JP4907743B1 - 尤度決定方法および尤度決定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】演算量を削減でき、通信品質を向上できる尤度決定装置を提供すること。
【解決手段】近傍信号点候補検出部(120)が、最終1つ前のステージまでに決定された、空間多重信号のうち第1信号を除く第2信号の信号点候補全てにより得られる第1信号の信号空間上の各信号点から、信号空間上のコンスタレーションの信号点で最小離間距離の最近傍信号点を第2信号の信号点候補毎に検出する。信号点候補選択部(130)が、最近傍信号点に対応する各ビットを反転させた上記コンスタレーションの信号点群のうち最も位置が近い信号点を第1信号の各ビットについて選択する。距離算出部(140)が、第2信号の信号点候補と、その候補毎の最近傍信号点及び選択された信号点とに対し、最終ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点との距離を計算する。尤度出力部(150)が、第1信号の各ビットに対し、計算された距離の最小値を判定して尤度を決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、信号分離装置および信号分離方法に関し、特に、MIMO(Multi-Input Multi-Output)方式の無線受信装置で使用される尤度決定方法および尤度決定装置に関する。
従来のQRM−MLD法(QR分解とMアルゴリズムを用いた最尤判定法(MLD:Maximum Likelihood Detection))による信号分離を行なう受信機として、特許文献1に開示されているものがある。同文献に示される受信機は、図1に示されるように、複数の受信アンテナ10−1,10−2,10−3,10−4と、チャネル推定部20と、ランク付け部30と、並べ換え部40と、QR分解部50と、信号変換部60と、最尤判定部70と、尤度出力部80とを有する。最尤判定部70は、4つの判定部72−1,72−2,72−3,72−4を有する。判定部の数は、送信信号数に合わせて設けられる。各判定部は同様な処理ブロックを有するので、第4の判定部72−4がそれらを代表して説明される。判定部は、シンボルレプリカ生成部74−4と、二乗ユークリッド距離算出部76−4と、生き残りシンボル候補選択部78−4とを有する。ここで、信号x=(x1...x4)が、16QAMの変調方式で4本の送信アンテナからそれぞれ送信されるものとする(上付文字の記号Tは、転置を表す。)。信号xは送信信号ベクトルとも呼ばれ、1つのシンボルを構成するものとする。x1,x2,x3,x4は送信信号又はベクトル成分とも呼ばれる。
チャネル推定部20は、送信及び受信の双方の側で既知のパイロット信号を含む受信信号に基づいて、チャネルインパルス応答値(CIR:channel impluse response)又はチャネル推定値を求める。チャネル推定値hnmを行列要素とする行列Hは、チャネル行列と呼ばれる。但し、hnmはm番目の送信アンテナとn番目の受信アンテナ間のチャネル推定値を表す。
ランク付け部30は、受信された複数の受信信号y1,...,y4を電力の大きさの順に格付け又はランキングする。
並べ換え部40は、複数の受信信号の並ぶ順序をQR分解部50及び信号変換部60に通知する。
QR分解部50は、チャネル推定部20で求められたチャネル行列Hが、ユニタリ行列Q及び上三角行列Rの積で表現されるように、行列Q,Rを求める(H=QR)。この場合におけるユニタリ行列Qは、QQ=QQ=Iを満たし、正方行列であってもよいし、行数及び列数が異なっていてもよい。上付き文字のHは共役転置を表し、Iは単位行列を表す。
信号変換部60は、受信信号ベクトルy=(y1...y4)に、ユニタリ行列Qの共役転置行列Qを乗算することで、信号変換を行なう。送信信号及び受信信号の間には、y=Hx=QRx が成立する。この式に左からQを乗算すると、左辺は、Qy=zとなり、右辺は、QQRx=Rxとなるので、送信及び受信信号の関係は、z=Rxのように表現できる。但し、z=(z1...z4)=Qyである。zはユニタリ変換後の受信信号ベクトルと呼ばれる。
受信ベクトルzの各要素は、
z1=r11x1+r12x2+r13x3+r14x4
z2=r22x2+r23x3+r24x4
z3=r33x3+r34x4
z4=r44x4
と書ける。
最尤判定部70は、最尤判定法(MLD法)により、送信信号の候補(シンボル候補とも言及される。)を絞り込む、即ち候補数を減らす。判定部72−4のシンボルレプリカ生成部74−4は、上三角行列Rの行列要素を用いて、受信信号y4に対応する送信信号の候補を生成する。候補数は例えばC個で固定的に設定されている。
二乗ユークリッド距離算出部76−4は、変換後の受信信号z4と、C個の信号点の候補との二乗ユークリッド距離を算出する。二乗ユークリッド距離は、尤度を計算する際の基礎となるメトリックを表す。二乗ユークリッド距離の小さい候補が、送信されたシンボルに近いものとして判断される。
生き残りシンボル候補選択部78−4は、各候補に対する二乗ユークリッド距離に基づいて、S1(≦C)個の候補を、生き残り候補として出力する。
尤度出力部80は、最終段の生き残りシンボル候補選択部から出力された候補の尤度又は確からしさを算出する。より具体的には、この尤度は、対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)で表現される。尤度出力部80からの出力は、信号分離結果を表し、後段の復調部(例えば、ターボデコーダ)へ伝送される。
動作が次に説明される。受信機は、送信信号を4本の受信アンテナで受信信号y1〜y4として受信する。それらはチャネル推定部20及び信号変換部60に与えられる。チャネル推定部20、ランク付け部30及び並べ換え部40により、複数の受信信号の並ぶ順序が決定される。ここでは、受信電力の大きさの順に受信信号が並べられ、簡単のため、x1,x2,x3,x4の順に受信電力が大きくなっているものとする。受信信号は、信号変換部60により、z=(z1...z4)=Qy のようにユニタリ変換され、変換後の信号が最尤判定部70に入力される。
最尤判定部70における第1段階(第1ステージ)では、初期設定に相当する処理が判定部72−4にて行なわれる。この段階では、上記のz4に関する式に着目する。行列要素r44は既知であり、z4は他の信号と干渉しておらず、1つの送信信号x4にのみ依存していることが分かる。従って、送信信号x4については、高々16通りの信号点の候補しかない。シンボル候補生成部74−4は、x4に関する16個(C=16)の信号点の候補を生成する。言い換えれば、信号のコンスタレーション(constellation)上の16個の信号点が選択される。これらの候補と第4の変換後の受信信号z4との二乗ユークリッド距離が、二乗ユークリッド距離算出部76−4で算出され、距離の小さい順にS1個の候補が選択され、それらは生き残り候補となる。
第2段階(第2ステージ)は、判定部72−3にて行なわれる。ここでは、z3に関する式に着目する。行列要素r33,r34は既知であり、x4には16通りの候補があり、x3についても16通りの信号点の候補が存在する。x3に関する新たな信号点として16個の信号点が、シンボル生成部74−3により導入される。従って、16×16=256通りの信号点の組合せがあり得る(256個の候補がある。)。これらの候補と第3の受信信号x3との256通りの二乗ユークリッド距離が算出され、その値の小さい順に16個(S2=16)の組合せを選択することで、候補が絞り込まれる。
第3段階(第3ステージ)は、判定部72−2にて、同様な処理が行なわれる。この段階では、z2に関する式に着目する。行列要素r22,r23,r24は既知であり、送信信号x3,x4の組合せは前段で16通りの候補に絞られており、x2については16通りの信号点の候補が存在する。このため、シンボル候補生成部74−2は、x2に関する16個の候補を生成する。この場合も、256通りの信号点の組合せの中から、二乗ユークリッド距離の小さい16通り(S3=16)の候補を選択することで、候補が絞り込まれる。
第4段階(第4ステージ、ここでは、最終ステージ)は、判定部72−1にて、同様な処理が行なわれる。この段階では、z1に関する式に着目する。行列要素r11,r12,r13,r14は既知であり、送信信号x2,x3,x4の組合せは前段で16通りの候補に絞られており、x1については16通りの信号点の候補が存在する。このため、シンボル候補生成部74−1は、x1に関する16個の候補を生成する。この場合も、256通りの信号点の組合せの中から、二乗ユークリッド距離の小さい16通り(S4=16)の候補を選択することで、候補が絞り込まれる。
