JP4899561B2 - モールドウレタンパッドの製造方法及びその成形用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、モールドウレタンパッドの製造方法及びその成形用金型に関する。詳しくは、ウレタン原料を注入し、これを発泡させて所望形状のモールドウレタンパッドを成形するための製造方法及びその成形用金型に関する。
一般に、車両用シートのクッションパッドなどに適用されるポリウレタンフォームの成形品は、いわゆるモールド成形と呼ばれる方法を用いて成形されている。例えば、下記特許文献1には、ポリウレタンフォームのモールド成形を行うための成形用金型に関する技術が開示されている。この開示のように、一般に、ポリウレタンフォームのモールド成形用金型は、上型と下型とを有している。そして、この上型と下型には、成形品を形取った凹みが形成されている。したがって、上型と下型とを型合わせすることにより、両者の間に成形品の形状と合致した空間(キャビティ空間)が形成される。故に、このキャビティ空間内にウレタン原料を注入して発泡させることにより、同キャビティ空間内にこれを充填させて所望形状の成形品(モールドウレタンパッド)を得ることができる。
ところで、上記ウレタン原料の発泡成形は、キャビティ空間を略密閉させた状態で行われる。これにより、発泡成形時におけるキャビティ空間を所定の高圧状態に維持することができるため、ウレタン原料の発泡が各方向に均等に進行し、成形性が向上する。ところが、このウレタン原料の発泡成形時には、ウレタン原料の発泡反応の進展に伴ってガスが発生する。そして、このガスの発生により、前述したウレタン原料の発泡進展と相まって、キャビティ空間の内圧が上がり過ぎてしまうことがある。これにより、キャビティ空間内に圧縮された気体が滞留し、ウレタン原料の発泡がキャビティ空間全域に行き届かずに、いわゆる欠肉部(エアーボイド)を発生させることとなる。また、上型と下型との合わせ部位(パーティングライン)から、ウレタン原料が流出し易くなる。
そこで、上記開示技術では、上型にキャビティ空間から外部へと抜ける通気孔を多数設定している。これにより、キャビティ空間に滞留するガスを通気孔から外部へと放出させ、内圧の上昇を一定に抑えるようにしている。
特開平8−216169号公報
しかしながら、上記の開示技術では、単に成形型に通気孔を設定しただけの構成であるため、成形品毎に異なるキャビティ空間の容量や形状の違いに応じて通気孔の設定数を変える必要があり、調整に手間がかかる。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ポリウレタンフォームのモールド成形において、成形品毎に異なるキャビティ空間の容量や形状の違いに応じてキャビティ空間の内圧を簡便かつ好適に調整できるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明のモールドウレタンパッドの製造方法及びその成形用金型は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、金型のキャビティ空間内にウレタン原料を注入し、これを発泡させて所望形状のモールドウレタンパッドを成形するための製造方法であり、加圧工程と、圧力調整工程と、を有する。加圧工程は、キャビティ空間を密閉した状態に維持して、ウレタン原料の発泡の進行に伴って同空間内を加圧する工程である。圧力調整工程は、加圧されたキャビティ空間内の圧力が大気圧よりも高い所定の設定圧状態を超えた時には、同キャビティ空間を外部に開放して圧力を調整し、同空間内の圧力を上記所定の設定圧状態に保持する工程である。金型は、上型と下型とを有し、これら上型と下型との型合わせ部位には、パッキンが設けられている。上型には、そのキャビティ空間を形成する上面部から外部に貫通した通気孔が形成されている。圧力調整工程における圧力調整は、通気孔から外部上方へ延びるように設けられたチューブを介して接続された圧力調整器によって行われる。
ここで、ウレタン原料の発泡成形時において、キャビティ空間内の圧力が高くなり過ぎると、同空間内に滞留している気体によってモールドウレタンパッドに欠肉部(エアーボイド)が発生し易くなる。更に、型合わせ部位(パーティングライン)からウレタン原料が流出し易くなる。一方、キャビティ空間内の圧力が大気圧状態からある程度高められるまでに密閉状態が維持できないと、ウレタン原料の発泡が各方向に均等に進行し難く、良好な成形性が得られ難くなる。
