JP2002030213A - 溶着強度に優れた強化ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

溶着強度に優れた強化ポリアミド樹脂組成物

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JP2002030213A
JP2002030213A JP2000213889A JP2000213889A JP2002030213A JP 2002030213 A JP2002030213 A JP 2002030213A JP 2000213889 A JP2000213889 A JP 2000213889A JP 2000213889 A JP2000213889 A JP 2000213889A JP 2002030213 A JP2002030213 A JP 2002030213A
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polyamide resin
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acid
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reinforced polyamide
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Masaru Nakamura
賢 中村
Keitaro Ono
恵太郎 小野
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な溶着方法で高い強度を有する強化ポリ
アミド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)結晶性ポリアミド樹脂95〜9
9.99重量% (B)炭素数4〜12の脂肪族ジアミン化合物および/
または芳香族ジアミン化合物0.01〜5重量%からな
るポリアミド樹脂100重量部に対し、 (C)無機充填材5〜200重量部 からなる溶着部の強度に優れた成形用強化ポリアミド樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性や成形
性に優れ、尚かつ優れた溶着強度を有する強化ポリアミ
ド樹脂組成物に関する。これらの樹脂組成物は、自動車
や電気電子部品の材料として使用される。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリアミド樹脂は、その強度、剛
性が高いために、工業材料として広く用いられている。
しかし、ポリアミドとして結晶性ポリアミドだけを用い
る強化ポリアミドはその結晶性ゆえに近年、樹脂部品を
製造する際に多用されるようになった溶着を行った場
合、その部分の強度が十分でないため高い溶着強度を必
要とされる部品に使用できず、また、非晶性ポリアミド
だけからなるポリアミドを用いた場合は、振動溶着強度
は十分であるが、成形性特に流動性が悪いため、射出溶
着強度が低くこれも使用が制限されてきた。
【0003】結晶性ポリアミドの溶着強度を改良する手
法に関しては、近年の溶着をもちいた部品の増加にとも
ない種々の検討が行われている。特開平9−17648
4号、特開平10−219106号公報には沃化銅と沃
化カリウムを用いてナイロンの溶着性を改良する方法が
提案されている。しかしこの方法では実際に用いる沃化
カリウム、沃化銅の量が多いため機械強度の低下や成形
時の分解ガス発生等の問題がある。特開平8−3377
18号公報では結晶性の共重合ナイロンを用いる方法が
提案されているが、共重合ナイロンを用いた場合、溶着
性は著しく改良されるものの、機械的な強度や剛性の低
下と耐熱性を始めとする耐久性が低下するため、使用が
制限される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、様々な溶着方法で高い強度を有する強化ポリ
アミド樹脂組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの問題を
解決するために鋭意検討した結果、結晶性ポリアミド
に、ごく少量のジアミン化合物を添加することにより目
的が達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、 (A)結晶性ポリアミド樹脂95〜99.99重量% (B)炭素数4〜12の脂肪族ジアミン化合物および/
または芳香族ジアミン化合物0.01〜5重量%からな
るポリアミド樹脂100重量部に対し、 (C)無機充填材5〜200重量部からなる溶着部の強
度に優れた成形用強化ポリアミド樹脂組成物に関するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において使用される(A)結晶性ポリアミド樹脂
は、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸からなるか、
