JP4900758B2 - 多値論理回路 - Google Patents
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Description
なお、発明者は『特定値(あらかじめ設定された整数値)』という概念を多値論理に持ち込んでいるが、「1≦特定値≦(N−2)」である。
また、請求項1記載の多値論理回路では第1電位から第N電位まで番号順に電位が高くなって行くが、請求項2記載の多値論理回路は、「2値論理回路で言えば正論理に対する負論理の論理回路の様な多値論理回路」に該当し、正反対に第1電位から第N電位まで番号順に電位が低くなって行く。
これらの多値論理回路は多値演算回路(又は多進法演算回路)や多値コンピューター(又は多進法コンピューター。特に4、8、『10』、16、32、64、「100」、128進法コンピューター等)や多値制御手段(又は多進法制御手段)に利用できる。
本発明では本発明者は『特定値(=特定整数)』と『出力開放』という概念を多値論理に持ち込み、例えば、「『[入力した1つの整数]、[入力した複数の整数のすべて]、[入力した複数の整数のうち、少なくとも1つ]のいずれか1つ』が『整数1から整数(N−2)の中の1つの特定値』に対してどうなのか、『[等しいか、等しくないか]、[大きいか、大きくない]、[小さいか、小さくないか]のいずれか1つ』を判別し、『その判別結果が肯定であればその特定値に対応する特定電位(又は特定電圧)を出力し、その判別結果が否定であればその出力を開放する』か『正反対に肯定であればその出力を開放し、否定であればその特定電位を出力する』」という独自の機能に本発明者は限定している。
このため、その多値論理機能を人の言葉で簡単に表現できる様になり、本発明者が独自に名付けた多値論理回路名からその機能を容易に知ることができる。
なお、本発明は、異なる出力電位(又は出力電圧)が同時に出力されない限り複数の多値論理回路の出口手段(例:出力端子等。)同士を{、場合によっては入口手段(例:入力端子等。)同士も}、接続して論理機能を発展、強化させることができる。本発明はそういう自由度が有り、自由開放・発展型の多値論理回路である。
また、『出力開放』とは2値論理回路で言えば、オープン・コレクタ等と呼ばれる出力の仕方のことである。
a)『多値特定値EQUAL(イコール)回路』は「その1つの入力整数がその特定値と等しいかどうかを判別する多値論理回路」である。
b)『多値特定値NOT回路』は「多値特定値EQUAL回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「その1つの入力整数がその特定値と等しくないかどうかを判別する多値論理回路」である。
c)『多値特定値OVER(オウバー)回路』は「その1つの入力整数がその特定値より大きいかどうかを判別する多値論理回路」である。
d)『多値特定値NOVER(ノウバー)回路』は「多値特定値OVER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「その1つの入力整数がその特定値より大きくないかどうか、つまり、その特定値より小さいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
e)『多値特定値UNDER(アンダー)回路』は「その1つの入力整数がその特定値より小さいかどうかを判別する多値論理回路」である。
f)『多値特定値NUNDER(ナンダー)回路』は「多値特定値UNDER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「その1つの入力整数がその特定値より小さくないかどうか、つまり、その特定値より大きいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
g)『多値特定値AND回路』は「そのすべての入力整数がその特定値と等しいかどうかを判別する多値論理回路」である。
h)『多値特定値NAND回路』は「多値特定値AND回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「その少なくとも1つの入力整数がその特定値と等しくないかどうかを判別する多値論理回路」である。
i)『多値特定値AND・OVER回路』は「そのすべての入力整数がその特定値より大きいかどうかを判別する多値論理回路」である。
j)『多値特定値NAND・OVER回路』は「多値特定値AND・OVER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「その少なくとも1つの入力整数がその特定値より大きくないかどうか、つまり、その特定値より小さいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
k)『多値特定値AND・NOVER回路』は「そのすべての入力整数がその特定値より大きくないかどうか、つまり、その特定値より小さいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
l)『多値特定値NAND・NOVER回路』は「多値特定値AND・NOVER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「その少なくとも1つの入力整数がその特定値より大きいかどうかを判別する多値論理回路」である。
m)『多値特定値AND・UNDER回路』は「そのすべての入力整数がその特定値より小さいかどうかを判別する多値論理回路」である。
n)『多値特定値NAND・UNDER回路』は「多値特定値AND・UNDER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「その少なくとも1つの入力値がその特定値より小さくないかどうか、つまり、その特定値より大きいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
o)『多値特定値AND・NUNDER回路』は「そのすべての入力整数がその特定値より小さくないかどうか、つまり、その特定値より大きいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
p)『多値特定値NAND・NUNDER回路』は「多値特定値AND・NUNDER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「その少なくとも1つの入力整数がその特定値より小さいかどうかを判別する多値論理回路」である。
q)『多値特定値OR回路』は「その少なくとも1つの入力整数がその特定値と等しいかどうかを判別する多値論理回路」である。
r)『多値特定値NOR回路』は「多値特定値OR回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「そのすべての入力整数がその特定値と等しくないかどうかを判別する多値論理回路」である。
s)『多値特定値OR・OVER回路』は「その少なくとも1つの入力整数がその特定値より大きいかどうかを判別する多値論理回路」である。
t)『多値特定値NOR・OVER回路』は「多値特定値OR・OVER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「そのすべての入力整数がその特定値より大きくないかどうか、つまり、その特定値より小さいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
u)『多値特定値OR・NOVER回路』は「その少なくとも1つの入力整数がその特定値より大きくないかどうか、つまり、その特定値より小さいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
v)『多値特定値NOR・NOVER回路』は「多値特定値OR・NOVER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「そのすべての入力整数がその特定値より大きいかどうかを判別する多値論理回路」である。
w)『多値特定値OR・UNDER回路』は「その少なくとも1つの入力整数がその特定値より小さいかどうかを判別する多値論理回路」である。
x)『多値特定値NOR・UNDER回路』は「多値特定値OR・UNDER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「そのすべての入力整数がその特定値より小さくないかどうか、つまり、その特定値より大きいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
y)『多値特定値OR・NUNDER回路』は「その少なくとも1つの入力整数がその特定値より小さくないかどうか、つまり、その特定値より大きいか等しいかを判別する多値論理回路」である。
z)『多値特定値NOR・NUNDER回路』は「多値特定値OR・NUNDER回路と正反対の補出力を出力する多値論理回路」すなわち「そのすべての入力整数がその特定値より小さいかどうかを判別する多値論理回路」である。
a)多値特定値AND・NUNDER回路=多値特定値NOR・UNDER回路
b)多値特定値NAND・NUNDER回路=多値特定値OR・UNDER回路
c)多値特定値OR・NUNDER回路=多値特定値NAND・UNDER回路
d)多値特定値NOR・NUNDER回路=多値特定値AND・UNDER回路
e)多値特定値AND・NOVER回路=多値特定値NOR・OVER回路
f)多値特定値NAND・NOVER回路=多値特定値OR・OVER回路
g)多値特定値OR・NOVER回路=多値特定値NAND・OVER回路
h)多値特定値NOR・NOVER回路=多値特定値AND・OVER回路
