JP4910537B2 - グラビア印刷機およびその制御方法 - Google Patents
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Description
制御装置は、このサイドレモータの操作量に基づいて第2の印刷ユニットのサイドレモータを制御して版胴の幅方向位置を調整する。このようにして、第1の印刷ユニットの版胴に対する第2の印刷ユニットの版胴の位置合わせが行われ、このことにより印刷の見当合わせが行われる。
第1の印刷ユニットの版胴に対して第2〜第4の印刷ユニットの各版胴の幅方向の位置がずれていた場合には、各印刷ユニットの版胴によりウェブに付される見当マークについて、第1の見当マーク50aに対して第2〜第4の各見当マーク50b〜50dの幅方向位置(図4の左右方向位置)がずれることとなる。この場合、まず第2の印刷ユニットの版胴を幅方向に移動させることにより第1の見当マーク50aに対する第2の見当マーク50bの幅方向の位置合わせが行われる。しかしながら、この際に第3および第4の見当マーク50c、50dの位置合わせは行われない。そして、第2の見当マーク50bの幅方向の位置合わせが行われた後に、第3の印刷ユニットの版胴を幅方向に移動させることにより第3の見当マーク50cの位置合わせが行われ、さらにこの第3の見当マーク50cの位置合わせが行われた後に、第4の印刷ユニットの版胴を幅方向に移動させることによりようやく第4の見当マーク50dの位置合わせが行われる。
図1乃至図3は、本発明によるグラビア印刷機の実施の形態を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態のグラビア印刷機の構成を示す図であり、図2は、図1のグラビア印刷機の制御装置による制御方法を示すブロック図であり、図3は、図1のグラビア印刷機を使用した際における、ウェブに付される各見当マークの位置の推移を順に示す説明図である。
後段印刷ユニット10b、10c、10dは更に、版胴11b、11c、11dの上流側に設けられ、図1の矢印方向に移動自在となるコンペンセータローラ14b、14c、14dを各々有している。コンペンセータローラ14b、14c、14dは、その位置が変化することにより版胴11b、11c、11dに送られるウェブWに与えるテンションの大きさを調整し、印刷の送り方向の見当合わせを行うようになっている。また、後段印刷ユニット10b、10c、10dは更に、版胴11b、11c、11dの下流側に設けられ、ウェブW上の見当マークを検出する見当マーク検出センサ15b、15c、15dをそれぞれ有している。ここで、見当マーク検出センサ15bは、ウェブW上の第1の見当マークおよび第2の見当マークを検出し、見当マーク検出センサ15cは、ウェブW上の第2の見当マークおよび第3の見当マークを検出し、また、見当マーク検出センサ15dは、ウェブW上の第3の見当マークおよび第4の見当マークを検出するようになっている。
この制御装置30による制御方法については後述する。
ウェブWが図1に示すグラビア印刷機に搬送されると、このウェブWはまず第1色目の前段印刷ユニット10aに送られる。この前段印刷ユニット10aに送られたウェブWは版胴11aと圧胴12aとの間で挟持されて第1色目の印刷が施される。この際、ウェブWに対して第1の見当マークが版胴11aにより付けられる。
同様に、後段印刷ユニット10cにおいて第3色目の印刷が施されたウェブWは、次に第4色目の後段印刷ユニット10dに送られて印刷が施される。ウェブWに対する第4色目の後段印刷ユニット10dの作用は、前述の第2、第3色目の後段印刷ユニット10b、10cの作用と略同一となっており、見当マーク検出センサ15dにより、版胴11dから送られたウェブW上の第3の見当マークおよび第4の見当マークがそれぞれ検出され、これらの見当マークの信号が制御装置30の見当コントローラ30aに送られる。
制御装置30の見当コントローラ30aは、図2に示すように、各後段印刷ユニット10b、10c、10dに対応して、見当ずれ算出器31b、31c、31dと、各見当ずれ算出器31b、31c、31dに接続された操作量算出器32b、32c、32dと、各操作量算出器32b、32c、32dに接続されたサイドレモータ制御器33b、33c、33dとを有している。