またはラクタムもしくはアミノカルボン酸からなる脂肪
族ポリアミド樹脂もしくは芳香族モノマー成分を1成分
含む部分芳香族共重合ポリアミド樹脂である。
【0008】脂肪族ポリアミド樹脂のモノマー成分とし
ては、炭素数4〜12の脂肪族ジアミンと炭素数6〜1
2の脂肪族ジカルボン酸か炭素数6〜12のラクタム類
もしくは炭素数6〜12のアミノカルボン酸である。脂
肪族ジアミンの具体例としては、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン等が挙げられ。脂肪族ジカ
ルボン酸の具体例としては、アジピン酸、ヘプタンジカ
ルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカルボン
酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等
が挙げられ。好ましい脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボ
ン酸の組合せは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸
の等モル塩である。ラクタムの具体例としては、α−ピ
ロリドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、
ε−エナントラクタム等が挙げられ、アミノカルボン酸
の具体例としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノ
ヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノ
ドデカン酸等が挙げられるが、6―アミノカプロン酸、
12―アミノドデカン酸、ε―カプロラクタム、ラウロ
ラクタムが好ましい。脂肪族ポリアミド形成モノマー
は、1成分単独だけでなく2成分以上を混合して使用す
ることもできる。
【0009】これらモノマー成分から形成される脂肪族
ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロ
ン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン116が挙げられ、これ
らはホモポリマーでも2種以上のコポリマーでも良い。
【0010】芳香族系モノマー成分を1成分含む結晶性
部分芳香族共重合ポリアミド樹脂とは、テレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸成分などの芳香族系モノマー成分を1成分含む
共重合ポリアミドである。好ましくは、芳香族系モノマ
ー成分を1成分含み、融点が260℃以上320℃未満
の結晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂であり、より
好ましくは、芳香族系モノマー成分を1成分含み、融点
が290℃以上316℃未満の結晶性部分芳香族共重合
ポリアミド樹脂である。芳香族系モノマー成分を1成分
含む好ましい結晶性部分芳香族共重合ポリアミド樹脂の
組み合わせとしては、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボ
ン酸の等モル塩、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸
の等モル塩および/または脂肪族ポリアミド形成モノマ
ーからなる結晶性共重合ポリアミドである。
【0011】ここで脂肪族ジアミンとは炭素数4〜12
の脂肪族ジアミンであり、テトラメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメ
チレンジアミン等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸と
は炭素数が6〜12の脂肪族ジカルボン酸であり、アジ
ピン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン
酸、ノナンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ド
デカンジカルボン酸等が挙げられる。好ましい組み合わ
せは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩
である。
【0012】芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げら
れ、好ましい組み合わせは、ヘキサメチレンジアミンと
テレフタル酸の等モル塩である。
【0013】脂肪族形成モノマーとしては、炭素数6〜
12のアミノカルボン酸および炭素数6〜12のラクタ
ム類であり、6―アミノカプロン酸、7―アミノヘプタ
ン酸、11―アミノウンデカン酸、12―アミノドデカ
ン酸、α―ピロリドン、ε―カプロラクタム、ラウロラ
