JP4908649B2 - 記録装置およびヘッド突出量制御方法 - Google Patents

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本発明の実施形態は、記録装置およびヘッド突出量制御方法に関する。
従来、磁気ディスク装置に代表される記憶装置においては、高記録密度を実現するため磁気ディスク等の記録媒体の記録面に対するヘッドの浮上量を低下させる必要があり、近年にあっては、10nm以下という極めて小さいオーダーの浮上量が実現されている。
しかしながら、ヘッドの浮上量が低下すると磁気ディスク面の微小突起との衝突が発生しやすくなり、またヘッドごとのクリアランスのばらつきがメカの公差範囲で存在するため、媒体接触を考慮すると、浮上量を公差範囲を超えて低く設定することができない問題がある。
そこで、ヘッドにヒータを内蔵し、ヒータの通電に伴うヘッド浮上面の熱膨張による突出現象を利用して、ヘッドと磁気ディスクの記録面とのクリアランスをコントロールする方法が提案されている。
ところで、一般的に記憶装置に備えられた記録媒体が回転動作を開始した直後、例えば記憶装置に電源が投入され動作を開始した場合や、記憶装置の電源は既に投入されているが省電力モード等の記録媒体の回転動作は停止している状態から復帰した場合には、記憶装置の環境温度は定常状態よりも低温環境となっている。そのため、このときのヘッドの浮上量は定常状態における浮上量よりも高くなってしまうことが知られている。例えば、記憶装置の起動直後はヘッドの浮上量が定常状態における浮上量よりも0.4〜0.6nm程度高くなってしまう。また、設計段階や試験工程等で予め設定された値で好適に動作できる状態、すなわち定常状態となるまで、およそ10分間程度かかることが知られている。
上述のように低温起動直後(PowerOFF、またはUnload状態のまま、所定時間放置した状態からの起動直後)において、ヘッドの素子部(書込素子および読出素子)に対して記録媒体の潤滑剤などが付着している場合には、ヘッドの浮上位置の上昇によるWrite/Read特性の悪化(寝起き特性と称される)が発生する。ヘッドの浮上位置は、寝起き特性の悪化の大きいもので、1〜2nm程度の上昇が見られることもある。
そこで、寝起き特性を防ぐため、起動直後の一定期間にライト電流系設定値(Iw,オーバーシュート(O/S))、DFH設定値(Read/Write Heater)をアシストする方法が提案されている。
特開2003−168274号公報 特開2008−243249号公報
しかしながら、より効果的にアシストするためには、寝起き特性を検出し、特性悪化量に応じた切り分けが必要であるが、特性悪化量は、媒体/ヘッドの組み合わせに影響され、また、ヘッド毎にも特性がばらつくことから、起動直後に悪化したヘッドを見分けることは難しく、課題とされていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、従来よりも効果的に、ヘッド浮上位置の上昇によるWrite/Read特性の悪化を防止することを目的とする。
実施形態の記憶装置は、データを記録するための記録媒体と、前記記録媒体を回転駆動させる駆動部と、前記駆動部により回転駆動される前記記録媒体上で浮上し、前記記録媒体からデータを読み出すための読出素子および前記記録媒体へデータを書き込むための書込素子を有するヘッドと、前記ヘッドに設けられ、通電加熱に伴って当該ヘッドを熱膨張させて前記記録媒体に対する前記ヘッドの突出量を変化させる被通電体と、前記記録媒体の回転動作が停止している状態から前記駆動部による回転が開始された後、前記記録媒体上の任意の場所に対して前記ヘッドにより書き込んだデータが正しいか否かをチェックするWrite&Verifyチェックを実行するWrite&Verify部と、記被通電体に対する定常状態における通電量に対応する基準値に対して、前記Write&Verify部によるチェック結果に応じた値を加算して前記ヘッドの突出量を制御する突出量制御部と、を備える。
