JP4909846B2 - 樹脂組成物および電子部品 - Google Patents
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Description
(多官能ビニルベンジルオキシ化合物)
本発明で用いられる架橋剤構造の具体的な例として、下記一般式(1)に示される多官能ビニルベンジルオキシ化合物が挙げられる。
(PPEオリゴマ)
本発明で用いられるPPEオリゴマは数平均分子量が5000以下となるオリゴマを用いることが望ましく、より望ましくは数平均分子量が1000以上4000以下、更に望ましくは数平均分子量が1500以上3000以下となるオリゴマである。数平均分子量が5000以下となるPPEオリゴマは有機溶剤への親溶媒性、特に高分子量体は溶解できないケトン系溶剤への親溶媒性が高く、樹脂組成物の溶媒として使用することができる。また、分子量分布が広くなると、樹脂の溶解性に加え、分岐構造による誘電損失特性への影響も生じることから、できるだけ分子量分布の狭いオリゴマを用いることが望ましい。分子量分布として望ましくは10以下、より望ましくは5以下、更に望ましくは3以下である。
(多官能スチレン)
本発明の樹脂組成物は、前述の多官能ビニルベンジルオキシ化合物とPPEオリゴマとの樹脂組成物を用いることで得られ、樹脂強度および親溶媒性に高い性能を示した。しかし、多官能ビニルベンジルオキシ化合物およびPPEオリゴマは、分子構造中に分極が大きい酸素原子を含むため、高周波信号による影響を受けやすくなり、誘電損失が高くなる。そのため、本発明では、更に高周波信号に適用可能な電子部品材料への適用を行うため、多官能ビニルベンジルオキシ化合物との架橋反応が可能な多官能スチレン化合物との複合化を検討した。
(硬化触媒、架橋剤、重合禁止剤の複合化)
本発明の樹脂組成物は、多官能ビニルベンジルオキシ化合物および多官能スチレン化合物の熱硬化反応により、樹脂強度の優れた樹脂硬化物を得た。更に、熱硬化反応における架橋反応の促進および架橋密度の高密度化を目的として、硬化触媒または架橋剤等を複合化することが可能である。
(難燃剤、低誘電損失相、低誘電率相、高誘電率絶縁体、その他成分の複合化)
本発明の樹脂組成物は、難燃性を付与することを目的として、難燃剤の複合化を行うことができる。難燃剤はプラスチック等の高分子有機材料を難燃化するために広く使用されており、火災による損失を未然に防止するのに貢献している。電気・電子機器は潜在的に回路の短絡、劣化等による発火の危険性を有しており、これらの筐体等に対する難燃性の要求が高まっている。そのため、難燃化は電子部品において重要な性能であると考えられる。
(ワニス調製および積層板製造方法)
本発明の樹脂組成物は、これまでに述べた各主成分を包含した樹脂組成物を溶媒中に溶解および分散させることにより、液状のワニスを調製することができる。ワニスに使用可能な溶媒はPPEオリゴマおよび多官能ビニルフェニルオキシ化合物が可溶な溶媒であれば特に限定せず用いることができる。代表的な溶剤としてはハロゲン系化合物、非ハロゲン系の芳香族炭化水素系化合物、ケトン系有機溶媒などが挙げられる。ハロゲン系化合物の例としてはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化メチル等があげられる。また非ハロゲン系の芳香族炭化水素の例としてはトルエン、キシレン、リモネン等があげられる。ケトン系有機溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等が挙げられる。これらの溶剤に樹脂組成物を溶解あるいは均一分散させてワニスを作製することができる。
(実施例および比較例)
以下に実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明する。使用した試薬の名称、合成方法、ワニスの調製法および硬化物の評価方法を説明する。
(1)1、3−ビス(4−ビニルフェノキシ)ベンゼン(以下、架橋剤1と呼ぶ)の合成