クタム、ε―エナントラクタム等が挙げられるが、6―
アミノカプロン酸、12―アミノドデカン酸、ε―カプ
ロラクタム、ラウロラクタムが好ましい。脂肪族ポリア
ミド形成モノマーは、1成分単独だけでなく2成分以上
を混合して使用することもできる。
【0014】これらの使用量は、ヘキサメチレンジアミ
ンとアジピン酸の等モル塩30〜70重量%、ヘキサメ
チレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩70〜30重
量%、脂肪族ポリアミド形成モノマー0〜15重量%で
あり、好ましくは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン
酸の等モル塩35〜55重量%、ヘキサメチレンジアミ
ンとテレフタル酸の等モル塩65〜45重量%、脂肪族
ポリアミド形成モノマー0〜10重量%である。
【0015】本発明における結晶性ポリアミド樹脂の重
合度には特に制限はないが、ポリマー1gを96%濃硫
酸100mlに溶解し、25℃で測定した相対粘度が
1.8〜5.0であることが好ましく、より好ましくは
2.0〜3.0である。相対粘度が上記数値の上限より
高い場合、加工性を著しく損ない、上記下限より低い場
合、機械的強度が低下するため好ましくない。
【0016】本発明で使用する(B)炭素数4〜12の
脂肪族ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカ
メチレンジアミン等が挙げられる。また芳香族ジアミン
化合物としては、パラキシリレンジアミン、メタキシリ
レンジアミン、ナフタレンジアミン等が挙げられる。
【0017】これらジアミン化合物は、脂肪族ジアミ
ン、芳香族ジアミンをそれぞれ単独で用いても、2種以
上組み合わせても良い。
【0018】本発明において(A)結晶性ポリアミド樹
脂と(B)炭素数4〜12の脂肪族ジアミン化合物およ
び/または脂肪族ジアミン化合物との混合比率は、
(A)樹脂が95〜99.99重量%、(B)ジアミン
化合物が0.01〜5重量%の範囲である。好ましくは
(A)樹脂が99〜99.9重量%、(B)ジアミン化
合物が0.1〜1重量%であり、さらに好ましくは、
(A)樹脂が99.5〜99.9重量%、(B)ジアミ
ン化合物が0.1〜0.5重量%である。
【0019】(B)ジアミン化合物の使用量が上記数値
の上限より多いと、金型内流動性が悪化するとともに機
械物性を損なうので好ましくない。 (B)ジアミン化合物の使用量が上記数値の下限より少
ないと、溶着強度の改良効果が薄く、本発明の目的を達
成できない。
【0020】本発明で使用される(C)無機充填材は、
ガラス繊維やカーボン繊維、ワラストナイトやチタン酸
カリウムウイスカー等の繊維状無機材料、モンモリロナ
イト、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、クレ
イ、カオリン、ガラスパウダー、ガラスビーズ等の無機
充填材、各種有機または高分子パウダー等の有機充填材
等が挙げられるが、好ましくはガラス繊維またはタルク
が用いられ、より好ましくはガラス繊維である。繊維状
充填材としては、繊維径が0.01〜20μm、好まし
くは0.03〜15μmであり、繊維カット長は0.5
〜10mm、好ましくは0.7〜5mmである。
【0021】本発明で使用される(C)無機充填材の使
用量は、得られるポリアミド樹脂100重量部に対し、
5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、さ
らに好ましくは10〜100重量部である。5重量部よ
り少ないとポリアミド樹脂の機械的強度は充分満足され
ない。200重量部より多ければ、機械的強度は充分満
足されるが、成形性や表面状態が悪くなり好ましくな
い。
【0022】本発明の樹脂組成物は、そのままでも自動
車用や電気・電子部品の材料として使用できるが、その
目的を損なわない範囲で耐熱剤、耐候剤、結晶核剤、結
晶化促進剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃
助剤、着色剤等の機能性付与剤を用いることができる。
【0023】より具体的には、耐熱剤としては、ヒンダ
ードフェノール類、ホスファイト類、チオエーテル類、
ハロゲン化銅などが挙げられ、単独またはこれらを組み
合わせて使用できる。耐候剤としては、ヒンダードアミ
ン類やサリシレート類が挙げられ、単独またはこれらを
組み合わせて使用できる。結晶核剤としては、タルク、
クレーなどの無機フィラー類や脂肪酸金属塩等の有機結
晶核剤などが挙げられ、単独またはこれらを組み合わせ
て使用できる。結晶化促進剤としては、低分子量ポリア
ミド、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類や高級脂肪
族アルコール類が挙げられ、単独またはこれらを組み合
わせて使用できる。離型剤としては、脂肪酸金属塩類、
脂肪酸アミド類や各種ワックス類が挙げられ、単独また