このようにして、各段階で候補数を一定数(S1≦C等)以下に制限することで、総ての可能な信号点の組合せについて二乗ユークリッド距離を算出せずに、送信信号の信号点の候補を絞り込むことができる。
特開2006−157390号公報
しかしながら、上記従来の信号分離方法においても演算量は多く更なる演算量の削減が望まれる。ところが、ただ単にシンボル候補を減らすだけでは、演算量は削減されるもののビット尤度が存在しない可能性があり、この場合には後段の復調の正確性が低下して、通信品質が劣化する可能性がある。また、特に、送信アンテナ数が少なく変調多値数が大きい場合には、最終ステージの演算量の大きさが問題となる。例えば、2×2MIMO、64QAM、QRM−MLDの場合には、ステージ1のシンボル候補選択数をNとすると、ステージ1およびステージ2における二乗ユークリッド距離計算回数は、それぞれ64回、N×64回となる。
本発明の目的演算量を削減しつつビット尤度の存在しない確率を下げることにより、演算量を削減でき、且つ、通信品質を向上させることができる尤度決定方法および尤度決定装置を提供することである
本発明の尤度決定方法は、受信した空間多重信号のうち、最終ステージでのみ計算する第1の信号に含まれる各ビットの尤度を、QR分解を用いるMLD方式によって決定する尤度決定方法であって、最終の1つ前のステージまでに決定された、前記空間多重信号のうち前記第1の信号を除いた第2の信号の信号点候補の全てにより得られる前記第1の信号の信号空間上の各信号点から、前記信号空間上のコンスタレーションの信号点であって離間距離が最小である最近傍信号点を前記第2の信号の信号点候補毎に検出し、前記最近傍信号点に対応する各ビットを反転させた前記信号空間上のコンスタレーションの信号点群のうち最も位置が近い信号点を、前記第1の信号に含まれる第1ビットから第Mビットまでの各ビットについて、予め記憶された対応関係に基づいて選択し、前記第2の信号の信号点候補と、前記第2の信号の信号点候補毎の前記最近傍信号点及び前記最近傍信号点に対応する各ビットを反転させた前記信号空間上のコンスタレーションの信号点群のうち最も位置が近い前記信号点とを対象に、前記最終ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点との距離を計算し、前記第1の信号に含まれる前記各ビットに対し、前記距離の内の最小値を判定して尤度を決定するようにした
本発明の尤度決定装置は、受信した空間多重信号のうち、最終ステージでのみ計算する第1の信号に含まれる各ビットの尤度を、QR分解を用いるMLD方式によって決定する尤度決定装置であって、最終の1つ前のステージまでに決定された、前記空間多重信号のうち前記第1の信号を除いた第2の信号の信号点候補の全てにより得られる前記第1の信号の信号空間上の各信号点から、前記信号空間上のコンスタレーションの信号点であって離間距離が最小である最近傍信号点を前記第2の信号の信号点候補毎に検出する検出手段と、前記最近傍信号点に対応する各ビットを反転させた前記信号空間上のコンスタレーションの信号点群のうち最も位置が近い信号点を、前記第1の信号に含まれる第1ビットから第Mビットまでの各ビットについて、予め記憶された対応関係に基づいて選択する選択手段と、前記第2の信号の信号点候補と、前記第2の信号の信号点候補毎の前記最近傍信号点及び前記最近傍信号点に対応する各ビットを反転させた前記信号空間上のコンスタレーションの信号点群のうち最も位置が近い前記信号点とを対象に、前記最終ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点との距離を計算する計算手段と、前記第1の信号に含まれる前記各ビットに対し、前記距離の内の最小値を判定して尤度を決定する尤度決定手段と、を有する構成を採る
本発明によれば、演算量を削減でき、且つ、通信品質を向上させることができる尤度決定方法および尤度決定装置を提供することができる。
従来のQRM−MLD法による信号分離を行なう受信機の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る最尤判定部の構成を示すブロック図 図2の最終ステージに係る判定部の詳細な構成を示す図 図3の判定部に変調多値数が6、つまり64QAMの変調方式が適用される場合の詳細な構成を示す図 図2の最尤判定部の動作の説明に供する図 図2の尤度出力部の構成を示す図 図2の尤度出力部の動作の説明に供する図 図6の尤度出力部と比較する従来の構成例を示す図 実施の形態2に係る最尤判定部の構成を示すブロック図 ランキング方法の説明に供する図 図9の判定部に変調多値数が6、つまり64QAMの変調方式が適用される場合の詳細な構成を示す図 図9の最尤判定部の動作の説明に供する図 図9の最尤判定部の動作の説明に供する他の図 実施の形態3に係る最尤判定部の構成を示すブロック図 「可能最大離間距離」の説明に供する図 図14の判定部に変調多値数が6、つまり64QAMの変調方式が適用される場合の詳細な構成を示す図 図14の最尤判定部の動作の説明に供する図 他の実施の形態における最近傍信号点からこれに対応する信号点の選択方法の説明に供する図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
(実施の形態1)
図2に示すように実施の形態1の、無線受信機に搭載される信号分離装置に利用する最尤判定部100は、最終段階(最終ステージ)の処理を行う判定部110と、その前段階の処理を行う判定部160とを有する。また、上記信号分離装置では、最尤判定部100の出力段に、尤度選択、LLR算出などを行う尤度出力部150が配設される。
さらに判定部110は、近傍信号点候補検出部120と、信号点候補選択部130と、距離算出部140とを有する。
最尤判定部100には、上記従来技術の最尤判定部と同様に、信号変換部からユリタリ変換後の受信信号ベクトルzおよび上三角行列Rの行列要素が入力される。
最終ステージの1つ前のステージに係る判定部160は、最終ステージで各候補点に対する2乗ユークリッド距離が算出される送信信号以外の、各送信信号の候補点の組み合わせ(N通り)を出力する。
最終ステージに係る判定部110は、判定部160から入力される、各送信信号のシンボル候補の組み合わせ(N通り)の各々について、シンボル候補固定時の信号点からコンスタレーション上で最も近い最近傍信号点を検出するとともに、この最近傍信号点および当該最近傍信号点と予め対応づけられているm個の信号点と、最終ステージに係る受信信号との2乗ユークリッド距離を算出し、この2乗ユークリッド距離を尤度出力部150に出力する。
具体的には、近傍信号点候補検出部120は、判定部160から入力される、各送信信号のシンボル候補の組み合わせ(N通り)の各々について、「シンボル候補固定時の信号点」からコンスタレーション上で最も近い最近傍信号点を検出する。
信号点候補選択部130は、近傍信号点候補検出部120にて検出された最近傍信号点に対応するコンスタレーション上のm個の信号点を距離算出部140に出力する。例えば、信号点候補選択部130は、予め最終ステージで使用されるコンスタレーション上の各信号点と、これに対応するm個の信号点とを対応づけて記憶するメモリから構成される。ここで、予め最終ステージで使用されるコンスタレーション上の各信号点に対応するm個の信号点は、前記コンスタレーション上の信号点の各々のビットごとに反転した信号点であって最も近い信号点である。反転する候補ビットの数は変調多値数であり、また、複数の反転について同一の信号点が選択される場合も考えられるため、mは送信信号の変調多値数以下の自然数である。なお、最近傍信号点および当該最近傍信号点と対応づけられた信号点の纏まりを、以下では「信号点グループ」と呼ぶことがある。
距離算出部140は、近傍信号点候補検出部120にて検出された最近傍信号点および信号点候補選択部130からのm個の信号点、すなわち信号点グループの構成信号点の各々と、ユリタリ変換後の最終ステージに係る受信信号との2乗ユークリッド距離を算出する。
