するように、同レーザダイオードに駆動電流を流す必要がある。
特開2003−298178号公報(要約書、図1)
しかしながら、上記従来の発光素子駆動回路では、次のような問題点があった。
すなわち、特許文献1に記載された発光素子駆動回路では、ガンマ補正を行うために、レーザダイオードの駆動電流を入力映像信号レベルの2.2乗に比例するように制御する必要があり、そのためには、入力映像信号レベルとレーザダイオードの駆動電流との対応関係を記述したLUT(ルックアップテーブル)が必要となる。LUTは大容量のメモリで構成されるため、発光素子駆動回路の回路規模が大きくなると共に、同発光素子駆動回路を集積回路で構成した場合にチップ面積が大きくなるという問題点がある。
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、レーザダイオードの出力光強度特性にガンマ補正を行う機能を有する場合でも、比較的小さい回路規模で実現され、かつ、APC制御を行いながら正確にガンマ補正を行うことが可能な発光素子駆動回路、発光素子駆動方法、及び該発光素子駆動回路を備えた映像表示装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、入力信号のレベルに基づいて発光素子を変調駆動する発光素子駆動回路に係り、前記発光素子の光強度を検出し、該検出結果に基づいて光強度検出信号を生成する光強度検出手段と、前記入力信号のレベルに対して所定の非線形の関係にある複数の基準信号が設定され、前記入力信号のレベルの最小値から最大値までの変化に対応して前記各基準信号と前記光強度検出信号との差分信号を生成する差分信号生成手段と、該差分信号生成手段により生成された前記各差分信号を保持する差分信号保持手段と、該差分信号保持手段に保持されている前記各差分信号のうちの現時点の前記入力信号のレベルに対応した差分信号に基づいて前記発光素子を駆動する光強度制御手段とが設けられ、前記光強度検出手段は、前記発光素子の出力光を受光し、該出力光の光強度に対応した検出電流を出力する少なくとも1つの光検出素子と、前記光検出素子から出力される前記検出電流を光強度検出電圧に変換する少なくとも1つの電流/電圧変換回路とを備え、前記差分信号生成手段は、前記複数の基準信号として複数の基準電圧が設定され、前記光強度検出電圧と前記各基準電圧との差分をとり、前記差分信号として複数の差分電圧を出力する差動増幅器を備え、前記差分信号保持手段は、前記各差分電圧をサンプリングかつホールドして複数のホールド電圧を出力するサンプルホールド回路を備え、前記光強度制御手段は、前記複数のホールド電圧から前記入力信号のレベルに対応したホールド電圧を選択し、該選択されたホールド電圧に基づく駆動電流を前記発光素子に出力する電流出力回路を備え、かつ、前記電流出力回路は、前記入力信号のレベルの最小値から最大値までの変化に対応したnビット(n;自然数)のデジタル信号を入力し、該デジタル信号の上位(n−k)ビット(k;自然数)に基づいて該入力信号の範囲を2^(n−k)個の領域に分割し、前記各領域内で前記デジタル信号の下位kビットに基づいて当該電流出力回路の出力電流がバイナリで線形に増減する構成とされていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発光素子駆動回路に係り、前記発光素子は、前記駆動電流が所定の閾値電流以下のときに自然発光する一方、該閾値電流以上のときにレーザ発光するレーザダイオードで構成され、前記電流出力回路は、前記レーザダイオードの最小の出力光強度を、該レーザダイオードが前記レーザ発光を開始するときの光強度以下とする前記駆動電流を出力する構成とされていることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発光素子駆動回路に係り、前記電流出力回路は、前記デジタル信号の上位(n−k)ビットに基づいて前記複数のホールド電圧から1つを選択して第1の制御電圧として出力する第1の選択回路と、前記第1の制御電圧に応じた第1の電流を出力する主電流源と、前記デジタル信号の上位(n−k)ビットに基づいて、前記複数のホールド電圧から前記第1の制御電圧に対応したホールド電圧の次に出力されたホールド電圧を選択して第2の制御電圧として出力する第2の選択回路と、前記デジタル信号の下位kビットによりバイナリで線形に増減する第2の電流を出力し、かつ、該第2の電流を前記第2の制御電圧に基づいて調整する副電流源と、前記主電流源の第1の電流と前記副電流源の第2の電流とを加算する電流加算器とから構成されていることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の発光素子駆動回路に係り、前記電流出力回路は、前記デジタル信号の下位kビットの最下位ビットに相当する電流値の第3の電流を出力し、該第3の電流を前記第2の選択回路で選択された前記第2の制御電圧に応じて可変し、かつ、与えられた制御信号に基づいて前記第3の電流をオン/オフ制御する調整用電流源が設けられていることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の発光素子駆動回路に係り、前記差分信号生成手段は、前記複数の基準電圧から1つの基準電圧を時分割的に選択して前記差動増幅器へ送出する基準電圧選択回路が設けられていることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項1、3又は4記載の発光素子駆動回路に係り、1フレーム期間中に表示期間と非表示期間とを有する入力映像信号の前記非表示期間に前記デジタル信号を前記電流出力回路へ送出する一方、前記表示期間に当該入力映像信号をそのまま前記電流出力回路へ前記入力信号として送出する入力信号切替回路が設けられていることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の発光素子駆動回路に係り、前記複数の基準電圧は、前記入力映像信号のレベルの2.2乗に比例する関係に設定されていることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、入力信号のレベルに基づいて発光素子を変調駆動する発光素子駆動回路に用いられる発光素子駆動方法に係り、光強度検出手段が、前記発光素子の光強度を検出し、該検出結果に基づいて光強度検出信号を生成する光強度検出処理と、差分信号生成手段が、前記入力信号のレベルに対して所定の非線形の関係にある複数の基準信号を設定し、前記入力信号のレベルの最小値から最大値までの変化に対応して前記各基準信号と前記光強度検出信号との差分信号を生成する差分信号生成処理と、差分信号保持手段が、生成された前記各差分信号を保持する差分信号保持処理と、光強度制御手段が、保持されている前記各差分信号のうちの現時点の前記入力信号のレベルに対応した差分信号に基づいて前記発光素子を駆動する光強度制御処理とを行い、前記光強度検出処理では、少なくとも1つの光検出素子が、前記発光素子の出力光を受光し、該出力光の光強度に対応した検出電流を出力し、かつ、少なくとも1つの電流/電圧変換回路が、前記光検出素子から出力される前記検出電流を光強度検出電圧に変換し、前記差分信号生成処理では、差動増幅器が、前記複数の基準信号として複数の基準電圧が設定され、前記光強度検出電圧と前記各基準電圧との差分をとり、前記差分信号として複数の差分電圧を出力し、前記差分信号保持処理では、サンプルホールド回路が、前記各差分電圧をサンプリングかつホールドして複数のホールド電圧を出力し、前記光強度制御処理では、電流出力回路が、前記入力信号のレベルの最小値から最大値までの変化に対応したnビット(n;自然数)のデジタル信号を入力し、該デジタル信号の上位(n−k)ビット(k;自然数)に基づいて該入力信号の範囲を2^(n−k)個の領域に分割し、前記各領域内で前記デジタル信号の下位kビットに基づいて当該電流出力回路の出力電流をバイナリで線形に増減することにより、前記複数のホールド電圧から前記入力信号のレベルに対応したホールド電圧を選択し、該選択されたホールド電圧に基づく駆動電流を前記発光素子に出力することを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、映像表示装置に係り、請求項1乃至7のいずれか一に記載の発光素子駆動回路を備えたことを特徴としている。
