JP4910491B2 - 電動ステアリング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の電動ステアリング制御装置に関し、特に、ステアリングホイールに生じるトルクステアを低減する電動ステアリング制御装置に係る。
一般的に、操向車輪が駆動車輪である車両のステアリング装置において、駆動力の変化に応じて操舵力や保舵力が変化する現象がトルクステアと呼ばれており、このトルクステアを抑制することが望まれている。例えば後掲の特許文献1には、駆動力(又は制動力)を左右輪それぞれ独立して(又は左右輪に対して配分して)制御して車両の操縦性及び安定性を向上させるようにした左右輪制御システムを搭載した車両が開示されている。具体的には、上記の制御により左右不均等な駆動力(又は制動力)が操向輪(転舵輪)に作用した場合に、操向輪側からハンドルを回してしまうトルクステアを抑制することを目的として、駆動力又は制動力を左右輪に対してそれぞれ独立して制御し得る左右輪制御による駆動力又は制動力における左右輪間の制御値に差が生じたときに、該制御値の差により発生するトルクステアを打ち消す向きに操向輪を転舵させるためのトルクステア防止補助トルク信号を出力し、電動機を制御する電動パワーステアリング装置が提案されている。
更に、後掲の特許文献2において、上記特許文献1では左右輪の間の制御値に差が発生した場合のみ、つまり左右輪に回転差が発生した場合のみにトルクステアの抑制制御を行っているが、摩擦抵抗の大きい路面上では、左右輪間に回転差が生じていない状態、あるいは微小な回転差が発生している場合でも、トルクステアが発生しているとして、これを解決する装置が提案されている。即ち、左右駆動輪の回転差ではなく、トルクステアが発生するおそれのある左右の駆動軸の伝達トルク差をみて、トルクステアを打ち消すために、エンジントルクを検出または推定し、エンジントルクに対する左右の駆動軸にかかるトルク差の関係を記憶した記憶回路によって、トルクステア推定値を求め、左右の駆動軸の伝達トルク差によって発生するトルクステアを打ち消す操舵制御装置が提案されている。尚、操向車輪が駆動車輪である車両に関連し、下記の特許文献3に記載のように、四輪駆動式自動車等における左右輪への駆動力配分を行う駆動力配分装置も提案されている。
一方、下記の特許文献4には、トラクション制御中のトルクステアを低減する方法が記載されている。特に、同文献の図3を参照した説明において、トラクション制御中であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときには、当技術分野に於いて公知の要領にて駆動輪である左右後輪の駆動力差ΔFdrが推定されると共に、左右後輪の駆動力差ΔFdrの絶対値が基準値ΔFdro(正の定数)よりも大きいか否かの判別、即ち駆動時のトルクステアが過大になる状況であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには、駆動時トルクステア低減トルクTdtsが0に設定され、肯定判別が行われたときには、Kdtsを正の一定の係数として駆動時トルクステア低減トルクTdtsがKdtsとΔFdrとの積として演算される旨記載されている。
特開平11−129927号公報 特開2005−170116号公報 特開平5−77653号公報 特開2005−067455号公報
然し乍ら、前掲の特許文献2のように、エンジントルクに対する左右の駆動軸トルク差の関係によるトルクステアの補償のみでは、依然として、トルクステアを充分に低減することが困難である。
ここで、トルクステアが発生する原因について解析する。トルクステアとは、操向車輪が駆動車輪となる車両(フロントエンジン・フロントドライブ車(所謂FF車)又は四輪駆動車)において、車両の加速時に、操向車輪側からステアリングホイールが転舵される現象(操向車輪がステアリングホイールを転舵する現象)をいう。このトルクステアの発生原因には、主として、「ドライブシャフトの等速ジョイントの折れ角」、及び「キングピンオフセットが存在する場合の左右車輪間での駆動力の差」が挙げられる。
先ず、(1)として「ドライブシャフトの等速ジョイントの折れ角によるトルクステア」について説明する。ドライブシャフトと車輪の関係を 図10に示すように、ドライブシャフトの等速ジョイントが折れ角θを持つ場合、ドライブシャフトが伝達する駆動トルクをTdrvとすると、下記(1)式に基づき、車輪を転舵しようとする2次偶力モーメントMzが発生する。
Mz=Tdrv・tan(θ/2) ---(1)
図11には、操向車輪が駆動車輪である車両におけるステアリング装置を含む部分に関し、正面及び平面の対応関係が明らかとなるように示されている。即ち、図11において、エンジンコンパートメントの空間効率を確保するために、エンジンEG及び変速機TRが、車両進行方向に対して横置きの配置とされている車両では、ドライブシャフト(駆動軸ともいう)DS1及びDS2の長さや取付け配置は、左右対称とはならない。そのため、駆動車輪に接続されるドライブシャフトのジョイント折れ角が左右の車輪WH1,WH2間で異なっている場合には、車輪を転舵するモーメント(転舵トルクともいう)Mzが、左右の車輪WH1,WH2間で差が生じ、車両の加速時に操向車輪がステアリングホイールSWを転舵するトルクステアが発生する。このように、ドライブシャフトの等速ジョイントの折れ角に起因するトルクステアを、定常的なトルクステアという。