はこれらを組み合わせて使用できる。帯電防止剤として
は、脂肪族アルコール類、脂肪族アルコールエステル類
や高級脂肪酸エステル類が挙げられ、単独またはこれら
を組み合わせて使用できる。難燃剤としては、水酸化マ
グネシウム等の金属水酸化物、リン、リン酸アンモニウ
ム、ポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、
エチレンジメラミンジシアヌレート、硝酸カリウム、臭
素化エポキシ化合物、臭素化ポリカーボネート化合物、
臭素化ポリスチレン化合物、テトラブロモベンジルポリ
アクリレート、トリブロモフェノール重縮合物、ポリブ
ロモビフェニルエーテル類や塩素系難燃剤が挙げられ、
単独またはこれらを組み合わせて使用できる。
【0024】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を
損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂組成物を加えること
ができる。併用される熱可塑性樹脂の例としてポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、A
S樹脂、アクリル樹脂等の汎用樹脂材料、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン12等の脂肪族ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンサルファイド、その他高耐熱樹脂が
挙げられる。特にポリエチレンやポリプロピレンを併用
する場合には無水マレイン酸やグリシジル基含有モノマ
ー等で変性したものを使用することが望ましい。
【0025】本発明の樹脂組成物は、公知の方法で製造
される。一般的には、(A)結晶性ポリアミド樹脂、
(B)炭素数4〜12の脂肪族ジアミン化合物および/
または芳香族ジアミン化合物及び(C)無機充填材を混
練機を用いて溶融混練することにより、本発明のポリア
ミド樹脂組成物が得られる。前記混練機としては、例え
ば、一軸押出機や二軸押出機などの押出機、二軸連続ミ
キサー、バンバリーミキサー、スーパーミキサー、ミキ
シングロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ
などを挙げることができる。本発明のポリアミド樹脂組
成物は、押出成形用、ブロー成形用あるいは射出成形用
として使用することができる。
【0026】本発明の組成物は、溶着工法を用いる製品
に使用された場合、その性能を顕著に発揮することがで
きるが、それに限定されるものではない。溶着工法の具
体例としては、振動溶着工法、ダイスライドインジェク
ション(DSI)やダイロータリーインジェクション
(DRI)といった射出溶着工法、超音波溶着工法、ス
ピン溶着工法、熱板溶着工法、熱線溶着工法、レーザー
溶着工法、高周波誘導加熱溶着工法等が挙げられる。
【0027】さらに本発明の組成物は、多色成形やウエ
ルド部等の溶融接合部の存在する製品においてもその性
能を発揮する。
【0028】本発明の組成物は、自動車、2輪車などの
エンジン、トランスミッション、デファレンシャル機構
部品、シャーシ部品、外装部品、内装部品や電装部品、
電気・電子部品等に使用できる。具体例としては、オイ
ルストレーナー、タイミングチェーンカバー、ロッカー
カバー、インテークマニホールド、フューエルレール、
タイミングチェーンテンショナー、スラストワッシャ
ー、パワーステアリングタンク、ブレーキフルードサブ
タンク、キャニスター、オートマチックトランスミッシ
ョンステータ、エアクリーナー、レゾネーター、バキュ
ームタンク、スロットルボディ、ラジエタータンク、サ
ーモスタットハウジング、ラジエターインレットパイ
プ、ラジエターアウトレットパイプ、ギヤー、リテーナ
ー、フロントエンド、ヘッドライトステイ、ロアアー
ム、リンク等の機構部品、エアダクト、ガソリンタン
ク、ブレーキパイプ、フューエルパイプ等の中空部品、
アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル等の
ペダル類、センサー、リレーボックス、コネクター等の
電装部品、端子台、コネクター、リレー等の電気・電子
部品が挙げられる。
【0029】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもので
はない。なお、実施例および比較例における成形品の物
性測定は次のように行った。
【0030】(物性評価) (機械的特性評価)次の項目条件にて評価を行った。評
価はすべて乾燥状態で行った。 (1)引張り強さ及び伸び :ASTMD638に従
い、厚み3.2mmの1号試験片を用いて引張り速度毎
分5mmで行った。 (2)曲げ強さ及び曲げ弾性率 :ASTMD790に
従い、厚み3.2mmの短冊状試験片を用いて3点曲げ
試験を行った。 (3)衝撃強さ :ASTMD256に従
い、厚み3.2mmの短冊状試験片を用いて後加工でノ
