本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、球を所定領域に向けて通過させる球通過ユニットにおいて、通過させる球の球噛みを解除して、円滑な遊技の実行を確保することができる球通過ユニットの制御方法を提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての球通過ユニットの制御方法は、回転可能であり、第1角度位置において球を保持し、第2角度位置において該保持した球を放出する第1回転体と、第1回転体を回転駆動する駆動手段と、駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、第1回転体が第1角度位置と第2角度位置との間の第4角度位置にあることを検出する検出手段と、を有し、駆動制御手段は、第1回転体を第4角度位置まで回転するステップを実行した後において検出手段が該第4角度位置に第1回転体があることを検出しない場合に、第1回転体を一方向に回転するステップと第1回転体を逆方向に回転するステップとを実行する球噛み解除制御を実行する。
この球噛み解除制御は、第1回転体を第4角度位置まで回転した後において検出手段が第4角度位置に第1回転体があることを検出しない場合に、第1回転体を一方向に回転するステップと、第1回転体を逆方向に回転するステップと、を実行して、第1回転体において発生した球噛みを解除する。第1回転体は、第1角度位置で球を保持し、第2角度位置において球を放出しており、球を保持したり球を放出する過程で球噛みが発生することがある。第1回転体を第4角度位置まで回転した後において検出手段が第4角度位置に第1回転体があることを検出しない場合には、第1回転体において球噛みが発生している可能性があるため、球噛み解除制御を実行する。
例えば、第1回転体が時計回り方向に回転している際に球噛みが発生した場合には、第1回転体を反時計回り方向に回転することにより、球噛みを解除することができる。一方、第1回転体が反時計回り方向に回転している際に球噛みが発生した場合には、第1回転体を時計回り方向に回転することにより、球噛みを解除することができる。すなわち、球噛みが発生した際の回転方向と逆方向に第1回転体を回転することにより、球噛みを容易に解除することができる。したがって、第1回転体を一方向に回転するステップと第1回転体を逆方向に回転するステップとを実行する球噛み解除制御を行うことにより、いずれの回転方向において発生した球噛みであっても容易に解除することが可能となる。
また、第1回転体を一方向に回転するステップと第1回転体を逆方向に回転するステップとを複数繰り返して実行することにより、例えば、第1回転体と他の部品との間に球が挟まれ、容易に球噛みを解除できない場合においても、徐々に球を移動して球噛みを解除することができる。
加えて、第1回転体を一方向に回転するステップと第1回転体を逆方向に回転するステップとを実行する球噛み解除制御において、第1回転体を第4角度位置に回転した方向と逆方向に第1回転体を回転するステップを先に実行するように構成してもよい。球噛み解除制御は、第1回転体を第4角度位置に移動した後に実行しており、この第1回転体を第4角度位置に移動する際に球噛みが発生することがある。このような場合に、第1回転体を第4角度位置に回転した方向と逆方向に移動するステップを先に実行することにより、早急に球噛みを解除することができるとともに、第1回転体を駆動する駆動手段の過負荷を軽減することができる。
第1回転体は、回転可能な回転体であって、回転する過程のある角度位置(第1角度位置)で球を保持し、その球を保持した状態で回転し、所定の角度位置(第2角度位置)において保持した球を放出する。具体的な構成としては、球を収納可能な穴部が形成され、第1角度位置において穴部に球を保持し、第2角度位置において穴部に保持した球を放出する構成を例示できる。第1回転体が保持する球は、1個であってもよいし、複数個であってもよい。
また、第1回転体の第4角度位置は、第1角度位置と第2角度位置との間に実質的に配置されていればよく、回転方向によっては、第1角度位置と第2角度位置との間ではなく、第1角度位置、第2角度位置及び第4角度位置の順に回転するように構成されていてもよい。
また、本発明の他の例示的側面としての球通過ユニットの制御方法は、回転可能であり、第3角度位置において球を受け入れその球を所定領域に向けて通過させる第2回転体と、第2回転体を回転駆動する駆動手段と、駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、第2回転体が前記第3角度位置にあることを検出する検出手段と、を有し、駆動制御手段は、第2回転体を第3角度位置まで回転するステップを実行した後において、検出手段が第3角度位置に第2回転体があることを検出しない場合に、駆動制御手段は、第2回転体を一方向に回転するステップと第2回転体を逆方向に回転するステップとを実行する球噛み解除制御を実行する。
この球噛み解除制御は、第2回転体を第3角度位置まで回転した後において検出手段が第3角度位置に第2回転体があることを検出しない場合に、第2回転体を一方向に回転するステップと、第2回転体を逆方向に回転するステップと、を実行して、第2回転体において発生した球噛みを解除する。第2回転体は、第3角度位置で球を受け入れ、この球を第3角度位置で所定領域に向けて通過しており、球を通過させる過程で球噛みが発生することがある。第2回転体を第3角度位置まで回転した後において検出手段が第3角度位置に第2回転体があることを検出しない場合には、第2回転体において球噛みが発生している可能性があるため、球噛み解除制御を実行する。
