JP6652846B2 - 遊技機 - Google Patents

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保博 浅井
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Description

本発明は、所定のゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機に関する。
従来、遊技領域に遊技者にとって不利な第1状態(閉状態)と遊技者にとって有利な第2状態(開状態)に変換可能な変動入賞装置と、遊技球が入賞可能な始動入賞口とを備え、当該始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、当該変動入賞装置を所定時間第2状態に変換する始動遊技を行い、当該始動遊技の結果、変動入賞装置に入賞した遊技球が内部の特別入賞領域(特定領域)に流入した場合に、大当り状態を発生させて、当該変動入賞装置を所定の規定に基づき第2状態に変換するようにして、多数の入賞を得ることを可能にした遊技機が知られている。
このような遊技機においては、変動入賞装置の内部(入賞空間)に、入賞した遊技球を特別入賞領域に流入し易いように誘導する誘導装置が設けられ、変動入賞装置の入賞空間に至った遊技球がタイミングよく誘導装置で誘導されれば、高い確率で特別入賞領域に流入するようになっている。
上記誘導装置は、モータやソレノイド等の電気的駆動源により作動することとなっていて、始動入賞口へ遊技球が入賞してから所定時間経過後に作動を開始し、所定時間だけ作動することが一般的である。したがって、変動入賞装置に入賞した遊技球がその誘導装置の作動タイミングとあった場合に、高い確率で特別入賞領域に流入することとなる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−334103号公報
ところで、従来の遊技機においては、遊技球を貯留可能な構造の誘導装置(可動部材)を備え、当該誘導装置に遊技球を貯留することで遊技球が特別入賞領域(特定領域)へ流入する確率を高めることにより遊技の興趣を高めるものがある。
しかしながら、そのような誘導装置の動作が単調になってしまう虞がある。
本発明の課題は、誘導装置の動作が単調になってしまうことを抑制することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
所定のゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
遊技球が流入可能な特定領域と、
前記特定領域への流入を逃した遊技球が流下する排出領域と、
遊技球を前記特定領域へと誘導可能な可動部材と、を備え、
遊技球が前記特定領域に流入した場合に遊技者に有利な状態を発生可能であり、
前記可動部材は、
初期位置に停止した状態から前記排出領域に遊技球を誘導する第2位置へ向けて移動し、その後、前記初期位置へ向けて移動して当該初期位置で停止する第1移動動作と、
前記第2位置と前記初期位置を挟んで反対側に設けられた第3位置から前記初期位置へ向けて移動して当該初期位置で停止する第2移動動作と、が可能であることを特徴とする。
本発明によれば、誘導装置の動作が単調になってしまうことを抑制することができる。
パチンコ機の前面側斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の前面図である。 一括表示装置を説明する図である。 一括表示装置を説明する図である。 遊技盤の分解斜視図である。 変動入賞装置の前面図および前面側斜視図である。 変動入賞装置の分解斜視図である。 変動入賞装置の球流路形成部材を説明する図である。 変動入賞装置の大入賞口ユニットの分解斜視図である。 大入賞口ユニットの太鼓役物ユニットの分解斜視図である。 太鼓役物ユニットの床部の動作を説明する図である。 太鼓役物ユニットの床部の動作を説明する図である。 太鼓役物ユニットの床部の動作を説明する図である。 太鼓役物ユニットの太鼓役物の動作を説明する図である。 太鼓役物の分解斜視図である。 太鼓役物の左底部および右底部の機能を説明する図である。 太鼓役物ユニットの太鼓役物ベースユニットの分解斜視図である。 大入賞口ユニットのV可動役物ユニットの分解斜視図である。 太鼓役物ユニットの太鼓役物ベースユニットと、V可動役物ユニットのV可動部材と、の位置関係を説明する図である。 V可動役物ユニットのV可動部材の動作を説明する図である。 V可動役物ユニットのV可動部材の動作を説明する図である。 V可動役物ユニットのV可動部材の動作を説明する図である。 V可動役物ユニットのV可動部材の動作を説明する図である。 第1V演出スイッチの配設位置を説明する図である。 太鼓役物ユニットの排出流路ユニットの構成を説明する図である。 太鼓役物ユニットの排出流路ユニットの構成を説明する図である。 大入賞口ユニットの決定装置の分解斜視図である。 決定装置の前面側斜視図である。 決定装置の水平可動部材および水平ベース部材の構成を説明する図である。 決定装置の垂直可動部材の構成を説明する図である。 役物の初期化動作を説明するタイミングチャートである。 役物の小当り動作を説明するタイミングチャートである。 役物の大当り動作を説明するタイミングチャートである。 役物の球噛み処理動作を説明するタイミングチャートである。 遊技制御装置のブロック図である。 演出制御装置のブロック図である。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 チェックサム算出処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 入力処理を示すフローチャートである。 スイッチ読み込み処理を示すフローチャートである。 出力処理を示すフローチャートである。 払出コマンド送信処理を示すフローチャートである。 乱数更新処理1を示すフローチャートである。 入賞口スイッチ/状態監視処理を示すフローチャートである。 不正&入賞監視処理を示すフローチャートである。 入賞数カウンタ更新処理を示すフローチャートである。 始動口エラー監視処理を示すフローチャートである。 始動口異常入賞監視処理を示すフローチャートである。 始動口球詰まり監視処理を示すフローチャートである。 遊技機状態チェック処理を示すフローチャートである。 払出ビジー信号チェック処理を示すフローチャートである。 残存球監視処理を示すフローチャートである。 遊技停止エラー処理を示すフローチャートである。 特図ゲーム処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 ハード乱数取得処理を示すフローチャートである。 特図1始動口スイッチ処理を示すフローチャートである。 特図2始動口スイッチ処理を示すフローチャートである。 大入賞口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 大入賞口カウント更新処理を示すフローチャートである。 特定領域スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 特図電源投入動作処理を示すフローチャートである。 特図普段処理を示すフローチャートである。 特図1変動開始処理1及び特図1変動開始処理2を示すフローチャートである。 特図1停止図柄設定処理及び特図2停止図柄設定処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 変動開始情報設定処理を示すフローチャートである。 特図変動中処理を示すフローチャートである。 特図表示中処理を示すフローチャートである。 小当り中処理を示すフローチャートである。 小当り動作設定移行処理を示すフローチャート及び小当り動作のタイミングチャートである。 小当り残存球処理を示すフローチャートである。 小当り終了処理を示すフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。 大当り動作移行設定処理を示すフローチャート及び大当り動作のタイミングチャートである。 大入賞口残存球処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。 図柄変動制御処理を示すフローチャートである。 2バイト振り分け処理を示すフローチャートである。 役物ソレノイド制御処理を示すフローチャートである。 セグメントLED編集処理を示すフローチャートである。 モータ制御処理を示すフローチャートである。 モータ動作編集処理を示すフローチャートである。 モータ動作編集処理を示すフローチャートである。 異常排出監視処理を示すフローチャートである。 遊技停止エラーステータス更新処理を示すフローチャートである。 不正監視処理を示すフローチャートである。 発射制御処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 パルス信号編集処理を示すフローチャートおよびメイン賞球信号送信の動作のタイミングチャートである。 各特図における開放パターンと大当りラウンドの振り分け設定の一例を示す図である。 各特図における開放パターンと大当りラウンドの振り分け設定の変形例を示す図である。 小当り終了時の復帰動作の一例を説明する図である。 小当り終了時の復帰動作の一例を説明する図である。 パチンコ機の変形例を示す図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る第3中継基板および収容体を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る演出制御基板を示す背面図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。
以下、本発明の実施例1として、パチンコ機に適用した場合の形態例を、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ機、特に、所謂羽根モノに属するタイプのパチンコ機について図1から順次説明を行う。
A.パチンコ機の正面構成
最初に、図1によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。図1は、本例のパチンコ機1(遊技機)の前面側斜視図である。
パチンコ機1は、当該パチンコ機1が設置される島に対して固定される機枠(本体枠)2と、この機枠2にヒンジ部3において回動可能に軸支されることによって、機枠2に対して開閉自在とされた前面枠4とを備える。この前面枠4には、遊技盤30(図2に示す)が取り付けられている。
また、前面枠4には、その前面上側を覆うようにガラス枠5が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠5により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤30の後述する遊技領域32が前面から視認可能となっている。また、ガラス枠5は、ヒンジ部3において前面枠4に開閉可能に軸支されている。
ここで、前面枠4は遊技枠という名称で呼称され、ガラス枠5は前枠という名称で呼称されることもあるが、本実施例では前面枠4、ガラス枠5で説明している。
このガラス枠5の下側には、操作パネル6が設けられている。
なお、通常、パチンコ機1には遊技媒体貸出装置としてのCRユニット(カード式球貸制御ユニット)が併設されることもあるが、ここでは図示を略している。
図2に示すように、遊技盤30は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール31で囲まれることにより遊技領域32が形成されたものである。遊技領域32は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、所定数の遊技球がガラス枠5の下部に設けられた上皿7に排出される(即ち、賞球として排出される)構成となっている。
また、前面枠4の開閉側(図1において右側)の縁部には、前面枠4及びガラス枠5の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部8が形成されている。
また、ガラス枠5の下部に設けられた上皿7は、賞球として又は貸球として排出された発射前の遊技球を一時保持するものである。
また、操作パネル6には、上皿7の遊技球を遊技者の操作によって移すことができる下皿10と、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル11とが設けられている。下皿10には、下皿10に貯まった遊技球を排出する際に操作される下皿球抜き操作部10aが設けられている。
また、ガラス枠5の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置12(図1に示すように、枠の左右に配置)や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)13a、13bが設けられている。さらに、前面枠4の下部にもスピーカ(下スピーカ)13cが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)13a、13b、スピーカ(下スピーカ)13cから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠5の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
遊技機1の前面側から見て右側にある枠装飾装置12は、遊技の進行に応じた演出(遊技演出)に対応して行われる演出である補助演出を実行可能な補助演出装置の一つをなす右側突出部12aを備えている。この右側突出部12aは、前面枠4の右側面に突出するように設けられており、当該遊技機1で遊技を行っている遊技者が視認可能であるとともに、当該遊技機1で遊技を行っている遊技者以外の者からも視認可能となっている。
また、上皿7の上縁部は、上皿装飾部7aとなっており、この上皿装飾部7aには、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ15a(図36に図示)を内蔵した演出ボタン15が設けられている。また、演出ボタン15の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル16が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル16を演出ボタン15と一体的に設けたが、タッチパネル16は、演出ボタン15と別体であってもよく、例えば、演出ボタン15の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル16を設けてもよい。
また、演出ボタン15の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン17、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン18、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
この実施例1の遊技機1においては、遊技者が上記発射操作ハンドル11を回動操作することによって、打球発射装置が上皿7から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン15やタッチパネル16を操作することによって、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
B.遊技盤の構成
図2は、本例のパチンコ機1(遊技機)の遊技盤30の前面図である。図2において、符号31は遊技盤30のガイドレールであり、既述したように、遊技盤30前面の略円形領域がこのガイドレール31で囲まれることにより遊技領域32が形成されている。
この遊技盤30のガイドレール31で囲まれた遊技領域32の下部には、左右に離間して一対の第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)が設けられ、これら第1始動入賞口33a、33bの間の中央に位置して第2始動入賞口34(第2始動口)が設けられている。
なお、一対の第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)はそれぞれ左始動口、右始動口ともいう。また、第2始動入賞口34(第2始動口)は中始動口ともいう。
第1始動入賞口33a、33bには、第1始動入賞口33a、33bに入賞した遊技球を検出するための左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106(図35に図示)がそれぞれ配設されている。また、第2始動入賞口34には、第2始動入賞口34に入った遊技球を検出するための中始動口スイッチ107(図35に図示)が配設されている。また、遊技領域32の中央には、変動入賞装置35が設けられている。
遊技領域32には、その他に、風車と呼ばれる打球方向変換部材、多数の障害釘が配設されるとともに、一般入賞口36a、36b、アウト穴37などが設けられている。このうち、各一般入賞口36a、36bには、該一般入賞口36a、36bに入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ102(一般入賞口の数に応じて1乃至n個ある)(図35に図示)が配設されている。
変動入賞装置35は、遊技盤ユニット38に形成された取付開口部38a(図5に図示)に当該遊技盤ユニット38の前面側から取り付けられるものであり、前方側が開放した入賞空間41を形成する入賞空間形成部材42を有する。また、変動入賞装置35の前面側は、遊技盤30の前面を覆うガラス板の近傍まで突出した状態となっており、可動部材43a、43bが開いた場合以外は変動入賞装置35内に遊技球が入らないようになっている。
また、変動入賞装置35には、人間を模した装飾が施された装飾部材48a,48bが設けられている。なお、この装飾部材48a,48bは、動作可能に構成されていても良い。
図2に示すように、入賞空間41の上部には、上部構造部材(鎧部材)44が遊技盤30表面より前方に突出するように設けられ、変動入賞装置35の上部の装飾装置として機能するとともに、変動入賞装置35の上方から流下する遊技球が入賞空間41に入ることを防止するとともに、その遊技球を左右方向に誘導するようになっている。この上部構造部材44には、情報表示器45が設けられている。
情報表示器45は、遊技状態に合わせた情報を表示するもので、複数の識別情報(例えば、数字、文字、記号など)を表示可能となっている。この情報表示器45は、デモ画面表示、遊技球が始動入賞口33a、33b、34に入賞したときの表示、遊技球が決定装置80に設けられた特定領域に入賞したとき(特別遊技発生時)の表示、特別遊技状態中の表示等、種々の遊技状態に関する表示がなされるようになっている。
なお、情報表示器45は後述の遊技制御装置100(図35)で制御されるのではなく、図36に示すように、演出制御装置300によって制御される構成である。
情報表示器45は、7セグメントのLEDを2つ配置した構成であり、それぞれのLEDの組合せで各種遊技状態に関する表示を行う。
2つの7セグメントLEDによって、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合に行われる各種遊技状態(すなわち、遊技球が始動入賞口33a、33bに入賞したときの表示、遊技球が決定装置80に設けられた特定領域に入賞したとき(特別遊技発生時)の表示、特別遊技状態中の表示等)や、遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合に行われる各種遊技状態(すなわち、遊技球が始動入賞口34に入賞したときの表示、遊技球が決定装置80に設けられた特定領域に入賞したとき(特別遊技発生時)の表示、特別遊技状態中の表示等)などを行う。
また、保留に関しては、遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合には1個に限り特図の保留(特図2の保留)が行われるが、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合には特図の保留(特図1の保留は無し)は行われない。したがって、特図2に限り、特図の保留表示も1個に限り行う。
なお、実施例1では情報表示器45はLEDを備えるものを配置しているが、これに限らず、例えば液晶、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
また、情報表示器45の設置場所は、図2に示す場所に限らず、適宜変更可能である。
また、遊技盤30の下部右側には、ガイドレール31の外側に一括表示装置50が設けられており、一括表示装置50は7セグメントのLEDを2つ配置するとともに、小さなドットLEDを複数配置した構成になっている。一括表示装置50はいわゆる特図(本特図)の表示、さらには特図(本特図)の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。例えば、一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示するものは特図1表示器、特図2を表示するものは特図2表示器として配置されている。
この一括表示装置50は、図3(a)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)D1及び特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)D2と、LEDランプ等で構成された特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部D11、D12と、を備える。
また、一括表示装置50は、LEDランプ等で構成されたラウンド表示部D3〜D6を備える。
また、一括表示装置50は、状態表示部として、大当り中(特別遊技状態中)であることを示す第1遊技状態表示部D7、D8と、前回の特別遊技状態の終了から規定回数(ここでは10回)以内の特図変動表示ゲームの実行で再度の特別遊技状態が発生した場合である連続大当りであることを示す第2遊技状態表示部D9、D10及びD13〜D18を備える。
特図1表示器D1と特図2表示器D2における特図変動表示ゲームは、図3(a)及び図3(b)に示すように、変動表示中では中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。
なお、本実施形態の場合、特図1表示器D1における特図1変動表示ゲームにおいては、図3(a)に示すように、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。
そして、変動時間の終了に伴い、特図変動表示ゲームの開始時に設定された停止図柄を結果として表示する。
記憶表示部D11、D12は、特図2の保留がある場合に、図3(c)に示すように点灯する。
ラウンド表示部D3〜D6は、特別遊技状態中でない場合には全部が消灯状態になり、特別遊技状態中には決定装置80を用いて決定した大当りのラウンド数に対応する一部が点灯状態になる。なお、ラウンド表示部は7セグメント側の表示器で構成しても良い。本実施形態では、ラウンド数が16である場合に、図3(d)に示すようにラウンド表示部D3、D5が点灯し、ラウンド数が8である場合に、図4(a)に示すようにラウンド表示部D3、D6が点灯し、ラウンド数が5である場合に、図4(b)に示すようにラウンド表示部D4、D6が点灯する。
第1遊技状態表示部D7、D8は、LEDランプ等で構成され、特別遊技状態中(大当り中)であるか否かを示すものであり、図4(c)に示すように特別遊技状態中である場合に点灯し、特別遊技状態中でない場合に消灯する。
第2遊技状態表示部D9、D10及びD13〜D18は、LEDランプ等で構成され、連続大当りである特別遊技状態中であることを示すものであり、図4(d)に示すように連続大当りである特別遊技状態中に点灯し、連続大当りである特別遊技状態中でない場合は消灯する。
第2遊技状態表示部D9、D10及びD13〜D18を備えることで、連続大当りである場合には連続大当りでない場合に比べて多くのLEDが点灯することとなり、一見して連続大当りであることが分かるようになる。
これにより、遊技者に対して連続大当りであることを示すことができるので、遊技者に大きな達成感を与えることができるとともに、周囲に対して連続大当りであることを示すことができるので、遊技者に優越感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技店の店員に対して連続大当りであることを示すことができるので、連続大当りが頻発している場合に、不正行為による大当りの発生が行われていないかを警戒させることができる。
図5は、遊技盤30の分解斜視図である。
図5に示すように、遊技盤30は、遊技盤ユニット38と、遊技盤ユニット38の取付開口部38aに当該遊技盤ユニット38の前面側から装着される変動入賞装置35と、遊技盤ユニット38に当該遊技盤ユニット38の後面側から装着される制御ベースユニット39と、を備えて構成される。
図6(a)は、変動入賞装置35の前面図であり、図6(b)は、変動入賞装置35の前面側斜視図である。また、図7は、変動入賞装置35の分解斜視図である。
図7に示すように、変動入賞装置35は、センターケースユニット(前面構成部材)35aと、センターケースユニット35aに当該センターケースユニット35aの後面側から装着される大入賞口ユニット(裏面構成部材)35bと、センターケースユニット35aに大入賞口ユニット35bの後面側から装着される大入賞口ソレノイド201,202および放熱板35cと、を備えて構成される。
図6に示すように、入賞空間41の下方には役物装置51(誘導装置)が設けられている。
そして、変動入賞装置35の左右の可動部材43a、43bが開放することで、遊技球が入賞空間41に流入して球流路形成部材47により形成される球流路を通過する構成になっている。入賞空間41に流入して球流路形成部材47により形成される球流路を通過した球は、中央の役物装置51によって振り分けられ、変動入賞装置35における排出流路又は決定装置80に流入するようになっている。なお、大当りの可能性があるのは決定装置80へ進んだ場合のみである。
変動入賞装置35の可動部材43a、43bは、その下端部(基端部)に回動中心を有しており、後述する遊技制御装置100により制御される第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202(図35に図示)の駆動によって左右に回動可能となっている。可動部材43a、43bが略垂直に立った状態においては、可動部材43a、43bが入賞空間41を塞いだ状態となり、変動入賞装置35へ遊技球が入賞できない状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって不利な第1状態となる。これに対して、左右の可動部材43a、43bが下端部を中心に互いに離れる方向に回動した状態においては、可動部材43a、43bが、逆「ハ」の字状に開いて入賞空間41を開放した状態となり、変動入賞装置35への入賞が可能な状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって有利な第2状態となる。なお、始動遊技状態でも特別遊技状態でもない場合(通常遊技状態及び特別遊技待機状態の場合)には、可動部材43a、43bが閉じた状態(第1状態)を保つようになっている。
この可動部材43a、43bは、始動条件の成立(ここでは第1始動入賞口33a、33b又は第2始動入賞口34への遊技球の入賞)に基づく始動遊技において、特図1又は特図2が所定時間の変動を行い、その後、それぞれ第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202(図35に図示)の駆動によって所定態様で第2状態に変換され(所謂小当り動作、詳細は後述)、変動入賞装置35への入賞の機会が得られるようになっている。なお、ここでの特図1、特図2とは一括表示装置50のLEDによって表示される本特図のことである。
すなわち、第1始動入賞口33a、33bに入賞した遊技球が左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106に検出されることに基づき、特図1が所定時間の変動を行い、全ての停止図柄の結果態様において1回開放を行う。同様に、第2始動入賞口34に入賞した遊技球が中始動口スイッチ107に検出されることに基づき、特図2が所定時間の変動を行い、全ての停止図柄の結果態様において2回開放を行う。
1回開放となる場合は、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(例えば400m秒経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作を1回行うようになっている。また、2回開放となる場合は、可動部材43a、43bが所定の態様の開放動作(例えば開放時間400m秒の開放動作)を所定時間(例えば1000m秒)の閉鎖動作をはさんで2回行うようになっている。
ここで、開放回数は上記内容に限定されず、第1始動入賞口33a、33bに入賞した場合は1回開放又は2回開放を行うようにしてもよいし、3回以上の開放動作を行うようにしてもよい。第2始動入賞口34に入賞した場合も同様であり、第2始動入賞口34に入賞した場合は2回開放のみに限らず、所定の確率で3回以上の開放動作を行うようにしてもよい。
なお、変動入賞装置35の入賞空間41に流入した遊技球は、左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104(図35参照)の何れかを通過して、球流路形成部材47により形成される球流路に流入する。
詳しくは、左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35における可動部材43aの基端部付近の空間部に配置され、役物装置51に流入する遊技球(すなわち、球流路形成部材47により形成される球流路に流入する遊技球)を検出する。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35の内部空間に設置されている関係上、図2で直接に示すことができないが、左大入賞口スイッチ103の設置箇所としては、変動入賞装置35の内部空間に設置されている。これは、図6や図7について同様である。
また、右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35における可動部材43bの基端部付近の空間部に配置され、役物装置51に流入する遊技球(すなわち、球流路形成部材47により形成される球流路に流入する遊技球)を検出するようになっている。同様に、右大入賞口スイッチ104も変動入賞装置35の内部空間に設置されている関係上、図2で直接に示すことができないが、右大入賞口スイッチ104の設置箇所としては、変動入賞装置35の内部空間に設置されている。これは、図6や図7について同様である。
左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104を設けているのは、変動入賞装置35に遊技球が入賞したと判断する検出機能が必要なためで、そのため、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104を配置している。
なお、変動入賞装置35の内部には、その他に後述のように、決定装置80に設けられた特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ80a〜80d(図35参照)が配置されているが、当該特定領域はV入賞を検知するための領域であり、賞球がもらえる入賞口ではない。遊技球が、決定装置80に設けられた特定領域に流入(V入賞)すれば、大当りとなって特別遊技状態となる。
また、変動入賞装置35の内部には、第1残存球排出口スイッチ112および第2残存球排出口スイッチ113(図35参照)が配置されている。第1残存球排出口スイッチ112は変動入賞装置35における排出流路に流入した遊技球を検出するもので、当該排出流路に流入した遊技球が変動入賞装置35内に残存していないか否かを検出する機能を有している。また、第2残存球排出口スイッチ113は、決定装置80に設けられた特定領域を通過した遊技球を検出するもので、当該特定領域を通過した遊技球が変動入賞装置35内に残存していないか否かを検出する機能を有している。
図8は、変動入賞装置35の球流路形成部材47を説明する図であって、図8(a)は、球流路形成部材47の前面側斜視図であり、図8(b)は、球流路形成部材47の右側面図であり、図8(c)は、球流路形成部材47の上流部材47aの分解斜視図であり、図8(d)は、球流路形成部材47の下流部材47bの分解斜視図である。
図8(a),(b)に示すように、球流路形成部材47は、上流部材47aと下流部材47bとからなり、変動入賞装置35の入賞空間41に流入した遊技球は、まず、上流部材47aにより形成される流路を通過し、その後、下流部材47bにより形成される流路を通過して、役物装置51(具体的には、役物装置51の太鼓役物ユニット60)に流入する。
球流路形成部材47には、糸釣り球(糸を付けた遊技球)対策が施されている。
具体的には、上流部材47aは、図8(c)に示すように、前面部47a1と後面部47a2とからなり、図8(a)に示すように、前面部47a1と後面部47a2とが合体することによって、具体的には前面部47a1と後面部47a2との互いに対向する端面(以下、単に「端面」という。)が当接することによって、遊技球を左側へと誘導する左流路と下側へと誘導する下流路とからなる流路を形成している。そして、上流部材47aは、当該左流路から当該下流路への切り替わり部分に、第1隙間部47a3を有している。図8(c)に示すように、後面部47a2の端面には、前面部47a1の端面に当接しない非当接部47a21が設けられている。非当接部47a21は、後面部47a2の端面の一部を凹ませることによって形成されており、この非当接部47a21によって第1隙間部47a3が形成される。
また、下流部材47bは、図8(d)に示すように、左面部47b1と右面部47b2とからなり、図8(a),(b)に示すように、左面部47b1と右面部47b2とが合体することによって、具体的には左面部47b1と右面部47b2との互いに対向する端面(以下、単に「端面」という。)が当接することによって、遊技球を前側へと誘導する前流路と下側へと誘導する下流路と右側へと誘導する右流路とからなる流路を形成している。そして、下流部材47bは、図8(b)に示すように、当該下流路から当該右流路への切り替わり部分に、第2隙間部47b3を有している。図8(d)に示すように、左面部47b1の端面には、右面部47b2の端面に当接しない非当接部47b11が設けられている。非当接部47b11は、当該非当接部47b11が右面部47b2の端面に対向しないように、左面部47b1の一部(非当接部47b11を先端に有する部分)の先端部を湾曲させることによって形成されており、この非当接面47b11によって第2隙間部47b3が形成される。
このように、球流路形成部材47は、2つの隙間部を有するという、糸釣り球に取り付けられた糸が引っ掛かりやすい構造となっている。したがって、糸釣り球を、球流路形成部材47により形成される球流路を経て役物装置51に流入させようとしても、糸が引っ掛かって役物装置51に流入しにくくなり、また、糸を操作して遊技球を上下に移動させようとしても、糸が引っ掛かり当該操作が行いにくくなるため、糸釣り球による不正行為を効果的に抑制することができる。
なお、球流路形成部材47に設ける隙間部の数や位置は、適宜変更可能である。
図9は、変動入賞装置35の大入賞口ユニット35bの分解斜視図である。
図9に示すように、大入賞口ユニット35bは、ユニットベース52と、ユニットベース52に当該ユニットベース52の前面側から装着される太鼓役物ユニット60および決定装置(ラウンド決定装置ユニット)80と、ユニットベース52に当該ユニットベース52の後面側から装着されるV可動役物ユニット70と、を備えて構成される。
入賞空間41の下方に配置された役物装置51は、太鼓役物ユニット60とV可動役物ユニット70とからなる。
図10は、大入賞口ユニット35bの太鼓役物ユニット60の分解斜視図である。
図10に示すように、太鼓役物ユニット60は、床部61と、床部61の後方に配設される太鼓役物62と、太鼓役物62の後方に配設される太鼓役物ベースユニット63と、床部61を回動可能に支持するとともに太鼓役物62を回転可能に支持する左支持部材64aおよび右支持部材64bと、床部61および太鼓役物62の下方に配設され、変動入賞装置35における排出流路を形成する排出流路ユニット65と、を備えて構成される。
図11〜図13は、太鼓役物ユニット60の床部61の動作を説明する図である。図11は、太鼓役物ユニット60の要部の右側面図であって、図11(a)は床部61の通常状態を示し、図11(b)は床部61の動作状態を示す。図12は、床部61の通常状態を示す図であって、図12(a)は上面側斜視図であり、図12(b)は上面図である。図13は、床部61の動作状態を示す図であって、図13(a)は上面側斜視図であり、図13(b)は上面図である。
床部61は、左支持部材64aおよび右支持部材64bに対して、回動軸61aを中心に回動自在に取り付けられている。図10に示すように、回動軸61aは、床部61の前端側(太鼓役物62とは反対側)に設けられており、床部61は、当該床部61の後端側(太鼓役物62側)が上下するように回動する。
図11に示すように、右支持部材64bには、床部61を回動駆動する駆動機構が取り付けられている。当該駆動機構は、遊技制御装置100により制御される床役物ソレノイド61b1と、一端が床役物ソレノイド61b1のプランジャ61b11に接続され他端が床部61に接続されたリンク部材61b2と、により構成される。
床役物ソレノイド61b1がOFFになると、図11(a)に示すように、当該床役物ソレノイド61b1のプランジャ61b11は突出した状態になって、リンク部材61b2を押し下げる。これにより、床部61の後端側が下へと移動して、図12に示すように、床部61と太鼓役物62との隙間が、遊技球の直径よりも大きくなる。
一方、床役物ソレノイド61b1がONになると、図11(b)に示すように、当該床役物ソレノイド61b1のプランジャ61b11は押し込まれた状態になって、リンク部材61b2を引き上げる。これにより、床部61の後端側が上へと移動して、図13に示すように、床部61と太鼓役物62との隙間が、遊技球の直径よりも小さくなる。
入賞空間41に流入した遊技球は、球流路形成部材47により形成される球流路によって太鼓役物ユニット60の床部61へと誘導されるが、床役物ソレノイド61b1がOFFである通常状態の場合、床部61と太鼓役物62との隙間が遊技球の直径よりも大きいため、床部61へと誘導された遊技球は、当該隙間から排出流路へと落下する。一方、床役物ソレノイド61b1がONである動作状態の場合、床部61と太鼓役物62との隙間が遊技球の直径よりも小さいため、床部61へと誘導された遊技球は、落下せずに床部61上(すなわち、太鼓役物62前)に維持される。
図14は、太鼓役物ユニット60の太鼓役物62の動作を説明する図であって、太鼓役物ユニット60の要部の右側面図である。
太鼓役物62は、両面太鼓を模した役物であり、左支持部材64aおよび右支持部材64bに対して、回転軸62aを中心に回転自在に取り付けられている。図10に示すように、回転軸62aは、太鼓役物62の胴部62bを貫通しており、当該回転軸62aの両端部は、胴部62bの開口を塞ぐ左底部62cおよび右底部62dから突出している。胴部62bには、複数の磁石62e(図15に図示)が内蔵されている。この磁石62eは、胴部62bの外周面の磁石配置箇所(磁石62eが配置された箇所)に接触した遊技球を、当該磁石配置箇所に吸着(接触した状態で保持)するためのものである。
図14に示すように、右支持部材64bには、太鼓役物62を回転駆動する駆動機構が取り付けられている。当該駆動機構は、遊技制御装置100により制御される太鼓役物モータ66と、太鼓役物モータ66の出力軸に取り付けられた駆動ギア(図示省略)と、太鼓役物62の回転軸62aに取り付けられた従動ギア67cと、駆動ギアと従動ギア767cとを連動させる第1中間ギア67aおよび第2中間ギア67bと、により構成される。
遊技機1の右面側から見て、太鼓役物モータ66が反時計回りに回転した場合、駆動ギアは反時計回りに、当該駆動ギアに噛合する第1中間ギア67aは時計回りに、当該第1中間ギア67aに噛合する第2中間ギア67bは反時計回りに、当該第2中間ギア67bに噛合する従動ギア67cは時計回りに回転する。すなわち、太鼓役物ユニット60は、遊技機1の右面側から見て、太鼓役物モータ66が反時計回りに回転した場合、図14に示すように、太鼓役物62を、遊技機1の右面側から見て時計回りに回転させるよう構成されている。したがって、太鼓役物モータ66が反時計回りに回転した場合に、太鼓役物62は、下から上へと回転して、遊技球を下から上へと持ち上げることが可能となっている。
図15は、太鼓役物62の分解斜視図である。
図15に示すように、太鼓役物62の胴部62bは、内側胴部62b1と外側胴部62b2とからなる。内側胴部62b1のうちの磁石配置箇所に対応する位置には、内側(外側胴部62b2とは反対側)に凹んだ凹部が形成されている。当該凹部は、磁石62eを収容するためのものであり、磁石62eは、当該凹部に収容された状態で、内側胴部62b1と外側胴部62b2に挟持される。
外側胴部62b2のうちの磁石配置箇所に対応する位置には、内側(内側胴部62b1側)に凹んだ凹部が形成されている。当該凹部は、胴部62bの磁石配置箇所に遊技球を吸着させやすくするとともに、胴部62bの磁石配置箇所に吸着されている遊技球のぐらつきを抑制するためのものであり、胴部62bの磁石配置箇所に吸着された遊技球は、当該凹部に嵌った状態で、下から上へと回転する太鼓役物62によって下から上へと持ち上げられる。
球流路形成部材47により形成される球流路によって床部61へと誘導された遊技球は、床役物ソレノイド61b1がONである動作状態の場合、落下せずに床部61上に維持されるが、この場合、床部61は、後側(すなわち太鼓役物62側)に向けて下り傾斜しているしているため、床部61上に維持されている遊技球は、太鼓役物62の胴部62bに接触する。そして、遊技球は、胴部62bの磁石配置箇所に接触すると、当該磁石配置箇所に吸着して、下から上へと回転する太鼓役物62によって下から上へと持ち上げられ、回転軸62aよりも下側に位置する床部61から、回転軸62aよりも上側に位置する誘導部材63dの誘導面部63d1(後述)へと誘導される。
太鼓役物62の胴部62b(内側胴部62b1および外側胴部62b2)は、光を透過可能な材質からなり、図15に示すように、胴部62bの内部には、LED基板62fが配設されている。これにより、太鼓役物62は、回転演出だけでなく、発光演出も行うことができるようになっている。
図16は、太鼓役物62の左底部62cおよび右底部62dの機能を説明する図であって、図16(a)は、太鼓役物62の右側面図であり、図16(b)は、右底部62dの内面斜視図であり、図16(c)は、太鼓役物62の左側面図であり、図16(d)は、左底部62cの内面斜視図である。
図16(a),(b)に示すように、右底部62dは、複数の入気口62d1を有しており、各入気口62d1には入気フィン62d2が設けられている。入気フィン62d2は、太鼓役物62が下から上へと回転する際に、入気口62d1への空気の流入効率を高めることができるよう構成されている。
また、図16(c),(d)に示すように、左底部62cは、複数の出気口62c1を有しており、各出気口62c1には出気フィン62c2が設けられている。出気フィン62c2は、太鼓役物62が下から上へと回転する際に、出気口62c1からの空気の流出効率を高めることができるよう構成されている。
これにより、太鼓役物62が下から上へと回転する際に、太鼓役物62の内部を右から左へと空気が抜けていくため、太鼓役物62に内蔵されているLED基板62fを冷却することができる。
図17は、太鼓役物ユニット60の太鼓役物ベースユニット63の分解斜視図である。
図17に示すように、太鼓役物ベースユニット63は、ベース部材63aと、ベース部材63aに当該ベース部材63aの前面側から装着される背面部材63bおよび背面排出流路形成部材63cと、背面部材63bに当該背面部材63bの前面側から装着される誘導部材63dと、を備えて構成される。
ベース部材63aは、鉄板を折曲することによって形成されており、衝撃な揺れなどにより折れ目に沿って割れることがないよう、当該折れ目には三角状の孔が形成されている。
誘導部材63dは、誘導面部63d1と、誘導面部63d1の左端から上方に向けて起立する左起立壁部63d2と、誘導面部63d1の右端から上方に向けて起立する右起立壁部63d3と、を有している。誘導面部63d1は、後側に向けて下り傾斜しており、当該誘導面部63d1と背面部材63bとの間には、遊技球の直径よりも大きい隙間が設けられている。
図18は、大入賞口ユニット35bのV可動役物ユニット70の分解斜視図である。
図18に示すように、V可動役物ユニット70は、V可動役物ベース71と、V可動役物ベース71に当該V可動役物ベース71の前面側から装着されるモータカバー72と、モータカバー72に当該モータカバー72の前面側から装着されるV可動役物モータ73と、V可動役物ベース71に当該V可動役物ベース71の前面側から装着される駆動ギア74およびラック75と、ラック75に当該ラック75の前面側から装着されるスライド部材76と、スライド部材76に当該スライド部材76の前面側から装着されるV可動部材77と、を備えて構成される。
V可動役物ユニット70は、V可動部材77を、左右方向にスライド移動させるよう構成されている。
V可動役物ベース71には、左右方向に沿ってガイド孔71a設けられている。このガイド孔71aは、ラック75のスライド移動をガイドするとともに、ラック75のスライド範囲を規定するためのものである。ラック75の後面側には突起部75aが設けられており、ラック75は、突起部75aがガイド孔71aに挿入された状態で、V可動役物ベース71に対して左右方向にスライド自在に取り付けられている。
スライド部材76は、V可動役物ベース71に固定された固定部76aと、左右方向に長尺な固定部76aに対して当該固定部76aの長手方向に沿ってスライド自在に取り付けられたスライド部76bと、を備えて構成される。スライド部76bの前面側にはV可動部材77が固定され、スライド部76bの後面側にはラック75が固定されている。
V可動部材77(具体的には、スライド部76bと、当該スライド部76bに固定されるV可動部材77)をスライド駆動する駆動機構は、遊技制御装置100により制御されるV可動役物モータ73と、V可動役物モータ73の出力軸に取り付けられた駆動ギア74と、駆動ギア74に噛合するラック75と、により構成される。
図19は、太鼓役物ユニット60の太鼓役物ベースユニット63と、V可動役物ユニット70のV可動部材77と、の位置関係を説明する図であって、図19(a)は太鼓役物ベースユニット63の誘導部材63dと、V可動部材77と、の位置関係を説明する図であり、図19(b)は太鼓役物ベースユニット63の背面部材63bと、V可動部材77と、の位置関係を説明する図である。
図19(b)に示すように、V可動部材77は、太鼓役物ベースユニット63の背面部材63bの前方に配設され、スライド部材76のスライド部76bは、太鼓役物ベースユニット63のベース部材63aの後方に配設されている。
図19(a)に示すように、V可動役物ユニット70のV可動部材77の下端部は、前面が開口した遊技球収容部77aとなっており、当該遊技球収容部77aは、誘導面部63d1と背面部材63bとの間に配設されている。
誘導面部63d1は、後側に向けて下り傾斜しており、当該誘導面部63d1と背面部材63bとの間には、遊技球の直径よりも大きい隙間が設けられている。したがって、太鼓役物62によって持ち上げられて誘導部材63dの誘導面部63d1へと誘導された遊技球は、V可動部材77の遊技球収容部77aに収容されるか、あるいは、誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間から落下する。当該隙間から落下した遊技球は、背面排出流路形成部材63cにより形成される背面排出流路を経て、変動入賞装置35における排出流路に流入する。
V可動部材77は、当該V可動部材77の遊技球収容部77aが、太鼓役物ベースユニット63の誘導部材63dの左起立壁部63d2よりも左側に位置する排出流路誘導位置と、当該V可動部材77の遊技球収容部77aが、太鼓役物ベースユニット63の誘導部材63dの右起立壁部63d3よりも右側に位置する決定装置誘導位置と、の間をスライド移動可能に構成されている。
図20〜図23は、V可動役物ユニット70のV可動部材77の動作を説明する図である。図20は、V可動部材77が初期位置にある状態を示す図であって、図20(a)は太鼓役物ユニット60およびV可動役物ユニット70の前面図であり、図20(b)は太鼓役物ユニット60およびV可動役物ユニット70の上面側斜視図である。図21(a)はV可動部材77が排出流路誘導位置にある状態を示す図であり、図21(b)はV可動部材77が左通常動作位置にある状態を示す図である。図22(a)はV可動部材77が右通常動作位置にある状態を示す図であり、図22(b)はV可動部材77が決定装置誘導位置にある状態を示す図である。図23は、V可動部材77が排出流路誘導位置にある状態を示す要部斜視図である。
図20に示すように、V可動部材77が初期位置にある場合には、当該V可動部材77の遊技球収容部77aが、誘導部材63dの左起立壁部63d2と右起立壁部63d3との略中間(具体的には、左起立壁部63d2と右起立壁部63d3との中間よりも若干右側)に位置する。
図21(a)に示すように、V可動部材77が排出流路誘導位置にある場合には、当該V可動部材77の遊技球収容部77aが、誘導部材63dの左起立壁部63d2よりも左側に位置する。
図21(b)に示すように、V可動部材77が左通常動作位置にある場合には、当該V可動部材77の遊技球収容部77aが、誘導部材63dの左起立壁部63d2と右起立壁部63d3との間のうち、最も左側に位置する。
図22(a)に示すように、V可動部材77が右通常動作位置にある場合には、当該V可動部材77の遊技球収容部77aが、誘導部材63dの左起立壁部63d2と右起立壁部63d3との間のうち、最も右側に位置する。
図22(b)に示すように、V可動部材77が決定装置誘導位置にある場合には、当該V可動部材77の遊技球収容部77aが、誘導部材63dの右起立壁部63d3よりも右側に位置する。
V可動部材77が左通常動作位置と右通常動作位置との間を移動している間、当該V可動部材77の遊技球収容部77aは、誘導部材63dの誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間に位置する。したがって、V可動部材77が左通常動作位置と右通常動作位置との間を移動している間は、誘導面部63d1によって、遊技球収容状態(遊技球収容部77aに遊技球が収容されている状態)が維持される。
一方、V可動部材77が排出流路誘導位置に到達すると、当該V可動部材77の遊技球収容部77aの前方に遊技球収容状態を維持するもの(誘導面部63d1)がないため、遊技球収容部77aに収容されている遊技球が当該遊技球収容部77aから落下する。
図23に示すように、背面排出流路形成部材63cには、前側に向けて突出する突出片63c1が設けられており、この突出片63c1は、後側に向けて下り傾斜しているため、V可動部材77が排出流路誘導位置にある場合において遊技球収容部77aから落下した遊技球は、太鼓役物62の胴部62bや背面排出流路形成部材63cの突出片63c1によって、背面排出流路形成部材63cにより形成される背面排出流路へと誘導される。背面排出流路へと誘導された遊技球は、当該背面排出流路を経て、変動入賞装置35における排出流路に流入する。
なお、突出片63c1に切欠を設ける、変動入賞装置35における排出流路への排出口に切欠を設ける等、背面排出流路形成部材63cに糸釣り球対策を施すことも可能である。
また、V可動部材77が決定装置誘導位置に到達した場合も、当該V可動部材77の遊技球収容部77aの前方に遊技球収容状態を維持するもの(誘導面部63d1)がないため、遊技球収容部77aに収容されている遊技球が当該遊技球収容部77aから落下する。そして、V可動部材77が決定装置誘導位置にある場合において遊技球収容部77aから落下した遊技球は、決定装置80に流入する。
太鼓役物ベースユニット63の背面部材63bには、決定装置80に遊技球が流入することを検出する第1V演出スイッチ63b1が内蔵されている。
図24は、第1V演出スイッチ63b1の配設位置を説明する図である。図24においては、背面部材63bの一部(具体的には、第1V演出スイッチ63b1を隠蔽する部材)の図示を省略している。
図24に示すように、第1V演出スイッチ63b1は、背面部材63bのうち、決定装置誘導位置にあるV可動部材77の遊技球収容部77aの後方となる位置に内蔵されている。第1V演出スイッチ63b1は、遊技球を検出可能に構成されており、当該第1V演出スイッチ63b1の前方に遊技球が位置したこと(すなわち、決定装置誘導位置に到達したV可動部材77の遊技球収容部77aに遊技球が収容されていること)を検出することによって、遊技球が決定装置80に流入することを検出する。遊技球が決定装置80に流入することが検出されると、所定の演出(例えば、ラウンド抽選演出)が実行される。
図25および図26は、太鼓役物ユニット60の排出流路ユニット65の構成を説明する図であって、図25(a)は上面図であり、図25(b)は左側面図であり、図26(a)は下面図であり、図26(b)は、下面側斜視図である。
誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間から落下した遊技球や、V可動部材77が排出流路誘導位置にある場合において遊技球収容部77aから落下した遊技球は、背面排出流路形成部材63cにより形成される背面排出流路を経て、変動入賞装置35における排出流路、すなわち排出流路ユニット65により形成される排出流路に流入する。
図25および図26に示すように、排出流路ユニット65により形成される排出流路の出口には、保護部材65aが取り付けられている。
図26に示すように、保護部材65aには、糸釣り球対策が施されている。具体的には、保護部材65aには、排出流路ユニット65により形成される排出流路の出口の前端から後端側に向けて突出する複数の突起65a1が設けられており、これにより、当該出口の前端部に、櫛状の凹凸が形成されている。
このように、保護部材65aは、複数の突起65a1を有するという、糸釣り球に取り付けられた糸が引っ掛かりやすい構造となっている。したがって、糸を操作して排出流路の出口を通過した遊技球を引き上げようとしても、糸が引っ掛かって当該操作が行いにくくなるため、糸釣り球による不正行為を効果的に抑制することができる。
また、図25(b)や図26(b)に示すように、保護部材65aの前端部、すなわち複数の突起65a1が設けられている部分の下面は、前側に向けて上り傾斜している。これにより、糸を操作して遊技球を引き上げようとする際に、突起65a1同士の間に糸が引っ掛かりやすくなっている。
図27は、大入賞口ユニット35bの決定装置80の分解斜視図である。また、図28(a)は、決定装置80の前面側斜視図であり、図28(b)は、決定装置80の要部の前面側斜視図である。
図27および図28に示すように、決定装置80は、水平ベース部材81と、水平ベース部材81上に装着される水平可動部材82と、水平ベース部材81の後端に装着される垂直ベース部材86と、垂直ベース部材86に当該垂直ベース部材86の前面側から装着される流入口形成部材83、カバー部材84、垂直可動部材85、および装飾部材48bと、垂直ベース部材86に当該垂直ベース部材86の後面側から装着される左スイッチカバー87aおよび右スイッチカバー87bと、水平可動部材82および垂直可動部材85を回転駆動する駆動機構等と、を備えて構成される。
水平可動部材82は、水平ベース部材81に対して、上下方向に略沿う回転軸82aを中心に回転自在に取り付けられている。
垂直可動部材85は、垂直ベース部材86に対して、前後方向に略沿う回転軸85aを中心に回転自在に取り付けられている。
水平可動部材82および垂直可動部材85を回転駆動する駆動機構は、遊技制御装置100により制御されるラウンド抽選役物モータ88と、ラウンド抽選役物モータ88の出力軸に取り付けられた駆動ギア89aと、垂直可動部材85の回転軸85aに取り付けられた垂直用従動ギア89cと、駆動ギア89aと垂直用従動ギア89cとを連動させる垂直用中間ギア89bと、水平可動部材82の回転軸82aに取り付けられた水平用従動ギア89jと、駆動ギア89aと水平用従動ギア89jとを連動させる水平用第1中間ギア89d〜水平用第6中間ギア89iと、により構成される。
遊技機1の前面側から見て、ラウンド抽選役物モータ88が反時計回りに回転した場合、駆動ギア89aは反時計回りに、当該駆動ギア89aに噛合する垂直用中間ギア89bは時計回りに、当該垂直用中間ギア89bに噛合する垂直用従動ギア89cは反時計回りに回転するとともに、当該駆動ギア89aに噛合する水平用第1中間ギア89dおよび当該水平用第1中間ギア89dと回転軸を同一にした水平用第2中間ギア89eとは時計回りに回転する。そして、遊技機1の上面側から見て、当該水平用第2中間ギア89eに噛合する水平用第3中間ギア89fおよび当該水平用第3中間ギア89fと回転軸を同一にした水平用第4中間ギア89gは反時計回りに、当該水平用第4中間ギア89gに噛合する水平用第5中間ギア89hは時計回りに、当該水平用第5中間ギア89hに噛合する水平用第6中間ギア89iは反時計回りに、当該水平用第6中間ギア89iに噛合する水平用従動ギア89jは時計回りに回転する。したがって、決定装置80は、ラウンド抽選役物モータ88が反時計回りに回転した場合、図28(a)に示すように、水平可動部材82を時計回りに回転させるとともに、垂直可動部材85を反時計回りに回転させるよう構成されている。このように、当該駆動機構は、1つの駆動源(ラウンド抽選役物モータ88)によって、2つの可動部材(水平可動部材82、垂直可動部材85)を互いに異なる方向に同時に回転駆動できるよう構成されている。
図29(a)は、決定装置80の水平可動部材82の構成を説明する図であり、図29(b)は、決定装置80の水平ベース部材81の構成を説明する図である。
水平可動部材82は、円板形状をなしている。図29(a)に示すように、水平可動部材82には、遊技球が流入可能な第1V入賞誘導部82b1、第2V入賞誘導部82b2、および第3V入賞誘導部82b3が形成されている。
また、図29(b)に示すように、水平ベース部材81には、遊技球が第1特定領域を通過したことを検出する第1特定領域スイッチ80aと、遊技球が第2特定領域を通過したことを検出する第2特定領域スイッチ80bと、遊技球が第3特定領域を通過したことを検出する第3特定領域スイッチ80cと、が設けられている。水平ベース部材81に設けられた3種類の特定領域のうち、水平可動部材82の回転軸82aに最も近いのは、第3特定領域であり、水平可動部材82の回転軸82aから最も遠いのは、第1特定領域である。
V可動部材77が決定装置誘導位置にある場合において当該V可動部材77の遊技球収容部77aから落下した遊技球は、流入口形成部材83により形成された流入口を通過して、水平ベース部材81に設けられた流路81bへと落下し、当該流路81bに沿って後側から前側へと流下して当該流路81bに形成されたガイド面81b1に到達する。そして、ガイド面81b1に到達した遊技球は、水平可動部材82に形成されている複数のV入賞誘導部のうちの何れか一つに流入する。
水平可動部材82に形成された3種類のV入賞誘導部のうち、第1V入賞誘導部82b1に流入した遊技球は第1特定領域へと誘導され、第2V入賞誘導部82b2に流入した遊技球は第2特定領域へと誘導され、第3V入賞誘導部82b3に流入した遊技球は第3特定領域へと誘導される。
水平ベース部材81に設けられた3種類のV入賞誘導部はそれぞれ、水平可動部材82の外周面の一部を当該水平可動部材82の回転中心に向けて凹ませることによって形成されている。
第3V入賞誘導部82b3は、水平可動部材82の回転中心側に向けて下り傾斜する底面を有しており、当該底面には、遊技球が通過可能な孔部82b31が形成されている。当該孔部82b31は、水平可動部材82の回転時に、第3特定領域上を通過するが、第2特定領域上を通過しない位置に設けられている。したがって、第3V入賞誘導部82b3に流入した遊技球は、孔部82b31に向けて転動して、当該孔部82b31から第3特定領域へと流入する。
また、第2V入賞誘導部82b2は、水平可動部材82の回転中心側に向けて下り傾斜する底面を有しており、当該底面には、遊技球が通過可能な孔部82b21が形成されている。当該孔部82b21は、水平可動部材82の回転時に、第2特定領域上を通過するが、第3特定領域上を通過しない位置に設けられている。したがって第2V入賞誘導部82b2に流入した遊技球は、孔部82b21に向けて転動して、当該孔部82b21から第2特定領域へと流入する。
ラウンド抽選役物モータ88が反時計回りに回転した場合、水平可動部材82は上面側から見て時計回りに回転する。また、ガイド面81b1は水平可動部材82における6時の位置に、第3特定領域は水平可動部材82における9時の位置に、第2特定領域は水平可動部材82における11時の位置に、第1特定領域は水平可動部材82における1時と2時との間の位置に設けられている。したがって、ラウンド抽選役物モータ88が反時計回りに回転した場合、第3V入賞誘導部82b3に流入した遊技球は、水平可動部材82における12時の位置を通過することなく第3特定領域へと落下し、第2V入賞誘導部82b2に流入した遊技球は、水平可動部材82における12時の位置を通過することなく第2特定領域へと落下する。すなわち、ラウンド抽選役物モータ88が反時計回りに回転した場合、第3V入賞誘導部82b3や第2V入賞誘導部82b2に流入した遊技球は、第1特定領域へは流入しないよう構成されている。
一方、第1V入賞誘導部82b1は、底面を有しておらず、水平可動部材82の回転時に、第3特定領域上も第2特定領域上も通過しない位置に設けられている。したがって、第1V入賞誘導部82b1に流入した遊技球は、第2特定領域および第3特定領域へは流入せずに、第1特定領域へと誘導される。
なお、本実施形態において、第2特定領域および第3特定領域は、水平ベース部材81のうち、水平可動部材82に対向する部分内に設けられており、第1特定領域は、水平ベース部材81のうち、水平可動部材82に対向する部分外に設けられているが、特定領域を設ける場所は適宜変更可能であり、例えば、第1特定領域も、水平可動部材82に対向する部分内に設けても良い。
また、本実施形態においては、水平可動部材82に、第1V入賞誘導部82b1が4つ、第2V入賞誘導部82b2が3つ、第3V入賞誘導部82b3が1つ形成されており、同一種類のV入賞誘導部が、水平可動部材82の周方向に隣り合わないように配置されているが、V入賞誘導部の数や並び順などは適宜変更可能である。
図30は、決定装置80の垂直可動部材85の構成を説明する図であって、図30(a)は垂直ベース部材86に装着された状態における前面図であり、図30(b)は当該垂直可動部材85の前面カバーを取り外した状態における前面図である。
垂直可動部材85は、円板形状をなしており、図30(b)に示すように、垂直可動部材85には、複数の磁石85bが内蔵されている。この磁石85bは、垂直可動部材85の外周面の磁石配置箇所(磁石85bが配置された箇所)に接触した遊技球を、当該磁石配置箇所に吸着(接触した状態で保持)するためのものである。
ラウンド抽選役物モータ88が反時計回りに回転した場合、水平可動部材82は上面側から見て時計回りに回転する。また、ガイド面81b1は水平可動部材82における6時の位置に、第1特定領域は水平可動部材82における1時と2時との間の位置に設けられているため、ラウンド抽選役物モータ88が反時計回りに回転した場合、第1V入賞誘導部82b1に流入した遊技球は、第1特定領域へと誘導される前に、水平可動部材82における12時の位置、すなわち垂直可動部材85の下方を通過する。よって、第1V入賞誘導部82b1に流入した遊技球が水平可動部材82における12時の位置に到達する際に、垂直可動部材85の磁石配置箇所の何れかが垂直可動部材85における6時の位置に到達すると、当該遊技球は、垂直可動部材85における6時の位置に到達した磁石配置箇所に吸着される。また、ラウンド抽選役物モータ88が反時計回りに回転した場合、垂直可動部材85は前面側から見て反時計回りに回転するため、垂直可動部材85は、垂直可動部材85の磁石配置箇所に吸着された遊技球を下から上へと持ち上げて、垂直可動部材85における9時の位置に設けられた第4V入賞誘導部86aへと誘導することが可能となっている。この第4V入賞誘導部86aへと誘導された遊技球は、第4V入賞誘導部86aの後方に設けられている第4特定領域に流入する。
図30(b)に示すように、垂直可動部材85の外周面のうちの少なくとも磁石配置箇所には、内側(垂直可動部材85の回転中心側)に凹んだ凹部85cが形成されている。当該凹部85cは、垂直可動部材85の磁石配置箇所に遊技球を吸着させやすくするとともに、垂直可動部材85の磁石配置箇所に吸着されている遊技球のぐらつきを抑制するためのものであり、垂直可動部材85の磁石配置箇所に吸着された遊技球は、当該凹部85cに嵌った状態で、反時計回りへと回転する垂直可動部材85によって下から上へと持ち上げられる。
また、水平可動部材82および垂直可動部材85は、互いに異なる方向に回転するため、水平可動部材82における12時の位置に到達した遊技球と、垂直可動部材85における6時の位置に到達した磁石配置箇所とは、同じ方向(ラウンド抽選役物モータ88が反時計回りに回転した場合、右方向)へと移動する。したがって、垂直可動部材85によって、遊技球をスムーズに持ち上げることができるようになっている。
図27に示すように、垂直ベース部材86の後面側に装着される右スイッチカバー87bには、垂直可動部材85によって遊技球が持ち上げられたことを検出する第2V演出スイッチ87b1が取り付けられている。第2V演出スイッチ87b1は、遊技球を検出可能に構成されており、当該第2V演出スイッチ87b1の前方に遊技球が位置したこと(具体的には、本実施形態の場合、垂直可動部材85における3時の位置に遊技球が到達したこと)を検出することによって、遊技球が垂直可動部材85によって持ち上げられたことを検出する。遊技球が垂直可動部材85によって持ち上げられたことが検出されると、所定の演出(例えば、より有利な特定領域へのV入賞を示唆する演出)が実行される。
ここで、本実施形態においては、遊技球が、第1特定領域に流入(V入賞)した場合には「5ラウンド当り(5R当り)」または「16ラウンド大当り(16R大当り)」が発生し、第2特定領域に流入(V入賞)した場合には「8ラウンド当り(8R当り)」または「16ラウンド大当り(16R大当り)」が発生し、第3特定領域に流入(V入賞)した場合には「16ラウンド大当り(16R大当り)」が発生し、第4特定領域に流入(V入賞)した場合には「16ラウンド大当り(16R大当り)」が発生する。すなわち、決定装置80は、大当りのラウンド数を決定するラウンド抽選役物として機能する。また、遊技球が、第1特定領域、第2特定領域、および第3特定領域に流入した場合には、大入賞口が「開閉」態様(図78(b)参照)で開放し、第4特定領域に流入した場合には、大入賞口が「開閉」態様よりも遊技者にとって有利な「ロング開放」態様(図78(b)参照)で開放する。
このように、遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した場合には「5R当り」が発生する可能性があるが、遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した後、垂直可動部材85によって持ち上げられた場合には「16R大当り」が確定する。すなわち、遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した場合であっても、第1特定領域よりも有利な特定領域である第4特定領域にV入賞することがある。したがって、遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した場合、遊技者は、遊技球が垂直可動部材85によって持ち上げられて昇格するか否か、すなわち第1特定領域(遊技者にとって最も不利な大当り状態に対応する特定領域)に流入するか第4特定領域(遊技者にとって最も有利な大当り状態に対応する特定領域)に流入するかを楽しむことができる。
