JP4899785B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えばエンジン(内燃機関)と電動モータ(駆動と発電とを行なうモータ・ジェネレータ)とを駆動源とした、所謂ハイブリッド式自動車の自動変速装置を構成する無段変速装置(ハイブリッド式の無段変速装置)の改良に関する。より具体的には、上記電動モータから出力される動力のみで駆動を行なっている状態から、クラッチ装置の接続に基づき上記エンジンを始動する場合に、このエンジンを滑らかに始動させ、出力軸(延いては車輪)から適切な(所望の)駆動力を精度良く出力させられる様にするものである。
自動車用自動変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば非特許文献1、2等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。又、エンジン(内燃機関)と電動モータ(駆動と発電とを行なうモータ・ジェネレータ)とを駆動源とした、所謂ハイブリッド式の自動車に就いても、上記非特許文献1等に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。この様なハイブリッド式の自動車は、走行にモータのみを使用し、エンジンで発電を行なうシリーズハイブリッド式のものと、モータとエンジンとで走行を行なうパラレルハイブリッド式のものとが知られている。又、このうちのパラレルハイブリッド式の自動車の自動変速装置を構成する為に、特許文献1には、ベルト式無段変速機と電動モータとを組み合わせて構成した、所謂(パラレル)ハイブリッド式の無段変速装置が記載されている。
図5は、上記特許文献1に記載された構造を示している。この構造の場合には、内燃機関であるエンジン1と、通電に基づきロータ2を回転駆動し、或いはこのロータ2の回転に基づき発電を行なう、電動モータ(モータ・ジェネレータ)3と、動力の伝達方向に関し、この電動モータ3と上記エンジン1との間に設けられて、動力の伝達を行なう状態と行なわない状態とを切り換えるクラッチ装置4と、ベルト式無段変速機5と、前後進切り換え機構を構成する遊星歯車式変速機6と、発進クラッチ7とを備える。この様な構造の場合は、この発進クラッチ7を接続すると共に、上記クラッチ装置4の接続を断った状態で、上記電動モータ3のみの駆動力に基づく運転(電動モータ単独走行)を行なう。又、この様な電動モータ単独走行モードで走行中に、上記クラッチ装置4の接続に基づいて、上記エンジン1の始動(クランキング)を行なう。即ち、上記クラッチ装置4の接続に基づいて、上記エンジン1の回転速度を、上記電動モータ3により上昇させる。そして、このエンジン1の回転速度を、このエンジン1自体で回転し始める速度にまで上昇させる事により、このエンジン1を始動すると共に、このエンジン1の駆動力(と電動モータ3の駆動力と)に基づく走行を行なう。
ところで、上述の様に電動モータ単独走行モードからエンジン1を始動する場合、図6に実線イで示す様に、出力軸(車輪)から出力される駆動力が、上記エンジン1の回転速度を上昇させる事に伴って低下する可能性がある。この理由は、電動モータ3から出力される動力の一部が、上記エンジン1の回転速度を、同図の破線ロに示す様に上昇させるのに消費される為である。この様な動力の低下は、加速の低下(減速)に繋がるだけでなく、著しい場合には衝撃(ショック)、振動として乗員に違和感を与える可能性がある。この様な動力の低下の低減を図るべく、上記特許文献1に記載された構造(図5に示した構造)の場合には、上記電動モータ3のロータ2に、このロータ2と共に回転するフライホイール8を設けている。そして、このフライホイール8の慣性力(イナーシャトルク)に基づいて、上述の様な動力の低下の低減を図っている。
又、特許文献2には、電動モータのみで走行中のエンジン始動時に、この電動モータの出力を大きくする事により、上述の様な動力の低下を低減する技術が記載されている。又、特許文献3には、同じく電動モータのみで走行中のエンジン始動時に、クラッチ装置の締結圧を調節する(始動の途中で接続を断つ)事により、上述の様な動力の低下を低減する技術が記載されている。更に、特許文献4には、電動モータで走行中、エンジンの始動を行なう前に、クラッチ装置の短時間の接続に基づいて、このエンジンを構成する各ピストンの位置関係を、クランキングトルクが小さくなる状態にする(クランキング特性を一定にする)技術が記載されている。この様な技術を採用した場合には、上記エンジンの始動を迅速に行なう事ができ{エンジン再始動のレスポンス(応答性)の向上を図る事ができ}、上述の様な動力の低下を低減できると考えられる。
