JP4909224B2 - Zr又はZr合金製段付軸状部品の製造法及び該製造法で得られた燃料棒端栓 - Google Patents

Zr又はZr合金製段付軸状部品の製造法及び該製造法で得られた燃料棒端栓 Download PDF

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Description

本発明は例えば燃料棒の端部に装着される燃料棒端栓等の段付軸状部材に関するものである。
図7は燃料棒の構成を示す説明図である。図8は燃料集合体の全体構成を示す説明図である。図8に示す通り、燃料集合体80は複数本の燃料棒71および1本〜数本の水管(図示せず)と、これらを束ねて水平方向間隔を一定に保持する複数個のスペーサ83と、前記燃料棒71と水管とを支持する上部タイプレート84ならびに下部タイプレート85などにより構成され、前記燃料束の外周はチャンネルボックス86によって覆われている。
ジルコニウム(Zr)又はジルコニウム合金(Zr合金)の段付軸状部品として、原子燃料集合体の構造部品には数種類の部品があるが、その一例として燃料棒端栓を図7に基づいて説明する。図7に示す通り、原子燃料集合体の燃料棒は、Zr合金で形成された燃料被覆管内に原子燃料ペレット72およびプレナムスプリング73を装荷し、その際、燃料棒が所定のヘリウム加圧になるようにヘリウムガスを封入して、当該被覆管の両端部に、Zr合金で形成された上部端栓75と下部端栓74が、各々密封溶接して製造される。
これまで上部端栓75と下部端栓74は、Zr合金の丸棒から切削加工し、所定の形状にしていた。この場合、燃料棒端栓は高い寸法加工精度で製作することが可能であり、また、製品の材料品質(材料特性)は基本的にZr合金製の棒材の材料品質がそのまま反映されるため、加工による影響は問題とならず、良好な材料品質を得ることが出来る。
しかしながらこのような従来の加工法では、製品はZr合金製の棒材から削りだして所定の寸法に仕上げるため、切削屑が多くなり、材料の無駄が多く、使用材料のロスが大きく、特にZr合金材は高価であることから、製品コストを押し上げる要因なっていた。また、これらの切削屑はリサイクル利用が可能であるものの、Zr合金が発火しやすい性質であることから、切削加工時には冷却材が不可欠であり、その結果、切削屑には冷却材が付着しており、Zr合金としてのリサイクルを妨げる要因となることから、環境負荷も大きかった。
また、素材となるZr合金の丸棒を引抜製造する時には、内部欠陥が素材中心に集まり、軸方法に欠陥が繋がることが懸念されるが、従来の切削加工方法においてはこれらについては何ら改善することは出来なかった。
更に、上記以外に、熱間による鍛造により燃料棒端栓形状に成形した後、機械加工により所定の寸法に仕上げる方法も用いられている(例えば、特許文献1参照)。この場合、使用材料のロスは小さくなることから、材料費は低減されるが、熱間鍛造の設備装置が複雑で高価となることや設備維持費が大きくなることも含め、製造費は大きくなる。
この熱間鍛造によると、Zr合金の円柱棒を所定の長さに切断し、これをα+β相以上の温度領域で鍛造し、直ちに水冷し、次いでこれを切削加工して燃料棒端栓を製造している。一方、Zr合金は、特に高温水と反応し、ノジュラー腐食と呼ばれる白色の腐食物を合金表面に生成し、合金に悪影響を及ぼすことが知られている。この腐食現象は、Zr台金の熱処理方法に大きな影響を受けることから、耐食性の向上や材質全体の均質化の目的でβ焼き入れと呼ばれる溶体化処理を施すことが一般的となっている。この熱間鍛造においても、α+β相以上で熱間鍛造し、直ちに水冷することで、Zr合金の耐食性を向上させている。
特開昭60−75567号公報
しかしながら、このような熱間鍛造方法は、材料歩留まり及び成形性を向上させるには有効な方法であるが、成形性能及び耐食性能を維持するために、鍛造する加熱条件や水冷条件などに厳密な管理が必要であり、鍛造設備が複雑になるだけなく、鍛造コスト高にもなる。
具体的には、熱間鍛造の場合、一般に加熱条件のコントロールが難しく、熱処理炉で加熱する場合に比べて入熱量にばらつきが生じやすい。例えば、熱間鍛造では外周部側を局部的に高周波により加熱するため、肉厚方向及び軸方向に入熱の偏りが生じやすい。図1は入熱量(ΣAi)と燃料棒酸化膜厚さの関係を示す線図である。図1に示す通り、高燃焼度下では入熱量が最適値より小さくても大きくても耐食性は悪化し、入熱量のばらつきは耐食性のばらつきとなって現れることになる。つまり、熱間鍛造の場合、特に高燃焼度下で入熱量のばらつきによる製品材料品質のばらつきから腐食の増加を生じやすいといえる。また、軸方向についても熱間鍛造される領域とそれ以外の領域及びその境界の熱影響部で入熱に傾斜が生じる。
