JP2009032325A - 記憶装置、制御方法及び制御ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】気圧の低い使用環境であっても、ヒータ通電による熱膨張でクリアランスを設定するヘッドの媒体接触を起こすことなく適切に記録再生可能とする。
【解決手段】磁気ディスク装置10は、ヘッドに設けたヒータにより媒体面とのクリアランスを可変させる。クリアランス調整部54は電源投入時に気圧低下に伴うクリアランスの低下を判別すると、ライトベリファイモードに切り替え、ライトベリファイモードの実行によりエラーが発生しなくなるまでヒータ制御値を順次低減してクリアランスを増加させ、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転する記憶媒体上でヘッドを浮上させてデータを読み書きする記憶装置、制御方法及び制御ユニットに関し、特に、ヘッドに設けたヒータの通電加熱による熱膨張でヘッドの記憶媒体面に対するクリアランスを制御する記憶装置、制御方法及び制御ユニットに関する。
従来、磁気ディスク装置の高記録密度を実現するため磁気ディスクの記録面に対するヘッドの素子部とのクリアランス(間隔)を低下させる必要があり、磁気ヘッドが配置されるスライダーと磁気記憶媒体間に流入する空気の圧力(正圧/負圧)を利用してヘッドの浮上によるクリアランスを一定になるように設計している。
記録密度を向上するためにはヘッドと媒体の距離を近づける必要があり、このためヘッドのクリアランスは記録密度の高密度化に伴い年々低下してきており、近年にあっては、ヘッドに設けたヒータの通電加熱による熱膨張でヘッドの記憶媒体面に対するクリアランスを制御することで数nm程度までクリアランスが低下している。
特開2006−107722号公報 特開平7−262726号公報
しかしながら、このような従来のヘッドにヒータを設けて磁気ディスク記録面との間のクリアランスを制御する方法にあっては、通常の使用環境では問題ない場合でも、ひとたび、高地など気圧の低い環境に磁気ディスクが設置された場合には、クリアランスが低下してヘッドと磁気ディスクとが接触してしまい、ライトしようとしたデータが磁気ディスクに正しく記録されていなかった場合、磁気ディスクに記録しているデータを正しくリードできない障害が発生する恐れがある。
このような気圧の低い使用環境での障害を回避するためには、製造段階で通常気圧(1気圧)におけるクリアランスに、気圧低下によるクリアランスの低下分を上乗せしたクリアランスとなるように、ヘッド浮上面形状の設計やヒータ通電量の設定を行うことになるが、このような対策では、使用頻度の高い通常気圧でのクリアランスが高くなってしまうためエラーレイトが悪化してしまうという課題がある。
本発明は、気圧の低い使用環境であっても、ヒータ通電過熱によりクリアランスを設定してもヘッドの記憶媒体との接触を起こすことなく適切に記録再生可能な記憶装置、制御方法及び制御ユニットを提供することを目的とする。
(記憶装置)
本発明は記憶装置を提供する。本発明は、通電加熱に伴う熱膨張により媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させて前記記憶媒体のデータにアクセスする記憶装置に於いて、
ヘッドと前記記憶媒体との間のクリアランスの変化を判別する判別部と、
判別部でクリアランスの変化を判別した際に、記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
モード切替部により切り替えられたライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、ヒータの所定のヒータ制御値を変更しながらライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、調整されたヒータ制御値によるヒータの通電加熱を行うことでヘッドのクリアランスを制御して記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の別の形態にあっては、通電加熱に伴う熱膨張により素子部(読出素子と記録素子)と媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させてデータにアクセスする記憶装置に於いて、
ヘッドのクリアランスを所定の目標値に設定するためのヒータ制御値を、装置の製造段階で登録して管理するヒータ制御値管理部と、
ヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態で検出されたヘッドのクリアランス推定値を、装置の製造段階で登録して管理するクリアランス推定値管理部と、
電源投入時に、登録されたヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態でヘッドのクリアランス推定値を検出するクリアランス検出部と、
電源投入時に検出されたクリアランス推定値と登録されたクリアランス推定値を比較してクリアランスの低下の有無を判別する判別部と、
判別部でクリアランスの低下を判別した際に、記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
モード切替部により切り替えられたライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、登録されたヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させながらライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、ヒータ制御値によるヒータの通電過熱でヘッドのクリアランスを制御して記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
を備えたことを特徴とする。
ここで、ヒータ制御値管理部は、通常気圧の製造環境で求めたヒータ制御値を登録して管理し、クリアランス推定値管理部は、通常気圧の製造環境で検出した前記クリアランス推定値を登録して管理する。
クリアランス検出部は、記憶媒体に記録されているサーボ情報のヘッド読出信号の信号振幅を前記クリアランス推定値として検出し、判別部は、登録した信号振幅に対し検出した信号振幅が増加している場合に、クリアランスの低下を判別する。
クリアランス検出部は、記憶媒体に記録されているサーボ情報のヘッド読出信号を増幅するサーボゲインをクリアランス推定値として検出し、判別部は、登録したサーボゲインに対し検出したサーボゲインが小さい場合に、クリアランスの低下を判別する。
モード切替部は、判定部でクリアランスの低下を判別しなかった場合は、通常のライトモードを維持する。
ヒータ制御値調整部は、モード切替部により切り替えられたライトベリファイモードを実行してエラーを判定しなかった場合、又はライトベリファイモードの実行によるエラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整した場合に、ライトベリファイモードを通常のライトモードに切り替える。
ヒータ制御値管理部は、プリヒート時、記録時及び再生時にヒータに供給する電力を設定する第1ヒータ制御値と、記録時以外のプリヒート時及び再生時に第1ヒータ制御値に加算してヒータに供給する電力を設定する第2ヒータ制御値を登録して管理し、
ヒータ制御値調整部は、第1ヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させる。
アクセス処理部は、
記録時に、所定の設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値を加算した制御値によるヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際に第1ヒータ制御値のみによる通電に切り替えてライトヒートするライトクリアランス制御部と、
再生時に、設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値を加算した制御値によるヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際に加算した制御値を維持してリードヒートするリードクリアランス制御部と、
を備える。
(記憶装置の制御方法)
本発明は記憶装置の制御方法を提供する。本発明は、通電加熱に伴う熱膨張により媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させて記憶媒体のデータにアクセスする記憶装置の制御方法に於いて、
ヘッドと記憶媒体との間のクリアランスの変化を判別する判別ステップと、
判別ステップで前記クリアランスの変化を判別した際に、記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替ステップと、
