JP4908670B2 - 溶着強度に優れた強化ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

溶着強度に優れた強化ポリアミド樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的特性や成形性に優れ、尚かつ優れた溶着強度を有する強化ポリアミド樹脂組成物に関する。これらの樹脂組成物は、自動車や電気電子部品の材料として使用される。
【0002】
【従来の技術】
結晶性ポリアミド樹脂は、その強度、剛性が高いために、工業材料として広く用いられている。しかし、ポリアミドとして結晶性ポリアミドだけを用いる強化ポリアミドはその結晶性ゆえに近年、樹脂部品を製造する際に多用されるようになった溶着を行った場合、その部分の強度が十分でないため高い溶着強度を必要とされる部品に使用できず、また、非晶性ポリアミドだけからなるポリアミドを用いた場合は、振動溶着強度は十分であるが、成形性特に流動性が悪いため、射出溶着強度が低くこれも使用が制限されてきた。
【0003】
結晶性ポリアミドの溶着強度を改良する手法に関しては、近年の溶着をもちいた部品の増加にともない種々の検討が行われている。特開平9−176484号、特開平10−219106号公報には沃化銅と沃化カリウムを用いてナイロンの溶着性を改良する方法が提案されている。しかしこの方法では実際に用いる沃化カリウム、沃化銅の量が多いため機械強度の低下や成形時の分解ガス発生等の問題がある。特開平8−337718号公報では結晶性の共重合ナイロンを用いる方法が提案されているが、共重合ナイロンを用いた場合、溶着性は著しく改良されるものの、機械的な強度や剛性の低下と耐熱性を始めとする耐久性が低下するため、使用が制限される。
【0004】
本発明の組成物と類似の組成物は、古くから知られており、特開昭58−53949号、特開昭58−53950号公報にて技術開示されている。しかしながらこれらの発明は脂肪族ナイロンの耐ハロゲン化金属性や耐熱水性、低そり性を改良するための技術であるため、非晶性ナイロンの添加量が本発明と比較して多量に必要とし、本発明の組成範囲で溶着性の改良効果が得られることは全く知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するために、成形時の流動性とハイサイクル性に優れ、尚且つ様々な溶着方法で高い強度を有する強化ポリアミド樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこの問題を解決するために鋭意検討した結果、結晶性ポリアミドに、ごく少量の芳香族モノマー成分を少なくとも2成分含む非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂を添加することにより目的が達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
即ち、本発明は、(A)結晶性ポリアミド樹脂96〜99.9重量%(B)芳香族モノマー成分を少なくとも2成分含む非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂0.1〜4重量%からなるポリアミド樹脂100重量部に対し、(C)無機充填材5〜200重量部である溶着部の強度に優れた射出溶着用強化ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において使用される(A)結晶性ポリアミド樹脂は、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸からなるか、またはラクタムもしくはアミノカルボン酸からなる脂肪族ポリアミド樹脂もしくは芳香族モノマー成分を1成分含む部分芳香族共重合ポリアミド樹脂である。
【0009】
脂肪族ポリアミド樹脂のモノマー成分としては、炭素数4〜12の脂肪族ジアミンと炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸か炭素数6〜12のラクタム類もしくは炭素数6〜12のアミノカルボン酸である。脂肪族ジアミンの具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等が挙げられ。脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、アジピン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等が挙げられ。好ましい脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸の組合せは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩である。
ラクタムの具体例としては、α−ピロリドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ε−エナントラクタム等が挙げられ、アミノカプロン酸の具体例としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられるが、6―アミノカプロン酸、12―アミノドデカン酸、ε―カプロラクタム、ラウロラクタムが好ましい。
脂肪族ポリアミド形成モノマーは、1成分単独だけでなく2成分以上を混合して使用することもできる。
【0010】
これらモノマー成分から形成される脂肪族ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン116が挙げられ、これらはホモポリマーでも2種以上のコポリマーでも良い。
【0011】