次に、(2)として「キングピンオフセットが存在する場合の左右車輪間での駆動力の差によるトルクステア」について説明する。図11に示すように、操向車輪(WH1,WH2)は転舵可能となるようにキングピンKP1,KP2を有しており、転舵の中心点TC(キングピン軸と路面との交点)の位置と駆動力の着力点DPの位置は一致せず、その2点間の距離であるキングピンオフセットKPoが存在する(図11のKPcはホイールセンタ・キングピンオフセットを表す)。キングピンオフセットKPoが存在する場合は、車輪WH1,WH2に駆動力が作用する車両加速時には、車輪を転舵するトルク(転舵トルク)が発生するが、これは(駆動力)×(キングピンオフセット)として求められる。左右の車輪WH1,WH2間で駆動力が一致しておれば、この転舵トルクは相殺されてトルクステアは発生しないが、左右の車輪WH1,WH2の駆動力が相違する場合には、「操向車輪(左右車輪)がステアリングホイールを転舵するトルクステア」が発生する。
更に、上記(2)のように左右車輪間で駆動力が異なる場合としては、以下の三つの場合が考えられる。
(2−a)「ドライブシャフトの特性による駆動力左右差」
ドライブシャフトDS1及びDS2に特性差がある場合には、トルク伝達に過渡的な(動的な)差異が生じる。ドライブシャフトDS1及びDS2が、同一材質、同一断面形状であっても、それらの長さが異なると、ドライブシャフトのねじり剛性は異なる。車両が急加速する場合、ドライブシャフト長が短くねじり剛性が高い側の車輪では駆動力が僅かな遅れで、速やかに立ち上がる。これに対し、ドライブシャフト長が長くねじり剛性が低い側の車輪では駆動力の立ち上がりは緩やかとなる。そのため、過渡的な駆動力に左右差が生じ、これによるトルクステア(過渡的なトルクステアという)が発生する。
(2−b)「トラクション制御による駆動力左右差」
トラクション制御によって、一方の車輪に制動トルクが加えられると、その制動トルクに相当する他方の車輪の駆動力が増加する。特に、路面摩擦係数が左右車輪間で異なる、所謂μスプリット路面において、トラクション制御が作動した場合には、駆動力の左右差が大きく発生する。
(2−c)「駆動力配分装置による駆動力左右差」
左右車輪間に駆動力配分装置を備える場合にも、駆動力の左右差が発生する。尚、駆動力配分装置には、電子制御によるものと、機械的に差動を制限するもの(例えば、ビスカスカップリング等)があり、例えば前掲の特許文献3に開示されている。
上記(1)及び(2)は、車両の加速時に発生するトルクステアの原因をまとめたものであるが、夫々のトルクステア発生部位を整理すると図12に示すようになる。図12においては、車両の各部位から上記(1)、(2−a)、(2−b)及び(2−c)によってトルクステアが生じることを示している。このうち、(2−b)は、トラクション制御が作動した場合に発生するトルクステア(以下、トラクション制御起因トルクステアという)を低減するために、前掲の特許文献4のように、正の一定の係数Kdtsと駆動力差ΔFdrとの積で駆動時トルクステア低減トルクTdts(トルクステア低減トルク)を演算することとすると、絶対値が同一の駆動力差が発生した場合には、右転舵方向と左転舵方向では絶対値が同一のトルクステア低減トルクが決定されることになる。
一方、上記(1)及び(2−a)のように、ドライブシャフトに駆動力が作用している場合には、ドライブシャフトの配置及び特性に起因するトルクステア(以下、ドライブシャフト起因トルクステアという)が発生するが、このトルクステアは車両の特性として既に定まっているので、ステアリングホイールの転舵方向に対して、何れか一方向に限ってのみ発生することになる。しかし、トラクション制御が作動する場合は、車両の加速時であるので、トラクション制御起因トルクステアの発生する転舵方向とドライブシャフト起因トルクステアの発生する転舵方向とが同方向である場合には、トルクステアは相互に増幅されて大きくなる。逆に、トラクション制御起因トルクステアの発生する転舵方向とドライブシャフト起因トルクステアの発生する転舵方向とが逆方向の場合には、トルクステアは相互に相殺されて小さくなる。そのため、左右の転舵方向で同一の特性に基づいてトルクステア低減制御を行うこととすると運転者に対し違和感を与えるおそれがある。
そこで、本発明は、電動ステアリング制御装置において、トラクション制御が作動した場合に発生するトルクステアを、運転者への違和感なく低減することを目的とする。
