JP4910115B2 - 封緘ラベル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
当該封緘対象物を開封する場合には、封緘ラベルの最上層にあるカバーシートを封緘対象物から剥がすようにする。すると、表示シート側は粘着剤層によって封緘対象物に接着されているから、表示シートは封緘対象物側に残り、カバーシートだけが透光性樹脂層との間で剥離されて取り除かれる。一方、表示シートには分断用スリットが設けられており、これが封緘対象物の封口部と本体部との境界に一致しているから、その表示シートを分断用スリットにおいて分離でき、封口部を本体部から離して封緘対象物を開封することができる。
また、当該封緘ラベルから剥離シートを剥離する場合に、摘み部を摘んでカバーシートを捲り上げる。カバーシートと透光性樹脂層との剥離が、第1積層体の剥離シートから少なくとも表示シートまで形成された摘み部形成用スリットに差し掛かると、この摘み部形成用スリットを経由して、剥離境界が下層へ移行する。すなわち、摘み部形成用スリットの形成位置より先では、剥離可能に積層されている第1積層体の粘着剤層と剥離シートとが剥離するようになり、封緘ラベルから剥離シートをスムーズに剥離することが可能となる。
さらに、封緘対象物を開封する時に、カバーシートの摘み部を摘んで透光性樹脂層から容易に剥がすことができるため、開封時の手間を省くことができる。
このように、カバーシートを剥がして封緘対象物を開封すると、カバーシートと透光性樹脂層とは剥離可能かつ再接着不能な態様で積層されているため、このカバーシートを元に戻すことができない。
さらに、表示シートの少なくとも一方の面には、前記カバーシートを剥離したときに視認可能となる所要の印刷がなされているものとしているため、既に開封されたことが明示されることとなり、不正開封に対して抑止力が働く。
また、開封容易性及び不正開封防止機構を備えた封緘ラベルを小ロットでの製造であっても低コストで製造することができる。
図1は本実施形態に係る第1積層体の断面図、図2は同じく第2積層体の断面図である。
第1積層体10は、図1に示すように、紙製の表示シート11と、表示シート11の裏面に形成された粘着剤層12と、粘着剤層12と剥離可能に重ねられた紙製の剥離シート13とからなる。
この第1積層体10は、表示シート11の裏面に粘着剤層12を塗布し、この粘着剤層12の上に剥離シート13を重ね合わせることにより製造する。
この第2積層体20は、カバーシート21の裏面に剥離可能かつ再接着不能な態様に透光性樹脂層22を積層した後、透光性樹脂層22の裏面に粘着剤層23を塗布し、この粘着剤層23の上に剥離シート24を重ね合わせることにより製造する。
例えば、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートからなる層の上に更にポリエチレンからなる層を積層して二層とし、カバーシート21を剥離した際に、上側に積層されているポリエチレンからなる層がカバーシート21と共に剥離されるようなものを用いることもできる。また、カバーシート21に塗布した後、UV照射することで容易にカバーシート21と透光性樹脂層22とを擬似接着できるという点から、ウレタン変性アクリルオリゴマー、又はウレタン樹脂(又はポリエステル樹脂、エポキシ樹脂)などのプレポリマーを主体とした樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等のUV硬化型樹脂を使用することもできる。
まず、最終積層体30に複数の切り離し用スリット41を形成する。本実施形態では、図5に示すように、略角丸長方形の封緘紙本体31の一方の短辺において、外方に張り出した摘み部32を角丸長方形に形作るようにしてループ状の切り離し用スリット41を例えば6個形成した。なお、各切り離し用スリット41において、後述する分断用スリットと交差する2カ所の位置には、分断用スリットの位置を示す指標部として、封緘紙本体31の内側に切れ込む一対のノッチ部33を形成する。なお、切り離し用スリット41の深さについては、図6に示すように、カバーシート21から第1積層体10の粘着剤層12まで及ぶように(すなわち、剥離シート13を残した状態で)当該切り離し用スリット41を形成する。
その後、最終積層体30を必要に応じて販売ないし使用し易い大きさに切断する。図6には、最終積層体30内に計6枚の封緘ラベル50を取り出し可能にした例が記載されている。
本実施形態により製造された封緘ラベル50を使用して、封筒1を封緘するには以下のように行う。まず、封筒1のフラップ(封口部)2を谷折りにして本体部3と重ね、開口を閉じる。
また、このように封緘ラベル50からカバーシート21を剥がすことにより、粘着剤層12から透光性樹脂層22に亘って設けられた分断用スリット42が露出する(図10及び図11参照)。この分断用スリット42は、封筒1のフラップ2と本体部3との境界に一致しているため、当該分断用スリット42によりフラップ2に貼付された側と本体部3に貼付された側とに分離され、フラップ2が本体部3から離れて封筒1が開封された状態となる。
従来、このような所要の表示の印刷は、第2積層体20の透光性樹脂層22に施されるものであった。しかしながら、第2積層体20は、カバーシート21と透光性樹脂層22との擬似接着状態を実現するため、圧着ローラを使用して熱圧着を行うものとしている。そのため、製造コストを抑制するには大ロットでの製造が前提となり、仮に透光性樹脂層22に所要の表示を印刷しようとすると、印刷済みの透光性樹脂層22を予めまとめて製造しておく必要があり、小ロットへの対応はできないものとされていた。
このように、カバーシート21を残して封緘ラベル50を分断する分断用スリット42を形成することにより、開封するために封緘ラベル50からカバーシート21を剥がした場合に、その後封筒1に貼付されたままとなる粘着剤層12から透光性樹脂層22に亘って分断用スリット42が露出する。この分断用スリット42は、封筒1のフラップ2と本体部3との境界の上に重なっているため、カバーシート21を剥がした後の封緘ラベル50は当該分断用スリット42により分離でき、フラップ2を本体部3から離して封筒1を容易に開封することができる。
