JP4905237B2 - 有機エレクトロルミネッセンス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置に関するものである。
近年、バックライト等の光源を必要としない自発光素子を備えた表示装置としてエレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子)を備えた有機EL装置が注目されている。有機EL装置は、スイッチング素子として例えばTFT素子が基板上に設けられ、このTFT素子による凹凸を緩和する平坦化層上に設けられた画素電極と陰極との間に有機発光層を挟持した構成を有している。画素電極は各画素領域に対応して設けられている。そのため、有機EL装置には、隣接する画素領域間における画素電極の接触、或いは画素電極及び陰極の接触を防止するための隔壁が形成される(例えば、特許文献1参照)。このような隔壁の形成材料としては、上記の平坦化層の形成材料と同様のアクリル樹脂やポリイミド等が用いられる。
ところで、有機EL装置の製造工程では、前記画素電極上に有機発光層を形成するに先立ち、画素電極表面の汚れを除去する表面処理としてプラズマ処理を行う。画素電極は、例えばITO(インジウム・スズ酸化物)から構成されている。このようなプラズマ処理を行うと、上記の隔壁を構成するアクリル樹脂やポリイミドの一部がエッチングされることでITO(画素電極)上に異物が付着し、ITO表面が汚染されることで発光特性が低下するおそれがある。そこで、隔壁を構成する有機材料を改良することで、プラズマ処理に起因する不具合の防止を図った技術がある(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−275172号公報 特開2005−216714号公報
ところで、画素電極表面の汚れを良好に除去するためにはより強いプラズマ処理を行事が望ましい。しかしながら、上述した特許文献2に開示される隔壁材料は有機材料から構成されているため、依然としてプラズマ耐性に限度があり、十分なプラズマ耐性を有するとは言い難かった。その結果、プラズマ処理の強さを抑えることでITO表面の洗浄処理が不十分となったり、反対に隔壁に対しプラズマ耐性以上の処理が施されることでITO表面が汚染されることで、発光特性が低下するおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、プラズマ表面処理に起因する不具合を防止することで、長期に亘って良好な発光特性を得る有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置は、基板上に、画素領域を囲む隔壁構造と、該隔壁構造内に臨む画素電極と、該画素電極上に配置される有機発光層と、該有機発光層を覆う陰極と、を有する有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記隔壁構造は、無機材料で構成される無機隔壁と、有機材料で構成される有機隔壁との積層構造から構成されており、前記有機隔壁の表面が無機材料で構成された無機保護膜で覆われることを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置によれば、例えば有機発光層を形成するに際して、画素電極表面をプラズマ処理により洗浄した場合でも、有機隔壁の表面を覆う無機保護膜によって有機隔壁にプラズマダメージが及ぶことが防止される。よって、有機隔壁の形成材料の一部がプラズマ処理によってエッチングされて、その一部が異物として画素電極表面に付着することで画素電極が汚染されることがない。したがって、画素電極上に有機発光層が良好に形成されたものとなり、長期に亘り良好な発光特性を得ることのできる有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することができる。
また、上記有機エレクトロルミネッセンス装置においては、前記無機保護膜は、SiO、SiO、SiON、SiN、AlO、AlN、及びAlのいずれかを主体として構成されるのが好ましい。
この構成によれば、上述したようなプラズマ処理を行った際でも、有機隔壁にダメージが及ぶのを良好に防止できる。
また、上記有機エレクトロルミネッセンス装置においては、前記無機保護膜の膜厚が、50nm以上200nm以下であるのが好ましい。
この構成によれば、無機保護膜の膜厚が50nm以上となっているので、十分なプラズマ耐性を得ることができる。また、無機保護膜の膜厚が200nm以下となっているので、膜厚が厚すぎることで無機保護膜に割れが生じてしまうのを抑制できる。
また、上記有機エレクトロルミネッセンス装置においては、前記有機発光層は気相法によって形成されたものであることが好ましい。
この構成によれば、上述したように洗浄処理による汚染が防止された画素電極上に、例えば蒸着法等の気相法により有機発光層を良好に形成できるので、信頼性が高く良好な発光特性を得るものを提供できる。
また、上記有機エレクトロルミネッセンス装置においては、前記有機隔壁の内側面が、断面視テーパ形状の傾斜面をなすのが好ましい。
この構成によれば、例えば有機発光層が蒸着法を用いることで基板全面に形成される場合に、有機隔壁の内側面がテーパ形状となっているので、有機隔壁内側面と有機発光層との密着性が高いものとなる。よって、有機発光層上に形成される陰極も上記テーパ形状の内側面に沿って形成されることで断線が発生するのを防止できる。
(有機エレクトロルミネッセンス装置)