攪拌子を入れた2口フラスコに、レソルシノール:11.00g(100mmol、東京化成製)、アセトン:150ml(和光純薬製)、テトラメチルエチレンジアミン:0.2ml(和光純薬製)を加えて攪拌した。攪拌停止後、炭酸カリウム:41.4g(300mmol、和光純薬製)を加えて10分程度攪拌した。4−クロロメチルスチレン:31.3g(205mmol、東京化成製)を系内に静かに加え、加熱によりアセトンを6時間還流させた。反応終了後、アセトンを減圧濃縮した後にトルエンに再溶解し、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧濃縮した後、大過剰のメタノール中で架橋剤を再沈殿させ、メタノールで洗浄後、70℃/3時間真空乾燥して白色の固形物を得た。(収率82%)
1H−NMRおよび13C−NMRにより、その構造を同定した。
(2)1、3−ビス(4−ビニルフェノキシ)‐2−メチルベンゼン(以下、架橋剤2と呼ぶ)の合成
攪拌子を入れた2口フラスコに、2−メチルレソルシノール:12.40g(100mmol、東京化成製)、アセトン:150ml(和光純薬製)、テトラメチルエチレンジアミン:0.2ml(和光純薬製)を加えて攪拌した。攪拌停止後、炭酸カリウム:41.4g(300mmol、和光純薬製)を加えて10分程度攪拌した。4−クロロメチルスチレン:31.3g(205mmol、東京化成製)を系内に静かに加え、加熱によりアセトンを6時間還流させた。反応終了後、アセトンを減圧濃縮した後にトルエンに再溶解し、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧濃縮した後、大過剰のメタノール中で架橋剤を再沈殿させ、メタノールで洗浄後、70℃/3時間真空乾燥して白色〜淡赤色の固形物を得た。(収率89%)
1H−NMRおよび13C−NMRにより、その構造を同定した。
(3)1、2−ビス(4−ビニルフェノキシ)ベンゼン(以下、架橋剤3と呼ぶ)の合成
攪拌子を入れた2口フラスコに、カテコール:11.00g(100mmol、東京化成製)、アセトン:150ml(和光純薬製)、テトラメチルエチレンジアミン:0.2ml(和光純薬製)を加えて攪拌した。攪拌停止後、炭酸カリウム:41.4g(300mmol、和光純薬製)を加えて10分程度攪拌した。4−クロロメチルスチレン:31.3g(205mmol、東京化成製)を系内に静かに加え、加熱によりアセトンを6時間還流させた。反応終了後、アセトンを減圧濃縮した後にトルエンに再溶解し、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧濃縮した後、大過剰のメタノール中で架橋剤を再沈殿させ、メタノールで洗浄後、70℃/3時間真空乾燥して白色の固形物を得た。(収率80%)
1H−NMRおよび13C−NMRにより、その構造を同定した。
(4)1、4−ビス(4−ビニルフェノキシ)トリメチルベンゼン(以下、架橋剤4と呼ぶ)の合成
攪拌子を入れた2口フラスコに、トリメチルヒドロキノン:14.20g(100mmol、東京化成製)、アセトン:150ml(和光純薬製)、テトラメチルエチレンジアミン:0.2ml(和光純薬製)を加えて攪拌した。攪拌停止後、炭酸カリウム:41.4g(300mmol、和光純薬製)を加えて10分程度攪拌した。4−クロロメチルスチレン:31.3g(205mmol、東京化成製)を系内に静かに加え、加熱によりアセトンを6時間還流させた。反応終了後、アセトンを減圧濃縮した後にトルエンに再溶解し、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧濃縮した後、大過剰のメタノール中で架橋剤を再沈殿させ、メタノールで洗浄後、70℃/3時間真空乾燥して白色の固形物を得た。(収率77%)
1H−NMRおよび13C−NMRにより、その構造を同定した。
(5)(2、6−ジメチルフェノールの単独重合体オリゴマ(以下、PPEオリゴマと呼ぶ)の合成