また、図27に示すように、垂直ベース部材86の後面側に装着される左スイッチカバー87aには、遊技球が第4特定領域を通過したことを検出する第4特定領域スイッチ80dが取り付けられている。図27や図30(a)に示すように、垂直ベース部材86は、垂直可動部材85における9時の位置に、第4V入賞誘導部86aを有しており、垂直可動部材85によって持ち上げられて当該第4入賞誘導部86aを通過した遊技球は、第4特定領域へと流入する。
例えば磁石85bの磁力が弱まる等のトラブルが発生した場合、垂直可動部材85の磁石配置箇所に吸着している遊技球が、垂直可動部材85における9時の位置(すなわち第4入賞誘導部86a)に到達する前に、当該磁石配置箇所から離れてしまうことがある。遊技球が垂直可動部材85から離れてしまった場合、当該遊技球は、垂直可動部材85から離れた位置に応じて、第4特定領域に流入するか、あるいは、第1特定領域に流入する。
本実施形態において、磁石85bは、垂直可動部材85の外側から視認不能になっている。また、図30(b)に示すように、垂直可動部材85の外周面の、磁石配置箇所以外の部分にも凹部85cが設けられている。したがって、遊技者は、磁石配置箇所がどこであるか分からないため、遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した場合、遊技球が垂直可動部材85によって持ち上げられて昇格するか否か、すなわち第1特定領域に流入するか第4特定領域に流入するかを楽しむことができる。
なお、本実施形態では、図30(b)に示すように、複数の磁石85bは、垂直可動部材85の周方向に規則的に並んでいるが、ランダムに並んでいても良い。
次に、変動入賞装置35における遊技球の流れを説明する。
変動入賞装置35の左右の可動部材43a、43bが開放して、遊技球が入賞空間41に流入すると、当該遊技球は球流路形成部材47により形成される球流路によって床部61へと誘導される。そして、床部61と太鼓役物62との隙間が遊技球の直径よりも大きくなる前に、当該遊技球が太鼓役物62の磁石配置箇所に接触すれば、当該遊技球は、一定速度で回転している太鼓役物62によって持ち上げられて、誘導部材63dの誘導面部63d1へと誘導される。一方、当該遊技球が太鼓役物62の磁石配置箇所に接触する前に、床部61と太鼓役物62との隙間が遊技球の直径よりも大きくなれば、当該遊技球は、当該隙間から落下して、変動入賞装置35における排出流路を経て外部へと排出される。
誘導部材63dの誘導面部63d1へと誘導された遊技球は、V可動部材77の遊技球収容部77aに収容されるか、あるいは、誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間から落下する。当該遊技球が誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間から落下した場合には、当該遊技球は、変動入賞装置35における排出流路を経て外部へと排出される。一方、当該遊技球がV可動部材77の遊技球収容部77aに収容された場合には、当該遊技球は、当該V可動部材77が決定装置誘導位置に到着した際に当該V可動部材77から落下して決定装置80に流入する。
決定装置80に流入した遊技球は、一定速度で回転している水平可動部材82に形成された第1V入賞誘導部82b1、第2V入賞誘導部82b2、および第3V入賞誘導部82b3の何れかに流入する。当該遊技球が第3V入賞誘導部82b3に流入した場合には、当該遊技球は、第3特定領域に流入(V入賞)するため、「16R大当り」が発生する。また、当該遊技球が第2V入賞誘導部82b2に流入した場合には、当該遊技球は、第2特定領域に流入(V入賞)するため、「8R当り」または「16R大当り」が発生する。また、当該遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した場合には、当該遊技球は、第1特定領域に流入(V入賞)するため、「5R当り」または「16R大当り」が発生する。
ただし、当該遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した場合であっても、当該第1V入賞誘導部82b1が水平可動部材82における12時の位置に到着するタイミングと、垂直可動部材85の磁石配置箇所の何れかが垂直可動部材85における6時の位置に到着するタイミングとが略一致した場合には、当該遊技球は、当該磁石配置箇所に接触するため、一定速度で回転している当該垂直可動部材85によって持ち上げられる。そして、垂直可動部材85によって持ち上げられた結果、第4特定領域86aに流入した場合には、当該遊技球は、第4特定領域に流入(V入賞)するため、「16R大当り」が発生する。
<初期化動作>
図31は、役物の初期化動作を説明するタイミングチャートであって、図31(a)は、V可動役物(V可動部材77)の初期化動作を示し、図31(b)は、太鼓役物62の初期化動作を示し、図31(c)は、ラウンド抽選役物(決定装置80)の初期化動作を示す。
なお、床役物(床部61)の初期化動作において、遊技制御装置100は、床役物ソレノイド61b1のOFF状態(停止状態)を維持するため、床部61は動作しない。
まず、V可動役物(V可動部材77)の初期化動作を説明する。
V可動役物モータ73はステップ式のモータであり、図31(a)に示すように、時計回り回転(CW回転)では1ステップ毎に4m秒の速度で回転し、反時計回り回転(CCW回転)でも同様に1ステップ毎に4m秒の速度で回転する。
また、図18に示すように、V可動役物ユニット70のモータカバー72には、V可動部材77の位置を検出するV可動役物モータスイッチ73aが取り付けられている。V可動役物モータスイッチ73aは、対向する発光部と受光部とを備え、スライド部材76のスライド部76bには、図示しない遮光部が設けられている。V可動役物モータスイッチ73aは、当該発光部からの光が当該遮光部によって遮られた遮光状態と遮られない通光状態とを受光部で検出することによって、V可動部材77の位置を検出可能となっている。なお、V可動部材77の位置を検出する手法は、適宜任意に変更可能である。
図31(a)に示すように、遊技機1の電源が投入されると、遊技制御装置100は、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、V可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが通光状態になるのを待ち、当該通光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば200m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが遮光状態になるのを待ち、当該遮光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば400)に達すると、すなわちV可動部材77がラウンド位置決定装置誘導位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、処理Aを行う。具体的には、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば1000m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、V可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、V可動役物モータ73の回転を停止し、所定時間(例えば200m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、処理Aを再度行う。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば2000m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、V可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが通光状態になるのを待ち、当該通光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば356)に達すると、すなわちV可動部材77が排出流路誘導位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、処理Bを行う。具体的には、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば1000m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、V可動役物モータ73の回転を停止し、所定時間(例えば200m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、V可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、処理Bを再度行う。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば2000m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが遮光状態になるのを待ち、当該遮光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、すなわちV可動部材77が初期位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止し、所定時間(例えば1000m秒)経過後に、V可動役物(V可動部材77)の初期化動作を終了する。
次に、太鼓役物62の初期化動作を説明する。
太鼓役物モータ66はステップ式のモータであり、図31(b)に示すように、時計回り回転(CW回転)では1ステップ毎に4m秒の速度で回転し、反時計回り回転(CCW回転)でも同様に1ステップ毎に4m秒の速度で回転する。
また、太鼓役物ユニット60を構成する部材の何れか一つ(例えば、右支持部材64b)には、太鼓役物62の位置を検出する太鼓役物モータスイッチ66a(図35参照)が取り付けられている。太鼓役物モータスイッチ66aは、対向する発光部と受光部とを備え、太鼓役物ユニット60を構成する部材の何れか一つ(例えば、右底部62d)には、図示しない遮光部が設けられている。太鼓役物モータスイッチ66aは、当該発光部からの光が当該遮光部によって遮られた遮光状態と遮られない通光状態とを受光部で検出することによって、太鼓役物62の位置を検出可能となっている。なお、太鼓役物62の位置を検出する手法は、適宜任意に変更可能である。
図31(b)に示すように、遊技機1の電源が投入されると、遊技制御装置100は、太鼓役物62が下から上への回転(すなわち図14に示す回転)を行うよう、太鼓役物モータ66を反時計回りに回転させる。そして、太鼓役物モータ66の回転ステップ数が所定数(例えば2326)に達すると、すなわち太鼓役物62が一回転すると、太鼓役物モータスイッチ66aが遮光状態になるのを待つ。
太鼓役物モータスイッチ66aが遮光状態になるのを待ち、当該遮光状態になってからの太鼓役物モータ66の回転ステップ数が所定数(例えば300)に達すると、すなわち太鼓役物モータスイッチ66aの通光状態が保障されるところまで太鼓役物62が回転すると、太鼓役物モータスイッチ66aが遮光状態になるのを待つ。
そして、太鼓役物モータスイッチ66aが遮光状態になると、太鼓役物モータ66の回転を停止し、所定時間(例えば1000m秒)経過後に、太鼓役物62の初期化動作を終了する。
次に、ラウンド抽選役物(決定装置80)の初期化動作を説明する。
ラウンド抽選役物モータ88はステップ式のモータであり、図31(c)に示すように、時計回り回転(CW回転)では1ステップ毎に4m秒の速度で回転し、反時計回り回転(CCW回転)でも同様に1ステップ毎に4m秒の速度で回転する。
また、図27に示すように、決定装置80の水平ベース部材81には、水平可動部材82の位置を検出するラウンド抽選役物モータスイッチ88aが取り付けられている。ラウンド抽選役物モータスイッチ88aは、対向する発光部と受光部とを備え、水平可動部材82には、図示しない遮光部が設けられている。ラウンド抽選役物モータスイッチ88aは、当該発光部からの光が当該遮光部によって遮られた遮光状態と遮られない通光状態とを受光部で検出することによって、水平可動部材82の位置を検出可能となっている。なお、水平可動部材82の位置を検出する手法は、適宜任意に変更可能である。また、水平可動部材82に加えて、あるいは替えて、垂直可動部材85の位置を検出することも可能である。
図31(c)に示すように、遊技機1の電源が投入されると、遊技制御装置100は、水平可動部材82が時計回り回転(図28に示す回転)を行うとともに、垂直可動役物85が反時計回り回転(図28に示す回転)を行うよう、ラウンド抽選役物モータ88を反時計回りに回転させる。そして、ラウンド抽選役物モータ88の回転ステップ数が所定数(例えば4400)に達すると、すなわち所定時間(具体的には、V可動部材77がラウンド位置決定装置誘導位置まで移動する時間と、V可動部材77が決定装置誘導位置にある場合において遊技球収容部77aから落下した遊技球が水平可動役物85に乗るまでの時間と、水平可動役物85が二回転する時間と、の和)が経過すると、ラウンド抽選役物モータスイッチ88aが遮光状態になるのを待つ。
ラウンド抽選役物モータスイッチ88aが遮光状態になるのを待ち、当該遮光状態になってからのラウンド抽選役物モータ88の回転ステップ数が所定数(例えば150)に達すると、すなわちラウンド抽選役物モータスイッチ88aの通光状態が保障されるところまで水平可動部材82が回転すると、ラウンド抽選役物モータスイッチ88aが遮光状態になるのを待つ。
そして、ラウンド抽選役物モータスイッチ88aが遮光状態になると、ラウンド抽選役物モータ88の回転を停止し、所定時間(例えば1000m秒)経過後に、ラウンド抽選役物(決定装置80)の初期化動作を終了する。
<通常動作>
V可動役物(V可動部材77)の初期化動作、太鼓役物62の初期化動作、およびラウンド抽選役物(決定装置80)の初期化動作が全て終了すると、通常動作に移行する。
太鼓役物62の通常動作において、遊技制御装置100は、太鼓役物モータ66を反時計回りに回転させ、回転ステップ数が所定数(例えば300)に達すると、すなわち太鼓役物モータスイッチ66aの通光状態が保障されるところまで太鼓役物62が回転すると、太鼓役物モータスイッチ66aが遮光状態になるのを待つという処理を繰り返し行う。すなわち、太鼓役物62の通常動作において、太鼓役物モータ66は、常時、反時計回りに回転している。
また、ラウンド抽選役物(決定装置80)の通常動作において、遊技制御装置100は、ラウンド抽選役物モータ88を反時計回りに回転させ、回転ステップ数が所定数(例えば150)に達すると、すなわちラウンド抽選役物モータスイッチ88aの通光状態が保障されるところまで水平可動部材82が回転すると、ラウンド抽選役物モータスイッチ88aが遮光状態になるのを待つという処理を繰り返し行う。すなわち、ラウンド抽選役物(決定装置80)の通常動作において、ラウンド抽選役物モータ88は、常時、反時計回りに回転している。
なお、V可動役物(V可動部材77)の通常動作においては、V可動役物モータ73がOFF状態となっており、V可動部材77は動作しない。
また、床役物(床部61)の通常動作において、床役物ソレノイド61b1がOFF状態となっており、床部61は動作しない。
<小当り動作>
図32は、V可動役物(V可動部材77)の小当り動作を説明するタイミングチャートであって、図32(a)は、小当り初期動作を示し、図32(b)は、小当り通常動作を示す。
V可動役物(V可動部材77)は、始動入賞口33a,33b,34に遊技球が入賞して、大入賞口開放(変動入賞装置35の変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放)開始タイミングになると、小当り動作を行う。この小当り動作では、小当り初期動作(図32(a)に示す動作)を1回行って、その後、小当り通常動作(図32(b)に示す動作)を変動入賞装置35内に遊技球がない状態になるまで繰り返し行う。
図32(a)に示すように、小当りにおける大入賞口開放の開始タイミングになると、遊技制御装置100は、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、初期位置で待機しているV可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば366)に達すると、すなわちV可動部材77が排出流路誘導位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。このように、本実施形態では、小当りにおける大入賞口開放の開始タイミングになると、まず、V可動部材77を排出流路誘導位置へと移動させるよう構成されている。これにより、V可動部材77の遊技球収容部77a内に遊技球が残存していた場合に当該遊技球を遊技球収容部77aから落下させることができるため、小当りにおける大入賞口開放の開始前に、遊技球収容部77a内に不正に遊技球を収容しておくという行為を防止することができる。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば500m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが遮光状態になるのを待ち、当該遮光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、すなわちV可動部材77が初期位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば1900m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば390)に達すると、すなわちV可動部材77が決定装置誘導位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば500m秒)が経過すると、図32(b)に示すように、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、V可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば155)に達すると、すなわちV可動部材77が右通常動作位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば200m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、V可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば235)に達すると、すなわちV可動部材77が「初期位置付近」に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。ここで、「初期位置付近」とは、初期位置よりも若干左側の位置、すなわち、V可動部材77の遊技球収容部77aが、太鼓役物62の胴部62bの中央部(左右方向中央部)と対向する位置である。図20(b)等に示すように、胴部62bには、左右方向に沿って並ぶ3つの磁石配置箇所と、左右方向に沿って並ぶ2つの磁石配置箇所と、が設けられており、左右方向に沿って並ぶ3つの磁石配置箇所のうちの真ん中の磁石配置箇所は、胴部62bの中央部(左右方向中央部)に位置する。したがって、「初期位置付近」とは、遊技球収容部77aが、左右方向に沿って並ぶ3つの磁石配置箇所のうちの真ん中の磁石配置箇所と対向可能な位置である。
太鼓役物62によって持ち上げられて誘導部材63dの誘導面部63d1へと誘導された遊技球は、V可動部材77の遊技球収容部77aに収容されるか、あるいは、誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間から落下するが、このように、「初期位置付近」で待機することによって、遊技球が遊技球収容部77aに収容される確率、すなわちV入賞となる確率を高めている。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば1000m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、V可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが通光状態になるのを待ち、当該通光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば214)に達すると、すなわちV可動部材77が左通常動作位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば200m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが遮光状態になるのを待ち、当該遮光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、すなわちV可動部材77が初期位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば1000m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば235)に達すると、すなわちV可動部材77が右通常動作位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば200m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば155)に達すると、すなわちV可動部材77が決定装置誘導位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して、所定時間(例えば500m秒)待機する。
このように、V可動部材77は、小当り初期動作(図32(a)参照)では、排出流路誘導位置と決定装置誘導位置との間を移動するが、小当り通常動作時(図32(b)参照)では、左通常動作位置と決定装置誘導位置との間を移動する。これにより、小当りにおける大入賞口開放の開始前に、遊技球収容部77a内に不正に遊技球を収容しておくという行為を防止することができる。
なお、太鼓役物62の小当り動作において、遊技制御装置100は、太鼓役物モータ66の反時計回り回転を継続する。すなわち、太鼓役物62は、通常動作を継続する。
また、ラウンド抽選役物(決定装置80)の小当り動作において、遊技制御装置100は、ラウンド抽選役物モータ88の反時計回り回転を継続する。すなわち、決定装置80は、通常動作を継続する。
また、床役物(床部61)の小当り動作において、遊技制御装置100は、床役物ソレノイド61b1をOFF状態とON状態とに交互に移行させる。すなわち、床部61は、当該床部61の後端側が上下するように回動する回動往復動作を行う。
<大当り動作>
図33は、V可動役物(V可動部材77)の大当り動作を説明するタイミングチャートであって、図33(a)は、ラウンド動作を示し、図33(b)は、エンディング動作を示す。
V可動役物(V可動部材77)は、大当りが発生すると、大当り動作を行う。この大当り動作では、ラウンド演出開始タイミング(すなわち、大当りにおける大入賞口開放の開始タイミング)になると、ラウンド動作(図33(a)に示す動作)を繰り返し行い、その後、エンディング演出開始タイミングになる(すなわち、最終ラウンドの残存球の排出が終了する)と、エンディング動作(図33(b)に示す動作)を1回行う。大当りが発生してから大入賞口開放開始タイミングになるまでの間(すなわちファンファーレ期間中)、V可動役物(V可動部材77)の動作(スライド移動)は停止している。
図33(a)に示すように、ラウンド演出開始タイミングになると、遊技制御装置100は、所定時間(例えば200m秒)経過後、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、初期位置で待機しているV可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが通光状態になるのを待ち、当該通光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば356)に達すると、すなわちV可動部材77が排出流路誘導位置に到達すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、前述の処理Bを2回行う。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば5000m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが遮光状態になるのを待ち、当該遮光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、すなわちV可動部材77が初期位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して、V可動役物(V可動部材77)のラウンド動作を終了し、エンディング演出開始タイミングになっていなければ、大入賞口内の遊技球の有無にかかわらず、当該ラウンド動作を再度行う。
図33(b)に示すように、エンディング演出開始タイミングになると、遊技制御装置100は、所定時間(例えば200m秒)経過後、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させて、V可動部材77を左へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが通光状態になるのを待ち、当該通光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、V可動役物モータ73の回転を停止して待機させる。
次いで、V可動役物モータ73の回転を停止してから所定時間(例えば200m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回りに回転させて、V可動部材77を右へとスライド移動させる。そして、V可動役物モータスイッチ73aが遮光状態になるのを待ち、当該遮光状態になってからのV可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、すなわちV可動部材77が初期位置に到着すると、V可動役物モータ73の回転を停止して、V可動役物(V可動部材77)のエンディング動作を終了して、通常動作に移行する。
なお、太鼓役物62の大当り動作において、遊技制御装置100は、太鼓役物モータ66の反時計回り回転を継続する。すなわち、太鼓役物62は、通常動作を継続する。
また、ラウンド抽選役物(決定装置80)の大当り動作において、遊技制御装置100は、ラウンド抽選役物モータ88の反時計回り回転を継続する。すなわち、決定装置80は、通常動作を継続する。
また、床役物(床部61)の大当り動作において、遊技制御装置100は、床役物ソレノイド61b1をOFF状態とON状態とに交互に移行させる。すなわち、床部61は、当該床部61の後端側が上下するように回動する回動往復動作を行う。そして、大当り動作が終了すると、通常動作に移行する。
<球噛み処理動作>
図34は、役物の球噛み処理動作を説明するタイミングチャートであって、図34(a),(b)はV可動役物(V可動部材77)の球噛み処理動作を示し、図34(c)は太鼓役物62の球噛み処理動作を示し、図34(d)はラウンド抽選役物(決定装置80)の球噛み処理動作を示す。この球噛み処理動作は、初期化動作中または大当り動作中に役物モータスイッチ66a,73a,88aの状態を監視し、異常であると判断された場合に実行される。
V可動役物ユニット70において球噛みが発生した場合には、当該球噛みを解消するために、V可動役物モータ73を逆回転させる。
具体的には、図34(a)に示すように、V可動役物モータ73の時計回り回転中に、V可動役物モータスイッチ73aが通光状態になるのを待つ状態または遮光状態になるのを待つ状態が所定時間(例えば3024m秒)継続すると、遊技制御装置100は、異常であると判定して、V可動役物(V可動部材77)の球噛み処理動作を実行する。この球噛み処理動作においては、まず、V可動役物モータ73の回転を停止し、所定時間(例えば200m秒)経過後に、V可動役物モータ73を反時計回りに回転させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、V可動役物モータ73の回転を停止し、所定時間(例えば200m秒)経過後に、V可動役物(V可動部材77)の球噛み処理動作を終了して、当該球噛み処理動作前の状態に復帰(すなわち、当該球噛み処理動作を行う直前に行っていた動作に移行)する。
また、図34(b)に示すように、V可動役物モータ73の反時計回り回転中に、V可動役物モータスイッチ73aが通光状態になるのを待つ状態または遮光状態になるのを待つ状態が所定時間(例えば3024m秒)継続すると、遊技制御装置100は、異常であると判定して、V可動役物(V可動部材77)の球噛み処理動作を実行する。具体的には、V可動役物モータ73を停止し、所定時間(例えば200m秒)が経過すると、V可動役物モータ73を時計回り回転させる。そして、V可動役物モータ73の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、V可動役物モータ73の回転を停止し、所定時間(例えば200m秒)経過後に、V可動役物(V可動部材77)の球噛み処理動作を終了して、当該球噛み処理動作前の状態に復帰する。
太鼓役物ユニット60において球噛みが発生した場合には、当該球噛みを解消するために、太鼓役物モータ66を逆回転させる。
具体的には、図34(c)に示すように、太鼓役物モータ66の反時計回り回転中に、太鼓役物モータスイッチ66aが通光状態になるのを待つ状態または遮光状態になるのを待つ状態が所定時間(例えば13956m秒)継続すると、遊技制御装置100は、異常であると判定して、太鼓役物62の球噛み処理動作を実行する。この球噛み処理動作においては、まず、太鼓役物モータ66の回転を停止し、所定時間(例えば200m秒)経過後に、太鼓役物モータ66を時計回りに回転させる。そして、太鼓役物モータ66の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、太鼓役物モータ66の回転を停止し、所定時間(例えば200m秒)経過後に、太鼓役物62の球噛み処理動作を終了して、当該球噛み処理動作前の状態に復帰する。
決定装置80において球噛みが発生した場合には、当該球噛みを解消するために、ラウンド抽選役物モータ88を逆回転させる。
具体的には、図34(d)に示すように、ラウンド抽選役物モータ88の反時計回り回転中に、ラウンド抽選役物モータスイッチ88aが通光状態になるのを待つ状態または遮光状態になるのを待つ状態が所定時間(例えば7200m秒)継続すると、遊技制御装置100は、異常であると判定して、ラウンド抽選役物(決定装置80)の球噛み処理動作を実行する。この球噛み処理動作においては、まず、ラウンド抽選役物モータ88の回転を停止し、所定時間(例えば200m秒)経過後に、ラウンド抽選役物モータ88を時計回りに回転させる。そして、ラウンド抽選役物モータ88の回転ステップ数が所定数(例えば10)に達すると、太鼓役物モータ66の回転を停止し、所定時間(例えば200m秒)経過後に、ラウンド抽選役物(決定装置80)の球噛み処理動作を終了して、当該球噛み処理動作前の状態に復帰する。
C.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機1の制御系について、図35、図36を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
パチンコ機1は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置100、払出制御装置200、演出制御装置300及び電源装置400を備えている。
(遊技制御装置関係)
まず、パチンコ機1の遊技制御装置100の構成と、この遊技制御装置100に接続される機器について、図35によって説明する。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)171を有するCPU部170と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部170と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス150などからなる。
ここで、遊技制御装置100は制御装置に相当し、開放制御手段、変動時間選択手段、特図変動制御手段、変動時間記憶手段を構成する。
上記CPU部170は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)171と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)173などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン171の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施例では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン171(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ127が設けられている。このRAM初期化スイッチ127が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン171内のRAM171C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン171が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン171は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)171A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)171B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)171Cを備える。
ROM171Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM171Cは、遊技制御時にCPU171Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM171B又はRAM171Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。ROM171Bは変動時間記憶手段を構成する。
また、ROM171Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターン振分テーブルを記憶している。変動パターン振分テーブルとは、役物装置51(太鼓役物ユニット60およびV可動役物ユニット70)や決定装置80の時間設定、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの1回開き図柄及び2回開き図柄の振り分け率などのパターンをCPU171Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。
また、変動パターン振分テーブルには、特図1が変動する場合に選択される特図1変動パターンテーブル、特図2が変動する場合に選択される特図2変動パターンテーブル等が含まれる。
なお、本実施例では1種タイプの遊技機と異なり、所謂羽物タイプの遊技機(パチンコ機1)であるので、例えばリーチ状態となった後の変動パターンやリーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル等は無く、特図変動の結果は全て小当りとなり、外れは無い。すなわち、始動入賞すると、必ず変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開放動作が行われる。そして、特図の停止図柄違いで可動部材43a、43bの開放回数が異なる構成になっている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置(例えば、一括表示装置50の特図1表示器、特図2表示器)を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(始動遊技状態や特別遊技状態)となるパチンコ機1において、少な目の頻度で実行され、平均的な特図変動表示ゲームの実行時間より長い時間実行される特図変動表示ゲームの状態をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様がちがった状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
また、特図変動表示ゲームに対応して他の表示装置(例えば、情報表示器45)にて飾り特図変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
よって、例えば飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、「3」「5」「7」の何れか)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、プレミアリーチが設定されている。
CPU171Aは、ROM171B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイド(例えば、大入賞口ソレノイド201など)や表示装置(例えば、一括表示装置50)の駆動信号を生成して出力してパチンコ機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン171は特図の小当り図柄を決定するための特図図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路173からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU171Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU171Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM171Bに記憶されている複数の変動パターン振分テーブルの中から、何れか一の変動パターン振分テーブルを取得する。具体的には、CPU171Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果や始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振分テーブルの中から、何れか一の変動パターン振分テーブルを選択して取得する。ここで、CPU171Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM171Bに記憶された複数の変動パターン振分テーブルのうち、何れか一の変動パターン振分テーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
さらに、払出制御装置200は遊技制御装置100からの発射許可信号をシリアル通信で受けると、この発射許可信号を発射制御装置(図示略)に出力する。これにより、遊技球の発射が許可されることになる。
なお、発射制御装置は払出制御装置200から必要な電源の供給を受けるとともに、発射許可信号、停電検出信号を受けるようになっている。発射制御装置は発射操作ハンドル11の操作に従って遊技球を発射する発射モータ(図示略)を制御するとともに、発射制御装置にはタッチスイッチ信号や発射停止スイッチ(図示略)からの信号が入力されている。タッチスイッチ信号は遊技者が発射操作ハンドル11にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチは遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。
遊技用マイコン171の入力部120には、ゲートスイッチ101、入賞口スイッチ102、左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107、特定領域スイッチ80a〜80d、残存球排出口スイッチ112,113、盤電波センサ114、磁気センサ115に接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。
ここで、ゲートスイッチ101は普通図柄の始動ゲートを通過した遊技球を検出するスイッチであるが、本実施例においては普図を有しない遊技機(パチンコ機1)であるため、このスイッチは存在せず、外部の図示しない中継基板においてGND接続される。そのため、図35ではゲートスイッチ用(GND接続)として図示している。
また、図35に示すように、試射試験装置へ出力するための試験信号(例えば、普通図柄1に係るゲート通過信号1)を出力する電気パターンを有する中継基板151を接続した場合には、本実施例においては、この試験信号は常時オフとして出力される。このような構成は、一見無駄のように見えるが、別機種として、例えば普通図柄とその始動ゲートを備えた羽根モノタイプの遊技機を開発する際に、この遊技制御装置100を共通に使用することができるという大きなメリットがある。
また、前述したように、入賞口スイッチ102は遊技盤30の一般入賞口36a、36bに入賞した遊技球を検出するもので、一般入賞口の数に応じて1乃至n個設けられている。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35における可動部材43aの基端部付近の空間部に配置され、役物装置51に流入する遊技球を検出する。同様に、右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35における可動部材43bの基端部付近の空間部に配置され、役物装置51に流入する遊技球を検出する。
すなわち、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104は、大入賞口である変動入賞装置35へと入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチとして機能する。
左始動口スイッチ105は遊技盤30の第1始動入賞口33aに入賞した遊技球を検出する。右始動口スイッチ106は第1始動入賞口33bに入賞した遊技球を検出する。中始動口スイッチ107は第2始動入賞口34に入賞した遊技球を検出する。
特定領域スイッチ80a〜80dは、決定装置80に流入した遊技球が特定領域を通過したことを検出する。遊技球が特定領域を通過したことが検出されると、大当りが発生することになる。
第1残存球排出口スイッチ112は変動入賞装置35における排出流路に流入した遊技球(大入賞口に流入したが、決定装置80の特定領域に流入しなかった遊技球)を検出するもので、当該排出流路に流入した球が変動入賞装置35内に残存していないか否かを検出する機能を有する。同様に、第2残存球排出口スイッチ113は決定装置80の特定領域を通過した遊技球を検出するもので、当該特定領域を通過した遊技球が変動入賞装置25内に残存していないか否かを検出する機能を有する。
盤電波センサ114はパチンコ機1に対する電波(例えば、不正な電波)の発射を検出するもので、盤電波センサを複数配置する場合もあるので、その場合には1乃至m個設けることになる。
磁気センサ115は不正な磁気を検出するもので、パチンコ機1の前面枠4等や近接センサの近辺に配置され、磁石を当てられそうな箇所をカバーできるように複数(例えば、1乃至k個)が設けられている。
近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121aと近接I/F121bの二つを設けているのは、近接I/F121aの入力端子数が限られているためである。近接I/F121bは不足する入力端子数に応じて近接I/F121aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしている。なお、近接I/F121aとして必要な入力端子数を備えるものを用い、近接I/F121bを設けないようにしても良い。
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート162、第3入力ポート163又は第4入力ポート164へ供給され、データバス150を介して遊技用マイコン171に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、ゲートスイッチ101、入賞口スイッチ102、左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、及び中始動口スイッチ107の検出信号は第2入力ポート162へ入力される。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、特定領域スイッチ80a〜80d、残存球排出口スイッチ112,113、盤電波センサ114の検出信号は第4入力ポート164に入力される。
さらに、第4入力ポート164には、太鼓役物モータスイッチ66a、V可動役物モータスイッチ73a、ラウンド抽選役物モータスイッチ88a等のモータスイッチからの信号が入力されている。
近接I/F121aの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1は第3入力ポート163へ入力されるとともに、近接I/F121bの出力のうち、磁気センサ115の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号2も第3入力ポート163に入力される。
また、第3入力ポート163には振動センサ116、ガラス枠開放検出スイッチ117からの検出信号が入力されるとともに、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠4に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)が入力される。
振動センサ116は不正な振動を検出するもので、センターケースとしての変動入賞装置35の裏側のいわゆるベニア板上に1個配置されている。ガラス枠開放検出スイッチ117は、ガラス枠5の開放を検出する。
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート162への出力、及び第4入力ポート164への一部の出力は、遊技制御装置100から中継基板151を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107の検出信号は、第2入力ポート162の他、遊技用マイコン171へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート162が保持しているデータは、遊技用マイコン171が第2入力ポート162に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート163、第4入力ポート164や後述の第1入力ポート161も同様である。
第1入力ポート161には前面枠4の開放を検出する本体枠開放検出スイッチ118からの検出信号が入力されるとともに、払出制御装置200からの払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿10に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(発射操作ハンドル11に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)が入力されている他、さらに、シュミットバッファ126、RAM初期化スイッチ127からの信号が入力されている。
第1入力ポート161は上記の各信号を取り込んでデータバス150を介して遊技用マイコン171に供給する。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン171等に入力するための前述したシュミットバッファ126が設けられており、シュミットバッファ126はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ127からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート161に入力され、データバス150を介して遊技用マイコン171に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン171に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ126によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン171に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板151に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板151のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板151を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート161,162,163,164には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン171によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン171が読み込んだデータは、遊技用マイコン171のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン171から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン171から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス150に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ始動入賞(第1始動入賞口33a、23bや第2始動入賞口34への入賞)に伴う特図変動表示ゲームの特図情報を中継基板151を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板151を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ115や盤電波センサ114のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン171に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス150からバッファ133、中継基板151を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板151には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板151上のポートには、遊技用マイコン171から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス150に接続され、変動入賞装置35の可動部材43a、43bをそれぞれ開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202、及び役物装置51における床部61を上下に回動駆動するための床役物ソレノイド61b1等の役物ソレノイドの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第5出力ポート137、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第6出力ポート138が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報などパチンコ機1に関する情報を外部情報端子板152へ出力するための第7出力ポート139及び第6出力ポート138が設けられている。外部情報端子板152にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、パチンコ機1に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第7出力ポート139からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される変動入賞装置35の可動部材43a、43bをそれぞれ開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202、及び役物装置51における床部61を上下に回動駆動するための床役物ソレノイド61b1等の役物ソレノイドの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)140、第3出力ポート135から出力される役物装置51における太鼓役物モータ66やV可動役物モータ73、決定装置80におけるラウンド抽選役物モータ88の開閉データ信号を受けてモータ駆動信号を生成し出力する第2ドライバ(駆動回路)141、第4出力ポート136から出力される接続モニタLED153の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ142が設けられている。
ここで、接続モニタLED153は主基板である遊技制御装置100が起動すると、点灯するもので、主基板の動作中であることをモニターする等の機能がある。また、将来的に遊技制御装置100で作動させる部品などが増えた場合に、第4出力ポート136を増えた部品に対応させて使用できる等のメリットがある。
なお、接続モニタLED153は、第4出力ポート136から出力される信号線と1対1で対応する個数を接続するようにしてもよいし、複数の信号線に対し1個を接続するようにしてもよい。
また、出力部130には、第5出力ポート137から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第4ドライバ143、第6出力ポート138から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第5ドライバ144、第7出力ポート139及び第6出力ポート138から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板152へ出力する第6ドライバ145が設けられている。
上記第1ドライバ140には、32Vで動作するソレノイド(第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202、床役物ソレノイド61b1等の役物ソレノイド)を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、第2ドライバ141には、12Vで動作するモータ(太鼓役物モータ66、V可動役物モータ73、ラウンド抽選役物モータ88等の役物モータ)を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC12Vが電源装置400から供給される。同様に、第3ドライバ142には、12Vで動作する接続モニタLED153を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC12Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第4ドライバ143には、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第5ドライバ144は、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第4ドライバ143によりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第5ドライバ144によりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板152へ出力する第6ドライバ145は、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ140等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板151側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ146が設けられている。フォトカプラ146は、遊技用マイコン171が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン171が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート161,162,163,164のようなポートは設けられていない。
次に、図36を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
ここで、今回の実施例1では演出制御装置300の制御により、遊技盤30の変動入賞装置35の上部にLEDを備えた情報表示器45を配置し、情報表示器45によって各種遊技状態の表示、大当りのラウンド表示等を行っているが、図36では、実施例1の変形例としてLEDを備えた情報表示器45に代えて、液晶を用いた情報表示器45を採用した例を示している。
以下の説明では、液晶を用いた情報表示器45を採用した構成を説明しつつ、LEDを備えた情報表示器45についても言及して構成を説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン171と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って液晶を用いた情報表示器45への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ13a,13b、13cから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
したがって、図36の例において、液晶を用いた情報表示器45を採用した構成では、演出制御装置300からの指令によりVDP312の制御によって液晶を用いた情報表示器45が各種の画像表示を含み、各種遊技状態の表示、大当りのラウンド表示等を行うことになり、迫力のある多彩な演出を行うことが可能である。
なお、図36において、液晶を用いた情報表示器45ではなく、LEDを備えた情報表示器45を採用した場合(実施例1のケース)には、後述の盤装飾LED制御回路332と同様の回路を使用したり、あるいは図35に示す場合と同様に、主制御用マイコン(CPU)311に対してアドレス/データバス340を介して出力ポートとドライバを配置して、LEDを備えた情報表示器45に接続する構成にすればよい。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン171からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、液晶を用いた情報表示器45の映像とガラス枠5や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で液晶を用いた情報表示器45へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して液晶を用いた情報表示器45に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠5に設けられた上スピーカ13a、13b及び操作パネル6に設けられた下スピーカ13cを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ13a、13b及び下スピーカ13cから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンド(演出コマンド)を受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン171はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケースとしての変動入賞装置35を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置351を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠5に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置12を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケースとしての変動入賞装置35を含む)に設けられている盤演出装置46を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠5にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、操作パネル6に設けられた演出ボタン15に内蔵されている演出ボタンスイッチ15a、演出ボタン15の上面(押圧面)に設けられたタッチパネル16、盤演出装置46内における演出モータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ93のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。なお、演出役物スイッチ93は、役物装置51における第1V演出スイッチ63b1や、決定装置80における第2V演出スイッチ87b1を含む。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる情報表示器45(すなわち液晶を用いた情報表示器45)、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300にはパチンコ機1の各所を冷却する冷却FAN49が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN49が駆動されるようになっている。
D.制御系の動作
次に、このような遊技を行うパチンコ機1(遊技機)の制御について説明する。
まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)171によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン171による制御処理は、主に図37及び図38に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図40に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔遊技制御装置のメイン処理〕
まず、図37および図38により、遊技制御装置100(遊技用マイコン171)のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、遊技用マイコン171に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。すなわち、電源装置400の図示省略した電源スイッチがオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置400の制御信号生成部430からのリセット信号が遊技制御装置100に入力されて遊技用マイコン171のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、遊技用マイコン171が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されて遊技用マイコン171が起動する。また、作業者が遊技制御装置100のユーザワークRAM等の初期化をしようとする場合には、RAM初期化スイッチ127をオン操作しながら前記電源スイッチをオン操作する必要がある。
そして遊技用マイコン171が起動すると、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。
本実施例の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート161)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、入力ポート1(第1入力ポート161)には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート1(第1入力ポート161)の状態を読み込むことで、RAM初期化スイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;YES)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;NO)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。
また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;YES)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;NO)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;NO)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;YES)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
ここで、本実施例においてRWMとは、RAM171Cを指すが、RAMに限らず、RWMとして例えばEEPROM等の読出し書込み可能な記憶素子を含めて使用してもよい。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン171に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ入力ポート1(第1入力ポート161)の状態から初期化スイッチ(RAM初期化スイッチ127のこと。以下、同様)がオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;NO)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;YES)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;YES)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;YES)は、図38のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;YES)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NOもしくはステップS18;NO)、チェックサムが正常でない(ステップS20;NO)と判定された場合は、図38のステップS24へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図38のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次いで、全てのモータに対するモータ制御領域の球噛み処理(球噛み処理動作)回数を「0」クリアする(ステップS22)。ここでは、太鼓役物ユニット60において球噛みが発生していないか否かを判断し、球噛みが発生したときに、それを回避するための処理(図34(c))をカウントする回数を予め「0」にクリアし、V可動役物ユニット70において球噛みが発生していないか否かを判断し、球噛みが発生したときに、それを回避するための処理(図34(a),(b))をカウントする回数を予め「0」にクリアし、決定装置80において球噛みが発生していないか否かを判断し、球噛みが発生したときに、それを回避するための処理(図34(d))をカウントする回数を予め「0」にクリアする。
