JP2014190098A - 雨水貯溜配管構造とそれに用いる堰部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雨水桝1に接続される排水管2の内部に雨水を貯溜する雨水貯溜配管構造であって、雨水桝1の流入口1aに、上方が開口した堰3を設け、堰3に排出口30bを形成すると共に、該排出口30bに脱着可能な閉塞部材4を取付けた構成とする。排水管2から流入した雨水は、堰3により堰止められて、それよりも上流側の排水管2内部に雨水が貯溜されていき、その貯溜した雨水を有効利用することができる。メンテナンス時は、堰3の排出口30bに脱着可能な閉塞部材4を取付けたことにより、排水管2内部に貯溜された雨水を、容易且つ迅速に排出することができる。
【選択図】図2
Description
尚、ここでいう排出口とは、オリフィスのような小径孔ではなく、貯溜した雨水を速やかに排出することのできる程度の大きさを有するものを言う。
一方、メンテナンス時は、堰の排出口に脱着可能な閉塞部材を取付けたことにより、排水管内部に貯溜された雨水を、容易且つ迅速に排出することができるので、従来のように、バケツなどで貯溜された雨水を汲み上げるという面倒な作業が不要となり、メンテナンス性にも非常に優れる。
尚、泥砂が多い場所や蚊等の虫の発生が多い場所に雨水桝1を設置する場合は、浸透孔1eが穿孔されていない蓋体1Bを用いてもよいが、上記雨水桝1の開口部全面(雨水桝1の上端や蓋体1Bの裏面、表面など)又は蓋体1Bの浸透孔1eに別途フィルター部材(不図示)を設けると、宅地内に降った雨水を貯溜でき、且つ、蚊等の発生も抑えることができるので好ましい。また、後述するが、本実施形態のように、堰部材3を雨水桝1の流入口1aに設ける場合、複数の浸透孔が内壁面(底面含む)に穿孔された雨水桝を用いると、堰部材3の第一の口3aから雨水桝1に流入した雨水が、桝本体1Aの内部に残らないので、蚊等の虫の発生を抑制できて好ましい。
尚、本実施形態のように、必ずしも排水管2に流れ勾配を付ける必要はなく、流れ勾配は無くてもよい。また、この排水管2を、宅地内に埋設される通常の塩化ビニル樹脂製パイプよりも太くすると、貯溜量を増やすことができるのは言うまでもなく、断面楕円形や卵形状の排水管2を使用すると、排出口30bから閉塞部材4を取外して雨水を排出するときの掃流性が向上し、排水管2内部の泥などを排出し易くすることができる。この排水管2は、複数の浸透孔が穿孔された浸透管でもよく、その排水管2を雨水排水本管8にではなく、浸透桝や浸透槽と接続してもよい。このようにすると、雨水の貯溜(利用)と浸透を宅地内で完結させることができ、配管の自由度が向上する。
尚、本実施形態の堰部材3は、上記のようにT字形状をしているが、排水管2が接続される接続口(第三の口3c)と、雨水が越流する開口(第二の口3b)と、雨水が排出される排出口30bを有するものであればT字形状に限定されるものではなく、例えばL字形状であってもよい。
尚、閉塞部材4は、本実施形態のようにゴム栓に限定されるものではなく、上方から開閉可能な蓋部材などでもよいが、貯溜された雨水によって生じる浮力によって浮き上がらない程度の比重を有するものが好ましく、必要に応じて排水口30bと閉塞部材4との間に嵌合構造や係止構造などを設け、浮力のみで閉塞部材4が排水口30bから外れないようにすることが好ましい。また、ガイド部材4aも、上方から閉塞部材4の脱着を可能とするのであればボールチェーンに限定されるものはなく、線材の折り曲げ加工品等でもよい。更に、本実施形態のガイド部材4aの上端は、第一の口3a近傍に取付けられているが、上方からの脱着が可能な位置、例えば、雨水桝1の蓋受部1d近傍や蓋体1B等に取付けてもよく、このように、ガイド部材4aの上端を、雨水桝1の蓋受部1d近傍や蓋体1B等に取付けると、雨水桝1が深く埋設されている場合であっても、地表に近いところで閉塞部材4の脱着作業が可能となり、閉塞部材4に手が届かなくて特別な工具が必要になるといったこともなく、メンテナンス性が良い。
