JP4909663B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、アキュムレータの容量を大きくすることなく、圧縮機への液バックを防止することのできる空気調和装置を提供することにある。
空気調和装置10は、図1に示すように、熱源側ユニット11と、この熱源側ユニット11に接続された蓄熱ユニット12及び利用側ユニット13A、13Bと、これら各ユニットを統括的に制御する制御装置51とを備えて構成される。熱源側ユニット11は、容量可変型の圧縮機18を備え、この圧縮機18の吸込側にアキュムレータ19が接続され、当該圧縮機18の吐出側に四方弁20が接続されている。この四方弁20には、冷媒配管14を介して、熱源側熱交換器21、電動膨張弁22及びレシーバタンク23が順次接続されている。また、四方弁20にはアキュムレータ19が接続されている。
利用側ユニット13A、13Bは、利用側熱交換器24A、24Bと電動膨張弁25A、25Bとを備え、これら利用側熱交換器24A、25Bの一端24A1、24B1は、それぞれ冷媒配管17を介して四方弁20に接続されている。また、電動膨張弁25A、25Bは空調負荷に応じて開度が調整される。
本構成では、上記冷媒配管39Aと冷媒配管37との間には、第1開閉弁41及び電動膨張弁38をバイパスするバイパス管40が設けられ、このバイパス管40には第2開閉弁42及び逆止弁45が配置されている。
また、蓄熱用熱交換器35の他端35Bには、第3開閉弁(開閉弁)43を有する冷媒配管46が接続され、この冷媒配管46は上記冷媒配管17に接続されている。また、蓄熱用熱交換器35の他端35Bと第3開閉弁43との間には、冷媒配管46から分岐して上記冷媒配管39Bに接続される冷媒配管47が設けられ、この冷媒配管47には第4開閉弁44及び逆止弁48が配置されている。
(1)製氷運転
図1に示す空気調和装置10の製氷運転は、例えば、夜間10時から翌朝8時までの電力料金が安い時間帯に、熱源側ユニット11における熱源側熱交換器21からの液冷媒を蓄熱ユニット12における蓄熱槽36内の蓄熱用熱交換器35へ供給し、蓄熱槽36内に氷を作る運転である。
この場合には、蓄熱ユニット12において、第2開閉弁42及び第4開閉弁44が閉弁されて、第1開閉弁41、電動膨張弁38及び第3開閉弁43が開弁操作される。また、利用側ユニット13A、13Bでは、電動膨張弁25A、25Bは閉弁されている。
この状態で、熱源側ユニット11の圧縮機18が起動されると、この圧縮機18から吐出されたガス冷媒は、四方弁20を介して熱源側熱交換器21にて凝縮され、電動膨張弁22を経て減圧されてレシーバタンク23に流入し、ここでは余剰の液冷媒が貯留される。このレシーバタンク23を経た冷媒は、蓄熱ユニット12の第1開閉弁41を通過して電動膨張弁38にて更に減圧され、蓄熱槽36内の蓄熱用熱交換器35へ流入する。
この蓄熱用熱交換器35内に流入した冷媒は蒸発されて、蓄熱用熱交換器35の外周に氷を付着した状態で形成する。その後、蓄熱用熱交換器35内のガス冷媒は、第3開閉弁43、冷媒配管17、四方弁20及びアキュムレータ19を経て圧縮機18に戻される。この製氷運転によって蓄熱槽36内に氷が形成され、この氷に蓄熱された冷熱が、次の蓄熱利用冷房運転にて利用される。
図2に示す空気調和装置10の蓄冷利用冷房運転は、例えば、昼間、気温が上昇する時間帯に、熱源側ユニット11における熱源側熱交換器21からの液冷媒を、蓄熱ユニット12における蓄熱槽36内の蓄熱用熱交換器35へ供給させて過冷却状態とし、この過冷却状態の液冷媒を利用側ユニット13A,13Bの利用側熱交換器24A,24Bへ供給して実施される。
この場合には、蓄熱ユニット12において、電動膨張弁38、第1開閉弁41及び第3開閉弁43が閉弁されて、第2開閉弁42、第4開閉弁44が開弁操作される。また、利用側ユニット13A、13Bでは、電動膨張弁25A、25Bは開弁操作されている。