ッチをつけ てアイゾット衝撃試験装置で評価した。
【0031】(成形性評価) (4)流動長 :幅12.5mm、厚み
1mmの棒流動長測定用スパイラル金型を用い、住友重
機製SG75射出成形機で射出圧力50MPaでの流動
長を測定した。
【0032】(溶着強度評価) (5)射出溶着強度 :本発明で得られた組成
物を用い、DRI工法で下記に示す条件で成形された図
1から3に示す形状からなる試験片の引張り強さを測定
した。引張り条件は、引張り速度5mm/sec、チャ
ック間距離25mmで行った。 成形機 :日鋼N140BII 樹脂温度 :表1および2に示す。 金型温度 :80℃ 保圧 :20MPa 射出時間 :1sec 冷却時間 :20sec
【0033】実施例1 ポリアミド6(宇部興産(株)製1015B;相対粘度
2.65)99.7重量%と1,12−ドデカメチレン
ジアミン0.3重量%とをあらかじめ均一混合したの
ち、バレル温度270℃に設定した44mmφベント付
2軸押出機で混練した。このポリアミド樹脂を混練する
際、ポリアミド樹脂100重量部に対し、ガラス繊維
(日本電気硝子社製、ガラス繊維径11μm、ガラス繊
維カット長3mm)を45重量部となるように押出機の
途中から供給し、目的とする強化ポリアミド樹脂組成物
ペレットを作成した。次に得られたペレットを110℃
10torrの減圧化で24時間乾燥した後、シリンダ
ー温度270℃、金型温度80℃で射出成形しASTM
準拠の引張り試験片、曲げ試験片、衝撃試験片の成形と
流動性を評価した。さらにDRI工法で成形された試験
片の引張り強度を測定した。得られた結果を表1に示し
た。
【0034】実施例2〜5 ポリアミド6と1,12−ドデカメチレンジアミンの仕
込割合を表1に示したように変更した以外は実施例1と
同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物性を
評価した。得られた結果を表1に併記した。
【0035】実施例6 ジアミン化合物としてメタキシリレンジアミン用いた以
外は実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成
し、その物性を評価した。得られた結果を表1に併記し
た。
【0036】実施例7〜8 ガラス繊維の割合を表1に示したように変更した以外は
実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、
その物性を評価した。得られた結果を表1に併記した。
【0037】実施例9 ガラス繊維の変わりにタルク(土屋カオリン工業(株)製
タルクカップ)を45重量部の割合で供給した以外は実
施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、そ
の物性を評価した。得られた結果を表1に併記した。
【0038】実施例10 ポリアミド樹脂としてポリアミド66(宇部興産(株)製
2020B;相対粘度2.70)を用いた以外は実施例
1と同様に強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評
価した。混練はバレル温度285℃で行い、シリンダー
温度275℃、金型温度80℃で射出成形した。得られ
た結果は表2に併記した。
【0039】実施例11 ポリアミド樹脂としてポリアミド66/6T(宇部興産
(株)製8123X;相対粘度2.30)を用いた以外は
実施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、
その物性を評価した。混練はバレル温度320℃にて行
い、シリンダー温度320℃、金型温度110℃で射出
成形した。得られた結果は表2に併記した。
【0040】実施例12 ポリアミド樹脂としてポリアミド6/66(宇部興産
(株)製2123B;相対粘度2.65を用いた以外は実
施例1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、そ
の物性を評価した。混練はバレル温度280℃にて行
い、シリンダー温度270℃、金型温度80℃で射出成
形した。得られた結果は表2に併記した。
【0041】実施例13 ポリアミド樹脂としてポリアミド12(宇部興産(株)製
3020B;相対粘度2.90)を用いた以外は実施例
1と同様に強化ポリアミド樹脂組成物を作成し、その物
性を評価した。混練はバレル温度240℃にて行い、シ
リンダー温度240℃、金型温度80℃で射出成形し
た。得られた結果は表2に併記した。
【0042】実施例14 ポリアミド樹脂として相対粘度2.45のポリアミド6
(宇部興産(株)製1013B)を用いた以外は実施例1
と同様に強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価
した。得られた結果は表2に併記した。
【0043】実施例15 ポリアミド樹脂として相対粘度2.90ポリアミド6
(宇部興産(株)製1022B)を用いた以外は実施例1