この第1の発明によれば、ウレタン原料の発泡成形時には、先ず、加圧工程において、キャビティ空間が加圧されていく。そして、キャビティ空間内の圧力が大気圧よりも高い所定の設定圧状態を超えると、圧力調整器によってキャビティ空間内の圧力が減圧され、同空間内の圧力が所定の設定圧状態に保たれる(圧力調整工程)。これにより、ウレタン原料の発泡が各方向に均等に進行し易くなり、成形性が向上する。上記圧力調整器は、キャビティ空間を形成する上型の上面部から外部に貫通した通気孔とチューブを介して接続されており、ウレタン原料の発泡成形時には、キャビティ空間内の圧縮された気体がチューブ内に圧縮された状態で滞留することで、発泡されるウレタン原料がチューブ内に入り込んで目詰まりを起こすことが生じにくくなる。
次に、第2の発明は、上述した第1の発明において、上記所定の設定圧は、0.1〜0.15MPaの範囲内であることを特徴とする。
この第2の発明によれば、ウレタン原料の発泡成形時にキャビティ空間内の圧力が上記範囲内に保たれることにより、ウレタン原料の発泡が各方向に均等に進行し易くなる。
次に、第の発明によれば、金型のキャビティ空間内にウレタン原料を注入し、これを発泡させて所望形状のモールドウレタンパッドを成形するための成形用金型である。金型は、上型と下型とを有し、これら上型と下型との型合わせ部位には、パッキンが設けられている。上型には、そのキャビティ空間を形成する上面部から外部に貫通してキャビティ空間内の空気及びウレタン原料の発泡時に発生するガスを放出することのできる複数の通気孔が形成されている。これら複数の通気孔は、それぞれ、チューブを介してその外部でキャビティ空間を密閉した状態と外部に開放した状態とに切換えて同空間内の圧力を調整することのできる圧力調整器と接続されている。圧力調整器は、常時は、キャビティ空間を密閉してウレタン原料の発泡に伴って同空間が加圧される状態を維持し、加圧されたキャビティ空間内の圧力が大気圧よりも高い所定の設定圧状態を超えた時には、同空間を外部に開放して圧力を調整し、上記所定の設定圧状態に保持する。
ここで、ウレタン原料の発泡成形時において、キャビティ空間内の圧力が高くなり過ぎると、同空間内に滞留している気体によってモールドウレタンパッドに欠肉部(エアーボイド)が発生し易くなる。更に、型合わせ部位(パーティングライン)からウレタン原料が流出し易くなる。一方、キャビティ空間内の圧力が大気圧状態からある程度高められるまでに密閉状態が維持できないと、ウレタン原料の発泡が各方向に均等に進行し難く、良好な成形性が得られ難くなる。
この第の発明によれば、ウレタン原料の発泡成形時には、先ず、圧力調整器によって密閉状態とされているキャビティ空間が加圧されていく。そして、キャビティ空間内の圧力が大気圧よりも高い所定の設定圧状態を超えると、圧力調整器によってキャビティ空間が開放されることで、同空間内の圧力が減圧されて所定の設定圧状態に保たれる。これにより、ウレタン原料の発泡が各方向に均等に進行し易くなり、成形性が向上する。上記圧力調整器は、キャビティ空間を形成する上型の上面部から外部に貫通した通気孔とチューブを介して接続されており、ウレタン原料の発泡成形時には、キャビティ空間内の圧縮された気体がチューブ内に圧縮された状態で滞留するために、発泡されるウレタン原料がチューブ内に入り込んで目詰まりを起こすことが生じにくくなる
次に、第4の発明は、上述した第3の発明において、上記所定の設定圧は、0.1〜0.15MPaの範囲内であることを特徴とする。
この第4の発明によれば、ウレタン原料の発泡成形時にキャビティ空間内の圧力が上記範囲内に保たれることにより、ウレタン原料の発泡が各方向に均等に進行し易くなる。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
1の発明によれば、キャビティ空間を形成する上型の上面部に貫通して形成された貫通孔にチューブを介して接続された圧力調整器によってキャビティ空間内の圧力を調整する簡単な方法により、キャビティ空間内の圧力を所定の設定圧状態に維持して、ウレタン原料を所望形状のモールドウレタンパッドに良好に発泡成形することができる。また、圧力調整器を、上型の上面部に貫通形成した貫通孔にチューブを介して接続して設けたことにより、キャビティ空間内の圧縮された気体がチューブ内に圧縮された状態で滞留するため、発泡されるウレタン原料がチューブ内に入り込んで目詰まりを起こすことが生じにくくなり、モールドウレタンパッドをバリ等の不具合形状を生じさせることなく良好に発泡成形することができる。