図2は本発明で付言する段付軸状部品の説明図である。本発明での「段付軸状部品」とは、図2に示すように、相違する径の柱状の複数の軸を同一軸心で連結したような形状を有する。Zr又はZr合金製段付軸状形状部品21、22を製造するには、前述の従来技術が抱えるような問題点を解決させる必要があり、そのためにはZr又はZr合金の取扱が容易で且つ入熱の殆どない常温域で、Zr又はZr合金の成形性を向上させた冷間鍛造法を提供することが課題となっている。
一般にジルカロイと呼ばれるZr合金は、原子炉環境に対して優れた特性を有していることから、原子炉の炉内構造材料として多く使われている。しかしながら、Zr及びZr合金は、結晶構造が常温では稠密六方構造を有し、図2に示すような段付軸状形状の部品21、22を、いわゆる冷間と呼ばれるプレス又は鍛造などにより成形加工する場合、素材の加工硬化や金型へのカジリつきが発生しやすい。そのため、通常では、機械加工と呼ばれる切削加工、又は、Zr又はZr合金が体心立方構造となる温度以上の領域で鍛造し、これを切削加工するしかなかった。他方で、Zr及びZr合金は高価であり、このような切削加工では、切削代が多くなり、材料としての歩留まりがよくないことから、材料費が嵩むという問題があった。
具体的には、従来の燃料棒端栓の製造においては、機械加工による製造では安定した製品の材料品質を得ることが出来るものの、使用材料のロスが大きいために、コスト高となり、一方で、熱間鍛造及びそれに続く機械加工による製造では、使用材料のロスは小さくなるものの、製造費は大きくなり、また、特に高燃焼度下で製品の材料品質にばらつきが生じやすい欠点があった。すなわち、従来にあってはコストと製品品質を両立する製造方法が選択されていなかった。
本発明は、係る点を解決するためになされたもので、Zr又はZr合金の取り扱いが容易な常温域で冷間鍛造して、段付軸状に成形し、材料の歩留まりを向上することで材料費の低減を目的とするものである。また、本発明は、燃料集合体用燃料棒端栓を冷間による鍛造およびそれに続く熱処理から成る製造工程とすることで、使用材料のロスを大幅に低減してコスト低減を可能とするとともに、均一な入熱による安定した製品材料品質を得ることを目的とする。
Zr又はZr合金からなる軸状素材を所定の段付軸状部品に成形する成形工程を含むZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法であって、
前記成形工程は、
前記軸状素材の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、
前記酸化膜が形成された前記軸状素材を所定の成形型を用いて前記段付軸状形状に成形する冷間鍛造工程と、
を含むものであり、
前記軸状素材の表面を所定の表面粗さに荒らす表面粗化工程を更に含み、
前記酸化膜形成工程は、その所定の表面粗さに荒らされた前記軸状素材に酸化膜を形成するものであり、
前記表面粗化工程は、前記軸状素材にバレル研磨、ショットピーニング又はサンドブラストを施すものであることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明に係るZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法は、請求項に記載の表面粗化工程によって粗化された前記軸状素材の表面粗さが、十点平均粗さRzで0.5〜30(μm)の範囲内の値であることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明に係るZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法は、請求項1又は2に記載の冷間鍛造工程は、前記軸状素材に対して面積減少率が10%以上の成形を施すものであることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明に係るZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法は、請求項1又は2に記載の冷間鍛造工程は、前記軸状素材に対して面積減少率が10%以上であり、据込比=1〜1.5の範囲において、据込率が50%未満の成形を施すものであることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明に係るZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法は、請求項1〜の何れか1項に記載のZr又はZr合金製段付軸状部品が、原子炉内構造部品又は原子炉内装荷部品の構造部品であることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明に係るZr又はZr合金製燃料棒端栓の製造法は、請求項に記載のZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法であって、
