JP6663669B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、変動入賞装置を備えた遊技機に関する。
従来、遊技領域に遊技者にとって不利な第1状態(閉状態)と遊技者にとって有利な第2状態(開状態)に変換可能な変動入賞装置と、遊技球が入賞可能な始動入賞口とを備え、該始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、該変動入賞装置を所定時間(例えば、0.5秒)第2状態に変換する始動遊技を行い、該始動遊技の結果、変動入賞装置に入賞した遊技球が内部の特別入賞領域に流入した場合に、大当り状態を発生させて、該変動入賞装置を所定の規定(18回の作動、若しくは10個入賞)に基づき第2状態に変換するようにして、多数の入賞を得ることを可能にした遊技機が知られている。
また、このような遊技機では、遊技球を誘導する遊技球誘導部材が設けられていることがあり、その駆動に電動モータを採用している場合がある。
ところが、そのような遊技機にあっては、遊技球を誘導する遊技球誘導部材が閉じられる際に複数の遊技球が入球して、いわゆる球噛み(球詰まり)が発生したときに、遊技球誘導部材に無理に閉じる力が作用して破損したり、モータに過大な負荷がかかり故障したりすることがある。
そのため、従来は駆動アクチュエータとして電動リニアモータを用いるようにしている遊技機もある(特許文献1)。
また、球噛み防止機構として、回転体の外周縁に配置された複数の球移送室に対して、球噛みさせずに、遊技球を流下可能な球噛み防止機構を備えたパチンコ遊技機もある(特許文献2)。
特開2003−275412号公報
特許546979公報
請求項1記載の発明は、始動入賞口と、
変動入賞装置と、を備え、
前記変動入賞装置内の特別入賞領域へ遊技球が流入すると、特別遊技状態が発生する遊技機において、
前記変動入賞装置に、該変動入賞装置に入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する誘導装置と、
前記誘導装置を駆動する駆動手段と、
前記誘導装置における球噛みの発生を判別する球噛み判別手段と、
前記球噛み判別手段により球噛みの発生が判別されたときに、遊技状態によって球噛み解消処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、
前記処理判定手段により球噛み解消処理が可能と判定された所定の遊技状態のときは、球噛み解消処理を行い、所定の遊技状態以外のときは、球噛み解消処理を行わずにそのときの遊技動作を継続する解消処理手段と、
球噛みの状態が所定回数連続して発生した場合に異常を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする。
そこで本発明は、適切なタイミングで球噛み処理を行うことができる遊技機を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、始動入賞口と、
変動入賞装置と、を備え、
前記変動入賞装置内の特別入賞領域へ遊技球が流入すると、特別遊技状態が発生する遊技機において、
前記変動入賞装置に、該変動入賞装置に入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する誘導装置と、
前記誘導装置を駆動する駆動手段と、
前記誘導装置における球噛みの発生を判別する球噛み判別手段と、
前記球噛み判別手段により球噛みの発生が判別されたときに、遊技状態によって球噛み解消処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、
前記処理判定手段により球噛み解消処理が可能と判定された所定の遊技状態のときのみ、球噛み解消処理を行う解消処理手段と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、適切なタイミングで球噛み処理を行うことができる。
パチンコ機の前面側斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の前面図である。 変動入賞装置の正面図である。 変動入賞装置が正面側にやや傾斜した状態の正面図である。 変動入賞装置の第1役物装置の詳細を示す図である。 変動入賞装置の動作機能を説明する図である。 変動入賞装置の天国役物装置の詳細を示す斜視図である。 変動入賞装置における盤演出装置のラウンド決定役物の詳細を説明する図である。 変動入賞装置における盤演出装置の分解した様子を示す図である。 遊技制御装置のブロック図である。 演出制御装置のブロック図である。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 チェックサム算出処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 入力処理を示すフローチャートである。 スイッチ読み込み処理を示すフローチャートである。 出力処理を示すフローチャートである。 払出コマンド送信処理を示すフローチャートである。 乱数更新処理1を示すフローチャートである。 入賞口スイッチ/状態監視処理を示すフローチャートである。 不正&入賞監視処理を示すフローチャートである。 入賞数カウンタ更新処理を示すフローチャートである。 遊技機状態チェック処理を示すフローチャートである。 払出ビジー信号チェック処理を示すフローチャートである。 残存球監視処理を示すフローチャートである。 遊技停止エラー処理を示すフローチャートである。 特図ゲーム処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 ハード乱数取得処理を示すフローチャートである。 特図1始動口スイッチ処理を示すフローチャートである。 特図2始動口スイッチ処理を示すフローチャートである。 大入賞口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 大入賞口カウント更新処理を示すフローチャートである。 特定領域スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 特図電源投入動作処理を示すフローチャートである。 特図普段処理を示すフローチャートである。 特図1変動開始処理1及び特図1変動開始処理2を示すフローチャートである。 特図1停止図柄設定処理及び特図2停止図柄設定処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 変動開始情報設定処理を示すフローチャートである。 特図変動中処理を示すフローチャートである。 特図表示中処理を示すフローチャートである。 小当り中処理を示すフローチャートである。 小当り動作設定移行処理を示すフローチャートである。 小当り動作のタイミングチャートである。 小当り残存球処理を示すフローチャートである。 小当り終了処理を示すフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。 大当り動作移行設定処理を示すフローチャートである。 大当り動作のタイミングチャートである。 大入賞口残存球処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。 図柄変動制御処理を示すフローチャートである。 振り分け処理及び2バイト振り分け処理を示すフローチャートである。 ストッパーソレノイド制御処理を示すフローチャートである。 セグメントLED編集処理を示すフローチャートである。 モータ制御処理を示すフローチャートである。 モータ動作編集処理を示すフローチャートである。 モータ動作編集処理を示すフローチャートである。 役物演出コマンド編集処理を示すフローチャートである。 異常排出監視処理を示すフローチャートである。 遊技停止エラーステータス更新処理を示すフローチャートである。 不正監視処理を示すフローチャートである。 発射制御処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 パルス信号編集処理を示すフローチャートである。 メイン賞球信号送信の動作のタイミングチャートである。 変動入賞装置における第1役物装置の動作を説明するタイミングチャートである。 変動入賞装置における変動パターン振り分けの設定の一例を示す図である。 実施例2のモータ動作編集処理を示すフローチャートである。 実施例2の第1役物装置の初期化動作のタイミングチャートである。 実施例2の天国役物装置の初期化動作のタイミングチャートである。 実施例2の天国役物装置の通常動作のタイミングチャートである。 実施例2の第1役物装置の球噛み処理動作のタイミングチャートである。 実施例2の第1役物装置の球噛み処理動作のタイミングチャートである。
以下、本発明の実施例1として、パチンコ機に適用した場合の形態例を、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ機、特に、所謂羽根モノに属するタイプのパチンコ機について図1から順次説明を行う。
A.パチンコ機の正面構成
最初に、図1によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。図1は本例のパチンコ機1(遊技機)の前面側斜視図である。
パチンコ機1は、当該パチンコ機1が設置される島に対して固定される機枠2と、この機枠2にヒンジ部3において回動可能に軸支されることによって、機枠2に対して開閉自在とされた前面枠4とを備える。この前面枠4には、遊技盤30(図2に示す)が取り付けられている。
また前面枠4には、その前面上側を覆うようにガラス枠5が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠5により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤30の後述する遊技領域32が前面から視認可能となっている。またガラス枠5は、ヒンジ部3において前面枠4に開閉可能に軸支されている。
ここで、前面枠4は遊技枠という名称で呼称され、ガラス枠5は前枠という名称で呼称されることもあるが、本実施例では前面枠4、ガラス枠5で説明している。
このガラス枠5の下側には、操作パネル6が設けられている。
なお、通常、パチンコ機1には遊技媒体貸出装置としてのCRユニット(カード式球貸制御ユニット)が併設されることもあるが、ここでは図示を略している。
図2に示すように、遊技盤30は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール31で囲まれることにより遊技領域32が形成されたものである。遊技領域32は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、所定数の遊技球がガラス枠5の下部に設けられた上皿7に排出される(即ち、賞球として排出される)構成となっている。
また、前面枠4の開閉側(図1において右側)の縁部には、前面枠4及びガラス枠5の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部8が形成されている。
また、ガラス枠5の下部に設けられた上皿7は、賞球として又は貸球として排出された発射前の遊技球を一時保持するものである。
また、操作パネル6には、上皿7の遊技球を遊技者の操作によって移すことができる下皿10と、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル11とが設けられている。
また、ガラス枠5の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置12(図1に示すように、枠の左右に配置)や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)13a、13bが設けられている。さらに、前面枠4の下部にもスピーカ(下スピーカ)13cが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)13a、12b、スピーカ(下スピーカ)13cから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠5の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、上皿7の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ15aを内蔵した演出ボタン15が設けられている。また、演出ボタン15の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル16が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル16を演出ボタン15と一体的に設けたが、タッチパネル16は、演出ボタン15と別体であってもよく、例えば、演出ボタン15の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル16を設けてもよい。
また、演出ボタン15の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン17、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン18、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
この実施例1の遊技機1においては、遊技者が上記発射操作ハンドル11を回動操作することによって、打球発射装置が上皿7から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン15やタッチパネル16を操作することによって、盤演出装置46(図2、図11参照)におけるラウンド抽選演出において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
B.遊技盤の前面構成
図2において、符号31は遊技盤30のガイドレールであり、既述したように、遊技盤30前面の略円形領域がこのガイドレール31で囲まれることにより遊技領域32が形成されている。
この遊技盤30のガイドレール31で囲まれた遊技領域32の下部には、左右に離間して一対の第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)が設けられ、これら第1始動入賞口33a、33bの間の中央に位置して第2始動入賞口34(第2始動口)が設けられている。
なお、一対の第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)はそれぞれ左始動口、右始動口ともいう。また、第2始動入賞口34(第2始動口)は中始動口ともいう。
第1始動入賞口33a、33bには、第1始動入賞口33a、33bに入賞した遊技球を検出するための左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106(図10に図示)がそれぞれ配設されている。また、第2始動入賞口34には、第2始動入賞口34に入った遊技球を検出するための中始動口スイッチ107(図10に図示)が配設されている。また、遊技領域32の中央には、図3等に拡大図示するような、変動入賞装置35が設けられている。
遊技領域32には、その他に、図示を略しているが、風車と呼ばれる打球方向変換部材、多数の障害釘が配設されるとともに、一般入賞口36a、36b、アウト穴37などが設けられている。このうち、各一般入賞口36a、36bには、該一般入賞口36a、36bに入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ104(一般入賞口の数に応じて1乃至n個ある)(図10に図示)が配設されている。
変動入賞装置35は、遊技盤30に形成された取付開口部(図示略)に遊技盤30の前面側から取り付けられるものであり、前方側が開放し、遊技盤30の後方に延在する入賞空間41を形成する入賞空間形成部材42を有する。また、変動入賞装置35の前面側は、遊技盤30の前面を覆うガラス板の近傍まで突出した状態となっており、後述する可動部材43a、43bが開いた場合以外は変動入賞装置35内に遊技球が入らないようになっている。
ここで、図2は変動入賞装置35を含む遊技盤30の全体構成を示し、図3は変動入賞装置35を単体で示す正面図である。更に、図4は変動入賞装置35を単体で示しつつ、変動入賞装置35全体がやや正面側に傾斜して後述の天国流入空間62や地獄流入空間63の様子を分かりやすく示すようにした図である。
以後の説明では、上記図2乃至図4を使用して説明するが、まず図2に示すように、入賞空間41の上部には、上部構造部材(鎧部材)44が遊技盤30表面より前方に突出するように設けられ、変動入賞装置35の上部の装飾装置として機能するとともに、変動入賞装置35の上方から流下する遊技球が入賞空間41に入ることを防止するとともに、その遊技球を左右方向に誘導するようになっている。
一方、変動入賞装置35の下部側には詳細を後述するラウンド決定役物としての盤演出装置46及び情報表示器45が設けられている。
説明の都合上、情報表示器45から先に説明すると、情報表示器45は遊技状態に合わせた情報を表示するもので、複数の識別情報(例えば、数字、文字、記号など)を表示可能となっている。この情報表示器45は、デモ画面表示、遊技球が始動入賞口33a、33b、34に入賞したときの表示、遊技球が後述の特別入賞領域69に入賞したとき(特別遊技発生時)の表示、特別遊技状態中の表示等、種々の遊技状態に関する表示がなされるようになっている。
なお、情報表示器45は後述の遊技制御装置100(図10)で制御されるのではなく、図11に示すように、演出制御装置300によって制御される構成である。また、盤演出装置46も後述のように、演出制御装置300によって制御される。
情報表示器45は、7セグメントのLEDを2つ配置した構成であり、それぞれのLEDの組合せで各種遊技状態に関する表示を行う。
2つの7セグメントLEDによって、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合に行われる各種遊技状態、すなわち、遊技球が始動入賞口33a、33b、34に入賞したときの表示、遊技球が特別入賞領域69に入賞したとき(特別遊技発生時)の表示、特別遊技状態中の表示や遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合に行われる各種遊技状態、すなわち、遊技球が始動入賞口34に入賞したときの表示、遊技球が特別入賞領域69に入賞したとき(特別遊技発生時)の表示、特別遊技状態中の表示等を行う。
また、保留に関しては、遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合には1個に限り特図の保留(特図2の保留)が行われるが、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合には特図の保留(特図1の保留は無し)は行われない。したがって、特図2に限り、特図の保留表示も1個に限り行う。
なお、実施例1では情報表示器45はLEDを備えるものを配置しているが、これに限らず、例えば液晶、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
また、情報表示器45としてLEDではなく、液晶、EL、CRT等のディスプレイを配置するように構成した場合、例えば液晶表示装置を配置するように構成した場合には、その設置場所としては、図2に示す現在の場所に限らず、例えば変動入賞装置35の左右の可動部材43a、43bが相対する箇所(入賞空間41の矢印が示す箇所)に、液晶表示装置を設置するようにしてもよい。
そのようにすると、遊技者から見てほぼ視線の高さであり、かつ正面から見つめることができるので、遊技に集中することができ、便利である。また、情報表示器45をLEDで構成した場合に比べて、液晶表示装置の方が迫力のある演出ゲームを楽しむことができる。
また、遊技盤30の下部右側には、ガイドレール31の外側に一括表示装置50が設けられており、一括表示装置50は7セグメントのLEDを2つ配置するとともに、小さなドットLEDを複数配置した構成になっている。一括表示装置50はいわゆる特図(本特図)の表示、さらには特図(本特図)の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。例えば、一括表示装置35の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示するものは特図1表示器、特図2を表示するものは特図2表示器として配置されている。
次に、図2乃至図4において、上部構造部材44の下側の入賞空間41の下方には第1役物装置51(誘導装置)が設けられている。第1役物装置51は中央ブリッジとも言い、シーソー構造に形成されている。
そして、変動入賞装置35の左右の可動部材43a、43bが開放することで、遊技球が入賞空間41に流入する構成になっている。入賞空間41に流入した球は、シーソー構造の第1役物装置51が詳細を後述するように、シーソーのように左右に揺動することで、まず、中央の第1役物装置51(詳細には、後述のように第1役物装置51のブリッジ本体80)で左右に振り分けられ、後述の天国流入空間62又は地獄流入空間63の何れに流入するようになっている。なお、大当りの可能性があるのは右の天国流入空間62へ進んだ場合のみである。
変動入賞装置35の可動部材43a、43bは、その下端部に回動中心を有しており、後述する遊技制御装置100により制御される第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202(図10に図示)の駆動によって左右に回動可能となっている。可動部材43a、43bが略垂直に立った状態においては、可動部材43a、43bが入賞空間41を塞いだ状態となり、変動入賞装置35へ遊技球が入賞できない状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって不利な第1状態となる。これに対して、左右の可動部材43a、43bが下端部を中心にそれぞれ変動入賞装置35から離れる方向に回動した状態においては、可動部材43a、43bが、逆「ハ」の字状に開いて入賞空間41を開放した状態となり、変動入賞装置35への入賞が可能な状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって有利な第2状態となる。なお、始動遊技状態でも特別遊技状態でもない場合(通常遊技状態及び特別遊技待機状態の場合)には、可動部材43a、43bが閉じた状態(第1状態)を保つようになっている。
この可動部材43a、43bは、始動条件の成立(ここでは第1始動入賞口33a、33b又は第2始動入賞口34への遊技球の入賞)に基づく始動遊技において、特図1又は特図2が所定時間の変動を行い、その後、それぞれ第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202(図10に図示)の駆動によって所定態様で第2状態に変換され(所謂小当り動作、詳細は後述)、変動入賞装置35への入賞の機会が得られるようになっている。なお、ここでの特図1、特図2とは一括表示装置50のLEDによって表示される本特図のことである。
すなわち、第1始動入賞口33a、33bに入賞した遊技球が左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106に検出されることに基づき、特図1が所定時間の変動を行い、停止図柄の結果態様に基づいて1回開放又は2回開放を行う。同様に、第2始動入賞口34に入賞した遊技球が中始動口スイッチ107に検出されることに基づき、特図2が所定時間の変動を行い、全ての停止図柄の結果態様において2回開放を行う。
1回開放となる場合は、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作を1回行うようになっている。また、2回開放となる場合は、可動部材43a、43bが所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行うようになっている。
ここで、開放回数は上記内容に限定されず、第1始動入賞口33a、33bに入賞した場合は1回開放のみとしてもよいし、3回以上の開放動作を行うようにしてもよい。第2始動入賞口34に入賞した場合も同様であり、第2始動入賞口34に入賞した場合は2回開放のみに限らず、所定の確率で3回以上の開放動作を行うようにしてもよい。
なお、変動入賞装置35の入賞空間41に流入した遊技球は、左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104(図11参照)の何れかを通過して、ブリッジ本体80に流入する。
詳しくは、左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35における可動部材43aの基端部付近の空間部に配置され、シーソー構造の第1役物装置51に流入する遊技球を検出する。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35の内部空間に設置されている関係上、図2で直接に示すことができないが、左大入賞口スイッチ103の設置箇所としては、矢印の先端で示す付近の変動入賞装置35の内部空間に設置されている。これは、図2乃至図4について同様である。
また、右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35における可動部材43bの基端部付近の空間部に配置され、シーソー構造の第1役物装置51に流入する遊技球を検出するようになっている。同様に、右大入賞口スイッチ104も変動入賞装置35の内部空間に設置されている関係上、図2で直接に示すことができないが、右大入賞口スイッチ104の設置箇所としては、矢印の先端で示す付近の変動入賞装置35の内部空間に設置されている。これは、図2乃至図4について同様である。
左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104を設けているのは、変動入賞装置35に遊技球が入賞したと判断する検出機能が必要なためで、そのため、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104を配置している。
なお、変動入賞装置35の内部には、その他に後述のように、特別入賞領域69を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ111が配置されているが、特別入賞領域69はV入賞を検知するための領域であり、賞球がもらえる入賞口ではない。同様に、変動入賞装置35の内部には後述のように、残存球排出領域70を通過した遊技球を検出する右残存球排出口スイッチ113(図7参照)が配置されているが、残存球排出領域70はV入賞を逃した球を検知するための領域であり、賞球がもらえる入賞口ではない。右残存球排出口スイッチ113は変動入賞装置35から球が出たことを検知するためのスイッチである。
また、変動入賞装置35の内部には左残存球排出口スイッチ112(図11参照)が配置されており、左残存球排出口スイッチ112は変動入賞装置35における地獄流入空間63に流入した遊技球を検出するもので、地獄流入空間63に流入した球が残存していないか否かを検出する機能を有している。
なお、左残存球排出口スイッチ112は変動入賞装置35の内部のうちの後述の地獄流入空間63(図7参照)に設置されている関係上、図2で直接に示すことができないが、左残存球排出口スイッチ112の設置箇所としては、矢印の先端で示す付近の変動入賞装置35の内部空間に設置されている。これは、図2乃至図4について同様である。一方、変動入賞装置35の内部に設置されている右残存球排出口スイッチ113については、図7に直接示されている。
入賞空間41の下方に配置されたシーソー構造の第1役物装置51はハト部材52、コウモリ部材53及び詳細を後述するブリッジ本体80を有しており、シーソー構造の第1役物装置51は後述の図6に示すように、ブリッジ本体80のほぼ中央を支点として、ブリッジ本体80が左右にシーソーのように揺動可能な構成になっている。そして、可動部材43a、43bが開放動作をしたタイミングで入賞空間41に流入した遊技球がシーソー構造の第1役物装置51のブリッジ本体80に接触したとき、ブリッジ本体80の傾き具合により、遊技球は左右の流入空間(天国流入空間62、地獄流入空間63)の何れかに流入するようになっている。
ここで、遊技機1の前面側から見て、右の流入空間を天国流入空間62(天国ゾーンとも言う)、左の流入空間を地獄流入空間63(地獄ゾーンとも言う)という。
シーソー構造の第1役物装置51に配置されたハト部材52はブリッジ本体80に接触している遊技球が天国流入空間62側に流れるのを邪魔する機能を有しており、一方、シーソー構造の第1役物装置51に配置されたコウモリ部材53はブリッジ本体80に接触している遊技球が地獄流入空間63側に流れるのを邪魔する機能を有している。これにより、遊技者はブリッジ本体80に接触している遊技球がハト部材52やコウモリ部材53の機能により、ドキドキしながら、遊技球が天国流入空間62又は地獄流入空間63の何れに流入するかを楽しむことができる。
ただし、前述したように本実施例では大当りの可能性があるのは、遊技球が右の天国流入空間62へ進んだ場合のみであるため、始動条件の成立に基づく始動遊技においては、遊技球が天国流入空間62側に流れるのを邪魔するハト部材52を作動させないようにしてもよい。そのような構成にすれば、大当りの可能性が高められ、遊技者の遊技に対する意欲をより高めることができる。
変動入賞装置35の右側部分には、天国流入空間62に対応して天使を模した装飾が施された天使部材64が配置されているとともに、その下方には「HEAVEN」と表記した模様が変動入賞装置35に施されている。
一方、変動入賞装置35の左側部分には、地獄流入空間63に対応して悪魔を模した装飾が施された悪魔部材65が配置されているとともに、その下方には「HELL」と表記した模様が変動入賞装置35に施されている。
また、図4に示すように、変動入賞装置35の右側部分に配置された天国流入空間62には、天国役物装置66が設けられている。天国役物装置66は天国回転体67を備えており、天国回転体67には複数のV入賞凹部68a、68bが形成されている。そして、天国流入空間62に流入した球が何れかのV入賞球凹部68a、68bに嵌って支持されると、その球は特別入賞領域69(図7参照)に落下して大当りの抽選が開始されるようになっている。
なお、前述したように、変動入賞装置35の内部には特別入賞領域69を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ111(図7参照)が配置されており、特別入賞領域69を遊技球が通過したことを特定領域スイッチ111が検出すると、V入賞として大当りの抽選が行われる。ただし、特定領域スイッチ111は遊技球が特別入賞領域69を通過することで、V入賞を検知するためのものであり、賞球がもらえる入賞にはならず、あくまでも大当りの抽選を開始するか否かを検出するためのものである。
そして、大当りの抽選では、全ての抽選が16ラウンドの大当りではあるが、全ての大当りが同等の賞球を獲得できるわけではなく、例えば16ラウンド相当の賞球が獲得できる大当り、7ラウンド相当の賞球が獲得できる大当り、3ラウンド相当の賞球が獲得できる大当りの何れかが決定されるような抽選を行うものである。以下、これらを「16R大当り」、「7R当り」、「3R当り」という。
また、所謂羽根モノに属するタイプのパチンコ機(本実施例のパチンコ機1も含む)においては、始動遊技における特別入賞領域69の入賞を1ラウンドとしてカウントするので、実際の大当り(特別遊技状態)中のラウンド数は1ラウンド少なくなる。したがって、本実施例においては、出玉との関係では16ラウンドから1ラウンドだけ減算した結果となり、全て15ラウンド分のラウンド遊技が行われることになる。
一方、天国流入空間62に流入した球が何れのV入賞凹部68a、68bにも嵌まらなければ、その球は特別入賞領域69に落下せず、残存球排出領域70を通過して、変動入賞装置35から排出される。
また、遊技盤30の下部側で第1役物装置51の下方には、前述したように盤演出装置46が設けられている。盤演出装置46は始動条件が成立して遊技球が変動入賞装置35の特別入賞領域69に落下したとき、大当りの抽選結果に対応した演出を行い、「16R大当り」、「7R当り」、「3R当り」の3つの態様の何れかを表示するものである。
すなわち詳しくは、盤演出装置46は始動条件が成立して変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放動作をしたタイミングで入賞空間41に流入した遊技球がシーソー構造の第1役物装置51を経て天国流入空間62に流入し、天国役物装置66における天国回転体67の何れかのV入賞球凹部68a、68bに嵌って支持された後、その球が特別入賞領域69(図7参照)に落下したとき、大当り(特別遊技状態)となってラウンドの抽選演出が開始され、その抽選結果に応じて、「16R大当り」、「7R当り」、「3R当り」の3つの態様のうちの何れかの1つで停止するような演出表示を行うものである(詳細な構成は後述)。
ただし、実際に何ラウンドの大当りとなるかは、第1始動入賞口33a、33bや第2始動入賞口34に入賞した時に抽出される乱数値に基づいて事前に決定されており、前述した始動遊技の場合と同様に、特図(一括表示装置50における特図表示)の停止図柄の結果態様に基づいて決定される。ここでのラウンドの抽選演出は、その事前に決定されている結果に基づいて行われることになる。
このように、特別入賞領域69に遊技球が入賞すると、前述したように始動入賞した時に抽出される乱数値に基づいて事前に決定されている「16R大当り」、「7R当り」、「3R当り」のうちの何れかの大当り(特別遊技状態)が発生するようになっている。
特別遊技状態においては、可動部材43a、43bを開閉させて、間欠的に第2状態とする動作を行い、可動部材43a、43bを所定回数(例えば18回)開閉するか、変動入賞装置35に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞するかの何れかが達成されるまで可動部材43a、43bを開閉動作することを1ラウンドとして、これを所定ラウンド回数(例えば15回)繰り返すサイクル遊技が行われる。
これによって、変動入賞装置35への入賞が容易になり、遊技者にとって多くの賞球としての遊技球を得ることが可能になる。
ここで、繰り返し可能なラウンド回数は、前述したように始動入賞した時に抽出される乱数値に基づいて事前に決定するのではなく、例えば始動遊技において特別入賞領域69に入賞したときに抽選して決定(例えば、3、7、16回の何れか)するようにしても良いし、ラウンド中に特別入賞領域69に入賞することを条件に、最大ラウンド回数(例えば16回)を限度として次のラウンドに進めるようにしても良い。
また、上述の条件を組み合わせて、決定された繰り返し可能な最大ラウンド数を限度に、ラウンド中に特別入賞領域69に入賞すれば次のラウンドに進めるようにしても良い。
また、このとき、遊技制御装置100が後述の役物モータ72及び第2モータスイッチ71によって天国役物装置66を制御し、遊技球が特別入賞領域69に入賞しやすい状態、もしくは逆に入賞しにくい状態にして、継続可能なラウンド回数を調節するようにしても良い。
ここで、説明の都合上、先に天国役物装置66(誘導装置)の詳細な構造について説明する。
図7は天国役物装置66の構造を示す斜視図である。
図7において、天国役物装置66は天国回転体67、第2モータスイッチ71、役物モータ72を備えており、役物モータ72が回転することにより、その動力が複数の歯車73a乃至73cを介して天国回転体67の駆動軸74に伝達され、天国回転体67が一定速度で回転(例えば、時計周りの回転方向)するようになっている。なお、73dも歯車である。
なお、第2モータスイッチ71は天国役物装置66における天国回転体67の初期位置を検出するもので、遮光板76を備えている。すなわち、第2モータスイッチ71は歯車73dの支柱(歯車73dの内側の十文字の支柱)に対抗して立設している遮光板76を備えており、図7の状態は歯車73dの支柱により光が第2モータスイッチ71を遮光している状態であり、この状態はV入賞凹部68a、68bの片方が特別入賞領域69の上にある状態になっている。例えば、この状態が天国回転体67の初期位置であれば、第2モータスイッチ71は光を遮光しているか否で、初期位置を検出することになる。
天国回転体67は円盤状に形成され、2つのV入賞凹部68a、68bを有するとともに、V入賞凹部68a、68b以外の部分は外れ流入空間75が形成されている。
そして、天国流入空間62に流入した球が何れかのV入賞凹部68a、68bに嵌って支持されると、その球は特別入賞領域69に落下するように構成されており、このとき、特別入賞領域69を通過する球は特定領域スイッチ111によって検出される。
なお、天国流入空間62に流入した球が何れかのV入賞凹部68a、68bに嵌ってV入賞がしやすくなるように、例えばV入賞凹部68a、68bが特別入賞領域69の正面に来た時に所定時間だけ一時停止をするような構成にしてもよい。そのようにすると、遊技者はワクワク感を持つことができ、大当りへの期待感を高めることができる。
一方、天国流入空間62に流入した球が何れのV入賞凹部68a、68bにも嵌まらなければ、その球は外れ流入空間75に流入して残存球排出領域70を通過する。このとき、残存球排出領域70を通過する球は右残存球排出スイッチ113によって検出される。
なお、特別入賞領域69を通過した球も最終的に右残存球排出スイッチ113を通過するようになっており、特別入賞領域69を通過した球も右残存球排出スイッチ113によって検出される。したがって、右残存球排出スイッチ113は天国流入空間62に流入した球が残存していないか否かを検出する機能がある。
また、地獄流入空間63に流入した遊技球は左残存球排出スイッチ112によって検出されるようになっており、したがって、左残存球排出スイッチ112は地獄流入空間63に流入した球が残存していないか否かを検出する機能がある。
次に、シーソー構造の第1役物装置51の詳細な構成について、図5及び図6を参照して説明する。
図5(a)は第1役物装置51の正面図面、図5(b)は第1役物装置51の斜視図である。これらの図において、第1役物装置51は前述したブリッジ本体80、ハト部材52、コウモリ部材53の他、役物モータ81、第1モータスイッチ82、役物ソレノイド取付部83、役物ソレノイド取付部84を備えている。
役物ソレノイド取付部83には役物ソレノイド203(図10)が取り付けられようになっており、役物ソレノイド203はハト部材52を上下に駆動するものである。また、役物ソレノイド取付部84には役物ソレノイド204(図10)が取り付けられるようになっており、役物ソレノイド204はコウモリ部材53を上下に駆動するものである。
役物モータ81はブリッジ本体80をほぼ中央を支点として左右にシーソーのように揺動するように駆動するものである。具体的には、ブリッジ本体80には役物モータ81側に向かって延在する支持部材85が連結されており、支持部材85の端部には長孔86が形成され、長孔86には円柱形のピン87が連通している。ピン87は駆動機構88を介して役物モータ81に連結されている。
役物モータ81は正回転(例えば、時計方向回転)と逆回転((例えば、反時計方向回転)に100度程度回転が可能なもので、役物モータ81は正回転すると、役物モータ81の回転力が駆動機構88を介してピン87に伝達され、ピン87が連通している長孔86内をピン87が水平方向に移動することで、長孔86を形成している支持部材85がブリッジ本体80のほぼ中央を支点として左右にシーソーのように揺動し、これにより、支持部材85が連結されているブリッジ本体80がほぼ中央を支点として左右にシーソーのように揺動する(すなわち、ブリッジ本体80の各端部がシーソーのように上下動する)構成になっている。また、役物モータ81が逆回転した場合にも同様に、ブリッジ本体80の各端部がシーソーのように上下動する。
なお、役物モータ81が正回転又は逆回転するかにより、ブリッジ本体80の各端部がどちらに傾斜するかが決まる。例えば、役物モータ81が正回転すると、ブリッジ本体80の右端部が下になるように傾斜したシーソー状態に駆動される。このとき、ブリッジ本体80に当接して転がる遊技球は天国流入空間62に流入しやすくなる。一方、例えば、役物モータ81が逆回転すると、ブリッジ本体80の左端部が下になるように傾斜したシーソー状態に駆動される。このとき、ブリッジ本体80に当接して転がる遊技球は地獄流入空間63に流入しやすくなる。
第1モータスイッチ82は、役物モータ81がブリッジ本体80を左右のどちらに傾斜させているかを検出するものである。ブリッジ本体80が左右のどちらに傾斜せず、ほぼ水平であるときは、ブリッジ本体80に連結されている支持部材85がほぼ垂直状態にあり、このとき、第1モータスイッチ82は遮光状態になっている。したがって、このときは第1モータスイッチ82は遮光状態に対応する信号形態になっている(例えば、遮光状態なので、信号をオン出力する形態)。
一方、図6(a)に示すように、ブリッジ本体80に連結されている支持部材85がブリッジ本体80の右端部が下になるように傾斜した状態(右傾斜状態)に駆動された場合には、第1モータスイッチ82は遮光から通光に切り替わる信号を出力する。また、図6(b)に示すように、ブリッジ本体80に連結されている支持部材85がブリッジ本体80の左端部が下になるように傾斜した状態(左傾斜状態)に駆動された場合にも、第1モータスイッチ82は遮光から通光に切り替わる信号を出力する。
したがって、役物モータ81の回転方向と第1モータスイッチ82の信号形態を監視することで、ブリッジ本体80が左右のどちらに傾斜しているかを検出できる。
次に、変動入賞装置35における第1役物装置51の下方に配置されている盤演出装置46の詳細な構成について、図8及び図9を参照して説明する。
盤演出装置46はラウンド抽選役物としての機能を有し、図8に示すように、V大当り表示部211、ハート大当り表示部212、スター大当り表示部213を備えており、これら3つの表示部211〜213が1つの軸を中心として壁部材により3分割したように構成され、その軸を中心として回転可能になっている(図9参照)。
そして、遊技制御装置100で大当りの抽選が開始され、その抽選結果が演出制御装置300に送信されると、演出制御装置300ではその抽選結果に応じて盤演出装置46を制御し、V大当り表示部211、ハート大当り表示部212、スター大当り表示部213のうちの何れかが正面を向いて遊技者に今回の大当りを知らせる演出が行われる構成である。
図8(a)は演出制御装置300の制御によりV大当り表示部211が選択されて正面を向いた様子を示している。V大当り表示部211が選択されると、「16R大当り」の大当り遊技が開始されることになる。この場合、V大当り表示部211は「V」の形を模した構成であり、この「V」の部分は金色に輝く構成である。なお、V大当り表示部211の下方には前述した情報表示器45が配置されており、大当りが発生すると、大当りのラウンド表示などを行う。また、情報表示器45は回転ぜす、固定されているので、ハート大当り表示部212やスター大当り表示部213が選択されて正面を向いた場合でも、情報表示器45は図8(a)と同様の位置にある。
図8(b)は演出制御装置300の制御によりハート大当り表示部212が選択されて正面を向いた様子を示している。ハート大当り表示部212が選択されると、「7R当り」の大当り遊技が開始されることになる。この場合、ハート大当り表示部212は「ハート」の形を模した構成であり、この「ハート」の部分は赤色に形成されている。なお、ハート大当り表示部212が選択された場合であっても、ラウンド演出中やインターバル演出中に「16R大当り」相当のV大当りに昇格することもある。
図8(c)は演出制御装置300の制御によりスター大当り表示部213が選択されて正面を向いた様子を示している。スター大当り表示部213が選択されると、「3R当り」の大当り遊技が開始されることになる。この場合、スター大当り表示部213は「スター(星)」の形を模した構成であり、この「スター」の部分は青色に形成されている。なお、スター大当り表示部213が選択された場合であっても、ラウンド演出中やインターバル演出中に「16R大当り」相当のV大当りや「7R当り」相当のハート大当りに昇格することもある。
ここで、大当りの内訳としては、V大当り表示部211が選択されると「16R大当り」、ハート大当り表示部212が選択されると「7R当り」、スター大当り表示部213が選択されると「3R当り」となるが、大当りを決定する遊技(つまり、大当り抽選を行うための最初の遊技)も1ラウンドとしてカウントする構成であるので、出玉のあるラウンドとしては、「16R大当り」では15ラウンドの出玉遊技、「7R当り」では6ラウンドの出玉遊技、「3R当り」では2ラウンドの出玉遊技が行われることになる。
次に、図9は盤演出装置46の詳細な構成を示す図である。
図9(a)乃至図9(e)に示すように、盤演出装置46はV大当り表示部211、ハート大当り表示部212、スター大当り表示部213の3つの表示部211〜213が1つの軸90を中心として壁部材91によって3分割したように構成され、軸90を中心とし回転可能になっている(図9参照)。壁部材91は軸90に固定されている。また、各表示部211〜213は壁部材91により3つの区画に仕切られている。
細かい構成につき図9(b)を参照して説明すると、図9(b)において、盤演出装置46はV大当り表示部211、ハート大当り表示部212、スター大当り表示部213、軸90、壁部材91の他に、演出モータ92、第1演出モータスイッチ93、第2演出モータスイッチ94、歯車95a乃至95cを備えている。また、盤演出装置46は図9(c)に示すように、遮光板96a、96bを備えている。
演出モータ92は壁部材91により3つに区画されているV大当り表示部211、ハート大当り表示部212、スター大当り表示部213を回転させるための駆動力を付与するもので、演出モータ92の駆動力は歯車95a乃至95cを順次介して軸90に伝達され、軸90が回転するようになっている。軸90には壁部材91が固定されているので、結局、演出モータ92が回転することにより、軸90が回るとともに壁部材91も回り、今回の大当り抽選結果に応じた所定位置で停止し、V大当り表示部211、ハート大当り表示部212、スター大当り表示部213のうちの何れかが正面を向いて遊技者に今回の大当りを知らせる演出を行うようになっている。
第1演出モータスイッチ93及び第2演出モータスイッチ94は、V大当り表示部211、ハート大当り表示部212、スター大当り表示部213の停止位置を検出するためのもので、例えば、以下のようになっている。
(a)第1演出モータスイッチ93及び第2演出モータスイッチ94が共に遮光状態を検出しているときは、V大当り表示部211が正面を向いた状態となる。
(b)第1演出モータスイッチ93が通光状態、第2演出モータスイッチ94のみが遮光状態を検出しているときは、ハート大当り表示部212が正面を向いた状態となる。
(c)第1演出モータスイッチ93のみ遮光状態を検出し、第2演出モータスイッチ94が通光状態のときは、スター大当り表示部213が正面を向いた状態となる。
また、基本的に「V大当り表示部211」→「ハート大当り表示部212」→「スター大当り表示部213」の順で回転するように演出モータ92が駆動制御される。ただし、ここでは逆回転に演出モータ92を駆動制御することも可能である他、「V大当り表示部211」、「ハート大当り表示部212」、「スター大当り表示部213」の何れか(あるいは全て)がブルブル揺れるような動きをさせるように演出モータ92を駆動制御することも可能になっている。このような制御を行うと、より一層多彩な盤演出装置46の演出を行うことができる。
C.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機1の制御系について、図10、図11を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
パチンコ機1は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置100、払出制御装置200、演出制御装置300及び電源装置400を備えている。
(遊技制御装置関係)
まず、パチンコ機1の遊技制御装置100の構成と、この遊技制御装置100に接続される機器について、図10によって説明する。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)171を有するCPU部170と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部170と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス150などからなる。
ここで、遊技制御装置100は制御装置に相当し、開放制御手段、変動時間選択手段、特図変動制御手段、変動時間記憶手段を構成する。
上記CPU部170は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)171と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)173などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン171の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施例では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン171(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ127が設けられている。このRAM初期化スイッチ127が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン171内のRAM171C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン171が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン171は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)171A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)171B及び随時読出し書込み可能なRA
M(ランダムアクセスメモリ)171Cを備える。
ROM171Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM171Cは、遊技制御時にCPU171Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM171B又はRAM171Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。ROM171Bは変動時間記憶手段を構成する。
また、ROM171Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターン振分テーブルを記憶している。変動パターン振分テーブルとは、例えば後述の図73に示すように、第1役物装置51や天国役物装置66の時間設定、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの1回開き図柄及び2回開き図柄の振り分け率などのパターンをCPU171Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。
また、変動パターン振分テーブルには、特図1が変動する場合に選択される特図1変動パターンテーブル、特図2が変動する場合に選択される特図2変動パターンテーブル等が含まれる。
なお、本実施例では1種タイプの遊技機と異なり、所謂羽物タイプの遊技機(パチンコ機1)であるので、例えばリーチ状態となった後の変動パターンやリーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル等は無く、特図変動の結果は全て小当りとなり、外れは無い。すなわち、始動入賞すると、必ず変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開放動作が行われる。そして、特図の停止図柄違いで可動部材43a、43bの開放回数が異なる構成になっている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置(例えば、一括表示装置50の特図1表示器、特図2表示器)を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(始動遊技状態や特別遊技状態)となるパチンコ機1において、少な目の頻度で実行され、平均的な特図変動表示ゲームの実行時間より長い時間実行される特図変動表示ゲームの状態をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様がちがった状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
また、特図変動表示ゲームに対応して他の表示装置(例えば、情報表示器45)にて飾り特図変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
よって、例えば飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、「3」「5」「7」の何れか)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、プレミアリーチが設定されている。
CPU171Aは、ROM171B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイド(例えば、大入賞口ソレノイド201など)や表示装置(例えば、一括表示装置50)の駆動信号を生成して出力してパチンコ機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン171は特図の小当り図柄を決定するための特図図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路173からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU171Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU171Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM171Bに記憶されている複数の変動パターン振分テーブルの中から、何れか一の変動パターン振分テーブルを取得する。具体的には、CPU171Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果や始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振分テーブルの中から、何れか一の変動パターン振分テーブルを選択して取得する。ここで、CPU171Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM171Bに記憶された複数の変動パターン振分テーブルのうち、何れか一の変動パターン振分テーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
さらに、払出制御装置200は遊技制御装置100からの発射許可信号をシリアル通信で受けると、この発射許可信号を発射制御装置(図示略)に出力する。これにより、遊技球の発射が許可されることになる。
なお、発射制御装置は払出制御装置200から必要な電源の供給を受けるとともに、発射許可信号、停電検出信号を受けるようになっている。発射制御装置は発射操作ハンドル11の操作に従って遊技球を発射する発射モータ(図示略)を制御するとともに、発射制御装置にはタッチパネル16からのタッチスイッチ信号や発射停止スイッチ(図示略)からの信号が入力されている。タッチスイッチ信号は遊技者が発射操作ハンドル11にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチは遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。
遊技用マイコン171の入力部120には、ゲートスイッチ101、入賞口スイッチ102、左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107、特定領域スイッチ111、左残存球排出口スイッチ112、右残存球排出口スイッチ113、演出スイッチ108、盤電波センサ114に接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。
ここで、ゲートスイッチ101は普通図柄の始動ゲートを通過した遊技球を検出するスイッチであるが、本実施例においては普図を有しない遊技機(パチンコ機1)であるため、このスイッチは存在せず、外部の図示しない中継基板においてGND接続される。そのため、図10ではゲートスイッチ用(GND接続)として図示している。
また、図10に示すように、試射試験装置へ出力するための試験信号(例えば、普通図柄1に係るゲート通過信号1)を出力する電気パターンを有する中継基板151を接続した場合には、本実施例においては、この試験信号は常時オフとして出力される。このような構成は、一見無駄のように見えるが、別機種として、例えば普通図柄とその始動ゲートを備えた羽根モノタイプの遊技機を開発する際に、この遊技制御装置100を共通に使用することができるという大きなメリットがある。
また、前述したように、入賞口スイッチ102は遊技盤30の一般入賞口36a、36bに入賞した遊技球を検出するもので、一般入賞口の数に応じて1乃至n個設けられている。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35における可動部材43aの基端部付近の空間部に配置され、シーソー構造の第1役物装置51に流入する遊技球を検出する。同様に、右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35における可動部材43bの基端部付近の空間部に配置され、シーソー構造の第1役物装置51に流入する遊技球を検出する。
すなわち、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104は、大入賞口である変動入賞装置35へと入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチとして機能する。
左始動口スイッチ105は遊技盤30の第1始動入賞口33aに入賞した遊技球を検出する。右始動口スイッチ106は第1始動入賞口33bに入賞した遊技球を検出する。中始動口スイッチ107は第2始動入賞口34に入賞した遊技球を検出する。演出スイッチ108は変動入賞装置35における天国役物装置66に遊技球が入る直前の空間に配置されており、演出スイッチ108を遊技球が通過すると、天国役物装置66の天国回転体67のV入賞凹部68a、68bに球が嵌ることを遊技者に期待させるための天国役物装置66の流入演出が行われることになる。
特定領域スイッチ111は図7に示すように、天国役物装置66に流入した遊技球が特別入賞領域69を通過したことを検出する。この場合、天国役物装置66の天国流入空間62に流入した球が何れかのV入賞凹部68a、68bに嵌って支持された後、その球が特別入賞領域69に落下すると、大当りが発生することになる。
左残存球排出口スイッチ112は天国役物装置66の地獄流入空間63に流入した遊技球を検出するもので、地獄流入空間63に流入した球が残存していないか否かを検出する機能を有する。同様に、右残存球排出口スイッチ113は天国役物装置66の天国流入空間62に流入して残存球排出領域70を通過した遊技球及び特別入賞領域69を通過した遊技球の双方を検出するもので、天国流入空間62に流入した球が残存していないか否かを検出する機能を有する。
盤電波センサ114はパチンコ機1に対する電波(例えば、不正な電波)の発射を検出するもので、盤電波センサを複数配置する場合もあるので、その場合には1乃至m個設けることになる。
近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121aと近接I/F121bの二つを設けているのは、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F121bを設けないようにしても良い。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート162、第3入力ポート163又は第4入力ポート164へ供給され、データバス150を介して遊技用マイコン171に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、ゲートスイッチ101、入賞口スイッチ102、左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、及び中始動口スイッチ107の検出信号は第2入力ポート162へ入力される。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、特定領域スイッチ111、左残存球排出口スイッチ112、右残存球排出口スイッチ113、演出スイッチ15aの検出信号は第4入力ポート164に入力される。
さらに、第4入力ポート164には第1モータスイッチ82、第2モータスイッチ71からの信号が入力されている。第1モータスイッチ82は第1役物装置51における役物モータ81がブリッジ本体80を左右のどちらに傾斜させているかを検出する。第2モータスイッチ71は天国役物装置66における天国回転体67の初期位置を検出する。
近接I/F121aの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1は第3入力ポート163へ入力されるとともに、近接I/F121bの出力のうち、盤電波センサ114の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号2も第3入力ポート163に入力される。
また、第3入力ポート163には磁気センサ115、振動センサ116からの検出信号が入力されるとともに、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠4に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)が入力される。
磁気センサ115は不正な磁気を検出するもので、パチンコ機1の前面枠4等や近接センサの近辺に配置され、磁石を当てられそうな箇所をカバーできるように複数(例えば、1乃至k個)が設けられている。振動センサ116は不正な振動を検出するもので、センターケースとしての変動入賞装置35の裏側のいわゆるベニア板上に1個配置されている。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート162への出力、及び第4入ポート164への一部の出力は、遊技制御装置100から中継基板151を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107の検出信号は、第2入力ポート162の他、遊技用マイコン171へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート162が保持しているデータは、遊技用マイコン171が第2入力ポート162に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート163、第4入力ポート164や後述の第1入力ポート161も同様である。
第1入力ポート161にはガラス枠5の開放を検出するガラス枠開放検出スイッチ117、前面枠4の開放を検出する本体枠開放検出スイッチ118からの検出信号が入力されるとともに、払出制御装置200からの払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿10に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(発射操作ハンドル11に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)が入力されている他、さらに、シュミットバッファ126、RAM初期化スイッチ127からの信号が入力されている。