尚、図示はしないが、堰部材3の第三の口3cを、雨水桝1の流入口1aに挿入して雨水桝1の外側に突出させ、その内周面に上流側の排水管2を挿入してもよい。このようにすると、堰部材3を雨水桝1の内壁面に近づけることができ、雨水桝1内部のメンテナンスが容易となるメリットがある。
尚、この第一の口3aは常時開口しているので、雨水が貯溜された状態では、第一の口3aから蚊等の虫が発生する心配もある。そのような虫の発生を抑制するため、この第一の口3aにフィルターや、図6に示す圧力開放弁3eを設けてもよい。この図6に示す圧力開放弁3eは、第一の口3aの内面に内挿されたヒンジ式の開放蓋であって、通常は閉じられていて、排水管2内部の圧力が高まる(水位が上昇する)と開くようになっているものである。このような圧力開放弁3eを設けることで、通常時は排水管2内部と外部の接触が遮断されるため、虫の発生を抑制することができる。この圧力開放弁3eは、本実施形態のように、内挿しではなく、外挿タイプのものでもよく、外挿タイプの圧力開放弁3eは、第一の口3a開口面積が小さくならないというメリットがある。
尚、本実施形態のように、堰部材3を設けた雨水桝1が最も低い位置にある場合は、堰部材3の近傍に取水装置を設けると最も効率よく取水することができる。また、本実施形態とは逆に、排水管2に勾配を付けなければ、宅地内に埋設された配管構造のどこからでも取水することが可能となり、その場合は、取水したい箇所で分岐させて、分岐点から取水箇所に向って下り勾配を付けることで、貯溜空間に貯溜された雨水を効率よく有効利用することができる。
上記のように、本実施形態では、最終の雨水桝1に堰部材3を設けているが、堰部材3を設ける箇所は、最終の雨水桝1(最も低い雨水桝1)に限定されるものではなく、堰部材3は雨水を貯溜したい領域の最も下流側に設ければよいものである。
本実施形態の配管構造のその他の構成は、前述した図1〜図5に示す配管構造と同様であるので、同一部材に同一符号を附して説明を省略する。
本実施形態の配管構造のその他の構成は、前述した図1〜図7に示す配管構造と同様であるので、同一部材に同一符号を附して説明を省略する。
1A 桝本体
1a 流入口
1b 流出口
1c シールパッキン
1d 蓋受部
1B 蓋体
1e 浸透孔
2 排水管
3 堰部材(堰)
3a 第一の口
3b 第二の口
30b 排出口
3c 第三の口
3d 突起
3e 圧力開放弁
4,40 閉塞部材
4a ガイド部材
40b オリフィス
5 軒樋
6 竪樋
7 家屋の屋根
8 雨水排水本管
Claims (6)
- 雨水桝に接続される排水管の内部に雨水を貯溜する雨水貯溜配管構造であって、
雨水桝の流入口又は流出口に、上方が開口した堰を設け、
上記堰に排出口を形成すると共に、該排出口に脱着可能な閉塞部材を取付けたことを特徴とする雨水貯溜配管構造。 - 上記排出口が、堰の底面であって上方の開口から見える位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の雨水貯溜配管構造。
- 上記堰がT字形状をしており、第一の口は上方に向けられており、第二の口は閉口して下方に向けられており、第三の口は雨水桝の流入口又は流出口に接続されており、上記第二の口に排出口が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の雨水貯溜配管構造。
- 上記閉塞部材に、上方から閉塞部材の脱着を可能とするガイド部材が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の雨水貯溜配管構造。
- 雨水桝の流入口又は流出口に接続される堰部材であって、上方が開口していると共に排出口が形成されており、該排出口に脱着可能な閉塞部材が取付けられていることを特徴とする堰部材。
- 上記堰部材が、上方に向けられる第一の口と、下方に向けられる閉口した第二の口と、雨水桝の流入口又は流出口に接続される第三の口とからなるT字形状をしたものであり、上記第二の口に排出口が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の堰部材。
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