例えば3値3入力(この先行特許の図1)の場合、入力変数の組合せは3の3乗=27通り有るにもかかわらず、その真理値表(この先行特許の図2)に4通りしか表記されておらず、多値論理処理機能としてきわめて効率が低い。また、3値に対応する電源電位が「0」、「3.0」、「3.5」ボルトで、各電位差が等しくなく、片寄っており、ノイズにより誤動作し易い。さらに、電源短絡を引き起こす入力変数の組合せは全組合せの半分近くまで占め、もし電源電位差を等しく設定する等すれば、その電源短絡の組合せの占有数は全体の過半数より大きくなる。
図29の回路では最高電位V2と最低電位V0の間の中間電位V1を出力する出力手段として、ノーマリィ・オン(ディプレッション・モード)のP、Nチャネルのゲート絶縁型FET(Q2とQ3)2つを直列接続した双方向性スイッチング手段が用いられている。しかも、図29の回路は「入力電位に対応する入力整数」が「その中間電位に対応する整数」に該当するかどうかを判別する判別手段としても、「両トランジスタQ2、Q3のゲート電圧ゼロによるオン駆動」すなわち「入力電位と中間電位V1の電位差(=電圧)がゼロなら両トランジスタQ2、Q3がオンになる特性」を利用している。
この出力手段と判別手段の兼用により、その論理機能の割には部品点数が少なく、回路構成が簡単であるという利点が有る。その動作は、入力電位がV0なら出力電位はV2、入力電位がV1なら出力電位はV1、入力電位がV2なら出力電位はV0である。
このため、『必ずその一部にノーマリィ・オンのゲート絶縁型FETを使用しなければならない』すなわち『ノーマリィ・オンのゲート絶縁型FETを使わなくても構成できることが望まれる』という第1の問題点が有る。
もし、全スイッチング手段にノーマリィ・オフ型スイッチング手段を使用できれば使用部品の選択肢が増えて便利である。同様にバイポーラ・モードのトランジスタも使用できれば使用部品の選択肢が増えて便利である。
また、『4値以上の多値論理回路の場合、電源投入時に過渡的に電源短絡電流がそのノーマリィ・オン型の双方向性スイッチング手段に流れてしまう』という第2の問題点が有る。
なぜなら、4値以上の多値論理回路の場合、前述した中間の電源電位が2つ以上有り、その中間の各電源電位に「前述の通りノーマリィ・オンのゲート絶縁型FET2つを直列接続した双方向性スイッチング手段」が1つずつ接続されているために、「2電源電位間(=電源両端間)にノーマリィ・オンの双方向性スイッチング手段2つが接続されている組合せ」が少なくとも1組以上有る、からである。その結果、例えば4値論理回路の場合、電源投入前では各ゲート電圧はゼロで両双方向性スイッチング手段はオン状態にあり、電源投入後その各電源電圧が立ち上がって少なくとも一方の双方向性スイッチング手段の各ゲートに充分なゲート逆バイアス電圧が印加されるまで電源短絡電流が流れてしまう、からである。
この電源短絡の問題は『その多値論理回路を多数使用してディジタル回路を構成する場合、電源投入時に極めて大きな電源短絡電流が流れて、電源電圧を立ち上げることができず、使い物にならなかったり、あるいは、電源投入の繰り返しで電源線が焼き切れたり、あるいは、その電源線付近の半導体に熱的ダメージや歪みによるダメージ等を与えたりする』という問題点に結び付く。
さらに、『入力電位と出力電位の関係を制限する双方向性スイッチング手段を利用しているため、[実現できない多値論理処理機能]や[知られていない多値論理処理機能]が存在する』という第3の問題点が有る。
先ず「入力電位と出力電位の関係の制限」について説明する。いま説明のため図29の回路においてトランジスタQ1、Q4を取り外し、入力端子Inに電源電位V0(0ボルト)を入力している場合を考える。ここで、何かの原因で出力端子Outの電位がV0になったとすると、PチャネルのトランジスタQ3のドレインとゲートは「同電位である」すなわち「実質的に直結されたのと同じである」。このため、トランジスタQ3は導通となるため、結局、トランジスタQ3、Q2の両ソース電位も電位V0になり、すなわち、トランジスタQ3、Q2の両ゲート・ソース間電圧はゼロになる。その結果、ノーマリィ・オンのトランジスタQ3、Q2は完全にターン・オンするので、両トランジスタQ3、Q2は両電源電位V1・V0間を電源短絡してしまう。
この電源短絡を防止するには、入力電位がV0(0ボルト)のときトランジスタQ2のソース電位をプラス1.75ボルト以上にして、トランジスタQ2のゲート・ソース間電圧をそのオン・オフしきい値電圧マイナス1.75ボルト以下にする必要がある。このときトランジスタQ3はオン駆動されるので、出力端子Outの電位もプラス1.75ボルト以上にすることになる。と言うことは、入力電位がV0のとき出力電位はプラス1.75ボルト以上でなければならない。つまり、「説明のためトランジスタQ1、Q4を取り外したと仮定した図29の回路」はそういう使い方しかできないということである。
この事は、入力電位がV2(5ボルト)の場合でも同様で、トランジスタQ2、Q3の立場が入れ換わり、出力電位は(V2−1.75ボルト)=プラス3.25ボルト以下でなければならない。実際、元の図29の回路では入力電位がV0のときトランジスタQ1が出力電位をV2にプル・アップし、入力電位がV2のときトランジスタQ4が出力電位をV0にプル・ダウンする。従って、入力電位がV0のとき出力電位V0を出力したり、その出力を開放したりすることもできないし、入力電位がV1のときその出力を開放したりすることもできないし、入力電位がV2のとき出力電位V2を出力したり、その出力を開放したりすることもできない。そんな訳で、図29の回路と「図29の回路においてトランジスタQ1、Q4を取り外した回路」では入力電位と出力電位の関係は制限される。
『トランジスタ回路入門講座5 ディジタル回路の考え方』、(株)オーム社が昭和56年5月20日発行。監修:雨宮好文・小柴典居(つねおり)。著者:清水賢資(けんすけ)・曽和将容(まさひろ)。p.34の『表3・8 2入力変数からなる論理関数』。
同様に、4値2入力の多値論理回路の場合なら4の16乗≒4,294,968,000種類も有り、5値2入力の多値論理回路の場合なら5の25乗≒2.980233×(10の17乗)種類である。
この様に多値数(例えば、N値ならNのこと。10値なら10のこと。以後こう呼ぶ。)が増えて行くと、多値論理処理の種類は超・爆発的に増加する。この事は「必要とする論理処理」に対して最適な多値論理処理機能を持つ多値論理回路を実現、選択できれば、少ない回路でも「要求される多種の論理処理」に対応できることを意味しており、これは問題処理対応能力の面でソフトウェアのプログラミングに似ていて、新しい極めて大きな可能性が多値論理、多進法論理に埋もれているかもしれないことを示唆(しさ)している。ひょっとして多進法コンピューター、特に10進法コンピューターは2進法の量子コンピューターを軽く凌駕(りょうが)するかもしれない。なお、論理関数、論理処理には「意味の有るもの」と「意味の無いもの」が有る様で、「意味の有る論理処理」の種類数が全体の数分の1としても、やはりその種類が超・爆発的に増加することに変わりが無い。
そんな訳で、『入力電位と出力電位の関係を制限する双方向性スイッチング手段を利用しているため、[実現できていない多値論理処理機能]や[知られていない多値論理処理機能]が存在する』という第3の問題点が有る。
『他の多値論理回路と出口手段(例:出力端子、出力電極、ドレイン電極など。)同士を接続して、多値論理機能を発展、強化させることができない上に、機能変更もできない』すなわち『出力を開放するという多値論理出力の仕方ができることが望まれる』という第4の問題点が有る。
特表2002−517937号の多値論理回路は「少ない部品点数」を優先して、その機能を固定化しているために、他の多値論理回路と出口手段同士を接続することができない。無理に接続すれば、電源短絡が起きてしまう。そして、例えばプル・アップ抵抗やプル・ダウン抵抗などを接続して出力電位(又は出力電圧)の変更もできない。
そこで、多値論理出力の仕方に「出力を開放する」という出力の仕方(例:2値論理回路でオープン・コレクタ等と呼ばれる出力の仕方。)が有れば、異なる出力電位(又は出力電圧)が同時に出力されない限り複数の多値論理回路の出口手段同士を自由に接続して{、場合によっては入口手段(例:入力端子、入力電極、ゲート電極など。)同士も自由に接続して}、互いに不足する機能を補充し合って、その多値論理機能を「要求される多値論理処理」に合わせて柔軟に発展、強化させることができる。また、例えばプル・アップ抵抗やプル・ダウン抵抗などを接続して出力電位(又は出力電圧)を自由に変更することもできる。
その柔軟な機能発展・強化能力、機能変更能力は前述した『多値論理処理の種類の超・爆発的な膨大(ぼうだい)さ』に柔軟に対応する上でとても有利な対応能力となる。
そういう訳で、『他の多値論理回路と出口手段同士を接続して、多値論理機能を発展、強化させることができない上に、機能変更もできない』すなわち『出力を開放するという多値論理出力の仕方ができることが望まれる』という第4の問題点が有る。
『その多値論理回路名からその多値論理処理機能が分かることが望まれる』つまり『その多値論理回路名からその多値論理処理機能が分かる様にその多値論理回路名を付けることが可能な多値論理回路が望まれる』という第5の問題点が有る。
上述の通り「多値論理処理の種類が超・爆発的に膨大に増えて行く」ため、それを1つ1つ真理値表で表記していたのでは、とてもとても覚え切れないし、対応し切れない。それは全く不可能である。例えば人(ひと)にとって1番都合の良い多進法は10進法であるが、10値3入力の論理回路の場合、入力変数の組合せだけで1,000通りも有る。
そこで、その多値論理回路名から直ぐにその多値論理処理機能を知ることができる様になれば、人に優しく、とても便利である。10進法コンピューター等の実用化には不可欠である。
