(第1の実施例)
図1は、撮像装置の構成ブロック図である。この図を用いて撮像装置についての説明を行う。
10は撮影レンズである。撮影レンズ10は、固定レンズ11、変倍レンズ12A、補正レンズ12B、及び、フォーカスレンズの13により構成される4群型インナーフォーカス式ズームレンズである。
変倍レンズ12Aと、補正レンズ12Bは不図示のカム機構により、両者の位置関係が規制されながら光軸に沿って移動し、焦点距離を変更する。これら、12A、12Bをズームレンズ12と呼称する。
14は絞り機構とシャッター機構を有するシャッターユニット、15は光学像を電気信号に変換する撮像素子、16は撮像素子15のアナログ信号出力をディジタル信号に変換するA/D変換器である。
18は、撮像素子15、A/D変換器16、D/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
また、画像処理回路20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。そして、得られた演算結果に基づいてシステム制御回路50が、露出制御手段40、フォーカス制御手段42に対して制御を行う。こうした、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を行っている。
フォーカス制御手段42にて使用されるAF(オートフォーカス)評価値は、例えば、次のようなデータである。すなわち、画像処理回路20において、A/D変換器16から入力される画像信号の高周波成分を抽出すると共に、その絶対値を取り、その絶対値データを所定領域内にて積算したデータである。
また、画像処理回路20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16のデータが画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16のデータが直接メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。
画像表示部28を用いて撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダー機能を実現することが可能である。また画像処理回路20で作成されたヒストグラムを表示することも可能である。画像表示部28は、システム制御回路50の指示により任意に表示をオン(ON)にしたり、オフ(OFF)にしたりすることが可能であり、表示をオフにした場合には撮像装置100の電力消費を大幅に低減することが出来る。
30は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても使用することが可能である。
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。
40は、絞り機構とシャッター機構を有するシャッターユニット14を制御する露出制御手段であり、フラッシュ404と連携することによりフラッシュ調光機能も有するものである。
42はフォーカスレンズ13を制御するフォーカス制御手段である。
露出制御手段40、フォーカス制御手段42は、TTL方式を用いて制御されており、撮像した画像データを、画像処理回路20によって演算した演算結果に基づき、システム制御回路50が露出制御手段40、フォーカス制御手段42に対して制御を行う。
44はズームレンズ12を制御するズーム制御手段である。48はコネクタであり、アクセサリーシューとも呼ばれ、フラッシュ装置400との電気接点や機械的な固定手段も合わせて備えている。
50は撮像装置100全体を制御するシステム制御回路、52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。54はシステム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置、スピーカー等の表示部である。撮像装置100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置され、例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。
また、表示部54は、その一部の機能が光学ファインダー104内に設置されている。
表示部54の表示内容のうち、LCD等に表示するものとしては、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、画像サイズ表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示がある。また同様に、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示がある。さらに、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、等がある。
また、表示部54の表示内容のうち、光学ファインダー104内に表示するものとしては、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、等がある。
56は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。この不揮発メモリ56には、ユーザが設定した情報などが格納されている。
60、64、66、及び70は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段である。スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。