上記の課題を達成するため、本発明は、請求項1に記載のように、動力源が発生する動力を、左右車輪間で特性差があるドライブシャフトを介して駆動車輪に伝達する車両における操向車輪が前記駆動車輪である当該車両に搭載し、当該車両のステアリングホイールの操舵トルクを制御する操舵トルク制御手段と、前記操向車輪の制動トルクを制御するトラクション制御手段とを備え、少なくとも該トラクション制御手段が作動するときに前記ステアリングホイールに生じるトルクステアを、前記操舵トルク制御手段によって低減する電動ステアリング制御装置において、前記操向車輪の制動トルクを検出する制動トルク検出手段と、該制動トルク検出手段が検出する制動トルクに基づいて前記操向車輪間の駆動力差を演算する駆動力差演算手段と、該駆動力差演算手段が演算する駆動力差に基づいてトルクステア低減トルク目標値を決定するトルクステア低減トルク目標値決定手段とを備え、該トルクステア低減トルク目標値決定手段は、前記駆動力差の符号が正であって、トラクション制御に起因するトルクステアの発生する転舵方向と、前記ドライブシャフトに起因するトルクステアの発生する転舵方向とが同方向であるときには第1目標値決定特性を用いて前記トルクステア低減トルク目標値を演算し、前記駆動力差の符号が負であって、トラクション制御に起因するトルクステアの発生する転舵方向と、前記ドライブシャフトに起因するトルクステアの発生する転舵方向とが逆方向であるときには前記第1目標値決定特性に対し相対的に小さい特性の第2目標値決定特性を用いて前記トルクステア低減トルク目標値を演算し、該トルクステア低減トルク目標値に基づいて前記操舵トルク制御手段を制御することとしたものである。
上記の電動ステアリング制御装置において、請求項2に記載のように、前記ドライブシャフトを介して前記駆動車輪に伝達する駆動力を演算する駆動力演算手段を備えたものとし、該駆動力演算手段が演算する駆動力に基づき、前記第1目標値決定特性及び前記第2目標値決定特性のうち少なくとも何れか一方を変更することとするとよい。例えば、駆動力が大きい場合には、トルクステアが助長される転舵方向では相対的に大きい値の特性に、相殺される転舵方向では相対的に小さい値の特性に変更し、駆動力が小さい場合には、トルクステアが助長される転舵方向では相対的に小さい値の特性に、相殺される転舵方向では相対的に大きい値の特性に変更するとよい。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、請求項1に記載の電動ステアリング制御装置においては、駆動力差の符号が正のときには第1目標値決定特性を用いてトルクステア低減トルク目標値を演算し、駆動力差の符号が負のときには第1目標値決定特性に対し相対的に小さい特性の第2目標値決定特性を用いてトルクステア低減トルク目標値を演算し、このトルクステア低減トルク目標値に基づいて操舵トルク制御手段を制御してトルクステア低減制御を行ない得るように構成されているので、特にトラクション制御が作動した場合に発生するトルクステアを適切に低減することができ、運転者に対する違和感を抑えることができる。
また、請求項2に記載のように構成すれば、トラクション制御時にドライブシャフトの伝達駆動力の大小によって影響を受けるトルクステアを容易に補償することができ、精度の高いトルクステア低減制御を実行することができ、トラクション制御時に発生するトルクステアを、運転者への違和感なく、効果的に低減することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る電動ステアリング制御装置の構成を示すもので、例えば図2に示す車両に搭載される。即ち、動力源としてエンジンEGが発生する動力を、変速機TR及びドライブシャフトDSfl及びDSfrを介して駆動車輪たる車輪WHfr及びWHflに伝達する車両に搭載されるもので、車輪WHfr及びWHflは、ステアリングホイールSWの操作によって転舵される操向車輪でもある。この電動ステアリング制御装置は操舵トルク制御手段を備えており、図1に示す操舵トルク検出手段M1によってステアリングホイールSWの操舵トルクTsが検出され、その検出結果に基づき、パワーステアリング補助トルク目標値決定手段M2において、運転者の操舵力を軽減するためにパワーステアリング制御に補助トルクとして供されるトルクの目標値が演算され、補助トルク目標値Tpsとして出力される。
本実施形態においては、トラクション制御手段を備えており、ブレーキ制御装置(図2のBRK)によって車輪WHfr及びWHflの制動トルクが制御される。そして、トラクション制御時に各車輪に付与される制動トルクBtqが、制動トルク検出手段M3によって検出される。この制動トルク検出手段M3としては、各車輪のホイールシリンダ圧力を検出するために設けられた液圧センサ(図2にPSfr及びPSflで示す)を用いることができる。また、液圧センサを備えていない場合であっても、公知の方法によってブレーキ制御装置の作動状態から制動トルクを演算することができる。更には、後述するブレーキ電子制御ユニット(図2にECU4で示す)の内部で演算されるトラクション制御時のホイールシリンダ液圧の目標値を用いることもできる。尚、上記のように制動トルクの付与を液圧によって行うものに限らず、電気ブレーキ装置を利用することも可能である。この場合には、制動トルク検出手段M3の検出対象は、電気ブレーキ装置(図示せず)を駆動する電気モータの出力又は入力であり、電気モータを制御するための目標値を用いてもよい。
