JP4907788B2 - 故障伝搬経路推定システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、論理回路における故障伝搬経路推定システムに関し、特に、故障出力端子から入力方向に故障伝搬経路を推定する故障伝搬経路推定システムに関する技術に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、故障箇所推定システムは、故障出力を含む出力パターンを満足するような1つの故障が伝搬している可能性のある経路を推定し、かつ、その情報を基にして故障箇所を推定するシステムである。
【0003】
特開平08−146093号公報、特開平10−062494号公報に記載されている技術は、故障出力端子に関係する部分回路を抽出し、部分回路内の故障伝搬経路を推定し、必要があれば更に入力側に部分回路を抽出して、全ての故障伝搬経路を推定した後で、推定した経路の接続情報を基に経路上のノードの重みを計算して、論理回路内の重みの高いノードを故障候補として出力するものである。
【0004】
次に、従来技術の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0005】
図10は、従来技術における故障伝搬経路推定システムの構成の一例を示す図である。
【0006】
図10に示すように、キーボード、又は、外部装置とのインターフェース部である入力装置101と、プログラム制御により動作する故障伝搬経路推定処理装置(故障伝搬経路推定装置、誤り伝搬経路推定処理装置)102と、故障伝搬経路推定処理に必要な情報を記憶する記憶装置104と、ディスプレイ装置や印刷装置、又は、外部装置とのインターフェース部である出力装置105とを含む。
【0007】
記憶装置104は、論理回路構成記憶部141と、論理状態記憶部142とを備えている。論理回路構成記憶部141は、論理回路を構成するゲートと信号線とその接続関係、及び、ゲートの機能をあらかじめ記憶している。
【0008】
論理状態記憶部142は、故障伝搬経路推定処理中の各信号線における論理状態、及び回路が正常であるときの各信号線の論理状態(期待値)を記憶している。
【0009】
故障伝搬経路推定装置102は、故障端子検索手段121と、部分回路抽出手段122と、部分回路内論理状態推定手段123と、論理状態登録手段124と、故障候補検索手段125と、故障候補出力手段126とを備える。
【0010】
故障端子検索手段121は、論理回路構成記憶部141に記憶された回路構成と、論理状態記憶部142に記憶された論理状態を参照して、故障出力端子を検索する。ここで、検索対象がない場合は故障伝搬経路推定処理を終了する。
【0011】
部分回路抽出手段122は、論理回路構成記憶部141に記憶された回路構成を参照して、故障端子検索21で検索した故障出力端子に関係する部分回路を抽出する。
【0012】
部分回路内論理状態推定手段123は、論理回路構成記憶部141に記憶された回路構成と、論理状態記憶部142に記憶された部分回路の境界の論理状態を参照して、部分回路内部の故障伝搬経路を推定する。
論理状態登録手段124は、部分回路内論理状態推定手段123によって推定された部分回路の論理状態を論理状態記憶部142に登録する。
故障候補検索手段125は、部分回路内論理状態推定手段123によって推定された部分回路の故障伝搬経路を参照して、全ての故障出力に故障状態を伝搬する可能性のある故障伝搬経路上のノード(ゲート、信号線)を故障候補として検索する。
【0013】
故障候補出力手段126は、故障候補検索手段125によって検索した故障候補を出力装置5に出力する。
【0014】
図11は、図10の動作におけるフローチャートの一例を示す図である。
【0015】
図10と図11とを参照して、従来技術の動作について説明する。
【0016】
故障端子検索手段121において論理回路構成記憶部141に記憶された回路構成と、論理状態記憶部142に記憶された論理状態を参照して、故障出力端子を検索する(ステップA101)。
【0017】
検索対象の故障出力端子を検出した場合は、ステップA103に処理を進める。もし、検索対象がない場合は故障伝搬経路推定を終了する(ステップA102)。
【0018】
部分回路抽出手段122において、論理回路構成記憶部141に記憶された回路構成を参照して、故障端子検索21で検索した故障出力端子に関係する部分回路を抽出する(ステップA103)。この部分回路の抽出は、特開平10−062494号公報に記載されているように、入出力方向に数回回路をトレースして抽出してもよいし、回路設計における階層を利用してもよい。
【0019】
次に、部分回路内論理状態推定手段123は、論理回路構成記憶部141に記憶された回路構成と、論理状態記憶部142に記憶された部分回路の境界の論理状態を参照して、部分回路内部の故障伝搬経路を推定する(ステップA104)。
【0020】
次に、論理状態登録手段124は、ステップA104において推定した部分回路の論理状態を論理状態記憶部142に登録する(ステップA105)。
【0021】
ステップA106において、故障候補検索手段125は、部分回路内論理状態推定手段123によって推定された部分回路の故障伝搬経路を参照して、全ての故障出力に故障状態を伝搬する可能性のある故障伝搬経路上のノード(ゲート、信号線)を故障候補として検索する。
【0022】
故障候補出力手段126は、故障候補検索手段125によって検索した故障候補を出力装置105に出力する(ステップA107)。
【0023】
図6は、2入力NANDゲートにおける入出力方向の含意操作の一例を示す図である。
【0024】
図7は、入出力端子の期待値と出力信号の論理値の一例を示す図である。
【0025】
図8は、論理状態を求める決定木の一例を示す図である。
【0026】
図9は、決定木の結果の一例を示す図である。
【0027】
図6、図7、図8、図9、図10及び図11を参照して従来技術の動作の流れを詳細に説明する。
【0028】
初期状態として、対象ゲートの入出力端子の期待値と出力信号の論理値(L22=1、L23=1)が与えられている場合を考える。図に示すように、L23が故障出力である。
【0029】
入出力端子及び信号線の初期状態と期待値は、次のとおりである。L1=X[1]、L2=X[1]、L3=X[1]、L6=X[1]、L7=X[1]、L22=1[1]、L23=1[0]。なお、括弧内の数字は期待値を表している。
【0030】
ステップA101において、故障端子検索手段121によって、論理回路の故障出力端子を検索し、L23が故障端子として検索される。
【0031】
未処理の故障端子を検出したので、ステップA103に処理を移る(ステップA102)
ステップA103において、部分回路抽出手段122によって、L23に関係する部分回路を抽出する。ここでは、回路全体が抽出されているとする。
【0032】
次に、ステップA104において、部分回路内論理状態推定手段123によって、部分回路内の論理状態を推定する。
【0033】
L22=1、L23=1によって含意される信号線の状態はないので、論理の仮定をおく信号線を検索する。特開平11−153646号公報によると、論理の仮定は故障信号線に接続し、かつ、状態の確定していないゲート(未確定ゲート)の入力信号線におく。
【0034】
図6に示す2入力NANDゲートにおける入出力方向の含意操作のように、出力信号線の論理値が「1」、入力信号線の論理値が2つとも「X」であるときは入力信号線のどちらかの論理値が「0」であるはずであるが確定していないので、未確定ゲートと判断する。ここでは、故障信号線L23に接続したゲートG23の入力信号線の一つL16に論理値「0」を仮定する。L16=0と仮定したことにより、G16の含意操作によってL2=1、L11=1が含意される。
【0035】