例えば、第2回転体が時計回り方向に回転している際に球噛みが発生した場合には、第2回転体を反時計回り方向に回転することにより、球噛みを解除することができる。一方、第2回転体が反時計回り方向に回転している際に球噛みが発生した場合には、第2回転体を時計回り方向に回転することにより、球噛みを解除することができる。すなわち、球噛みが発生した際の回転体の回転方向と逆方向に第2回転体を移動することにより、球噛みを解除することができる。したがって、第2回転体を一方向に回転するステップと第2回転体を逆方向に回転するステップとを実行する球噛み解除制御を行うことにより、いずれの回転方向において発生した球噛みであっても容易に解除することが可能となる。
また、第1回転体における球噛み解除制御と同様に、第2回転体を一方向に回転するステップと第2回転体を逆方向に回転するステップとを複数繰り返して実行することにより、例えば、第2回転体と他の部品との間に球が挟まれ、容易に球噛みを解除できない場合においても、徐々に球を移動して球噛みを解除することができる。
加えて、第1回転体における球噛み解除制御と同様に、第2回転体を一方向に回転するステップと第2回転体を逆方向に回転するステップとを実行する球噛み解除制御において、第2回転体を第3角度位置に回転した方向と逆方向に第2回転体を回転するステップを先に実行するように構成してもよい。
第2回転体は、回転可能な回転体であって、回転する過程のある角度位置(第3角度位置)で球を所定領域に向けて通過させる。具体的な構成としては、球を通過可能な穴部が形成され、第3角度位置において、穴部と所定領域とが連通して、穴部を介して球を所定領域に向けて通過させる構成を例示できる。第2回転体が通過させる球は、1個であってもよいし、複数個であってもよい。また、第3角度位置は、一の角度位置であってもよいし、複数の角度位置において球を所定領域に向けて通過させるように構成されていてもよい。
駆動制御手段は、球噛み解除制御における一方向の回転後と逆方向の回転後とにおいて、回転後の位置で第1回転体を一旦停止することが望ましい。また、駆動制御手段は、球噛み解除制御における一方向の回転後と逆方向の回転後とにおいて、回転後の位置で第2回転体を一旦停止することが望ましい。
球噛み解除制御において、一方向の回転と逆方向の回転を連続して行うと、第1回転体及び第2回転体は常に回転駆動するため、一旦球噛みが解除した球によって再び球噛みが発生するおそれがあり、確実に球噛みを解除できないおそれがある。しかしながら、球噛み解除制御において、一方向の回転後と逆方向の回転後に第1回転体及び/又は第2回転体を一旦停止することにより、部品間等において球噛みしていた球が球噛みを解除する時間(例えば、落下する時間)を確保することができ、球噛みをより確実に解除することができる。
なお、第1回転体及び第2回転体の停止時間は、球噛みしていた球が球噛みとならない箇所まで移動する(例えば、球噛み位置から落下する)時間より長くなるように設定すればよく、回転体の回転速度、回転体の形状等に応じて適宜設定することが望ましい。更に、ここでいう一旦停止とは、球の保持及び球の放出において球噛みを効果的に防ぐことができるような第1回転体及び/又は第2回転体の回転態様であればよく、少なくとも一時停止することが望ましいが、必ずしも停止する構成に限られず、通常の回転時に比して低速な状態を含む概念である。
本発明の他の例示的側面としての球通過ユニットの制御方法は、上記に記載の第1回転体と、上記に記載の第2回転体と、第1回転体及び第2回転体を回転駆動する駆動手段と、駆動手段の駆動を制御する駆動制御手段と、第1回転体が第4角度位置にあること及び第2回転体が第3角度位置にあることを検出する検出手段と、を有し、第2回転体は、第3角度位置において第1回転体から放出された球を受け入れその球を所定領域に向けて通過させるように構成されており、駆動制御手段は、第3角度位置まで第2回転体を回転するステップと、検出手段が第3角度位置に第2回転体があることを検出した後において、第4角度位置まで第1回転体を回転するステップと、を順次実行する初期化制御を実行する。
この初期化制御は、第2回転体を第3角度位置まで回転した後に第1回転体を第4角度位置まで移動しており、第2回転体が球を所定領域に向けて通過可能な状態で第1回転体を回転移動する。第1回転体を第4角度位置に回転する過程において第1回転体から球が放出されても、その球を第2回転体から所定領域に向けて通過させることができる。球の通過経路を確保しつつ、第1回転体を回転することができる。
第1回転体は球を保持可能に構成されており、第4角度位置まで回転する過程で球を放出することがある。例えば、第2回転体が第3角度位置でない状態(所定領域に向けての球の通過経路を確保していない状態)において第1回転体を第4角度位置まで回転すると、第2回転体を第3角度位置まで回転する際に、第2回転体の手前に第1回転体から放出される球によって球噛みが発生することがある。しかしながら、第1回転体を第4角度位置まで回転する前に第2回転体を第3角度位置まで回転して、球の通過経路を確保することにより、球噛みを防ぎつつ第1回転体及び第2回転体を初期化することができる。
また、検出手段が、第2回転体が第3角度位置にあることを検出した後に第1回転体を第4角度位置まで回転することにより、第2回転体が確実に第3角度位置まで回転した後に第1回転体を回転することができる。不具合の発生等により第2回転体が回転途中において停止した場合等、第2回転体が第3角度位置まで回転していない状態で第1回転体を第4角度位置まで回転することを防止することができる。所定領域に向けての球の通過経路を確実に確保した状態で第1回転体を初期位置に移動するため、初期化における球噛みを防止することができる。
更に、検出手段によって第1回転体が第4角度位置にあることを検出して、初期化制御を完了するように構成してもよい。検出手段によって第1回転体が初期位置(第4角度位置)まで回転したことを検出することにより、確実に第1回転体及び第2回転体が確実に初期位置まで回転したことを検出することができ、その後の駆動制御を初期位置から円滑に実行することができる。