以下、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置と称す)に係る一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態の有機EL装置の回路構成図、図2は、同有機EL装置における各画素領域の平面構造を示す図であって陰極や有機発光層を取り除いた状態を示す図である。また図3は、有機EL装置の断面構成を示す概略図である。
図1に示すように、有機EL装置1は、複数の走査線31と、これら走査線31に対して交差する方向に延びる複数の信号線32と、これら信号線32に並列に延びる複数の共通給電線33とがそれぞれ配線されたもので、走査線31及び信号線32の各交点に画素領域71が設けられて構成されたものである。
信号線32に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、及びアナログスイッチ等を備えるデータ側駆動回路72が設けられている。一方、走査線31に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタ等を備える走査側駆動回路73が設けられている。また、画素領域71の各々には、走査線31を介して走査信号(電力)がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)42と、このスイッチング用TFT42を介して信号線32から供給される画像信号を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用TFT43と、この駆動用TFT43を介して共通給電線33に電気的に接続したときに共通給電線33から駆動電流が流れ込む画素電極(陽極)41と、この画素電極41と陰極54との間に挟み込まれる有機発光層40と、が設けられている。そして、前記画素電極41と陰極54と、有機発光層40とによって発光素子が構成されている。
このような構成のもとに、走査線31が駆動されてスイッチング用TFT42がオンとなると、そのときの信号線32の電位(電力)が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、駆動用TFT43のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT43のチャネルを介して共通給電線33から画素電極41に電流(電力)が流れ、さらに有機発光層40を通じて陰極54に電流が流れることにより、有機発光層40は、これを流れる電流量に応じて発光する。
次に、図2に示す画素領域71の平面構造をみると、画素領域71は、平面視略矩形状の画素電極41の四辺が、信号線32、共通給電線33、走査線31及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。画素電極41はドレイン電極36に導電接続されることで駆動用TFT43に電気的に接続されたものとなっている。
(断面構造)
また図3に示す画素領域71の断面構造をみると、基板P上に駆動用TFT43が設けられており、駆動用TFT43を覆って形成された第一、及び第二層間絶縁膜23,24上に発光素子200が配設されている。この発光素子200は、基板P上に立設されたバンク構造(隔壁構造)50の内部に臨む画素電極41と、この画素電極41上に配置される有機発光層40と、この有機発光層40を覆う陰極54とを有して構成される。また、前記バンク構造50は各画素領域71を区画した(囲んだ)状態に基板P上に形成されている。
前記基板Pとしては、本実施形態のようなトップエミッション型の有機EL装置の場合、有機EL発光素子200が配設される側から光を外部に取り出す構成であることから、ガラス等の透明基板のほか、不透明基板も用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化等の絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)等が挙げられる。
基板P上に設けられる前記駆動用TFT43は、半導体層21に形成されたソース領域43、ドレイン領域43b、及びチャネル領域43cと、半導体層表面に形成されたゲート絶縁膜22を介してチャネル領域43cに対向するゲート電極43Aとを主体として構成されている。半導体層21及びゲート絶縁膜22を覆う第一層間絶縁膜23が形成されており、この第一層間絶縁膜23を貫通して半導体層21に達するコンタクトホール34,35内に、それぞれドレイン電極36、ソース電極38が埋設され、各々の電極はドレイン領域43b、ソース領域43に導電接続されている。第一層間絶縁膜23の上層には、第二層間絶縁膜24が形成されており、この第二層間絶縁膜24に貫設されたコンタクトホール39に画素電極41の一部が埋設されている。そして画素電極41とドレイン電極36とが導電接続されることで、駆動用TFT43と画素電極41(発光素子200)とが電気的に接続されている。なお、前記第一、第二層間絶縁膜23,24は前記駆動用TFT43、又は前記ドレイン電極36、及びソース電極38によって基板P上に生じる凹凸を平坦化する平坦化層を兼ねている。
また、バンク構造50はSiOやSiN等の絶縁性無機材料からなる無機バンク(無機隔壁)50Bと、上記第一、第二層間絶縁膜23,24の形成材料と同様にアクリルやポリイミド等の有機材料からなる有機バンク(有機隔壁)50Aとの積層構造から構成されている。具体的には、前記無機バンク50Bは画素電極41の側面及び上端部を覆うように前記第二層間絶縁膜24上に形成され、画素電極41の一部(上面)を露出させるとともに、各画素領域71に対応して配置される画素電極41間を絶縁している。