この発明の構成によれば、光強度検出手段により、発光素子の光強度検出信号が生成され、差分信号生成手段により、入力信号のレベルの最小値から最大値までの変化に対応して各基準信号と上記光強度検出信号との差分信号が生成され、差分信号保持手段により、上記各差分信号が保持される。そして、光強度制御手段により、上記差分信号保持手段に保持されている各差分信号のうちの現時点の入力信号のレベルに対応した差分信号に基づいて発光素子が変調駆動されるので、入力信号に対して所定の出力光強度特性を有し、かつ、発光素子の特性が温度変化や経時によって変動しても、同出力光強度特性に対する影響の少ない発光素子駆動回路を実現できる。また、各基準信号としての各基準電圧は、入力映像信号のレベルの2.2乗に比例する関係(すなわち、ガンマ特性)に設定されているので、電流出力回路が同入力映像信号に対して直接ガンマ特性に合致した駆動電流を出力することが可能となり、同入力映像信号をガンマ変換するためのルックアップテーブル(LUT)が不要となる。このため、比較的小規模の回路構成で正確にガンマ補正が行われる発光素子駆動回路を提供することができる。
APC制御に用いる参照電圧(基準電圧)が複数設定され、さらに、入力映像信号に対応して、これらの参照電圧の値をガンマ特性とし、複数の映像信号レベルに対してAPC制御を行う発光素子駆動回路、発光素子駆動方法、及び同発光素子駆動回路を備えた映像表示装置を提供する。
図1は、この発明の基本原理を説明するための発光素子駆動回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この発光素子駆動回路は、同図に示すように、駆動部31と、発光素子32と、光強度検出部33と、参照電圧源341 ,342 ,…,34t と、差動増幅器351 ,352 ,…,35t と、サンプルホールド回路(S/H)36とから構成されている。駆動部31は、入力映像信号Vinに対応する駆動電流ILDを発光素子32に供給する。発光素子32は、レーザダイオードで構成され、駆動電流ILDに対応する強度の光を出力する。光強度検出部33は、発光素子32の出力光pの強度に対応する検出電圧DETを差動増幅器351 ,352 ,…,35t に供給する。参照電圧源341 ,342 ,…,34t は、入力映像信号Vinのレベルの最小値から最大値までの変化に対応して予め定めた参照電圧VREF0 ,VREF1 ,…,VREFt-1 を発生する。
差動増幅器351 ,352 ,…,35t は、検出電圧DETと参照電圧VREF0 ,VREF1 ,…,VREFt-1 との差分電圧cv0 ,cv1 ,…,cvt-1 を出力する。サンプルホールド回路36は、差分電圧cv0 ,cv1 ,…,cvt-1 をサンプリングかつホールドして出力電圧hv0 ,hv1 ,…,hvt-1 を出力する。上記駆動部31は、出力電圧hv0 ,hv1 ,…,hvt-1 を制御電圧として入力し、これらの制御電圧に基づいて上記駆動電流ILDを制御する。
図2は、入力映像信号レベルと参照電圧との関係を示す特性図、図3は、発光素子32の駆動電流ILDと出力光強度との関係を示す特性図、図4は、光強度検出部33の受光照度と検出電圧DETとの関係を示す特性図、図5は、駆動部31の温度TP1時における入力映像信号レベルと駆動電流ILDとの関係を示す特性図、図6は、駆動部31の温度TP2時における入力映像信号レベルと駆動電流ILDとの関係を示す特性図、及び図7が、入力映像信号レベルと発光素子32の出力光強度との関係を示す特性図である。
これらの図を参照して、図1の発光素子駆動回路の動作について説明する。
まず、図2に示すように、参照電圧は、入力映像信号レベルに対して所定の非線形の関係に設定されている。すなわち、参照電圧VREF0 は映像信号レベルVIN0 、参照電圧VREF1 は映像信号レベルVIN1 、参照電圧VREF2 は映像信号レベルVIN2 、以下、同様に、参照電圧VREFt-2 は映像信号レベルVINt-2 、及び参照電圧VREFt-1 が映像信号レベルVINt-1 にそれぞれ対応している。従って、図2の特性曲線は、領域R1 ,R2 ,…,Rt-1 に対応して(t−1)個に区分され、また、参照電圧はVREF0 ,VREF1 ,…,VREFt-1 のt個からなっている。
そして、駆動部31により、入力映像信号Vinに対応した駆動電流ILDが出力され、サンプルホールド回路36からの出力電圧(制御電圧)hv0 ,hv1 ,…,hvt-1 に基づいて、同駆動電流ILDが制御される。発光素子32は、レーザダイオードで構成されているため、図3に示すように、駆動電流ILDが閾値電流(I0.1 ,I0.2 )以下では殆ど発光せず、同閾値電流以上では同駆動電流ILDに比例した光強度で発光する他、周囲の温度(TP1<TP2)の変化や経時に対応して同閾値電流及び傾き(ΔP/ΔI、外部微分量子効率)が変動する特性を有する。光強度検出部33は、図4に示すように、受光照度P0 ,P1 ,…,Pt-1 に対して線形に増加する検出電圧DET0 ,DET1 ,…,DETt-1 を出力する。サンプルホールド回路36は、差動増幅器351 ,…,35t から出力される差分電圧cv0 ,cv1 ,…,cvt-1 を所定のタイミングでサンプリングし、サンプリング時では入力電圧(差分電圧cv0 ,cv1 ,…,cvt-1 )を通過させて出力電圧(制御電圧)hv0 ,hv1 ,…,hvt-1 として出力する一方、サンプリング時以外はサンプリング時の電圧値を保持して同出力電圧hv0 ,hv1 ,…,hvt-1 として出力する。
次に、周囲の温度TP1,TP2における動作(1),(2)について説明する。
(1)温度TP1における動作
ある時間T1において、図5に示すように、入力映像信号レベルがVIN0 のとき、駆動部31から駆動電流I0.1 が出力され、発光素子32に供給される。発光素子32は、駆動電流I0.1 に対応した光強度P0 で発光する。光強度検出部33では、光強度P0 に対応した検出電圧DET0 が出力され、同検出電圧DET0 が差動増幅器351 ,352 ,…,35t に供給される。これらのうち、差動増幅器351 では、検出電圧DET0 と参照電圧VREF0 との差分がとられ、差分電圧cv0 が出力される。サンプルホールド回路36では、差分電圧cv0 がサンプリングされて制御電圧hv0 として駆動部31に出力される。駆動部31では、制御電圧hv0 に基づいて駆動電流I0.1 が制御される。従って、この時間T1では、APCループとして、“駆動部31→発光素子32→光強度検出部33→検出電圧DET0 →差動増幅器351 →差分電圧cv0 →サンプルホールド回路36→制御電圧hv0 →駆動部31”が形成され、発光素子32が参照電圧VREF0 で決まる光強度P0 で発光するように、このときの制御電圧hv0 の値が定まる。
次に、ある時間T2において、入力映像信号レベルがVIN1 のとき、駆動部31から駆動電流I1.1 が出力され、発光素子32に供給される。発光素子32は、駆動電流I1.1 に対応した光強度P1 で発光する。光強度検出部33では、光強度P1 に対応した検出電圧DET1 が出力され、同検出電圧DET1 が差動増幅器351 ,352 ,…,35t に供給される。これらのうち、差動増幅器352 では、検出電圧DET1 と参照電圧VREF1 との差分がとられ、差分電圧cv1 が出力される。サンプルホールド回路36では、差分電圧cv1 がサンプリングされて制御電圧hv1 として駆動部31に出力される。駆動部31では、制御電圧hv1 に基づいて駆動電流I1.1 が制御される。従って、この時間T2では、APCループとして、“駆動部31→発光素子32→光強度検出部33→検出電圧DET1 →差動増幅器352 →差分電圧cv1 →サンプルホールド回路36→制御電圧hv1 →駆動部31”が形成され、発光素子32が参照電圧VREF1 で決まる光強度P1 で発光するように、このときの制御電圧hv1 の値が定まる。
以下、同様に、入力映像信号レベル、及び同入力映像信号レベルに対応づけられた参照電圧を切り替えてAPC制御を行うことにより、発光素子32が参照電圧VREF0 ,…,VREFt-1で決まる光強度P0 ,…,Pt-1 で発光するように、サンプルホールド回路36から出力される制御電圧hv0 ,hv1 ,…,hvt-1 が定まる。この結果、入力映像信号レベルに対して、駆動部31から出力される駆動電流ILDは、図5に示す特性となる。さらに、参照電圧VREF0 ,…,VREFt-1 が入力信号レベルと非線形の関係にあるため、図7に示すように、発光素子32の出力光強度も、入力信号レベルに対して非線形の関係にある。