ところが、上述の様な従来構造の場合、次の様な不都合を生じる可能性がある。例えば、上記特許文献1に記載された構造の場合には、フライホイール8の慣性力のみでは、上述した様な動力の低下を十分に防止する事は難しいと考えられる。又、上記特許文献4に記載された構造の場合には、制御が複雑になり、その分コストが増大する他、信頼性の確保が面倒になる可能性がある。又、上記特許文献2、3に記載された構造の場合には、電動モータから出力する動力(特許文献2の場合)やクラッチ装置の締結圧(特許文献3の場合)の調節を、高精度に行なえない可能性がある。即ち、上記特許文献2に記載された構造の場合は、電動モータから出力する動力の調節を、この電動モータの目標動力とアクセル開度とブレーキ踏み込み量との相関関係を表すマップに基づいて行なっている。又、上記特許文献3に記載された構造の場合は、クラッチ装置の締結圧の調節を、エンジンの回転速度と変速機の入力回転速度とアクセルペダルの踏み込み量とから算出される目標締結圧に基づいて行なっている。
これら何れの場合も、目標値(目標動力、目標締結圧)を、予め設定した相関関係(マップ、演算式)から求めている(算出している)。この為、エンジン、電動モータ、クラッチ装置等の個体差、経年変化、運転状況、動力伝達機構部分の伝達効率の変化等に伴って、上記求めた目標値と実際に必要とされる値とがずれる可能性がある。そして、この様なずれに伴って、電動モータのみで走行中のエンジン始動時に、上述の様な出力軸(延いては車輪)から出力される動力が低下する事を、十分に防止できなくなる可能性がある。
特開2003−200743号公報 特開平6−17727号公報 特開2005−162081号公報 特開平11−82261号公報 青山元男著、「別冊ベストカー 赤バッジシリーズ245/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三雄社/株式会社講談社、平成13年12月20日 田中裕久著、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日
本発明の無段変速装置は、上述の様な事情に鑑みて、電動モータから出力される動力のみで駆動を行なっている状態から、クラッチ装置の接続に基づきエンジンを始動する場合に、これらエンジン、電動モータ、クラッチ装置等の個体差、経年変化、運転状況、動力伝達機構部分の伝達効率の変化等に拘わらず、出力軸(延いては車輪)から適切な(所望の)駆動力を精度良く出力させられる(高精度な出力制御を行なえる)構造を実現すべく発明したものである。
本発明の無段変速装置は、トロイダル型無段変速機と、クラッチ装置とを備える。
このうちのトロイダル型無段変速機は、エンジン(内燃機関)の動力と電動モータ(駆動と発電とを行なうモータ・ジェネレータ)の動力とが入力されるものである。
又、上記クラッチ装置は、動力の伝達方向に関し、上記電動モータと上記エンジンとの間に設けられて、上記トロイダル型無段変速機に入力される動力の伝達状態を切り換えるものである。
又、上記トロイダル型無段変速機は、第一、第二のディスクと、複数のパワーローラと、複数個の支持部材(トラニオン)と、アクチュエータと、差圧検出手段と、変速比検出手段と、動力算出手段とを備える。
このうちの第一、第二のディスクは、互いに同心に、且つ相対回転自在に配置されている。
又、上記各パワーローラは、互いに対向する上記第一、第二のディスクの内側面同士の間に挟持されており、これら第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達する。
又、上記各支持部材は、上記各パワーローラを回転自在に支持している。
又、上記アクチュエータは、油圧式のものであり、上記各支持部材を、それぞれの両端部に設けた枢軸の軸方向に変位させて、上記第一のディスクと上記第二のディスクとの間の変速比を変える。
又、上記差圧検出手段は、上記アクチュエータに設けた1対の油圧室同士の間の差圧を検出する為のものである。この様な差圧検出手段は、例えば、上記各油圧室にそれぞれ設けた油圧センサと、これら各油圧センサの出力信号に基づき上記差圧を算出する機能を備えた演算器とにより構成できる。