尤度出力部150は、距離算出部140にて算出された2乗ユークリッド距離に基づいて、最終ステージに係る送信信号の尤度を選択する。N個の信号点グループの各々には、最終ステージに係る送信信号の全てのビットに関して「1」を持つ信号点および「0」を持つ信号点が構成信号点として含まれていることから、尤度出力部150は、各ビットのビット値ごとに、全ての信号点グループの構成信号点の中で最も2乗ユークリッド距離が小さい信号点を選択し、この選択された信号点とこれに対応する尤度とを出力する。また、尤度出力部150は、距離算出部140にて算出された2乗ユークリッド距離に基づいて、最終ステージより前の各ステージに係る送信信号の尤度についても、上記最終段階の選択と同様の考え方で処理を行うことにより、各着目ビットのビット値ごとに候補信号点が分類された各組の中で最もユークリッド距離を示す量が小さい信号点を選択し、この選択された信号点とこれに対応する尤度とを出力する。さらに、各ビットに対して、ビット値0の尤度、ビット値1の尤度から各ビットのLLRを算出する。こうすることにより、尤度出力部150は、ステージの各々に関し、各ビットのビット値ごとに、全ての候補信号点の中で最も2乗ユークリッド距離が小さい信号点に対応する尤度を選択している。尤度出力部150の構成および動作については、後に詳述する。
図3は、図2の最終ステージに係る判定部110の詳細な構成を示す図である。同図に示すように、判定部110には、最終より1つ前のステージからのN通りのユリタリ変換後の受信信号の組み合わせの各々について、最近傍信号点の検出、当該最近傍信号点に対応する信号点の出力、および信号点グループの構成信号点の各々とユリタリ変換後の最終ステージに係る受信信号点との2乗ユークリッド距離の算出を行う機能部として、近傍信号点候補検出部120−1〜N、信号点候補選択部130−1〜N、および距離算出部140−1〜Nが並列に設けられている。さらに、距離算出部140は、2乗ユークリッド距離算出回路142−1〜m+1を有する。2乗ユークリッド距離算出回路142−1〜mは、それぞれ信号点候補選択部130の出力である、最近傍信号点に対応するm個の信号点と、最終ステージに係る受信信号点との2乗ユークリッド距離を算出する。2乗ユークリッド距離算出回路142−m+1は、近傍信号点候補検出部120にて検出された最近傍信号点と、最終ステージに係る受信信号点との2乗ユークリッド距離を算出する。
図4は、特に、変調多値数が6、つまり64QAMの変調方式が適用される場合の判定部110の詳細な構成を示す図である。同図に示すように距離算出部140は、2乗ユークリッド距離算出回路142−1〜7を有している。
次に最尤判定部100の動作、特にここでは、変調方式として64QAMが適用される場合の判定部110における近傍信号点候補検出部120、信号点候補選択部130、および距離算出部140の動作について図5を参照して説明する。また、説明を簡単にするために、送信側のアンテナ数が4、受信側のアンテナ数が4、すなわち4×4のMIMO通信がなされる場合について説明する。
近傍信号点候補検出部120には、判定部160から最終より1つ前のステージまでの各送信信号の候補点の組み合わせが入力される。
ここでは、4×4MIMOが適用されているので、最終ステージ(第4ステージ)で用いられる関係式は、上述のz1=r11x1+r12x2+r13x3+r14x4である。最終より1つ前のステージまでに、x2、x3、x4の候補信号点の組み合わせN通りが近傍信号点候補検出部120に入力される。
近傍信号点候補検出部120では、各送信信号のシンボル候補の組み合わせ(N通り)の各々について、「シンボル候補固定時の信号点」からコンスタレーション上で最も近い最近傍信号点が検出される。上記式の一部であるr12x2+r13x3+r14x4に、各送信信号のシンボル候補の組み合わせ(すなわち、各x2、x3、x4の組み合わせ)を入力した結果が、図5に示すコンスタレーション上の■の点、つまり「シンボル候補固定時の信号点」である。この「シンボル候補固定時の信号点」から最も距離の近い信号点が近傍信号点候補検出部120で検出される。この処理は、組み合わせごとに行われる。図5の最上段のコンスタレーションでは、「000000」が最近傍信号点として検出される。
信号点候補選択部130には、予め最終ステージで使用されるコンスタレーション上の各信号点と、これに対応するm個の信号点とを対応づけて記憶されている。そして、信号点候補選択部130では、近傍信号点候補検出部120にて組み合わせごとに検出された最近傍信号点の各々に対応するm個の信号点を距離算出部140に出力する。
ここで、最終ステージで使用されるコンスタレーション上の各信号点に対応するm個の信号点は、前記コンスタレーション上の信号点の各々のビットごとに反転した信号点であって最も近い信号点である。すなわち、最近近傍信号点が「000000」の場合には、最初のビットが反転している信号点「1XXXXX」のうち最近傍信号点から最も近い信号点である「100010」が信号点グループの構成信号点として選択される。また、2番目のビットが反転している信号点「X1XXXX」のうち最近傍信号点から最も近い信号点である「010001」が信号点グループの構成信号点として選択される。64QAMでは、6ビットについて各々構成信号点が選択される。なお、ここではグレイコード化されたコンスタレーションを前提に説明しているので、最近傍信号点の他にビット数だけ構成信号点が必要となる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、他のコード化によるコンスタレーションを使用することもできる。このコンスタレーションによっては、例えば、各ビットに関し反転している信号点のうち、最近傍点信号点から最も近い信号点が「111111」である場合もある。その場合には、信号点グループの構成信号点は、「111111」が唯一のものとなる。そのため、信号点候補選択部130には、予め最終ステージで使用されるコンスタレーション上の各信号点と、これに対応する、送信信号の変調多値数以下の自然数であるm個の信号点とが、対応づけて記憶されている。
距離算出部140では、近傍信号点候補検出部120にて検出された最近傍信号点および信号点候補選択部130からのm個の信号点、すなわち信号点グループの構成信号点の各々と、ユリタリ変換後の最終ステージに係る受信信号z1との2乗ユークリッド距離が算出される。
次に尤度出力部150の構成および動作について、図6および図7を参照して説明する。
図6に示すように尤度出力部150は、距離算出部140にて算出された2乗ユークリッド距離に基づいて、最終ステージに係る送信信号の尤度を選択する選択部152と、最終ステージに係る送信信号の候補点を最近傍信号点(N個)としたときの尤度を、最終ステージより前のステージごとに決定された送信信号候補点の各ビットのビット値と対応づけて尤度を出力する選択部154と、各送信信号のビット尤度に基づいて、LLRを算出するLLR算出部170とを有する。
選択部152は、さらに振り分け部156−1〜Nと、選択部158−1〜6(変調多値数に対応)とを有する。振り分け部156は、最終の1つ前のステージまでの各送信信号のシンボル候補の組み合わせ(N通り)に相当する数Nだけ、すなわち候補点グループ数と同じNだけ配設されている。振り分け部156−1〜Nは、それぞれ異なる候補点グループの構成信号点を入力し、最近傍信号点以外の構成信号点を選択する際に着目したビットに応じた選択部158に出力するとともに、最近傍信号点については全ての選択部158に出力する。
選択部158は変調多値数に相当する数だけ設けられている。各選択部158は、着目するビットが予め設定されており、その着目するビットのビット値ごとに2乗ユークリッド距離が最小となる入力信号点を選択し、選択された入力信号点とこれに対応する最終ステージまでに決定された信号候補点とこれらに対応する尤度とを出力する。選択部158は、それぞれビット値に応じた2つのセレクタ(SEL)を有する。
選択部154は、最初のステージから最終の1つ前のステージまでの各ステージに対応する選択部154−1〜(X−1)を有する。選択部154−1〜(X−1)の各々は、最終より1つ前までの各ステージと対応しており、距離算出部140にて算出された2乗ユークリッド距離に基づいて、最終ステージより前の各ステージに係る送信信号の尤度について、上記選択部152における最終段階の選択と同様の考え方で処理を行うことにより、各着目ビットのビット値ごとに候補信号点が分類された各組の中で最もユークリッド距離を示す量が小さい信号点を選択し、この選択された信号点とこれに対応する尤度とを出力する。
LLR算出部170は、選択部152および選択部154からの出力を用いて、各ステージに係る送信信号に関し、各着目ビットのビット値0の尤度およびビット値1の尤度から各着目ビットのLLRを算出する。