第1入力ポート161は上記の各信号を取り込んでデータバス150を介して遊技用マイコン171に供給する。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン171等に入力するための前述したシュミットバッファ126が設けられており、シュミットバッファ126はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ127からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート161に入力され、データバス150を介して遊技用マイコン171に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン171に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ126によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン171に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板151に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板151のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板151を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート161,162,163,164には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン171によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン171が読み込んだデータは、遊技用マイコン171のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン171から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン171から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス150に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ始動入賞(第1始動入賞口33a、23bや第2始動入賞口34への入賞)に伴う特図変動表示ゲームの特図情報を中継基板151を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板151を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ115や盤電波センサ114のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン171に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス150からバッファ133、中継基板151を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板151には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板151上のポートには、遊技用マイコン171から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス150に接続され、変動入賞装置35の可動部材43a、43bをそれぞれ開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド203、及び第1役物装置51におけるハト部材52を上下に駆動するための役物ソレノイド203、第1役物装置51におけるコウモリ部材53を上下に駆動するための役物ソレノイ204の開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第5出力ポート137、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第6出力ポート138が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報などパチンコ機1に関する情報を外部情報端子板152へ出力するための第7出力ポート139及び第6出力ポート138が設けられている。外部情報端子板152にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、パチンコ機1に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第7出力ポート139からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される変動入賞装置35の可動部材43a、43bをそれぞれ開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド203、及び第1役物装置51におけるハト部材52を上下に駆動するための役物ソレノイド203、第1役物装置51におけるコウモリ部材53を上下に駆動するための役物ソレノイ204の開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)140、第3出力ポート135から出力される天国役物装置66における役物モータ72、第1役物装置51におけるブリッジ本体80を左右にシーソーのように上下に駆動する役物モータ81の開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第2ドライバ(駆動回路)141、第4出力ポート136から出力される接続モニタLED153の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ142が設けられている。
ここで、接続モニタLED153は主基板である遊技制御装置100が起動すると、点灯するもので、主基板の動作中であることをモニターする等の機能がある。また、将来的に遊技制御装置100で作動させる部品などが増えた場合に、第4出力ポート136を増えた部品に対応させて使用できる等のメリットがある。
なお、接続モニタLED153は、第4出力ポート136から出力される信号線と1対1で対応する個数を接続するようにしてもよいし、複数の信号線に対し1個を接続するようにしてもよい。
また、出力部130には、第5出力ポート137から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第4ドライバ143、第6出力ポート138から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第5ドライバ144、第7出力ポート139及び第6出力ポート138から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板152へ出力する第6ドライバ145が設けられている。
上記第1ドライバ140には、32Vで動作するソレノイド(第1大入賞口ソレノイド
201、第2大入賞口ソレノイド202、役物ソレノイド203、役物ソレノイド204)を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、第2ドライバ141には、12Vで動作するモータ(役物モータ72、役物モータ81)を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC12Vが電源装置400から供給される。同様に、第3ドライバ142には、12Vで動作する接続モニタLED153を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC12Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第4ドライバ143には、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第5ドライバ144は、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第4ドライバ143によりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第5ドライバ144によりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板152へ出力する第6ドライバ145は、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ140等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板151側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ146が設けられている。フォトカプラ146は、遊技用マイコン171が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン171が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート161,162,163,164のようなポートは設けられていない。
次に、図11を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
ここで、今回の実施例1では演出制御装置300の制御により、遊技盤30のセンターケース下方にLEDを備えた情報表示器45を配置し、情報表示器45によって各種遊技状態の表示、大当りのラウンド表示等を行っているが、図11では、実施例1の変形例としてLEDを備えた情報表示器45に代えて、液晶を用いた液晶情報表示装置451を採用した例を示している。
以下の説明では、液晶情報表示装置451を採用した構成を説明しつつ、情報表示器45についても言及して構成を説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン171と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って液晶情報表示装置451への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ13a,13b、13cから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
したがって、図11の例において、液晶情報表示装置451を採用した構成では、演出制御装置300からの指令によりVDP312の制御によって液晶情報表示装置451が各種の画像表示を含み、各種遊技状態の表示、大当りのラウンド表示等を行うことになり、迫力のある多彩な演出を行うことが可能である。
なお、図11において、液晶情報表示装置451ではなく、LEDを備えた情報表示器45を採用した場合(実施例1のケース)には、後述の盤装飾LED制御回路332と同様の回路を使用したり、あるいは図10に示す場合と同様に、主制御用マイコン(CPU)311に対してアドレス/データバス340を介して出力ポートとドライバを配置して、情報表示器45に接続する構成にすればよい。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン171からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、液晶情報表示装置451の映像とガラス枠5や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で液晶情報表示装置451へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して液晶情報表示装置451に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠5に設けられた上スピーカ13a、13b及び操作パネル6に設けられた下スピーカ13cを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ13a、13b及び下スピーカ13cから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンド(演出コマンド)を受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン171はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケースとしての変動入賞装置35を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置351を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠5に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置352を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケースとしての変動入賞装置35を含む)に設けられている盤演出装置46を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠5にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、操作パネル6に設けられた演出ボタン15に内蔵されている演出ボタンスイッチ15a、演出ボタン15の上面(押圧面)に設けられたタッチパネル16、盤演出装置46内における演出モータ92の初期位置等を検出する演出モータスイッチ93、94のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる液晶情報表示装置451、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300にはパチンコ機1の各所を冷却する冷却FAN47が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN47が駆動されるようになっている。
D.制御系の動作
次に、このような遊技を行うパチンコ機1(遊技機)の制御について説明する。
まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)171によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン171による制御処理は、主に図12及び図13に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図15に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔遊技制御装置のメイン処理〕
まず、図12、13により、遊技制御装置100(遊技用マイコン171)のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、遊技用マイコン171に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。すなわち、電源装置400の図示省略した電源スイッチがオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置400の制御信号生成部430からのリセット信号が遊技制御装置100に入力されて遊技用マイコン171のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、遊技用マイコン171が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されて遊技用マイコン171が起動する。また、作業者が遊技制御装置100のユーザワークRAM等の初期化をしようとする場合には、RAM初期化スイッチ127をオン操作しながら前記電源スイッチをオン操作する必要がある。
そして遊技用マイコン171が起動すると、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。
本実施例の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート161)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、入力ポート1(第1入力ポート161)には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート1(第1入力ポート161)の状態を読み込むことで、RAM初期化スイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;YES)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;NO)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。
また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;YES)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;NO)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;NO)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;YES)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
ここで、本実施例においてRWMとは、RAM171Cを指すが、RAMに限らず、RWMとして例えばEEPROM等の読出し書込み可能な記憶素子を含めて使用してもよい。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン171に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ入力ポート1(第1入力ポート161)の状態から初期化スイッチ(RAM初期化スイッチ127のこと。以下、同様)がオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;NO)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;YES)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;YES)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;YES)は、図13のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;YES)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NOもしくはステップS18;NO)、チェックサムが正常でない(ステップS20;NO)と判定された場合は、図13のステップS406へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図13のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次いで、モータ制御領域1、2の球噛み処理回数を「0」クリアする(ステップS22)。ここでの処理は、天国役物装置66の天国回転体67を駆動する役物モータ72が球噛みを起こしていないか否かを判断し、球噛みを起こしたときに、それを回避するための処理をカウントする回数を予め「0」にクリアしておくものであるとともに、シーソー構造の第1役物装置51におけるブリッジ本体80を駆動する役物モータ81が球噛みを起こしていないか否かを判断し、球噛みを起こしたときに、それを回避するための処理をカウントする回数を予め「0」にクリアしておくものである。
ここで、モータ制御領域1は役物モータ81に対応し、モータ制御領域2は役物モータ72に対応している。
この背景を説明する。
説明の都合上、まず、役物モータ81の方から先に説明する。
始動条件が成立して変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放動作をしたタイミングで入賞空間41に遊技球が第1役物装置51に流入すると、遊技球は第1役物装置51のブリッジ本体80に当接して転がり、天国流入空間62又は地獄流入空間63の何れかに流入するが、この過程で遊技球が役物モータ81によって駆動されるブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間に挟まれてガリガリと音がして、いわゆる球噛みを起こすことがある。
球噛みを起こした場合には、例えば役物モータ81を逆回転させて、ブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行えば、球噛みが解消することが多い。
一方、天国役物装置66に遊技球が流入すると、遊技球は天国回転体67の上に転がり、V入賞凹部68a、68bに嵌まるか、嵌まらないかの何れかとなるが、この過程で遊技球が役物モータ72によって駆動される天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間に挟まれてガリガリと音がして、いわゆる球噛みを起こすことがある。
球噛みを起こした場合には、例えば役物モータ72を逆回転させて、天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行えば、球噛みが解消することが多い。
上記のような背景から、ステップS22ではモータ制御領域1、2の球噛み処理回数を「0」クリアしておくものである。
ステップS22を経ると、次いで、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS23)、ステップS29へ進む。本実施例の場合、ステップS23では、機種指定コマンド、特図2保留数コマンド、遊技状態指定コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモのコマンド、それ以外なら復旧中のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS24へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS24)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS25)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS26)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS27)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
本実施例の場合、ステップS28では、機種指定コマンド、特図2保留数コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドも送信する。
ステップS29では、遊技用マイコン171(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン171内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路173からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU171Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU171Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施例の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(特図図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、後述のようにステップS33で割込みを許可する。
なお、本実施例では実質上、初期値乱数を決めるのは特図図柄乱数の1つであり、その場合、所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ)としては、ソフト乱数レジスタ1を用意すればよいことになる。一方、初期値乱数を決める対象の乱数が多くある場合には、所定のレジスタとしては、ソフト乱数レジスタ1〜nのようにn個を用意しておくことになる。
本実施例で使用するCPU171A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
ステップS31を経ると、次いで、接続モニタLED153のオンデータを出力する(ステップS32)。
本実施例では、主基板としての遊技制御装置100を異なる機種間で共通に使えるように出力ポートが多めに用意してある。具体的には、第4出力ポート136にドライバ142を介して接続モニタLED153が接続されている。因みに、第3出力ポート135にドライバ141を介して2つの役物モータ72、役物モータ81が接続されている。このように、1つの出力ポートのより2つのモータに対して駆動データを出力可能である。
したがって、本実施例では第4出力ポート136を配置することで、接続モニタLED153を取り外せば、あと2つのモータを追加できることになる。そのため、いまの機種で余っている出力ポート(ここでは第4出力ポート136)に接続モニタLED153を接続し、主基板(遊技制御装置100)が動作中であることをモニターしつつ、モータの追加が簡単なようにしている。
ステップS32を経ると、次いで、前述したようにステップS33で割込みを許可する。
続いて、ステップS34に進み、特図図柄初期値乱数を「+1」更新する処理(以下、特図図柄初期値乱数更新処理という)を行う。これは、特図図柄初期値乱数を「+1」更新することで、乱数の規則性を崩すためである。また、本実施例のパチンコ機1では、1つの乱数(特図図柄初期値乱数)に初期値設定を行うようになっている。
なお、特に限定されるわけではないが、本実施例においては、特図の当り図柄を決定する乱数(特図図柄乱数)は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。また、特図の当り図柄を決定する乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。
上記ステップS34の特図図柄初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS35)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS36)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS36;NO)は、特図図柄初期値乱数更新処理(ステップS34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、特図図柄初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。特図図柄初期値乱数更新処理(ステップS34)の前に割り込みを許可する(ステップS33)ことによって、特図図柄初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが特図図柄初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS34での特図図柄初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても特図図柄初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で特図図柄初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で特図図柄初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での特図図柄初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には特図図柄初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電監視信号がオンである場合(ステップS36;YES)は、ステップS35で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS37)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS37;NO)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS36)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS37;YES)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS39)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS40)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS41)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS42)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS43)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS44)を行ってから、遊技機(パチンコ機1)の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM171Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ127)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM171Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM171Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
次に、前記メイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS42)を図14により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS51で算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し、ステップS52で繰り返し数を設定する。繰り返し数は、使用しているRWMのバイト数に対応して設定される。次いで、ステップS53で算出値として「0」を設定した後、ステップS54で算出値+算出アドレスの内容を新たな算出値として演算する。このようにして、各アドレスの毎の内容を算出値として加算していく。次いで、ステップS55で算出アドレスを「+1」だけ更新し、ステップS56で繰り返し数を「−1」だけ更新して算出終了かをチェックし、ステップS57で算出終了か否かを判定しする。ステップS57の判定結果がNOであれば、ステップS54に戻ってルーチンを繰り返す。そして、繰り返した回数=RWMのバイト数になると、算出終了と判断してステップS57からYESに抜けて、ルーチンを終了する。
このようにして、RWMの電源遮断時におけるチェックサムの算出が行われる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図15に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU171Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン171においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図15のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS61)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS62)。ステップS62では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS63)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド等(第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202、役物ソレノイド203、204、役物モータ72、役物モータ81)のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS64)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置200を経由して発射制御装置(図示略)に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS65)、乱数更新処理1(ステップS66)を行う。その後、入賞口スイッチ102、左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107、特定領域スイッチ111、左残存球排出口スイッチ112、右残存球排出口スイッチ113、演出スイッチ108から正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠4やガラス枠5が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)を行う。
また、残存球監視処理を行う(ステップS68)。残存球監視処理は変動入賞装置35に入賞した遊技球が天国流入空間62や地獄流入空間63から外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視する処理である。
次いで、遊技停止エラー処理を行う(ステップS69)。遊技停止エラー処理は遊技を停止させるようなエラー(電波不正など)があった場合に、遊技を停止させる一方、エラーを解除するためにRAM初期化スイッチ127からの入力があるか等を監視するものである。
次いで、エラー動作中であるか否かを判定する(ステップS70)。これは、例えば電波不正などのエラーが発生し、その動作中であるかを判断するものである。エラー動作中でなければ(ステップS70;NO)、エラー解除待ち中であるか否かを判定する(ステップS71)。一方、エラー動作中であれば(ステップS70;YES)、ステップS74にジャンプする。
エラー解除待ち中であれば(ステップS71;YES)、エラーが依然として解除されていないと判断し、ステップS76にジャンプする。したがって、この場合にはステップS72乃至ステップS75の各処理は行われず、特図ゲームや第1役物装置51や天国役物装置66のモータ制御などが行われず、遊技ゲームは無しとなる。
一方、エラー解除待ち中でなければ(ステップS71;NO)、特図ゲーム処理を行う(ステップS72)とともに、セグメントLED編集処理を行う(ステップS73)。特図ゲーム処理は特図変動表示ゲームに関する処理を行うもので、セグメントLED編集処理はパチンコ機1に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するものである。
次いで、第1役物装置51や天国役物装置66に関するモータ制御を行うモータ制御処理を行う(ステップS74)とともに、第1役物装置51や天国役物装置66を演出動作をさせるためのコマンドに関する役物演出コマンド編集処理を行う(ステップS75)。
ステップS75からステップS76に進んだ場合やステップS71からステップS76にジャンプした場合には、ステップS76で異常排出監視処理を行う。これは、第1役物装置51に流入した遊技球と、第1役物装置51から排出された遊技球とを監視し、流入した遊技球よりも排出された遊技球の数が多い場合には、不正で異常の可能性があると判断して遊技を停止する処理などを行うものである。
次いで、不正監視処理を行う(ステップS77)。これは、磁気センサ115からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正の監視や盤電波センサ114からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視を行うものである。
次いで、発射制御処理を行う(ステップS78)。これは、遊技停止をするようなエラーが発生している場合に、発射停止の出力データをセーブしたり、そのようなエラーが発生していない場合には発射許可の出力データをセーブしたりするものである。
それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS79)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施例では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における入力処理(ステップS62)を図16により説明する。
入力処理においては、まず入力ポート1、即ち、第1入力ポート161のアドレスを準備する(ステップS91)。本実施例において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次いで、ステップS92でRWM内のスイッチ制御領域1のアドレスを準備し、ステップS93で未使用のビットデータを準備するとともに、ステップS94で反転するビットデータを準備する。例えば、RAM初期化スイッチ127は検出信号の反転が必要なので、そうようなセンサ/スイッチ等のビットデータを準備するものである。
ここで、未使用のビットデータ、反転するビットデータは各入力ポート毎に準備されている。なお、フローチャートにおける名称はビットデータで同じであるが、未使用のビットデータと反転するビットデータとは、別物である。ただし、結果として同じ値のデータである可能性もある。
次いで、ステップS95で入力ポート1(第1入力ポート161)に関してスイッチ読込み処理を行う。
ここで、入力ポート1(第1入力ポート161)で監視するスイッチは、以下の通りである。
・ガラス枠開放検出スイッチ117(ビット0)
・本体枠開放検出スイッチ118(ビット1)
・RAM初期化スイッチ127(ビット2)(反転ビット)
・停電監視信号(ビット3)
・払出異常ステータス信号(ビット4)
・シュート球切れスイッチ信号(ビット5)
・オーバーフロースイッチ信号(ビット6)
・タッチスイッチ信号(ビット7)
以上のステップS91からステップS95までの処理により、入力ポート1(第1入力ポート161)で監視するスイッチに関する情報が読み込まれる。
次いで、同様に入力ポート2(第2入力ポート162)で監視するスイッチの情報を読み込む処理を行う。
まず、ステップS96で入力ポート2(第2入力ポート162)のアドレスを準備し、次いで、ステップS97でRWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する。次いで、ステップS98で未使用のビットデータを準備するとともに、ステップS99で反転するビットデータを準備する。
次いで、ステップS100で入力ポート2(第1入力ポート162)に関してスイッチ読込み処理を行う。
ここで、入力ポート2(第1入力ポート162)で監視するスイッチは、以下の通りである。なお、入力ポート2で監視するスイッチには反転するビットは無い。
・左始動口スイッチ105(ビット0):「始動口1入賞信号」
ここで、左始動口スイッチ105はパターン分岐により、試験信号の「始動口1入賞信号」としても出力され、これは後述の各スイッチについても同様で、各ビット態様の右側にそれらを表記している。
・中始動口スイッチ107(ビット1):「始動口2入賞信号」
・右始動口スイッチ106(ビット2):「始動口3入賞信号」
・左入賞口スイッチ102−1(ビット3):「普通入賞口1入賞信号」
・右入賞口スイッチ102−2(ビット4):「普通入賞口2入賞信号」
ここで、入賞口スイッチ102は前述したように一般入賞口36a、6bに入賞した遊技球を検出するものであり、一般入賞口の数に応じて1乃至n個設けられていると説明している。実施例1では、一般入賞口として、一般入賞口36a、6bの2個が設けられているので、一般入賞口36a、6bのそれぞれに対応する入賞口スイッチを説明の都合上、左入賞口スイッチ102−1、右入賞口スイッチ102−2として、入力ポート2(第1入力ポート162)へのスイッチ検出信号を処理するようにしている。
・左大入賞口スイッチ103(ビット5):「特別電動役物1入賞信号1」
・右大入賞口スイッチ104(ビット6):「特別電動役物1入賞信号2」
・未使用(ビット7):ゲートスイッチ予備として図示しない中継基板に回路接続され、常時オフ状態となるように中継基板上でGND接続(Low:0)固定されている。
以上のステップS96からステップS100までの処理により、入力ポート2(第2入力ポート162)で監視するスイッチに関する情報が読み込まれる。
次いで、同様に入力ポート3(第3入力ポート163)で監視するスイッチの情報を読み込む処理を行う。
まず、ステップS101で入力ポート3(第3入力ポート163)のアドレスを準備し、次いで、ステップS102でRWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する。次いで、ステップS103で未使用のビットデータを準備するとともに、ステップS104で反転するビットデータを準備する。
次いで、ステップS105で入力ポート3(第3入力ポート163)に関してスイッチ読込み処理を行う。
ここで、入力ポート3(第3入力ポート163)で監視するスイッチは、以下の通りである。
・盤電波センサ114(ビット0)(反転ビット)
・スイッチ異常検知信号1(ビット1)
・磁気センサ115(ビット2)
・枠電波エラー信号(ビット3)
・払出ビジー信号(ビット4)
・スイッチ異常検知信号2(ビット5)
・振動センサ116(ビット6) (反転ビット)
・未使用(ビット7)
ここで、スイッチ異常検知信号1は図10に示すように、近接I/F121aの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1のことである。また、スイッチ異常検知信号2は図10に示すように、近接I/F121bの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号2のことである。
以上のステップS101からステップS105までの処理により、入力ポート3(第3入力ポート163)で監視するスイッチに関する情報が読み込まれる。
次いで、同様に入力ポート4(第4入力ポート164)で監視するスイッチの情報を読み込む処理を行う。
まず、ステップS106で入力ポート6(第6入力ポート166)のアドレスを準備し、次いで、ステップS107でRWM内のスイッチ制御領域4のアドレスを準備する。次いで、ステップS108で未使用のビットデータを準備するとともに、ステップS109で反転するビットデータを準備する。
次いで、ステップS110で入力ポート4(第4入力ポート164)に関してスイッチ読込み処理を行う。
ここで、入力ポート4(第4入力ポート164)で監視するスイッチは、以下の通りである。なお、入力ポート4で監視するスイッチには反転するビットは無い。
・特定領域スイッチ111(ビット0):
ここで、特定領域スイッチ111は前述したように、天国役物装置66に流入した遊技球が特別入賞領域69を通過したことを検出するもので、V入賞を検知する機能を有し、本実施例では特定領域スイッチ111の検出信号を「条件装置作動領域1通過信号1」、「役物連続作動領域1通過信号1」としても出力される。
なお、「条件装置作動領域1通過信号1」及び「役物連続作動領域1通過信号1」は、上記の「始動口1入賞信号」等と同様の試験信号の1つである。
・右残存球排出口スイッチ(ビット1):
このスイッチは、右残存球排出口スイッチ113のことで、天国流入空間62から外部に抜けた遊技球を検出するものであり、「特別電動役物1排出口通過信号1」としても出力される。
・左残存球排出口スイッチ(ビット2):
このスイッチは、左残存球排出口スイッチ112のことで、地獄流入空間63から外部に抜けた遊技球を検出するものであり、「特別電動役物1排出口通過信号2」としても出力される。
・演出スイッチ108(ビット3)
・未使用(ビット4):モータスイッチ予備2として図示しない中継基板に回路接続され、常時オフ状態となるように中継基板上でGND接続(Low:0)固定されている
・未使用(ビット5):モータスイッチ予備1として図示しない中継基板に回路接続され、常時オフ状態となるように中継基板上でGND接続(Low:0)固定されている
・第2モータスイッチ(ビット6):天国役物装置66に配置の役物モータ72の回転位置(天国役物装置66の位置)を検出するためのものである。
・第1モータスイッチ(ビット7):第1役物装置51に配置の役物モータ81の回転位置(シーソー構造の第1役物装置51におけるブリッジ本体80の傾き)を検出するためのものである。
ステップS110を経ると、次いで、ステップS111に進み、前回の確定状態と反転した今回の確定状態との排他的論理和をとり、立下りエッジとしてRWMにセーブして、入力処理を終了する。
これは、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、タイマ割込みの周期を延ばすことによる割込み内の処理可能量増加と、構造設計等の容易さを両立させるものである。詳しくは、後述のスイッチ読み込み処理のルーチンで説明する。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップS95、S100、S105、S110)のサブルーチンを図17により説明する。
スイッチ読込み処理においては、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS121)。これは、1回目の読み込みに相当する。次いで、8ビットのポートのうち未使用ビットがあれば、そのビットの状態をクリアし(ステップS122)、反転の必要なビットを反転(ステップS123)した後、RWM内の対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップS124)。その後、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms=100μs)が経過するのを待つ(ステップS125)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップS126)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあれば、そのビットの状態をクリアし(ステップS127)、反転の必要なビットを反転(ステップS128)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップS129)。その後、1回目と2回目の読込みで変化したビット、即ち、信号を検出し、確定ビットパターンを作成する(ステップS130)。具体的には、読み込まれた対象の入力ポートの状態のうち、1回目と2回目で状態が同じビットを「1」、違うビットを「0」とした確定ビットパターンを作成する。次いで、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS131)。
次いで、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS132)、未確定ビットパターンと前回割り込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS133)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回確定状態としてRWMにセーブし(ステップS134)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてRWMにセーブして(ステップS135)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行なって前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行なえないおそれがある。また、単純計算でタイマ割込み周期の2倍以上の時間分、スイッチの入力パルスが保持されなくてはならないので、パルスを延長する電気回路の設計やスイッチを通過する遊技球の速度を遅くするための球流路の構造設計などが必要になる。
これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、タイマ割込みの周期を延ばすことによる割込み内の処理可能量増加と、構造設計等の容易さを両立させ、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS64)を図18により説明する。
出力処理では、まず一括表示装置50のセグメントのデータを出力するポート137(図10参照)の出力データを全てオフにする(ステップS141)。次いで、一括表示装置50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新(0〜3の範囲で(+1)更新)する(ステップS142)。
本実施例では、一括表示装置50をLEDで構成し、ダイナミック点灯させる例であり、ここでは「特図図柄表示装置」、「特図保留」、「遊技状態表示(大当り中、大当り中以外)」という情報を表示させている。
続いて、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得(ロード)する(ステップS143)。次いで、取得したデータと外部情報データを合成する(ステップS144)。ここで合成する外部情報は「扉・枠開放」、「セキュリティ信号」に関する情報である。
次いで、合成したデータをデジット・外部情報出力ポート(第6ポート138)に出力する(ステップS145)。第6ポート138は一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
次いで、外部情報端子基板152へ出力する外部情報の各種出力データをロードして合成する(ステップS146)。
ここで合成する外部情報としては。以下の通りである。
・大当り1信号
・大当り2信号
・役物入賞個数信号
・役物回数信号
・始動口1信号
・始動口2信号
・メイン賞球信号
次いで、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力ポート(第7ポート139)に出力する(ステップS148)。第7ポート136は大当り情報などパチンコ機1に関する情報を外部情報として外部情報端子板152へ出力するための出力ポートである。次いで、遊技停止するエラーは発生していないか否かを判定し(ステップS149)、遊技停止するエラーが発生していなければ(ステップS149;YES)、ステップS150へ進む。一方、遊技停止するエラーが発生していれば(ステップS149;NO)、ステップS153に分岐する。
ステップS150に進んだ場合には、このステップS150でデジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメントデータ領域からセグメント線の出力データをロード(取得)し、取得したセグメント出力データをセグメント出力用のポート(第5ポート137)に出力する。第5ポート137は一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
次いで、ソレノイド出力ポートに出力するデータを合成し、第2ポート134に出力する(ステップS151)。第2ポート134はソレノイドに出力するデータを出力するポートであり、ここで出力するデータに対応するソレノイドとしては、以下の通りである。
・第1大入賞口ソレノイド201
・第2大入賞口ソレノイド
・役物ソレノイド203
・役物ソレノイド204
ステップS151を経ると、続いてステップS152へ進む。
一方、先のステップS149でNOと判定した場合には、前述したように、ステップS153に分岐し、ソレノイド出力ポートにオフデータを出力する。これにより、ソレノイド出力データを出力するための第2ポート134には、オフデータが出力されることから、上述した第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド、役物ソレノイド203、役物ソレノイド204は何れもオフとなり、作動しない。
そして、ステップS153を経ると、ステップS152へ進む。
ステップS151又はステップS153からステップS153へ進むと、このステップS152でエラー解除待ち中であるか否かを判定する。エラー解除待ち中でなければ(ステップS152;NO)、遊技を進めてもよいと判断し、ステップS154でモータ出力ポート(第3出力ポート135)に出力するデータを合成し、出力する。
第3出力ポート135はモータ出力データを出力すつためのポートであり、ここで出力するデータに対応するモータしては、以下の通りである。
・役物モータ72:天国役物装置66の天国回転体67を駆動
・役物モータ81:第1役物装置51のブリッジ本体80を駆動
これにより、役物モータ72及び役物モータ81の作動が許可されることになる。
一方、エラー解除待ち中であれば(ステップS152;YES)、エラーが解除されるまで待機する必要があるので、遊技が進めらないと判断し、ステップS155でモータ出力ポート(第3出力ポート135)にオフデータを出力する。これにより、役物モータ72及び役物モータ81の作動が許可されないことになる。
ステップS154又はステップS155を経ると、続いてステップS156に進み、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ1〜3をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS156)。さらにその後、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ4〜6をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS157)。
次いで、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ7〜8をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS158)。また、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ9〜10をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS159)。さらに、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ11をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力(ステップS160)して、図18の出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS65)を図19により説明する。
払出コマンド送信処理では、まず、賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域2に「0」でないカウント数があるかを判定する(ステップS171)。
入賞数カウンタ領域2の構造は、例えば以下の通りである。
・3個賞球カウンタ
・10個賞球カウンタ
・14個賞球カウンタ
各々の入賞数カウンタ領域は255個入賞まで記憶可能になっており、入賞数カウンタ領域2のチェックでは、上述したカウンタを上から(3個賞球カウンタから)順にチェックしていく。
なお、入賞数カウンタ領域1もあるが、これは詳細を後述する。
フローに戻り、入賞数カウンタ領域2にカウント数がない場合(ステップS171:NO)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS172)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS173)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS173;YES)と判定すると、ステップS182へジャンプする。
一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS173;NO)と判定すると、ステップS171へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS171で、入賞数カウンタ領域2にカウント数がある(ステップS171;YES)と判定した場合には、ステップS174に進む。そして、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップS174)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS175)。次いで、賞球残数領域の値と今回の払出数を加算し(ステップS176)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS177)。これにより、今回の払出数が前回までの賞球残数領域の値と加算されて、今回の合計値が賞球残数領域にセーブされることになる。
なお、賞球残数が10個になる度にメイン賞球信号の出力回数が(+1)加算されて、更新されることになる(詳細は後述)。
次いで、ステップS177の加算結果から「10」を減算し(ステップS178)、減算結果が「0」以上であるか否かを判定する(ステップS179)。減算結果が「0」以上であれば(ステップS179;YES)、メイン賞球信号の出力回数を(+1)だけ加算して更新し(ステップS180)、続いて「0」以上である今回の減算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS181)。ステップS181を経ると、続いてステップS178も戻り、ル−プを繰り返す。したがって、遊技により賞球が発生し、その払出数が前回までの賞球残数領域の値と加算され、その加算結果から「10」が減算され、減算結果が「0」以上である限り、ステップS178からステップS181の処理が繰り返される。
そして、減算結果が「0」未満になれば(ステップS179;NO)、ステップS182へ分岐して進む。
ここで、図19に示す処理のうち、図中左列の処理(ステップS171からステップS181)はメイン賞球信号の出力回数を更新する処理を担当している。一方、図19に示す処理のうち、後述する図中右列の処理(ステップS182からステップS191)は払出コマンドを送信する処理を担当している。
さて、フローに戻り、ステップS182へ進むと、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ、払出コマンド送信タイマを(−1)更新(つまり、(−1)だけ減算)する。これは、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間経ってから送るために、当該所定時間の経過をカウントしているものである。なお、払出コマンドを送信する前提として、例えば払出制御装置200(払出制御基板)側が賞球を払い出せる状態であることも条件となる。
次いで、払出コマンド送信タイマが「0」になったか否かを判定し(ステップS183)、払出コマンド送信タイマが「0」になっていなければ(ステップS183;NO)、今回のルーチンを終了してリターンする。したがって、払出コマンド送信タイマが「0」になるまで、本ルーチンが繰り返されることになる。
そして、払出コマンド送信タイマが「0」になると(ステップS183;YES)、払出ビジー信号をがビジー中であるか否かを判定する(ステップS184)。ステップS184の判定では、出力ポートの状態を見るのではなく、払出ビジー信号フラグを見て判定する。払出ビジー信号をがビジー中であれば(ステップS184;YES)、今回のルーチンを終了してリターンする。したがって、払出ビジー信号をがビジー中でなくなるまで、本ルーチンが繰り返されることになる。
ここで、払出ビジー信号をがビジー中となる条件は、以下の通りである。
・払出動作中
・球貸し動作中
・シュート球切れエラー中
・オーバフローエラー中
・枠電波不正発生中
・払出球検出スイッチの異常中:(払い出された球を監視するスイッチ)
・払出不足エラー中
・払出過剰エラー中
・払出制御基板のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得
遊技球数残)があるとき(=0でないとき)
払出ビジー信号をがビジー中でなければ(ステップS184;NO)、賞球数別(例え
ば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域1に「0」でないカウント数があるかを判定する(ステップS185)。
入賞数カウンタ領域1の構造は、例えば以下の通りである。
・3個賞球カウンタ
・10個賞球カウンタ
・14個賞球カウンタ
各々の入賞数カウンタ領域は65535個入賞まで記憶可能になっており、入賞数カウンタ領域1チェックでは、上述したカウンタを上から(3個賞球カウンタから)順にチェックしていく。
フローに戻り、入賞数カウンタ領域1にカウント数がない場合(ステップS185:NO)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS186)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS187)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS187;YES)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了してリターンする。
一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS187;NO)と判定すると、ステップS185へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS185で、入賞数カウンタ領域1にカウント数がある(ステップS185;YES)と判定した場合には、ステップS188に進む。そして、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップS188)、入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出コマンドを取得する(ステップS189)。次いで、取得した払出コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップS190)。これにより、遊技制御装置100から払出制御装置200へ払出コマンドが所定のタイミングで送信されることになる。次いで、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセ−ブする(ステップS191)。払出コマンド送信タイマ領域は前述のステップS182で説明した払出コマンド送信タイマの値を書き込む領域である。ステップS191を経ると、払出コマンド送信処理を終了してリターンする。
以上の処理により、払出制御装置200に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信され、払出制御装置200ではこの払出コマンドに基づき遊技球を払い出す処理が行われる。
〔乱数更新処理1〕
次に、上述のタイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS66)を図20により説明する。
乱数更新処理1は、特図図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。
乱数更新処理1においては、まず、特図図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS201)。
