JP4898494B2 - 寒冷地における雨樋構造 - Google Patents

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本発明は、寒冷地における雨樋構造に関する。
雨樋は、一般に塩化ビニル樹脂等の合成樹脂や、アルミニウム、胴、鉄などの金属製の薄板を用いて筒状に形成されるものである。このような雨樋は住宅等の建物の外壁に沿って、屋外に設けられるものであることから、例えば北海道や東北、北陸地方等の寒冷地においては、冬季に雪や氷などによって下端部が塞がれる場合があり、排水に支障が生じて溜まった雨水が凍結膨張することにより、雨樋が損傷する虞れがある。またこのような凍結膨張による損傷を防止できるようにした雨樋が種々開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平6−235250号公報 特開2001−311276号公報
一方、雨樋には、地中に設けた雨水枡と接続して用いられるものがあるが、寒冷地では、冬季に雨水枡に溜まった雨水が凍結すると、凍結の影響が雨水枡との接続部を介して雨樋に及ぶことにより、雨樋が破損し易くなるため、上述の破損対策だけでは不十分である。したがって、寒冷地では、冬季において、雨樋の下端部を雨水枡と接続することなく、建物の敷地内にそのまま垂れ流し状態としているのが現状である。
本発明は、寒冷地の冬季においても、雨水枡との接続部を介した雨樋の凍結による破損を回避しつつ、雨水枡に雨水を排出することのできる寒冷地における雨樋構造を提供することを目的とする。
本発明は、雨樋の下端部を地中において雨水枡に接続すると共に、地盤面より上方に位置する雨樋の下部から分枝管を設けて、これの下端開口を前記雨水枡の上端開口面に対向させ、且つ前記雨樋と前記分枝管との接続部分の内部に流路切替え弁を設けた寒冷地における雨樋構造を提供することを目的とする。
また、本発明の寒冷地における雨樋構造では、前記雨水枡の上端開口面が、格子蓋によって覆われていることが好ましい。
本発明の寒冷地における雨樋構造によれば、雨水枡との接続部を介した雨樋の凍結による破損を回避しつつ、雨水枡に雨水を排出することができる。
図1〜図3に示す本発明の好ましい一実施形態に係る寒冷地における雨樋構造10は、例えば北海道や東北、北陸地方等の寒冷地における住宅建物11の敷地内に設けられ、冬季においても、住宅建物11の外壁11aに沿って設けられた雨樋12から雨水を雨水枡13に、当該雨水枡13との接続部を介した雨樋12の凍結による破損を回避しつつ排出できるようにするために採用されたものである。
そして、本実施形態の雨樋構造10は、雨樋12の下端部12aを地中において雨水枡13に接続すると共に、地盤面14より上方に位置する雨樋12の下部から分枝管15を設けて、これの下端開口15aを雨水枡13の上端開口面13aに対向させ、且つ雨樋12と分枝管15との接続部分16の内部に流路切替え弁20が設けられている。
また、本発明の雨樋構造10では、雨水枡13の上端開口面13aが、格子蓋21によって覆われている。
本実施形態では、雨樋12は、好ましくは合成樹脂からなり、円筒形状を有している。雨樋12は、その下端部12aが、第1接続スリーブ17を介して接続されたエルボー管18によって形成されており、エルボー管18の下端開口18aが雨水枡13の側壁の中間部分のコンクリートに巻き込まれるようにして、雨水枡13の中空内部と連通接続している。