又、上記変速比検出手段は、上記第一のディスクと上記第二のディスクとの間の変速比を検出する為のものである。この様な変速比検出手段は、例えば、上記第一、第二各ディスクの回転速度を検出する為の回転センサと、これら各ディスクの回転速度から上記変速比を算出する機能を備えた演算器とにより構成できる。
又、上記動力算出手段は、少なくとも上記変速比検出手段及び差圧検出手段により検出される変速比並びに差圧に基づいて、上記第一、第二両ディスク同士の間で伝達される動力(トルク)を算出する為のものである。より具体的には、変速比並びに差圧に基づいてトルクを、或は、変速比、差圧、並びに、ディスクの回転速度に基づいて動力を、それぞれ算出する。尚、上記第一、第二両ディスク同士の間を伝達する動力(伝達動力、伝達トルク)は、上記トロイダル型無段変速機を通過する動力(通過動力、通過トルク)、又は、上記トロイダル型無段変速機に入力される動力(入力動力、入力トルク)と同じ意味である。
特に、本発明の無段変速装置に於いては、上記電動モータから出力される動力のみで駆動を行なっている状態から、上記クラッチ装置の接続に基づいて上記エンジンを始動する場合に、この始動に伴う駆動力の低下を抑えるべく(小さく乃至は零にすべく)、上記電動モータから出力する動力と、上記クラッチ装置を構成する締結部材の締結圧との双方の調節を、上記動力算出手段が算出する動力(トルク)に基づいて行なう。
上述の様に構成する本発明の無段変速装置によれば、電動モータから出力される動力のみで駆動を行なっている状態から、クラッチ装置の接続に基づいてエンジンを始動する場合に、出力軸(延いては車輪)から適切な(所望の)駆動力を精度良く出力させられる(高精度な出力制御を行なえる)。この理由は次の通りである。
即ち、第一、第二両ディスク同士の間を伝達する動力(伝達動力、伝達トルク)、言い換えれば、トロイダル型無段変速機に入力される動力(入力動力、入力トルク)は、このトロイダル型無段変速機の変速比を変更する為のアクチュエータを構成する1対の油圧室同士の間の差圧と相関関係を有する。具体的には、この差圧は、第一、第二各ディスクの内側面と各パワーローラの周面との転がり接触部(トラクション部)に加わる接線力と等価である(比例関係にある)。そして、この様な差圧(接線力)と、上記トロイダル型無段変速機の変速比{パワーローラの傾きから得られる、転がり接触部のディスクの回転中心軸からの距離}とが分かれば、上記トルク(伝達トルク、入力トルク)を算出できる。そして、このトルクに加えて、何れかのディスクの転がり接触部に於ける回転速度(接線速度)が分かれば、上記動力(伝達動力、入力動力)を算出できる。
何れにしても、この様に算出される動力(トルク)は、エンジンから実際に出力される動力(トルク)と電動モータから実際に出力される動力(トルク)との和(合計値)と等価である(比例関係にある)。しかも、この和(合計値)は、上記エンジン並びにモータと上記トロイダル型無段変速機との間に設けられた、クラッチ装置や動力伝達機構部分(例えば歯車伝達機構やチェン・スプロケット伝達機構等)の伝達効率(トルク損失)が含まれた値として、高精度に得られる。本発明の場合は、動力算出手段が算出する、この様な動力(トルク)に基づいて、上記電動モータから出力する動力(トルク)と、上記クラッチ装置を構成する締結部材の締結圧との双方の調節を行なう。この為、上記電動モータから出力される動力のみで駆動を行なっている状態のみならず、この状態から上記クラッチ装置の接続に基づきエンジンを始動する場合にも、これらエンジン、電動モータ、クラッチ装置等の個体差、経年変化、運転状況、動力伝達機構部分の伝達効率の変化等に拘わらず、出力軸(延いては車輪)から適切な(所望の)駆動力を、精度良く出力させられる(高精度な出力制御を行なえる)。
図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合は、エンジン1と、電動モータ3と、クラッチ装置4と、トロイダル型無段変速機9と、出力部材である車輪(タイヤ)10と、制御器(コンピュータ)11とを備える。このうちのトロイダル型無段変速機9には、上記エンジン1の動力と、上記電動モータ3の動力とが入力される。又、上記クラッチ装置4は、動力の伝達方向に関し、上記電動モータ3と上記エンジン1との間に設けられている。そして、上記制御器11が出力する制御信号に基づき、上記トロイダル型無段変速機9に入力される動力の伝達状態を切り換えるべく、締結部材の断接を行なう。