モード切替ステップにより切り替えられたライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、ヒータの所定のヒータ制御値を変更しながらライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整ステップと、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、調整されたヒータ制御値によるヒータの通電加熱を行うことでヘッドのクリアランスを制御して記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理ステップと、
を備えたことを特徴とする。
(記憶装置の制御ユニット)
本発明は記憶装置の制御ユニットを提供する。本発明は、通電加熱に伴う熱膨張により媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させて記憶媒体のデータにアクセスする記憶装置の制御ユニットに於いて、
ヘッドと記憶媒体との間のクリアランスの変化を判別する判別部と、
判別部でクリアランスの変化を判別した際に、記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
モード切替部により切り替えられたライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、ヒータの所定のヒータ制御値を変更しながらライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、調整されたヒータ制御値によるヒータの通電加熱を行うことでヘッドのクリアランスを制御して記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、製造段階において通常気圧の環境で設定されたヒータ制御値によるヒータの通電過熱でヘッドのクリアランスを制御する場合、磁気ディスク装置の使用環境が確定する電源投入時に、ヘッドからのサーボ読出信号の振幅などからクリアランス推定値を検出し、製造時のクリアランス推定値と比較してクリアランスの低下を判別した場合には、通常のライトモードをライトベリファイモードに切り替え、エラーが発生しなくなるまでヒータ制御値を所定値ずつ減少させながらライトベリファイを実行し、エラー発生のないクリアランスを設定するヒータ制御値に調整し、これによって気圧の低い使用環境であっても、ヘッドが記憶媒体との接触した状態でのライト動作及びリード動作を回避し、ユーザーデータの記録再生における信頼性を向上することができる。
図1は本発明による記憶装置の一実施形態として磁気ディスク装置を示したブロック図である。図1において、ハードディスクドライブ(HDD)として知られた磁気ディスク装置10は、ディスクエンクロージャ12と制御ボード14で構成される。ディスクエンクロージャ12にはスピンドルモータ16が設けられ、その回転軸に磁気ディスク22−1,22−2を装着し、例えば4200rpmの一定速度で回転している。
またディスクエンクロージャ12にはボイスコイルモータ18が設けられ、ボイスコイルモータ18は先端にヘッド24−1〜24−4を搭載したロータリアクチュエータ20を駆動して、磁気ディスク22−1〜22−2の記録面に対するヘッド位置決めを行う。
ヘッド24−1〜24−4は記録素子と読出素子が一体化された複合型のヘッドである。記録素子には面内磁気記録型の記録素子または垂直磁気記録型の記録素子が使用される。垂直磁気記録型の記録素子の場合、磁気ディスク22−1,22−2には記録層と軟磁性体裏磁層を備えた垂直記憶媒体を使用する。読出素子にはGMR素子やTMR素子を使用する。
更に本実施形態のヘッド24−1〜24−4にあってはヒータを内蔵しており、ヒータに対する通電加熱による膨張で、磁気ディスク22−1,22−2の記録面に対するクリアランスを制御できるようにしている。
ヘッド24−1〜24−4はヘッドIC26に対し信号線接続されており、ヘッドIC26は上位装置となるホスト11からのライトコマンドまたはリードコマンドに基づくヘッドセレクト信号で1つのヘッドを選択し、書込みまたは読出しを行う。またヘッドIC26には、ライト系についてはライトドライバが設けられ、リード系についてはプリアンプが設けられている。
更にヘッドIC26には、ヘッドに設けたヒータを制御するためのDA変換器が内蔵されており、制御ボード14側からのヒータ制御値をヒータ駆動電流に変換してヘッドのヒータに流し、熱膨張によってクリアランスを制御するようにしている。
制御ボード14にはMPU28が設けられ、MPU28のバス30に対し、RAMを用いた制御プログラム及び制御データを含むファームウェアをロードする揮発メモリ32、フラッシュROMなどを用いたファームウェア及び制御に必要なパラメータを格納する不揮発メモリ34が設けられる。
またMPU28のバス30には、モータ駆動制御部36、ホストインタフェース制御部38、バッファメモリ42を制御するバッファメモリ制御部40、ハードディスクコントローラ44、ライト変調部,リード変調部として機能するリードチャネル46が設けられている。
ここで、制御ボード14に設けたMPU28、揮発メモリ32、不揮発メモリ34、ホストインタフェース制御部38、バッファメモリ制御部40、ハードディスクコントローラ44及びリードチャネル42は、1つのLSIに実装された制御ユニットとして実現される。
なお制御ユニットは、これらの回路部を1つのLSIにした実施形態以外に、ハードディスクコントローラ44やリードチャネル46などを別のLSIとしてもよく、このため制御ユニットとしては、MPU28などのコントローラを含む制御回路部で構成するようにしてもよい。
磁気ディスク装置10は、ホスト11からのコマンドに基づき書込処理及び読出処理を行う。ここで磁気ディスク装置10における通常の動作を説明すると次のようになる。
ホスト11からのライトコマンドとライトデータをホストインタフェース制御部38で受信すると、ライトコマンドをMPU28で解読し、受信したライトデータを必要に応じてバッファメモリ42に格納した後、ハードディスクコントローラ44で所定のデータ形式に変換すると共に、ECC符号化処理によりECC符号を付加し、リードチャネル46におけるライト変調系で、スクランブルRLL符号変換、更に書込補償を行った後、ライトアンプからヘッドIC26を介して、選択した例えばヘッド22−1の記録素子から磁気ディスク22−1の記録面に書き込む。
このときMPU28からモータ駆動制御部36に対しヘッド位置決め信号が与えられており、ボイスコイルモータ18によりヘッドをコマンドで指示された目標ドライブにシークした後、オントラックして、トラック通常制御を行っている。
一方、ホスト11からのリードコマンドをホストインタフェース制御部38で受信すると、リードコマンドをMPU28で解読し、ヘッドIC26のヘッドセレクトで選択したヘッドの読出素子から読み出された読出信号をプリアンプで増幅した後、リードチャネル46のリード復調系に入力し、自動利得増幅、ローパスフィルタによるノイズカット、AD変換、FIRフィルタによる自動等化を行った後、パーシャルレスポンス最尤検出(PRML)などによりリードデータを復調し、RLL符号逆変換及びデスクランブルを行ってハードディスクコントローラ44に出力し、ハードディスクコントローラ44でECC復号処理を行ってエラー訂正をした後、バッファメモリ42にバッファリングし、ホストインタフェース制御部38からリードデータをホスト11に転送する。
更に、ホスト11からのライトコマンド及びリードコマンドを受信した際のライト動作及びリード動作にあっては、装置製造段階の調整工程で設定しているヒータ制御値を使用したヘッドヒータ制御により、ヘッドのクリアランスを例えば数ナノメートル程度の目標値に制御している。
制御ボード14のMPU28には、ファームウェア(制御プログラム)の実行により実現される機能として、アクセス処理部48、パラメータ管理部50、クリアランス制御部52及びクリアランス調整部54が設けられている。これに対応して、揮発メモリ32にはパラメータテーブル56がロードされている。
図2は図1のMPU28の機能構成の詳細を示したブロック図である。図2において、MPU28に設けたアクセス処理部48には、ライト処理部58、リード処理部60及びライトベリファイ処理部62の機能が設けられている。
ライト処理部58はホストからライトコマンドを受信した際に、コマンド解読で指定された磁気ディスクの目標トラックの目標セクタ位置にライトデータを書き込む処理を実行する。リード処理部60はホストからリードコマンドを受信した際に、コマンド解読で得られた磁気ディスクの目標トラックの目標セクタからデータを読み出してホストにリードアウトする。
ライトベリファイ処理部62は、ライトデータを磁気ディスクに書き込んだ直後にリードして、エラーの有無を判定する。このライトベリファイ処理部62は、本実施形態にあっては、後の説明で明らかにするクリアランス調整時におけるライトモードの切替えで選択されて実行される。