前記Zr又はZr合金製段付軸状部品が、燃料棒端栓であり、
前記冷間鍛造工程の後に、熱処理工程を更に含むことを特徴とするものである。
請求項に記載された発明に係るZr又はZr合金製燃料棒端栓の製造法は、請求項に記載の熱処理工程が、再結晶化焼鈍又は応力除去焼鈍であることを特徴とするものである。
請求項に記載された発明に係る燃料棒は、請求項又はに記載のZr又はZr合金製燃料棒端栓の製造法で得られた燃料棒端栓を燃料棒被覆管の端部に装着したことを特徴とするものである。
本発明は、Zr又はZr合金の取り扱いが容易な常温域で冷間鍛造して、段付軸状に成形し、材料の歩留まりを向上することで材料費の低減を達成することができるという効果がある。また、燃料集合体用燃料棒端栓を冷間による鍛造およびそれに続く熱処理から成る製造工程とすることで、使用材料のロスを大幅に低減してコスト低減を可能とするとともに、均一な入熱による安定した製品材料品質を得ることができるという効果がある。
本発明においては、Zr又はZr合金からなる軸状素材を所定の段付軸状部品に成形する成形工程として、軸状素材の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、酸化膜が形成された軸状素材を所定の成形型を用いて前記段付軸状形状に成形する冷間鍛造工程とを含む。これにより、肉厚方向及び軸方向に入熱の偏りが生じやすい段付軸状部品であっても、予め酸化膜を形成した後に常温域で冷間鍛造することができるため、入熱の偏りが小さくなることから腐食の増加を抑制することができる。
また、好ましくは、軸状素材の表面を所定の表面粗さに荒らす表面粗化工程を酸化膜形成工程の前に行う。これにより、冷間鍛造の際のカジリつきの発生を防止することができる。即ち、冷間鍛造での、素材の金型への焼き付きは、素材の変形抵抗や素材の形状及び表面粗さによる摩擦抵抗、潤滑材の種類や処理法、及び素材と金型の親和性等によって左右される。従って、Zr又はZr合金を冷間鍛造する極圧下においても、表面が荒らされた溝等によって潤滑材が表面に行きわたり、酸化被膜との相乗効果によって、素材のZr又はZr合金を確実に保護する。素材と金型との接蝕を回避すれば、金型の焼き付きが防止でき、冷間鍛造によってZr又はZr合金の段付軸状部品を製造することができる。
表面粗化工程は、軸状素材の表面を所定の表面粗さに荒らすものであればよく、前記軸状素材にバレル研磨、ショットピーニング又はサンドブラストを施すもの等によって行われればよい。特に、バレル研磨による表面粗化は表面の粗度管理がし易く、面取り効果もあるため好ましい。
また、粗化された軸状素材の表面粗さとしては、十点平均粗さRzで0.5〜30(μm)の範囲内の値であれば充分に潤滑材が表面に行きわたって素材のZr又はZr合金を確実に保護するものと考えられる。表面粗さが0.5μmよりも小さければ、平滑すぎて潤滑材の被膜効果が得られず、30μmより大きければ、表面粗化工程の管理が難しくコスト的に高くなるためである。
本発明の冷間鍛造工程としては、Zr又はZr合金の取り扱いが容易な常温域で行うものであればよく、より好ましくは、冷間鍛造前の軸状素材に対して面積減少率が10%以上の成形を施すもの、更に好ましくは、軸状素材に対して面積減少率が10%以上であり、据込率が50%未満の成形を施すものであればよい。
本発明のZr又はZr合金製段付軸状部品は、原子炉内構造部品又は原子炉内装荷部品の構造部品であり、ウォータチャンネル等の集合体部品用端栓等の段付軸状部品を含むものである。特にZr又はZr合金製段付軸状部品が、燃料棒端栓であり、冷間鍛造工程の後に、熱処理工程を更に含むことにより、燃料棒端栓の製造を使用材料のロスを小さくし、コスト低減を達成するとともに、安定した燃料棒端栓製品の材料品質を得ることができる。