特図図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS201;NO)は、乱数更新処理1を終了する。一方、特図図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS201;YES)は、次回初期値として特図図柄初期値乱数をロードし(ステップS202)、ロードした特図図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップS203)、乱数更新処理1を終了する。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)を図21により説明する。
入賞口スイッチ/状態監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視や、状態の監視を行う処理である。
入賞口スイッチ/状態監視処理においては、まず左大入賞口スイッチ103に対応する左大入賞口スイッチ監視テーブル(例えば、左大入賞口スイッチ103からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS211)。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35における可動部材43aの基端部付近の空間部に配置され、シーソー構造の第1役物装置51に流入する遊技球を検出するものである。
なお、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放すると、入賞空間41を介して遊技球が第1役物装置51に流入する。
本実施例では、第1役物装置51に流入する遊技球を検出するスイッチとして、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104の2つが設けられ、第1役物装置51に流入した遊技球は左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104の何れかで検出されるようになっているので、ここでは一方の左大入賞口スイッチ103に対応する左大入賞口スイッチ監視テーブルを準備するものである
次いで、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開いていないにもかかわらず変動入賞装置35に不正な入賞がないか監視するとともに、正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS212)を実行する。
その後、右大入賞口スイッチ104に対応する右大入賞口スイッチ監視テーブル(例えば、右大入賞口スイッチ104からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS213)。右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35における可動部材43bの基端部付近の空間部に配置され、シーソー構造の第1役物装置51に流入する遊技球を検出するものである。
本実施例では、第1役物装置51に流入する遊技球を検出するスイッチとして、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104の2つが設けられ、第1役物装置51に流入した遊技球は左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104の何れかで検出されるようになっているので、ここでは他方の右大入賞口スイッチ104に対応する右大入賞口スイッチ監視テーブルを準備するものである
次いで、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開いていないにもかかわらず変動入賞装置35に不正な入賞がないか監視するとともに、正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS214)を実行する。
次いで、常時入賞可能な入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する(ステップS215)。常時入賞可能な入賞口スイッチとしては、以下のものがある。
・左始動口スイッチ105
・中始動口スイッチ107
・右始動口スイッチ106
・左入賞口スイッチ102−1:「普通入賞口1入賞信号」
・右入賞口スイッチ102−2:「普通入賞口2入賞信号」
ここで、入賞口スイッチ102は前述したように一般入賞口36a、6bに入賞した遊技球を検出するものであり、一般入賞口の数に応じて1乃至n個設けられていると説明している。実施例1では、一般入賞口として、一般入賞口36a、6bの2個が設けられているので、一般入賞口36a、6bのそれぞれに対応する入賞口スイッチを説明の都合上、左入賞口スイッチ102−1、右入賞口スイッチ102−2として、入力ポート2(第1入力ポート162)へのスイッチ検出信号を処理している。
次いで、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を行う(ステップS216)。この入賞数カウンタ更新処理の詳細な手順については、後述する。
次いで、状態スキャンカウンタを更新(0乃至3の範囲で「+1」更新)する(ステップS217)。状態スキャンカウンタは、遊技機状態としてエラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのものである。
続いて、遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS218)。
遊技機状態として遊技機状態監視テーブル1で監視するエラーの種類としては、以下のものがあり、これらは払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ、オーバーフロースイッチ、払出制御装置200の異常監視用のエラーなどに対応する。
(イ)0のとき:スイッチ異常エラー(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
(ロ)1のとき:シュート球切れエラー
(ハ)2のとき:オーバフローエラー
(ニ)3のとき:払い出し異常エラー
次いで、遊技機状態チェック処理を行う(ステップS219)。これは、準備した遊技機状態監視テーブル1でエラーをチェックするものである(詳細は後述)。
続いて、遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS220)。
遊技機状態として遊技機状態監視テーブル2で監視するエラーの種類としては、以下のものがあり、これらはガラス枠開放検出スイッチ117、本体枠開放検出スイッチ118、払出制御装置200からの枠電波不正信号、タッチスイッチ信号などに対応する。
(ホ)0のとき:ガラス枠5開放(前枠開放)
(ヘ)1のとき:前面枠4開放(遊技枠開放)
(ト)2のとき:枠電波不正
(チ)3のとき:タッチスイッチオン(発射操作ハンドル11にタッチすると、発射操作ハンドル11に設けられたタッチスイッチがオンする)
次いで、遊技機状態チェック処理を行う(ステップS221)。これは、準備した遊技機状態監視テーブル2でエラーをチェックするものである(詳細は後述)。
次いで、状態スキャンカウンタが「0」であるか否かを判定する。状態スキャンカウンタは0乃至3の範囲で「+1」更新されていくので、ここでは「0」かどうかを判断するものである。
状態スキャンカウンタが「0」でなければ(ステップS222;NO)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了してリターンする。したがって、このときはルーチンが繰り返される。
一方、状態スキャンカウンタが「0」であれば(ステップS222;YES)、続いて、遊技機状態監視テーブル3を準備する(ステップS223)。
遊技機状態として遊技機状態監視テーブル3で監視するエラーの種類としては、スイッチ異常2エラーがある。スイッチ異常2エラーは、近接I/F121bに接続される各種センサやスイッチにおけるコネクタ抜け等の異常を検出した場合のエラーである。
次いで、遊技機状態チェック処理を行う(ステップS224)。これは、遊技機状態監視テーブル3で準備したエラーをチェックするものである(詳細は後述)。
次いで、払出ビジー信号チェック処理を行う(ステップS224)。これは、払出ビジー信号がビジー状態かどうかをチェックするものである。状態スキャンカウンタは0乃至3の範囲で「+1」更新されていくので、4回に1回は払出ビジー信号チェック処理が実行される。したがって、16ms周期で払出ビジー信号が監視(チェック)されることになる。
ステップS224を経ると、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
〔不正&入賞監視処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS212、ステップS214)を図22により説明する。
入賞監視処理は、変動入賞装置35に入賞する遊技球を検出する2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104の各々、常時入賞可能な入賞口スイッチとしての左始動口スイッチ105、中始動口スイッチ107、右始動口スイッチ106、左入賞口スイッチ102−1(普通入賞口1入賞信号)、右入賞口スイッチ102−2(普通入賞口2入賞信号)に対して行なわれる処理である。変動入賞装置35については、無理やり可動部材43a、43bを開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をするものである。
ここで、入賞口スイッチ/状態監視処理の中の不正&入賞監視処理を説明するに当たり、準備される不正監視テーブルに定義されている情報は、以下の通りである。
・入力があるかを判定するデータ(監視スイッチビット)
・不正監視情報の下位アドレス
・不正入賞数領域の下位アドレス
・不正入賞エラー報知コマンド
・不正入賞数上限値(不正発生判定個数)
・入賞口スイッチテーブルのアドレス
・報知タイマ更新情報(許可/更新)
不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS231)、不正監視期間中かどうかを判定する(ステップS232)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104である場合は変動入賞装置35の可動部材43a、43bを開放する特別遊技状態中以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS232;YES)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS233)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS233;NO)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS242)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS233;YES)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS234)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば、5個)を超えたかを判定する(ステップS235)。なお、不正発生判定個数としては、例えば5個に限らず、対象の入賞口スイッチ毎に異なる値に設定可能であり、そのようにしてもよいが、本実施例では全ての入賞口スイッチについて同じ値にしている。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある変動入賞装置35(一般的には
大入賞口とも呼ばれる)の可動部材43a、43bが閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口(つまり、変動入賞装置35)の扉部材(ここでは可動部材43a、43b)に挟まり、その遊技球がカウントスイッチ(2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104の各々)の有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合に、それを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。不正監視の条件をシビアにしたい箇所に対しては、判定個数を例えば1個とすればよい。
そして、判定個数を超えていない(ステップS235;NO)と判定すると、ステップS240へジャンプし、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する。また、判定個数を超えた場合(ステップS235;YES)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS236)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値をセーブする(ステップS237)。不正入賞報知タイマの初期値としては、例えば60000msが設定される。
次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS238)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS239)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS240)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップS232;NO)は、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備し(ステップS240)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS241)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップS242)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップS243)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS243;NO)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップS243;YES)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS244)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104のうちの一方の左大入賞口スイッチ103である場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の右大入賞口スイッチ104である場合は許可されない。これにより、変動入賞装置35についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。
すなわち、大入賞口(変動入賞装置35)に対してエラー監視を2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104で行っているため、双方のスイッチでタイマ更新すると、倍のタイマ更新が行われることとなり、結果的に規定時間の半分で不正タイマがタイムアップしてしまうことから、あとから監視処理を行う一方の左大入賞口スイッチ103のタイミングでのみ、タイマ更新をするようにしているものである。
なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが1つの入賞口スイッチである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS245)、値が0でない場合(ステップS245;NO)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS245;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS246)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS45)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS248)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS248;YES)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS249)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS250)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS248;NO)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS250)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS50;YES)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS250;NO)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS251)、コマンド設定処理を行い(ステップS252)、不正&入賞監視処理を終了する。
以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS216)及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS241)を図23により説明する。
入力数カウンタ更新処理においては、まず、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理にて取得した入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得する(ステップS261)。
ここで、入賞口スイッチ/状態監視処理で準備された入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルに定義されている情報は、以下の通りである。
・繰り返し回数
・入力があるかを判定するデータ(監視スイッチビット)(各スイッチ毎に定義)
・入賞数カウンタ領域1の下位アドレス(各スイッチ毎に定義)
・入賞数カウンタ領域2の下位アドレス(各スイッチ毎に定義)
次いで、監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力(正確には入力の変化)があるかチェックする(ステップS262)。ここで、入力がない(S262;NO)と判定するとステップS271へジャンプし、入力がある(S262;YES)と判定すると、次のステップS263で、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードする。
次のステップS264では、ロードした入賞数カウンタを更新(+1)し、続くステップS265でオーバーフローするかチェックする。そして、カウンタオーバーフローが発生していない(ステップS265;NO)と判定すると、ステップS266へ進んで更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブしてからステップS267へ進む。
一方、ステップS265でカウンタオーバーフローが発生している(S265;YES)と判定すると、ステップS266をスキップしてステップS267へジャンプする。
なお、設けられた入賞数カウンタ領域のサイズによって、最大記憶数(例えば、1バイトサイズなら255個、2バイトサイズなら65535個)が決まるので、それを超えると値が「0」に戻ってしまい、支払うべき大量の賞球数の情報を失ってしまうことになる。それを回避するためにステップS264では、いきなり領域の内容を更新せず、領域の外で(+1)して「0」になってしまわないかを確認した上で更新を行うようにしている。
このようにして、前半部の処理(定義は後述)が行われ、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタが更新される。
ここで、ステップS263からステップS266までの処理(以下、前半部という)は、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新するものである。前半部のカウンタサイズは2バイトであり、0乃至65535の範囲が最大記憶数となる。
一方、後述のステップS267からステップS270までの処理(以下、後半部という)は、メイン賞球信号のためのカウンタを更新するものである。後半部のカウンタサイズは1バイトであり、0乃至255の範囲が最大記憶数となる。
フローに戻り、ステップS277を経ると、次いで、ステップS267からステップS270までの処理(つまり、後半部の処理)を行う。まず、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS267)。
次いで、次のステップS268に進み、ロードした入賞数カウンタを更新(+1)し、続くステップS269でオーバーフローするかチェックする。そして、カウンタオーバーフローが発生していない(ステップS269;NO)と判定すると、ステップS270へ進んで更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブしてからステップS271へ進む。
一方、ステップS269でカウンタオーバーフローが発生している(S269;YES)と判定すると、ステップS270をスキップしてステップS271へジャンプする。
このようにして、後半部の処理が行われ、メイン賞球信号のためのカウンタが更新される。
前述したように、ステップS262において監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力(正確には入力の変化)がない(S262;NO)と判定した場合やステップS269でカウンタオーバーフローが発生している(S269;YES)と判定した場合には、ステップS272に進み、ステップS272では、全部のスイッチの監視処理が終了したか判定して、終了している場合(ステップS272;YES)には当該入力数カウンタ更新処理を終了する。一方、終了していない場合(ステップS272;NO)には、ステップS262へ戻り上記処理を繰り返す。以上の処理により、入賞数カウンタ領域1により入賞に応じた賞球が設定されるとともに、入賞数カウンタ領域2によりメイン賞球信号生成のためのデータが設定されることになる。
〔遊技機状態チェック処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS219、ステップS221、S224)を図24により説明する。
遊技機状態チェック処理においては、まず、遊技機状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得する(ステップS281)。
ここで、入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備された遊技機状態監視テーブルに定義されている情報としては、以下のものがある。
(イ)状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス
(ロ)対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス
(ハ)対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ
(ニ)信号オンの判定データ
(ホ)状態オフコマンド(エラー系の場合は、エラー報知終了のコマンドの意味)
(ヘ)状態オンコマンド(エラー系の場合は、エラー報知開始のコマンドの意味)
(ト)状態オフ監視タイマ比較値
(チ)状態オン監視タイマ比較値
次いで、今回取得した対象の信号の状態をチェックし、監視対象である信号がオンであるか、すなわち遊技機状態に変化があるかを判定する(ステップS282)。
そして、信号オンでない場合(ステップS282:NO)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備する(ステップS283)
ここで、ステップS283で準備した状態オフフラグについて説明すると、状態オフフラグが示す状態としてエラー系に関しては、エラーでない(正常)の方の状態である。一方、状態オフフラグが示す状態としてタッチスイッチに関しては、タッチしていない方の状態である。
次いで、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(ステップS284)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップS285)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS289)。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップS282:YES)は、エラー発生となる状態である可能性があるので、状態フラグとして状態オンフラグを準備する(ステップS286)。例えば、遊技機状態監視テーブルで定義するエラーの1つとして、シュート球切れの場合であれば、貯留タンクに遊技球を供給するシュートに遊技球が無いことがシュート球切れスイッチ(図示略)で検出されてオンになると、ステップS282がYESとなる。YESであればステップS286で、状態オンフラグを準備することになる。
次いで、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(ステップS287)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップS288)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS289)。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS289;YES)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、エラーの処置が必要かどうかのタイマを判断するために対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS292)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値(エラーへの処置が必要と判断する基準値)に達したかを判定する(ステップS293)。
一方、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS289;NO)、すなわち信号の状態が変化した場合は、まだエラーの処置まで必要ないと判断して対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップS290)、そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップS291)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS292)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値に達したかを判定する(ステップS293)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(ステップS293;NO)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値に達した場合(ステップS293:YES)は、状態監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップS294)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS295)。
ここで、ステップS293で対象の状態監視タイマが監視タイマ比較値に達したと判定したときは、エラー発生または解除の状態が確定したと見なされることになる。しかし、既にエラーが発生している状態のときに再度エラー発生の条件を満たすことが確定するか、またはエラー発生中でない状態のときに再度エラー解除の条件を満たすことが確定するという状況もあり得るので、ステップS294の処理を経て、ステップS295では、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較することにより、今回確定したエラー状態は現エラーフラグの状態と同じかどうかをチェックするようにしている。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS295;YES)は、エラーの状況が変化していないことになるので、処置の必要はないと判断し、遊技機状態チェック処理を終了する。また、設定した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(状態フラグが同じでなければ)(ステップS29;NO)は、新たなエラー状態に変化したことになるので、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブして(ステップS296)、ステップS297に進む。すなわち、対象の状態フラグ領域の値を今回確定した状態状態のものに変更して、ステップS297に進む。ステップS297では、演出コマンド設定処理を行い、今回確定した遊技機状態に対応する演出コマンドを設定する。
このステップS297では、上記ステップS284で準備した状態オフコマンドか、上記ステップS287で準備した状態オンコマンドの何れかを送信することになる。これにより、今回の遊技機状態に対応する処置が行なわれることとなり、例えばシュート球切れであれば、それを知らせる遊技機状態表示が報知されたり、報知解除されたりする。ステップS297を経ると、遊技機状態チェック処理を終了する。
このようにして、遊技機状態に変化が発生すれば、該当する状態フラグを立てて処置の演出コマンドを準備し、遊技機状態の変化が解消すれば該当する状態フラグを消して解消の演出コマンドの設定が行なわれる。特に、この遊技機状態チェック処理では、遊技機状態の変化だけを監視しているものではなく、解除も合わせて監視するようにして、処理を共通にしている。
なお、このような遊技機状態チェック処理は、例えばガラス枠開放、前面枠開放などの遊技機状態の変化についても同様である。
また、上述した各種遊技機状態(特にオン(発生)時)を報知するためのコマンドは、監視対象となる遊技機状態毎に異ならせるようにすれば、遊技者やホール担当者に対して効果的に報知することができるが、状態の種類を特定する必要がなく報知態様を共通にしても問題ないもの同士では、共通のコマンドを使用するようにしてもよい。
例えば、シュート球切れにおいて専用の報知開始コマンドを用意すれば、音声や画面上のメッセージなどによって「タンクに球がありません!」と報知可能となる。同様に、ガラス枠開放であれば、「ガラス枠が開いています!」と報知可能となる。
もし、シュート球切れとガラス枠開放において、「異常が発生しています!」と音声で報知し、枠装飾装置12を赤く点灯させるという共通の報知態様としてよいのであれば、共通のコマンドとしての「異常報知開始コマンド」を用意すればよく、演出制御装置300での処理負担を軽減させることができるとともに、本発明の実施例1及びその変形例のように液晶情報表示装置451の有無によってメッセージ表示能力に差がある遊技機間においても共通に使用することができたり、新たな種類のエラーや遊技機状態を監視する必要がでた場合でも演出制御装置の制御プログラムや音声ROM327のデータを変更する必要がないというメリットがある。
なお、共通の「異常報知開始コマンド」、「異常報知終了コマンド」を適用する遊技機状態やエラーの種類は、上述したものに限定されない。異なる遊技機間において、共通の報知態様として使用できるコマンドであればよい。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS225)を図25により説明する。
払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出ビジー信号がオンであるか否かを判定する(ステップS301)。前述したように、状態スキャンカウンタは0乃至3の範囲で「+1」更新されていくので、4回に1回は払出ビジー信号チェック処理が実行され、例えば、16ms周期で払出ビジー信号が監視(チェック)される。
払出ビジー信号がオンでなければ(ステップS301;NO)、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備し(ステップS302)、続いて、オフ確定監視タイマ比較値を設定する(ステップS303)。オフ確定監視タイマ比較値としては、例えば32msが設定される。ステップS303を経ると、ステップS304へ進む。
一方、ステップS301で払出ビジー信号がオンであれば(ステップS301;YES)、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備し(ステップS305)、続いて、オン確定監視タイマ比較値を設定する(ステップS306)。オン確定監視タイマ比較値としては、例えば32msが設定される。ステップS306を経ると、ステップS304へ進む。
ステップS303やステップS306からステップS304へ進むと、ステップS304では、ビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とを比較し、同じであるかを判定する。これは、同じ遊技機状態が複数割込み分継続しているかをチェックするものである。
ビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とを比較し、同じでなければ(ステップS304;NO)、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブする(ステップS307)。この場合、ビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とが同じでなければ、ビジー信号の状態が変化したことになり、例えばアイドル状態からビジー状態への変化、あるいはビジー状態からアイドル状態への変化がある。
次いで、ビジー信号監視タイマの「0」クリアする。これは、次回のビジー信号の変化に備えるためである。次いで、ビジー信号監視タイマを「+1」更新する(ステップS309)。
一方、ステップS304でビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とを比較し、同じであれば(ステップS304;YES)、ステップS309にジャンプしてビジー信号監視タイマを「+1」更新する(ステップS309)。
ステップS309を経ると、続いて、ビジー信号監視タイマの値が監視タイマ比較値(エラーへの処置が必要と判断する基準値)に達したかを判定する(ステップS310)。
ここで、ステップS309でビジー信号監視タイマが監視タイマ比較値に達したと判定したときは、ビジー信号の状態が確定したと見なされることになる。しかし、既にビジー信号の状態が変化しているときにビジー信号の状態が確定するか、またはビジー信号が変化していないときにビジー信号の状態が確定するという状況もあり得るので、後述のようにステップS311でビジー信号監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留める処理を経て、ステップS312では、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブするようにしている。
ビジー信号監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(ステップS3103;NO)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
また、ビジー信号監視タイマの値が監視タイマ比較値に達した場合(ステップS310:YES)は、ビジー信号監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップS311)、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブする(ステップS312)。ステップS312を経ると、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
〔残存球監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における残存球監視処理(ステップS68)の詳細について図26により説明する。
残存球監視処理は変動入賞装置35に入賞した遊技球が天国流入空間62や地獄流入空間63から外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するものである。
残存球監視処理では、まず、左残存球排出口スイッチ112に入力ありかを判定する(ステップS321)。左残存球排出口スイッチ112は変動入賞装置35における地獄流入空間63に流入した遊技球を検出しており、地獄流入空間63に流入した球が残存していないか否かを検出する機能を有している。したがって、左残存球排出口スイッチ112に入力ありとは、遊技球が地獄流入空間63から外部に排出されて、左残存球排出口スイッチ112がその排出を検出して信号がオンした場合に検出信号の入力が遊技制御装置100にあるという状態である。
すなわち、左残存球排出口スイッチ112により遊技球が地獄流入空間63から外部に排出されることを検出したという状態である。
左残存球排出口スイッチ112に入力ありと判定すると(ステップS321;YES)、残存球カウンタが「0」でなければ、残存球カウンタを「−1」更新する(ステップS322)。残存球カウンタは変動入賞装置35に流入した遊技球が変動入賞装置35の内部に残存している場合の個数をカウントしているものである。
なお、本ルーチンが繰り返されることで、残存球カウンタが「0」になるまで、残存球カウンタが「−1」更新されていく。そして、左残存球排出口スイッチ112及び後述の右残存球排出口スイッチ113からの検出信号の入力監視を含めて、残存球カウンタが「0」になれば、変動入賞装置35の内部に残存球が無い状態になる。
ここで、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが始動条件の成立により開放されて、遊技球が変動入賞装置35に流入すると、流入した遊技球は左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104の何れかにより必ず検出されるので、左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104からの検出信号の入力が遊技制御装置100にあってから、その後、左残存球排出口スイッチ112又は右残存球排出口スイッチ113により遊技球が変動入賞装置35から排出されることが検出されなければ、残存球が変動入賞装置35の内部に留まっていると判断できる。残存球カウンタは、上記のような理論により、変動入賞装置35の内部に残存している遊技球(残存球)数をカウントしている。したがって、残存球カウンタ=0になれば、残存球が変動入賞装置35の内部に留まっていない状態になる。
ステップS322を経ると、ステップS323へ進む。一方、左残存球排出口スイッチ112に入力なしと判定すると(ステップS321;NO)、残存球カウンタを「−1」更新せずに、ステップS323へジャンプする。
ステップS323へ進むと、右残存球排出口スイッチ113に入力ありかを判定する(ステップS323)。右残存球排出口スイッチ113は変動入賞装置35における天国流入空間62の天国役物装置66(図7参照)の下部に配置されており、変動入賞装置35から球が外部に出たことを検出するためのスイッチであり、天国流入空間62に流入した球が残存していないか否かを検出する機能を有している。したがって、右残存球排出口スイッチ113に入力ありとは、遊技球が天国流入空間62から外部に排出されて、右残存球排出口スイッチ113がその排出を検出して信号がオンした場合に検出信号の入力が遊技制御装置100にあるという状態である。
すなわち、右残存球排出口スイッチ113により遊技球が天国流入空間62から外部に排出されることを検出したという状態である。
右残存球排出口スイッチ113に入力ありと判定すると(ステップS323;YES)、残存球カウンタが「0」でなければ、残存球カウンタを「−1」更新する(ステップS324)。前述したように、残存球カウンタを「−1」更新が繰り返されて、左残存球排出口スイッチ112及び右残存球排出口スイッチ113からの検出信号の入力監視により、残存球カウンタが「0」になれば、変動入賞装置35の内部に残存球が無い状態になる。
ステップS324を経ると、ステップS325へ進む。一方、右残存球排出口スイッチ113に入力なしと判定すると(ステップS323;NO)、残存球カウンタを「−1」更新せずに、ステップS325へジャンプする。
次いで、ステップS325では左大入賞口スイッチ103に入力ありかを判定する。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35に流入する遊技球を検出している。したがって、左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35に遊技球が流入することを検知する機能を有している。左大入賞口スイッチ103に入力ありと判定すると(ステップS325;YES)、残存球カウンタを「+1」更新する(ステップS326)。これは、左大入賞口スイッチ103により変動入賞装置35に遊技球が流入したことが検出されたので、変動入賞装置35の内部に留まる遊技球を残存球として、残存球カウンタでカウントするために、残存球カウンタを「+1」だけカウントアップしていくものである。
ステップS326を経ると、ステップS327へ進む。一方、左大入賞口スイッチ103に入力なしと判定すると(ステップS325;NO)、残存球カウンタを「+1」更新せずに、ステップS327へジャンプする。
次いで、ステップS327では右大入賞口スイッチ104に入力ありかを判定する。右大入賞口スイッチ104も同様に変動入賞装置35に流入する遊技球を検出している。したがって、右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35に遊技球が流入することを検知する機能を有している。右大入賞口スイッチ104に入力ありと判定すると(ステップS327;YES)、残存球カウンタを「+1」更新する(ステップS328)。これは、右大入賞口スイッチ104により変動入賞装置35に遊技球が流入したことが検出されたので、変動入賞装置35の内部に留まる遊技球を残存球として、残存球カウンタでカウントするために、残存球カウンタを「+1」だけカウントアップしていくものである。
ステップS328を経ると、ステップS329へ進む。一方、右大入賞口スイッチ104に入力なしと判定すると(ステップS327;NO)、残存球カウンタを「+1」更新せずに、ステップS329へジャンプする。
次いで、ステップS329では残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する。これは、本ルーチンが繰り返されることで、後述のように残存球カウンタが「0」になるまで、残存球カウンタが「−1」更新されていくので、残存球カウンタが「0」、すなわち、変動入賞装置35の内部に残存球が無い状態になったかどうかを判定するものである。
残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS329;NO)、残存球エラーが発生中であるか否かを判定する(ステップS330)。残存球エラーとは、変動入賞装置35の内部に残存球が留まるというエラーが発生している状態のことである。
上記ステップS330の処理を行うのは、ステップS329で最初に残存球カウンタが「0」でないルーチンになると、残存球エラーが発生している可能性があるので、ステップS330に進んで、前回のルーチンまでに既に残存球エラーが発生中であるか否かを判断するものである。
そして、残存球エラーが発生中であれば(ステップS330;YES)、前回のルーチンまでに既に残存球エラーが発生中であると判断し、ルーチンを終了してリターンする。このときは、本ルーチンを繰り返すことになり、ステップS329の判定がYESになるまで繰り返され、ステップS329の判定がYESになると、ステップS337へ分岐することになる。
一方、残存球エラーが発生中でなければ(ステップS330;NO)、最初に残存球カウンタが「0」でないルーチンになり、残存球エラーが発生している可能性があるので、ステップS331に進んで残存球監視タイマを「−1」更新する(ステップS331)。これは、変動入賞装置35の内部で遊技を行う遊技球は通常であれば、所定期間内に速やかに変動入賞装置35から排出されていくが、例えばどこかの部材と変動入賞装置35の内部壁面との間に1個あるいは複数個の遊技球が接触して挟まれる等の状況下で稀に留まる可能性もあるので、残存球監視タイマにより、所定期間の経過を計測するものである。例えば、残存球カウンタが「0」でない状態のときに、本ルーチンが繰り返されて、残存球監視タイマにより所定期間の経過が計測されても、依然として残存球カウンタが「0」でない状態のままであれば、残存球有りと判断されることになる。
次いで、残存球監視タイマが「0」になったか否かを判定し(ステップS332)、残存球監視タイマが「0」になっていなければ(ステップS332;NO)、リターンして本ルーチンを繰り返す。そして、残存球監視タイマが「0」になれば(ステップS332;YES)、残存球エラーが発生していると判断して、残存球エラー発生中フラグを準備する(ステップS333)とともに、残存球エラー発生コマンドを準備する(ステップS334)。ステップS334を経ると、ステップS335へ進む。
一方、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS329;YES)、残存球が無くなったと判断してステップS336へジャンプし、残存球エラー解除中フラグを準備する(ステップS336)とともに、残存球エラー解除コマンドを準備する(ステップS337)。その後、ステップS335へ進む。
次いで、ステップS335へ進むと、準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と同じであるか否かを判定する。準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と同じであれば(ステップS335;YES)、前回の状態フラグから変化していないと判断し、ルーチンを終了してリターンする。
一方、準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と同じでなければ(ステップS335;NO)、今回の状態フラグが前回から変化したと判断し、今回準備した状態フラグを残存球エラーフラグ領域にセーブする(ステップS338)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS339)。演出コマンド設定処理により、上述したステップS334で設定した残存球エラー発生コマンドやステップS337で設定した残存球エラー解除コマンドが演出制御装置200へ送られることになる。ステップS339を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
このように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが始動条件の成立により開放されて、遊技球が変動入賞装置35に流入すると、流入した遊技球は左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104の何れかにより検出されるとともに、左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104からの検出信号の入力が遊技制御装置100にあってから、その後、左残存球排出口スイッチ112又は右残存球排出口スイッチ113により遊技球が変動入賞装置35から排出されることが検出されなければ、残存球が変動入賞装置35の内部に留まっていると判断され、残存球エラー発生コマンドが演出制御装置200へ送られると、タイマ割込み処理(図15)で示すように、エラー動作中は特図ゲームが行われないことになる。また、残存球が無くなり、残存球エラー解除コマンドが演出制御装置200へ送られると、遊技(特図ゲーム)が再開されることになる。
〔遊技停止エラー処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における遊技停止エラー処理(ステップS69)の詳細について図27により説明する。
遊技停止エラー処理では、まず、エラー解除待ち中であるか否かを判定する(ステップS351)。エラー解除待ち中でなけば(ステップS351;NO)、エラー動作中であるか否かを判定する(ステップS352)。エラー動作中でなけば(ステップS352;NO)、エラー動作が無いと判断してルーチンを終了し、リターンする。したがって、エラー解除待ち中でなく、エラー動作中でもなければ、エラーの発生はないので、遊技が継続されることになる。
一方、エラー動作中であれば(ステップS352;YES)、遊技停止エラー制御タイマを「−1」更新する(ステップS353)。次いで、遊技停止エラー制御タイマが「0」になったか否かを判定する(ステップS354)。遊技停止エラー制御タイマは遊技機(パチンコ機1)にエラーが発生したとき、一定期間遊技停止をしておくため、その一定期間をカウントするためのものである。
次いで、遊技停止エラー制御タイマが「0」になっていなければ(ステップS354;NO)、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、遊技停止エラー制御タイマが「0」になると(ステップS354;YES)、遊技停止エラー状態領域にエラー解除待ち中フラグをセーブする(ステップS355)。次いで、遊技停止エラー解除コマンドを準備する(ステップS356)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS357)。演出コマンド設定処理により、上述したステップS356で準備した遊技停止エラー解除コマンドが演出制御装置200へ送られることになる。ステップS357を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
一方、エラー解除待ち中であれば(ステップS351;YES)、ステップS358へ分岐する。そして、RAM初期化スイッチ127に入力ありか否かを判定する(ステップS358)。これは、エラーを解除するためにRAM初期化スイッチ127が操作されたかを判断するものである。
RAM初期化スイッチ127に入力がなければ(ステップS358;NO)、ルーチンを終了してリターンする。また、RAM初期化スイッチ127に入力があれば(ステップS358;YES)、遊技停止エラー解除コマンドを準備する(ステップS359)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS360)。演出コマンド設定処理により、上述したステップS359で準備した遊技停止エラー解除コマンドが演出制御装置200へ送られることになる。
次いで、異常排出フラグ領域に解除中フラグをセーブし(ステップS361)、異常排出カウンタ領域を「0」クリアする(ステップS362)。異常排出とは、変動入賞装置35に流入した遊技球数より多い数の遊技球が変動入賞装置35から排出されるような異常である。すなわち、正規のルートで流入したのではなく、(ガラス枠4を開いた状態で)天国流入空間62や地獄流入空間63の正面などから手で直接遊技球を入れたりする不正を異常排出としており、その監視を行うために、異常排出カウンタ領域や異常排出に関する解除中フラグ等を設けている。したがって、RAM初期化スイッチ127が操作されると、異常排出に関する解除中フラグのセーブや異常排出カウンタ領域の「0」クリアが行われることになり、次回の遊技停止エラーに備えられる。
次いで、磁石不正フラグ領域に解除中フラグをセーブし(ステップS363)、磁石不正監視タイマ領域を「0」クリアする(ステップS364)。磁石不正は、例えば磁気センサ115で検出されるものである。これにより、RAM初期化スイッチ127が操作されると、磁石不正に関する解除中フラグのセーブや磁石不正監視タイマ領域の「0」クリアが行われることになり、次回の磁石不正に伴う遊技停止エラーに備えられる。
次いで、振動不正フラグ領域に解除中フラグをセーブし(ステップS365)、振動不正監視無効タイマ領域を「0」クリアする(ステップS366)。振動不正は、例えば振動センサ116で検出されるものである。これにより、RAM初期化スイッチ127が操作されると、振動不正に関する解除中フラグのセーブや振動不正監視無効タイマ領域の「0」クリアが行われることになり、次回の振動不正に伴う遊技停止エラーに備えられる。
次いで、電波不正フラグ領域に解除中フラグをセーブし(ステップS367)、遊技停止エラーフラグ領域に正常中フラグをセーブする(ステップS368)。電波不正は、例えば盤電波センサ114で検出されるものである。これにより、RAM初期化スイッチ127が操作されると、電波不正に関する解除中フラグのセーブや正常中フラグのセーブが行われることになり、次回の電波不正に伴う遊技停止エラーに備えられる。ステップS368を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
このように、遊技停止エラー処理では遊技を停止させるようなエラー(電波不正、磁石不正、振動不正、異常排出などの悪質なものなど)があった場合に、遊技を停止させる一方、エラーを解除するためにRAM初期化スイッチ127からの入力があるか監視し、エラーの解除フラグをセーブして次回のエラーに備えることが行われる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS72)の詳細について、図28により説明する。特図ゲーム処理では、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107、左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104、特定領域スイッチ111、演出スイッチ108の入力の監視と、特図変動ゲーム等に関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図28に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口スイッチ監視処理を行う(ステップS371)。始動口スイッチ監視処理では、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107への入賞を監視し、これらへの遊技球の始動入賞があると、特図図柄乱数の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次いで、大入賞口スイッチ監視処理(ステップS372)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、変動入賞装置35内に設けられた左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104での遊技球の検出を監視する処理等を行う。
次いで、特定領域スイッチ監視処理(ステップS373)を行う。この特定領域スイッチ監視処理では、変動入賞装置35の天国役物装置66内に設けられた特定領域スイッチ111への遊技球の入賞を監視し、演出コマンドを設定する処理を行う
次いで、演出スイッチ108に入力ありか否かを判定する(ステップS374)。演出スイッチ108は変動入賞装置35における天国役物装置66に遊技球が入る直前の空間に配置されており、演出スイッチ108を遊技球が通過すると、天国役物装置66の天国回転体67のV入賞凹部68a、68bに球が嵌ることを遊技者に期待させるための天国役物装置66の流入演出が行われるようになっている。したがって、ステップS374では遊技球が演出スイッチ108を通過して、その検出信号が遊技制御装置100に入力されたかあるか否かを判定するものである。
演出スイッチ108に入力があれば(ステップS374;YES)、演出スイッチ通過コマンドを準備し(ステップS375)、続いて演出コマンド設定処理を行う(ステップS376)。これにより、演出スイッチ108を遊技球が通過すれば、演出コマンドが演出制御装置200へ送られて、情報表示器45により種々の遊技状態に関する表示がなされることになる。また、盤装飾装置351や枠装飾装置12も演出コマンドが演出制御装置200へ送られることで制御される。
ステップS376を経ると、ステップS377へ進む。一方、演出スイッチ108に入力がなければ(ステップS374;NO)、ステップS377へジャンプする。
ステップS377へ進むと、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS378)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップS378;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップS379)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップS380)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップS381)。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、電源投入動作処理を行う(ステップS382)。電源投入動作処理では、電源投入に伴い第1役物装置51における役物モータ81や天国役物装置66における役物モータ72をそれぞれ初期位置に戻す等の処理を行って、遊技が開始できるような状態にすることを行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図変動ゲームの変動開始を監視し、特図変動ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップS383)を行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップS384)を行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、特図変動ゲームの遊技結果に対応する小当り開放動作を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップS385)を行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、小当りにおける大入賞口開放に関する設定処理を実行する小当り開放中処理(ステッS386)を行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口(変動入賞装置35を指す。以下、同様)内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステッS387)を行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、小当りを終了してファンファーレ/インターバル処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップS388)を行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、大入賞口の開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間値の設定等のファンファーレ/インターバルに関する処理を行うために必要な情報の設定等を実行するファンファーレ/インターバル中処理(ステップS389)を行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する処理等を行う大入賞口開放中処理(ステップS390)を行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、大入賞口内にある残存球が排出されるのを待つための期間(大入賞口残存球処理期間)を強制終了する処理や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定する処理等を行う大入賞口残存球処理(ステップS391)を行う。
ステップS381にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップS392)を行う。
その後、一括表示装置50における特図1の変動を制御するためのテーブル(特図1変動制御テーブル)を準備した後(ステップS393)、一括表示装置50の特図1に係る図柄変動制御処理(ステップS394)を行う。次いで、一括表示装置50における特図2の変動を制御するためのテーブル(特図2変動制御テーブル)を準備した後(ステップS395)、一括表示装置50の特図2に係る図柄変動制御処理(ステップS396)を行う。次いで、ストッパーソレノイド制御処理を行い(ステップS397)、特図ゲーム処理を終了する。ストッパーソレノイド制御処理は、第1役物装置51におけるコウモリ部材53を上下に駆動するための役物ソレノイ204の制御を行って、ランプ報知等で遊技者に有利な情報(遊技球が第1役物装置51のブリッジ本体80を転がって地獄流入空間63に流入するのをコウモリ部材53を上方向に駆動して、阻止するタイミングを教えるような情報)を演出する処理等を行うものである。
一方、ステップS378にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップS378;NO)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップS393の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
ここで、小当りとは、始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b、第2始動入賞口34の全ての始動入賞口のこと)に入賞した時の大入賞口開放(変動入賞装置35の変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放)から、遊技球が特別入賞領域69を通過してV入賞し、大当りの抽選が行われるまでの動作のことである。ただし、V入賞しなければ、大入賞口(変動入賞装置35)への入賞までとなる。
したがって、特図変動表示ゲームの(抽選)結果はすべて小当りとなる。3R当り、7R当りは小当りのことではなく、大当りの中の種別を示すものである。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動ゲームで大当りが発生(V入賞、すなわち特定入賞領域69への遊技球の通過)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての変動入賞装置35を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップS371)の詳細について、図29により説明する。
図29に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、左始動口(第1始動入賞口33a)入賞監視テーブルを準備し(ステップS401)、ハード乱数取得処理(ステップS402)を行って、第1始動入賞口33aへの入賞があるか否かを判定する(ステップS403)。