パラメータ管理部50にはヒータ制御値管理部64とクリアランス推定値管理部66が設けられている。ヒータ制御値管理部64は、ヘッドのクリアランスを所定の目標値に設定するためのヒータ制御値をパラメータテーブル56に装置の製造段階で登録して管理しており、ライト動作またはリード動作の際に、パラメータテーブル56から対応するヒータ制御値を読み出してクリアランス制御部52に設定する。
クリアランス推定値管理部66は、ヒータ制御値管理部64で管理しているヒータ制御値によるヒータの通電加熱状態で検出されたヘッドのクリアランス推定値を装置の製造段階でパラメータテーブル32に登録して管理している。またクリアランス推定値管理部66は、クリアランス調整部54によるクリアランス低下の判定の基準値として、該当する登録済のクリアランス推定値をパラメータテーブル56から読み出して設定する。
図3は図2のヒータ制御値管理部64及びクリアランス推定値管理部66で登録管理されているパラメータテーブル56を示した説明図である。
図3において、パラメータテーブル56は、ヘッド番号HH1〜HH4に分けてヒータ制御値とクリアランス推定値を登録している。本実施形態において、ヒータ制御値はベースヒータ制御値(第1ヒータ制御値)と調整ヒータ制御値(第2ヒータ制御値)の2つを登録している。
ベースヒータ制御値は、ライト動作時及びリード動作時にヘッドのヒータに供給する電力を設定するDA変換器に対する入力データである。また調整ヒータ制御値は、ライト動作時以外のプリヒート時及びリード時にベースヒータ制御値に加算してヒータに供給する電力を設定するDA変換器の入力データである。
本実施形態にあっては、ヘッド番号HH1〜HH4の4つを備えていることから、ヒータ制御値としてはベースヒータ制御値B1〜B4を登録し、また調整ヒータ制御値としてはR1〜R4を登録している。
またパラメータテーブル56にはクリアランス推定値として信号振幅V1〜V4及びサーボゲインG1〜G4が登録されている。クリアランス推定値としての信号振幅及びサーボゲインは、図2のクリアランス調整部54に設けたクリアランス検出部72と同じ機能により装置製造段階で検出された値である。即ち、装置製造段階でクリアランス検出部72は、磁気ディスクに記録されているサーボ領域のプリアンブルのヘッド読出信号の信号振幅と、ヘッド読出信号を増幅するサーボゲインGをクリアランス推定値として検出して登録している。
なお、図3のパラメータテーブル56にあっては、クリアランス推定値として信号振幅とサーボゲインの両方を登録しているが、実際の装置にあっては、いずれか一方が登録してあればよい。
再び図2を参照するに、MPU28に設けたクリアランス制御部52にはライトクリアランス制御部68とリードクリアランス制御部70が設けられている。ライトクリアランス制御部68は、ライト動作時に所定の設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から、例えば図3のパラメータテーブル56のヘッド番号HH1を例にとると、ベースヒータ値B1と調整ヒータ値R1を加算した制御値(B1+R1)によるヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際にベースヒータ制御値B1のみによる通電に切り替えてライト動作時のクリアランスを目標値に制御する。
一方、リードクリアランス制御部70は、リード動作時に設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から、ベースヒータ制御値B1と調整ヒータ制御値R1を加算した制御値(B1+R1)によるヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際に、同じ制御値(B1+R1)を維持して、リード時にクリアランスを目標値に制御する。
更に図2のMPU28に設けたクリアランス調整部54には、クリアランス検出部72、判別部74、モード切替部76及びヒータ制御値調整部78が設けられており、このクリアランス調整部54は磁気ディスク装置10の電源投入時に、製造段階の通常気圧に対し使用時の気圧低下に伴うクリアランスの低下を判別すると、通常ライトモードからライトベリファイモードに切り替え、ライトベリファイモードの実行によりエラーが発生しなくなるまでヒータ制御値を順次低減してクリアランスを増加させ、エラーが検出されなくなるヒータ値に調整する。
更に詳細に説明すると、クリアランス検出部72は、磁気ディスク装置10の出荷後のユーザ使用における電源投入時に、パラメータテーブル56に登録された図3に示したヒータ制御値によるヒータの通電加熱状態、具体的にはリードクリアランス制御部70によるヒータの通電加熱状態で、ヘッドのクリアランス推定値を検出する。
このクリアランス検出部72によるヘッドのクリアランス推定値の検出は、図3のパラメータテーブル56に示した製造段階でのクリアランス推定値の測定と同様、サーボ情報のヘッド読出信号における信号振幅又はサーボゲインのいずれか一方を測定する。
即ち、パラメータテーブル56の製造段階でのクリアランス推定値として信号振幅を使用する場合には、クリアランス検出部72においても、電源投入時における信号振幅をクリアランス推定値として検出する。またパラメータテーブル56のサーボゲインを製造段階のクリアランス推定値として使用する場合には、クリアランス検出部72においても同様に、サーボゲインを検出してクリアランス推定値とする。
判別部74は、電源投入時に、クリアランス検出部72で検出されたクリアランス推定値、具体的にはサーボ読出信号の信号振幅又はサーボゲインと、図3のパラメータテーブル56に登録された製造段階で登録したクリアランス推定値、具体的にはサーボ読出信号の信号振幅またはサーボゲインを比較し、クリアランスの低下の有無を判別する。
ここで、クリアランス推定値として信号振幅を使用する場合には、登録した信号振幅に対し電源投入時に検出した信号振幅が増加している場合にクリアランスの低下を判別する。また、クリアランス推定値としてサーボゲインを使用した場合には、登録したサーボゲインに対し電源投入時に検出したサーボゲインが小さい場合に、クリアランスが低下したと判別する。
モード切替部76は、判別部74でクリアランスの低下を判別した際に、磁気ディスクにデータを記録する通常のライトモード、即ちライト処理部58によるライトモードを、磁気ディスクにデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモード、即ちライトベリファイ処理部62による動作モードに切り替える。
ヒータ制御値調整部78は、モード切替部76により切り替えられたライトベリファイモード、即ちライトベリファイ処理部62による動作を実行し、エラーを判定した際には、図3のパラメータテーブル56に登録されているヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させながら、ライトベリファイモードを繰り返し実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整する。
このヒータ制御値調整部で1回に調整するヒータ制御値としては、例えばヘッドクリアランスとして0.5〜1ナノメートル程度のステップ幅となるヒータ制御値の変化量とする。
図4は本実施形態による磁気ディスク装置の内部構造を示した説明図である。図4において、本実施形態の磁気ディスク装置は、ベース80上にスピンドルモータ16により一定速度で回転する磁気ディスク22−1,22−2を配置している。
磁気ディスク22−1,22−2に対しては、軸部82により回転自在に支持されたロータリアクチュエータ20が配置されている。ロータリアクチュエータ20はアーム先端側に装着したサスペンション85の先端にヘッド24−1を配置し、アームの反対側に設けたコイルをベース80に固定して永久磁石を装着した上下に配置したヨークの間に回動自在に配置し、このコイルと固定側でボイスコイルモータ18を構成している。電源投入前の停止状態で、ヘッド24−1はランプロード機構84に位置してロックしている。
図5は本実施形態におけるヘッドの浮上構造を示した説明図である。図5(A)はロータリアクチュエータの先端に装着されるサスペンション85とヘッド24を示している。サスペンション84は薄板のばね部材であり、先端にヘッド24を取り付け、磁気ディスク媒体面上でディスク回転方向86からのディスク回転に伴う気流を受けて、媒体面に対しヘッド24を浮上させている。
図5(B)はヘッド24の媒体面側の平面図であり、媒体面に相対する面に浮上面88−1,88−2,88−3を形成しており、ディスク回転方向86からの気流を浮上媒体面88−1〜88−3で受けて、ヘッドを浮上させている。
図6は本実施形態におけるヒータ通電によるヘッドのクリアランス制御を示した説明図である。図6(A)はヒータに通電しない場合のヘッド浮上を示している。図6(A)において、ヘッド24には磁気ディスク22の記録面に相対して先端側から記録素子90と読出素子92を設けており、記録素子90に近接してヒータ94を内蔵している。