攪拌子を入れた2口フラスコに、ジ−μ−ヒドロキソビス[(N、N、N'、N'−テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]二塩化物:4.64g(10mmol、東京化成製)、水:120ml、テトラメチルエチレンジアミン:20ml(和光純薬製)を加えて攪拌した。攪拌停止後、2、6-ジメチルフェノール:110.0g(0.9mol、東京化成製)をトルエン:500ml(和光純薬製) に溶解した溶液をフラスコに静かに加え、三方コックおよびガラス栓にて密栓した。ゴム製の酸素バルーンを三方コックに接続し、系内を脱気および酸素封入を繰り返して置換した後、40℃の酸素雰囲気下、500〜800rpmで6時間を目標に攪拌した。重合終了後にトルエンで析出物を溶出させた後、大過剰の塩酸/メタノール溶液(1〜5M程度)に沈殿させたのち、沈殿物をメタノールで洗浄後、乾燥後再びトルエンに溶解後、大過剰の塩酸/メタノール(1M程度)に再沈殿させ、メタノールで洗浄後、120℃/2時間、140℃/30分真空乾燥して白色の固形物を得た。
(6)2、6−ジメチルフェノールと2−アリル−6−メチルフェノールとのランダム共重合体オリゴマ(以下、アリル化PPEオリゴマと呼ぶ)の合成
攪拌子を入れた2口フラスコに、ジ−μ−ヒドロキソビス[(N、N、N'、N'−テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]二塩化物:4.64g(10mmol、東京化成製)、水:100ml、テトラメチルエチレンジアミン:20mlを加えて攪拌した。攪拌停止後、2、6-ジメチルフェノール:99.0g(0.81mmol、東京化成製)、2−アリル−6−メチルフェノール:13.4g(0.09mmol、アルドリッチ製)をトルエン:500mlに溶解した溶液をフラスコに静かに加え、三方コックおよびガラス栓にて密栓した。ゴム製の酸素バルーンを三方コックに接続し、系内を脱気および酸素封入を繰り返して置換した後、40℃の酸素雰囲気下、500〜800rpmで6時間を目標に攪拌した。重合終了後にトルエンで析出物を溶出させた後、大過剰の塩酸/メタノール溶液(1〜5M程度)に沈殿させたのち、沈殿物をメタノールで洗浄後、乾燥後再びトルエンに溶解後、大過剰の塩酸/メタノール(1M程度)に再沈殿させ、メタノールで洗浄後、120℃/2時間、140℃/30分真空乾燥して白色の固形物を得た。
(7)PPEオリゴマおよびアリル化PPEオリゴマの末端基修飾
攪拌子を入れた2口フラスコに、PPEオリゴマまたはアリル化PPEオリゴマ:10g、メチルエチルケトン(MEK、和光純薬製):100ml、テトラメチルエチレンジアミン:0.1ml(和光純薬製)を加えて攪拌した。攪拌停止後、炭酸カリウム:2.8g(20mmol、和光純薬製)を加えて10分程度攪拌した。α−ブロモジフェニルメタン:4.9g(20mmol、東京化成製)を系内に静かに加え、加熱によりMEKを6時間還流させた。反応終了後、反応溶液を大過剰のメタノール中で再沈殿させ、メタノールで洗浄後、100℃/3時間真空乾燥して白色の固形物を得た。(収率:PPEオリゴマ、アリル化PPEオリゴマとも100%)
1H−NMRにより、PPEオリゴマおよびアリル化PPEオリゴマの末端水酸基の消失を確認した。
(8)1、2−ビス(ビニルフェニル)エタン(以下、BVPEと呼ぶ)の合成
500mlの三つ口フラスコにグリニャール反応用粒状マグネシウム5.36g(220mmol、和光純薬製)を採り、滴下ロート、窒素導入管およびセプタムキャップを取り付けた。窒素気流下、スターラによってマグネシウム粒を攪拌しながら、系全体をドライヤーで加熱脱水した。乾燥テトラヒドロフラン300ml(和光純薬製)をシリンジにとり、セプタムキャップを通じて窒素気流中下で注入した。溶液を−5℃に冷却後、滴下ロートを用いてビニルベンジルクロライド:30.5g(200mmol、東京化成製)を約4時間かけて滴下した。滴下終了後、0℃で20時間攪拌を続けた。反応終了後、反応溶液をろ過して残存マグネシウムを除き、エバポレーターで濃縮した。濃縮溶液をヘキサンで希釈し、1M塩酸水溶液で1回、純水で3回洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで脱水した。脱水溶液をシリカゲル(和光純薬製ワコーゲルC300)/ヘキサンのショートカラムに通して精製し、真空乾燥してBVPEを得た。得られたBVPEはm−m体(液状)、m−p体(液状)、p−p体(結晶)の混合物を得た。(収率:90%)
1H−NMRによってその構造を調べたところ、その値は文献値と一致した。
(9)ワニスの調製法