そして、無機バンク50Bは第二層間絶縁膜24の一部を露出させた状態に形成されている。また、前記有機バンク50Aは、無機バンク50Bから露出した第二層間絶縁膜24、及び無機バンク50Bの一部を覆った状態に形成されている。なお、有機バンク50Aの膜厚としては、2〜3μm程度に設定するのが望ましい。
また、有機バンク50Aの表面を覆うようにして、SiN等の無機材料で構成される無機保護膜44が設けられている。この無機保護膜44の膜厚としては、50nm〜200nm程度に設定するのが望ましい。
無機保護膜44の形成材料としては、上記のSiNに限定されることはなく、SiO、SiO、SiON、SiN、AlO、AlN、Alのいずれかを主体とするものを用いてもよい。
前記バンク構造50の底部に臨まれる画素電極41上に有機発光層40と陰極54とが積層され、発光素子200が構成される。本実施形態では、前記有機発光層40及び前記陰極54がバンク構造50(有機バンク50A)の上面を覆うようにして基板P全面に形成されている。なお、有機発光層40は後述するように真空蒸着法(気相法)によって形成されたものである。
本実施形態では、前記有機発光層40の形成材料としては、白色の蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の低分子材料を用いられ、例えば青色と橙色発光素子を積層した2発光層積層型白色素子や赤色、緑色、及び青色を積層した3発光層積層型白色素子等が用いられる。なお、図示しないものの、有機発光層40は発光層に加えて、正孔注入/輸送層、及び電子注入/輸送層を含んで構成されている。この場合、正孔注入/輸送層、発光層及び電子注入/輸送層は、各層に好適な蒸着材料を周知の蒸着法に基づいて蒸着することによって形成される。
本実施形態に係る有機EL装置1は、封止基板27側から光を取り出す、所謂トップエミッション方式の有機EL装置である。
そのため、陰極54は透明材料によって構成される。この陰極54を形成する透明導電材料としてはインジウム・スズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、アルミニウム薄膜、マグネシウム銀の薄膜等を用いることができる。具体的に本実施形態では、ITOを用いた。
また、画素電極41は金属材料等の適宜な導電材料によって形成できる。本実施形態ではITOを主体として構成されている。なお、本実施形態に係る有機EL装置1は、上述したようにトップエミッション方式の有機EL装置であることから、外部に光を効率的に取り出すことができるように、画素電極41の下層側には例えばAl等の光反射性を有する反射膜(図示せず)を設けている。
また、前記陰極54の上層側には陰極保護層45が形成されている。この陰極保護層45を設けることで、製造プロセス時に陰極54が腐食されるのを防止できる。また、陰極保護層45は陰極54の酸化も良好に防止できる。陰極保護層45の形成材料としては、無機化合物、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン窒酸化物等のシリコン化合物が用いられる。
ところで、本実施形態に係る有機EL装置1では、有機発光層40、陰極54、及び陰極保護層45がバンク構造50の上面、さらにはバンク構造50の側面部を覆った状態に形成されている。
ここで、有機バンク50Aの内側面は、断面視テーパ形状をなす傾斜面となっている。この構成により、後述するように蒸着法により形成される有機発光層40を有機バンク50Aの内側面に良好に付着させることができ、有機発光層40及び有機バンク50Aは密着性の高い状態に形成される。さらに、有機発光層40上に積層して形成される陰極54も上記テーパ面に沿って形成されることにより断線の発生が防止されたものとなる。
本実施形態に係る有機EL装置1では、基板Pと対向してカラーフィルタ基板25が設けられている。このカラーフィルタ基板25は、三原色の各色(R,G,B)に対応するカラーフィルタ26と遮光用のBM(ブラックマトリクス)パターン28とから構成されている。また、このカラーフィルタ基板25は、基板P側の画素領域71とカラーフィルタ26とが対向するように設けられている。
また、カラーフィルタ基板25上に封止基板27が設けられている。この封止基板27は例えばガラス等の透明性を有する材料からなるものである。なお、前記封止基板48の内面側に凹部を設け、この凹部に水や酸素を吸収するゲッター剤(例えば、CaO、BaO等)44を配置することで有機EL装置1内部に侵入した水又は酸素を吸収できるようにしてもよい。
ここで、前記有機EL装置1の製造方法を述べることで、この有機EL装置1によれば長期に亘って良好な発光特性を得ることのできる理由について説明する。
(有機EL装置の製造方法)
以下、有機EL装置1の製造方法について図4を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、駆動用TFT43、及び画素電極41等を形成する工程については、周知の工程と同様なので、これ以降の工程について詳しく説明する。
まず、図4(a)に示すように、ガラス基板等の基板P上に、駆動用TFT43、第一層間絶縁膜23、第二層間絶縁膜24を順に形成し、該第二層間絶縁膜24に形成したコンタクトホール39を介して、前記駆動用TFT43に対して電気的に接続された画素電極41を形成した後、前記第二層間絶縁膜24上に無機バンク50Bを形成する。