図6(A)は磁気ディスク22を一定速度で回転した状態での気流を受けたヘッド24の浮上状態であり、この浮上状態におけるヘッド24と磁気ディスク22とのクリアランスは通常は光学方式により測定され、例えばクリアランス100が光学方式により測定される。この光学方式による測定は装置の製造段階で可能であるが、本実施形態のようにユーザに出荷した後の電源投入時にあっては、光学方式によるクリアランス100の測定はできない。
そこで本実施形態にあっては、ヘッド24の読出素子92の読出信号に基づいてクリアランス102を測定する。これは磁気ディスク22に対する読出素子92の読出出力とクリアランス102が相関関係を持つことを利用している。即ち、クリアランスが大きいと読出出力は小さく、逆にクリアランスが小さいと読出出力は大きくなる関係にある。
したがって本実施形態にあっては、読出素子92の読出出力をクリアランスの変化量と見立てることにより、クリアランス推定値を求めることにしている。
図6(B)は本実施形態において、ヘッド24に設けたヒータ94に通電して熱膨張による突出部98を突出させて、クリアランスを数ナノメートル程度の目標値に制御した場合である。
このようなヒータ94の通電によるクリアランス制御時にあっては、ヘッド24が磁気ディスク22に最も接近する動作状態は、ヒータ94に通電すると同時に記録素子90に記録電流を流している記録動作時である。
本実施形態において電源投入時に読出素子92の読出出力によりクリアランス102−1を推定しているが、この読出素子92の読出出力から推定したクリアランス推定値102−1だけでディスク面との衝突の有無を判定した場合、クリアランス102−1で媒体衝突がなかったとしても、最もクリアランスが小さくなるのはライト動作時の記録電流による熱膨張が加わった場合の記録素子90のクリアランス104であり、記録素子90のクリアランス104を推定しない限り、磁気ディスク22の記録面との衝突の有無は正確に判定することができない。
そこで本実施形態にあっては、電源投入直後に検出した読出素子92の読出出力に基づくクリアランス102−1のクリアランス推定値については、装置の製造段階で求めたクリアランス推定値との比較してクリアランスが低下したか否かの判定に使用し、クリアランスが低下したことを判定した場合にはライトベリファイモードに切り替える。
ライトベリファイモードは、ヒータ94に通電して記録素子90に記録電流を流した図6(B)のクリアランスが最も小さくなる突出部98の突出状態を作り出し、この状態でライトベリファイ動作によりデータを書き込んだ直後にリードし、エラーが発生すれば、ヘッドは磁気ディスク22の媒体面に衝突していると判定し、ヒータ94に対する通電量を一定量減らしながらライトベリファイ動作を繰り返す。
そして、エラーが検出されなくなるヒータ94のヒータ制御値に調整することで、製造段階での通常気圧に対し使用時の気圧低下に伴うヘッド衝突を回避し、ユーザデータのライト動作及びリード動作を適切に行って、リードエラーの発生を回避する。
ここで、ライトベリファイでヘッドが衝突した場合にエラーが発生する理由は、ヘッドが衝突すると、衝突による衝撃でヘッドがジャンプを繰り返し、クリアランスが大きく変動し、ジャンプでヘッドが飛び上がるとクリアランスの増加で記録磁界が低下し、このためデータの記録磁界が小さい部分が生じでおり、これがリード時にエラーとなる。
図7は本実施形態におけるヘッド構造の詳細を示した説明図である。図7において、ヘッド24はセラミックなどで作られた絶縁体の内部に、記録素子として記録コア90−1と記録コイル90−2を設けている。この記録素子の左側に隣接して読出素子92が設けられる。ヘッド24の磁気ディスク22に対する面は、浮上面として機能するABS面(Air Bearing Surface)95であり、表面に保護膜96を形成している。
一方、磁気ディスク22は基板106上に記録膜108を形成し、記録膜108に続いて保護膜110を形成し、更に表面に潤滑剤112を設けている。更に、ヘッド24の記録素子を構成する記録コア90−1に近接してヒータ94が設けられている。
ヒータ94に通電して加熱することで、ヘッド24の浮上面となるABS面が磁気ディスク22側に熱膨張突出して突出部98を形成する。ヘッド24と磁気ディスク22の間のクリアランス102は、読出素子92の下端から磁気ディスク22の記録膜108までのクリアランスと定義される。
図8は本実施形態におけるヒータ制御系統のブロック図である。図8において、MPU28にはベースヒータ制御値用レジスタ114と調整ヒータ制御値用レジスタ116が設けられている。ライト動作時またはリード動作時には、図3に示したパラメータテーブル56からヘッド番号の指定により対応するベースヒータ制御値Bと調整ヒータ制御値Rが読み出され、それぞれベースヒータ制御値用レジスタ114と調整ヒータ制御値用レジスタ116にセットされる。
ヘッドIC26側にはDA変換器118,120が設けられ、ベースヒータ制御値用レジスタ114及び調整ヒータ制御用レジスタ116にセットされたヒータ制御値B,Rをそれぞれアナログ信号に変換して加算した後、ヘッドセレクト回路124を介して、そのとき選択されているヘッドに対応したヒータ94−1〜94−4のいずれかに電力を供給し、ヘッドを熱膨張により突出し、媒体面に対するヘッド面とのクリアランスであるクリアランスを、予め設定された目標クリアランスに制御する。
ここでプリヒート時及びリード動作時には、ベースヒータ制御用レジスタ114と調整ヒータ制御値用レジスタ116にヒータ制御値B,Rがセットされ、したがって、この場合のヒータ制御値は(B+R)となる。
これに対しライト動作時にあっては、ベースヒータ制御値用レジスタ114にヒータ制御値Bのみがセットされ、調整ヒータ制御値用レジスタ116のヒータ制御値Rはゼロであり、ベースヒータ制御値Bのみによるヒータ制御が行われ、実際にはベースヒータ制御値Bによる熱膨張に加え、記録電流による熱膨張が加わることになる。
図9は本実施形態におけるクリアランス推定値を検出するための読出信号振幅を検出する回路部を示したブロック図である。図9は図1の磁気ディスク装置10におけるリードチャネル46とヘッドIC26を取り出しており、ヘッドIC26にはプリアンプ126が設けられ、プリアンプ126からの出力信号はリードチャネル46の可変利得アンプ(VGA)128で増幅された後、可変イコライザ130で等化され、ADコンバータ132でサンプリングされてデジタルデータに変換され、復調回路134でデータ及びサーボ情報が復調される。
ここで可変利得アンプ128に対しては、ADコンバータ132よりアンプ出力振幅を一定に保つようなAGC制御信号(サーボゲイン信号)E1が供給されている。本実施形態にあっては、可変利得アンプ128に対するAGC信号E1をレジスタ136に保持し、これに基づきMPU28のクリアランス検出部72は、レジスタ136のAGC信号からヘッド読出信号の振幅を計算して取得している。
図10は図9においてクリアランスを推定する信号振幅を検出する測定対象となるトラックのフォーマットを示した説明図である。図10において、トラック140はn個のフレーム142−1〜142−nで構成されている。なお説明を簡単にするため、フレームを直線上に示している。フレーム142−1は、下側に取り出して示すように、サーボ領域144とユーザデータ領域146で構成されている。
サーボ領域144は、下側に拡大して示すように、プリアンブル領域148、同期領域150、トラック番号領域152、サーボ情報領域154及び偏心補正領域156で構成されている。このうちプリアンブル領域148については、ユーザデータの記録基本周波数より低い所定周波数の繰返しパターンがプリアンブルパターンとして記憶されており、このプリアンブルパターンを読み出して、その振幅を取得することになる。
図11(A)は図9の回路部で取得された読出信号の読出信号振幅Vとクリアランスdの関係を示したグラフ図である。図11(A)において、クリアランスdは0〜15[nm]の範囲を示しており、読出信号振幅Vはクリアランスdが小さいほど大きく、信号振幅が低下するとクリアランスdがほぼ直線的に増加する関係にある。
図9の実施形態にあっては、レジスタ136に保持したAGC信号E1から信号振幅を計算しているが、レジスタ136に保持したサーボゲインを示すAGC信号E1をそのままクリアランス推定値としてもよい。
図11(B)はクリアランスdに対するAGC制御信号であるサーボゲインGの関係を示したグラフ図である。即ち、クリアランスdが小さいときは信号振幅が大きいことからサーボゲインGは小さく、クリアランスdが増加すると信号振幅が減少する関係にあることから、逆にサーボゲインGは増加する関係にある。
図12はライトベリファイモードによりクリアランス調整を含む本実施形態の磁気ディスク装置の制御処理を示したフローチャートである。図12において、装置出荷後にユーザが使用する状態で磁気ディスク装置10の電源を投入すると、ステップS1で電源投入に伴う起動処理を実行する。
この起動処理は、不揮発メモリ34のブートコードの実行により初期化診断処理を行い、不揮発メモリ34及び磁気ディスクのシステム領域に格納されているファームウェア及びパラメータテーブル56を揮発メモリ32にロードし、同時にスピンドルモータ16を起動して磁気ディスク22−1,22−2を一定速度で回転させ、アクセス可能状態とする。