要するに、電源投入後の定常状態において段落番号[0012]で説明した使い方をしている。1つの中間電位に複数の双方向性スイッチング手段が直列、並列的に接続されて、そのうちの少なくとも1つが前述した通りの使い方がされている。この使い方は4値以上の論理回路の場合でも電源投入後の定常状態において「互いに異なる電位の双方向性スイッチング手段同士」が同時オンしない様になっている。
ただし、入力信号の切換え時に出力信号が切り換わるとき、過度的に同時オンすることは有る。図29の回路でも入力電位が(2.5−1.75)=0.75ボルトと(5−3.25)=1.75ボルトの間、トランジスタQ1〜Q3が同時オンする。それから、入力電位が3.25ボルトと(2.5+1.75)=4.25ボルトの間でも、トランジスタQ2〜Q4が同時オンする。従って、入力電位が長くこれらの電位間にとどまらない様にする必要が有るが、入力信号の切換え時の同時オンによる電源短絡によってスイッチング電力損失が大きくなるのは避けられない。
a)ノーマリィ・オンのゲート絶縁型FETを使わなくても構成できることが望まれる。
b)4値以上の多値論理回路の場合、電源投入時に過渡的に電源短絡電流がそのノーマリィ・オン型の双方向性スイッチング手段に流れてしまう。
c)入力電位と出力電位の関係を制限する双方向性スイッチング手段を利用しているため、「実現できていない多値論理処理機能」や「知られていない多値論理処理機能」が存在する。
d)出力を開放するという多値論理出力の仕方ができることが望まれる。
e)その多値論理回路名からその多値論理処理機能が分かる様にその多値論理回路名を付けることが可能な多値論理回路が望まれる。
( 本発明の目的 )
a)ノーマリィ・オンのゲート絶縁型FETを使わなくても構成することができる。
b)その出力用の双方向性スイッチング手段にノーマリィ・オフ型を使う場合に限り、従来のノーマリィ・オン型の双方向性スイッチング手段を使う場合と違って、4値以上の多値論理回路の場合でも電源投入時に電源短絡電流はその出力用の双方向性スイッチング手段に流れない。
c)従来回路では「実現できていない多値論理処理機能」又は「知られていない多値論理処理機能」を持つ回路を『単独で』実現することができる。
d)出力を開放するという多値論理出力の仕方をすることができる。
e)その多値論理回路名からその多値論理処理機能が分かる様にその多値論理回路名を付けることが可能な多値論理回路を実現することができる。
なお、請求項1記載の多値論理回路は「2値論理回路で言えば正論理の論理回路の様な多値論理回路」に該当し、請求項2記載の多値論理回路は「2値論理回路で言えば負論理の論理回路の様な多値論理回路」に該当する。両・多値論理回路は電圧方向または電圧極性に関して互いに対称的な関係に有る。
→→ 最後の補足説明[段落番号0099]の★c)項。
また、本発明者は『特定値(=特定整数)』と『出力開放』という概念を多値論理に持ち込んで、多値論理を行っており、「1≦特定値≦(N−2)」である。
即ち、3又は3以上の所定の複数をNで表わし、所定の自然数をSで表わしたときに、
「第1電位から第N電位まで番号順に電位が高くなって行くN個の電位を供給し、その各電位が0〜(N−1)の各整数と順々に1対1ずつ対応すると定義された第1電位供給手段〜第N電位供給手段」と、
「S個の入力電位信号の入口となる第1の入口手段〜第Sの入口手段」と、
「出力電位信号の出口となる出口手段」と、
「その第2電位供給手段〜その第(N−1)電位供給手段のうち、1つの特定電位供給手段と前記出口手段の間に接続され、オフ駆動された時に前記出口手段とそのオン・オフ駆動部の間が双方向にオフとなる双方向性スイッチング手段」と、
「『S=1の場合は1つの前記入力電位信号に対応する整数、S≧2の場合は[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のすべて]か[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のうち、少なくとも1つ]』が『1〜(N−2)の整数の中で前記特定電位供給手段の特定電位に対応する特定値』に対してどうなのか、『[等しいのか等しくないのか]、[大きいのか大きくないのか]、[小さいのか小さくないのか]のいずれか1つ』について、それに適用する下記{段落番号0026}の『2つ又は4つのしきい値電位』に基づいて判別する判別手段」と、
「前記判別手段によって制御され、『その判別結果が肯定であれば前記双方向性スイッチング手段をオン駆動して前記特定電位を出力させ、その判別結果が否定であれば前記双方向性スイッチング手段をオフ駆動してその出力を開放させる』か『正反対に肯定であればオフ駆動し、否定であればオン駆動する』オン・オフ駆動手段」、
を有する多値論理回路である。
ただし、1つの前記手段が複数の前記手段を兼ねることもある。
*「大きいのか大きくないのか」の場合は「『大きいのか』では前記特定電位より1つ上の電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」、「『大きくないのか』では前記特定電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」。
*「小さいのか小さくないのか」の場合は「『小さいのか』では前記特定電位より1つ下の電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」、「『小さくないのか』では前記特定電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」。
そして、論理(電位)レベルとの関係で言えば次の通りである。ある電位信号が「その第1電位を基準にしたプラス側のしきい値電位」より低ければ、その電位信号は整数0に対応する。ある電位信号が「その第2電位を基準にしたマイナス側のしきい値電位とプラス側のしきい値電位の間」にあれば、その電位信号は整数1に対応する。以下同様に、ある電位信号が順々に「第(N−1)電位までの各電位を基準にしたプラス側、マイナス側の両しきい値電位間」にあれば、その電位信号は順々に整数(N−2)までの各整数に対応する。ある電位信号が「その第N電位を基準にしたマイナス側のしきい値電位」より高ければ、その電位信号は整数(N−1)に対応する。
このため、一般的に、特定値(=特定の整数)の論理レベルのマイナス側しきい値電位は「特定電位」と「特定電位と『特定電位より1つ下の電位』の真ん中電位」の間に設定される一方、特定値の論理レベルのプラス側しきい値電位は「『特定電位より1つ上の電位』と特定電位の真ん中電位」と「特定電位」の間に設定される。
『トランジスタ回路入門講座5 ディジタル回路の考え方』、(株)オーム社が昭和56年5月20日発行。監修:雨宮好文・小柴典居(つねおり)。著者:清水賢資(けんすけ)・曽和将容(まさひろ)。 『パルスとデジタル回路』、東海大学出版会が2001年4月5日に第1版第8刷発行(1976年3月26日に第1版第1刷発行)。編集:米山正雄。執筆:大原茂之・吉川(きっかわ)澄男・篠崎寿夫・高橋史郎。
即ち、「前記第1電位から前記第N電位まで番号順に電位が高くなって行く」のではなく、前記第1電位から前記第N電位まで番号順に電位が低くなって行き、
1つ又は複数の前述したプラス側のしきい値電位を全部マイナス側のしきい値電位に変更し、
1つ又は複数の前述したマイナス側のしきい値電位を全部プラス側のしきい値電位に変更し、
「前記特定電位より1つ上の電位」という記載内容が1つ又は複数有れば全部「前記特定電位より1つ下の電位」に変更し、
「前記特定電位より1つ下の電位」という記載内容が1つ又は複数有れば全部「前記特定電位より1つ上の電位」に変更した前述[段落番号0025〜0026]の多値論理回路である。
*****
以上の様に、請求項1記載の多値論理回路は「2値論理回路で言えば正論理の論理回路」の様な多値論理回路に該当し、請求項2記載の多値論理回路は「2値論理回路で言えば負論理の論理回路の様な多値論理回路に該当する。両・多値論理回路は電圧方向または電圧極性に関して互いに対称的な関係に有る。
→→ 最後の補足説明[段落番号0099]の★c)項。
つまり、『ノーマリィ・オンのゲート絶縁型FETを使わなくても構成することができる。』 ( 本発明の効果1 )
また、『前記双方向性スイッチング手段にノーマリィ・オフ型を使う場合に限り、従来のノーマリィ・オン型の双方向性スイッチング手段を使う場合と違って、4値以上の多値論理回路の場合でも電源投入時に電源短絡電流は前記双方向性スイッチング手段に流れない。』 ( 本発明の効果2 )
さらに、入力電位と出力電位の関係が制限されない双方向性スイッチング手段を出力用の双方向性スイッチング手段として用いているため、『従来回路では[実現できていない多値論理処理機能]又は[知られていない多値論理処理機能]を持つ回路を《単独で》実現することができる。』 ( 本発明の効果3 )
それから、前記双方向性スイッチング手段がオフ駆動された時、そのオン・オフ駆動部と前記出口手段の間が双方向にオフになるので、『出力を開放するという多値論理出力の仕方をすることができる。』 ( 本発明の効果4 )
しかも、前記判別手段が判別する内容を「等しいのか等しくないのか」、「大きいのか大きくないのか」、「小さいのか小さくないのか」のいずれか1つに限定し、その出力を前記特定電位と出力開放に限定したので、その多値論理処理機能を人の言葉で簡単に表現できる様になり、前述[段落番号0003〜0005]の通り本発明者が独自に名付けた多値論理回路名からその多値論理処理機能を容易に知ることができる。
つまり、『その多値論理回路名からその多値論理処理機能が分かる様にその多値論理回路名を付けることが可能な多値論理回路を実現することができる。』
( 本発明の効果5 )
a)電源線V0、……、電源線V(m−1)、電源線Vm、電源線V(m+1)、……、 電源線V(n−1)それぞれが請求項1記載中の第1電位供給手段〜第N電位供給手段それぞれに。
b)入力端子Inが請求項1記載中の入口手段に。
c)出力端子Outが請求項1記載中の出口手段に。
d)電源線Vmの電位が請求項1記載中の特定電位に。
