JP4907795B2 - ペット用オムツ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はペット用の使い捨てオムツ、生理用吸収性物品等のペット用装着物品の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のペット用オムツとして、オープンタイプと称され、概ね長方形状の本体部を有し、未使用状態ではフラットな姿勢のものがある。このようなタイプのオムツは、尻尾に対応する位置に穴を開けてあり、使用(装着)に際しては、その穴にペットの尻尾を通す。なお、ペットの尻尾を通す穴は、そこからの漏れを防止するために、尻尾の径に対して必要以上に大きく設計することはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のペット用オムツにおいては、オムツの装着時にペットの尻尾を手でつかんで穴に通す必要がある。このため、ペットがオムツの装着を嫌がることが多い。また、オムツに形成された小さめの穴にペットの尻尾を通す作業をスムーズに行うことは容易ではなかった。
【0004】
ところで、ペットの体型は様々である。従来のように、オムツの一定の位置に尻尾用の穴を形成していると、ペットによってはきちんと装着できない場合がある。その結果、オムツのずれ、排泄物の漏れが発生する。
【0005】
本発明は上記のような状況に鑑みて成されたものであり、装着の容易なペット用オムツを提供することを目的とする。また、体型、体格の異なるペットに対しても柔軟に対応でき、フィット性に優れたペット用オムツを提供することを他の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係るペット用オムツは、ペットの胴体に沿って顔側及び尻尾側に位置する前側及び後側端部を有する本体部と;前記本体部においてペットの排泄物を吸収する吸収体と;前記本体部の後側端部を左右に2分割することによって形成される2本の帯状部とを備えている。そして、オムツの装着に際しては、前記ペットの尻尾側において前記ペットの尻部を包み込むように前記2本の帯状部の端部を互いに交差させるとともに、当該2本の帯状部の端部を前記前側端部に接着することによって前記ペットの胴体に固定する。
【0007】
上記のように、オムツ本体の端部に形成された2本の帯状部によって、ペットの尻尾を挟み込むようにしているため、オムツ本体にはスリットを形成するだけで足り、穴を形成する必要がない。このため、ペットの尻尾を手でつかむことなく、極めて簡易にオムツの装着を行うことができる。また、帯状部を尻尾の部分で交差させており、尻尾付近に隙間ができ難いため、当該帯状部同士を固定するための接着手段を設ける必要がない。すなわち、帯状部と本体部とを接着するための2つの接着部によって、オムツをペットに固定することが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明においては、2本の帯状部の各々の端部には、前記本体部の長手方向と平行に延びる接着テープが設けられている。このため、帯状部を引き上げ、交差させた後に、前側端部に接着させることによって、ペットの胴体に対して容易にオムツを固定することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明においては、請求項2の場合とは逆に、前記本体部の前側端部に、前記本体部の長手方向と直交する幅方向に延びる2本の接着テープが設けられており、これら接着テープが前記2本の帯状部と各々接着する。このような構成により、請求項2の場合と同様に、ペットの胴体に対して容易にオムツを固定することができる。
【0010】
請求項4に記載の発明においては、前記本体部の後側端部を分割する際の切り込みは、前記吸収体に達していない。このような構成により、後側端部の分割部分から尿などの排泄物が漏れ出るのを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、添付図面を参照して説明する。なお、本明細書の発明の名称として「オムツ」としているが、本発明はオムツ以外にも、尻尾を有するペット用の生理用吸収物品などの実用品の他に、ファッション性のある衣類等のペット用装着物品に広く適用できるものである。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施例にかかるペット用オムツ10の構造を示す平面図(内側)である。図2は、ペット用オムツ10の構造を示す平面図(外側)である。また、図3は、図1のI−I方向の断面図である。本実施例に係るペット用オムツは、全体に長方形をした本体部と;本体部においてペットの排泄物を吸収する吸収体12とを備えている。図3に示すように、吸収体12は透液性のトップシート30と防水性のバックシート32との間に配置されている。トップシート30とバックシート32は、上下の端部が幅方向に広がった砂時計型に成形されている。本実施例においては、ペットの胴体(48)に沿って顔側及び尻尾側に位置する端部を、前側及び後側端部と称する。前側端部は図1及び図2の上側に対応し、後側端部は下側に対応する。