図1は、実施形態にかかる磁気ディスク装置の構成を示す外観斜視図である。 図2は、磁気ディスク装置の制御系の構成を示すブロック図である。 図3は、ヘッドを概略的に示す斜視図である。 図4は、ヘッドをトラック方向から見た状態を示す断面図である。 図5は、MPUの機能構成を示したブロック図である。 図6は、補正テーブルのデータ構成を示す模式図である。 図7は、加算処理の流れについて概略的に示すフローチャートである。 図8は、ステップS3の処理の流れについて概略的に示すフローチャートである。 図9は、時間経過に伴うヘッドの浮上量変化を示すグラフである。 図10は、時間経過に伴うヘッドの浮上量変化を示すグラフである。 図11は、オフセット値を加算した場合における時間経過に伴うヘッドの浮上量変化を示すグラフである。
図1は、実施形態にかかる磁気ディスク装置100の構成を示す外観斜視図である。図1に示すように、ハードディスクドライブ(HDD)として知られる磁気ディスク装置100には、駆動部であるスピンドルモータ(SPM)201により回転される記録媒体である磁気ディスク202が組み込まれており、磁気ディスク202に対しボイスコイルモータ(VCM)203により駆動されるヘッドアクチュエータ204が設けられ、ヘッドアクチュエータ204の先端にはヘッドスライダ205が装着されている。
図2は、磁気ディスク装置100の制御系の構成を示すブロック図である。図2に示すように、磁気ディスク装置100には、上位装置と接続されるホストインタフェースを制御するホストインタフェース制御部102、上位装置から受信したデータを格納するバッファメモリ103、バッファメモリ103を制御するバッファメモリ制御部104が設けられている。
また、磁気ディスク装置100には、受信したデータに対してECC計算等を行うフォーマット制御部105、読み出したデータの復調ならびに所定の値に増幅処理等を行うリードライトチャネル106、ヘッドスライダ205に設けられるヘッド114からの出力を制御するヘッドIC107等が備えられており、上位装置から受信したデータを磁気ディスク202に対して書き込み、もしくは読み出し処理を行う。
また、磁気ディスク装置100には、MPU108が備えられている。MPU108は、バス116を介して制御プログラム(ファームウェアプログラム)及び制御データを格納するメモリ109や制御プログラム等を格納する不揮発性メモリ110に接続されている。MPU108は、バス116を介して前述の、ホストインタフェース制御部102、バッファメモリ制御部104、フォーマット制御部105、リードライトチャネル106等にも接続されている。メモリ109には、後述する補正テーブル40が格納されている。
MPU108にはタイマカウンタ117が備えられており、磁気ディスク装置100の起動時間等を計測する際に用いられる。タイマカウンタ117は、例えばMPU108上で動作するプログラムの一機能として実現される。なお、タイマカウンタ117は図示したようにMPU108に備える形態のほかに、バス116を介してMPU108に接続される独立した回路としてもよい。また、磁気ディスク装置100が接続される上位装置のタイマカウンタを用いることも可能である。すなわち、上位装置から通知されるタイマカウンタの値をMPU108内などに記憶して、タイマカウンタとすることも可能である。
なお、MPU108、メモリ109、ホストインタフェース制御部102、バッファメモリ制御部104、リードライトチャネル106等は、1つの制御装置、たとえばLSI装置として構成することも可能である。
さらに、磁気ディスク装置100には、サーボ制御部111が備えられている。サーボ制御部111は、ボイスコイルモータ(VCM)203及びスピンドルモータ(SPM)201を制御する。
上位装置からのライトコマンドとライトデータをホストインタフェース制御部102で受けると、MPU108はライトコマンドの内容を解析し必要に応じてバッファメモリ103にライトデータを格納する。その後、ライトデータは、フォーマット制御部105で所定のデータ形式に変換されると共にECC処理によりECC符号を付加される。さらに、リードライトチャネル106において、スクランブル、RLL符号変換、更に書込補償が行われた後、ライトデータはヘッドIC107を介してヘッド114の書込素子から磁気ディスク202に書き込まれる。
このときMPU108からサーボ制御部111にヘッド位置決め信号が与えられており、ボイスコイルモータ203によりヘッドアクチュエータ204を駆動して、ヘッド114をコマンドで指示された目標トラックにシークした後にオントラックしてトラック追従制御を行っている。