e)電源線Vmが請求項1記載中の特定電位供給手段に。
f)「電源線Vmと出力端子Outの間に接続され、トランジスタ3〜6とダイオード9〜12によって構成される双方向性スイッチング手段」が請求項1記載中の双方向性スイッチング手段に。
g)「電源線V(m+1)、電源線V(m−1)およびトランジスタ1〜2の接続体」が請求項1記載中の判別手段に。
h)トランジスタ1、2、ツェナー・ダイオード13、14及び抵抗15、16の接続体が請求項1記載中のオン・オフ駆動手段に。
[注意2]:回路動作に関して特定値(=特定整数)mのマイナス側オン・オフしきい値電位は電源線V(m−1)の電位とトランジスタ2のオン・オフしきい値電圧の大きさで決まり、特定値mのプラス側オン・オフしきい値電位は電源線V(m+1)の電位とトランジスタ1のオン・オフしきい値電圧の大きさで決まる。
[注意3]:前述[段落番号0027]した『論理(電位)レベルとの関係』を繰り返して言えば次の通りである。ある電位信号が「その第1電位を基準にしたプラス側のしきい値電位」より低ければ、その電位信号は整数0に対応する。ある電位信号が「その第2電位を基準にしたマイナス側のしきい値電位とプラス側のしきい値電位の間」にあれば、その電位信号は整数1に対応する。同様に、ある電位信号が順々に「第(N−1)電位までの各電位を基準にしたプラス側、マイナス側の両しきい値電位間」にあれば、その電位信号は順々に整数(N−2)までの各整数に対応する。ある電位信号が「その第N電位を基準にしたマイナス側のしきい値電位」より高ければ、その電位信号は整数(N−1)に対応する。
[注意4]:このため、論理動作に関して図1の実施例に限らず、一般的に、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位は「電源線Vmの電位」と「電源線Vm・V(m−1)の両電位の真ん中電位」の間に設定される一方、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位は「電源線V(m+1)・Vmの両電位の真ん中電位」と「電源線Vmの電位」の間に設定される。
一方、入力端子Inの電位が「その両オン・オフしきい値電位間(★注:『特定値mの論理レベルの両しきい値電位間』のことではない。)」に無ければ、トランジスタ1、2の一方または両方がオフとなり、抵抗15、16がトランジスタ3〜6をオフ駆動するため、出力端子Outは開放となる。この双方向性スイッチング手段はトランジスタ1、2の一方のオンだけではトランジスタ3〜6をオン駆動できない。
従って、論理(電位)レベルとの関係で言えば次の通りである。入力整数が特定値mと等しいかを判別する場合は、入力電位信号が「特定電位を基準にしたプラス側とマイナス側の両しきい値電位間」に有るかを判別することになる。一方、入力整数が特定値mと等しくないかを判別する場合は、入力電位信号が「特定電位より1つ上の電位を基準にしたマイナス側しきい値電位」より高いか、又は、「特定電位より1つ下の電位を基準にしたプラス側しきい値電位」より低いかを判別することになる。
それから、抵抗15、16の代わりに「そのゲート・ソース間を直結した接合型FETまたはノーマリィ・オン型MOS・FET」を抵抗手段として1つずつ使用できる。そして、ダイオード9〜12の代わりに「そのゲート、バックゲート及びソースを直結したノーマリィ・オフ型MOS・FET」を1つずつ使用できる。これらの事は後述する図2〜図26の各実施例と「図27〜図28に示す、実施例27の各構成手段」についても同様に当てはまる。加えて、トランジスタ3、4それぞれの代わりにNチャネルIGBTを1つずつ使い、トランジスタ5、6それぞれの代わりにPチャネル型IGBTを1つずつ使うことも可能である。この場合、各IGBTが逆阻止型ならダイオード9〜12は要らない。
その論理動作に関して図2の実施例は、図1の実施例と同じで、入力整数が特定値mと等しいとき特定値mを出力し、入力整数が特定値mと等しくない時その出力を開放する。つまり、入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」ときその出力を開放する。
その論理動作に関して図3の実施例は、図1、図2の実施例と同じで、入力整数が特定値mと等しいとき特定値mを出力し、等しくない時その出力を開放する。つまり、入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」ときその出力を開放する。
その論理動作に関して図4の実施例は、図1〜図3の実施例と同じで、入力整数が特定値mと等しいとき特定値mを出力し、等しくない時その出力を開放する。つまり、入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」ときその出力を開放する。
入力整数が特定値mと同じとき、抵抗33の電流をダイオード25が、抵抗34の電流をダイオード27が、抵抗36の電流をダイオード29が、抵抗37の電流をダイオード31が、それぞれバイパスする。その結果、トランジスタ19、20、22、23はオフで、トランジスタ21、24とダイオード10、12が出力端子Outを電源線Vmに双方向に接続する。
なお、ダイオード25、26とダイオード27、28それぞれの代わりに「PN接合を2つ持つNPNトランジスタ」を1つずつ用いても良いし、ダイオード29、30とダイオード31、32それぞれの代わりに「PN接合を2つ持つPNPトランジスタ」を1つずつ用いても良い。ふつう順電圧の大きさの関係から入力側に各エミッタが来る。
その論理動作に関して図5の実施例は、図1〜図4の実施例と同じで、入力整数が特定値mと等しいとき特定値mを出力し、等しくない時その出力を開放する。つまり、入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」ときその出力を開放する。
その論理動作に関して図6の実施例は、入力整数が特定値mと等しい時その出力を開放し、入力整数が特定値mと等しくないとき特定値mを出力する。つまり、入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」とき、不等式で表わせば「入力整数≧m+1」か「m−1≧入力整数」のとき特定値mを出力する。
従って、論理(電位)レベルとの関係で言えば次の通りである。入力整数が特定値mと等しいかを判別する場合は、入力電位信号が「特定電位を基準にしたプラス側とマイナス側の両しきい値電位間」に有るかを判別することになる。一方、入力整数が特定値mと等しくないかを判別する場合は、入力電位信号が「特定電位より1つ上の電位を基準にしたマイナス側しきい値電位」より高いか、又は、「特定電位より1つ下の電位を基準にしたプラス側しきい値電位」より低いかを判別することになる。
その論理動作に関して図7の実施例は、図6の実施例と同じで、入力整数が特定値mと等しい時その出力を開放し、入力整数が特定値mと等しくないとき特定値mを出力する。つまり、入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」とき特定値mを出力する。
その論理動作に関して図8の実施例は、図6〜図7の実施例と同じで、入力整数が特定値mと同じ時その出力を開放し、入力整数が特定値mと違うとき特定値mを出力する。つまり、入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」とき特定値mを出力する。
入力端子In1、In2、In3の各電位が上述(段落番号[0032]中の[注意2]。)した「電源線Vmの電位を基準にしたマイナス側オン・オフしきい値電位とプラス側オン・オフしきい値電位」の間にあれば、出力端子Outは電源線Vmの電位を出力する一方、入力端子In1、In2、In3の電位が1つでも「その両オン・オフしきい値電位間(★注:『特定値mの論理レベルの両しきい値電位間』のことではない。)」に無ければ、出力端子Outは開放となる。
その論理動作に関して図9の実施例は、3つの入力整数すべてが特定値mと等しいとき特定値mを出力し、3つの入力整数のうち少なくとも1つが特定値mと等しくないときその出力を開放する。つまり、その少なくとも1つの入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」ときその出力を開放する。
また、その論理動作に関して図10の実施例は、図9の実施例と同じで、3つの入力整数すべてが特定値mと等しいとき特定値mを出力し、3つの入力整数のうち少なくとも1つが特定値mと等しくないときその出力を開放する。つまり、その少なくとも1つの入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」ときその出力を開放する。
その論理動作に関して図11実施例は、3つの入力整数すべてが特定値mと等しいときその出力を開放し、3つの入力整数のうち少なくとも1つが特定値mと等しくないとき特定値mを出力する。つまり、その少なくとも1つの入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」とき特定値mを出力する。
また、その論理動作に関して図12の実施例は、図11の実施例と同じで、3つの入力整数すべてが特定値mと等しいときその出力を開放し、3つの入力整数のうち少なくとも1つが特定値mと等しくないとき特定値mを出力する。つまり、その少なくとも1つの入力整数が特定値mより「大きいか、小さい」とき特定値mを出力する。
また、その論理動作に関して図13の実施例は、3つの入力整数のうち少なくとも1つが特定値mと等しいとき特定値mを出力し、3つの入力整数すべてが特定値mと違うときその出力を開放する。つまり、その3つの入力整数のそれぞれが特定値mより「大きいか、小さい」ときその出力を開放する。
その論理動作に関して図14の実施例は、3つの入力整数のうち少なくとも1つが特定値mと等しい時その出力を開放し、3つの入力整数すべてが特定値mと違うとき特定値mを出力する。つまり、その3つの入力整数のそれぞれが特定値mより「大きいか、小さい」とき特定値mを出力する。
電源線V(m−1)の電位(又は電圧)とトランジスタ2のオン・オフしきい値電圧で決まる入力オン・オフしきい値電位(又は入力オン・オフしきい値電圧)より入力端子Inの電位(又は電圧)が高いとき出力端子Outは電源線Vmの電位(又は電圧)すなわち「電源線Vmの電位(又は電圧)に対応する整数(=特定値m)」を出力し、そうでないとき出力端子Outは開放となる。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、数値(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図15の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値OVER(オウバー)回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、数値(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図15の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NUNDER(ナンダー)回路」になる。
従って、論理(電位)レベルとの関係で言えば次の通りである。入力整数が特定値mより大きいかを判別する場合は、入力電位信号が「特定電位より1つ上の電位を基準にしたマイナス側しきい値電位」より高いかを判別することになる。一方、入力整数が特定値mより小さいか等しいかを判別する場合は、入力電位信号が「特定電位を基準にしたプラス側のしきい値電位」より低いかを判別することになる。
従って、論理(電位)レベルとの関係で言えば次の通りである。入力整数が特定値mより大きいか等しいかを判別する場合は、入力電位信号が「特定電位を基準にしたマイナス側しきい値電位」より高いかを判別することになる。一方、入力整数が特定値mより小さいかを判別する場合は、入力電位信号が「特定電位より1つ下の電位を基準にしたプラス側しきい値電位」より低いかを判別することになる。
電源線V(m+1)の電位(又は電圧)とトランジスタ1のオン・オフしきい値電圧で決まる入力オン・オフしきい値電位(又は入力オン・オフしきい値電圧)より入力端子Inの電位(又は電圧)が低いとき出力端子Outは電源線Vmの電位(又は電圧)すなわち「電源線Vmの電位(又は電圧)に対応する整数(=特定値m)」を出力し、そうでないとき出力端子Outは開放となる。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、数値(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図16の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値UNDER(アンダー)回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、数値(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図16の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NOVER(ノウバー)回路」になる。
電源線V(m−1)の電位(又は電圧)とトランジスタ2のオン・オフしきい値電圧で決まる入力オン・オフしきい値電位(又は入力オン・オフしきい値電圧)より入力端子Inの電位(又は電圧)が高いとき出力端子Outは開放となり、そうでないとき出力端子Outは電源線Vmの電位(又は電圧)すなわち「電源線Vmの電位(又は電圧)に対応する整数、特定値m」を出力する。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、数値(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図17の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NOVER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、数値(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図17の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値UNDER回路」になる。
また、その多値特定値UNDER回路の場合、論理動作として入力整数が特定値mより小さいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)一方、入力整数が特定値mより大きいか等しいとき出力端子Outを開放する。従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0049]と同じである。
電源線V(m+1)の電位(又は電圧)とトランジスタ1のオン・オフしきい値電圧で決まる入力オン・オフしきい値電位(又は入力オン・オフしきい値電圧)より入力端子Inの電位(又は電圧)が低いとき出力端子Outは開放となり、そうでないとき出力端子Outは電源線Vmの電位(又は電圧)すなわち「電源線Vmの電位(又は電圧)に対応する整数、特定値m」を出力する。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、数値(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図18の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NUNDER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、数値(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図18の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値OVER回路」になる。
また、その多値特定値OVER回路の場合、論理動作として入力整数が特定値mより大きいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)一方、入力整数が特定値mより小さいか等しいとき出力端子Outを開放する。従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0048]と同じである。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、整数(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図19の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値AND・OVER回路=多値特定値NOR・NOVER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、整数(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図19の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値AND・NUNDER回路=多値特定値NOR・UNDER回路」になる。
また、その多値特定値AND・NUNDER回路=多値特定値NOR・UNDER回路の場合、論理動作として入力整数すべてが特定値mより大きいか等しいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)一方、入力整数の少なくとも1つが特定値mより小さいとき出力端子Outを開放する。従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0049]と同じである。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、整数(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図20の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NAND・OVER回路=多値特定値OR・NOVER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、整数(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図20の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NAND・NUNDER回路=多値特定値OR・UNDER回路」になる。
また、その多値特定値NAND・NUNDER回路=多値特定値OR・UNDER回路の場合、論理動作として入力整数すべてが特定値mより大きいか等しいとき出力端子Outを開放する。一方、入力整数の少なくとも1つが特定値mより小さいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0049]と同じである。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、整数(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図21の実施例は、本発明者が名付けた「AND・UNDER回路=多値特定値NOR・NUNDER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、整数(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図21の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値AND・NOVER回路=多値特定値NOR・OVER回路」になる。