以上の選択部152の動作について図7を参照して視覚的に説明する。
各振り分け部156には、図7の左側に示したN個の信号点グループが入力される。同図の左上の信号点グループを見ると、着目するビット(同図のdxのビット)のビット値ごとに分類される。すなわち、最近傍信号点については、各着目ビットのビット値ごとにそのまま分類される。その他の構成信号点については、選択する際に着目したビットに応じて分類される。
各振り分け部156は、このような分類に従って、着目ビットごとに設けられた選択部158に入力構成信号点を振り分ける。
各選択部158は、予め着目するビットが設定されている。すなわち、選択部158は、図7の右図の着目ビット(同図のdxのビット)ごとにそれぞれ用意されている。各選択部158は、その着目ビットのビット値ごとに、2乗ユークリッド距離が最小となる入力信号点を選択し、選択された入力信号点とこれに対応する最終ステージまでに決定された信号候補点とこれらに対応する尤度とを出力する。すなわち、例えば、選択部158−1は、1ビット目を着目することが予め設定されており、着目ビットのビット値0に対応して「000000」,...,「010011」の中で、2乗ユークリッド距離が最小となる入力信号点を選択し、選択された入力信号点とこれに対応する最終ステージまでに決定された信号候補点とこれらに対応する尤度とを出力する。さらに、選択部158−1は、着目ビットのビット値1に対応して「100010」,...,「110011」の中で、2乗ユークリッド距離が最小となる入力信号点を選択し、選択された入力信号点とこれに対応する最終ステージまでに決定された信号候補点とこれらに対応する尤度とを出力する。因みに、信号点候補選択部130および近傍信号点候補検出部120から出力される信号点グループの構成信号点には、最終ステージに係る送信信号の全てのビットに関して「1」を持つ信号点および「0」を持つ信号点が効率良く含まれている。そのため、選択部152にて各ビットのビット値ごとに1つの尤度に絞っても、後段処理の信頼性に対する影響は少ない。その一方で、上記のとおり後段の処理量を格段に削減できる効果がある。
ここで参考のために、従来のQRM−MLDのように最終ステージのシンボル候補を絞ることなく、最終ステージのシンボル候補数64個とする場合に、上記尤度出力部と同じような処理を行うとすると、選択部152、選択部154は図8に示すような構成となる。この構成では、セレクタが(24N−12)×X+361×N個必要である。本実施の形態の尤度出力部150の構成と比べると、セレクタが361×N個多く必要となる。従って、最尤判定部100を上述のような構成とすることにより、構成および制御の面でも簡単化することができる。
なお上記説明においては、最終の1つ前のステージまでの各ステージからの出力について特に説明を行っていないが、本発明はその態様により特に限定されるものではなく、QR−MLDでも、QRM−MLDでも、象限検出QRM−MLDでもよい。
このように実施の形態1によれば、MIMO方式の無線受信装置で使用される、QR分解を用いるMLD方式で信号分離を行う信号分離装置に、MLDにおける最終の1つ前のステージまでに決定された信号点候補の残された全組み合わせについて当該組み合わせを固定したときに得られる各信号点(「シンボル候補固定時の信号点」)から、最終ステージで使用されるコンスタレーション上の信号点であって離間距離が最小である最近傍信号点を検出する検出手段としての近傍信号点候補検出部120と、各最近傍信号点に対応する、受信信号の変調多値数以下の自然数m個の前記コンスタレーション上の信号点を選択する選択手段としての信号点候補選択部130と、前記最近傍信号点および前記選択された信号点の各々と、前記最終ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点とのユークリッド距離を示す量(2乗ユークリッド距離)を算出する距離算出手段としての距離算出部140と、を設けた。
こうすることにより、最終より1つ前のステージまでに決定された信号点候補の残された全組み合わせの各々に対しての候補点をm+1個に絞ることができるので、演算量を削減でき消費電力を低減することができる。
前記最近傍信号点と対応する前記コンスタレーション上の信号点の各々(つまり、信号点候補選択部130にて最近傍信号点に応じて出力される信号点群の各々)は、前記最近傍信号点のビットのうち着目する着目ビットごとにビット値が反転された信号点であって前記最近傍信号点から最も近い信号点である。
こうすることにより、各組み合わせに対応する最近傍信号点およびこれに対応するm個の信号点には、最終ステージに係る送信信号の全てのビットに関して「1」を持つ信号点および「0」を持つ信号点が構成信号点として含まれているので、ビット尤度の存在しない確率を下げることができ、この信号分離装置が搭載される通信装置の通信品質を向上させることができる。
さらに信号分離装置が、各着目ビットのビット値ごとに前記全組み合わせに係る最近傍信号点および前記最近傍信号点に対応する信号点が分類された各組の中で最もユークリッド距離を示す量が小さい信号点を選択する他の選択手段としての尤度出力部150を具備するようにした。
こうすることにより、信号分離装置の出力にビット尤度の存在しない確率を下げつつ出力量を低減することができ、後段処理の信頼性を維持し且つ演算量を削減することができる。
また、送信アンテナ数N、受信アンテナ数MのMIMO方式の無線受信装置(本実施の形態では、N及びMのいずれも4)で使用される、QR分解を用いるMLD方式で信号分離を行う信号分離装置に、チャネル推定行列をQR分解して得られる三角行列において、0である行列要素が存在する行(本実施の形態では、最終ステージに対応する行以外の行)に含まれる0でない行列要素と掛け合わされる送信信号候補が取りうる最大組合せ数以下の全組み合わせを出力する判定部160と、前記全組み合わせについて、三角行列において0である行列要素が存在しない行に含まれる行列要素と送信信号候補との積の総和と、ユニタリ行列の共役転置行列を受信信号ベクトルに乗算した後のユニタリ変換後の受信信号ベクトルの、前記総和に対応する行列要素との、コンスタレーション上の離間距離が最小である最近傍信号点を検出する近傍信号点候補検出部120と、前記全組み合わせについて、前記0でない行列要素と掛け合わされる送信信号候補以外の送信信号候補の各ビットのビット値ごとについて、前記0でない行列要素と送信信号候補との積の総和と、これに対応するユニタリ変換後の受信信号とのユークリッド距離を示す量、および、前記最近傍信号点の各々と、これに対応するユニタリ変換後の受信信号とのユークリッド距離を示す量の和を算出する距離算出部140(具体的には、2乗ユークリッド距離算出回路142−7)と、前記0でない行列要素と掛け合わされる送信信号候補の各ビットのビット値ごとに前記全組み合わせに係る最近傍信号点が分類された各組の中で、距離算出部140にて算出された和が最も小さい信号点を選択する尤度出力部150(具体的には、選択部152)と、を設けた。
さらに、その信号分離装置は、チャネル推定行列をQR分解して得られる三角行列において、0でない行列要素と掛け合わされる送信信号候補の各ビットのビット値ごとについて、各最近傍信号点に対応する、送信信号の変調多値数以下の自然数個の前記コンスタレーション上の信号点を選択する信号点候補選択部130を具備し、距離算出部140が、前記全組み合わせについて、前記0でない行列要素と送信信号候補との積の総和と、これに対応するユニタリ変換後の受信信号とのユークリッド距離を示す量、並びに、前記最近傍信号点および前記選択された信号点の各々と、これに対応するユニタリ変換後の受信信号とのユークリッド距離を示す量の和を算出し、尤度出力部150が、前記全組み合わせに係る最近傍信号点および前記最近傍信号点に対応する信号点が各ビットのビット値ごとに分類された各組の中で、前記距離算出手段にて算出された和が最も小さい信号点を選択する。
(実施の形態2)
実施の形態2においては、QR分解を伴い、さらにMアルゴリズムを用いるMLDであるQRM−MLDに限定される。このとき最終より1つ前のステージまでの2乗ユークリッド距離の和eSUM1〜X−1は、小さい順に、eSUM1〜X−1(1位),eSUM1〜X−1(2位),eSUM1〜X−1(3位)・・・,eSUM1〜X−1(N位)となる。最終より1つ前のステージに係る判定部から入力される上記2乗ユークリッド距離は、最終ステージに係る判定部に上記のような順序で入力される。