この状態で、熱源側ユニット11の圧縮機18が起動されると、この圧縮機18から吐出されたガス冷媒は、四方弁20を介して熱源側熱交換器21にて凝縮され、電動膨張弁22を経て減圧されてレシーバタンク23に流入し、ここでは余剰の液冷媒が貯留される。このレシーバタンク23を経た冷媒は、第2開閉弁42及び逆止弁45を経て分岐され、この冷媒の多くが蓄熱槽36内の蓄熱用熱交換器35へ流入する。
従って、この凝縮蓄冷利用による冷房運転では、前述の製氷運転で蓄熱槽36内の氷に蓄熱された冷熱を利用し、蓄熱槽36の蓄熱用熱交換器35内で液冷媒を過冷却状態として利用側熱交換器24へ供給するので、この利用側熱交換器24における冷房運転の効率を向上させることができる。
図3に示す空気調和装置10における通常冷房運転は、蓄熱ユニット12における蓄熱槽36内の氷に蓄熱された冷熱を利用しないで実施される冷房運転である。この場合、第1開閉弁41が開弁し、そのほかの第2開閉弁42、第3開閉弁43、第4開閉弁44及び電動膨張弁38がすべて閉弁操作される。また、利用側ユニット13A、13Bにおける電動膨張弁25A、25Bは空調負荷に応じて開弁される。
この状態で、熱源側ユニット11の圧縮機18が起動されると、この圧縮機18から吐出されたガス冷媒は、四方弁20を介して熱源側熱交換器21にて凝縮され、電動膨張弁22を経て減圧されてレシーバタンク23に流入し、ここでは余剰の液冷媒が貯留される。このレシーバタンク23を経た冷媒は、第1開閉弁41、電動膨張弁25A,25Bを経て、利用側熱交換器24A、24Bへ流入し、この利用側熱交換器24A,24Bで蒸発して室内を冷房した後、冷媒配管17を通り、四方弁20及びアキュムレータ19を経た後、圧縮機18へ戻される。
図4に示す空気調和装置10の温水蓄熱運転は、例えば夜間10時から翌朝8時までの電力料金の安い時間帯に、圧縮機18からの高温高圧のガス冷媒を蓄熱ユニット12における蓄熱槽36の蓄熱用熱交換器35へ供給し、蓄熱槽36内の水を温水とする運転である。
この場合には、蓄熱ユニット12において、第1開閉弁41、第3開閉弁43及び電動膨張弁38が開弁され、第2開閉弁42及び第4開閉弁44が閉弁操作される。また、利用側ユニット13A、13Bの電動膨張弁25A、25Bは閉弁される。
この状態で、熱源側ユニット11の圧縮機18が起動されると、この圧縮機18から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁20及び第3開閉弁43を経て、蓄熱槽36の蓄熱用熱交換器35内で凝縮され、蓄熱槽36内の水を温水とする。その後、蓄熱用熱交換器35内の凝縮冷媒は、電動膨張弁38、第1開閉弁41及び熱源側ユニット11のレシーバタンク23を経て電動膨張弁22で減圧され、熱源側熱交換器21にて蒸発された後、四方弁20及びアキュムレータ19を経て圧縮機18へ戻される。この温水蓄熱運転によって温水が作られ、この温水に蓄熱された温熱が、次の温水除霜運転に利用される。
図5に示す空気調和装置10の暖房運転時における温水除霜運転は、蓄熱ユニット12における蓄熱槽36の温水を利用して熱源側熱交換器21の除霜を実施するものである。この場合、上記製氷運転時と同様に、蓄熱ユニット12において、第2開閉弁42及び第4開閉弁44が閉弁されて、第1開閉弁41、電動膨張弁38及び第3開閉弁43が開弁操作される。また、利用側ユニット13A、13Bでは、電動膨張弁25A、25Bは閉弁されている。
この状態で、熱源側ユニット11の圧縮機18が起動されると、蓄熱槽36の蓄熱用熱交換器35において、蓄熱槽36内の温水の熱を吸熱して冷媒が蒸発し、このガス冷媒が四方弁20、アキュムレータ19を経て圧縮機18に至る。この圧縮機18により冷媒は高温高圧ガスとなり、電動膨張弁22にて凝縮され、その放熱によって熱源側熱交換器21に付着した霜を除霜する。このように、蓄熱槽36内の温水を利用することによって熱源側熱交換器21の除霜効率が向上する。