又、上記トロイダル型無段変速機9は、例えば図2〜3に示す様に、第一、第二のディスクである入力側、出力側各ディスク12、13と、複数のパワーローラ14、14と、支持部材であるトラニオン15、15と、アクチュエータ16、16とを備える。このうちの入力側、出力側各ディスク12、13は、互いに同心に、且つ相対回転自在に配置されている。又、上記各パワーローラ14、14は、互いに対向する上記入力側、出力側各ディスク12、13の内側面同士の間に挟持されて、これら入力側、出力側各ディスク12、13同士の間で動力(トルク)を伝達する。又、上記各トラニオン15、15は、上記各パワーローラ14、14を回転自在に支持している。又、上記各アクチュエータ16、16は、上記各トラニオン15、15を、それぞれの両端部に設けた枢軸17、17の軸方向に変位させて、上記入力側ディスク12、12と出力側ディスク13、13との間の変速比を変えるものである。
又、本例の場合は、上記アクチュエータ16に設けた1対の油圧室18a、18b同士の間の差圧を検出する為の差圧検出手段を設けている。この差圧検出手段は、例えば上記各油圧室18a、18bにそれぞれ設けた1対の油圧センサと、これら両油圧センサの出力信号に基づいて上記差圧を算出する機能を備えた、制御器11とにより構成している。又、上記入力側ディスク12、12と出力側ディスク13、13との間の変速比(トロイダル型無段変速機9の変速比)を、変速比検出手段により検出する。この変速比検出手段は、上記入力側、出力側各ディスク12、13の回転速度を検出する為の、図示しない入力側、出力側両回転センサと、これら各ディスク12、13の回転速度から上記変速比を算出する機能を備えた、上記制御器11とにより構成している。尚、この変速比は、上記アクチュエータ16への油圧の給排を制御する変速比制御弁19のスリーブ20を変位させる、ステッピングモータ21のステップ位置に基づいて算出する事もできる。即ち、予め求めたこのステッピングモータ21のステップ位置と上記変速比との相関関係に基づいて、その時点のステップ位置に対応する変速比を、上記制御器11により算出する事もできる。
又、本例の場合は、上記差圧検出手段と変速比検出手段とにより検出される、上記差圧と変速比とに基づいて、上記入力側、出力側両ディスク12、13同士の間を伝達する動力(トルク)を算出する為の機能(動力算出手段)を、上記制御器11に持たせている。この動力算出手段が算出する上記動力(伝達動力、伝達トルク)は、上記トロイダル型無段変速機9に入力される動力(入力動力、入力トルク)、或いは、このトロイダル型無段変速機9を通過する動力(通過動力、通過トルク)と同じ意味である。即ち、これら伝達トルク、入力トルク、通過トルクは、上記入力側、出力側各ディスク12、13の内側面と前記各パワーローラ14、14の周面との転がり接触部(トラクション部)を介して、上記アクチュエータ16、16に加わる力Fに相当する(比例する)上記差圧と、上記変速比から求められる、上記各ディスク12、13の回転中心軸から上記転がり接触部までの距離Lとから得られるトルク(T=F・L)を言う。又、このトルクと、当該転がり接触部に於けるディスクの回転速度との積が、上記伝達動力、入力動力、通過動力となる。
この様な、上記動力算出手段が行なう動力(トルク)の算出に就いて、以下に詳しく説明する。上記差圧検出手段を構成する各油圧センサの圧力をそれぞれPhigh、Plow とすると、前記アクチュエータ16を構成する1対の油圧室18a、18b同士の間の差圧△Pは、△P=Phigh−Plow となる。又、前記変速比検出手段が検出する変速比ev と、予め求めた各パワーローラ14、14、入力側、出力側各ディスク12、13との寸法関係から、このパワーローラ14、14の傾き(傾転角)Φが求められる。又、上記トロイダル型無段変速機9に入力されるトルクをTvin とし、キャビティ(入力側、出力側両ディスク12、13同士に挟まれた空間)の数をnとし、1キャビティ当たりのパワーローラ14、14の数をmとすると、1パワーローラ当たりの伝達トルクTp/r は、次の様に表せる。
p/r =Tvin /(m・n) ‐‐‐(1)