所定量の多官能ビニルベンジルオキシ化合物、PPEオリゴマまたはアリル化PPEオリゴマとともに、複合化成分および溶媒の入った容器にジルコニアボールを加え、ミックスローター等にて約8時間攪拌を行うことで樹脂組成物のワニスを作製した。
(10)樹脂板の作製
上記ワニスをPETフィルムに塗布して乾燥した後、これを剥離してポリテトラフルオロエチレン製のスペーサ内に所定量入れ、ポリイミドフィルムおよび鏡板を介し、真空下で、加熱、加圧して硬化して樹脂板を得た。加熱条件は、120℃/30分、150℃/30分、180℃/100分で、プレス圧力1.5MPaの多段階加熱とした。樹脂板の大きさは70mm×70mm×1.5mmとした。
(11)誘電率および誘電正接の測定
誘電率、誘電正接は、空胴共振器摂動法(アジレントテクノロジー製8722ES型ネットワークアナライザー、関東電子応用開発製空胴共振器)によって、10GHzでの値を測定した。
(12)引っ張り強度の測定
樹脂板の引っ張り強度および伸び率の測定は、幅1.5mm、厚み1.5mm、長さ40mmに加工した測定サンプルを精密万能試験機オートグラフ(島津製作所製AGS−100G)によって10本測定を行い、その平均値を測定値とした。
(13)耐溶剤性試験
樹脂板の耐溶剤性試験は、幅10mm、厚み1.5mm、長さ30mmに加工した測定サンプルを40℃に加熱したクロロホルム中に浸漬し、樹脂の溶解や膨潤、変形などを調べた。
(14)ガラス転移温度の測定
熱・応力・歪測定装置(TMA/SS SEIKO EXSTAR6000TMA/SS6100)を用い、貯蔵弾性率E’、弾性損失tanδを測定した。樹脂の弾性損失のピーク位置を転移温度とした。測定昇温速度は5℃/分とした。
(15)プリプレグの作製
各実施例において作製したプリプレグは、当該ワニスをガラスクロス(日東紡製#2116)に含浸し、室温で約1時間、90℃で60分間乾燥することにより作製した。
(16)プリプレグ硬化物の作製
積層板とした際の特性を知るため、前記で作製したプリプレグを6枚重ねて真空下で加熱、加圧して模擬基板を作製した。加熱条件は120℃/20分、150℃/20分、230℃/60分、プレス圧力1.5MPaの多段階加熱とした。模擬基板は70mm×70mm×1.5mmとした。
(17)難燃性
難燃性はサンプルサイズ70×3×1.5mm3の試料を用いてUL−94規格に従って評価した。
(18)その他の試薬
硬化触媒:25B:日本油脂製、2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、難燃剤:ヒシガード:日本化学工業製、重合禁止剤:ハイドロキノン系重合禁止剤:2、5−ビス(1、1−ジメチルブチル)ハイドロキノン、難燃剤:SAYTEX 8010:アルベマール日本製、高分子量体:H1051:旭化成ケミカルズ製、低誘電率絶縁体:Z−36:東海工業製、硼珪酸ガラスバルーン(平均粒径56μm)、高誘電率絶縁体:Ba−Ti系無機フィラ:1GHzにおける誘電率が70、密度5.5g/cm3、平均粒子1.5μmのチタン酸バリウム系の無機フィラ。
(実施例1〜6)
実施例1〜6は、1、3−ビス(4−ビニルフェノキシ)ベンゼン(架橋剤1)、末端基修飾を行ったアリル化PPEオリゴマおよび25Bを含む樹脂組成物について樹脂板を作製し、測定を行った。ワニス調製時等の溶媒には、ケトン系溶剤であるMEKを使用した。アリル化PPEオリゴマの樹脂組成物はMEKへの溶解性が高く、室温で10重量部%以上の樹脂含量を有するワニスとすることができた。
(実施例7〜12)
実施例7〜12は、1、3−ビス(4−ビニルフェノキシ)ベンゼン、末端基修飾を行ったPPEオリゴマおよび25Bを含む樹脂組成物について樹脂板を作製し、測定を行った。ワニス調製時等の溶媒には、ケトン系溶剤であるMEKを使用した。アリル化PPEオリゴマの時と同様に、樹脂組成物はMEKへの溶解性が高く、室温で10重量部%以上の樹脂含量を有するワニスとすることができた。
(実施例13〜15)