2の発明によれば、ウレタン原料の発泡を各方向に均等に進行させ易くすることができるため、モールドウレタンパッドの成形性より向上させることができる。
3の発明によれば、キャビティ空間を形成する上型の上面部に貫通して形成された貫通孔にチューブを介して接続された圧力調整器によってキャビティ空間内の圧力を調整する簡単な構成により、キャビティ空間内の圧力を所定の設定圧状態に維持して、ウレタン原料を所望形状のモールドウレタンパッドに良好に発泡成形することができる。また、圧力調整器を、上型の上面部に貫通形成した貫通孔にチューブを介して接続して設けたことにより、キャビティ空間内の圧縮された気体がチューブ内に圧縮された状態で滞留するため、発泡されるウレタン原料がチューブ内に入り込んで目詰まりを起こすことが生じにくくなり、モールドウレタンパッドをバリ等の不具合形状を生じさせることなく良好に発泡成形することができる。
4の発明によれば、ウレタン原料の発泡を各方向に均等に進行させ易くすることができるため、モールドウレタンパッドの成形性をより向上させることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1のモールドウレタンパッドMuの製造方法及びその成形用金型1について、図1〜図3を用いて説明する。図1は成形用金型1の概略構成を表した断面図である。図2は金型1のキャビティ空間C内にウレタン原料Umを注入し型締めした状態を表した断面図である。図3はウレタン原料Umをキャビティ空間C内に発泡充填させた状態を表した断面図である。
本実施例の成形用金型1は、図1に良く示されるように、互いに型合わせされる上型2と下型3とを有している。これら上型2と下型3のそれぞれには、成形品を形取った凹みが形成されている。したがって、図2に良く示されるように、上型2と下型3とを型合わせすることにより、両者の間に成形品の形状と合致するキャビティ空間Cが形成される。故に、このキャビティ空間C内にウレタン原料Umを注入して発泡させることにより、図3に示されるように、同キャビティ空間C内にこれを発泡充填させて所望形状の成形品(モールドウレタンパッドMu)を得ることができる。
ここで、上型2と下型3との型合わせ部位(パーティングライン)には、硬質の合成樹脂より成るパッキン4が設置されている。このパッキン4は、図2に示されるように、上型2と下型3とを型合わせした際に、両者の間に形成される隙間gをキャビティ空間Cに対して覆い被せるようにして配設される。これにより、キャビティ空間Cの密閉性を高め、ウレタン原料Umを発泡成形していく過程で、硬化前の液状のウレタン原料Umがキャビティ空間Cから隙間gへと流出するのを防止している。なお、パッキン4は、成形されたモールドウレタンパッドMu(図3参照)を離型することにより、これと分離するようになっている。
次に、金型1の構成について、更に詳しく説明する。すなわち、金型1は、図1に良く示されるように、上型2にキャビティ面Caから外部に貫通した通気孔hが複数形成されている。そして、これら通気孔hは、その外部にチューブ5を介して圧力調整器6(SMC株式会社製:IR3020)が接続されている。この圧力調整器6は、図示しない圧力弁の開閉により、キャビティ空間Cを密閉した状態と、外部に開放した状態とに切換えられるようになっている。この圧力弁は、常時はキャビティ空間Cを密閉した閉状態となっている。
したがって、図2に良く示されるように、ウレタン原料Umを発泡させていくと、キャビティ空間C内に残留している空気が圧縮されてキャビティ空間Cが加圧されていく。詳しくは、ウレタン原料Umを発泡させていくと、同発泡反応の進展に伴ってガス(Co2)が発生する。そして、このガスの発生と、ウレタン原料Umの発泡に伴う体積の増大と、が相まって、キャビティ空間Cが加圧されていく(加圧工程)。