また、その多値特定値AND・NOVER回路=多値特定値NOR・OVER回路の場合、論理動作として入力整数すべてが特定値mより小さいか等しいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)一方、入力整数の少なくとも1つが特定値mより大きいとき出力端子Outを開放する。従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0048]と同じである。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、整数(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図22の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NAND・UNDER回路=多値特定値OR・NUNDER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、整数(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図22の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NAND・NOVER回路=多値特定値OR・OVER回路」になる。
また、その多値特定値NAND・NOVER回路=多値特定値OR・OVER回路の場合、論理動作として入力整数すべてが特定値mより小さいか等しいとき出力端子Outを開放する。一方、入力整数の少なくとも1つが特定値mより大きいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0048]と同じである。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、整数(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図23の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値OR・OVER回路=多値特定値NAND・NOVER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、整数(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図23の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値OR・NUNDER回路=多値特定値NAND・UNDER回路」になる。
また、その多値特定値OR・NUNDER回路=多値特定値NAND・UNDER回路の場合、論理動作として入力整数の少なくとも1つが特定値mより大きいか等しいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)一方、入力整数すべてが特定値mより小さいとき出力端子Outを開放する。従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0049]と同じである。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、整数(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図24の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NOR・OVER回路=多値特定値AND・NOVER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低く、整数(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高ければ、図24の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NOR・NUNDER回路=多値特定値AND・UNDER回路」になる。
また、その多値特定値NOR・NUNDER回路=多値特定値AND・UNDER回路の場合、論理動作として入力整数の少なくとも1つが特定値mより大きいか等しいとき出力端子Outを開放する。一方、入力整数すべてが特定値mより小さいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0049]と同じである。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、整数(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図25の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値OR・UNDER回路=多値特定値NAND・NUNDER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、整数(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図25の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値OR・NOVER回路=多値特定値NAND・OVER回路」になる。
また、その多値特定値OR・NOVER回路=多値特定値NAND・OVER回路の場合、論理動作として入力整数の少なくとも1つが特定値mより小さいか等しいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)一方、入力整数すべてが特定値mより大きいとき出力端子Outを開放する。従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0048]と同じである。
このため、その入力オン・オフしきい値電位が、整数(m−1)の論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、特定値mの論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図26の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NOR・UNDER回路=多値特定値AND・NUNDER回路」になる。
それに対して、その入力オン・オフしきい値電位が、特定値mの論理レベルのプラス側しきい値電位より高く、整数(m+1)の論理レベルのマイナス側しきい値電位より低ければ、図26の実施例は、本発明者が名付けた「多値特定値NOR・NOVER回路=多値特定値AND・OVER回路」になる。
また、その多値特定値NOR・NOVER回路=多値特定値AND・OVER回路の場合、論理動作として入力整数の少なくとも1つが特定値mより小さいか等しいとき出力端子Outを開放する。一方、入力整数すべてが特定値mより大きいとき特定値mを出力する。(つまり、電気的には電源線Vmの電位を出力する。)従って、論理(電位)レベルとの関係は前述[段落番号0048]と同じである。
図27の(小)多値論理回路は最高電位の電源線V(n−1)用の多値特定値AND回路である。2値インバーター回路を途中に接続すれば、図27の(小)多値論理回路は最高電位の電源線V(n−1)用の多値特定値NAND回路になる。点線で示す各ダイオードは有っても無くても構わない。
一方、図28の(小)多値論理回路は最低電位の電源線V0用の多値特定値AND回路である。2値インバーター回路を途中に接続すれば、図28の(小)多値論理回路は最低電位の電源線V0用の多値特定値NAND回路になる。点線で示す各ダイオードは有っても無くても構わない。
この場合、「入力端子In1〜In3の電位に対応する整数」全てが同じなら、「その整数に対応する電位(又は電圧)」が出力端子Outから出力される。つまり、その論理動作に関して実施例27の(大)多値論理回路は、3つの入力整数が全て同じ時その同一整数を出力する一方、3つの入力整数が1つでも違う時その出力を開放する。
この場合、請求項2に記載する通り、「前記第1電位から前記第N電位まで番号順に電位が高くなって行く」のではなく、正反対に前記第1電位から前記第N電位まで番号順に電位が低くなって行き、前記しきい値電位の各極性が正反対に入れ換わる等している。
その結果、本発明の各多値論理回路が請求項2記載の多値論理回路に対応する場合、それは「2値論理回路で言えば正論理の論理回路に対する負論理の論理回路」の様な多値論理回路に該当する。
******** 以 上 の 実 施 例 の ま と め *********
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本発明者が『多値特定値EQUAL回路』と名付けた多値論理回路は、「入力電位または入力電圧に対応する入力整数」がその回路の特定値(あらかじめ設定された整数値)と同じ時「その特定値に対応する特定電位(又は特定電圧)」を出力し、そうでない時その出力を開放する。なお、多値数(N値のNのこと。例えば10値なら10。以後こう呼ぶ。)Nに対して(N−1)≧特定値≧0である。10値なら9≧特定値≧0である。
★[該当する実施例]:図1〜図5。
★[該当する実施例]:図6〜図8。
★[該当する実施例]:図9〜図10。
★[該当する実施例]:図11〜図12。
★[該当する実施例]:図13。