ステップS22を経ると、次いで、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS23)、ステップS29へ進む。本実施例の場合、ステップS23では、機種指定コマンド、特図2保留数コマンド、遊技状態指定コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモのコマンド、それ以外なら復旧中のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS24へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS24)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS25)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS26)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS27)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
本実施例の場合、ステップS28では、機種指定コマンド、特図2保留数コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドも送信する。
ステップS29では、遊技用マイコン171(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン171内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路173からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU171Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU171Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施例の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(特図図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、後述のようにステップS33で割込みを許可する。
なお、本実施例では実質上、初期値乱数を決めるのは特図図柄乱数の1つであり、その場合、所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ)としては、ソフト乱数レジスタ1を用意すればよいことになる。一方、初期値乱数を決める対象の乱数が多くある場合には、所定のレジスタとしては、ソフト乱数レジスタ1〜nのようにn個を用意しておくことになる。
本実施例で使用するCPU171A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
ステップS31を経ると、次いで、接続モニタLED153のオンデータを出力する(ステップS32)。
本実施例では、主基板としての遊技制御装置100を異なる機種間で共通に使えるように出力ポートが多めに用意してある。具体的には、第4出力ポート136にドライバ142を介して接続モニタLED153が接続されている。因みに、第3出力ポート135にドライバ141を介して3つの役物モータ(太鼓役物モータ66、V可動役物モータ73、ラウンド抽選役物モータ88)が接続されている。このように、1つの出力ポートのより3つのモータに対して駆動データを出力可能である。
したがって、本実施例では第4出力ポート136を配置することで、接続モニタLED153を取り外せば、あと3つのモータを追加できることになる。そのため、いまの機種で余っている出力ポート(ここでは第4出力ポート136)に接続モニタLED153を接続し、主基板(遊技制御装置100)が動作中であることをモニターしつつ、モータの追加が簡単なようにしている。
ステップS32を経ると、次いで、前述したようにステップS33で割込みを許可する。
続いて、ステップS34に進み、特図図柄初期値乱数を「+1」更新する処理(以下、特図図柄初期値乱数更新処理という)を行う。これは、特図図柄初期値乱数を「+1」更新することで、乱数の規則性を崩すためである。また、本実施例のパチンコ機1では、1つの乱数(特図図柄初期値乱数)に初期値設定を行うようになっている。
なお、特に限定されるわけではないが、本実施例においては、特図の当り図柄を決定する乱数(特図図柄乱数)は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。また、特図の当り図柄を決定する乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。
上記ステップS34の特図図柄初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS35)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS36)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS36;NO)は、特図図柄初期値乱数更新処理(ステップS34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、特図図柄初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。特図図柄初期値乱数更新処理(ステップS34)の前に割り込みを許可する(ステップS33)ことによって、特図図柄初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが特図図柄初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS34での特図図柄初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても特図図柄初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で特図図柄初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で特図図柄初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での特図図柄初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には特図図柄初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電監視信号がオンである場合(ステップS36;YES)は、ステップS35で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS37)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS37;NO)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS36)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS37;YES)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS39)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS40)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS41)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS42)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS43)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS44)を行ってから、遊技機(パチンコ機1)の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM171Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ127)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM171Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM171Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
次に、前記メイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS19,S42)を図39により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS51で算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し、ステップS52で繰り返し数を設定する。繰り返し数は、使用しているRWMのバイト数に対応して設定される。次いで、ステップS53で算出値として「0」を設定した後、ステップS54で算出値+算出アドレスの内容を新たな算出値として演算する。このようにして、各アドレスの毎の内容を算出値として加算していく。次いで、ステップS55で算出アドレスを「+1」だけ更新し、ステップS56で繰り返し数を「−1」だけ更新して算出終了かをチェックし、ステップS57で算出終了か否かを判定する。ステップS57の判定結果がNOであれば、ステップS54に戻ってルーチンを繰り返す。そして、繰り返した回数=RWMのバイト数になると、算出終了と判断してステップS57からYESに抜けて、ルーチンを終了する。
このようにして、RWMの電源遮断時におけるチェックサムの算出が行われる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図40に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU171Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン171においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図40のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS61)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS62)。ステップS62では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS63)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド等(第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202、床役物ソレノイド61b1等の役物ソレノイド、太鼓役物モータ66、V可動役物モータ73、ラウンド抽選役物モータ88等の役物モータ)のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS64)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置200を経由して発射制御装置(図示略)に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS65)、乱数更新処理1(ステップS66)を行う。その後、入賞口スイッチ102、左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107、特定領域スイッチ80a〜80d、残存球排出口スイッチ112,113から正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠4やガラス枠5が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)を行う。
また、残存球監視処理を行う(ステップS68)。残存球監視処理は変動入賞装置35に入賞した遊技球が外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視する処理である。
次いで、遊技停止エラー処理を行う(ステップS69)。遊技停止エラー処理は遊技を停止させるようなエラー(電波不正など)があった場合に、遊技を停止させる一方、エラーを解除するためにRAM初期化スイッチ127からの入力があるか等を監視するものである。
次いで、エラー動作中であるか否かを判定する(ステップS70)。これは、例えば電波不正などのエラーが発生し、その動作中であるかを判断するものである。エラー動作中でなければ(ステップS70;NO)、エラー解除待ち中であるか否かを判定する(ステップS71)。一方、エラー動作中であれば(ステップS70;YES)、ステップS74にジャンプする。
エラー解除待ち中であれば(ステップS71;YES)、エラーが依然として解除されていないと判断し、ステップS75にジャンプする。したがって、この場合にはステップS72乃至ステップS74の各処理は行われず、特図ゲームや、役物装置51(太鼓役物ユニット60およびV可動役物ユニット70)や決定装置80のモータ制御などが行われず、遊技ゲームは無しとなる。
一方、エラー解除待ち中でなければ(ステップS71;NO)、特図ゲーム処理を行う(ステップS72)とともに、セグメントLED編集処理を行う(ステップS73)。特図ゲーム処理は特図変動表示ゲームに関する処理を行うもので、セグメントLED編集処理はパチンコ機1に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するものである。
次いで、役物装置51や決定装置80に関するモータ制御を行うモータ制御処理を行う(ステップS74))。
ステップS74からステップS75に進んだ場合やステップS71からステップS75にジャンプした場合には、ステップS75で異常排出監視処理を行う。これは、変動入賞装置35に流入した遊技球と、変動入賞装置35から排出された遊技球とを監視し、流入した遊技球よりも排出された遊技球の数が多い場合には、不正で異常の可能性があると判断して遊技を停止する処理などを行うものである。
次いで、不正監視処理を行う(ステップS76)。これは、磁気センサ115からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正の監視や盤電波センサ114からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視を行うものである。
次いで、発射制御処理を行う(ステップS77)。これは、遊技停止をするようなエラーが発生している場合に、発射停止の出力データをセーブしたり、そのようなエラーが発生していない場合には発射許可の出力データをセーブしたりするものである。
それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS78)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施例では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における入力処理(ステップS63)を図40により説明する。
入力処理においては、まず入力ポート1、即ち、第1入力ポート161のアドレスを準備する(ステップS91)。本実施例において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次いで、ステップS92でRWM内のスイッチ制御領域1のアドレスを準備し、ステップS93で未使用のビットデータを準備するとともに、ステップS94で反転するビットデータを準備する。例えば、RAM初期化スイッチ127は検出信号の反転が必要なので、そうようなセンサ/スイッチ等のビットデータを準備するものである。
ここで、未使用のビットデータ、反転するビットデータは各入力ポート毎に準備されている。なお、フローチャートにおける名称はビットデータで同じであるが、未使用のビットデータと反転するビットデータとは、別物である。ただし、結果として同じ値のデータである可能性もある。
次いで、ステップS95で入力ポート1(第1入力ポート161)に関してスイッチ読込み処理を行う。
ここで、入力ポート1(第1入力ポート161)で監視するスイッチは、以下の通りである。
・ガラス枠開放検出スイッチ117(ビット0)
・本体枠開放検出スイッチ118(ビット1)
・RAM初期化スイッチ127(ビット2)(反転ビット)
・停電監視信号(ビット3)
・払出異常ステータス信号(ビット4)
・シュート球切れスイッチ信号(ビット5)
・オーバーフロースイッチ信号(ビット6)
・タッチスイッチ信号(ビット7)
以上のステップS91からステップS95までの処理により、入力ポート1(第1入力ポート161)で監視するスイッチに関する情報が読み込まれる。
次いで、同様に入力ポート2(第2入力ポート162)で監視するスイッチの情報を読み込む処理を行う。
まず、ステップS96で入力ポート2(第2入力ポート162)のアドレスを準備し、次いで、ステップS97でRWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する。次いで、ステップS98で未使用のビットデータを準備するとともに、ステップS99で反転するビットデータを準備する。
次いで、ステップS100で入力ポート2(第2入力ポート162)に関してスイッチ読込み処理を行う。
ここで、入力ポート2(第2入力ポート162)で監視するスイッチは、以下の通りである。なお、入力ポート2で監視するスイッチには反転するビットは無い。
・左始動口スイッチ105(ビット0):「始動口1入賞信号」
ここで、左始動口スイッチ105はパターン分岐により、試験信号の「始動口1入賞信号」としても出力され、これは後述の各スイッチについても同様で、各ビット態様の右側にそれらを表記している。
・中始動口スイッチ107(ビット1):「始動口2入賞信号」
・右始動口スイッチ106(ビット2):「始動口3入賞信号」
・入賞口スイッチ102(ビット3):「普通入賞口1入賞信号」
・第4特定領域スイッチ80d(ビット4):「条件装置作動領域2通過信号1」、「役物連続作動領域2通過信号1」
・左大入賞口スイッチ103(ビット5):「特別電動役物1入賞信号1」
・右大入賞口スイッチ104(ビット6):「特別電動役物1入賞信号2」
・第3特定領域スイッチ80c(ビット7):「条件装置作動領域1通過信号3」、「役物連続作動領域2通過信号3」
以上のステップS96からステップS100までの処理により、入力ポート2(第2入力ポート162)で監視するスイッチに関する情報が読み込まれる。
次いで、同様に入力ポート3(第3入力ポート163)で監視するスイッチの情報を読み込む処理を行う。
まず、ステップS101で入力ポート3(第3入力ポート163)のアドレスを準備し、次いで、ステップS102でRWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する。次いで、ステップS103で未使用のビットデータを準備するとともに、ステップS104で反転するビットデータを準備する。
次いで、ステップS105で入力ポート3(第3入力ポート163)に関してスイッチ読込み処理を行う。
ここで、入力ポート3(第3入力ポート163)で監視するスイッチは、以下の通りである。
・盤電波センサ114(ビット0)(反転ビット)
・スイッチ異常検知信号1(ビット1)
・磁気センサ115(ビット2)
・枠電波エラー信号(ビット3)
・払出ビジー信号(ビット4)
・スイッチ異常検知信号2(ビット5)
・振動センサ116(ビット6) (反転ビット)
・未使用(ビット7)
ここで、スイッチ異常検知信号1は図35に示すように、近接I/F121aの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1のことである。また、スイッチ異常検知信号2は図35に示すように、近接I/F121bの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号2のことである。
以上のステップS101からステップS105までの処理により、入力ポート3(第3入力ポート163)で監視するスイッチに関する情報が読み込まれる。
次いで、同様に入力ポート4(第4入力ポート164)で監視するスイッチの情報を読み込む処理を行う。
まず、ステップS106で入力ポート4(第4入力ポート164)のアドレスを準備し、次いで、ステップS107でRWM内のスイッチ制御領域4のアドレスを準備する。次いで、ステップS108で未使用のビットデータを準備するとともに、ステップS109で反転するビットデータを準備する。
次いで、ステップS110で入力ポート4(第4入力ポート164)に関してスイッチ読込み処理を行う。
ここで、入力ポート4(第4入力ポート164)で監視するスイッチは、以下の通りである。なお、入力ポート4で監視するスイッチには反転するビットは無い。
・第1特定領域スイッチ80a(ビット0):「条件装置作動領域1通過信号1」、「役物連続作動領域1通過信号1」
・第1残存球排出口スイッチ112(ビット1):「特別電動役物1排出口通過信号1」
・第2残存球排出口スイッチ113(ビット2):「特別電動役物1排出口通過信号2」
・第2特定領域スイッチ80b(ビット3):「条件装置作動領域1通過信号2」、「役物連続作動領域1通過信号2」
・未使用(ビット4):モータスイッチ予備として図示しない中継基板に回路接続されている
・ラウンド抽選役物モータスイッチ88a(ビット5)
・太鼓役物モータスイッチ66a(ビット6)
・V可動役物モータスイッチ73a(ビット7)
ステップS110を経ると、次いで、ステップS111に進み、前回の確定状態と反転した今回の確定状態との排他的論理和をとり、立下りエッジとしてRWMにセーブして、入力処理を終了する。
これは、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、タイマ割込みの周期を延ばすことによる割込み内の処理可能量増加と、構造設計等の容易さを両立させるものである。詳しくは、後述のスイッチ読み込み処理のルーチンで説明する。
〔スイッチ読込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読込み処理(ステップS95、S100、S105、S110)のサブルーチンを図42により説明する。
スイッチ読込み処理においては、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS121)。これは、1回目の読み込みに相当する。次いで、8ビットのポートのうち未使用ビットがあれば、そのビットの状態をクリアし(ステップS122)、反転の必要なビットを反転(ステップS123)した後、RWM内の対象のスイッチ制御領域のポート入力状態にセーブ(格納)する(ステップS124)。その後、2回目の読込みまでのディレイ時間(0.1ms=100μs)が経過するのを待つ(ステップS125)。
ディレイ時間(0.1ms)が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読込みを行う(ステップS126)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあれば、そのビットの状態をクリアし(ステップS127)、反転の必要なビットを反転(ステップS128)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態(1回目データ)をロードし、反転後データ(2回目データ)をセーブ(格納)する(ステップS129)。その後、1回目と2回目の読込みで変化したビット、即ち、信号を検出し、確定ビットパターンを作成する(ステップS130)。具体的には、読み込まれた対象の入力ポートの状態のうち、1回目と2回目で状態が同じビットを「1」、違うビットを「0」とした確定ビットパターンを作成する。次いで、確定ビットパターンとポート入力状態(2回目データ)との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS131)。
次いで、1回目と2回目の読込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS132)、未確定ビットパターンと前回割り込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS133)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回の確定状態としてRWMにセーブし(ステップS134)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてRWMにセーブして(ステップS135)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読込みを行って前回の読込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行えないおそれがある。また、単純計算でタイマ割込み周期の2倍以上の時間分、スイッチの入力パルスが保持されなくてはならないので、パルスを延長する電気回路の設計やスイッチを通過する遊技球の速度を遅くするための球流路の構造設計などが必要になる。
これに対し、本実施例のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、タイマ割込みの周期を延ばすことによる割込み内の処理可能量増加と、構造設計等の容易さを両立させ、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS64)を図43により説明する。
出力処理では、まず一括表示装置50のセグメントのデータを出力するポート137(図35参照)の出力データを全てオフにする(ステップS141)。次いで、一括表示装置50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新(0〜3の範囲で「+1」更新)する(ステップS142)。
本実施例では、一括表示装置50をLEDで構成し、ダイナミック点灯させる例であり、ここでは「特図1図柄表示」、「特図2図柄表示」、「特図2保留表示」、「ラウンド表示」、「遊技状態表示(大当り中、大当り中以外)」という情報を表示させている。
続いて、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得(ロード)する(ステップS143)。次いで、取得したデータと外部情報データを合成する(ステップS144)。ここで合成する外部情報は「扉・枠開放」、「セキュリティ信号」に関する情報である。
次いで、合成したデータをデジット・外部情報出力ポート(第6出力ポート138)に出力する(ステップS145)。第6出力ポート138は一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
次いで、外部情報端子板152へ出力する外部情報の各種出力データをロードして合成する(ステップS146)。
ここで合成する外部情報としては、以下の通りである。
・大当り1信号
・大当り2信号
・役物入賞個数信号
・役物回数信号
・始動口1信号
・始動口2信号
・メイン賞球信号
次いで、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力ポート(第7出力ポート139)に出力する(ステップS148)。第7出力ポート136は大当り情報などパチンコ機1に関する情報を外部情報として外部情報端子板152へ出力するための出力ポートである。次いで、遊技停止するエラーは発生していないか否かを判定し(ステップS149)、遊技停止するエラーが発生していなければ(ステップS149;YES)、ステップS150へ進む。一方、遊技停止するエラーが発生していれば(ステップS149;NO)、ステップS153に分岐する。
ステップS150に進んだ場合には、このステップS150でデジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロード(取得)し、取得したセグメント出力データをセグメント出力用のポート(第5出力ポート137)に出力する。第5出力ポート137は一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
次いで、ソレノイド出力ポートに出力するデータを合成し、第2出力ポート134に出力する(ステップS151)。第2出力ポート134はソレノイドに出力するデータを出力するポートであり、ここで出力するデータに対応するソレノイドとしては、以下の通りである。
・第1大入賞口ソレノイド201
・第2大入賞口ソレノイド202
・床役物ソレノイド61b1
ステップS151を経ると、続いてステップS152へ進む。
一方、先のステップS149でNOと判定した場合には、前述したように、ステップS153に分岐し、ソレノイド出力ポートにオフデータを出力する。これにより、ソレノイド出力データを出力するための第2出力ポート134には、オフデータが出力されることから、上述した第1大入賞口ソレノイド201、第2大入賞口ソレノイド202、床役物ソレノイド61b1等の役物ソレノイドは何れもオフとなり、作動しない。
そして、ステップS153を経ると、ステップS152へ進む。
ステップS151又はステップS153からステップS152へ進むと、このステップS152でエラー解除待ち中であるか否かを判定する。エラー解除待ち中でなければ(ステップS152;NO)、遊技を進めてもよいと判断し、ステップS154でモータ出力ポート(第3出力ポート135)に出力するデータを合成し、出力する。
第3出力ポート135はモータ出力データを出力するためのポートであり、ここで出力するデータに対応するモータしては、以下の通りである。
・太鼓役物モータ66
・V可動役物モータ73
・ラウンド抽選役物モータ88
これにより、太鼓役物モータ66、V可動役物モータ73、ラウンド抽選役物モータ88等の役物モータの作動が許可されることになる。
一方、エラー解除待ち中であれば(ステップS152;YES)、エラーが解除されるまで待機する必要があるので、遊技が進められないと判断し、ステップS155でモータ出力ポート(第3出力ポート135)にオフデータを出力する。これにより、太鼓役物モータ66、V可動役物モータ73、ラウンド抽選役物モータ88等の役物モータの作動が許可されないことになる。
ステップS154又はステップS155を経ると、続いてステップS156に進み、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ1〜3をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS156)。さらにその後、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ4〜6をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS157)。
次いで、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ7〜8をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS158)。また、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ9〜10をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS159)。さらに、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ11をロードして合成し、中継基板151上に設けられている試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力(ステップS160)して、図43の出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS65)を図44により説明する。
払出コマンド送信処理では、まず、賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域2に「0」でないカウント数があるかを判定する(ステップS171)。
入賞数カウンタ領域2の構造は、例えば以下の通りである。
・3個賞球カウンタ
・10個賞球カウンタ
・14個賞球カウンタ
各々の入賞数カウンタ領域は255個入賞まで記憶可能になっており、入賞数カウンタ領域2のチェックでは、上述したカウンタを上から(3個賞球カウンタから)順にチェックしていく。
なお、入賞数カウンタ領域1もあるが、これは詳細を後述する。
フローに戻り、入賞数カウンタ領域2にカウント数がない場合(ステップS171:NO)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS172)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS173)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS173;YES)と判定すると、ステップS182へジャンプする。
一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS173;NO)と判定すると、ステップS171へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS171で、入賞数カウンタ領域2にカウント数がある(ステップS171;YES)と判定した場合には、ステップS174に進む。そして、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップS174)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS175)。次いで、賞球残数領域の値と今回の払出数を加算し(ステップS176)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS177)。これにより、今回の払出数が前回までの賞球残数領域の値と加算されて、今回の合計値が賞球残数領域にセーブされることになる。
なお、賞球残数が10個になる度にメイン賞球信号の出力回数が「+1」加算されて、更新されることになる(詳細は後述)。
次いで、ステップS177の加算結果から「10」を減算し(ステップS178)、減算結果が「0」以上であるか否かを判定する(ステップS179)。減算結果が「0」以上であれば(ステップS179;YES)、メイン賞球信号の出力回数を「+1」だけ加算して更新し(ステップS180)、続いて「0」以上である今回の減算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS181)。ステップS181を経ると、続いてステップS178に戻り、ル−プを繰り返す。したがって、遊技により賞球が発生し、その払出数が前回までの賞球残数領域の値と加算され、その加算結果から「10」が減算され、減算結果が「0」以上である限り、ステップS178からステップS181の処理が繰り返される。
そして、減算結果が「0」未満になれば(ステップS179;NO)、ステップS182へ分岐して進む。
ここで、図44に示す処理のうち、図中左列の処理(ステップS171からステップS181)はメイン賞球信号の出力回数を更新する処理を担当している。一方、図44に示す処理のうち、後述する図中右列の処理(ステップS182からステップS191)は払出コマンドを送信する処理を担当している。
さて、フローに戻り、ステップS182へ進むと、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ、払出コマンド送信タイマを「−1」更新(つまり、「−1」だけ減算)する。これは、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間経ってから送るために、当該所定時間の経過をカウントしているものである。なお、払出コマンドを送信する前提として、例えば払出制御装置200(払出制御基板)側が賞球を払い出せる状態であることも条件となる。
次いで、払出コマンド送信タイマが「0」になったか否かを判定し(ステップS183)、払出コマンド送信タイマが「0」になっていなければ(ステップS183;NO)、今回のルーチンを終了してリターンする。したがって、払出コマンド送信タイマが「0」になるまで、本ルーチンが繰り返されることになる。
そして、払出コマンド送信タイマが「0」になると(ステップS183;YES)、払出ビジー信号がビジー中であるか否かを判定する(ステップS184)。ステップS184の判定では、出力ポートの状態を見るのではなく、払出ビジー信号フラグを見て判定する。払出ビジー信号がビジー中であれば(ステップS184;YES)、今回のルーチンを終了してリターンする。したがって、払出ビジー信号がビジー中でなくなるまで、本ルーチンが繰り返されることになる。
ここで、払出ビジー信号がビジー中となる条件は、以下の通りである。
・払出動作中
・球貸し動作中
・シュート球切れエラー中
・オーバフローエラー中
・枠電波不正発生中
・払出球検出スイッチの異常中:(払い出された球を監視するスイッチ)
・払出不足エラー中
・払出過剰エラー中
・払出制御基板のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)
払出ビジー信号がビジー中でなければ(ステップS184;NO)、賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域1に「0」でないカウント数があるかを判定する(ステップS185)。
入賞数カウンタ領域1の構造は、例えば以下の通りである。
・3個賞球カウンタ
・10個賞球カウンタ
・14個賞球カウンタ
各々の入賞数カウンタ領域は65535個入賞まで記憶可能になっており、入賞数カウンタ領域1チェックでは、上述したカウンタを上から(3個賞球カウンタから)順にチェックしていく。
フローに戻り、入賞数カウンタ領域1にカウント数がない場合(ステップS185:NO)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS186)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS187)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS187;YES)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了してリターンする。
一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS187;NO)と判定すると、ステップS185へ戻って上記処理を繰り返す。
また、上記ステップS185で、入賞数カウンタ領域1にカウント数がある(ステップS185;YES)と判定した場合には、ステップS188に進む。そして、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(ステップS188)、入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出コマンドを取得する(ステップS189)。次いで、取得した払出コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップS190)。これにより、遊技制御装置100から払出制御装置200へ払出コマンドが所定のタイミングで送信されることになる。次いで、払出コマンド送信タイマ領域に初期値(例えば200ms)をセ−ブする(ステップS191)。払出コマンド送信タイマ領域は前述のステップS182で説明した払出コマンド送信タイマの値を書き込む領域である。ステップS191を経ると、払出コマンド送信処理を終了してリターンする。
以上の処理により、払出制御装置200に遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが送信され、払出制御装置200ではこの払出コマンドに基づき遊技球を払い出す処理が行われる。
〔乱数更新処理1〕
次に、上述のタイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS66)を図45により説明する。
乱数更新処理1は、特図図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。
乱数更新処理1においては、まず、特図図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS201)。
特図図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS201;NO)は、乱数更新処理1を終了する。一方、特図図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS201;YES)は、次回初期値として特図図柄初期値乱数をロードし(ステップS202)、ロードした特図図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップS203)、乱数更新処理1を終了する。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)を図46により説明する。
入賞口スイッチ/状態監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視や、状態の監視を行う処理である。
入賞口スイッチ/状態監視処理においては、まず左大入賞口スイッチ103に対応する左大入賞口スイッチ監視テーブル(例えば、左大入賞口スイッチ103からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS211)。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35における可動部材43aの基端部付近の空間部に配置され、役物装置51に流入する遊技球を検出するものである。
なお、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放すると、入賞空間41を介して遊技球が役物装置51に流入する。
本実施例では、役物装置51に流入する遊技球を検出するスイッチとして、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104の2つが設けられ、役物装置51に流入した遊技球は左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104の何れかで検出されるようになっているので、ここでは一方の左大入賞口スイッチ103に対応する左大入賞口スイッチ監視テーブルを準備するものである
次いで、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開いていないにもかかわらず変動入賞装置35に不正な入賞がないか監視するとともに、正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS212)を実行する。
その後、右大入賞口スイッチ104に対応する右大入賞口スイッチ監視テーブル(例えば、右大入賞口スイッチ104からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS213)。右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35における可動部材43bの基端部付近の空間部に配置され、役物装置51に流入する遊技球を検出するものである。
本実施例では、役物装置51に流入する遊技球を検出するスイッチとして、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104の2つが設けられ、役物装置51に流入した遊技球は左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104の何れかで検出されるようになっているので、ここでは他方の右大入賞口スイッチ104に対応する右大入賞口スイッチ監視テーブルを準備するものである
次いで、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開いていないにもかかわらず変動入賞装置35に不正な入賞がないか監視するとともに、正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS214)を実行する。
さらに、左始動口スイッチ105、中始動口スイッチ107、および右始動口スイッチ106での検出状態に基づき異常を検出する始動口エラー監視処理を行う(ステップS215)。
次いで、常時入賞可能な入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する(ステップS216)。常時入賞可能な入賞口スイッチとしては、以下のものがある。
・左始動口スイッチ105
・中始動口スイッチ107
・右始動口スイッチ106
・入賞口スイッチ102
次いで、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を行う(ステップS217)。この入賞数カウンタ更新処理の詳細な手順については、後述する。
次いで、状態スキャンカウンタを更新(0乃至3の範囲で「+1」更新)する(ステップS218)。状態スキャンカウンタは、遊技機状態としてエラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのものである。
続いて、遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS219)。
遊技機状態として遊技機状態監視テーブル1で監視するエラーの種類としては、以下のものがあり、これらは払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ、オーバーフロースイッチ、払出制御装置200の異常監視用のエラーなどに対応する。
・0のとき:スイッチ異常エラー(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
・1のとき:シュート球切れエラー
・2のとき:オーバフローエラー
・3のとき:払い出し異常エラー
次いで、遊技機状態チェック処理を行う(ステップS220)。これは、準備した遊技機状態監視テーブル1でエラーをチェックするものである(詳細は後述)。
続いて、遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS221)。
遊技機状態として遊技機状態監視テーブル2で監視するエラーの種類としては、以下のものがあり、これらはガラス枠開放検出スイッチ117、本体枠開放検出スイッチ118、払出制御装置200からの枠電波不正信号、タッチスイッチ信号などに対応する。
・0のとき:ガラス枠5開放(前枠開放)
・1のとき:前面枠4開放(遊技枠開放)
・2のとき:枠電波不正
・3のとき:タッチスイッチオン(発射操作ハンドル11にタッチすると、発射操作ハンドル11に設けられたタッチスイッチがオンする)
次いで、遊技機状態チェック処理を行う(ステップS222)。これは、準備した遊技機状態監視テーブル2でエラーをチェックするものである(詳細は後述)。
次いで、状態スキャンカウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS223)。状態スキャンカウンタは0乃至3の範囲で「+1」更新されていくので、ここでは「0」かどうかを判断するものである。
状態スキャンカウンタが「0」でなければ(ステップS223;NO)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了してリターンする。したがって、このときはルーチンが繰り返される。
一方、状態スキャンカウンタが「0」であれば(ステップS223;YES)、続いて、遊技機状態監視テーブル3を準備する(ステップS224)。
遊技機状態として遊技機状態監視テーブル3で監視するエラーの種類としては、スイッチ異常2エラーがある。スイッチ異常2エラーは、近接I/F121bに接続される各種センサやスイッチにおけるコネクタ抜け等の異常を検出した場合のエラーである。
次いで、遊技機状態チェック処理を行う(ステップS225)。これは、遊技機状態監視テーブル3で準備したエラーをチェックするものである(詳細は後述)。
次いで、払出ビジー信号チェック処理を行う(ステップS226)。これは、払出ビジー信号がビジー状態かどうかをチェックするものである。状態スキャンカウンタは0乃至3の範囲で「+1」更新されていくので、4回に1回は払出ビジー信号チェック処理が実行される。したがって、16ms周期で払出ビジー信号が監視(チェック)されることになる。
ステップS224を経ると、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
〔不正&入賞監視処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS212,S214)を図47により説明する。
入賞監視処理は、変動入賞装置35に入賞する遊技球を検出する2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104の各々、常時入賞可能な入賞口スイッチとしての左始動口スイッチ105、中始動口スイッチ107、右始動口スイッチ106、入賞口スイッチ102に対して行われる処理である。変動入賞装置35については、無理やり可動部材43a、43bを開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をするものである。
ここで、入賞口スイッチ/状態監視処理の中の不正&入賞監視処理を説明するに当たり、準備される不正監視テーブルに定義されている情報は、以下の通りである。
・入力があるかを判定するデータ(監視スイッチビット)
・不正監視情報の下位アドレス
・不正入賞数領域の下位アドレス
・不正入賞エラー報知コマンド
・不正入賞数上限値(不正発生判定個数)
・入賞口スイッチテーブルのアドレス
・報知タイマ更新情報(許可/更新)
不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS231)、不正監視期間中かどうかを判定する(ステップS232)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104である場合は変動入賞装置35の可動部材43a、43bを開放する特別遊技状態中以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS232;YES)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS233)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS233;NO)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS242)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS233;YES)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS234)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば、5個)を超えたかを判定する(ステップS235)。なお、不正発生判定個数としては、例えば5個に限らず、対象の入賞口スイッチ毎に異なる値に設定可能であり、そのようにしてもよいが、本実施例では全ての入賞口スイッチについて同じ値にしている。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある変動入賞装置35(一般的には大入賞口とも呼ばれる)の可動部材43a、43bが閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口(つまり、変動入賞装置35)の扉部材(ここでは可動部材43a、43b)に挟まり、その遊技球がカウントスイッチ(2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104の各々)の有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合に、それを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。不正監視の条件をシビアにしたい箇所に対しては、判定個数を例えば1個とすればよい。
そして、判定個数を超えていない(ステップS235;NO)と判定すると、ステップS240へジャンプし、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する。また、判定個数を超えた場合(ステップS235;YES)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS236)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値をセーブする(ステップS237)。不正入賞報知タイマの初期値としては、例えば60000msが設定される。
次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS238)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS239)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS250)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップS232;NO)は、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備し(ステップS240)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS241)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップS242)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップS243)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS243;NO)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップS243;YES)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS244)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104のうちの一方の左大入賞口スイッチ103である場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の右大入賞口スイッチ104である場合は許可されない。これにより、変動入賞装置35についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。
すなわち、大入賞口(変動入賞装置35)に対してエラー監視を2つの左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104で行っているため、双方のスイッチでタイマ更新すると、倍のタイマ更新が行われることとなり、結果的に規定時間の半分で不正タイマがタイムアップしてしまうことから、あとから監視処理を行う一方の左大入賞口スイッチ103のタイミングでのみ、タイマ更新をするようにしているものである。
なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが1つの入賞口スイッチである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS245)、値が0でない場合(ステップS245;NO)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS245;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS246)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS47)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS248)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS248;YES)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS249)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS250)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS248;NO)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS250)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS50;YES)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS250;NO)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS251)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS252)、不正&入賞監視処理を終了する。
以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS217)及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS241)を図48により説明する。
入賞数カウンタ更新処理においては、まず、遊技停止するエラーの発生中であるかを判定し(ステップS261)、遊技停止するエラーの発生中である場合(ステップS261;YES)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。また、遊技停止するエラーの発生中でない場合(ステップS261;NO)は、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理にて取得した入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得する(ステップS262)。
ここで、入賞口スイッチ/状態監視処理で準備された入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルに定義されている情報は、以下の通りである。
・繰り返し回数
・入力があるかを判定するデータ(監視スイッチビット)(各スイッチ毎に定義)
・入賞数カウンタ領域1の下位アドレス(各スイッチ毎に定義)
・入賞数カウンタ領域2の下位アドレス(各スイッチ毎に定義)
次いで、監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力(正確には入力の変化)があるかチェックする(ステップS263)。ここで、入力がない(S263;NO)と判定するとステップS272へジャンプし、入力がある(S263;YES)と判定すると、次のステップS264で、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードする。
次のステップS265では、ロードした入賞数カウンタを更新(+1)し、続くステップS266でオーバーフローするかチェックする。そして、カウンタオーバーフローが発生していない(ステップS266;NO)と判定すると、ステップS267へ進んで更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブしてからステップS268へ進む。
一方、ステップS266でカウンタオーバーフローが発生している(S266;YES)と判定すると、ステップS267をスキップしてステップS268へジャンプする。
なお、設けられた入賞数カウンタ領域のサイズによって、最大記憶数(例えば、1バイトサイズなら255個、2バイトサイズなら65535個)が決まるので、それを超えると値が「0」に戻ってしまい、支払うべき大量の賞球数の情報を失ってしまうことになる。それを回避するためにステップS265では、いきなり領域の内容を更新せず、領域の外で「+1」して「0」になってしまわないかを確認した上で更新を行うようにしている。
このようにして、前半部の処理(定義は後述)が行われ、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタが更新される。
ここで、ステップS264からステップS267までの処理(以下、前半部という)は、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新するものである。前半部のカウンタサイズは2バイトであり、0乃至65535の範囲が最大記憶数となる。
一方、後述のステップS268からステップS271までの処理(以下、後半部という)は、メイン賞球信号のためのカウンタを更新するものである。後半部のカウンタサイズは1バイトであり、0乃至255の範囲が最大記憶数となる。
フローに戻り、次いで、ステップS268からステップS271までの処理(つまり、後半部の処理)を行う。まず、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS268)。
次いで、次のステップS269に進み、ロードした入賞数カウンタを更新(+1)し、続くステップS270でオーバーフローするかチェックする。そして、カウンタオーバーフローが発生していない(ステップS270;NO)と判定すると、ステップS271へ進んで更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブしてからステップS272へ進む。
一方、ステップS270でカウンタオーバーフローが発生している(S270;YES)と判定すると、ステップS271をスキップしてステップS272へジャンプする。
このようにして、後半部の処理が行われ、メイン賞球信号のためのカウンタが更新される。
前述したように、ステップS263において監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力(正確には入力の変化)がない(S263;NO)と判定した場合やステップS270でカウンタオーバーフローが発生している(S270;YES)と判定した場合、更新後の値を入力数カウンタ領域2にセーブした場合(ステップS271)には、テーブルアドレスを次のレコードのアドレスに更新し(ステップS272)、ステップS273に進む。ステップS273では、全部のスイッチの監視処理が終了したか判定して、終了している場合(ステップS273;YES)には当該入力数カウンタ更新処理を終了する。一方、終了していない場合(ステップS273;NO)には、ステップS263へ戻り上記処理を繰り返す。以上の処理により、入賞数カウンタ領域1により入賞に応じた賞球が設定されるとともに、入賞数カウンタ領域2によりメイン賞球信号生成のためのデータが設定されることになる。
〔始動口エラー監視処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における始動口エラー監視処理(ステップS215)を図49により説明する。
この始動口エラー監視処理では、まず、所定時間内(例えば60秒以内)に異常に多数の入賞(例えば25)が発生する異常入賞を検出するための処理を行う(ステップS911〜S921)。
この異常入賞を検出するための処理では、まず、上記の所定時間を計時するための始動口入賞監視タイマが0でなければ−1更新し(ステップS911)、始動口入賞監視タイマが0であるかを判定する(ステップS912)。
この始動口入賞監視タイマが0でない場合(ステップS912;NO)は、ステップS917に移行する。
また、始動口入賞監視タイマが0である場合(ステップS912;YES)は、始動口入賞監視タイマ領域に初期値(例えば60秒)をセーブし(ステップS913)、左、右、中始動口のそれぞれについて所定時間内での入賞数をカウントするための異常入賞数領域を0クリアして(ステップS914〜S916)、ステップS917に移行する。
そして、左、右、中始動口のそれぞれについて、対応するスイッチの異常入賞監視情報を準備した後に始動口異常入賞監視処理を行う(ステップS917〜S922)。
対応するスイッチの異常入賞監視情報を準備する処理(ステップS917、S919、S921)で準備される異常入賞監視情報には以下の情報が含まれる。
・スイッチオンを監視するビットデータ
・始動口異常入賞未発生のコマンド(各始動口毎にコマンドが異なる)
・始動口異常入賞監視領域のアドレス(各始動口毎に領域は異なる)
また、始動口異常入賞監視領域には、以下の情報を格納する領域がある。
・異常入賞が発生しているか否かを示すステータス(始動口毎に設定)
・入賞数(始動口毎にカウント)
・異常入賞が発生した場合の報知時間を管理する異常入賞報知タイマ(始動口毎に独立したタイマ)
次に、始動口スイッチでの検出状態が継続する時間に基づき異常を検出する処理として、左、右、中始動口のそれぞれについて、対応するスイッチの球詰まり監視情報を準備した後に始動口球詰まり監視処理を行う(ステップS923〜S928)。
対応するスイッチの球詰まり監視情報を準備する処理(ステップS923、S925、S927)で準備される異常入賞監視情報には以下の情報が含まれる。
・スイッチオンを監視するビットデータ
・始動口球詰まり未発生のコマンド(各始動口毎にコマンドが異なる)
・始動口球詰まり監視領域のアドレス(各始動口毎に領域は異なる)
また、始動口球詰まり監視領域には、以下の情報を格納する領域がある。
・球詰まり異常が発生しているか否かを示すステータス(始動口毎に設定)
・始動口スイッチでの検出状態が継続する時間を監視するスイッチオン監視タイマ(始動口毎に独立したタイマ)
・球詰まり異常が発生した場合の報知時間を管理する球詰まり異常報知タイマ(始動口毎に独立したタイマ)
なお、上記のステップS917〜S922の処理及びステップS923〜S928の処理では、左、右、中始動口の順に監視を行っており、この順にエラー監視、報知の優先順位が設定されていることとなる。
〔始動口異常入賞監視処理〕
次に、上述の始動口エラー監視処理における始動口異常入賞監視処理(ステップS918、S920、S922)を図50により説明する。
この始動口異常入賞監視処理では、まず、対象のスイッチに入力があるかを判定する(ステップS931)。ここでは対象のスイッチの立ち上がりエッジを検出した場合に入力があると判定する。
対象のスイッチに入力がない場合(ステップS931;NO)は、ステップS940に移行する。
また、対象のスイッチに入力がある場合(ステップS931;YES)は、対象の始動口の異常入賞数を+1更新し(ステップS932)、異常入賞数が規定数(例えば25)未満であるかを判定する(ステップS933)。
予め設定されている規定数は、正常な遊技においては発生しえない回数となっており、これを超えた場合には不正行為など何らかの異常が発生していると考えられる。
異常入賞数が規定数未満である場合(ステップS933;YES)、すなわち未だ異常入賞とは認められない場合は、ステップS940に移行する。
また、異常入賞数が規定数未満でない場合(ステップS933;NO)、すなわち所定時間内の入賞数が規定値以上となり、異常に多数の入賞が発生したと認められた場合は、対象の始動口異常入賞数領域に規定値をセーブし(ステップS934)、対象の始動口の報知タイマ領域(異常入賞報知タイマ領域)に初期値(例えば60秒)をセーブする(ステップS935)。