無機バンク50Bは、例えばCVD法、スパッタ法、蒸着法等によって第二層間絶縁膜24、画素電極41の全面にSiO、TiO、SiN等の無機物膜を形成し(本実施形態ではSiOを用いた)、この無機膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより形成する。この無機バンク50Bは、第二層間絶縁膜24上、画素電極41の周縁部(上端部及び側面部)上のみに設けられ、画素電極41の中央部に位置する電極面は露出している。
次に、図4(b)に示すように上記無機バンク50B上に有機バンク50Aを形成する。有機バンク50Aは、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機樹脂を材料として用いることができる。有機バンク50Aは、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機樹脂を溶媒に溶かしたものを、スピンコート、ディップコート等により塗布して形成する。そして、有機バンク50Aをフォトリソグラフ法によりパターニングして開口を設ける。有機バンク50Aの開口は、図3に示したように、無機バンク50Bの開口よりやや広く形成する。このようにして無機バンク50B上に有機バンク50Aを積層することで、基板P上にバンク構造50が形成され、このバンク構造により画素領域71が区画されるようになる。
(無機保護層の形成工程)
次に、図4(c)に示すように有機バンク50Aの表面を覆う無機保護膜44を形成する。具体的には、有機バンク50Aの形成領域が開口されたマスクを用いて、CVD法、スパッタ法、蒸着法等によりSiNからなる無機膜を選択的に成膜することで前記無機保護膜44を形成できる。なお、上述したようにSiO、SiO、SiON、SiN、AlO、AlN、Alのいずれかを主体とする他の無機材料を用いて無機保護膜44を形成してもよい。
この無機保護膜44の膜厚としては、50〜200nmに設定するのが望ましい(本実施形態は50nmとした)。この理由としては、無機保護膜44の膜厚が50nmよりも小さい場合、後述のプラズマ処理に対して十分な耐性を得ることが難しくなるためである。また、無機保護膜44の膜厚が200nm以上になると無機保護膜44に割れが生じるおそれがあり、これにより後述するプラズマ処理に対して十分な耐性が得られなくなるためである。
続いて、図4(d)に示すようにプラズマ処理を行う。このプラズマ処理は、画素電極41の電極面を活性化するものであり、画素電極41の電極面の表面洗浄を主な目的として行われる。
ところで、画素電極41の表面洗浄が不十分である場合、この画素電極41上に形成される有機発光層40の平坦性が低下し、発光ムラが発生することで表示品位が低下するおそれがある。そのため、上記のプラズマ処理はできるだけプラズマパワーを強めるのが望ましい。上述したアクリル樹脂から形成されている有機バンク50Aは、プラズマ耐性が低いことからプラズマ処理によって、その一部が破壊(エッチング)されるおそれがある。
一方、本実施形態に係る有機EL装置1は、上述したように有機バンク50Aの表面が無機保護膜44によって覆われている。ここで、無機材料からなる無機保護膜44は、上記プラズマ処理に対し十分な耐性を備えている。すなわち、この無機保護膜44は上記プラズマ処理により破壊(エッチング)されることがない。よって、この無機保護膜44の下層に設けられている有機バンク50Aにダメージが及ぶことがなく、画素電極41の表面洗浄を良好に行うことができる。
(有機発光層の形成工程)
次に、図5(a)に示すように、画素電極41、バンク構造50の全面に有機発光層40を例えば真空蒸着法により形成する。このとき、上記プラズマ処理による表面洗浄が良好に行われているため、画素電極41上に有機機能層40を平坦性が高い状態に形成することができる。また、バンク構造50を構成する有機バンク50Aの内側面は、図2に示したように断面視テーパ形状の傾斜面となっている。そのため、有機発光層40の形成材料が有機バンク50Aの内側面に沿って良好に付着させることができる。本実施形態では、正孔注入/輸送層、発光層、電子注入/輸送層を積層することで有機発光層40を形成した。なお、正孔注入/輸送層、発光層及び電子注入/輸送層は、上述したような各層に好適な蒸着材料を周知の蒸着法に基づいて蒸着することによって形成される。
上記発光層の蒸着材料としては、例えばアントラセンやピレン、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム、ビススチリルアントラセン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、またはこれら低分子材料に、ルブレン、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン誘導体、DCM、DCJ、ペリノン、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ジアザインダセン誘導体等をドープして用いることができる。
