JP4908717B2 - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明に属する技術分野】
本発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルムに関し、特に飲料用ボトル等の表示用ラベルに好適な熱収縮性ポリエステル系フィルムに関する。さらに詳しくは、印刷加工を施さなくとも光線カット性を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
最近、容器の内容物の紫外線からの保護を目的として収縮ラベルを使用するケースが増えている。従来はポリ塩化ビニルの紫外線カットタイプ収縮フィルムが用いられてきたが、他素材の紫外線カットタイプの要求が強まっている。具体的なカット性は内容物によって異なるが、食品・飲料の場合、長波長領域の紫外線である360nm〜400nmの波長で内容物の変質や着色等が起こるため長波長領域、特に380nm及び400nmのカット性が重要である。しかしながら、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムでは上記の長波長領域の紫外線をカットするものはなかった。
【0003】
このようなラベルとしては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等からなる熱収縮性フィルムが主として用いられてきたが(特開平11−188817号等)、ポリ塩化ビニルについては、近年、廃棄時に焼却する際の塩素系ガス発生が問題となり、又ポリスチレンについては印刷が困難である等の問題があり、最近は熱収縮性ポリエステル系フィルムの利用が注目を集めている。
【0004】
また、ペットボトルにおいて、内容物保護のために着色ボトルが用いられていることがある。しかしながら、着色ボトルは回収してリサイクルに不向きである事からその代替案が検討されて来ている。その1つの方法として無着色ボトルを利用し、着色ラベルをボトル全体に装着させることが検討されてきた。
【0005】
また、従来、これらの熱収縮性フィルムを使用する場合は、通常ラベルの内側に図柄印刷した後に白色印刷を施している。印刷インキの厚みは通常3μm程度であり光線遮断をするには充分で無かった。さらに、白色印刷を2回実施する方法で光線遮断を試みているが、品質要因(インキの厚みによる収縮特性の変化等)や納期及びコスト的にも不利であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を解決するものであり、その目的とするところは、ペットボトルのフルラベル用の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、かつ、印刷や加工を施さなくとも光線カット性を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記従来技術の問題点を解消すべく鋭意研究した結果、熱収縮性ポリエステル系フィルムの全光線透過率、温湯収縮率を特定範囲とすることによって、目的が達成できることを見出し、これに基づき本発明を完成するに至った。
【0008】
A/B/Aの層構成を有するフィルムであって、両表層の層Aが、ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールからなるポリエステル、及び、ポリブチレンテレフタレートセグメントとポリ−ε−カプロラクトンセグメントのブロック共重合体であるポリエステル系エラストマーのポリエステル樹脂組成物から形成され、前記ポリエステル樹脂組成物が、ポリエチレンテレフタレートとテレフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールからなるポリエステル50〜99重量%に対し、ポリブチレンテレフタレートセグメントとポリ−ε−カプロラクトンセグメントのブロック共重合体であるポリエステル系エラストマー1〜50重量%の配合割合であり、中間層である層Bが、前記ポリエステル樹脂組成物にポリスチレン系樹脂及び二酸化チタンを添加された組成物から形成され、層Aと層Bの厚み比率A/B/Aが25/50/25から10/80/10であり、フィルムの全光線透過率が40%以下であり、かつ温湯収縮率が、主収縮方向において処理温度85℃・処理時間5秒で65〜95%であり、主収縮方向と直交する方向において0〜5%であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムに係るものである。
【0009】
【0010】
この場合において、二酸化チタンを添加している層が少なくとも1つあることが好適である。さらにまた、この場合において、前記二酸化チタンの含有量が、フィルム換算で0.1〜20.0重量%の範囲であることが好適である。
【0011】
またこの場合において、ポリスチレン系樹脂を添加している層が少なくとも1つあることが好適である。さらにまた、この場合において、前記ポリスチレン系樹脂の含有量が、フィルム換算で1.0〜20.0重量%の範囲であることが好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの全光線透過率が40%以下であり、かつ温湯収縮率が、主収縮方向において処理温度85℃・処理時間5秒で65%以上であり、主収縮方向と直交する方向において5%以下であることを特徴とし、そのことにより上記目標が達成される。
【0013】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、実質的にポリエステル樹脂又はポリエステル樹脂及び後記二酸化チタン、ポリスチレン樹脂からなっている。ポリエステル樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とを構成成分とするポリエステルと、ポリエステル系エラストマーとを含有するポリエステル組成物から好ましく使用できる。該ポリエステル樹脂組成物において、ポリエステルとポリエステル系エラストマーとの配合割合は、両者合計量に対して、通常、前者が50〜99重量%程度、特に70〜97重量%で、後者が1〜50重量%程度、特に3〜30重量%程度であるのが好適である。