ステップS403にて、第1始動入賞口33aへの入賞がないと判定した場合(ステップS403;NO)には、ステップS405の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップS403にて、第1始動入賞口33aへの入賞があると判定した場合(ステップS403;YES)には、特図1始動口スイッチ処理を行う(ステップS404)。特図1始動口スイッチ処理は第1始動入賞口33aへの遊技球の入賞に伴い、特図図柄乱数の抽出等の始動入賞に関連する処理を行うものである。ステップS404を経ると、ステップS405へ進む。
なお、本実施例のパチンコ機1にはいわゆる普電や普図は設けられていないので、始動入賞に対して普電サポートは存在しない構成である。
ステップS405へ進むと、上述した第1始動入賞口33aへの入賞を監視する処理と同様の処理を第1始動入賞口33b(右始動口)について順次実行する。
すなわち、右始動口(第1始動入賞口33b)入賞監視テーブルを準備し(ステップS405)、ハード乱数取得処理(ステップS406)を行って、第1始動入賞口33bへの入賞があるか否かを判定する(ステップS407)。
ステップS407にて、第1始動入賞口33bへの入賞がないと判定した場合(ステップS407;NO)には、ステップS409の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップS407にて、第1始動入賞口33bへの入賞があると判定した場合(ステップS407;YES)には、特図1始動口スイッチ処理を行う(ステップS408)。特図1始動口スイッチ処理は上述したステップS404と同様の処理である。ステップS408を経ると、ステップS409へ進む。
ステップS409へ進むと、上述した第1始動入賞口33aへの入賞を監視する処理と同様の処理を第2始動入賞口34(中始動口)について順次実行する。
すなわち、中始動口(第2始動入賞口34)入賞監視テーブルを準備し(ステップS409)、ハード乱数取得処理(ステップS410)を行って、第2始動入賞口34への入賞があるか否かを判定する(ステップS411)。
ステップS411にて、第2始動入賞口34への入賞がないと判定した場合(ステップS411;NO)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップS411にて、第2始動入賞口34への入賞があると判定した場合(ステップS411;YES)には、特図2始動口スイッチ処理を行う(ステップS412)。特図2始動口スイッチ処理は第2始動入賞口34への遊技球の入賞に伴い、特図図柄乱数の抽出等の始動入賞に関連する処理を行うものである。ステップS412を経ると、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップS402、S406、S410)の詳細について、図30により説明する。
図30に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33b及び第2始動入賞口(中始動口)34のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップS421)、第1始動入賞口33a、33b及び第2始動入賞口34のうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップS422)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA422;NO)は、ハード乱数取得処理を終了する。
一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップS422;YES)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップS423)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップS424)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップS424;NO)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。
一方、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップS424;YES)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された変動パターン乱数をロードし、準備する(ステップS425)。変動パターン乱数は一括表示装置50に特図変動をどうように表示させるかを決定する乱数である。次いで、第1始動入賞口33a、33b及び第2始動入賞口34のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップS426)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図1始動口スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図1始動口スイッチ処理(ステップS404、S408)の詳細について、図31により説明する。特図1始動口スイッチ処理は、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bへの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図31に示すように、特図1始動口スイッチ通処理では、先ず、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報をパチンコ機1の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口1信号出力回数をロードし(ステップS431)、ロードした値を「+1」更新して(ステップS432)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップS433)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップS433;NO)は、更新後の値をRWMの始動口1信号出力回数領域にセーブして(ステップS434)、ステップS435の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップS433;YES)は、ステップS435の処理に移行する。
本実施例では、始動口1信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。したがって、ル−プしてロードした値が「0」になってしまうようであれば、出力回数がオーバーフローすると判定するので、セーブしないことになる。
ステップS435に進むと、普段処理中であるか否かを判定し、普段処理中でなければ(ステップS435;NO)、特図1始動口スイッチ処理を終了する。普段処理中では、特図変動ゲームの変動開始を監視し、特図変動ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定、客待ち演出等を行っている。
一方、普段処理中であれば(ステップS435;YES)、特図2に保留があるか否かを判定する(ステップS436)。
ここで、本実施例では遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合には1個に限り特図の保留(特図2の保留)が行われる。一方、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合には特図の保留(特図1の保留は無し)は行われない。そして、特図2に限り、特図の保留表示が1個に限り行われるようになっている。
特図2に保留があれば(ステップS436;YES)、特図1始動口スイッチ処理を終了する。一方、特図2に保留がなければ(ステップS436;NO)、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS437)。残存球カウンタは変動入賞装置35に流入した遊技球が変動入賞装置35の内部に残存している場合の個数をカウントしているものである。
残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS437;NO)、特図1始動口スイッチ処理を終了する。一方、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS437;YES)、特図1始動口入賞フラグがあるか否かを判定する(ステップS438)。特図1始動口入賞フラグは、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bのうち、何れか一方の始動入賞口に入賞すればセットされる(立てられる)。ステップS438で特図1始動口入賞フラグを判定するのは、特図1始動口入賞フラグは、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bのうちの何れか一方の始動入賞口に既に遊技球が入賞しているかどうかを判断するためである。
特図1始動口入賞フラグがあれば(ステップS438;YES)、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bのうちの何れか一方の始動入賞口に既に遊技球が入賞していて、特図1始動口入賞フラグがセットされていると判断され、特図1始動口入賞フラグを再度セットする必要はないので、特図1始動口スイッチ処理を終了する。
一方、特図1始動口入賞フラグがなければ(ステップS438;NO)、今回の始動入賞に伴って、特図1始動口入賞フラグを立てる必要があるので、ステップS439に進み、特図1始動口入賞フラグをセットする。
次いで、前述のハード乱数取得処理におけるステップS425で準備した変動パターン乱数をRWMの特図1変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップS440)。変動パターン乱数は一括表示装置50に特図変動をどのように表示させるかを決定する乱数である。次いで、特図図柄乱数を抽出する(ステップS441)とともに、抽出した特図図柄乱数をRWMの特図1図柄乱数格納領域にセーブする(ステップS442)。ステップS442を経ると、特図1始動口スイッチ処理を終了する。
〔特図2始動口スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図2始動口スイッチ処理(ステップS412)の詳細について、図32により説明する。特図2始動口スイッチ処理は、第2始動入賞口34(第2始動口)への入力があった場合に行われる処理である。
図32に示すように、特図2始動口スイッチ通処理では、先ず、第2始動入賞口34(第2始動口)のうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報をパチンコ機1の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口2信号出力回数をロードし(ステップS451)、ロードした値を「+1」更新して(ステップS452)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップS453)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップS453;NO)は、更新後の値をRWMの始動口2信号出力回数領域にセーブして(ステップS454)、ステップS455の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップS453;YES)は、ステップS455の処理に移行する。
本実施例では、始動口2信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。したがって、ル−プしてロードした値が「0」になってしまうようであれば、出力回数がオーバーフローすると判定するので、セーブしないことになる。
ステップS455に進むと、特図2保留数が上限値未満であるか否かを判定する。前述したように、本実施例では特図2に限り、特図の保留表示が1個に限り行われるように構成されているので、特図2保留数の上限値=1となる。
特図保留数が上限値未満でない場合(ステップS455;NO)は、特図2始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、特図2保留数が上限値未満である場合(ステップS455;YES)は、更新対象の特図2保留数を「+1」更新する(ステップS456)とともに、特図2保留数に対応する飾り保留数コマンドを準備する(ステップS457)。飾り保留数は、演出制御装置300の制御により情報表示器45に表示されるもので、情報表示器45は特図2の保留数を飾り保留数として表示するようになっている。この場合、保留数=1の飾り保留数コマンドしかあり得ない。なお、第2始動入賞口34を構成する飾り部材(第2始動入賞口34の周囲に配置される装飾用の部材のこと)に設けられる装飾用の発光部材(LED等)の発光態様によって、特図2保留数があることを報知するようにしてもよい。
次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS458)。これにより、飾り保留数コマンドが演出制御装置300に送られて情報表示器45に特図2の保留数が飾り保留数として表示されることになる。
次いで、前述のハード乱数取得処理におけるステップS425で準備した変動パターン乱数をRWMの特図2変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップS459)。変動パターン乱数は一括表示装置50に特図変動をどうように表示させるかを決定する乱数である。次いで、特図図柄乱数を抽出する(ステップS460)とともに、抽出した特図図柄乱数をRWMの特図2図柄乱数格納領域にセーブする(ステップS461)。ステップS461を経ると、特図2始動口スイッチ処理を終了する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップS372)の詳細について、図33により説明する。
図33に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、左大入賞口スイッチ103に入力ありか否かを判定する(ステップS471)。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35における可動部材43aの基端部付近の空間部に配置され、シーソー構造の第1役物装置51に流入する遊技球を検出している。左大入賞口スイッチ103に入力があれば(ステップS471;YES)、ステップS472に進んで大入賞口カウント更新処理を行う。大入賞口カウントは、変動入賞装置35における可動部材43a、43bが開放したときに、変動入賞装置35(すなわち、大入賞口)に流入した遊技球をカウントするものである。したがって、左大入賞口スイッチ103に入力があれば(ステップS471;YES)、大入賞口カウントが「+1」更新されることになる。ステップS472を経ると、ステップS473へ進む。一方、左大入賞口スイッチ103に入力がなければ(ステップS471;NO)、ステップS473へジャンプする。
ステップS473へ進むと、右大入賞口スイッチ104に入力ありか否かを判定する。右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35における可動部材43bの基端部付近の空間部に配置され、シーソー構造の第1役物装置51に流入する遊技球を検出している。右大入賞口スイッチ104に入力があれば(ステップS473;YES)、ステップS474に進んで大入賞口カウント更新処理を行う。したがって、右大入賞口スイッチ104に入力があれば(ステップS473;YES)、大入賞口カウントが「+1」更新されることになる。ステップS474を経ると、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、右大入賞口スイッチ104に入力がなければ(ステップS473;NO)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
〔大入賞口カウント更新処理〕
次に、上述の大入賞口スイッチ監視処理における大入賞口カウント更新処理(ステップS472、S474)の詳細について、図34により説明する。
図34に示すように、大入賞口カウント更新処理では、まず、変動入賞装置35における可動部材43a、43bが開放したときに、変動入賞装置35(すなわち、大入賞口)に流入した遊技球をカウントする左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104への入賞の回数に関する情報をパチンコ機1の外部の管理装置に対して出力する回数である役物入賞個数信号出力回数をロードし(ステップS481)、ロードした値を「+1」更新する(ステップS482)。次いで、役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップS473)。
役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローしない場合(ステップS483;NO)は、更新後の値をRWMの役物入賞個数信号出力回数領域にセーブして(ステップS484)、ステップS485の処理に移行する。一方、役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローする場合(ステップS483;YES)は、ステップS485の処理に移行する。
本実施例では、役物入賞個数信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新によって更新後の値は「0」になり、役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。したがって、ル−プしてロードした値が「0」になってしまうようであれば、役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローすると判定するので、セーブしないことになる。
ステップS485に進むと、大入賞口としての変動入賞装置35の開放処理中であるか否かを判定する。これは、大入賞口としての変動入賞装置35における可動部材43a、43bが開放して遊技球を受け入れやすい状態中の処理であるかどうかを判定するものである。
なお、本実施例では変動入賞装置35はいわゆる大入賞口に相当するので、変動入賞装置35を大入賞口と称するとともに、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開放中を大入賞口開放中と適宜、称している。
大入賞口開放中でなければ(ステップS485;NO),ステップS486に進み、大入賞口開放中であれば(ステップS485;YES),ステップS489にジャンプする。ステップS486に進むと、大入賞口(変動入賞装置35)残存球処理中であるか否かを判定する。これは、大入賞口としての変動入賞装置35に入賞した遊技球が天国流入空間62や地獄流入空間63から外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視する処理中であるかどうかを判定するものである。
大入賞口残存球処理中でなければ(ステップS486;NO),ステップS487に進み、大入賞口残存球処理中であれば(ステップS486;YES),ステップS489にジャンプする。
ステップS487に進むと、小当り開放処理中であるか否かを判定する。これは、大入賞口(変動入賞装置35)における天国役物装置66の天国回転体67に形成されたV入賞凹部68a、68bに遊技球が嵌って支持され、特別入賞領域69に落下すると、大当りの抽選結果に応じて大当り(16R大当り、7R当りあるいは3R当り)となるが、ここでは始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b、第2始動入賞口34の全ての始動入賞口のこと)への入賞に伴う小当りによる始動遊技で大入賞口(変動入賞装置35)における可動部材43a、43bが小当りで開放して遊技球を受け入れやすい状態中の処理であるかどうかを判定するものである。
小当り開放処理中でなければ(ステップS487;NO),ステップS488に進み、小当り開放処理中であれば(ステップS487;YES),ステップS489にジャンプする。
ステップS488に進むと、小当り残存球処理中であるか否かを判定する。これは、小当りが発生して、その始動遊技が行われているときに、大入賞口(変動入賞装置35)に入賞した遊技球が天国流入空間62や地獄流入空間63から外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視する処理中であるかどうかを判定するものである。
小当り残存球処理中でなければ(ステップS487;NO)、大入賞口カウント更新処理を終了する。一方、小当り残存球処理中であれば(ステップS487;YES)、ステップS489へ進む。
ステップS489に進むと、大入賞口カウントコマンドを準備する。これは、大入賞口としての変動入賞装置35における可動部材43a、43bが開放したときに、変動入賞装置35(すなわち、大入賞口)に流入した遊技球をカウントする左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104への入賞の回数に関する情報を演出制御装置300に対して出力するためのコマンドを準備するものである。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS490)。これにより、ステップS489で準備したコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に大入賞口への遊技球の入賞個数が表示される等の演出が表示されることになる。
ステップS490を経ると、次いで、大入賞口(変動入賞装置35)開放処理中であるか否かを判定する(ステップS491)。大入賞口開放処理中でなければ(ステップS491;NO)、ステップS492に進み、大入賞口開放処理中であれば(ステップS491;YES)、ステップS493に分岐する。
ステップS492に進むと、小当り開放処理中であるか否かを判定する。小当り開放処理中でなければ(ステップS492;NO)、大入賞口カウント更新処理を終了する。一方、小当り開放処理中であれば(ステップS492;YES),ステップS493に進む。
ステップS493に進むと、大入賞口カウント数を「+1」更新する。そして、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップS494)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップS494;NO)は、ステップS498の処理にジャンプする。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップS494;YES)は、大入賞口カウント数を上限値に留めて、特図ゲーム処理タイマ領域を「0」クリアして(ステップS495)、ステップS496へ進む。
ステップS496に進むと、特図当り中処理制御ポインタ上限値領域から上限値をロードし、特図当り中処理制御ポインタ領域にロードした値をセーブする(ステップS497)。ステップS497を経ると、大入賞口カウント更新処理を終了する。
ここで、ステップS497の処理を行うのは、大入賞口カウント数が上限値となったことでラウンド中の大入賞口の開閉動作(つまり、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開閉動作で、例えば最大で18回の開閉動作)を途中で強制終了させるために、制御中の特図当り中処理制御ポインタの値を動作終了となる上限値に書き換えているものである(後述の図46に示す「小当りタイミングチャート」や図52に示す「大当りタイミングチャート」参照)。
なお、上限値としては、大入賞口の開放パターンによって「0、2、54の何れか」が設定されている。ステップS495のタイマクリアと併せて、即、大入賞口閉鎖の為の処理が(特図ゲーム処理に戻った後に)行われるようになっている。
一方、ステップS494で大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップS494;NO)はステップS498の処理にジャンプし、ステップS498では大入賞口(変動入賞装置35)開放処理中であるか否かを判定する。大入賞口開放処理中でなければ(ステップS498;NO)、大入賞口カウント更新処理を終了する。また、大入賞口開放処理中であれば(ステップS498;YES)、ステップS499に進み、大入賞口カウント数がストッパーソレノイド動作変更個数(例えば、ストッパーソレノイド動作変更個数=5個に設定)と同じであるか否かを判定する。
なお、ストッパーソレノイド制御処理では、第1役物装置51におけるコウモリ部材53を上下に駆動するための役物ソレノイ204の制御を行って、ランプ報知等で遊技者に有利な情報(遊技球が第1役物装置51のブリッジ本体80を転がって地獄流入空間63に流入するのをコウモリ部材53を上方向に駆動して、阻止するタイミングを教えるような情報)を演出する処理等が行われるので、そのストッパーソレノイドの動作を変更する個数が上記のストッパーソレノイド動作変更個数である。そして、大入賞口カウント数が特定の値になると、ストッパーソレノイド動作を変更するようになっている。
大入賞口カウント数がストッパーソレノイド動作変更個数と同じでなければ(ステップS499;NO)、大入賞口カウント更新処理を終了する。一方、大入賞口カウント数がストッパーソレノイド動作変更個数と同じであれば(ステップS499;YES)、ストッパーソレノイド制御ポインタ領域に大当り動作後半開始の値をセーブする(ステップS500)。次いで、ストッパーソレノイド制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS501)。これにより、大入賞口カウント数が特定の値になったとき、ストッパーソレノイド動作が変更され、大当り動作後半開始の値が経過すると、ストッパーソレノイド制御が終了することになる。ステップS501を経ると、大入賞口カウント更新処理を終了する。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップS373)の詳細について、図35により説明する。
図35に示すように、特定領域スイッチ監視処理では、まず、特定領域有効中であるか否かを判定する(ステップS511)。変動入賞装置35の内部には特別入賞領域69を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ111が配置されており、特別入賞領域69を遊技球が通過したことを特定領域スイッチ111が検出すると、V入賞として大当りが確定し、条件装置と役物連続作動装置が作動することとなる。
このような特定領域スイッチ111を仮に不正で遊技球を通過させても、正規なV入賞としては認められないので、一定の条件下でのみ特定領域スイッチ111を遊技球が通過した場合を正規のV入賞と認定するための条件が下記の通りである。
・特図ゲーム処理番号が小当り開放中処理
・特図ゲーム処理番号が小当り残存球処理
上記何れかの処理を実行している場合が特定領域有効中と判定される。そして、この特定領域有効中に特定領域スイッチ111を遊技球が通過した場合を正規のV入賞と認定される。
特定領域有効中でなければ(ステップS511;NO)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。一方、特定領域有効中であれば(ステップS511;YES)、特定領域スイッチ111に入力ありか否かを判定する(ステップS512)。
特定領域スイッチ111に入力ありとは、変動入賞装置35の内部には特別入賞領域69を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ111が配置されており、特別入賞領域69を遊技球が通過したことを特定領域スイッチ111が検出して信号がオンした場合に検出信号の入力が遊技制御装置100にあるという状態である。
すなわち、特定領域スイッチ111により遊技球が特別入賞領域69を通過したことを検出したという状態である。
特定領域スイッチ111に入力がなければ(ステップS512;NO)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。一方、特定領域スイッチ111に入力があれば(ステップS512;YES)、既に特定領域を遊技球が通過しているか否かを判定する(ステップS513)。既に特定領域を遊技球が通過していれば(ステップS513;YES)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
一方、既に特定領域を遊技球が通過していなければ(ステップS513;NO)、特定領域通過フラグ領域に通過あり情報をセーブする(ステップS514)。次いで、特定領域通過コマンドを準備し(ステップS515)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS516)。これにより、変動入賞装置35の内部の特別入賞領域69を遊技球が通過した場合には、それを特定領域スイッチ111が検出するとともに、特定領域通過コマンドが準備されて演出制御装置300に送られ、演出制御装置300の制御により情報表示器45にV入賞したことが表示される等(その他、盤装飾装置351の装飾)の演出が行われることになり、遊技者に報知される。ステップS516を経ると、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
〔特図電源投入動作処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図電源投入動作処理(ステップS382)の詳細について、図36により説明する。
特図電源投入動作処理は、パチンコ機1の電源投入時にだけ実行されるものである。
図36に示すように、特図電源投入動作処理では、まず、M1制御ポインタが停止動作であるか否かを判定する(ステップS521)。
本実施例では、役物モータとして役物モータ81(第1モータ)と、役物モータ72(第2モータ)の2つを配置している。役物モータ81(第1モータ)はシーソー構造の第1役物装置51におけるブリッジ本体80を上下に駆動するものである。また、役物モータ72(第2モータ)は天国役物装置66における天国回転体67の回転を駆動するものである。
上述のM1制御ポインタは、役物モータ81(第1モータ)を制御するためのポインタである。一方、後述のM2制御ポインタは、役物モータ72(第2モータ)を制御するためのポインタである。
M1制御ポインタが停止動作であれば(ステップS521;YES)、次いで、M2制御ポインタが停止動作であるか否かを判定する(ステップS522)。M2制御ポインタが停止動作であれば(ステップS522;YES)、ステップS523へ進む。
ここで、M1制御ポインタが停止動作であり(ステップS521;YES)、かつM2制御ポインタも停止動作であれば(ステップS522;YES)、役物モータ81(第1モータ)及び役物モータ72(第2モータ)の双方が何れも初期位置で停止していると判断する。したがって、この場合には特図ゲームの普段処理の開始が可能と判断して、ステップS523以降の処理を実行することになる。
本実施例では、役物モータを2つ配置しており、それらは役物モータ81(第1モータ)及び役物モータ72(第2モータ)である。前述したように、特図電源投入動作処理は、パチンコ機1の電源投入時にだけ実行されることから、電源投入時に、役物モータ81及び役物モータ72が初期位置にあることの確認設定を完了し、初期位置で停止している状態となったら、特図ゲームの普段処理を開始させるようにしている。そのため、上記ステップS521及びステップS522の判定が何れもYESであるときに、役物モータ81及び役物モータ72が初期位置にあることの確認設定を完了したと判断している。
このような処理がないと、役物モータ81及び役物モータ72が正常な位置(初期位置)にない状態で遊技ゲームを進行開始してしまう可能性があるからである。これに対して本実施例では、役物モータ81及び役物モータ72についての初期位置設定が完了しないと、特図ゲームが開始しないので、不具合があった場合に直ちに分かるメリットがある。
フローに戻り、ステップS521及びステップS522の判定が何れもYESであれば、ステップS523へ進み、M1制御ポインタ領域にM1普段動作の値をセーブする(ステップS523)とともに、M1制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS524)。
次いで、同様に、M2制御ポインタ領域にM2普段動作の値をセーブする(ステップS525)とともに、M2制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS526)。
次いで、特図ゲームの処理番号として「1」を設定する(ステップS527)。これにより、次回は特図普段処理に移行することになる。次いで、特図ゲーム処理番号領域にステップS527で設定した番号(ここでは「1」)をセーブする(ステップS528)。ステップS528を経ると、特図電源投入動作処理を終了する。
一方、M1制御ポインタが停止動作でないとき(ステップS521;NO)やM2制御ポインタが停止動作でないとき(ステップS522;NO)には、役物モータ81や役物モータ72が初期位置になく、初期位置の確認設定が完了しないので、何れの場合も特図電源投入動作処理を終了する。したがって、この場合には特図ゲームの特図普段処理に移行しないことになる。
このように、本実施例では役物モータ81及び役物モータ72の初期位置設定が完了しないと、特図ゲームが開始せず、特図普段処理に移行しないので、常に正確な初期位置から役物モータ81及び役物モータ72を作動させることができ、遊技者及び遊技店の双方にとって、安定した遊技ゲームを提供できる。
また、本実施例ではM2制御ポインタにより制御される役物モータ72は天国役物装置66における天国回転体67を回転駆動しており、天国回転体67には2つのV入賞凹部68a、68bが形成されている。そして、天国流入空間62に流入した球が何れかのV入賞凹部68a、68bに嵌り、その球が特別入賞領域69を通過すると、大当りが発生するようになっている。
この場合、M2制御ポインタにより制御される役物モータ72は、遊技中は常時同じ動作を繰り返している。したがって、役物モータ72の動作を設定するのは初期位置検出動作(電源投入時に設定)を除いては、ステップS525の処理だけになる。
なお、本実施例にような制御に限らず、天国役物装置66における天国回転体67が常時回り続けるように制御しても良い(例えば、電源投入と同時に回転開始して、その後、常時回転を継続)。
また、例えば天国役物装置66における天国回転体67を構成する円盤状の部材が左右に傾く往復動作を繰り返すような動きをさせる制御を行ってもよい。このようにすると、天国回転体67が左右に傾く往復動作を繰り返す動きになるので、V入賞凹部68a、68bに遊技球が嵌る動きが複雑になり、遊技者のワクワク・ドキドキ感を高めることができる。
もちろん、上記のような変形例に限るものではなく、例えば第1役物装置51に配置の役物モータ81がゲームの進行に合わせて動作を変更(つまり、ブリッジ本体80の傾き具合を役物モータ81が駆動して変更)しているように、天国役物装置66に配置の役物モータ72についてもゲームの進行に合わせて、制御内容(例えば、一時的に逆回転したり、一時回転停止する等、複数の制御内容にする)を切り替えるようにしても良い。そのようにすると、役物モータ81及び役物モータ72の双方がゲームの進行に合わせて動作を変更するので、遊技ゲームの内容が多彩になり、より遊技を楽しめるようになる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップS383)の詳細について、図37により説明する。
図37に示すように、特図普段処理では、まず、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS531)。残存球カウンタは変動入賞装置35に流入した遊技球が変動入賞装置35の内部に残存している場合の個数をカウントしている。
残存球カウンタが「0」であれば(ステップS531;YES)、変動入賞装置35の内部に遊技球が残存していないので、すぐに通常の遊技ゲームの開始が可能と判断し、ステップS532で特図1始動口入賞フラグがあるか否かを判定する。特図1始動口入賞フラグがあれば(ステップS532;YES)、第1始動入賞口33a、33bの何れかに遊技球が入賞し、特図1の始動条件が成立したと判断し、ステップS538に分岐して、特図1変動開始処理を行う。これにより、一括表示装置50により特図1の変動表示ゲームが開始されることになる。ステップS538を経ると、特図普段処理を終了する。
一方、特図1始動口入賞フラグがなければ(ステップS532;NO)、特図2保留数が「0」でないか否かを判定する(ステップS533)。これは、第2始動入賞口34に遊技球が入賞した場合に1個に限り保留を認めているので、そのような保留があるかどうかを判定するものである。特図2保留数が「0」でなければ(ステップS533;YES)、特図2の保留があるので、次いで、特図2保留数を「−1」更新する(ステップS534)。
次いで、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップS535)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS536)。これにより、飾り特図保留数コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に遊技状態として飾り特図に関する演出表示が行われることになる。
次いで、特図2変動開始処理を行う(ステップS537)。これにより、一括表示装置50により特図2の変動表示ゲームが開始されることになる。ステップS537を経ると、特図普段処理を終了する。
一方、残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS531;NO)、変動入賞装置35の内部に遊技球が残存しているので、すぐには通常の遊技ゲームの開始ができないと判断し、ステップS539にジャンプする。
また、ステップS533で特図2保留数が「0」である場合にも(ステップS533;NO)、特図2の保留がないので、始動入賞に伴う遊技ゲームの開始ができないと判断し、ステップS539にジャンプする。
ステップS539に進むと、客待ちデモが開始済みであるかを判定し、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップS539;NO)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップS540)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップS541)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS542)。これにより、客待ちデモコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に客待ちデモの関する演出表示が行われることになる。ステップS542を経ると、ステップS543へ進む。
一方、客待ちデモが開始済みである場合(ステップS539;YES)には、ステップS543へジャンプする。
ステップS543へ進むと、処理番号として「1」を設定し(ステップS543)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「1」をセーブ)(ステップS544)した後、特図普段処理を終了する。
このように、保留の認められている特図2保留数のチェックを行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には情報表示器45に飾り特図に関する演出表示が行われるとともに、特図2変動開始処理(ステップS537)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを第1特図変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップS538)の詳細について、図38(a)により説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
なお、第1特図変動表示ゲームとは、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合に一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示する特図1表示器によって行われる変動表示ゲームのことである。
図38(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップS551)、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップS552)を行う。次いで、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を行い(ステップS553)、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を行う(ステップS554)。
次いで、処理番号として「2」を設定し(ステップS555)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「2」をセーブ)する(ステップS556)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップS557)、特図1変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS558)。これにより、特図1変動中信号がオンすることになる。次いで、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップS559)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ初期値(例えば、100ms)をセーブする(ステップS560)。これにより、一括表示装置50により特図1の変動表示ゲームが開始されるとともに、特図1の点滅制御が行われることになる。
次いで、特図1始動口入賞フラグをクリアし(ステップS561)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップS537)の詳細について、図38(b)により説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
なお、第2特図変動表示ゲームとは、遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合に一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図2を表示する特図2表示器によって行われる変動表示ゲームのことである。
図38(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップS571)、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップS572)を行う。次いで、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を行い(ステップS573)、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を行う(ステップS574)。
次いで、処理番号として「2」を設定し(ステップS575)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「2」をセーブ)する(ステップS576)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップS577)、特図2変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS578)。これにより、特図2変動中信号がオンすることになる。次いで、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップS579)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ初期値(例えば、100ms)をセーブする(ステップS580)。これにより、一括表示装置50により特図2の変動表示ゲームが開始されるとともに、特図2の点滅制御が行われることになる。ステップS580を経ると、特図2変動開始処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップS552)の詳細について、図39(a)により説明する。
特図1停止図柄設定処理は、特図1の停止図柄(図柄情報)の設定に係る処理を行うものである。
図39(a)に示すように、まず、特図1図柄乱数格納領域から特図1の停止図柄を決定するための乱数をロードし(ステップS591)、特図1図柄乱数格納領域を「0」クリアする(ステップS592)。次いで、小当り図柄テーブルを設定し(ステップS593)、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップS594)。この処理により0から49までの50通りの図柄番号の何れかの図柄番号が選出されることになる。
次いで、特図1小当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップS595)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップS596)。停止図柄パターンとは、一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示する特図1表示器での停止図柄を設定するためのものである
なお、一括表示装置50による1回の特図変動表示ゲームでは、特図1又は特図2の何れか1つしか変動しない(つまり、特図1及び特図2が同時変動しない)ので、停止図柄パターンを格納する領域は特図1及び特図2の何れも停止図柄パターン領域で共通になっており、同じ領域である(後述のステップS616参照)。
次いで、停止図柄番号に対応する小当り動作判定情報を取得し、小当り動作判定情報領域にセーブする(ステップS597)。小当り動作判定情報は、1回開き又は2回開きの何れの小当り動作を行うかを判定する情報である。
次いで、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得し、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップS598)。大入賞口開放情報は、16R大当り、3R当り、7R当りの何れの当り動作に対応して大入賞口(変動入賞装置35)の可動部材43a、43bを開放制御するかを判定する情報である。
次いで、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備し(ステップS599)、準備した飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブする(ステップS600)。なお、特図1又は特図2の何れの停止図柄パターンであるかを判別できるように、ステップS599で準備する飾り特図コマンドは区別するようにしている。
次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS601)。これにより、飾り特図コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に特図1に関連する飾り特図コマンドに対応した演出表示が行われることになる。ステップS601を経ると、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップS572)の詳細について、図39(b)により説明する。
特図2停止図柄設定処理は、特図2の停止図柄(図柄情報)の設定に係る処理を行うものである。
図39(b)に示すように、まず、特図2図柄乱数格納領域から特図2の停止図柄を決定するための乱数をロードし(ステップS611)、特図2図柄乱数格納領域を「0」クリアする(ステップS612)。次いで、小当り図柄テーブルを設定し(ステップS613)、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップS614)。この処理により0から49までの50通りの図柄番号の何れかの図柄番号が選出されることになる。
次いで、特図2小当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップS615)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップS616)。停止図柄パターンとは、一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図2を表示する特図2表示器での停止図柄を設定するためのものである
なお、一括表示装置50による1回の特図変動表示ゲームでは、特図1又は特図2の何れか1つしか変動しない(つまり、特図1及び特図2が同時変動しない)ので、停止図柄パターンを格納する領域は特図1及び特図2の何れも停止図柄パターン領域で共通になっており、同じ領域である(前述のステップS596と同様)。
次いで、停止図柄番号に対応する小当り動作判定情報を取得し、小当り動作判定情報領域にセーブする(ステップS617)。小当り動作判定情報は、2回開きの小当り動作を判定する情報である。
次いで、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得し、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップS618)。大入賞口開放情報は、16R大当り、3R当り、7R当りの何れの当り動作に対応して大入賞口(変動入賞装置35)の可動部材43a、43bを開放制御するかを判定する情報である。
次いで、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備し(ステップS619)、準備した飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブする(ステップS620)。なお、特図1又は特図2の何れの停止図柄パターンであるかを判別できるように、ステップS619で準備する飾り特図コマンドは区別するようにしている。
次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS621)。これにより、飾り特図コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に特図2に関連する飾り特図コマンドに対応した演出表示が行われることになる。ステップS611を経ると、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップS553、S573)の詳細について、図40により説明する。
変動パターン設定処理は、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定するものである。
なお、変動パターンは本実施例のような例に限らず、例えば特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定するように構成してもよい。
図40に示すように、変動パターン設定処理では、まず、変動グループアドレステーブルを設定する(ステップS631)。次いで、変動図柄判別フラグと停止図柄パターンに対応する変動パターン選択テーブルを取得し、準備する(ステップS632)。
次いで、対象の変動パターン乱数格納領域から乱数をロードし、準備する(ステップS633)。ロードした乱数(変動パターン乱数)は、特図1や特図2の変動パターンを抽選で決めるための乱数である。次いで、対象の変動パターン乱数格納領域を「0」クリアする(ステップS634)。
なお、変動パターン設定処理では、本実施例のフローのように、対象の変動パターン乱数格納領域からの乱数のロードと、対象の変動パターン乱数格納領域の「0」クリアとを別々に行ってもよいし、これに限らず、例えば交換命令を用いて一気に行うようにしてもよい。一気に行う場合には、例えばロードしたいレジスタを前もって「0」にセットしておき、互いを入れ替えるような処理を行うようにする。このような変形処理は、変動パターン設定処理におけるステップS633、S634の処理への適用に限らず、領域への情報のロードと、情報のクリアとがセットになっている処理に関して適用可能である。
次いで、2バイト振り分け処理を行う(ステップS635)。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数に基づいて変動パターン選択テーブルから特図変動表示ゲームの変動パターン番号を選択するための処理である。
次いで、振り分けられた結果得られた変動パターン番号を取得し、変動パターン番号領域にセーブする(ステップS636)。この処理により、特図1や特図2の変動パターンが変動パターン番号に基づいて設定されることになる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちか設定する変動パターン設定手段をなす。
ステップS636を経ると、変動パターン設定処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップS554、S574)の詳細について、図41により説明する。
変動開始情報設定処理は、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームにおける変動開始の情報を設定するものである。
図41に示すように、変動開始情報設定処理では、変動時間値テーブルを設定し(ステップS641)、変動パターン番号に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS642)。本実施例では、全部で40通りの変動パターンがある。
その後、変動パターン番号に対応する変動コマンドを準備し(ステップS643)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS644)。これにより、変動コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に特図1や特図2に関連する飾り特図の変動開始に対応した演出表示が行われることになる。
ステップS644を経ると、変動開始情報設定処理を終了する。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、特図2についての始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップS384)の詳細について、図42により説明する。
図42に示すように、特図変動中処理では、まず、処理番号として「3」を設定し(ステップS651)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「3」をセーブ)する(ステップS652)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「3」が選択され、特図表示中処理(ステップS385)に分岐することになる。
次いで、特図ゲーム処理タイマ領域に表示時間(例えば、100ms)をセーブする(ステップS653)。次いで、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS654)。これにより、特図1変動中信号がオフすることになる。また、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS655)。これにより、特図2変動中信号がオフすることになる。
次いで、特図1変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブし(ステップS566)、続いて、特図2変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブする(ステップS567)。ステップS567を経ると、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップS385)の詳細について、図43により説明する。
図43に示すように、特図表示中処理では、まず、飾り特図コマンド領域からコマンドをロードし、準備する(ステップS661)。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS662)。これにより、飾り特図コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に特図1や特図2に関連する飾り特図の表示中に対応した演出表示が行われることになる。
次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップS663)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS664)。これにより、小当りファンファーレコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当りファンファーレに関連する演出表示が行われることになる。
次いで、ストッパーソレノイド制御ポインタ領域に小当り動作の値をセーブし(ステップS665)、その後、ストッパーソレノイド制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS666)。
小当り動作の値とは、変動入賞装置35における可動部材43a、43bを2回続けて開放する動作を行うか、1回開放する動作を行うかを判定するために設定されるものである。
また、ストッパーソレノイド制御処理は、第1役物装置51におけるコウモリ部材53を上下に駆動するための役物ソレノイ204の制御を行って、ランプ報知等で遊技者に有利な情報(遊技球が第1役物装置51のブリッジ本体80を転がって地獄流入空間63に流入するのをコウモリ部材53を上方向に駆動して、阻止するタイミングを教えるような情報)を演出する処理等を行うものである。
ステップS665の処理により、小当り動作の値に応じてストッパーソレノイド制御ポインタが設定されるから、第1役物装置51におけるコウモリ部材53が上下に駆動されて、遊技者に有利なゲームが行われることになる。
次いで、小当り動作は2回開きであるか否かを判定する(ステップS667)。これは、小当りとしては1回開きや2回開きがあるが、そのような小当りが発生したとき、変動入賞装置35における可動部材43a、43bが2回続けて開放する動作を行うかどうかを判定するものである。
小当り動作は2回開きでなければ(ステップS667;NO)、特図当り中処理制御ポインタ領域に1回開きのスタート値をセーブする(ステップS668)とともに、特図当り中処理制御ポインタ上限値領域に1回開きの上限値をセーブする(ステップS669)。この場合、1回開きのスタート値としては「0」が設定され、上限値としても「0」が設定される。これにより、変動入賞装置35における可動部材43a、43bを1回開放する動作が行われることになる。ステップS669を経ると、ステップS670へ進む。
一方、小当り動作は2回開きであれば(ステップS667;YES)、特図当り中処理制御ポインタ領域に2回開きのスタート値をセーブする(ステップS671)とともに、特図当り中処理制御ポインタ上限値領域に2回開きの上限値をセーブする(ステップS672)。この場合、2回開きのスタート値としては「0」が設定され、上限値としては「2」が設定される。これにより、変動入賞装置35における可動部材43a、43bを2回続けて開放する動作が行われることになる。ステップS672を経ると、ステップS670へ進む。
ステップS670に進むと、特図1の変動中であるか否かを判定する。これは、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bへの遊技球の入賞に伴い、一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示する特図1表示器での特図変動が行われているかどうかを判定するものである。特図1の変動中であれば(ステップS679;YES)、特図1小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS673)、その後、ステップS674へ進む。
特図1小当りの開始に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオンの状態である。
・特別図柄1小当り信号をオン
・特別電動役物1作動中信号をオン
・条件装置作動領域1有効信号をオン
・役物連続作動装置作動領域1有効信号をオン
一方、特図1の変動中でなければ(ステップS670;NO)、特図2小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS675)、その後、ステップS674へ進む。
特図2小当りの開始に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオンの状態である。
・特別図柄2小当り信号をオン
・特別電動役物1作動中信号をオン
・条件装置作動領域1有効信号をオン
・役物連続作動装置作動領域1有効信号をオン
ステップS674へ進むと、小当り開放動作開始コマンドを準備し、続いて、演出コマンド設定処理を行う(ステップS676)。これにより、小当り開放動作開始コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当り開放動作の開始に関する演出表示が行われることになる。
次いで、処理番号として「4」を設定し(ステップS677)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「4」をセーブ)する(ステップS678)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「4」が選択され、小当り開放中処理(ステップS386)に分岐することになる。
次いで、小当り開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS679)。小当り開放時間としては、例えば400msに設定される。次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップS680)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド203がオンして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがそれぞれ小当り開放時間に対応して開放制御されることになる。
次いで、特定領域通過フラグ領域をクリアし(ステップS681)、大入賞口カウント数領域をクリアする(ステップS682)。これらは、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがそれぞれ小当り開放時間に対応して開放制御されることから、変動入賞装置35(大入賞口)への遊技球の入賞が予想されるので、予め、特別入賞領域69を遊技球が通過したことを検出する特定領域スイッチ111の出力に対応する特定領域通過フラグをクリアしておくとともに、大入賞口カウント数もクリアしておくものである。
次いで、役物回数信号制御タイマ領域に出力タイマ初期値(例えば、128ms)をセーブする(ステップS683)とともに、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップS684)。これらは、外部情報端子基板152へ出力する外部情報の各種出力データの1つとして役物回数信号を出力する期間を設定するとともに、小当りの動作中は大入賞口不正監視期間でないことから、不正監視期間を外すための処理を行うものである。ステップS684を経ると、特図表示中処理を終了する。
〔小当り開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り開放中処理(ステップS386)の詳細について、図44により説明する。