以降、含意操作と論理の仮定を繰り返すことにより、図8の決定木に示されるように、2箇所の信号線に論理値を仮定して3つの論理状態が求まる。求めた回路内の論理状態は、図8の四角枠で囲んだ部分に(L1、L2、L3、L6、L7、L10、L11、L16、L19、L22、L23)の順序で各信号線の論理値を記述している。下線は、期待値と異なる故障伝搬経路を表している。
【0036】
次に、ステップA105において、求めた論理回路内の論理状態、及び、故障伝搬経路を、論理状態記憶部142に登録する。
【0037】
再び、故障端子検索手段121によって故障端子を検索するが(ステップA101)、未処理の故障端子はないので、処理をステップA106に移る(ステップA102)。
【0038】
ステップA106において、故障伝搬経路上の故障候補を検索する。ここでは、3つの論理状態が求まっているが、case1=(X10XX110X11)の状態からは{L3、L11、L16、L23}が、case2=(X110XX10X11)の状態からは{L6、L11、L16、L23}が、case3=(10101011011)の状態からは{L6、L11、L16、L23}が、故障候補として得られる。case1からはL10も期待値と異なる値と推定されているが、L10で故障が生じてもL23に影響を与えないので省略している。case3におけるL2も同様にL23に影響を与えないので省略している。
【0039】
ステップA107において、これらの故障候補を出力する。
【0040】
さて、次にLSIの測定により、L11の論理状態として「0」が得られた場合を考える。従来手法では再び故障出力端子から内部状態を推定する。
【0041】
故障信号線L23に接続したゲートG23の入力信号線の一つであるL16に論理値「0」を仮定する。L16=0と仮定したことにより、G16の含意操作によってL2=1、L11=1が含意されるが、L11=0は実測値として得られているので、L16の経路追跡はここで終了する。
【0042】
次に、L16=1を仮定し、G22においてL10=0、G23においてL19=0、G19においてL7=1、L11=1が含意されるが、L11=0が実測値として得られているので、論理矛盾が生じるので推定処理をここで終了する。従って、決定木として図9が得られる。
【0043】
その結果、2つの論理状態が求まり、(XXXXXX00X11)の状態からは{L16、L23}が、(XXXXX001011)の状態からは{L19、L23}が、故障候補として得られる。ステップA107において、これらの故障候補を出力する。
【0044】
さて、次にLSIの測定により、L11の論理状態として「1」が得られた場合を考える。従来手法では再び故障出力端子から内部状態を推定する。
【0045】
故障信号線L23に接続したゲートG23の入力信号線の一つであるL16に論理値「0」を仮定する。L16=0と仮定したことにより、G16の含意操作によってL2=1、L11=1が含意されるが、L11=1は実測値として得られており矛盾しない。
【0046】
論理の仮定と含意操作を繰り返し、推定を進めることで、決定木として図8と同一の決定木が得られる。その結果、3つの論理状態が求まっているが、(X10XX110X11)の状態からは{L3、L11、L16、L23}が、(X110XX10X11)の状態からは{L6、L11、L16、L23}が、(10101011011)の状態からは{L6、L11、L16、L23}が、故障候補として得られる。
【0047】
ステップA107において、これらの故障候補を出力する。
【0048】
このように、測定点の情報を故障箇所推定の結果にフィードバックさせる場合、従来技術は最初から故障箇所推定処理をやり直すため、再度同じ計算を行う必要があり、前回行った推定結果を利用することができない。そのため、回路が大規模化し、測定点が故障出力端子から回路内部に深く入った場所であるときに、再計算の処理が膨大になる。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術には以下に掲げる問題点があった。
【0050】
第1の問題点は、測定結果が得られたときに、故障箇所の推定処理を最初から再度行う必要がある。その理由は、既に推定した結果に測定結果情報を付加して推定処理を行う手段がないからである。
【0051】
第2の問題点は、大規模回路において測定結果を元に再計算する際に処理時間が長いことである。その理由は、測定点に関係する部分のみを再計算する手段がないからである。
【0052】
即ち、従来技術での動作で示したように、測定点の情報を故障箇所推定の結果にフィードバックさせる場合、最初から故障箇所推定処理をやり直すため、再度同じ計算を行う必要があり、前回行った推定結果を利用することができない。そのため、回路が大規模化し、測定点が故障出力端子から回路内部に深く入った場所であるときに、再計算の処理が膨大になるという問題点があった。
【0053】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、測定結果を測定前に推定した故障箇所推定結果に付加して、推定処理を行い、また、大規模回路において、測定点に関係する部分のみを高速に再計算することのできる故障伝搬経路推定システムに関する技術を提供する点にある。
【0054】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の要旨は、論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定システムであって、最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、最初の推定処理であるか測定後の再計算であるかを判定する再計算判定手段と、前回の推定処理において得られた故障伝搬経路を検索する故障伝搬経路検索手段と、測定点の論理値が確定することで論理状態が含意される経路と測定点に故障状態を伝搬する原因となる経路とを含む、検索された故障伝搬経路毎に前記測定点に関係する経路における論理値の検証を行う測定点近傍含意操作手段と、検証された結果に応じて故障伝搬経路を更新する故障伝搬経路更新手段とを備えることを特徴とする故障伝搬経路推定システムに存する。
請求項2記載の本発明の要旨は、前記測定点近傍含意操作手段は、前記測定点の論理値が確定することで論理状態が含意される経路と前記測定点に故障状態を伝搬する原因となる経路とを含む、前記測定点に関係する経路の論理値を検証するとき、複数の故障伝搬経路を重ね合わせて一度に経路の検証を行うことを特徴とする請求項1に記載の故障伝搬経路推定システムに存する。
請求項3記載の本発明の要旨は、前記測定点近傍含意操作手段は、前記測定点の実測値が期待値と等しい正常値である場合に、前記測定点を基点として入力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点に故障状態を伝搬する経路の論理値を、前記測定点の実測値と矛盾しない値に変更する入力方向クリティカル経路探索手段と、前記測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除する矛盾経路削除手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の故障伝搬経路推定システムに存する。
請求項4記載の本発明の要旨は、前記測定点近傍含意操作手段は、前記測定点の実測値が期待値と異なる異常値である場合に、前記測定点を基点として出力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点によって故障状態を含意される経路を検索する出力方向クリティカル経路探索手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の故障伝搬経路推定システムに存する。