芳香族系モノマー成分を1成分含む結晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂とは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分などの芳香族系モノマー成分を1成分含む共重合ポリアミドである。好ましくは、芳香族系モノマー成分を1成分含み、融点が260℃以上320℃未満の結晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂であり、より好ましくは、芳香族系モノマー成分を1成分含み、融点が290℃以上316℃未満の結晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂である。
芳香族系モノマー成分を1成分含む好ましい結晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂の組み合わせとしては、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸の等モル塩、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸の等モル塩および/または脂肪族ポリアミド形成モノマーからなる結晶性共重合ポリアミドである。
【0012】
ここで脂肪族ジアミンとは炭素数4〜12の脂肪族ジアミンであり、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸とは炭素数が6〜12の脂肪族ジカルボン酸であり、アジピン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等が挙げられる。
好ましい組み合わせは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩である。
【0013】
芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、好ましい組み合わせは、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩である。
【0014】
脂肪族形成モノマーとしては、炭素数6〜12のアミノカルボン酸および炭素数6〜12のラクタム類であり、6―アミノカプロン酸、7―アミノヘプタン酸、11―アミノウンデカン酸、12―アミノドデカン酸、α―ピロリドン、ε―カプロラクタム、ラウロラクタム、ε―エナントラクタム等が挙げられるが、6―アミノカプロン酸、12―アミノドデカン酸、ε―カプロラクタム、ラウロラクタムが好ましい。脂肪族ポリアミド形成モノマーは、1成分単独だけでなく2成分以上を混合して使用することもできる。
【0015】
これらの使用量は、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩30〜70重量%、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩70〜30重量%、脂肪族ポリアミド形成モノマー0〜15重量%であり、好ましくは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩35〜55重量%、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩65〜45重量%、脂肪族ポリアミド形成モノマー0〜10重量%である。
【0016】
本発明における結晶性ポリアミド樹脂の重合度には特に制限はないが、ポリマー1gを96%濃硫酸100mlに溶解し、25℃で測定した相対粘度が1.8〜5.0であることが好ましく、より好ましくは2.0〜3.0である。相対粘度が上記数値の上限より高い場合、加工性を著しく損ない、上記下限より低い場合、機械的強度が低下するため好ましくない。
【0017】
本発明で使用する(B)芳香族系モノマー成分を少なくとも2成分含む非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂は、イソフタル酸以外にテレフタル酸成分やヘテロ芳香環化合物を少なくとも1成分含むポリアミド樹脂である。この非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂は、動的粘弾性の測定によって得られた絶乾時の損失弾性率のピーク温度によって求められたガラス転移温度が100℃以上の非晶性ポリアミドが好ましく、2組以上の脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸の等モル塩を含むものが望ましい。
【0018】
ここで脂肪族ジアミンとは炭素数4〜12の脂肪族ジアミンであり、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等が挙げられる。
【0019】
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、好ましい組み合わせは、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩とヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル塩である。
【0020】
本発明で使用する(B)芳香族系モノマー成分を少なくとも2成分含む非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂としては、脂肪族ジアミンとイソフタル酸およびテレフタル酸からなるポリアミド形成性成分100〜60重量%と脂肪族ポリアミド成分0〜40重量%であるものが好ましい。