そして、圧力弁は、キャビティ空間C内の圧力が大気圧よりも高い所定の設定圧状態を超えると、自動的に開状態に切換えられる。これにより、キャビティ空間Cが外部に開放されて減圧される。そしてその後に、圧力弁は、自動的に閉状態に切換えられ、キャビティ空間C内の圧力を上記設定圧状態に保持する(圧力調整工程)。これにより、キャビティ空間Cが大気圧よりも高い適度な高圧状態に保持され、ウレタン原料Umの発泡成形性を高めることができる。すなわち、ウレタン原料Umの発泡成形時に、キャビティ空間Cが大気圧よりも高い圧力状態に保たれることにより、ウレタン原料Umの発泡を各方向に均等に進行させていくことができる。その上で、キャビティ空間Cが高圧になり過ぎることがないため、硬化前の液状のウレタン原料Umが、内圧によりパッキン4を抜けて通気孔hに流出し難い。また、キャビティ空間C内に圧縮された気体が滞留しなくなるため、ウレタン原料Umの発泡をキャビティ空間C全域に行き届かせることができ、いわゆる欠肉部(エアーボイド)の発生を防止することもできる。なお、圧力調整器6の具体的な設定圧については、後述する。
ここで、金型1は、上型2と下型3と共にアルミニウム製であるが、ステンレス鋼、鉄、ニッケル等の加工性や耐熱性や強度に優れた素材を適用することもできる。
次に、ウレタン原料Umについて説明する。すなわち、ウレタン原料Umは、ポリオール(旭硝子株式会社製、TLB−213)と、イソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、コロネートC1021)とを主成分として、発泡剤、整泡剤、触媒及び着色剤などの各種液剤を混合させた公知のものである。
このウレタン原料Umは、発泡成形前の状態では液状になっており、図2に示されるように、下型3のキャビティ空間C内に注入される。そして、上型2を型締めし、金型1の温度を65±3℃として5分間加熱することにより、ウレタン原料Umがキャビティ空間C内で発泡し、その後に硬化する。これにより、図3に示されるように、キャビティ空間Cの形状に合致した成形品(モールドウレタンパッドMu)を得ることができる。
次に、上記ウレタン原料Umの発泡成形を圧力調整器6の設定圧を変えて複数回行い、成形品の仕上がり具合の評価比較を行った。この評価試験の測定結果と判定結果を図4に示した。
この評価試験では、圧力調整を行わない比較例(ア)、比較例(イ)と、各種圧力設定値で圧力調整を行う発明品(ア)〜発明品(エ)と、の仕上がり具合をそれぞれ評価した。ここで、仕上がり具合の評価方法は、図3に示されるように、成形後のモールドウレタンパッドMuにいわゆる欠肉部(エアーボイド)が発生していないかを見ると共に、上型2と下型3との型合わせ部位に発生したバリの程度を評価するものである。具体的には、発生したバリの最大幅及び最大厚みを測定し、更に、後処理工程として必要なバリ取りにかかる手間の度合いに応じて○△×の3段階で判定した。○はバリ取り処理が不要なレベル、△は手でバリの除去が行えるレベル、×はハサミ等の工具を用いてバリの除去を行わなければならないレベルである。更に、モールドウレタンパッドMuの成形性、すなわち欠肉部の発生具合やウレタン原料Umの隙間への漏れ具合についても○△×の3段階で判定した。そして、前述した各判定結果を踏まえた総合的な判定結果を、○△×の3段階で評価した。
ここで、各試験の設定条件は次の通りである。すなわち、図4に示されるように、比較例(ア)では、通気孔が形成されていない金型で試験を行った。また、比較例(イ)及び発明品(ア)〜発明品(エ)では、孔径:8mmの通気孔hが4個形成された金型1で試験を行った。なお、比較例(イ)では、通気孔hに圧力調整器が接続されておらず、単にキャビティ空間Cを外部に開放する通気孔hが設定された構成となっている。一方、発明品(ア)〜発明品(エ)は、図1に良く示されるように、各通気孔hがチューブ5を介して圧力調整器6と接続されており、キャビティ空間Cの圧力が各種の圧力設定値に調整されるようになっている。具体的な圧力設定値(保持圧力)は、発明品(ア)が0.2MPa、発明品(イ)が0.15MPa、発明品(ウ)が0.1MPa、発明品(エ)が0.02MPaとなっている。この発明品(ウ)の圧力設定状態では、圧力設定値が大気圧(0.1MPa)と略同一となっており、キャビティ空間Cがほとんど加圧されない状態として保持されるようになっている。
そして、上記の各設定条件で発泡成形を繰り返し行い、それぞれ50個目と100個目に成形された製品に対して評価を行った。
その結果、先ず、比較例(ア)では、バリ、成形性及び判定が全て×となる評価結果であった。この設定条件下では、ウレタン原料Umの発泡進展に伴って、キャビティ空間Cの内圧が上がり過ぎてしまい、大きなバリや欠肉部を発生させることとなった。