図6に示す空気調和装置10の通常暖房運転は、蓄熱ユニット12における蓄熱槽36内の温水を利用しないで実施される暖房運転である。この場合、上記通常冷房運転と同様に、第1開閉弁41が開弁し、そのほかの第2開閉弁42、第3開閉弁43、第4開閉弁44及び電動膨張弁38がすべて閉弁操作される。また、利用側ユニット13A、13Bにおける電動膨張弁25A、25Bは空調負荷に応じて開弁される。
この状態で、熱源側ユニット11の圧縮機18から吐出されたガス冷媒は、四方弁20を経て利用側ユニット13A、13Bの利用側熱交換器24A、24Bに至って凝縮されて液冷媒となり室内を暖房する。その後、この液冷媒は、蓄熱ユニット12の第1開閉弁41を経て、熱源側ユニット11の電動膨張弁22に至って減圧され、熱源側熱交換器21にて蒸発された後、四方弁20及びアキュムレータ19を経て圧縮機18へ戻される。
具体的には、製氷運転もしくは温水除霜運転が選択されると、制御装置51は、図7に示すように、第3開閉弁43を所定の開弁時間T1(例えば1秒間)開弁し、この開弁時間T1よりも長い所定の閉弁時間T2(例えば10秒間)閉弁するサイクルを実行する。この場合、制御装置51は、第3開閉弁43の開閉動作のサイクルを、この動作開始から所定継続時間T3(例えば5分間)が経過するまで繰り返し実行する。この所定継続時間T3が経過化すると、制御装置51は、上記サイクルを終了し、第3開閉弁43を開弁した状態で通常の製氷運転に移行する。この所定継続時間T3、開弁時間T1及び閉弁時間T2及びは、熱源側熱交換器21、アキュムレータ19の大きさ及び第3開閉弁43の口径に応じて実験的に求められる。
この構成では、第3開閉弁43が開弁されて蓄熱用熱交換器35内に滞留する液冷媒が徐々に圧縮機18の吸込側に流入すると、この圧縮機18の吸込圧力が上昇することにより、蓄熱用熱交換器35内の圧力と圧縮機18の吸込側の圧力とがバランスされる。このため、圧縮機18の吸込圧力が所定の圧力以上となれば、圧力差に基づいて蓄熱用熱交換器35内に滞留する液冷媒が圧縮機18の吸込側に流入することは無いと考えられる。従って、制御装置51は、検出された吸込圧力が所定の圧力以上となると、第3開閉弁43の開閉動作のサイクルを終了することにより、製氷運転もしくは温水除霜運転に移行する際の精度を高めることができ、この移行時間の短縮を図ることができる。
この構成によれば、蓄熱ユニット12の台数が増えた場合であっても、圧縮機18に対する単位時間当たりの第3開閉弁43の開弁時間は変わらないため、蓄熱用熱交換器35内に滞留する液冷媒が、一度に圧縮機18の吸込側に流入することはない。従って、圧縮機18の吸込側に流入する液冷媒は、アキュムレータ19によりすべて捕集されるので、圧縮機18への液バックは防止される。また、この構成によれば、圧縮機18の吸込側に流入する液冷媒の量が減るため、アキュムレータ19の小型化を図ることができる。
11 熱源側ユニット
12 蓄熱ユニット
13A、13B 利用側ユニット
18 圧縮機
19 アキュムレータ
21 熱源側熱交換器
24A、24B 利用側熱交換器
35 蓄熱用熱交換器
36 蓄熱槽
43 第3開閉弁(開閉弁)
51 制御装置(弁制御手段)
Claims (1)
- アキュムレータ、圧縮機及び熱源側熱交換器を備える熱源側ユニットと、利用側熱交換器を備える利用側ユニットと、蓄熱槽内に配置された蓄熱用熱交換器及びこの蓄熱用熱交換器に連なる開閉弁を備える蓄熱ユニットとを備え、前記熱源側熱交換器からの冷媒を蓄熱用熱交換器に通した後、前記利用側熱交換器をバイパスさせて、前記開閉弁を介して前記圧縮機に流す製氷運転もしくは温水除霜運転を可能とする空気調和装置において、
前記圧縮機の吸込圧力を検出する吸込圧力検出手段と、前記製氷運転もしくは温水除霜運転の開始時に、前記開閉弁の単位時間あたりの開弁時間が所定時間以上となるように、当該開閉弁を開閉する弁制御手段と、を備え、
前記弁制御手段は、検出された前記吸込圧力が所定値以上となるまで、前記開閉弁を所定の開弁時間だけ開き、この開弁時間よりも長い所定の閉弁時間だけ閉じるサイクルを継続して繰り返し実行することを特徴とする空気調和装置。
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