一方、上位装置からのリードコマンドをホストインタフェース制御部102で受けると、MPU108はリードコマンドを解読する。その後、解読結果に基づいてヘッドIC107を介してヘッド114の読出素子により信号が読み出される。さらに読み出された読出信号は、プリアンプで増幅された後に、リードライトチャネル106のリード復調系に入力され、パーシャルレスポンス最尤検出(PRML)などによりリードデータとして復調される。さらに、フォーマット制御部105でECC処理等を行ってエラーを検出訂正した後、バッファメモリ103にバッファリングされる。その後リードデータは、ホストインタフェース制御部102によって上位装置に転送される。
ここで、図3はヘッド114を概略的に示す斜視図、図4はヘッド114をトラック方向から見た状態を示す断面図である。図3に示すように、ヘッド114は、セラミック材料などで作られたヘッドスライダ205に設けられている。ヘッドスライダ205の磁気ディスク202に相対する浮上面の先端側にはテーパ面51が形成され、且つ浮上面のトラック方向に空気流通溝52を形成している。
図4に示すように、セラミックなどで作られたヘッド114内には、書込素子として記録コイル53と記録コア54が設けられる。また、ヘッド114内には、記録コイル53に隣接して読出素子55が設けられる。読出素子55としては、GMR素子(Giant Magneto Resistance素子)やTMR素子(Tunneling Magneto Resistance素子)が用いられる。
ヘッド114の磁気ディスク202に相対した面は、ABS面(Air Bearing Serface)56であり、表面に保護膜57を形成している。
また、図4に示すように、磁気ディスク202は、基板70上に記録膜71を形成し、記録膜71に続いて保護膜72を形成し、更に表面に潤滑剤73を設けている。
加えて、ヘッド114内には、記録コア54に近接してヒータ60が設けられている。ヒータ60に通電して加熱することで当該ヘッド114(例えば、封止材)を熱膨張させて、ヘッド114の浮上面となるABS面56が破線のヘッド面56−1に示すように磁気ディスク202側に膨張突出することになる。ヘッド114と磁気ディスク202の間のクリアランス74は、読出素子55の下端から磁気ディスク202の潤滑剤73の上面までの間隔と定義される。なお、記録コイル53に通電して加熱することによっても、ヘッド114を熱膨張させて、ヘッド114の浮上面となるABS面56が破線のヘッド面56−1に示すように磁気ディスク202側に膨張突出する。
ところで、磁気ディスク装置においては、低温起動直後(PowerOFF、またはUnload状態のまま、所定時間放置した状態からの起動直後)において、ヘッドの素子部(書込素子および読出素子)に対して磁気ディスクの潤滑剤などが付着している場合におけるヘッドの浮上位置の上昇によるWrite/Read特性の悪化(寝起き特性と称される)が生じる。このようなヘッドの浮上位置は、寝起き特性の悪化の大きいもので、1〜2nmも上昇する。
そこで、実施形態にかかる磁気ディスク装置100においては、上述したようなヘッド114の浮上位置の上昇によるWrite/Read特性の悪化を防ぐため、起動直後の一定期間にライト電流系設定値(Iw,オーバーシュート(O/S))、DFH設定値(Read/Write Heater)をアシストする仕組みを設けている。より詳細には、起動直後の寝起き状態時において、DFH設定値を調節することにより、寝起き特性を加速する状況を作り出すとともに、その特性悪化の程度をWrite&Verifyを用いチェックすることで、起動直後に悪化したヘッドを見分けるようにしている。
次に、MPU108のファームウェアプログラムの実行により実現される機能のうち、上述したような寝起き特性の悪化を防止する特徴的な機能について説明する。
図5は、MPU108の機能構成を示したブロック図である。図5に示すように、MPU108のファームウェアプログラムの実行により実現される機能として、オフセット制御部1と、Write&Verify部2と、突出量制御部3と、テーブル管理部4と、が設けられる。
オフセット制御部1は、Write&Verify部2によるチェックに先立ち、被通電体であるヒータ60や記録コイル53に対する定常状態における通電量に対してオフセット値を加算してヘッド114の突出量を制御する。
Write&Verify部2は、電源が投入され、または、磁気ディスク202の回転動作が停止している状態からの復帰が指示されたことによって回転が開始された場合、磁気ディスク202上の任意の場所に対してヘッド114により書き込んだ内容が正しいか否かをチェックするためにWrite&Verifyチェックを実行する。