本発明の熱処理工程の好ましい態様としては、再結晶化焼鈍又は応力除去焼鈍である。即ち、冷間鍛造した後に再結晶化焼鈍又は応力除去焼鈍を行うことにより、冷間鍛造で発生した歪を取り除くことにより、安定した燃料棒端栓製品の材料品質を得ることができる。尚、本発明では、従来の熱間鍛造及びそれに続く機械加工の製造工程に比べて、熱処理の工程が一つ追加になるが、冷間鍛造の製造コストが熱間鍛造のそれに比べて安価であるため、熱処理の工程が追加となっても、トータルのコストは従来に比べて小さくなる。
図3は本発明のZr又はZr合金製段付軸状部品としてのZr合金製燃料棒端栓の製造法の工程を示すフロー図である。図4は燃料棒端栓の冷間鍛造工程を示す説明図である。図5は燃料棒端栓の冷間鍛造工程の説明図である。図6は製造された燃料棒端栓の構成を示す説明図である。
図3の各工程に示す通り、本実施例においては、先ず、消耗電極式真空アーク溶解法で溶解したZr合金インゴットを熱間加工工程、冷間加工工程、焼鈍工程及び研削加工によってジルコニウム合金棒を作製した。Zr合金としては、ジルカロイ−2または高燃焼度用材料としで好適な合金成分がSn:1.20−1.70,Fe:0.21−0.44,Cr:0.05−0.15,Ni:0.03−0.08からなる材料を用いた。
ジルコニウム合金棒は、以下、定尺工程、表面粗化工程、酸化膜工程、造膜工程を経て冷間鍛造を行い、燃料棒端栓を得た。より具体的には、図4のa図に示す通り、ジルコニウム合金棒は、焼鈍工程の後に所定の長さに定尺して切断した。以下この定尺したものをブランク41と呼ぶ。図4のb図に示す通り、ブランク41の表面粗化及び面取りを行い、これに電気炉を使って大気雰囲気中で(最適には550℃〜650℃×1〜2時問)加熱し、図4のc図のように酸化膜42を生成させた。更に、これに図4のd図のように造膜処理によって二硫化モリブデン膜43の形成を行った。
その後、汎用鍛造装置を使った冷間鍛造により、図5の各工程のようにブランク41を絞り加工及び据込加工することで、図6のa図及びb図ような鍛造端栓61,62を製造した。冷間鍛造によって得られた鍛造端栓61,62を(最適には550℃〜650℃×1時間程度)加熱し、歪取り焼鈍したのち、旋盤にて切削加工して燃料棒端栓を製作した。より詳しくは、冷間鍛造後、真空熱処理炉にて約600℃×1時間の再結晶化焼鈍を行い、その後、機械加工により所定の寸法に仕上げる。最後に、脱脂、洗浄を行い、燃料棒端栓を得た。
本実施例に先だって、Zr又はZr合金の冷間鍛造性を評価するため、Zr合金の一つであるジルカロイ−2材(Sn:1.5,Cr:0.1,Fe:0.14,Ni:0.06)を使用した基本的な冷間鍛造試験した結果を表1に示す。
この結果から、Zr合金は、絞り加工では減面率50%程度でも金型に焼き付きを起こす。通常、Zr及びZr合金の冷間鍛造特性は良くなく、段付軸状部品をZr又はZr合金で製造する場合、加工性や素材欠陥の発生を考慮すると、素材に対して滅面率及び据込率が小さな段付軸状形状の部品にしか適用出来ない。
即ち、このことはZr又はZr合金を鍛造して材料歩留まりを向上する意味でも全く効果がなく、単にZr又はZr合金に冷間鍛造を適用することでは、前記課題は解決できない。従って、Zr又はZr合金の段付軸状部品を冷間鍛造するには、可能な限り減面率を大きな絞り加工で金型に焼き付きを起こさず、また、素材割れの欠陥を抑えるためには可能な限り据込率を小さくすることが必要である。
Figure 0004909224
尚、ここで言う減面率とは、「断面積減少率」のことであり、成形前の断面積をA0、成形後の断面積をA1とするとき、断面が減少する方向に於いて、(1−(A1/A0))×100で表される数値である。また、「据込率」とは、据込加工前の長さをL0、加工後の長さをL1とするとき、(1−(L/L0))×100で表す値である。
以上説明した通り、Zr又はZr合金の基本的な冷間鍛造特性から、燃料棒の端栓のような段付軸状部品を冷間鍛造する場台には、絞り加工で金型に焼き付きが発生しないことが最も重要となる。即ち、冷間プレス又は鍛造での、素材の金型への焼き付きは、素材の変形抵抗や素材の形状及び表面粗さによる摩擦抵抗、潤滑材の種類や処理法、素材と金型の親和性によって左右される。従って、Zr又はZr合金の冷間プレス又は鍛造する極圧下においても、潤滑材が素材のZr又はZr合金を確実に保護し、素材と金型との接蝕を回避すれば、金型の焼き付きが防止でき、冷間鍛造によってZr又はZr合金の段付軸状部品を製造することができる。
本発明によると、Zr又はZr合金が酸化しやすい性質を利用し、ブランクを大気中で加熱し、強固な酸化膜を生成させる。これにより鍛造極圧化においてもブランクと成形型との間に自己生成した酸化膜が介在することにより、Zr合金と成形型が直接に接触しないため、ブランクが成形型に焼き付くことが抑制される。
Figure 0004909224