請求項5記載の本発明の要旨は、論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定方法であって、最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、最初の推定処理であるか測定後の再計算であるかを判定する第1のステップと、前回の推定処理において得られた故障伝搬経路を検索する第2のステップと、測定点の論理値が確定することで論理状態が含意される経路と前記測定点に故障状態を伝搬する原因となる経路とを含む、故障伝搬経路毎に前記測定点に関係する経路の論理値の検証を行う第3のステップと、該第3のステップにおいて、検証された結果に応じて故障伝搬経路を更新する第4のステップとを備えることを特徴とする故障伝搬経路推定方法に存する。
請求項6記載の本発明の要旨は、前記第3のステップは、前記測定点の論理値が確定することで論理状態が含意される経路と前記測定点に故障状態を伝搬する原因となる経路とを含む、前記測定点に関係する経路の論理値を検証する際に、複数の故障伝搬経路を重ね合わせて一度に経路の検証を行うステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の故障伝搬経路推定方法に存する。
請求項7記載の本発明の要旨は、前記第3のステップは、前記測定点の実測値が期待値と等しい正常値である場合に、前記測定点を基点として入力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点に故障状態を伝搬する経路の論理値を、前記測定点の実測値と矛盾しない値に変更し、前記測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除するステップを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の故障伝搬経路推定方法に存する。
請求項8記載の本発明の要旨は、前記第3のステップは、測定点の実測値が期待値と異なる異常値である場合に、測定点を基点として出力方向に故障伝搬経路を辿り、測定点によって故障状態を含意される経路を検索し、測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除するステップを含むことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の故障伝搬経路推定方法に存する。
請求項9記載の本発明の要旨は、論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定処理において、最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、最初の推定処理であるか測定後の再計算であるかを判定する再計算判定処理と、前回の推定処理において得られた故障伝搬経路を検索する故障伝搬経路検索処理と、測定点の論理値が確定することで論理状態が含意される経路と測定点に故障状態を伝搬する原因となる経路とを含む測定点に関係する経路の論理値の検証を行う測定点近傍含意操作処理と、検証された結果に応じて故障伝搬経路を更新する故障伝搬経路更新処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体に存する。
請求項10記載の本発明の要旨は、論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定処理において、最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、測定点の論理値が確定することで論理状態が含意される経路と前記測定点に故障状態を伝搬する原因となる経路とを含む、測定点に関係する経路の論理値を検証する際に、複数の故障伝搬経路を重ね合わせて一度に経路の検証を行う測定点近傍含意操作処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体に存する。
請求項11記載の本発明の要旨は、論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定処理において、最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、測定点の実測値が期待値と等しい正常値である場合に、測定点を基点として入力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点に故障状態を伝搬する経路の論理値を、前記測定点の実測値と矛盾しない値に変更する入力方向クリティカル経路探索処理と、前記測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除する矛盾経路削除処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体に存する。
請求項12記載の本発明の要旨は、論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定処理において、最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、測定点の実測値が期待値と異なる異常値である場合に、前記測定点を基点として出力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点によって故障状態を含意される経路を検索する出力方向クリティカル経路探索処理と、前記測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除する矛盾経路削除処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体に存する。
請求項13記載の本発明の要旨は、請求項5乃至8のいずれかに記載の故障伝搬経路推定方法を実行可能なプログラムが記録された記録媒体に存する。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0056】
図1は、本実施の形態に係る故障伝搬経路推定システムの概略を示す図である。
【0057】
図1に示すように、本実施の形態に係る故障伝搬経路推定システムは、キーボードや外部装置とのインターフェース部である入力装置1と、プログラム制御により動作する故障伝搬経路推定処理装置(故障伝搬経路推定装置、誤り伝搬経路推定処理装置)2と、故障伝搬経路推定処理に必要な情報を記憶する記憶装置4と、ディスプレイ装置や印刷装置や外部装置とのインターフェース部である出力装置5とで概略構成される。
【0058】
記憶装置4は、論理回路構成記憶部41と、論理状態記憶部42と、実測値記憶部43とを備える。
【0059】
論理回路構成記憶部41は、論理回路を構成するゲートと信号線とその接続関係、及び、ゲートの機能をあらかじめ記憶している。
【0060】
論理状態記憶部42は、故障伝搬経路推定処理中の各信号線における論理状態、及び回路が正常であるときの各信号線の論理状態(期待値)を記憶している。
【0061】
実測値記憶部43は、解析装置によって得られたノードの論理状態を記憶している。
【0062】
故障伝搬経路推定装置(故障伝搬経路推定装置、誤り伝搬経路推定処理装置)2は、再計算判定手段20と、故障端子検索手段21と、部分回路抽出手段22と、部分回路内論理状態推定手段23と、論理状態登録手段24と、故障候補検索手段25と、故障候補出力手段26と、故障伝搬経路検索手段27と、測定点近傍含意操作手段28と、故障伝搬経路更新手段29とを備える。
【0063】