次に、対象の始動口の異常入賞発生コマンドを準備し(ステップS936)、既に対象の異常発生中であるかを判定する(ステップS937)。
対象の始動口の異常入賞発生コマンドを準備する処理では、始動口エラー監視処理における対応するスイッチの異常入賞監視情報を準備する処理(ステップS917、S919、S921)で準備された対象の始動口の始動口異常入賞未発生のコマンドを用いて異常入賞発生コマンドを生成することにより、対象の始動口の異常入賞発生コマンドが準備される。
また、既に対象の異常発生中であるかの判定(ステップS937)では、対応するスイッチの異常入賞監視情報のステータスを参照し、異常中フラグ(エラーフラグ)があれば既に異常発生中(始動口異常入賞発生中)あると判定する。
既に対象の異常発生中である場合(ステップS937;YES)は、ステップS940に移行する。
また、既に対象の異常発生中でない場合(ステップS937;NO)は、異常中フラグを対象のステータス領域にセーブし(ステップS938)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS939)、ステップS940に移行する。この場合は対象の始動口の異常入賞発生コマンドが演出制御装置300に送信される。
演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、表示や音声などにより報知を行う。
その後、対象の始動口の報知タイマ(異常入賞報知タイマ)が0なければ−1更新し(ステップS940)、報知タイマが0であるかを判定する(ステップS941)。
報知タイマが0でない場合(ステップS941;NO)は、始動口異常入賞監視処理を終了する。この場合は異常入賞の報知が継続されることとなる。
また、報知タイマが0である場合(ステップS941;YES)は、対象の異常発生中であるかを判定する(ステップS942)。
対象の異常発生中でない場合(ステップS942;NO)は、始動口異常入賞監視処理を終了する。この場合は異常入賞の報知が元から行われていない場合である。
また、対象の異常発生中である場合(ステップS942;YES)は、正常中フラグを対象のステータス領域にセーブし(ステップS943)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS944)、始動口異常入賞監視処理を終了する。この場合は異常入賞の報知が終了する場合であり、始動口エラー監視処理における対応するスイッチの異常入賞監視情報を準備する処理(ステップS917、S919、S921)で準備された対象の始動口の始動口異常入賞未発生のコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、表示や音声などによる報知を終了する。
〔始動口球詰まり監視処理〕
次に、上述の始動口エラー監視処理における始動口球詰まり監視処理(ステップS924、S926、S928)を図51により説明する。
この始動口球詰まり監視処理では、まず、対象のスイッチはオンであるかを判定する(ステップS951)。ここでは対象のスイッチのポート入力状態(レベルデータ)を監視してオンであるかを判定する。なお、オンであるとは検出状態であるということであり、遊技球を含む金属性の物体が対象のスイッチの検出領域に存在することである。
対象のスイッチはオンでない場合(ステップS951;NO)は、対象の始動口のスイッチオン監視タイマ領域を0クリアし(ステップS960)、ステップS961に移行する。
スイッチオン監視タイマは対象のスイッチがオンである状態(検出状態)の継続時間を計時するためのものであるので、対象のスイッチがオンでない場合は0クリアするようにしている。
また、対象のスイッチはオンである場合(ステップS951;YES)は、対象の始動口のスイッチオン監視タイマを+1更新し(ステップS952)、スイッチオン監視タイマの値が規定時間(例えば252ms)未満であるかを判定する(ステップS953)。
予め設定されている規定時間は、正常な遊技においては発生しえない時間となっており、これを超えた場合には不正行為など何らかの異常が発生していると考えられる。
スイッチオン監視タイマの値が規定時間未満である場合(ステップS953;YES)は、ステップS961に移行する。この場合は異常が発生していない場合である。
また、スイッチオン監視タイマの値が規定時間未満でない場合(ステップS953;NO)は、対象の始動口のスイッチオン監視タイマ領域に規定時間値をセーブし(ステップS954)、対象の始動口の報知タイマ領域(球詰まり異常報知タイマ領域)に初期値(例えば60秒)をセーブする(ステップS955)。
その後、対象の始動口の球詰まり発生コマンドを準備し(ステップS956)、既に対象の球詰まり発生中であるかを判定する(ステップS957)。
対象の始動口の球詰まり発生コマンドを準備する処理(ステップS956)では、始動口エラー監視処理における対応するスイッチの球詰まり監視情報を準備する処理(ステップS923、S925、S927)で準備された対象の始動口の球詰まり未発生のコマンドを用いて球詰まり発生コマンドを生成することにより、対象の始動口の球詰まり発生コマンドが準備される。
また、既に対象の球詰まり発生中であるかの判定(ステップS957)では、対応するスイッチの球詰まり監視情報のステータスを参照し、異常中フラグ(エラーフラグ)があれば既に球詰まり発生中(始動口球詰まり発生中)あると判定する。
既に対象の球詰まり発生中である場合(ステップS957;YES)は、ステップS961に移行する。
また、既に対象の球詰まり発生中でない場合(ステップS957;NO)は、異常中フラグを対象のステータス領域にセーブし(ステップS958)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS959)、ステップS961に移行する。この場合は対象の始動口の球詰まり発生コマンドが演出制御装置300に送信される。
その後、対象の始動口の報知タイマ(球詰まり異常報知タイマ)が0なければ−1更新し(ステップS961)、報知タイマが0であるかを判定する(ステップS962)。
報知タイマが0でない場合(ステップS962;NO)は、始動口球詰まり監視処理を終了する。この場合は球詰まりの報知が継続されることとなる。
また、報知タイマが0である場合(ステップS962;YES)は、対象の球詰まり発生中であるかを判定する(ステップS963)。
対象の球詰まり発生中でない場合(ステップS963;NO)は、始動口球詰まり監視処理を終了する。この場合は球詰まりの報知が元から行われていない場合である。
また、対象の球詰まり発生中である場合(ステップS963;YES)は、正常中フラグを対象のステータス領域にセーブし(ステップS964)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS965)、始動口球詰まり監視処理を終了する。この場合は球詰まりの報知が終了する場合であり、始動口エラー監視処理における対応するスイッチの球詰まり監視情報を準備する処理(ステップS923、S925、S927)で準備された対象の始動口の球詰まり未発生のコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
以上のことから、遊技制御装置100が、検出センサ(始動口スイッチ)で検出状態が継続する時間に基づき、異常の発生を検出する異常検出手段をなす。
この始動口球詰まり監視処理により、始動口スイッチで検出状態が規定時間以上継続した場合に球詰まりと判定されることとなる。
このように検出状態が規定時間以上継続する場合は、実際に遊技球が詰まることで始動口スイッチの位置に遊技球が留まる場合のほか、不正行為によるものも考えられる。
このような不正行為としては、例えば糸釣り球による不正行為が挙げられる。
不正行為ではない正常な遊技において遊技球が始動口(例えば第1始動入賞口33a)に入賞する場合には、当該始動口の上方から落下する遊技球が当該始動口に流入する。
この入賞の際に、遊技球が始動口スイッチ(例えば左始動口スイッチ105)を通過する期間に亘り始動口スイッチがオン状態(検出状態)となる。
始動口スイッチのオン状態が継続する時間は、遊技球が釘に接触するか否かなど遊技球の流入態様によって異なるが、球詰まりとみなす上記の規定時間は、不正行為ではない正常な遊技において遊技球が始動口に入賞する場合に想定されるオン時間よりも長いものとされ、不正行為ではない正常な遊技においては発生しえない時間となっている。
糸釣り球による不正行為は、糸を付けた遊技球(遊技球でなくとも始動口スイッチが検出可能な金属性の物体であれば良い)を遊技領域32に侵入させ、不正行為を行う者が糸を操作して遊技球を上下に移動させ、遊技球が始動口の上方にある状態と、遊技球が始動口内にある状態とを繰り返すことで、始動口スイッチを不正にオン状態とするものである。
始動口スイッチは、遊技球を始動口の上方から当該始動口内へ下降させる際にオン状態となるとともに、遊技球を始動口内から当該始動口の上方へ引き上げる際にもオン状態となる。
このような糸釣り球の操作では、遊技球を上昇させる場合に始動口の近傍から遊技球が外れないようにするために糸を慎重に引くことや、遊技球を下降させる場合に落下させる距離が短いことなどの原因により、遊技球が始動口スイッチで検出される位置に存在する時間が長くなり、始動口スイッチのオン状態が継続する時間が正常な遊技においては発生しえない長い時間となることがある。
始動口球詰まり監視処理では、このように始動口スイッチで検出状態が規定時間以上継続したことを検出することで、糸釣り球のような不正行為を検出することが可能となっている。
また、始動口異常入賞監視処理は、通常の遊技では発生しえない多数の入賞の検出があった場合に異常と判定するものである。例えば糸釣り球のような不正に始動口スイッチをオン状態とする不正行為では、通常の遊技では発生しえない多数の入賞の検出をさせることが可能であり、始動口異常入賞監視処理によっても糸釣り球のような不正行為を検出可能である。
なお、始動口球詰まり監視処理で球詰まりとみなす上記の規定時間は、不正行為ではない正常な遊技においては発生しえない時間となっているとしたが、正常な遊技においてもまれに発生する時間としても良く、この場合はある期間で複数回規定時間を超えた際に球詰まりと判定するようにする。
また、正常な遊技においては発生しえない時間を第1規定時間とし、正常な遊技においてもまれに発生する時間を第2規定時間とし、第1規定時間についてはこれを超えた場合に即不正であると判定し、第2規定時間についてはある期間で複数回超えた場合に不正であると判定するようにしても良い。
また、規定時間として、不正行為ではない正常な遊技においては発生しえない長い時間としたが、不正行為ではない正常な遊技においては発生しえない短い時間としても良く、オン状態が継続する時間が所定の範囲内にないことに基づき異常と判定するようにしても良い。
また、始動口異常入賞監視処理で異常とみなす上記の規定数は、不正行為ではない正常な遊技においては発生しえない回数となっているとしたが、正常な遊技においてもまれに発生する回数としても良く、この場合はある期間で複数回規定値を超えた際に異常と判定するようにする。
また、正常な遊技においては発生しえない回数を第1規定値とし、正常な遊技においてもまれに発生する回数を第2規定値とし、第1規定値についてはこれを超えた場合に即不正であると判定し、第2規定値についてはある期間で複数回超えた場合に不正であると判定するようにしても良い。
また、始動口スイッチを始動口の上端又は上端の近傍(例えば、始動口の上端から下方へ遊技球の半径以内の領域)に取り付けることで、糸釣り球を引き上げた際に遊技球57が始動口から球が外れやすくすれば、より慎重に引き上げるようになるために規定時間を超えやすくなり、糸釣り球による不正行為を発見しやすくなる。
以上のことから、遊技球を含む金属性の物体が存在することで検出状態となる検出センサ(左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107)を、遊技球を発射する遊技領域32に備え、検出センサが検出状態となることに基づき遊技者に所定の遊技価値を付与可能な遊技機において、検出センサで検出状態が継続する時間に基づき、異常の発生を検出する異常検出手段(遊技制御装置100)を備えることとなる。したがって、遊技に用いる検出センサにより遊技機の異常を発見することができる。
また、異常検出手段は、検出センサで検出状態が継続した時間が、予め定めた時間の範囲内でない場合に異常が発生したと判定するようにしたこととなる。したがって、遊技に用いる検出センサにより遊技機の異常を発見することができる。
〔遊技機状態チェック処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS220、ステップS222、S225)を図52により説明する。
遊技機状態チェック処理においては、まず、遊技機状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得する(ステップS281)。
ここで、入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備された遊技機状態監視テーブルに定義されている情報としては、以下のものがある。
・状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス
・対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス
・対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ
・信号オンの判定データ
・状態オフコマンド(エラー系の場合は、エラー報知終了のコマンドの意味)
・状態オンコマンド(エラー系の場合は、エラー報知開始のコマンドの意味)
・状態オフ監視タイマ比較値
・状態オン監視タイマ比較値
次いで、今回取得した対象の信号の状態をチェックし、監視対象である信号がオンであるか、すなわち遊技機状態に変化があるかを判定する(ステップS282)。
そして、信号オンでない場合(ステップS282:NO)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備する(ステップS283)
ここで、ステップS283で準備した状態オフフラグについて説明すると、状態オフフラグが示す状態としてエラー系に関しては、エラーでない(正常)状態である。一方、状態オフフラグが示す状態としてタッチスイッチに関しては、タッチしていない方の状態である。
次いで、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(ステップS284)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップS285)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS289)。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップS282:YES)は、エラー発生となる状態である可能性があるので、状態フラグとして状態オンフラグを準備する(ステップS286)。例えば、遊技機状態監視テーブルで定義するエラーの1つとして、シュート球切れの場合であれば、貯留タンクに遊技球を供給するシュートに遊技球が無いことがシュート球切れスイッチ(図示略)で検出されてオンになると、ステップS282がYESとなる。YESであればステップS286で、状態オンフラグを準備することになる。
ここで、ステップS286で準備した状態オンフラグについて説明すると、状態オンフラグが示す状態としてエラー系に関しては、エラーである(異常、不正)状態である。一方、状態オンフラグが示す状態としてタッチスイッチに関しては、タッチしている方の状態である。
次いで、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(ステップS287)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップS288)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS289)。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS289;YES)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、エラーの処置が必要かどうかのタイマを判断するために対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS292)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値(エラーへの処置が必要と判断する基準値)に達したかを判定する(ステップS293)。
一方、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS289;NO)、すなわち信号の状態が変化した場合は、まだエラーの処置まで必要ないと判断して対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップS290)、そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップS291)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS292)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値に達したかを判定する(ステップS293)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(ステップS293;NO)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値に達した場合(ステップS293:YES)は、状態監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップS294)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS295)。
ここで、ステップS293で対象の状態監視タイマが監視タイマ比較値に達したと判定したときは、エラー発生または解除の状態が確定したと見なされることになる。しかし、既にエラーが発生している状態のときに再度エラー発生の条件を満たすことが確定するか、またはエラー発生中でない状態のときに再度エラー解除の条件を満たすことが確定するという状況もあり得るので、ステップS294の処理を経て、ステップS295では、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較することにより、今回確定したエラー状態は現エラーフラグの状態と同じかどうかをチェックするようにしている。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS295;YES)は、エラーの状況が変化していないことになるので、処置の必要はないと判断し、遊技機状態チェック処理を終了する。また、設定した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(状態フラグが同じでなければ)(ステップS29;NO)は、新たなエラー状態に変化したことになるので、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブして(ステップS296)、ステップS297に進む。すなわち、対象の状態フラグ領域の値を今回確定した状態状態のものに変更して、ステップS297に進む。ステップS297では、演出コマンド設定処理を行い、今回確定した遊技機状態に対応する演出コマンドを設定する。
このステップS297では、上記ステップS284で準備した状態オフコマンドか、上記ステップS287で準備した状態オンコマンドの何れかを送信することになる。これにより、今回の遊技機状態に対応する処置が行われることとなり、例えばシュート球切れであれば、それを知らせる遊技機状態表示が報知されたり、報知解除されたりする。ステップS297を経ると、遊技機状態チェック処理を終了する。
このようにして、遊技機状態に変化が発生すれば、該当する状態フラグを立てて処置の演出コマンドを準備し、遊技機状態の変化が解消すれば該当する状態フラグを消して解消の演出コマンドの設定が行われる。特に、この遊技機状態チェック処理では、遊技機状態の変化だけを監視しているものではなく、解除も合わせて監視するようにして、処理を共通にしている。
なお、このような遊技機状態チェック処理は、例えばガラス枠開放、前面枠開放などの遊技機状態の変化についても同様である。
また、上述した各種遊技機状態(特にオン(発生)時)を報知するためのコマンドは、監視対象となる遊技機状態毎に異ならせるようにすれば、遊技者やホール担当者に対して効果的に報知することができるが、状態の種類を特定する必要がなく報知態様を共通にしても問題ないもの同士では、共通のコマンドを使用するようにしてもよい。
例えば、シュート球切れにおいて専用の報知開始コマンドを用意すれば、音声や画面上のメッセージなどによって「タンクに球がありません!」と報知可能となる。同様に、ガラス枠開放であれば、「ガラス枠が開いています!」と報知可能となる。
もし、シュート球切れとガラス枠開放において、「異常が発生しています!」と音声で報知し、枠装飾装置12を赤く点灯させるという共通の報知態様としてよいのであれば、共通のコマンドとしての「異常報知開始コマンド」を用意すればよく、演出制御装置300での処理負担を軽減させることができるとともに、本発明の実施例1及びその変形例のように液晶を用いた情報表示器45の有無によってメッセージ表示能力に差がある遊技機間においても共通に使用することができたり、新たな種類のエラーや遊技機状態を監視する必要がでた場合でも演出制御装置の制御プログラムや音声ROM327のデータを変更する必要がないというメリットがある。
なお、共通の「異常報知開始コマンド」、「異常報知終了コマンド」を適用する遊技機状態やエラーの種類は、上述したものに限定されない。異なる遊技機間において、共通の報知態様として使用できるコマンドであればよい。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS226)を図53により説明する。
払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出ビジー信号がオンであるか否かを判定する(ステップS301)。前述したように、状態スキャンカウンタは0乃至3の範囲で+1更新されていくので、4回に1回は払出ビジー信号チェック処理が実行され、例えば、16ms周期で払出ビジー信号が監視(チェック)される。
払出ビジー信号がオンでなければ(ステップS301;NO)、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備し(ステップS302)、続いて、オフ確定監視タイマ比較値を設定する(ステップS303)。オフ確定監視タイマ比較値としては、例えば32msが設定される。ステップS303を経ると、ステップS304へ進む。
一方、ステップS301で払出ビジー信号がオンであれば(ステップS301;YES)、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備し(ステップS305)、続いて、オン確定監視タイマ比較値を設定する(ステップS306)。オン確定監視タイマ比較値としては、例えば32msが設定される。ステップS306を経ると、ステップS304へ進む。
ステップS303やステップS306からステップS304へ進むと、ステップS304では、ビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とを比較し、同じであるかを判定する。これは、同じ遊技機状態が複数割込み分継続しているかをチェックするものである。
ビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とを比較し、同じでなければ(ステップS304;NO)、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブする(ステップS307)。この場合、ビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とが同じでなければ、ビジー信号の状態が変化したことになり、例えばアイドル状態からビジー状態への変化、あるいはビジー状態からアイドル状態への変化がある。
次いで、ビジー信号監視タイマの0クリアする。これは、次回のビジー信号の変化に備えるためである。次いで、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS309)。
一方、ステップS304でビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態とを比較し、同じであれば(ステップS304;YES)、ステップS309にジャンプしてビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS309)。
ステップS309を経ると、続いて、ビジー信号監視タイマの値が監視タイマ比較値(エラーへの処置が必要と判断する基準値)に達したかを判定する(ステップS310)。
ここで、ステップS310でビジー信号監視タイマが監視タイマ比較値に達したと判定したときは、ビジー信号の状態が確定したと見なされることになる。しかし、既にビジー信号の状態が変化しているときにビジー信号の状態が確定するか、またはビジー信号が変化していないときにビジー信号の状態が確定するという状況もあり得るので、後述のようにステップS311でビジー信号監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留める処理を経て、ステップS312では、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブするようにしている。
ビジー信号監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(ステップS3103;NO)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
また、ビジー信号監視タイマの値が監視タイマ比較値に達した場合(ステップS310:YES)は、ビジー信号監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップS311)、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブする(ステップS312)。ステップS312を経ると、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
〔残存球監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における残存球監視処理(ステップS68)の詳細について図54により説明する。
残存球監視処理は変動入賞装置35に入賞した遊技球が外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するものである。
残存球監視処理では、まず、排出口スイッチ1(第1残存球排出口スイッチ112)に入力ありかを判定する(ステップS321)。第1残存球排出口スイッチ112は変動入賞装置35における排出流路に流入した遊技球を検出しており、当該排出流路に流入した遊技球が残存していないか否かを検出する機能を有している。したがって、第1残存球排出口スイッチ112に入力ありとは、遊技球が当該排出流路から外部に排出されて、第1残存球排出口スイッチ112がその排出を検出して信号がオンした場合に検出信号の入力が遊技制御装置100にあるという状態である。
すなわち、第1残存球排出口スイッチ112により遊技球が変動入賞装置35における排出流路から外部に排出されることを検出したという状態である。
第1残存球排出口スイッチ112に入力ありと判定すると(ステップS321;YES)、残存球カウンタが「0」でなければ、残存球カウンタを「−1」更新する(ステップS322)。残存球カウンタは変動入賞装置35に流入した遊技球が変動入賞装置35の内部に残存している場合の個数をカウントしているものである。
なお、本ルーチンが繰り返されることで、残存球カウンタが「0」になるまで、残存球カウンタが「−1」更新されていく。そして、第1残存球排出口スイッチ112及び後述の第2残存球排出口スイッチ113からの検出信号の入力監視を含めて、残存球カウンタが「0」になれば、変動入賞装置35の内部に残存球が無い状態になる。
ここで、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが始動条件の成立により開放されて、遊技球が変動入賞装置35に流入すると、流入した遊技球は左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104の何れかにより必ず検出されるので、左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104からの検出信号の入力が遊技制御装置100にあってから、その後、第1残存球排出口スイッチ112又は第2残存球排出口スイッチ113により遊技球が変動入賞装置35から排出されることが検出されなければ、残存球が変動入賞装置35の内部に留まっていると判断できる。残存球カウンタは、上記のような理論により、変動入賞装置35の内部に残存している遊技球(残存球)数をカウントしている。したがって、残存球カウンタ=0になれば、残存球が変動入賞装置35の内部に留まっていない状態になる。
ステップS322を経ると、ステップS323へ進む。一方、第1残存球排出口スイッチ112に入力なしと判定すると(ステップS321;NO)、残存球カウンタを−1更新せずに、ステップS323へジャンプする。
ステップS323へ進むと、排出口スイッチ2(第2残存球排出口スイッチ113)に入力ありかを判定する(ステップS323)。第2残存球排出口スイッチ113は変動入賞装置35における決定装置80の下部に配置されており、変動入賞装置35から遊技球が外部に出たことを検出するためのスイッチであり、決定装置80に流入した遊技球が残存していないか否かを検出する機能を有している。したがって、第2残存球排出口スイッチ113に入力ありとは、遊技球が決定装置80から外部に排出されて、第2残存球排出口スイッチ113がその排出を検出して信号がオンした場合に検出信号の入力が遊技制御装置100にあるという状態である。
すなわち、第2残存球排出口スイッチ113により遊技球が決定装置80から外部に排出されることを検出したという状態である。
第2残存球排出口スイッチ113に入力ありと判定すると(ステップS323;YES)、残存球カウンタが「0」でなければ、残存球カウンタを「−1」更新する(ステップS324)。前述したように、残存球カウンタを「−1」更新が繰り返されて、第1残存球排出口スイッチ112及び第2残存球排出口スイッチ113からの検出信号の入力監視により、残存球カウンタが「0」になれば、変動入賞装置35の内部に残存球が無い状態になる。
ステップS324を経ると、ステップS325へ進む。一方、第2残存球排出口スイッチ113に入力なしと判定すると(ステップS323;NO)、残存球カウンタを「−1」更新せずに、ステップS325へジャンプする。
次いで、ステップS325では左大入賞口スイッチ103に入力ありかを判定する。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35に流入する遊技球を検出している。したがって、左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35に遊技球が流入することを検知する機能を有している。左大入賞口スイッチ103に入力ありと判定すると(ステップS325;YES)、残存球カウンタを「+1」更新する(ステップS326)。これは、左大入賞口スイッチ103により変動入賞装置35に遊技球が流入したことが検出されたので、変動入賞装置35の内部に留まる遊技球を残存球として、残存球カウンタでカウントするために、残存球カウンタを「+1」だけカウントアップしていくものである。
ステップS326を経ると、ステップS327へ進む。一方、左大入賞口スイッチ103に入力なしと判定すると(ステップS325;NO)、残存球カウンタを「+1」更新せずに、ステップS327へジャンプする。
次いで、ステップS327では右大入賞口スイッチ104に入力ありかを判定する。右大入賞口スイッチ104も同様に変動入賞装置35に流入する遊技球を検出している。したがって、右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35に遊技球が流入することを検知する機能を有している。右大入賞口スイッチ104に入力ありと判定すると(ステップS327;YES)、残存球カウンタを「+1」更新する(ステップS328)。これは、右大入賞口スイッチ104により変動入賞装置35に遊技球が流入したことが検出されたので、変動入賞装置35の内部に留まる遊技球を残存球として、残存球カウンタでカウントするために、残存球カウンタを「+1」だけカウントアップしていくものである。
ステップS328を経ると、ステップS329へ進む。一方、右大入賞口スイッチ104に入力なしと判定すると(ステップS327;NO)、残存球カウンタを「+1」更新せずに、ステップS329へジャンプする。
次いで、ステップS329では残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する。これは、本ルーチンが繰り返されることで、後述のように残存球カウンタが「0」になるまで、残存球カウンタが「−1」更新されていくので、残存球カウンタが「0」、すなわち、変動入賞装置35の内部に残存球が無い状態になったかどうかを判定するものである。
残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS329;NO)、残存球エラーが発生中であるか否かを判定する(ステップS330)。残存球エラーとは、変動入賞装置35の内部に残存球が留まるというエラーが発生している状態のことである。
上記ステップS330の処理を行うのは、ステップS329で最初に残存球カウンタが「0」でないルーチンになると、残存球エラーが発生している可能性があるので、ステップS330に進んで、前回のルーチンまでに既に残存球エラーが発生中であるか否かを判断するものである。
そして、残存球エラーが発生中であれば(ステップS330;YES)、前回のルーチンまでに既に残存球エラーが発生中であると判断し、ルーチンを終了してリターンする。このときは、本ルーチンを繰り返すことになり、ステップS329の判定がYESになるまで繰り返され、ステップS329の判定がYESになると、ステップS336へ分岐することになる。
一方、残存球エラーが発生中でなければ(ステップS330;NO)、最初に残存球カウンタが「0」でないルーチンになり、残存球エラーが発生している可能性があるので、ステップS331に進んで残存球監視タイマを「−1」更新する(ステップS331)。これは、変動入賞装置35の内部で遊技を行う遊技球は通常であれば、所定期間内に速やかに変動入賞装置35から排出されていくが、例えばどこかの部材と変動入賞装置35の内部壁面との間に1個あるいは複数個の遊技球が接触して挟まれる等の状況下で稀に留まる可能性もあるので、残存球監視タイマにより、所定期間の経過を計測するものである。例えば、残存球カウンタが「0」でない状態のときに、本ルーチンが繰り返されて、残存球監視タイマにより所定期間の経過が計測されても、依然として残存球カウンタが「0」でない状態のままであれば、残存球有りと判断されることになる。
次いで、残存球監視タイマが「0」になったか否かを判定し(ステップS332)、残存球監視タイマが「0」になっていなければ(ステップS332;NO)、リターンして本ルーチンを繰り返す。そして、残存球監視タイマが「0」になれば(ステップS332;YES)、残存球エラーが発生していると判断して、残存球エラー発生中フラグを準備する(ステップS333)とともに、残存球エラー発生コマンドを準備する(ステップS334)。ステップS334を経ると、ステップS335へ進む。
一方、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS329;YES)、残存球が無くなったと判断してステップS336へジャンプし、残存球エラー解除中フラグを準備する(ステップS336)とともに、残存球エラー解除コマンドを準備する(ステップS337)。その後、ステップS335へ進む。
次いで、ステップS335へ進むと、準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と同じであるか否かを判定する。準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と同じであれば(ステップS335;YES)、前回の状態フラグから変化していないと判断し、ルーチンを終了してリターンする。
一方、準備した状態フラグが残存球エラーフラグ領域の値と同じでなければ(ステップS335;NO)、今回の状態フラグが前回から変化したと判断し、今回準備した状態フラグを残存球エラーフラグ領域にセーブする(ステップS338)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS339)。演出コマンド設定処理により、上述したステップS334で設定した残存球エラー発生コマンドやステップS337で設定した残存球エラー解除コマンドが演出制御装置300へ送られることになる。ステップS339を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
このように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが始動条件の成立により開放されて、遊技球が変動入賞装置35に流入すると、流入した遊技球は左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104の何れかにより検出されるとともに、左大入賞口スイッチ103又は右大入賞口スイッチ104からの検出信号の入力が遊技制御装置100にあってから、その後、第1残存球排出口スイッチ112又は第2残存球排出口スイッチ113により遊技球が変動入賞装置35から排出されることが検出されなければ、残存球が変動入賞装置35の内部に留まっていると判断され、残存球エラー発生コマンドが演出制御装置300へ送られると、タイマ割込み処理(図40)で示すように、エラー動作中は特図ゲームが行われないことになる。また、残存球が無くなり、残存球エラー解除コマンドが演出制御装置300へ送られると、遊技(特図ゲーム)が再開されることになる。
〔遊技停止エラー処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における遊技停止エラー処理(ステップS69)の詳細について図55により説明する。
遊技停止エラー処理では、まず、エラー解除待ち中であるか否かを判定する(ステップS348)。エラー解除待ち中でなけば(ステップS348;NO)、エラー動作中であるか否かを判定する(ステップS349)。エラー動作中でなけば(ステップS349;NO)、エラー動作が無いと判断してルーチンを終了し、リターンする。したがって、エラー解除待ち中でなく、エラー動作中でもなければ、エラーの発生はないので、遊技が継続されることになる。
一方、エラー動作中であれば(ステップS349;YES)、遊技停止エラー制御タイマを「−1」更新する(ステップS350)。次いで、遊技停止エラー制御タイマが「0」になったか否かを判定する(ステップS351)。遊技停止エラー制御タイマは遊技機(パチンコ機1)にエラーが発生したとき、一定期間遊技停止をしておくため、その一定期間をカウントするためのものである。
次いで、遊技停止エラー制御タイマが「0」になっていなければ(ステップS351;NO)、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、遊技停止エラー制御タイマが「0」になると(ステップS351;YES)、遊技停止エラー状態領域にエラー解除待ち中フラグをセーブする(ステップS352)。
その後、客待ちデモ中であるかを判定し(ステップS353)、客待ちデモ中である場合(ステップS353;YES)は、客待ちデモコマンドを準備し(ステップS354)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS355)、ステップS356に移行する。また、客待ちデモ中でない場合(ステップS353;NO)は、ステップS356に移行する。
次いで、遊技停止エラー解除待ちコマンドを準備する(ステップS356)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS357)。演出コマンド設定処理により、上述したステップS356で準備した遊技停止エラー解除待ちコマンドが演出制御装置300へ送られることになる。ステップS357を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
一方、エラー解除待ち中であれば(ステップS351;YES)、ステップS358へ分岐する。そして、RAM初期化スイッチ127に入力ありか否かを判定する(ステップS358)。これは、エラーを解除するためにRAM初期化スイッチ127が操作されたかを判断するものである。
RAM初期化スイッチ127に入力がなければ(ステップS358;NO)、ルーチンを終了してリターンする。また、RAM初期化スイッチ127に入力があれば(ステップS358;YES)、遊技停止エラー解除コマンドを準備する(ステップS359)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS360)。演出コマンド設定処理により、上述したステップS359で準備した遊技停止エラー解除コマンドが演出制御装置300へ送られることになる。
次いで、異常排出フラグ領域に解除中フラグをセーブし(ステップS361)、異常排出カウンタ領域を「0」クリアする(ステップS362)。異常排出とは、変動入賞装置35に流入した遊技球数より多い数の遊技球が変動入賞装置35から排出されるような異常である。すなわち、正規のルートで流入したのではなく、例えばガラス枠5を開いた状態で、役物装置51や決定装置80の正面などから手で直接遊技球を入れたりする不正を異常排出としており、その監視を行うために、異常排出カウンタ領域や異常排出に関する解除中フラグ等を設けている。したがって、RAM初期化スイッチ127が操作されると、異常排出に関する解除中フラグのセーブや異常排出カウンタ領域の「0」クリアが行われることになり、次回の遊技停止エラーに備えられる。
次いで、磁石不正フラグ領域に解除中フラグをセーブし(ステップS363)、磁石不正監視タイマ領域を「0」クリアする(ステップS364)。磁石不正は、例えば磁気センサ115で検出されるものである。これにより、RAM初期化スイッチ127が操作されると、磁石不正に関する解除中フラグのセーブや磁石不正監視タイマ領域の「0」クリアが行われることになり、次回の磁石不正に伴う遊技停止エラーに備えられる。
次いで、振動不正フラグ領域に解除中フラグをセーブし(ステップS365)、振動不正監視無効タイマ領域を「0」クリアする(ステップS366)。振動不正は、例えば振動センサ116で検出されるものである。これにより、RAM初期化スイッチ127が操作されると、振動不正に関する解除中フラグのセーブや振動不正監視無効タイマ領域の「0」クリアが行われることになり、次回の振動不正に伴う遊技停止エラーに備えられる。
次いで、盤電波不正フラグ領域に解除中フラグをセーブし(ステップS367)、遊技停止エラーフラグ領域に正常中フラグをセーブする(ステップS368)。盤電波不正は、例えば盤電波センサ114で検出されるものである。これにより、RAM初期化スイッチ127が操作されると、電波不正に関する解除中フラグのセーブや正常中フラグのセーブが行われることになり、次回の電波不正に伴う遊技停止エラーに備えられる。ステップS368を経ると、ルーチンを終了してリターンする。
このように、遊技停止エラー処理では遊技を停止させるようなエラー(電波不正、磁石不正、振動不正、異常排出などの悪質なものなど)があった場合に、遊技を停止させる一方、エラーを解除するためにRAM初期化スイッチ127からの入力があるか監視し、エラーの解除フラグをセーブして次回のエラーに備えることが行われる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS72)の詳細について、図56により説明する。特図ゲーム処理では、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107、左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104、特定領域スイッチ80a〜80dの入力の監視と、特図変動ゲーム等に関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図56に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口スイッチ監視処理を行う(ステップS371)。始動口スイッチ監視処理では、左始動口スイッチ105、右始動口スイッチ106、中始動口スイッチ107への入賞を監視し、これらへの遊技球の始動入賞があると、特図図柄乱数の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次いで、大入賞口スイッチ監視処理(ステップS372)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、変動入賞装置35内に設けられた左大入賞口スイッチ103、右大入賞口スイッチ104での遊技球の検出を監視する処理等を行う。
次いで、特定領域スイッチ監視処理(ステップS373)を行う。この特定領域スイッチ監視処理では、変動入賞装置35の決定装置80内に設けられた特定領域スイッチ80a〜80dでの遊技球の検出を監視し、演出コマンドを設定する処理を行う。
次いで、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップS374)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS375)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップS375;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップS376)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップS377)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップS378)。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、電源投入動作処理を行う(ステップS379)。電源投入動作処理では、電源投入に伴い役物装置51における役物モータ(太鼓役物モータ66、V可動役モータ73)や決定装置80における役物モータ(ラウンド抽選役物モータ88)をそれぞれ初期位置に戻す等の処理を行って、遊技が開始できるような状態にすることを行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図変動ゲームの変動開始を監視し、特図変動ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップS380)を行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップS381)を行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、特図変動ゲームの遊技結果に対応する小当り開放動作を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップS382)を行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、小当りにおける大入賞口開放に関する設定処理を実行する小当り開放中処理(ステッS383)を行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口(変動入賞装置35を指す。以下、同様)内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステッS384)を行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、小当りを終了してファンファーレ/インターバル処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップS385)を行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、大入賞口の開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間値の設定等のファンファーレ/インターバルに関する処理を行うために必要な情報の設定等を実行するファンファーレ/インターバル中処理(ステップS386)を行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する処理等を行う大入賞口開放中処理(ステップS387)を行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、大入賞口内にある残存球が排出されるのを待つための期間(大入賞口残存球処理期間)を強制終了する処理や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定する処理等を行う大入賞口残存球処理(ステップS388)を行う。
ステップS378にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップS389)を行う。
その後、一括表示装置50における特図1の変動を制御するためのテーブル(特図1変動制御テーブル)を準備した後(ステップS390)、一括表示装置50の特図1に係る図柄変動制御処理(ステップS391)を行う。次いで、一括表示装置50における特図2の変動を制御するためのテーブル(特図2変動制御テーブル)を準備した後(ステップS392)、一括表示装置50の特図2に係る図柄変動制御処理(ステップS393)を行う。次いで、役物ソレノイド制御処理を行い(ステップS393)、特図ゲーム処理を終了する。役物ソレノイド制御処理は、役物装置51における床部61の後端側を上下に駆動するための床役物ソレノイ61b1の制御を行って、ランプ報知等で遊技者に有利な情報(床部61と太鼓役物62との間に隙間が遊技球の直径よりも小さくなるタイミングを教えるような情報)を演出する処理等を行うものである。
一方、ステップS375にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップS375;NO)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップS390の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
ここで、小当りとは、始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b、第2始動入賞口34の全ての始動入賞口のこと)に入賞した時の大入賞口開放(変動入賞装置35の変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放)から、遊技球が特定領域を通過してV入賞するまでの動作のことである。ただし、V入賞しなければ、すべての開放動作が終了して小当りエンディング時間が経過するまでとなる。
したがって、特図変動表示ゲームの(抽選)結果はすべて小当りとなる。5R当り、8R当りは小当りのことではなく、大当りの中の種別を示すものである。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動ゲームで大当りが発生(V入賞、すなわち特定領域への遊技球の通過)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての変動入賞装置35を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップS371)の詳細について、図57により説明する。
図57に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、左始動口(第1始動入賞口33a)入賞監視テーブルを準備し(ステップS401)、ハード乱数取得処理(ステップS402)を行って、第1始動入賞口33aへの入賞があるか否かを判定する(ステップS403)。
ステップS403にて、第1始動入賞口33aへの入賞がないと判定した場合(ステップS403;NO)には、ステップS405の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップS403にて、第1始動入賞口33aへの入賞があると判定した場合(ステップS403;YES)には、特図1始動口スイッチ処理を行う(ステップS404)。特図1始動口スイッチ処理は第1始動入賞口33aへの遊技球の入賞に伴い、特図図柄乱数の抽出等の始動入賞に関連する処理を行うものである。ステップS404を経ると、ステップS405へ進む。
なお、本実施例のパチンコ機1にはいわゆる普電や普図は設けられていないので、始動入賞に対して普電サポートは存在しない構成である。
ステップS405へ進むと、上述した第1始動入賞口33aへの入賞を監視する処理と同様の処理を第1始動入賞口33b(右始動口)について順次実行する。
すなわち、右始動口(第1始動入賞口33b)入賞監視テーブルを準備し(ステップS405)、ハード乱数取得処理(ステップS406)を行って、第1始動入賞口33bへの入賞があるか否かを判定する(ステップS407)。
ステップS407にて、第1始動入賞口33bへの入賞がないと判定した場合(ステップS407;NO)には、ステップS409の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップS407にて、第1始動入賞口33bへの入賞があると判定した場合(ステップS407;YES)には、特図1始動口スイッチ処理を行う(ステップS408)。特図1始動口スイッチ処理は上述したステップS404と同様の処理である。ステップS408を経ると、ステップS409へ進む。
ステップS409へ進むと、上述した第1始動入賞口33aへの入賞を監視する処理と同様の処理を第2始動入賞口34(中始動口)について順次実行する。
すなわち、中始動口(第2始動入賞口34)入賞監視テーブルを準備し(ステップS409)、ハード乱数取得処理(ステップS410)を行って、第2始動入賞口34への入賞があるか否かを判定する(ステップS411)。
ステップS411にて、第2始動入賞口34への入賞がないと判定した場合(ステップS411;NO)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップS411にて、第2始動入賞口34への入賞があると判定した場合(ステップS411;YES)には、特図2始動口スイッチ処理を行う(ステップS412)。特図2始動口スイッチ処理は第2始動入賞口34への遊技球の入賞に伴い、特図図柄乱数の抽出等の始動入賞に関連する処理を行うものである。ステップS412を経ると、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップS402、S406、S410)の詳細について、図58により説明する。
図58に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33b及び第2始動入賞口(中始動口)34のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップS421)、第1始動入賞口33a、33b及び第2始動入賞口34のうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップS422)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA422;NO)は、ハード乱数取得処理を終了する。
一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップS422;YES)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップS423)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップS424)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップS424;NO)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。
一方、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップS424;YES)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された変動パターン乱数をロードし、準備する(ステップS425)。変動パターン乱数は一括表示装置50に特図変動をどうように表示させるかを決定する乱数である。次いで、第1始動入賞口33a、33b及び第2始動入賞口34のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップS426)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図1始動口スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図1始動口スイッチ処理(ステップS404、S408)の詳細について、図59により説明する。特図1始動口スイッチ処理は、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bへの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図59に示すように、特図1始動口スイッチ通処理では、先ず、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報をパチンコ機1の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口1信号出力回数をロードし(ステップS431)、ロードした値を「+1」更新して(ステップS432)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップS433)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップS433;NO)は、更新後の値をRWMの始動口1信号出力回数領域にセーブして(ステップS434)、ステップS435の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップS433;YES)は、ステップS435の処理に移行する。
本実施例では、始動口1信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。したがって、ル−プしてロードした値が「0」になってしまうようであれば、出力回数がオーバーフローすると判定するので、セーブしないことになる。
ステップS435に進むと、普段処理中であるか否かを判定し、普段処理中でなければ(ステップS435;NO)、特図1始動口スイッチ処理を終了する。普段処理中では、特図変動ゲームの変動開始を監視し、特図変動ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定、客待ち演出等を行っている。
一方、普段処理中であれば(ステップS435;YES)、特図2に保留があるか否かを判定する(ステップS436)。
ここで、本実施例では遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合には1個に限り特図の保留(特図2の保留)が行われる。一方、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合には特図の保留(特図1の保留は無し)は行われない。そして、特図2に限り、特図の保留表示が1個に限り行われるようになっている。
特図2に保留があれば(ステップS436;YES)、特図1始動口スイッチ処理を終了する。一方、特図2に保留がなければ(ステップS436;NO)、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS437)。残存球カウンタは変動入賞装置35に流入した遊技球が変動入賞装置35の内部に残存している場合の個数をカウントしているものである。
残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS437;NO)、特図1始動口スイッチ処理を終了する。一方、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS437;YES)、特図1始動口入賞フラグがあるか否かを判定する(ステップS438)。特図1始動口入賞フラグは、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bのうち、何れか一方の始動入賞口に入賞すればセットされる(立てられる)。ステップS438で特図1始動口入賞フラグを判定するのは、特図1始動口入賞フラグは、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bのうちの何れか一方の始動入賞口に既に遊技球が入賞しているかどうかを判断するためである。
特図1始動口入賞フラグがあれば(ステップS438;YES)、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bのうちの何れか一方の始動入賞口に既に遊技球が入賞していて、特図1始動口入賞フラグがセットされていると判断され、特図1始動口入賞フラグを再度セットする必要はないので、特図1始動口スイッチ処理を終了する。
一方、特図1始動口入賞フラグがなければ(ステップS438;NO)、今回の始動入賞に伴って、特図1始動口入賞フラグを立てる必要があるので、ステップS439に進み、特図1始動口入賞フラグをセットする。
次いで、前述のハード乱数取得処理におけるステップS425で準備した変動パターン乱数をRWMの特図1変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップS440)。変動パターン乱数は一括表示装置50に特図変動をどのように表示させるかを決定する乱数である。次いで、特図図柄乱数を抽出する(ステップS441)とともに、抽出した特図図柄乱数をRWMの特図1図柄乱数格納領域にセーブする(ステップS442)。ステップS442を経ると、特図1始動口スイッチ処理を終了する。
〔特図2始動口スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図2始動口スイッチ処理(ステップS412)の詳細について、図60により説明する。特図2始動口スイッチ処理は、第2始動入賞口34(第2始動口)への入力があった場合に行われる処理である。
図60に示すように、特図2始動口スイッチ通処理では、先ず、第2始動入賞口34(第2始動口)のうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報をパチンコ機1の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口2信号出力回数をロードし(ステップS451)、ロードした値を「+1」更新して(ステップS452)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップS453)。
出力回数がオーバーフローしない場合(ステップS453;NO)は、更新後の値をRWMの始動口2信号出力回数領域にセーブして(ステップS454)、ステップS455の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップS453;YES)は、ステップS455の処理に移行する。
本実施例では、始動口2信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。したがって、ル−プしてロードした値が「0」になってしまうようであれば、出力回数がオーバーフローすると判定するので、セーブしないことになる。
ステップS455に進むと、特図2保留数が上限値未満であるか否かを判定する。前述したように、本実施例では特図2に限り、特図の保留表示が1個に限り行われるように構成されているので、特図2保留数の上限値=1となる。
特図保留数が上限値未満でない場合(ステップS455;NO)は、特図2始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、特図2保留数が上限値未満である場合(ステップS455;YES)は、更新対象の特図2保留数を「+1」更新する(ステップS456)とともに、特図2保留数に対応する飾り保留数コマンドを準備する(ステップS457)。飾り保留数は、演出制御装置300の制御により情報表示器45に表示されるもので、情報表示器45は特図2の保留数を飾り保留数として表示するようになっている。この場合、保留数=1の飾り保留数コマンドしかあり得ない。なお、第2始動入賞口34を構成する飾り部材(第2始動入賞口34の周囲に配置される装飾用の部材のこと)に設けられる装飾用の発光部材(LED等)の発光態様によって、特図2保留数があることを報知するようにしてもよい。
次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS458)。これにより、飾り保留数コマンドが演出制御装置300に送られて情報表示器45に特図2の保留数が飾り保留数として表示されることになる。
次いで、前述のハード乱数取得処理におけるステップS425で準備した変動パターン乱数をRWMの特図2変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップS459)。変動パターン乱数は一括表示装置50に特図変動をどのように表示させるかを決定する乱数である。次いで、特図図柄乱数を抽出する(ステップS460)とともに、抽出した特図図柄乱数をRWMの特図2図柄乱数格納領域にセーブする(ステップS461)。ステップS461を経ると、特図2始動口スイッチ処理を終了する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップS372)の詳細について、図61により説明する。
図61に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、左大入賞口スイッチ103に入力ありか否かを判定する(ステップS471)。左大入賞口スイッチ103は変動入賞装置35における可動部材43aの基端部付近の空間部に配置され、役物装置51に流入する遊技球を検出している。左大入賞口スイッチ103に入力があれば(ステップS471;YES)、ステップS472に進んで大入賞口カウント更新処理を行う。大入賞口カウントは、変動入賞装置35における可動部材43a、43bが開放したときに、変動入賞装置35(すなわち、大入賞口)に流入した遊技球をカウントするものである。したがって、左大入賞口スイッチ103に入力があれば(ステップS471;YES)、大入賞口カウントが「+1」更新されることになる。ステップS472を経ると、ステップS473へ進む。一方、左大入賞口スイッチ103に入力がなければ(ステップS471;NO)、ステップS473へジャンプする。