更に、左右の駆動車輪WHfr及びWHflが差動ギアを介して連結されている場合には、一方の車輪に制動トルクが加えられたとすると、他方の車輪にはその制動トルクに相当する分の駆動力が増加することになる。例えば、右側駆動車輪WHfrに制動トルクBtqを加えたとすると、左側駆動車輪WHflの駆動力はBtq/r(ここで、rは車輪の半径)だけ増加する。而して、この関係に基づき、駆動力差演算手段M4にて駆動力差ΔFdが演算される。
そして、トルクステア低減トルク目標値決定手段M5において、駆動力差ΔFdに基づきトルクステア低減制御の目標値(トルクステア低減トルク目標値という)Ttsが決定される。トルクステア低減トルク目標値決定手段M5には、駆動力差ΔFdとトルクステア低減トルク目標値Ttsとの関係を表すトルクステア低減トルク目標値決定特性が設定されており、この特性を参照してトルクステア低減トルク目標値Ttsが決定される。トルクステア低減トルク目標値決定特性は、前述のドライブシャフト起因トルクステアを考慮して、駆動力差ΔFdの符号(トルクステアが生じる転舵方向を表す)に応じて異なる特性(後述する第1目標値決定特性と第2目標値決定特性)として設定されている。
例えば、ドライブシャフト起因トルクステアの発生する転舵方向と同一の転舵方向にトラクション制御起因トルクステアを発生させる駆動力差ΔFdの符号では、相対的に大きい値の特性として設定される。これに対し、ドライブシャフト起因トルクステアの発生する転舵方向とは逆の転舵方向にトラクション制御起因トルクステアを発生させる駆動力差ΔFdの符号である場合には、相対的に小さい値の特性として設定される。
上記のトルクステア低減トルク目標値Ttsは、パワーステアリング補助トルク目標値決定手段M2で演算されるパワーステアリング補助トルク目標値Tpsに加算されて新たな目標値とされ、この目標値に基づきモータ駆動制御手段M7によって電気モータMTが制御される。而して、ドライブシャフト起因トルクステアの発生を考慮した、右転舵方向と左転舵方向とでは異なる特性をもつトルクステア特性マップによってトルクステア低減制御が行われ、トラクション制御起因トルクステアが低減されるので、トラクション制御時に制動トルクが付与される駆動車輪の左右によってトルクステアの低減度合いが一定となり、運転者に対する違和感を抑えることができる。
更に、図1に破線で示すように、動力源の運転状態を検出する動力源状態検出装置M7、及び変速機の変速状態を検出する変速機状態検出手段M8の検出結果に基づいて駆動力Fdを演算し、この駆動力Fdに基づいて上記のトルクステア特性マップを補正するように構成することができる。即ち、図1において、動力源状態検出手段M7によって動力源の運転状態を表す出力Teが検出される。本発明の動力源としては、車輪を駆動する駆動力を発生させるための公知の手段を用いることができ、例えばガソリンエンジン(図2のEG)、ディーゼルエンジン等の内燃機関のほか、電気モータ、更には、これらを組み合わせた装置(ハイブリッドシステム)を用いることが可能である。従って、動力源状態検出手段M7は、内燃機関においてはスロットル開度、燃料噴射量、エンジン回転数等の情報を検出する手段であり、電気モータでは駆動電流、駆動電圧を検出する手段である。更に、動力源の出力軸に直接検出手段を設けることもできる。
また、変速機状態検出手段M8が設けられており、変速機の変速状態として図2の変速機TRの変速比Rtが検出される。そして、駆動力演算手段M9において、動力源出力Te及び変速比Rtに基づき、ドライブシャフトが伝達する駆動力(駆動トルクともいう)Fdが演算される。そして、この駆動力Fdに基づいて上記のトルクステア特性マップが以下のように補正される。即ち、駆動力Fdが大きい場合には、トルクステアが助長される転舵方向では相対的に大きい値の特性に、相殺される転舵方向では相対的に小さい値の特性に変更される。一方、駆動力Fdが小さい場合には、トルクステアが助長される転舵方向では相対的に小さい値の特性に、相殺される転舵方向では相対的に大きい値の特性に変更される。
而して、ドライブシャフト起因トルクステアは、ドライブシャフトが伝達する駆動力に応じて変化するため、上記のように、動力源出力と変速比に基づいて駆動力を演算し、この駆動力に応じてトルクステア特性マップを補正する構成とすれば、より精度のよいトルクステア低減制御を実行することができる。
上記電動ステアリング制御装置は、前述のように図2に示す車両に搭載され、エンジンEGは、変速機TRと共にエンジンコンパートメント内に横置きに配置されている。変速機TR内には、差動装置DFが配置され、エンジンEGによって発生する駆動力は、駆動車輪且つ操向車輪である車輪WHfr及びWHflに分配される。車両には、エンジンEGを制御するエンジン電子制御ユニットECU1、ステアリングシステムを制御するステアリング電子制御ユニットECU2、変速機を制御する変速機電子制御ユニットECU3、及びブレーキシステムを制御するブレーキ電子制御ユニットECU4が通信バスを介して接続されている。この通信バスを通して、センサ信号、及び各電子制御ユニット内の処理信号を共有することができる。