また、正孔注入/輸送層の蒸着材料としては、例えばスターバーストアミン、オリゴアミン、トリフェニルアミン系ポリマー等を用いることができる。また、電子注入/輸送層の蒸着材料としては、例えばオキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、フェナンソロリン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン誘導体、ジフェノキノン誘導体、及びヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体を用いることができる。
次に、図5(b)に示すように前記有機発光層40を覆うように基板全面に陰極54を形成する。陰極54形成工程では、トップエミッション構造を実現するために、例えばイオンプレーティング法等の物理気相成長法により透明なITOを成膜する。あるいは、アルミニウムの薄膜、マグネシウム銀の薄膜を蒸着法で形成することで陰極54を形成してもよい。
このとき、有機発光層40は有機バンク50Aの表面に沿って均一な膜厚で形成されていることから、この有機発光層40上に形成される陰極54も均一な膜厚で形成することができる。
さらに、図5(c)に示すように酸素や水分の影響による有機EL素子の劣化を防止するために、陰極54上に、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン窒酸化物等のシリコン化合物等の無機化合物からなる陰極保護層45を形成する。
この陰極保護層45の形成方法としては、CVD法、スパッタ法、蒸着法等を例示することができる。
そして、カラーフィルタ基板25を重ね合わせ、基板Pとカラーフィルタ基板25とを貼り合わせ、封止樹脂を介して封止基板27によって封止することにより、有機EL装置1が完成する。
以上述べたように、本実施形態に係る有機EL装置1によれば、有機発光層40を形成するに際して、画素電極41の表面をプラズマ処理により洗浄した場合でも、有機バンク50Aの表面を覆う無機保護膜44によって有機バンク50Aがダメージを受けるのを防止できる。これにより、画素電極41の表面が汚染されることがない。したがって、画素電極41上に有機発光層40が良好に形成されたものとなり、長期に亘り良好な発光特性を得ることができる有機EL装置となる。
(電子機器)
次に、本発明の有機EL装置に係る他の応用例として、有機EL装置を備えた電子機器について説明する。
図6は、携帯電話の表示部に本発明の有機EL装置を適用した例についての概略構成図である。同図に示す携帯電話300は、上記実施形態の有機EL装置を小サイズの表示部301として備え、複数の操作ボタン302、受話口303、及び送話口304を備えて構成されている。
この携帯電話300によれば、上述したようにプラズマ処理に起因する画素電極の汚染を防止することで、長期間に亘って信頼性の高い表示を得ることができる有機EL装置1を表示部301として備えているので、高品質なものを提供できる。
なお、上記各実施の形態の有機EL装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、テレビジョン受像機、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができる。
有機EL装置の回路構成を示す図である。 画素領域の平面構造を示す図である。 有機EL装置の断面構成を示す概略図である。 有機EL装置の製造工程について説明するための図である。 図4に続く有機EL装置の製造工程を説明するための図である。 電子機器の一実施形態に係る携帯電話の概略構成図である。
符号の説明
P…基板、1…有機エレクトロルミネッセンス装置、40…有機発光層、41…画素電極、44…無機保護膜、50…バンク構造(隔壁構造)、50A…有機バンク(有機隔壁)、50B…無機バンク(無機隔壁)、54…陰極

Claims (5)

  1. 基板上に形成された画素電極と、
    該画素電極の側面及び上端部を覆うとともに、該画素電極の一部を露出させるように形成された隔壁構造と、
    該画素電極上に配置される有機発光層と、
    該有機発光層を覆う陰極と、
    該画素電極と該基板との間の層に配置される絶縁膜と、を有
    前記隔壁構造は、有機材料で構成される有機隔壁と、前記画素電極と前記有機隔壁との間の層に配置され、前記画素電極と前記有機隔壁とに接し、絶縁性無機材料で構成される無機隔壁とを有し
    前記無機隔壁は前記絶縁膜の一部を露出させた状態に形成されており、
    前記有機隔壁は前記絶縁膜と接しており、
    前記有機隔壁の表面が無機材料で構成された無機保護膜で覆われており、
    前記無機隔壁は前記無機保護膜と接している
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記無機保護膜は、SiO、SiO、SiON、SiN、AlO、AlN、及びAlのいずれかを主体として構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記無機保護膜の膜厚が、50nm以上200nm以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記有機発光層は気相法によって形成されたものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記有機隔壁の内側面が、断面視テーパ形状の傾斜面をなす
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
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