ステップS473へ進むと、右大入賞口スイッチ104に入力ありか否かを判定する。右大入賞口スイッチ104は変動入賞装置35における可動部材43bの基端部付近の空間部に配置され、役物装置51に流入する遊技球を検出している。右大入賞口スイッチ104に入力があれば(ステップS473;YES)、ステップS474に進んで大入賞口カウント更新処理を行う。したがって、右大入賞口スイッチ104に入力があれば(ステップS473;YES)、大入賞口カウントが「+1」更新されることになる。ステップS474を経ると、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、右大入賞口スイッチ104に入力がなければ(ステップS473;NO)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
〔大入賞口カウント更新処理〕
次に、上述の大入賞口スイッチ監視処理における大入賞口カウント更新処理(ステップS472、S474)の詳細について、図62により説明する。
図62に示すように、大入賞口カウント更新処理では、まず、変動入賞装置35における可動部材43a、43bが開放したときに、変動入賞装置35(すなわち、大入賞口)に流入した遊技球をカウントする左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104への入賞の回数に関する情報をパチンコ機1の外部の管理装置に対して出力する回数である役物入賞個数信号出力回数をロードし(ステップS481)、ロードした値を「+1」更新する(ステップS482)。次いで、役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップS473)。
役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローしない場合(ステップS483;NO)は、更新後の値をRWMの役物入賞個数信号出力回数領域にセーブして(ステップS484)、ステップS485の処理に移行する。一方、役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローする場合(ステップS483;YES)は、ステップS485の処理に移行する。
本実施例では、役物入賞個数信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新によって更新後の値は「0」になり、役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。したがって、ル−プしてロードした値が「0」になってしまうようであれば、役物入賞個数信号出力回数がオーバーフローすると判定するので、セーブしないことになる。
ステップS485に進むと、大入賞口としての変動入賞装置35を開放するための特図ゲーム処理における処理である大入賞口開放中処理中であるか否かを判定する。これは、大入賞口としての変動入賞装置35における可動部材43a、43bが開放して遊技球を受け入れやすい状態中の処理であるかどうかを判定するものである。
なお、本実施例では変動入賞装置35はいわゆる大入賞口に相当するので、変動入賞装置35を大入賞口と称するとともに、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開放中を大入賞口開放中と適宜、称している。
大入賞口開放中処理中でなければ(ステップS485;NO)、ステップS486に進み、大入賞口開放中処理中であれば(ステップS485;YES)、ステップS489にジャンプする。ステップS486に進むと、大入賞口(変動入賞装置35)残存球処理中であるか否かを判定する。これは、大入賞口としての変動入賞装置35に入賞した遊技球が外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するための特図ゲーム処理における処理である大入賞口残存球処理中であるかどうかを判定するものである。
大入賞口残存球処理中でなければ(ステップS486;NO)、ステップS487に進み、大入賞口残存球処理中であれば(ステップS486;YES)、ステップS489にジャンプする。
ステップS487に進むと、小当り開放中処理中であるか否かを判定する。これは、大入賞口(変動入賞装置35)における決定装置80の特定領域に遊技球が落下すると、大当り(16R大当り、8R当りあるいは5R当り)となるが、ここでは始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b、第2始動入賞口34の全ての始動入賞口のこと)への入賞に伴う小当りによる始動遊技で大入賞口(変動入賞装置35)における可動部材43a、43bが小当りで開放して遊技球を受け入れやすい状態中の特図ゲーム処理における小当り開放中処理中であるかどうかを判定するものである。
小当り開放中処理中でなければ(ステップS487;NO),ステップS488に進み、小当り開放中処理中であれば(ステップS487;YES),ステップS489にジャンプする。
ステップS488に進むと、小当り残存球処理中であるか否かを判定する。これは、小当りが発生して、その始動遊技が行われているときに、大入賞口(変動入賞装置35)に入賞した遊技球が外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するための特図ゲーム処理における処理である小当り残存球処理中であるかどうかを判定するものである。
小当り残存球処理中でなければ(ステップS487;NO)、大入賞口カウント更新処理を終了する。一方、小当り残存球処理中であれば(ステップS487;YES)、ステップS489へ進む。
ステップS489に進むと、大入賞口カウントコマンドを準備する。これは、大入賞口としての変動入賞装置35における可動部材43a、43bが開放したときに、変動入賞装置35(すなわち、大入賞口)に流入した遊技球をカウントする左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104への入賞の回数に関する情報を演出制御装置300に対して出力するためのコマンドを準備するものである。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS490)。これにより、ステップS489で準備したコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に大入賞口への遊技球の入賞個数が表示される等の演出が表示されることになる。
ステップS490を経ると、次いで、大入賞口(変動入賞装置35)開放中処理中であるか否かを判定する(ステップS491)。大入賞口開放中処理中でなければ(ステップS491;NO)、ステップS492に進み、大入賞口開放中処理中であれば(ステップS491;YES)、ステップS493に分岐する。
ステップS492に進むと、小当り開放中処理中であるか否かを判定する。小当り開放中処理中でなければ(ステップS492;NO)、大入賞口カウント更新処理を終了する。一方、小当り開放中処理中であれば(ステップS492;YES),ステップS493に進む。
ステップS493に進むと、大入賞口カウント数を「+1」更新する。そして、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップS494)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップS494;NO)は、大入賞口カウント更新処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップS494;YES)は、大入賞口カウント数を上限値に留めて、特図ゲーム処理タイマ領域を「0」クリアして(ステップS495)、ステップS496へ進む。
ステップS496に進むと、特図当り中処理制御ポインタ上限値領域から上限値をロードし、特図当り中処理制御ポインタ領域にロードした値をセーブする(ステップS497)。ステップS497を経ると、大入賞口カウント更新処理を終了する。
ここで、ステップS497の処理を行うのは、大入賞口カウント数が上限値となったことでラウンド中の大入賞口の開閉動作(つまり、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開閉動作で、例えば最大で18回の開閉動作)を途中で強制終了させるために、制御中の特図当り中処理制御ポインタの値を動作終了となる上限値に書き換えているものである。
なお、上限値としては、大入賞口の開放パターンによって「0、2、54の何れか」が設定されている。ステップS495のタイマクリアと併せて、即、大入賞口閉鎖の為の処理が(特図ゲーム処理に戻った後に)行われるようになっている。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップS373)の詳細について、図63により説明する。
図63に示すように、特定領域スイッチ監視処理では、まず、特定領域有効中であるか否かを判定する(ステップS501)。変動入賞装置35の内部には特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ80a〜80dが配置されており、特定領域を遊技球が通過したことを特定領域スイッチ80a〜80dが検出すると、V入賞として大当りが確定し、条件装置と役物連続作動装置が作動することとなる。
このような特定領域スイッチ80a〜80dを仮に不正で遊技球を通過させても、正規なV入賞としては認められないので、一定の条件下でのみ特定領域スイッチ80a〜80dを遊技球が通過した場合を正規のV入賞と認定するための条件が下記の通りである。
・特図ゲーム処理番号が小当り開放中処理
・特図ゲーム処理番号が小当り残存球処理
上記何れかの処理を実行している場合が特定領域有効中と判定される。そして、この特定領域有効中に特定領域スイッチ80a〜80dを遊技球が通過した場合を正規のV入賞と認定される。
特定領域有効中でなければ(ステップS501;NO)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。一方、特定領域有効中であれば(ステップS511;YES)、既に特定領域を遊技球が通過しているか否かを判定する(ステップS502)。既に特定領域を遊技球が通過していれば(ステップS502;YES)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
一方、既に特定領域を遊技球が通過していなければ(ステップS502;NO)、特定領域スイッチ4(第4特定領域スイッチ80d)に入力ありか否かを判定する(ステップS503)。
特定領域スイッチ4(第4特定領域スイッチ80d)に入力ありとは、変動入賞装置35の内部には第4特定領域を通過した遊技球を検出する第4特定領域スイッチ80dが配置されており、第4特定領域を遊技球が通過したことを第4特定領域スイッチ80dが検出して信号がオンした場合に検出信号の入力が遊技制御装置100にあるという状態である。
すなわち、第4特定領域スイッチ80dにより遊技球が第4特定領域を通過したことを検出したという状態である。本実施形態では、遊技球が第4特定領域(特定領域4)を通過した場合には、図96に示すように「16R大当り」となる。
特定領域スイッチ4(第4特定領域スイッチ80d)に入力があれば(ステップS503;YES)、特定領域スイッチ4(第4特定領域スイッチ80d)に対応する大入賞口開放情報、ラウンド数上限値、ラウンド表示LEDポインタを設定して(ステップS510)、ステップS511へ進む。
一方、特定領域スイッチ4(第4特定領域スイッチ80d)に入力がなければ(ステップS503;NO)、特定領域スイッチ3(第3特定領域スイッチ80c)に入力ありか否かを判定する。
特定領域スイッチ3(第3特定領域スイッチ80c)に入力ありとは、変動入賞装置35の内部には第3特定領域を通過した遊技球を検出する第3特定領域スイッチ80cが配置されており、第3特定領域を遊技球が通過したことを第3特定領域スイッチ80cが検出して信号がオンした場合に検出信号の入力が遊技制御装置100にあるという状態である。
すなわち、第3特定領域スイッチ80cにより遊技球が第3特定領域を通過したことを検出したという状態である。本実施形態では、遊技球が第3特定領域(特定領域3)を通過した場合には、図96に示すように「16R大当り」となる。
特定領域スイッチ3(第3特定領域スイッチ80c)に入力があれば(ステップS504;YES)、特定領域スイッチ3(第3特定領域スイッチ80c)に対応する大入賞口開放情報、ラウンド数上限値、ラウンド表示LEDポインタを設定して(ステップS510)、ステップS511へ進む。
一方、特定領域スイッチ3(第3特定領域スイッチ80c)に入力がなければ(ステップS504;NO)、特定領域スイッチ2(第2特定領域スイッチ80b)に入力ありか否かを判定する。
特定領域スイッチ2(第2特定領域スイッチ80b)に入力ありとは、変動入賞装置35の内部には第2特定領域を通過した遊技球を検出する第2特定領域スイッチ80bが配置されており、第2特定領域を遊技球が通過したことを第2特定領域スイッチ80bが検出して信号がオンした場合に検出信号の入力が遊技制御装置100にあるという状態である。
すなわち、第2特定領域スイッチ80bにより遊技球が第2特定領域を通過したことを検出したという状態である。本実施形態では、遊技球が第2特定領域(特定領域2)を通過した場合には、図96に示すように、特図変動表示ゲームの開始時に設定された停止図柄パターンが「特図1停止図柄パターン1」、「特図1停止図柄パターン2」、「特図2停止図柄パターン1」、および「特図2停止図柄パターン2」の何れかである場合には「8R当り」となり、「特図1停止図柄パターン3」および「特図2停止図柄パターン3」の何れかである場合には「16R大当り」となる。
特定領域スイッチ2(第2特定領域スイッチ80b)に入力があれば(ステップS505;YES)、特定領域スイッチ2(第2特定領域スイッチ80b)に対応する大入賞口開放情報、ラウンド数上限値、ラウンド表示LEDポインタを設定して(ステップS507)、ステップS508へ進む。
一方、特定領域スイッチ2(第2特定領域スイッチ80b)に入力がなければ(ステップS505;NO)、特定領域スイッチ1(第1特定領域スイッチ80a)に入力ありか否かを判定する。
特定領域スイッチ1(第1特定領域スイッチ80a)に入力ありとは、変動入賞装置35の内部には第1特定領域を通過した遊技球を検出する第1特定領域スイッチ80aが配置されており、第1特定領域を遊技球が通過したことを第1特定領域スイッチ80aが検出して信号がオンした場合に検出信号の入力が遊技制御装置100にあるという状態である。
すなわち、第1特定領域スイッチ80aにより遊技球が第1特定領域を通過したことを検出したという状態である。本実施形態では、遊技球が第1特定領域(特定領域1)を通過した場合には、図96に示すように、特図変動表示ゲームの開始時に設定された停止図柄パターンが「特図1停止図柄パターン1」、「特図1停止図柄パターン2」、「特図2停止図柄パターン1」、および「特図2停止図柄パターン2」の何れかである場合には「5R当り」となり、「特図1停止図柄パターン3」および「特図2停止図柄パターン3」の何れかである場合には「16R大当り」となる。
特定領域スイッチ1(第1特定領域スイッチ80a)に入力がなければ(ステップS506;NO)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
一方、特定領域スイッチ1(第1特定領域スイッチ80a)に入力があれば(ステップS506;YES)、特定領域スイッチ1(第1特定領域スイッチ80a)に対応する大入賞口開放情報、ラウンド数上限値、ラウンド表示LEDポインタを設定して(ステップS507)、ステップS508へ進む。
ステップS508では、「16R大当り」確定の停止図柄パターンであるか否かを判定する。本実施形態の場合、図96に示すように、停止図柄パターンが「特図1停止図柄パターン3」および「特図2停止図柄パターン3」の何れかである場合、「16R大当り」確定の停止図柄パターンであると判定する。
「16R大当り」確定の停止図柄パターンである場合(ステップS508;YES)には、ステップS507で設定したラウンド数上限値とラウンド表示LEDポインタに替えて、16Rのラウンド数上限値とラウンド表示LEDポインタを設定して(ステップS509)、ステップS511へ進む。
一方、「16R大当り」確定の停止図柄パターンでない場合(ステップS508;NO)には、ステップS507で設定したラウンド数上限値とラウンド表示LEDポインタを変更せずに、ステップS511へ進む。
ステップS511では、特定領域スイッチに対応する通過あり情報を特定領域通過フラグ領域にセーブする(ステップS511)。
次いで、設定した大入賞口開放情報、ラウンド数上限値、ラウンド表示LEDポインタを各領域にセーブし(ステップS512)、特定領域スイッチに対応する特定領域通過コマンドを準備して(ステップS513)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS514)。これにより、変動入賞装置35の内部の特定領域を遊技球が通過した場合には、それを特定領域スイッチ80a〜80dが検出するとともに、特定領域通過コマンドが準備されて演出制御装置300に送られ、演出制御装置300の制御により情報表示器45にV入賞したことが表示される等(その他、盤装飾装置351の装飾)の演出が行われることになり、遊技者に報知される。
次いで、大当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS515)。ここでの「大当りの開始に関する信号」は、「条件装置作動中信号をオン」、「役物連続作動装置作動中信号をオン」、「条件装置作動領域1有効信号をオフ」、「役物連続作動装置作動領域1有効信号をオフ」である。
次いで、大当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップS516)。ここでの「大当りの開始に関する信号」は、「大当り1信号をオン」である。
次いで、大当り2制御回数が0であるか否かを判定する(ステップS518)。
大当り2制御回数が0でない場合(ステップS518;NO)、すなわち前回の特別遊技状態の終了から規定回数(ここでは10回)以内の特図変動表示ゲームの実行で再度の特別遊技状態が発生した場合である連続大当りの場合には、連続大当りに関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップS519)。ここでの「連続大当りに関する信号」は、「大当り2信号をオン」等である。次いで、遊技状態表示番号2領域に連続大当り中の番号をセーブして(ステップS520)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
一方、大当り2制御回数が0である場合(ステップS518;YES)、すなわち連続大当りでない場合には、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
〔特図電源投入動作処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図電源投入動作処理(ステップS379)の詳細について、図64により説明する。
特図電源投入動作処理は、パチンコ機1の電源投入時にだけ実行されるものである。
図64に示すように、特図電源投入動作処理では、まず、全てのモータ(すなわち、太鼓役物モータ66、V可動役物モータ73、およびラウンド抽選役物モータ88)は電源投入動作を終了したか否かを判定する(ステップS521)。ステップS521では、V可動役物(V可動部材77)の初期化動作(図31(a)参照)、太鼓役物62の初期化動作(図31(b)参照)、およびラウンド抽選役物(決定装置80)の初期化動作(図31(c)参照)が終了している場合に、全てのモータは電源投入動作を終了したと判定する。
全てのモータは電源投入動作を終了したと判定した場合(ステップS521;YES)には、ステップS522へ進む。
ここで、V可動役物(V可動部材77)、太鼓役物62、およびラウンド抽選役物(決定装置80)の初期化動作が終了していれば、各役物が初期位置で停止していると判断する。したがって、この場合には特図ゲームの普段処理の開始が可能と判断して、ステップS522以降の処理を実行することになる。
本実施例では、役物モータを3つ配置しており、それらは太鼓役物モータ66、V可動役物モータ73、およびラウンド抽選役物モータ88である。前述したように、特図電源投入動作処理は、パチンコ機1の電源投入時にだけ実行されることから、電源投入時に、V可動役物(V可動部材77)、太鼓役物62、およびラウンド抽選役物(決定装置80)が初期位置にあることの確認設定を完了し、初期位置で停止している状態となったら、特図ゲームの普段処理を開始させるようにしている。そのため、ステップS521の判定がYESであるときに、V可動役物(V可動部材77)、太鼓役物62、およびラウンド抽選役物(決定装置80)初期位置にあることの確認設定を完了したと判断している。
このような処理がないと、V可動役物(V可動部材77)、太鼓役物62、およびラウンド抽選役物(決定装置80)が正常な位置(初期位置)にない状態で遊技ゲームを進行開始してしまう可能性があるからである。これに対して本実施例では、V可動役物(V可動部材77)、太鼓役物62、およびラウンド抽選役物(決定装置80)についての初期位置設定が完了しないと、特図ゲームが開始しないので、不具合があった場合に直ちに分かるメリットがある。
ステップS521の判定がYESであれば、ステップS522へ進み、M1制御ポインタ領域にM1普段動作の値をセーブする(ステップS522)とともに、M1制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS523)。ここで、「M1」とはV可動役物モータ73のことであり、「M1普段動作」はV可動役物(V可動部材77)の通常動作に相当する。
次いで、M2制御ポインタ領域にM2普段動作の値をセーブする(ステップS524)とともに、M2制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS525)。ここで、「M2」とは太鼓役物モータ66のことであり、「M2普段動作」は太鼓役物62の通常動作に相当する。
次いで、M3制御ポインタ領域にM3普段動作の値をセーブする(ステップS526)とともに、M3制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS527)。ここで、「M3」とはラウンド抽選役物モータ88のことであり、「M3普段動作」はラウンド抽選役物(決定装置80)の通常動作に相当する。
次いで、特図ゲームの処理番号として「1」を設定する(ステップS528)。これにより、次回は特図普段処理に移行することになる。次いで、特図ゲーム処理番号領域にステップS528で設定した番号(ここでは「1」)をセーブする(ステップS529)。ステップS529を経ると、特図電源投入動作処理を終了する。
一方、全てのモータは電源投入動作を終了していないと判定した場合(ステップS521;NO)には、V可動役物(V可動部材77)、太鼓役物62、およびラウンド抽選役物(決定装置80)が初期位置になく、初期位置の確認設定が完了しないので、何れの場合も特図電源投入動作処理を終了する。したがって、この場合には特図ゲームの特図普段処理に移行しないことになる。
このように、本実施例ではV可動役物(V可動部材77)、太鼓役物62、およびラウンド抽選役物(決定装置80)の初期位置設定が完了しないと、特図ゲームが開始せず、特図普段処理に移行しないので、常に正確な初期位置からV可動役物(V可動部材77)、太鼓役物62、およびラウンド抽選役物(決定装置80)を作動させることができ、遊技者及び遊技店の双方にとって、安定した遊技ゲームを提供できる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップS380)の詳細について、図65により説明する。
図65に示すように、特図普段処理では、まず、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS531)。残存球カウンタは変動入賞装置35に流入した遊技球が変動入賞装置35の内部に残存している場合の個数をカウントしている。
残存球カウンタが「0」であれば(ステップS531;YES)、変動入賞装置35の内部に遊技球が残存していないので、すぐに通常の遊技ゲームの開始が可能と判断し、ステップS532で特図1始動口入賞フラグがあるか否かを判定する。特図1始動口入賞フラグがあれば(ステップS532;YES)、第1始動入賞口33a、33bの何れかに遊技球が入賞し、特図1の始動条件が成立したと判断し、ステップS538に分岐して、特図1変動開始処理を行う。これにより、一括表示装置50により特図1の変動表示ゲームが開始されることになる。ステップS538を経ると、特図普段処理を終了する。
一方、特図1始動口入賞フラグがなければ(ステップS532;NO)、特図2保留数が「0」でないか否かを判定する(ステップS533)。これは、第2始動入賞口34に遊技球が入賞した場合に1個に限り保留を認めているので、そのような保留があるかどうかを判定するものである。特図2保留数が「0」でなければ(ステップS533;YES)、特図2の保留があるので、次いで、特図2保留数を「−1」更新する(ステップS534)。
次いで、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップS535)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS536)。これにより、飾り特図保留数コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に遊技状態として飾り特図に関する演出表示が行われることになる。
次いで、特図2変動開始処理を行う(ステップS537)。これにより、一括表示装置50により特図2の変動表示ゲームが開始されることになる。ステップS537を経ると、特図普段処理を終了する。
一方、残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS531;NO)、変動入賞装置35の内部に遊技球が残存しているので、すぐには通常の遊技ゲームの開始ができないと判断し、ステップS539にジャンプする。
また、ステップS533で特図2保留数が「0」である場合にも(ステップS533;NO)、特図2の保留がないので、始動入賞に伴う遊技ゲームの開始ができないと判断し、ステップS539にジャンプする。
ステップS539に進むと、客待ちデモが開始済みであるかを判定し、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップS539;NO)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップS540)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップS541)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS542)。これにより、客待ちデモコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に客待ちデモの関する演出表示が行われることになる。ステップS542を経ると、ステップS543へ進む。
一方、客待ちデモが開始済みである場合(ステップS539;YES)には、ステップS543へジャンプする。
ステップS543へ進むと、処理番号として「1」を設定し(ステップS543)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「1」をセーブ)(ステップS544)した後、特図普段処理を終了する。
このように、保留の認められている特図2保留数のチェックを行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には情報表示器45に飾り特図に関する演出表示が行われるとともに、特図2変動開始処理(ステップS537)が実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップS538)の詳細について、図66(a)により説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
なお、第1特図変動表示ゲームとは、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合に一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示する特図1表示器によって行われる変動表示ゲームのことである。
図66(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップS551)、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップS552)を行う。次いで、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を行い(ステップS553)、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を行う(ステップS554)。
次いで、処理番号として「2」を設定し(ステップS555)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「2」をセーブ)する(ステップS556)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップS557)、特図1変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS558)。これにより、特別図柄1変動中信号がオンすることになる。次いで、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップS559)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ初期値(例えば、100ms)をセーブする(ステップS560)。これにより、一括表示装置50により特図1の変動表示ゲームが開始されるとともに、特図1の点滅制御が行われることになる。
次いで、特図1始動口入賞フラグをクリアし(ステップS561)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップS537)の詳細について、図66(b)により説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
なお、第2特図変動表示ゲームとは、遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合に一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図2を表示する特図2表示器によって行われる変動表示ゲームのことである。
図66(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップS571)、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップS572)を行う。次いで、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を行い(ステップS573)、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を行う(ステップS574)。
次いで、処理番号として「2」を設定し(ステップS575)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「2」をセーブ)する(ステップS576)。
次いで、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップS577)、特図2変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS578)。これにより、特別図柄2変動中信号がオンすることになる。次いで、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップS579)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ初期値(例えば、100ms)をセーブする(ステップS580)。これにより、一括表示装置50により特図2の変動表示ゲームが開始されるとともに、特図2の点滅制御が行われることになる。ステップS580を経ると、特図2変動開始処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップS552)の詳細について、図67(a)により説明する。
特図1停止図柄設定処理は、特図1の停止図柄(図柄情報)の設定に係る処理を行うものである。
図67(a)に示すように、まず、特図1図柄乱数格納領域から特図1の停止図柄を決定するための乱数をロードし(ステップS591)、特図1図柄乱数格納領域を「0」クリアする(ステップS592)。次いで、小当り図柄テーブルを設定し(ステップS593)、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップS594)。この処理により0から49までの50通りの図柄番号の何れかの図柄番号が選出されることになる。
次いで、特図1小当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップS595)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップS596)。停止図柄パターンとは、一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示する特図1表示器での停止図柄を設定するためのものである
なお、一括表示装置50による1回の特図変動表示ゲームでは、特図1又は特図2の何れか1つしか変動しない(つまり、特図1及び特図2が同時変動しない)ので、停止図柄パターンを格納する領域は特図1及び特図2の何れも停止図柄パターン領域で共通になっており、同じ領域である(後述のステップS616参照)。
次いで、停止図柄番号に対応する小当り動作判定情報を取得し、小当り動作判定情報領域にセーブする(ステップS597)。小当り動作判定情報は、1回開き又は2回開きの何れの小当り動作を行うかを判定する情報である。
次いで、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得し、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップS598)。大入賞口開放情報は、16R大当り、8R当り、5R当りの何れの当り動作に対応して大入賞口(変動入賞装置35)の可動部材43a、43bを開放制御するかを判定する情報である。
次いで、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備し(ステップS599)、準備した飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブする(ステップS600)。なお、特図1又は特図2の何れの停止図柄パターンであるかを判別できるように、ステップS599で準備する飾り特図コマンドは区別するようにしている。
次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS601)。これにより、飾り特図コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に特図1に関連する飾り特図コマンドに対応した演出表示が行われることになる。ステップS601を経ると、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップS572)の詳細について、図67(b)により説明する。
特図2停止図柄設定処理は、特図2の停止図柄(図柄情報)の設定に係る処理を行うものである。
図67(b)に示すように、まず、特図2図柄乱数格納領域から特図2の停止図柄を決定するための乱数をロードし(ステップS611)、特図2図柄乱数格納領域を「0」クリアする(ステップS612)。次いで、小当り図柄テーブルを設定し(ステップS613)、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップS614)。この処理により0から49までの50通りの図柄番号の何れかの図柄番号が選出されることになる。
次いで、特図2小当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップS615)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップS616)。停止図柄パターンとは、一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図2を表示する特図2表示器での停止図柄を設定するためのものである
なお、一括表示装置50による1回の特図変動表示ゲームでは、特図1又は特図2の何れか1つしか変動しない(つまり、特図1及び特図2が同時変動しない)ので、停止図柄パターンを格納する領域は特図1及び特図2の何れも停止図柄パターン領域で共通になっており、同じ領域である(前述のステップS596と同様)。
次いで、停止図柄番号に対応する小当り動作判定情報を取得し、小当り動作判定情報領域にセーブする(ステップS617)。小当り動作判定情報は、2回開きの小当り動作を判定する情報である。
次いで、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得し、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップS618)。大入賞口開放情報は、16R大当り、8R当り、5R当りの何れの当り動作に対応して大入賞口(変動入賞装置35)の可動部材43a、43bを開放制御するかを判定する情報である。
次いで、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備し(ステップS619)、準備した飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブする(ステップS620)。なお、特図1又は特図2の何れの停止図柄パターンであるかを判別できるように、ステップS619で準備する飾り特図コマンドは区別するようにしている。
次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS621)。これにより、飾り特図コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に特図2に関連する飾り特図コマンドに対応した演出表示が行われることになる。ステップS611を経ると、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップS553、S573)の詳細について、図68により説明する。
変動パターン設定処理は、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定するものである。
なお、変動パターンは本実施例のような例に限らず、例えば特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定するように構成してもよい。
図68に示すように、変動パターン設定処理では、まず、変動グループアドレステーブルを設定する(ステップS631)。次いで、変動図柄判別フラグと停止図柄パターンに対応する変動パターン選択テーブルを取得し、準備する(ステップS632)。
次いで、対象の変動パターン乱数格納領域から乱数をロードし、準備する(ステップS633)。ロードした乱数(変動パターン乱数)は、特図1や特図2の変動パターンを抽選で決めるための乱数である。次いで、対象の変動パターン乱数格納領域を「0」クリアする(ステップS634)。
なお、変動パターン設定処理では、本実施例のフローのように、対象の変動パターン乱数格納領域からの乱数のロードと、対象の変動パターン乱数格納領域の「0」クリアとを別々に行ってもよいし、これに限らず、例えば交換命令を用いて一気に行うようにしてもよい。一気に行う場合には、例えばロードしたいレジスタを前もって「0」にセットしておき、互いを入れ替えるような処理を行うようにする。このような変形処理は、変動パターン設定処理におけるステップS633、S634の処理への適用に限らず、領域への情報のロードと、情報のクリアとがセットになっている処理に関して適用可能である。
次いで、2バイト振り分け処理を行う(ステップS635)。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数に基づいて変動パターン選択テーブルから特図変動表示ゲームの変動パターン番号を選択するための処理である。
次いで、振り分けられた結果得られた変動パターン番号を取得し、変動パターン番号領域にセーブする(ステップS636)。この処理により、特図1や特図2の変動パターンが変動パターン番号に基づいて設定されることになる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちか設定する変動パターン設定手段をなす。
ステップS636を経ると、変動パターン設定処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップS554、S574)の詳細について、図69により説明する。
変動開始情報設定処理は、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームにおける変動開始の情報を設定するものである。
図69に示すように、変動開始情報設定処理では、変動時間値テーブルを設定し(ステップS641)、変動パターン番号に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS642)。本実施例では、全部で48通りの変動パターンがある。
その後、変動パターン番号に対応する変動コマンドを準備し(ステップS643)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS644)。これにより、変動コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に特図1や特図2に関連する飾り特図の変動開始に対応した演出表示が行われることになる。
ステップS644を経ると、変動開始情報設定処理を終了する。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、特図2についての始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップS381)の詳細について、図70により説明する。
図70に示すように、特図変動中処理では、まず、処理番号として「3」を設定し(ステップS651)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「3」をセーブ)する(ステップS652)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「3」が選択され、特図表示中処理(ステップS385)に分岐することになる。
次いで、特図ゲーム処理タイマ領域に表示時間(例えば、100ms)をセーブする(ステップS653)。次いで、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS654)。これにより、特別図柄1変動中信号がオフすることになる。また、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS655)。これにより、特別図柄2変動中信号がオフすることになる。
次いで、特図1変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブし(ステップS656)、続いて、特図2変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブする(ステップS657)。ステップS657を経ると、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップS382)の詳細について、図71により説明する。
図71に示すように、特図表示中処理では、まず、飾り特図コマンド領域からコマンドをロードし、準備する(ステップS661)。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップS662)。これにより、飾り特図コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に特図1や特図2に関連する飾り特図の表示中に対応した演出表示が行われることになる。
次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップS663)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS664)。これにより、小当りファンファーレコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当りファンファーレに関連する演出表示が行われることになる。
次いで、小当り動作は2回開きであるか否かを判定する(ステップS665)。これは、小当りとしては1回開きや2回開きがあるが、そのような小当りが発生したとき、変動入賞装置35における可動部材43a、43bが2回続けて開放する動作を行うかどうかを判定するものである。
小当り動作は2回開きでなければ(ステップS665;NO)、特図当り中処理制御ポインタ領域に1回開きのスタート値をセーブする(ステップS666)とともに、特図当り中処理制御ポインタ上限値領域に1回開きの上限値をセーブする(ステップS667)。この場合、1回開きのスタート値としては「0」が設定され、上限値としても「0」が設定される。これにより、変動入賞装置35における可動部材43a、43bを1回開放する動作が行われることになる。ステップS667を経ると、ステップS670へ進む。
一方、小当り動作は2回開きであれば(ステップS665;YES)、特図当り中処理制御ポインタ領域に2回開きのスタート値をセーブする(ステップS668)とともに、特図当り中処理制御ポインタ上限値領域に2回開きの上限値をセーブする(ステップS669)。この場合、2回開きのスタート値としては「0」が設定され、上限値としては「2」が設定される。これにより、変動入賞装置35における可動部材43a、43bを2回続けて開放する動作が行われることになる。ステップS669を経ると、ステップS670へ進む。
ステップS670に進むと、特図1の変動に基づく小当りの発生であるか否かを判定する。これは、第1始動入賞口(左始動口、右始動口)33a、33bへの遊技球の入賞に伴い小当りが発生したかを判定するものであり、変動図柄判別フラグ領域に特図1変動フラグと特図2変動フラグの何れかがセーブされているかにより判定可能である。特図1の変動で小当りが発生した場合(ステップS679;YES)には、特図1小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS671)、その後、ステップS673へ進む。
特図1小当りの開始に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオンの状態である。
・特別図柄1小当り信号をオン
・特別電動役物1作動中信号をオン
・条件装置作動領域1有効信号をオン
・役物連続作動装置作動領域1有効信号をオン
一方、特図1の変動で小当りが発生していない場合(ステップS670;NO)には、特図2小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップS672)、その後、ステップS673へ進む。
特図2小当りの開始に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオンの状態である。
・特別図柄2小当り信号をオン
・特別電動役物1作動中信号をオン
・条件装置作動領域1有効信号をオン
・役物連続作動装置作動領域1有効信号をオン
ステップS673へ進むと、小当り開放動作開始コマンドを準備し、続いて、演出コマンド設定処理を行う(ステップS676)。これにより、小当り開放動作開始コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当り開放動作の開始に関する演出表示が行われることになる。
次いで、役物ソレノイド制御ポインタ領域に小当り動作の値をセーブし(ステップS676)、役物ソレノイド制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS676)。これにより、床役物(床部61)の小当り動作、すなわち床部61の後端側が上下に駆動するように回動する回動往復動作が実行される。
次いで、M1制御ポインタ領域にM1小当り動作1の値をセーブし(ステップS677)、M1制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS678)。これにより、V可動役物(V可動部材77)の小当り動作(図32(a),(b)参照)が実行される。
次いで、処理番号として「4」を設定し(ステップS679)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「4」をセーブ)する(ステップS680)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「4」が選択され、小当り開放中処理(ステップS385)に分岐することになる。
次いで、小当り開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS681)。小当り開放時間としては、例えば400msに設定される。次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップS682)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド202がオンして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがそれぞれ小当り開放時間に対応して開放制御されることになる。
次いで、特定領域通過フラグ領域をクリアし(ステップS683)、大入賞口カウント数領域をクリアする(ステップS684)。これらは、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがそれぞれ小当り開放時間に対応して開放制御されることから、変動入賞装置35(大入賞口)への遊技球の入賞が予想されるので、予め、特定領域を遊技球が通過したことを検出する特定領域スイッチ80a〜80dの出力に対応する特定領域通過フラグをクリアしておくとともに、大入賞口カウント数もクリアしておくものである。
次いで、役物回数信号制御タイマ領域に出力タイマ初期値(例えば、128ms)をセーブする(ステップS685)とともに、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップS686)。これらは、外部情報端子板152へ出力する外部情報の各種出力データの1つとして役物回数信号を出力する期間を設定するとともに、小当りの動作中は大入賞口不正監視期間でないことから、不正監視期間を外すための処理を行うものである。
次いで、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップS687)、大当り2制御回数が0でなければ−1更新して(ステップS688)、特図表示中処理を終了する。大当り2制御回数は、前回の特別遊技状態の終了から規定回数以内の特図変動表示ゲームの実行で再度の特別遊技状態が発生したかを判定するためのものである。ここでの規定回数とは10回であり、特別遊技状態の終了時に初期値として11が設定され、小当りの終了毎に−1更新される。そして、大当り2制御回数が0でない状態で特別遊技状態が発生することで、前回の特別遊技状態の終了から10回以内の特図変動表示ゲームの実行で再度の特別遊技状態が発生したと判定するようになっている。
〔小当り開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り開放中処理(ステップS383)の詳細について、図72により説明する。
図72に示すように、小当り開放中処理では、まず、特図当り中制御ポインタをロードし、準備する(ステップS691)。次いで、ロードした特図当り中制御ポインタの値を小当り動作終了値と比較し、ロードした特図当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上であるか否かを判定する(ステップS692)。これは、ロードした特図当り中制御ポインタの値を小当り動作を終了させる上限値と比較し、それ以上になったかを判断するものである。
ロードした特図当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上でなければ(ステップS692;NO)、小当り動作移行設定処理を行う(ステップS693)。これにより、小当りのときには、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが一定時間開放制御されて、大入賞口(変動入賞装置35)へ遊技球が入賞する遊技が行われることになる。なお、変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放制御は、1回開きと2回開きがあるが、動作の詳細は後述する。
次いで、特図当り中制御ポインタを「+1」更新し(ステップS694)、特図当り中制御ポインタに対応する小当り動作中コマンドを準備し(ステップS695)、続いて、演出コマンド設定処理を行う(ステップS696)。これにより、小当り動作中コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当り動作中であることに対応した演出表示が行われることになる。ステップS696を経ると、小当り開放中処理を終了する。
一方、ロードした特図当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上であれば(ステップS692;YES)、ステップS697に分岐し、処理番号として「5」を設定し(ステップS697)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「5」をセーブ)する(ステップS698)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「5」が選択され、小当り残存球中処理(ステップS387)に分岐することになる。
次いで、小当り大入賞口閉鎖のコマンドを準備し(ステップS699)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS700)。これにより、小当り大入賞口閉鎖のコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当りでの大入賞口閉鎖に対応した演出表示が行われることになる。ステップS700を経ると、小当り開放中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り開放中処理における小当り動作移行設定処理(ステップS693)の詳細について、図73(a)により説明する。
図73(a)に示すように、小当り動作移行設定処理では、まず、特図当り中制御ポインタによる分岐判定を行う(ステップS711)。この分岐判定では、特図当り中制御ポインタが「0」又は「1」で分岐先が異なる。
すなわち、特図当り中制御ポインタが「0」であれば、ステップS712に分岐し、ウエイト時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS712)。ウエイト時間は小当り時に変動入賞装置35の可動部材43a、43bが2回開きを行うときの1回目の開放と、2回目の開放との間における間隔の期間であり、ウエイト時間としては、例えば1000msに設定される。次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブする(ステップS713)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド202がオフして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖制御されることになる。ステップS713を経ると、小当り動作移行設定処理を終了する。
一方、特図当り中制御ポインタが「1」であれば、ステップS714に分岐し、小当り開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS715)。小当り開放時間は小当り時に変動入賞装置35の可動部材43a、43bを開放している期間であり、、小当り開放時間としては、例えば400msに設定される。次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップS715)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド202がオンして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放制御されることになる。
次いで、役物回数信号制御タイマ領域に出力タイマ初期値(例えば、128ms)をセーブする(ステップS716)。これは、外部情報端子板152へ出力する外部情報の各種出力データの1つとして役物回数信号を出力する期間を設定するとともに、小当りの動作中は大入賞口不正監視期間でないことから、不正監視期間を外すための処理を行うものである。ステップS716を経ると、小当り動作移行設定処理を終了する。
〔小当り動作のタイミングチャート〕
次に、小当り動作の具体例につき、図73(b)に示す小当り動作のタイミングチャートを参照して説明する。
図73(b)において、小当り動作では変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合と、2回開放動作する場合とがある。図73(b)の上段は可動部材43a、43bが1回開放動作する場合であり、図73(b)の下段は可動部材43a、43bが2回開放動作する場合である。
まず、図73(b)の上段に示すように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは400ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが400msの間だけ開放状態となり、この期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の小当り動作が行われる。また、演出状態を表示する情報表示器45には予め1回開放の作動があることを報知する表示時間(ここでは368ms)が設けられている。
可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖する時点で、特図当り中制御ポインタ=0になる。そして、可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖したタイミングから小当り残存球時間が始まり、小当り残存球時間は「1900ms+α」という期間になる。「α」という期間は変動入賞装置35から遊技球が抜け切るまで継続するものであり、例えば変動入賞装置35に内部に残存球が存在すると、当該残存球が変動入賞装置35から遊技球が抜け切るまで継続することになる。したがって、「α」なる期間は一定期間ではなく、変動入賞装置35から遊技球が抜け切るまで継続する可変的な期間である。
次いで、小当り残存球時間としての「1900ms+α」が経過すると、その経過タイミングから小当りエンディング時間が所定時間(ここでは100ms)だけ存在するような動作が行われる。小当りエンディング時間は、例えば情報表示器45に小当りのエンディングであることを報知するような演出表示が行われる期間である。
遊技者の視線で観察すると、可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖したタイミングから小当り残存球時間「1900ms+α」が始まり、その後、切れ目なく小当りエンディング時間(100ms)が続くので、見た目のエンディング期間は小当り残存球時間「1900ms+α」と、小当りエンディング時間(100ms)を加えた連続した期間、すなわち、2000msとなる。
次に、図73(b)の下段に示すように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが2回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは400ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が2回繰り返して行われる。この場合、可動部材43a、43bの1回目の開放期間は例えば400msであり、続いて、400ms経過後に可動部材43a、43bが閉鎖し、その後、所定のウエイト時間(1000ms)がインターバル期間として設けられ、この期間では可動部材43a、43bは閉鎖を継続し、所定のウエイト時間が終了すると同時に、可動部材43a、43bの2回目の開放動作が行われる。2回目の可動部材43a、43bの開放期間も例えば400mである。したがって、2回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが400msの間だけ開放状態となり動作が所定のウエイト時間を挟んで2回行われることになる。そして、この2回開放動作が行われる期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の小当り動作が行われる。また、演出状態を表示する情報表示器45には予め2回開放の作動があることを報知する表示時間(ここでは368ms)が設けられている。
上記のような2回開放動作の場合、可動部材43a、43bが最初の1回開放した後に閉鎖する時点で、特図当り中制御ポインタ=0になる。そして、可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖したタイミングから所定のウエイト時間(1000ms)となり、所定のウエイト時間が終了すると同時に、可動部材43a、43bの2回目の開放動作が開始される。このとき、可動部材43a、43bが2回目に開放を開始する時点で、特図当り中制御ポインタ=1になる。
その後、可動部材43a、43bの2回目の開放期間が経過して閉鎖したタイミングから小当り残存球時間が始まり、小当り残存球時間は「1900ms+α」という期間になる。「α」という期間は変動入賞装置35から遊技球が抜け切るまで継続するものであり、これは上述した1回開放動作の場合と同様の性質を有するものである。
次いで、小当り残存球時間としての「1900ms+α」が経過すると、その経過タイミングから小当りエンディング時間が所定時間(ここでは100ms)だけ存在するような動作が行われる。小当りエンディング時間は、例えば情報表示器45に小当りのエンディングであることを報知するような演出表示が行われる期間である。
2回開放の動作の場合も同様に、遊技者の視線で観察すると、可動部材43a、43bが1回開放した後に閉鎖したタイミングから小当り残存球時間「1900ms+α」が始まり、その後、切れ目なく小当りエンディング時間(100ms)が続くので、見た目のエンディング期間は小当り残存球時間「1900ms+α」と、小当りエンディング時間(100ms)を加えた連続した期間、すなわち、2000msとなる。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップS384)の詳細について、図74により説明する。
図74に示すように、小当り残存球処理では、まず、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップS721)、残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS721;NO)、小当り残存球処理を終了する。
一方、残存球カウンタが「0」であれば(ステップS721;YES)、変動入賞装置35の内部に残存球が存在しないと判断し、役物ソレノイド制御ポインタ領域に停止動作の値をセーブする(ステップS722)。次いで、役物ソレノイド制御タイマ領域を「0」クリアする(ステップS723)。これにより、変動入賞装置35の内部に残存球が存在しないとき、床役物ソレノイド61b1等の役物ソレノイドの動作が停止されるとともに、床役物ソレノイド61b1等の役物ソレノイドの制御が終了することになる。
次いで、現在のV役物(V可動部材77)の位置から中央位置(初期位置)へ最短で戻すための制御ポインタの値を設定する(ステップS724)。例えば、図98に示すように、現在のV可動部材77の位置が初期位置よりも右側にある場合には、制御ポインタの値としてV可動部材77を左へと移動させる値を設定し、図99に示すように、現在のV可動部材77の位置が初期位置よりも左側にある場合には、制御ポインタの値としてV可動部材77を右へと移動させる値を設定する。また、現在のV可動部材77の位置が初期位置にある場合には、制御ポインタの値としてV可動部材77の移動を停止させる値を設定する。
次いで、ステップS724にて設定した値は、現在制御中の値と同じであるか否かを判定する(ステップS725)。すなわち、現在のV可動部材77の進行方向が右方向であって、ステップS724にてV可動部材77を右へと移動させる値を設定した場合には、ステップS725にて同じであると判定する。また、現在のV可動部材77の進行方向が左方向であって、ステップS724にてV可動部材77を左へと移動させる値を設定した場合には、ステップS725にて同じであると判定する。
ステップS724にて設定した値が、現在制御中の値と同じである場合(ステップS725;YES)には、ステップS728へ進む。
一方、ステップS724にて設定した値が、現在制御中の値と同じでない場合(ステップS725;NO)には、M1制御ポインタ領域にステップS724にて設定した値をセーブし(ステップS726)、M1制御タイマ領域を0クリアして(ステップS727)、ステップS728へ進む。
ステップS728に進むと、小当りエンディングコマンドを準備し(ステップS728)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS729)。これにより、小当りエンディングコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に小当りエンディングであることに対応した演出表示が行われることになる。
次いで、処理番号として「6」を設定し(ステップS730)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「6」をセーブ)する(ステップS731)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「6」が選択され、小当り終了処理(ステップS385)に分岐することになる。
次いで、小当りエンディング時間(例えば、0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS732)、大入賞口カウント数領域をクリアする(ステップS733)。これは、小当り動作の終了に伴い、小当りエンディング時間を設定してエンディングの演出を行うとともに、大入賞口(変動入賞装置35)への遊技球の入賞のカウント数をクリアして、次回の当り(大当り、小当りの双方を含む)動作に備えるものである。次いで、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS734)。
小当り動作の終了に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオフの状態である。
・特別図柄1小当り信号をオフ
・特別図柄2小当り信号をオフ
・条件装置作動領域1有効信号をオフ
・役物連続作動装置作動領域1有効信号をオフ
ステップS734を経ると、小当り残存球処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップS385)の詳細について、図75により説明する。