突出量制御部3は、Write&Verify部2によるチェック結果として内容が正しい場合には、第1の値を被通電体であるヒータ60や記録コイル53に対する定常状態における通電量に対して加算してヘッド114の突出量を制御し、チェック結果として内容が正しくない場合には、第1の値よりも絶対値の大きな第2の値を被通電体であるヒータ60や記録コイル53に対する定常状態における通電量に対して加算してヘッド114の突出量を制御する。
テーブル管理部4は、メモリ109に配置している補正テーブル40に対する設定値の登録と読出しの管理を行う。補正テーブル40は、図6に示すように、アシスト量の弱い第1の値を設定するための通常補正テーブルT1、低温以外用であってアシスト量の強い第1の値よりも絶対値の大きな値を設定するための積極補正テーブル(低温以外用)T2、低温用であってアシスト量の強い第1の値よりも絶対値の大きな値を設定するための積極補正テーブル(低温用)T3を有している。なお、積極補正テーブル(低温以外用)T2および極補正テーブル(低温用)T3に格納されている値は、いずれも第1の値よりも絶対値の大きな値(第2の値)であるが、測定温度が設定温度閾値以下か否かによってその値が変えられている。各テーブルT1、T2、T3は、例えば、O/S加算値、Iw加算値、Read Heater Power加算値、Write Heater Power加算値を、印加時間毎に複数登録したものである。
次に、MPU108がファームウェアプログラムに従って実行する起動時における加算処理について図7および図8のフローチャートを参照して説明する。
図7に示すように、MPU108は、磁気ディスク202が回転動作を開始する状態になったとき、例えば磁気ディスク装置100に電源が投入された場合や、省電力モード等の磁気ディスク202の回転動作が停止している状態からの復帰が指示された場合には、スピンドルモータ201の動作状態を確認する(ステップS1)。
MPU108は、スピンドルモータ201が回転中である場合には(ステップS1のYes)、そのまま処理を終了する。
一方、MPU108は、スピンドルモータ201が停止状態であった場合には(ステップS1のNo)、スピンドルモータ201が回転開始したかを判断する(ステップS2)。
MPU108は、スピンドルモータ201が回転を開始したと判断した場合は(ステップS2のYes)、後述の加算処理を開始する(ステップS3)。
なお、磁気ディスク装置100がSCSI(Small Computer System Interface)インタフェースを介して上位装置と接続されている場合には、上位装置よりStart Unitコマンドを受信するので、本コマンドの受信を契機として加算処理を開始することも可能である。同様に、SAS(Serial Attached SCSI)インタフェースを介して上位装置と接続されている場合には、上記コマンドに加えてStart Unit Notifyコマンドを受信することもあるので、これらのコマンドを契機として加算処理を開始することも可能である。このようにスピンドルモータ回転開始処理と同時期に発行される上位装置からのコマンドに基づいて加算処理を開始してもよい。
ここで加算処理とは、前述の要因を契機として所定の時間に渡って、ヒータ60や記録コイル53に通電される通電量を、定常状態で好適となるように設定された通電量よりも高く設定する処理をいう。すなわち、磁気ディスク装置100の起動直後のヘッド114の浮上量と、定常状態でのヘッド114の浮上量との差分に相当する、ヘッド114の突き出し量を生じさせる通電量を定常状態の通電量に対して加算する。
また、具体的な加算方法としては、補正テーブル40に登録された加算量を定常状態の電流値に加算して用いる。なお、これに限るものではなく、定常状態で用いられる値に上述の値を加算した値を予め磁気ディスク装置100内に記憶させておき、その値を選択して用いるようにしてもよい。なお、この加算処理は、MPU108からの指示に基づいて、ヒータの電流値が設定されるレジスタ等の値を変更することによって実施される。
ステップS3の処理について図8を参照して詳述する。図8に示すように、MPU108は、この加算処理時点におけるタイマカウンタ117が示すタイマカウンタ値をメモリ上に保持するか、または、タイマカウンタ117を一旦初期化してから再度タイマカウンタ117を起動する初期化処理を行う(ステップS11)。