なお、初期化とは、第1回転体及び第2回転体を駆動基準となる初期位置に移動する処理である。ここで、第1回転体の初期位置とは第4角度位置であり、第2回転体の初期位置とは第3角度位置である。初期化を行うことにより、第1回転体と第2回転体を初期位置に移動して、この初期位置を基準に第1回転体及び第2回転体を駆動制御することができる。
第1回転体及び第2回転体の駆動制御は、駆動基準となる初期位置を基準にして駆動制御するのであるが、例えば、駆動途中で停電等により断電したり、駆動途中で不具合により第1回転体及び第2回転体が意図しない位置で停止したりすることがある。このような場合に、第1回転体及び第2回転体が想定した初期位置にないと、その後の第1回転体及び第2回転体の駆動制御が円滑に実行できないおそれがある。このような場合に初期化制御を実行することにより、第1回転体及び第2回転体を初期位置に復帰させることができ、その後の第1回転体及び第2回転体の駆動制御を円滑に実行することができる。
更に、不具合が生じた際のみでなく、電源投入時等所定の契機によって初期化制御を実行したり、所定時間が経過することにより定期的に初期化制御を実行したりすることもできる。長期間にわたって第1回転体及び第2回転体を回転させていると、第1回転体及び第2回転体の駆動機構の劣化等により第1回転体及び第2回転体の基準位置となる初期位置がずれてしまうおそれがある。このような場合においても初期化を行うことにより、第1回転体及び第2回転体おける各角度位置の確認をしつつ、第1回転体及び第2回転体を初期位置に復帰させることができる。
駆動制御手段は、球噛み解除制御を実行可能に構成されており、球噛み解除制御を実行した後に初期化制御を実行することが望ましい。球噛み解除制御を実行した後に初期化制御を実行することにより、球噛みを解除した後に第1回転体及び第2回転体における各角度位置の確認をしつつ、第1回転体及び第2回転体を初期位置に復帰させることができる。第1回転体及び第2回転体を初期位置に復帰させることで、球噛みを解除した後に第1回転体及び第2回転体の駆動制御を円滑に実行することができる。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明に係る球通過ユニットの制御方法によれば、第1回転体を第4角度位置まで回転した後において検出手段が第4角度位置に第1回転体があることを検出しない場合に、第1回転体を一方向に回転するステップと、第1回転体を逆方向に回転するステップと、を実行することにより、第1回転体において発生した球噛みを解除することができる。また、第2回転体を第3角度位置まで回転した後において検出手段が第3角度位置に第2回転体があることを検出しない場合に、第2回転体を一方向に回転するステップと、第2回転体を逆方向に回転するステップと、を実行して、第2回転体において発生した球噛みも解除することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機としてのパチンコ機2の正面図である。このパチンコ機2は、枠体(遊技機枠)3、遊技盤ユニット5、前面ガラス(前面透明板)10、発射ユニット(不図示)、貯留皿14を有し、遊技盤ユニット5には、遊技媒体としての球23の流下による遊技を実現するための遊技領域16が形成されている。
パチンコ機2は、遊技者が後述する発射ハンドル15を操作することによって、遊技領域16に向けて球23が発射ユニットによって発射され、球23の流下による遊技が実現される。なお、パチンコ機は、アレンジボール機、雀球機等の組合せ式パチンコ機、いわゆるデジパチタイプ(1種タイプ)やハネモノタイプ(2種タイプ)のパチンコ機等のあらゆるパチンコ機が概念できるが、本実施の形態においては、複数の抽選手段によるデジパチ遊技(1種遊技、図柄変動遊技ともいう。)を実現するいわゆる1種1種タイプのパチンコ機について例示説明する。
パチンコ機2の枠体3は、後述する遊技盤ユニット5を保持するためのもので、このパチンコ機2の周囲及び前方又はそれに加えて後方を囲むように構成される。枠体3の内部側には、遊技盤ユニット5の他にも後述する駆動制御手段等を有する電子基板や遊技媒体用の経路等各種機構部品が配置され、枠体3によって周囲側面及び前面又はそれに加えて後方からのパチンコ機2内部側への不正アクセスが防止されるようになっている。
パチンコ機2の周囲を囲む筐体枠4、その内側にヒンジ部(揺動支持部)22によって前方開閉可能に揺動支持されて遊技盤ユニット5を保持する機枠9、機枠9の前方にヒンジ部22によって前方開閉可能に揺動支持されて前面ガラス10とその周囲を装飾する装飾部材32とを保持する装飾枠12とを有して枠体3が構成される。なお、前面ガラス10は、枠体3内部側に保持された遊技盤6を前方から遊技者が視認することができるようにするための透明部材である。
貯留皿14は、遊技者の持ち球23を貯留するためにパチンコ機2の前面に配置された皿部材であって、本実施の形態においては上皿14aと下皿14bとを有している。上皿14aは、球排出ボタン14cを有して遊技盤6の下方、すなわち装飾枠12の下方部分に配置され、下皿14bは、その上皿14aの更に下方に配置されている。
遊技盤ユニット5は、遊技盤面(表面)6a側の略中央にセンター役物7が配置された遊技盤6を有しており、その遊技盤には多数の遊技釘も配置されている。センター役物7の中央部には、演出表示装置7aが配置されるとともに、この演出表示装置7aの表示画面7bを露出させるための表示開口部7dが形成されている。
演出表示装置7aは、例えば、液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技者が遊技盤の前面側から視認可能となるように配置され、映像表示を行うものである。この演出表示装置7aには、第1の遊技に対応する第1遊技領域と第2の遊技に対応する第2遊技領域を有する。第1遊技領域には第1図柄に連動する第1装飾図柄を含む演出表示がなされ、第2遊技領域には第2図柄に連動する第2装飾図柄を含む演出表示がなされる。第1装飾図柄は、第1抽選手段の抽選結果を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。第2装飾図柄は、第2抽選手段の抽選結果を視覚的に演出するための図柄であり、第2の遊技に対応する。