(2)温度TP2における動作
ある時間T1において、図6に示すように、入力映像信号レベルがVIN0 のとき、駆動部31から駆動電流I0.2 が出力され、発光素子32に供給される。発光素子32は、駆動電流I0.2 に対応した光強度P0 で発光する。光強度検出部33では、光強度P0 に対応した検出電圧DET0 が出力され、同検出電圧DET0 が差動増幅器351 ,352 ,…,35t に供給される。差動増幅器351 では、検出電圧DET0 と参照電圧VREF0 との差分電圧cv0 が出力される。サンプルホールド回路36では、差分電圧cv0 がサンプリングされて制御電圧hv0 として駆動部31に出力される。駆動部31では、制御電圧hv0 に基づいて駆動電流I0.2 が制御される。従って、この時間T1では、APCループとして、“駆動部31→発光素子32→光強度検出部33→検出電圧DET0 →差動増幅器351 →差分電圧cv0 →サンプルホールド回路36→制御電圧hv0 →駆動部31”が形成され、発光素子32が参照電圧VREF0 で決まる強度P0 の光を発光するように、このときの制御電圧hv0 の値が定まる。
従って、温度がTP1からTP2に変化しても、参照電圧VREF0 ,…,VREFt-1 で決まる光強度P0 ,…,Pt-1 で発光素子32が発光するように、サンプルホールド回路36から出力される制御電圧hv0 ,hv1 ,…,hvt-1 が定まり、入力映像信号レベルに対して、駆動部31の出力電流は図6に示す特性となる。その結果、この発光素子駆動回路は、温度が変化しても、ある入力映像信号レベルに対して発光素子32の出力光強度が常に一定となるように動作すると共に、発光素子32の出力光強度が入力映像信号レベルに対して所定の非線形の特性を有するように動作する。
図8は、この発明の第1の実施例である発光素子駆動回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この例の発光素子駆動回路は、同図に示すように、入力信号切替回路41と、電流出力回路42と、レーザダイオード(LD)43と、フォトダイオード(PD)441 ,442 ,…,442mと、電流/電圧変換回路451 ,452 ,…,452mと、差動増幅器461 ,462 ,…,462mと、タイミング信号生成回路47と、サンプルホールド回路(S/H)48とから構成されている。入力信号切替回路41は、入力映像信号DIN0 ,DIN1 ,…,DINn-1 を入力し、制御信号CNT1に基づいて、映像表示期間では、同入力映像信号をそのまま入力デジタル信号D0 ,…,Dn-1 として通過させて電流出力回路42に送出する一方、ブランキング期間では、同入力デジタル信号の下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )については1クロック毎にオール“0”(“00…00”)とオール“1”(“11…11”)を交互に切り替えて出力し、同入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )については2クロック毎に“1”ずつインクリメントして出力する。
電流出力回路42は、入力デジタル信号D0 ,D1 ,…,Dn-1 、サンプルホールド回路48からの制御電圧VMm-1 ,…,VM0 及び制御電圧VSm-1 ,…,VS0 に基づいて、レーザダイオード43に駆動電流ILDを供給する。レーザダイオード43は、閾値電流以下の駆動電流では自然発光を行い、同閾値電流以上の駆動電流ではレーザ発光を行う。通常、レーザダイオード43を発光させるときは閾値電流以上の駆動電流を与え、レーザ発光領域で使用する。また、レーザダイオード43は、温度変化及び経時に対して閾値電流及び外部微分量子効率(ΔP/ΔI)が変動する特性を有する。フォトダイオード441 ,442 ,…,442mは、レーザダイオード43の出力光を受光し、受光照度に対応した電流を出力する。電流/電圧変換回路451 ,452 ,…,452mは、フォトダイオード441 ,442 ,…,442mの各出力電流に対して線形比例する検出電圧DETを出力する。差動増幅器461 ,462 ,…,462mは、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF0 ,VREF1 ,…,VREF2m-1との差分電圧CM0 ,CM1 ,…,CM2m-1を出力する。
サンプルホールド回路48は、制御信号CNT2に基づいて、1クロック毎に、差分電圧CM0 をサンプリングして制御電圧VM0 、差分電圧CM1 をサンプリングして制御電圧VS0 、差分電圧CM2 をサンプリングして制御電圧VM1 、以下、同様に、差分電圧CM2m-2をサンプリングして制御電圧VMm-1 、及び差分電圧CM2m-1をサンプリングして制御電圧VSm-1 として出力し、サンプリング時以外では、これらの制御電圧をサンプリング時の電圧値に保持(ホールド)する。タイミング信号生成回路47は、ブランキング期間に、クロックCLKと同期して入力信号切替回路41の出力(入力デジタル信号D0 ,D1 ,…,Dn-1 )を切り替えるための制御信号CNT1を出力すると共に、クロックCLKと同期してサンプルホールド回路48のサンプリングの対象となる差分電圧CM0 ,CM1 ,…,CM2m-1 を切り替えるための制御信号CNT2を出力する。
図9は、図8中の電流出力回路42の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この電流出力回路42は、同図9に示すように、選択回路51と、主電流源52と、選択回路53と、副電流源54と、電流加算器55とから構成されている。この電流出力回路42では、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )がオール“0”のとき、選択回路51がサンプルホールド回路48からの制御電圧VM0 を選択して制御電圧VMout として出力し、また、選択回路53が制御電圧VS0 を選択して制御電圧VSout として出力する。以下、上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )が“1”だけインクリメントするたびに、選択回路51は制御電圧VM1 ,…,VMm-1 を順次選択し、選択回路53が制御電圧VS1 ,…,VSm-1 を順次選択する。主電流源52は選択回路51からの制御電圧VMout に正比例した電流IM を出力し、副電流源54は入力デジタル信号の下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )がオール“0”のときは電流を出力せず、下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )がオール“1”のときに選択回路53からの制御電圧VSout に正比例した最大電流ISALL1 を電流IS として出力する。電流加算器55は、電流IM と電流IS とを加算して出力電流IOUT (すなわち、駆動電流ILD)を出力する。
図10は、図8の発光素子駆動回路の動作を説明するタイムチャート、図11は、入力映像信号レベルと参照電圧との関係を示す特性図、図12は、レーザダイオード43の駆動電流ILDと出力光強度との関係を示す特性図、図13は、フォトダイオードの受光照度と出力電流との関係を示す特性図、図14は、電流出力回路42の温度TP1時における入力映像信号レベルと駆動電流ILDとの関係を示す特性図、図15は、電流出力回路42の温度TP2時における入力映像信号レベルと駆動電流ILDとの関係を示す特性図、図16は、入力映像信号レベルとレーザダイオード43の出力光強度との関係を示す特性図、及び図17が、入力映像信号レベルとデジタルデータとの関係を示す図である。
これらの図を参照して、この例の発光素子駆動回路に用いられる発光素子駆動方法の処理内容について説明する。