【0013】
本体部の後側端部には、吸収体12は配置されず、中央にスリット24が形成されている。このスリット24によって、左右2本の帯状部16a,16bを形成する。なお、スリット24の長さは、吸収体12に達しない長さとすることが重要である。吸収体12までスリット24が達していると、そこから尿などの排泄物が漏れてしまうためである。
【0014】
2本の帯状部16a,16bの各々の端部には、本体部の長手方向と平行な方向に延びる固定テープ14a,14bが設けられている。固定テープ14a,14bとしては、例えば、メカニカルファスナーの雄側(フック)を使用することができる。
【0015】
図2に示すように、バックシート32側の前側端部には、固定テープ14a,14bに接着する接着領域26が形成されている。接着領域26は、固定テープ14a,14bの構造に対応し、メカニカルファスナーの雌側(ループ)を使用する。なお、接着領域26には、補強用のシートを貼り合わせることが好ましい。補強用シートとしては、例えば、2軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを使用することができる。
【0016】
オムツ10の装着に際しては、ペットの尻部を包み込むように2本の帯状部16a,16bを互いに交差させるとともに、当該2本の固定テープ14a,14bを接着領域26上の部位28b,28a周辺に各々接着する。
【0017】
本実施例においては、トップシート30として液透過性の不織布を使用し、バックシート32としては液不透過性の素材を使用する。ここで、バックシート32の外表面側には、フィルムのように摩擦抵抗の小さい素材ではなく、不織布のような摩擦抵抗の大きな素材を採用することが好ましい。このような構成にすることにより、2本の帯状部16a,16bを交差させた(重ね合わせた)時に、両者がずれにくくなり、ペットの尻尾付近のフィット性が向上する。
【0018】
トップシート30とバックシート32との間において、長手方向に沿った両側部には、糸ゴムが挿入、固定され、ギャザー部22a,22bを形成する。同様に、前側端部と後側端部においても、ギャザー部18,20a,20bが形成されている。
【0019】
次に、本実施例に係るペット用オムツの使用方法について、図4〜図6を参照して説明する。最初に、図4に示すように、ペットの胴体48の下側において、オムツ本体の前側半分をあてがう。その後、後側端部の帯状部16a,16bを引き上げ、図5に示すように、尻尾50を左右両側から挟み込むように、且つ、尻部を包み込むように、帯状部16a,16bを交差させる。
【0020】
その後、固定テープ14aをバックシート32側の接着領域26上の部位28b付近に接着する。同様に、固定テープ14bをバックシート32側の接着領域26上の部位28a付近に接着する。これにより、図6に示すように、本実施例に係るオムツ10がペットに対して固定される。
【0021】
図7及び図8は、本発明の第2の実施例にかかるペット用オムツの構造を示す平面図(内側及び外側)である。なお、上記第1の実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の符号を付し、重複した説明を避ける。本実施例が上記第1の実施例と異なる点は、固定テープ14a,14bの位置である。すなわち、本実施例においては、固定テープ14a,14bは、2本の帯状部16a,16bの各々の側部において、本体部の長手方向と垂直は幅方向に延びている。
【0022】
図9は、本発明の第3の実施例にかかるペット用オムツの構造を示す平面図(内側)である。なお、上記第1及び第2の実施例と同一又は対応する構成要素については、同一の符号を付し、重複した説明を避ける。本実施例が上記第1及び第2の実施例と異なる点は、固定テープ14a,14bの位置である。すなわち、本実施例においては、固定テープ14a,14bを後側端部ではなく、前側端部に設けるとともに、接着領域26を後側端部に設けている。
【0023】
本実施例においても、上記第1実施例と同様に、接着領域26に補強用のシートを貼り合わせることが好ましい。