図44に示すように、小当り開放中処理では、まず、特図当り中制御ポインタをロードし、準備する(ステップS691)。次いで、ロードした特図当り中制御ポインタの値を小当り動作終了値と比較し、ロードした特図当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上であるか否かを判定する(ステップS692)。これは、ロードした特図当り中制御ポインタの値を小当り動作を終了させる上限値と比較し、それ以上になったかを判断するものである。
ロードした特図当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上でなければ(ステップS692;NO)、小当り動作移行設定処理を行う(ステップS693)。これにより、小当りのときには、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが一定時間開放制御されて、大入賞口(変動入賞装置35)へ遊技球が入賞する遊技が行われることになる。なお、変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放制御は、1回開きと2回開きがあるが、動作の詳細は後述する。
次いで、特図当り中制御ポインタを「+1」更新し(ステップS694)、特図当り中制御ポインタに対応する小当り動作中コマンドを準備し(ステップS695)、続いて、演出コマンド設定処理を行う(ステップS696)。これにより、小当り動作中コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当り動作中であることに対応した演出表示が行われることになる。ステップS696を経ると、小当り開放中処理を終了する。
一方、ロードした特図当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上であれば(ステップS692;YES)、ステップS697に分岐し、処理番号として「5」を設定し(ステップS697)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「5」をセーブ)する(ステップS698)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「5」が選択され、小当り残存球中処理(ステップS387)に分岐することになる。
次いで、小当り大入賞口閉鎖のコマンドを準備し(ステップS699)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS700)。これにより、小当り大入賞口閉鎖のコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当りでの大入賞口閉鎖に対応した演出表示が行われることになる。ステップS700を経ると、小当り開放中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り開放中処理における小当り動作移行設定処理(ステップS693)の詳細について、図45により説明する。
図45に示すように、小当り動作移行設定処理では、まず、特図当り中制御ポインタによる分岐判定を行う(ステップS711)。この分岐判定では、特図当り中制御ポインタが「0」又は「1」で分岐先が異なる。
すなわち、特図当り中制御ポインタが「0」であれば、ステップS712に分岐し、ウエイト時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS712)。ウエイト時間は小当り時に変動入賞装置35の可動部材43a、43bが2回開きを行うときの1回目の開放と、2回目の開放との間における間隔の期間であり、ウエイト時間としては、例えば1000msに設定される(図46参照)。次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブする(ステップS713)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド203がオフして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖制御されることになる。ステップS713を経ると、小当り動作移行設定処理を終了する。
一方、特図当り中制御ポインタが「1」であれば、ステップS714に分岐し、小当り開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS715)。小当り開放時間は小当り時に変動入賞装置35の可動部材43a、43bを開放している期間であり、、小当り開放時間としては、例えば400msに設定される(図46参照)。次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップS715)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド203がオンして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放制御されることになる。
次いで、役物回数信号制御タイマ領域に出力タイマ初期値(例えば、128ms)をセーブする(ステップS716)。これは、外部情報端子基板152へ出力する外部情報の各種出力データの1つとして役物回数信号を出力する期間を設定するとともに、小当りの動作中は大入賞口不正監視期間でないことから、不正監視期間を外すための処理を行うものである。ステップS716を経ると、小当り動作移行設定処理を終了する。
〔小当り動作のタイミングチャート〕
次に、小当り動作の具体例につき、図46に示す小当り動作のタイミングチャートを参照して説明する。
図46において、小当り動作では変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合と、2回開放動作する場合とがある。図46(a)は可動部材43a、43bが1回開放動作する場合であり、図46(b)は可動部材43a、43bが2回開放動作する場合である。
まず、図46(a)に示すように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは400ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが400msの間だけ開放状態となり、この期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の小当り動作が行われる。また、演出状態を表示する情報表示器45には予め1回開放の作動があることを報知する表示時間(ここでは100ms)が設けられている。
可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖する時点で、特図当り中制御ポインタ=0になる。そして、可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖したタイミングから小当り残存球時間が始まり、小当り残存球時間は「1900ms+α」という期間になる。「α」という期間は変動入賞装置35から遊技球が抜け切るまで継続するものであり、例えば変動入賞装置35に内部に残存球が存在すると、当該残存球が変動入賞装置35から遊技球が抜け切るまで継続することになる。したがって、「α」なる期間は一定期間ではなく、変動入賞装置35から遊技球が抜け切るまで継続する可変的な期間である。
次いで、小当り残存球時間としての「1900ms+α」が経過すると、その経過タイミングから小当りエンディング時間が所定時間(ここでは100ms)だけ存在するような動作が行われる。小当りエンディング時間は、例えば情報表示器45に小当りのエンディングであることを報知するような演出表示が行われる期間である。
遊技者の視線で観察すると、可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖したタイミングから小当り残存球時間「1900ms+α」が始まり、その後、切れ目なく小当りエンディング時間(100ms)が続くので、見た目のエンディング期間は小当り残存球時間「1900ms+α」と、小当りエンディング時間(100ms)を加えた連続した期間、すなわち、2000msとなる。
次に、図46(b)に示すように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが2回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは400ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が2回繰り返して行われる。この場合、可動部材43a、43bの1回目の開放期間は例えば400msであり、続いて、400ms経過後に可動部材43a、43bが閉鎖し、その後、所定のウエイト時間(1000ms)がインターバル期間として設けられ、この期間では可動部材43a、43bは閉鎖を継続し、所定のウエイト時間が終了すると同時に、可動部材43a、43bの2回目の開放動作が行われる。2回目の可動部材43a、43bの開放期間も例えば400mである。したがって、2回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが400msの間だけ開放状態となり動作が所定のウエイト時間を挟んで2回行われることになる。そして、この2回開放動作が行われる期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の小当り動作が行われる。また、演出状態を表示する情報表示器45には予め2回開放の作動があることを報知する表示時間(ここでは100ms)が設けられている。
上記のような2回開放動作の場合、可動部材43a、43bが最初の1回開放した後に閉鎖する時点で、特図当り中制御ポインタ=0になる。そして、可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖したタイミングから所定のウエイト時間(1000ms)となり、所定のウエイト時間が終了すると同時に、可動部材43a、43bの2回目の開放動作が開始される。このとき、可動部材43a、43bが2回目に開放を開始する時点で、特図当り中制御ポインタ=1になる。
その後、可動部材43a、43bの2回目の開放期間が経過して閉鎖したタイミングから小当り残存球時間が始まり、小当り残存球時間は「1900ms+α」という期間になる。「α」という期間は変動入賞装置35から遊技球が抜け切るまで継続するものであり、これは上述した1回開放動作の場合と同様の性質を有するものである。
次いで、小当り残存球時間としての「1900ms+α」が経過すると、その経過タイミングから小当りエンディング時間が所定時間(ここでは100ms)だけ存在するような動作が行われる。小当りエンディング時間は、例えば情報表示器45に小当りのエンディングであることを報知するような演出表示が行われる期間である。
2回開放の動作の場合も同様に、遊技者の視線で観察すると、可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖したタイミングから小当り残存球時間「1900ms+α」が始まり、その後、切れ目なく小当りエンディング時間(100ms)が続くので、見た目のエンディング期間は小当り残存球時間「1900ms+α」と、小当りエンディング時間(100ms)を加えた連続した期間、すなわち、2000msとなる。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップS387)の詳細について、図47により説明する。
図47に示すように、小当り残存球処理では、まず、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップS721)、残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS721;NO)、小当り残存球処理を終了する。
一方、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS721;YES)、変動入賞装置35の内部に残存球が存在しないと判断し、ストッパーソレノイド制御ポインタ領域に停止動作の値をセーブする(ステップS722)。次いで、ストッパーソレノイド制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS723)。これにより、変動入賞装置35の内部に残存球が存在しないとき、ストッパーソレノイド動作が停止されるとともに、ストッパーソレノイド制御が終了することになる。
次いで、小当りエンディングコマンドを準備し(ステップS724)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS725)。これにより、小当りエンディングコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当りエンディングであることに対応した演出表示が行われることになる。
次いで、処理番号として「6」を設定し(ステップS726)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「6」をセーブ)する(ステップS727)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「6」が選択され、小当り終了処理(ステップS388)に分岐することになる。
次いで、小当りエンディング時間(例えば、0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS728)、大入賞口カウント数領域をクリアする(ステップS729)。これは、小当り動作の終了に伴い、小当りエンディング時間を設定してエンディングの演出を行うとともに、大入賞口(変動入賞装置35)への遊技球の入賞のカウント数をクリアして、次回の当り(大当り、小当りの双方を含む)動作に備えるものである。次いで、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS730)。
小当り動作の終了に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオフの状態である。
・特別図柄1小当り信号をオフ
・特別図柄2小当り信号をオフ
・条件装置作動領域1有効信号をオフ
・役物連続作動装置作動領域1有効信号をオフ
ステップS730を経ると、小当り残存球処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップS388)の詳細について、図48により説明する。
図48に示すように、小当り終了処理では、まず、特定領域通過ありか否かを判定する(ステップS741)。これは、変動入賞装置35の内部に特別入賞領域69を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ111が配置されており、特別入賞領域69を遊技球が通過したことを特定領域スイッチ111が検出すると、V入賞として大当りの抽選が行われる構成であるので、特定領域スイッチ111を遊技球が通過したかどうかを判定するものである。
遊技球の特定領域通過がなければ(ステップS741;NO)、ステップS755に分岐し、処理番号として「1」を設定し(ステップS755)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「1」をセーブ)する(ステップS756)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「1」が選択され、特図普段処理(ステップS383)に分岐することになる。
次いで、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS757)。
小当りの終了に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオフの状態である。
・特別図柄1小当り信号をオフ
・特別図柄2小当り信号をオフ
次いで、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップS758)、小当り終了処理を終了する。
一方、遊技球の特定領域通過があれば(ステップS741;YES)、飾り特図コマンド領域からコマンドをロードし、準備する(ステップS742)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS743)。これにより、飾り特図コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に飾り特図コマンド(例えば、大当りの発生を演出する飾り特図コマンド)に対応した演出表示が行われることになる。
次いで、大当りファンファーレコマンドを準備し(ステップS744)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS743)。これにより、大当りファンファーレコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に大当りファンファーレコマンドに対応した演出表示(例えば、大当りをファンファーで報知する演出表示)が行われることになる。
次いで、大入賞口開放情報に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップS746)。これにより、大入賞口開放情報などパチンコ機1に関する情報を外部情報信号(図4に示す外部情報)として外部情報端子板55へ出力することになる。
大入賞口開放情報に対応する信号としては、以下のものがあり、何れもオンの状態である。
・全大当りで「大当り信号1」をオン
・16R大当りで「大当り信号2」をオン
次いで、処理番号として「7」を設定し(ステップS747)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「7」をセーブ)する(ステップS748)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「7」が選択され、ファンファー/インターバル中処理(ステップS389)に分岐することになる。
次いで、大当りファンファーレ時間(例えば、15秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS749)、特定領域通過フラグ領域をクリアする(ステップS750)。次いで、大当りに開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS751)。
大当りに開始に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオンの状態である。
・条件装置作動中信号をオン
・役物連続作動装置作動中信号をオン
次いで、ラウンド数領域に初期値(例えば、「1」)をセーブする(ステップS752)。これは、大当りのラウンド回数をカウントするためである。次いで、遊技状態表示番号領域に大当り中の番号をセーブする(ステップS753)。次いで、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップS754)、小当り終了処理を終了する。
〔ファンファー/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファー/インターバル中処理(ステップS389)の詳細について、図49により説明する。
図49に示すように、ファンファー/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップS761)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップS762)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS763)。これにより、ラウンドコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45にラウンドコマンドに対応した演出表示(例えば、特別遊技状態のラウンド数を報知する演出表示)が行われることになる。
次いで、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間値を設定する(ステップS764)。大入賞口開放時間値は、後述の図52で説明するように、例えば800msや200msである。次いで、大入賞口開放時間値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS765)とともに、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する制御ポインタのスタート値と上限値をセーブする(ステップS766)。例えば、大当り遊技の態様として、例えばフル開放を行う場合はスタート値として20、上限値として54が、ランクアップ開放を行う場合はスタート値として2、上限値として54が、ショート開放を行う場合はスタート値として0、上限値として0が、セットされる。フル開放、ランクアップ開放、ショート開放の詳細については後述する。
なお、大入賞口開放と制御ポインタの具体例は、図52で後述する。
次いで、特図当り中制御ポインタ領域にスタート値をセーブする(ステップS767)とともに、特図当り中制御ポインタ上限値領域に上限値をセーブする(ステップS767)。次いで、ストッパーソレノイド制御ポインタ領域に大当り動作の値をセーブする(ステップS769)とともに、ストッパーソレノイド制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS770)。これにより、ストッパーソレノイド制御ポインタが大当り動作の値になったとき(つまり、大当り動作が開始されたとき)、ストッパーソレノイド動作が変更されて、大当り動作中のストッパーソレノイド制御が開始されることになる。
次いで、処理番号として「8」を設定し(ステップS771)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「8」をセーブ)する(ステップS772)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「8」が選択され、大入賞口開放中処理(ステップS390)に分岐することになる。
次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップS773)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド203がオンして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがそれぞれ大当り開放時間に対応して開放制御されることになる。
次いで、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップS775)。これは、大当りの動作中は大入賞口不正監視期間でないことから、不正監視期間を外すための処理を行うものである。次いで、大入賞口開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS776)。
大入賞口開放開始に関する信号としては、以下のものがあり、オンの状態である。
・特別電動役物1作動中信号をオン
ステップS776を経ると、ファンファー/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップS390)の詳細について、図50により説明する。
図50に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、特図当り中制御ポインタをロードし、準備する(ステップS781)。次いで、ロードした特図当り中制御ポインタの値を大当り動作終了値と比較し、ロードした特図当り中制御ポインタの値が大当り動作終了値以上であるか否かを判定する(ステップS782)。これは、ロードした特図当り中制御ポインタの値を大当り動作を終了させる上限値と比較し、それ以上になったかを判断するものである。
ロードした特図当り中制御ポインタの値が大当り動作終了値以上でなければ(ステップS782;NO)、特図当り中制御ポインタを「+1」更新し(ステップS783)、大当り動作移行設定処理を行う(ステップS784)。これは、特図当り中制御ポインタの値が大当り動作を終了させる上限値以上でないことから、特図当り中制御ポインタの値に応じて各種態様の大当り動作を行わせるものである(詳細は後述)。ステップS784を経ると、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、ロードした特図当り中制御ポインタの値が大当り動作終了値以上であれば(ステップS782;YES)、ステップS785に分岐し、大当りの最終ラウンドであるか否かを判定する。大当りの最終ラウンドでなければ(ステップS785;NO)、最終ラウンド以外用の残存球処理時間(例えば、796ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS786)。次いで、インターバルコマンドを準備し(ステップS787)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS788)。これにより、インターバルコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45にインターバルコマンドに対応した演出表示(例えば、ラウンド間のインターバルを報知するような演出表示)が行われることになる。
ステップS788を経ると、ステップS789へ進む。
また、ステップS785で大当りの最終ラウンドであれば(ステップS785;YES)、ステップS790に分岐する。そして、最終ラウンド用の残存球処理時間(例えば、1900ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS790)。次いで、大当りエンディングコマンドを準備し(ステップS791)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS791)。これにより、大当りエンディングコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に大当りエンディングコマンドに対応した演出表示(例えば、大当りのエンディングを報知するような演出表示)が行われることになる。
ステップS792を経ると、ステップS789へ進む。
ステップS788やステップS792からステップS789へ進むと、ストッパーソレノイド制御ポインタ領域に停止動作の値をセーブする(ステップS789)とともに、ストッパーソレノイド制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS793)。これにより、ストッパーソレノイド制御ポインタが停止動作の値になったとき(つまり、大当り動作が終了したとき)、ストッパーソレノイド動作が変更されて、ストッパーソレノイド制御が終了することになる。
次いで、処理番号として「9」を設定し(ステップS794)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「9」をセーブ)する(ステップS795)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「9」が選択され、大入賞口残存球処理(ステップS391)に分岐することになる。
次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブする(ステップS796)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド203がオフして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがそれぞれ停止制御されることになる。ステップS796を経ると、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大当り動作移行設定処理〕
次に、上述の大入賞口開放中処理における大当り動作移行設定処理(ステップS390)の詳細について、図51により説明する。
図51に示すように、大当り動作移行設定処理では、まず、特図当り中制御ポインタによる分岐判定を行う(ステップS801)。この分岐判定では、特図当り中制御ポインタが「偶数」又は「奇数」で分岐先が異なる他、「奇数」のうちでも特図当り中制御ポインタが「3乃至17までの奇数」と「19乃至53までの奇数」とでも分岐先が異なる。
すなわち、特図当り中制御ポインタが「偶数」であれば、ステップS802に分岐し、ウエイト時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS802)。ウエイト時間は大当り時に変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放動作をするときの今回の開放と、次回の開放との間における間隔の期間であり、ウエイト時間としては、例えば800msに設定される(図52参照)。
次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブする(ステップS803)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド203がオフして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖制御されることになる。ステップS803を経ると、大当り動作移行設定処理を終了する。
一方、特図当り中制御ポインタが「奇数」であれば、「奇数」の範囲により分岐先が異なる。すなわち、「奇数」のうちでも特図当り中制御ポインタが「3乃至17までの奇数」であれば、ステップS804に分岐し、大当りランクアップ開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS804)。
大当りランクアップ開放時間は、大当り時に変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放制御されてラウンド遊技が複数回行われていくが、途中の所定のラウンド遊技の最中に、突然、16R大当りに昇格していくような演出が行われて、いわゆる16R大当りランクアップのゲームになる場合における変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放動作している期間(つまり、1ラウンド遊技での開放動作期間)のことである。本実施例では大当りランクアップ開放時間は、例えば200msに設定される(図52参照)。
大当りランクアップ開放動作は、具体的には、16R大当りのうち、7R当りに見せかけた当りの場合には8ラウンド目(初回ラウンドは除くので実質的に大当りの7ラウンド目)に行われ、3R当りに見せかけた当りの場合には4ラウンド目(実質的に大当りの3ラウンド目)に行われる。
次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップS805)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド203がオンして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがステップS804で設定された大当りランクアップ開放時間に基づいて開放制御されることになる。ステップS805を経ると、大当り動作移行設定処理を終了する。
一方、「奇数」のうちでも特図当り中制御ポインタが「19乃至53までの奇数」であれば、ステップS806に分岐し、大当りフル開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS804)。
大当りフル開放時間は、16R大当りのうちの上述した大当りランクアップ開放動作に該当しない全てのラウンド、7R当りのうちの7ラウンドまで、3R当りのうちの3ラウンドまでフル開放によるラウンド遊技が続く場合における変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放動作している期間(つまり、1ラウンド遊技での開放動作期間)のことである。ステップS806では大当りフル開放時間は、例えば800msに設定される(図52参照)。
次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップS807)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド203がオンして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがステップS806で設定された大当りランクアップ開放時間に基づいて開放制御されることになる。ステップS807を経ると、大当り動作移行設定処理を終了する。
〔大当り動作のタイミングチャート〕
次に、大当り動作の具体例につき、図52に示す大当り動作のタイミングチャートを参照して説明する。
図52において、大当り動作では以下のラウンド態様がある。
・フル開放
16R大当りのうちの上述した大当りランクアップ開放動作に該当しない全てのラウンドで変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放制御される遊技態様である。
・ランクアップ開放
16R大当りのうち、7R当りに見せかけた当りの場合には8ラウンド目(初回ラウンドは除くので実質的に大当りの7ラウンド目)、3R当りに見せかけた当りの場合には4ラウンド目(実質的に大当りの3ラウンド目)に行われる遊技態様である。したがって、特定のラウンド遊技の最中(特定のラウンド中)に、突然、16R大当りに昇格していくような演出が行われて、いわゆる16R大当りランクアップのゲームになる。
・ショート開放
7R当りの場合の8〜16ラウンド、3R当りの場合の4〜16ラウンドで行われる遊技態様であり、変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放時間が短く、実質上、出玉の無いラウンドに相当するものである。なお、16R大当りの場合にはこのようなショート開放は含まれていない。
フル開放は図52(a)に示すように、大当りの1ラウンドの動作として、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは800ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。
したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが800msの間だけ開放状態となり、この期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の大当り動作が行われる。次の開放遊技まで可動部材43a、43bが閉鎖している閉鎖期間(800ms)が設けられている。
そして、上記のような可動部材43a、43bの開放・閉鎖制御が1ラウンド全体で18回繰り返して行われ、この18回の開放・閉鎖制御が1ラウンドとして構成されている。すなわち、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが(800msオン+800msオフ)×18回=1ラウンド遊技という形態である。
なお、16R大当りでは、大当りを発生させる初回の遊技は大当りラウンドの出玉のある遊技には該当しないので、実質的に出玉のあるラウンドは15Rとなる。
フル開放の大当りでは、上記のような1ラウンド遊技が実行される。そして、各ラウンドの最終回で変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖になると、図52(a)に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、大当り残存球時間は「796ms」という期間になる。
なお、この場合の残存球時間(796ms)は短く、仮に変動入賞装置35の内部に残存球が存在していたとしても、次のラウンド遊技に移行する。次のラウンド遊技の実行中に、当該残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出る可能性が高いからである。
次いで、次のラウンド遊技に移行するまでの期間は、インターバル期間(例えば、1204ms)となる。
このようにして、フル開放の大当りでは上記のような1ラウンド遊技が15ラウンドまで繰り返して実行され、15ラウンド遊技の最終回で変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖になると、図52(a)に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、この場合のみ大当り残存球時間は「1900ms」という期間になり、長めの時間に設定される。これは、15ラウンド遊技の最終回での残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出るまで、やや長い時間を要するからである。そして、この残存球時間(「1900ms」が経過すると、大当り終了動作へ移行する。
次に、ランクアップ開放は図52(b)に示すように、16R大当りランクアップ(昇格)する前のラウンド遊技では、上述のフル開放が行われる。
次いで、大当りのラウンド遊技の途中の特定のラウンド遊技の最中(特定のラウンド中)に、突然、16R大当りに昇格していくような演出が行われて、いわゆる16R大当りランクアップのゲーム(ランクアップ開放)に移行する。
ランクアップ開放のラウンド遊技では、大当りの1ラウンドの前半動作として、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは200ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。
したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが200msの間だけ開放状態となるが、実際上は、この期間内に変動入賞装置35へ遊技球が入賞するのはやや難しい状況であるという態様の大当り動作が行われる。また、次の開放遊技まで可動部材43a、43bが閉鎖している閉鎖期間(800ms)が設けられている。
そして、上記のような可動部材43a、43bの開放・閉鎖制御が1ラウンドの前半で9回繰り返して行われる。
次いで、大当りの1ラウンドの後半動作としては、上述したフル開放と同様の動作が行われる。すなわち、大当りの1ラウンドの後半動作では、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合に、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは800ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。
したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが800msの間だけ開放状態となり、この期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の大当り動作が行われる。次の開放遊技まで可動部材43a、43bが閉鎖している閉鎖期間(800ms)が設けられている。
そして、上記のような可動部材43a、43bの開放・閉鎖制御が1ラウンドの後半で18回繰り返して行われる。
よって、1ラウンド全体では、9回の1ラウンドの前半と、18回の1ラウンドの後半を合算した27回の開放・閉鎖制御を含むラウンド遊技の形態となる。この場合、前半と後半を足した27回の開放・閉鎖制御が1ラウンドとして構成され、このラウンドがランクアップのゲームを行う特定のラウンドに相当している。そして、この特定のラウンド遊技の最中(特定のラウンド中)に、突然、18回の1ラウンドの後半を加算する遊技形態が16R大当りに昇格していくような演出に相当し、これがいわゆる16R大当りランクアップのゲーム(ランクアップ開放)に相当している。
したがって、ランクアップのゲームでは、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1ラウンドの前半では(200msオン+800msオフ)×9回=1ラウンド前半という形態であり、1ラウンドの後半では(800msオン+800msオフ)×18回=1ラウンド後半という形態で、全体として27回の可動部材43a、43bの開閉制御になる。
次いで、次回のラウンド遊技に移行すると、既にランクアップして16R大当りに昇格したのであるから、次回からは前述したようなフル開放と同様のラウンド遊技が行われることになり、ランクアップ前のラウンド数とランクアップ後のラウンド数を合わせた全体のラウンド数が16となるような大当り遊技が行われることになる。
また、上記のようなランクアップ開放においても、各ラウンドの最終回で変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖になると、図52(b)に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、大当り残存球時間は「796ms」という期間になる。この場合の残存球時間(796ms)は短く、仮に変動入賞装置35の内部に残存球が存在していたとしても、次のラウンド遊技に移行する。次のラウンド遊技の実行中に、当該残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出る可能性が高いからである。
次いで、次のラウンド遊技に移行するまでの期間は、インターバル期間(例えば、1204ms)となる。
このようにして、ランクアップ開放の大当りでは上記のように、ランクアップ後の大当り遊技は最終の15ラウンドまで繰り返して実行され、15ラウンド遊技の最終回で変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖になると、図52(b)に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、この場合のみ大当り残存球時間は「1900ms」という期間になり、長めの時間に設定される。これは、15ラウンド遊技の最終回での残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出るまで、やや長い時間を要するからである。そして、この残存球時間(「1900ms」が経過すると、大当り終了動作へ移行する。
次に、ショート開放は図52(c)に示すように、フル開放の場合と異なり、大当りの最初の1ラウンドの動作として、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは200ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。
したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが200msの間だけ開放状態となるが、実際上は、この期間内に変動入賞装置35へ遊技球が入賞するのはやや難しい状況であるという態様の大当り動作が行われる。
そして、上記のように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放・閉鎖動作をした後は、図52(c)に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、大当り残存球時間は「796ms」という期間になる。
なお、この場合の残存球時間(796ms)は短く、仮に変動入賞装置35の内部に残存球が存在していたとしても、次のラウンド遊技に移行する。次のラウンド遊技の実行中に、当該残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出る可能性が高いからである。
次いで、次のラウンド遊技に移行するまでの期間は、インターバル期間(例えば、4ms)となり、ここでのインターバル期間は極めて短くなる。
また、ショート開放の大当りでは上記のような1ラウンド遊技が所定ラウンドから最終ラウンドまで繰り返して実行され、最後のラウンド遊技の最終回で変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖になると、図52(c)に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、この場合のみ大当り残存球時間は「1900ms」という期間になり、長めの時間に設定される。これは、最後のラウンド遊技の最終回での残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出るまで、やや長い時間を要するからである。そして、この残存球時間(「1900ms」が経過すると、大当り終了動作へ移行する。
このように、ショート開放は7R当りでの8ラウンド以降、3R当りでの4ラウンド以降のラウンドで使用され、変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放時間が短く、実質上、出玉の無いラウンドに相当することになる。
なお、7R当りの8ラウンド以降、3R当りの4ラウンド以降がショート開放となり、実質上、出玉の無いラウンドが上記の8ラウンド以降、4ラウンド以降に行われる。
また、7R当りの場合には上述のフル開放を7ラウンドまで行い、その後のラウンド(8ラウンドから16ラウンドまで)はショート開放の動作が行われる。同様に、3R当りの場合には上述のフル開放を3ラウンドまで行い、その後のラウンド(4ラウンドから16ラウンドまで)はショート開放の動作が行われる。
したがって、7R当りや3R当りの場合には、フル開放が途中のラウンドまで行われ、その後はショート開放のラウンドに移行するので、遊技者は大当り動作が(実質的に)終わりだと認識してしまうことになる。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップS391)の詳細について、図53により説明する。
図53に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、大当り遊技の最終ラウンド(例えば、16R大当りであれば、16ラウンドのこと)であるか否かを判定し(ステップS811)、大当り遊技の最終ラウンドでなければ(ステップS811;NO)、大入賞口動作判定テーブルを設定する(ステップS812)。次いで、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するインターバル時間を設定する(ステップS813)。ステップS811、S812の設定により、次のラウンド遊技の内容が決定されることになる。
次いで、処理番号として「7」を設定し(ステップS815)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「7」をセーブ)する(ステップS816)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「7」が選択され、ファンファーレ/インターバル中処理(ステップS389)に分岐することになる。
次いで、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS817)。
大入賞口開放終了に開始に関する信号としては、以下のものがあり、オフの状態である。
・特別電動役物1作動中信号をオフ
ステップS187を経ると、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、大当り遊技の最終ラウンドであれば(ステップS811;YES)、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS818)。残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS818;NO)、変動入賞装置35の内部に未だ残存球が存在するので、大当り終了処理(ステップS392)には移行せず、大入賞口残存球処理を終了する。そして、ルーチンを繰り返して、残存球カウンタが「0」になると(ステップS818;YES)、残存球が無しになったので、処理番号として「10」を設定し(ステップS819)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「10」をセーブ)する(ステップS820)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「10」が選択され、大当り終了処理(ステップS392)に分岐することになる。
次いで、大当りエンディング時間(例えば、610ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS821)、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS822)。
大入賞口開放終了に関する信号としては、以下のものがあり、オフの状態である。
・特別電動役物1作動中信号をオフ
次いで、大入賞口カウント数領域をクリアする(ステップS823)。これは、大当り動作の終了に伴い、大当りエンディング時間を設定してエンディングの演出を行うとともに、大入賞口(変動入賞装置35)への遊技球の入賞のカウント数をクリアして、次回の当り(大当り、小当りの双方を含む)動作に備えるものである。次いで、ラウンド数領域をクリアする(ステップS824)。次いで、大入賞口開放情報領域をクリアする(ステップS825)とともに、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(826)。これは、大当りの動作が終了して、再び、大入賞口不正監視期間となるので、不正監視期間に戻すための処理を行うものである。ステップS8260を経ると、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップS392)の詳細について、図54により説明する。
図55に示すように、大当り終了処理では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップS831)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「1」をセーブ)する(ステップS832)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「1」が選択され、特図普段処理(ステップS383)に分岐することになる
次いで、遊技状態表示番号領域に通常中の番号をセーブする(ステップS833)。次いで、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップS834)。これにより、大当りの終了に関する信号などパチンコ機1に関する情報を外部情報信号(図4に示す外部情報)として外部情報端子板55へ出力することになる。
大当りの終了に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオフの状態である。
・大当り1信号をオフ
・大当り2信号をオフ
次いで、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS835)。
大当りの終了に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオフの状態である。
・条件装置作動中信号をオフ
・役物連続作動装置作動中信号をオフ
ステップS835を経ると、大当り終了処理を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、上述の特図2始動口スイッチ処理におけるコマンド設定処理(ステップS458)や特定領域スイッチ監視処理におけるコマンド設定処理(ステップS516)等を含むその他の各処理におけるコマンド設定処理を図55により説明する。なお、このコマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理におけるコマンド設定処理に共通する処理である。
このコマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップS841)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるか否かを判定する(ステップS842)。演出用シリアル送信バッファが満杯であれば(ステップS842;YES)、ステップS841に戻ってル−プを繰り返す。これにより、演出用シリアル送信バッファが満杯でなくなるまで待つことになる。
一方、演出用シリアル送信バッファが満杯でなければ(ステップS842;NO)、ステップS843に進んでコマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファに書き込み(ステップS843)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップS844)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるか否かを判定する(ステップS845)。演出用シリアル送信バッファが満杯であれば(ステップS845;YES)、ステップS844に戻ってル−プを繰り返す。これにより、演出用シリアル送信バッファが満杯でなくなるまで待つことになる。
一方、演出用シリアル送信バッファが満杯でなければ(ステップS845;NO)、ステップS846に進んでコマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファに書き込む。ステップS846を経ると、演出コマンド設定処理を終了する。
このように、演出制御装置300に対してはシリアル通信でコマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置100の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置300においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。なお、払出制御装置200へもシリアル通信によりコマンドを送信するようにしても良い。
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップS394)の詳細について、図56により説明する。
図56に示すように、図柄変動制御処理では、まず、ステップS851で対象の図柄の変動制御フラグ(下記の(イ)から読みだす)が変動中か否かをチェックする。
ここで、予め準備されている変動制御テーブル上に定義されている情報は、以下の通りである。
(イ)変動制御フラグ゛領域のアドレス
(ロ)図柄表示テーブル(変動用)のアドレス
(ハ)図柄表示テーブル(停止用)のアドレス
また、図柄表示テーブル(変動用)上に定義されている情報は、以下の通りである。
(ニ)変動図柄番号領域のアドレス
(ホ)表示データ(変動図柄番号の数分ある)
(ヘ)セグメント領域のアドレス
さらに、図柄表示テーブル(停止用)上に定義されている情報は、以下の通りである。
(ト)停止図柄番号領域のアドレス
(チ)表示データ(停止図柄番号の数分ある)
(リ)セグメント領域のアドレス
ステップS851のチェック結果はステップS852で判定し、変動中であれば(YES)、ステップS853に進んで、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)(上記の(ロ))を取得する。次いで、ステップS854で対象の点滅変動タイマを「−1」更新し、タイムアップしたか(点滅変動タイマ=0か)否かをチェックする。ステップS854のチェック結果はステップS855で判定し、タイムアップしていなければ(NO)、ステップS858にジャンプして、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データ(上記の(ホ)、(チ))を取得する。
次いで、ステップS859に進み、取得した表示データを対象のセグメント領域(上記の(ヘ)、(リ))にセーブして、ルーチンを終了する。
したがって、このときは対象の図柄の変動タイマがタイムアップしないので、変動用の図柄番号に対応する図柄の表示データが対象のセグメント領域にセーブされて、ルーチンが繰り返されることになる。
一方、上記ステップS855で対象の点滅変動タイマがタイムアップしたと判定(YES)すると、ステップS856に進んで、点滅制御タイマ初期値(例えば、100ms)を対象の点滅制御タイマ領域にセーブする。次いで、ステッS857で対象の変動図柄番号(上記の(ニ))を「+1」更新した後、ステップS858に進み、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データ(上記の(ホ)、(チ))を取得する。次いで、ステップS859に進み、取得した表示データを対象のセグメント領域(上記の(ヘ)、(リ))にセーブして、ルーチンを終了する。
したがって、このときは対象の点滅変動タイマがタイムアップしたことにより、点滅制御タイマ初期値がセーブされて、対象の変動図柄番号が更新され、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データが対象のセグメント領域にセーブされることになる。
一方、上記ステップS852で対象の図柄の変動制御フラグが変動中でなく停止中であれば(NO)、ステップS860に分岐して、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)(上記の(ハ))を取得し、次いで、ステップS861で対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し、次いで、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブ(ステップS859)してルーチンを終了する。
したがって、このときは対象の図柄の変動制御フラグが変動中から停止したことにより、停止用の図柄表示データが対象のセグメント領域にセーブされることになる。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップS635)の詳細について、図57により説明する。
振り分け処理は、変動パターン乱数に基づいて、特図1変動パターン選択テーブルや特図2変動パターン選択テーブル等の選択テーブルから特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための処理である。
図57は、振り分けに使用する乱数のサイズが2バイトである場合における2バイト振り分け処理のフローチャートである。2バイトのデータとしては、例えば「0」から「49999」まである。
このルーチンが開始されると、まずステップS881で対象の選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしコードか否かをチェックする。
ここで、選択テーブルは少なくとも一の変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しており、例えば振り分けの必要がなければ、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである(ステップS882;YES)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップS887)、振り分け処理を終了する。
一方、ステップS882にて、選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない(ステップS882;NO)と判定すると、選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップS883)。
続けて、ステップS881にてチェックした乱数値(例えば、変動パターン乱数の値)からステップS883にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(ステップS884)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップS885)。
ここで、新たな乱数値が「0」よりも小さくない(ステップS885;NO)と判定すると、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップS886)、処理をステップS883に戻ってループを繰り返す。
すなわち、ステップS883にて、選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップS884において判定済みの新たな乱数値を乱数値として振り分け値を減算することで、新たな乱数値を算出する(ステップS884)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップS885)。
上記の処理をステップS885にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップS885;YES)と判定するまでループを繰り返して実行する。これにより、選択テーブルに規定されている少なくとも一の変動パターングループの中から何れか一の変動パターングループを選択する。
そして、ステップS885にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップS885;YES)と判定すると、処理をステップS887に移行して、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップS887)、振り分け処理を終了する。
このように、例えば変動パターン乱数は、特図変動表示ゲームにてリーチ状態を発生させるか否かの決定、及び、当該リーチ状態が発生する場合の特図変動表示ゲームにおけるリーチ変動態様の決定に係るものであり、上記の選択テーブルは、特図1変動パターン選択テーブルや特図2変動パターン選択テーブル等の変動グループ選択テーブルに相当するものである。
そして、特図1変動パターン選択テーブルや特図2変動パターン選択テーブル等の選択テーブルは、特図変動表示ゲームにおけるリーチ状態の発生の有無や当該リーチ状態が発生する場合の特図変動表示ゲームにおけるリーチの種類(リーチ変動態様)に応じて、複数種類の後半変動パターングループが規定されており、当該変動グループ選択テーブルを記憶するROM171Bは、特図変動表示ゲームにおける第1特図、第2特図(識別情報)の変動態様として、リーチ状態の発生しないリーチなし変動態様並びに複数種類のリーチ変動態様の各々の設定に係る複数の変動振り分け情報(変動パターングループ)とそれぞれの振り分け値とを所定の順序で対応付けて記憶している。
したがって、この振り分け処理を実行することにより、選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない場合には、選択テーブルに記憶されている振り分け値及び当該判定に係る乱数値に基づいて、新たな乱数値を算出し、新たな乱数値が所定値「0」未満であるか否かを判定する処理を繰り返すことで、複数の変動パターングループのうち、何れか一の変動パターングループを速やかに設定することができるようにしている。
〔ストッパーソレノイド制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるストッパーソレノイド制御処理(ステップS397)の詳細について、図58により説明する。
図58に示すように、ストッパーソレノイド制御処理では、まず、ストッパーソレノイド制御ポインタが変更なしコードであるか否かを判定する(ステップS891)。ストッパーソレノイド制御ポインタが変更なしコードであれば(ステップS891;YES)、ストッパーソレノイド制御処理を終了する。
一方、ストッパーソレノイド制御ポインタが変更なしコードでなければ(ステップS891;NO)、ストッパーソレノイド制御タイマを「−1」更新し(ステップS892)、ストッパーソレノイド制御タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップS893)。ストッパーソレノイド制御タイマが「0」でなければ(ステップS893;NO)、ストッパーソレノイド制御処理を終了して、ルーチンを繰り返す。
ストッパーソレノイド制御タイマが「0」であれば(ステップS893;YES)、ストッパーソレノイド制御テーブルを設定し(ステップS894)、ストッパーソレノイド制御ポインタに対応するテーブルアドレスを算出する(ステップS895)。