また、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸の等モル塩としては、テレフタル酸成分単位60〜95モル%およびイソフタル酸成分単位5〜40モル%および脂肪族ジアミンとからなるものが好ましい。
【0021】
本発明において(A)結晶性ポリアミド樹脂と(B)芳香族モノマー成分を少なくとも2成分含む非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂との混合比率は、(A)樹脂が96〜99.9重量%、(B)樹脂が0.1〜4重量%の範囲である。好ましくは(A)樹脂が97〜99重量%、(B)樹脂が1〜3重量%である。
【0022】
(B)樹脂の非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂の使用量が上記数値の上限より多いと、金型内流動性が悪化するとともに結晶化が遅れハイサイクル成形性を損なうので好ましくない。
【0023】
また、(B)樹脂の非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂の使用量が上記数値の下限より少ないと溶着強度の改良効果が薄く、本発明の目的を達成できない。
【0024】
本発明で使用される(C)無機充填材は、ガラス繊維やカーボン繊維、ワラストナイトやチタン酸カリウムウイスカー等の繊維状無機材料、モンモリロナイト、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、クレイ、カオリン、ガラスパウダー、ガラスビーズ等の無機充填材、各種有機または高分子パウダー等の有機充填材等が挙げられるが、好ましくはガラス繊維またはタルクが用いられ、より好ましくはガラス繊維である。
繊維状充填材としては、繊維径が0.01〜20μm、好ましくは0.03〜15μmであり、繊維カット長は0.5〜10mm、好ましくは0.7〜5mmである。
【0025】
本発明で使用される(C)無機充填材の使用量は、得られるポリアミド樹脂100重量部に対し、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、さらに好ましくは10〜100重量部である。5重量部より少ないとポリアミド樹脂の機械的強度は充分満足されない。200重量部より多ければ、機械的強度は充分満足されるが、成形性や表面状態が悪くなり好ましくない。
【0026】
本発明の樹脂組成物は、そのままでも自動車用や電気・電子部品の材料として使用できるが、その目的を損なわない範囲で耐熱剤、耐候剤、結晶核剤、結晶化促進剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤等の機能性付与剤を用いることができる。
【0027】
より具体的には、耐熱剤としては、ヒンダードフェノール類、ホスファイト類、チオエーテル類、ハロケン化銅などが挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
耐候剤としては、ヒンダードアミン類やサリシレート類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
結晶核剤としては、タルク、クレーなどの無機フィラー類や脂肪酸金属塩等の有機結晶核剤などが挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
結晶化促進剤としては、低分子量ポリアミド、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類や高級脂肪族アルコール類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
離型剤としては、脂肪酸金属塩類、脂肪酸アミド類や各種ワックス類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
帯電防止剤としては、脂肪族アルコール類、脂肪族アルコールエステル類や高級脂肪酸エステル類が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
難燃剤としては、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、エチレンジメラミンジシアヌレート、硝酸カリウム、臭素化エポキシ化合物、臭素化ポリカーボネート化合物、臭素化ポリスチレン化合物、テトラブロモベンジルポリアクリレート、トリブロモフェノール重縮合物、ポリブロモビフェニルエーテル類や塩素系難燃剤が挙げられ、単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
【0028】
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂組成物を加えることができる。併用される熱可塑性樹脂の例としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂等の汎用樹脂材料、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等の脂肪族ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、その他高耐熱樹脂が挙げられる。特にポリエチレンやポリプロピレンを併用する場合には無水マレイン酸やグリシジル基含有モノマー等で変性したものを使用することが望ましい。
【0029】
本発明の樹脂組成物は、それぞれの樹脂ペレットをブレンドして、最終製品を得る段階で溶融混合して形成しても良いし、一軸あるいは二軸押出機、バンバリーミキサー等であらかじめ溶融混合した上で成形に供することもできる。このように押出成形用、ブロー成形用あるいは射出成形用として使用することができる。