センター役物7における演出表示装置7aの下方には、後述する球通過ユニット40が設けられている。球通過ユニット40には、センター役物7の左側に配置されたワープ通路7eを介して遊技領域16を流下する球23が導かれる。球通過ユニット40は、演出制御手段を有する演出制御基板によって駆動制御されており、遊技状態に応じてその状態が変化するように構成されている。
センター役物7の下方には、第1始動口29が設けられており、球通過ユニット40内に第2始動口30が設けられている。第1始動口29への球23の入球を契機として第1の遊技に対応する第1抽選が実行され、第2始動口30への球23の入球を契機として第2の遊技に対応する第2抽選が実行される。
第1図柄表示部に表示される第1図柄は、第1始動口29への球23の入球を契機として実行される第1抽選の結果に対応した図柄であり、所定の当選態様で停止することにより第1特別遊技としての大当りが発生する。第2図柄表示部に表示される第2図柄は、第2始動口30への球23の入球を契機として実行される第2抽選の結果に対応した図柄であり、所定の当選態様で停止することにより第2特別遊技としての大当りが発生する。
遊技盤6は、その遊技盤の前面側に球23の流下による遊技を実現するための遊技領域16を構成するための遊技装置体であり、遊技盤を前方から遊技者にとって視認可能となるように枠体3(本実施の形態においては、枠体3の一部としての機枠9。)に保持されている。その遊技盤6には略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられており、レール飾り26の内周面26aが遊技盤6の表面に対して立設するように配置されている。そして、その内周面26aによって画定され、内周面に面した略円形状の領域が遊技領域16となっている。
遊技釘27は、遊技領域16を流下する球23と衝突してその流下方向を変更させるものであり、多数が遊技領域内に配置されている。また、遊技領域16には、普通入賞口28、第1始動口29、第2始動口30、通過ゲート33、風車34及び中央大入賞口31等が配置されており、流下する球23が各入賞口等に流入したり、遊技釘に衝突したりすることによって、球23による流下遊技を楽しむことができるようになっている。また、いずれの入賞口等に流入しなかった球23は、遊技盤の下端に配置されたアウト口25から排出される。
遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の全体の制御を行う遊技制御手段としての主制御基板(図示せず)を収容した主制御基板ケース35と、演出表示装置7aの画像表示等演出の制御及び球通過ユニット40の駆動制御等を行う演出制御手段(駆動制御手段)を有する演出制御基板(図示せず)を収容した演出制御基板ケース36と、景品球の払出しを制御する払出制御基板(図示せず)を収容した払出制御基板ケース37と、電源基板(図示せず)を収容した電源基板ケース38と、が配置されている。この各制御基板ケースに収容された各制御基板によって遊技が実現される。更に、遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の遊技状態等の遊技情報を外部に出力するための外部出力端子板39が設けられている。
次いで、図3から図8に基づいて、センター役物7に設けられた球通過ユニット40について詳細に説明する。図3は、枠体3から取り外したセンター役物7の正面図である。図4は、球通過ユニット40の平面図であり、図5は、球通過ユニット40を左前方から見た斜視図である。図6は、球通過ユニット40の正面図である。なお、図4から図6においては、説明のため、球通過ユニット40の前方及び上方を覆う透明のカバー部材を省略している。
球通過ユニット40は、演出表示装置7aの下前方に配置されており、演出表示装置7aの左方に配置されたワープ通路7eを通過した球23が流入するように構成されている。球通過ユニット40は、ワープ通路7eを通過した球23を正面視にして左側から右側に向かって導く左右通路40aと、左右通路40aを通過した球23を2つの経路に振り分ける振分部材40bと、振分部材40bによって振り分けられた球23が流入する貯留通路40cと、貯留通路40cに貯留された球23を第1角度位置で保持し、保持した球23を第2角度位置で放出する第1回転体40dと、第1回転体40dから放出された球23が流入する揺動通路40eと、揺動通路40eを通過した球23を第3角度位置で所定領域に向けて通過させる第2回転体40fと、第1回転体40dを回転駆動する駆動手段としての第1モータ40gと、第2回転体40fを回転駆動する駆動手段としての第2モータ40hと、を有する。
遊技領域16を流下してワープ通路7eに流入した球23は、ワープ通路7eを通過して、ワープ通路7eの手前に配置された左右通路40aの左端部に導かれる。左右通路40aは、右側が下方に傾斜しており、左端部から右端部に向かって球23が移動する。左右通路40aの右端部には、2つの穴部が形成された振分部材40bが配置されている。
振分部材40bの左側の穴部に流入した球23はアウト球としてパチンコ機2の外部に排出される。一方、右側の穴部は第2始動口30として機能しており、右側の穴部に流入した球23は、第2始動口センサ(図示せず)によって検出され、第2抽選手段による第2抽選の契機となる。第2始動口センサによって検出された球23は、貯留通路40cにおいて貯留されるように構成されている。本実施の形態では、所定の契機に貯留通路40cに貯留された球23による特定演出が行われるように構成されている。