図75に示すように、小当り終了処理では、まず、M1制御ポインタ領域の値に基づいて、V役物(V可動部材77)は中央位置(初期位置)にあるか否かを判定して(ステップS741)、V役物(V可動部材77)が中央位置(初期位置)にない場合(ステップS741;NO)には、小当り終了処理を終了する。一方、V役物(V可動部材77)が中央位置(初期位置)にある場合(ステップS741;YES)には、M1制御ポインタ領域にM1停止動作の値をセーブし(ステップS742)、M1制御タイマ領域を0クリアする(ステップS743)。
次いで、特定領域通過ありか否かを判定する(ステップS744)。これは、変動入賞装置35の内部に特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ80a〜80dが配置されており、特定領域を遊技球が通過したことを特定領域スイッチ80a〜80dが検出すると、V入賞として大当り(特別遊技状態)が発生する構成であるので、特定領域スイッチ80a〜80dを遊技球が通過したかどうかを判定するものである。
遊技球の特定領域通過がなければ(ステップS744;NO)、ステップS755に分岐し、処理番号として「1」を設定し(ステップS755)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「1」をセーブ)する(ステップS756)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「1」が選択され、特図普段処理(ステップS380)に分岐することになる。
次いで、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS757)、小当り終了処理を終了する。
小当りの終了に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオフの状態である。
・特別図柄1小当り信号をオフ
・特別図柄2小当り信号をオフ
一方、遊技球の特定領域通過があれば(ステップS744;YES)、飾り特図コマンド領域からコマンドをロードし、準備する(ステップS745)とともに、演出コマンド設定処理を行う(ステップS746)。これにより、飾り特図コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に飾り特図コマンド(例えば、大当りの発生を演出する飾り特図コマンド)に対応した演出表示が行われることになる。
次いで、大当りファンファーレコマンドを準備し(ステップS747)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS748)。これにより、大当りファンファーレコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に大当りファンファーレコマンドに対応した演出表示(例えば、大当りをファンファーレで報知する演出表示)が行われることになる。
次いで、処理番号として「7」を設定し(ステップS749)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「7」をセーブ)する(ステップS750)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「7」が選択され、ファンファーレ/インターバル中処理(ステップS386)に分岐することになる。
次いで、特定領域通過フラグと停止図柄パターンに対応する大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS751)、特定領域通過フラグ領域をクリアする(ステップS752)。
具体的には、特定領域通過フラグが、特定領域スイッチ3(第3特定領域スイッチ80c)または特定領域スイッチ4(第4特定領域スイッチ80d)によって遊技球の通過を検出したことを示すフラグである場合には、大当りファンファーレ時間として「10秒」を設定する。
また、特定領域通過フラグが、特定領域スイッチ1(第1特定領域スイッチ80a)または特定領域スイッチ2(第2特定領域スイッチ80b)によって遊技球の通過を検出したことを示すフラグであって、停止図柄パターンが「停止図柄パターン1」である場合には、大当りファンファーレ時間として「10秒」を設定する。一方、特定領域通過フラグが、特定領域スイッチ1(第1特定領域スイッチ80a)または特定領域スイッチ2(第2特定領域スイッチ80b)によって遊技球の通過を検出したことを示すフラグであって、停止図柄パターンが「停止図柄パターン2」または「停止図柄パターン3」である場合には、ラウンド抽選演出を行うため、大当りファンファーレ時間として「20秒」を設定する。
次いで、小当りの終了に関する信号(特別図柄1小当り信号をオフ、特別図柄2小当り信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS753)。
次いで、大当りのラウンド回数をカウントするため、ラウンド数領域に初期値(例えば、「1」)をセーブして(ステップS754)、小当り終了処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップS386)の詳細について、図76により説明する。
図76に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップS761)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップS762)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS763)。これにより、ラウンドコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45にラウンドコマンドに対応した演出表示(例えば、特別遊技状態のラウンド数を報知する演出表示)が行われることになる。
次いで、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間値を設定する(ステップS764)。ここでは、大入賞口開放時間値としてラウンド中の1回目のオン時間が設定され、具体的には、後述の図78(b)で説明するように、例えば800msや20000msが設定される。次いで、大入賞口開放時間値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS765)とともに、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する制御ポインタのスタート値と上限値をセーブする(ステップS766。
なお、大入賞口開放と制御ポインタの具体例は、図78(b)で後述する。
次いで、特図当り中制御ポインタ領域にスタート値をセーブする(ステップS767)とともに、特図当り中制御ポインタ上限値領域に上限値をセーブする(ステップS768)。
次いで、処理番号として「8」を設定し(ステップS769)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「8」をセーブ)する(ステップS770)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「8」が選択され、大入賞口開放中処理(ステップS387)に分岐することになる。
次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップS771)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド202がオンして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがそれぞれ大当り開放時間に対応して開放制御されることになる。
次いで、大入賞口カウント数領域をクリアして大入賞口(変動入賞装置35)への遊技球の入賞のカウント数をクリアし(ステップS772)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップS773)。これは、大当りの動作中は大入賞口不正監視期間でないことから、不正監視期間を外すための処理を行うものである。次いで、大入賞口開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS774)。
大入賞口開放開始に関する信号としては、以下のものがあり、オンの状態である。
・特別電動役物1作動中信号をオン
次いで、2ラウンド目(初回ラウンドは除くので実質的に大当りの1ラウンド目)の開始であるか否かを判定し(ステップS775)、2ラウンド目の開始でないた場合(ステップS775;N)には、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
一方、2ラウンド目の開始である場合(ステップS775;YES)には、役物ソレノイド制御ポインタ領域に大当り動作の値をセーブする(ステップS776)。これにより、床役物(床部61)の大当り動作、すなわち床役物(床部61)の後端側が上下するように回動する回動往復動作が実行される。
次いで、役物ソレノイド制御タイマ領域を0クリアする(ステップS777)。
次いで、M1制御ポインタ領域にM1大当り動作の値をセーブする(ステップS778)。これにより、V可動役物(V可動部材77)の大当り動作(図33(a),(b)参照)が実行される。
次いで、M1制御タイマ領域を0クリアして(ステップS779)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップS387)の詳細について、図77により説明する。
図77に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、特図当り中制御ポインタをロードし、準備する(ステップS781)。次いで、ロードした特図当り中制御ポインタの値を大当り動作終了値と比較し、ロードした特図当り中制御ポインタの値が大当り動作終了値以上であるか否かを判定する(ステップS782)。これは、ロードした特図当り中制御ポインタの値を大当り動作を終了させる上限値と比較し、それ以上になったかを判断するものである。
ロードした特図当り中制御ポインタの値が大当り動作終了値以上でなければ(ステップS782;NO)、特図当り中制御ポインタを「+1」更新し(ステップS783)、大当り動作移行設定処理を行う(ステップS784)。これは、特図当り中制御ポインタの値が大当り動作を終了させる上限値以上でないことから、特図当り中制御ポインタの値に応じて各種態様の大当り動作を行わせるものである。ステップS784を経ると、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、ロードした特図当り中制御ポインタの値が大当り動作終了値以上であれば(ステップS782;YES)、ステップS785に分岐し、大当りの最終ラウンドであるか否かを判定する。大当りの最終ラウンドでなければ(ステップS785;NO)、最終ラウンド以外用の残存球処理時間(例えば、900ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS786)。次いで、インターバルコマンドを準備し(ステップS787)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS788)。これにより、インターバルコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45にインターバルコマンドに対応した演出表示(例えば、ラウンド間のインターバルを報知するような演出表示)が行われることになる。
ステップS788を経ると、ステップS792へ進む。
また、ステップS785で大当りの最終ラウンドであれば(ステップS785;YES)、ステップS790に分岐する。そして、最終ラウンド用の残存球処理時間(例えば、1900ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS789)。次いで、大当りエンディングコマンドを準備し(ステップS790)、演出コマンド設定処理を行う(ステップS791)。これにより、大当りエンディングコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に大当りエンディングコマンドに対応した演出表示(例えば、大当りのエンディングを報知するような演出表示)が行われることになる。
ステップS791を経ると、ステップS792へ進む。
ステップS788やステップS791からステップS792へ進むと、処理番号として「9」を設定し(ステップS792)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「9」をセーブ)する(ステップS793)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「9」が選択され、大入賞口残存球処理(ステップS388)に分岐することになる。
次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブする(ステップS794)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド202がオフして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがそれぞれ停止制御されることになる。ステップS794を経ると、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大当り動作移行設定処理〕
次に、上述の大入賞口開放中処理における大当り動作移行設定処理(ステップS784)の詳細について、図78(a)により説明する。
図78(a)に示すように、大当り動作移行設定処理では、まず、特図当り中制御ポインタによる分岐判定を行う(ステップS801)。この分岐判定では、特図当り中制御ポインタが「偶数」又は「奇数」で分岐先が異なる。
すなわち、特図当り中制御ポインタが「偶数」であれば、ステップS802に分岐し、ウエイト時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS802)。ウエイト時間は、大当り時に変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放動作をするときの今回の開放と、次回の開放との間における間隔の期間であり、ウエイト時間としては、例えば800msに設定される(図78(b)の上段参照)。
次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブする(ステップS803)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド202がオフして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖制御されることになる。ステップS803を経ると、大当り動作移行設定処理を終了する。
一方、特図当り中制御ポインタが「奇数」であれば、ステップS804に分岐し、大当り開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップS804)。ステップS804では、大当り開放時間として、図78(b)の上段に示す「開閉」態様での開放時間(例えば800ms)が設定される。
次いで、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップS805)。これにより、第1大入賞口ソレノイド201及び第2大入賞口ソレノイド202がオンして、変動入賞装置35の可動部材43a、43bがステップS805で設定された大当り開放時間に基づいて開放制御されることになる。ステップS805を経ると、大当り動作移行設定処理を終了する。
〔大当り動作のタイミングチャート〕
次に、大当り動作の具体例につき、図78(b)に示す大当り動作のタイミングチャートを参照して説明する。
図78(b)に示すように、大当り動作では以下の態様がある。
・「開閉」態様
第1特定領域スイッチ80a、第2特定領域スイッチ80b、および第3特定領域80cによって遊技球の通過が検出された場合における全てのラウンドで行われる遊技態様である。
・「ロング開放」態様
第4特定領域スイッチ80dによって遊技球の通過が検出された場合における全てのラウンドで行われる遊技態様である。
「開閉」態様は、図78(b)の上段に示すように、大当りの1ラウンドの動作として、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは800ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。
したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが800ms開放状態となり、この期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の大当り動作が行われる。次の開放遊技まで可動部材43a、43bが閉鎖している閉鎖期間(800ms)が設けられている。
そして、上記のような可動部材43a、43bの開放・閉鎖制御が1ラウンド全体で18回繰り返して行われ、この18回の開放・閉鎖制御が1ラウンドとして構成されている。すなわち、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが(800msオン+800msオフ)×18回=1ラウンド遊技という形態である。
なお、16R大当りでは、大当りを発生させる初回の遊技は大当りラウンドの出玉のある遊技には該当しないので、実質的に出玉のあるラウンドは15Rとなる。
フル開放の大当りでは、上記のような1ラウンド遊技が実行される。そして、各ラウンドの最終回で変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖になると、図78(b)の上段に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、大当り残存球時間は「900ms」という期間になる。
なお、この場合の残存球時間(900ms)は短く、仮に変動入賞装置35の内部に残存球が存在していたとしても、次のラウンド遊技に移行する。次のラウンド遊技の実行中に、当該残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出る可能性が高いからである。
次いで、次のラウンド遊技に移行するまでの期間は、インターバル期間(例えば、100ms)となる。
このようにして、「開閉」態様の大当りでは上記のような1ラウンド遊技が15ラウンド(「16R大当り」の場合)、7ラウンド(「8R当り」の場合)、または4ラウンド(「5R当り」の場合)まで繰り返して実行され、最終のラウンド遊技の最終回で変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖になると、図78(b)の上段に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、この場合のみ大当り残存球時間は「1900ms」という期間になり、長めの時間に設定される。これは、15ラウンド遊技の最終回での残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出るまで、やや長い時間を要するからである。そして、この残存球時間(「1900ms」が経過すると、大当り終了動作へ移行する。
「ロング開閉」態様は、図78(b)の下段に示すように、大当りの1ラウンドの動作として、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは20000ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。
したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが20000ms開放状態となり、この期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の大当り動作が行われる。
そして、上記のように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放・閉鎖動作をした後は、図78(b)の下段に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、大当り残存球時間は「900ms」という期間になる。
なお、この場合の残存球時間(900ms)は短く、仮に変動入賞装置35の内部に残存球が存在していたとしても、次のラウンド遊技に移行する。次のラウンド遊技の実行中に、当該残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出る可能性が高いからである。
次いで、次のラウンド遊技に移行するまでの期間は、インターバル期間(例えば、100ms)となる。
このようにして、「ロング態様」の大当りでは上記のような1ラウンド遊技が繰り返して実行され、最後のラウンド遊技の最終回で変動入賞装置35の可動部材43a、43bが閉鎖になると、図78(b)の下段に示すように、上記閉鎖したタイミングから大当り残存球時間が始まり、この場合のみ大当り残存球時間は「1900ms」という期間になり、長めの時間に設定される。これは、最後のラウンド遊技の最終回での残存球は変動入賞装置35から外部に抜け出るまで、やや長い時間を要するからである。そして、この残存球時間(「1900ms」が経過すると、大当り終了動作へ移行する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップS388)の詳細について、図79により説明する。
図79に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、大当り遊技の最終ラウンド(例えば、16R大当りであれば、16ラウンドのこと)であるか否かを判定し(ステップS811)、大当り遊技の最終ラウンドでなければ(ステップS811;NO)、大入賞口動作判定テーブルを設定する(ステップS812)。次いで、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するインターバル時間を設定する(ステップS813)。ステップS811、S812の設定により、次のラウンド遊技の内容が決定されることになる。
次いで、処理番号として「7」を設定し(ステップS815)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「7」をセーブ)する(ステップS816)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「7」が選択され、ファンファーレ/インターバル中処理(ステップS386)に分岐することになる。
次いで、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS817)。
大入賞口開放終了に開始に関する信号としては、以下のものがあり、オフの状態である。
・特別電動役物1作動中信号をオフ
ステップS817を経ると、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、大当り遊技の最終ラウンドであれば(ステップS811;YES)、残存球カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップS818)。残存球カウンタが「0」でなければ(ステップS818;NO)、変動入賞装置35の内部に未だ残存球が存在するので、大当り終了処理(ステップS392)には移行せず、大入賞口残存球処理を終了する。そして、ルーチンを繰り返して、残存球カウンタが「0」になると(ステップS818;YES)、残存球が無しになったので、処理番号として「10」を設定し(ステップS819)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「10」をセーブ)する(ステップS820)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「10」が選択され、大当り終了処理(ステップS389)に分岐することになる。
次いで、大当りエンディング時間(例えば、6100ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップS821)、大入賞口開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS822)。
大入賞口開放終了に関する信号としては、以下のものがあり、オフの状態である。
・特別電動役物1作動中信号をオフ
次いで、大入賞口カウント数領域をクリアする(ステップS823)。これは、大当り動作の終了に伴い、大当りエンディング時間を設定してエンディングの演出を行うとともに、大入賞口(変動入賞装置35)への遊技球の入賞のカウント数をクリアして、次回の当り(大当り、小当りの双方を含む)動作に備えるものである。次いで、ラウンド数領域をクリアする(ステップS824)。次いで、大入賞口開放情報領域をクリアする(ステップS825)とともに、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップS826)。これは、大当りの動作が終了して、再び、大入賞口不正監視期間となるので、不正監視期間に戻すための処理を行うものである。
次いで、役物ソレノイド制御ポインタ領域に停止動作の値をセーブして(ステップS827)、役物ソレノイド制御タイマ領域を0クリアする(ステップS828)。
次いで、M1制御ポインタ領域にM1大当り終了動作の値をセーブして(ステップS829)、M1制御タイマ領域を0クリアして(ステップS830)、大入賞口残存球処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップS389)の詳細について、図80により説明する。
図80に示すように、大当り終了処理では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップS831)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ここでは「1」をセーブ)する(ステップS832)。これにより、次回の特図ゲーム処理におけるルーチンでは、処理番号によるサブルーチンコールの分岐先判定で処理番号として「1」が選択され、特図普段処理(ステップS380)に分岐することになる
次いで、LEDをオフさせるために、遊技状態表示番号1領域に通常中の番号をセーブする(ステップS833)とともに、遊技状態表示番号2領域に通常中の番号をセーブする(ステップS835)。
次いで、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップS835)。これにより、大当りの終了に関する信号などパチンコ機1に関する情報を外部情報信号として外部情報端子板55へ出力することになる。
大当りの終了に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオフの状態である。
・大当り1信号をオフ
・大当り2信号をオフ
次いで、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップS835)。
大当りの終了に関する信号としては、以下のものがあり、何れもオフの状態である。
・条件装置作動中信号をオフ
・役物連続作動装置作動中信号をオフ
次いで、大当り2制御回数領域に初期値をセーブする(ステップS837)。特図表示中処理において判定前に大当り2制御回数を減算するため、初期値として、規定回数(ここでは10回)に1を加算した値、すなわち「11」をセーブする。
次いで、ラウンド表示LEDポインタ領域に消灯の番号をセーブして(ステップS838)、大当り終了処理を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、各処理における演出コマンド設定処理を図81により説明する。なお、この演出コマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理におけるコマンド設定処理に共通する処理である。
この演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップS841)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるか否かを判定する(ステップS842)。演出用シリアル送信バッファが満杯であれば(ステップS842;YES)、ステップS841に戻ってル−プを繰り返す。これにより、演出用シリアル送信バッファが満杯でなくなるまで待つことになる。
一方、演出用シリアル送信バッファが満杯でなければ(ステップS842;NO)、ステップS843に進んでコマンドデータ(MODE(上位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップS843)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップS844)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるか否かを判定する(ステップS845)。演出用シリアル送信バッファが満杯であれば(ステップS845;YES)、ステップS844に戻ってル−プを繰り返す。これにより、演出用シリアル送信バッファが満杯でなくなるまで待つことになる。
一方、演出用シリアル送信バッファが満杯でなければ(ステップS845;NO)、ステップS846に進んでコマンドデータ(ACTION(下位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込む。ステップS846を経ると、演出コマンド設定処理を終了する。
このように、演出制御装置300に対してはシリアル通信でコマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置100の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置300においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。なお、払出制御装置200へもシリアル通信によりコマンドを送信するようにしても良い。
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップS391,S393)の詳細について、図82により説明する。
図82に示すように、図柄変動制御処理では、まず、ステップS851で対象の図柄の変動制御フラグ(下記の(イ)から読みだす)が変動中か否かをチェックする。
ここで、予め準備されている変動制御テーブル上に定義されている情報は、以下の通りである。
(イ)変動制御フラグ領域のアドレス
(ロ)図柄表示テーブル(変動用)のアドレス
(ハ)図柄表示テーブル(停止用)のアドレス
また、図柄表示テーブル(変動用)上に定義されている情報は、以下の通りである。
(ニ)変動図柄番号領域のアドレス
(ホ)表示データ(変動図柄番号の数分ある)
(ヘ)セグメント領域のアドレス
さらに、図柄表示テーブル(停止用)上に定義されている情報は、以下の通りである。
(ト)停止図柄番号領域のアドレス
(チ)表示データ(停止図柄番号の数分ある)
(リ)セグメント領域のアドレス
ステップS851のチェック結果はステップS852で判定し、変動中であれば(YES)、ステップS853に進んで、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)(上記の(ロ))を取得する。次いで、ステップS854で対象の点滅変動タイマを「−1」更新し、タイムアップしたか(点滅変動タイマ=0か)否かをチェックする。ステップS854のチェック結果はステップS855で判定し、タイムアップしていなければ(NO)、ステップS858にジャンプして、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データ(上記の(ホ)、(チ))を取得する。
次いで、ステップS859に進み、取得した表示データを対象のセグメント領域(上記の(ヘ)、(リ))にセーブして、ルーチンを終了する。
したがって、このときは対象の図柄の変動タイマがタイムアップしないので、変動用の図柄番号に対応する図柄の表示データが対象のセグメント領域にセーブされて、ルーチンが繰り返されることになる。
一方、上記ステップS855で対象の点滅変動タイマがタイムアップしたと判定(YES)すると、ステップS856に進んで、点滅制御タイマ初期値(例えば、100ms)を対象の点滅制御タイマ領域にセーブする。次いで、ステッS857で対象の変動図柄番号(上記の(ニ))を「+1」更新した後、ステップS858に進み、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データ(上記の(ホ)、(チ))を取得する。次いで、ステップS859に進み、取得した表示データを対象のセグメント領域(上記の(ヘ)、(リ))にセーブして、ルーチンを終了する。
したがって、このときは対象の点滅変動タイマがタイムアップしたことにより、点滅制御タイマ初期値がセーブされて、対象の変動図柄番号が更新され、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データが対象のセグメント領域にセーブされることになる。
一方、上記ステップS852で対象の図柄の変動制御フラグが変動中でなく停止中であれば(NO)、ステップS860に分岐して、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)(上記の(ハ))を取得し、次いで、ステップS861で対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し、次いで、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブ(ステップS859)してルーチンを終了する。
したがって、このときは対象の図柄の変動制御フラグが変動中から停止したことにより、停止用の図柄表示データが対象のセグメント領域にセーブされることになる。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップS635)の詳細について、図83により説明する。
振り分け処理は、変動パターン乱数に基づいて、特図1変動パターン選択テーブルや特図2変動パターン選択テーブル等の選択テーブルから特図変動表示ゲームの変動パターンを選択するための処理である。
図83は、振り分けに使用する乱数のサイズが2バイトである場合における2バイト振り分け処理のフローチャートである。2バイトのデータとしては、例えば「0」から「49999」まである。
このルーチンが開始されると、まずステップS881で対象の選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしコードか否かをチェックする。
ここで、選択テーブルは少なくとも一の変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しており、例えば振り分けの必要がなければ、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである(ステップS882;YES)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップS887)、2バイト振り分け処理を終了する。
一方、ステップS882にて、選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない(ステップS882;NO)と判定すると、選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップS883)。
続けて、ステップS881にてチェックした乱数値(例えば、変動パターン乱数の値)からステップS883にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(ステップS884)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップS885)。
ここで、新たな乱数値が「0」よりも小さくない(ステップS885;NO)と判定すると、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップS886)、処理をステップS883に戻ってループを繰り返す。
すなわち、ステップS883にて、選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップS884において判定済みの新たな乱数値を乱数値として振り分け値を減算することで、新たな乱数値を算出する(ステップS884)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップS885)。
上記の処理をステップS885にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップS885;YES)と判定するまでループを繰り返して実行する。これにより、選択テーブルに規定されている少なくとも一の変動パターングループの中から何れか一の変動パターングループを選択する。
そして、ステップS885にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップS885;YES)と判定すると、処理をステップS887に移行して、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップS887)、2バイト振り分け処理を終了する。
このように、例えば変動パターン乱数は、特図変動表示ゲームにてリーチ状態を発生させるか否かの決定、及び、当該リーチ状態が発生する場合の特図変動表示ゲームにおけるリーチ変動態様の決定に係るものであり、上記の選択テーブルは、特図1変動パターン選択テーブルや特図2変動パターン選択テーブル等の変動グループ選択テーブルに相当するものである。
そして、特図1変動パターン選択テーブルや特図2変動パターン選択テーブル等の選択テーブルは、特図変動表示ゲームにおけるリーチ状態の発生の有無や当該リーチ状態が発生する場合の特図変動表示ゲームにおけるリーチの種類(リーチ変動態様)に応じて、複数種類の後半変動パターングループが規定されており、当該変動グループ選択テーブルを記憶するROM171Bは、特図変動表示ゲームにおける第1特図、第2特図(識別情報)の変動態様として、リーチ状態の発生しないリーチなし変動態様並びに複数種類のリーチ変動態様の各々の設定に係る複数の変動振り分け情報(変動パターングループ)とそれぞれの振り分け値とを所定の順序で対応付けて記憶している。
したがって、この振り分け処理を実行することにより、選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードではない場合には、選択テーブルに記憶されている振り分け値及び当該判定に係る乱数値に基づいて、新たな乱数値を算出し、新たな乱数値が所定値「0」未満であるか否かを判定する処理を繰り返すことで、複数の変動パターングループのうち、何れか一の変動パターングループを速やかに設定することができるようにしている。
〔役物ソレノイド制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における役物ソレノイド制御処理(ステップS394)の詳細について、図84により説明する。
図84に示すように、役物ソレノイド制御処理では、まず、役物ソレノイド制御ポインタが更新なしコードであるか否かを判定する(ステップS891)。役物ソレノイド制御ポインタが更新なしコードであれば(ステップS891;YES)、役物ソレノイド制御処理を終了する。
一方、役物ソレノイド制御ポインタが更新なしコードでなければ(ステップS891;NO)、役物ソレノイド制御タイマを「−1」更新し(ステップS892)、役物レノイド制御タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップS893)。役物ソレノイド制御タイマが「0」でなければ(ステップS893;NO)、役物ソレノイド制御処理を終了して、ルーチンを繰り返す。
役物ソレノイド制御タイマが「0」であれば(ステップS893;YES)、役物ソレノイド制御テーブルを設定し(ステップS894)、役物ソレノイド制御ポインタに対応するテーブルアドレスを算出する(ステップS895)。
続いて、次動作の制御ポインタを取得し、役物ソレノイド制御ポインタ領域にセーブする(ステップS896)。次いで、次動作の制御タイマを取得し、役物ソレノイド制御タイマ領域にセーブする(ステップS897)。次いで、次動作の出力データを取得し、役物ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップS898)。
そして、ステップS898を経ると、役物ソレノイド制御処理を終了する。
このように、役物ソレノイド制御処理では、役物装置51における床役物(床部61)を上下に回動駆動するための床役物ソレノイド61b1の制御が行われるとともに、ランプ報知等で遊技者に有利な情報(床部61と太鼓役物62との隙間が遊技球の直径よりも小さくなるタイミングを教えるような情報)を演出する処理が行われる。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、前記タイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS73)について、図85により説明する。
なお、以降のフローチャートの説明では、ステップ番号として「ステップA」を用いて説明する。
セグメントLED編集処理は一括表示装置50(図2や図35参照)に設けられたセグメントLEDに関する処理を行うものであり、一括表示装置50は前述したように、いわゆる特図(本特図)の表示、さらには特図(本特図)の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。例えば、一括表示装置50の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示するものは特図1表示器、特図2を表示するものは特図2表示器として配置されている。
これらの表示は、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個のランプや7セグメント表示器)によって行われる構成であり、このようなセグメントLEDで構成されたものの駆動に関する設定等を行うのがセグメントLED編集処理である。
図85に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、遊技状態表示テーブル1を設定する(ステップA1)。遊技状態表示テーブル1は、現在の遊技状態を表示させるためのもので、ここでは大当り中か否か等の遊技状態を報知する第1遊技状態表示部D7,D8の表示に必要なデータが設定される。次いで、遊技状態表示番号1に対応する表示データを取得し、セグメント領域(一括表示装置50における第1遊技状態表示部D7,D8のセグメント領域)にセーブする(ステップA2)。
次いで、遊技状態表示テーブル2を設定する(ステップA3)。遊技状態表示テーブル2は、現在の遊技状態を表示させるためのもので、ここでは連続大当り中か否か等の遊技状態を報知する第2遊技状態表示部D9、D10及びD13〜D18の表示に必要なデータが設定される。連続大当りとは、前回の特別遊技状態の終了から規定回数(ここでは10回)以内の特図変動表示ゲームの実行で再度の特別遊技状態が発生した場合である。
次いで、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得し、セグメント領域(一括表示装置50における第2遊技状態表示部D9,D10及びD13〜D18のセグメント領域)にセーブする(ステップA4)。
次いで、ラウンド表示テーブルを設定する(ステップA5)。ラウンド表示テーブルは、ラウンド抽選の抽選結果を表示させるためのもので、例えばラウンド抽選役物(決定装置80)において決定されたラウンド数を報知するラウンド表示部D3〜D5の表示に必要なデータが設定される。
次いで、ラウンド表示LEDポインタに対応する表示データを取得し、セグメント領域(一括表示装置50におけるラウンド表示部D3〜D5のセグメント領域)にセーブする(ステップA6)。
次いで、特図2保留数表示テーブルを設定する(ステップA7)。特図2保留数表示テーブルは現在の特図2の保留状態を表示させるためのもので、例えば特図2の保留があるか否か等の遊技状態を報知する特図2保留表示器D11,D12の表示に必要なデータが設定される。
次いで、特図2保留数に対応する表示データを取得し、セグメント領域(一括表示装置50における特図2保留表示器D11,D12のセグメント領域)にセーブする(ステップA8)。ステップA8を経ると、セグメントLED編集処理を終了する。
〔モータ制御処理〕
次に、前記タイマ割込み処理におけるモータ制御処理(ステップS74)について、図86により説明する。
本実施例では、役物モータとして、太鼓役物モータ66(第1モータ)と、V可動役物モータ71(第2モータ)と、ラウンド抽選役物モータ88(第3モータ)との3つを配置している。太鼓役物モータ66(第1モータ)は太鼓役物ユニット60における太鼓役物62の回転を駆動するものである。また、V可動役物モータ71(第2モータ)はV可動役物ユニット70におけるV可動部材77のスライド移動を駆動するものである。また、ラウンド抽選役物モータ88(第3モータ)は決定装置80における回転体(水平可動部材82および垂直可動部材85)の回転を駆動するものである。
図86に示すように、モータ制御処理では、まず、モータ1制御領域の先頭領域のアドレスを準備し(ステップA11)、モータ1動作テーブルを準備して(ステップA12)モータ動作編集処理を行う(ステップA13)。ステップA13のモータ動作編集処理はモータ1制御テーブルを用いて役物モータ(第1モータ)の球噛み処理等を行うものである。
このように、モータ1制御領域の先頭領域のアドレスが準備され、モータ1動作テーブルを用いて役物モータ(第1モータ)の駆動が制御されて、太鼓役物ユニット60における太鼓役物62の回転が駆動されることになる。
次いで、モータ2制御領域の先頭領域のアドレスを準備し(ステップA14)、モータ2動作テーブルを準備して(ステップA16)、モータ動作編集処理を行う(ステップA17)。ステップA17のモータ動作編集処理はモータ2制御テーブルを用いて役物モータ(第2モータ)の球噛み処理等を行うものである。
このように、モータ2制御領域の先頭領域のアドレスが準備され、モータ2動作テーブルを用いて役物モータ(第2モータ)の駆動が制御されて、V可動役物ユニット70におけるV可動部材77のスライド移動が駆動されることになる。
次いで、モータ3制御領域の先頭領域のアドレスを準備し(ステップA17)、モータ3動作テーブルを準備して(ステップA18)、モータ動作編集処理を行う(ステップA19)。ステップA19のモータ動作編集処理はモータ3制御テーブルを用いて役物モータ(第3モータ)の球噛み処理等を行うものである。
このように、モータ3制御領域の先頭領域のアドレスが準備され、モータ3動作テーブルを用いて役物モータ(第3モータ)の駆動が制御されて、決定装置80における回転体(水平可動部材82および垂直可動部材85)の回転が駆動されることになる。ステップA19を経ると、モータ制御処理を終了する。
〔モータ動作編集処理〕
次に、上述したモータ制御処理におけるモータ動作編集処理(ステップA13、A16、A19)について、図87および図88により説明する。
図87および図88に示すように、モータ動作編集処理では、まず、対象の制御ポインタが更新なしコードであるか否かを判定する(ステップA31)。対象の制御ポインタが更新なしコードであれば(ステップA31;YES)、モータ動作編集処理を終了する。
本処理での「対象の」とは、当該モータ動作編集処理がステップA13のモータ動作編集処理であれば、当該モータ動作編集処理において制御の対象としている太鼓役物モータ66を指し、当該モータ動作編集処理がステップA16のモータ動作編集処理であれば、当該モータ動作編集処理において制御の対象としているV可動役物モータ71を指し、当該モータ動作編集処理がステップA19のモータ動作編集処理であれば、当該モータ動作編集処理において制御の対象としているラウンド抽選役物モータ88を指している。
一方、対象の制御ポインタが更新なしコードでなければ(ステップA31;NO)、ステップA32へ進み、対象の制御タイマが「0」であるか否かを判定する。対象の制御タイマが「0」であれば(ステップA32;YES)、ステップA57にジャンプする。
対象の制御ポインタが更新なしコードでなく(ステップA31;NO)、かつ、対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA32;NO)、ステップA33に進み、対象の制御タイマを「−1」更新する(ステップA33)。次いで、対象の制御タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA34)、対象の制御タイマが「0」でなければ(ステップA34;NO)、ステップA46にジャンプする。
一方、対象の制御タイマが「0」であれば(ステップA34;YES)、ステップA35へ進む。
ステップA35へ進むと、対象の制御情報が時間値制御であるか否かを判定する。これは、モータ制御を行うにあたり、対象の制御情報が時間の値を制御するものであるを判定するものである。対象の制御情報が時間値制御であれば(ステップA35;YES)、ステップA57にジャンプする。
一方、対象の制御情報が時間値制御でなければ(ステップA35;NO)、ステップA36に進み、対象の球噛み処理回数を「+1」更新する。これは、対象の制御情報が時間の値を制御するものでない(すなわち、モータスイッチの状態を監視する制御)にもかかわらず、モータスイッチを検出するまでに要する時間値以上に設定された対象の制御タイマが「0」になるまで更新された状態であるので、遊技球が何らかの球噛みを起こしている可能性があることから、対象の球噛み処理回数を「+1」更新するものである。
これは、役物装置51や決定装置80の内部で球噛みを起こしたときに、その回数をカウントしておくものである。
球噛みを起こした場合には、例えば役物モータを逆回転させる等の処理を行えば、球噛みが解消することが多い。
次いで、対象の球噛み処理回数をエラー発生判定値(例えば、3回)と比較し、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であるか否かを判定する(ステップA37)。
なお、図面(図87等)においては、「玉噛み」と表記している場合もあるが、これは「球噛み」と同じ意味であり、遊技機の分野ではどちらの表現も使用することもあるので、そのようにしている。
対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上でなければ(ステップA37;NO)、ステップA43にジャンプする。
一方、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であれば(ステップA37;YES)、対象の球噛み処理回数を上限値(例えば、上限値=エラー発生判定値(例えば、上記のように「3」)に留め(ステップA38)、既に球噛みがエラー発生しているか否かを判定する(ステップA39)。既に球噛みがエラー発生していなければ(ステップA39;NO)、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー発生フラグをセーブする(ステップA40)とともに、対象の役物エラー発生コマンドを準備して(ステップA41)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA42)。これにより、対象の球噛み処理回数がエラー発生判定値以上であって、未だ球噛みがエラー発生していない場合には、役物エラー発生コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に役物エラー発生コマンドに対応した演出表示(例えば、役物の球噛みエラー発生を報知する表示)が行われることになる。ステップA42を経ると、ステップA43へ進む。
ステップA43へ進むと、大当り動作中であるか否かを判定し(ステップA43)、大当り動作中でない場合(ステップA43;NO)には、ステップA57に進む。大当り中でなければ、球噛み処理動作(図34参照)を行わずに、遊技状態に合わせた通常の動作を継続するため、ステップA57に進む。
一方、大当り動作中である場合(ステップA43;YES)には、対象の球噛み処理中フラグをセットし(ステップA44)、制御ポインタとして対象の球噛み時次ポインタをロードして(ステップA45)、ステップA621へ進む(図88)。
一方、既に球噛みがエラー発生していれば(ステップA39;YES)、ステップA40乃至ステップA42の処理を行わずに、ステップA43にジャンプし、ステップA43以降の処理を実行する。
ステップA46に進むと、対象の制御情報が時間値制御であるか否かを判定する。これは、モータ制御を行うにあたり、対象の制御情報が時間の値を制御するものであるかを判定するものである。対象の制御情報が時間値制御であれば(ステップA46;YES),ステップA71にジャンプする。
一方、対象の制御情報が時間値制御でなければ(ステップA46;NO),ステップA47に進み、モータ制御情報テーブルを設定する(ステップA47)とともに、制御情報に対応するテーブルアドレスを算出する(ステップA48)。次いで、監視対象となるモータスイッチのスイッチ制御領域のアドレス、監視ビットデータ、判定データを取得する(ステップA49)。
ここで監視対象となるモータスイッチとは、太鼓役物62の位置(太鼓役物モータ66の初期位置等であっても良い。)を検出する太鼓役物モータスイッチ66a、V可動部材77の位置(V可動役物モータ73の初期位置等であっても良い。)を検出するV可動役物モータスイッチ73a、水平可動部材82の位置(水平可動部材85の位置やラウンド抽選役物モータ88の初期位置等であっても良い。)を検出するラウンド抽選役物モータスイッチ88a等のモータスイッチのうち、現在監視対象としているスイッチを指している。
ステップA49を経ると、次いで、ステップA50に進み、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックする(ステップA49)。これにより、役物モータスイッチ66a,73a,88a等のモータスイッチのうち、現在監視対象としているスイッチの状態がチェックされる。
次いで、次動作移行条件が成立しているか否かを判定する(ステップA51)。これは、対象の制御情報が時間値制御でなく、モータ制御情報テーブルを設定し、制御情報に対応するテーブルアドレスを算出し、監視対象となるモータスイッチのスイッチ制御領域のアドレス、監視ビットデータ、判定データを取得し、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックしているので、次の動作への移行が可能かを判定しているものである。
次動作移行条件が成立していなければ(ステップA51;NO)、ステップA71(図88)へジャンプする。一方、次動作移行条件が成立していれば(ステップA51;YES)、対象の球噛み処理回数を「0」クリアする(ステップA52)。次いで、既に球噛みエラーが解除されているか否かを判定し(ステップA53)、既に球噛みエラーが解除されていれば(ステップA53;YES)、ステップA57にジャンプする。
一方、既に球噛みエラーが解除されていなければ(ステップA53;NO)、ステップA54に進み、対象の役物エラー状態フラグ領域に役物エラー解除フラグをセーブする(ステップA54)とともに、対象の役物エラー解除コマンドを準備して(ステップA55)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA56)。これにより、取得したデータを用いて監視対象となるモータスイッチの状態をチェックし、次の動作への移行条件が成立している場合には、対象の球噛み処理回数が「0」クリアされ、対象の役物エラー解除コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45に役物エラー解除コマンドに対応した演出表示(例えば、役物の球噛みエラーの解除を報知する表示)が行われることになる。ステップA56を経ると、ステップA57へ進む。
ステップA57へ進むと、対象の制御ポインタをロードし(ステップA57)、ロードした制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものであるか否かを判定する(ステップA58)。制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものであれば(ステップA58;YES)、対象の球噛み処理中フラグをクリアする(ステップA59)とともに、制御ポインタとして対象の球噛み復帰ポインタをロードする(ステップA60)。ステップA60を経ると、ステップA61へ進む。
一方、制御ポインタが球噛み復帰動作を行うものでなければ(ステップA58;NO)、ステップA61へジャンプする。
ステップA61へ進むと、制御ポインタに対応するモータ動作テーブルのアドレスを算出して(ステップA61)、制御ポインタを取得し、対象の制御ポインタ領域にセーブする(ステップA62)とともに、制御タイマを取得し、対象の制御タイマ領域にセーブする(ステップA63)。
次いで、制御情報を取得し、対象の制御情報領域にセーブする(ステップA64)とともに、励磁情報を取得し、対象の励磁情報領域にセーブして(ステップA65)、対象の励磁タイマ領域をクリアする(ステップA66)。
ここで、励磁情報は対象のモータ(役物モータスイッチ66a,73a,88a等のモータスイッチ)を励磁、つまり、オン作動(回転駆動)させる情報のことである。
次いで、制御情報が時間値制御であるか否かを判定する(ステップA67)。これは、モータ制御を行うにあたり、対象の制御情報が時間の値を制御するものであるを判定するものである。対象の制御情報が時間値制御であれば(ステップA67;YES)、ステップA70にジャンプする。そして、ステップA70では対象の球噛み時次ポインタ領域に更新なしコードをセーブし(ステップA70)、その後、ステップA71に進む。
一方、制御情報が時間値制御でなければ(ステップA67;NO),ステップA68に進み、球噛み時次ポインタを取得し、対象の球噛み時次ポインタ領域にセーブする(ステップA68)。次いで、更新前の制御ポインタを、対象の球噛み復帰ポインタ領域にセーブし(ステップA69)、その後、ステップA71に進む。
ここで、ステップA61からステップA69までの処理は、球噛み処理から復帰する場合の復帰ポイントの値を設定するものである。
ステップA69やステップA70からステップA71に進むと、対象の励磁タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップA71)。対象の励磁タイマが「0」でなければ(ステップA71;NO)、対象の励磁タイマを「−1」更新し(ステップA72)、対象の励磁タイマが「0」になったか否かを判定する(ステップA73)。対象の励磁タイマが「0」になっていなければ(ステップA73;N0)、モータ動作編集処理を終了する。
一方、対象の励磁タイマが「0」である場合(ステップA71;YES)や、対象の励磁タイマが「0」になった場合(ステップA73;YES)には、ステップA74にジャンプする。
ステップA71で対象の励磁タイマが「0」と判定した場合やステップA73で対象の励磁タイマが「0」と判定した場合には、何れも対象の励磁タイマが「0」であるから、ステップA74に進み、対象の励磁情報が停止の情報であるか否かを判定する(ステップA74)。対象の励磁情報が停止の情報であれば(ステップA74;YES)、対象の励磁データ領域に出力オフデータをセーブし(ステップA75)、その後、モータ動作編集処理を終了する。
一方、対象の励磁情報が停止の情報でなければ(ステップA74;NO)、ステップA76に進み、モータ励磁情報テーブルを設定する(ステップA76)とともに、対象の励磁情報に対応するテーブルのアドレスを算出し(ステップA77)、励磁タイマを取得し、対象の励磁タイマ領域にセーブする(ステップA78)。
次いで、励磁カウンタ加算値を取得し、対象の励磁カウンタと加算する(ステップA79)。次いで、加算後の値を「0」乃至「3」の範囲に補正する(ステップA80)。
ここで、対象のモータ(役物モータスイッチ66a,73a,88a等のモータスイッチ)が時計回り回転(CW回転)の場合には「+1」、「+2」が加算値となり、モータが反時計回り回転(CCW回転)の場合には「−1」、「−2」が加算値となる。
これは、球噛みを起こした場合には、役物モータを逆回転あるいは正回転させて、球噛みを解消させるためである。
ステップA80を経ると、次いで、ステップA81に進み、補正後の値を対象の励磁カウンタ領域にセーブし(ステップA81)、モータ励磁データテーブルを設定する(ステップA82)。次いで、対象の励磁カウンタに対応するテーブルのアドレスを算出し(ステップA83)、続いて、出力データを取得し、対象の励磁データ領域にセーブする(ステップA84)。ステップA84を経ると、モータ動作編集処理を終了する。
〔異常排出監視処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における異常排出監視処理(ステップS75)について、図89により説明する。
図89に示すように、異常排出監視処理では、まず、左大入賞口スイッチ103に入力があるか否かを判定する(ステップA111)。これは、変動入賞装置35への入賞を検出している左大入賞口スイッチ103からの入力信号が遊技制御装置100にあるか(つまり、左大入賞口スイッチ103が変動入賞装置35への入賞を検出したか)というものである。
ここで、変動入賞装置35の入賞空間41に流入する遊技球を検出するために、左大入賞口スイッチ103及び右大入賞口スイッチ104が設けられており、また、変動入賞装置35から外部に排出される遊技球を検出するために、残存球排出口スイッチ112,113が設けられている。
この場合、変動入賞装置35に入賞した遊技球が外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するのが残存球の監視機能である。
本実施例では、上記のメカニズムを残存球の監視機能とは別に、異常排出の監視機能として活用している。すなわち、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するのとは別に、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放していないのに、残存球排出口スイッチ112,113が遊技球の排出を検出すると、それは異常排出であり、例えば変動入賞装置35への不正な入賞(つまり、左大入賞口スイッチ103や右大入賞口スイッチ104が遊技球の入賞を検出していないのに、残存球の排出が検出される状態)となる。
図89に示す異常排出監視処理は、上記のような遊技球の異常排出(例えば、変動入賞装置35への不正な入賞)を監視するものである。
フローに戻り、左大入賞口スイッチ103に入力があれば(ステップA111;YES)、異常排出カウンタを「+1」更新し(ステップA112)、その後、ステップA113へ進む。一方、左大入賞口スイッチ103に入力がなければ(ステップA111;NO)、ステップA113へジャンプする。
ステップA113へ進むと、右大入賞口スイッチ104に入力があるか否かを判定する(ステップA113)。これは、変動入賞装置35への入賞を検出している右大入賞口スイッチ104からの入力信号が遊技制御装置100にあるか(つまり、右大入賞口スイッチ104が変動入賞装置35への入賞を検出したか)というものである。
右大入賞口スイッチ104に入力があれば(ステップA113;YES)、異常排出カウンタを「+1」更新し(ステップA114)、その後、ステップA115へ進む。一方、右大入賞口スイッチ104に入力がなければ(ステップA113;NO)、ステップA115へジャンプする。
ステップA115へ進むと、排出口スイッチ1(第1残存球排出口スイッチ112)に入力があるか否かを判定する(ステップA115)。これは、変動入賞装置35から外部に遊技球が排出される状態を検出している第1残存球排出口スイッチ112からの入力信号が遊技制御装置100にあるか(つまり、第1残存球排出口スイッチ112が変動入賞装置35から排出される遊技球を検出したか)というものである。
排出口スイッチ1(第1残存球排出口スイッチ112)に入力があれば(ステップA115;YES)、異常排出カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップA116)。
ここで、異常排出カウンタが「0」であれば、上述したステップA111乃至ステップA114の処理を経て変動入賞装置35への入賞が無い状態にもかかわらず、第1残存球排出口スイッチ112が遊技球の排出を検出したのであるから、例えば変動入賞装置35への不正な入賞の可能性がある。したがって、異常排出カウンタが「0」であれば(ステップA116;YES)、ステップA121に分岐する。
一方、異常排出カウンタが「0」でなければ(ステップA116;NO)、異常排出カウンタを「−1」更新し(ステップA117)、その後、ステップA118へ進む。
また、排出口スイッチ1(第1残存球排出口スイッチ112)に入力がなければ(ステップA115;NO)、ステップA118へジャンプする。
ステップA118へ進むと、排出口スイッチ2(第2残存球排出口スイッチ113)に入力があるか否かを判定する(ステップA118)。これは、変動入賞装置35から外部に遊技球が排出される状態を検出している第2残存球排出口スイッチ113からの入力信号が遊技制御装置100にあるか(つまり、第2残存球排出口スイッチ113が変動入賞装置35から排出される遊技球を検出したか)というものである。
排出口スイッチ2(第2残存球排出口スイッチ113)に入力があれば(ステップA118;YES)、異常排出カウンタが「0」であるか否かを判定する(ステップA119)。
ここで、異常排出カウンタが「0」であれば、上述したステップA111乃至ステップA114の処理を経て変動入賞装置35への入賞が無い状態、又は変動入賞装置35への入賞があったが、第1残存球排出口スイッチ112により遊技球の排出が検出されて異常排出カウンタが「0」に戻っている状態の何れかであり、正規に入賞処理は済んでいるにもかかわらず、第2残存球排出口スイッチ113が遊技球の排出を検出したのであるから、例えば変動入賞装置35への不正な入賞の可能性があることになる。したがって、異常排出カウンタが「0」であれば(ステップA119;YES)、ステップA121に分岐する。
一方、異常排出カウンタが「0」でなければ(ステップA119;NO)、異常排出カウンタを「−1」更新し(ステップA120)、その後、異常排出監視処理を終了する。
また、排出口スイッチ2(第2残存球排出口スイッチ113)に入力がない場合も(ステップA118;NO)、異常排出監視処理を終了する。
異常排出の可能性があると判断してステップA121へ進んだ場合には、異常排出エラーフラグ領域を準備する(ステップA121)とともに、異常排出発生コマンドを準備する(ステップA122)。次いで、遊技停止エラーステータス更新処理を行う(ステップA123)。これにより、異常排出エラーフラグが立てられるとともに、異常排出発生コマンドに基づいて異常排出発生の遊技状態となり、遊技停止エラーステータスが更新されて、エラーの報知がされることになる。ステップA123を経ると、異常排出監視処理を終了する。
このように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放していないのに、残存球排出口スイッチ112,113が遊技球の排出を検出すると、それは異常排出であり、例えば変動入賞装置35への不正な入賞(つまり、左大入賞口スイッチ103や右大入賞口スイッチ104が遊技球の入賞を検出していないのに、残存球の排出が検出される状態)となるので、遊技停止エラーステータスが更新される処理を行われる。
〔遊技停止エラーステータス更新処理〕
次に、前記異常排出監視処理における遊技停止エラーステータス更新処理(ステップA123)について、図90により説明する。