【0030】
本発明の組成物は、溶着工法を用いる製品に使用された場合、その性能を顕著に発揮することができるが、それに限定されるものではない。
溶着工法の具体例としては、振動溶着工法、ダイスライドインジェクション(DSI)やダイロータリーインジェクション(DRI)といった射出溶着工法、超音波溶着工法、スピン溶着工法、熱板溶着工法、熱線溶着工法、レーザー溶着工法、高周波誘導加熱溶着工法等が挙げられる。
【0031】
さらに本発明の組成物は、多色成形やウエルド部等の溶融接合部の存在する製品においてもその性能を発揮する。
【0032】
本発明の組成物は、自動車、2輪車などのエンジン、トランスミッション、デファレンシャル機構部品、シャーシ部品、外装部品、内装部品や電装部品、電気・電子部品等に使用できる。
具体例としては、オイルストレーナー、タイミングチェーンカバー、ロッカーカバー、インテークマニホールド、フューエルレール、タイミングチェーンテンショナー、スラストワッシャー、パワーステアリングタンク、ブレーキフルードサブタンク、キャニスター、オートマチックトランスミッションステータ、エアクリーナー、レゾネーター、バキュームタンク、スロットルボディ、ラジエタータンク、サーモスタットハウジング、ラジエターインレットパイプ、ラジエターアウトレットパイプ、ギヤー、リテーナー、フロントエンド、ヘッドライトステイ、ロアアーム、リンク等の機構部品、エアダクト、ガソリンタンク、ブレーキパイプ、フューエルパイプ等の中空部品、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル等のペダル類、センサー、リレーボックス、コネクター等の電装部品、端子台、コネクター、リレー等の電気・電子部品が挙げられる。
【0033】
(実施例)
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における成形品の物性測定は次のように行った。
【0034】
(物性評価)
(機械的特性評価)
次の項目条件にて評価を行った。評価はすべて乾燥状態で行った。
(1)引張り強さ及び伸び :ASTMD638に従い、厚み3.2mmの1号試験片を用いて引張り速度毎分5mmで行った。
(2)曲げ強さ及び曲げ弾性率 :ASTMD790に従い、厚み3.2mmの短冊状試験片を用いて3点曲げ試験を行った。
(3)衝撃強さ :ASTMD256に従い、厚み3.2mmの短冊状試験片を用いて後加工でノッチをつけてアイゾット衝撃試験装置で評価した。
【0035】
(成形性評価)
(4)流動長 :幅12.5mm、厚み1mmの棒流動長測定用スパイラル金型を用い、住友重機製SG75射出成形機で射出圧力50MPaでの流動長を測定した。
【0036】
(溶着強度評価)
(5)射出溶着強度 :本発明で得られた組成物を用い、DRI工法で下記に示す条件で成形された図1から3に示す形状からなる試験片の引張り強さを測定した。引張り条件は、引張り速度5mm/sec、チャック間距離25mmで行った。
成形機 :日鋼N140BII
樹脂温度 :表1および2に示す。
金型温度 :80℃
保圧 :20MPa
射出時間 :1sec
冷却時間 :20sec
【0037】
実施例1
ポリアミド6(宇部興産(株)製1015B;相対粘度2.65)97重量%とポリアミド6I/6T(エムス社製グリボリーG21)3重量%とをあらかじめ均一混合したのち、バレル温度270℃に設定した44mmφベント付2軸押出機で混練した。このポリアミド樹脂を混練する際、ポリアミド樹脂100重量部に対し、ガラス繊維(日本電気硝子社製、ガラス繊維径11μm、ガラス繊維カット長3mm)を45重量部となるように押出機の途中から供給し、目的とする強化ポリアミド樹脂組成物ペレットを作成した。次に得られたペレットを110℃10torrの減圧化で24時間乾燥した後、シリンダー温度270℃、金型温度80℃で射出成形しASTM準拠の引張り試験片、曲げ試験片、衝撃試験片の成形と流動性を評価した。さらにDRI工法で成形された試験片の引張り強度を測定した。得られた結果を表1に示した。
【0038】
実施例2〜5
ポリアミド6とポリアミド6I/6Tの仕込割合を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。得られた結果を表1に併記した。
【0039】
実施例6〜7
ガラス繊維の割合を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。得られた結果を表1に併記した。
【0040】
実施例8
ガラス繊維の変わりにタルク(土屋カオリン工業(株)製タルクカップ)を45重量部の割合で供給した以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。得られた結果を表1に併記した。
【0041】
比較例1
(B)の非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂を用いず、実施例1に準じて強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。得られた結果は表1に併記した。
【0042】
比較例2〜3
ポリアミド6とポリアミド6I/6Tの仕込割合を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。得られた結果を表1に併記した。
【0043】
実施例9
ポリアミド樹脂としてポリアミド66(宇部興産(株)製2020B;相対粘度2.70)を用いた以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。混練はバレル温度285℃で行い、シリンダー温度275℃、金型温度80℃で射出成形した。得られた結果は表2に示した。