続いて、次動作の制御ポインタを取得し、ストッパーソレノイド制御ポインタ領域にセーブする(ステップS896)。次いで、次動作の制御タイマを取得し、ストッパーソレノイド制御タイマ領域にセーブする(ステップS897)。次いで、次動作の出力データを取得し、ストッパーソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップS898)。
そして、左ストッパーソレノイド出力がオンであるか否かを判定し(ステップS899)、左ストッパーソレノイド出力がオンでなければ(ステップS899;NO)、ストッパーソレノイド制御処理を終了する。
一方、左ストッパーソレノイド出力がオンであれば(ステップS899;NO)、左ストッパーオン情報コマンドを準備し(ステップS900)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS901)。これにより、左ストッパーオン情報コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に遊技者に有利な情報(遊技球が第1役物装置51のブリッジ本体80を転がって地獄流入空間63に流入するのをコウモリ部材53を上方向に駆動して、阻止するタイミングを教えるような情報)を報知するような演出表示が行われることになる。ステップS901を経ると、ストッパーソレノイド制御処理を終了する。
このように、ストッパーソレノイド制御処理では、第1役物装置51におけるハト部材52を上下に駆動するための役物ソレノイド203とコウモリ部材53を上下に駆動するための役物ソレノイ204の制御が行われるとともに、ランプ報知等で遊技者に有利な情報(遊技球が第1役物装置51のブリッジ本体80を転がって地獄流入空間63に流入するのをコウモリ部材53を上方向に駆動して、阻止するタイミングを教えるような情報)を演出する処理が行われる。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、前記タイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS73)について、図59により説明する。
なお、以降のフローチャートの説明では、ステップ番号として「ステップA」を用いて説明する。
セグメントLED編集処理は一括表示装置50(図2、10)に設けられたセグメントLEDに関する処理を行うものであり、一括表示装置50は前述したように、いわゆる特図(本特図)の表示、さらには特図(本特図)の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。例えば、一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示するものは特図1表示器、特図2を表示するものは特図2表示器として配置されている。
これらの表示は、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個のランプや7セグメント表示器)によって行われる構成であり、このようなセグメントLEDで構成されたものの駆動に関する設定等を行うのがセグメントLED編集処理である。
図59に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、遊技状態表示テーブルを設定する(ステップA1)。遊技状態表示テーブルは、現在の遊技状態を表示させるためのもので、例えば大当り中か否か等の遊技状態を報知するために必要なデータが設定される。次いで、遊技状態番号に対応する表示データを取得し、セグメント領域(例えば、一括表示装置50における遊技状態表示部のセグメント領域)にセーブする(ステップA2)。次いで、特図2保留数表示テーブルを設定する(ステップA3)。特図2保留数表示テーブルは現在の特図2の保留状態を表示させるためのもので、例えば特図2の保留があるか否か等の遊技状態を報知するために必要なデータが設定される。
次いで、特図2保留数に対応する表示データを取得し、セグメント領域(例えば、特図2保留表示器のセグメント領域)にセーブする(ステップA4)。ステップA4を経ると、セグメントLED編集処理を終了する。
〔モータ制御処理〕
次に、前記タイマ割込み処理におけるモータ制御処理(ステップS74)について、図60により説明する。
本実施例では、役物モータとして役物モータ81(第1モータ)と、役物モータ72(第2モータ)の2つを配置している。役物モータ81(第1モータ)はシーソー構造の第1役物装置51におけるブリッジ本体80を上下に駆動するものである。また、役物モータ72(第2モータ)は天国役物装置66における天国回転体67の回転を駆動するものである。
後述のモータ1制御ポインタは、役物モータ81(第1モータ)を制御するためのポインタである。一方、後述のモータ2制御ポインタは、役物モータ72(第2モータ)を制御するためのポインタである。
図60に示すように、モータ制御処理では、まず、モータ1制御領域の先頭領域のアドレスを準備する(ステップA11)。次いで、モータ1動作テーブルを準備する(ステップA12)とともに、モータ1制御ポインタをロードし、退避する(ステップA13)。次いで、モータ動作編集処理を行う(ステップA14)。モータ動作編集処理はモータ1制御ポインタや制御タイマを用いて役物モータ81(第1モータ)の球噛み処理等を行うものである(詳細は後述)。
次いで、退避したモータ1制御ポインタを復帰させ(ステップA15)、モータ1制御ポインタ領域の値と復帰した制御ポインタを比較する(ステップA16)。モータ1制御ポインタ領域の値と復帰した制御ポインタを比較した結果、復帰した制御ポインタが更新されているか否かを判定する(ステップA17)。復帰した制御ポインタが更新されていれば(ステップA17;YES)、ステップA18に進み、モータ1が開始位置にある状態か否かを判定する。モータ1が開始位置にある状態かという情報は、役物モータ81(第1モータ)によって駆動されるシーソー構造の第1役物装置51におけるブリッジ本体80が天国側(遊技者の目線で右側の天国流入空間62がある側)に傾く方向に動き始めることを演出制御装置300(サブ基板)に知らせるための情報である。
一方、復帰した制御ポインタが更新されていなければ(ステップA17;NO)、ステップA22にジャンプする。また、モータ1が開始位置にある状態でない場合(ステップA18;NO)にも、ステップA22にジャンプする。
上述したように、復帰した制御ポインタが更新されていて(ステップA17;YES)、かつ、モータ1が開始位置にある状態であれば(ステップA18;YES)、ステップA19に進み、役物演出フラグ領域に演出中フラグをセーブする(ステップA19)。次いで、役物演出コマンドタイマ領域に演出開始待ち時間(例えば、タイマ初期値=100ms)をセーブする(ステップA20)。次いで、役物演出制御情報領域に演出開始情報をセーブする(ステップA21)。このように、復帰した制御ポインタが更新されていてモータ1が開始位置にある状態であれば、役物モータ81(第1モータ)の駆動が制御されて、シーソー構造の第1役物装置51におけるブリッジ本体80が上下に駆動されることになる。ステップA21を経ると、ステップA22に進む。
ステップA21を経てステップA22に進む場合、復帰した制御ポインタが更新されていなくて(ステップA17;NO)ステップA22に進む場合、及びモータ1が開始位置にある状態でなくて(ステップA18;NO)テップA22に進む場合には、何れもステップA22でモータ2制御領域の先頭領域のアドレスを準備する(ステップA22)。次いで、モータ2動作テーブルを準備する(ステップA23)とともに、モータ動作編集処理を行う(ステップA24)。モータ動作編集処理はモータ2制御テーブルを用いて役物モータ72(第2モータ)の球噛み処理等を行うものである(詳細は後述)。
このように、モータ2制御領域の先頭領域のアドレスが準備され、モータ2動作テーブルを用いて役物モータ72(第2モータ)の駆動が制御されて、天国役物装置66における天国回転体67の回転が駆動されることになる。ステップA24を経ると、モータ制御処理を終了する。
〔モータ動作編集処理〕
次に、上述したモータ制御処理におけるモータ動作編集処理(ステップA14、A24)について、図61、図62により説明する。
図61、図62に示すように、モータ動作編集処理では、まず、対象の制御ポインタが更新なしコードであるか否かを判定する(ステップA31)。対象の制御ポインタが更新なしコードであれば(ステップA31;YES)、モータ動作編集処理を終了する。
なお、本実施例では対象の役物装置として第1役物装置51と天国役物装置66の2つを設けており、その中で、第1役物装置51には役物モータ81(第1モータ)を配置し、天国役物装置66には役物モータ72(第2モータ)を配置している。したがって、対象の制御ポインタと述べている場合における「対象の」とは、いまモータ動作編集処理において制御の対象としている役物モータ81(第1モータ)又は役物モータ72(第2モータ)の何れかを指している。
一方、対象の制御ポインタが更新なしコードでなければ(ステップA31;NO)、ステップA32へ進み、対象の制御タイマが「0」であるか否かを判定する。対象の制御タイマが「0」であれば(ステップA32;YES)、ステップA56にジャンプする。
対象の制御ポインタが更新なしコードでなく(ステップA31;NO)、かつ、対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA32;NO)、ステップA33に進み、対象の制御タイマを「−1」更新する(ステップA33)。次いで、対象の制御タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA34)、対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA34;NO)、ステップA45にジャンプする。
一方、対象の制御タイマが「0」であれば(ステップA34;YES)、ステップA35へ進む。
ステップA35へ進むと、対象の制御情報が時間値制御であるか否かを判定する。これは、モータ制御を行うにあたり、対象の制御情報が時間の値を制御するものであるを判定するものである。対象の制御情報が時間値制御であれば(ステップA35;YES),ステップA56にジャンプする。
一方、対象の制御情報が時間値制御でなければ(ステップA35;NO),ステップA36に進み、対象の球噛み処理回数を「+1」更新する。これは、対象の制御情報が時間の値を制御するものでない(すなわち、モータスイッチの状態を監視する制御)にもかかわらず、モータスイッチを検出するまでに要する時間値以上に設定された対象の制御タイマが「0」になるまで更新された状態であるので、遊技球が何らかの球噛みを起こしている可能性があることから、対象の球噛み処理回数を「+1」更新するものである。
これは、第1役物装置51や天国役物装置66の内部で球噛みを起こしたときに、その回数をカウントしておくものである。
球噛みを起こした場合には、例えば第1役物装置51の役物モータ81を逆回転させて、ブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行えば、球噛みが解消することが多い。また、例えば天国役物装置66の役物モータ72を逆回転させて、天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行えば、球噛みが解消することが多い。
次いで、対象の球噛み処理回数をエラー発生判定値(例えば、3回)と比較し、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であるか否かを判定する(ステップA37)。
なお、図面(図61等)においては、「玉噛み」と表記している場合もあるが、これは「球噛み」と同じ意味であり、遊技機の分野ではどちらの表現も使用することもあるので、そのようにしている。
対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上でなければ(ステップA37;NO)、ステップA43にジャンプし、対象の球噛み処理中フラグをセットする(ステップA43)とともに、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードする(ステップA44)。ステップA44を経ると、その後、ステップA60へ進む(図62)。
一方、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であれば(ステップA37;YES)、ステップA38に進み、既に球噛みがエラー発生しているか否かを判定する(ステップA38)。既に球噛みがエラー発生していなければ(ステップA38;NO)、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー発生フラグをセーブする(ステップA39)とともに、対象の役物エラー発生コマンドを準備する(ステップA40)。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップA41)。これにより、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であって、未だ球噛みがエラー発生していない場合には、役物エラー発生コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に役物エラー発生コマンドに対応した演出表示(例えば、役物の球噛みエラー発生を報知する表示)が行われることになる。ステップA41を経ると、ステップA42へ進む。
ステップA42へ進むと、上述した場合と同様に、対象の球噛み処理回数を上限値(例えば、上限値=エラー発生判定値(例えば、上記のように「3」)に留め(ステップA42)、続いて、対象の球噛み処理中フラグをセットし(ステップA43)、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードしたら(ステップA44)、ステップA44からステップA60へ進む(図62)。
一方、既に球噛みがエラー発生していれば(ステップA38;YES)、ステップA39乃至ステップA41の処理を行わずに、ステップA42にジャンプし、ステップA42移行の処理を実行する。すなわち、このときは対象の球噛み処理回数を上限値に留め(ステップA42)、対象の球噛み処理中フラグをセットし(ステップA43)、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードする(ステップA44)ことが行われる。
このように、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上でなければ、対象の球噛み処理回数を上限値に留めるとともに、対象の球噛み処理中フラグをセットし、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードすることが行われる。
一方、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であるものの、未だ球噛みがエラー発生していない場合には、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー発生フラグをセーブし、対象の役物エラー発生コマンドを準備して情報表示器45に役物エラー発生コマンドに対応した演出表示が行われることになる。
また、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であり、かつ既に球噛みがエラー発生している場合には、対象の球噛み処理回数を上限値に留めるとともに、対象の球噛み処理中フラグをセットし、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードすることが行われる。
一方、上述したように、対象の制御ポインタが更新なしコードでなく(ステップA31;NO)、対象の制御タイマが「0」でなく(ステップA32;NO)、その後、対象の制御タイマを「−1」更新し(ステップA33)、対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA34;NO)、ステップA45にジャンプすると述べているので、ステップA45にジャンプした場合について説明する。
ステップA45に進むと、対象の制御情報が時間値制御であるか否かを判定する。これは、モータ制御を行うにあたり、対象の制御情報が時間の値を制御するものであるかを判定するものである。対象の制御情報が時間値制御であれば(ステップA45;YES),ステップA70にジャンプする。
一方、対象の制御情報が時間値制御でなければ(ステップA45;NO),ステップA46に進み、モータ制御情報テーブルを設定する(ステップA46)とともに、制御情報に対応するテーブルアドレスを算出する(ステップA47)。次いで、監視対象となるモータスイッチのスイッチ制御領域のアドレス、監視ビットデータ、判定データを取得する(ステップA48)。
ここで監視対象となるモータスイッチとは、第1モータスイッチ82又は第2モータスイッチ71のうち、現在監視対象としているスイッチを指している。
なお、第1モータスイッチ82は第1役物装置51における役物モータ81がブリッジ本体80を左右のどちらに傾斜させているかを検出している。また、第2モータスイッチ71は天国役物装置66における役物モータ72の初期位置を検出している。
ステップA48を経ると、次いで、ステップA49に進み、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックする(ステップA49)。これにより、第1モータスイッチ82又は第2モータスイッチ71のうち、現在監視対象としているスイッチの状態がチェックされる。
次いで、次動作移行条件が成立しているか否かを判定する(ステップA50)。これは、対象の制御情報が時間値制御でなく、モータ制御情報テーブルを設定し、制御情報に対応するテーブルアドレスを算出し、監視対象となるモータスイッチのスイッチ制御領域のアドレス、監視ビットデータ、判定データを取得し、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックしているので、次の動作への移行が可能かを判定しているものである。
次動作移行条件が成立していなければ(ステップA50;NO)、ステップA70(図62)へジャンプする。一方、次動作移行条件が成立していれば(ステップA50;YES)、対象の球噛み処理回数を「0」クリアする(ステップA51)。次いで、既に球噛みエラーが解除されているか否かを判定し(ステップA52)、既に球噛みエラーが解除されていれば(ステップA52;YES)、ステップA56にジャンプする。
一方、既に球噛みエラーが解除されていなければ(ステップA52;NO)、ステップA53に進み、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー解除フラグをセーブする(ステップA53)とともに、対象の役物エラー解除コマンドを準備する(ステップA54)。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップA55)。これにより、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックし、次の動作への移行条件が成立している場合には、対象の球噛み処理回数が「0」クリアされ、対象の役物エラー解除コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に役物エラー解除コマンドに対応した演出表示(例えば、役物の球噛みエラーの解除を報知する表示)が行われることになる。ステップA55を経ると、ステップA56へ進む。
ステップA56へ進むと、対象の制御ポインタをロードし(ステップA56)、ロードした制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものであるか否かを判定する(ステップA57)。制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものであれば(ステップA57;YES)、対象の球噛み処理中フラグをクリアする(ステップA58)とともに、制御ポインタとして対象の球噛み復帰ポインタをロードする(ステップA59)。ステップA59を経ると、ステップA60へ進む。
一方、制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものでなければ(ステップA57;NO)、ステップA60へジャンプする。
ステップA60へ進むと、制御ポインタに対応するモータ動作テーブルのアドレスを算出し(ステップA60)、制御ポインタを取得し(ステップA61)、制御タイマを取得し、対象の制御タイマ領域にセーブする(ステップA62)。
次いで、制御情報を取得し、対象の制御情報領域にセーブし(ステップA63)、励磁情報を取得し、対象の励磁情報領域にセーブし(ステップA64)、対象の励磁タイマ領域をクリアする(ステップA65)。
ここで、励磁情報は対象のモータ(第1モータスイッチ82又は第2モータスイッチ71)を励磁、つまり、オン作動(回転駆動)させる情報のことである。
次いで、制御情報が時間値制御であるか否かを判定する(ステップA66)。これは、モータ制御を行うにあたり、対象の制御情報が時間の値を制御するものであるを判定するものである。対象の制御情報が時間値制御であれば(ステップA66;YES),ステップA69にジャンプする。そして、ステップA69では対象の球噛み時次ポインタ領域に更新なしコードをセーブし(ステップA69)、その後、ステップA70に進む。
一方、制御情報が時間値制御でなければ(ステップA66;NO),ステップA67に進み、球噛み時次ポインタを取得し、対象の球噛み時次ポインタ領域にセーブする(ステップA67)。次いで、更新前の制御ポインタを対象の球噛み復帰ポインタ領域にセーブし(ステップA68)、その後、ステップA70に進む。
ここで、ステップA60からステップA68までの処理は、球噛み処理から復帰する場合の復帰ポイントの値を設定するものである。
ステップA68やステップA69からステップA70に進むと、対象の励磁タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップA70)。対象の励磁タイマが「0」でなければ(ステップA70;NO)、対象の励磁タイマを「−1」更新し(ステップA71)、対象の励磁タイマが「0」になったか否かを判定する(ステップA72)。対象の励磁タイマが「0」になっていれば(ステップA72;YES)、ステップA73へ進む。
一方、対象の励磁タイマが「0」であれば(ステップA70;YES)、ステップA73にジャンプする。
ステップA70で対象の励磁タイマが「0」と判定した場合やステップA72で対象の励磁タイマが「0」と判定した場合には、何れも対象の励磁タイマが「0」であるから、ステップA73に進み、対象の励磁情報が停止の情報であるか否かを判定する(ステップA73)。対象の励磁情報が停止の情報であれば(ステップA73;YES)、対象の励磁データ領域に出力オフデータをセーブし(ステップA74)、その後、モータ動作編集処理を終了する。
一方、対象の励磁情報が停止の情報でなければ(ステップA73;NO)、ステップA75に進み、モータ励磁情報テーブルを設定する(ステップA75)とともに、対象の励磁情報に対応するテーブルのアドレスを算出し(ステップA76)、励磁タイマを取得し、対象の励磁タイマ領域にセーブする(ステップA77)。
次いで、励磁カウンタ加算値を取得し、対象の励磁カウンタと加算する(ステップA78)。次いで、加算後の値を「0」乃至「3」の範囲に補正する(ステップA79)。
ここで、対象のモータ(第1モータスイッチ82又は第2モータスイッチ71)が時計回転(CW)の場合には「+1」、「+2」が加算値となり、モータが反時計回転(CCW)の場合には「−1」、「−2」が加算値となる。
これは、球噛みを起こした場合には、例えば第1役物装置51の役物モータ81を逆回転あるいは正回転させて、ブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行って球噛みが解消するためである。
また、例えば天国役物装置66の役物モータ72を逆回転あるいは正回転させて、天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行って球噛みが解消するためである。
ステップA79を経ると、次いで、ステップA80に進み、補正後の値を対象の励磁カウンタ領域にセーブし(ステップA80)、モータ励磁データテーブルを設定する(ステップA81)。次いで、対象の励磁カウンタに対応するテーブルのアドレスを算出し(ステップA82)、続いて、出力データを取得し、対象の励磁データ領域にセーブする(ステップA83)。ステップA83を経ると、モータ動作編集処理を終了する。
〔役物演出コマンド編集処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における役物演出コマンド編集処理(ステップS75)について、図63により説明する。
図62に示すように、役物演出コマンド編集処理では、まず、役物演出フラグが演出中であるか否かを判定する(ステップA91)。役物演出フラグが演出中でなければ(ステップA91;NO)、役物演出コマンド編集処理を終了する。
一方、役物演出フラグが演出中であれば(ステップA91;YES)、役物演出コマンドタイマを「−1」更新する(ステップA92)。次いで、役物演出コマンドタイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA93)、同タイマが「0」になっていなければ(ステップA93; NO)、役物演出コマンド編集処理を終了する。
一方、役物演出コマンドタイマが「0」であれば(ステップA93; YES)、役物演出制御情報が「演出開始」を指示しているか否かを判定する(ステップA94)。役物演出制御情報が「演出開始」を指示していれば(ステップA94;YES)、ステップA95に進み、以降のステップA95乃至ステップA98で演出開始に関する処理を行う・ また、役物演出制御情報が「演出開始」を指示していなければ(ステップA94;NO)、ステップA99に進み、以降のステップA99乃至ステップA103で演出終了に関する処理を行う。
役物演出制御情報が「演出開始」を指示しており(ステップA94;YES)、ステップA95に進んだ場合には、まず、役物演出開始コマンドを準備し(ステップA95)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA96)。これにより、役物演出開始コマンド演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で役物演出開始コマンドに対応した演出表示が開始されることになる。
次いで、役物演出コマンドタイマ領域に演出時間(演出時間のタイマ初期値としては、例えば1600msに設定)をセーブする(ステップA97)とともに、役物演出制御情報領域に演出終了待ち情報をセーブする(ステップA98)。
ステップA97及びステップA98の処理により、例えば第1役物装置51の役物演出を開始する場合には、演出時間(例えば、上記の1600ms)が経過すると、第1役物装置51における役物モータ81の回転駆動が開始され、シーソー構造のブリッジ本体80が地獄流入空間63側(左側)へ傾き始めるようになる。ステップA98を経ると、役物演出コマンド編集処理を終了する。
一方、役物演出制御情報が「演出開始」を指示しておらず(ステップA94;NO)、ステップA99に進んだ場合には、まず、役物演出終了コマンドを準備し(ステップA99)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA100)。これにより、役物演出終了コマンド演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で役物演出終了コマンドに対応して演出表示が終了することになる。
次いで、役物演出フラグ領域をクリアし(ステップA101)、役物演出コマンドタイマ領域をクリアする(ステップA102)。次いで、役物演出制御情報領域をクリアする(ステップA103)。
ステップA102及びステップA103の処理により、例えば第1役物装置51の役物演出を終了する場合には、第1役物装置51における役物モータ81の回転駆動が終了し、シーソー構造のブリッジ本体80の上下駆動が停止することになる。ステップA103を経ると、役物演出コマンド編集処理を終了する。
〔異常排出監視処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における異常排出監視処理(ステップS76)について、図64により説明する。
図64に示すように、異常排出監視処理では、まず、左カウントスイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA111)。これは、変動入賞装置35への入賞を検出している左大入賞口スイッチ103(左カウントスイッチのこと。以下、同様)からの入力信号が遊技制御装置100にあるか(つまり、左大入賞口スイッチ103が変動入賞装置35への入賞を検出したか)というものである。
ここで、変動入賞装置35の入賞空間41に流入する遊技球を検出するために、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104(図11参照)が設けられており、また、変動入賞装置35から外部に排出される遊技球を検出するために、左残存球排出口スイッチ112及び右残存球排出口スイッチ113が設けられている。
この場合、変動入賞装置35に入賞した遊技球が天国流入空間62や地獄流入空間63から外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するのが残存球の監視機能である。
本実施例では、上記のメカニズムを残存球の監視機能とは別に、異常排出の監視機能として活用している。すなわち、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するのとは別に、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放していないのに、左残存球排出口スイッチ112や右残存球排出口スイッチ113が遊技球の排出を検出すると、それは異常排出であり、例えば変動入賞装置35への不正な入賞(つまり、左大入賞口スイッチ103や右大入賞口スイッチ104が遊技球の入賞を検出していないのに、残存球の排出が検出される状態)となる。
図64に示す異常排出監視処理は、上記のような遊技球の異常排出(例えば、変動入賞装置35への不正な入賞)を監視するものである。
フローに戻り、左カウントスイッチに入力があれば(ステップA111;YES)、異常排出カウンタを「+1」更新し(ステップA112)、その後、ステップA113へ進む。一方、左カウントスイッチに入力がなければ(ステップA111;NO)、ステップA113へジャンプする。
ステップA113へ進むと、右カウントスイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA113)。これは、変動入賞装置35への入賞を検出している右大入賞口スイッチ104(右カウントスイッチのこと。以下、同様)からの入力信号が遊技制御装置100にあるか(つまり、右大入賞口スイッチ104が変動入賞装置35への入賞を検出したか)というものである。
右カウントスイッチに入力があれば(ステップA113;YES)、異常排出カウンタを「+1」更新し(ステップA114)、その後、ステップA115へ進む。一方、右カウントスイッチに入力がなければ(ステップA113;NO)、ステップA115へジャンプする。
ステップA115へ進むと、左残存球排出口スイッチ112に入力があるか否かを判定する(ステップA115)。これは、変動入賞装置35の地獄流入空間63から外部に遊技球が排出される状態を検出している左残存球排出口スイッチ112からの入力信号が遊技制御装置100にあるか(つまり、左残存球排出口スイッチ112が変動入賞装置35から排出される遊技球を検出したか)というものである。
左残存球排出口スイッチ112に入力があれば(ステップA115;YES)、異常排出カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップA116)。
ここで、異常排出カウンタが「0」であれば、上述したステップA111乃至ステップA114の処理を経て変動入賞装置35への入賞が無い状態にもかかわらず、左残存球排出口スイッチ112が遊技球の排出を検出したのであるから、例えば変動入賞装置35への不正な入賞の可能性がある。したがって、異常排出カウンタが「0」であれば(ステップA116;YES)、ステップA121に分岐する。
一方、異常排出カウンタが「0」でなければ(ステップA116;NO)、異常排出カウンタを「−1」更新し(ステップA117)、その後、ステップA118へ進む。
また、左残存球排出口スイッチ112に入力がなければ(ステップA115;NO)、ステップA118へジャンプする。
ステップA118へ進むと、右残存球排出口スイッチ113に入力があるか否かを判定する(ステップA118)。これは、変動入賞装置35の天国流入空間62から外部に遊技球が排出される状態を検出している右残存球排出口スイッチ113からの入力信号が遊技制御装置100にあるか(つまり、右残存球排出口スイッチ113が変動入賞装置35から排出される遊技球を検出したか)というものである。
右残存球排出口スイッチ113に入力があれば(ステップA118;YES)、異常排出カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップA119)。
ここで、異常排出カウンタが「0」であれば、上述したステップA111乃至ステップA114の処理を経て変動入賞装置35への入賞が無い状態、又は変動入賞装置35への入賞があったが、左残存球排出口スイッチ112により遊技球の排出が検出されて異常排出カウンタが「0」に戻っている状態の何れかであり、正規に入賞処理は済んでいるにもかかわらず、右残存球排出口スイッチ113が遊技球の排出を検出したのであるから、例えば変動入賞装置35への不正な入賞の可能性があることになる。したがって、異常排出カウンタが「0」であれば(ステップA119;YES)、ステップA121に分岐する。
一方、異常排出カウンタが「0」でなければ(ステップA119;NO)、異常排出カウンタを「−1」更新し(ステップA120)、その後、異常排出監視処理を終了する。
また、右残存球排出口スイッチ112に入力がない場合も(ステップA112;NO)、異常排出監視処理を終了する。
異常排出の可能性があると判断してステップA121へ進んだ場合には、異常排出エラーフラグ領域を準備する(ステップA121)とともに、異常排出発生コマンドを準備する(ステップA122)。次いで、遊技停止エラーステータス更新処理を行う(ステップA123)。これにより、異常排出エラーフラグが立てられるとともに、異常排出発生コマンドに基づいて異常排出発生の遊技状態となり、遊技停止エラーステータスが更新されて、エラーの報知がされることになる。ステップA123を経ると、異常排出監視処理を終了する。
このように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放していないのに、左残存球排出口スイッチ112や右残存球排出口スイッチ113が遊技球の排出を検出すると、それは異常排出であり、例えば変動入賞装置35への不正な入賞(つまり、左大入賞口スイッチ103や右大入賞口スイッチ104が遊技球の入賞を検出していないのに、残存球の排出が検出される状態)となるので、遊技停止エラーステータスが更新される処理を行われる。
〔遊技停止エラーステータス更新処理〕
次に、前記異常排出監視処理における遊技停止エラーステータス更新処理(ステップA123)について、図65により説明する。
図65に示すように、遊技停止エラーステータス更新処理では、まず、対象のエラーフラグ領域にエラー発生中フラグをセーブし(ステップA131)、遊技停止するエラーは発生していないか否かを判定する(ステップA132)。遊技停止するエラーが発生していれば(ステップA132;NO)、遊技停止エラーステータス更新処理を終了する。したがって、この場合には遊技停止するような重大なエラーが発生していることになり、遊技が停止されることになる。
一方、遊技停止するエラーが発生していなければ(ステップA132;YES)、遊技停止エラー状態領域にエラー動作中フラグをセーブする(ステップA133)。次いで、遊技停止エラー制御タイマ領域にタイマ初期値(例えば、10s)をセーブする(ステップA134)。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップA135)。これにより、準備されたエラーコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で準備されたエラーコマンドに対応したエラー演出表示が行われることになる。
〔不正監視処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における不正監視処理(ステップS77)について、図66により説明する。
図66に示すように、不正監視処理では、まず、磁石不正発生中であるか否かを判定する(ステップA141)。これは、既に磁気センサ115がオンして異常な磁気を検出した不正な状態(つまり、磁石不正発生)中であるかどうかを判定するものである。
磁石不正発生中でなければ(ステップA141;NO)、磁気センサ115はオンであるか否かを判定する(ステップA142)。これは、磁石不正発生でない状態のときに、磁気センサ115から出力されて第3入力ポート163(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサ115がオン、すなわち異常な磁気を検出したか(つまり、磁石不正が発生したか)を判定するものである。
磁気センサ115がオンである場合(ステップA142;YES)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを「+1」更新して(ステップA143)、当該タイマがタイムアップ(例えば、32msで確定)したかを判定する(ステップA144)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップA144;YES)、すなわち異常な磁気を一定期間(例えば、32ms)継続して検出した場合は、磁石不正フラグ領域を準備する(ステップA145)とともに、磁石不正発生コマンドを準備し(ステップA146)、続いて、遊技停止エラーステータス更新修正を行う(ステップA147)。これにより、準備された磁石不正発生コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で磁石不正発生コマンドに対応したエラー演出表示が行われることになる。ステップA147を経ると、ステップA148へ進む。
一方、上記ステップA141で磁石不正発生中であれば(ステップA141;YES)、上述したステップA142乃至ステップA147の処理を既に実行していることになるから、ステップA148へジャンプする。
また、磁気センサ115がオンでなければ(ステップA142;NO)、磁石不正発生でない状態のときに、磁気センサ115がオンしないのであるから、磁石不正は発生していないと判断し、磁石不正監視タイマをクリアする(ステップA149)。その後、ステップA148へ進む。
さらに、上記ステップA144で磁石不正監視タイマがタイムアップしていなければ(ステップA144;NO)、ステップA148へジャンプしてルーチンを繰り返すことになる。
ステップA148へ進むと、盤電波センサ114はオンであるか否かを判定する(ステップA148)。これは、盤電波センサ114から出力されて第3入力ポート163(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ114がオン、すなわち遊技盤30に対する異常な電波を検出したか(つまり、盤電波正が発生したか)を判定するものである。
盤電波センサ114がオンである場合(ステップA148;YES)、すなわち異常な盤電波を検出した場合は、盤電波不正フラグ領域を準備する(ステップA150)とともに、盤電波不正発生コマンドを準備し(ステップA151)、続いて、遊技停止エラーステータス更新修正を行う(ステップA152)。これにより、準備された盤電波不正発生コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で盤電波不正発生コマンドに対応したエラー演出表示が行われることになる。ステップA152を経ると、ステップA1153へ進む。
一方、盤電波センサ114がオンでなければ(ステップA148;NO)、すなわち異常な盤電波を検出しない場合は、ステップA153へジャンプする。
ステップA153へ進むと、ガラス枠又は本体枠の開放中であるか否かを判定する(ステップA153)。これは、ガラス枠5の開放がガラス枠開放検出スイッチ117によって検出され、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいてガラス枠開放エラー中かを判断する。同様に、本体枠4の開放が本体枠開放検出スイッチ118によって検出され、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいて本体枠開放エラー中かを判断する。
ガラス枠又は本体枠の開放中であれば(ステップA153;YES)、振動不正監視無効タイマ領域にタイマ初期値をセーブする(ステップA154)。このタイマ初期値としては、例えば3sが設定される。したがって、ガラス枠5又は本体枠4を閉じてから3秒間の振動は振動不正扱いにはしない。ステップA154を経ると、ステップA155へ進む。一方、ガラス枠又は本体枠の開放中でなければ(ステップA153;NO)、ステップA155へジャンプする。
ステップA155へ進むと、振動不正監視無効タイマが「0」でなければ、「−1」更新する(ステップA155)。次いで、振動不正監視無効タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA156)、振動不正監視無効タイマが「0」でなければ(ステップA156;NO)、不正監視処理を終了してルーチンを繰り返す。
一方、振動不正監視無効タイマが「0」であれば(ステップA156;YES)、振動センサ116はオンであるか否かを判定する(ステップA157)。これは、振動センサ116から出力されて第3入力ポート163(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、振動センサ116がオン、すなわち遊技盤30に対する不正な振動を検出したか(つまり、振動正が発生したか)を判定するものである。
振動センサ116がオンでなければ(ステップA157;NO)、すなわち不正な振動を検出しない場合は、不正監視処理を終了する。
一方、振動センサ116がオンである場合(ステップA157;YES)、すなわち不正な振動を検出した場合は、特図小当り中であるか否かを判定する(ステップA158)。特図小当り中でなければ(ステップA158;NO)、不正監視処理を終了する。
特図小当り中であれば(ステップA158;YES)、不正な振動と判断してステップA159へ進み、振動不正フラグ領域を準備する。これは、特図小当り中の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放動作が行われるので、そのときに天国役物装置66における天国回転体67に形成されているV入賞凹部68a、68bの遊技球を嵌めて大当りを狙う意図で遊技盤30を叩いて振動させる等の不正が行われることが多いことから、特に、特図小当り中のときに振動センサ116がオンである場合を不正な振動と判定するためである。
次いで、振動不正発生コマンドを準備し(ステップA160)、続いて、遊技停止エラーステータス更新修正を行う(ステップA161)。これにより、準備された振動不正発生コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で振動不正発生コマンドに対応したエラー演出表示が行われることになる。ステップA161を経ると、不正監視処理を終了する。
〔発射制御処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における発射制御処理(ステップS78)について、図67により説明する。
図67に示すように、発射制御処理では、まず、遊技停止するエラーは発生していないか否かを判定する(ステップA171)。遊技停止するエラーが発生していれば(ステップA171;YES)、特図ゲームは特図電源投入動作処理中であるか否かを判定する(ステップA172)。特図ゲームが特図電源投入動作処理中であれば(ステップA172;YES)、ステップA175に分岐して発射許可信号領域に発射停止の出力データをセーブする(ステップA175)。これにより、遊技球の発射が停止されることになる。ステップA175を経ると、発射制御処理を終了する。
これは、電源投入動作処理では、電源投入に伴い第1役物装置51における役物モータ81や天国役物装置66における役物モータ72をそれぞれ初期位置に戻す等の処理を行って、遊技が開始できるような状態にすることから、特図ゲームが特図電源投入動作処理中の場合には、遊技球の発射を停止させるためである。
特図ゲームが特図電源投入動作処理中でなければ(ステップA172;NO)、ステップA173に進み、モータ1又はモータ2の球噛み処理中であるか否かを判定する。
ここで、モータ1とは役物モータ81を指し、モータ2とは役物モータ72を指す。モータ1又はモータ2の球噛み処理中であれば(ステップA173;YES)、ステップA175に分岐して発射許可信号領域に発射停止の出力データをセーブする(ステップA175)。これにより、遊技球の発射が停止されることになる。ステップA175を経ると、発射制御処理を終了する。
これは、第1役物装置51や天国役物装置66の内部で球噛みを起こしたときには、例えば第1役物装置51の役物モータ81を逆回転させて、ブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行って球噛みを解消したり、また、例えば天国役物装置66の役物モータ72を逆回転させて、天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行って球噛みを解消したりすることから、そのような球噛み処理中は遊技球の発射を停止させるためである。
モータ1又はモータ2の球噛み処理中でなければ(ステップA173;NO)、ステップA174に進み、発射許可信号領域に発射許可の出力データをセーブする(ステップA174)。これにより、遊技球の発射が許可されることになる。ステップA174を経ると、発射制御処理を終了する。したがって、遊技停止するエラーが発生しておらず(ステップA171;YES)、特図ゲームが特図電源投入動作処理中でなく(ステップA173;NO)、かつ、モータ1又はモータ2の球噛み処理中でもない場合(ステップA;NO)には、遊技球の発射が許可されることになる。
一方、ステップA171で遊技停止するエラーが発生していれば(ステップA171;NO)、ステップA175に分岐して発射許可信号領域に発射停止の出力データをセーブする(ステップA175)。これにより、遊技球の発射が止されることになる。ステップA175を経ると、発射制御処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS79)について、図68、図69により説明する。
外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS65)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)、残存球監視処理(ステップA68)、不正監視処理(ステップS77)等での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図68、図69に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラー発生中であるか否かを判定する(ステップA181)。これは、ガラス枠5の開放がガラス枠開放検出スイッチ117によって検出され、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいてガラス枠開放エラー発生中かを判断する。
ガラス枠開放エラー発生中でなければ(ステップA181;NO)、続いて、本体枠開放エラー発生中であるか否かを判定する(ステップA182)。これは、本体枠4の開放が本体枠開放検出スイッチ118によって検出され、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいて本体枠開放エラー発生中かを判断する。
本体枠開放エラー発生中でなければ(ステップA182;NO)、ステップA183に進み、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA183)。扉・枠開放信号とは、ガラス枠5(扉)及び前面枠4(枠)の開放信号のことである。これにより、扉・枠開放信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。
次いで、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA184)。これにより、セキュリティ信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA184を経ると、ステップA185へ進む。
一方、ガラス枠開放エラー発生中である場合(テップA181;YES)、本体枠開放エラー発生中である場合(ステップA182;YES)には、何れの場合にも、ステップA186に分岐し、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA186)。これにより、扉・枠開放信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。
次いで、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA187)。これは、扉又は枠の開放という遊技機エラー状態が発生したときに、遊技機エラー状態信号を外部に出力するためである。これにより、遊技機エラー状態信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA187を経ると、ステップA185へ進む。
ステップA185へ進むと、セキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ「−1」更新する。セキュリティ信号制御タイマは、RAMクリアによる電源投入を行った時にセキュリティ信号を所定時間オン出力するためのものであり、ステップS27にてタイマ初期値(例えば256ms)がセットされる。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。
次いで、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップA188)。セキュリティ信号制御タイマは、RAMクリアによる電源投入を行った時にセキュリティ信号を所定時間オン出力するためのものであり、RAM初期値設定の処理(例えば、ステップS27)においてタイマ初期値として、例えば256msがセットされる。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」となっていれば(ステップA188;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、枠電波不正発生中であるか否かを判定する(ステップA189)。
枠電波不正発生中でなければ(ステップA189;NO)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA190)。これにより、セキュリティ信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA190を経ると、ステップA191へ進む。
一方、枠電波不正発生中であれば(ステップA189;YES)、ステップA192に分岐し、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA192)。これにより、セキュリティ信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA192を経ると、ステップA191へ進む。
ステップA191へ進むと、スイッチ異常発生中であるか否かを判定する(ステップA191)。ここでのスイッチ異常発生とは、前述したスイッチ異常検知信号1やスイッチ異常検知信号2に基づくコネクタ抜けなどのエラーのことである。すなわち、スイッチ異常検知信号1は図10に示すように、近接I/F121aの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される。また、スイッチ異常検知信号2は図10に示すように、近接I/F121bの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される。
スイッチ異常検知信号1に基づくコネクタ抜けなどのエラーを「異常1」という。また、スイッチ異常検知信号2に基づくコネクタ抜けなどのエラーを「異常2」という。
ステップA191の処理では、「異常1」又は「異常2」の何れが発生しても、スイッチ異常発生中であると判定する。
スイッチ異常発生中でなければ(ステップA191;NO)、続いて、役物エラー発生中であるか否かを判定する(ステップA193)。
本実施例では対象の役物装置として第1役物装置51と天国役物装置66の2つを設けており、その中で、第1役物装置51には役物モータ81(第1モータ)を配置し、天国役物装置66には役物モータ72(第2モータ)を配置している。したがって、ここでの役物エラー発生とは、役物モータ81(第1モータ)又は役物モータ72(第2モータ)の何れのエラーが発生しても、役物エラー発生中であると判定する。
役物エラー発生中でなければ(ステップA193;NO)、続いて、残存球エラー発生中であるか否かを判定する(ステップA194)。
本実施例では、変動入賞装置35に入賞した遊技球が天国流入空間62や地獄流入空間63から外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するのが残存球の監視機能であり、そのため、変動入賞装置35から外部に排出される遊技球を検出するべく、左残存球排出口スイッチ112及び右残存球排出口スイッチ113が設けられている(詳しくは前述した通り)。そして、変動入賞装置35の内部に所定期間以上たっても残存球がある場合には、残存球エラー発生中であると判定される。
残存球エラー発生中でなければ(ステップA194;NO)、ステップA195へ進む。
一方、スイッチ異常発生中である場合(ステップA191;YES)、役物エラー発生中である場合(ステップA193;YES)、残存球エラー発生中である場合(ステップA194;YES)には、何れか1つでもYESの判定であれば、ステップA196に進み、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA196)。これは、スイッチ異常発生中、役物エラー発生中、残存球エラー発生中という遊技機エラー状態が発生したときに、遊技機エラー状態信号を外部に出力するためである。これにより、遊技機エラー状態信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA196を経ると、ステップA195へ進む。
ステップA195へ進むと、ステップA195を含み、ステップA197、ステップA198、ステップA199、ステップA200の各ステップでそれぞれ以下のような判定処理を行う。
(イ)ステップA195:異常排出発生中であるか否かを判定する。
(ロ)ステップA197:磁石不正発生中であるか否かを判定する。
(ハ)ステップA198:盤電波不正発生中であるか否かを判定する。
(ニ)ステップA199:振動不正発生中であるか否かを判定する。
(ホ)ステップA200:大入賞口不正発生中であるか否かを判定する。
ステップA195の異常排出とは、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放していないのに、左残存球排出口スイッチ112や右残存球排出口スイッチ113が遊技球の排出を検出するような異常であり、変動入賞装置35への不正な入賞行為に起因するものである。
ステップA197の磁石不正とは、磁気センサ115がオンし、異常な磁気を一定期間(例えば、32ms)継続して検出した場合のことである。
ステップA198の盤電波不正とは、盤電波センサ114がオンして遊技盤30に対する異常な電波を検出した場合のことである。
ステップA199の振動不正とは、振動センサ116がオンして遊技盤30に対する不正な振動を検出した場合のことである。
ステップA200の大入賞口不正とは、大入賞口としての変動入賞装置35の可動部材43a、43bを不正に開放して遊技球を入賞させる場合のことである。
なお、これらの異常の発生中という判断は、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいてエラー発生中かを判断する。
次いで、ステップA195の判定結果がNO、ステップA197の判定結果がNO、ステップA198の判定結果がNO、ステップA199の判定結果がNO、ステップA200の判定結果がNOであれば、ステップA201へ進み、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA201)。ここでは、異常排出、磁石不正、盤電波不正、振動不正、大入賞口不正という遊技機エラー状態が発生していないことを表す遊技機エラー状態信号を外部に出力するためである。これにより、遊技機エラー状態信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA201を経ると、ステップA204へ進む。
一方、ステップA195、ステップA197、ステップA198、ステップA199、ステップA200のうち、1つでもYESの判定を出すステップがあると、ステップA202へ分岐する。これは、ステップA195、ステップA197、ステップA198、ステップA199、ステップA200のうち、1つでも不正が発生中との判定結果があれば、不正を外部に知らせるためである。
ステップA202へ進むと、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA202)。これにより、セキュリティ信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。次いで、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA203)。これは、異常排出、磁石不正、盤電波不正、振動不正、大入賞口不正のうち、1つでも不正という遊技機エラー状態が発生したときに、遊技機エラー状態信号を外部に出力するためである。これにより、遊技機エラー状態信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA203を経ると、ステップA204へ進む。
ステップA204へ進むと、メイン賞球信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA204)とともに、メイン賞球信号のオンデータを準備し(ステップA205)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA206)。これは、遊技制御装置100では入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に、メイン賞球信号の1パルスを出力するというように、信号の編集を行うものである。
次いで、役物入賞個数信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA207)とともに、役物入賞個数信号のオンデータを準備し(ステップA208)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA209)。これは、遊技制御装置100では役物入賞をカウントする毎に、役物入賞個数信号の1パルスを出力するというように、信号の編集を行うものである。なお、役物入賞とは、大入賞口としての変動入賞装置35への入賞のことである。
次いで、始動口1信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA210)とともに、始動口1信号のオンデータを準備し(ステップA211)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA212)。これは、遊技制御装置100では始動口1への入賞をカウントする毎に、始動口1信号の1パルスを出力するというように、信号の編集を行うものである。なお、始動口1信号とは、第1始動入賞口33a、33bへの入賞に対応する信号のことである。
次いで、始動口2信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA213)とともに、始動口2信号のオンデータを準備し(ステップA214)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA215)。これは、遊技制御装置100では始動口2への入賞をカウントする毎に、始動口2信号の1パルスを出力するというように、信号の編集を行うものである。なお、始動口2信号とは、第2始動入賞口34への入賞に対応する信号のことである。
次いで、役物回数制御タイマが「0」でなければ、「−1」更新する(ステップA216)。役物回数制御タイマは、特図小当りによる大入賞口の開放(つまり、始動遊技における大入賞口の開放)毎に所定時間(例えば128ms)信号を出力する制御を行うためのタイマである。よって、役物開放回数信号は始動遊技における1回開放のときは1パルス、2回開放のときは2パルス出力されることになる。次いで、役物回数制御タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA217)、役物回数制御タイマが「0」であれば(ステップA217;YES)、役物回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA218)。これにより、役物回数信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA218を経ると、外部情報編集処理を終了する。
一方、役物回数制御タイマが「0」でなければ(ステップA217;NO)、役物回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA219)。これにより、役物回数信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA219を経ると、外部情報編集処理を終了する。
〔パルス信号編集処理〕
次に、前記外部情報編集処理におけるパルス信号編集処理(ステップA206、ステップA209、ステップA212、ステップA215)について、図70により説明する。
図70に示すように、パルス信号編集処理では、まず、対象の信号の出力制御タイマが「0」でなければ、「−1」更新する(ステップA231)。なお、対象の信号の出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。
対象の信号とは、図69で説明したメイン賞球信号、役物入賞個数信号、始動口1信号、始動口2信号のうち、どの信号が今回のパルス信号編集処理の編集対象になっているかを指す信号のことである。
次いで、対象の信号の出力制御タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA232)。そして、対象の信号の出力制御タイマの値が「0」であれば(ステップA232;YES)、続いて、対象の信号の出力回数が「0」であるか否かを判定する(ステップA233)。対象の信号の出力回数が「0」でなければ(ステップA233;NO)、対象の信号の出力回数を「−1」更新する(ステップA234)。