再計算判定手段20は、現在の処理が最初の処理であるか、実測値を測定した後の再処理であるかを判定し、最初の処理であれば、故障端子検索手段21に処理を移し、再計算の処理であれば、故障伝搬経路検索手段27に処理を移す。
【0064】
故障端子検索手段21は、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成と、論理状態記憶部42に記憶された論理状態を参照して、故障出力端子を検索する。ここで、検索対象がない場合は故障伝搬経路推定処理を終了する。
【0065】
部分回路抽出手段22は、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成を参照して、故障端子検索手段21で検索した故障出力端子に関係する部分回路を抽出する。
【0066】
部分回路内論理状態推定手段23は、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成と、論理状態記憶部42に記憶された部分回路の境界の論理状態を参照して、部分回路内部の故障伝搬経路を推定する。
【0067】
論理状態登録手段24は、部分回路内論理状態推定手段23によって推定された部分回路の論理状態を論理状態記憶部42に登録する。
【0068】
故障候補検索手段25は、部分回路内論理状態推定手段23によって推定された部分回路の故障伝搬経路を参照して、全ての故障出力に故障状態を伝搬する可能性のある故障伝搬経路上のノード(ゲート、信号線)を故障候補として検索する。
【0069】
故障候補出力手段26は、故障候補検索手段25によって検索した故障候補を出力装置5に出力する。
【0070】
故障伝搬経路検索手段27は、論理状態記憶部42に記憶された回路における各ノードの期待値及び推定した故障伝搬経路を参照して、回路内部の論理状態を再現する。
【0071】
測定点近傍含意操作手段28は、実測値記憶部43に記憶された測定点の論理値を参照して、測定点が正常値であれば、測定点に故障状態を伝搬する故障伝搬経路を入力方向に検索し、測定点が異常値であれば、測定点から故障状態が伝搬する経路を出力方向に検索し、これらの経路と矛盾する経路を削除する。
【0072】
図2は、図1における測定点近傍含意操作手段28の詳細構成を示す図である。
【0073】
図2に示すように、測定点近傍含意操作手段28は、測定点処理条件判定手段281と、入力方向クリティカル経路探索手段282と、出力方向クリティカル経路探索手段283と、矛盾経路削除手段284とを備える。
【0074】
測定点処理条件判定手段281は、論理状態記憶部42に記憶された測定点の期待値と実測値記憶部43に記憶された測定点の実測値を参照し、測定点の論理値が期待値と等しい正常値であれば、入力方向クリティカル経路探索手段282に処理を移し、測定点の論理値が期待値と異なる異常値であれば、出力方向クリティカル経路探索手段283に処理を移す。
【0075】
入力方向クリティカル経路探索手段282は、測定点の実測値が正常値であるときに、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成と論理状態記憶部42に記憶された故障伝搬経路を参照し、測定点を基点として入力方向に故障伝搬経路を追跡し、測定点に故障状態を伝搬するクリティカルパスを探索する。クリティカルパスの探索には、基本アルゴリズムとして図6に示す含意操作を用いる。
【0076】
例えば、2入力NANDゲートの入力信号線の期待値が2つとも「1」、出力信号線の期待値が「0」であり、推定処理によりこのゲートを通る故障伝搬経路が推定され、即ち、片方の入力信号線の推定値として「0」、出力信号線の推定値として「1」が得られている場合を考える。解析装置により測定したところ、NANDゲートの出力信号線の実測値として期待値と等しい「0」が得られた。このとき、NANDゲートの出力信号の実測値と矛盾を起こすNANDの入力信号をクリティカルパスとし、実測値と矛盾を起こさない「1」に変更する。この処理を入力方向に繰り返し、測定点と矛盾を起こすクリティカルパスを探索し、その論理値を実測値と矛盾しないように変更する
出力方向クリティカル経路探索手段283は、測定点の実測値が期待値と異なる異常値であるときに、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成と論理状態記憶部42に記憶された故障伝搬経路を参照し、測定点を基点として出力方向に故障伝搬経路を追跡し、測定点から故障状態を伝搬するクリティカルパスを探索する。クリティカルパスの探索には、基本アルゴリズムとして図6に示す含意操作を用いる。
【0077】
例えば、2入力NANDゲートの入力信号線の期待値が2つとも「1」、出力信号線の期待値が「0」であり、推定処理によりこのゲートを通る故障伝搬経路が推定され、即ち、片方の入力信号線の推定値として「0」、出力信号線の推定値として「1」が得られている場合を考える。解析装置により測定したところ、NANDゲートの入力信号線の実測値として期待値と異なる「0」が得られた。このとき、NANDゲートの入力信号の実測値「0」によってNANDの出力信号は「1」となるので、NANDゲートの出力信号線をクリティカルパスとする。この処理を出力方向に繰り返し、クリティカルパスを探索する。
【0078】
矛盾経路削除手段284は、入力方向クリティカル経路探索手段282、あるいは、出力方向クリティカル経路探索手段283で探索したクリティカルパスの論理値と矛盾を起こす故障伝搬経路を削除し、矛盾を起こさないように推定値を変更する。
【0079】
再び、図1を参照して、本実施の形態についての説明を続ける。
【0080】
故障伝搬経路更新手段29は、測定点近傍含意操作手段28において変更した推定値を論理状態記憶部42に記憶する。
【0081】
データ処理装置2は各ブロックを論理回路で構成するのは容易で、1チップ化することにより高速処理が可能であり、記憶装置4をメモリで構成してシステムLSIとして組み込むことにより、更なる高速処理が期待できる。
【0082】
図3は、図1の動作を示すフローチャートである。
【0083】
次に、図1、図2、図3及び図6を参照して、本実施の形態の動作について説明する。
【0084】
ここでは、信号線の論理状態を「0」、「1」、「U、(Unknown)」及び「X、(Don’t Care)」の4値で表現する。本実施の形態は、異なる表現による論理状態を使用する場合にも適用可能である。
【0085】
なお、論理状態「U(Unknown)」は信号線の論理状態が「0」あるいは「1」に決定することができない不定状態を表すのに対し、論理状態「X(Don’t Care)」は、信号線の論理状態が「0」と「1」の両方とも論理回路全体の論理状態に矛盾を生じないときに「0」と「1」の両方の論理状態を許すことを意味する論理状態である。
【0086】
再計算判定手段20において、入力装置1から入力されたデータを再計算判定手段20は、現在の処理が最初の処理であるか、実測値を測定した後の再処理であるかを判定し、最初の処理であれば、ステップA1に処理を移し、再計算の処理であれば、ステップA8に処理を移す(ステップA0)。
【0087】
故障端子検索手段21において、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成と、論理状態記憶部42に記憶された論理状態を参照して、故障出力端子を検索する(ステップA1)。
【0088】
検索対象の故障出力端子を検出した場合は、ステップA3に処理を進める。もし、検索対象がない場合はステップA6に処理を進める(ステップA2)。
【0089】
部分回路抽出手段22において、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成を参照して、故障端子検索手段21で検索した故障出力端子に関係する部分回路を抽出する(ステップA3)。
【0090】