【0044】
実施例10
ポリアミド樹脂としてポリアミド66/6T(宇部興産(株)製8123X;相対粘度2.30)を用いた以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。混練はバレル温度320℃にて行い、シリンダー温度320℃、金型温度110℃で射出成形した。得られた結果は表2に併記した。
【0045】
実施例11
ポリアミド樹脂としてポリアミド6/66(宇部興産(株)製2123B;相対粘度2.65を用いた以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。混練はバレル温度280℃にて行い、シリンダー温度270℃、金型温度80℃で射出成形した。得られた結果は表2に併記した。
【0046】
実施例12
ポリアミド樹脂としてポリアミド12(宇部興産(株)製3020B;相対粘度2.90)を用いた以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。混練はバレル温度240℃にて行い、シリンダー温度240℃、金型温度80℃で射出成形した。得られた結果は表2に併記した。
【0047】
実施例13
ポリアミド樹脂として相対粘度2.45のポリアミド6(宇部興産(株)製1013B)を用いた以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。得られた結果は表2に併記した。
【0048】
実施例14
ポリアミド樹脂として相対粘度2.90ポリアミド6(宇部興産(株)製1022B)を用いた以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。得られた結果は表2に併記した。
【0049】
実施例15
ポリアミド樹脂として相対粘度3.20ポリアミド6(宇部興産(株)製1030B)を用いた以外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。得られた結果は表2に併記した。
【0050】
比較例4
(B)の非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂を用いず、実施例9に準じて強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。得られた結果は表2に併記した。
【0051】
比較例5
(B)の非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂を用いず、実施例10に準じて強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。得られた結果は表2に併記した。
【0052】
【表1】
Figure 0004908670
【0053】
【表2】
Figure 0004908670
【0054】
これらの結果から、(B)樹脂の比率が少なくなると溶着強度の改良効果が発現されず、逆に(B)樹脂の比率が多くなると金型内での流動性が低下し成形性が悪化する。また(B)樹脂の効果は、色々な結晶性ポリアミド樹脂に対して有効である。
【0055】
【発明の効果】
本発明の強化ポリアミド樹脂組成物は、結晶性ポリアミド樹脂本来の機械的特性を損なうことなく、高い溶着強度を有している。このため、特殊な成形機や後加工方法にたよることなく大型成形品や複雑な形状の部品に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験片の一例の正面図を示したものである。(数値の単位はmm)
【図2】試験片の一例の側面図を示したものである。(数値の単位はmm)
【図3】DRI工法で成形した試験片の状態図を示したものである。

Claims (6)

  1. (A)結晶性ポリアミド樹脂96〜99.9重量%(B)芳香族モノマー成分を少なくとも2成分含む非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂0.1〜4重量%からなるポリアミド樹脂100重量部に対し、(C)無機充填材5〜200重量部である溶着部の強度に優れた射出溶着用強化ポリアミド樹脂組成物。
  2. 結晶性ポリアミド樹脂が脂肪族ジアミンと脂肪族二塩基酸からなるかもしくはラクタムとからなる請求項1記載の溶着部の強度に優れた射出溶着用強化ポリアミド樹脂組成物。
  3. 結晶性ポリアミド樹脂がテレフタル酸またはその誘動体と脂肪族ジアミンからなる請求項1記載の溶着部の強度に優れた成形用強化ポリアミド樹脂組成物。
  4. 芳香族モノマー成分を少なくとも2成分含む非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂が、テレフタル酸成分単位60〜95モル%およびイソフタル酸成分単位5〜40モル%および脂肪族ジアミンとからなる請求項1記載の溶着部の強度に優れた射出溶着用強化ポリアミド樹脂組成物。
  5. 芳香族モノマー成分を少なくとも2成分含む非晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂が、脂肪族ジアミンとイソフタル酸およびテレフタル酸からなるポリアミド形成性成分100〜60重量%と脂肪族ポリアミド成分0〜40重量%である請求項1記載の溶着部の強度に優れた射出溶着用強化ポリアミド樹脂組成物。
  6. (C)無機充填材がガラス繊維である請求項1〜5のいずれか1項記載の溶着部の強度に優れた射出溶着用強化ポリアミド樹脂組成物。
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