★[該当する実施例]:図14。
★[該当する実施例]:図15{但し、トランジスタ2のオン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より大きく、入力整数≦特定値mの時トランジスタ2はオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図18{但し、トランジスタ1のオン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より小さく、入力整数≦特定値mの時トランジスタ1はオンで、トランジスタ40はオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図16{但し、トランジスタ1のオン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より小さく、入力整数≦特定値mの時トランジスタ1はオンで、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図17{但し、トランジスタ2のオン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より大きく、入力整数≦特定値mの時トランジスタ2はオフで、トランジスタ39はオンで、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図19{但し、トランジスタ2a〜2dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より大きく、その少なくとも1つの入力整数≦特定値mの時トランジスタ2a〜2dはオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図26{但し、トランジスタ1a〜1dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より小さく、その少なくとも1つの入力整数≦特定値mの時その少なくとも1つがオンで、トランジスタ40はオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図20{但し、トランジスタ2a〜2dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より大きく、その少なくとも1つの入力整数≦特定値mの時トランジスタ2a〜2dはオフで、トランジスタ39はオンで、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図25{但し、トランジスタ1a〜1dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より小さく、その少なくとも1つの入力整数≦特定値mの時その少なくとも1つがオンで、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図23{但し、トランジスタ2a〜2dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より大きく、全ての入力整数≦特定値mの時トランジスタ2a〜2dはオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図22{但し、トランジスタ1a〜1dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より小さく、全ての入力整数≦特定値mの時トランジスタ1a〜1dはオン、トランジスタ40はオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図24{但し、トランジスタ2a〜2dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より大きく、全ての入力整数≦特定値mの時トランジスタ2a〜2dはオフで、トランジスタ39はオンで、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図21{但し、トランジスタ1a〜1dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より小さく、全ての入力整数≦特定値mの時トランジスタ1a〜1dはオン、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図16{但し、トランジスタ1のオン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より大きく、入力整数≧特定値mの時トランジスタ1はオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図17{但し、トランジスタ2のオン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より小さく、入力整数≧特定値mの時トランジスタ2はオンで、トランジスタ39はオフで、その出力は開放される。
★[該当する実施例]:図15{但し、トランジスタ2のオン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より小さく、入力整数≧特定値mの時トランジスタ2はオンで、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図18{但し、トランジスタ1のオン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より大きく、入力整数≧特定値mの時トランジスタ1はオフで、トランジスタ40はオンで、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図21{但し、トランジスタ1a〜1dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より大きく、その少なくとも1つの入力整数≧特定値mの時トランジスタ1a〜1dはオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図24{但し、トランジスタ2a〜2dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より小さく、その少なくとも1つの入力整数≧特定値mの時その少なくとも1つはオンで、トランジスタ39はオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図22{但し、トランジスタ1a〜1dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より大きく、その少なくとも1つの入力整数≧特定値mの時トランジスタ1a〜1dはオフ、トランジスタ40はオンで、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図23{但し、トランジスタ2a〜2dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より小さく、その少なくとも1つの入力整数≧特定値mの時その少なくとも1つはオンで、特定電位Vmが出力される。
★[該当する実施例]:図25{但し、トランジスタ1a〜1dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より大きく、全ての入力整数≧特定値mの時トランジスタ1a〜1dはオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図20{但し、トランジスタ2a〜2dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より小さく、全ての入力整数≧特定値mの時トランジスタ2a〜2dはオン、トランジスタ39はオフで、その出力は開放される。}
★[該当する実施例]:図26{但し、トランジスタ1a〜1dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位V(m+1)・Vm差より大きく、すべての入力整数≧特定値mの時トランジスタ1a〜1dはオフ、トランジスタ40はオンで、特定電位Vmが出力される。}
★[該当する実施例]:図19{但し、トランジスタ2a〜2dの各オン・オフしきい値電圧の大きさは両電源電位Vm・V(m−1)差より小さく、すべての入力整数≧特定値mの時トランジスタ2a〜2dはオンで、特定電位Vmが出力される。}
************* 最 後 の 補 足 **************
****************************************
最後に以下の事を補足する。
★a)各実施例において点線で示す各ダイオードは有っても良いし、無くても良いことを示す。
★b)各実施例において各ダイオードの代わりに「そのコレクタとベースを直結したバイポーラ・トランジスタ」、「そのドレインとソースを直結した接合型FET」、「そのドレインとゲートを直結したバイポーラ・モードのSIT又はGTBT」、「そのゲート、バック・ゲート及びソースを接続したノーマリィ・オフ型MOS・FET」又は「そのドレイン・バックゲート間、そのソース・バックゲート間それぞれが導通しない様にそのバックゲート電位を保ち、そのドレインとゲートを接続したノーマリィ・オフ型MOS・FET」を1つずつ使用できる。
★c)各実施例において各電源電位の高低を正反対にして、各可制御スイッチング手段を「それと相補関係に有る可制御スイッチング手段(例:Nチャネル型MOS・FETに対するPチャネル型MOS・FET)」で1つずつ置き換え、方向性の有る各構成要素(例:ダイオード)の向きを逆にした「元の実施例に対して電圧方向または電圧極性に関して対称的な関係に有る実施例」もまた可能である。但し、その場合、その機能が元と同じ場合も有るし、違う場合も有る。