この部分回路の抽出は、特開平10−062494号公報に記載されているように、入出力方向に数回回路をトレースして抽出してもよいし、回路設計における階層を利用してもよい。
【0091】
次に、部分回路内論理状態推定手段23は、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成と、論理状態記憶部42に記憶された部分回路の境界の論理状態を参照して、部分回路内部の故障伝搬経路を推定する(ステップA4)。
【0092】
次に、論理状態登録手段24において、ステップA4において推定した部分回路の論理状態を論理状態記憶部42に登録する(ステップA5)。
【0093】
故障候補検索手段25は、部分回路内論理状態推定手段23によって推定された部分回路の故障伝搬経路を参照して、全ての故障出力に故障状態を伝搬する可能性のある故障伝搬経路上のノード(ゲート、信号線)を故障候補として検索する(ステップA6)。経路p1上のノードがF1、F2、F3、F4に故障状態を伝搬する可能性があるので、経路p1条のノードが故障候補として検出される。
【0094】
最後にステップA7において、故障候補出力手段26は、故障候補検索手段25によって検索した故障候補を出力装置5に出力する。
【0095】
ステップA0において、再計算の処理と判断すれば、ステップA8に処理を移す(ステップA0)。
【0096】
故障伝搬経路検索手段27は、論理状態記憶部42に記憶された回路における各ノードの期待値及び推定した故障伝搬経路を参照して、回路内部の論理状態を再現する(ステップA8)。
【0097】
ステップA9において、測定点近傍含意操作手段28は、実測値記憶部43に記憶された測定点の論理値を参照して、測定点が正常値であれば、測定点に故障状態を伝搬する故障伝搬経路を入力方向に検索し、測定点が異常値であれば、測定点から故障状態が伝搬する経路を出力方向に検索し、これらの経路と矛盾する経路を削除する。
【0098】
図4は、図3のステップA9における動作の一例を示すフローチャートである。
【0099】
図4及び図2を参照して、ステップA9における測定点近傍含意操作処理の説明をする。
【0100】
測定点処理条件判定手段281は、論理状態記憶部42に記憶された測定点の期待値と実測値記憶部43に記憶された測定点の実測値を参照し、測定点の論理値が期待値と等しい正常値であれば、ステップB2に処理を移し、測定点の論理値が期待値と異なる異常値であれば、ステップB3に処理を移す(ステップB1)。
【0101】
入力方向クリティカル経路探索手段282は、測定点の実測値が正常値であるときに、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成と論理状態記憶部42に記憶された故障伝搬経路を参照し、測定点を基点として入力方向に故障伝搬経路を追跡し、測定点に故障状態を伝搬するクリティカルパスを探索する(ステップB2)。クリティカルパスの探索には、基本アルゴリズムとして図6に示す含意操作を用いる。
【0102】
例えば、2入力NANDゲートの入力信号線の期待値が2つとも「1」、出力信号線の期待値が「0」であり、推定処理によりこのゲートを通る故障伝搬経路が推定され、即ち、片方の入力信号線の推定値として「0」、出力信号線の推定値として「1」が得られている場合を考える。
【0103】
解析装置により測定したところ、NANDゲートの出力信号線の実測値として期待値と等しい「0」が得られた。このとき、NANDゲートの出力信号の実測値と矛盾を起こすNANDの入力信号をクリティカルパスとし、実測値と矛盾を起こさない「1」に変更する。この処理を入力方向に繰り返し、測定点と矛盾を起こすクリティカルパスを探索し、その論理値を実測値と矛盾しないように変更する。
【0104】
出力方向クリティカル経路探索手段283は、測定点の実測値が期待値と異なる異常値であるときに、論理回路構成記憶部41に記憶された回路構成と論理状態記憶部42に記憶された故障伝搬経路を参照し、測定点を基点として出力方向に故障伝搬経路を追跡し、測定点から故障状態を伝搬するクリティカルパスを探索する(ステップB3)。クリティカルパスの探索には、基本アルゴリズムとして図6に示す含意操作を用いる。
【0105】
例えば、2入力NANDゲートの入力信号線の期待値が2つとも「1」、出力信号線の期待値が「0」であり、推定処理によりこのゲートを通る故障伝搬経路が推定され、即ち、片方の入力信号線の推定値として「0」、出力信号線の推定値として「1」が得られている場合を考える。解析装置により測定したところ、NANDゲートの入力信号線の実測値として期待値と異なる「0」が得られた。このとき、NANDゲートの入力信号の実測値「0」によってNANDの出力信号は「1」となるので、NANDゲートの出力信号線をクリティカルパスとする。この処理を出力方向に繰り返し、クリティカルパスを探索する。
【0106】
次に、矛盾経路削除手段284は、ステップB2あるいはステップB3で探索したクリティカルパスの論理値と、矛盾を起こす故障伝搬経路を削除し(ステップB4)、矛盾を起こさないように推定値を変更する。以上により、ステップA9における測定点近傍含意操作処理を終了する。
【0107】
再び、図1及び図3を参照して、本実施の形態について説明を続ける。
【0108】
ステップA10において、故障伝搬経路更新手段29は、測定点近傍含意操作手段28において変更した推定値を論理状態記憶部42に記憶する。
【0109】
変更した推定値を参照し、ステップA6において、故障候補の検索を行い、次に、ステップA7において、故障候補の出力を行う。
【0110】
(実施例)
次に、本形態の形態の実施例について、図を参照して詳細に説明する。
【0111】
図7を参照して本実施の形態の動作における動作を説明する。第1回目の故障箇所推定処理に関しては、従来技術と同様である。
【0112】
初期状態として、対象ゲートの入出力端子の期待値と出力信号の論理値(L22=1、L23=1)が与えられている場合を考える。従って、L23が故障出力である。
【0113】
入出力端子及び信号線の初期状態と期待値は、次のとおりである。L1=X[1]、L2=X[1]、L3=X[1]、L6=X[1]、L7=X[1]、L22=1[1]、L23=1[0]。なお、括弧内の数字は期待値を表している。
【0114】
ステップA0において、最初の推定処理であるので、ステップA1に処理を移す。
【0115】
ステップA1において、故障端子検索手段21によって、論理回路の故障出力端子を検索し、L23が故障端子として検索される。
【0116】
未処理の故障端子を検出したので、ステップA3に処理を移る(ステップA2)
ステップA3において、部分回路抽出手段22によって、L23に関係する部分回路を抽出する。ここでは、回路全体が抽出されているとする。
【0117】
次に、ステップA4において、部分回路内論理状態推定手段23によって、部分回路内の論理状態を推定する。
【0118】
L22=1、L23=1によって含意される信号線の状態はないので、論理の仮定をおく信号線を検索する。特開平11−153646号公報によると、論理の仮定は故障信号線に接続し、かつ、状態の確定していないゲート(未確定ゲート)の入力信号線におく。
【0119】
2入力NANDゲートの入出力方向の含意操作は図6に示すとおりである。出力信号線の論理値が「1」、入力信号線の論理値が2つとも「X」であるときは入力信号線のどちらかの論理値が「0」であるはずであるが確定していないので、未確定ゲートと判断する。ここでは、故障信号線L23に接続したゲートG23の入力信号線の一つであるL16に論理値「0」を仮定する。L16=0と仮定したことにより、G16の含意操作によってL2=1、L11=1が含意される。
【0120】