続いて、MPU108は、ヒータ60に通電されるヒータ電流や記録コイル53に通電される記録コイル電流の値として定常状態における通電量(基準値)に対して、一定値(オフセット値)を加算してWrite/Read Heater値をオフセットさせ、ヘッド114の浮上上昇を加速する(ステップS12)。これにより、寝起き特性の悪化量を加速させる。ここで、Write/Read Heater値に加算するオフセット値は、後述するWrite&Verify時にエラーレベルを超えない値であることが条件である。例えば、−5bit程度加算することによって、約0.5nmだけヘッド114を上昇させることができる。約0.5nm程度ならば、正常なドライブの場合、エラーレベルを超える可能性は小さい。
ステップS12のような処理を行うのは、次のような理由による。起動直後(電源投入直後及びUnloadからt[min]以上経過)の寝起き状態時において、ヒータ60に通電されるヒータ電流や記録コイル53に通電される記録コイル電流の値として定常状態における通電量(基準値)に対して、所定の値を加算してWrite/Read Heater値を調節した場合、図9に示すように、ヘッド114を0.4〜0.6nm程度浮上させて寝起き特性を加速する状況を作り出すことができるので、後述するWrite&Verify時にエラーレベルを超えさせることで、特性悪化の程度を切り分けることができるようになる。しかしながら、磁気ディスク装置においてはWrite/Readマージンを得ており、図10に示すように、Write/Readマージンの値によっては、ヘッド114を0.4〜0.6nm程度だけ浮上変動させただけではエラーレベルまで達せず、Write&Verifyによるエラーは生じない。
そこで、実施形態にかかる磁気ディスク装置100においては、起動直後の寝起き状態時において、ステップS12に示すように、ヒータ60に通電されるヒータ電流や記録コイル53に通電される記録コイル電流の値として定常状態における通電量(基準値)に対して、一定値(オフセット値)を加算してWrite/Read Heater値を調節することで、図11に示すように、Write/Read Heater値をオフセットさせることによって浮上上昇を加速することにより、Write&Verify時にエラーレベルを超えさせることで、寝起き特性を加速する状況を作り出すようにしている。
図8に戻り、次いで、MPU108は、磁気ディスク202の任意の場所に対してWrite&Verifyチェックを実行する(ステップS13)。すなわち、MPU108は、ヘッド114により書き込んだ内容が正しいか否かをチェックし、Read OK/NGにより特性悪化の程度を判定する。
Write&Verifyチェックの結果、Read OKであると判定した場合には(ステップS13のYes)、補正テーブル40からアシスト量の弱い通常補正テーブルT1を選択し(ステップS14)、通常補正テーブルT1のアシスト量(第1の値)を加算してWrite/Read Heater値を調節する(ステップS15)。
一方、MPU108は、Write&Verifyチェックの結果として、Read NGであると判定した場合には(ステップS13のNo)、さらに温度を判定する(ステップS16)。
MPU108は、温度が設定温度閾値以下の場合には(ステップS16のYes)、補正テーブル40からアシスト量が強く低温用の積極補正テーブル(低温用)T3を選択し(ステップS17)、第1の値よりも絶対値の大きな積極補正テーブル(低温用)T3のアシスト量(第2の値)を加算してWrite/Read Heater値を調節する(ステップS15)。
MPU108は、温度が設定温度閾値以下でない場合には(ステップS16のNo)、補正テーブル40からアシスト量が強く低温以外用の積極補正テーブル(低温以外用)T2を選択し(ステップS18)、第1の値よりも絶対値の大きな積極補正テーブル(低温以外用)T2のアシスト量(第2の値)を加算してWrite/Read Heater値を調節する(ステップS15)。