エンジンEGには、エンジン出力を制御するためにスロットルバルブTHが設けられる。スロットルバルブTHの開度は、スロットルアクチュエータTAによって調節され、そのスロットル開度Tkはスロットル開度センサTKによって検出される。また、エンジン回転数Ekを検出するエンジン回転数センサEKも設けられる。そして、運転者の加速要求が、アクセルペダルに設けられるアクセルペダルセンサAPによって、アクセルペダル操作量Apとして検出される。而して、これらの検出結果のアクセルペダル操作量Ap、エンジン回転数Ek及びスロットル開度Tkに基づき、エンジン電子制御ユニットECU1にて、スロットルアクチュエータTAが制御される。
上記のように、本実施形態では、動力源としてガソリンエンジン(EG)を用いた車両を示しているが、前述のように、駆動力を発生させるための公知の動力源を利用することができ、ディーゼルエンジン等の内燃機関のほか、電気モータを利用する電気自動車(EV)、更には、これらを組み合わせたハイブリッド車両(HEV)を用いることも可能である。
一方、ステアリングシステムは、運転者の操舵力を低減するために、ステアリングシャフトに設けられた操舵トルクセンサTSに基づき、ステアリングホイールSWに作用する操舵トルクを制御するように構成されている。具体的には、ステアリング電子制御ユニットECU2が、操舵トルクセンサTSによって検出された操舵トルクTsに応じて、電気モータMTを制御するように構成されている。更に、車両速度Vxを考慮して電気モータMTを制御するように構成することもできる。この制御は、所謂パワーステアリングの制御であり、電気モータMTを用いるため、電動パワーステアリングとも呼ばれる。
更に、車両の加速時等において、車輪WHfr及びWHflがステアリングホイールSWを転舵しようとするトルクステア現象が発生するが、これを低減するトルクステア低減トルクも、後述するように、電気モータMTによって付与される。尚、このようにトルクステアを低減する制御を、トルクステア低減制御という。
変速機TRには、変速比Rtを検出するギア位置センサGPが設けられており、その出力の変速比Rtが変速機電子制御ユニットECU3に供給される。変速機TRとしては、手動トランスミッション(マニュアルトランスミッション)、自動トランスミッション(オートマティックトランスミッション)、無段変速機(CVT)等、公知の変速機が用いられる。
車両には、トラクション制御を含み、各車輪の制動トルクを制御するブレーキ制御装置BRKが設けられており、これを制御するブレーキ電子制御ユニットECU4が通信バスに接続されている。ブレーキ電子制御ユニットECU4には、車輪速度センサWSxx(ここで、xxは各車輪を意味し、frは右前輪、flは左前輪、rrは右後輪、rlは左後輪を表す)が接続されており、各車輪の速度Vwxxが演算され、更には、これらの検出車輪速度に基づき車両速度Vxが演算される。而して、ブレーキ電子制御ユニットECU4において車輪速度Vwxxが監視され、駆動車輪である車輪WHfr及びWHflの加速スリップが大きくなった場合にはトラクション制御が実行される。即ち、エンジンEGの出力が低減されると共に、車輪WHfr及びWHflに制動トルクが付与され、加速スリップが抑制される。尚、各車輪のホイールシリンダには液圧センサPSxxが装着されており、これによってホイールシリンダ液圧を検出することができる。
上記のように構成された電動ステアリング制御装置の作動を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップ101において制御の初期化が行われた後、ステップ102にてセンサ信号、及び通信バス上の通信信号が読み込まれる。続いて、ステップ103においてフィルタ処理などの信号処理演算が行われる。次に、ステップ104にて、操舵トルクTsに基づき、パワーステアリング制御に供する補助トルク目標値Tpsが演算される。そして、ステップ105において、トルクステア低減トルク目標値Ttsが演算されるが、これについては図4を参照して後述する。而して、ステップ106において、パワーステアリング補助トルク目標値Tpsにトルクステア低減トルク目標値Ttsが加算されて新たな目標値(Tps+Tts)とされ、この目標値に基づき、電気モータMTの電流指令値が演算される。そして、ステップ107において、電流指令値に基づき電気モータMTの駆動制御が行われる。
上記のトルクステア低減トルク目標値Ttsは、図4に示すフローチャートに従って演算される。先ず、ステップ201において、図3のステップ102にて読み込まれたセンサ信号及び通信信号に基づき、動力源であるエンジンEGの出力Teが演算される。この出力Teは、例えば図5に示すようなエンジン回転数Neとスロットル開度Tkとの関係において演算される。続いて、ステップ202において、変速機TRのギア位置センサGPの検出結果に基づいて変速比Rtが演算される。そして、ステップ203において、動力源出力Teと変速機の変速比Rtに基づき、ドライブシャフトを介して伝達される駆動力Fdが演算される。