続いてステップS2で、MPU28に設けたクリアランス調整部54による処理を実行する。このクリアランス調整部54による処理は、まずステップS2で最初のヘッド例えばヘッド番号HH1のヘッドを選択する。
続いてステップS3でクリアランス推定値の検出処理を実行する。クリアランス推定値の検出処理は、選択したヘッド番号HH1によるパラメータテーブル56の参照でヒータ制御値としてベースヒータ制御値B1と調整ヒータ制御値R1を取得し、図8に示したMPU28のベースヒータ制御値用レジスタ114と調整ヒータ制御値用レジスタ116に、ヒータ制御値B1,R1をそれぞれ設定し、DA変換器118,120でアナログ信号に変換し、ヘッドセレクト回路124を介して、そのとき選択しているヘッドHH1に対応したヘッドのヒータ94−1にヒータ制御値(B1+R1)に対応したヒータ電流を流し、これにより製造段階で設定したパラメータテーブルのヒータ制御値に制御した状態で、図9に示した回路部によりサーボ領域のプリアンブル信号の読出信号から得られた信号振幅をクリアランス推定値として検出する。
続いてステップS4で、ステップS3で検出したクリアランス推定値と図3のパラメータテーブル56から取得した製造段階でのクリアランス推定値である信号振幅V1とを比較し、検出した信号振幅が低下していた場合にはクリアランスの低下と判別し、ステップS5に進み、ライトベリファイモードへの切替えを行う。
ステップS5でライトベリファイモードへ切り替わると、ステップS6でライトベリファイ処理を実行する。ライトベリファイ処理は図2のアクセス処理部48に設けたライトベリファイ処理部62による処理であり、例えばヘッド番号HH1に対応したヘッド24−1により、磁気ディスク22−1の記録面におけるシステム領域の所定トラックにテスト用のデータをライトした直後にリードし、リードしたデータのエラーの有無を判別する。
このステップS6のライトベリファイ処理の実行に伴い、ステップS7でエラーが発生した場合には、ステップS8に進み、クリアランスを一定量引き上げる。具体的には、現在設定している図3のパラメータテーブル56から取得したベースヒータ制御値B1を、予め定めたクリアランス変化量Δdに対応したヒータ制御値変化量ΔBだけ小さくするヒータ制御値(B1−ΔB)とし、再びステップS6に戻り、変更したヒータ制御値(B1−ΔB)と調整ヒータ制御値R1を用いたライトベリファイ処理を実行する。
このステップS6〜S8の処理を、ステップS7でエラー発生がなくなるまで繰り返す。ステップS7でクリアランスを一定量引き上げながら行うライトベリファイ処理の実行でエラー発生がなくなったならば、調整済みのヒータ制御値を揮発メモリ32にロードしているパラメータテーブル56のディフォルトのベースヒータ制御値B1に上書きして変更した後、通常ライトモードに切り替える。
一方、ステップS4でクリアランスの低下を判別しなかった場合には、ステップS10で通常ライトモードを維持したままとする。続いてステップS11で全ヘッドの処理が終了したか否かチェックし、未終了であればステップS2に戻り、次のヘッドを選択し、同様な処理を繰り返す。
ステップS11で全ヘッドの処理終了を判別すると、気圧低下に伴う衝突防止のためのヒータ制御値の調整を終了し、ステップS12でホストコマンドの受領を待つ通常のアイドル状態に移行する。
ステップS12でホストコマンドの受領即ちホストからのライトコマンドまたはリードコマンドの受領を判別すると、ステップS13に進み、クリアランス制御を伴うライト処理またはリード処理を実行し、これをステップS14で停止指示があるまで繰り返す。
ステップS14で停止指示があると、磁気ディスク装置の電源を停止することになり、このとき揮発メモリ32に読出配置しているパラメータテーブル56における調整後のヒータ制御値は電源停止に伴う消去で失われ、次に磁気ディスク装置10を起動した際には、改めて図12のステップS1からの処理により、そのときの気圧に対応した適切なクリアランスをライトベリファイ処理の実行により調整して動作することになる。
なお、必要に応じ電源投入時に調整したヒータ制御値を不揮発メモリ34などに保存し、次の電源投入直後のクリアランス推定値を検出する際の最初のヒータ制御値としても良い。このようにすれば、同じ気圧の低い環境で使い続ける場合の電源投入直後のクリアランスの低下を判定してライトベリファイによりリードエラーが出なくなるまでヒータ制御値を調整する処理が省力できるか、短時間で済む。
図13は本実施形態によるライトクリアランス制御処理を示したフローチャートであり、図2のライトクリアランス制御部68により行われる。図13において、ライトクリアランス制御処理は、まずステップS1でライトコマンドを解読して目標トラックを認識してヘッドとゾーンの指定により図3のパラメータテーブル56を参照してベースヒータ制御値Bと調整ヒータ制御値Rを取得する。
続いてステップS2で、取得したベースヒータ制御値Bを温度補正する。この温度補正は、図3のパラメータテーブル56には装置内常温30℃でのヒータ制御値が登録されていることから、現在の装置内温度Tを読み込んで常温との温度差ΔTを
ΔT=T−30℃
として算出し、これに単位温度当りのヒータ制御値への変換係数を乗算して温度補正値Btを求めて
B=B+Bt
として補正する。
ここで、装置内温度が30℃より高い場合、温度補正値Btはマイナスの値となり、ベースヒータ制御値Bは温度補正値Bt分だけ低い値に補正される。また、装置内温度が30℃未満の場合には、温度補正値Btはプラスの値となり、ベースヒータ制御値Bは温度補正値Bt分だけ高い値に補正される。
次にステップS3で設定セクタ数より手前のセクタからヒート制御値(B+R)でプリヒート制御を行っている。続いてステップS4で目標先頭セクタをチェックしており、目標先頭セクタへの到達を判別すると、ステップS5でヒータ制御値Bのライトヒート制御に切り替え、ステップS6で指定セクタにデータを書き込み、ステップS7でライト終了を判別すると、ステップS8でヒータ制御をオフする。
図14は本実施形態によるリードクリアランス制御処理を示したフローチャートであり、図2のリードクリアランス制御部70により実行される。図14において、リードクリアランス制御処理は、まずステップS1でリードコマンドを解読して目標トラックを認識してヘッドとゾーンの指定により図3のパラメータテーブル56を参照してベースヒータ制御値Bと調整ヒータ制御値Rを取得する。
続いてステップS2で取得したベースヒータ制御値Bを温度補正する。この温度補正は、図3のパラメータテーブル50には常温30℃でのヒータ制御値が登録されていることから、現在の装置内温度Tを読み込んで常温との温度差ΔTを
ΔT=T−30℃
として算出し、これに単位温度当りのヒータ制御値への変換係数を乗算して温度補正値Btを求めて
B=B+Bt
として補正する。
続いて、ステップS3で設定セクタ数より手前のセクタからヒータ制御値(B+R)でプリヒート制御を行う。続いてステップS4で目標先頭セクタへの到達を判別すると、ステップS5に進み、ヒータ制御値(B+R)を変更することなく継続したままリードを開始する。そしてステップS6でリード終了を判別すると、ステップS7でヒータ制御値をオフする。
更に、図2のライトベリファイ処理部62によるライトベリファイ処理のクリアランス制御は、図13のライトクリアランス制御と図14のリードクリアランス制御の組合せとなる。即ち、図13のライトクリアランス制御のステップS1〜S8を実行した直後に図14のリードクリアランス制御に切替え、ステップS1,S2はスキップしてステップS3〜S7を実行する。
また本発明は、磁気ディスク装置10のMPU28で実行する制御プログラムとしてのファームウェアを提供するものであり、このファームウェアは図12〜図14のフローチャートに示した内容を持つ。
なお、上記の実施形態は、クリアランス制御のためのヒータ制御値としてベースヒータ制御値と調整ヒータ制御値の2つを組み合わせて使用するヒータ制御を例にとるものであったが、プリヒート時、ライト動作時、リード動作時のそれぞれに対応した単一のヒータ制御値を使用したクリアランス制御であってもよいことはもちろんである。
また上記の実施形態は磁気ディスク装置を例にとるものであったが、本発明は磁気ディスク装置に限定されず、光ディスク装置や光磁気ディスク装置などの光学的記憶装置のヘッドにおいて、光学ヘッド素子を搭載するヘッドスライダや、光磁気ヘッドを搭載するヘッドスライダや磁界印加ヘッドを搭載するヘッドスライダのクリアランス制御にも同様に適用することができる。
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
ここで本発明の特徴をまとめて列挙すると次の付記のようになる。
(付記)

(付記1)(装置)
通電加熱に伴う熱膨張により媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させて前記記憶媒体のデータにアクセスする記憶装置に於いて、