上述したように、まず、起動直後(電源投入直後及びUnloadからt[min]以上経過)の寝起き状態時において、ヒータ60に通電されるヒータ電流や記録コイル53に通電される記録コイル電流の値として定常状態における通電量(基準値)に対して、一定値(オフセット値)が加算される。その後、Write&Verifyチェック結果および温度に応じたアシスト量が加算されてWrite/Read Heater値が調節されることで、書込素子(記録コイル53と記録コア54)と読出素子55とが磁気ディスク202に向けて突出させるとともに、ヘッド114と磁気ディスク202の間のクリアランス74を適切に維持するため、書き込み処理特性ならびに読み出し処理特性について改善することができる。
最後に、MPU108は、磁気ディスク装置100のスピンドルモータ201の回転開始処理が実施されてから、または上位装置からの動作開始時に発行される特定のコマンドを受信してから、ヘッド浮上量が定常状態での通電量で書き込み処理ができるようになるまでの時間、例えば10分間が経過したのか確認を行う(ステップS19)。
この確認方法については、一定の時間間隔ごとに定期的にタイマカウンタ値を確認して、タイマカウンタ値が前述の時間が経過したことを示す値になっているか、または、タイマカウンタ値とメモリ上に保持した値との差が、同様に前述の時間が経過したことを示す値となっているかを確認するようにすればよい。なお、タイマカウンタ値を確認する時間間隔は、磁気ディスク装置100の動作状態や負荷状態に応じて適宜変更することも可能である。また、一定時間の経過を契機として、MPU108に対して割り込み通知が上がるようにしてもよい。
MPU108は、上述の方法で所定の時間が経過したことを認識すると(ステップS19のYes)、ヒータ60または記録コイル53への通電量を定常状態における通電量へと変更する(ステップS20)。この変更処理においても、前述のステップS11の場合と同様に、変更後の値をレジスタ等に設定することによって変更される。
以上の方法によって、磁気ディスク装置100の起動直後など、環境温度が定常状態と異なる期間であってもヘッド114の浮上量を好適な値とすることができ、かつ定常状態においてもなんら特別な動作をさせることなく、ヘッド114の浮上量を好適な値とできる。そのため、磁気ディスク202に対するデータの書き込み処理等におけるエラー発生を容易に抑止することが可能となり、その結果、記憶装置の信頼性を向上させることが可能となる。
実施形態にかかる磁気ディスク装置100によれば、電源が投入され、または、磁気ディスク202の回転動作が停止している状態からの復帰が指示されたことによって回転が開始された場合、磁気ディスク202上の任意の場所に対してヘッド114により書き込んだ内容が正しいか否かをチェックするためにWrite&Verifyチェックを実行する。チェック結果として内容が正しい場合には、第1の値を被通電体(ヒータ60や記録コイル53)に対する定常状態における通電量に対して加算してヘッド114の突出量を制御する。チェック結果として内容が正しくない場合には、第1の値よりも絶対値の大きな第2の値を被通電体(ヒータ60や記録コイル53)に対する定常状態における通電量に対して加算してヘッド114の突出量を制御する。これにより、起動直後(PowerOFF、またはUnload状態のまま、数時間放置した状態における起動直後)においてヘッド114に対して磁気ディスク202の潤滑剤73などが付着している場合におけるヘッド114の浮上位置の上昇によるWrite/Read特性の悪化の程度をWrite&Verifyを用いチェックすることで起動直後に特性が悪化したヘッド114を見分けるとともに、特性悪化量に応じた値を被通電体(ヒータ60や記録コイル53)に対する定常状態における通電量に対して加算してヘッド114の突出量を制御することができる。したがって、起動直後に特性が悪化したヘッド114を見分ける精度が向上し、従来よりも効果的に、ヘッド浮上位置の上昇によるWrite/Read特性の悪化を防止することができる。
実施形態にかかる磁気ディスク装置100で実行されるファームウェアプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、実施形態にかかる磁気ディスク装置100で実行されるファームウェアプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態にかかる磁気ディスク装置100で実行されるファームウェアプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