さらに、分断用スリット42を複数本(本実施形態では3本)形成したため、封緘ラベル50により封筒1を封緘する場合に、これらの分断用スリット42のうち1本がフラップ2と本体部3との境界の上に重なるように封緘ラベル50を貼付すれば良いため、封緘時の手間が掛かることもない。
このような積層態様とすることにより、封緘ラベル50からカバーシート21を剥がして一旦封筒1を開封した後には、カバーシート21を再び封緘ラベル50上に戻すことができない。さらに上記のとおり、カバーシート21を剥がした後は、表示シート11に印刷した所要の表示(本実施形態では「OPEN」)が透光性樹脂層22を通じて視認される。これにより、既に開封されたことが明示されることとなるため、不正開封を防止することが可能となる。
これにより、封緘ラベル50を剥離シート13から剥離した場合に、切り離し用スリット41に沿った任意の形状にて、複数枚の封緘ラベル50を容易に得ることができる。
このように形成した摘み部32には、粘着剤層12,23が備わっていないため、この摘み部32を指で摘んでも粘着剤が付着することがない。
また、封緘ラベル50から剥離シート13を剥離する場合に、この摘み部32を摘んでカバーシート21を捲り上げる。カバーシート21と透光性樹脂層22との剥離が、透光性樹脂層22から剥離シート13まで形成した摘み部形成用スリット43に差し掛かると、この摘み部形成用スリット43を経由して、剥離する境界が下層へ移行する。すなわち、摘み部形成用スリット43の形成位置より先では、剥離可能に積層されている第1積層体10の粘着剤層12と剥離シート13とが剥離することとなり、封緘ラベル50から剥離シート13をスムーズに剥離することが可能となる。
さらに、封筒1を開封する場合に、カバーシート21の摘み部32を摘んで透光性樹脂層22から容易に剥がすことができるため、開封時の手間を省くことができる。
このように、切り離し用スリット41において、分断用スリット42の位置を示すように、他の部分とはライン形状を異ならせて(本実施形態ではノッチ33を形成)、指標部を形成することにより、封緘ラベル50により封筒1を封緘する場合に、分断用スリット42の所在位置を目視で確認することができる。これにより、封筒1のフラップ2と本体部3との境界の上に分断用スリット42を一致させることが容易となる。
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
11…表示シート
12…(第1積層体の)粘着剤層
13…(第1積層体の)剥離シート
20…第2積層体
21…カバーシート
22…透光性樹脂層
23…(第2積層体の)粘着剤層
24…(第2積層体の)剥離シート
30…最終積層体
31…封緘紙本体
32…摘み部
33…ノッチ(指標部)
41…切り離し用スリット
42…分断用スリット
43…摘み部形成用スリット
50…封緘ラベル
Claims (6)
- 印刷可能な表示シートと、この表示シートの一方の面に形成された粘着剤層と、この粘着剤層を覆う剥離シートとを有する第1積層体と、
透光性樹脂層と、この透光性樹脂層と剥離可能かつ再接着不能な態様で積層されたカバーシートと、前記透光性樹脂層のうち前記カバーシートとは反対側に形成された粘着剤層と、この粘着剤層を覆う剥離シートとを有する第2積層体と、を用意し、
前記第1積層体の前記表示シートに所要の表示を印刷する印刷工程と、
前記第2積層体の前記剥離シートを剥離して、当該第2積層体を前記第1積層体の前記表示シート上に積層する積層工程と、
少なくとも前記第1積層体の前記表示シートを分断するための分断用スリットを形成する分断用スリット形成工程とを含むことを特徴とする封緘ラベルの製造方法。 - 前記積層工程後に、前記カバーシートから複数枚の封緘ラベルを切り出すためのループ状をなす切り離し用スリットを、前記カバーシートから少なくとも前記表示シートを切り離す深さまで形成する工程を含み、前記分断用スリットを、前記ループ状をなす切り離し用スリットに沿った形状にて得られる封緘ラベルにおいて封緘対象物の封口部と本体部とに跨って貼り付けされる封緘紙本体となる部分を二分するように前記封緘紙本体となる部分を横断して形成することを特徴とする請求項1に記載の封緘ラベルの製造方法。
- 前記第1積層体の前記カバーシートを残して、前記剥離シートから前記透光性樹脂層を切り離す深さの摘み部形成用スリットを、前記第1積層体の前記剥離シート側における前記切り離し用スリットにより囲まれる領域を封緘紙本体と摘み部とに分断するように形成する工程をさらに実行する請求項2に記載の封緘ラベルの製造方法。
- 前記分断用スリット形成工程において、当該分断用スリットを複数本が並んだ態様にて形成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の封緘ラベルの製造方法。
- 前記切り離し用スリットを形成する工程において、前記切り離し用スリットには、前記分断用スリットと交差する位置に、他の部分とはライン形状を異ならせて前記分断用スリットの位置を示す指標部を形成することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の封緘ラベルの製造方法。
- 表示シートと、
前記表示シートの一方の面に、粘着剤層を介して形成された剥離シートと、
前記表示シートの他方の面に、粘着剤層を介して形成された透光性樹脂層と、
前記透光性樹脂層のうち前記粘着剤層とは反対側に、剥離可能かつ再接着不能な態様で形成されたカバーシートと、を備え、
少なくとも前記表示シートには、当該表示シートを分断するための分断用スリットが設けられるとともに、
前記表示シートの少なくとも一方の面には、前記カバーシートを剥離したときに視認可能となる所要の印刷がなされていることを特徴とする封緘ラベル。
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