本実施の形態においては、以下の理論に基づき最終段階の2乗ユークリッド距離の算出量を削減するものである。説明を簡単にするために変調多値数m=6、つまり64QAMを例として説明する。
最終より1つ前の段階までの2乗ユークリッド距離の和に関し、k位とその次のk+1位に着目すると、それぞれの最終的な2乗ユークリッド距離の和eSUM1〜Xは、以下のようになる。
SUM1〜X=eSUM1〜X−1(k位)+e
e’SUM1〜X=eSUM1〜X−1(k+1位)+e’
となる。
ただし、e、e’は、64QAMの場合には、それぞれ7通りある。
上記前提条件により、
SUM1〜X−1(k位)≦eSUM1〜X−1(k+1位)
である。
また、2乗ユークリッド距離は0以上の値を持つため、各eに対して、
SUM1〜X≦eSUM1〜X−1(k+1位)
が言えるならば、
SUM1〜X≦e’SUM1〜X
が必ず言える。
この場合、最終ステージより1つ前のステージまでの、k+1位の2乗ユークリッド距離の和に対応する、最終ステージの2乗ユークリッド距離の和は、尤度候補に選ぶ必要がない。よって、2乗ユークリッド距離計算をしなくてもよいので、消費電力削減の効果が得られるものである。ただし、計算をする必要がなくなるのは、あくまでも最終ステージの尤度候補だけであり、最終以外のステージではその後のステージにて尤度候補を計算するために、最近傍信号点の2乗ユークリッド距離だけは計算する必要がある。
図9に示すように実施の形態2の、無線受信機に搭載される信号分離装置に利用する最尤判定部200は、最終段階(最終ステージ)の処理を行う判定部210と、その前段階の処理を行う判定部260とを有する。さらに判定部210は、区画/近傍信号点候補検出部220と、信号点候補選択部230と、距離算出部240と、尤度選択制御部270とを有する。
判定部260は、そのステージまでに決定された、各送信信号のシンボル候補の組み合わせと、各々に対応する2乗ユークリッド距離の和とを、2乗ユークリッド距離の和が小さい順にランキングして判定部210(特に、区画/近傍信号点候補検出部220、尤度選択制御部270)に出力する。
区画/近傍信号点候補検出部220は、判定部260から入力される、各送信信号のシンボル候補の組み合わせ(N通り)の各々について、「シンボル候補固定時の信号点」からコンスタレーション上で最も近い最近傍信号点を検出し且つ「シンボル候補固定時の信号点」が前記最近傍信号点を中心として区分けされた区画を検出し、尤度選択制御部270からの命令信号に従って、各送信信号のシンボル候補の組み合わせに関する最近傍信号点および検出された区画を、2乗ユークリッド距離の小さい順番で順々に信号点候補選択部230および距離算出部240に出力する。
信号点候補選択部230は、尤度選択制御部270からの命令信号に従って、区画/近傍信号点候補検出部220からの最近傍信号点に対応するコンスタレーション上の信号点を、2乗ユークリッド距離の小さい順番で順々に距離算出部240に出力する。例えば、信号点候補選択部230には、予め最終ステージで使用されるコンスタレーション上の各信号点と、これに対応するm個の信号点とが対応づけられて記憶されている。さらに、信号点候補選択部230には、予め最終ステージで使用されるコンスタレーション上の各信号点を中心として区分けされた区画と、上記各信号点と対応するm個の信号点との距離に基づいて、上記m個の信号点がランキングされて記憶されている。そのため、信号点候補選択部230は、尤度選択制御部270からの命令信号の内容に応じて、各組み合わせに対応するm個の信号点の全体の出力のみならず、各組み合わせに対応するm個の信号点のうち特定のランキングの信号点のみ出力も可能に構成されている。なお、最近傍信号点、およびm個全体又はその一部に拘わらず信号点候補選択部230からの信号点を合わせて、実施の形態1と同様に、「信号点グループ」と呼ぶことがある。
ここで、m個の信号点のランキング方法について図10を用いて説明する。同図の四角い枠内にあるときに、最近傍信号点は、「000000」となる。さらに最近傍信号点を中心とするエリア(上記四角い枠)を分割し、分割エリアに応じてm個の信号点までの距離はランキング可能となる。すなわち、「シンボル候補固定時の信号点」が位置する分割エリアを検出できれば、m個の信号点までの距離が略一意に決まるので、ランキングすることができる。
距離算出部240は、区画/近傍信号点候補検出部220からの最近傍信号点および信号点候補選択部230からの信号点の各々と、ユリタリ変換後の最終ステージに係る受信信号との2乗ユークリッド距離を算出し、算出結果を尤度選択制御部270に出力する。
尤度選択制御部270は、距離算出部240から受け取り保持している、或る信号点グループに係る最終的な2乗ユークリッド距離の和(上記説明におけるeSUM1〜X)と、その信号点グループに係る前ステージまでの各送信信号の組み合わせよりも1ランク下(すなわち、2乗ユークリッド距離の和が小さい順に並べられた順位が1つ多い)の組み合わせに係る前ステージまでの2乗ユークリッド距離の和(上記説明におけるeSUM1〜X−1(k+1位))とを比較する。
尤度選択制御部270は、比較の結果、eSUM1〜XがeSUM1〜X−1(k+1位)以下の場合には、eSUM1〜Xに係る信号点グループと、この構成信号点ごとの最終的な2乗ユークリッド距離とを尤度出力部150に出力する。一方、尤度選択制御部270は、eSUM1〜XがeSUM1〜X−1(k+1位)より大きいときには、eSUM1〜X−1(k+1位)に対応する信号点グループの最終的な2乗ユークリッド距離の和を保持するとともに、信号点候補選択部230および区画/近傍信号点候補検出部220に対して、前ステージまでの2乗ユークリッド距離の和のランキング順位が次の、送信信号の組み合わせに係る信号点グループの出力を命ずるべく命令信号を出力する。因みに、尤度選択制御部270は、或る信号点グループに係るm+1個の最終的な2乗ユークリッド距離の和と、その信号点グループに係る前ステージまでの各送信信号の組み合わせよりも1ランク下(すなわち、2乗ユークリッド距離の和が小さい順に並べられた順位が1つ多い)の組み合わせに係る前ステージまでのm+1個の2乗ユークリッド距離の和とを、信号点候補選択部230にてランクされている検出区画からの距離に関するランキングに応じて比較するため、信号点候補選択部230に対する命令信号には、比較の結果、eSUM1〜XがeSUM1〜X−1(k+1位)より大きくなってしまった構成信号点の着目ビットおよびそのビット値に対応する信号点のみの出力命令を含めてもよい。なお、尤度選択制御部270は、前ステージから各送信信号のシンボル候補の組み合わせと、各々に対応する2乗ユークリッド距離の和とが入力されたタイミングで先ずランキング1位に係る信号点グループの出力を制御するために命令信号を信号点候補選択部230および区画/近傍信号点候補検出部220に対して出力する。
図11は、特に、変調多値数が6、つまり64QAMの変調方式が適用される場合の判定部210の詳細な構成を示す図である。判定部210が備える各機能部(区画/近傍信号点候補検出部220、信号点候補選択部230、距離算出部240)は、最終より1つ前のステージまでの、各送信信号のシンボル候補の組み合わせ(N通り)に対応する2乗ユークリッド距離算出処理部280−1〜Nのそれぞれに設けられている。距離算出部240は、それぞれ7つの2乗ユークリッド距離算出回路242を有している。
まず尤度選択制御部270は、前ステージから各送信信号のシンボル候補の組み合わせと、各々に対応する2乗ユークリッド距離の和とが入力されたタイミングで先ずランキング1位に係る信号点グループの出力を制御するために命令信号を2乗ユークリッド距離算出処理部280−1の信号点候補選択部230および区画/近傍信号点候補検出部220に対して出力する。そして、これに応じた最終的な2乗ユークリッド距離が入力される。
そして、尤度選択制御部270は、次にランキング2位に係る信号点グループの出力を制御するために命令信号を2乗ユークリッド距離算出処理部280−2に出力する。このように尤度選択制御部270は、eSUM1〜X≦eSUM1〜X−1(k+1位)を満たすまで、次の2乗ユークリッド距離算出処理280に対して出力命令信号を出力する。
次に上記構成を有する最尤判定部 200の動作、特に、変調方式として64QAMが適用される場合の判定部210の尤度選択制御部270の動作について図12を参照して説明する。