以降、含意操作と論理の仮定を繰り返すことにより、図8に示す決定木のように2箇所の信号線に論理値を仮定して3つの論理状態が求まる。求めた回路内の論理状態は、図8に示す四角枠で囲んだ部分に(L1、L2、L3、L6、L7、L10、L11、L16、L19、L22、L23)の順序で各信号線の論理値を記述している。下線は、期待値と異なる故障伝搬経路を表している。
【0121】
次に、ステップA5において、求めた論理回路内の論理状態、及び、故障伝搬経路を、論理状態記憶部42に登録する。
【0122】
再び、ステップA1において故障端子検索手段21によって故障端子を検索するが、ステップA2における判断により、未処理の故障端子はないので、処理をステップA6に移る。
【0123】
ステップA6において、故障伝搬経路上の故障候補を検索する。ここでは、3つの論理状態が求まっているが、case1=(X10XX110X11)の状態からは{L3、L11、L16、L23}が、case2=(X110XX10X11)の状態からは{L6、L11、L16、L23}が、case3=(10101011011)の状態からは{L6、L11、L19、L23}が、故障候補として得られる。case1からはL10も期待値と異なる値と推定されているが、L10で故障が生じてもL23に影響を与えないので省略している。case3におけるL2も同様にL23に影響を与えないので省略している。
【0124】
ステップA7において、これらの故障候補を出力する。
【0125】
次に、解析装置による測定により、L11の論理状態として「0」が得られた場合に、この測定結果を推定処理にフィードバックする方法を具体的に説明する。
【0126】
ステップA0において、今回は測定点をフィードバックする処理で、第1回目の推定処理ではないので、ステップA8に処理を移す。
【0127】
ステップA8において、論理状態記憶部42に記憶されている論理状態を検索し、case1=(X10XX110X11)、case2=(X110XX10X11)、case3=(10101011011)の3つの状態が得られる。
【0128】
図4のステップB1において、測定点処理条件判定手段281によって、L11=0が期待値と同一の論理であると判定し、処理をステップB2に移す。
【0129】
ステップB2において、入力方向に測定点に故障状態を伝搬する経路をクリティカルパスとし、論理値を測定点と矛盾しない論理値をおく。
【0130】
具体的には、case1では、故障伝搬経路としてL3=0、L11=1、L16=0、L23=1が得られている。L11=1が推定されているので、L11をクリティカルパスとして論理値を「0」とする。
【0131】
L11=0と矛盾する経路を入力方向に追跡してL3をクリティカルパスとし、論理値を測定結果と矛盾しない値「1」に変更する。
【0132】
case2では、故障伝搬経路としてL6=0、L11=1、L16=0、L23=1が得られている。L11=1が推定されているので、L11をクリティカルパスとして論理値を「0」とする。
【0133】
L11=0と矛盾する経路を入力方向に追跡してL6をクリティカルパスとし、論理値を測定結果と矛盾しない値「1」に変更する。
【0134】
case3では、故障伝搬経路としてL6=0、L11=1、L19=0、L23=1が得られている。L11=1が推定されているので、L11をクリティカルパスとして論理値を「0」とする。
【0135】
L11=0と矛盾する経路を入力方向に追跡してL6をクリティカルパスとし、論理値を測定結果と矛盾しない値「1」に変更する。
【0136】
ステップB4において、各論理状態の更新された故障伝搬経路は、case1={L16=0、L23=1}、case2={L16=0、L23=1}、case3={L19=0、L23=1}となり、測定点と矛盾した経路及び重複した情報を消去して故障候補としてL16=0、L19=0、L23=1が得られる。
【0137】
次に、解析装置による測定により、L11の論理状態として「1」が得られた場合に、この測定結果を推定処理にフィードバックする方法を具体的に説明する。
【0138】
ステップA0において、今回は測定点をフィードバックする処理で、第1回目の推定処理ではないので、ステップA8に処理を移す。
【0139】
ステップA8において、論理状態記憶部42に記憶されている論理状態を検索し、case1=(X10XX110X11)、case2=(X110XX10X11)、case3=(10101011011)の3つの状態が得られる。
【0140】
図4のステップB1において、測定点処理条件判定手段281によって、L11=1が期待値と異なる論理であると判定し、処理をステップB3に移す。
【0141】
ステップB3において、出力方向に測定点に故障状態を伝搬する経路をクリティカルパスとする。
【0142】
具体的には、case1では、故障伝搬経路としてL3=0、L11=1、L16=0、L23=1が得られている。L11=1が推定されているので、クリティカルパスとなる。
【0143】
L11=1と矛盾する経路を出力方向に追跡して、L2=1であるので、G16においてL16=0がクリティカルパスとなり、更に追跡することで、L22=1、L23=1がクリティカルパスとなる。
【0144】
case2では、故障伝搬経路としてL6=0、L11=1、L16=0、L23=1が得られている。L11=1が推定されているので、クリティカルパスとなる。
【0145】
L2=1であるので、G16においてL16=0がクリティカルパスとなり、更に追跡することで、L22=1、L23=1がクリティカルパスとなる。
【0146】
case3では、故障伝搬経路としてL6=0、L11=1、L19=0、L23=1が得られている。L11=1が推定されているので、クリティカルパスとなる。
【0147】
L7=1であるので、G19においてL19=0がクリティカルパスとなり、更に追跡することで、L23=1がクリティカルパスとなる。
【0148】
ステップB4において、各論理状態の更新された故障伝搬経路は、元々得られていた結果と変わらない。
【0149】
ここでは、case1、case2、case3を別々に扱ったが、故障伝搬経路を重ね合わせて処理することも可能である。
【0150】
具体的には、case1=(X10XX110X11)の状態からは{L3、L11、L16、L23}が、case2=(X110XX10X11)の状態からは{L6、L11、L16、L23}が、case3=(10101011011)の状態からは{L6、L11、L19、L23}が、故障伝播経路として得られているときに、L3、L6、L11、L16、L19、L23を経路とする。
【0151】
L11=0が測定点として得られたときは、L11=0は期待値と等しいため、その入力方向に経路を辿り、L11に故障状態を伝搬するL3、L6の経路を削除することにより、L16、L19、L23が故障候補として得られる。
【0152】
また、L11=1が測定点として得られたときは、L11=1は期待値と異なるため、出力方向に経路を辿り、矛盾する経路を検索する。この場合は、矛盾する経路はないため、故障候補に変化はない。
【0153】
このように、測定点の情報を故障診断の結果にフィードバックする場合、従来技術は最初から診断処理をやり直していたが、本実施の形態1では測定点に影響を与える、あるいは、測定点が影響を与える故障伝搬経路のみを処理の対象とするため、回路が大規模化し、測定点が故障出力端子から回路内部に深く入った場所であるときに、従来技術と比較すると高速に推定処理が可能となる。
【0154】
図5は、本実施の形態に係る故障伝搬経路推定システムの他の一例を示す図である。
【0155】
図5を参照して本実施の形態に係る故障伝搬経路推定システムの応用例を説明する。
【0156】
故障伝搬経路推定プログラムを記録した記録媒体6を備える。この記録媒体6は磁気ディスク、半導体メモリその他の記録媒体であってよい。その他の構成要素は図1と同様である。