60はモードダイアルスイッチで、電源オフ、自動撮影モード、撮影モード、パノラマ撮影モード、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、等の各機能モードを切り替え設定することが出来る。
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を指示する。
64はシャッタースイッチSW2である。これは、不図示のシャッターボタンの操作完了でONとなり、撮像素子15から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データを書き込む露光処理の開始を指示する。続いて、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理の開始の指示に繋がる。さらに、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始の指示に繋がる。
66は画像表示ON/OFFスイッチで、画像表示部28のオンやオフを設定することが出来る。この機能により、光学ファインダー104を用いて撮影を行う際に、TFT LCDなどから成る画像表示部28への電流供給を遮断することにより、省電力を図ることが可能となる。
70はMFスイッチである。これは、ユーザがフォーカスレンズを操作しフォーカシングを行う、マニュアルフォーカスモードに設定することが出来る。
72はメニュースイッチである。これは、このスイッチを押す事から、メニュー画面に入り、各機能のオンや、オフの切り替え、撮影設定のパラメータの選択などを行う。このメニュー画面にて操作性パラメータテーブルの選択も行う事が出来る。
74は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作部である。これは、セットボタン、キャンセルボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタンを有する。また、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタンをも有する。また、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の選択及び切り替えを設定する選択/切り替えボタン、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の決定及び実行を設定する決定/実行ボタンを有する。また、画像表示部28のオンやオフを設定する画像表示ON/OFFスイッチ66、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するレックレビューON/OFFを設定するレックレビュースイッチを有する。また、画像サイズを設定する画像サイズ選択スイッチを有する。この実施例では、サイズS(640×480画素)とそれより記録する画素数が多いサイズM(1600×1200画素)、さらに記録する画素数が多いサイズL(2592×1944画素)を有する。また、JPEG圧縮の圧縮率を選択するため或いは撮像素子15の信号をそのままディジタル化して記録媒体に記録するRAWモードを選択するためのスイッチである圧縮モードスイッチを有する。また、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定することが出来る再生モードスイッチを有する。また、撮影モード状態において、撮影した画像をメモリ30或いは記録媒体200から読み出して画像表示部28によって表示する再生動作の開始を指示する再生スイッチを有する。また、撮影した画像の消去を行う画像消去スイッチ、等がある。
80は電源制御手段である。これは、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御手段80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
82はコネクタ、84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源手段である。
90はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、92はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタ、98はコネクタ92に記録媒体200が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知手段である。
なお、本実施例では記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタを1系統として説明している。もちろん、記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインタフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。
インタフェース及びコネクタとしては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成して構わない。
さらに、インタフェース90、そしてコネクタ92をPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、次のことができる。つまり、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことが出来る。これは、LANカードやモデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カード、SCSIカード、PHSなどの通信カード、等の各種通信カードを接続することによる。