図12の上側には、最終よりも1つ前のステージまでの、ランキングk位の2乗ユークリッド距離の和を持つ、送信信号の組み合わせ(d2・・・X−1)に対応する信号点グループの構成信号点を着目ビットごとに分類し、さらに最近傍信号点以外の信号点を検出区画からの離間距離に基づいてランキング(同図中の(1))した様子が示される。同図では、最近傍信号点に対する2乗ユークリッド距離が1位になることは明白なので、最近傍信号点を除いた他の構成信号点に対してランクづけしている。尤度選択制御部270では、信号点グループのこれらの構成信号点の各々に対応する、最終的な2乗ユークリッド距離の和eSUM1〜X(7通り)が取得される。
次に、尤度選択制御部270では、この最終的な2乗ユークリッド距離の和eSUM1〜X(7通り)と、最終よりも1つ前のステージまでの、次のランキングk+1位の2乗ユークリッド距離の和を持つ送信信号の組み合わせ(d’d’2・・・d’X−1)の当該前ステージまでの2乗ユークリッド距離の和eSUM1〜X−1(k+1位)とが比較される(同図中の(2))。
そして、比較の結果、eSUM1〜XがeSUM1〜X−1(k+1位)以下の場合には、eSUM1〜Xに係る信号点グループと、この構成信号点ごとの最終的な2乗ユークリッド距離とを尤度出力部150に出力する。一方、尤度選択制御部270は、eSUM1〜XがeSUM1〜X−1(k+1位)より大きいときには、eSUM1〜X−1(k+1位)に対応する信号点グループの最終的な2乗ユークリッド距離の和を保持(更新)するとともに、信号点候補選択部230および区画/近傍信号点候補検出部220に対して、前ステージまでの2乗ユークリッド距離の和のランキング順位が次の、送信信号の組み合わせに係る信号点グループの出力を命ずるべく命令信号を出力する(同図中の(3))。
因みに、同図の上側に示される信号点グループの四角で囲まれた構成信号点(ランキング5位、6位)のみについて、eSUM1〜XがeSUM1〜X−1(k+1位)より大きくなってしまった場合には、その構成信号点の着目ビットおよびそのビット値(同図では、「010001」については着目ビットが第2ビットでそのビット値が「1」、「100010」については着目ビットが第1ビットでそのビット値が「1」)に対応する構成信号点の出力命令信号を信号点候補選択部230に対して出力することになる。
すなわち、同図中の(2)においては、前ステージまでのシンボル候補d’d’2・・・d’X−1に対応する2乗ユークリッド距離の和eSUM1〜X−1(k+1位)と、ランキングされた尤度候補に対する2乗ユークリッド距離の和との比較が行われる。そして、同図中の(3)においては、eSUM1〜X−1(k+1位)<eSUM1〜Xが成り立つ尤度候補に対して、尤度候補と2乗ユークリッド距離の和e’SUM1〜Xが更新される。例えば、同図中の(2)の比較において、同図上側の表の1位から順に比較していき、5位、6位でeSUM1〜X−1(k+1位)<eSUM1〜Xが成り立った場合には、最終ステージのシンボル候補の1、2ビット目ビット値1の尤度候補に対応する2乗ユークリッド距離の和を、1、2ビット目ビット値1の尤度候補に対応するe’SUM1〜Xと比較して小さい方を新たな2乗ユークリッド距離の和として更新する。さらに、次に同じ処理を繰り返すときには、再び1位から順に比較する必要はなく、5位、6位だけを比較すればよい。6位まで更新が起こらなければ、eSUM1〜X−1(k位)≦eSUM1〜X−1(k+1位) (k=1〜N−1)であるのでそれ以降も更新は起きない。したがって、その時点以降、2乗ユークリッド距離は計算しなくてもよい。ただし、前述の通り、計算をする必要がなくなるのは、あくまでも最終ステージの尤度候補だけであり、最終以外のステージの尤度候補を計算するために、最近傍信号点の2乗ユークリッド距離だけは計算する必要がある。
以上の説明を図13を参照してさらに詳細に説明する。第1に、k位の最近傍信号点の2乗ユークリッド距離の和eSUM1〜X(最近傍)、k位の最近傍信号点に対応するm個の信号点の1位〜6位のeSUM1〜X(1〜6位)に関し、k+1位の最近傍信号点の2乗ユークリッド距離の和eSUM1〜X−1(k+1位)と大きさを比較する(同図中の(1))。第2に、eSUM1〜X−1(k+1位)が、k位の4位と5位との間にあるとき、k位の最近傍信号点、k位の1〜4位に対応する着目ビットおよびそのビット値の尤度が確定する(同図中の(2))。第3に、k位の5位、6位については、それぞれに対応するビットおよびそのビット値がk+1位の何位に相当するかを把握する。たとえば、k位の5位についてk+1位の4位が、k位の6位に対してk+1位の2位が対応するとする(同図中の(3))。第4に、これらを比較して、2乗ユークリッド距離の和の小さいほうをそのビットおよびビット値の尤度候補とする(同図中の(4))。これらのビット、ビット値の尤度は未確定である。第5に、eSUM1〜X−1(k+2位)の大きさを、k+1位の2位、k位の5位と比較する(同図中の(5))。第6に、eSUM1〜X−1(k+2位)がk位の5位より大きいとき、k+1位の2位、k位の5位に対応するビット・ビット値の尤度は、そのときそれぞれが保持している2乗ユークリッド距離の和の値に確定する。この時点で全てのビット・ビット値に対して尤度が確定することになる(同図中の(6))。そして、これ以降、2乗ユークリッド距離は計算しなくてよい(但し、最近傍点を除く)。
このように実施の形態2によれば、MIMO方式の無線受信装置で使用される、QR分解を用いるMLD方式で信号分離を行う信号分離装置に、MLDにおける最終の1つ前のステージまでに決定された信号点候補の残された全組み合わせについて当該組み合わせを固定したときに得られる各信号点から、最終ステージで使用されるコンスタレーション上の信号点であって離間距離が最小である最近傍信号点を検出する検出手段としての区画/近傍信号点候補検出部220と、各最近傍信号点に対応する、受信信号の変調多値数以下の自然数個の前記コンスタレーション上の信号点を選択する選択手段としての信号点候補選択部230と、前記最近傍信号点および前記選択された信号点の各々と、前記最終ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点とのユークリッド距離を示す量を算出する距離算出手段としての距離算出部240と、さらに、前記組み合わせに係る信号点候補と各ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点とのユークリッド距離を示す量の小さい順番で、前記検出手段および前記選択手段から前記最近傍信号点およびこれに対応する信号点を順次出力させ、且つ、現組み合わせに係る最終的なユークリッド距離を示す量が、前記現組み合わせより前記順番が1つ大きい前記最終より1つ前のステージまでのユークリッド距離を示す量以下のときに、前記出力を停止させると共に前記現組み合わせに係る最近傍信号点および当該最近傍信号点に対応する信号点を選択する他の選択手段としての尤度選択制御部270とを設けた。
こうすることにより、現組み合わせに係る最終的なユークリッド距離を示す量が、前記現組み合わせより前記順番が1つ大きい前記最終より1つ前のステージまでのユークリッド距離を示す量以下のときに、前記検出手段および前記選択手段の出力を停止させることができるので、両手段の後段の距離算出部240の演算量を削減することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態2と同様の理論を用いて、2乗ユークリッド距離の算出量を削減することを目的としている。ただし、実施の形態3においては、信号点候補選択部にて最終ステージにて使用するコンスタレーション上の各信号点とこれに対応するm個の信号点とを対応づけて記憶し、さらに上記コンスタレーション上の隣接信号点間の最短距離を距離単位1として、上記m個の信号点の最近傍信号点からの距離を前記距離単位で表した暫定距離を上記m個の信号点と対応づけて記憶する。そして、尤度選択制御部での「比較」に暫定距離に応じた所定距離が用いられる。
図14に示すように実施の形態3の、無線受信機に搭載される信号分離装置に利用する最尤判定部300は、最終段階(最終ステージ)の処理を行う判定部310有する。この判定部310は、近傍信号点候補検出部320と、信号点候補選択部330と、距離算出部340と、尤度選択制御部370とを有する。
判定部260は、そのステージまでに決定された、各送信信号のシンボル候補の組み合わせと、各々に対応する2乗ユークリッド距離の和とを、2乗ユークリッド距離の和が小さい順にランキングして判定部310(特に、近傍信号点候補検出部320、尤度選択制御部370)に出力する。