貯留通路40cは、球23を8球貯留可能な通路である。貯留通路40cに貯留された球23は、第1回転体40dに1球ずつ導かれる。第1回転体40dは、球23を保持する第1穴部40kが形成されており、回転する過程で貯留通路40c内の球23を保持したり、保持した球23を揺動通路40eに向けて放出したりする。第1回転体40dは、演出制御手段によって第1モータ40gを介して回転制御されるように構成されている。
次いで、図7に基づいて第1回転体40dの回転態様について説明する。図7は、上面を外した状態の第1回転体40dの平面図であり、(a)は第1角度位置、(b)は第2角度位置、(c)は第4角度位置の状態である。(a)に示す第1角度位置は、第1穴部40kが貯留通路40cに対向した状態であり、貯留通路40c内の球23が第1穴部40kに流入する。
第1穴部40kに球23が保持された状態で第1回転体40dが回転すると、(b)に示す第2角度位置となる。第2角度位置は、第1穴部40kが揺動通路に対向した状態であり、第1穴部40k内の球23が揺動通路40eに放出される。第1回転体40dは、第2角度位置において球23を放出した後、(c)に示す第4角度位置まで回転する。第4角度位置は、第1回転体40dの初期位置であり、第1回転体40dが回転を開始した後は第4角度位置で停止し、第4角度位置で第1回転体40dの一連の駆動制御が終了するように構成されている。
揺動通路40eは、第1回転体40dの第1穴部40kから放出された球23を第2回転体40fの手前に導く。揺動通路40eの底面は、第2回転体40fとの手前において球23を左右に揺動させる円弧形状であり、球23を第2回転体40f側に導くように後方が下方に傾斜している。揺動通路40eの後面には、球23が通過可能な通路穴部40mが形成されている。
第2回転体40fは、揺動通路40eの後方に配置されており、球23が流入可能な4個の第2穴部40nが形成されている。第2穴部40nは、円周に沿って90度ずつずれて配置されている。第2回転体40fは、演出制御手段によって第2モータ40hを介して回転制御されるように構成されており、第2穴部40nが下端に位置する状態(第3角度位置)において揺動通路40e内の球23を第2穴部40nに流入させ、流入した球23を下方の所定領域(図示せず)に向けて落下させる。
図8は、図3に示すA−A断面図であり、図8に基づいて第2回転体40fの回転態様について説明する。(a)は第2回転体40fが第3角度位置から45度回転した状態を示しており、(b)は第2回転体40fが第3角度位置の状態を示している。第3角度位置は、第2穴部40nが下端に位置した状態であり、揺動通路40eの通路穴部40mと第2穴部40nとが前後方向に重なって配置されている。第3角度位置において、揺動通路40e内の球23は第2回転体40fの第2穴部40nに流入し、この第2穴部40nから球23が落下して所定領域(図示せず)に導かれるように構成されている。
本実施の形態における第2回転体40fは、第2穴部40nが90度ずつ離間して4つ設けられており、第3角度位置から90度回転すると再び第3角度位置となり、90度回転する毎に第3角度位置となる。第2回転体40fの回転に伴って第2穴部40nが円周に沿って移動し、通路穴部40mの後方に第2穴部40nが配置されていない状態では、図8(a)に示すように、揺動通路40e内の球23は第2回転体40fの手前に留まる。
一方、通路穴部40mの後方に第2穴部40nが配置された状態では、揺動通路40e内の球23は第2回転体40fの第2穴部40nに流入可能である。しかし、揺動通路40e内の球23は左右方向に揺動している。通路穴部40mの後方に第2穴部40nが配置されたタイミングで、揺動通路40e内の球23が通路穴部40mの手前にあると、その球23は第2回転体40fの第2穴部40nに流入する。
また、球通過ユニット40は、第1回転体40dに球23が保持されたことを検出する貯留球センサ40pと、第2回転体40fの第2穴部40nを球23が通過したことを検出する落下球センサ40qと、を有している。貯留球センサ40pは、第1回転体40dの手前にある貯留通路40c内の球23の近傍に配置されており、第1回転体40dの手前にある球23が第1回転体40dに向かって移動することを検出する。第1回転体40dの手前の球23が第1回転体40dに向かって移動して第1回転体40dに球23が保持されるため、貯留通路40c内の球移動に基づいて第1回転体40dに球23が保持されたことを検出する。
落下球センサ40qは、第2回転体40fの下方に配置されており、第2回転体40fの第2穴部40nを介して落下した球23を検出する。貯留球センサ40pによって球23が検出されてから落下球センサ40qが球23を検出するまでの間は、球23が第1回転体40dに保持されているか、揺動通路40e内にあるか、第2回転体40fに流入している状態である。本実施の形態では、貯留球センサ40pによって球23が検出されてから落下球センサ40qが球23を検出するまでの間は、球噛みを防止するために後続の球23を貯留通路40cから第2回転体40fに向けて移動させないように構成している。この球通過ユニット40の駆動制御については、後述する。
このように構成された球通過ユニット40は、第2始動口センサによって検出された球23を用いた特定演出を実行するように構成されている。特定演出は、第1回転体40dを介して貯留通路40cに貯留された球23を1球ずつ揺動通路40eに導き、第2回転体40fの第2穴部40nを介して球23を所定領域に導く。このとき、球23がいずれの第2穴部40nに流入するかに応じて、遊技者にとって有益な特別の画像演出を実行する。遊技者は、第1回転体40dによる球23の移動態様や揺動通路40e内における球23の揺動態様等、球23の動きを楽しみつつ、球23がいずれの第2穴部40nに流入するかのドキドキ感やワクワク感を得ることができる。
次いで、このように構成されたパチンコ機2における球通過ユニット40の駆動制御について図9から図11に示すフローチャートに基づいて説明する。図9は、特定演出制御処理の一例を示すフローチャートであり、図10は、初期化制御処理の一例を示すフローチャートであり、図11は、球噛み解除制御処理の一例を示すフローチャートである。