この発光素子駆動回路では、レーザダイオード43の光強度検出電圧(検出電圧DET)が生成され(光強度検出処理)、入力信号(入力映像信号DIN0 ,DIN1 ,…,DINn-1 )のレベルの最小値から最大値までの変化に対応して各基準電圧(参照電圧VREF0 ,VREF1 ,…,VREF2m-1)と上記光強度検出電圧DETとの差分電圧CM0 ,CM1 ,…,CM2m-1が順次生成され(差分電圧生成処理)、同各差分電圧がサンプリングされて保持される(差分電圧保持処理)。そして、保持されている各差分電圧のうちの現時点の入力信号のレベルに対応した差分電圧に基づいてレーザダイオード43の駆動電流ILDが制御され(光強度制御処理)、同レーザダイオード43が変調駆動される。
図10では、ブランキング期間(非表示期間)中の動作が示され、同期信号SYNCが低レベル(以下、“L”という)期間がブランキング期間となっている。また、図11では、ガンマ特性曲線が表され、参照電圧は、入力映像信号レベルの2.2乗と比例関係にある。すなわち、同図11では、参照電圧VREF0 は、入力映像信号レベルVIN0 (すなわち、図17に示すnビットデジタル信号の上位(n−k)ビットが“00…00”、及び下位kビットが“00…00”)に対応する。参照電圧VREF1 は、入力映像信号レベルVIN1 (すなわち、上位(n−k)ビットが“00…00”、及び下位kビットが“11…11”)に対応する。参照電圧VREF2 は、入力映像信号レベルVIN2 (すなわち、上位(n−k)ビットが“00…01”、及び下位kビットが“00…00”)に対応する。参照電圧VREF3 は、入力映像信号レベルVIN3 (すなわち、上位(n−k)ビットが“00…01”、及び下位kビットが“11…11”)に対応する。以下、同様に、参照電圧VREF2m-1は、入力映像信号レベルVIN2m-1(すなわち、上位(n−k)ビットが“11…11”、及び下位kビットが“11…11”)に対応する。よって、このガンマ曲線は、2^(n−k)個(=m個)の範囲に区分され、参照電圧は、VREF0 ,VREF1 ,…,VREF2m-1の2m個からなっている。なお、上位(n−k)ビットのn及びkは、たとえば、n=8及びk=6、乃至n=12及びk=8に設定されている。
タイミング信号生成回路47では、ブランキング期間(すなわち、同期信号SYNCが“L”の期間)に、クロックCLKと同期して入力信号切替回路41の出力(D0 ,…,Dn-1 )を切り替えるための制御信号CNT1が出力されると共に、クロックCLKと同期してサンプルホールド回路48のサンプリングの対象となる信号(差分電圧CM0 ,CM1 ,…,CM2m-1 )を切り替えるための制御信号CNT2が出力される。入力信号切替回路41では、映像表示期間において、入力映像信号(DIN0 ,…,DINk-1 )がそのまま入力デジタル信号D0 ,…,Dn-1 として通過して電流出力回路42に送出される一方、ブランキング期間において、図10に示すように、同入力デジタル信号の下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )については1クロック毎にオール“0”(“00…00”)とオール“1”(“11…11”)とが交互に切り替えて出力され、同入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )については、“00…00”から始まって2クロック毎に“1”ずつインクリメントして“11…11”まで出力される。
レーザダイオード43では、図12に示すように、閾値電流(I0.1 ,I0.2 )以下の駆動電流ILDでは自然発光が行われ、同閾値電流以上の駆動電流ILDではレーザ発光が行われる。また、レーザダイオード43は、温度の変動に対して閾値電流及び外部微分量子効率(ΔP/ΔI)が変動し、温度TP1では、閾値電流がI0.1 、及び外部微分量子効率がΔP1 /ΔI1 、温度TP2では、閾値電流がI0.2 、及び外部微分量子効率がΔP2 /ΔI2 となる。フォトダイオード441 ,…,442mでは、図13に示すように、受光照度Pに対して線形に増加する電流Iが出力される。
この発光素子駆動回路では、温度TP1において、図10に示すように、ブランキング期間開始後、時間T1 において、入力信号切替回路41から、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )共にオール“0”が出力される。よって、電流出力回路42の選択回路51は制御電圧VM0 を選択し、主電流源52は制御電圧VM0 に応じた電流IM (=I0.1 )を出力し、副電流源54は電流を出力しない。このため、電流出力回路42は、駆動電流ILD(=I0.1 )を出力し、レーザダイオード43に供給する。レーザダイオード43は、このときの駆動電流ILD(=I0.1 )に対応した光強度P0 で発光する。フォトダイオード441 ,442 ,…,442mは、この光強度P0 に応じた検出電流IPD0 を電流/電圧変換回路451 ,452 ,…,452mに出力し、同電流/電圧変換回路451 ,452 ,…,452mから検出電圧DETが差動増幅器461 ,462 ,…,462mの反転入力(−)に供給される。
差動増幅器461 では、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF0 との差分電圧CM0 が出力される。サンプルホールド回路48では、差分電圧CM0 がサンプリングされて制御電圧VM0 として出力される。よって、時間T1 では、APCループとして、“制御電圧VM0 →主電流源52→レーザダイオード43→フォトダイオード441 →電流/電圧変換回路451 →検出電圧DET→差動増幅器461 →差分電圧CM0 →サンプルホールド回路48→制御電圧VM0 ”が形成され、レーザダイオード43が参照電圧VREF0 に対応した光強度P0 で発光するように制御電圧VM0 の電圧値が定まる。
時間T2 では、入力信号切替回路41は、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )にオール“0”、及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )にオール“1”を出力する。よって、電流出力回路42の主電流源52から制御電圧VM0 に応じた電流IM (=I0.1 )が出力され、副電流源54からが制御電圧VS0 に応じた電流IS (=ISALL1 =IS1.1)が出力され、電流加算器55で電流IM と電流IS とが加算される。このため、電流出力回路42から駆動電流ILD(=I1.1 )が出力され、レーザダイオード43に供給される。レーザダイオード43は、このときの駆動電流ILD(=I1.1 )に応じた光強度P1 で発光する。フォトダイオード442 は、この光強度P1 に応じた検出電流IPD1 を電流/電圧変換回路451 ,452 ,…,452mに出力し、検出電圧DETとして差動増幅器461 ,462 ,…,462mの反転入力(−)に供給する。
差動増幅器462 では、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF1 との差分電圧CM1 が出力される。サンプルホールド回路48では、差分電圧CM1 がサンプリングされて制御電圧VS0 として出力される。よって、時間T2 では、APCループとして、“制御電圧VS0 →副電流源54→レーザダイオード43→フォトダイオード442 →電流/電圧変換回路452 →検出電圧DET2 →差動増幅器462 →差分電圧CM1 →サンプルホールド回路48→制御電圧VS0 ”が形成され、レーザダイオード43が参照電圧VREF1 に対応した光強度P1 で発光するように制御電圧VS0 の電圧値が定まる。
時間T3 では、入力信号切替回路41は、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )に“00…01”、及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )にオール“0”を出力する。よって、電流出力回路42の主電流源52から、制御電圧VM1 に応じた電流IM (=I2.1 )が出力され、副電流源54は電流を出力しない。このため、電流出力回路42から駆動電流ILD(=I2.1 )が出力され、レーザダイオード43に供給される。レーザダイオード43は、このときの駆動電流ILD(=I2.1 )に応じた光強度P2 で発光する。フォトダイオード443 は、この光強度P2 に応じた検出電流IPD2 を電流/電圧変換回路451 ,452 ,…,452mに出力し、検出電圧DETとして差動増幅器461 ,462 ,…,462mの反転入力(−)に供給する。差動増幅器463 では、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF2 との差分電圧CM2 が出力される。サンプルホールド回路48では、差分電圧CM2 がサンプリングされて制御電圧VM1 として出力される。よって、時間T3 では、APCループとして、“制御電圧VM1 →主電流源52→レーザダイオード43→フォトダイオード443 →電流/電圧変換回路453 →検出電圧DET→差動増幅器463 →差分電圧CM2 →サンプルホールド回路48→制御電圧VM1 ”が形成され、レーザダイオード43が参照電圧VREF2 に対応した光強度P2 で発光するように制御電圧VM1 の電圧値が定まる。