★e)図9〜図14、図19〜図26の各実施例において入力オン・オフしきい値電位を入力端子ごとに違わさせれば、さらに多値論理処理機能が発展する可能性が有る。
★f)『多値特定値EQUAL回路』は『多値特定値SAME回路』又は『多値特定値判定回路』という呼び名でも良い。
★g)本発明の場合、多値数(N値のNのこと。)がいくつであっても、その回路構成を変更する必要が無く、5値でも10値でも100値でも同じ回路構成で良く、自由度、柔軟性、対応力が有る。ただ接続する電源線などの接続を変更するだけで済む。
★h)本発明では出力を開放するという多値論理出力の仕方ができるので、出口手段(例:出力端子など。)を抵抗などで『電位供給手段(例:電源線。)Vm以外の電位供給手段』又は『電位供給手段V0〜V(n−1)以外の電位供給手段』にプル・アップ又はプル・ダウンして出力電圧を自由に変更することができる。
★j)半導体の(基板)多層化技術(=3次元化IC技術)や低電圧化技術は『多進法論理回路、多進法演算回路、多進法記憶回路、多進法コンピューター等』の実用化を強力にアシストする。もし半導体の多層化技術、低電圧駆動と耐電圧維持の両立技術、省エネルギー技術、冷却技術などがどんどん進歩すれば、64進法、100進法、128進法の論理回路、演算回路、記憶回路もしくはコンピューター等も可能になり、64進法、100進法、128進法の超・超・………超ウルトラ・スーパー・コンピューターが出現するかもしれない。
★k)ところで10進法コンピューター『DC』(Decimal Computer)が「現在の2進法コンピューターが引き起こす『コンピューター過剰適応症』と呼ばれる症候群」を無くしたり、予防したり、緩和(かんわ)したり、又は、治(なお)したり、することが期待される。『コンピューター過剰適応症』では「0」か「1」しかないコンピューターの2進法的な思考に同一化して、「曖昧(あいまい)な余地を残す他者」とのコミュニケーションができなくなり、人間関係が悪化する。
参考:日本経済新聞(東京版)の2002年3月11日付け朝刊のp.34『心蝕 (むしば)むテクノストレス』。
この事は『人間ぽい、人に優しいコンピューター、ニューロ・コンピューターまたは人工知能を造るには多進法、特に10進法の方が良い』こと、及び、『ファジィー制御にも多進法、特に10進法の方が向いている』ことを示唆(しさ)している。
ただこれらの事は『曖昧な表現をする文化』を持つ日本などアジア系では当てはまり、『YES、NOがはっきりした文化』を持つ欧米系では当てはまらないかもしれない。であるなら、『多進法コンピューター等は日本などアジア系が向いていて、得意分野ではないだろうか?』
★m)例えば10値以上の多値記憶手段の複数個を10進法の多数桁で使用し、10値以外の11値や12値などの部分をプラス、マイナスの符号あるいはパリティ・チェック等に使用することも可能である。このため、多値数と多進法数(N進法のNのこと。)が一致するとは限らないから、多値論理回路、多値コンピューター等と呼ぶよりは多進法論理回路、多進法コンピューター等と呼ぶ方が正しいと本発明者は考える。現に、4値のメモリーを使った2進法の回路が実用化されている。
★n)多進法論理回路、多進法コンピューター等が2進法のそれらより、たとえ消費電力が大きくなったり、部品点数が多くなったりしたとしても、これら欠点を上回る高性能や利点が有れば実用化の価値が有る。上述の『人に優しい』もその利点の1つであるが、同じデータ線の数なら送れる情報量の多さ、10進法なら2進数・10進数の変換誤差が無いこと、桁上りの回数が少ないこと、等もその利点である。他にも有る。
★o)電力損失に関して直感的には電源電圧の大きさから10進法回路は2進法回路の電圧10倍の2乗=100倍も電力損失が大きいと思われるが……。10進法回路の場合、10電源電位に必要な電源数は9個で、合計電圧は9倍である。また、各信号がいつも最低電位と最高電位の間をフル・スウィングする訳ではないから、その電力損失の算出には統計処理が必要である。その上、各電源線による互いの静電遮蔽(しゃへい)効果、シールド効果が働く?から、充放電エネルギーと関係する信号線などの浮遊静電容量の影響がどうなるか?
「図29の従来回路においてトランジスタQ1、Q4を取り外した回路」つまり「最低電位と最高電位の間にある中間電位に接続された双方向性スイッチング手段の回路」は図1〜図5の各実施例に相当するが、前述(段落番号0012)した通り、その使い方に制限が有り、単独では使用できない。一方、本発明の図1〜図5の各実施例にはその様な使い方の制限が無く、自由に使用することができる。すなわち、これら実施例は「従来回路では実現できない多値論理処理機能」を持っていることになる。
また、「多値特定値NOT回路」、「多値特定値NAND回路」および「多値特定値NOR回路」などの様に補出力の出力機能も「従来回路では実現できない多値論理処理機能」又は「知られていない多値論理処理機能」である。
さらに、本発明の「多値特定値OVER回路」、「多値特定値UNDER回路」、「多値特定値NOVER回路」および「多値特定値NUNDER回路」などと同じ多値論理処理機能を持つ従来回路も無い。特に、特定電位を双方向に出力する回路はそうである。
★q)図29の従来回路において、トランジスタQ2、Q3を取り外して、それらの代わりに図1〜図5の実施例のうち1つを組み合わせることもできる。その一方、実施例27(段落番号0075〜0076)において、n=10ではなくn=3にした回路も可能である。この様に本発明は自由度、対応能力が高く、発展、強化または変更が自由である。この事が「本発明者が何ども指摘する超・爆発的ぼう大な多値論理処理、多値論理関数の種類数」に対応する上で大変有益な手段となる。
★r)多値化によってクロック周波数などを下げることができる可能性がある。なぜなら、送れる情報量、扱う情報量が多いからである。低周波化によってC・MOS・FETのゲート・ソース間静電容量などの充放電回数が減るので、電力消費は下がる。
Claims (2)
- 3又は3以上の所定の複数をNで表わし、所定の自然数をSで表わしたときに、
「第1電位から第N電位まで番号順に電位が高くなって行くN個の電位を供給し、その各電位が0〜(N−1)の各整数と順々に1対1ずつ対応すると定義された第1電位供給手段〜第N電位供給手段」と、
「S個の入力電位信号の入口となる第1の入口手段〜第Sの入口手段」と、
「出力電位信号の出口となる出口手段」と、
「その第2電位供給手段〜その第(N−1)電位供給手段のうち、1つの特定電位供給手段と前記出口手段の間に接続され、オフ駆動された時に前記出口手段とそのオン・オフ駆動部の間が双方向にオフとなる双方向性スイッチング手段」と、
「『S=1の場合は1つの前記入力電位信号に対応する整数、S≧2の場合は[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のすべて]か[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のうち、少なくとも1つ]』が『1〜(N−2)の整数の中で前記特定電位供給手段の特定電位に対応する特定値』に対してどうなのか、『[等しいのか等しくないのか]、[大きいのか大きくないのか]、[小さいのか小さくないのか]のいずれか1つ』について、それに適用する下記の『2つ又は4つのしきい値電位』に基づいて判別する判別手段」と、
「前記判別手段によって制御され、『その判別結果が肯定であれば前記双方向性スイッチング手段をオン駆動し、その判別結果が否定であれば前記双方向性スイッチング手段をオフ駆動する』か『正反対に肯定であればオフ駆動し、否定であればオン駆動する』オン・オフ駆動手段」、
を有することを特徴とする多値論理回路。
*「等しいのか等しくないのか」の場合は「『等しいのか』では前記特定電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側とマイナス側の両しきい値電位」、「『等しくないのか』では前記特定電位より1つ上の電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位、及び、前記特定電位より1つ下の電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」。
*「大きいのか大きくないのか」の場合は「『大きいのか』では前記特定電位より1つ上の電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」、「『大きくないのか』では前記特定電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」。
*「小さいのか小さくないのか」の場合は「『小さいのか』では前記特定電位より1つ下の電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」、「『小さくないのか』では前記特定電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」。 -
「前記第1電位から前記第N電位まで番号順に電位が高くなって行く」のではなく、前記第1電位から前記第N電位まで番号順に電位が低くなって行き、
1つ又は複数の前述したプラス側のしきい値電位を全部マイナス側のしきい値電位に変更し、
1つ又は複数の前述したマイナス側のしきい値電位を全部プラス側のしきい値電位に変更し、
「前記特定電位より1つ上の電位」という記載内容が1つ又は複数有れば全部「前記特定電位より1つ下の電位」に変更し、
「前記特定電位より1つ下の電位」という記載内容が1つ又は複数有れば全部「前記特定電位より1つ上の電位」に変更したことを特徴とする請求項1記載の多値論理回路。
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