特定演出制御は、第2始動口30に入球した球23を用いた演出制御であり、演出制御手段によって所定の契機に実行される。第2始動口30に入球して貯留通路40cに貯留された球23を第1回転体40d及び揺動通路40eを介して第2回転体40fに導き、第2回転体40fのいずれかの第2穴部40nを介して球23を所定領域に導く。
球23が所定領域に導かれると落下球センサ40qによって検出される。また、第2回転体40fは、第2モータ40hに内蔵された位置検出手段(図示せず)によって角度位置を検出可能に構成されており、落下球センサ40qが球23を検出した際の第2回転体40fの角度位置に基づいて、球23がいずれの第2穴部40nを通過したかを検出する。演出制御手段は、球23が通過した第2穴部40nに応じて所定の画像演出を演出表示装置7aに画像表示する。
まず、貯留球センサ40pによって貯留通路40cに球23が貯留されているか否かを判定する(ステップ1)。貯留通路40cに球23が貯留されていないと判定した場合は、特定演出の実行が不可能であるため処理を終了する。一方、ステップ1において、貯留通路40cに球23が貯留されていると判定した場合は、先に第1回転体40dに保持された球23が排出済であるか否かを判定する(ステップ2)。ここでいう排出済とは、先に第1回転体40dに保持された球23が第2回転体40fから所定領域に向けて通過済であることである。
ステップ2において球23が排出済でないと判定した場合は、球23の排出が完了するのを待ってステップ3に進む。球23の排出が完了することを待ってから次のステップに進むことにより、球23を1球ずつ揺動通路40e及び第2回転体40fに導くことができ、球同士の干渉による球噛みを防止することができる。
次いで、演出制御手段は、第2回転体40fが回転中であるかを判定する(ステップ3)。第2回転体40fが回転中でないと判定した場合は、第2モータ40hによって第2回転体40fの回転を開始する(ステップ4)。第2回転体40fの回転を開始した後、又はステップ3で第2回転体が回転中と判定した場合は、第1モータ40gによって第1回転体40dを第1角度位置まで回転する(ステップ5)。第1回転体40dが第1角度位置まで回転すると、第1回転体40dの第1穴部40kが貯留通路40cに対向して配置され、貯留通路40c内の球23が第1回転体40dの第1穴部40kに流入する。
演出制御手段は、貯留球センサ40pの検出に基づいて、第1回転体40dの第1穴部40kに球23が保持されたと判定する。球23が第1回転体40dに保持されるのを待って(ステップ6)、第1回転体40dを第2角度位置まで回転する(ステップ7)。第1回転体40dが第2角度位置まで回転すると、第1回転体40dに保持された球23は、揺動通路40eに流入する。次いで、演出制御手段は、第1回転体40dを初期位置となる第4角度位置まで回転する(ステップ8)。第1回転体40dを初期位置に移動することにより、その後の第1回転体40dの駆動制御を円滑に実行することができる。
第1回転体40dから揺動通路40eに流入した球23は、揺動通路40eを左右に揺動し、通路穴部40mと第2穴部40nが重なって配置された状態でタイミングよく通路穴部40mの前方に移動すると、揺動通路40eから第2回転体40fに移動する。第2回転体40fに移動した球23は、いずれかの第2穴部40nを通過して所定領域に向けて落下する。落下球センサ40qは、第2穴部40nを通過して落下する球23を検出する(ステップ9)。落下球センサ40qが球23の通過を検出すると、球23は排出済みであるとして球通過ユニット40による特定演出処理を終了し、演出表示装置7aに特定演出に関する画像演出を実行する。
このような特定演出処理において、駆動手段としての第1モータ40g及び第2モータ40hの不具合や、第1回転体40d及び第2回転体40fの近傍における球噛み等によって、第1回転体40d及び第2回転体40fが初期位置になく、その後の駆動制御を円滑に実行できないことがある。したがって、本実施の形態では、特定演出処理の実行後、第1回転体40d及び第2回転体40fを初期位置に移動する初期化制御処理を実行する。次いで、図10に基づいて初期化制御処理について説明する。
まず、演出制御御手段は、第2回転体40fの初期位置回転処理の実行回数(N)を0(ゼロ)に設定する(ステップ11)。次いで、第2回転体40fを第3角度位置まで回転する(ステップ12)。第2回転体40fの初期位置は第3角度位置であり、第2回転体40fを初期位置まで移動することにより、通路穴部40mの後方に第2穴部40nが配置され球23の排出経路を確保することができる。
演出制御手段は、第2回転体40fの初期位置回転処理を実行したため、実行回数(N)を1インクリメントする(ステップ13)。次いで、第2モータ40hに内蔵されている位置検出手段によって第2回転体40fの角度位置を検出し、検出結果に基づいてステップ12の回転処理が完了しているか否かを判定する(ステップ14)。回転処理が完了したと判定した場合には、ステップ17に進む。一方、回転処理が完了していないと判定した場合には、ステップ13によってインクリメントされた実行回数(N)が3以上であるか否かを判定する(ステップ15)。
本実施の形態では、回転処理が完了していないと判定した場合に、3回を限度として完了しなかった処理を繰り返し実行するように構成している。ステップ15において、実行回数(N)が3以上でないと判定した場合は、再度回転処理を実行するため、ステップ12に戻る。一方、回転処理を既に繰り返し実行しており、ステップ15において実行回数(N)が3以上であると判定した場合は、第2回転体40fのエラー処理をする(ステップ16)。