【0014】
上記ポリエステルを構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等の公知ジカルボン酸の1種又は2種以上を使用すれば良い。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、テトラメチレングリコールエチレンオキサイド付加物等の公知のジオールの1種又は2種以上を使用すれば良い。
【0015】
また、上記ポリエステル系エラストマーは、例えば、高融点結晶性ポリエステルセグメント(Tm200℃以上)と分子量400以上好ましくは400〜800の低融点軟質重合体セグメント(Tm80℃以下)からなるポリエステル系ブロック共重合体であり、ポリ−ε−カプロラクトン等のポリラクトンを低融点軟質重合体セグメントに用いたポリエステル系エラストマーが、特に好ましい。
【0016】
本発明フィルム特定の全光線透過率を達成して、フィルムに光線カット性を付与するためには、例えば、フィルム中に、無機滑剤、有機滑剤等の微粒子をフィルム重量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%含有させることが、好適である。該微粒子の含有量が0.1重量%未満の場合は、光線カット性を得ることが困難な傾向にあり、一方20重量%を超えるとフィルム強度が低下して製膜が困難になる傾向にある。
【0017】
微粒子は、ポリエステル重合前に添加しても良いが、通常は、ポリエステル重合後に添加される。微粒子として添加される無機滑剤としては、例えば、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、リン酸カルシウム、カーボンブラック等の公知の不活性粒子、ポリエステル樹脂の溶融製膜に際して不溶な高融点有機化合物、架橋ポリマー及びポリエステル合成時に使用する金属化合物触媒、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などによってポリエステル製造時に、ポリマー内部に形成される内部粒子であることができる。
【0018】
フィルム中に含まれる該微粒子の平均粒径は、通常、0.001〜3.5μmの範囲である。ここで、微粒子の平均粒径は、コールターカウンター法により、測定したものである。本発明のポリエステルの極限粘度は好ましくは0.50以上、更に好ましくは0.60以上、特に好ましくは0.65以上である。ポリエステルの極限粘度が0.50未満であると結晶性が高くなり、十分な収縮率が得られなくなり、好ましくない。
【0019】
本発明において、適度な光線透過率を得るためには、例えば、内部に微細な空洞を含有させることが好ましい。例えば発泡材などを混合して押出してもよいが、好ましい方法としてはポリエステル中に非相溶な熱可塑性樹脂を混合し少なくとも1軸方向に延伸することにより、空洞を得ることである。本発明に用いられるポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂は任意であり、ポリエステルに非相溶性のものであれば特に限定されるものではない。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂などがあげられる。特に空洞の形成性からポリスチレン系樹脂あるいはポリメチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0020】
ポリスチレン系樹脂とは、ポリスチレン構造を基本構成要素として含む熱可塑性樹脂を指し、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、アイソタクティックポリスチレン等のホモポリマーのほか、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合した改質樹脂、例えば耐衝撃性ポリスチレン樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等、更にはこれらのポリスチレン系樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹脂、例えばポリフェニレンエーテルとの混合物を含む。
【0021】
前記ポリエステルと非相溶な樹脂を混合してなる重合体混合物の調整にあたっては、例えば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融混練して押出してもよいし、予め混練機によって両樹脂を混練したものを更に押出機より溶融押出ししてもよい。また、ポリエステルの重合工程においてポリスチレン系樹脂を添加し、撹拌分散して得たチップを溶融押出しても構わない。
【0022】
本発明におけるフィルムは内部に多数の空洞を含有する層Bの少なくとも片面に層Bよりも空洞の少ない層Aを設けることが好ましい。この構成にするためには異なる原料をA,Bそれぞれ異なる押出機に投入、溶融し、T−ダイの前またはダイ内部にて溶融状態で貼り合わせ、冷却ロールに密着固化させた後、少なくとも1方向に延伸することが好ましい。このとき、原料として層Aの非相溶な樹脂は層Bより少ないことが好ましい。こうすることにより層Aの空洞が少なく、また表面の荒れが少なくなり、印刷の美観を損なわないフィルムとなる。また、空洞が多数存在しないため、フィルムの腰が弱くならず装着性に優れるフィルムとなる。
【0023】
さらに、本発明におけるフィルムは内部に多数の空洞を含有する層Bを中間層とし、両表層に空洞の少ない層Aを設ける事が特に好ましい。ポリスチレン系樹脂を添加することで溶融押出時に煙が発生し、工程を汚して操業性悪化を引き起こしている。層Bを中間層にする事により発煙の問題が解消され、長時間の安定生産が実施可能となる。
【0024】
また、本発明フィルムは、必要に応じて、安定剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の添加剤を含有するものであっても良い。