【0157】
故障伝搬経路推定プログラムは記録媒体6からデータ処理装置2に読み込まれ、データ処理装置2の動作を制御する。データ処理装置2は故障伝搬経路推定プログラムの制御により以下の処理、即ち、第1の実施の形態におけるデータ処理装置2による処理と同一の処理を実行する。
【0158】
入力装置1から入出力端子の論理状態が与えられると、再計算判定手段20において、最初の推定処理か測定後の推定処理かを判定する。
【0159】
最初の推定処理である場合には、故障端子検索手段21において、故障出力端子を検索し、部分回路抽出手段22において、故障出力端子に関係する部分回路を抽出し、部分回路内論理状態推定手段23において、部分回路内の論理状態及び故障伝搬経路を推定する。
【0160】
論理状態登録手段24において、推定した論理状態と故障伝搬経路を論理状態記憶部42に記録する。
【0161】
その結果を元にして、故障候補検索手段25において故障候補を検索し、故障候補出力手段26において故障候補を出力装置5に出力する。
【0162】
解析装置により測定結果が得られたときには、故障伝搬経路検索手段27で既に推定した故障伝搬経路を検索し、測定点近傍含意操作手段28において、測定点に関係する故障伝搬経路の妥当性を検証し、その結果を元に故障伝搬経路更新手段29において、論理状態記憶部42の故障伝搬経路情報を更新する。
【0163】
その結果を元にして、その結果を元にして、故障候補検索手段25において故障候補を検索し、故障候補出力手段26において故障候補を出力装置5に出力する。
【0164】
以上のように、本実施の形態に係る故障箇所推定システムは、再計算であることを認識して処理を分岐し、以前に処理した故障箇所推定結果、即ち、回路の論理状態を検索して、測定点近傍の故障伝搬経路の検証を行い、その結果に応じて故障伝搬経路を更新し、更新した結果を用いて新たに故障候補を作成する。より具体的には、故障伝搬経路推定処理装置において、再計算であるかどうかを判定する再計算判定手段と、以前に処理した故障箇所推定結果を検索する故障伝搬経路検索手段と、測定点に関係する故障伝搬経路の検証を行う測定点近傍含意操作手段と、故障伝搬経路の更新を行う故障伝搬経路更新手段とを備える。更に、測定点近傍含意操作手段は、測定点の測定結果が期待値と同一であるかを判定する測定点処理条件判定手段と、測定点に故障状態を伝搬する経路を入力方向に探索する入力方向クリティカル経路探索手段と、測定点から故障状態を伝搬する経路を出力方向に探索する出力方向クリティカル経路探索手段と、クリティカル経路と矛盾する経路を削除する矛盾経路削除手段とを有する構成となる。
【0165】
実施の形態に係る故障伝搬経路推定システムは上記の如く構成されているので、以下に掲げる効果を奏する。
【0166】
再計算判定手段が現在の処理が最初の処理であるか、実測値を測定した後の再処理であるかを判定し、最初の処理であれば、通常の推定処理を行い、再計算の処理であれば、測定点近傍の故障伝搬経路を検証・更新する処理を行うために分岐処理を行う。また、故障伝搬経路検索手段が前回に推定した故障伝搬経路を検索して回路内部の論理状態を再現する。測定点近傍含意操作手段が測定点の実測値、期待値及び回路の故障伝搬経路を参照して、実測値と論理的矛盾を起こすかどうかを検証し、これらの経路と矛盾する経路を削除する。測定点処理条件判定手段が測定点の期待値と測定点の実測値を比較し、両者が等しい正常値であるか、両者が異なる異常値であるかに応じて、処理を分岐する。入力方向クリティカル経路探索手段が測定点の実測値が正常値であるときに、回路構成と故障伝搬経路を参照して、測定点を基点として入力方向に故障伝搬経路を追跡し、測定点に故障状態を伝搬するクリティカルパスを探索し、その論理値を実測値と矛盾しないように変更することにより、測定点が正常値であるときの故障伝搬経路の検証を可能とする。
【0167】
出力方向クリティカル経路探索手段が測定点の実測値が期待値と異なる異常値であるときに、論理回路構成記憶部に記憶された回路構成と論理状態記憶部に記憶された故障伝搬経路を参照し、測定点を基点として出力方向に故障伝搬経路を追跡し、測定点から故障状態を伝搬するクリティカルパスを探索し、測定点が異常値であるときの故障伝搬経路の検証を可能とする。
【0168】
その結果、最初の推定処理か再計算かによって処理を分岐し、再計算において前回推定した故障伝搬経路を検証し、測定点と矛盾する経路を削除するので、測定結果を測定前に推定した故障箇所推定結果に付加して、推定処理を行うことができる。また、回路全体ではなく、測定点に関係する部分のみを再計算して、故障伝搬経路を検証するので、測定結果を参照して、故障伝搬経路の再計算を行うときに、高速に処理できる。
【0169】
なお、本実施の形態においては、本発明はそれに限定されず、本発明を適用する上で好適な故障伝搬経路推定システムに適用することができる。
【0170】
また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0171】
なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【0172】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、以下に掲げる効果を奏する。
【0173】
第1の効果は、測定結果を測定前に推定した故障箇所推定結果に付加して、推定処理を行うことができることである。その理由は、最初の推定処理か再計算かによって処理を分岐し、再計算において前回推定した故障伝搬経路を検証し、測定点と矛盾する経路を削除するからである。
【0174】
第2の効果は、測定結果を参照して、故障伝搬経路の再計算を行うときに、高速に処理できることである。その理由は、回路全体ではなく、測定点に関係する部分のみを再計算して、故障伝搬経路を検証するためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る故障伝搬経路推定システムの概略を示す図である。
【図2】図1における測定点近傍含意操作手段の詳細構成を示す図である。
【図3】図3は、図1の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップA9における動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る故障伝搬経路推定システムの他の一例を示す図である。
【図6】2入力NANDゲートにおける入出力方向の含意操作の一例を示す図である。
【図7】入出力端子の期待値と出力信号の論理値の一例を示す図である。
【図8】論理状態を求める決定木の一例を示す図である。
【図9】決定木の結果の一例を示す図である。
【図10】従来技術における故障伝搬経路推定システムの構成の一例を示す図である。
【図11】図10の動作におけるフローチャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 入力装置
2 故障伝搬経路推定処理装置(故障伝搬経路推定装置、誤り伝搬経路推定処理装置)
4 記憶装置
5 出力装置
6 記録媒体
20 再計算判定手段
21 故障端子検索手段
22 部分回路抽出手段
23 部分回路内論理状態推定手段
24 論理状態登録手段
25 故障候補検索手段
26 故障候補出力手段
27 故障伝搬経路検索手段
28 測定点近傍含意操作手段
29 故障伝搬経路更新手段
41 論理回路構成記憶部
42 論理状態記憶部
43 実測値記憶部
101 入力装置
102 故障伝搬経路推定処理装置(故障伝搬経路推定装置、誤り伝搬経路推定処理装置)
104 記憶装置
105 出力装置
121 故障端子検索手段
122 部分回路抽出手段
123 部分回路内論理状態推定手段