時間T4 では、入力信号切替回路41は、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )に“00…01”、及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )にオール“1”を出力する。よって、電流出力回路42の主電流源52から制御電圧VM1 に応じた電流IM (=I2.1 )が出力され、副電流源54から制御電圧VS1 に応じた電流IS (=ISALL1 =IS3.1)が出力され、電流加算器55で電流IM と電流IS とが加算される。このため、電流出力回路42から駆動電流ILD(=I3.1 )が出力され、レーザダイオード43に供給される。レーザダイオード43は、このときの駆動電流ILD(=I3.1 )に応じた光強度P3 で発光する。フォトダイオード444 は、この光強度P3 に応じた検出電流IPD3 を電流/電圧変換回路454 に出力し、検出電圧DETとして差動増幅器461 ,462 ,…,462mの反転入力(−)に供給する。差動増幅器464 では、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF3 との差分電圧CM3 が出力される。サンプルホールド回路48では、差分電圧CM3 がサンプリングされて制御電圧VS1 として出力される。よって、時間T4 では、APCループとして、“制御電圧VS1 →副電流源54→レーザダイオード43→フォトダイオード444 →電流/電圧変換回路454 →検出電圧DET→差動増幅器464 →差分電圧CM3 →サンプルホールド回路48→制御電圧VS1 ”が形成され、レーザダイオード43が参照電圧VREF3 に対応した光強度P3 で発光するように制御電圧VS1 の電圧値が定まる。
以下、入力信号切替回路41から出力される入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )と下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )、及びサンプルホールド回路48のサンプリングの対象となる差分電圧CM0 ,…,CM2m-1を切り替えることにより、参照電圧VREF0 ,…,VREF2m-1に対応した光強度P0 ,…,P2m-1でレーザダイオード43が発光するように制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 が定まる。この結果、入力映像信号レベルに対する電流出力回路42の出力電流ILDは、たとえば図14に示す特性となる。さらに、参照電圧VREF0 ,VREF1 ,…,VREF2m-1が入力映像信号レベルの2.2乗と比例関係にあるため、図16に示すように、レーザダイオード43の出力光強度は、入力映像信号レベルの2.2乗に比例したガンマ特性を有する。
また、この発光素子駆動回路は、温度がTP1からTP2に変化しても、図15に示すように、参照電圧VREF0 ,VREF1,…,VREF2m-1に対応した光強度P0 ,…,P2m-1でレーザダイオード43が発光するように制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 が定まるように動作する。
なお、この実施例の動作では、同一のブランキング期間で制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 の全てについてAPC制御が行われるが、複数の異なるブランキング期間において個々に制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 についてAPC制御を行っても良い。また、入力信号切替回路41の出力を切り替えるタイミングと、サンプルホールド回路48のサンプリング対象信号を切り替えるタイミングを1クロック毎に行っていたが、複数クロック毎に行っても良いし、また、クロックCLKに同期しなくても良い。
以上のように、この第1の実施例では、レーザダイオード43の光強度検出電圧(検出電圧DET)が生成され、また、入力信号(入力映像信号DIN0 ,DIN1 ,…,DINn-1 )のレベルの最小値から最大値までの変化に対応した複数の基準電圧(参照電圧VREF0 ,VREF1 ,…,VREF2m-1)が設定され、各基準電圧と上記光強度検出電圧DETとの差分電圧CM0 ,CM1 ,…,CM2m-1が生成され、これらの各差分電圧のうちの現時点の入力信号のレベルに対応した差分電圧に基づいて駆動電流ILDが制御されるので、温度が変化しても、ある入力レベルに対してレーザダイオード43の出力光強度が常に一定となり、また、同レーザダイオード43の出力光強度が入力映像信号レベルの2.2乗に比例したガンマ特性を有するので、比較的小規模の回路構成で正確にガンマ補正が行われる。
図18は、この発明の第2の実施例である発光素子駆動回路の要部の電気的構成を示すブロック図であり、第1の実施例を示す図8中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この例の発光素子駆動回路では、同図18に示すように、図8中のフォトダイオード441 ,442 ,…,442m、電流/電圧変換回路451 ,452 ,…,452m、差動増幅器461 ,462 ,…,462m、タイミング信号生成回路47及びサンプルホールド回路48に代えて、1つのフォトダイオード44、1つの電流/電圧変換回路45、1つの差動増幅器46、タイミング信号生成回路47A及びサンプルホールド回路48Aが設けられ、また、新たに選択回路49が設けられている。
フォトダイオード44は、レーザダイオード43の出力光を受光し、受光照度に対応した電流を出力する。電流/電圧変換回路45は、フォトダイオード44の出力電流に対して線形比例する検出電圧DETを出力する。選択回路49は、タイミング信号生成回路47Aから出力される制御信号CNT3に基づいて、参照電圧VREF0 ,…,VREF2m-1から1つを選択して参照電圧VREFとして出力する。差動増幅器46は、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREFとの差分電圧CMを出力する。サンプルホールド回路48Aは、制御信号CNT2に基づいて、1クロック毎に、サンプリングの対象となる差分電圧CMをサンプリングして制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 として出力し、サンプリング時以外では、これらの制御電圧をサンプリング時の電圧値に保持する。タイミング信号生成回路47Aは、タイミング信号生成回路47の機能に加え、選択回路49に入力される参照電圧VREF0 ,…,VREF2m-1を制御信号CNT2と同期して選択するための制御信号CNT3を出力する。他は、図1と同様の構成である。
図19は、図18の発光素子駆動回路の動作を説明するタイムチャートである。
この図を参照して、この例の発光素子駆動回路に用いられる発光素子駆動方法の処理内容について説明する。