近傍信号点候補検出部320は、判定部260から入力される、各送信信号のシンボル候補の組み合わせ(N通り)の各々について、「シンボル候補固定時の信号点」からコンスタレーション上で最も近い最近傍信号点を検出し、尤度選択制御部370からの命令信号に従って、各送信信号のシンボル候補の組み合わせに関する最近傍信号点を、2乗ユークリッド距離の小さい順番で順々に信号点候補選択部330および距離算出部340に出力する。
信号点候補選択部330は、尤度選択制御部370からの命令信号に従って、近傍点信号候補検出部320からの最近傍信号点に対応するコンスタレーション上の信号点およびその「暫定距離」を、前ステージまでの2乗ユークリッド距離の小さい順番で順々に距離算出部340に出力する。例えば、信号点候補選択部330には、予め最終ステージで使用されるコンスタレーション上の各信号点と、これに対応するm個の信号点とが対応づけられて記憶され、さらに、予め最終ステージで使用されるコンスタレーション上の各信号点とこれと対応するm個の信号点との「暫定距離」に基づいて、上記m個の信号点がランキングされて記憶されている。そのため、信号点候補選択部330は、尤度選択制御部370からの命令信号の内容に応じて、各組み合わせに対応するm個の信号点の全体の出力のみならず、各組み合わせに対応するm個の信号点のうち特定のランキングの信号点のみ出力も可能に構成されている。なお、最近傍信号点、およびm個全体又はその一部に拘わらず信号点候補選択部330からの信号点を合わせて、実施の形態1と同様に、「信号点グループ」と呼ぶことがある。
ここで、図15を参照して「m個の信号点とその暫定距離」について説明する。同図には、先ず■で表された「シンボル候補固定時の信号点」が示されており、その最近傍信号点は「000000」である。そして、最近傍信号点の各ビットが反転した信号点のうち最も距離の近いm個の信号点、具体的には、「100010」、「010001」、「001000」、「000100」、「000010」、「000001」が「000000」と対応づけられている。そして、コンスタレーション上の隣接信号点の最短距離(同図における実線)を距離単位1として、m個の信号点の最近傍信号点からの距離(暫定距離)が対応づけられている。つまり、「001000」、「000100」、「000010」、「000001」は、暫定距離1と対応づけられ、「100010」、「010001」は、暫定距離2と対応づけられる。
距離算出部340は、近傍信号点候補検出部320からの最近傍信号点および信号点候補選択部330からの信号点の各々と、ユリタリ変換後の最終ステージに係る受信信号との2乗ユークリッド距離を算出し、算出結果を尤度選択制御部370に出力する。なお、算出結果とともに、m個の信号点と対応づけられた暫定距離も尤度選択制御部370に出力される。
尤度選択制御部370は、距離算出部340から受け取り保持している、或る信号点グループの構成信号点と対応づけられた暫定距離から求められる、「シンボル候補固定時の信号点」と各構成信号点との取り得る可能性のある「可能最大離間距離」の各々と、その信号点グループに係る前ステージまでの各送信信号の組み合わせよりも1ランク下(すなわち、2乗ユークリッド距離の和が小さい順に並べられた順位が1つ多い)の組み合わせに係る前ステージまでの2乗ユークリッド距離の和(上記説明におけるeSUM1〜X−1(k+1位))とを比較する。
尤度選択制御部370は、比較の結果、「可能最大離間距離」がeSUM1〜X−1(k+1位)以下の場合には、その「可能最大離間距離」に係る構成信号点と、この構成信号点ごとの最終的な2乗ユークリッド距離とを尤度出力部150に出力する。一方、尤度選択制御部370は、「可能最大離間距離」がeSUM1〜X−1(k+1位)より大きいときには、eSUM1〜X−1(k+1位)に対応する信号点グループの最終的な2乗ユークリッド距離の和を保持するとともに、信号点候補選択部330および近傍信号点候補検出部320に対して、前ステージまでの2乗ユークリッド距離の和のランキング順位が次の、送信信号の組み合わせに係る信号点グループの出力を命ずるべく命令信号を出力する。因みに、尤度選択制御部370は、或る信号点グループに係るm+1個の「可能最大離間距離」の各々と、その信号点グループに係る前ステージまでの各送信信号の組み合わせよりも1ランク下(すなわち、2乗ユークリッド距離の和が小さい順に並べられた順位が1つ多い)の組み合わせに係る前ステージまでのm+1個の2乗ユークリッド距離の和とを、「暫定距離」に応じて比較するため、信号点候補選択部330に対する命令信号には、比較の結果、「可能最大離間距離」がeSUM1〜X−1(k+1位)より大きくなってしまった構成信号点の着目ビットおよびそのビット値に対応する信号点のみの出力命令を含めてもよい。なお、尤度選択制御部370は、前ステージから各送信信号のシンボル候補の組み合わせと、各々に対応する2乗ユークリッド距離の和とが入力されたタイミングで先ずランキング1位に係る信号点グループの出力を制御するために命令信号を信号点候補選択部330および近傍信号点候補検出部320に対して出力する。
ここで、上記「可能最大離間距離」について図15を参照して説明する。同図に示すように、最近傍信号点が「000000」であるときに、この最近傍信号点からの暫定距離が1の構成信号点(例えば、同図における「0010000」)と、「シンボル候補固定時の信号点」との間の「可能最大離間距離」は、同図における○であらわした位置に「シンボル候補固定時の信号点」がある場合であり、その値は、隣り合う信号点間距離を1とした場合、√(1.5+0.5)=√(2.5)となる。因みに、同じ考え方で、暫定距離が2のときには、「可能最大離間距離」が√(2.5+0.5)=√(6.5)となる。
図16は、特に、変調多値数が6、つまり64QAMの変調方式が適用される場合の判定部310の詳細な構成を示す図である。判定部310が備える各機能部(近傍信号点候補検出部320、信号点候補選択部330、距離算出部340)は、最終より1つ前のステージまでの、各送信信号のシンボル候補の組み合わせ(N通り)に対応する2乗ユークリッド距離算出処理部380−1〜Nのそれぞれに設けられている。距離算出部340は、それぞれ7つの2乗ユークリッド距離算出回路342を有している。
まず尤度選択制御部370は、前ステージから各送信信号のシンボル候補の組み合わせと、各々に対応する2乗ユークリッド距離の和とが入力されたタイミングで先ずランキング1位に係る信号点グループの出力を制御するために命令信号を2乗ユークリッド距離算出処理部380−1の信号点候補選択部330および近傍信号点候補検出部320に対して出力する。そして、これに応じた最終的な2乗ユークリッド距離が入力される。
そして、尤度選択制御部370は、次にランキング2位に係る信号点グループの出力を制御するために命令信号を2乗ユークリッド距離算出処理部380−2に出力する。このように尤度選択制御部370は、「可能最大離間距離」≦eSUM1〜X−1(k+1位)を満たすまで、次の2乗ユークリッド距離算出処理380に対して出力命令信号を出力する。
次に上記構成を有する最尤判定部 300の動作、特に、変調方式として64QAMが適用される場合の判定部310の尤度選択制御部370の動作について図17を参照して説明する。
図17の上側には、最終よりも1つ前のステージまでの、ランキングk位の2乗ユークリッド距離の和を持つ、送信信号の組み合わせ(d2・・・X−1)に対応する信号点グループの構成信号点を着目ビットごとに分類し、さらに最近傍信号点以外の信号点を最近傍信号点からの暫定距離と対応づけた(同図中の(1’))様子が示される。尤度選択制御部370では、信号点グループのこれらの構成信号点と、「シンボル候補固定時の信号点」との取り得る「可能最大離間距離」(7通り)が取得される。
次に、尤度選択制御部370では、この「可能最大離間距離」(7通り)と、最終よりも1つ前のステージまでの、次のランキングk+1位の2乗ユークリッド距離の和を持つ送信信号の組み合わせ(d’d’2・・・d’X−1)の当該前ステージまでの2乗ユークリッド距離の和eSUM1〜X−1(k+1位)とが比較される(同図中の(2))。
そして、比較の結果、「可能最大離間距離」がeSUM1〜X−1(k+1位)以下の場合には、「可能最大離間距離」に係る構成信号点と、この構成信号点ごとの最終的な2乗ユークリッド距離とを尤度出力部150に出力する。一方、尤度選択制御部370は、「可能最大離間距離」がeSUM1〜X−1(k+1位)より大きいときには、eSUM1〜X−1(k+1位)に対応する信号点グループの最終的な2乗ユークリッド距離の和を保持(更新)するとともに、信号点候補選択部330および近傍信号点候補検出部320に対して、前ステージまでの2乗ユークリッド距離の和のランキング順位が次の、送信信号の組み合わせに係る信号点グループの出力を命ずるべく命令信号を出力する(同図中の(3))。