104は光学ファインダーであり、画像表示部28による電子ファインダー機能を使用すること無しに、光学ファインダーのみを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダー104内には、表示部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などが設置されている。
110は通信手段で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。
112は通信手段110により撮像装置100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。
記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202、撮像装置100とのインタフェース204、撮像装置100と接続を行うコネクタ206を備えている。400はフラッシュ装置である。
402は撮像装置100のアクセサリーシューと接続するためのコネクタである。
404はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。
図2及至図5を用いて本実施例のシステムのフローチャートを示す。なお、以下に示す制御は、特に示したものを除いて、システム制御回路50からの指示に基づく動作処理である。
電池交換等の電源投入により、システム制御回路50はフラグや制御変数等を初期化し(ステップS101)、画像表示部28の画像表示をOFF状態に初期設定する(ステップS102)。
システム制御回路50は、モードダイアル60の設定位置を判断し、モードダイアル60が電源OFFに設定されていたならば(ステップS103)、ステップS105に進む。ステップS105でシステム制御回路50は、各表示部の表示を終了状態に変更する。そして、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録する。そして、電源制御手段80により画像表示部28を含む撮像装置100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行う。この終了処理のあと、ステップS103に戻る。
一方、ステップS103で、モードダイアル60が撮影モードに設定されていたならば、ステップS106に進む。
また、ステップS103で、モードダイアル60がその他のモードに設定されていたならば、システム制御回路50は選択されたモードに応じた処理を実行し(ステップS104)、処理を終えたならばステップS103に戻る。
システム制御回路50は、電源制御手段80により電池等により構成される電源86の残容量や動作情況が撮像装置100の動作に問題があるか否かを判断する(ステップS106)。ステップS106で問題があるならば、ステップS109へ進み、表示部54を用いて画像や音声により所定の警告表示を行った後に、ステップS103に戻る。
一方、ステップS106で電源86に問題が無いならば、ステップS107へ進む。そして、ステップS107で、システム制御回路50は記録媒体200或いは210の動作状態が画像処理装置100の動作に問題があるか否かを判断する。これは、特に記録媒体に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かを判断し、問題があるならば表示部54を用いて画像や音声により所定の警告表示を行う。この警告後に、ステップS103に戻る。
一方、ステップS107で記録媒体200の動作状態に問題が無いならば、ステップS108に進む。
ステップS108で画像表示部28を用いて撮像した画像データを表示し、電子ファインダー104をONにし図3のステップS110に進む。
次に撮影開始かを判断する(ステップS110)。撮影が開始されていない場合は、撮影開始判断(ステップS110)に戻る。撮影を開始する場合は、露出制御手段40、フォーカス制御手段42を制御して、フォーカス・露出調整の処理を行う(ステップS111)。なお、ステップS111におけるフォーカス・露出調整については、図3を用い、後述する。次に撮影処理を行う(ステップS112)。撮影処理(ステップS112)は、図4を用い後述する。
ステップS112での撮影処理(露光処理)のあと、画像表示部28に撮影処理した画像の表示を行う所謂レックレビューを行うモードであるかを判断する(ステップS113)。レックレビューモードのON/OFF設定は、操作部74にあるレックレビュースイッチにて切り替え、もしくはカメラ設定メニューにて切り替えを行う事が可能である。レックレビューモードで無い場合は、ステップS110での撮影開始判断に戻る。
レックレビューモードの場合は、次にフォーカス確認用レックレビューモードであるかの判断を行う(ステップS114)。フォーカス確認用レックレビューモードON/OFFは、操作部74にあるレックレビュースイッチにて切り替え、もしくはレックレビュー中に操作部74にある画像表示ON/OFFスイッチにて切り替えを行う事が可能である。フォーカス確認用レックレビューモードで無い場合は、画像表示部28に、画像表示メモリに書き込まれている撮影した画像の表示用データを表示する(ステップS118)。