また、ステップ14において、第2回転体40fが第3角度位置まで回転したと判定した場合は、次いで、第1回転体40dを初期位置に移動するため、第1回転体40dの初期位置回転処理の実行回数(N)を0(ゼロ)に設定する(ステップ17)。次いで、第1回転体40dを初期位置である第4角度位置まで回転する(ステップ18)。このとき、第2回転体40fは初期位置であり、球23の排出経路が確保されている状態である。このように球23の排出経路を確保した状態において、第1回転体40dを初期位置に移動することにより、第1回転体40dを初期位置に移動する際に第1回転体40dから球23が放出されても、第2回転体40fの第2穴部40nを介して球23を所定領域に導くことができ、初期化処理における球噛みを防止することができる。
演出制御手段は、第1回転体40dの初期位置回転処理を実行したため、実行回数(N)を1インクリメントする(ステップ19)。次いで、第1モータ40gに内蔵されている位置検出手段によって第1回転体40dの角度位置を検出し、検出結果に基づいてステップ18の回転処理が完了しているか否かを判定する(ステップ20)。初期位置回転処理が完了したと判定した場合には、初期化処理を終了する。
一方、初期位置回転処理が完了していないと判定した場合には、ステップ19によってインクリメントされた実行回数(N)が3以上であるか否かを判定する(ステップ21)。実行回数(N)が3以上でないと判定した場合は、再度回転処理を実行するため、ステップ18に戻る。一方、回転処理を既に繰り返し実行しており、ステップ21において実行回数(N)が3以上であると判定した場合は、第1回転体40dのエラー処理をする(ステップ22)。
ステップ16及びステップ22におけるエラー処理は、初期化制御を強制的に終了する処理であり、初期化未完了として終了する。なお、エラー処理は、初期化制御の終了処理のみとしてもよいし、この初期化制御の終了処理と併せて外部出力端子板39を介してホールコンピュータ等にエラー報知を行うように構成してもよい。
本実施の形態に係る初期化制御処理によれば、第1回転体40d及び第2回転体40fの近傍や揺動通路40eにおける球噛みを防止しつつ、第1回転体40d及び第2回転体40fを初期位置に移動することができる。例えば、抽選手段の抽選結果が大当りとなった際等、所定の契機に、第1回転体40d及び第2回転体40fによる球23の動きを伴う特定演出を円滑に実行することができる。
更に、エラー処理を実行した際に、初期化制御を終了するように構成してもよいし、初期化制御を再度実行するようにしてもよいし、球噛み解除制御を実行するように構成してもよい。例えば、ステップ20の回転処理が完了できない場合は、第2回転体40fが第3角度位置で第1回転体40dが第4角度位置でない状態であり、第1回転体40dにおいて球噛みが発生しているおそれがある。この状態において球噛み解除制御を実行することにより、第1回転体40dの球噛みを解除して、その後の第1回転体40d及び第2回転体40fの駆動制御を円滑に実行することができる。
本実施の形態は、初期化制御のエラー処理後、第1回転体40d及び第2回転体40fの球噛みを解除するための球噛み解除制御処理を実行するように構成されている。次いで、図11に基づいて球噛み解除制御処理について詳細に説明する。
まず、演出制御御手段は、第1回転体40dのエラー処理がなされているか否かを判定する(ステップ31)。前述の初期化制御処理においてエラー処理がなされた回転体について球噛み解除制御を実行するためである。ステップ31において第1回転体40dのエラー処理がなされていると判定した場合は、第1回転体40dの球噛み解除処理の実行回数(N)を0(ゼロ)に設定する(ステップ32)。
次いで、演出制御手段は、第1モータ40gを介して第1回転体40dを正回転する(ステップ33)。正回転とは、任意の一方向への回転であり、例えば時計回り方向の回転である。次いで、演出制御手段は、第1モータ40gを介して第1回転体40dを逆回転する(ステップ34)。逆回転とは、任意の一方向と逆方向への回転であり、例えば反時計回りの回転である。このように第1回転体40dを正回転と逆回転することにより、第1回転体40dが正逆回転いずれの回転において球噛みが発生した場合においても球噛みを解除することができる。
演出制御手段は、第1回転体40dの球噛み解除処理を実行したため、実行回数(N)を1インクリメントする(ステップ35)。次いで、第1モータ40gを介して第1回転体40dを第4角度位置まで移動する(ステップ36)。ステップ33及びステップ34において球噛みが解除している場合は、第1回転体40dは第4角度位置まで回転する。一方、球噛みが解除していない場合は、第1回転体40dは第4角度位置まで回転できない。
第1モータ40gに内蔵されている位置検出手段によって第1回転体40dの角度位置を検出し、検出結果に基づいてステップ36の回転処理が完了しているか否かを判定する(ステップ37)。回転処理が完了したと判定した場合には、第2回転体40fの球噛み解除を実行するためステップ40に進む。一方、ステップ36の回転処理が完了していないと判定した場合には、ステップ35によってインクリメントされた実行回数(N)が3以上であるか否かを判定する(ステップ38)。
球噛み解除制御処理は、初期化制御処理と同様に3回繰り返し実行するように構成されており、実行回数(N)が3以上でないと判定した場合は、再度第1回転体40dの球噛み解除処理を実行するためにステップ33に戻る。一方、第1回転体40dの球噛み解除処理を既に繰り返し実行しており、ステップ38において実行回数(N)が3以上であると判定した場合は、第1回転体40dのエラー処理とする(ステップ39)。
また、ステップ31において第1回転体40dのエラー処理がなされていないと判定された場合又はステップ37において第1回転体40dが初期位置に移動したと判定した場合は、初期化制御処理で第2回転体40fのエラー処理がなされているか否かを判定する(ステップ40)。第2回転体40fのエラー処理がなされていると判定した場合は、第2回転体40fについても第1回転体40dと同様に球噛み解除制御処理を実行する。