次に、ステップ204において、トラクション制御によって駆動車輪に付与される制動トルクBtqが演算される。この制動トルクBtqは、図2に示すように液圧センサPSxxが設けられている場合には、その検出信号であるホイールシリンダ液圧Psxxを用いて演算することができる。また、液圧センサPSxxを備えていない場合であっても、公知の方法によってブレーキ制御装置BRKの作動状態(ソレノイドバルブの駆動状態等)から制動トルクBtqを演算することができる。更には、ブレーキ電子制御ユニットECU4の内部で演算されるトラクション制御のホイールシリンダ液圧の目標値を用いて、制動トルクBtqを演算することもできる。尚、電気ブレーキ装置(図示せず)が搭載されている場合には、その電気モータの駆動電流値に基づいて演算することができる。また、電気モータを制御するための目標値を用いて演算することもできる。
そして、ステップ205において、上記の制動トルクBtqに基づいて駆動力差ΔFdが演算される。この駆動力差ΔFdは、正負の符号をもった値として処理され、その符号は、左右の駆動車輪のどちらの駆動力が大きいかを意味する。例えば、左駆動車輪の駆動力が右駆動車輪の駆動力よりも大きい場合の駆動力差を正とした場合には、右駆動車輪の駆動力が左駆動車輪の駆動力よりも大きい場合の駆動力差を負とする。このように、駆動力差ΔFdの符号は、トラクション制御によって左右駆動車輪のどちらの駆動力が増大したかを表しているため、駆動力差ΔFdの符号はトラクション制御起因トルクステアが発生する転舵方向も表していることになる。
そして、ステップ206において、トルクステア低減制御が実行中であるか否かが、判定される。ここで、実行中ではないと判定されると、ステップ207に進み、トルクステア低減制御を開始するか否かが判定される。このトルクステア低減制御の開始可否判定は、トラクション制御が実行中であり、且つ、駆動力Fdが所定値Fd1以上の条件で開始可とされる。トルクステア低減制御の開始と判定されと、ステップ210においてトルクステア低減トルク目標値Ttsが演算され、トルクステア低減制御が実行される。一方、ステップ207においてトルクステア低減制御の開始不要と判定されると、ステップ209においてトルクステア低減トルク目標値がゼロ(0)に設定される。
また、ステップ206において、トルクステア低減制御が実行中であると判定されると、更にステップ208にて、同制御を終了するか否かが判定される。トルクステア低減制御の終了は、トラクション制御が非作動中(禁止状態)、又は、駆動力Fdが所定値Fd2を下回ると制御終了とされる。而して、ステップ208においてトルクステア低減制御の終了が否定されると、ステップ210に進み、トルクステア低減トルク目標値Ttsが継続して演算され、トルクステア低減制御終了の条件が満足すると、ステップ209に進み、トルクステア低減トルク目標値Ttsがゼロに設定される。
上記ステップ210において実行されるトルクステア低減トルク目標値Ttsの演算は、例えば図6に示す特性に従い、ステップ205で演算された駆動力差ΔFdに応じて行われる。図6においては、車両の特性として予め定まっているドライブシャフト起因トルクステアの転舵方向と、駆動力差ΔFdが正符号であるときのトラクション制御起因トルクステアの転舵方向とが同一の場合であり、駆動力差ΔFdの負符号であるときのトラクション制御起因トルクステアの転舵方向とが逆方向である場合を想定している。更に、特性についての大小関係を論じるが、議論を簡略化するため、大小関係は絶対値の大小を表すものとする。
トルクステア低減トルク目標値Ttsは、第1トルクステア低減トルク目標値決定特性(以下、第1目標値決定特性と呼び、図6の第1象現に実線で示す特性)、及び、第1トルクステア低減トルク目標値決定特性とは異なる特性の第2トルクステア低減トルク目標値決定特性(以下、第2目標値決定特性と呼び、図6の第3象現に破線で示す特性)に基づいて決定される。そして、駆動力差ΔFdの符号が正である場合の第1目標値決定特性を相対的に大きい特性として設定し、駆動力差ΔFdの符号が負である場合の第2目標値決定特性を相対的に小さい特性として設定する。
ドライブシャフト起因トルクステアの転舵方向とトラクション制御起因トルクステアの転舵方向とが同一の場合(図6では駆動力差ΔFdの符号が正である場合)には、トラクション制御起因トルクステアはドライブシャフト起因トルクステアによって助長される。このような場合には、目標値決定特性を相対的に大きい特性として設定し、駆動力差ΔFdに対して相対的に大きい絶対値のトルクステア低減トルク目標値Ttsが演算される。逆に、ドライブシャフト起因トルクステアの転舵方向と、トラクション制御起因トルクステアの転舵方向とが逆の場合(図6では駆動力差ΔFdの符号が負である場合)には、トラクション制御起因トルクステアはドライブシャフト起因トルクステアによって相殺される。このような場合には、目標値決定特性を相対的に小さい特性として設定され、駆動力差ΔFdに対して相対的に小さい絶対値のトルクステア低減トルク目標値Ttsが演算される。