フォーカス確認用レックレビューモードの場合は、次に撮影画像のサイズ(記録画素数)を判断する(ステップS115)。本実施例では、サイズL、サイズSだけの判断を行っているが、もちろん、その他複数の記録サイズがある構成でも構わない。撮影画像サイズが大きいサイズ、つまり記録画素数が多いサイズLであった場合は、画像表示部28に画像表示メモリ24に書き込まれている表示用データと同時に、フォーカス確認用画像として表示する(ステップS116)。このフォーカス確認用画像は、メモリ30に一旦記録されている画像データから画像サイズL用に全体画像の所定範囲の画像に対応する画像データを一部切り出して生成される。
一方、撮影画像サイズが小さいサイズ、つまり記録画素数が少ないサイズSであった場合においても、画像表示部28に画像表示メモリに書き込まれている表示用データと同時に、フォーカス確認用画像として表示する(ステップS117)。ただし、ここでのフォーカス確認用画像は、メモリ30に一旦記録されている撮影した画像データを画像サイズS用に一部切り出したデータに基づいて生成される。なお、フォーカス確認用のレックレビュー画面に関しては、図5を用いて後述する。
次にレックレビューの状態を維持する操作であるロック操作が行われたかの判断を行う(ステップS119)。レックレビューをロックする操作は、レックレビュー中に、操作部74にあるセットボタンを押す、もしくは画像表示ON/OFFスイッチを押す事により行う事が出来る。レックレビューロック操作が行われた場合は、レックレビューをロックする(ステップS120)。これにより、レックレビュー時間として設定された所定時間を経過した後でもレックレビューを続ける事が可能である。なお、レックレビュー時間は、操作部74にあるレックレビュースイッチにて切り替え、もしくはカメラ設定メニューにて切り替えを行う事が可能である。
次に撮影した画像を消去する操作がされたかの判断を行う(ステップS121)。撮影した画像を消去する操作は操作部74にある画像消去スイッチにて行なう事が出来る。
画像消去操作が行われた場合は、現在画像表示部28にレックレビューしている画像に対応する画像データをメモリ30から記録媒体200に書き込まずに消去処理を行う(ステップS123)。画像消去処理を行った後、撮影開始判断(ステップS110)に戻る。
画像消去操作が行われなかった場合は、次にレックレビューのロック解除操作が行われたかの判断を行う(ステップS125)。レックレビューのロック解除操作は、シャッタースイッチSW162を操作する事により行なう事が出来る。レックレビューのロック解除操作が行われた場合は、レックレビュー画像表示を画像表示部28から消し(ステップS126)、撮影開始の判断(ステップS110)に戻る。
ステップS119において、レックレビューのロックが行われなかった場合は、次に撮影した画像を消去する操作がされたかの判断を行う(ステップS122)。撮影した画像を記録部202へ転送させずに消去する操作は操作部74にある画像消去スイッチにて行なう事が出来る。
画像消去操作が行われた場合は、現在画像表示部28にレックレビューしている画像を記録部202へ転送せずにメモリ30からの消去処理を行う(ステップS123)。画像消去処理を行った後、撮影開始判断(ステップS110)に戻る。
ステップS122において、画像消去操作が行われなかった場合は、次に設定しているレックレビュー時間が経過しているかの判断を行う(ステップS124)。レックレビュー時間を経過していない場合は、レックレビューロック操作の判断(ステップS119)に戻る。ステップS124において、レックレビュー時間を経過している場合は、レックレビュー画像表示を画像表示部28から消し(ステップS126)、撮影開始の判断(ステップS110)に戻る。
次に図4にて、図3のステップS111における測距・測光処理の詳細なフローチャートを示す。なお、以下に示す制御は、特に示したものを除いて、システム制御回路50からの指示に基づく動作処理である。
システム制御回路50は、撮像素子15から電荷信号を読み出し、A/D変換器16を介して画像処理回路20に撮影画像データを逐次読み込む(ステップS1001)。この逐次読み込まれた画像データを用いて後述するように画像処理回路20がAE(自動露出)制御、EF(フラッシュプリ発光)制御、及びAF(オートフォーカス)制御に用いる所定の演算を行うことになる。
まず、画像処理回路20での演算結果を用いて、システム制御回路50は露出が適正と判断されるまで(ステップS1002)、露出制御手段40を用いてAE制御を行う(ステップS1003)。
AE制御で得られた測定データを用いて、システム制御回路50はフラッシュが必要か否かを判断し(ステップS1004)、フラッシュが必要ならばフラッシュフラグをセットし、フラッシュ404を充電する(ステップS1005)。
ステップS1002において、露出が適正と判断したならば、測定データ及び或いは設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。
システム制御回路50はホワイトバランス(AWB)が適正か否かを判断する(ステップS1006)。この判断は、画像処理回路20での演算結果及びAE制御で得られた測定データを用いる。そして、画像処理回路20を用いて色処理のパラメータを調節してAWB制御を行う(ステップS1007)。
ホワイトバランス(AWB)が適正と判断したならば(ステップS1006)、測定データ及び或いは設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。
AE制御及びAWB制御で得られた測定データを用いて、システム制御回路50はフォーカス制御手段42を用いてフォーカス制御を行う(ステップS1009)。
画像処理回路20により得られたAF評価値に基づいて合焦とシステム制御回路50が判断したならば(ステップS1008)、測定データ及び或いは設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。そして、フォーカス・露出調整処理ルーチンであるステップS111を終了する。