【0025】
本発明のポリエステル系フィルムは、JIS K 7136に準じて測定されたフィルムの全光線透過率が40%以下であることが必要である。該透過率が40%以上であると、内容物が透けて見えたり、光線カットできずに内容物が劣化したりしていずれも好ましくない。該透過率は、30%以下であることが、特に好ましい。
【0026】
本発明のフィルムの主収縮方向に温湯85℃、処理時間5秒の収縮率が65%以上であり、好ましくは、65〜95%である。収縮率が65%未満ではペットボトルの細い口部分で、ラベルの収縮不足が発生する。一方、95%を越えると収縮率が大きいために、収縮トンネル通過中にラベルの飛び上がりが発生する場合があるので、いずれも好ましくない。ここで、主収縮方向とは、収縮率の大きい方向を意味する。
【0027】
また、主収縮方向に直角方向の収縮率が0〜5%であり、好ましくは0〜3%ある。収縮率が0%未満で伸びる方向になると収縮時に生じたラベルの横シワが消えにくくなる傾向にあり、一方5%を超えるとラベルの縦収縮が大きくなり、使用するフィルム量が多くなり経済的に問題が生ずるので、いずれも好ましくない。
【0028】
本発明のフィルムのガラス転移温度Tgは50〜90℃程度、好ましくは55〜85℃、さらに好ましくは55〜80℃の範囲である。Tgがこの範囲内にあれば、低温収縮性は十分でかつ自然収縮が大きすぎることがなく、ラベルの仕上がりが良好である。
【0029】
本発明のフィルムは、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、フェノール等のフェノール類、テトラヒドロフラン等のフラン類、1,3−ジオキソラン等のオキソラン類等の有機溶剤による溶剤接着性を有することが好ましい。特に、安全性の面からすれば、1,3−ジオキソランによる溶剤接着性を有することがより好ましい。溶剤接着強度は、4N/15mm以上であることが好ましい。4N/15mm未満では、ラベルを容器に収縮させる際に接合部が剥がれ、好ましくない。
【0030】
【0031】
以上の特性を満足するために本発明のフィルムは単一の層からなるものでもよいが、好ましい層構成はA/B/Aである。層A層Bの厚み比率はA/B/A=25/50/25から10/80/10が好ましい。層Bの厚み比率を50%未満では、光線カット性が不足し、内容物が透けて見えたり、光線カットできずに内容物が劣化したりしていずれも好ましくない。
【0032】
以下、本発明のフィルムの製造方法を具体的に説明する。
【0033】
滑剤として無機粒子等を必要に応じて適量含有するポリエステルまたは共重合ポリエステルを通常のホッパードライヤー、パドルドライヤー、真空乾燥機等を用いて乾燥した後、200〜320℃の温度で押出しを行う。押出しに際しては、Tダイ法、チューブラー法等、既存の方法を使用しても構わない。
【0034】
押出し後、急冷して未延伸フィルムを得るが、Tダイ法の場合、急冷時にいわゆる静電印加密着法を用いることにより、厚み斑の少ないフィルムが得られ好ましい。得られた未延伸フィルムを、最終的に得られるフィルムが本発明の構成要件を満たすように、1軸延伸または2軸延伸する。
【0035】
延伸方法としては、ロール縦1軸のみに延伸したり、テンターで横1軸にのみ延伸する方法の外、公知の2軸延伸に際し縦または横のいずれか一方向に強く延伸し、他方を極力小さく延伸することも可能であり、必要に応じて再延伸を施してもよい。
【0036】
上記延伸において、主収縮方向には少なくとも2.0倍以上、好ましくは2.5倍以上延伸し、必要に応じて主収縮方向と直交する方向に延伸し、次いで熱処理を行う。
【0037】
熱処理は通常、緊張固定下、実施されるが、同時に20%以下の弛緩または幅出しを行うことも可能である。熱処理方法としては加熱ロールに接触させる方法やテンター内でクリップに把持して行う方法等の既存の方法を行うことも可能である。
【0038】
前記延伸工程中、延伸前または延伸後にフィルムの片面または両面にコロナ処理を施し、フィルムの印刷層および/または接着剤層に対する接着剤層等に対する接着性を向上させることも可能である。
【0039】
また、上記延伸工程中、延伸前または延伸後にフィルムの片面または両面に塗布を施し、フィルムの接着性、離型性、帯電防止性、易滑性、遮光性等を向上させることも可能である。
【0040】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚みは特に限定するものではないが、ラベル用熱収縮性フィルムとして好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは20〜100μmの範囲である。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
【0042】
(1)全光線透過率日本電飾工業(株)製NDH−2000Tを用い、JIS K 7136に準じ測定した。
【0043】
(2)熱収縮率フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、85±0.5℃の温水中に無荷重状態で5秒間浸漬処理して熱収縮させた後、フィルムの縦及び横方向の寸法を測定し、下式に従い熱収縮率を求めた。該収縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
【0044】
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%)
【0045】
(3)収縮仕上がり性Fuji Astec Inc製スチームトンネル(型式:SH−1500−L)を用い、通過時間2.5秒、ゾーン温度80℃で500mlの角型ペットボトル(高さ210mm、底部の長径60mm:(株)吉野工業製で(株)サントリーの烏龍茶に使用されているボトル)を用いてテストした(測定数=20)。
【0046】
評価は目視で行い、基準は下記の通りとした。
【0047】
シワ、飛び上がり、収縮不足の何れも発生なし : ○シワ、飛び上がり、または収縮不足が発生 : ×