図90に示すように、遊技停止エラーステータス更新処理では、まず、対象のエラーフラグ領域にエラー発生中フラグをセーブし(ステップA131)、遊技停止するエラーは発生していないか否かを判定する(ステップA132)。遊技停止するエラーが発生していれば(ステップA132;NO)、遊技停止エラーステータス更新処理を終了する。したがって、この場合には遊技停止するような重大なエラーが発生していることになり、遊技が停止されることになる。
一方、遊技停止するエラーが発生していなければ(ステップA132;YES)、遊技停止エラー状態領域にエラー動作中フラグをセーブする(ステップA133)。次いで、遊技停止エラー制御タイマ領域にタイマ初期値(例えば、10s)をセーブする(ステップA134)。次いで、演出コマンド設定処理を行う(ステップA135)。これにより、準備されたエラーコマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で準備されたエラーコマンドに対応したエラー演出表示が行われることになる。ステップA135を経ると、遊技停止エラーステータス更新処理を終了する。
〔不正監視処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における不正監視処理(ステップS76)について、図91により説明する。
図91に示すように、不正監視処理では、まず、磁気センサ115はオンであるか否かを判定する(ステップA141)。これは、磁気センサ115から出力されて第3入力ポート163(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサ115がオン、すなわち異常な磁気を検出したかを判定するものである。
磁気センサ115がオンである場合(ステップA141;YES)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを「+1」更新して(ステップA142)、当該タイマの値が規定時間(例えば、32ms)未満であるかを判定する(ステップA143)。
磁石不正監視タイマの値が規定時間未満である場合(ステップA143;YES)、すなわち異常な磁気を一定期間(例えば、32ms)継続して検出した場合は、磁石不正フラグ領域を準備する(ステップA144)とともに、磁石不正発生コマンドを準備し(ステップA145)、続いて、遊技停止エラーステータス更新処理を行う(ステップA146)。これにより、磁石不正の発生が確定し、準備された磁石不正発生コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で磁石不正発生コマンドに対応したエラー演出表示が行われることになる。ステップA146を経ると、磁石不正監視タイマ領域に1をセーブして(ステップA147)、ステップA148へ進む。
一方、上記ステップA141で磁気センサ115がオンでなければ(ステップA141;NO)、磁石不正は発生していないと判断し、磁石不正監視タイマ領域を0クリアする(ステップA149)。その後、ステップA148へ進む。
さらに、上記ステップA143で磁石不正監視タイマが規定時間未満でなければ(ステップA143;NO)、ステップA148へジャンプしてルーチンを繰り返すことになる。
ステップA148へ進むと、盤電波センサ114はオンであるか否かを判定する(ステップA148)。これは、盤電波センサ114から出力されて第3入力ポート163(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ114がオン、すなわち遊技盤30に対する異常な電波を検出したか(つまり、盤電波不正が発生したか)を判定するものである。
盤電波センサ114がオンである場合(ステップA148;YES)、すなわち異常な盤電波を検出した場合は、盤電波不正フラグ領域を準備する(ステップA150)とともに、盤電波不正発生コマンドを準備し(ステップA151)、続いて、遊技停止エラーステータス更新修正を行う(ステップA152)。これにより、準備された盤電波不正発生コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で盤電波不正発生コマンドに対応したエラー演出表示が行われることになる。ステップA152を経ると、ステップA153へ進む。
一方、盤電波センサ114がオンでなければ(ステップA148;NO)、すなわち異常な盤電波を検出しない場合は、ステップA153へジャンプする。
ステップA153へ進むと、ガラス枠又は本体枠の開放中であるか否かを判定する(ステップA153)。これは、ガラス枠5の開放がガラス枠開放検出スイッチ117によって検出され、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいてガラス枠開放エラー中かを判断する。同様に、本体枠(前面枠4)の開放が本体枠開放検出スイッチ118によって検出され、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいて本体枠開放エラー中かを判断する。
ガラス枠又は本体枠の開放中であれば(ステップA153;YES)、振動不正監視無効タイマ領域にタイマ初期値をセーブする(ステップA154)。このタイマ初期値としては、例えば3sが設定される。したがって、ガラス枠5又は本体枠(前面枠4)を閉じてから3秒間の振動は振動不正扱いにはしない。ステップA154を経ると、振動不正監視タイマ領域を0クリアして(ステップA155)、ステップA156へ進む。一方、ガラス枠又は本体枠の開放中でなければ(ステップA153;NO)、ステップA156へジャンプする。
ステップA156へ進むと、振動不正監視無効タイマが「0」でなければ、「−1」更新する(ステップA156)。次いで、振動不正監視無効タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA157)、振動不正監視無効タイマが「0」でなければ(ステップA157;NO)、不正監視処理を終了してルーチンを繰り返す。
一方、振動不正監視無効タイマが「0」であれば(ステップA157;YES)、振動センサ116はオンであるか否かを判定する(ステップA158)。これは、振動センサ116から出力されて第3入力ポート163(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、振動センサ116がオン、すなわち遊技盤30に対する不正な振動を検出したか(つまり、振動不正が発生したか)を判定するものである。
振動センサ116がオンでなければ(ステップA158;NO)、すなわち不正な振動を検出しない場合は、振動不正監視タイマ領域を0クリアして(ステップA166)、不正監視処理を終了する。
一方、振動センサ116がオンである場合(ステップA158;YES)、すなわち不正な振動を検出した場合は、特図小当り中であるか否かを判定する(ステップA159)。特図小当り中でなければ(ステップA159;NO)、振動不正監視タイマ領域を0クリアして(ステップA166)、不正監視処理を終了する。
特図小当り中であれば(ステップA159;YES)、不正な振動と判断してステップA160へ進み、振動不正監視タイマを+1更新して、振動不正監視タイマが規定時間(例えば20ms)未満であるか否かを判定して(ステップA161)、振動不正監視タイマが規定時間未満でない場合(ステップA161;NO)には、不正監視処理を終了する。
一方、振動不正監視タイマが規定時間未満である場合(ステップA161;YES)には、振動不正監視タイマ領域に1をセーブして(ステップS162)、振動不正フラグ領域を準備する(ステップA163)。これは、特図小当り中の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放動作が行われるので、そのときに大当り(V入賞)を狙う意図で遊技盤30を叩いて振動させる等の不正が行われることが多いことから、特に、特図小当り中のときに振動センサ116がオンである場合を不正な振動と判定するためである。
次いで、振動不正発生コマンドを準備し(ステップA164)、続いて、遊技停止エラーステータス更新処理を行う(ステップA165)。これにより、準備された振動不正発生コマンドが演出制御装置300へ送られることになり、演出制御装置300の制御により情報表示器45で振動不正発生コマンドに対応したエラー演出表示が行われることになる。ステップA165を経ると、不正監視処理を終了する。
〔発射制御処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における発射制御処理(ステップS77)について、図92により説明する。
図92に示すように、発射制御処理では、まず、遊技停止するエラーは発生していないか否かを判定する(ステップA171)。遊技停止するエラーが発生していれば(ステップA171;YES)、特図ゲームは特図電源投入動作処理中であるか否かを判定する(ステップA172)。特図ゲームが特図電源投入動作処理中であれば(ステップA172;YES)、ステップA175に分岐して発射許可信号領域に発射停止の出力データをセーブする(ステップA175)。これにより、遊技球の発射が停止されることになる。ステップA175を経ると、発射制御処理を終了する。
これは、電源投入動作処理では、電源投入に伴い役物装置51における役物モータや決定装置80における役物モータをそれぞれ初期位置に戻す等の処理を行って、遊技が開始できるような状態にすることから、特図ゲームが特図電源投入動作処理中の場合には、遊技球の発射を停止させるためである。
特図ゲームが特図電源投入動作処理中でなければ(ステップA172;NO)、ステップA173に進み、何れかのモータは球噛み処理中であるか否かを判定する。
ここでは、V可動役物(V可動部材77)の球噛み処理動作(図34(a),(b)参照)、太鼓役物62の球噛み処理動作(図34(c)参照)、およびラウンド抽選役物(決定装置80)の球噛み処理動作(図34(d)参照)の何れかが行われている場合に、球噛み処理中であると判定する。何れかモータが球噛み処理中であれば(ステップA173;YES)、ステップA175に分岐して発射許可信号領域に発射停止の出力データをセーブする(ステップA175)。これにより、遊技球の発射が停止されることになる。ステップA175を経ると、発射制御処理を終了する。
これは、役物装置51や決定装置80の内部で球噛みを起こしたときには、例えば役物装置51の役物モータを逆回転させて球噛みを解消したり、また、例えば決定装置80の役物モータを逆回転させて球噛みを解消したりすることから、そのような球噛み処理動作中は遊技球の発射を停止させるためである。このように、本実施形態では、球噛み処理動作中は遊技球の発射を停止させるようにしたが、球噛み処理動作中は遊技球の発射を停止しないよう構成することも可能である。
何れかのモータが球噛み処理中でなければ(ステップA173;NO)、ステップA174に進み、発射許可信号領域に発射許可の出力データをセーブする(ステップA174)。これにより、遊技球の発射が許可されることになる。ステップA174を経ると、発射制御処理を終了する。したがって、遊技停止するエラーが発生しておらず(ステップA171;YES)、特図ゲームが特図電源投入動作処理中でなく(ステップA173;NO)、かつ、何れかの役物モータの球噛み処理中でもない場合(ステップA173;NO)には、遊技球の発射が許可されることになる。
一方、ステップA171で遊技停止するエラーが発生していれば(ステップA171;NO)、ステップA175に分岐して発射許可信号領域に発射停止の出力データをセーブする(ステップA175)。これにより、遊技球の発射が止されることになる。ステップA175を経ると、発射制御処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS78)について、図93および図94により説明する。
外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS65)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)、残存球監視処理(ステップA68)、不正監視処理(ステップS76)等での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図93および図94に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラー発生中であるか否かを判定する(ステップA181)。これは、ガラス枠5の開放がガラス枠開放検出スイッチ117によって検出され、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいてガラス枠開放エラー発生中かを判断する。
ガラス枠開放エラー発生中でなければ(ステップA181;NO)、続いて、本体枠開放エラー発生中であるか否かを判定する(ステップA182)。これは、本体枠(前面枠4)の開放が本体枠開放検出スイッチ118によって検出され、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいて本体枠開放エラー発生中かを判断する。
本体枠開放エラー発生中でなければ(ステップA182;NO)、ステップA183に進み、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA183)。扉・枠開放信号とは、ガラス枠5(扉)及び前面枠4(枠)の開放信号のことである。これにより、扉・枠開放信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。
次いで、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA184)。これにより、セキュリティ信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA184を経ると、ステップA185へ進む。
一方、ガラス枠開放エラー発生中である場合(テップA181;YES)、本体枠開放エラー発生中である場合(ステップA182;YES)には、何れの場合にも、ステップA186に分岐し、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA186)。これにより、扉・枠開放信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。
次いで、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA187)。これは、扉又は枠の開放という遊技機エラー状態が発生したときに、遊技機エラー状態信号を外部に出力するためである。これにより、遊技機エラー状態信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA187を経ると、ステップA185へ進む。
ステップA185へ進むと、セキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ「−1」更新する。セキュリティ信号制御タイマは、RAMクリアによる電源投入を行った時にセキュリティ信号を所定時間オン出力するためのものであり、ステップS27にてタイマ初期値(例えば256ms)がセットされる。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。
次いで、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップA188)。セキュリティ信号制御タイマは、RAMクリアによる電源投入を行った時にセキュリティ信号を所定時間オン出力するためのものであり、RAM初期値設定の処理(例えば、ステップS27)においてタイマ初期値として、例えば256msがセットされる。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」となっていれば(ステップA188;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、枠電波不正発生中であるか否かを判定する(ステップA189)。
枠電波不正発生中でなければ(ステップA189;NO)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA190)。これにより、セキュリティ信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA190を経ると、ステップA191へ進む。
一方、枠電波不正発生中であれば(ステップA189;YES)、ステップA192に分岐し、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA192)。これにより、セキュリティ信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA192を経ると、ステップA191へ進む。
ステップA191へ進むと、スイッチ異常発生中であるか否かを判定する(ステップA191)。ここでのスイッチ異常発生とは、前述したスイッチ異常検知信号1やスイッチ異常検知信号2に基づくコネクタ抜けなどのエラーのことである。すなわち、スイッチ異常検知信号1は図35に示すように、近接I/F121aの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される。また、スイッチ異常検知信号2は図35に示すように、近接I/F121bの出力のうち、センサやスイッチの異常を検出した際に出力される。
スイッチ異常検知信号1に基づくコネクタ抜けなどのエラーを「異常1」という。また、スイッチ異常検知信号2に基づくコネクタ抜けなどのエラーを「異常2」という。
ステップA191の処理では、「異常1」又は「異常2」の何れが発生しても、スイッチ異常発生中であると判定する。
スイッチ異常発生中でなければ(ステップA191;NO)、続いて、役物エラー発生中であるか否かを判定する(ステップA193)。
本実施例では対象の役物装置として役物装置51と決定装置80の2つを設けており、その中で、役物装置51には太鼓役物モータ66およびV可動役物モータ73を配置し、決定装置80にはラウンド抽選役物モータ88を配置している。したがって、ここでの役物エラー発生とは、太鼓役物モータ66、V可動役物モータ73、およびラウンド抽選役物モータ88の何れのエラーが発生しても、役物エラー発生中であると判定する。
役物エラー発生中でなければ(ステップA193;NO)、続いて、残存球エラー発生中であるか否かを判定する(ステップA194)。
本実施例では、変動入賞装置35に入賞した遊技球が外部に抜けていき、変動入賞装置35に内部に残存していないか否かを監視するのが残存球の監視機能であり、そのため、変動入賞装置35から外部に排出される遊技球を検出するべく、残存球排出口スイッチ112,113が設けられている(詳しくは前述した通り)。そして、変動入賞装置35の内部に所定期間以上たっても残存球がある場合には、残存球エラー発生中であると判定される。
残存球エラー発生中でなければ(ステップA194;NO)、ステップA195へ進む。
一方、スイッチ異常発生中である場合(ステップA191;YES)、役物エラー発生中である場合(ステップA193;YES)、残存球エラー発生中である場合(ステップA194;YES)には、何れか1つでもYESの判定であれば、ステップA196に進み、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA196)。これは、スイッチ異常発生中、役物エラー発生中、残存球エラー発生中という遊技機エラー状態が発生したときに、遊技機エラー状態信号を外部に出力するためである。これにより、遊技機エラー状態信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA196を経ると、ステップA195へ進む。
ステップA195へ進むと、ステップA195を含み、ステップA197、ステップA198、ステップA199、ステップA200、ステップA201、ステップA202の各ステップでそれぞれ以下のような判定処理を行う。
(イ)ステップA195:異常排出発生中であるか否かを判定する。
(ロ)ステップA197:磁石不正発生中であるか否かを判定する。
(ハ)ステップA198:盤電波不正発生中であるか否かを判定する。
(ニ)ステップA199:振動不正発生中であるか否かを判定する。
(ホ)ステップA200:大入賞口不正発生中であるか否かを判定する。
(ヘ)ステップA201:始動口異常入賞発生中であるか否かを判定する。
(ト)ステップA202:始動口球詰まり発生中であるか否かを判定する。
ステップA195の異常排出とは、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放していないのに、残存球排出口スイッチ112,113が遊技球の排出を検出するような異常であり、変動入賞装置35への不正な入賞行為に起因するものである。
ステップA197の磁石不正とは、磁気センサ115がオンし、異常な磁気を一定期間(例えば、32ms)継続して検出した場合のことである。
ステップA198の盤電波不正とは、盤電波センサ114がオンして遊技盤30に対する異常な電波を検出した場合のことである。
ステップA199の振動不正とは、振動センサ116がオンして遊技盤30に対する不正な振動を検出した場合のことである。
ステップA200の大入賞口不正とは、大入賞口としての変動入賞装置35の可動部材43a、43bを不正に開放して遊技球を入賞させる場合のことである。
ステップA201の始動口異常入賞とは、第1始動入賞口33a、33b及び第2始動入賞口34の少なくとも一つで所定時間内に異常に多数の入賞を検出した場合のことである。
ステップA202の始動口球詰まりとは、第1始動入賞口33a、33b及び第2始動入賞口34の少なくとも一つで検出状態(オン状態)が所定時間以上継続するなどの異常を検出した場合のことである。
なお、これらの異常の発生中という判断は、例えばエラーフラグ(エラー発生フラグ)が立っているか否かに基づいてエラー発生中かを判断する。
次いで、ステップA195の判定結果がNO、ステップA197の判定結果がNO、ステップA198の判定結果がNO、ステップA199の判定結果がNO、ステップA200の判定結果がNO、ステップA201の判定結果がNO、ステップA202の判定結果がNOであれば、ステップA203へ進み、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA203)。ここでは、異常排出、磁石不正、盤電波不正、振動不正、大入賞口不正、始動口異常入賞、始動口球詰まりという遊技機エラー状態が発生していないことを表す遊技機エラー状態信号を外部に出力するためである。これにより、遊技機エラー状態信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA203を経ると、ステップA206へ進む。
一方、ステップA195、ステップA197、ステップA198、ステップA199、ステップA200、ステップA201、およびステップA202のうち、1つでもYESの判定を出すステップがあると、ステップA204へ分岐する。これは、ステップA195、ステップA197、ステップA198、ステップA199、ステップA200、ステップA201、およびステップA202のうち、1つでも不正が発生中との判定結果があれば、不正を外部に知らせるためである。
ステップA204へ進むと、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA204)。これにより、セキュリティ信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。次いで、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA205)。これは、異常排出、磁石不正、盤電波不正、振動不正、大入賞口不正、始動口異常入賞、および始動口球詰まりのうち、1つでも不正という遊技機エラー状態が発生したときに、遊技機エラー状態信号を外部に出力するためである。これにより、遊技機エラー状態信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA205を経ると、ステップA206へ進む。
ステップA206へ進むと、メイン賞球信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA206)とともに、メイン賞球信号のオンデータを準備し(ステップA207)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA208)。これは、遊技制御装置100では入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に、メイン賞球信号の1パルスを出力するというように、信号の編集を行うものである。
次いで、役物入賞個数信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA209)とともに、役物入賞個数信号のオンデータを準備し(ステップA210)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA211)。これは、遊技制御装置100では役物入賞をカウントする毎に、役物入賞個数信号の1パルスを出力するというように、信号の編集を行うものである。なお、役物入賞とは、大入賞口としての変動入賞装置35への入賞のことである。
次いで、始動口1信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA212)とともに、始動口1信号のオンデータを準備し(ステップA213)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA214)。これは、遊技制御装置100では始動口1への入賞をカウントする毎に、始動口1信号の1パルスを出力するというように、信号の編集を行うものである。なお、始動口1信号とは、第1始動入賞口33a、33bへの入賞に対応する信号のことである。
次いで、始動口2信号制御領域のアドレスを準備する(ステップA215)とともに、始動口2信号のオンデータを準備し(ステップA216)、続いて、パルス信号編集処理を行う(ステップA217)。これは、遊技制御装置100では始動口2への入賞をカウントする毎に、始動口2信号の1パルスを出力するというように、信号の編集を行うものである。なお、始動口2信号とは、第2始動入賞口34への入賞に対応する信号のことである。
次いで、役物回数制御タイマが「0」でなければ、「−1」更新する(ステップA218)。役物回数制御タイマは、特図小当りによる大入賞口の開放(つまり、始動遊技における大入賞口の開放)毎に所定時間(例えば128ms)信号を出力する制御を行うためのタイマである。よって、役物開放回数信号は始動遊技における1回開放のときは1パルス、2回開放のときは2パルス出力されることになる。次いで、役物回数制御タイマが「0」であるか否かを判定し(ステップA219)、役物回数制御タイマが「0」であれば(ステップA219;YES)、役物回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA220)。これにより、役物回数信号のオフデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA220を経ると、外部情報編集処理を終了する。
一方、役物回数制御タイマが「0」でなければ(ステップA219;NO)、役物回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA221)。これにより、役物回数信号のオンデータが外部情報端子板152を介して外部に出力されることになる。ステップA221を経ると、外部情報編集処理を終了する。
〔パルス信号編集処理〕
次に、前記外部情報編集処理におけるパルス信号編集処理(ステップA208、ステップA211、ステップA214、ステップA217)について、図95(a)により説明する。
図95(a)に示すように、パルス信号編集処理では、まず、対象の信号の出力制御タイマが「0」でなければ、「−1」更新する(ステップA231)。なお、対象の信号の出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。
対象の信号とは、図94で説明したメイン賞球信号、役物入賞個数信号、始動口1信号、始動口2信号のうち、どの信号が今回のパルス信号編集処理の編集対象になっているかを指す信号のことである。
次いで、対象の信号の出力制御タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA232)。そして、対象の信号の出力制御タイマの値が「0」であれば(ステップA232;YES)、続いて、対象の信号の出力回数が「0」であるか否かを判定する(ステップA233)。対象の信号の出力回数が「0」でなければ(ステップA233;NO)、対象の信号の出力回数を「−1」更新する(ステップA234)。
次いで、対象の信号の出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップA235)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば、128ms)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば、64ms)を加算した時間(例えば、192ms)となっている。その後、対象の信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA236)、パルス信号編集処理を終了する。
一方、対象の信号の出力回数が「0」である場合(ステップA233;YES)は、外部装置用の対象の信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA238)、パルス信号編集処理を終了する。
また、対象の信号の出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップA232;NO)は、対象の信号の出力制御タイマが出力オン区間中であるか否かを判定する(ステップA237)。なお、対象の信号の出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、対象の信号の出力制御タイマの値が所定時間(例えば64ms)以上であることである。
対象の信号の出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップA237;YES)は、処理をステップA236に移行する。また、対象の信号の出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップA237;NO)は、外部装置用の対象の信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA238)、パルス信号編集処理を終了する。
ここで、対象の信号が例えばメイン賞球信号である場合におけるパルス信号編集処理の具体例について説明する。なお、対象の信号がメイン賞球信号以外の役物入賞個数信号、始動口1信号、始動口2信号の場合であっても、同様のパルス信号編集処理が行われることになる。
すなわち、対象の信号がメイン賞球信号である場合、メイン賞球信号は遊技制御装置100からは賞球の払出予定数が10個毎に1パルスのメイン賞球信号が外部装置(例えば、外部の管理装置)へ出力される。なお、払出制御装置200からは10個払出毎に生成される1パルスの賞球信号が外部装置(例えば、外部の管理装置)へ出力されることになる。
すなわち、遊技制御装置100(主基板)で10個払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)にメイン賞球数信号出力回数を「+1」更新し(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)、その後、更新(設定)されている出力回数分だけメイン賞球数信号が出力される。そして、上記のように10個払出予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200(払出基板)からは実際に10個払出が行われたら賞球信号が送信されることにより、予定と結果の整合を取ることで、不正な払出に対応することができる。
また、メイン賞球信号から、いつ発生した入賞であるかが外部装置としての管理装置等で判断できるようになり、ホール営業における方針の助けにもなる。
具体的には、大当り中に発生した入賞か、通常遊技中に発生した入賞かが判断できる。例えば、大当り中ならたくさん入賞があってもおかしくないが、通常遊技中にたくさん入賞があるようであれば、釘調整が甘すぎると判断できるなどの効果があり、これはホール営業における方針の助けになる。
一方、メイン賞球信号が外部装置に出力されず、払い出し完了時に出力される払出制御装置200からの賞球信号だけしかない場合であれば、大当り中に球切れになったりして払い出しが行われず、補給が遅れて払い出しされたのが大当り終了後となったとき等に、いつ発生した入賞なのかが判断できないことになる。
そのため、補給が遅れて払い出しされたのが大当り終了後となった場合には、通常遊技中に大量の入賞(払い出し)があったことになってしまい、営業データに不備等が出てしまう可能性がある。
これに対して本実施例では、メイン賞球信号と払出制御装置200からの賞球信号の双方を併用しており、メイン賞球信号は入賞してすぐに出力されるので、上記のような不具合がなくなる。
〔メイン賞球信号の送信タイミングチャート〕
次に、メイン賞球信号の送信の具体例につき、図95(b)に示すタイミングチャートを参照して説明する。
図95(b)において、対象の信号がメイン賞球信号である場合、メイン賞球信号は遊技制御装置100からは賞球の払出予定数が10個毎に1パルスのメイン賞球信号が外部装置(例えば、外部の管理装置)へ出力される。
ここで、1パルスのメイン賞球信号は、メイン賞球信号を出力信号として図95(b)で表記しているように、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間が128msであり、メイン賞球信号のオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間が64msとなる態様で、1パルスの信号が形成されている。したがって、1パルス全体では128ms+64ms=192msとなっている。
なお、対象のメイン賞球信号の出力制御タイマの値は、メイン賞球信号がオンするタイミングで「48」、メイン賞球信号がオフするタイミングで「16」、さらに、メイン賞球信号のオフが継続する最終時点のタイミングで「0」となっている。
このように、図95(b)で示すような態様にメイン賞球信号の1パルスを形成し、遊技制御装置100では賞球の払出予定数が10個毎に1パルスのメイン賞球信号を外部装置へ出力することになる。なお、払出制御装置200からも10個払出毎に生成される1パルスの賞球信号が外部装置へ出力されることになる。
したがって、遊技制御装置100(主基板)では10個払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に1パルスのメイン賞球信号を出力し、払出制御装置200(払出基板)からは実際に10個払出が行われたら賞球信号が送信されることにより、予定と結果の整合を取ることで、不正な払出に対応することができる。
また、大当り期間中に入賞しても、球切れなどで払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合に、従来の賞球信号だけでは、大当りによる出玉なのか否かが判断できなかったが、本実施例では入賞時に出力されるメイン賞球信号が追加されたことで、ホールの管理装置が正確な情報を収集(判断)できるようになる。
E.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機1で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、情報表示器45には客待ちの演出が表示される。
そして、遊技者が遊技を開始するため、発射操作ハンドル11を操作すると、発射位置にある遊技球がガイドレール31を介して遊技領域32に打込まれ、打込まれた遊技球が第1始動入賞口33a、33bの何れかに入賞すると、一括表示装置50において特図1の変動表示が行われるとともに、情報表示器45において飾り特図の変動表示が行われる。また、第1始動入賞口33a、33bに入賞せずに外れた遊技球は、アウト穴37に流入する。
第1始動入賞口33a、33bの何れかに遊技球が入賞した場合には、一括表示装置50の特図1が所定時間の変動を行い、全ての停止図柄の結果態様において変動入賞装置35(大入賞口)の可動部材43a、43bが1回開放の動作を行う。
また、第2始動入賞口34に遊技球が入賞した場合には、一括表示装置50の特図2が所定時間の変動を行い、全ての停止図柄の結果態様において変動入賞装置35の可動部材43a、43bが2回開放動作を行う。
なお、小当りは、始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b、第2始動入賞口34の全ての始動入賞口のこと)に入賞した時の大入賞口開放(変動入賞装置35の変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放)から、遊技球が特定領域を通過してV入賞するまでの動作のことであるが、V入賞しなければ、すべての開放動作が終了して小当りエンディング時間が経過するまでとなる。
上述したように、1回開放の小当りとなる場合は、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは400m秒経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。また、2回開放となる場合は、可動部材43a、43bが所定の態様の開放動作(ここでは開放時間400m秒の開放動作)を所定時間(ここでは1000m秒)の閉鎖動作をはさんで2回行われる。
さらに、遊技球が第2始動入賞口34(第2始動口)に入賞した場合には1個に限り特図の保留(特図2の保留)が行われる。一方、遊技球が第1始動入賞口33a、33b(第1始動口)に入賞した場合には特図の保留(特図1の保留は無し)は行われない。
さらに、本実施例では始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b又は第2始動入賞口34)へ入賞すると、一括表示装置50にける特図1又は特図2の変動表示の結果は全て小当りとなり、外れは無い。すなわち、始動入賞すると、必ず変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開放動作が行われ、特図1又は特図2の停止図柄の違いで変動入賞装置35の可動部材43a、43bの開放回数が異なっている。
小当り動作では変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合と、2回開放動作する場合とがあり、これらは図73(b)に示される。図73(b)の上段は可動部材43a、43bが小当りとして1回開放動作する場合であり、図73(b)の下段は可動部材43a、43bが小当りとして2回開放動作する場合である。
図73(b)の上段に示すように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは400ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。したがって、1回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが400msの間だけ開放状態となり、この期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の小当り動作が行われる。
一方、図73(b)の下段に示すように、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが2回開放動作する場合には、可動部材43a、43bが開放動作(第2状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは400ms経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作が2回繰り返して行われる。この場合、可動部材43a、43bの1回目の開放期間は例えば400msであり、続いて、400ms経過後に可動部材43a、43bが閉鎖し、その後、所定のウエイト時間(1000ms)が設けられ、この期間では可動部材43a、43bは閉鎖を継続し、所定のウエイト時間が終了すると同時に、可動部材43a、43bの2回目の開放動作が行われる。2回目の可動部材43a、43bの開放期間も例えば400mである。したがって、2回開放の場合には、変動入賞装置35の可動部材43a、43bが400msの間だけ開放状態となり動作が所定のウエイト時間を挟んで2回行われることになる。そして、この2回開放動作が行われる期間内に変動入賞装置35への遊技球の入賞が可能になる態様の小当り動作が行われる。
小当り動作により変動入賞装置35の可動部材43a、43bが1回又は2回の開放動作を行うと、可動部材43a、43bが開放動作をしたタイミングで遊技球が変動入賞装置35の入賞空間41に流入し、流入した遊技球は流路形成部材47により形成される球流路によって床部61へと誘導される。そして、床部61と太鼓役物62との隙間が遊技球の直径よりも大きくなる前に、当該遊技球が太鼓役物62の磁石配置箇所に接触すれば、当該遊技球は、一定速度で回転している太鼓役物62によって持ち上げられて、誘導部材63dの誘導面部62d1へと誘導される。一方、当該遊技球が太鼓役物62の磁石配置箇所に接触する前に、床部61と太鼓役物62との隙間が遊技球の直径よりも大きくなれば、当該遊技球は、当該隙間から落下して、変動入賞装置における排出流路を経て外部へと排出される。
誘導部材63dの誘導面部63d1へと誘導された遊技球は、V可動部材77の遊技球収容部77aに収容されるか、あるいは、誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間から落下する。当該遊技球が誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間から落下した場合には、当該遊技球は、当該隙間から落下して、変動入賞装置における排出流路を経て外部へと排出される。一方、当該遊技球がV可動部材77の遊技球収容部77aに収容された場合には、当該遊技球は、当該V可動部材77が決定装置誘導位置に到着した際に当該V可動部材77から落下して決定装置80に流入する。
決定装置80に流入した遊技球は、一定速度で回転している水平可動部材82に形成された第1V入賞誘導部82b1、第2V入賞誘導部82b2、および第3V入賞誘導部82b3の何れかに流入する。当該遊技球が第3V入賞誘導部82b3に流入した場合には、当該遊技球は、第3特定領域に流入(V入賞)するため、「16R大当り」が発生する。また、当該遊技球が第2V入賞誘導部82b2に流入した場合には、当該遊技球は、第2特定領域に流入(V入賞)するため、「8R当り」または「16R大当り」が発生する。また、当該遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した場合には、当該遊技球は、第1特定領域に流入(V入賞)するため、「5R当り」または「16R大当り」が発生する。
ただし、当該遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した場合であっても、当該第1V入賞誘導部82b1が水平可動部材82における12時の位置に到着するタイミングと、垂直可動部材85の磁石配置箇所の何れかが垂直可動部材85における6時の位置に到着するタイミングとが略一致した場合には、当該遊技球は、遊技者にとって最も不利な大当り状態(特別遊技状態)に対応する特定領域である第1特定領域ではなく、遊技者にとって最も有利な大当り状態に対応する特定領域である第4特定領域に流入する可能性がある。具体的には、当該第1V入賞誘導部82b1が水平可動部材82における12時の位置に到着するタイミングと、垂直可動部材85の磁石配置箇所の何れかが垂直可動部材85における6時の位置に到着するタイミングとが略一致した場合には、当該遊技球は、当該磁石配置箇所に接触するため、一定速度で回転している当該垂直可動部材85によって持ち上げられる。そして、垂直可動部材85によって持ち上げられた結果、第4特定領域86aに流入した場合には、当該遊技球は、第4特定領域に流入(V入賞)するため、「16R大当り」が発生する。
図96(a)は、特図1における開放パターンと大当りラウンドの振り分けの一例を示す図であり、図96(b)は、特図2における開放パターンと大当りラウンドの振り分けの一例を示す図である。
本実施例では、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口33a、33b又は第2始動入賞口34)へ入賞すると、一括表示装置50における特図1又は特図2の変動表示の結果は全て小当りとなり、変動入賞装置35における可動部材43a、43bの開放動作が行われる。
その際、特図1が変動する場合には、図96(a)に示すように、80%の振り分け率で「特図1停止図柄パターン1」が選択され、10%の振り分け率で「特図1停止図柄パターン2」が選択され、10%の振り分け率で「特図1停止図柄パターン3」が選択される。また、特図2の場合には、図96(b)に示すように、70%の振り分け率で「特図2停止図柄パターン1」が選択され、10%の振り分け率で「特図2停止図柄パターン2」が選択され、20%の振り分け率で「特図2停止図柄パターン3」が選択される。
変動入賞装置35の可動部材43a、43bが開放動作を行うと、遊技球が変動入賞装置35の入賞空間41に流入可能な状態となる。入賞空間41に流入した遊技球は、まず、床部61と誘導され、太鼓役物62によって持ち上げられて誘導面部63d1へと誘導されるか、床部61と太鼓役物62との隙間から落下する(すなわちV入賞を逃す)かの何れかとなる。
誘導面部63d1へと誘導された遊技球は、V可動部材77の遊技球収容部77aに収容されるか、誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間から落下する(すなわちV入賞を逃す)かの何れかとなる。
V入賞を逃した遊技球、すなわち床部61と太鼓役物62との隙間から落下した遊技球や、誘導面部63d1と背面部材63bとの隙間から落下した遊技球は、変動入賞装置35における排出流路を通過して、変動入賞装置35の外部へと排出される。遊技球が当該排出流路を通過する場合は、大当りでなく、変動入賞装置35への入賞に過ぎず、所定数の賞球があるのみとなる。
一方、V可動部材77の遊技球収容部77aに収容された遊技球は、決定装置80へと誘導されて、決定装置80の第1特定領域、第2特定領域、第3特定領域、および第4特定領域の何れかに流入(V入賞)する。遊技球がV入賞すると、大当りが発生する。
図96(a),(b)に示すように、遊技球が特定領域1(第1特定領域)に流入すると、予め選択された(特図変動表示ゲームの開始時等に選択された)停止図柄パターンが「停止図柄パターン1」(具体的には「特図1停止図柄パターン1」、「特図2停止図柄パターン1」)や「停止図柄パターン2」(具体的には「特図1停止図柄パターン2」、「特図2停止図柄パターン2」)である場合には、大当りとして「5R当り」が発生し、予め選択された停止図柄パターンが「停止図柄パターン3」(具体的には「特図1停止図柄パターン3」、「特図2停止図柄パターン3」)である場合には、大当りとして「16R当り」が発生する。
また、遊技球が特定領域2(第2特定領域)に流入すると、予め選択された停止図柄パターが「停止図柄パターン1」や「停止図柄パターン2」である場合には、大当りとして「8R当り」が発生し、予め選択された停止図柄パターンが「停止図柄パターン3」である場合には、大当りとして「16R大当り」が発生する。
図96(a),(b)に示すように、特図1の場合、小当りにおける大入賞口開放パターンとして1回開放が選択され、特図2の場合、小当りにおける大入賞口開放パターンとして2回開放が選択される。すなわち、特図2の場合の方が、遊技者にとってより有利な開放パターンとなる。
また、「特図1停止図柄パターン1」は80%の振り分け率で、「特図1停止図柄パターン2」は10%の振り分け率で、「特図1停止図柄パターン3」は10%の振り分け率で選択されるため、特図1の場合であって遊技球が第1特定領域に流入した場合には、「5R当り」の発生率は90%(=80%+10%)となり、「16R大当り」の発生率は10%となる。
一方、「特図2停止図柄パターン1」は70%の振り分け率で、「特図2停止図柄パターン2」は10%の振り分け率で、「特図2停止図柄パターン3」は20%の振り分け率で選択されるため、特図2の場合であって遊技球が第1特定領域に流入した場合には、「5R当り」の発生率は80%(=70%+10%)となり、「16R大当り」の発生率は20%となる。
したがって、特図2の場合(すなわち、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって有利な場合)の方が、特図1の場合(すなわち、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって不利な場合)よりも、「16R大当り」の発生率(すなわち、遊技者にとってより有利な大当りの発生率)が高くなっている。
同様に、特図1の場合であって遊技球が第2特定領域に流入した場合には、「8R当り」の発生率は90%となり、「16R大当り」の発生率は10%となる一方、特図2の場合であって遊技球が第2特定領域に流入した場合には、「8R当り」の発生率は80%となり、「16R大当り」の発生率は20%となるため、特図2の場合(すなわち、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって有利な場合)の方が、特図1の場合(すなわち、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって不利な場合)よりも、「16R大当り」の発生率(すなわち、遊技者にとってより有利な大当りの発生率)が高くなっている。
また、図96(a),(b)に示すように、遊技球が特定領域3(第3特定領域)を通過したときには、「16R大当り」の発生率は100%となる。すなわち、特図の種別(特図1か特図2)や停止図柄パターンにかかわらず、「16R大当り」が発生する。
同様に、遊技球が特定領域4(第4特定領域)を通過したときにも、「16R大当り」の発生率は100%となる。
このように、本実施例においては、特図2の場合(すなわち、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって有利な2回開放の場合)の方が、特図1の場合(すなわち、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって不利な1回開放の場合)よりも、「16R大当り」の発生率(すなわち、遊技者にとってより有利な大当りの発生率)が高くなっている。
なお、所謂羽根モノに属するタイプのパチンコ機(本実施例のパチンコ機1も含む)においては、始動遊技における特定領域の入賞を1ラウンドとしてカウントするので、実際の大当り(特別遊技状態)中のラウンド数は1ラウンド少なくなる。したがって、本実施例において、例えば「16R大当り」が発生した場合には、出玉との関係では16ラウンドから1ラウンドだけ減算した結果となり、15ラウンド分のラウンド遊技が行われることになる。
遊技球が特定領域3(第3特定領域)や第4特定領域(特定領域4)を通過した場合には、停止図柄パターンにかかわらず、ファンファーレ期間中に演出を行わない(あるいは、短い演出を行う)ため、ファンファーレ期間の長さ(すなわち大当りファンファーレ時間)として「10秒」が設定される。
同様に、遊技球が特定領域1(第1特定領域)や特定領域2(第2特定領域)を通過した場合であって、予め選択された停止図柄パターンが「停止図柄パターン1」である場合にも、ファンファーレ期間中に演出を行わない(あるいは、短い演出を行う)ため、ファンファーレ期間の長さとして「10秒」が設定される。
一方、遊技球が特定領域1(第1特定領域)や特定領域2(第2特定領域)を通過した場合であって、予め選択された停止図柄パターンが「停止図柄パターン2」や「停止図柄パターン3」である場合には、ファンファーレ期間中に、ラウンド数を遊技者に報知する演出として、ラウンド数を見かけ上抽選するラウンド抽選演出を実行するため、ファンファーレ期間の長さとして「20秒」が設定される。
図97(a)は、特図1における開放パターンと大当りラウンドの振り分けの変形例を示す図であり、図97(b)は、特図2における開放パターンと大当りラウンドの振り分けの変形例を示す図である。
本変形例においては、特図1が変動する場合には、図97(a)に示すように、80%の振り分け率で「特図1停止図柄パターン1」が選択され、10%の振り分け率で「特図1停止図柄パターン2」が選択され、5%の振り分け率で「特図1停止図柄パターン3」が選択され、5%の振り分け率で「特図1停止図柄パターン4」が選択される。また、特図2の場合には、図97(b)に示すように、80%の振り分け率で「特図2停止図柄パターン1」が選択され、10%の振り分け率で「特図2停止図柄パターン2」が選択され、10%の振り分け率で「特図2停止図柄パターン3」が選択される。
図96(a),(b)に示すように、遊技球が特定領域1(第1特定領域)に流入すると、予め選択された停止図柄パターンが「停止図柄パターン1」や「停止図柄パターン2」である場合には、大当りとして「5R当り」が発生し、予め選択された停止図柄パターンが「停止図柄パターン3」である場合には、大当りとして「16R当り」が発生する。さらに、予め選択された停止図柄パターンが「停止図柄パターン4」(具体的には「特図1停止図柄パターン4」)である場合にも、大当りとして「16R当り」が発生する。
また、遊技球が特定領域2(第2特定領域)に流入すると、予め選択された停止図柄パターが「停止図柄パターン1」や「停止図柄パターン2」である場合には、大当りとして「8R当り」が発生し、予め選択された停止図柄パターンが「停止図柄パターン3」である場合には、大当りとして「16R大当り」が発生する。さらに、予め選択された停止図柄パターンが「停止図柄パターン4」(具体的には「特図1停止図柄パターン4」)である場合にも、大当りとして「16R当り」が発生する。
図96(a),(b)に示すように、予め選択された停止図柄パターンが「特図1停止図柄パターン4」)である場合には小当りにおける大入賞口開放パターンとして2回開放が選択されるため、特図1の場合、小当りにおける大入賞口開放パターンとして1回開放または2回開放が選択され、特図2の場合、小当りにおける大入賞口開放パターンとして2回開放が選択される。
また、「特図1停止図柄パターン1」は80%の振り分け率で、「特図1停止図柄パターン2」は10%の振り分け率で、「特図1停止図柄パターン3」は5%の振り分け率で、「特図1停止図柄パターン4」は5%の振り分け率で選択されるため、特図1の場合であって遊技球が第1特定領域に流入した場合には、「5R当り」の発生率は90%(=80%+10%)となり、「16R大当り」の発生率は10%(=5%+5%)となる。
一方、「特図2停止図柄パターン1」は80%の振り分け率で、「特図2停止図柄パターン2」は10%の振り分け率で、「特図2停止図柄パターン3」は10%の振り分け率で選択されるため、特図2の場合であって遊技球が第1特定領域に流入した場合にも、「5R当り」の発生率は90%(=70%+10%)となり、「16R大当り」の発生率は10%となる。
したがって、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって有利な場合(すなわち、特図1のうちの「特図1停止図柄パターン4」が選択された場合、特図2の場合)の方が、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって不利な場合(すなわち、特図1のうちの「特図1停止図柄パターン4」以外が選択された場合)よりも、「16R大当り」の発生率(すなわち、遊技者にとってより有利な大当りの発生率)が高くなっている。
同様に、特図1の場合であって遊技球が第2特定領域に流入した場合には、「8R当り」の発生率は90%となり、「16R大当り」の発生率は10%となるとともに、特図2の場合であって遊技球が第2特定領域に流入した場合にも、「8R当り」の発生率は90%となり、「16R大当り」の発生率は10%となるため、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって有利な場合の方が、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって不利な場合よりも、「16R大当り」の発生率(すなわち、遊技者にとってより有利な大当りの発生率)が高くなっている。
また、図97(a),(b)に示すように、遊技球が特定領域3(第3特定領域)を通過したときには、「16R大当り」の発生率は100%となる。
同様に、遊技球が特定領域4(第4特定領域)を通過したときにも、「16R大当り」の発生率は100%となる。
このように、本実施例においては、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって有利な場合(2回開放の場合)の方が、小当りにおける大入賞口開放パターンが遊技者にとって不利な場合(1回開放の場合)よりも、「16R大当り」の発生率(すなわち、遊技者にとってより有利な大当りの発生率)が高くなっている。
さらに、本変形例では、特図2の場合に2回開放のみが選択されるとともに、特図1の場合にも、選択率は低いが、2回開放が選択されることがある。したがって、実施例(図96(a),(b)参照)のように、特図1の場合は1回開放のみが選択され、特図2の場合は2回開放のみが選択される場合と比較して、2回開放の割合(すなわち、遊技者にとって有利な開放パターンの割合)が増えるため、遊技球が変動入賞装置35に入賞(具体的には、遊技球が入賞空間41に流入)しやすくなり、その結果、「16R大当り」の発生率(すなわち、遊技者にとってより有利な大当りの発生率)を高めることができる。
図98に、V可動役物(V可動部材77)が初期位置よりも右側にある場合における、小当り終了時のV可動役物の復帰動作の一例を示し、図99に、V可動役物(V可動部材77)が初期位置よりも左側にある場合における、小当り終了時のV可動役物の復帰動作の一例を示す。
小当り残存球処理(図74参照)のステップS724では、現在のV可動部材77の位置から中央位置(初期位置)へ最短で戻すための制御ポインタの値を設定する処理を行う。具体的には、現在のV可動部材77の位置が初期位置よりも右側にある場合には、制御ポインタの値としてV可動部材77を左へと移動させる値を設定し、現在のV可動部材77の位置が初期位置よりも左側にある場合には、制御ポインタの値としてV可動部材77を右へと移動させる値を設定する処理を行う。
次いで、ステップS725では、ステップS724にて設定した制御ポインタの値が、現在制御中の値と同じであるか否かを判定する処理を行い、同じでない場合には、ステップS726に移行して、ステップS724にて設定した制御ポインタの値をセーブする処理を行う。
これらの処理によって、V可動役物モータ73は、現在のV可動部材77の位置が初期位置よりも右側にある場合には図98に示すように制御され、現在のV可動部材77の位置が初期位置よりも左側にある場合には図99に示すように制御される。
具体的には、例えば、V可動部材77が初期位置よりも右側にある場合であって、現在のV可動部材77の進行方向が左方向である場合には、ステップS724にて制御ポインタの値としてV可動部材77を左へと移動させる値が設定され、ステップS725にて同じであると判定されるため、小当り終了判断時点前後でV可動役物モータ73の回転方向は切り替わらない。したがって、図98(a)に示すように、V可動役物モータ73は、小当り終了判断時点で一時停止等することなく、小当り終了判断時点直前と同一方向の回転(すなわち反時計回り回転)を継続する。
また、例えば、V可動部材77が初期位置よりも右側にある場合であって、現在のV可動部材77の進行方向が右方向である場合には、ステップS724にて制御ポインタの値としてV可動部材77を左へと移動させる値が設定され、ステップS725にて同じでないと判定されるため、小当り終了判断時点前後でV可動役物モータ73の回転方向が切り替わる。その際、駆動機構(V可動役物モータ73を含む)の破損や劣化などを抑制するために、一時停止を挟んで回転方向が切り替わる。したがって、図98(b)に示すように、V可動役物モータ73は、小当り終了判断時点で停止し、所定時間(例えば20m秒)経過後、小当り終了判断時点直前とは逆方向の回転(すなわち反時計回り回転)を行う。
また、例えば、V可動部材77が初期位置よりも左側にある場合であって、現在のV可動部材77の進行方向が左方向である場合には、ステップS724にて制御ポインタの値としてV可動部材77を右へと移動させる値が設定され、ステップS725にて同じでないと判定されるため、小当り終了判断時点前後でV可動役物モータ73の回転方向が切り替わる。その際、駆動機構(V可動役物モータ73を含む)の破損や劣化などを抑制するために、一時停止を挟んで回転方向が切り替わる。したがって、図99(a)に示すように、V可動役物モータ73は、小当り終了判断時点で停止し、所定時間(例えば20m秒)経過後、小当り終了判断時点直前とは逆方向の回転(すなわち時計回り回転)を行う。
また、例えば、V可動部材77が初期位置よりも左側にある場合であって、現在のV可動部材77の進行方向が右方向である場合には、ステップS724にて制御ポインタの値としてV可動部材77を右へと移動させる値が設定され、ステップS725にて同じであると判定されるため、小当り終了判断時点前後でV可動役物モータ73の回転方向は切り替わらない。したがって、図99(b)に示すように、V可動役物モータ73は、小当り終了判断時点で一時停止等することなく、小当り終了判断時点直前と同一方向の回転(すなわち時計回り回転)を継続する。
なお、決定装置80は、所謂1種パチンコ機に搭載することも可能である。その例を、図100に示す。
図100は、決定装置80を搭載した1種パチンコ機の遊技盤30の前面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置21を備えたセンターケース(遊技演出構成体)20が配置されている。表示装置21は、センターケース20に設けられた凹部に、センターケース20の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース20は表示装置21の表示領域の周囲を囲い、表示装置21の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置21(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置21の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32におけるセンターケース20の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)24が設けられている。普図始動ゲート24に入賞した遊技球は、ゲートスイッチにより検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース20の下方左側には、三つの一般入賞口25が配置され、センターケース20の下方右側であって普図始動ゲート24よりも下側には、一つの一般入賞口25が配置されている。これら一般入賞口25に入賞した遊技球は、入賞口スイッチにより検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース20の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口26(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口26に入賞した遊技球は、始動口1スイッチにより検出される。
また、始動入賞口26の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置27(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置27は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材27aを備えている。可動部材27aは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイドによって、普通変動入賞装置27に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置27に入賞した遊技球は、始動口2スイッチにより検出される。
また、普通変動入賞装置27の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口37が設けられている。
さらに、始動入賞口26の右方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)28が配設されている。
特別変動入賞装置28は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉28aを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置28は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイドにより駆動される開閉扉28aによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)が配設されている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース20の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース20の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口26や普通変動入賞装置27への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート24や特別変動入賞装置28への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10においては、センターケース20の左部にワープ装置22が設けられている。ワープ装置22は、センターケース20の外側の遊技領域32を流下する遊技球を受け入れるための左方に開口した流入口22aと、流入口22aに流入した遊技球をステージ22bへ誘導する筒状のワープ流路とを有し、当該ワープ流路を流下した遊技球はステージ22bの左端へ誘導される。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
本変形例の遊技機1では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート24、一般入賞口25、始動入賞口26、普通変動入賞装置27又は特別変動入賞装置28に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口37へ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口25、始動入賞口26、普通変動入賞装置27又は特別変動入賞装置28に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、ガラス枠5の上皿7又は下皿10に排出される。