図5にて、図3のS112における撮影処理の詳細なフローチャートを示す。
システム制御回路50は、撮像素子15の電荷クリア動作を行った後に(ステップS2001)、撮像素子15の電荷蓄積を開始する(ステップS2002)。そして、露出制御手段40によって、シャッター14を開き(ステップS2003)、撮像素子15の露光を開始する(ステップS2004)。
ここで、フラッシュ・フラグによりフラッシュ404が必要か否かを判断し(ステップS2005)、必要な場合はフラッシュを発光させる(ステップS2006)。一方、フラッシュ404が使用不可能な場合はS2007に進む。
システム制御回路50は、測光データに従って撮像素子15の露光終了を待ち(ステップS2007)、露出制御手段40によって、シャッター14を閉じ(ステップS2008)、撮像素子15の露光を終了する。
設定した電荷蓄積時間が経過したならば(ステップS2009)、システム制御回路50は、撮像素子15の電荷蓄積を終了する(ステップS2010)。そして、撮像素子15から電荷信号を読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16から直接メモリ制御回路22を介して、一旦、メモリ30の所定領域への撮影画像データを書き込む(S2011)。一連の処理を終えたならば、撮影処理ルーチンとしてステップS112を終了する。
図6及至図8を用いて、レックレビュー時に画像表示部28へ表示される画像を説明する。
図6の501はフォーカス確認用のレックレビューモードでは無い場合の画像表示部28である。
図7の502はフォーカス確認用レックレビューモードでの画像を表示している画像表示部28で、図6の501に対応するものである。503は、図3のステップS111におけるフォーカス・露出調整処理の際に得られたAF評価値を基に、フォーカスが合っているとシステム制御回路50が判断した箇所を示すAFフレームである。図7では、3箇所(AFフレーム)においてフォーカスがあっている場合を示し、当該AFフレームは、画像表示部28において緑色で被写体画像に重畳されて表示されている。
504は、フォーカスの状態を確認する為に、メモリ30に記憶されている画像データから切り出す領域に対応する画像表示部28上の領域である。503にて示されているフォーカス・露出調整処理によってフォーカスの合っている箇所の中で一番フォーカスが合っているとシステム制御回路50が判断した箇所が最初に選択される。この領域504は、前述のAFフレーム503と区別できるようにその領域枠を破線で被写体像に重畳されて表示される。なお、この表示は、領域504とAFフレーム503とが区別できるよう互いに異なる表示形態で表示されれば良く、例えば、実線と破線、緑色と白色といった具合である。これにより複数箇所(AFフレーム)でフォーカスが合っている場合であっても、ユーザにとって撮影画角上のどの位置に領域504があるかを認識できることが出来る。
505は、撮影した画像の圧縮率と、画像サイズ(記録画素数)、並びにファイルサイズを示す指標である。圧縮率を図形で示し、その後のアルファベットは記録画素数としての画像サイズを表している。ファイルサイズを表示する事により、同じシーンを撮影した場合、ファイルサイズの大小を見る事で、撮影画角全体の合焦度合いを判断する指標をユーザーに提供する事が可能である。すなわち、同じ圧縮率の場合であれば、ファイルサイズは画像の高周波成分に依存することを利用したものである。例えば、撮影画角全体の合焦度が高い場合にはファイルサイズがより大きくなり、合焦動画が低い場合にはファイルサイズが小さくなる。
506Bは、504で示した領域に対応するデータを、メモリ30に記憶されている画像データから切り出して、画像表示部28上に表示した画像である。この画像506Bの表示により、領域504に対応する撮像データが合焦状態にあるものなか否かをユーザーが判断し易くなる。なお、画像506Aは、メモリ30に記憶されている撮影画像を表示するもので、メモリ30にあるデータを圧縮縮小した画像である。本実施例のように画像506Aと画像506Bとを同時に画像表示部28に表示した場合には、撮影画角における合焦状態の確認位置(領域504)をユーザーに視認し易くしつつ、その合焦状態をユーザーが判断することをアシストするものである。
図8の507は、フォーカス確認用レックレビューモードにて、同じ被写体を図7にて説明した画像の画像サイズより記録画素数を少なくして撮影した場合、例えばサイズSの場合に画像表示部28に表示される画像である。
図8の領域508は、図7の領域504に対応する領域で、フォーカスの状態を確認する為に、メモリ30に記憶されている画像データから切り出す領域に対応する画像表示部28上の領域である。ここで、領域508は領域504よりも同じ撮影画角に対して大きい領域である。すなわち、メモリ30に記憶されている画像データから切り出して別途画像509Bとして表示する領域(領域508)が図7で説明した領域504よりも大きくなっている。これは図7の画像506B、図8の画像509Bの表示画素数を変えずに、記録画素数に応じて切り出す画像の全体画像に対する割合を変えることで実現できる。すなわち、メモリ30に記憶されている画像データから切り出して表示する領域のサイズ(画素数)を変えないことにより実現できる。メモリ30に記録されている画像サイズとしての記録画素数が図7と図8の場合とでは異なる為である。なお、画像509Aは、図7の画像506Aに対応する。