この発光素子駆動回路では、図19に示すように、ブランキング期間開始後、時間T1 において、入力信号切替回路41では、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )、及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )共にオール“0”が出力される。よって、電流出力回路42の選択回路51では制御電圧VM0 が選択され、主電流源52では制御電圧VM0 に応じた電流IM (=I0.1 )が出力され、副電流源54からは電流が出力されない。このため、電流出力回路42から駆動電流ILD(=I0.1 )が出力され、レーザダイオード43に供給される。レーザダイオード43は、このときの駆動電流ILD(=I0.1 )に応じた光強度P0 で発光する。フォトダイオード44では、この光強度P0 に応じた検出電流IPD0 が電流/電圧変換回路45に出力され、同電流/電圧変換回路45から検出電圧DETが差動増幅器46の反転入力(−)に供給される。選択回路49では、制御信号CNT3に基づいて参照電圧VREF0 が選択され、差動増幅器46の非反転入力(+)に供給される。差動増幅器46では、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF0 との差分電圧CMが出力される。
サンプルホールド回路48Aでは、差分電圧CMがサンプリングされて制御電圧VM0 として出力される。よって、時間T1 では、APCループとして、“制御電圧VM0 →主電流源52→レーザダイオード43→フォトダイオード44→電流/電圧変換回路45→検出電圧DET→差動増幅器46→差分電圧CM→サンプルホールド回路48A→制御電圧VM0 ”が形成され、レーザダイオード43が参照電圧VREF0 に対応した光強度P0 で発光するように制御電圧VM0 の電圧値が定まる。以下、入力信号切替回路41が出力する入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )と下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )、選択回路49Aの入力信号(参照電圧VREF0 ,…,VREF2m-1)、及びサンプルホールド回路48Aの出力(制御電圧VM0 ,…,VMm-1 、制御電圧VS0 ,…,VSm-1 )を切り替えることにより、参照電圧VREF0 ,…,VREF2m-1に対応した光強度P0 ,…,P2m-1でレーザダイオード43が発光するように制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 が定まる。
この結果、上記第1の実施例と同様に、入力映像信号レベルに対して、電流出力回路42の出力電流ILDは、図14に示す特性となる。さらに、参照電圧VREF0 ,…,VREF2m-1が入力信号レベルの2.2乗と比例関係にあるため、図16に示すように、レーザダイオード43の出力光強度は、入力信号レベルに対して2.2乗に比例したガンマ特性を有する。また、第1の実施例と同様に、この発光素子駆動回路でも、温度がTP1からTP2に変化したとき、参照電圧VREF0 ,…,VREF2m-1に対応した強度P0 ,…,P2m-1の光をレーザダイオード43が発光するように制御電圧VM0 ,…,VMm-1 とVS0 ,…,VSm-1 が定まるように動作し、第1の実施例と同様の利点がある。
図20は、この発明の第3の実施例である発光素子駆動回路の要部の電気的構成を示すブロック図であり、第2の実施例を示す図18中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この例の発光素子駆動回路では、同図20に示すように、図18中の電流出力回路42、タイミング信号生成回路47A及び選択回路49に代えて、異なる機能を有する電流出力回路42A、タイミング信号生成回路47B及び選択回路49Aが設けられている。電流出力回路42Aは、電流出力回路42の機能に加え、タイミング信号生成回路47Aからの制御信号CNT4に基づいて出力電流IOUT が調整される。
タイミング信号生成回路47Bは、ブランキング期間にクロックCLKと同期して入力信号切替回路41から出力される入力デジタル信号(D0 ,…,Dn-1 )を切り替えるための制御信号CNT1を出力すると共に、クロックCLKと同期してサンプルホールド回路48Aのサンプリング出力(制御電圧VM0 ,…,VMm-1 、制御電圧VS0 ,…,VSm-1 )を切り替えるための制御信号CNT2、2クロック毎に選択回路49Aに入力される参照電圧VREF0 ,…,VREFm から1つを2クロック毎に選択するための制御信号CNT3、及び、電流出力回路42Aの出力電流IOUT を2クロック毎に1回だけ調整するための制御信号CNT4を出力する。選択回路49Aは、タイミング信号生成回路47Bから出力される制御信号CNT3に基づいて、参照電圧VREF0 ,…,VREFm から1つを選択して参照電圧VREFとして出力する。他は、図1と同様の構成である。
図21は、図20中の電流出力回路42Aの要部の電気的構成を示すブロック図であり、第1の実施例を示す図9中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この電流出力回路42Aでは、同図21に示すように、図9中の電流加算器55に代えて、異なる構成の電流加算器55Aが設けられ、また、新たに調整用電流源56が設けられている。この電流出力回路42Aでは、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )がオール“0”のとき、選択回路51がサンプルホールド回路48Aからの制御電圧VM0 を選択して制御電圧VMout として出力し、また、選択回路53が制御電圧VS0 を選択して制御電圧VSout として出力する。以下、上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )が“1”だけインクリメントするたびに、選択回路51は制御電圧VM1 ,…,VMm-1 を順次選択し、選択回路53は制御電圧VS1 ,…,VSm-1 を順次選択する。主電流源52は、制御電圧VMout に応じた電流IM を出力し、副電流源54は入力デジタル信号の下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )がオール“0”のときは電流を出力せず、下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )がオール“1”のときに制御電圧VSout に応じた最大電流ISALL1 を電流IS として出力する。調整用電流源56は、制御信号CNT4がオン状態のとき、制御電圧VSout に応じた電流IADJ を出力する。この電流IADJ は、下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )が“00…01”のときに副電流源54が出力する電流値ISLSBと同じ値である。電流加算器55Aは、電流IM と電流IS と電流IADJ とを加算して出力電流IOUT (すなわち、駆動電流ILD)を出力する。
図22は、図20の発光素子駆動回路の動作を説明するタイムチャート、及び図23が、入力映像信号レベルと参照電圧との関係を示す特性図である。
これらの図、及び第1の実施例の図14及び図16を参照して、この例の発光素子駆動回路に用いられる発光素子駆動方法の処理内容について説明する。
図22では、ブランキング期間中の動作が示され、同期信号SYNCが“L”の期間がブランキング期間となっている。図23では、ガンマ特性曲線が表され、参照電圧は、入力映像信号レベルの2.2乗と比例関係にある。
すなわち、図23では、参照電圧VREF0 は、入力映像信号レベルVIN0 (すなわち、nビットデジタル信号の上位(n−k)ビットが“00…00”、及び下位kビットが“00…00”)に対応する。参照電圧VREF1 は、入力映像信号レベルVIN2 (すなわち、上位(n−k)ビットが“00…01”、及び下位kビットが“00…00”)に対応する。参照電圧VREF2 は、入力映像信号レベルVIN4 (すなわち、上位(n−k)ビットが“00…10”、及び下位kビットが“00…00”)に対応する。以下、同様に、参照電圧VREFm-1 は、入力映像信号レベルVIN2m-2(すなわち、上位(n−k)ビットが“11…11”、及び下位kビットが“00…00”)に対応する。参照電圧VREFm は、入力映像信号レベルVIN2m-1(すなわち、上位(n−k)ビットが“11…11”、及び下位kビットが“11…11”)に対応する。よって、このガンマ曲線は、2^(n−k)個(=m個)の範囲に区分され、参照電圧はVREF0 ,…,VREFm の(m+1)個からなっている。