まず、第2回転体40fの球噛み解除実行回数(N)を0(ゼロ)に設定して(ステップ41)、第2回転体40fを正回転した後に(ステップ42)、第2回転体40fを逆回転する(ステップ43)。第2回転体40fの球噛み解除処理の実行回数をインクリメントした後(ステップ44)、第2回転体40fを第3角度位置まで移動する(ステップ45)。
第2モータ40hに内蔵されている位置検出手段を用いて第2回転体40fが初期位置(第3角度位置)にあるか否かを判定する(ステップ46)。ステップ45の回転処理が完了していないと判定した場合には、インクリメントされた実行回数(N)が3以上であるか否かを判定する(ステップ47)。実行回数(N)が3以上でないと判定した場合は、再度球噛み解除処理を実行するため、ステップ42に進む。一方、ステップ46において第2回転体40fが初期位置にあると判定した場合は、球噛み解除処理が完了したとして処理を終了する。
以上のように、本実施の形態に係る球噛み解除処理によれば、第1回転体40d及び第2回転体40fがいずれの移動方向において球噛みが発生した場合であっても、容易かつ確実に球噛みを解除することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。例えば、本実施の形態では、球噛み解除処理において、正回転した後に逆回転するように構成しているが、回転方向の順序を適宜変更してもよい。
具体的には、第1回転体40dの特定演出制御における回転方向は、常に時計回り方向である。したがって、時計回り方向の回転の際に球噛みが発生する。時計回り方向において球噛みが発生した場合に、更に時計回り方向に第1回転体40dを回転しても球噛みを解除することは難しい。一方、第1回転体40dを反時計回り方向に回転することにより、球噛み発生時の回転方向と逆方向に回転するため、容易に球噛みが解除することがある。このように、球噛みが発生した可能性のある回転方向と逆方向への回転移動を先に行うことにより、更に容易に球噛みを解除することができる。
また、初期化制御における第1回転体40d及び第2回転体40fの回転速度は、比較的低速であることが望ましい。比較的低速で第1回転体40d及び第2回転体40fを回転することにより、例えば、第2穴部40nと通路穴部40mとの間に球23が挟まりそうになった場合でも球23が揺動通路40e側又は第2回転体40f側に通過し易くなり、球噛みの発生を抑制することができる。
ここでいう比較的低速の回転速度とは、球噛みが発生し難い速度であればよく、第1回転体40d及び第2回転体40fの構造や揺動通路40eの構造等に基づいて適宜設定することが望ましい。次いで、図12に基づいて球通過ユニット40の構造と第2回転体40fの回転速度との関係について詳細に説明する。
図12は、揺動通路40eから第2回転体40fに向けて通過する球23の通過経路を模式的に示した図である。(a)は正面図であり、(b)は平面図であり、(c)は断面図である。図12(a)に示す実線は、第2回転体40fであり、点線は、揺動通路40eを示している。第2回転体40fの第2穴部40nの幅Z(mm)は、揺動通路40eの通路穴部40mの幅Y(mm)よりも大きい。
第2回転体40fは断続的に回転しており、第2穴部40nの幅Zが通路穴部40mの幅Yと球23の径X(mm)以上重なっている場合に、揺動通路40eの球23は第2回転体40fに流入可能となる。第2回転体40fの回転速度をS(rps)とすると、1つの第2穴部40nにおいて球23が通過可能な幅を確保できる時間T1は、
で計算できる。
ただし、
r:第2回転体の半径
Z:第2回転体の円周からX/2中心側の位置における第2穴部の幅
Y:第2回転体の円周からX/2中心側の位置における通路穴部の幅
X:球の直径
なお、球23の直径が最も大きくなるのは、第2回転体40fの円周上ではなく、円周からX/2中心側の位置であるため、第2穴部40nの幅Y及び通路穴部40mの幅Zは、第2回転体40fの円周からX/2中心側の位置を基準としている。
また、揺動通路40eの底面の傾斜角度をθとすると、底面上の球23が重力加速度gによって底面に沿って奥行方向へ移動する速度vは、
v=g・t・sinθ
である。よって、任意の時間tにおいて、球23が揺動通路40eの底面に沿って第2穴部40nに向かって移動する底面上の距離Lは、
で計算できる。
また、距離Lは、揺動通路40eの底面上の移動距離であり、距離Lの奥行方向成分の移動距離Wは、
で計算できる。
ここで、揺動通路40eから第2回転体40fに向かって移動する際に球噛みが発生しないためには、第2穴部40nの幅Zと通路穴部40mの幅Yとが球23の直径X以上重なっている状態において球23が奥行方向に半径分(X/2)移動することが必要である。球23が奥行方向に半径分移動した場合は、第2穴部40nの幅Zと通路穴部40mの幅Yとが重なる幅が球23の直径X未満となったとしても、球23が第2穴部40n側に流入すると考えられるためである。
したがって、球噛みが発生しないためには、以下の式が成立することが必要である。
任意の時間tに球23が通過可能な幅を確保できる時間T1を代入することによって、球噛みが発生しない回転速度を求めることができる。回転角度Sは、
で求められる。
次いで、本実施の形態に係る第2回転体40f及び揺動通路40eにおける球噛みが発生しないための回転速度を求める。第2回転体40f及び揺動通路40eの球23の通過時間T1は、
となる。
ここで、
sin10°=0.173
cos10°=0.984
この球23の通過時間T1をtに代入して、球噛みが発生しないための回転速度Sを求めると、
となる。
すなわち、0.273(rps)よりも遅い回転速度Sとすることにより、球噛みの発生を理論上防止することができる。以上のように、揺動通路40eの構造や第2回転体40fの構造に応じて第2回転体40fの回転速度を定めたり、回転速度に応じて各回転体の構造を設計したりすることにより、更に効果的に球噛みの発生を防止することが可能となる。