又、上記入力側、出力側各ディスク12、13の内側面と上記各パワーローラ14、14の周面との転がり接触部に加わる接線力Ft は、上記入力側、出力側各ディスク12、13の径方向に関する、上記転がり接触部の回転半径をr1 とすると、次の様に表せる。
t =Tp/r /r1 =Tvin /(m・n・r1 ) ‐‐‐(2)
ここで、上記回転半径r1 は、上記各パワーローラ14、14の傾きΦ(変速比ev )の関数であり、これら各パワーローラ14、14及び上記入力側、出力側各ディスク12、13の幾何形状(幾何学的関係)により求まる。即ち、上記回転半径r1 は下記の(3)式で表せる。尚、この点に就いては、前記非特許文献2に記載されている為、詳しい説明は省略する。
1 =f(Φ)=r0 ・(1+k0 −cos Φ) ‐‐‐(3)
この(3)式中、r0 はキャビティ半径であり、k0 はアスペクト比である。尚、上記変速比検出手段は、この様な(3)式に基づいて上記回転半径r1 を算出する為のものである。
又、上記アクチュエータ16は、上記接線力Ft を支持する。ここで、このアクチュエータ16の各油圧室18a、18bの受圧面積をAとすると、上記差圧△Pとの関係は、次の(4)式で表せる。
△P=2Ft /A=2Tvin /(m・n・r1 ・A) ‐‐‐(4)
上記動力算出手段は、上記変速比検出手段が検出する変速比に基づいて求められる上記回転半径r1 と、上記差圧検出手段が検出する差圧△Pとから、上記(4)式に基づいて、上記トロイダル型無段変速機9に入力されるトルクTvin を求める。
更に、本例の場合は、この様に動力算出手段が算出する動力(トルクTvin )に基づいて、前記電動モータ3から出力する動力と、前記クラッチ装置4を構成する締結部材の締結圧との双方の調節を行なう。具体的には、上記電動モータ3から出力される動力のみで駆動を行なっている状態、並びに、この状態から上記クラッチ装置4の接続に基づいて前記エンジン1を始動する場合に、上記電動モータ4やクラッチ装置4の制御を、次の様に行なう。即ち、その時点の運転状態、例えば、車速、運転者の操作状況{アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)やブレーキペダルの踏み込み量等}、路面状況(路面の斜度等)等に対応する、出力すべき最適な動力である目標動力(目標トルク)と、上記動力算出手段が算出する上記動力(トルクTvin )との差がなくなる様に、上記電動モータ3から出力させる動力又は上記クラッチ装置4の締結圧の調節を行なう。
例えば、上記電動モータ3から出力される動力のみで駆動を行なっている状態では、上記目標動力(目標トルク)に対して上記動力算出手段が算出する上記動力(トルクTvin )が小さければ、上記電動モータ3から出力する動力を増大させる。又、同じく目標動力(目標トルク)に対して上記動力算出手段が算出する動力が大きければ、上記電動モータ3から出力する動力を低下させる。更に、上記電動モータ3から出力される動力のみで駆動を行なっている状態から、上記クラッチ装置4の接続に基づいて上記エンジン1を始動する場合には、この始動に伴う駆動力の低下を抑える(小さく乃至は零にする)べく、上記調節を行なう。具体的には、この駆動力の低下分を、上記電動モータ3の動力を増大させる事により補填する。又、上記クラッチ装置4の締結力を小さくする事により、上記エンジン1の始動に伴う駆動力の低下量を小さくする。そして、この様な調節に基づいて、前記車輪10から出力させる駆動力を、例えば図4に実線αで示す様なフラット(平坦)な特性にしたり、或は、同じく鎖線βに示す様に、加速に合わせて増大させたりする。尚、上記クラッチ装置4の締結圧を調節するだけでは、完全に駆動力の低下をなくす事はできない為、この様な締結力の調節は、上記電動モータ3の出力の増大と共に行なう。
上述の様な本例の場合には、無段変速装置の出力軸に接続する車輪10から適切な(所望の)駆動力を高精度に出力させられる。即ち、上述の様に、トロイダル型無段変速機9に入力される動力(入力動力、入力トルク)に対応する、アクチュエータ16を構成する1対の油圧室18a、18b同士の間の差圧と、上記トロイダル型無段変速機9の変速比とに基づいて、電動モータ3から出力する動力(トルク)と、クラッチ装置4を構成する締結部材の締結圧との調節を行なう。尚、この様な調節は、例えば変速装置を、通常の手動変速機(MT)や、遊星歯車式変速機により構成した自動変速機(AT)、ベルト式無段変速機等で構成した場合には、行なえない。