次いで、対象の信号の出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップA235)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、対象の信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA236)、パルス信号編集処理を終了する。
一方、対象の信号の出力回数が「0」である場合(ステップA233;YES)は、外部装置用の対象の信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA238)、パルス信号編集処理を終了する。
また、対象の信号の出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップA232;NO)は、対象の信号の出力制御タイマが出力オン区間中であるか否かを判定する(ステップA237)。なお、対象の信号の出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、対象の信号の出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。
対象の信号の出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップA237;YES)は、処理をステップA236に移行する。また、対象の信号の出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップA237;NO)は、外部装置用の対象の信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA235)、パルス信号編集処理を終了する。
ここで、対象の信号が例えばメイン賞球信号である場合におけるパルス信号編集処理の具体例について説明する。なお、対象の信号がメイン賞球信号以外の役物入賞個数信号、始動口1信号、始動口2信号の場合であっても、同様のパルス信号編集処理が行われることになる。
すなわち、対象の信号がメイン賞球信号である場合、メイン賞球信号は遊技制御装置100からは賞球の払出予定数が10個毎に1パルスのメイン賞球信号が外部装置(例えば、外部の管理装置)へ出力される。なお、払出制御装置200からは10個払出毎に生成される1パルスの賞球信号が外部装置(例えば、外部の管理装置)へ出力されることになる。
すなわち、遊技制御装置100(主基板)で10個払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)にメイン賞球数信号出力回数を「+1」更新し(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)、その後、更新(設定)されている出力回数分だけメイン賞球数信号が出力される。そして、上記のように10個払出予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200(払出基板)からは実際に10個払出が行われたら賞球信号が送信されることにより、予定と結果の整合を取ることで、不正な払出に対応することができる。
また、メイン賞球信号から、いつ発生した入賞であるかが外部装置としての管理装置等で判断できるようになり、ホール営業における方針の助けにもなる。
具体的には、大当り中に発生した入賞か、通常遊技中に発生した入賞かが判断できる。例えば、大当り中ならたくさん入賞があってもおかしくないが、通常遊技中にたくさん入賞があるようであれば、釘調整が甘すぎると判断できるなどの効果があり、これはホール営業における方針の助けになる。
一方、メイン賞球信号が外部装置に出力されず、払い出し完了時に出力される払出制御装置200からの賞球信号だけしかない場合であれば、大当り中に球切れになったりして払い出しが行われず、補給が遅れて払い出しされたのが大当り終了後となったとき等に、いつ発生した入賞なのかが判断できないことになる。
そのため、補給が遅れて払い出しされたのが大当り終了後となった場合には、通常遊技中に大量の入賞(払い出し)があったことになってしまい、営業データに不備等が出てしまう可能性がある。
これに対して本実施例では、メイン賞球信号と払出制御装置200からの賞球信号の双方を併用しており、メイン賞球信号は入賞してすぐに出力されるので、上記のような不具合がなくなる。
〔メイン賞球信号の送信タイミングチャート〕
次に、メイン賞球信号の送信の具体例につき、図71に示すタイミングチャートを参照して説明する。
図71において、対象の信号がメイン賞球信号である場合、メイン賞球信号は遊技制御装置100からは賞球の払出予定数が10個毎に1パルスのメイン賞球信号が外部装置(例えば、外部の管理装置)へ出力される。
ここで、1パルスのメイン賞球信号は、メイン賞球信号を出力信号として図71で表記しているように、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間が128msであり、メイン賞球信号のオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間が64msとなる態様で、1パルスの信号が形成されている。したがって、1パルス全体では128ms+64ms=192msとなっている。
なお、対象のメイン賞球信号の出力制御タイマの値は、メイン賞球信号がオンするタイミングで「48」、メイン賞球信号がオフするタイミングで「16」、さらに、メイン賞球信号のオフが継続する最終時点のタイミングで「0」となっている。
このように、図71で示すような態様にメイン賞球信号の1パルスを形成し、遊技制御装置100では賞球の払出予定数が10個毎に1パルスのメイン賞球信号を外部装置へ出力することになる。なお、払出制御装置200からも10個払出毎に生成される1パルスの賞球信号が外部装置へ出力されることになる。
したがって、遊技制御装置100(主基板)では10個払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に1パルスのメイン賞球信号を出力し、払出制御装置200(払出基板)からは実際に10個払出が行われたら賞球信号が送信されることにより、予定と結果の整合を取ることで、不正な払出に対応することができる。
また、大当り期間中に入賞しても、球切れなどで払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合に、従来の賞球信号だけでは、大当りによる出玉なのか否かが判断できなかったが、本実施例では入賞時に出力されるメイン賞球信号が追加されたことで、ホールの管理装置が正確な情報を収集(判断)できるようになる。
E.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機1で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、情報表示器45には客待ちの演出が表示される。
そして、遊技者が遊技を開始するため、発射操作ハンドル11を操作すると、発射位置にある遊技球がガイドレール31を介して遊技領域32に打込まれ、打込まれた遊技球が第1始動入賞口33a、33bの何れかに入賞すると、一括表示装置50において特図1の変動表示が行われるとともに、情報表示器45において飾り特図の変動表示が行われる。また、第1始動入賞口33a、33bに入賞せずに外れた球は、アウト穴37に流入する。
第1始動入賞口33a、33bの何れかに入賞して一括表示装置50の特図1が所定時間の変動を行った後、停止図柄の結果態様に基づいて小当りが発生し、変動入賞装置35(大入賞口)における可動部材43a、43bが1回開放又は2回開放の動作を行う。
また、第2始動入賞口34に遊技球が入賞した場合には、一括表示装置50の特図2が所定時間の変動を行い、全ての停止図柄の結果態様において変動入賞装置35の可動部材43a、43bが2回開放動作を行う。
なお、小当りは、始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b、第2始動入賞口34の全ての始動入賞口のこと)に入賞した時の大入賞口開放(変動入賞装置35の変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放)から、遊技球が特別入賞領域69を通過してV入賞し、大当りの抽選が行われるまでの動作のことであるが、V入賞しなければ、大入賞口(変動入賞装置35)への入賞までとなる。
上述したように、1回開放の小当りとなる場合は、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。また、2回開放となる場合は、可動部材43a、43bが所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行われる。
さらに、遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合には1個に限り特図の保留(特図2の保留)が行われる。一方、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合には特図の保留(特図1の保留は無し)は行われない。
さらに、本実施例では始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b又は第2始動入賞口34)へ入賞すると、一括表示装置50にける特図1又は特図2の変動表示の結果は全て小当りとなり、外れは無い。すなわち、始動入賞すると、必ず変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開放動作が行われ、特図1又は特図2の停止図柄の違いで変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放回数が異なっている。
小当り動作では変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合と、2回開放動作する場合とがあり、これらは図46(a)、(b)に示される。図46(a)は可動部材43a、43bが小当りとして1回開放動作する場合であり、図46(b)は可動部材43a、43bが小当りとして2回開放動作する場合である。
図46(a)に示すように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは400ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが400msの間だけ開放状態となり、この期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の小当り動作が行われる。
一方、図46(b)に示すように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが2回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは400ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が2回繰り返して行われる。この場合、可動部材43a、43bの1回目の開放期間は例えば400msであり、続いて、400ms経過後に可動部材43a、43bが閉鎖し、その後、所定のウエイト時間(1000ms)が設けられ、この期間では可動部材43a、43bは閉鎖を継続し、所定のウエイト時間が終了すると同時に、可動部材43a、43bの2回目の開放動作が行われる。2回目の可動部材43a、43bの開放期間も例えば400mである。したがって、2回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが400msの間だけ開放状態となり動作が所定のウエイト時間を挟んで2回行われることになる。そして、この2回開放動作が行われる期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の小当り動作が行われる。
小当り動作により変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回又は2回の開放動作を行うと、可動部材43a、43bが開放動作をしたタイミングで遊技球が変動入賞装置35の入賞空間41に流入し、流入した遊技球はシーソー構造の第1役物装置51のブリッジ本体80に接触し、ブリッジ本体80の傾き具合により、遊技球は左右の流入空間(天国流入空間62、地獄流入空間63)の何れかに流入する。
このとき、特図表示中処理(図43)におけるステップS665の処理により、小当り動作の値に応じてストッパーソレノイド制御ポインタが設定されることから、第1役物装置51におけるコウモリ部材53が上下に駆動されて、遊技者に有利なゲームが行われる。
具体的には、第1役物装置51におけるコウモリ部材53を上下に駆動するための役物ソレノイド204の制御が行われて、遊技球が第1役物装置51のブリッジ本体80を転がって地獄流入空間63に流入するのをコウモリ部材53を上方向に駆動して阻止する動作が行われる。これにより、地獄流入空間63に流入するのをコウモリ部材53が阻止する動作を見て、遊技者はドキドキしながら、遊技球が天国流入空間62に流入するのを期待しつつ遊技を楽しむことができる。
一方、上記のようなコウモリ部材53の動作があったとしても、変動入賞装置35に流入した遊技球はシーソー構造の第1役物装置51のブリッジ本体80に接触し、ブリッジ本体80の傾き具合により、遊技球は左右の天国流入空間62又は地獄流入空間63の何れかに流入する。
遊技球が天国流入空間62に流入した場合には、遊技球は天国役物装置66の内部に入り、一定速度で回転している天国回転体67の周囲を回り、その後、天国回転体67に形成されたV入賞凹部68a、68bに嵌るか、あるいは外れ流入空間75に落下するかの何れかとなる。
そして、天国流入空間62に流入した遊技球が何れかのV入賞凹部68a、68bに嵌って支持されると、その球は特別入賞領域69に落下し、このとき、特別入賞領域69を通過する球は特定領域スイッチ111によって検出され、V入賞として大当りの抽選が開始される。
一方、天国流入空間62に流入した遊技球が何れのV入賞凹部68a、68bにも嵌まらなければ、その球は外れ流入空間75に流入して残存球排出領域70を通過し、このとき、残存球排出領域70を通過する球は右残存球排出スイッチ113によって検出される。この場合は大当りでなく、単に変動入賞装置35への入賞があったに過ぎず、所定数の賞球があるに過ぎない。
さて、V入賞として大当りの抽選が開始された場合には、大当りの抽選結果に応じて、「16R大当り」、「7R当り」、「3R当り」の3つの態様のうちの何れかの1つが決定される。
この様子は図8、図9に示され、大当りの抽選結果である「16R大当り」、「7R当り」、「3R当り」のそれぞれに対応するように、盤演出装置46によりV大当り表示部211、ハート大当り表示部212、スター大当り表示部213のうちの何れかが正面を向いて遊技者に今回の大当りを知らせる演出が行われる。
例えば、大当りの抽選結果が「16R大当り」であれば、盤演出装置46によりV大当り表示部211が正面を向いて遊技者に今回の大当りを知らせる演出が行われる。「16R大当り」になると、図52に示すようなフル開放によるラウンド遊技が16ラウンドまで行われる。すなわち、16R大当りのうちの全てのラウンドまでフル開放によるラウンド遊技が続き、全てのラウンドで変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放制御される大当りとなる。なお、16R大当り遊技が終了すると、特図普段処理に戻る(「7R当り」、「3R当り」についても同様)。
また、大当りの抽選結果が「7R大当り」であれば、盤演出装置46によりハート大当り表示部212が正面を向いて遊技者に今回の大当りを知らせる演出が行われる。7R大当り」になると、図52に示すようなフル開放によるラウンド遊技が7ラウンドまで行われる。その後の8〜16ラウンドは、図52に示すようなショート開放によるラウンド遊技が行われる。ショート開放では、変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放時間が短く、実質上、出玉の無いラウンドになる。
なお、ハート大当り表示部212が選択された場合であっても、ラウンド演出中やインターバル演出中に「16R大当り」相当のV大当りに昇格するランクアップ開放が行われることもある。
ランクアップ開放では、図52に示すように、16R大当りのうち、7R当りに見せかけた当りの場合には8ラウンド目(初回ラウンドは除くので実質的に大当りの7ラウンド目)にランクアップ開放動作が行われる。したがって、特定のラウンド遊技の最中(特定のラウンド中)に、突然、16R大当りに昇格していくような演出が行われて、いわゆる16R大当りランクアップのゲームが行われる。
さらに、大当りの抽選結果が「3R大当り」であれば、盤演出装置46によりスター大当り表示部213が正面を向いて遊技者に今回の大当りを知らせる演出が行われる。3R大当り」になると、図52に示すようなフル開放によるラウンド遊技が3ラウンドまで行われる。その後の4〜16ラウンドは、図52に示すようなショート開放によるラウンド遊技が行われる。ショート開放では、変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放時間が短く、実質上、出玉の無いラウンドになる。
なお、スター大当り表示部213が選択された場合であっても、ラウンド演出中やインターバル演出中に「16R大当り」相当のV大当りや「7R当り」相当のハート大当りに昇格することもある。
ランクアップ開放では、図52に示すように、16R大当りのうち、3R当りに見せかけた当りの場合には4ラウンド目(実質的に大当りの3ラウンド目)にランクアップ開放動作が行われる大当りとなる。したがって、特定のラウンド遊技の最中(特定のラウンド中)に、突然、16R大当りに昇格していくような演出が行われて、いわゆる16R大当りランクアップのゲームが行われる。
次に、本実施例では第1役物装置51のシーソー構造のブリッジ本体80の駆動、天国役物装置66の天国回転体67の駆動、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの1回開き図柄及び2回開き図柄の振り分け率等に特徴があるので、これらの動作について詳細に説明する。
遊技制御装置100における遊技用マイコン171のROM171Bには、例えば特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターン振分テーブルが記憶されており、この変動パターン振分テーブルの1つは例えば図73に示すように、第1役物装置51や天国役物装置66の時間設定、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの1回開き図柄及び2回開き図柄の振り分け率などのパターンが予め設定されている。そして、この変動パターン振分テーブルをCPU171Aが参照して変動パターンを決定する制御が行われる。
なお、図73に示す変動パターン振分テーブルには、特図1が変動する場合に選択される特図1変動パターンテーブルが記載されている。
遊技球の流れについて説明すると、本実施例では始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b又は第2始動入賞口34)へ入賞すると、一括表示装置50にける特図1又は特図2の変動表示の結果は全て小当りとなり、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開放動作が行われる。
変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放動作を行うと、遊技球が変動入賞装置35の入賞空間41に流入可能な状態となる、次いで、遊技球が入賞空間41に流入すると、流入した遊技球はシーソー構造の第1役物装置51のブリッジ本体80に接触し、ブリッジ本体80の傾き具合により、遊技球は左右の流入空間(天国流入空間62、地獄流入空間63)の何れかに流入することになる。
このとき、小当り動作の値に応じてストッパーソレノイド制御ポインタが設定されることから、第1役物装置51におけるコウモリ部材53が上下に駆動されて、遊技者に有利なゲームが行われる。すなわち、遊技球が第1役物装置51のブリッジ本体80を転がって地獄流入空間63に流入するのをコウモリ部材53を上方向に駆動して阻止する動作が行われる。上記のようなコウモリ部材53の動作があったとしても、変動入賞装置35に流入した遊技球はシーソー構造の第1役物装置51のブリッジ本体80に接触し、ブリッジ本体80の傾き具合により、左右の天国流入空間62又は地獄流入空間63の何れかに流入する。
遊技球が天国流入空間62に流入すると、遊技球は天国役物装置66の内部に入り、一定速度で回転している天国回転体67の周囲を回り、その後、天国回転体67に形成されたV入賞凹部68a、68bに嵌るか、あるいは外れ流入空間75に落下するかの何れかとなる。
天国流入空間62に流入した遊技球が何れかのV入賞凹部68a、68bに嵌って支持されると、その球は特別入賞領域69に落下し、特別入賞領域69に落下した遊技球は特定領域スイッチ111によって検出され、V入賞として大当りの抽選が開始される。
一方、天国流入空間62に流入した遊技球が何れのV入賞凹部68a、68bにも嵌まらなければ、その球は外れ流入空間75に流入して残存球排出領域70を通過し、残存球排出領域70を通過する球は右残存球排出スイッチ113によって検出され、大当りでなく、変動入賞装置35への入賞に過ぎず、所定数の賞球があるのみとなる。
上記のような遊技球の流れのうち、遊技者に狙い打ちされるのは、シーソー構造の第1役物装置51のブリッジ本体80が傾くタイミング(詳しくは、ブリッジ本体80が右側に傾いて天国流入空間62へ流入しやすくなるタイミング)と、天国役物装置66の天国回転体67の回転のタイミング(詳しくは、天国回転体67に形成されているV入賞凹部68a、68bに遊技球が嵌るタイミング)であり、これらのタイミングが容易に分かると、遊技者に大当りの発生を狙い打ちされるやすくなる。そして、大当りの発生を狙い打ちされるやすいタイミングを考慮して、遊技球を発射することで、大当りの発生を狙い打ちされやすくなる。
この場合、大当りの発生を狙い打ちされるのは、第1役物装置51のブリッジ本体80の駆動周期と、天国役物装置66の天国回転体67の回転周期とを遊技者が予測し、どのタイミングで狙えば、V入賞凹部68a、68bに遊技球が嵌るかが予測できるからであ
る。
すなわち、第1役物装置51のブリッジ本体80の駆動周期と天国役物装置66の天国回転体67の回転周期との組み合せに偏りがあり、ブリッジ本体80が右側に傾いて遊技球が天国流入空間62へ流入するタイミングに合せて天国回転体67のV入賞凹部68a、68bが、丁度、天国流入空間62へ流入した遊技球を嵌める可能性の高いタイミングで回転動作していれば、大当りを狙い打ちされることになる。つまり、ブリッジ本体80の動きと天国回転体67の動きとの組み合せ位置の出現率に偏りがあり、その偏りの中に大当りを狙い打ち可能なタイミングがあれば、そこに着目されて、狙い打ちされる。
そこで、本実施例では図73に示すように、第1役物装置51のブリッジ本体80の駆動周期と、天国役物装置66の天国回転体67の回転周期との組み合せを分析し、どのようなタイミングであっても、第1役物装置51のブリッジ本体80の駆動位置と天国役物装置66の天国回転体67の回転位置との組み合せ位置の出現率に偏りがなく、ほぼ一定の出現率となるように設定することで、大当りの狙い打ちを困難にしている。
つまり、ブリッジ本体80の動きと天国回転体67の動きとの組み合せ位置の出現率に偏りを無くし、大当りを狙い打ち可能なタイミングを事実上無くし、どのようなタイミングで遊技球を打っても、ブリッジ本体80の駆動位置と天国回転体67の回転位置との組み合せ位置の出現率がほぼ一定で変わらないようにしている。
そのため、まず、第1役物装置51のブリッジ本体80の駆動による動作について説明する。
第1役物装置51は図73に示す変動パターン振分テーブルに基づいて制御される。
図72は第1役物装置51の動作を説明するタイミングチャートである。
図72において、役物モータ81はブリッジ本体80をほぼ中央を支点として左右にシーソーのように揺動するように駆動するステップ式のモータ(いわゆるシーソーモータ)であり、時計回転(CW)では1ステップ毎に8msの速度で回転し、反時計回転(CCW)でも同様に1ステップ毎に8msの速度で回転する。
第1モータスイッチ82は役物モータ81がブリッジ本体80を左右のどちらに傾斜させているかを検出しており、ブリッジ本体80が左右のどちらに傾斜せず、ほぼ水平であるときは、第1モータスイッチ82は遮光状態になっている。一方、ブリッジ本体80が傾斜した状態になると、第1モータスイッチ82は遮光から通光に切り替わる。役物モータ81の回転方向と第1モータスイッチ82の状態を監視することで、ブリッジ本体80が左右のどちらに傾斜しているかを検出できる。
ブリッジ本体80は停止、左傾き中、右傾き中という動作形態がある。
図72では、ブリッジ本体80が左傾き中の状態から再び左傾き中の状態に戻るまでの1周期の動き(動作)を示している。ブリッジ本体80が左傾き中の状態では、役物モータ81は反時計回転した状態であるとともに、第1モータスイッチ82は遮光状態になっており、遮光から通光へ変化するのを待っている状態である。
次いで、この状態からブリッジ本体80が一旦停止した後、右側へ傾斜するように駆動される動きが1周期の動きへの開始となる。
すなわち、第1モータスイッチ82が遮光から通光へ変化したタイミング80ms(最大で80msに設定)が経過すると、役物モータ81は反時計回転から停止状態になり、これにより、ブリッジ本体80は一旦停止する。
次いで、図72に示すように、上記80msの期間が終了するタイミングから100msが経過すると、役物演出開始コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。これにより、演出制御装置300の制御により、情報表示器45や盤演出装置46にブリッジ本体80が右側の天国流入空間62へ傾くような演出表示がされる。この演出により、遊技者は遊技球が天国流入空間62へ流入しやすいと感じることから、熱い遊技を楽しむことができる。
なお、情報表示器45に代えて液晶情報表示装置451を設置したような場合には、役物演出開始コマンドに基づき演出制御装置300の制御により、「いま入賞すると、熱い!!」というようなメッセージを表示させる演出を行ってもよい。
ここでのブリッジ本体80の停止期間は160msであり、160msが経過すると、役物モータ81は停止状態から時計方向への回転を開始する。このとき、第1モータスイッチ82は役物モータ81が停止状態から時計方向への回転を開始したことに対応して通光から遮光へ切り替わる。そして、役物モータ81が時計方向への回転を開始したタイミングから240msが経過すると、第1モータスイッチ82は遮光から通光へ切り替わり待ち状態になる。また、ブリッジ本体80は停止状態から右側へ傾斜す動作を開始し、右傾き中となる。ブリッジ本体80が右傾き中になれば、遊技球が天国流入空間62へ流入しやすくなる。
右傾き中に第1モータスイッチ82が遮光から通光へ変化したタイミングから、80ms(最大で80msに設定)が経過すると、役物モータ81は時計方向への回転を止めて停止する。これにより、ブリッジ本体80は右傾き中から停止状態になる。
次いで、役物演出開始コマンドが演出制御装置300へ送信されたタイミングから1600msが経過すると、役物演出終了コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。これにより、演出制御装置300の制御により、情報表示器45にブリッジ本体80が右側の天国流入空間62へ傾くような演出表示をしている状態を終了させることになる。この演出終了により、遊技者は遊技球が天国流入空間62へ流入しやすい状態が終了したことを知ることになる。
なお、役物演出終了コマンドを遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信することにより、演出制御装置300では遊技制御装置100で制御される一括表示装置50の特図変動ゲームの進行状況が分かり、枠側で特図変動ゲームに対応させた演出がし易いという利点がある。
なお、上記1600msは球噛みエラー等による役物モータ81の動作遅延があっても一定であり、コマンドの送信間隔は一定時間となる。
また、上記80msの期間が終了したタイミングから160msが経過すると、役物モータ81は停止状態から反時計方向への回転を開始する。このとき、第1モータスイッチ82は役物モータ81が停止状態から反時計方向への回転を開始したことに対応して通光から遮光へ切り替わる。また、ブリッジ本体80は停止状態から左側へ傾斜す動作を開始し、左側への傾きを開始し、やがて左傾き中となる。ブリッジ本体80が左傾き中になれば、遊技球が地獄流入空間63へ流入しやすくなる。
次いで、役物モータ81が反時計方向への回転を開始したタイミング(左傾き中への開始タイミング)から240msが経過すると、丁度、1周期が経過したことになる。
すなわち、ブリッジ本体80が左傾き中の状態から再び左傾き中の状態に戻るまでの1周期の動き(動作)が行われたことになる。
なお、図72に示すようにブリッジ本体80が左傾き中の状態から再び左傾き中の状態に戻るまでの1周期の動作は繰り返して行われる。この場合、1周期の時間は設定値として、例えば4000msに設定される。ただし、1周期の開始タイミングからしばらくは、図72に示すように、第1モータスイッチ82は遮光から通光へ変化するのを待っている状態の期間となり、この期間はパチンコ機1のそれぞれにおいて若干の違いがある。
このように、第1役物装置51は図73に示す変動パターン振分テーブルの設定値に基づき、図72に示すような1周期の動作を繰り返して行う。
次に、図73は変動パターン振分テーブルの1つを示しており、この変動パターン振分テーブルには、例えば第1役物装置51や天国役物装置66の時間設定、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの1回開き図柄及び2回開き図柄の振り分け率などのパターンが予め設定されている。
また、図73に示す変動パターン振分テーブルは、誘導装置として第1役物装置51及び天国役物装置66の2つを配置し、遊技球が変動入賞装置35へ流入すると、第1役物装置51を通過後に、天国流入空間62に流入すれば天国役物装置66に至り、そこでV入賞凹部68a、68bに嵌まれば、大当りとなる構成に対応したものになっている。
さらに、図73に示す変動パターン振分テーブルは、第1役物装置51の周期を8分割、天国役物装置66の周期を4分割した例である。
より具体的には、以下のようにデータが設定されている。
(イ)役物1(第1役物装置51)の時間設定:周期と時間(ms)を設定
周期は1/8を最小単位として、1/8から8/8まで、1/8の倍数刻みで1周目が8分割されて周期が設定されているとともに、2周期目も4/8まで4分割されて周期が設定されている。ただし、2周期目の1/8及び2/8の区間は時間が設定されていない。これは、リーチと非リーチの変動時間値に差をつけるためであり、この部分は使用しない構成になっている。
一方、時間も1周目が8分割されて時間が設定されており、例えば周期1/8では時間800ms、周期2/8では時間1000ms、・・・・・・、周期8/8(つまり1周期)では時間4000msという具合に設定されている。また、2周期目も同様に4/8まで4分割されて周期が設定されているが、ただし、前述したように、2周期目の1/8及び2/8の区間は時間が設定されていない。
(ロ)役物2(天国役物装置66)の時間設定:周期と時間(ms)を設定
周期は1/4を最小単位として、1/4から4/4まで1/4の倍数刻みで、役物1(第1役物装置51)の周期1/8の中を4つに細分化する形態で設定されている。方、時間も役物1(第1役物装置51)の周期1/8の中を4つに細分化する形態で設定されており、時間は300msを最小単位として、300msから1200msまでの4区分で設定されている。
そして、上記のような4区分での周期及び時間設定は、役物1(第1役物装置51)の8区分のそれぞれに対応して、つまり役物1(第1役物装置51)の8分割した周期のそれぞれに対応して役物2(天国役物装置66)の4分割の時間・周期の設定が行われている。なお、役物2(天国役物装置66)の4分割の時間・周期の値は、役物1(第1役物装置51)の8区分のそれぞれで同じになっている。
また、2周期目も3/8及び4/8の区間に限り、4分割されて周期が設定されている。ただし、2周期目の1/8及び2/8の区間は時間が設定されていない。これは、リーチと非リーチの変動時間値に差をつけるためであり、この部分は使用しない構成になっている。
ここで、リーチとは、非リーチの変動と比べて長く特図の変動を行うことであり、1種タイプの遊技機におけるリーチとは少し意味が異なる。本実施例では、特図の変動時間が長めのリーチ変動になると、2回開きの可能性が高くなる(非リーチである短い変動時間では1回開きにしかならない)ようになっている。
(ハ)合計変動時間値(ms):特図の変動パターン時間
これは、役物1(第1役物装置51)の作動時間と役物2(天国役物装置66)の作動時間との合計値であり、特図の特図の変動パターン時間に対応している。
すなわち、役物1(第1役物装置51)の作動時間と役物2(天国役物装置66)の作動時間との合計値は、1周期では最小の800msから最大の5200msまである。
また、2周期では5800msから7200msまであるが、前述したように、2周期目の1/8及び2/8の区間は時間が設定されていない。これは、リーチと非リーチの変動時間値に差をつけるためであり、この部分は使用しない構成になっている。
(ニ)振り分け(%):
これは、始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b又は第2始動入賞口34)へ遊技球が入賞すると、一括表示装置50にける特図1又は特図2の変動表示の結果は全て小当りとなり、変動入賞装置35(大入賞口)における可動部材43a、43bが1回開放又は2回開放の動作を行うが、その場合に1回開放又は2回開放の動作に振り分けられる割合を示したものが振り分け(%)である。振り分け割合又は振り分け率(%)とも言える。
可動部材43a、43bが1回開きとなるような特図図柄の場合には、全体で97%の振り分けになり、2回開きとなるような特図図柄の場合には、全体で3%の振り分けになる。そして、可動部材43a、43bが1回開きとなるような特図図柄の場合、役物1(第1役物装置51)の周期1/8、2/8、5/8、6/8、7/8、8/8、の区間では振り分けが12.89%に設定されているが、周期3/8、4/8の区間だけは振り分けが7.50%と9.80%にそれぞれ設定されている。
これは、周期3/8、4/8の区間は2周期目にも役物1(第1役物装置51)の動作が亘ることがあり、その場合には2周期目の値も加え。1周目と2週目の全体で振り分けの値が設定されるので、他の区分よりも低い値となっているものである。したがって、2周期目の周期3/8、4/8の区間は、2周期目の同じ周期区間の値と同様に他の区分よりも低い値となっている。
(ホ)出現率(%):
これは、第1始動入賞口33a、33bへ遊技球が入賞すると、一括表示装置50における特図1の変動表示の結果は全て小当りとなり、変動入賞装置35(大入賞口)における可動部材43a、43bが1回開放又は2回開放の動作を行うが、その場合における1回開きの図柄と、2回開きの図柄の出現割合を示すものが出現率(%)である。なお、第2始動入賞口34へ遊技球が入賞した場合は、すべて2回開きであり、2回開きの図柄の出現割合は100%となる。
また、1周期目の周期3/8、4/8の区間は2周期目にも役物1(第1役物装置51)及び役物2(天国役物装置66)の動作が亘ることがあることから、その場合には2周期目の値も加え。1周目と2週目の全体で振り分けの値が設定されるようにして、全体で出現率(%)に大きな差異がないようにしている。
また、2周期目の1/8及び2/8の区間は出現率(%)が設定されていない。これは、リーチと非リーチの変動時間値に差をつけるためであり、この部分は使用しない構成になっている。
出現率(%)のトータルは、開放回数に対応する図柄の出現率と、各開放毎における周期の出現率を掛けたものであり、図73に示す太線で囲んだゾーンXと太線で囲んだゾーンYの部分以外はほぼ同じような値であり、違いがほとんど無い。
ここで、図73に示すゾーンXは役物1(第1役物装置51)及び役物2(天国役物装置66)における1周期目の1周目3/8、4/8の区間に相当している。
また、図73に示すゾーンYは役物1(第1役物装置51)及び役物2(天国役物装置66)における2周期目の2周目3/8、4/8の区間に相当している。役物1(第1役物装置51)及び役物2(天国役物装置66)については、1周期目のみならず、2周期目にも動作が亘ることがあることから、その場合には1周期目の値に対して2周期目の値も加え、1周目と2週目の全体の値で出現率(%)が他の区間と差異がほとんと無いようにする設定になっている。
(ヘ)合算(%):
これは、役物1(第1役物装置51)及び役物2(天国役物装置66)における1周目と2週目の動作を含めて、1周目と2週目の各出現率(%)を合算したもので、全ての区間で出現率(%)にほとんど差異がなく、同じような値に設定されている。
したがって、図73に示すように、合算が均等であれば、大当りを狙い打ちするための止め打ちも困難(実際上、不可能)になる。
ここでは、役物1(第1役物装置51)及び役物2(天国役物装置66)における作動の位置関係が同じなので、各出現率(%)を合算するようにしたものである。
ここで、上述した役物1(第1役物装置51)及び役物2(天国役物装置66)における作動の位置関係が同じという概念は、以下のような意味である。
すなわち、本実施例では始動口(第1始動入賞口33a、33b及び第2始動入賞口34)に入賞してから、大入賞口(変動入賞装置35)が開放するまでの時間(特図変動時間に対応)に対応して進む役物装置(役物1(第1役物装置51)及び役物2(天国役物装置66)のこと。以下、同様)の移動量が決まる。この場合、役物装置は周期的な動きをしているので、1周期以下の変動時間の場合と、2周期目以上の変動時間の場合で、再び同じ位置となる時が巡ってくる。
そして、非リーチの変動時間は1周期以内の時間(8/8周期までなので)であり、リーチは2周期目に入る変動時間となっている。特に、始動口入賞からリーチにおける変動時間の経過後に、役物装置の進む移動量が分かるので、周期的な動きに直すと2周期目の位置が導かれることになる。その2周期目の位置と同じ位置となるところに対応する非リーチ変動時の1周期目の役物装置の位置が同じ(1周期目3/8と、2周期目3/8等)と言うことである。
したがって、上記のように役物装置における作動の位置関係が同じであれば、図73に示すゾーンXとゾーンYの値を合算して、トータルの出現率(%)を算出するようにしている。
このように、本実施例では所謂羽根モノに属するタイプの遊技機(パチンコ機1)において、止め打ち対策として特図変動表示(一括表示装置50による表示)の構成を採用するとともに、特図変動時間は第1役物装置51及び天国役物装置66の周期を均等に分割した時間とし、それらの分割周期に対応する第1役物装置51及び天国役物装置66の動作を均等に出現させるようにしている。なお、特図には特図1及び特図2が含まれる。
また、特図変動パターンにリーチ変動表示を取り入れることで、羽根モノに属するタイプの遊技機におけるパチンコ遊技に斬新性を出してゲーム性を向上させるとともに、ゲーム性向上のために、リーチ変動表示を設けた場合、リーチ変動表示の時間値についても第1役物装置51及び天国役物装置66の周期を元に設定している。そして、リーチ変動表示も含めて、特図の変動開始から停止に至るまでの時間値が第1役物装置51及び天国役物装置66の状態に対して均等に出現するようにするとともに、特図のリーチ変動と第1役物装置51及び天国役物装置66の動作が同位置となる通常変動の振り分けを予め減らすように設定している。
これは、同じ役物位置(第1役物装置51及び天国役物装置66の動作位置のこと。以下、同様)となるリーチ時と非リーチ時が足されて1の役物位置の出現率が求められるので、2つを足すから、予め減らようにしたものである。なお、1より小さい周期、すなわち、1/8、2/8、5/8〜8/8という周期の時の2つの役物の位置関係は、非リーチでしか出現しないので、単独で計算できることになる(つまり、上記のように予め減らようにはしない)。
より具体的に説明すると、本実施例では誘導装置としての第1役物装置51の周期と時間を1周期、2周期について、複数に細分化して1周期より小さい周期に分けるとともに、天国役物装置66の周期と時間についても、同様に、1周期、2周期を複数に細分化して1周期より小さい周期に分けて、各細分化した周期の時間を算出し、それぞれ細分化した周期における特図の変動パターンで1回開き図柄と2回開き図柄の振り分け割合(%)が各細分化した周期の何れの周期であっても、ほぼ均等(例えば、図73で示すように、ほぼ「12.89」)となるようにしている(なお、1周目と2周目のデータを加算する部分を含む)。
その結果、誘導装置としての第1役物装置51及び天国役物装置66を組み合せた周期についても、各細分化した周期に対する特図の変動パターンで1回開き図柄の出現率(%)が図73で示すように、ほぼ「3.22」の値となって、均等になっている。
したがって、遊技者がどのようなタイミングで遊技球を発射しても、シーソー構造の第1役物装置51のブリッジ本体80が傾くタイミング(詳しくは、ブリッジ本体80が右側に傾いて天国流入空間62へ流入しやすくなるタイミング)や、天国役物装置66の天国回転体67の回転のタイミング(詳しくは、天国回転体67に形成されているV入賞凹部68a、68bに遊技球が嵌るタイミング)が容易に分からず、そのため、遊技者に大当りの発生を狙い打ちされにくくすることができる。よって、遊技者は大当りを発生させる打ち方のタイミングが分からず、遊技球の意図的な止め打ちをしなくなる。
また、本実施例では誘導装置としての第1役物装置51及び天国役物装置66の2つの装置を組み合せた構成になっているので、変動入賞装置35に遊技球が入賞してからの球の動きが多彩になって、遊技の興趣が向上する。
また、第1役物装置51におけるコウモリ部材53を上下に駆動するための役物ソレノイ204の制御が行われて、遊技球が第1役物装置51のブリッジ本体80を転がって地獄流入空間63に流入するのをコウモリ部材53を上方向に駆動して阻止する動作が行われるので、遊技者はドキドキしながら、遊技球が天国流入空間62に流入するのを期待しつつ遊技を楽しむことができる。
以上より、本実施例では変動入賞装置35を備えた遊技機(パチンコ機1)において、遊技球が変動入賞装置35の入賞空間41内を流下する際の興趣を向上させるとともに、止め打ちを防止することができる。
この背景を説明する。
前述した背景技術で説明した変動入賞装置を備えた遊技機においては、変動入賞装置の内部(入賞空間)に、入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する誘導装置が設けられ、変動入賞装置の入賞空間に至った遊技球がタイミングよく誘導装置で誘導されれば、高い確率で特別入賞領域に流入するようになっている。
上記誘導装置は、モータやソレノイド等の電気的駆動源により作動することとなっていて、始動入賞口へ遊技球が入賞してから所定時間経過後に作動を開始し、所定時間だけ作動することが一般的である。したがって、変動入賞装置に入賞した遊技球がその誘導装置の作動タイミングとあった場合に、高い確率で特別入賞領域に流入することとなる。
このような遊技機に関する先行技術文献としては、例えば特許文献の1つとして、特開2000−334103号公報がある。
しかしながら、従来の誘導装置は、上記したように電気的駆動源の作用により作動し、そのタイミングも一定で制御されるものであるから、遊技球が特別入賞領域へ流入する確率が、第2状態に変換した変動入賞装置に対して、第2状態中のどのタイミングで入賞するかで決定されてしまうことが多くなり、興趣の高い流入態様を実現することが困難である。
すなわち、このような遊技機において、本来、入賞空間内で不規則に流下する遊技球が意表をついて特別入賞領域へ流入したり、或いは、特別入賞領域へ入賞するか否かのギリギリの部位に流下した遊技球が最終的に特別入賞領域に入賞したり、等の流下する遊技球が特別入賞領域へ流入するか否かを楽しむことを目的とするが、このような興趣の高い流入態様を実現することが困難である。
さらに、従来の遊技機においては、前述したようにモータやソレノイド等の電気的駆動源により作動する誘導装置が一定のタイミングで制御されるものであるから、遊技球が特別入賞領域へ流入する確率が高くなるタイミングでのみ遊技球を発射する所謂止め打ち、狙い打ちといった手法で遊技を行うことが考えられる。
このような手法で遊技が行われた場合、遊技機の稼働率が低下して遊技店の利益が低下してしまうこととなってしまう。
そこで実施例1の目的は、変動入賞装置を備えた遊技機において、遊技球が変動入賞装置の入賞空間内を流下する際の興趣を向上させるとともに止め打ちを防止することである。
ここで、上記の止め打ちとは、いわゆる大当りの狙い打ちを行うために所定のタイミングで発射を意図的に止めて、大当りの狙い打ちをできるタイミングで遊技球を発射することである。この止め打ちが行われれば、遊技店では正常な打ち方ではないので、売上が減少するため、その防止が望まれている。また、大当りの狙い打ちをされれば、他の遊技者との間で不公平な遊技態様にもなるので、対策が望まれている。その1つが止め打ちをしても、効果の無い遊技機の提供である。
本実施例では、上記のような背景の下、止め打ちを防止できるという優れた効果がある。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
始動入賞口と、
変動入賞装置と、を備え、
前記変動入賞装置内の特別入賞領域へ遊技球が流入すると、特別遊技状態が発生する遊技機において、
前記変動入賞装置に、周期的な所定動作を繰り返すとともに、該変動入賞装置に入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する誘導装置を配設するとともに、
前記始動入賞口に遊技球が入賞すると、特図変動表示ゲームが開始され、特図変動表示ゲームの停止図柄に基づく開放パターンで前記変動入賞装置を作動させる開放制御手段と、
前記誘導装置が基準位置から所定作動位置まで作動する作動時間に基づいて予め設定された複数の変動時間の中から、前記特図変動表示ゲームの変動時間として選択する変動時間選択手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
ここで、第1役物装置51及び天国役物装置66は誘導装置を構成し、遊技制御装置100は開放制御手段、変動時間設定手段、特図変動制御手段を構成する。また、ROM171Bは変動時間記憶手段を構成する。さらに、第1始動入賞口33a、33b及び第2始動入賞口34は、始動入賞口に相当する。変動入賞装置35は変動入賞装置に相当し、特別入賞領域69は特別入賞領域に相当する。
また、羽根モノタイプの遊技機に限定した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者にとって不利な第1状態と遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能であるとともに、該第2状態への変換により受け入れられた遊技球が流下する入賞空間と、該入賞空間を流下した遊技球が流入する一般入賞領域および特別入賞領域と、を有する変動入賞装置を遊技領域に備え、
前記遊技領域に発射された遊技球が始動入賞口へ入賞した場合に、前記変動入賞装置を所定回数、前記第2状態に変換する始動遊技を実行し、前記第2状態への変換により受け入れられた遊技球が前記特別入賞領域へ流入した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるようにした遊技機において、
前記変動入賞装置に、周期的な所定動作を繰り返すとともに、該変動入賞装置に入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する誘導装置を配設するとともに、
前記始動入賞口に遊技球が入賞すると、特図変動表示ゲームが開始され、特図変動表示ゲームの停止図柄に基づく開放パターンで前記変動入賞装置を作動させる開放制御手段と、
前記誘導装置が基準位置から所定作動位置まで作動する作動時間に基づいて予め設定された複数の変動時間の中から、前記特図変動表示ゲームの変動時間として選択する変動時間選択手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
次に、図73に示すような変動パターン振分テーブルについての発明概念は、下記のように表される。
前記特図変動表示ゲームの変動時間は、前記誘導装置が基準位置から所定作動位置まで作動する作動量と、前記誘導装置の所定作動位置までの作動に要する作動時間と、から設定され、
前記特図変動表示ゲームに対する変動時間を複数記憶する変動時間記憶手段を備え、
前記変動時間記憶手段は、
前記誘導装置の作動量に対応させて前記複数の変動時間の振り分け値がほぼ均等となるように、前記変動時間の振り分け値を記憶し、
前記変動時間選択手段は、
前記変動時間記憶手段に記憶された複数の変動時間の中から、前記特図変動表示ゲームの変動時間を選択することを特徴とする遊技機。
次に、本実施例のように、誘導装置として第1役物装置51及び天国役物装置66を2つ配置した場合における発明概念は、下記のように表される。
変動入賞装置に、前記誘導装置を複数備え、
遊技球が各誘導装置を順次通過していき、入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する構成であるとともに、
前記複数の誘導装置の1周期の作動時間は異なるように構成され、
特図変動表示ゲームの変動時間は、
前記複数の誘導装置の1周期の時間と関連させて設定されることを特徴とする遊技機。
次に、本実施例に関連して、所謂羽根モノに属するタイプの遊技機(パチンコ機1)の背景として、以下のことがある。
従来、所謂羽根モノに属するタイプの遊技機では、特図変動のリーチまで考慮した遊技機は設計されていなかった。
そこで、本実施例では上述したように、第1始動入賞口33a、33bの何れかに入賞した場合に、一括表示装置50の特図1が所定時間の変動を行った後、停止図柄の結果態様に基づいて小当りが発生し、このとき、変動入賞装置35(大入賞口)における可動部材43a、43bが1回開放又は2回開放の動作を行うようにしている。これは、特図変動パターンにリーチゲームを入れるとともに、小当りが発生するときは。その停止図柄の種類によって1回開放又は2回開放を区別しているものである。
このように、本来は1回開き(可動部材43a、43bが1回開放動作すること)である第1始動入賞口33a、33bへの入賞について、本実施例では2回開き(可動部材43a、43bが2回開放動作すること)を取り入れているとともに、2回開きの特図変動表示ゲームに対しては、特図変動にリーチを発生させるゲームを取り入れている。
したがって、従来に比べて、本実施例では第1始動入賞口33a、33bへの入賞について可動部材43a、43bの2回開きを採用しているので、パチンコ遊技のゲーム性を向上させることができる。
また、遊技用マイコン171のROM171Bには、例えば特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターン振分テーブルを記憶しており、このようなデータに基づいて特図変動表示ゲームを行うので、特に、止め打ちを防止しつつ、羽根モノに属するタイプの遊技機(パチンコ機1)について特図変動のパターンにリーチ変動を含めることで、止め打ち防止と、パチンコ遊技のゲーム性の向上とを両立させることができる。
上記のように特図変動表示ゲームを制御する場合における発明概念は、下記のように表される。
前記特図変動表示ゲームの特図変動を制御する特図変動制御手段を備え、
前記特図変動制御手段は、
前記特図変動表示ゲームに前記変動入賞装置の開放パターンが通常と異なる動作となる可能性を示唆し、通常変動より長い変動を行うリーチ変動を含む制御を行うとともに、前記リーチ変動の時間を前記誘導装置の1周期の時間に基づいて設定し、
前記開放制御手段は、
前記変動入賞装置を複数種類の開放パターンで制御するとともに、前記リーチ変動の変動時間から求められる前記誘導装置の1以下の周期を含めて、全ての周期の出現率がほぼ均等となるように、特図変動表示ゲームの変動時間の変動時間を振り分けて設定することを特徴とする遊技機。。
次に、本発明の実施例2について説明する。
この実施例2は、前述した実施例1をベースにしており、図1乃至図73のうち共通する図面については説明を省き、異なる図面としてモータ動作編集処理(実施例1で言えば、図61に相当)があるので、実施例2のモータ動作編集処理について図74及び図62を参照して説明する。また、実施例2の図面として図75以降の図面もあるので、それらについても説明する。
〔モータ動作編集処理〕
図74、図62は実施例2のモータ動作編集処理を示すフローチャートである。
なお、実施例1で示したように、モータ動作編集処理は図61及び図62の2枚の図面があるが、実施例2が実施例1と異なるのは、図61に相当する処理部分であり、この処理部分は図74に示される。また、図62の処理部分については、実施例2も実施例1と共通である。
実施例2のモータ動作編集処理は、モータ制御処理におけるモータ動作編集処理(ステップA14、A24)の詳細を示すものである。
図74、図62に示すように、モータ動作編集処理では、まず、対象の制御ポインタが更新なしコードであるか否かを判定する(ステップA31)。対象の制御ポインタが更新なしコードであれば(ステップA31;YES)、モータ動作編集処理を終了する。
なお、実施例2では対象の役物装置として第1役物装置51と天国役物装置66の2つを設けており、その中で、第1役物装置51には役物モータ81(第1モータ)を配置し、天国役物装置66には役物モータ72(第2モータ)を配置している。したがって、対象の制御ポインタと述べている場合における「対象の」とは、いまモータ動作編集処理において制御の対象としている役物モータ81(第1モータ)又は役物モータ72(第2モータ)の何れかを指している。
一方、対象の制御ポインタが更新なしコードでなければ(ステップA31;NO)、ステップA32へ進み、対象の制御タイマが「0」であるか否かを判定する。対象の制御タイマが「0」であれば(ステップA32;YES)、ステップA56にジャンプする。
対象の制御ポインタが更新なしコードでなく(ステップA31;NO)、かつ、対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA32;NO)、ステップA33に進み、対象の制御タイマを「−1」更新する(ステップA33)。次いで、対象の制御タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA34)、対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA34;NO)、ステップA45にジャンプする。
一方、対象の制御タイマが「0」であれば(ステップA34;YES)、ステップA35へ進む。
ステップA35へ進むと、対象の制御情報が時間値制御であるか否かを判定する。これは、モータ制御を行うにあたり、対象の制御情報が時間の値を制御するものであるを判定するものである。対象の制御情報が時間値制御であれば(ステップA35;YES),ステップA56にジャンプする。
一方、対象の制御情報が時間値制御でなければ(ステップA35;NO),ステップA36に進み、対象の球噛み処理回数を「+1」更新する。これは、対象の制御情報が時間の値を制御するものでない(すなわち、モータスイッチの状態を監視する制御)にもかかわらず、モータスイッチを検出するまでに要する時間値以上に設定された対象の制御タイマが「0」になるまで更新された状態であるので、遊技球が何らかの球噛みを起こしている可能性があることから、対象の球噛み処理回数を「+1」更新するものである。
これは、第1役物装置51や天国役物装置66の内部で球噛みを起こしたときに、その回数をカウントしておくものである。
球噛みを起こした場合には、例えば第1役物装置51の役物モータ81を逆回転させて、ブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行えば、球噛みが解消することが多い。また、例えば天国役物装置66の役物モータ72を逆回転させて、天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行えば、球噛みが解消することが多い。
次いで、対象の球噛み処理回数をエラー発生判定値(例えば、3回)と比較し、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であるか否かを判定する(ステップA37)。
なお、図面(図74等)においては、「玉噛み」と表記している場合もあるが、これは「球噛み」と同じ意味であり、遊技機の分野ではどちらの表現も使用することもあるので、そのようにしている。
対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上でなければ(ステップA37;NO)、ステップA43にジャンプし、対象の球噛み処理中フラグをセットする(ステップA43)とともに、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードする(ステップA44)。ステップA44を経ると、その後、実施例1と同様に図62に示すステップA60へ進む。
一方、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であれば(ステップA37;YES)、ステップA38に進み、既に球噛みがエラー発生しているか否かを判定する(ステップA38)。既に球噛みがエラー発生していなければ(ステップA38;NO)、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー発生フラグをセーブする(ステップA39)とともに、対象の役物エラー発生コマンドを準備する(ステップA40)。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップA41)。これにより、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であって、未だ球噛みがエラー発生していない場合には、役物エラー発生コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に役物エラー発生コマンドに対応した演出表示(例えば、役物の球噛みエラー発生を報知する表示)が行われることになる。ステップA41を経ると、ステップA42へ進む。
ステップA42へ進むと、上述した場合と同様に、対象の球噛み処理回数を上限値(例えば、上限値=エラー発生判定値(例えば、上記のように「3」)に留め(ステップA42)、続いて、ステップA42aに進む。
ステップA42aに進むと、初期化動作中又は大当り中であるか否かを判定する。この判定は、図28に示す特図ゲームにおけるステップS381の分岐判断のうち、ステップS382(処理番号=0:特図電源投入動作処理)、又はステップS389(処理番号=7:ファンファーレ/インターバル中処理)の何れかに分岐すると判断され、その後、これらのステップS382又はステップS389の何れかの処理を実行することになった場合に、初期化動作中又は大当り中であるとの判定が行われる。
ステップA42aで初期化動作中又は大当り中であると判定されると、ステップA43に進んで、対象の球噛み処理中フラグをセットし(ステップA43)、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードしたら(ステップA44)、ステップA44からステップA60へ進む(図62)。したがって、このときは詳細を後述するように、対象の制御ポインタに対応する球噛み処理が実行されることになる。すなわち、この場合には現状の状態において球噛み処理が行われる。
一方、ステップA42aで初期化動作中又は大当り中でないと判定されると、ステップA59に分岐し、制御ポインタとして対象の球噛み復帰ポインタをロードする。ステップA59を経ると、ステップA60へ進み、ステップA60以降の処理を行う。
初期化動作中又は大当り中でないと判定される場合の遊技状態としては、図28に示す特図ゲームにおけるステップS381の分岐判断のうち、ステップS383(処理番号=1:特図普段処理)、ステップS384(処理番号=2:特図変動中処理)、ステップS385(処理番号=3:特図表示中処理)、ステップS386(処理番号=4:小当り開放中処理)、ステップS387(処理番号=5:小当り残存球処理)、ステップS388(処理番号=6:小当り終了処理)、ステップS390(処理番号=8:大入賞口開放中処理)、ステップS391(処理番号=9:大入賞口残存球処理)、ステップS392(処理番号=10:大当り終了処理)がある。
以下の説明では、初期化動作中又は大当り中でないと判定される場合の遊技状態を「球噛み処理非動作遊技状態」として説明する。
したがって、初期化動作中又は大当り中でないと判定された場合、すなわち、「球噛み処理非動作遊技状態」の場合には、対象の球噛み復帰ポインタがロードされて、ステップA60以降の処理が行われるが、この場合には対象の球噛み処理の制御ポインタが球噛み復帰ポインタとなるので、対象の球噛み処理は実行されない。すなわち、この場合には現状の遊技状態に復帰する処理(つまり、現状の遊技状態をそのまま継続する処理)が行われ、球噛み処理は行われないこと(球噛み処理は非動作の状態)になる。
さて、前述したように、ステップA42aで初期化動作中又は大当り中であると判定されると、ステップA43に進んで、対象の球噛み処理中フラグをセットし(ステップA43)、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードしたら(ステップA44)、ステップA44からステップA60(図62)へ進むが、一方、既に球噛みがエラー発生していれば(ステップA38;YES)、ステップA39乃至ステップA41の処理を行わずに、ステップA42にジャンプし、ステップA42移行の処理を実行する。すなわち、このときは対象の球噛み処理回数を上限値に留め(ステップA42)、次いで、ステップA42aで初期化動作中又は大当り中であるか否かを判定し、ステップA42aでYESの判定結果であれば、対象の球噛み処理中フラグをセットし(ステップA43)、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードする(ステップA44)ことが行われる。
また、既に球噛みがエラー発生していて(ステップA38;YES)、ステップA39乃至ステップA41の処理を行わずに、ステップA42にジャンプし、ステップA42移行の処理を実行するとき、ステップA42aでNOの判定結果であれば、ステップA59に分岐し、制御ポインタとして対象の球噛み復帰ポインタをロードし、更に、ステップA59を経ると、ステップA60へ進み、ステップA60以降の処理を行う。
したがって、この場合には既に球噛みがエラー発生したとしても、現状の遊技状態に復帰する処理(つまり、現状の遊技状態をそのまま継続する処理)が行われ、球噛み処理は行われないことになる。
このように、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上でなければ、対象の球噛み処理回数を上限値に留めるとともに、対象の球噛み処理中フラグをセットし、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードすることが行われる。
一方、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であるものの、未だ球噛みがエラー発生していない場合には、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー発生フラグをセーブし、対象の役物エラー発生コマンドを準備して情報表示器45に役物エラー発生コマンドに対応した演出表示が行われることになる。
また、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であり、かつ既に球噛みがエラー発生している場合には、対象の球噛み処理回数を上限値に留めるとともに、対象の球噛み処理中フラグをセットし、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードすることが行われる。