【0048】
(4)溶剤接着性1、3−ジオキソランを用いてフィルムをチューブ状に接合加工し、該チューブ状体を加工時の流れ方向と直交方向に15mm幅に切断してサンプルを取り、東洋精機社製のテンシロン(型式:UTL−4L)を用いてチャック間を20mmで引っ張り剥離し、剥離抵抗力を測定した。測定値が4N以上であれば、「○」とした。
【0049】
(5)Tg(ガラス転移点)
セイコー電子工業(株)製のDSC(型式:DSC220)を用いて、未延伸フィルム10mgを、−40℃から120℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、得られた吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接線を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした。
【0050】
実施例、比較例に用いたポリエステルは以下の通りである。
ポリエステルA:ポリエチレンテレフタレート(IV 0.75)
ポリエステルB:テレフタル酸100モル%と、エチレングリコール70モル%、ネオペンチルグリコール30モル%とからなるポリエステル(IV 0.72)
ポリエステルC:ポリブチレンテレフタレート70重量%とε−カプロラクトン30重量%とからなるポリエステルエラストマー(還元粘度(ηsp/c)1.30)
ポリエステルD:ポリブチレンテレフタレート (IV 1.20)
【0051】
(実施例1)表1に示すように、層Aの原料して、ポリエステルAを30重量%、ポリエステルBを67重量%、ポリエステルCを3重量%混合したポリエステル組成物を、層Bの原料して、ポリエステルAを10重量%、ポリエステルBを67重量%、ポリエステルCを3重量%と結晶性ポリスチレン樹脂(G797N 日本ポリスチレン(株)製)10重量%及び二酸化チタン(TA‐300富士チタン製)10重量%をそれぞれ別々の押出機に投入、混合、溶融したものをフィードブロックで接合し、280℃でTダイから延伸後のA/B/Aの厚み比率が5μm/20μm/5μmとなるように積層しながら溶融押し出しし、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得た。該未延伸フィルムを、テンターでフィルム温度70℃で横方向に4.0倍延伸し、厚み30μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0052】
(実施例2及び比較例1〜3)表1に示すように、ポリエステル、ポリスチレン及び二酸化チタン配合割合、製膜条件を変えたこと以外は、実施例1と同様にして厚み30μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0053】
実施例1〜2及び比較例1〜3で得られたフィルムの評価結果を表1に合わせて示す。
【0054】
【表1】
【0055】
表1から明らかなように、実施例1〜2で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、いずれもペットボトルのフルラベル用に好適な熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、かつ、良好な光線カット性を有するものであった。
【0056】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、高品質で実用性が高く、特に劣化しやすい内容物の包装収縮ラベル用として好適である。
【0057】
一方、比較例で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、光線カット性を有するものの溶剤接着強度が劣っており、比較例2〜3で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、光線カット性が劣っていた。このように比較例の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、品質が劣り、実用性の低いものであった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷や加工を施さなくとも光線カット性を有し、さらにが優れた溶剤接着性を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムが得られる。従って、ラベル用、特に商品価値の高いラベル用の熱収縮性ポリエステル系フィルムとして極めて有用である。

Claims (1)

  1. A/B/Aの層構成を有するフィルムであって、両表層の層Aが、ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールからなるポリエステル、及び、ポリブチレンテレフタレートセグメントとポリ−ε−カプロラクトンセグメントのブロック共重合体であるポリエステル系エラストマーのポリエステル樹脂組成物から形成され、前記ポリエステル樹脂組成物が、ポリエチレンテレフタレートとテレフタル酸/エチレングリコール/ネオペンチルグリコールからなるポリエステル50〜99重量%に対し、ポリブチレンテレフタレートセグメントとポリ−ε−カプロラクトンセグメントのブロック共重合体であるポリエステル系エラストマー1〜50重量%の配合割合であり、中間層である層Bが、前記ポリエステル樹脂組成物にポリスチレン系樹脂及び二酸化チタンを添加された組成物から形成され、層Aと層Bの厚み比率A/B/Aが25/50/25から10/80/10であり、フィルムの全光線透過率が40%以下であり、かつ温湯収縮率が、主収縮方向において処理温度85℃・処理時間5秒で65〜95%であり、主収縮方向と直交する方向において0〜5%であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
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