このように、トルクステア低減トルク目標値Ttsの演算に用いる目標値決定特性を、駆動力差ΔFdの符号で異なる特性(第1目標値決定特性と第2目標値決定特性)とすることによって、ドライブシャフト起因トルクステアの影響を効果的に抑制することができる。
更に、図7に示すように、上記の第1目標値決定特性及び第2目標値決定特性を、ステップ203で演算される駆動力Fdに応じて修正・変更することとしてもよい。このとき、駆動力差ΔFdの符号が正である第1目標値決定特性においては、駆動力Fdが相対的に大きい場合には、該特性を相対的に大きい値(図7に一点鎖線で示す)に変更し、駆動力Fdが相対的に小さい場合には、該特性を相対的に小さい値(図7に破線で示す)に変更するとよい。この理由について以下に説明する。
先ず、駆動力Fdが大きい場合には、ドライブシャフト起因トルクステアが大きくなる。そして、第1目標値決定特性では、ドライブシャフト起因トルクステアの発生する転舵方向と、トラクション制御起因トルクステアの発生する転舵方向とが同じであるため、トラクション制御起因トルクステアはドライブシャフト起因トルクステアによって助長される。従って、駆動力Fdが大きい場合には、第1目標値決定特性を相対的に大きい値に変更し、トルクステア低減トルク目標値が相対的に大きい値として出力されるようにするとよい。逆に、駆動力Fdが小さい場合には、第1目標値決定特性を相対的に小さい値に変更し、トルクステア低減トルク目標値が相対的に小さい値として出力されるようにするとよい。
一方、駆動力差ΔFdの符号が負である第2目標値決定特性においては、駆動力Fdが相対的に大きい場合には、該特性を相対的に小さい値(図7に一点鎖線で示す)に変更し、駆動力Fdが相対的に小さい場合には、該特性を相対的に大きい値(図7に破線で示す)に変更するとよい。この理由は以下のとおりである。
先ず、駆動力Fdが小さい場合には、ドライブシャフト起因トルクステアが小さくなる。そして、第2目標値決定特性では、ドライブシャフト起因トルクステアの発生する転舵方向と、トラクション制御起因トルクステアの発生する転舵方向とが逆であるため、トラクション制御起因トルクステアはドライブシャフト起因トルクステアによって相殺される。従って、駆動力Fdが小さい場合には、第2目標値決定特性を相対的に大きい値に変更し、トルクステア低減トルク目標値が相対的に大きい値として出力されるようにするとよい。逆に、駆動力Fdが大きい場合には、第2目標値決定特性を相対的に小さい値に変更し、トルクステア低減トルク目標値が相対的に小さい値として出力されるようにするとよい。
以上のように、駆動力Fdに基づいて第1目標値決定特性及び第2目標値決定特性を修正・変更することで、ドライブシャフトの伝達駆動力の大小によって影響を受けるドライブシャフト起因トルクステアを補償することができ、精度の高いトルクステア低減制御を実行することができる。而して、車両の加速時に発生する、操向車輪がステアリングホイールを転舵しようとするトルクステアを、運転者への違和感なく、適切に低減することができる。
更に、第1目標値決定特性及び第2目標値決定特性は、図8に示すように、関数を用いて設定することができる。また、第1目標値決定特性及び第2目標値決定特性は、不感帯をもった駆動力差ΔFdに比例する関数として設定することができる。
例えば、第1目標値決定特性(駆動力差ΔFd>0のとき)に基づくトルクステア低減トルク目標値Ttsの決定では、[Tts=Kts1(Fd)・ΔFd−a]として演算され、Tts≦0の場合には、Tts=0 として演算される。ここで、Kts1(Fd)は、勾配を表す定数であり、図9に表す駆動力Fdに応じた特性を有する。また、aは不感帯を表す定数である。勾配定数Kts1は図9に実線で示すように、駆動力Fdの増加にともなって、増加する特性として設定される。
一方、第2目標値決定特性(駆動力差ΔFd<0のとき)に基づくトルクステア低減トルク目標値Ttsの決定では、[Tts=Kts2(Fd)・ΔFd+b]として演算され 、Tts≧0の場合には、Tts=0 として演算される。ここで、Kts2(Fd)は、勾配を表す定数であり、図9に表す駆動力Fdに応じた特性を有する。また、bは不感帯を表す定数である。勾配定数Kts2は図9に破線で示すように、駆動力Fdの増加にともなって、減少する特性として設定される。
特に、勾配定数Kts1>勾配定数Kts2に設定されており、第1目標値決定特性は第2目標値決定特性に対して相対的に大きい値の特性となる。従って、上述したようにドライブシャフト起因トルクステアの影響を効果的に補償することができる。更に、勾配定数Kts1及び勾配定数Kts2を駆動力Fdに基づいて、図9に示すように変更することによって、ドライブシャフト起因トルクステアの変動の影響を効果的に補償することができる。尚、図8においては、トルクステア低減トルク目標値Ttsの演算に際し、駆動力差ΔFdに対する線形特性を用いることとしているが、これに代え、一点折れの特性、曲線の特性等を用いることもできる。図8に示すように、制限値としてTtsm1及びTtsm2(ここで、|Ttsm1|>|Ttsm2|)を設けることとしてもよい。