図2に示すように、各見当ずれ算出器31b、31c、31dは各後段印刷ユニット10b、10c、10dの見当マーク検出センサ15b、15c、15dにそれぞれ接続されており、各見当マーク検出センサ15b、15c、15dにより検出されたウェブW上における見当マークの信号が各見当ずれ算出器31b、31c、31dに送られるようになっている。
また、各サイドレモータ制御器33b、33c、33dは各後段印刷ユニット10b、10c、10dのサイドレモータ17b、17c、17dにそれぞれ接続されている。
見当ずれ算出器31bにおいて、対応する後段印刷ユニット10bの見当マーク検出センサ15bにより検出された、ウェブW上におけるこの後段印刷ユニット10bの版胴11bにより付けられた第2の見当マークおよび後段印刷ユニット10bの上流側に設けられた前段印刷ユニット10aの版胴11aにより付けられた第1の見当マークの幅方向のずれの大きさにより、幅方向の見当ずれの大きさEb(n)(nは時刻)が予め設定された時間間隔で経時的に複数検出される。
具体的には、この時間間隔は例えば版胴11bが1回転する時間(t=1)とされ、見当ずれ算出器31bにより、経時的な複数の見当ずれの大きさEb(n)、Eb(n+1)、Eb(n+2)、・・・Eb(n+k)が検出されるようになっている。
見当ずれ算出器31c、31dにおいても、見当ずれ算出器31bと略同一の作用が行われる。すなわち、ウェブW上における第3の見当マークと第2の見当マークとの幅方向のずれの大きさにより見当ずれの大きさEc(n)が、また第4の見当マークと第3の見当マークとの幅方向のずれの大きさにより見当ずれの大きさEd(n)が、それぞれ予め設定された時間間隔で経時的に複数検出される。
一方、図2に示すように、操作量算出器32cには、見当ずれ算出器31cにより算出された見当ずれの大きさEc(n)と、操作量算出器32bに送られた見当ずれの大きさEb(n)との両方に基づいて求められた見当ずれの大きさEc´(n)が経時的に送られる。
具体的には、操作量算出器32cに送られる見当ずれの大きさEc´(n)は、下記式(1)で求められる値となる。
Ec´(n)=Ec(n)+sEb(n−t) ・・・式(1)
式(1)において、sは予め設定された制御ゲインであり、tは予め設定された遅れ時間である。
遅れ時間t=後段印刷ユニット10cと後段印刷ユニット10bとの間のパス長Pbc/後段印刷ユニット10cの版胴11cの周長Lc ・・・式(2)
Ed´(n)=Ed(n)+sEc´(n−t) ・・・式(3)
操作量算出器32bは、この操作量算出器32bに送られた幅方向の見当ずれの大きさEb(n)が0となるよう、PID制御を行って後段印刷ユニット10bのサイドレモータ17bの操作量Xb(n)を前述の時間間隔(例えば、版胴11bが1回転する時間)で経時的に算出する。ここで、PID制御とは、比例制御(P制御)、積分制御(I制御)および微分制御(D制御)を組み合わせた制御のことをいう。
操作量算出器32c、32dにおいても、操作量算出器32bと略同一の作用が行われ、それぞれ各操作量算出器32c、32dに送られる見当ずれの大きさEc´(n)、Ed´(n)が0となるよう、サイドレモータ17c、17dの操作量Xc(n)、Xd(n)が前述の時間間隔で経時的に複数算出される。
このため、下流側の後段印刷ユニット10cにおいてサイドレモータ17cにより版胴11cを幅方向に移動させて印刷の幅方向の見当合わせを行う際、上流側の版胴11bの幅方向における位置合わせを考慮して下流側の後段印刷ユニット10cのサイドレモータ17cを制御することができる。このことにより、各後段印刷ユニット10b、10c、10dによる印刷の幅方向の見当ずれを早期に定常状態に収束させることができる。
10b、10c、10d 後段印刷ユニット
11a、11b、11c、11d 版胴
12a、12b、12c、12d 圧胴
14b、14c、14d コンペンセータローラ
15b、15c、15d 見当マーク検知センサ
16b、16c、16d コンペンモータ
17b、17c、17d サイドレモータ
20 駆動ユニット