前記ヘッドと前記記憶媒体との間のクリアランスの変化を判別する判別部と、
前記判別部で前記クリアランスの変化を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
前記モード切替部により切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、前記ヒータの所定のヒータ制御値を変更しながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、調整された前記ヒータ制御値によるヒータの通電加熱を行うことで前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
を備えたことを特徴とする記憶装置。(1)
(付記2)(別形態の装置)
通電加熱に伴う熱膨張により素子部と媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させてデータにアクセスする記憶装置に於いて、
前記ヘッドのクリアランスを所定の目標値に設定するためのヒータ制御値を、装置の製造段階で登録して管理するヒータ制御値管理部と、
前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態で検出された前記ヘッドのクリアランス推定値を、装置の製造段階で登録して管理するクリアランス推定値管理部と、
電源投入時に、登録された前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態で前記ヘッドのクリアランス推定値を検出するクリアランス検出部と、
電源投入時に検出された前記クリアランス推定値と前記登録されたクリアランス推定値を比較してクリアランスの低下の有無を判別する判別部と、
前記判別部でクリアランスの低下を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
前記モード切替部により切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、登録された前記ヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱で前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
を備えたことを特徴とする記憶装置。(2)
(付記3)(通常気圧の製造環境)
付記2記載の記憶装置に於いて、
前記ヒータ制御値管理部は、通常気圧の製造環境で求めた前記ヒータ制御値を登録して管理し、
前記クリアランス推定値管理部と、通常気圧の製造環境で検出した前記クリアランス推定値を登録して管理することを特徴とする記憶装置。(3)
(付記4)(サーボ読出信号振幅でクリアランス推定)
付記2記載の記憶装置に於いて、
前記クリアランス検出部は、前記記憶媒体に記録されているサーボ情報のヘッド読出信号の信号振幅を前記クリアランス推定値として検出し、
前記判別部は、登録した信号振幅に対し検出した信号振幅が増加している場合に、クリアランスの低下を判別することを特徴とする記憶装置。(4)
(付記5)(サーボゲインでクリアランス推定)
付記2記載の記憶装置に於いて、
前記クリアランス検出部は、前記記憶媒体に記録されているサーボ情報のヘッド読出信号を増幅するサーボゲインを前記クリアランス推定値として検出し、
前記判別部は、登録したサーボゲインに対し検出したサーボゲインが小さい場合に、クリアランスの低下を判別することを特徴とする記憶装置。(5)
(付記6)(クリアランス低下なし)
付記2記載の記憶装置に於いて、前記モード切替部は、前記判定部でクリアランスの低下を判別しなかった場合は、前記通常のライトモードを維持することを特徴とする記憶装置。
(付記7)(通常ライトモードへの切替え)
付記2記載の記憶装置に於いて、前記ヒータ制御値調整部は、前記モード切替部により切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定しなかった場合、又は前記ライトベリファイモードの実行によるエラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整した場合に、前記ライトベリファイモードを通常のライトモードに切り替えることを特徴とする記憶装置。
(付記8)(第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値)
付記2記載の記憶装置に於いて、
前記ヒータ制御値管理部は、プリヒート時、記録時及び再生時に前記ヒータに供給する電力を設定する第1ヒータ制御値と、記録時以外のプリヒート時及び再生時に前記第1ヒータ制御値に加算してヒータに供給する電力を設定する第2ヒータ制御値を登録して管理し、
前記ヒータ制御値調整部は、前記第1ヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させることを特徴とする記憶装置。(6)
(付記9)(ライトヒータ制御とリードヒータ制御)
付記8記載の記憶装置に於いて、
前記アクセス処理部は、
記録時に、所定の設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から前記第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値を加算した制御値による前記ヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際に前記第1ヒータ制御値のみによる通電に切り替えてライトヒートするライトクリアランス制御部と、
再生時に、前記設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から前記第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値を加算した制御値による前記ヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際に前記加算した制御値を維持してリードヒートするリードクリアランス制御部と、
を備えたことを特徴とする記憶装置。(7)
(付記10)(方法)
通電加熱に伴う熱膨張により媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させて前記記憶媒体のデータにアクセスする記憶装置の制御方法に於いて、
前記ヘッドと前記記憶媒体との間のクリアランスの変化を判別する判別ステップと、
前記判別ステップで前記クリアランスの変化を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替ステップと、
前記モード切替ステップにより切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、前記ヒータの所定のヒータ制御値を変更しながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整ステップと、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、調整された前記ヒータ制御値によるヒータの通電加熱を行うことで前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理ステップと、
を備えたことを特徴とする記憶装置の制御方法。(8)
(付記11)(別形態の方法)
通電加熱に伴う熱膨張により素子部と媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させてデータにアクセスする記憶装置の制御方法に於いて、
前記ヘッドのクリアランスを所定の目標値に設定するためのヒータ制御値を、装置の製造段階で登録して管理するヒータ制御値管理ステップと、
前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態で検出された前記ヘッドのクリアランス推定値を、装置の製造段階で登録して管理するクリアランス推定値管理ステップと、
電源投入時に、登録された前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態で前記ヘッドのクリアランス推定値を検出するクリアランス検出ステップと、
電源投入時に検出された前記クリアランス推定値と前記登録されたクリアランス推定値を比較してクリアランスの低下の有無を判別する判別ステップと、
前記判別ステップでクリアランスの低下を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替ステップと、
前記モード切替ステップにより切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、登録された前記ヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整ステップと、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱で前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理ステップと、