尚、上記の態様は、ドライブシャフト起因トルクステアの転舵方向と、駆動力差ΔFdの正符号であるときのトラクション制御起因トルクステアの転舵方向とが同一の場合であって、駆動力差ΔFdが負符号であるときのトラクション制御起因トルクステアの転舵方向とが逆方向である場合を仮定している。そして、第1目標値決定特性が相対的に大きい特性、第2目標値決定特性が相対的に小さい特性として設定されている。これに対し、ドライブシャフト起因トルクステアの転舵方向と、駆動力差ΔFdの負符号であるときのトラクション制御起因トルクステアの転舵方向とが同一の場合であって、駆動力差ΔFdが正符号であるときのトラクション制御起因トルクステアの転舵方向とが逆方向である場合には、上記の第1目標値決定特性と第2目標値決定特性とを入れ替えた特性として設定すればよい。
本発明の一実施形態に係る電動ステアリング制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る電動ステアリング制御装置を備えた車両の全体構成を示す構成図である。 本発明の一実施形態におけるステアリング制御例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるトルクステア低減トルク目標値の演算処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態において、トルクステア低減制御開始条件を設定するマップ例を示すグラフである。 本発明の一実施形態におけるトルクステア低減トルク目標値を設定するためのマップの一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態におけるトルクステア低減トルク目標値を設定するためのマップの他の例を示すグラフである。 本発明の一実施形態におけるトルクステア低減トルク目標値を設定するためのマップの更に他の例を示すグラフである。 図8に供する勾配定数を設定するためのマップの一例を示すグラフである。 一般的な車両におけるドライブシャフトと駆動車輪の関係を示す斜視図である。 操向車輪が駆動車輪である車両において、ステアリング装置を含む部分の正面及び平面図である。 車両の加速時に発生するトルクステアの発生部位を示すブロック図である。
符号の説明
M1 操舵トルク検出手段
M2 パワーステアリング補助トルク目標値決定手段
M3 制動トルク検出手段
M4 駆動力差演算手段
M5 トルクステア低減トルク目標値決定手段
M6 モータ駆動制御手段
M7 動力源状態検出手段
M8 変速機状態検出手段
M9 駆動力演算手段
ECU1 エンジン電子制御ユニット
ECU2 ステアリング電子制御ユニット
ECU3 変速機電子制御ユニット
ECU4 ブレーキ電子制御ユニット
BRK ブレーキ制御装置
SW ステアリングホイール
MT 電気モータ
EG エンジン
TR 変速機
WHfr,WHfl 車輪
AP アクセルペダルセンサ
TS 操舵トルクセンサ
TK スロットル開度センサ

Claims (2)

  1. 動力源が発生する動力を、左右車輪間で特性差があるドライブシャフトを介して駆動車輪に伝達する車両における操向車輪が前記駆動車輪である当該車両に搭載し、当該車両のステアリングホイールの操舵トルクを制御する操舵トルク制御手段と、前記操向車輪の制動トルクを制御するトラクション制御手段とを備え、少なくとも該トラクション制御手段が作動するときに前記ステアリングホイールに生じるトルクステアを、前記操舵トルク制御手段によって低減する電動ステアリング制御装置において、前記操向車輪の制動トルクを検出する制動トルク検出手段と、該制動トルク検出手段が検出する制動トルクに基づいて前記操向車輪間の駆動力差を演算する駆動力差演算手段と、該駆動力差演算手段が演算する駆動力差に基づいてトルクステア低減トルク目標値を決定するトルクステア低減トルク目標値決定手段とを備え、該トルクステア低減トルク目標値決定手段は、前記駆動力差の符号が正であって、トラクション制御に起因するトルクステアの発生する転舵方向と、前記ドライブシャフトに起因するトルクステアの発生する転舵方向とが同方向であるときには第1目標値決定特性を用いて前記トルクステア低減トルク目標値を演算し、前記駆動力差の符号が負であって、トラクション制御に起因するトルクステアの発生する転舵方向と、前記ドライブシャフトに起因するトルクステアの発生する転舵方向とが逆方向であるときには前記第1目標値決定特性に対し相対的に小さい特性の第2目標値決定特性を用いて前記トルクステア低減トルク目標値を演算し、該トルクステア低減トルク目標値に基づいて前記操舵トルク制御手段を制御することを特徴とする電動ステアリング制御装置。
  2. 前記ドライブシャフトを介して前記駆動車輪に伝達する駆動力を演算する駆動力演算手段を備え、該駆動力演算手段が演算する駆動力に基づき、前記第1目標値決定特性及び前記第2目標値決定特性のうち少なくとも何れか一方を変更することを特徴とする請求項1記載の電動ステアリング制御装置。
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