次に、比較例(イ)では、比較例(ア)よりはバリが小さかったものの、比較例(ア)と同様に各評価結果が×であった。この設定条件下では、通気孔hからキャビティ空間Cの内圧を外部へ放出することができるため、その分、比較例(ア)と比べてバリの発生が抑制されたものと考えられる。しかし、同成形時において通気孔hからウレタン原料Umが流出してしまい、良好な成形性が得られなかった。
次に、発明品(ア)では、各評価結果が△であった。この設定条件下では、加圧されたキャビティ空間C内の圧力が減圧されて調整されるため、硬化前の液状のウレタン原料Umがキャビティ空間Cから隙間gには流出し難い。しかし、その保持設定圧が比較的高いために、内圧が抜け切らずにウレタン原料Umの隙間gへの流出を招いてバリを発生させた。また、内圧が抜け切らないために、成形後に多少の欠肉部が発生した。
次に、発明品(イ)、発明品(ウ)では、各評価結果が○であった。この設定条件下では、保持設定圧が適切に保たれたことにより、ウレタン原料Umが隙間gからほとんど流出しなかった。
次に、発明品(エ)では、バリの評価結果は○であったが、成形性や判定は△であった。この設定条件下では、発泡成形時における硬化前の液状のウレタン原料Umが通気孔h(図3参照)内に入り込んでしまった。これは、圧力調整器6による保持設定圧が低すぎるために、通気孔hやチューブ5内の空気がほとんど加圧されず、硬化前のウレタン原料Umが通気孔h内に入り込み易くなったからであると考えられる。
なお、発明品(ア)〜発明品(ウ)では、ウレタン原料Umが通気孔h(図3参照)内に入り込むことはほとんどなかった。これは、圧力調整器6による保持設定圧が比較的高くなっているために、通気孔hやチューブ5内の空気が加圧され、硬化前のウレタン原料Umが通気孔h内に入り込み難くなったものと考えられる。また、圧力調整が行われる発明品(ア)〜発明品(エ)では、圧力調整が行われない比較品(ア)と比べると、試験を繰り返し行っても比較的安定した測定結果が得られた。これは、比較品(ア)のように内圧の逃げ道が隙間gにしか設定されていない構成の場合には、50個、100個と測定を重ねていくうちに、隙間gに成形品の残り屑や離型剤の固形成分が堆積し、隙間gが閉塞され易くなるためと考えられる。それに対して、発明品(ア)〜発明品(エ)では、内圧の調整を通気孔hから積極的に行うようにしているため、上記のような固形成分の堆積による影響を受け難いと考えられる。
次に、上記ウレタン原料Umの発泡成形を通気孔hの孔径を変えて複数回行い、成形品の仕上がり具合の評価比較を行った。この評価試験の測定結果と判定結果を図5に示した。
この評価試験では、圧力設定値(保持圧力)を0.1MPaに固定して、孔径を変えて試験を行った発明品(オ)〜発明品(キ)の仕上がり具合をそれぞれ評価した。なお、仕上がり具合の評価方法は、前述した評価試験と同様である。
ここで、各試験の設定条件は次の通りである。すなわち、図5に示されるように、通気孔hの個数は全て4個である。そして、発明品(オ)では孔径:2mm、発明品(カ)では孔径:10mm、発明品(キ)では孔径:15mmとして試験を行った。
そして、上記の各設定条件で発泡成形を繰り返し行い、それぞれ50個目と100個目に成形された製品に対して評価を行った。
その結果、先ず、発明品(オ)では、バリの評価結果は○であったが、成形性や判定が△であった。この設定条件下では、通気孔hの孔径が小さいために、内圧が抜け切らずに、成形後に多少の欠肉部が発生した。
次に、発明品(カ)では、各評価結果が○であった。この設定条件下では、通気孔hの孔径が適切であったために、ウレタン原料Umが隙間gからほとんど流出しなかった。
次に、発明品(キ)では、バリの評価結果は○であったが、成形性や判定が△であった。この設定条件下では、発泡成形時における硬化前の液状のウレタン原料Umが通気孔h(図3参照)内に入り込んでしまった。これは、通気孔hの孔径が大きいために、硬化前のウレタン原料Umが通気孔h内に入り込み易くなったからであると考えられる。
以上のように、図4を用いて説明した保持圧力を変えての評価試験では、発明品(イ)〜発明品(ウ)において良好な評価結果を得ることができた。また、図5を用いて説明した通気孔hの孔径を変えての評価試験では、発明品(カ)において良好な評価結果を得ることができた。
なお、本実施例の使用方法は、前述した加圧工程と圧力調整工程とを含んだ製造方法によって説明されているため、省略する。