124 論理状態登録手段
125 故障候補検索手段
126 故障候補出力手段
141 論理回路構成記憶部
142 論理状態記憶部
281 測定点処理条件判定手段
282 入力方向クリティカル経路探索手段
283 出力方向クリティカル経路探索手段
284 矛盾経路削除手段
Claims (13)
- 論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定システムであって、
最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、最初の推定処理であるか測定後の再計算であるかを判定する再計算判定手段と、
前回の推定処理において得られた故障伝搬経路を検索する故障伝搬経路検索手段と、
検索された故障伝搬経路毎に測定点を基点として入力方向又は出力方向に辿った経路における論理値の検証を行う測定点近傍含意操作手段と、
検証された結果に応じて故障伝搬経路を更新する故障伝搬経路更新手段と
を備えることを特徴とする故障伝搬経路推定システム。 - 前記測定点近傍含意操作手段は、前記測定点を基点として入力方向又は出力方向に辿った経路の論理値を検証するとき、複数の故障伝搬経路を重ね合わせて一度に経路の検証を行うことを特徴とする請求項1に記載の故障伝搬経路推定システム。
- 前記測定点近傍含意操作手段は、
前記測定点の実測値が期待値と等しい正常値である場合に、前記測定点を基点として入力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点に故障状態を伝搬する経路の論理値を、前記測定点の実測値と矛盾しない値に変更する入力方向クリティカル経路探索手段と、
前記測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除する矛盾経路削除手段とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の故障伝搬経路推定システム。 - 前記測定点近傍含意操作手段は、前記測定点の実測値が期待値と異なる異常値である場合に、前記測定点を基点として出力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点によって故障状態を含意される経路を検索する出力方向クリティカル経路探索手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の故障伝搬経路推定システム。
- 論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定方法であって、
最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、最初の推定処理であるか測定後の再計算であるかを判定する第1のステップと、
前回の推定処理において得られた故障伝搬経路を検索する第2のステップと、
検索された故障伝搬経路毎に測定点を基点として入力方向又は出力方向に辿った経路の論理値の検証を行う第3のステップと、
該第3のステップにおいて、検証された結果に応じて故障伝搬経路を更新する第4のステップと
を備えることを特徴とする故障伝搬経路推定方法。 - 前記第3のステップは、前記測定点を基点として入力方向又は出力方向に辿った経路の論理値を検証する際に、複数の故障伝搬経路を重ね合わせて一度に経路の検証を行うステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の故障伝搬経路推定方法。
- 前記第3のステップは、前記測定点の実測値が期待値と等しい正常値である場合に、前記測定点を基点として入力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点に故障状態を伝搬する経路の論理値を、前記測定点の実測値と矛盾しない値に変更し、前記測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除するステップを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の故障伝搬経路推定方法。
- 前記第3のステップは、測定点の実測値が期待値と異なる異常値である場合に、測定点を基点として出力方向に故障伝搬経路を辿り、測定点によって故障状態を含意される経路を検索し、測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除するステップを含むことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の故障伝搬経路推定方法。
- 論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定処理において、
最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、最初の推定処理であるか測定後の再計算であるかを判定する再計算判定処理と、
前回の推定処理において得られた故障伝搬経路を検索する故障伝搬経路検索処理と、
検索された故障伝搬経路毎に測定点を基点として入力方向又は出力方向に辿った経路の論理値の検証を行う測定点近傍含意操作処理と、
検証された結果に応じて故障伝搬経路を更新する故障伝搬経路更新処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。 - 論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定処理において、
最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、測定点を基点として入力方向又は出力方向に辿った経路の論理値を検証する際に、複数の故障伝搬経路を重ね合わせて一度に経路の検証を行う測定点近傍含意操作処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。 - 論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定処理において、
最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、測定点の実測値が期待値と等しい正常値である場合に、測定点を基点として入力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点に故障状態を伝搬する経路の論理値を、前記測定点の実測値と矛盾しない値に変更する入力方向クリティカル経路探索処理と、
前記測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除する矛盾経路削除処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。 - 論理回路の故障出力端子から論理値の仮定と含意操作を繰り返して回路内部の論理状態と故障伝搬経路とを推定する故障伝搬経路推定処理において、
最初の故障箇所推定処理を行った後に、測定結果を故障箇所推定結果に反映させるための再計算を行うとき、測定点の実測値が期待値と異なる異常値である場合に、前記測定点を基点として出力方向に故障伝搬経路を辿り、前記測定点によって故障状態を含意される経路を検索する出力方向クリティカル経路探索処理と、
前記測定点の実測値と矛盾する故障伝搬経路情報を削除する矛盾経路削除処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。 - 請求項5乃至8のいずれかに記載の故障伝搬経路推定方法を実行可能なプログラムが記録された記録媒体。
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