尚、酸化膜処理工程の前に、ブランクの表面粗化及び面取り、又は、酸化膜処理工程の後に二硫化モリブデン等の潤滑剤の造膜処理をすることで、より強固な潤滑被膜を生成することができるため、更に減面率の大きな絞り加工が可能となる。本発明の実施例において、Zr合金の一つであるジルカロイ−2材に適用した結果例を表2に示す。
従って、より最終製品形状に近くできることから、切削屑が低減され、材料の歩留まりが向上し、材料費の抑制に大きな効果がある。また、材料を削減することになリ、環境負荷の低減効果がある。更に、素材を鍛造で強加工することにより、素材の製造過程で発生した内部欠陥を押しつぶす効果もある。
更に、冷間鍛造後に歪取り焼鈍をすることで、残留応力を除去すると共に再結晶化させることで、原子炉内環境で使われる燃料棒端栓のような部品の耐食性を維持し、また、冷間鍛造されたことにより結晶が細粒化され、部品の引張強度及び耐力が増し、部品の機械的性質の向上にも有効である。
以上のように、燃料棒端栓のような段付軸状部品を冷間による鍛造およびそれに続く熱処理から成る製造工程としているため、使用材料のロスを小さく出来、コスト低減を可能とするとともに、安定した材料品質を有する製品を提供することが出来る。
図1は入熱量(ΣAi)と燃料棒酸化膜厚さの関係を示す線図である。 本発明で付言する段付軸状部品の説明図である。 本発明のZr又はZr合金製段付軸状部品としてのZr合金製燃料棒端栓の製造法の工程を示すフロー図である。 燃料棒端栓の冷間鍛造工程を示す説明図である。 燃料棒端栓の冷間鍛造工程の説明図である。 製造された燃料棒端栓の構成を示す説明図である。 燃料棒の構成を示す説明図である。 燃料集合体の全体構成を示す説明図である。

Claims (8)

  1. Zr又はZr合金からなる軸状素材を所定の段付軸状部品に成形する成形工程を含むZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法であって、
    前記成形工程は、
    前記軸状素材の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成工程と、
    前記酸化膜が形成された前記軸状素材を所定の成形型を用いて前記段付軸状形状に成形する冷間鍛造工程と、
    を含むものであり、
    前記軸状素材の表面を所定の表面粗さに荒らす表面粗化工程を更に含み、
    前記酸化膜形成工程は、その所定の表面粗さに荒らされた前記軸状素材に酸化膜を形成するものであり、
    前記表面粗化工程は、前記軸状素材にバレル研磨、ショットピーニング又はサンドブラストを施すものであることを特徴とするZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法。
  2. 前記表面粗化工程によって粗化された前記軸状素材の表面粗さが、十点平均粗さRzで0.5〜30(μm)の範囲内の値であることを特徴とする請求項に記載のZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法。
  3. 前記冷間鍛造工程は、前記軸状素材に対して面積減少率が10%以上の成形を施すものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法。
  4. 前記冷間鍛造工程は、前記軸状素材に対して面積減少率が10%以上であり、据込比=1〜1.5の範囲において、据込率が50%未満の成形を施すものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法。
  5. 前記Zr又はZr合金製段付軸状部品が、原子炉内構造部品又は原子炉内装荷部品の構造部品であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法。
  6. 請求項に記載のZr又はZr合金製段付軸状部品の製造法であって、
    前記Zr又はZr合金製段付軸状部品が、燃料棒端栓であり、
    前記冷間鍛造工程の後に、熱処理工程を更に含むことを特徴とするZr又はZr合金製燃料棒端栓の製造法。
  7. 前記熱処理工程が、再結晶化焼鈍又は応力除去焼鈍であることを特徴とする請求項に記載のZr又はZr合金製燃料棒端栓の製造法。
  8. 請求項又はに記載のZr又はZr合金製燃料棒端栓の製造法で得られた燃料棒端栓を燃料棒被覆管の端部に装着したことを特徴とする燃料棒。
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