この発光素子駆動回路では、温度TP1において、図22に示すように、ブランキング期間開始後、時間T1 で、入力信号切替回路41は、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )、及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )共にオール“0”を出力する。また、タイミング信号生成回路47Bは、制御信号CNT4をオフ(OFF)状態とする。よって、電流出力回路42Aの選択回路51は制御電圧VM0 を選択し、主電流源52は制御電圧VM0 に応じた電流IM (=I0.1 )を出力し、副電流源54は電流を出力せず、また、調整用電流源56は電流を出力しない。このため、電流出力回路42Aは、駆動電流ILD(=I0.1 )を出力し、レーザダイオード43に供給する。レーザダイオード43は、このときの駆動電流I0.1 に応じた光強度P0 で発光する。フォトダイオード44は、この光強度P0 に応じた検出電流IPD0 を電流/電圧変換回路45に出力し、同電流/電圧変換回路45から検出電圧DETが差動増幅器46の反転入力(−)に供給される。選択回路49Aでは、制御信号CNT3に基づいて参照電圧VREF0 が選択され、差動増幅器46の非反転入力(+)に供給される。差動増幅器46では、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF0 との差分電圧CMが出力される。
サンプルホールド回路48Aでは、差分電圧CMがサンプリングされて制御電圧VM0 として出力される。よって、時間T1 では、APCループとして、“制御電圧VM0 →主電流源52→レーザダイオード43→フォトダイオード44→電流/電圧変換回路45→検出電圧DET→差動増幅器46→差分電圧CM→サンプルホールド回路48A→制御電圧VM0 ”が形成され、レーザダイオード43が参照電圧VREF0 に対応した光強度P0 で発光するように制御電圧VM0 の電圧値が定まる。
時間T2 では、入力信号切替回路41は、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )にオール“0”、及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )にオール“1”を出力する。タイミング信号生成回路47Bは、制御信号CNT4をオン(ON)状態とする。よって、電流出力回路42Aの主電流源52は、制御電圧VM0 に応じた電流IM (=I0.1 )を出力し、副電流源54は制御電圧VS0 に応じた電流IS (=ISALL1 =IS1.1 )を出力し、調整用電流源56は、制御電圧VS0 に応じた電流IADJ (=IS1.1LSB)を出力し、電流加算器55Aで電流IM と電流IS と電流IADJ とが加算される。これにより、電流出力回路42Aから駆動電流ILD(=I2.1 )が出力され、レーザダイオード43に供給される。レーザダイオード43は、このときの駆動電流ILD(=I2.1 )に応じた光強度P2 で発光する。フォトダイオード44は、この光強度P2 に応じた検出電流IPD2 を電流/電圧変換回路45に出力し、同電流/電圧変換回路45から検出電圧DETが差動増幅器46の反転入力(−)に供給される。選択回路49Aでは、制御信号CNT3に基づいて参照電圧VREF1 が選択され、差動増幅器46の非反転入力(+)に供給される。差動増幅器46では、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF1 との差分電圧CMが出力される。
サンプルホールド回路48Aでは、差分電圧CMがサンプリングされて制御電圧VS0 として出力される。よって、時間T2 では、APCループとして、“制御電圧VS0 →副電流源54+調整用電流源56→レーザダイオード43→フォトダイオード44→電流/電圧変換回路45→検出電圧DET→差動増幅器46→差分電圧CM→サンプルホールド回路48A→制御電圧VS0 ”が形成され、レーザダイオード43が参照電圧VREF1 に対応した光強度P2 で発光するように制御電圧VS0 の電圧値が定まる。
時間T3 では、入力信号切替回路41は、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )に“00…01”、及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )にオール“0”を出力する。タイミング信号生成回路47Bは、制御信号CNT4をオフ状態とする。よって、電流出力回路42Aの主電流源52は、制御電圧VM1 に応じた電流IM (=I2.1 )を出力し、副電流源54は電流を出力せず、調整用電流源56は電流を出力しない。これにより、電流出力回路42Aから駆動電流ILD(=I2.1 )が出力され、レーザダイオード43に供給される。レーザダイオード43は、このときの駆動電流ILD(=I2.1 )に応じた光強度P2 で発光する。フォトダイオード44は、この光強度P2 に応じた検出電流IPD2 を電流/電圧変換回路45に出力し、同電流/電圧変換回路45から検出電圧DETが差動増幅器46の反転入力(−)に供給される。選択回路49Aでは、制御信号CNT3に基づいて参照電圧VREF1 が選択され、差動増幅器46の非反転入力(+)に供給される。差動増幅器46では、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF1 との差分電圧CMが出力される。
サンプルホールド回路48Aでは、差分電圧CMがサンプリングされて制御電圧VM1 として出力される。よって、時間T3 では、APCループとして、“制御電圧VM1 →主電流源52→レーザダイオード43→フォトダイオード44→電流/電圧変換回路45→検出電圧DET→差動増幅器46→差分電圧CM→サンプルホールド回路48A→制御電圧VM1 ”が形成され、レーザダイオード43が参照電圧VREF1 に対応した光強度P2 で発光するように制御電圧VM1 の電圧値が定まる。
時間T4 において、入力信号切替回路41は、入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )に“00…01”、及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )にオール“1”を出力する。タイミング信号生成回路47Bは、制御信号CNT4をオン状態とする。よって、電流出力回路42Aの主電流源52から制御電圧VM1 に応じた電流IM (=I2.1 )が出力され、副電流源54から制御電圧VS1 に応じた電流IS (=ISALL1 =IS3.1 )が出力され、調整用電流源56から制御電圧VS1 に応じた電流IADJ (=IS3.1LSB)が出力され、電流加算器55Aで電流IM と電流IS と電流IADJ とが加算される。これにより、電流出力回路42Aから駆動電流ILD(=I4.1 )が出力され、レーザダイオード43に供給される。レーザダイオード43は、このときの駆動電流I4.1 に応じた光強度P4 で発光する。フォトダイオード44は、この光強度P4 に応じた検出電流IPD4 を電流/電圧変換回路45に出力し、同電流/電圧変換回路45から検出電圧DETが差動増幅器46の反転入力(−)に供給される。選択回路49Aでは、制御信号CNT3に基づいて参照電圧VREF2 が選択され、差動増幅器46の非反転入力(+)に供給される。差動増幅器46では、検出電圧DETの電圧値と参照電圧VREF2 との差分電圧CMが出力される。
サンプルホールド回路48Aでは、差分電圧CMがサンプリングされて制御電圧VS1 として出力される。よって、時間T4 では、APCループとして、“制御電圧VS1 →副電流源54+調整用電流源56→レーザダイオード43→フォトダイオード44→電流/電圧変換回路45→検出電圧DET→差動増幅器46→差分電圧CM→サンプルホールド回路48A→制御電圧VS1 ”が形成され、レーザダイオード43が参照電圧VREF2 に対応した光強度P4 で発光するように制御電圧VS1 の電圧値が定まる。