この理由は、動力(トルク)に応じて変化する要素である、本例の様な差圧を検出する事ができない為である。これに対して、本例の場合は、上述の様に差圧と変速比(入力側、出力側両ディスク12、13の回転速度の比)とに基づいて、上記電動モータ3から出力する動力(トルク)と、クラッチ装置4を構成する締結部材の締結圧とを、その時点の運転状態に応じた最適な値(目標値)に調節する。この為、上記電動モータ3から出力される動力のみで駆動を行なっている状態のみならず、この状態から上記クラッチ装置4の接続に基づいてエンジン1を始動する場合にも、これらエンジン1、電動モータ3、クラッチ装置4等の個体差、経年変化、運転状況、動力伝達機構部分の伝達効率の変化等に拘わらず、上記車輪10から適切な(所望の)駆動力を高精度に出力させられる。
尚、本例の場合は、上記アクチュエータ16を構成する1対の油圧室18a、18b同士の間の差圧△Pを、これら各油圧室18a、18bにそれぞれ設けた油圧センサを用いて求めているが、この様な構成に限定するものではない。例えば、上記各油圧室18a、18b同士の間の差圧△Pに比例して変位する部材(例えば各油圧室18a、18bと導通させたシリンダ室内に嵌装するピストン)の変位量を、ポテンショメータ等の変位センサで検出し、この検出値に対応する差圧として求める事もできる。
以上の説明は、本発明の無段変速装置を、自動車用の自動変速機に適用した場合に就いて説明したが、本発明の無段変速装置は、自動車用に限らず、各種産業用の変速機としても利用できる。又、トロイダル型無段変速機の構造に関しては、ハーフトロイダル型、フルトロイダル型の何れでも良い。
本発明の実施の形態の1例を示すブロック図。 トロイダル型無段変速機の1例を示す断面図。 図2のA−A断面に相当する図。 電動モータで走行中にエンジンの始動を行なった場合の駆動力の変化を説明する為の線図。 従来の無段変速装置の1例を示す略断面図。 電動モータで走行中にエンジンの始動を行なった場合の駆動力の低下を説明する為の線図。
符号の説明
1 エンジン
2 ロータ
3 電動モータ
4 クラッチ装置
5 ベルト式無段変速機
6 遊星歯車式変速機
7 発進クラッチ
8 フライホイール
9 トロイダル型無段変速機
10 車輪
11 制御器
12 入力側ディスク
13 出力側ディスク
14 パワーローラ
15 トラニオン
16 アクチュエータ
17 枢軸
18a、18b 油圧室
19 変速比制御弁
20 スリーブ
21 ステッピングモータ

Claims (1)

  1. エンジンの動力と電動モータの動力とが入力されるトロイダル型無段変速機と、動力の伝達方向に関し、上記電動モータと上記エンジンとの間に設けられて、上記トロイダル型無段変速機に入力される動力の伝達状態を切り換えるクラッチ装置とを備え、
    このうちのトロイダル型無段変速機は、互いに同心に、且つ相対回転自在に配置された第一、第二のディスクと、互いに対向するこれら第一、第二のディスクの内側面同士の間に挟持されてこれら第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達する複数のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した複数個の支持部材と、これら各支持部材を、それぞれの両端部に設けた枢軸の軸方向に変位させて、上記第一のディスクと上記第二のディスクとの間の変速比を変える油圧式のアクチュエータと、このアクチュエータに設けた1対の油圧室同士の間の差圧を検出する為の差圧検出手段と、上記第一のディスクと上記第二のディスクとの間の変速比を検出する為の変速比検出手段と、少なくともこれら変速比検出手段及び差圧検出手段により検出される変速比並びに差圧に基づいて、上記第一、第二両ディスク同士の間で伝達される動力を算出する為の動力算出手段とを備えたものである
    無段変速装置に於いて、
    上記電動モータから出力される動力のみで駆動を行なっている状態から、上記クラッチ装置の接続に基づき上記エンジンを始動する場合に、この始動に伴う駆動力の低下を抑えるべく、上記電動モータから出力する動力と、上記クラッチ装置を構成する締結部材の締結圧との双方の調節を、上記動力算出手段が算出する動力に基づいて行なう
    事を特徴とした無段変速装置。
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