実施例13〜15は、多官能ビニルベンジルオキシ化合物として、1、3−ビス(4−ビニルフェノキシ)−2−メチルベンゼン(架橋剤2)、1、2−ビス(4−ビニルフェノキシ)ベンゼン(架橋剤3)および1、4−ビス(4−ビニルフェノキシ)トリメチルベンゼン(架橋剤4)のいずれかを用い、末端基修飾を行ったPPEオリゴマおよび25Bを含む樹脂組成物について樹脂板を作製し、測定を行った。ワニス調製時等の溶媒には、ケトン系溶剤であるMEKを使用した。アリル化PPEオリゴマの時と同様に、樹脂組成物はMEKへの溶解性が高く、室温で10重量部%以上の樹脂含量を有するワニスとすることができた。
(比較例1〜2)
比較例1〜2は、PPEオリゴマ、またはアリル化PPEオリゴマと25Bとを含む樹脂複合化物を加熱成型して樹脂板を作製し、測定を行った。
(半導体装置)
従来、高周波用半導体素子は、高周波動作の障害となる配線間静電容量を低減するために、図1に記載のように空気層を絶縁層とするハーメチックシール型の気密パッケージにて製造されてきた。本図において、1は半導体素子の基材であり、2は基材1の凹部、3は半導体チップ、4は基材1との間にシール材5を挟んで半導体チップ3を密封する半導体素子のカバー、6は半導体素子の端子、7は半導体チップ3と端子6とを電気的に接続するためのワイヤー配線である。
(多層基板)
従来の熱硬化性樹脂組成物に比べて誘電正接が低い。従って本架橋成分を絶縁層に使用した配線基板は誘電損失が少ない高周波特性の優れた配線基板となる。以下、多層配線基板の作製方法について説明する。本発明において、多層配線基板の出発材となるプリプレグまたは絶縁層付導体箔は、所定の配合比とした架橋成分、高分子量体、必要により低誘電率絶縁体粒子または高誘電率絶縁体粒子、難燃剤および第二の架橋成分、着色剤等を配合した低誘電正接樹脂組成物を溶剤中で混練してスラリー化した後にガラスクロス、不織布、導体箔等の基材に塗布、乾燥して作製する。
(実施例16、17)
実施例16は実施例13に難燃剤として有機燐化合物を添加した樹脂組成物の例である。難燃剤を添加することによって樹脂組成物が難燃化でき、電気部品の安全性が向上する。また、実施例17は更に高分子量体を複合化した樹脂組成物の例である。複合化によって強度、弾性および伸びが改善され、優れた接着性を示す。
(実施例18、19)
実施例11、12は実施例13に低誘電率絶縁体としてガラスバルーン(Z36)を添加した例である。Z36の添加量の増加に伴い誘電率は2.8から2.0に低下した。本樹脂組成物を絶縁層に用いた電気部品は誘電損失が小さく、高速伝送性が高くなる。
(実施例20、21)
実施例13、14は実施例13に高誘電率絶縁体としてセラミック粒子(Ba−Ti系)を添加した例である。Ba−Ti系の含有率が増すにつれて誘電率は2.8〜12.1に増加した。本樹脂組成物を絶縁層に用いた電気部品は誘電損失が小さく、小型の高周波用電気部品となる。
(実施例22)
実施例21は実施例13に示される樹脂組成物を含み、低誘電率、低誘電正接な硬化物を形成する液状樹脂組成物である。液状の樹脂組成物は、常温かつ低圧での注型が可能である。また、本発明の樹脂組成物から作製した絶縁層を有する高周波用電子部品は低誘電率、低誘電正接であることから高速伝送、低誘電損失な高周波用電子部品となる。
Claims (26)
- 下記一般式(1)
- 前記多官能ビニルベンジルオキシ化合物は、mが2である二官能ビニルベンジルオキシ化合物であり、2つのビニルベンジル基とベンゼンとの結合部位がオルト位またはメタ位のいずれかの関係にあることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記多官能ビニルベンジルオキシ化合物は、mが2である二官能ビニルベンジルオキシ化合物であり、2つのビニルベンジル基とベンゼンとの結合部位がパラ位の関係にあり、かつR'nのうち少なくとも1つ以上の官能基が炭素数1から20の炭化水素基であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物に含まれるポリ(フェニレンエーテル)オリゴマは、2種類以上のフェノール誘導体のランダム共重合体からなるポリ(フェニレンエーテル)オリゴマであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記ポリ(フェニレンエーテル)オリゴマは、熱硬化性官能基を少なくとも1つ以上含む熱硬化性ポリ(フェニレンエーテル)オリゴマであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記ポリ(フェニレンエーテル)オリゴマは、R1、R2が水素原子、R3、R4がメチル基であり、R5、R6、R7、R8のうち少なくとも1つ以上熱硬化性官能基を含む熱硬化性ポリ(フェニレンエーテル)オリゴマであることを特徴とする請求項6に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物であって、前記樹脂組成物の熱硬化反応を促進する硬化触媒および架橋剤から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は更に重合禁止剤を含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は更に難燃剤を含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂組成物であって、前記樹脂組成物は更に高分子量体としてブタジエン、イソプレン、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、N−フェニルマレイミドおよびN−ビニルフェニルマレイミドのうち少なくとも1種からなる重合体、並びに脂環式構造を有するポリオレフィンから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物が低誘電率樹脂粒子、中空樹脂粒子および中空ガラスバルーンから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物が平均粒径0.1〜100μmの空隙を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物が高誘電率絶縁体としてセラミック粒子を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の樹脂組成物であって、前記樹脂組成物が有機溶剤を含み、前記樹脂組成物が該有機溶剤中に少なくとも5重量部%以上溶解していることを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項17記載の樹脂組成物であって、前記有機溶剤の沸点が25℃以上180℃以下の非ハロゲン系有機溶剤であることを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項17または18に記載の樹脂組成物であって、前記有機溶剤がケトン系有機溶剤であることを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の樹脂組成物を含み、前記樹脂組成物中に含まれる不飽和結合の一部または全てが架橋反応して得られることを特徴とする樹脂組成物の硬化物。
- 請求項20記載の樹脂組成物の硬化物であって、任意の樹脂構造体が形成可能であり、その樹脂構造体の試験片の引っ張り強度(樹脂板の引っ張り強度の測定は、幅1.5mm、厚み1.5mm、長さ40mmに加工した測定サンプルを精密万能試験機オートグラフ(島津製作所製AGS−100G)によって10本測定を行い、その平均値を測定値とした)が10MPa以上であることを特徴とする樹脂組成物の硬化物。
- 請求項20または21に記載の樹脂組成物の硬化物であって、硬化前に可溶な溶媒に浸漬しても樹脂成分の溶出または変性が起こらないことを特徴とする樹脂組成物の硬化物。
- 請求項20〜22のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物を含む電子部品。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の樹脂組成物を含む多層配線基板用ポッティング剤。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて製造された多層配線基板用プリプレグ。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて製造された多層配線基板。
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