これにより次のような効果がある。すなわち、画像表示部28の表示画素数はおよそ10〜25万画素程度であるのに対し、記録画素数は、例えば、上記実施例のSサイズでも30万画素以上、Lサイズでは500万画素程度ある。したがって、10〜25万画素程度の画像表示部28でフォーカスの状態を確認するような場合、記録画素数との差適切な解像度で表示する事が出来ず、その為にユーザーが視認出来る程度に適切に表示することができなかった。この点、上述の実施例のようにすれば、記録画素数に対応させてユーザーが視認出来る程度に適切な解像度で画像表示することができる。
また、メモリ30から撮像画像の一部を切り出して表示すれば、拡大処理を行う必要が無くなる。また、メモリ30に記憶されている画像データからの切り出し画像であるため、拡大処理に伴う画質の劣化がなくなる。
(第2の実施例)
次に、第1の実施例とは別の画像表示技術について説明する。なお、撮像装置、システムのフローチャートについての説明は第1の実施例に記述した通りなので、ここでの説明は省略する。
図6及び、図9、図10を用いてレックレビューの際に画像表示部28へ表示される画像を説明する。
図6の501は、上記説明したように、フォーカス確認用レックレビューモードで無い場合の画像を表示している画像表示部28である。
図9の510は、フォーカス確認用レックレビューモードでの画像を表示している画像表示部28である。511は、図3のステップS111におけるフォーカス・露出調整処理の際に得られたAF評価値を基に、フォーカスが合っていると判断した箇所を示すAFフレームである。図9では、3箇所(AFフレーム)においてフォーカスがあっている場合を示し、当該AFフレームは、画像表示部28において緑色で表示されている。
512は、フォーカスの状態を確認する為に、メモリ30に記憶されている画像データから切り出す領域に対応する画像表示部28上の領域である。領域512は、AFフレーム511にて示されているフォーカス・露出調整処理によってフォーカスが合っている箇所の中で一番フォーカスが合っていると判断された箇所が、最初に選択される。この領域512は、前述のAFフレーム511と区別できるように、AFフレーム511の代わりに、領域512の領域枠を破線で表示される。なお、この表示は、領域512とAFフレーム511とが区別できるよう互いに異なる表示形態で表示されれば良く、例えば、実線と破線、緑色と白色といった具合である。これにより複数箇所(AFフレーム)でフォーカスが合っている場合であっても、ユーザにとって撮影画角上のどの位置に領域512があるかを認識できることが出来る。
513は、撮影した画像の圧縮率と、画像サイズ(記録画素数)、並びにファイルサイズを示す指標である。圧縮率を図形で示し、その後のアルファベットで記録画素数としての画像サイズを表している。ファイルサイズを表示する事により、同じシーンを撮影した場合、ファイルサイズの大小を見る事で、合焦度合いを判断する事が可能である点は上述したとおりである。
514Bは、512で示した領域を、メモリ30に記憶されている画像514Aに対応する画像データから切り出して、画像表示部28上に表示した画像である。この画像514Bの表示により、領域512に対応する撮像データが合焦状態にあるものなのか否かを判断し易くなる。なお、画像514Aは、メモリ30に記憶されている撮影画像を表示するもので、メモリ30にあるデータを圧縮した画像である。本実施例のように画像514Aと画像514Bとを同時に画像表示部28に表示した場合には、撮影画角における合焦状態確認位置をユーザーに視認し易くしつつ、その合焦状態をユーザーが判断することをアシストするものである。
図10の515は、フォーカス確認用レックレビューモードにて、同じ被写体を図9にて説明した画像の画像サイズより記録画素数を少なくして撮影した場合、例えば画像サイズSの場合に画像表示部28に表示される画像である。
図10の画像517Bは、図9の画像514Bに対応する画像で、フォーカスの状態を確認する為に、メモリ30に記憶されている画像データから切り出す領域512又は516に対応させて画像表示部28に表示される。ここで、領域514Bは領域517Aに対して大きい。すなわち、メモリ30に記憶されている画像データから切り出す画像514B、517Bが領域512、516に対して異なる大きさ領域で表示されている。
これは図9の512、図10の516に対応した画像をメモリ30に記憶されている画像データから切り出して表示することで実現できる。なぜなら、図9において画像514Aに対する領域512と図10において画像517Aに対する領域516の画像表示部28上での表示上のサイズ(画素数)が同じであったとしても、メモリ30に記憶されているサイズ(画素数)が異なるためである。
このようにメモリ30に記憶されているサイズ(画素数)が異なるため次のようにするものである。すなわち、画像表示部28上の同じ大きさの領域(領域512と領域516)に対応する画像を切り出して画像表示部28上に表示した場合、そのサイズ(記録画素数)の相違に対応させた表示を行うものである。
ここでは、メモリ30上のサイズが小さい場合(記録画素数が少ない場合)は、次のようにしている。すなわち、図9,10のように、撮影画角(画像517A)に対する切り出し画像(画像517B)の表示面積を、撮影画角(画像514A)に対する切り出し画像(画像514B)の表示面積よりも小さくしている。