【0024】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内で適宜設計変更可能であることは言うまでもない。例えば、帯状部16a,16bを互いに接着するための固定テープを更に備えても良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本出願の請求項1に記載の発明によれば、オムツ本体の端部に形成された2本の帯状部によって、ペットの尻尾を挟み込むようにしているため、オムツ本体にはスリットを形成するだけで足り、穴を形成する必要がない。このため、ペットの尻尾を手でつかむことなく、極めて簡易にオムツの装着を行うことができる。また、帯状部の交差具合、引っ張り具合などを調整することによって、ペットの胴体及び尻部の形状、大きさ、尻尾の位置に柔軟に対応することができ、常に良好なフィット性で装着することができる。また、スリットを形成する構造であり、穴を開ける場合のように、製造時において穴に相当する部分から除去された材料が発生するようなことがない。更に、帯状部を尻尾の部分で交差させており、尻尾付近に隙間ができ難いため、当該帯状部同士を固定するための接着手段を設ける必要がない。すなわち、帯状部と本体部とを接着するための2つの接着部によって、オムツをペットに固定することが可能となる。
【0026】
また、請求項2及び3に記載の発明によれば、ペットの胴体に対して容易にオムツを固定することが可能となる。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、後側端部を分割する際の切り込みが、吸収体に達していないため、当該箇所から尿などの排泄物が漏れ出るのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施例にかかるペット用オムツの構造を示す平面図(内側)である。
【図2】図2は、第1の実施例にかかるペット用オムツの構造を示す平面図(外側)である。
【図3】図3は、図1のI−I方向の断面図である。
【図4】図4は、第1の実施例の使用方法を示す説明図である。
【図5】図5は、第1の実施例の使用方法を示す説明図である。
【図6】図6は、第1の実施例の使用状態を示す説明図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施例にかかるペット用オムツの構造を示す平面図(内側)である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施例にかかるペット用オムツの構造を示す平面図(外側)である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施例にかかるペット用オムツの構造を示す平面図(内側)である。
【符号の説明】
10 ペット用オムツ
12 吸収体
14a,14b 固定テープ
16a,16b 帯状部
26 接着部
48 ペット胴体
50 尻尾

Claims (4)

  1. ペットの胴体に沿って顔側及び尻尾側に位置する前側及び後側端部を有し、全体に長方形に成形された本体部と;
    前記本体部の長手方向中央よりも前側端部寄りに設けられ、ペットの排泄物を吸収する吸収体と;
    前記本体部の後側端部から前側端部方向に向かってスリットを形成して左右に2分割することによって形成される2本の尻部固定用帯状部とを備え、
    前記スリットは、前記吸収体に達することなく、前記本体部の後側端部から前側端部に向かって徐々に幅が狭くなるように成形され、
    当該オムツの装着に際しては、前記ペットの尻尾側において前記ペットの尻部を包み込むように前記2本の帯状部の端部を互いに交差させるとともに、当該2本の帯状部の端部を前記前側端部に接着することによって前記ペットの胴体に固定することを特徴とするペット用オムツ。
  2. 前記2本の帯状部の各々の端部には、前記本体部の長手方向と平行に延びる接着テープが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のペット用オムツ。
  3. 前記本体部の前側端部には、前記本体部の長手方向と直交する幅方向に延びる2本の接着テープが設けられており、これら接着テープが前記2本の帯状部と各々接着することを特徴とする請求項1に記載のペット用オムツ。
  4. 前記本体部は、ペットの肌に接する液透過性の表面シートと、当該表面シートの反対側の液不透過性の裏面シートとを有し、
    前記表面シートの少なくともペットの肌側(内側)の面が不織布で構成され、前記裏面シートの少なくとも外表面が不織布で構成されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載のペット用オムツ。
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