このように、本実施例のモールドウレタンパッドMuの製造方法及びその成形用金型1によれば、キャビティ空間Cを外部に対して密閉した状態と開放した状態とに切換える簡単な構成により、キャビティ空間C内を大気圧よりも高い所定の設定圧状態に維持することができる。したがって、成形品毎に異なるキャビティ空間Cの容量や形状の違いに応じて、キャビティ空間Cの内圧を、簡便かつ好適に調整することができる。そして、この設定圧を0.1〜0.15MPaの範囲内に設定することにより、ウレタン原料Umの発泡を各方向に均等に進行させ易くすることができるため、成形性をより向上させることができる。そして、上記設定圧状態では、ウレタン原料Umをチューブ5内に入り込ませることなく成形できるため、チューブ5への目詰まりやバリの発生を抑えることができる。したがって、成形性を良くすると共に、バリ取り等にかかる製造工程数を削減することができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例により説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施ができるものである。
例えば、成形用金型として、上型と下型の2個の型から成るものを示したが、上中下の3個の型から成るものでも適用可能である。
また、キャビティ空間からチューブを経て圧力調整器が接続されたものを示したが、チューブを介在しない構成であっても構わない。
成形用金型の概略構成を表した断面図である。 金型のキャビティ空間内にウレタン原料を注入し型締めした状態を表した断面図である。 ウレタン原料をキャビティ空間内に発泡充填させた状態を表した断面図である。 保持圧力に関する評価試験結果を表した図表である。 通気孔の孔径に関する評価試験結果を表した図表である。
符号の説明
1 金型
2 上型
3 下型
4 パッキン
5 チューブ
6 圧力調整器
Mu モールドウレタンパッド
Um ウレタン原料
h 通気孔
C キャビティ空間
Ca キャビティ面
g 隙間

Claims (4)

  1. 金型のキャビティ空間内にウレタン原料を注入し、これを発泡させて所望形状のモールドウレタンパッドを成形するための製造方法であって、
    前記キャビティ空間を密閉した状態に維持して、前記ウレタン原料の発泡の進行に伴って同空間内を加圧する加圧工程と、
    前記加圧されたキャビティ空間内の圧力が大気圧よりも高い所定の設定圧状態を超えた時には同キャビティ空間を外部に開放して圧力を調整し、同空間内の圧力を前記所定の設定圧状態に保持する圧力調整工程と、を有し、
    前記金型は上型と下型とを有し、当該上型と下型との型合わせ部位にはパッキンが設けられ、前記上型にはそのキャビティ空間を形成する上面部から外部に貫通した通気孔が形成され、前記圧力調整工程における圧力調整は前記通気孔から外部上方へ延びるように設けられたチューブを介して接続された圧力調整器によって行われることを特徴とするモールドウレタンパッドの製造方法。
  2. 請求項1に記載のモールドウレタンパッドの製造方法であって、
    前記所定の設定圧は、0.1〜0.15MPaの範囲内であることを特徴とするモールドウレタンパッドの製造方法。
  3. 金型のキャビティ空間内にウレタン原料を注入し、これを発泡させて所望形状のモールドウレタンパッドを成形するための成形用金型であって、
    前記金型は上型と下型とを有し、当該上型と下型との型合わせ部位にはパッキンが設けられ、前記上型にはそのキャビティ空間を形成する上面部から外部に貫通して前記キャビティ空間内の空気及びウレタン原料の発泡時に発生するガスを放出することのできる複数の通気孔が形成され、当該複数の通気孔はそれぞれチューブを介してその外部で前記キャビティ空間を密閉した状態と外部に開放した状態とに切換えて同空間内の圧力を調整することのできる圧力調整器と接続されており、
    該圧力調整器は、常時は前記キャビティ空間を密閉してウレタン原料の発泡に伴って同空間が加圧される状態を維持し、該加圧されたキャビティ空間内の圧力が大気圧よりも高い所定の設定圧状態を超えた時には同空間を外部に開放して圧力を調整し、前記所定の設定圧状態に保持することを特徴とするモールドウレタンパッドの成形用金型。
  4. 請求項3に記載のモールドウレタンパッドの成形用金型であって、
    前記所定の設定圧は、0.1〜0.15MPaの範囲内であることを特徴とするモールドウレタンパッドの成形用金型。
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