さらに、今回の遊技状態を判定し、初期化動作中又は大当り中であれば、対象の球噛み処理を実行し、初期化動作中又は大当り中でなく、「球噛み処理非動作遊技状態」の場合には、対象の球噛み処理を実行せず、現状の遊技状態をそのまま継続する処理が行われる。
一方、上述したように、対象の制御ポインタが更新なしコードでなく(ステップA31;NO)、対象の制御タイマが「0」でなく(ステップA32;NO)、その後、対象の制御タイマを「−1」更新し(ステップA33)、対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA34;NO)、ステップA45にジャンプすると述べているので、ステップA45にジャンプした場合について説明する。
ステップA45に進むと、対象の制御情報が時間値制御であるか否かを判定する。これは、モータ制御を行うにあたり、対象の制御情報が時間の値を制御するものであるかを判定するものである。対象の制御情報が時間値制御であれば(ステップA45;YES),ステップA70にジャンプする。
一方、対象の制御情報が時間値制御でなければ(ステップA45;NO),ステップA46に進み、モータ制御情報テーブルを設定する(ステップA46)とともに、制御情報に対応するテーブルアドレスを算出する(ステップA47)。次いで、監視対象となるモータスイッチのスイッチ制御領域のアドレス、監視ビットデータ、判定データを取得する(ステップA48)。
ここで監視対象となるモータスイッチとは、第1モータスイッチ82又は第2モータスイッチ71のうち、現在監視対象としているスイッチを指している。
なお、第1モータスイッチ82は第1役物装置51における役物モータ81がブリッジ本体80を左右のどちらに傾斜させているかを検出している。また、第2モータスイッチ71は天国役物装置66における役物モータ72の初期位置を検出している。
ステップA48を経ると、次いで、ステップA49に進み、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックする(ステップA49)。これにより、第1モータスイッチ82又は第2モータスイッチ71のうち、現在監視対象としているスイッチの状態がチェックされる。
次いで、次動作移行条件が成立しているか否かを判定する(ステップA50)。これは、対象の制御情報が時間値制御でなく、モータ制御情報テーブルを設定し、制御情報に対応するテーブルアドレスを算出し、監視対象となるモータスイッチのスイッチ制御領域のアドレス、監視ビットデータ、判定データを取得し、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックしているので、次の動作への移行が可能かを判定しているものである。
次動作移行条件が成立していなければ(ステップA50;NO)、ステップA70(図62)へジャンプする。一方、次動作移行条件が成立していれば(ステップA50;YES)、対象の球噛み処理回数を「0」クリアする(ステップA51)。次いで、既に球噛みエラーが解除されているか否かを判定し(ステップA52)、既に球噛みエラーが解除されていれば(ステップA52;YES)、ステップA56にジャンプする。
一方、既に球噛みエラーが解除されていなければ(ステップA52;NO)、ステップA53に進み、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー解除フラグをセーブする(ステップA53)とともに、対象の役物エラー解除コマンドを準備する(ステップA54)。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップA55)。これにより、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックし、次の動作への移行条件が成立している場合には、対象の球噛み処理回数が「0」クリアされ、対象の役物エラー解除コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に役物エラー解除コマンドに対応した演出表示(例えば、役物の球噛みエラーの解除を報知する表示)が行われることになる。ステップA55を経ると、ステップA56へ進む。
ステップA56へ進むと、対象の制御ポインタをロードし(ステップA56)、ロードした制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものであるか否かを判定する(ステップA57)。制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものであれば(ステップA57;YES)、対象の球噛み処理中フラグをクリアする(ステップA58)とともに、制御ポインタとして対象の球噛み復帰ポインタをロードする(ステップA59)。ステップA59を経ると、図62のステップA60へ進む。
一方、制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものでなければ(ステップA57;NO)、ステップA60へジャンプする。
図62のステップA60へ進むと、制御ポインタに対応するモータ動作テーブルのアドレスを算出し(ステップA60)、制御ポインタを取得し(ステップA61)、制御タイマを取得し、対象の制御タイマ領域にセーブする(ステップA62)。
次いで、制御情報を取得し、対象の制御情報領域にセーブし(ステップA63)、励磁情報を取得し、対象の励磁情報領域にセーブし(ステップA64)、対象の励磁タイマ領域をクリアする(ステップA65)。
ここで、励磁情報は対象のモータ(第1モータスイッチ82又は第2モータスイッチ71)を励磁、つまり、オン作動(回転駆動)させる情報のことである。
次いで、制御情報が時間値制御であるか否かを判定する(ステップA66)。これは、モータ制御を行うにあたり、対象の制御情報が時間の値を制御するものであるを判定するものである。対象の制御情報が時間値制御であれば(ステップA66;YES),ステップA69にジャンプする。そして、ステップA69では対象の球噛み時次ポインタ領域に更新なしコードをセーブし(ステップA69)、その後、ステップA70に進む。
一方、制御情報が時間値制御でなければ(ステップA66;NO),ステップA67に進み、球噛み時次ポインタを取得し、対象の球噛み時次ポインタ領域にセーブする(ステップA67)。次いで、更新前の制御ポインタを対象の球噛み復帰ポインタ領域にセーブし(ステップA68)、その後、ステップA70に進む。
ここで、ステップA60からステップA68までの処理は、球噛み処理から復帰する場合の復帰ポイントの値を設定するものである。
ステップA68やステップA69からステップA70に進むと、対象の励磁タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップA70)。対象の励磁タイマが「0」でなければ(ステップA70;NO)、対象の励磁タイマを「−1」更新し(ステップA71)、対象の励磁タイマが「0」になったか否かを判定する(ステップA72)。対象の励磁タイマが「0」になっていれば(ステップA72;YES)、ステップA73へ進む。
一方、対象の励磁タイマが「0」であれば(ステップA70;YES)、ステップA73にジャンプする。
ステップA70で対象の励磁タイマが「0」と判定した場合やステップA72で対象の励磁タイマが「0」と判定した場合には、何れも対象の励磁タイマが「0」であるから、ステップA73に進み、対象の励磁情報が停止の情報であるか否かを判定する(ステップA73)。対象の励磁情報が停止の情報であれば(ステップA73;YES)、対象の励磁データ領域に出力オフデータをセーブし(ステップA74)、その後、モータ動作編集処理を終了する。
一方、対象の励磁情報が停止の情報でなければ(ステップA73;NO)、ステップA75に進み、モータ励磁情報テーブルを設定する(ステップA75)とともに、対象の励磁情報に対応するテーブルのアドレスを算出し(ステップA76)、励磁タイマを取得し、対象の励磁タイマ領域にセーブする(ステップA77)。
次いで、励磁カウンタ加算値を取得し、対象の励磁カウンタと加算する(ステップA78)。次いで、加算後の値を「0」乃至「3」の範囲に補正する(ステップA79)。
ここで、対象のモータ(第1モータスイッチ82又は第2モータスイッチ71)が時計回転(CW)の場合には「+1」、「+2」が加算値となり、モータが反時計回転(CCW)の場合には「−1」、「−2」が加算値となる。
これは、球噛みを起こした場合には、例えば第1役物装置51の役物モータ81を逆回転あるいは正回転させて、ブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行って球噛みが解消するためである。
また、例えば天国役物装置66の役物モータ72を逆回転あるいは正回転させて、天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行って球噛みが解消するためである。
ステップA79を経ると、次いで、ステップA80に進み、補正後の値を対象の励磁カウンタ領域にセーブし(ステップA80)、モータ励磁データテーブルを設定する(ステップA81)。次いで、対象の励磁カウンタに対応するテーブルのアドレスを算出し(ステップA82)、続いて、出力データを取得し、対象の励磁データ領域にセーブする(ステップA83)。ステップA83を経ると、モータ動作編集処理を終了する。
次に、実施例2のパチンコ機1で行われる役物装置(第1役物装置51及び天国役物装置66)の動作につき、玉噛み処理の動作を含めて説明する。
なお、以下の図75乃至図79に示す初期化動作、通常動作、玉噛み処理は遊技制御装置100の制御によって実行される。
ここで、「玉噛み処理」とは玉噛みが発生したと判断(詳細は後述)されたときに、玉噛みを解消するために、例えば天国役物装置66の役物モータ72を逆回転させて、天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の対応を行って球噛みを解消する処理のことである。本来であれば、「玉噛み発生に対するその解消処理」あるいは「玉噛み解消処理」と呼ぶことも考えられが、長くなるので、単に「玉噛み処理」と称している。
<初期化動作>
図75はシーソー構造の第1役物装置51の初期化動作を説明するタイミングチャート、図76は天国役物装置66の初期化動作を説明するタイミングチャートである。
これらの図はパチンコ機1の電源投入時における第1役物装置51及び天国役物装置66の初期化動作を示している。まず、パチンコ機1の電源投入には、遊技用マイコン171のRAM171Cがクリアされ、このRAMクリア時に第1役物装置51及び天国役物装置66の初期化動作が行われる。
図75において、第1役物装置51の役物モータ81はブリッジ本体80をほぼ中央を支点として左右にシーソーのように揺動するように駆動するステップ式のモータ(いわゆるシーソーモータ)であり、時計回転(CW)では1ステップ毎に8msの速度で回転し、反時計回転(CCW)でも同様に1ステップ毎に8msの速度で回転する。
第1モータスイッチ82は役物モータ81がブリッジ本体80を左右のどちらに傾斜させているかを検出しており、ブリッジ本体80が左右のどちらに傾斜せず、ほぼ水平であるときは、第1モータスイッチ82は遮光状態になっている。一方、ブリッジ本体80が傾斜した状態になると、第1モータスイッチ82は遮光から通光に切り替わる。役物モータ81の回転方向と第1モータスイッチ82の状態を監視することで、ブリッジ本体80が左右のどちらに傾斜しているかを検出する。
ブリッジ本体80には停止、左傾き中、右傾き中という動作形態があり、ブリッジ本体80が左傾き中や右傾き中という動作状態のときに、第1モータスイッチ82は遮光→通光待ちという状態がある。この状態は、第1モータスイッチ82が遮光状態から通光状態に切り替わる動作を待っている状態であり、いわゆる「通光待ち」の状態である。
図75に示すように、第1役物装置51の初期化動作ではパチンコ機1の電源投入と同時に第1役物装置51の役物モータ81は1ステップ毎に8msの速度で時計回転(CW)を開始し、30ステップ後に第1モータスイッチ82は通光待ちの状態になる。なお、この時点で既に第1モータスイッチ82が通光状態になる場合もある。
また、パチンコ機1の電源投入時には役物モータ81は時計回転(CW)の強制送りに駆動され、役物モータ81が時計回転(CW)に駆動される場合はブリッジ本体80は右傾きの動作を行うことから、この時点ではブリッジ本体80が左傾き状態での通光状態はない。
次いで、ブリッジ本体80は停止することになり、停止の直前から停止状態、右傾き開始直後の間は、停止状態を挟んで第1モータスイッチ82が通光状態にある。
図75では通光待ちから役物モータ81の回転が10ステップ進んだ時点で、役物モータ81が停止し、第1モータスイッチ82は通光状態となる(詳しくは、役物モータ81の停止直前から通光状態となる)。なお、第1モータスイッチ82の通光待ち開始時に既に通光状態であった場合には、ここでの停止は正規の停止位置ではない。
ここで、パチンコ機1の電源投入時に最初に第1役物装置51の役物モータ81を時計回転(CW)に駆動した後、停止させるのは、以下の理由による。
すなわち、今回のパチンコ機1の電源投入時より以前の前回のパチンコ機1の電源遮断時(例えば、閉店時)には第1役物装置51のブリッジ本体80が停止あるいは左右に傾き中のどの位置にあるかは不確定であるので、今回のパチンコ機1の電源投入時には一旦、第1役物装置51の役物モータ81を時計回転(CW)に駆動した後、停止し、次いで、後述のように反時計回転(CCW)に駆動して停止するような制御を繰り返して、最終的に第1役物装置51のブリッジ本体80をほぼ水平状態にして停止させることで、遊技を開始可能な状態に初期化するような動作を行うものである。
役物モータ81が時計回転(CW)に駆動されて停止したときは、ブリッジ本体80も停止し、ほぼ水平位置にある。役物モータ81の駆動停止後、160msが経過すると、次いで、役物モータ81が反時計回転(CCW)に駆動される。これにより、第1モータスイッチ82が通光状態から遮光状態になる。この場合、役物モータ81が反時計回転(CCW)に駆動される場合には、ブリッジ本体80は左傾きの動作を行う。
ここで、役物モータ81の反時計回転(CCW)への駆動開始から30ステップ回転が行われると、第1モータスイッチ82は遮光から通光待ちの期間W1になる。そして、この期間W1において、「通光待ち」の状態が2880ms継続した場合には、後述のように球噛み発生と判断して第1役物装置51の役物モータ81を逆回転する等して球噛みを解消する処理(すなわち、玉噛み処理)が行われる。
その後、役物モータ81が停止すると、ブリッジ本体80はほぼ水平になる。ここでのブリッジ本体80の停止位置が左傾き(図75では左下がりと表記)の動作を経てからの正規の停止位置となる。
次いで、役物モータ81の反時計回転(CCW)への駆動が停止してから(このとき、ブリッジ本体80は左傾きの動作を経て正規の停止位置)、160msが経過すると、再び、役物モータ81が時計回転(CW)に駆動された後、停止する動作を行う。
ここで、役物モータ81の時計回転(CW)への駆動開始から30ステップ回転が行われると、第1モータスイッチ82は遮光から通光待ちの期間W2になる。そして、この期間W2において、「通光待ち」の状態が2880ms継続した場合にも、同様に、後述のように球噛み発生と判断して第1役物装置51の役物モータ81を逆回転する等して球噛みを解消する処理(すなわち、玉噛み処理)が行われる。
なお、役物モータ81の時計回転(CW)への駆動が停止した時点におけるブリッジ本体80の停止位置が右傾き(図75では右下がりと表記)の動作を経てからの正規の停止位置となる。
次いで、役物モータ81の時計回転(CW)への駆動が停止した時点から160msが経過すると、再び、役物モータ81が反時計回転(CCW)に100ステップだけ駆動され、その後、駆動が停止する。役物モータ81が停止すると、ブリッジ本体80はほぼ水平になり、シーソー構造のブリッジ本体80の中央で停止する。
次いで、1000msが経過した時点で図75に示すように第1役物装置51の初期化動作が終了する。
そして、第1役物装置51の初期化動作終了後は、通常の遊技動作(ここでは、初期化動作以外の遊技動作)に移行する。
次に、図76を参照して天国役物装置66の初期化動作について説明する。
天国役物装置66は天国回転体67、第2モータスイッチ71、役物モータ72を備えており、役物モータ72が回転することにより、その動力が複数の歯車73a乃至73cを介して天国回転体67の駆動軸74に伝達され、天国回転体67が一定速度で回転(例えば、時計周りの回転方向)するようになっている。
また、第2モータスイッチ71は天国役物装置66における天国回転体67の初期位置を検出するもので、遮光板76を備えている。すなわち、第2モータスイッチ71は歯車73dの支柱に対抗して立設している遮光板76を備えており、例えば歯車73dの支柱により光が第2モータスイッチ71を遮光している状態は、V入賞凹部68a、68bの片方が特別入賞領域69の上にある状態になっていることから、この状態が天国回転体67の初期位置であれば、第2モータスイッチ71は光を遮光しているか否で、初期位置を検出することになる。
図76に示すように、パチンコ機1の電源投入と同時に天国役物装置66の役物モータ72は1ステップ毎に8msの速度で反時計回転(CCW)を開始し、720ステップ後に第2モータスイッチ71は遮光待ちの状態になる。なお、この時点で既に第2モータスイッチ71が遮光状態になる場合もある。また、第2モータスイッチ71の遮光待ち開始時に既に第2モータスイッチ71が遮光を検出している場合もあることから、その場合には第2モータスイッチ71の変化点でない可能性もある。
その後、第2モータスイッチ71が遮光待ちの状態から通光になると、ここが天国回転体67の初期位置になるので、次の回転で再び、天国回転体67の初期位置が検出(第2モータスイッチ71が遮光待ちの状態から通光を検出)されるまで、少なくとも1周は天国回転体67を回すように役物モータ72を駆動する。
また、第2モータスイッチ71が遮光待ちの状態では、通光が保障されるところまで、天国回転体67を回すように役物モータ72を駆動する。
第2モータスイッチ71が遮光待ちの状態で、天国役物装置66の役物モータ72が反時計回転(CCW)に駆動を継続されているとき、第2モータスイッチ71が遮光待ちから通光になると、その時点から役物モータ72の60ステップ回転後に、第2モータスイッチ71が遮光状態から通光待ちになる。
ここで、役物モータ72が反時計回転(CCW)への駆動を継続されているとき、第2モータスイッチ71が遮光待ちから通光になり、その時点から役物モータ72の60ステップ回転後に、第2モータスイッチ71が遮光状態から通光待ちの期間W3になる。そして、この期間W3において、「通光待ち」の状態が2880ms継続した場合にも、同様に、後述のように球噛み発生と判断して天国役物装置66の役物モータ72を逆回転する等して球噛みを解消する処理(すなわち、玉噛み処理)が行われる。
次いで、第2モータスイッチ71が遮光状態から通光を検出すると、ここが天国回転体67の初期位置になる。
これは、第2モータスイッチ71が最初に変化点(遮光から通光への変化点)を検出してから次回の変化点である天国回転体67の初期位置を検出するまで、役物モータ72を駆動することになる。すなわち、第2モータスイッチ71が最初に変化点を検出してから、次回の変化点としての天国回転体67の初期位置(停止位置)まで天国回転体67を回すように役物モータ72を駆動する。
次いで、第2モータスイッチ71が遮光から通光を検出してから、役物モータ72の15ステップ回転後に、役物モータ72の反時計回転(CCW)への駆動が停止する。
その後、1000msが経過した時点で図76に示すように天国役物装置66の初期化動作が終了する。
そして、天国役物装置66の初期化動作終了後は、通常の遊技動作(ここでは、初期化動作以外の遊技動作)に移行する。
上記のように、第1役物装置51及び天国役物装置66の初期化動作は図75、図76に示すタイミングチャートのように行われる。
そして、第1役物装置51及び天国役物装置66の初期化動作が終了すると、通常の遊技動作(初期化動作以外の遊技動作)に移行することになる。
なお、第1役物装置51及び天国役物装置66の初期化動作に関連して、以下のような処理も行われる。
第1役物装置51におけるハト部材52を上下に駆動する役物ソレノイド203は、初期化動作を行わず、同様に、コウモリ部材53を上下に駆動する役物ソレノイド204も初期化動作を行わない。したがって、第1役物装置51及び天国役物装置66の初期化動作中は、役物ソレノイド203及び役物ソレノイド204はオフを継続することになる。
また、第1役物装置51及び天国役物装置66の初期化動作中は、第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)及び第2始動入賞口34(第2始動口)の始動口としての機能は無効とするが、入賞口としての機能は有効にする。したがって、例えば第1役物装置51及び天国役物装置66の初期化動作中に、第2始動入賞口34(第2始動口)に球が入賞した場合には、特図2の記憶は追加されないが、賞球の払出しは行われる。
一方、一般入賞口36a、36bの機能は有効とする。したがって、上記初期化動作中に、一般入賞口36a、36bに入賞した場合は賞球の払出しは行われる。
また、天国役物装置66の初期化動作中は、天国回転体67のV入賞凹部68a、68bに遊技球が嵌って支持されて、特別入賞領域69にV入賞してもV入賞は無効であり、大当りの発生はない。なお、後述のように初期化動作中は、パチンコ機1の球は発射停止となるので、天国役物装置66の内部に遊技球が入る可能性は低いが、例えば残存球が遊技盤20に残っていて、店員がパチンコ機1の初期化動作を行うようなケースもあるので、特別入賞領域69にV入賞する可能性が皆無とまでは言えない。
なお、パチンコ機1に大当りが発生して、大当り中(大当り遊技の進行中)の場合にも、同様に、遊技球が特別入賞領域69にV入賞してもV入賞は無効であり、再度大当りになることはない。
一方、パチンコ機1の動作中に停電が発生した場合、その停電復旧時には、パチンコ機1を停電時の状態にその場復帰(すなわち、停電直前の遊技状態に復帰)させるため、パチンコ機1の電源投入動作は行わない。
また、第1役物装置51及び天国役物装置66の初期化動作中は、パチンコ機1の球は発射停止とし、初期化動作以外の通常動作に移行した時点より球を発射許可とする。
<通常動作>
次に、第1役物装置51及び天国役物装置66の通常動作について説明する。
第1役物装置51における通常動作のタイミングチャートについては、図72に示しているので、省略する。
図77は天国役物装置66の通常動作を説明するタイミングチャートである。
図77において、通常動作中では天国役物装置66の役物モータ72は1ステップ毎に4msの速度で反時計回転(CCW)に駆動されており、これにより、天国回転体67が一定速度で回転している。
この場合、役物モータ72は反時計回転(CCW)で60ステップだけ駆動される期間と、この反時計回転(CCW)を第2モータスイッチ71が通光から遮光に変化するまでの期間とを合わせた期間を1単位として、この1単位の期間を繰り返すように、役物モータ72は反時計回転(CCW)で駆動される。
すなわち、「60ステップのCCW駆動+通光から遮光待ちの間のCCW駆動」を1単位として、これが繰り返される。
図77では、第2モータスイッチ71が遮光状態から通光になる場合を動作開始の例にしており、第2モータスイッチ71が遮光状態のときが天国回転体67の初期位置になる。
天国回転体67が回転している間に、天国流入空間62に流入した球が何れかのV入賞凹部68a、68bに嵌って支持されると、その球は特別入賞領域69に落下し、大当りが発生することになる。
なお、第1役物装置51及び天国役物装置66の通常動作では、玉噛みが発生したとしても、玉噛み処理は行われず、そのときの動作を継続する。
また、第1役物装置51及び天国役物装置66の通常動作に関連して、以下のような処理も行われる。
第1役物装置51及び天国役物装置66は図柄変動時(一括表示装置50における特図の変動時等)、小当り時、大当り時を含め、常に通常動作を継続する。また、第1役物装置51におけるハト部材52を上下に駆動する役物ソレノイド203、及びコウモリ部材53を上下に駆動する役物ソレノイド204は、通常オフの動作を継続し、小当り時、大当り時にそれぞれ動作を行う。
<玉噛み処理>
次に、第1役物装置51及び天国役物装置66の玉噛み処理の動作について説明する。
図78はシーソー構造の第1役物装置51の玉噛み処理の動作を説明するタイミングチャート、図79は天国役物装置66の玉噛み処理の動作を説明するタイミングチャートである。
(A)第1役物装置51の玉噛み処理
まず、第1役物装置51の玉噛み処理の動作を説明する。
図78の上段は、パチンコ機1の初期化動作、通常動作における玉噛み発生や玉噛み処理を行う場合のタイミングチャートである。
ここでの通常動作とは、初期化動作以外の遊技動作である。
また、玉噛み処理を行うのは、初期化動作中や大当り中に限られるが、玉噛みの発生自体は通常動作中でも起こるので、玉噛みの発生については初期化動作、通常動作の双方の場合も説明する。ただし、通常動作中のときは大当り中以外は、玉噛み処理を行わず、エラー報知のみが行われる(詳細は後述)。
図78の上段はパチンコ機1の初期化動作、通常動作において、第1役物装置51の役物モータ81が時計回転(CW)で駆動される場合の動作を示し、図78の下段はパチンコ機1の初期化動作、通常動作において、第1役物装置51の役物モータ81が反時計回転(CCW)で駆動される場合の動作を示している。
図78の上段に示すように、第1役物装置51の役物モータ81が時計回転(CW)で駆動される場合には、第1役物装置51のブリッジ本体80は左傾きの動作を行う。
「時計回転(CW)で駆動中の場合」
第1役物装置51の役物モータ81が時計回転(CW)で駆動中の場合には、役物モータ81は1ステップ毎に8msの速度で回転する。なお、役物モータ81は反時計回転(CCW)でも同様に1ステップ毎に8msの速度で回転する。
図78の上段に示す例は役物モータ81が時計回転(CW)で駆動中に玉噛みが発生した例を示しており、役物モータ81が時計回転(CW)で駆動中は第1モータスイッチ82が遮光待ちの状態(遮光から通光待ちを含む)になるが、この遮光待ちの状態が2880ms継続すると、継続した時点で玉噛み発生と判断する。これは、玉噛み発生がなければ、第1役物装置51の役物モータ81は時計回転(CW)で少なくとも2880ms未満で1周期のブリッジ本体80の傾き動作を行うため、2880ms未満で第1モータスイッチ82が遮光状態になるが、ずっと遮光待ちの状態が続くということは、主に玉噛みが原因で役物モータ81の回転に必要以上の時間を要しているから、玉噛み発生と判断するものである。
玉噛み発生と判断すると、次いで、200msだけ役物モータ81の駆動を停止し、その後、役物モータ81を反時計回転(CCW)に駆動(つまり、逆回転に駆動)し、それを100ステップ回転だけ継続する。次いで、役物モータ81の駆動を200msだけ停止する。
ここで、玉噛みの発生状況としては、例えば以下のような例がある。
遊技中に遊技球が第1役物装置51に流入すると、遊技球は第1役物装置51のブリッジ本体80に当接して転がり、天国流入空間62又は地獄流入空間63の何れかに流入するが、この過程で遊技球が役物モータ81によって駆動されるブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間に挟まれてガリガリと音がして、いわゆる球噛みを起こすことがある。
この状態は、上述したように役物モータ81の回転中に第1モータスイッチ82が遮光待ちの状態が2880ms継続した場合に玉噛み発生と判断することで検出される。なお、この例は、役物装置51の役物モータ81が時計回転(CW)で駆動中の場合である。
玉噛みを起こした場合には、例えば役物モータ81を逆回転させて、ブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行えば、球噛みが解消することが多い。
図78の例では、玉噛み発生と判断されると、上述したように、「200ms役物モータ81の停止→役物モータ81の逆回転100ステップ→200ms役物モータ81の停止」という処理が行われる。これにより、役物モータ81を一旦停止後、逆回転させ、さらに停止するという動作を行うことで、ブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理が行われ、玉噛みを解消することができる。
上述のように、役物モータ81を逆回転させ、その後200msだけ停止させた後は、再び、役物モータ81を時計回転(CW)に駆動し、玉噛み処理前の状態に復帰させる。
このような玉噛み処理(つまり、玉噛み発生を解消する処理)を実行するのは、パチンコ機1の初期化動作中や大当り中に限られる。したがって、上記の玉噛み処理は前述した図75における第1モータスイッチ82の遮光から通光待ちの期間W2において、この遮光待ちの状態が2880ms継続すると、継続した時点で玉噛み発生と判断されて、上述の玉噛み処理が行われるのが典型的な例である。また、大当り中においても、同様に第1モータスイッチ82の遮光待ちの状態が2880ms継続すると、継続した時点で玉噛み発生と判断されて、上述の玉噛み処理が行われる。
パチンコ機1の初期化動作中や大当り中に玉噛み処理を行うのは、これらの初期化動作中や大当り中に玉噛み処理のために、役物モータ81を一旦停止後、逆回転させる等しても、遊技球が第1役物装置51を経由して天国役物装置66にV入賞するという遊技状況にほとんど影響を及ぼすことがなく、遊技者の不利益にならないからである。
一方、パチンコ機1の初期化動作中や大当り中以外の他の遊技状態においては、玉噛み発生と判断されても、玉噛み処理(玉噛みの解消処理)は実行されず、そのときの遊技動作をそのまま継続することが行われる。これは、上記他の遊技状態のときに、玉噛み処理を行って役物モータ81を一旦停止後、逆回転させる等すると、遊技球が第1役物装置51を経由して天国役物装置66にV入賞する遊技状況に影響を及ぼすことがあるので、そのような事態を避けるためである。言い換えれば、パチンコ機1の初期化動作中や大当り中以外の他の遊技状態においては、玉噛み発生と判断しても玉噛み処理を行わないので、天国役物装置66にV入賞する可能性のある遊技球の動向に影響を与えることがなく、遊技者の不利益を防ぐことができる。
また、パチンコ機1の初期化動作中や大当り中以外の他の遊技状態のときに、同じ遊技状態において玉噛み発生が3回連続して発生しても、玉噛み状態が改善されない場合(つまり、玉噛み発生が4回連続して発生した場合)には、「役物異常1エラー」として報知を行う。ここでの報知は、例えば遊技制御装置100から演出制御装置300にエラーコマンドを送信し、演出制御装置300の制御により情報表示器45に「役物異常1エラー」の表示をすることで報知する。「役物異常1エラー」の表示は、第1役物装置51に異常がある状態であることを知らせる報知内容にしておいてもよい。
これにより、遊技店の係員及び遊技者は第1役物装置51に異常があることを知ることができるとともに、遊技店の係員は当該遊技状態が変化して、玉噛み処理が可能になったと判断できる遊技状態になったときに、例えばパチンコ機1の初期化を行い、その初期化動作中に玉噛み処理を行って、玉噛みを解消することもできる。
なお、前述したように、パチンコ機1の初期化動作中には玉噛み処理を行わせることが可能である(図75参照)。
パチンコ機1の初期化動作中や大当り中以外の他の遊技状態のときに、玉噛み発生したら、直ぐに玉噛み処理を行って役物モータ81を一旦停止後、逆回転させる等すると、遊技球が第1役物装置51を経由して天国役物装置66にV入賞する遊技状況に影響を及ぼすことがあるが、実施例2ではこのような遊技状態では玉噛み処理を行わず、玉噛み発生が4回連続して発生した場合にのみ、「役物異常1エラー」として報知を行うので、天国役物装置66にV入賞する可能性のある遊技球の動向に影響を与えることがなく、遊技者の不利益を防ぐことができる。
ここで、上述したように、玉噛み状態が改善されない場合(つまり、玉噛み発生が4回連続して発生した場合)には、「役物異常1エラー」として報知を行うが、この「役物異常1エラー」は玉噛み発生が4回連続して発生場合だけに限らず、玉噛み処理を行わない場合であっても(つまり、玉噛み発生異常でなくても)、第1役物装置51のセンサ(例えば、第1モータスイッチ82)やケーブルの故障等もあるので、第1役物装置51の異常を検出可能な構成になっている。
これは、第1役物装置51の役物モータ81が時計回転(CW)で駆動中の場合に、第1モータスイッチ82の遮光待ちの状態(遮光から通光待ちを含む)が2880ms継続すると、継続した時点で玉噛み発生と判断するが、玉噛み発生でなく、例えば第1役物装置51のセンサ(例えば、第1モータスイッチ82)やケーブルの故障等の可能性もあることから、第1役物装置51のセンサ(例えば、第1モータスイッチ82)やケーブルの故障等が発生した場合でも、第1役物装置51の役物異常として検出できるからである。
そして、このような異常が4回連続して発生した場合には、上述したように「役物異常1エラー」として報知が行われる。ただし、細かくは「役物異常1エラー」の内容が玉噛み発生であるのか、あるいは第1役物装置51のセンサ(例えば、第1モータスイッチ82)やケーブルの故障等であるのかは店員の点検により判別されるが、何れにしても、センサ等の異常も合わせて検出できるので、実施例2では「役物異常1エラー」として報知している。なお、玉噛み発生か、センサ等の異常かを区別可能な構成にしてもよい。
上記の制御は、後述の「役物異常2エラー」についても同様である。
「反時計回転(CCW)で駆動中の場合」
次に、図78において、第1役物装置51の役物モータ81が反時計回転(CCW)で駆動中の場合の玉噛み処理について説明する。
図78の下段に示すように、第1役物装置51の役物モータ81が反時計回転(CCW)で駆動される場合には、第1役物装置51のブリッジ本体80は右傾きの動作を行う。
図78の下段に示すように、第1役物装置51の役物モータ81が反時計回転(CCW)で駆動中の場合、役物モータ81は1ステップ毎に8msの速度で回転する。なお、役物モータ81は時計回転(CW)でも同様に1ステップ毎に8msの速度で回転する。
図78の下段に示す例は役物モータ81が反時計回転(CCW)で駆動中に玉噛みが発生した例を示しており、役物モータ81が反時計回転(CCW)で駆動中は第1モータスイッチ82が遮光待ちの状態(遮光から通光待ちを含む)になるが、この遮光待ちの状態が2880ms継続すると、継続した時点で玉噛み発生と判断する。これは、玉噛み発生がなければ、第1役物装置51の役物モータ81は反時計回転(CCW)で少なくとも2880ms未満で1周期のブリッジ本体80の傾き動作を行うため、2880ms未満で第1モータスイッチ82が遮光状態になるが、ずっと遮光待ちの状態が続くということは、主に玉噛みが原因で役物モータ81の回転に必要以上の時間を要しているから、玉噛み発生と判断するものである。
玉噛み発生と判断すると、次いで、200msだけ役物モータ81の駆動を停止し、その後、役物モータ81を時計回転(CW)に駆動(つまり、逆回転に駆動)し、それを100ステップ回転だけ継続する。次いで、役物モータ81の駆動を200msだけ停止する。
図78の下段に示す例では、玉噛み発生と判断されると、上述したように、「200ms役物モータ81の停止→役物モータ81の逆回転100ステップ→200ms役物モータ81の停止」という処理が行われる。これにより、役物モータ81を一旦停止後、逆回転させ、さらに停止するという動作を行うことで、ブリッジ本体80と第1役物装置51の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理が行われ、玉噛みを解消することができる。
上述のように、役物モータ81を逆回転させ、その後200msだけ停止させた後は、再び、役物モータ81を時計回転(CW)に駆動し、玉噛み処理前の状態に復帰させる。
役物モータ81が反時計回転(CCW)で駆動中に玉噛みが発生した場合においても、このような玉噛み処理(つまり、玉噛み発生を解消する処理)を実行するのは、パチンコ機1の初期化動作中や大当り中に限られる。したがって、上記の玉噛み処理は前述した図75における第1モータスイッチ82の遮光から通光待ちの期間W1において、この遮光待ちの状態が2880ms継続すると、継続した時点で玉噛み発生と判断されて、上述の玉噛み処理が行われるのが典型的な例である。また、大当り中においても、同様に第1モータスイッチ82の遮光待ちの状態が2880ms継続すると、継続した時点で玉噛み発生と判断されて、上述の玉噛み処理が行われる。
パチンコ機1の初期化動作中や大当り中に玉噛み処理を行うのは、役物モータ81が反時計回転(CCW)で駆動中に玉噛みが発生した場合においても、図78の上段に示す例と同様であり、このようにしても遊技球が第1役物装置51を経由して天国役物装置66にV入賞するという遊技状況にほとんど影響を及ぼすことがなく、遊技者の不利益にならないからである。
また、役物モータ81が反時計回転(CCW)で駆動中に玉噛みが発生した場合においても、パチンコ機1の初期化動作中や大当り中以外の他の遊技状態のときに、同じ遊技状態において玉噛み発生が3回連続して発生しても、玉噛み状態が改善されない場合(つまり、玉噛み発生が4回連続して発生した場合)には、「役物異常1エラー」として報知を行う。報知の効果は、上述した役物モータ81が時計回転(CW)で駆動中に玉噛みが発生した場合と同様である。
このように、第1役物装置51の玉噛み処理では、パチンコ機1の初期化動作、通常動作において、第1モータスイッチ82の「通光待ち」の状態(「遮光→通光待ち」を含む)が2880ms継続した時点で玉噛み発生と判断する。そして、初期化動作中、通常動作のうちでも特に大当り中は玉噛みが発生した時点で、役物モータ81について「200ms役物モータ81の停止→役物モータ81の逆回転100ステップ→200ms役物モータ81の停止」という処理が行われる。これにより、玉噛みを解消することが可能になる。
一方、初期化動作中、通常動作のうちでも特に大当り中以外の状態で玉噛みが発生した場合は、その時の第1役物装置51の動作が継続される。
また、第1役物装置51の同じ動作状態において玉噛み発生が3回連続して発生しても、玉噛み状態が改善されない場合(つまり、玉噛み発生が4回連続して発生した場合)には、「役物異常1エラー」として報知が行われる。したがって、通常の遊技の継続に影響を及ぼすことなく、遊技店の係員及び遊技者は第1役物装置51に異常があることを知ることができる。
(B)天国役物装置66の玉噛み処理
次に、天国役物装置66の玉噛み処理の動作について説明する。
図79の上段は天国役物装置66の役物モータ72が初期化動作中である場合の動作を示し、図79の下段は天国役物装置66の役物モータ72が通常動作中である場合の動作を示している。ここでの通常動作とは、初期化動作以外の遊技動作のことである。
「初期化動作中の場合」
天国役物装置66における役物モータ72の初期化動作では、図76に示したように、パチンコ機1の電源投入と同時に天国役物装置66の役物モータ72が1ステップ毎に8msの速度で反時計回転(CCW)を開始し、720ステップ後に第2モータスイッチ71は遮光待ちの状態になる。
その後、第2モータスイッチ71が遮光待ちの状態から通光になると、ここが天国回転体67の初期位置になるので、次の回転で再び、天国回転体67の初期位置が検出(第2モータスイッチ71が遮光待ちの状態から通光を検出)されるまで、少なくとも1周は天国回転体67を回すように役物モータ72が駆動される。
また、第2モータスイッチ71が遮光待ちの状態では、通光が保障されるところまで、天国回転体67を回すように役物モータ72が駆動される。
第2モータスイッチ71が遮光待ちの状態で、天国役物装置66の役物モータ72が反時計回転(CCW)に駆動を継続されているとき、第2モータスイッチ71が遮光待ちから通光になると、その時点から役物モータ72の60ステップ回転後に、第2モータスイッチ71が遮光状態から通光待ちになる。
ここで、役物モータ72が反時計回転(CCW)への駆動を継続されているとき、第2モータスイッチ71が遮光待ちから通光になり、その時点から役物モータ72の60ステップ回転後に、第2モータスイッチ71が遮光状態から通光待ちの期間W3(図76参照)になる。
この状態は、図79に示すように天国役物装置66における役物モータ72の初期化動作中に、第2モータスイッチ71が遮光状態から通光待ちの状態になることに対応している。すなわち、上述した第2モータスイッチ71が遮光状態から通光待ちの期間W3になることに相当し、この状態を図79の上段に示している。
いま、期間W3にあるとき、第2モータスイッチ71の「通光待ち」の状態が5760ms継続するか、又は「通光→遮光待ち」の状態が5760ms継続した時点で玉噛み発生と判断する。
玉噛み発生と判断すると、次いで、200msだけ役物モータ72の駆動を停止し、その後、役物モータ72を時計回転(CW)に駆動(つまり、逆回転に駆動)し、それを120ステップ回転だけ継続する。次いで、役物モータ72の駆動を200msだけ停止する。これにより、役物モータ72を一旦停止後、逆回転させ、さらに停止するという動作を行うことで、天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理が行われ、玉噛みを解消することができる。
上述のように、役物モータ72を逆回転させ、その後200msだけ停止させた後は、再び、役物モータ72を反時計回転(CCW)に駆動し、玉噛み処理前の状態に復帰させる。
「通常動作中の場合」
次に、図79の下段は天国役物装置66の役物モータ72が通常動作中である場合の動作である。
天国役物装置66における役物モータ72の通常動作中では、図77に示したように、天国役物装置66の役物モータ72は1ステップ毎に4msの速度で反時計回転(CCW)に駆動されており、これにより、天国回転体67が一定速度で回転している。
この場合、役物モータ72は反時計回転(CCW)で60ステップだけ駆動される期間と、この反時計回転(CCW)を第2モータスイッチ71が通光から遮光に変化するまでの期間とを合わせた期間を1単位として、この1単位の期間を繰り返すように、役物モータ72は反時計回転(CCW)で駆動される。すなわち、「60ステップのCCW駆動+通光から遮光待ちの間のCCW駆動」を1単位として、これが繰り返される。
図77では、第2モータスイッチ71が遮光状態から通光になる場合を動作開始の例にしており、第2モータスイッチ71が遮光状態のときが天国回転体67の初期位置になる。
図79の下段に示す例は、天国役物装置66の役物モータ72が通常動作中に第2モータスイッチ71が遮光待ちの状態で、天国役物装置66の役物モータ72が反時計回転(CCW)に駆動を継続されているとき、玉噛みが発生した場合の例を示している。
すなわち、役物モータ72が反時計回転(CCW)に駆動を継続されているとき、第2モータスイッチ71の「通光→遮光待ち」の状態が5760ms継続するか、又は「通光→遮光待ち」の状態が5760ms継続した時点で玉噛み発生と判断する。
玉噛み発生と判断すると、次いで、200msだけ役物モータ72の駆動を停止し、その後、役物モータ72を時計回転(CW)に駆動(つまり、逆回転に駆動)し、それを120ステップ回転だけ継続する。次いで、役物モータ72の駆動を200msだけ停止する。これにより、役物モータ72を一旦停止後、逆回転させ、さらに停止するという動作を行うことで、天国回転体67と天国役物装置66の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理が行われ、玉噛みを解消することができる。
上述のように、役物モータ72を逆回転させ、その後200msだけ停止させた後は、再び、役物モータ72を反時計回転(CCW)に駆動し、玉噛み処理前の状態に復帰させる。
また、初期化動作中、通常動作のうちでも特に大当り中以外の状態で玉噛みが発生した場合は、その時の天国役物装置66の動作が継続される。さらに、天国役物装置66の同じ動作状態において玉噛み発生が3回連続して発生しても、玉噛み状態が改善されない場合(つまり、玉噛み発生が4回連続して発生した場合)には、「役物異常2エラー」として報知を行う。ここでの報知は、例えば遊技制御装置100から演出制御装置300にエラーコマンドを送信し、演出制御装置300の制御により情報表示器45に「役物異常2エラー」の表示をすることで報知する。「役物異常2エラー」の表示は、天国役物装置66に異常がある状態であることを知らせる報知内容にしておいてもよい。
なお、「役物異常2エラー」の報知は、前述した「役物異常1エラー」の報知とエラー箇所が異なるものとなり、どこのエラーであるかを区別することが可能である。例えば、前述した「役物異常1エラー」は第1役物装置51の玉噛み発生エラーに対応し、「役物異常2エラー」は天国役物装置66の玉噛み発生エラーに対応している。
これにより、遊技店の係員及び遊技者は天国役物装置66に異常があることを知ることができるとともに、遊技店の係員は当該遊技状態が変化して、玉噛み処理が可能になったと判断できる遊技状態になったときに、例えばパチンコ機1の初期化を行い、その初期化動作中に玉噛み処理を行って、玉噛みを解消することもできる。したがって、通常の遊技の継続に影響を及ぼすことなく、遊技店の係員及び遊技者は天国役物装置66に異常があることを知ることができる。
このように、天国役物装置66の玉噛み処理では、パチンコ機1の初期化動作、通常動作(ここでの通常動作とは、初期化動作以外の遊技動作のこと)において、第2モータスイッチ71の「遮光待ち」の状態が5760ms継続するか、又は「通光→遮光待ち」の状態が5760ms継続した時点で玉噛み発生と判断する。
そして、初期化動作中、通常動作のうちでも特に大当り中は玉噛みが発生した時点で、役物モータ72について「200ms役物モータ72の停止→役物モータ72の時計回転(CW)100ステップ→200ms役物モータ72の停止」という処理が行われる。これにより、玉噛みを解消することが可能になる。
なお、この場合における役物モータ72の時計回転(CW)や反時計回転(CCW)の動作時の速度は、パチンコ機1が初期化動作中であったか、あるいは通常動作中であったかによって異なる。
実施例2によれば、以下の効果がある。
実施例2では、所謂羽根モノに属するタイプの遊技機(パチンコ機1)において、遊技制御装置100は第1役物装置51や天国役物装置66に玉噛みが発生した場合であっても、そのときの遊技状態を判定し、所定の遊技状態のとき(ここでは、初期化動作中、大当り中)にのみ、玉噛みを解消する玉噛み処理を行い、所定の遊技状態のとき以外は、そのときの遊技動作を継続するので、天国役物装置66における天国回転体67のV入賞凹部68a、68bに遊技球が嵌って支持されて特別入賞領域69にV入賞するという大当りの可能性がある遊技動作に影響を与えることがなく、遊技者の不利益を避けた適切なタイミングで球噛み処理を行うことができる。
一方、第1役物装置51や天国役物装置66に玉噛みが発生した場合には、所定の遊技状態(ここでは、初期化動作中、大当り中)のときに玉噛みを解消する玉噛み処理を行うので、天国役物装置66における天国回転体67のV入賞凹部68a、68bに遊技球が嵌って支持されて特別入賞領域69にV入賞するという大当りの可能性の無い所定の遊技状態であれば、玉噛み処理を行っても、大当り発生の可能性のある遊技動作に影響を与えずに玉噛みを解消することができ、遊技者の不利益を無くすことができる。
また、詳細を後述するように、遊技球のV入賞が無効である所定の遊技状態(ここでは、初期化動作中、大当り中)のときだけ、玉噛み処理(つまり、玉噛み解消処理)を実行可能にしているので、「V入賞したのに、大当りが発生しない」というトラブルが発生しないことから、玉噛み処理を行っても、遊技者(遊技客)と遊技店との間のトラブルを防止することができる。
なお、上述の効果は実施例2に特有の効果であるが、実施例2は実施例1の構成に更に実施例2の構成を加えているので、実施例2においては実施例1の効果も得られることは勿論である。
この背景を説明する。
所謂羽根モノに属するタイプの遊技機では、例えば誘導装置としてのシーソー構造の第1役物装置や天国役物装置の2つの装置を組み合せた構成のものがあるが、これらの役物装置に遊技球が入賞した場合、玉噛みが発生することがある。例えば、第1役物装置の場合にはブリッジ本体と第1役物装置の内部壁面などとの間に遊技球が挟まれてガリガリと音がして、いわゆる玉噛みを起こすことがある。また、天国役物装置の場合においても、天国回転体と天国役物装置の内部壁面などとの間に遊技球が挟まれて、同様に玉噛みを起こすことがある。
このような玉噛みは解消する必要があるが、一般的には玉噛み解消処理を行う際には、大当りの契機となる遊技球のV入賞を無効にしなければならない。例えば、天国役物装置の場合であれば、その天国回転体のV入賞凹部に遊技球が嵌って支持されて特別入賞領域にV入賞しても、そのV入賞は無効として扱う必要がある。
理由は、基本的に玉噛み解消処理では役物モータを一旦、停止して逆回転させ、再度停止させる等して、天国回転体と天国役物装置の内部壁面などとの間の間隔を広げる等の処理を行うことで、玉噛みを解消することができるものであるが、これは遊技球の挙動を意図的に逆に動かすなどの人為的な処理が入るものであり、本来の自由な遊技球の落下や挙動に起因してV入賞して大当りを発生させるものとは遊技機としての性質が異なるもので、正規のパチンコ遊技とは言えず、異常解消のための1つの手段に過ぎない。
然るに、玉噛み解消処理は異常解消のための1つの手段に過ぎないものであるにもかかわらず、そのときにV入賞して大当りが発生すると、遊技店にとっては不利益となる。
すなわち、従来は玉噛み解消処理を行う場合でも、天国役物装置の天国回転体のV入賞凹部に遊技球が嵌って支持されて特別入賞領域にV入賞して大当りが発生するという状況、つまり、特別入賞領域へのV入賞が有効となっていることが問題となっていた。
そのため、玉噛み解消処理を行う際には大当りの契機となる遊技球のV入賞を無効にしておくことが考えられるのである。
一方、玉噛み解消処理が遊技中に行われた場合、玉噛み解消処理を行う際に大当りの契機となる遊技球のV入賞が無効にされた状態であるにもかかわらず、遊技者による遊技機の遊技の過程で、遊技球がV入賞したら、遊技者は当然大当り発生を期待する。
しかしながら、玉噛み解消処理は遊技中にもかかわわらず、遊技球のV入賞は無効であるため、「V入賞したのに、大当りが発生しない」という状況が起こる可能性があり、万が一、この状況が発生すると、遊技者(遊技客)と遊技店との間でトラブルになりかねない。
そこで、実施例2では遊技球のV入賞が無効である所定の遊技状態(ここでは、初期化動作中、大当り中)のときだけ、玉噛み処理(つまり、玉噛み解消処理)を実行可能にすることで、上記トラブルの発生を未然に防ぐようにしている。
また、上記所定の遊技状態(初期化動作中、大当り中)は、仮にV入賞しても大当りが発生しないときであるから、玉噛み処理を行っても、その他の大当り発生の可能性のある遊技状態のときの遊技動作に影響を与えず、遊技者の不利益を無くすことができる。
実施例2では、上記のような背景の下、所定の遊技状態(初期化動作中、大当り中)は、仮にV入賞しても大当りが発生しないときであるから、球噛み処理を行うに際して所定の遊技状態のときは適切なタイミングということができ、よって、適切なタイミングで球噛み処理を行うことができるという優れた効果がある。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
始動入賞口と、
変動入賞装置と、を備え、
前記変動入賞装置内の特別入賞領域へ遊技球が流入すると、特別遊技状態が発生する遊技機において、
前記変動入賞装置に、該変動入賞装置に入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する誘導装置と、
前記誘導装置を駆動する駆動手段と、
前記誘導装置における球噛みの発生を判別する球噛み判別手段と、
前記球噛み判別手段により球噛みの発生が判別されたときに、遊技状態によって球噛み解消処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、
前記処理判定手段により球噛み解消処理が可能と判定された所定の遊技状態のときのみ、球噛み解消処理を行う解消処理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
ここで、第1役物装置51及び天国役物装置66は誘導装置を構成する。役物モータ81及び役物モータ72は駆動手段を構成する。
また、図75乃至図79に示す初期化動作、通常動作、玉噛み処理は遊技制御装置100の制御によって実行されることから、遊技制御装置100は球噛み判別手段、処理判定手段、解消処理手段を構成する。
また、前記所定の遊技状態とは、遊技機の初期化動作中、大当り中の状態である。
また、羽根モノタイプの遊技機に限定した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者にとって不利な第1状態と遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能であるとともに、該第2状態への変換により受け入れられた遊技球が流下する入賞空間と、該入賞空間を流下した遊技球が流入する一般入賞領域および特別入賞領域と、を有する変動入賞装置を遊技領域に備え、
前記遊技領域に発射された遊技球が始動入賞口へ入賞した場合に、前記変動入賞装置を所定回数、前記第2状態に変換する始動遊技を実行し、前記第2状態への変換により受け入れられた遊技球が前記特別入賞領域へ流入した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるようにした遊技機において、
前記変動入賞装置に、該変動入賞装置に入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する誘導装置と、
前記誘導装置を駆動する駆動手段と、
前記誘導装置における球噛みの発生を判別する球噛み判別手段と、
前記球噛み判別手段により球噛みの発生が判別されたときに、遊技状態によって球噛み解消処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、
前記処理判定手段により球噛み解消処理が可能と判定された所定の遊技状態のときのみ、球噛み解消処理を行う解消処理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
また、上記所定の遊技状態とは、遊技機の初期化動作中、大当り中の状態が相当する。
そして、実施例2において、上記所定の遊技状態のときのみ、玉噛みを解消する玉噛み処理を行い、所定の遊技状態のとき以外は、そのときの遊技動作を継続するという構成の発明概念は、下記のように表される。
前述した発明概念のうち、処理判定手段以降の構成が下記の通りである。
前記球噛み判別手段により球噛みの発生が判別されたときに、遊技状態によって球噛み解消処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、
前記処理判定手段により球噛み解消処理が可能と判定された所定の遊技状態のときのみ、球噛み解消処理を行い、所定の遊技状態のとき以外は、そのときの遊技動作を継続する解消処理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、遊技機の初期化動作中や大当り中以外の他の遊技状態においては、玉噛み発生と判断しても玉噛み処理を行わないので、役物装置(例えば、天国役物装置66)にV入賞する可能性のある遊技球の動向に影響を与えることがなく、遊技者の不利益を防ぐことができる。
実施例2では、パチンコ機1の初期化動作中や大当り中以外の他の遊技状態においては、第1役物装置51や天国役物装置66に玉噛み発生と判断しても玉噛み処理を行わず、
玉噛み発生条件の成立のみを監視する動作が行われる(図74)。
したがって、通常の遊技の継続に影響を及ぼすことがないという効果がある。
この発明概念は、下記のように表される。
前述した発明概念のうち、処理判定手段以降の構成が下記の通りである。
前記球噛み判別手段により球噛みの発生が判別されたときに、遊技状態によって球噛み解消処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、
前記処理判定手段により球噛み解消処理が可能と判定された所定の遊技状態のときのみ、球噛み解消処理を行い、所定の遊技状態のとき以外は、そのときの遊技動作を継続する解消処理手段と、
前記所定の遊技状態のとき以外は、そのときの遊技状態における球噛みの発生条件の成立のみを監視する球噛み発生条件成立監視手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
ここで、図75乃至図79に示す初期化動作、通常動作、玉噛み処理は遊技制御装置100の制御によって実行されることから、遊技制御装置100は処理判定手段、解消処理手段、球噛み発生条件成立監視手段を構成する。
球噛みの発生条件とは、第1役物装置51の場合には図78に示すように、役物モータ81が時計回転(CW)で駆動中に第1モータスイッチ82が遮光待ちの状態が2880ms継続したときのことであり、継続した時点で玉噛み発生と判断するので、これが球噛み発生条件の成立に相当する。
一方、役物モータ81が反時計回転(CCW)に駆動中の場合であっても、第1モータスイッチ82の遮光待ちの状態が2880ms継続すると、継続した時点で玉噛み発生と判断するので、上記同様に、第1モータスイッチ82の遮光待ちの状態が2880ms継続したことが球噛み発生条件の成立に相当する。
以上より、球噛みの発生条件とは、第1役物装置51の場合、役物モータ72が駆動中に第2モータスイッチ71の遮光待ちの状態が2880ms継続するという条件である。
一方、天国役物装置66の場合には図79に示すように、初期化動作や通常動作において、役物モータ72が駆動中に第2モータスイッチ71の「通光→遮光待ち」の状態が5760ms継続するか、又は「通光→遮光待ち」の状態が5760ms継続したときのことであり、継続した時点で玉噛み発生と判断するので、これが球噛み発生条件の成立に相当する。
以上より、球噛みの発生条件とは、天国役物装置66の場合、役物モータ72が駆動中に第2モータスイッチ71の「通光→遮光待ち」の状態が5760ms継続するか、又は「通光→遮光待ち」の状態が5760ms継続するという条件である。
また、実施例2では玉噛み発生条件の成立の監視をする場合に、第1役物装置51や天国役物装置66の同じ動作状態において玉噛み発生が3回連続して発生しても、玉噛み状態が改善されない場合(つまり、玉噛み発生が4回連続して発生した場合)には、「役物異常1エラー」や「役物異常2エラー」として報知が行われる。
なお、この異常報知の条件は遊技状態によらず、玉噛み発生条件が4回連続して成立した場合である。
したがって、通常の遊技の継続に影響を及ぼさずに、遊技店の係員及び遊技者は第1役物装置51や天国役物装置66に異常があることを知ることができるという効果がある。。
この発明概念は、下記のように表される。
前述した発明概念のうち、処理判定手段以降の構成が以下の通りである。
前記球噛み判別手段により球噛みの発生が判別されたときに、遊技状態によって球噛み解消処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、
前記処理判定手段により球噛み解消処理が可能と判定された所定の遊技状態のときのみ、球噛み解消処理を行い、所定の遊技状態のとき以外は、そのときの遊技動作を継続する解消処理手段と、
前記所定の遊技状態のとき以外は、そのときの遊技状態における球噛みの発生条件の成立のみを監視する球噛み発生条件成立監視手段と、
前記球噛み発生条件成立監視手段により球噛みの発生条件の成立が所定回数以上成立したことが監視された場合には、球噛みに関する異常の報知を行うように指令する報知指令手段と、
前記報知指令手段に指令に基づいて球噛みに関する異常を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
ここで、図75乃至図79に示す初期化動作、通常動作、玉噛み処理は遊技制御装置100の制御によって実行されることから、遊技制御装置100は処理判定手段、解消処理手段、球噛み発生条件成立監視手段、報知指令手段を構成する。
情報表示器45は報知手段を構成する。
上記所定回数とは、例えば4回である。したがって、球噛みの発生条件の成立が所定回数以上成立したとは、例えば玉噛み発生が3回連続して発生しても玉噛み状態が改善されない場合(つまり、玉噛み発生が4回連続して発生した場合)のことであり、その場合には「役物異常1エラー」や「役物異常2エラー」として、例えば情報表示器45により報知を行う。
また、実施例2では遊技店の係員は「役物異常1エラー」や「役物異常2エラー」の報知を知れば、パチンコ機1の初期化動作を行うことで、遊技中の動作に影響を与えることなく、玉噛みを解消できるという効果がある。
次に、本発明の変形例について説明する。
本発明は、以下のような変形例であってもよい。
(1)本実施例では誘導装置(第1役物装置51、天国役物装置66)はモータで制御するものとなっているが、これに限らず、例えばソレノイドやその他アクチュエータによって作動するものでもよい。
(2)また、誘導装置(第1役物装置51、天国役物装置66)における作動周期の分割を本実施例では、x/8、x/4(図73参照)としているが、これに限るものではない。例えば、誘導装置の構造や作動内容によって適宜設定すればよい。
(3)本発明の上記実施例のうち、液晶情報表示装置451を採用した構成においては、映像、音声、装飾、役物の動作を1枚の演出制御基板で制御する例であるが、これに限らず、例えば複数の演出制御基板で制御する構成にしてもよいし、あるいは同一基板上に複数のCPUを実装して分担制御する構成にしてもよい。
そのようにすると、各CPUの処理負担が軽減する分、処理速度が速くなる。また、各CPUのプログラムサイズを小さくできる。
次に、本発明の適用範囲について説明する。
(1)遊技機はパチンコ球を使用して遊技を行うものであれば、実施例のような例に限らず、封入球式遊技機にも適用できる。
(2)また、遊技機として特図を表示可能な表示装置を備えていればよく、したがって、液晶表示器等の映像装置を設けた一般的な遊技機を対象とする幅広く適用できる。
(3)液晶情報表示装置451は液晶を用いた表示装置に限らず、例えば有機EL、ブラウン管、ドットLED、7セグメントLED、電子ペーパのように曲がる素材を用いた装置など表示内容を変化させて演出できる部材であれば何でもよい。
(4)また、本発明の実施例2の特徴部分の構成は、羽根モノタイプの遊技機でなくても、役物装置を有する遊技機であれば、本発明を適用できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ機(遊技機)
4 前面枠
5 ガラス枠
15 演出ボタン
30 遊技盤
33a、33b 第1始動入賞口
34 第2始動入賞口
35 変動入賞装置
41 入賞空間
43a、43b 可動部材
45 情報表示器(報知手段)
46 盤演出装置
50 一括表示装置
51 第1役物装置(誘導装置)
66 天国役物装置(誘導装置)
69 特別入賞領域
72 役物モータ(駆動手段)
81 役物モータ(駆動手段)
100 遊技制御装置(開放制御手段、変動時間選択手段、特図変動制御手段、変動時間記憶手段、球噛み判別手段、処理判定手段、解消処理手段、球噛み発生条件成立監視手段、報知指令手段)
171B ROM(変動時間記憶手段)
200 払出制御装置
300 演出制御装置

Claims (1)

  1. 始動入賞口と、
    変動入賞装置と、を備え、
    前記変動入賞装置内の特別入賞領域へ遊技球が流入すると、特別遊技状態が発生する遊技機において、
    前記変動入賞装置に、該変動入賞装置に入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する誘導装置と、
    前記誘導装置を駆動する駆動手段と、
    前記誘導装置における球噛みの発生を判別する球噛み判別手段と、
    前記球噛み判別手段により球噛みの発生が判別されたときに、遊技状態によって球噛み解消処理を行うか否かを判定する処理判定手段と、
    前記処理判定手段により球噛み解消処理が可能と判定された所定の遊技状態のときは、球噛み解消処理を行い、所定の遊技状態以外のときは、球噛み解消処理を行わずにそのときの遊技動作を継続する解消処理手段と、
    球噛みの状態が所定回数連続して発生した場合に異常を報知する報知手段と、
    を備えたことを特徴とする遊技機。
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