を備えたことを特徴とする記憶装置の制御方法。
(付記12)(通常気圧の製造環境)
付記11記載の記憶装置の制御方法に於いて、
前記ヒータ制御値管理ステップは、通常気圧の製造環境で求めた前記ヒータ制御値を登録して管理し、
前記クリアランス推定値管理ステップと、通常気圧の製造環境で検出した前記クリアランス推定値を登録して管理することを特徴とする記憶装置の制御方法。
(付記13)(サーボ読出信号振幅でクリアランス推定)
付記11記載の記憶装置の制御方法に於いて、
前記クリアランス検出ステップは、前記記憶媒体に記録されているサーボ情報のヘッド読出信号の信号振幅を前記クリアランス推定値として検出し、
前記判別ステップは、登録した信号振幅に対し検出した信号振幅が増加している場合に、クリアランスの低下を判別することを特徴とする記憶装置の制御方法。
(付記14)(サーボゲインでクリアランス推定)
付記11記載の記憶装置の制御方法に於いて、
前記クリアランス検出ステップは、前記記憶媒体に記録されているサーボ情報のヘッド読出信号を増幅するサーボゲインを前記クリアランス推定値として検出し、
前記判別ステップは、登録したサーボゲインに対し検出したサーボゲインが小さい場合に、クリアランスの低下を判別することを特徴とする記憶装置の制御方法。
(付記15)(クリアランス低下なし)
付記10記載の記憶装置の制御方法に於いて、前記モード切替ステップは、前記判定ステップでクリアランスの低下を判別しなかった場合は、前記通常のライトモードを維持することを特徴とする記憶装置の制御方法。
(付記16)(通常ライトモードへの切替え)
付記10記載の記憶装置の制御方法に於いて、前記ヒータ制御値調整ステップは、前記モード切替ステップにより切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定しなかった場合、又は前記ライトベリファイモードの実行によるエラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整した場合に、前記ライトベリファイモードを通常のライトモードに切り替えることを特徴とする記憶装置の制御方法。
(付記17)(第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値)
付記1記載の記憶装置の制御方法に於いて、
前記ヒータ制御値管理ステップは、プリヒート時、記録時及び再生時に前記ヒータに供給する電力を設定する第1ヒータ制御値と、記録時以外のプリヒート時及び再生時に前記第1ヒータ制御値に加算してヒータに供給する電力を設定する第2ヒータ制御値を登録して管理し、
前記ヒータ制御値調整ステップは、前記第1ヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させることを特徴とする記憶装置の制御方法。
(付記18)(ライトヒータ制御とリードヒータ制御)
付記17記載の記憶装置の制御方法に於いて、
前記アクセス処理ステップは、
記録時に、所定の設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から前記第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値を加算した制御値による前記ヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際に前記第1ヒータ制御値のみによる通電に切り替えてライトヒートするライトクリアランス制御ステップと、
再生時に、前記設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から前記第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値を加算した制御値による前記ヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際に前記加算した制御値を維持してリードヒートするリードクリアランス制御ステップと、
を備えたことを特徴とする記憶装置の制御方法。
(付記19)(制御ユニット)
通電加熱に伴う熱膨張により媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させて前記記憶媒体のデータにアクセスする記憶装置の制御ユニットに於いて、
前記ヘッドと前記記憶媒体との間のクリアランスの変化を判別する判別部と、
前記判別部で前記クリアランスの変化を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
前記モード切替部により切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、前記ヒータの所定のヒータ制御値を変更しながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、調整された前記ヒータ制御値によるヒータの通電加熱を行うことで前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
を備えたことを特徴とする記憶装置の制御ユニット。(9)
(付記20)(別形態の制御ユニット)
通電加熱に伴う熱膨張により素子部と媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させてデータにアクセスする記憶装置の制御ユニットに於いて、
前記ヘッドのクリアランスを所定の目標値に設定するためのヒータ制御値を、装置の製造段階で登録して管理するヒータ制御値管理部と、
前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態で検出された前記ヘッドのクリアランス推定値を、装置の製造段階で登録して管理するクリアランス推定値管理部と、
電源投入時に、登録された前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態で前記ヘッドのクリアランス推定値を検出するクリアランス検出部と、
電源投入時に検出された前記クリアランス推定値と前記登録されたクリアランス推定値を比較してクリアランスの低下の有無を判別する判別部と、
前記判別部でクリアランスの低下を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
前記モード切替部により切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、登録された前記ヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
上位装置からアクセス要求を受けた際に、前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱で前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
を備えたことを特徴とする記憶装置の制御ユニット。
本発明による記憶装置の一実施形態として磁気ディスク装置を示したブロック図 図1におけるMPUの機能構成の詳細を示したブロック図 本実施形態で使用するパラメータテーブルを示した説明図 本実施形態による磁気ディスク装置の内部構造を示した説明図 本実施形態におけるヘッドの浮上構造を示した説明図 本実施形態におけるヒータ通電によるヘッドのクリアランス制御を示した説明図 本実施形態におけるヘッド構造の詳細を示した説明図 本実施形態におけるヒータ制御系統のブロック図 本実施形態におけるクリアランスを推定するために読出信号振幅を検出する回路部を示したブロック図 本実施形態でクリアランス検出を行う測定トラックのフォーマットを示した説明図 本実施形態のクリアランス検出で得られるサーボゲイン及び読出信号振幅に対するクリアランスの関係を示したグラフ図 ライトベリファイモードによりクリアランス調整を含む本実施形態の磁気ディスク装置の制御処理を示したフローチャート 本実施形態によるライトクリアランス制御処理?示したフローチャート 本実施形態によるリードクリアランス制御処理?示したフローチャート
符号の説明
10:磁気ディスク装置
11:ホスト
12:ディスクエンクロージャ
14:制御ボード
16:スピンドルモータ
18:ボイスコイルモータ
20:ロータリアクチュエータ
22−1,22−2:磁気ディスク
24,24−1〜24−4:ヘッド
26:ヘッドIC
28:MPU
30:バス
32:揮発メモリ
34:不揮発メモリ
36:モータ駆動制御部
38:ホストインタフェース制御部
40:バッファメモリ制御部
42:バッファメモリ
44:ハードディスクコントローラ
46:リードチャネル
48:アクセス処理部
50:パラメータ管理部
52:クリアランス制御部
54:クリアランス調整部
56:パラメータテーブル
58:ライト処理部
60:リード処理部
62:ライトベリファイ処理部