これにより次のような効果がある。すなわち、画像表示部28の表示画素数はおよそ10〜25万画素程度であるのに対し、記録画素数は、例えば、上記実施例のSサイズでも30万画素以上、Lサイズでは500万画素程度ある。したがって、10〜25万画素程度の画像表示部28でフォーカスの状態を確認するような場合、記録画素数との差からユーザーが視認出来る程度に適切に表示することができなかった。この点、上述の実施例のようにすれば、記録画素数に対応させてユーザーが視認出来る程度に適切に画像表示することができる。更に、第1の実施例と同様に、メモリ30から撮像画像の一部を切り出して表示すれば、拡大処理を行う必要が無くなる。また、メモリ30に記憶されている画像データからの切り出し画像であるため、拡大処理に伴う画質の劣化がなくなる。
(第3の実施例)
次に第3の実施例として、図11のフローチャートを用いて説明する。第3の実施例は、第1、第2の実施例で説明したフォーカス確認用レックレビューモードをフォーカス確認用再生モードに応用したものである。したがって、第3の実施例では、図1の撮像装置の構成、図6〜10で説明した画像表示部28での表示内容については同じであるので、ここでの説明は省略する。また、以下に示す制御は、特に示したものを除いて、システム制御回路50からの指示に基づく動作処理である。
電池交換等の電源投入により、システム制御回路50はフラグや制御変数等を初期化し(ステップS127)、画像表示部28の画像表示をOFF状態に初期設定する(ステップS128)。
システム制御回路50は、モードダイアル60の設定位置を判断する(ステップS129)。モードダイアル60が電源OFFに設定されていたならば、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録する。そして、電源制御手段80により画像表示部28を含む撮像装置100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後(ステップS131)、ステップS129に戻る。
ステップS129において、モードダイアル60が再生モードに設定されていたならば、ステップS132に進む。
一方、ステップS129において、モードダイアル60がその他のモードに設定されていたならば、システム制御回路50は選択されたモードに応じた処理を実行し(ステップS130)、処理を終えたならばステップS129に戻る。
システム制御回路50は、電源制御手段80により電池等により構成される電源86の残容量や動作状況が撮像装置100の動作に問題があるか否かを判断する(ステップS132)。ステップS132において、問題があるならば表示部54を用いて画像や音声により所定の警告表示を行う(ステップS134)。この所定の警告表示を行った後、ステップS129に戻る。
一方、ステップS132において、電源86に問題が無いならば、システム制御回路50は記録媒体200の動作状態が撮像装置100の動作、特に記録媒体に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かを判断する(ステップS133)。ステップS133において、問題があるならば表示部54を用いて画像や音声により所定の警告表示を行う(ステップS134)。この警告表示を行った後、ステップS129に戻る。
ステップS133において、記録媒体200の動作状態に問題が無いならば、記録媒体中の画像を内部メモリ30に読み込む(S135)。読み込む画像は、一番最近に撮影した画像や、あらかじめ再生するよう設定していた画像などである。
次にフォーカスの状態を確認できる再生モードであるフォーカス確認用再生モードか否かの判断を行う(ステップS136)。フォーカス確認用再生モードON/OFFは、カメラ設定メニュー、もしくは画像再生中に操作部74にある画像表示ON/OFFスイッチにて切り替えを行う事が可能である。フォーカス確認用再生モードで無い場合は、画像表示部28に内部メモリ30へ読み込んだ画像を基に作成した、再生表示用画像データを表示する(ステップS140)。
フォーカス確認用再生モードの場合は、次に再生画像のサイズを判断する(ステップS137)。本実施例では、サイズL、サイズSだけの判断を行っているが、もちろん、その他複数の記録サイズがある構成でも構わない。
撮影画像サイズが大きいサイズ、つまりサイズLであった場合は、内部メモリ30へ読み込んだ画像を基に作成した再生表示用画像データと同時に、一部切り出した画像データをフォーカス確認用画像として表示する(ステップS138)。この一部切り出し画像データは、内部メモリ30へ読み込んだ画像データの一部を画像サイズL用に切り出した画像である。
撮影画像サイズが小さいサイズ、つまりサイズSであった場合は、内部メモリ30へ読み込んだ画像を基に作成した再生表示用画像データと同時に、一部切り出した画像データをフォーカス確認用画像として表示する(ステップS139)。この一部切り出した画像データは、内部メモリ30へ読み込んだ画像データの一部を画像サイズS用に切り出した画像である。
次に、再生画像表示中に、画像消去操作が行われたかの判断を行う(ステップS141)。ステップS141において、画像消去操作が行われていない場合は、画像消去操作判断(ステップS141)に戻る。ステップS141において、画像消去操作が行われた場合は、再生されている画像の消去処理を行い(ステップS142)、終了する。
以上のように、第3の実施例に拠れば、第1の実施例、第2の実施例で説明した画像表示技術をレックレビューの際だけでなく、記録部202に記録されている画像データを再生する際においても適用することができる。
なお、上記第1及至第3の実施例において、画像表示部28は、例えばパソコン等のディスプレイ、テレビであっても、撮像の際の記録画素数と表示する際の表示画素とが相違している場合には、本願表示技術は効果を有する。また、記録画素の相違はサイズL、M、及びS等の記録モードのほか、いわゆる標準画質(SD)表示用の記録とハイビジョン画質(HD)表示用の記録との相違であっても本願表示技術は効果を有する。