また、本実施形態では、地盤面14より上方に位置する雨樋12の下部には、第2接続スリーブ19と一体として形成され、斜め下方に延設すると共にさらに垂直下方に折れ曲がって、下端開口15aが雨水枡13の上端開口面13aに対向する分枝管15が、第2接続スリーブ19を介して雨樋12の途中に介在して設けられている。そして、第2接続スリーブ19による雨樋12と分枝管15との接続部分16の内部には、流路切替え弁20が設けられている(図3参照)。流路切替え弁20は、例えば特開2005−113610号公報に記載の切替え弁と略同様の構成を備えており、例えば分枝管15の分枝孔15bの下部付近に設けた水平回動軸22を中心として回動し、例えば第2接続スリーブ19の外周面に設けた切替え用のハンドル(図示せず。)を用いて回動させることができるようになっている。すなわち、流路切替え弁20の上端部分を、分枝管15の分枝孔15bの上縁部に当接せさて、分枝管15を閉塞すると共に雨樋12を開放させた、例えば春から秋における状態と、流路切替え弁20の上端部分を、第2接続スリーブ19の分枝孔15bと対向する内側面に当接せさて、分枝管15を開放すると共に雨樋12を閉塞させた、例えば冬季における状態とを、流路切替え弁20の回動によって切替えることができるようになっている。
さらに、本実施形態では、雨水枡13は、例えば現場打ちコンクリート製やプレキャストコンクリート製の略六面体形状を有する公知のもので、上端開口面13aを地盤面14に表出させた状態で、地中に埋設設置される。また本実施形態では、略正方形の上端開口面13aには、例えば金属製の格子蓋21が、着脱可能に装着されている。
上述の構成を備える本実施形態の寒冷地における雨樋構造10では、雨水の凍結の心配のない例えば春から秋の期間は、流路切替え弁20を、分枝管15を閉塞すると共に雨樋12を開放させた位置に配置し、雨樋12を介して流下する雨水を、エルボー管18を介して雨水枡13に排出し、雨水枡13に一端貯留した後に、排出配管23を介して下流側に排水する。
一方、雨水が凍結し易い例えば冬季においては、流路切替え弁20を切り替えて、分枝管15を開放すると共に雨樋12を閉塞させた位置に配置し、雨樋12を介して流下する雨水を分枝管15に流入させて、雨樋12の下端部12aから雨水枡13に雨水が流入するのを遮断する。これによって、雨水枡13に溜まった雨水の凍結が雨樋12に及んで雨樋12が破損するのを効果的に回避することが可能になる。また、分枝管15に流入した雨水は、下端開口15aからこれと対向する上端開口面13aを介して、住宅建物11の敷地内にそのまま垂れ流すことなく雨水枡13に排出される。
したがって、本実施形態の寒冷地における雨樋構造10によれば、寒冷地の冬季においても、雨水枡13との接続部を介した雨樋12の凍結による破損を回避しつつ、雨水枡13に雨水を排出することが可能になる。また、分枝管15に分岐した雨水を取水することにより、冬季においても、例えば散水用として雨水を有効利用することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、雨水枡の上端開口面を覆って格子蓋を取り付ける必要は必ずしもない。
本発明の好ましい一実施形態に係る寒冷地における雨樋構造住の構成を説明する地中部分を断面図として示す側面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る寒冷地における雨樋構造住の構成を説明する地中部分を断面図として示す斜視図である。 雨樋と分枝管との接続部分の内部に設けられる流路切替え弁を例示する要部断面図である。
符号の説明
10 寒冷地における雨樋構造
11 住宅建物
11a 住宅建物の外壁
12 雨樋
12a 雨樋の下端部
12b
13 雨水枡
13a 雨水枡の上端開口面
14 地盤面
15 分枝管
15a 分枝管の下端開口
15b 分枝管の分枝孔
16 雨樋と分枝管との接続部分
17 第1接続スリーブ
18 エルボー管
18a エルボー管の下端開口
19 第2接続スリーブ
20 流路切替え弁
21 格子蓋
22 水平回動軸
23 排出配管

Claims (2)

  1. 雨樋の下端部を地中において雨水枡に接続すると共に、地盤面より上方に位置する雨樋の下部から分枝管を設けて、これの下端開口を前記雨水枡の上端開口面に対向させ、且つ前記雨樋と前記分枝管との接続部分の内部に流路切替え弁を設けた寒冷地における雨樋構造。
  2. 前記雨水枡の上端開口面が、格子蓋によって覆われている請求項1に記載の寒冷地における雨樋構造。
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