実施形態にかかる磁気ディスク装置100で実行されるファームウェアプログラムは、上述した各部(オフセット制御部1、Write&Verify部2、突出量制御部3、テーブル管理部4)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、オフセット制御部1、Write&Verify部2、突出量制御部3、テーブル管理部4が主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
1 オフセット制御部
2 Write&Verify部
3 突出量制御部
4 テーブル管理部
40 テーブル
53 書込素子、被通電体
54 書込素子
55 読出素子
60 被通電体
100 記憶装置
114 ヘッド
201 駆動部
202 記録媒体

Claims (8)

  1. データを記録するための記録媒体と、
    前記記録媒体を回転駆動させる駆動部と、
    前記駆動部により回転駆動される前記記録媒体上で浮上し、前記記録媒体からデータを読み出すための読出素子および前記記録媒体へデータを書き込むための書込素子を有するヘッドと、
    前記ヘッドに設けられ、通電加熱に伴って当該ヘッドを熱膨張させて前記記録媒体に対する前記ヘッドの突出量を変化させる被通電体と、
    前記記録媒体の回転動作が停止している状態から前記駆動部による回転が開始された後、前記記録媒体上の任意の場所に対して前記ヘッドにより書き込んだデータが正しいか否かをチェックするWrite&Verifyチェックを実行するWrite&Verify部と、
    記被通電体に対する定常状態における通電量に対応する基準値に対して、前記Write&Verify部によるチェック結果に応じた値を加算して前記ヘッドの突出量を制御する突出量制御部と、
    を備える記憶装置。
  2. 前記突出量制御部は、前記Write&Verify部によるチェック結果が正しい場合には、第1の値を前記基準値に対して加算して前記ヘッドの突出量を制御し、チェック結果が正しくない場合には、前記第1の値よりも値の大きな第2の値を前記基準値に対して加算して前記ヘッドの突出量を制御する、
    請求項1記載の記憶装置。
  3. 前記Write&Verify部によるチェックに先立ち、前記基準値に対してオフセット値を加算して前記ヘッドの突出量を制御するオフセット制御部を更に備える、
    請求項1記載の記憶装置。
  4. 前記突出量制御部は、チェック結果が正しくない場合には、更に温度を測定し、測定温度が設定温度閾値以下か否かによって前記第2の値を変える、
    請求項2記載の記憶装置。
  5. 前記突出量制御部は、前記第1の値を設定するための補正テーブル、低温以外用の前記第2の値を設定するための補正テーブル、低温用の前記第2の値を設定するための補正テーブルをそれぞれ有するテーブルを用いて前記ヘッドの突出量を制御する、
    請求項4記載の記憶装置。
  6. 記憶装置で実行されるヘッド突出量制御方法であって、
    前記記憶装置は、通電加熱に伴って当該ヘッドを熱膨張させて記録媒体に対するヘッドの突出量を変化させる被通電体と制御部とを備え、前記制御部において実行される、
    Write&Verify部が、前記記録媒体の回転動作が停止している状態から前記記録媒体の回転が開始された後、前記記録媒体上の任意の場所に対して前記ヘッドにより書き込んだデータが正しいか否かをチェックするWrite&Verifyチェックを実行するステップと、
    突出量制御部が、記被通電体に対する定常状態における通電量に対応する基準値に対して、前記Write&Verify部によるチェック結果に応じた値を加算して前記ヘッドの突出量を制御するステップと、
    を含むヘッド突出量制御方法。
  7. 前記突出量制御部は、前記Write&Verify部によるチェック結果が正しい場合には、第1の値を前記基準値に対して加算して前記ヘッドの突出量を制御し、チェック結果が正しくない場合には、前記第1の値よりも値の大きな第2の値を前記基準値に対して加算して前記ヘッドの突出量を制御する、
    請求項6記載のヘッド突出量制御方法。
  8. オフセット制御部が、前記Write&Verify部によるチェックに先立ち、前記基準値に対してオフセット値を加算して前記ヘッドの突出量を制御するステップを更に含む、
    請求項6記載のヘッド突出量制御方法。
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