21 ラインシャフト
22 駆動モータ
30 制御装置
30a 見当コントローラ
30b 設定器
31b、31c、31d 見当ずれ算出器
32b、32c、32d 操作量算出器
33b、33c、33d サイドレモータ制御器
50a、50b、50c、50d 見当マーク
W ウェブ
Claims (4)
- 連続的に搬送されるウェブに対して印刷を施すとともに見当マークをこのウェブに付ける版胴を有する前段印刷ユニットと、
前段印刷ユニットの下流側に設けられ、ウェブに対して印刷を施すとともに見当マークをこのウェブに付ける版胴と、版胴の下流側に設けられ、ウェブ上の見当マークを検出する見当マーク検出センサと、版胴を幅方向に移動させ当該版胴の幅方向における位置を調整する版胴幅方向駆動機構とをそれぞれ有する複数の後段印刷ユニットと、
前段印刷ユニットの版胴および各後段印刷ユニットの版胴に連結され、各版胴を同期して回転駆動させるラインシャフトを有する駆動ユニットと、
一の後段印刷ユニットの見当マーク検出センサにより検出された、ウェブ上における一の後段印刷ユニットの版胴により付けられた見当マークと、一の後段印刷ユニットの上流側に設けられた前段印刷ユニットまたは他の後段印刷ユニットの版胴により付けられた見当マークとの間の、版胴の幅方向における見当ずれの大きさを算出する見当ずれ算出器と、見当ずれの大きさに基づいて一の後段印刷ユニットの版胴幅方向駆動機構の操作量を算出する操作量算出器と、前記操作量算出器から送られた前記の版胴幅方向駆動機構の操作量に基づいて一の後段印刷ユニットの版胴幅方向駆動機構を制御して版胴の幅方向位置を調整する版胴幅方向駆動機構制御器とをそれぞれ複数有する制御装置と、を備え、
制御装置は、一の後段印刷ユニットに対応する見当ずれ算出器により算出された見当ずれの大きさと、一の後段印刷ユニットの上流側に設けられた他の後段印刷ユニットに対応する操作量算出器に送られた見当ずれの大きさとの両方に基づいて求められた見当ずれの大きさを、一の後段印刷ユニットに対応する操作量算出器に送ることを特徴とするグラビア印刷機。 - 制御装置は、他の後段印刷ユニットに対応する操作量算出器に見当ずれの大きさを送ってから予め設定された遅れ時間が経過した後に、一の後段印刷ユニットに対応する見当ずれ算出器により算出される見当ずれの大きさと、他の後段印刷ユニットの操作量算出器に既に送られた前記の見当ずれの大きさに予め設定された制御ゲインを掛けて求めた見当ずれの大きさとを加算し、この見当ずれの合計の大きさを一の後段印刷ユニットに対応する操作量算出器に送ることを特徴とする請求項1記載のグラビア印刷機。
- 前記遅れ時間として、一の後段印刷ユニットとこの一の後段印刷ユニットの上流側に設けられた他の後段印刷ユニットとの間のパス長を、一の後段印刷ユニットの版胴の周長で割った商が予め設定されていることを特徴とする請求項2記載のグラビア印刷機。
- 請求項1記載のグラビア印刷機の制御方法において、
一の後段印刷ユニットの見当マーク検出センサにより検出された、ウェブ上における一の後段印刷ユニットの版胴により付けられた見当マークと、一の後段印刷ユニットの上流側に設けられた前段印刷ユニットまたは他の後段印刷ユニットの版胴により付けられた見当マークとの間の、版胴の幅方向における見当ずれの大きさを制御装置の見当ずれ算出器により算出する工程と、
見当ずれの大きさに基づいて一の後段印刷ユニットの版胴幅方向駆動機構の操作量を制御装置の操作量算出器により算出する工程と、
操作量算出器から送られた前記の版胴幅方向駆動機構の操作量に基づいて、制御装置の版胴幅方向駆動機構制御器により一の後段印刷ユニットの版胴幅方向駆動機構を制御して版胴の幅方向位置を調整する工程と、を備え、
一の後段印刷ユニットに対応する見当ずれ算出器により算出された見当ずれの大きさと、一の後段印刷ユニットの上流側に設けられた他の後段印刷ユニットに対応する操作量算出器に送られた見当ずれの大きさとの両方に基づいて求められた見当ずれの大きさを、一の後段印刷ユニットに対応する操作量算出器に送ることを特徴とするグラビア印刷機の制御方法。
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