一方、普図始動ゲート24内には、該普図始動ゲート24を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチが設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート24内を通過すると、ゲートスイッチにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート24を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置27の可動部材27aが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置27の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口26への入賞球及び普通変動入賞装置27への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチと始動口2スイッチによって検出される。始動入賞口26へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置27へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース20の表示装置21においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口26若しくは普通変動入賞装置27への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50の特図1表示器(変動表示装置)又は特図2表示器(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)21にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、一括表示装置50の特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置21に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図変動表示ゲームの結果として、一括表示装置50の特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が小当り結果態様となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置21に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
表示装置21における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置21において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置21では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、一括表示装置50の特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置21も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機1に特図1表示器、特図2表示器を備えずに、表示装置21のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口26(若しくは、普通変動入賞装置27)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口26(若しくは、普通変動入賞装置27)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
次に、遊技制御装置100において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン171のCPU171Aでは、普図始動ゲート24に備えられたゲートスイッチからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM171Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、一括表示装置50の普図表示器に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、一括表示装置50の普図表示器に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイドを動作させ、普通変動入賞装置27の可動部材27aを所定時間上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材27a)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口26に備えられた始動口1スイッチからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM171Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置27に備えられた始動口2スイッチからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM171Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU171Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口26、普通変動入賞装置27)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置21で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ13a,13b,13cからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU171Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、一括表示装置50の特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU171Aは、例えば、大入賞口ソレノイドにより特別変動入賞装置28の開閉扉28aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、決定装置80による抽選結果に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態(確変状態)を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
例えば、図100に示す遊技盤30においては、ワープ装置22の上方に流路装置23が配設され、ステージ22bの後方に決定装置80が配設されている。
流路装置23は、センターケース20の外側の遊技領域32を流下する遊技球を受け入れるための左方に開口した流入口23aと、流入口23aに流入した遊技球を決定装置80へ誘導する筒状の流路とを有し、当該流路を流下した遊技球は流入口形成部材83により形成された流入口へ誘導される。
流入口23には、当該流入口23を開閉するための進入規制部材23bが設けられている。この進入規制部材23bは、特別遊技状態が発生すると開放する。
特別遊技状態が発生し進入規制部材23bが開放して、遊技球が流入口23aに流入すると、当該遊技球は流路装置23によって決定装置80へと誘導される。そして、特定領域(例えば、第2特定領域、第3特定領域、第4特定領域)に流入するか、あるいは、非特定領域(例えば、第1特定領域)に流入する。遊技球が特定領域(例えば、第2特定領域、第3特定領域、第4特定領域)に流入した場合に、当該特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生するよう構成されている。
この場合、所定のゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、特別遊技状態において、特定領域(第2特定領域、第3特定領域、第4特定領域)に遊技球が入賞したか否かに基づき当該特別遊技状態後におけるゲームの結果が特別結果となる確率状態を決定する決定手段(決定装置80)を備え、決定手段は、特定領域(第2特定領域、第3特定領域)および当該特定領域とは異なる非特定領域(第1特定領域)の何れか一方へと遊技球を誘導可能な第1可動部材(水平可動部材82)と、特定領域(第4特定領域)へと遊技球を誘導可能な第2可動部材(垂直可動部材85)と、を有している。そして、第1可動部材(水平可動部材82)による非特定領域への遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を誘導する可動部材を第1可動部材から第2可動部材(第4特定領域)に変更可能となるよう構成されているため、遊技球が水平可動部材82の誘導部82b1に流入した場合、遊技者は、遊技球が垂直可動部材85によって持ち上げられて確変状態になるか否か、すなわち第1特定領域に流入するか第4特定領域に流入するかを楽しむことができる。
すなわち、この場合、決定装置80は、大当りのラウンド数を決定するラウンド抽選役物ではなく、大当り後の確率状態を決定する確率状態抽選役物として機能する。
したがって、遊技者は、遊技球が、第1可動部材に対応する特定領域のうちの第1特別遊技状態に対応する特定領域(第1特定領域)に流入するか、第2可動部材に対応する特定領域(第4特定領域)に流入するかを楽しむことができる。
なお、図100に示す例においては、流路装置23として、左方(左側遊技領域)に開口した流入口23aを有する流路装置が設けられているが、右方(右側遊技領域)に開口する流入口23aを有する流路装置が設けられていても良いし、左方(左側遊技領域)に開口した流入口23aを有する流路装置と右方(右側遊技領域)に開口する流入口23aを有する流路装置との双方を備えるようにしても良い。
以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、変動入賞装置35を備え、当該変動入賞装置35内の特定領域(第1特定領域〜第4特定領域)に遊技球が流入した場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、変動入賞装置35は、遊技球を特定領域へと誘導可能な可動部材(V可動部材77)と、特定領域への流入を逃した遊技球が流下する排出領域(背面排出流路形成部材63cにより形成される背面排出流路および変動入賞装置35における排出流路)と、を備え、可動部材は、遊技球を特定領域へと誘導する特定領域誘導動作態様での動作(左通常動作位置と決定装置誘導位置との間の往復移動。図32(b)参照)の開始前に、遊技球を排出領域へと誘導する排出領域誘導動作態様での動作(排出流路誘導位置への移動。図32(a)参照)を行う。
従来の遊技機においては、不正やトラブルによって変動入賞装置内に遊技球が残留し、意図しない状態で特定領域へ遊技球が入賞してしまう虞があるが、本実施形態の遊技機1においては、可動部材が、特定領域誘導動作態様での動作の開始前に、排出領域誘導動作態様での動作を行うため、可動部材が遊技球を特定領域へと誘導する前に、当該可動部材に残留していた遊技球を排出領域へと流下させることができる。よって、不正やトラブルによる特定領域への遊技球の入賞を防止することができるため、公平性・公正性を保つことができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、可動部材(V可動部材77)の排出領域誘導動作態様での動作中に、当該可動部材によって誘導された遊技球も、可動部材の特定領域誘導動作態様での動作中に、特定領域(第1特定領域〜第4特定領域)の流入を逃した遊技球も、排出領域(背面排出流路形成部材63cにより形成される背面排出流路)へと流下するよう構成することが可能である。
このように構成することによって、排出領域を共通化することが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、可動部材(V可動部材77)の前方に配設された所定部材(太鼓役物62)と、所定部材の後方に配設され、排出領域を形成する排出領域形成部材(背面排出流路形成部材63c)と、を備え、排出領域形成部材は、所定部材側に突出する突出部(突出片63c1)を有し、可動部材の排出領域誘導動作態様で動作中に、当該可動部材によって誘導された遊技球は、所定部材および突出部に沿って移動して排出領域へと流下するよう構成することが可能である。
このように構成することによって、可動部材に残留していた遊技球を排出流路へと確実に流下させることが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、変動入賞装置35を備え、当該変動入賞装置35内の特定領域(第1特定領域〜第4特定領域)に遊技球が流入した場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、変動入賞装置25は、遊技球が流下可能な球流路を形成する球流路形成部材47を備え、球流路は、屈曲部を有し、球流路形成部材47の屈曲部に対応する部分には、不正部材の進入を規制する規制部(第1隙間部47a3、第2隙間部47b3)が設けられている(図8参照)。
従来の遊技機においては、不正やトラブルによって、意図しない状態で特定領域へ遊技球が入賞してしまう虞があるが、本実施形態の遊技機1においては、球流路形成部材47の屈曲部に対応する部分に、不正部材の進入を規制する規制部が設けられているため、糸等の不正部材を用いた不正行為を効果的に抑制することができる。よって、不正やトラブルによる特定領域への遊技球の入賞を防止することができるため、公平性・公正性を保つことができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、球流路形成部材47は、第1部材(前面部47a1、左面部47b1)と第2部材(後面部47a2、右面部47b2)とで構成され、規制部(第1隙間部47a3、第2隙間部47b3)は、第1部材と第2部材との間に設けられた隙間からなるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、簡単な構成で確実に、糸等の不正部材を用いた不正行為を効果的に抑制することが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、変動入賞装置35は、遊技球が排出される排出口を備え、排出口には、不正部材を用いた遊技球の変動入賞装置35への再進入を規制する再進入規制部(保護部材65a。具体的には複数の突起65a1)が設けられているよう構成することが可能である(図26参照)。
このように構成することによって、糸等の不正部材を用いて遊技球を逆流させて変動入賞装置35へと再進入させるといった不正行為を抑制することが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、変動入賞装置35を備え、当該変動入賞装置35内の特定領域(第1特定領域〜第4特定領域)に遊技球が流入した場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、複数の特定領域のうちの遊技球が流入した特定領域に基づいて、複数種類の特別遊技状態の中から何れか一つを決定する決定手段(決定装置80)を備え、決定手段は、互いに異なる特定領域へと遊技球を誘導可能な第1可動部材(水平可動部材82)および第2可動部材(垂直可動部材85)を有し、第1可動部材による特定領域への遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を誘導する可動部材が第1可動部材から第2可動部材に変更される場合がある(図28参照)。具体的には、本実施形態においては、遊技球が水平可動部材82の第1V入賞誘導部82b1に流入した場合には、当該遊技球は、第1特定領域に流入(V入賞)するため、「5R当り」または「16R大当り」が発生する。ただし、遊技球が第1V入賞誘導部82b1に流入した場合であっても、当該第1V入賞誘導部82b1が水平可動部材82における12時の位置に到着するタイミングと、垂直可動部材85の磁石配置箇所の何れかが垂直可動部材85における6時の位置に到着するタイミングとが略一致した場合には、当該遊技球は、当該磁石配置箇所に接触するため、当該垂直可動部材85によって持ち上げられる。そして、垂直可動部材85によって持ち上げられた結果、第4特定領域86aに流入した場合には、当該遊技球は、第4特定領域に流入(V入賞)するため、「16R大当り」が発生する。
従来の遊技機においては、発生する特別遊技状態が、複数の特別遊技状態のうちの遊技者にとって最も不利な特別遊技状態であったときには、遊技の興趣が低下する虞があるが、本実施形態の遊技機1においては、第1可動部材による特定領域への遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を誘導する可動部材が第1可動部材から第2可動部材に変更される場合があるため、遊技者は、第1可動部材による遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を誘導する可動部材が変更されるか否かを楽しむことができる。すなわち、遊技球が、第1可動部材に対応する特定領域に流入するか、第2可動部材に対応する特定領域に流入するかを楽しませることができるため、発生する特別遊技状態が、複数の特別遊技状態のうちの遊技者にとって最も不利な特別遊技状態であっても、遊技の興趣を高めることができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、複数種類の特別遊技状態は、第1特別遊技状態(「5R当り」)と、当該第1特別遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2特別遊技状態(「16R大当り」)と、を含み、第1可動部材(水平可動部材82)は、複数の特定領域のうち、第1特別遊技状態に対応する特定領域(第1特定領域)へと遊技球を誘導可能であるとともに、第2特別遊技状態に対応する特定領域(第3特定領域)へと遊技球を誘導可能であり、第2可動部材(垂直可動部材85)は、複数の特定領域のうち、第2特別遊技状態に対応する特定領域(第4特定領域)へと遊技球を誘導可能であり、第1可動部材による第1特別遊技状態に対応する特定領域への遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を誘導する可動部材が第1可動部材から第2可動部材に変更される場合があるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、第1可動部材による第1特別遊技状態に対応する特定領域への遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を誘導する可動部材が第1可動部材から第2可動部材に変更される場合があるため、遊技球が、第1可動部材に対応する特定領域のうちの第1特別遊技状態に対応する特定領域(第1特定領域)に流入するか、第2可動部材に対応する特定領域(第4特定領域)に流入するかを楽しませることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、第1可動部材(水平可動部材82)は、特定領域への遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を、当該第1可動部材および第2可動部材(垂直可動部材85)の双方に接触可能な所定位置(本実施形態の場合、水平可動部材82における12時の位置)へと誘導可能であり、当該所定箇所にて、遊技球を誘導する可動部材が第1可動部材から第2可動部材に変更され、当該所定位置における第1可動部材の動作方向と第2可動部材の動作方向とは同一(本実施形態の場合、右方向)であるよう構成することが可能である。
このように構成することによって、遊技球を誘導する可動部材が第1可動部材から第2可動部材に変更される位置(所定位置)における第1可動部材の動作方向と第2可動部材の動作方向とは同一であるため、遊技球を誘導する可動部材が第1可動部材から第2可動部材に変更される際に、当該変更をスムーズに行うことが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、所定のゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、特別遊技状態において特定領域(第2特定領域、第3特定領域、第4特定領域)に遊技球が入賞したか否か判定し、当該判定結果に基づき当該特別遊技状態後におけるゲームの結果が特別結果となる確率状態を決定する決定手段(決定装置80)を備え、決定手段は、特定領域(第2特定領域、第3特定領域)および当該特定領域とは異なる非特定領域(第1特定領域)の何れか一方へと遊技球を誘導可能な第1可動部材(水平可動部材82)と、特定領域(第4特定領域)へと遊技球を誘導可能な第2可動部材(垂直可動部材85)と、を有し、第1可動部材(水平可動部材82)による非特定領域への遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を誘導する可動部材が第1可動部材から第2可動部材に変更される場合があるよう構成することも可能である(図100参照)。
従来の遊技機においては、特定領域に遊技球が入賞しなかった場合、遊技の興趣が低下する虞があるが、図100に示す変形例の遊技機1においては、第1可動部材による非特定領域への遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を誘導する可動部材が第1可動部材から第2可動部材に変更される場合があるため、遊技者は、第1可動部材による非特定領域への遊技球の誘導の途中で、当該遊技球を誘導する可動部材が変更されるか否かを楽しむことができる。すなわち、遊技球が、非特定領域に流入するか、特定領域に流入するかを楽しませることができるため、特定領域に遊技球が入賞しなくても、遊技の興趣を高めることができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、所定のゲームの結果が特別結果となった場合(遊技球が遊技領域32を流下する遊技球流下ゲームの結果、遊技球が特定領域に流入した場合)に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技球が流入可能な特定領域(第1特定領域〜第4特定領域)と、遊技球を貯留可能であるとともに、貯留している遊技球を特定領域へと誘導可能な可動部材(V可動部材77)と、特定領域への流入を逃した遊技球が流下する排出領域(背面排出流路形成部材63cにより形成される背面排出流路および変動入賞装置35における排出流路)と、を備え、遊技球が特定領域に流入した場合に遊技者に有利な状態(特別遊技状態)を発生可能であり、可動部材は、貯留している遊技球を特定領域へと誘導する特定領域誘導動作態様での動作(左通常動作位置と決定装置誘導位置との間の移動)の開始前に、貯留している遊技球を排出領域へと誘導する排出領域誘導動作態様での動作(排出流路誘導位置への移動)を行い、特定領域誘導動作態様での動作と、排出領域誘導動作態様での動作とでは、動作範囲が異なる。
従来の遊技機においては、事前に手で可動部材に遊技球を貯留させておくといった不正行為によって、不正に大当り状態(特別遊技状態)が発生してしまう虞があるが、本実施形態の遊技機においては、可動部材が、特定領域誘導動作態様での動作の開始前に、排出領域誘導動作態様での動作を行うため、可動部材が遊技球を特定領域へと誘導する前に、当該可動部材に残留していた遊技球を排出流路へと流下させることができる。よって、事前に手で可動部材に遊技球を貯留させておくといった不正行為による特別遊技状態の発生を抑制することができる。
なお、遊技機1は、2種パチンコ機に限らず、1種パチンコ機であっても良い。遊技機1が1種パチンコ機である場合、特図変動表示ゲームの停止結果が特別結果となった場合が「所定のゲームの結果が特別結果となった場合」に相当し、高確率状態(確変状態)が「遊技者に有利な状態」に相当する。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、排出領域誘導動作態様での動作は、特定領域誘導動作態様での動作よりも、動作範囲が広いよう構成することが可能である。
このように構成することによって、可動部材に残留していた遊技球を排出流路へと確実に流下させることができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、可動部材(V可動部材77)が、排出領域誘導動作態様での動作時のみ到達可能な位置(排出流路誘導位置)に到達した場合に、当該可動部材に貯留されている遊技球が排出領域へと流下するよう構成することが可能である。
このように構成することによって、可動部材に残留していた遊技球を排出流路へと確実に流下させることができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、所定のゲームの結果が特別結果となった場合(遊技球が遊技領域32を流下する遊技球流下ゲームの結果、遊技球が特定領域に流入した場合)に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技球が流入可能な特定領域(第1特定領域〜第4特定領域)と、遊技球を特定領域へと誘導可能な可動部材(V可動部材77)と、を備え、遊技球が特定領域に流入した場合に遊技者に有利な状態(特別遊技状態)を発生可能であり、可動部材は、遊技球を特定領域へと誘導する特定領域誘導動作態様での動作(左通常動作位置と決定装置誘導位置との間の移動)の終了時に、初期位置へと復帰する復帰動作を行い、復帰動作においては、当該復帰動作の開始直前の動作方向にかかわらず、初期位置への復帰に要する時間が最短となる方向に動作する(図98および図99参照)。
したがって、可動部材は、復帰動作において、当該復帰動作の開始直前の動作方向にかかわらず、初期位置への復帰に要する時間が最短となる方向に動作するため、可動部材の初期位置への復帰時間を短縮することができる。
なお、遊技機1は、2種パチンコ機に限らず、1種パチンコ機であっても良い。遊技機1が1種パチンコ機である場合、特図変動表示ゲームの停止結果が特別結果となった場合が「所定のゲームの結果が特別結果となった場合」に相当し、高確率状態(確変状態)が「遊技者に有利な状態」に相当する。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、可動部材(V可動部材77)は、復帰動作の開始直前の動作方向と、初期位置への復帰に要する時間が最短となる方向とが、逆方向である場合には、所定時間停止した後に、復帰動作を開始するように構成することが可能である(図98(b)および図99(a)参照)。
このように構成することによって、可動部材の駆動機構(V可動役物モータ73を含む)の破損や劣化などを抑制することが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、所定のゲームの結果が特別結果となった場合(遊技球が遊技領域32を流下する遊技球流下ゲームの結果、遊技球が特定領域に流入した場合)に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、複数の識別図柄を変動表示した後、複数の停止図柄(停止図柄パターン)の中から選択された停止図柄を表示する表示装置(特図1表示器D1、特図2表示器D2)と、選択された停止図柄に基づいて、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数)を決定するラウンド数決定手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数を見かけ上抽選するラウンド抽選演出を実行するラウンド抽選演出実行手段(演出制御装置300)と、選択された停止図柄に基づいて、ラウンド抽選演出を実行するか否かを決定する演出実行決定手段(遊技制御装置100)と、を備えている(図96参照)。
ラウンド遊技の回数は事前に決定されており、ラウンド抽選演出はあくまでも演出に過ぎないが、基本的に良い結果(ラウンド遊技の回数の多い大当り)となる確率は低く設定されていることが多く、従来の遊技機のように、漠然と遊技球が特定領域に流入する毎にラウンド抽選演出を実行していたのでは、いくら抽選しても良い結果とならないという印象を遊技者に与えかねない。すなわち、従来の遊技機においては、ラウンド抽選演出に対する信頼感が低下してしまいかねない虞があるが、本実施形態の遊技機1においては、選択された停止図柄に基づいてラウンド抽選演出を実行するか否かを決定するため、ラウンド抽選演出に対する信頼感の低下を抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技機1は、2種パチンコ機に限らず、1種パチンコ機であっても良い。遊技機1が1種パチンコ機である場合、特図変動表示ゲームの停止結果が特別結果となった場合が「所定のゲームの結果が特別結果となった場合」に相当し、高確率状態(確変状態)が「遊技者に有利な状態」に相当する。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、複数の停止図柄(停止図柄パターン)は、第1停止図柄(停止図柄パターン2,3)と第2停止図柄(停止図柄パターン1)とを含み、ラウンド数決定手段(遊技制御装置100)は、選択された停止図柄が第1停止図柄である場合と第2停止図柄である場合とで、ラウンド遊技の回数(ラウンド数)として同一の回数を決定し、演出実行決定手段(遊技制御装置100)は、選択された停止図柄が第1停止図柄である場合はラウンド抽選演出を実行すると決定し、選択された停止図柄が第2停止図柄である場合はラウンド抽選演出を実行しないと決定するよう構成することが可能である(図96参照)。
このように構成することによって、ラウンド遊技の回数が同一である場合でも、ラウンド抽選演出を実行する場合と実行しない場合とがあるため、ラウンド抽選演出に対する信頼感の低下を抑制でき、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、所定のゲームの結果が特別結果となった場合(遊技球が遊技領域32を流下する遊技球流下ゲームの結果、遊技球が特定領域に流入した場合)に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、複数の識別図柄を変動表示した後、複数の停止図柄の中から選択された停止図柄を表示する表示装置(特図1表示器D1、特図2表示器D2)と、選択された停止図柄に基づいて、大入賞口の開放パターンを決定する開放パターン決定手段(遊技制御装置100)と、選択された停止図柄に基づいて、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数)を決定するラウンド数決定手段(遊技制御装置100)と、を備え、複数の停止図柄は、開放パターンのうちの第1開放パターンに対応する複数の第1停止図柄(特図1停止図柄パターン1〜3)と、開放パターンのうちの当該第1開放パターンよりも遊技者にとって有利な第2開放パターンに対応する複数の第2停止図柄(特図2停止図柄パターン1〜3)と、を含み、複数の第1停止図柄は、ラウンド遊技の回数のうちの第1回数(5R、8R)に対応する第1停止図柄(特図1停止図柄パターン1,2)と、ラウンド遊技の回数のうちの当該第1回数よりも遊技者にとって有利な第2回数(16R)に対応する第1停止図柄(特図1停止図柄パターン3)と、を含み、複数の第2停止図柄は、第1回数に対応する第2停止図柄(特図2停止図柄パターン1,2)と、第2回数に対応する第2停止図柄(特図2停止図柄パターン3)と、を含み、複数の第1停止図柄の中から第2回数に対応する第1停止図柄が選択される割合(図96に示す例では10%)と、複数の第2停止図柄の中から第2回数に対応する第2停止図柄が選択される割合(図96に示す例では20%)と、が異なる。
したがって、複数の第1停止図柄の中から第2回数に対応する第1停止図柄が選択される割合と、複数の第2停止図柄の中から第2回数に対応する第2停止図柄が選択される割合と、が異なる、すなわち、大入賞口の開放パターンが遊技者にとって不利な場合と、大入賞口ンも開放パターンが遊技者にとって有利な場合とで、遊技者にとって有利なラウンド回数の発生率が異なるため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技機1は、2種パチンコ機に限らず、1種パチンコ機であっても良い。遊技機1が1種パチンコ機である場合、特図変動表示ゲームの停止結果が特別結果となった場合が「所定のゲームの結果が特別結果となった場合」に相当し、高確率状態(確変状態)が「遊技者に有利な状態」に相当する。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、複数の第1停止図柄(特図1停止図柄パターン1〜3)の中から第2回数(16R)に対応する第1停止図柄(特図1停止図柄パターン3)が選択される割合(図96に示す例では10%)よりも、複数の第2停止図柄(特図2停止図柄パターン1〜3)の中から第2回数に対応する第2停止図柄(特図2停止図柄パターン3)が選択される割合(図96に示す例では20%)の方が高いよう構成することが可能である。
このように構成することによって、大入賞口の開放パターンが遊技者にとって有利な場合の方が、大入賞口の開放パターンが遊技者にとって不利な場合よりも、遊技者にとって有利なラウンド回数の発生率が高くなるため、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機1によれば、所定のゲームの結果が特別結果となった場合(遊技球が遊技領域32を流下する遊技球流下ゲームの結果、遊技球が特定領域に流入した場合)に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、複数の識別図柄を変動表示した後、複数の停止図柄(停止図柄パターン)の中から選択された停止図柄を表示する表示装置(特図1表示器D1、特図2表示器D2)と、選択された停止図柄に基づいて、大入賞口の開放パターンを決定する開放パターン決定手段(遊技制御装置100)と、選択された停止図柄に基づいて、特別遊技状態におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数)を決定するラウンド数決定手段(遊技制御装置100)と、を備え、複数の停止図柄は、複数の第1停止図柄(特図1停止図柄パターン1〜3)と、複数の第2停止図柄(特図2停止図柄パターン1〜3)と、を含み、複数の第1停止図柄は、ラウンド遊技の回数のうちの第1回数(5R、8R)対応する第1停止図柄(特図1停止図柄パターン1,2)と、ラウンド遊技の回数のうちの当該第1回数よりも遊技者にとって有利な第2回数(16R)に対応する第1停止図柄(特図1停止図柄パターン3,4)と、を含み、複数の第2停止図柄は、第1回数に対応する第2停止図柄(特図2停止図柄パターン1,2)と、第2回数に対応する第2停止図柄(特図2停止図柄パターン3)と、を含み、第1回数に対応する第1停止図柄(特図1停止図柄パターン1,2)は、開放パターンのうちの第1開放パターン(1回開放)に対応し、第2回数に対応する第1停止図柄は、第1開放パターンに対応する図柄(特図1停止図柄パターン3)と、開放パターンのうちの当該第1開放パターンよりも遊技者にとって有利な第2開放パターン(2回開放)に対応する図柄(特図1停止図柄パターン4)と、を含み、第1回数に対応する第2停止図柄(特図2停止図柄パターン1,2)および第2回数に対応する第2停止図柄(特図2停止図柄パターン3)は、第2開放パターン(2回開放)に対応し、複数の第1停止図柄の中から第2回数に対応する第1停止図柄が選択される割合と、複数の第2停止図柄の中から第2回数に対応する第2停止図柄が選択される割合と、が同一(図97に示す例では10%)である。
したがって、第2回数に対応する第1停止図柄は、第1開放パターンに対応する図柄と当該第1開放パターンよりも遊技者にとって有利な第2開放パターンに対応する図柄とを含み、第1回数に対応する第2停止図柄および第2回数に対応する第2停止図柄は、第2開放パターンに対応し、複数の第1停止図柄の中から第2回数に対応する第1停止図柄が選択される割合と、複数の第2停止図柄の中から第2回数に対応する第2停止図柄が選択される割合と、が同一であるため、第2開放パターン(すなわち、遊技球が大入賞口に入賞しやすい開放パターン)の発生率が高くなる。よって、遊技者にとって有利なラウンド回数の発生率を高めることができるため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技機1は、2種パチンコ機に限らず、1種パチンコ機であっても良い。遊技機1が1種パチンコ機である場合、特図変動表示ゲームの停止結果が特別結果となった場合が「所定のゲームの結果が特別結果となった場合」に相当し、高確率状態(確変状態)が「遊技者に有利な状態」に相当する。
図101は、本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。図102は、本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。図103は、本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す斜視図である。
図101−103に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1の裏面側は、図示しない遊技制御装置と、役物装置51と、演出制御装置300と、収容体1400と、第1中継基板1500と、第2中継基板1600と、第1取付部1700と、第2取付部1800と、第3取付部1900と、第3中継基板1000と、を備えている。
なお、ここで説明する構成は、パチンコ機1や遊技盤30に設けられる他の制御装置や機器にも適用可能である。さらに、球貸機などのパチンコ機1の周辺機器にも適用可能である。
遊技制御装置は、遊技制御基板と、コネクタと、を備えている。
コネクタは、遊技制御基板に複数設けられた部材であり、ハーネスが接続され、他の装置等に接続される。
役物装置51は、その裏面側において、裏面構成部材1201と、第1係合穴1202と、第2係合穴1203と、を備えており、遊技盤30の表面側および裏面側の両側に露出する装置であり、表面側に表面構成部材として太鼓に見立てた回転体が露出し、裏面側には裏面構成部材1201が露出するように遊技盤30に取り付けられている。
裏面構成部材1201は、役物装置51の裏面を構成する部材であり、後方の露出した面に第1取付部1700が設けられている。
この第1取付部1700には、第1係合穴1202および第2係合穴1203が形成されている。
第1係合穴1202は、裏面構成部材1201の下部左側に設けられた矩形状の穴であり、この穴に後述する第1係合片1401が係合される。
第2係合穴1203は、裏面構成部材1201の下部右側に設けられた矩形状の穴であり、この穴に後述する第2係合片1402が係合される。
演出制御装置300は、図示しない複数のコネクタを備えた正面視矩形状の直方体状の装置であり、役物装置51の右側に隣接して取り付けられている。また、演出制御装置300は、遊技盤30の大きさ、すなわち、裏面の正面視スペースの制約上、裏面に対して平行せずに斜めに向けて取り付けられている。
図105は、本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。図106は、本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す斜視図である。
図105,106に示すように、第1中継基板1500は、遊技盤30の裏面右下方に設けられており、矩形平板状の基板1501と、この基板1501に設けられる複数のコネクタ1502と、を備えている。
また、第1中継基板1500は、基板1501が後述する第2取付部の右側に隣接して設けられており、コネクタ1502がコネクタ1001とハーネスを介して接続される。
なお、第1中継基板1500は、配線の接続作業が行われた後、図示しない被覆部材により裏面側の露出部分が被覆される。
第2中継基板1600は、遊技盤30の裏面中央上方に設けられており、矩形平板状の基板1601と、この基板1601に設けられる複数のコネクタ1602と、を備えている。
また、第2中継基板1600は、基板1601が演出制御装置300の左側に隣接して設けられている。
なお、第2中継基板1600は、配線の接続作業が行われた後、被覆部材1603により裏面側の露出部分が被覆される。
図104は、本発明の実施形態に係る第3中継基板および収容体を示す斜視図である。
図104に示すように、収容体1400は、平面部1403と、包囲壁1404と、第1係合片1401と、第2係合片1402と、を備えている。
平面部1403は、第3中継基板1000が収容される際、第3中継基板1000と離間して、かつ、対向する部材であり、平面形状が第3中継基板1000と略同じ形状に形成されている。
また、平面部1403は、矩形平面の四隅近傍に第3中継基板1000を取り付け固定するための螺子穴1403aが形成されており、中央に長辺と平行に延びる長穴1403bが形成されている。
包囲壁1404は、平面部1403の周縁から平面部1403に対して垂直に立ち上がる部材であり、この包囲壁1404と平面部1403とが第3中継基板1000を収容する空間を形成している。また、包囲壁1404は、平面部1403の上辺において切欠き1404aが設けられており、平面部1403と第3中継基板1000との離間空間が外部と連通されている。
第1係合片1401および第2係合片1402は、矩形平面の短辺両側に設けられ、後述する第1取付部1700および第2取付部1800に取り付けられる際の固定箇所となる係合片である。具体的には、一方の係合片は短辺から外方へと突出する断面L字の爪状の第1係合片1401であり、他方の係合片は短辺から外方へと突出する断面U字状の長辺側に沿って弾性を有する第2係合片1402である。また、第1係合片1401および第2係合片1402は、平面部1403に対して包囲壁1404と反対側へと迫り出している。
第1係合片1401は、第1係合穴1202の空間に収容され、第1係合穴1202の左側の裏面構成部材1201に係合するようになっている。
また、第2係合片1402には、平面部1403の短辺外方へと突出する係合突起1402aが設けられている。この係合突起1402aは、第2係合穴1203の右側に係合するようになっている。
具体的には、まず第1係合片1401が第1係合穴1202に係合され、次に第2係合片1402が第2係合穴1203に係合されて収容体1400が役物装置51の裏面に取り付けられることとなる。
また、第2係合片1402が第2係合穴1203に係合される際は、断面U字状の第2係合片1402が弾性変形することで第2係合穴1203に嵌装され、復元力により元の形状に戻ることで第2係合穴1203の右側に係合突起1402aが係合される。このとき、第2係合片1402は、復元力により完全に復元されず、復元力が残存するようになっており、この残存する復元力が係合突起1402aと第2係合穴1203との係合状態を安定させている。
また、収容体1400は、第2係合片1402を弾性変形させて係合突起1402aの係合が解除されて第2係合片1402が第2係合穴1203から脱離させられ、第1係合片1401が第1係合穴1202との係合状態が解消されることで、後述する第1取付部1700から取り外されるようにもなっている。
図107は、本発明の実施形態に係る遊技盤を示す側面図である。図108は、本発明の実施形態に係る遊技盤を示す側面図である。
図107,108に示すように、第1取付部1700は、第1係合穴1202および第2係合穴1203と、第1係合片1401および第2係合片1402とがそれぞれ係合することにより、役物装置51に収容体1400が取り付けられる箇所のことである。また、第1取付部1700は、パチンコ機1の裏面において最も後方へ迫り出した箇所である。
図105,106に示すように、第2取付部1800は、第1中継基板1500の左側に隣接して設けられており、平面部1801と、第3係合穴1802と、第4係合穴1803と、を備えている。
平面部1801は、収容体1400の平面部1403と略同じ形状の平面を備えており、収容体1400が取り付けられる際に平面部1403と当接する箇所である。
また、平面部1801は、平面の略中央に長辺方向に延びる長穴が形成されており、この長穴の周縁に沿って平面部1801に対して後方へ垂直に突出する突出部1801aを備えている。この突出部1801aは、長穴1403bに対応する位置に設けられており、収容体1400が第2取付部1800に取り付けられる際、長穴1403bに嵌装されるようになっている。すなわち、突出部1801aは、収容体1400と第2取付部1800との位置決め機能を果たすようになっている。
また、第2取付部1800は、パチンコ機1の裏面において比較的奥まった箇所に位置している。具体的には、第2取付部1800は、第3中継基板1000が取り付けられた状態において、第3中継基板1000の最後部よりも第1取付部1700の方が後方に迫り出すように奥まっている。
なお、第3中継基板1000は、配線の接続作業が行われ、第2取付部1800に取り付けられた後、被覆部材1804により裏面側の露出部分が被覆される。
また、突出部1801aに囲まれた長穴1801bは、平面部1801よりパチンコ機1の内側の空間と外部空間とを連通させる開口であり、この開口からパチンコ機1内部の加熱された内気を外気へと排気する排気口(排熱口)として機能するようになっている。具体的には、第2取付部1800に収容体1400が取り付けられた状態において、長穴1403bが突出部1801aと嵌合し、この突出部1801aの先端が第3中継基板1000と離間するようになっている。このため、排気は、突出部1801aから平面部1403と第3中継基板1000との離間空間を介して包囲壁1404の上部に設けられた切欠き1404aから排気されるようになっている。
第3係合穴1802は、平面部1801の左側短辺に設けられており、この第3係合穴1802の箇所に第1係合片1401が収容される空間が設けられている。また、収容された第1係合片1401が第3係合穴1802の左側部分に係合されるようになっている。
第4係合穴1803は、平面部1801の右側短辺に設けられており、この第4係合穴1803の箇所に第2係合片1402が収容される空間が設けられている。
また、第2係合片1402が第4係合穴1803に係合される際は、断面U字状の第2係合片1402が弾性変形することで第4係合穴1803に嵌装され、第4係合穴1803の右側に係合突起1402aが復元力により係合される。
また、収容体1400は、第2係合片1402を弾性変形させて係合突起1402aの係合が解除されて第2係合片1402が第4係合穴1803から脱離させられ、第1係合片1401が第3係合穴1802との係合状態が解消されることで、第2取付部1800から取り外されるようにもなっている。
すなわち、収容体1400は、第1取付部1700および第2取付部1800のそれぞれに取り付けることができるようになっており、パチンコ機1の製造作業およびパチンコ機1の稼動時において、適宜都合のよい箇所に取り付けられるようになっている。
具体的には、収容体1400は、第3中継基板1000が取り付けられた状態において、第3中継基板1000のコネクタ1001と第1中継基板1500のコネクタ1502とがハーネスにより接続される接続作業時に第1取付部1700に取り付けられ、接続作業が終了してパチンコ機1が使用される際に第2取付部1800に取り付けられるようになっている。
言い換えれば、接続作業の際には、第3中継基板1000が第1中継基板1500に隣接して取り付けられることがなく、パチンコ機1の裏面の略中央に位置し、かつ、最も迫り出した第1取付部1700に取り付けられるようになっている。
このため、第3中継基板1000のコネクタ1001と第1中継基板1500のコネクタ1502とをハーネスで接続する際、コネクタ1001,1502同士が近接して接続作業が煩雑になるようなことがなく、第2取付部1800のように奥まった箇所において接続作業をする必要もないため、作業が容易になる。
また、第1取付部1700は、パチンコ機1の裏面において最も迫り出した箇所であるので、第3中継基板1000のコネクタ1001にハーネスを取り付けることがより一層容易なものとなっている。
図109は、本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。図110は、本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す斜視図である。
図109−110に示すように、第3取付部1900は、演出制御装置300が取り付けられる箇所であり、平面部1901と、挿通穴1902と、係合溝1903と、を総称して第3取付部1900とする。
平面部1901は、演出制御装置300を取り付ける際、演出制御装置300が当接される平面を有する部材であり、図112のように遊技盤30の裏面側で止着されている。
挿通穴1902は、平面部1901の上部に設けられており、演出制御装置300の上部を固定する部材であり、水平方向に沿って延びる長穴、具体的には俵形状に形成された穴である。
係合溝1903は、平面部1901よりも下方に設けられており、演出制御装置300の下部を固定する部材であり、挿通穴1902の長穴と同様に水平方向に溝が延設されており、溝の端部のうち左側は壁面が設けられず隙間が形成されている。また、この隙間に離間した位置に係止部1903aが設けられている。また、図112のように遊技盤30の裏面側で止着されている。
保護柱1904は、制御ベースユニット39のベース部材の一部であるが、ベース部材の一部ではなく単体の部材として設けられてもよい。
図111は、本発明の実施形態に係る演出制御基板を示す背面図である。
図111に示すように、演出制御装置300は、挿通穴301と、止着部302と、音量調整部303と、識別表示部304と、を備えている。
挿通穴301は、演出制御装置300の上部に正面視矩形の平面から上方に突設された半楕円状の部材であり、上部に円形の穴が形成されている。
止着部302は、演出制御装置300の下部から下方に突設された部材であり、正面視矩形状に形成されている。
音量調整部303は、演出制御装置300の下方左側に設けられており、パチンコ機1を遊技する際の演出音の音量を調整する部材である。具体的には、音量は最小(0段階)から最大(9段階)まで全10段階で調整可能であり、最小段階が消音設定となっている。
識別表示部304は、演出制御装置300の裏面側(パチンコ機1の裏面と同一側)に設けられた個体を識別するための識別表示である。この識別表示としては、例えば、シート状のシールを貼付してもよく、刻印をするものとしてもよく、プレス加工によって凸状に文字を表示してもよい。
図112は、本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す斜視図である。
図110,112に示すように、演出制御装置300が第3取付部1900に取り付けられる具体的な態様は、まず、演出制御装置300が平面部1901に対してやや左にずれた状態で当接され、演出制御装置300の上部に設けられた挿通穴301が平面部1901の上部に設けられた長穴の挿通穴1902と穴の空間が対応するようになっており、これら2つの穴に挿通ピンAを中腹まで挿通して仮止めする。
なお、挿通ピンAは、挿通穴301の直径および挿通穴1902の上辺と下辺との距離よりもやや大きい寸法の直径に形成された図示しない弾性を有する径大部を先端および中腹に備えている。ここで、上述した「中腹まで挿通する」とは、これら2つの径大部に挟まれた部位に挿通穴301,1902がともに配置される状態をいう。
また、径大部同士の離間距離は2つの挿通穴301,1902の厚み寸法よりも大きい。すなわち、中腹まで挿通した状態では、挿通穴301の位置が長穴の挿通穴1902の延在方向に自由にスライドできるようになっている。
そして、演出制御装置300を平面部1901に沿って右斜め前へとスライドさせることで、下部に設けられた止着部302が係合溝1903の左の隙間から溝に沿って右へと係合しながら係合溝1903に収容される。このとき、仮止めされた挿通ピンAは、長穴の挿通穴1902を延在方向に沿って右側へスライドする。
最後に、演出制御装置300が所定の位置に仮止めされた状態で、上部の挿通ピンAを2つの挿通穴301,1902に完全に奥まで挿通して取り付け固定する。ここで、「完全に奥まで挿通する」とは、中腹に設けられた径大部と挿通ピンAのピン頭との間に挿通穴301と挿通穴1902とが配置されることをいう。また、中腹の径大部とピン頭との離間寸法は挿通穴301および挿通穴1902を合わせた厚み寸法と略同じである。すなわち、完全に奥まで挿通することで、挿通穴301の位置が長穴の挿通穴1902の水平方向に自由にスライドできなくなり、位置決め固定されるようになっている。
なお、係合溝1903と止着部302との係合状態については、仮に挿通ピンAが緩み、挿通穴1902に沿って挿通穴301が位置ずれするような場合でも係合溝1903の隙間に離間した位置に係止部1903aが設けられているため、係止溝1903から止着部302が離脱しかけても、事前に止着部302が係止部1903aにより係止されるため、係合溝1903から離脱することがないようになっている。
図113は、本発明の実施形態に係る遊技盤の裏面を示す背面図である。
図113に示すように、保護柱1904は、平面部1901から外方へ離間して設けられる柱状の部材であり、この保護柱1904と平面部1901との間に演出制御装置300が取り付けられるようになっている。
このため、例えば、演出制御装置300の外方から物体が衝突するような場合、保護柱1904が演出制御装置300の外方に設けられているので、物体が保護柱1904と衝突し、演出制御装置300に直接衝突しないようになっている。
また、保護柱1904は、演出制御装置300が取り付けされた際、識別表示部304に対応する箇所に開口部1904aが設けられている。
このため、この開口部1904aから識別表示部304の識別内容が覗き見られるようになっている。
さらに、保護柱1904は、幅寸法が識別表示部304の幅寸法よりも小さくなっており、保護柱1904の周囲に空間を確保することができ、開口部1904aだけでなく保護柱1904の周囲からも識別表示部304を目視することができるようになっている。
また、演出制御装置300の上方には、球規制部材1905が設けられている。この球規制部材1905は、上方から落下してくる遊技球が演出制御装置300に直撃しないように球の行き先を規制する部材である。例えば、パチンコ機1を島型の遊技場に設置する場合、パチンコ機1へと供給される遊技球がパチンコ機1の上部に貯留される。この貯留された遊技球は、供給される際(貯留場所へと遊技球が流れてくる際)、まれに貯留場所からこぼれ出すことがあり、このこぼれ出した遊技球は下方の演出制御装置300へと落下することとなる。このため、演出制御装置300と貯留場所と間に球規制部材1905を設けることで、演出制御装置300への遊技球の直撃を防いでいる。
以上のように、本実施形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
本実施形態では、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生するパチンコ機1であって、ハーネスを接続するためのコネクタを備える第3中継基板1000と、一の第3中継基板1000を取り付け可能な取付部である第1取付部1700と、第2取付部1800と、を備えるものとした。
こうすることで、第3中継基板1000をパチンコ機1に取り付ける際、第1取付部1700と第2取付部1800とのどちらにでも取り付けることができ、配線の接続作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、第3中継基板1000は、ハーネスを接続するためのコネクタ1001を備え、第1取付部1700は、ハーネスの接続作業を行う際に第3中継基板1000が取り付けられる取付部であり、第2取付部1800は、パチンコ機1を使用する際に第3中継基板1000が取り付けられる取付部であるものとした。
こうすることで、第3中継基板1000は、ハーネスの接続作業を行う際に第1取付部1700に取り付けられ、パチンコ機1を使用する際に第2取付部1800に取り付けられるので、配線の接続作業をしやすくすることができる。
具体的には、第2取付部1800に近接(隣接)する第1中継基板1500と第3中継基板1000とを接続する際、第1中継基板1500と第3中継基板1000とが近接しているので、第2取付部1800に取り付けて配線作業を行うと、第3中継基板1000および基板1501にそれぞれ設けられたコネクタ1001,1502同士をハーネスで接続する作業空間が狭くて接続作業が容易でなくなってしまうが、配線の接続作業する段階では、第3中継基板1000を第2取付部1800ではなく第1取付部1700に取り付けることで、第1中継基板1500から第3中継基板1000をより遠く離間させることができる。
このため、第1中継基板1500と第3中継基板1000とが近接する場合のようにコネクタ1001,1502同士が近くに配置されて配線作業者の指が入りにくくなるようなことがなく、容易に配線作業を行うことができる。
また、配線作業終了後は、第2取付部1800に第3中継基板1000を取り付けた状態で遊技機を使用することができる。
また、本実施形態では、第3中継基板1000が第1取付部1700に取り付けられた際、ハーネスを接続すべきコネクタ1001,1502が外部に露出した状態となるものとした。
こうすることで、第3中継基板1000が第1取付部1700に取り付けられた際、コネクタ1001が外部に露出するので、ハーネスの接続作業を容易に行うことができ、配線の接続作業をしやすくすることができる。
言い換えれば、第1中継基板1500に隣接する第2取付部1800に第3中継基板1000を取り付けるのではなく、パチンコ機1の裏面略中央に位置する第1取付部1700に第3中継基板1000を取り付け、配線の接続作業をする空間を広く確保し、なおかつ、この状態でそれぞれのコネクタ1001,1502が外部に露出するので、作業空間およびコネクタ1001,1502とハーネスの接続作業自体も容易なものとすることができ、より一層配線の接続作業をしやすくすることができる。
また、本実施形態では、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生するパチンコ機1であって、ハーネスを接続するためのコネクタ1001を備える第3中継基板1000と、この第3中継基板1000を取り付け可能な取付部である第1取付部1700と、第2取付部1800と、パチンコ機1の前面側に露出し、遊技の演出を遊技者が視認可能な演出制御装置300と、この演出制御装置300の裏面の少なくとも一部を構成する裏面構成部材1201と、を備え、第1取付部1700は、裏面構成部材1201に設けられ、第2取付部1800は、裏面構成部材1201以外の箇所に設けられるものとした。
こうすることで、第3中継基板1000をパチンコ機1に取り付ける際、第1取付部1700と第2取付部1800とのどちらにでも取り付けることができる。
また、第1取付部1700は裏面構成部材1201に設けられ、第2取付部1800は裏面構成部材1201以外の箇所に設けられるものとした。
こうすることで、第1取付部1700と第2取付部1800とが裏面において別部材にそれぞれ設けられることとなる。
このため、第1中継基板1500と第3中継基板1000とが近接する場合のようにコネクタ1001,1502同士が近くに配置されて配線作業者の指が入りにくくなるようなことがなく、容易に配線作業を行うことができる。
また、本実施形態では、第3中継基板1000が収容される収容体1400を備え、この収容体1400は、第1取付部1700と、第2取付部1800と、のいずれにも取り付け可能であるものとした。
こうすることで、収容体1400を都合に合わせて適宜、第1取付部1700もしくは第2取付部1800に取り付けることができ、配線の接続作業をしやすくすることができる。
また、本実施形態では、第1取付部1700は、パチンコ機1の裏面において最も後方へ迫り出した箇所に設けられるものとした。
こうすることで、配線作業を行う際、第1取付部1700に取り付けた第3中継基板1000は、パチンコ機1の裏面において最も迫り出すこととなり、コネクタ1001にハーネスを接続する作業を容易なものとすることができる。
また、本実施形態では、第2取付部1800がパチンコ機1の裏面において比較的奥まった箇所に設けられているものとした。
こうすることで、第1取付部に取り付けて配線作業をした後、パチンコ機1の裏面から比較的奥まった箇所に位置する第2取付部1800に第3中継基板1000が取り付けられるので、作業時には迫り出した箇所で配線作業が行いやすく、作業終了後には省スペース化を考慮して裏面において比較的奥まった箇所に第3中継基板1000を配置することができる。
ここで、例えば、パチンコ機1を複数隣接した列を2つ、パチンコ機1の裏面を対向させて配置し、いわゆる島型の遊技スペースを形成するような場合、第3中継基板1000を第1取付部1700に取り付けたままで遊技をしようとすると、対向するパチンコ機1の第3中継基板1000同士の距離が狭くなり、十分な間隔を確保することができなくなってしまう。
このため、第3中継基板1000は、裏面おいて最も迫り出した第1取付部1700に取り付けたまま遊技をすることは好ましくない。
これに対し、本実施形態では、遊技をする際には、第3中継基板1000が取り付けられた状態において、第3中継基板1000の最後部よりも第1取付部1700の方が後方に迫り出すように奥まっている第2取付部1800に第3中継基板1000が取り付けられるものとしたので、対向するパチンコ機1との間隔を対向する第1取付部1700同士の離間寸法分、確保することができる。
また、本実施形態では、第2取付部1800の平面部1801は、突出部1801aに囲まれた長穴1801bを備えるものとした。この長穴1801bは、平面部1801よりパチンコ機1の内側の空間と外部空間とを連通させる開口である。
こうすることで、長穴1801bは、パチンコ機1内部の加熱された内気を外気へと排気する排気口(排熱口)として機能させることができ、パチンコ機1内部が蓄熱により昇温することを防ぐことができる。
また、本実施形態では、演出制御装置300は、パチンコ機1の裏面に対して角度を持って、すなわち遊技盤30に対して斜めに取り付けられているものとした。
こうすることで、演出制御装置300を裏面に対して平行に設ける場合に比べて、パチンコ機1の裏面の平面視における専有面積を小さくすることができる。
このため、役物装置51が比較的大きな装置である場合、演出制御装置300を取り付けるために遊技盤30を大きくする必要がなく(実際には規格等の制約から遊技盤30を大きくすることは難しい)、省スペース化することができる。
また、本実施形態では、第2係合片1402が第2係合穴1203に係合される際は、断面U字状の第2係合片1402が弾性変形することで第2係合穴1203に嵌装され、復元力により元の形状に戻ることで第2係合穴1203の右側に係合突起1402aが係合される。
このとき、第2係合片1402は、復元力により完全に復元されず、復元力が残存するものとした。
こうすることで、残存する復元力が係合突起1402aと第2係合穴1203との係合状態を安定させることができ、収容体1400と第1取付部1700ないし第2取付部1800との取付状態を安定化させることができる。
また、本実施形態では、保護柱1904は、平面部1901から外方へ離間して設けられ、この保護柱1904と平面部1901との間に演出制御装置300が取り付けられるものとした。
こうすることで、例えば、演出制御装置300の外方から物体が衝突するような場合、保護柱1904が演出制御装置300の外方に設けられているので、物体が保護柱1904と衝突し、直接演出制御装置300に直接衝突しないようになっている。
また、本実施形態では、保護柱1904は、演出制御装置300が取り付けられた際、識別表示部304に対応する箇所に開口部1904aが設けられているものとした。
こうすることで、開口部1904aから識別表示部304の識別内容を目視することができる。
また、本実施形態では、保護柱1904は、幅寸法が識別表示部304の幅寸法よりも小さいものとした。
こうすることで、保護柱1904の周囲に空間を確保することができ、開口部1904aからだけでなく保護柱1904の周囲からも識別表示部304を目視することができる。
また、本実施形態では、演出制御装置300の上方には、球規制部材1905が設けられるものとした。
こうすることで、例えば、パチンコ機1を島型の遊技場に設置する場合、パチンコ機1へと供給される遊技球がパチンコ機1の上部に貯留されるが、この貯留される遊技球は、供給される際(貯留場所へと遊技球が流れてくる際)、まれに貯留場所からこぼれ出すことがあり、このこぼれ出した遊技球は下方の演出制御装置300へと落下することとなる。このため、演出制御装置300と貯留場所と間に球規制部材1905を設けることで、演出制御装置300への遊技球の直撃を防ぐことができる。
以上、本発明を本実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
本実施形態では、配線の接続作業の終了後、第3中継基板1000、第1中継基板および第2中継基板1600にそれぞれ被覆部材1603,1804が設けられるものとしたが、これに限らず、被覆部材1603,1804を設けない構成としてもよい。
また、本実施形態では、挿通穴301と挿通穴1902とを仮止めしてから、止着部302と係合溝1903とを係合するものとしたが、これに限らず、止着部302と係合溝1903とを係合させてから挿通穴301と挿通穴1902とを位置決め固定し、仮止めを省略してもよい。
また、本実施形態では、第1係合片1401および第2係合片1402と第1係合穴1202および第2係合穴1203とをそれぞれ係合させて収容体1400を第1取付部1700に取り付けるものとしたが、これに限らず、収容体1400を第1取付部1700に取り付け可能な構成であればいずれの構成でもよい。
また、収容体1400を第2取付部1800に取り付ける構成についても同様にいずれの構成でもよい。
また、本実施形態では、演出制御装置300は、上部が挿通穴301,1902と挿通ピンAとにより固定され、下部が止着部302と係合溝1903とにより固定されるものとしたが、これに限らず、例えば、演出制御装置300に対応する収容体を設けて、第3中継基板1000と同様の構成により、第3取付部1900に取り付けるものとしてもよい。
また、第3中継基板1000を取り付ける部分である第2係合片1402と第2係合穴1203とを挿通ピンAと挿通孔301,1902とで代用してもよい。代用することで仮止め可能となり、仮止めによる第3中継基板1000の取り付け位置の把握が容易となることで、作業効率の向上が期待できる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ機(遊技機)
35 変動入賞装置
47 球流路形成部材
47a1 前面部(第1部材)
47a2 後面部(第2部材)
47a3 第1隙間部(規制部)
47b1 左面部(第1部材)
47b2 右面部(第2部材)
47b3 第2隙間部(規制部)
62 太鼓役物(所定部材)
63c 背面排出流路形成部材(排出領域形成部材)
63c1 突出片(突出部)
65a 保護部材(再進入規制部)
77 V可動部材(可動部材)
80 決定装置(決定手段)
82 水平可動部材(第1可動部材)
85 垂直可動部材(第2可動部材)
100 遊技制御装置(ラウンド数決定手段、演出実行決定手段)
300 演出制御装置(ラウンド抽選演出実行手段)
1000 第3中継基板(基板)
1001 コネクタ
1700 第1取付部
1800 第2取付部
D1 特図1表示器(表示装置)
D2 特図2表示器(表示装置)

Claims (2)

  1. 所定のゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
    遊技球が流入可能な特定領域と、
    前記特定領域への流入を逃した遊技球が流下する排出領域と、
    遊技球を前記特定領域へと誘導可能な可動部材と、を備え、
    遊技球が前記特定領域に流入した場合に遊技者に有利な状態を発生可能であり、
    前記可動部材は、
    初期位置に停止した状態から前記排出領域に遊技球を誘導する第2位置へ向けて移動し、その後、前記初期位置へ向けて移動して当該初期位置で停止する第1移動動作と、
    前記第2位置と前記初期位置を挟んで反対側に設けられた第3位置から前記初期位置へ向けて移動して当該初期位置で停止する第2移動動作と、が可能であることを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動部材は、前記初期位置に停止した状態から、前記第2位置と前記初期位置を挟んで反対側に設けられた位置であって前記特定領域に遊技球を誘導する位置である第4位置へ向けて移動する第3移動動作が可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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