と同様に強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価
した。得られた結果は表2に併記した。
【0044】実施例16 ポリアミド樹脂として相対粘度3.20ポリアミド6
(宇部興産(株)製1030B)を用いた以外は実施例1
と同様に強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価
した。得られた結果は表2に併記した。
【0045】比較例1 (B)のジアミン化合物を用いず、実施例1に準じて強
化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。得ら
れた結果は表1に示した。
【0046】比較例2 ポリアミド6とジアミン化合物の仕込割合を表1に示し
たように変更した以外は実施例1と同様に強化ポリアミ
ド樹脂組成物を作成し、その物性を評価した。得られた
結果を表1に併記した。
【0047】比較例3 (B)のジアミン化合物を用いず、実施例10に準じて
強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。得
られた結果は表2に併記した。
【0048】比較例4 (B)のジアミン化合物を用いず、実施例11に準じて
強化ポリアミド樹脂を作成し、その物性を評価した。得
られた結果は表2に併記した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】これらの結果から、(B)ジアミン化合物
の比率が少なくなると溶着強度の改良効果が発現され
ず、逆に(B)ジアミン化合物の比率が多くなると金型
内での流動性が低下し成形性が悪化する。また(B)ジ
アミン化合物の効果は、色々な結晶性ポリアミド樹脂に
対して有効である。
【0052】
【発明の効果】本発明の強化ポリアミド樹脂組成物は、
結晶性ポリアミド樹脂本来の機械的特性を損なうことな
く、高い溶着強度を有している。このため、特殊な成形
機や後加工方法にたよることなく大型成形品や複雑な形
状の部品に用いることができる。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】試験片の一例の正面図を示したものである。
(数値の単位はmm)
【図2】試験片の一例の側面図を示したものである。
(数値の単位はmm)
【図3】DRI工法で成形した試験片の状態図を示した
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AA05 AB09 AD44 AF06 AF28 AK15 AL02 AL11 4J002 CL011 CL031 DA017 DE187 DE237 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 DJ057 DL007 EN036 EN076 FA017 FA047 FA067 FA087 FD017 GN00 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)結晶性ポリアミド樹脂95〜99.
    99重量% (B)炭素数4〜12の脂肪族ジアミン化合物および/
    または芳香族ジアミン化合物0.01〜5重量%からな
    るポリアミド樹脂100重量部に対し、(C)無機充填
    材5〜200重量部からなる溶着部の強度に優れた成形
    用強化ポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】結晶性ポリアミド樹脂が脂肪族ジアミンと
    脂肪族二塩基酸からなるかもしくはラクタムまたはアミ
    ノカルボン酸からなる請求項1記載の溶着部の強度に優
    れた成形用強化ポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】結晶性ポリアミド樹脂がテレフタル酸また
    はその誘導体と脂肪族ジアミンからなる請求項1記載の
    溶着部の強度に優れた成形用強化ポリアミド樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】炭素数4〜12の脂肪族ジアミン化合物が
    ヘキサメチレンジアミンまたはドデカメチレンジアミン
    である請求項1記載の溶着部の強度に優れた成形用強化
    ポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】芳香族ジアミン化合物がキシリレンジアミ
    ンである請求項1記載の溶着部の強度に優れた成形用強
    化ポリアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】無機充填材がガラス繊維である請求項1〜
    5のいずれか1項記載の溶着部の強度に優れた成形用強
    化ポリアミド樹脂組成物。
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