このように実施の形態3によれば、MIMO方式の無線受信装置で使用される、QR分解を用いるMLD方式で信号分離を行う信号分離装置に、MLDにおける最終の1つ前のステージまでに決定された信号点候補の残された全組み合わせについて当該組み合わせを固定したときに得られる各信号点から、最終ステージで使用されるコンスタレーション上の信号点であって離間距離が最小である最近傍信号点を検出する検出手段としての近傍信号点候補検出部320と、各最近傍信号点に対応する、受信信号の変調多値数以下の自然数個の前記コンスタレーション上の信号点を選択する選択手段としての信号点候補選択部330と、前記最近傍信号点および前記選択された信号点の各々と、前記最終ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点とのユークリッド距離を示す量を算出する距離算出手段としての距離算出部340と、さらに、前記組み合わせに係る信号点候補と各ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点とのユークリッド距離を示す量の小さい順番で、前記検出手段および前記選択手段から前記最近傍信号点およびこれに対応する信号点を順次出力させ、且つ、現組み合わせに係る最終的なユークリッド距離を示す量が、前記現組み合わせより前記順番が1つ大きい前記最終より1つ前のステージまでのユークリッド距離を示す量以下のときに、前記出力を停止させると共に前記現組み合わせに係る最近傍信号点および当該最近傍信号点に対応する信号点を選択する他の選択手段としての尤度選択制御部370とを設けた。
こうすることにより、現組み合わせに係る最終的なユークリッド距離を示す量が、前記現組み合わせより前記順番が1つ大きい前記最終より1つ前のステージまでのユークリッド距離を示す量以下のときに、前記検出手段および前記選択手段の出力を停止させることができるので、両手段の後段の距離算出部340の演算量を削減することができる。
(他の実施の形態)
実施の形態1では、信号点候補選択部130の一例として、最近傍信号点に対応したシンボル候補を記憶しているメモリを挙げた。しかしながら、回路構成により都度、最近傍信号点から、対応するシンボル候補を求めることもできる。ただし、コンスタレーションがグレイコード化されていることが前提である。なお、ここでは、特に64QAMの変調方式が適用される場合の、コンスタレーション上の信号点の座標を、説明しやすいように±r11、±3r11、±5r11、±7r11とするが、これに限定されるものではない。以下、図18を参照して具体的に説明する。
まず、最近傍信号点「000000」のx座標を0と比較し、比較結果を基に尤度計算に必要な1ビット目を反転した点を検出する(最近傍信号点に対して、x座標0を挟んで反対側の点、すなわち同図中の四角で囲まれた点の「100010」を検出する)。2ビット目についても、y座標0と比較して同様に処理する(最近傍信号点に対して、y座標0を挟んで反対側の点、すなわち同図中の四角で囲まれた「010001」を検出する)。
次に、x座標0との比較結果がわかっているので、続いてx座標4r11または−4r11と比較し、比較結果を基に尤度計算に必要な3ビット目を反転した点、すなわち同図中の三角で囲まれた「001000」を検出する(最近傍信号点のx座標が0より大きい場合には、x座標4r11を挟んで反対側の点を検出する。小さい場合には、x座標−4r11を挟んで反対側の点を検出する。)。4ビット目についても、y座標と比較して同様に処理することにより、同図中の三角で囲まれた点、すなわち「000100」を検出する。
x座標4r11または−4r11との比較結果がわかっているので、続いてx座標2r11若しくは6r11、または、−2r11または−6r11と比較し、比較結果を基に尤度計算に必要な5ビット目を反転した点、すなわち同図中の丸で囲まれた「000010」を検出する(最近傍信号点のx座標が4r11より大きい場合には、6r11を挟んで反対側の点を検出する。最近傍信号点のx座標が0より大きく4r11より小さい場合には、2r11を挟んで反対側の点を検出する。最近傍信号点のx座標が−4r11より大きく0より小さい場合には、−2r11を挟んで反対側の点を検出する。−4r11より小さい場合には、−6r11を挟んで反対側の点を検出する。)。6ビット目についても、y座標と比較して同様に処理することにより、同図中の丸で囲まれた「000001」を検出する。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。例えば、バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2006年8月22日出願の特願2006−225933の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明の尤度決定方法および尤度決定装置は、演算量を削減でき、且つ、通信品質を向上させることができる効果を有し、特にMIMO通信を行う無線受信装置に用いられて好適である。

Claims (4)

  1. 受信した空間多重信号のうち、最終ステージでのみ計算する第1の信号に含まれる各ビットの尤度を、QR分解を用いるMLD方式によって決定する尤度決定方法であって、
    最終の1つ前のステージまでに決定された、前記空間多重信号のうち前記第1の信号を除いた第2の信号の信号点候補の全てにより得られる前記第1の信号の信号空間上の各信号点から、前記信号空間上のコンスタレーションの信号点であって離間距離が最小である最近傍信号点を前記第2の信号の信号点候補毎に検出し、
    前記最近傍信号点に対応する各ビットを反転させた前記信号空間上のコンスタレーションの信号点群のうち最も位置が近い信号点を、前記第1の信号に含まれる第1ビットから第Mビットまでの各ビットについて、予め記憶された対応関係に基づいて選択し、
    前記第2の信号の信号点候補と、前記第2の信号の信号点候補毎の前記最近傍信号点及び前記最近傍信号点に対応する各ビットを反転させた前記信号空間上のコンスタレーションの信号点群のうち最も位置が近い前記信号点とを対象に、前記最終ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点との距離を計算し、
    前記第1の信号に含まれる前記各ビットに対し、前記距離の内の最小値を判定して尤度を決定する、
    尤度決定方法
  2. 前記空間多重信号のコンスタレーションは全てグレイコード化されたコンスタレーションである、
    請求項1記載の尤度決定方法。
  3. 受信した空間多重信号のうち、最終ステージでのみ計算する第1の信号に含まれる各ビットの尤度を、QR分解を用いるMLD方式によって決定する尤度決定装置であって、
    最終の1つ前のステージまでに決定された、前記空間多重信号のうち前記第1の信号を除いた第2の信号の信号点候補の全てにより得られる前記第1の信号の信号空間上の各信号点から、前記信号空間上のコンスタレーションの信号点であって離間距離が最小である最近傍信号点を前記第2の信号の信号点候補毎に検出する検出手段と、
    前記最近傍信号点に対応する各ビットを反転させた前記信号空間上のコンスタレーションの信号点群のうち最も位置が近い信号点を、前記第1の信号に含まれる第1ビットから第Mビットまでの各ビットについて、予め記憶された対応関係に基づいて選択する選択手段と、
    前記第2の信号の信号点候補と、前記第2の信号の信号点候補毎の前記最近傍信号点及び前記最近傍信号点に対応する各ビットを反転させた前記信号空間上のコンスタレーションの信号点群のうち最も位置が近い前記信号点とを対象に、前記最終ステージに係るユリタリ変換後の受信信号点との距離を計算する計算手段と、
    前記第1の信号に含まれる前記各ビットに対し、前記距離の内の最小値を判定して尤度を決定する尤度決定手段と、
    を有する尤度決定装置
  4. 前記空間多重信号のコンスタレーションは全てグレイコード化されたコンスタレーションである、
    請求項3に記載の尤度決定装置。
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