64:ヒータ制御値管理部
66:クリアランス推定値管理部
68:ライトクリアランス制御部
70:リードクリアランス制御部
72:クリアランス検出部
74:判別部
76:モード切替部
78:ヒータ制御値調整部
80:ベース
82:軸部
84:ランプロード機構
85:サスペンション
86:ディスク回転方向
88−1〜88−3:浮上面
90:記録素子
90−1:記録コア
90−2:記録コイル
92:読出素子
94,94−1〜94−4:ヒータ
95:ABS面
96,110:保護膜
98:突出部
100,102,102−1,104:クリアランス
106:基板
108:記録膜
112:潤滑剤
114:ベースヒータ制御値用レジスタ
116:調整ヒータ制御値用レジスタ
118,120:DA変換器
124:ヘッドセレクト回路
126:プリアンプ
128:可変利得アンプ
130:可変イコライザ
132:ADC
134:復調回路
136:レジスタ
140:トラック
142−1〜142−n:フレーム
144:サーボ領域
146:ユーザデータ領域
148:プリアンブル領域
150:同期領域
152:トラック番号領域
154:サーボ情報領域
156:偏心補正領域

Claims (9)

  1. 通電加熱に伴う熱膨張により媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させて前記記憶媒体のデータにアクセスする記憶装置に於いて、
    前記ヘッドと前記記憶媒体との間のクリアランスの変化を判別する判別部と、
    前記判別部で前記クリアランスの変化を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
    前記モード切替部により切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、前記ヒータの所定のヒータ制御値を変更しながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
    上位装置からアクセス要求を受けた際に、調整された前記ヒータ制御値によるヒータの通電加熱を行うことで前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
    を備えたことを特徴とする記憶装置。
  2. 通電加熱に伴う熱膨張により素子部と媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させてデータにアクセスする記憶装置に於いて、
    前記ヘッドのクリアランスを所定の目標値に設定するためのヒータ制御値を、装置の製造段階で登録して管理するヒータ制御値管理部と、
    前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態で検出された前記ヘッドのクリアランス推定値を、装置の製造段階で登録して管理するクリアランス推定値管理部と、
    電源投入時に、登録された前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱状態で前記ヘッドのクリアランス推定値を検出するクリアランス検出部と、
    電源投入時に検出された前記クリアランス推定値と前記登録されたクリアランス推定値を比較してクリアランスの低下の有無を判別する判別部と、
    前記判別部でクリアランスの低下を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
    前記モード切替部により切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、登録された前記ヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
    上位装置からアクセス要求を受けた際に、前記ヒータ制御値によるヒータの通電過熱で前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
    を備えたことを特徴とする記憶装置。
  3. 請求項2記載の記憶装置に於いて、
    前記ヒータ制御値管理部は、通常気圧の製造環境で求めた前記ヒータ制御値を登録して管理し、
    前記クリアランス推定値管理部は、通常気圧の製造環境で検出した前記クリアランス推定値を登録して管理することを特徴とする記憶装置。
  4. 請求項2記載の記憶装置に於いて、
    前記クリアランス検出部は、前記記憶媒体に記録されているサーボ情報のヘッド読出信号の信号振幅を前記クリアランス推定値として検出し、
    前記判別部は、登録した信号振幅に対し検出した信号振幅が増加している場合に、クリアランスの低下を判別することを特徴とする記憶装置。
  5. 請求項2記載の記憶装置に於いて、
    前記クリアランス検出部は、前記記憶媒体に記録されているサーボ情報のヘッド読出信号を増幅するサーボゲインを前記クリアランス推定値として検出し、
    前記判別部は、登録したサーボゲインに対し検出したサーボゲインが小さい場合に、クリアランスの低下を判別することを特徴とする記憶装置。
  6. 請求項2記載の記憶装置に於いて、
    前記ヒータ制御値管理部は、プリヒート時、記録時及び再生時に前記ヒータに供給する電力を設定する第1ヒータ制御値と、記録時以外のプリヒート時及び再生時に前記第1ヒータ制御値に加算してヒータに供給する電力を設定する第2ヒータ制御値を登録して管理し、
    前記ヒータ制御値調整部は、前記第1ヒータ制御値を所定値ずつ順次低減してクリアランスを増加させることを特徴とする記憶装置。
  7. 請求項6記載の記憶装置に於いて、
    前記アクセス処理部は、
    記録時に、所定の設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から前記第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値を加算した制御値による前記ヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際に前記第1ヒータ制御値のみによる通電に切り替えてライトヒートするライトクリアランス制御部と、
    再生時に、前記設定セクタ数だけ手前のセクタ位置から前記第1ヒータ制御値と第2ヒータ制御値を加算した制御値による前記ヒータの通電でプリヒートし、目標セクタに到達した際に前記加算した制御値を維持してリードヒートするリードクリアランス制御部と、
    を備えたことを特徴とする記憶装置。
  8. 通電加熱に伴う熱膨張により媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させて前記記憶媒体のデータにアクセスする記憶装置の制御方法に於いて、
    前記ヘッドと前記記憶媒体との間のクリアランスの変化を判別する判別ステップと、
    前記判別ステップで前記クリアランスの変化を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替ステップと、
    前記モード切替ステップにより切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、前記ヒータの所定のヒータ制御値を変更しながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整ステップと、
    上位装置からアクセス要求を受けた際に、調整された前記ヒータ制御値によるヒータの通電加熱を行うことで前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理ステップと、
    を備えたことを特徴とする記憶装置の制御方法。
  9. 通電加熱に伴う熱膨張により媒体面とのクリアランスを可変させるヒータを備えたヘッドを、回転する記憶媒体上で浮上させて前記記憶媒体のデータにアクセスする記憶装置の制御ユニットに於いて、
    前記ヘッドと前記記憶媒体との間のクリアランスの変化を判別する判別部と、
    前記判別部で前記クリアランスの変化を判別した際に、前記記憶媒体にデータを記録する通常のライトモードを、前記記憶媒体にデータをライトした直後にリードしてエラーの有無を判定するライトベリファイモードに切り替えるモード切替部と、
    前記モード切替部により切り替えられた前記ライトベリファイモードを実行してエラーを判定した際に、前記ヒータの所定のヒータ制御値を変更しながら前記ライトベリファイモードを実行し、エラーが検出されなくなるヒータ制御値に調整するヒータ制御値調整部と、
    上位装置からアクセス要求を受けた際に、調整された前記ヒータ制御値によるヒータの通電加熱を行うことで前記ヘッドのクリアランスを制御して前記記憶媒体のデータにアクセスするアクセス処理部と、
    を備えたことを特徴とする記憶装置の制御ユニット。
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