以下、入力信号切替回路41から出力される入力デジタル信号の上位ビット(Dk ,…,Dn-1 )及び下位ビット(D0 ,…,Dk-1 )、タイミング信号生成回路47Bから出力される制御信号CNT4、及びサンプルホールド回路48Aから出力されるサンプリング出力(制御電圧)VM0 ,…,VMm-1 、VS0 ,…,VSm-1 を切り替えることにより、参照電圧VREF0 ,…,VREFm に対応した光強度P0 ,…,P2m-1でレーザダイオード43が発光するように制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 が定まる。この結果、入力映像信号レベルに対して、電流出力回路42Aの出力電流ILDは図14に示す特性となる。さらに、参照電圧VREF0 ,…,VREFm が入力映像信号レベルの2.2乗と比例関係にあるため、図16に示すようにレーザダイオード43の出力光強度は入力映像信号レベルに対して2.2乗に比例したガンマ特性を有する。
また、この発光素子駆動回路は、温度がTP1からTP2に変化しても、参照電圧VREF0 ,…,VREFm に対応した光強度P0 ,…,P2m-1でレーザダイオード43が発光するように制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 が定まるように動作する。
なお、この実施例の動作では、第1の実施例と同様に、同一ブランキング期間で制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 の全てについてAPC制御が行われるが、複数の異なるブランキング期間において個々に制御電圧VM0 ,…,VMm-1 及び制御電圧VS0 ,…,VSm-1 のAPC制御を行っても良い。また、入力信号切替回路41の出力を切り替えるタイミングと、サンプルホールド回路48Aのサンプリング出力を切り替えるタイミングを1クロック毎に行っていたが、複数クロック毎に行っても良いし、また、クロックCLKに同期しなくても良い。また、この実施例では、選択回路49Aの入力信号(参照電圧)VREF0 ,…,VREFm を切り替えるタイミングと、調整用電流源56の出力をオンするタイミングを2クロック毎に行っていたが、複数クロック毎に行っても良いし、また、クロックに同期しなくても良い。
以上のように、この第3の実施例では、発光素子駆動回路は、温度が変化しても、ある入力レベルに対してレーザダイオード43の出力光強度が常に一定となるように動作すると共に、レーザダイオード43の出力光強度が入力映像信号レベルに対して2.2乗に比例したガンマ特性を有するように動作するので、上記第2の実施例と同様に、正確にガンマ補正が行われる。また、調整用電流源56が設けられているので、(m+1)個の参照電圧VREF0 ,…,VREFm を設定すれば良く、同参照電圧を設定するためのハード構成が低減される。
図24は、この発明の第4の実施例である映像表示装置の要部を示す構成図である。
この映像表示装置は、図34に示すように、画像処理回路71と、発光素子駆動回路72と、コリメータレンズ73と、反射ミラー74と、走査ミラー75,76と、投影スクリーン77とから構成されている。発光素子駆動回路72は、たとえば上記第3の実施例の発光素子駆動回路と同様の構成とされ、レーザダイオード43及びフォトダイオード44を有している。
この映像表示装置では、入力映像信号Vinがアナログであれば、画像処理回路71に入力されてA/D(アナログ/デジタル)変換などの所定の信号処理が施された後、発光素子駆動回路72の入力信号として供給される。発光素子駆動回路72では、第3の実施例の発光素子駆動回路と同様の動作が行われ、レーザダイオード43に駆動電流が供給される。レーザダイオード43は、駆動電流に応じた光強度のレーザ光を発光する。レーザダイオード43が発光したレーザ光の一部は、ミラー74で反射されてフォトダイオード44で受光され、同フォトダイオード44では、受光した光強度に応じた検出電流が出力される。また、レーザダイオード43のレーザ光は、コリメータレンズ73でコリメートされる。コリメートされたレーザ光は、走査ミラー75,76で走査され、投影スクリーン77上に2次元の広がりを有する映像が正確にガンマ補正されて投影される。
なお、上記各実施例では、光強度検出信号、各基準信号及び差分信号は、それぞれに対応する光強度検出電圧、参照電圧及び差分電圧となっているが、電流モードに対応可能なハード構成があれば、同各信号に対応する電流でも良い。
この発明は、たとえばプロジェクタなどのような映像表示装置や、プリンタやコピー機などのような画像形成装置全般に適用でき、特に、APC(Auto Power Control)制御及びガンマ補正を行う場合に有効である。また、この発明は、レーザダイオードと同様の機能及び特性を有する他の発光素子が製作されたとき、同発光素子の駆動回路としても適用できる。
この発明の基本原理を説明するための発光素子駆動回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
入力映像信号レベルと参照電圧との関係を示す特性図である。
発光素子32の駆動電流ILDと出力光強度との関係を示す特性図である。
光強度検出部33の受光照度と検出電圧DETとの関係を示す特性図である。
駆動部31の温度TP1時における入力映像信号レベルと駆動電流ILDとの関係を示す特性図である。
駆動部31の温度TP2時における入力映像信号レベルと駆動電流ILDとの関係を示す特性図である。
入力映像信号レベルと発光素子32の出力光強度との関係を示す特性図である。
この発明の第1の実施例である発光素子駆動回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
図8中の電流出力回路42の要部の電気的構成を示すブロック図である。
図8の発光素子駆動回路の動作を説明するタイムチャートである。
入力映像信号レベルと参照電圧との関係を示す特性図である。
レーザダイオード43の駆動電流ILDと出力光強度との関係を示す特性図である。
フォトダイオード(PD)の受光照度と出力電流との関係を示す特性図である。
電流出力回路42の温度TP1時における入力映像信号レベルと駆動電流ILDとの関係を示す特性図である。
電流出力回路42の温度TP2時における入力映像信号レベルと駆動電流ILDとの関係を示す特性図である。
入力映像信号レベルとレーザダイオード43の出力光強度との関係を示す特性図である。
入力映像信号レベルとデジタルデータとの関係を示す図である。
この発明の第2の実施例である発光素子駆動回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
図18の発光素子駆動回路の動作を説明するタイムチャートである。
この発明の第3の実施例である発光素子駆動回路の要部の電気的構成を示すブロック図である。
図20中の電流出力回路42Aの要部の電気的構成を示すブロック図である。
図20の発光素子駆動回路の動作を説明するタイムチャートである。
入力映像信号レベルと参照電圧との関係を示す特性図である。
この発明の第4の実施例である映像表示装置の要部を示す構成図である。
従来の発光素子駆動回路の電気的構成を示す回路図である。
特許文献1に記載された発光素子駆動回路の電気的構成を示すブロック図である。
符号の説明
41 入力信号切替回路
42,42A 電流出力回路(光強度制御手段の一部)
43 レーザダイオード(LD)(発光素子)
44,441 ,442 ,…,442m フォトダイオード(PD)(光強度検出手段の一部、光検出素子)
45,451 ,452 ,…,452m 電流/電圧変換回路(光強度検出手段の一部)
46,461 ,462 ,…,462m 差動増幅器(差分信号生成手段)
47,47A,47B タイミング信号生成回路
48,48A サンプルホールド回路(S/H)(差分信号保持手段)
49,49A 選択回路(基準電圧選択回路)
51 選択回路(電流出力回路42の一部、第1の選択回路)
52 主電流源(電流出力回路42の一部)
53 選択回路(電流出力回路42の一部、第2の選択回路)
54 副電流源(電流出力回路42の一部)
55 電流加算器(電流出力回路42の一部)
55A 電流加算器(電流出力回路42Aの一部)
56 調整用電流源(電流出力回路42Aの一部)
71 画像処理回路(映像表示装置の一部)
72 発光素子駆動回路(映像表示装置の一部)
73 コリメータレンズ(映像表示装置の一部)
74 反射ミラー(映像表示装置の一部)
75,76 走査ミラー(映像表示装置の一部)
77 投影スクリーン(映像表示装置の一部)