JP4898324B2 - 観覧車の架設方法及びリム架設装置 - Google Patents
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Description
本発明による観覧車の架設方法は、複数個に分割されたリムを順次つなぎ合わせていくとともに、つなぎ合わされたリムを、これらリムに設けられたレールをクランプするクランプ機構と、このクランプ機構全体を一方向に押し進める推進機構とを備えた、少なくとも1個のクランプ機構付き推進装置により一方向に回転させながらリム全体を架設していく観覧車の架設方法であって、前記少なくとも1個のクランプ機構付き推進装置により、つなぎ合わされたリムを一方向に回転させる際には、前記推進機構と別々に作動する前記クランプ機構が作動させられ、つなぎ合わされたリムが他方向に回転するのを防止するようにした。
このような観覧車の架設方法によれば、架設中のリムは、クランプ機構付き推進装置のクランプ機構によって常に支持(あるいは制動)されているので、リムが他方向(反時計方向)に回転してしまうことを確実に防止することができる。
このような観覧車の架設方法によれば、架設中のリムは、クランプ機構付き推進装置のクランプ機構あるいはブレーキトラスの少なくともいずれか一方によって常に支持(あるいは制動)されているので、仮にクランプ機構付き推進装置の推進機構が破損したとしても、リムが他方向(反時計方向)に回転してしまうことを確実に防止することができる。
このような観覧車の架設方法によれば、仮支材の組立あるいはスポークワイヤの展張が、すべて観覧車の中心部に位置するスピンドル部から鉛直下方に仮支材あるいはスポークワイヤを吊り下げた状態で行われるようになっているので、組立誤差を最小限とすることができるとともに、組立誤差を修正するための作業を省略することができ、工期をさらに短縮させることができる。
このような観覧車の架設方法によれば、一つのリムの他端部と、これに隣接配置される他のリムの一端部とを結合する際、他のリムは作業台車の複数本のジャッキ上に載置され、各リムに無理な力がかからないようになっている。また、リム同士を結合した後、つなぎ合わされたリムをわずかに一方向に回転させる際には、作業台車が回転にあわせて進行方向に移動していくとともに、各部材に無理な力がかからないよう、複数本のジャッキの高さが自動的に調整されるようになっている。
このような観覧車のリム架設装置によれば、クランプ機構付き推進装置のクランプ機構あるいはブレーキトラスの少なくともいずれか一方によって常に支持(あるいは制動)されているので、仮にクランプ機構付き推進装置の推進機構が破損したとしても、リムが他方向(反時計方向)に回転してしまうことを確実に防止することができる。
このような観覧車のリム架設装置によれば、ブレーキトラスが櫓状に組まれているとともに、地盤中に埋設された、コラム用基礎とは独立した別の基礎の上に堅固に固定されているので、より安定した反力点をこのブレーキトラス上に構築することができて、架設作業における安全性をより向上させることができる。
上記観覧車のリム架設装置が、地上を走行するとともに、作業足場上に、前記複数個に分割されたリムを支持する複数本のジャッキが配置された作業台車を備えているとさらに好適である。
このような観覧車のリム架設装置によれば、一つのリムの他端部と、これに隣接配置される他のリムの一端部とを結合する際、他のリムは作業台車の複数本のジャッキ上に載置され、各リムに無理な力がかからないようになっている。また、リム同士を結合した後、つなぎ合わされたリムをわずかに一方向に回転させる際には、作業台車が回転にあわせて進行方向に移動していくとともに、各部材に無理な力がかからないよう、複数本のジャッキの高さが自動的に調整されるようになっている。
図1および図21に示すように、まずはじめに、コラム用基礎1およびステイワイヤ固定用基礎2を地盤G中に埋設し、コラム用基礎1の上にコラム3を立設して、コラム3の頂部からステイワイヤ固定用基礎2に向かって複数本(本実施形態では四本)のステイワイヤ4を展張する。
また、図21に示すように、一方のコラム3と他方のコラム3との間に位置する地盤G上にはレール5が敷設されており、作業状況に応じて作業台車6(作業台車7に、スポークワイヤドラム23、作業足場24、および油圧ジャッキ25を取り付ける前のもの、すなわち、台車22のみを有するもの)あるいは作業台車7が、このレール5上を移動するようになっている。
また、コラム3の高さ方向における中間位置よりも上方には中間足場11が、コラム3の高さ方向における中間位置よりも下方には下段足場12が設けられている。これら中間足場11および下段足場12は、複数個に分割(本実施形態では三分割)された仮支材13を組立(連結)あるいは解体するのに適した位置、すなわち、仮支材13の継ぎ目が位置する高さに設置されている。
そして、下段足場12を支持する固定梁12aの内側端部には、架設中のリム14の両側面に設けられたレール14aをクランプするとともに、レール14aをクランプした状態でリム14を一方向に押し進めるクランプ機構付き推進装置15が取り付けられている。
また、クランプ機構付き推進装置15に作用する水平反力を円滑に地盤に伝達するために水平反力支持用斜柱30を設置している。
図24に示すように、作業台車7は、台車22上にスポークワイヤドラム23が設置されているとともに、台車22上に設置された作業足場24上に複数本(本実施形態では十二本)の油圧ジャッキ25が配置されたものである。スポークワイヤドラム23には、スピンドル部9とリム14との間に展張されるスポークワイヤ26(図4参照)が収容されている。油圧ジャッキ25は、それぞれ別々に作動させることができるようになっている。また、各油圧ジャッキ25は、予め算出された所定(一定)の荷重がかかるように制御される。
仮支材13の半径方向において最も外側に位置する部材の他端部と、リム14の一端部との結合が終了したら、作業台車7を図3の位置から図4の位置に徐々に移動させ、仮支材13、リム14、およびスピンドル部9をわずかに一方向(図4において時計方向)に回転させる。このとき、仮支材13とリム14との結合点(接合点)が、スピンドル部9の回転中心から仮支材13とリム14との結合点までの長さを半径とする円弧状を進むように、各油圧ジャッキ25の高さが自動的に調整されるようになっている。
そして、図4に示すように、一本目のスポークワイヤ26を張れる状態まできたら作業台車7の移動を一旦停止させ、スピンドル部9とリム14との間に一本目のスポークワイヤ26を展張する。
図8に示すように、所定位置まで移動してきた作業台車7上のリム14は、油圧ジャッキ25によりさらにジャッキアップされて、一つ目のリム14の他端部と、二つ目のリム14の一端部とが、例えば、ボルト結合される。
一つ目のリム14の他端部と、二つ目のリム14の一端部との結合が終了したら、作業台車7を図8の位置から図9の位置に徐々に移動させ、仮支材13、リム14、およびスピンドル部9をわずかに一方向(図9において時計方向)に回転させる。このとき、一つ目のリム14の他端部と、二つ目のリム14の一端部との結合点(接合点)が、スピンドル部9の回転中心から一つ目のリム14の他端部と、二つ目のリム14の一端部との結合点までの長さを半径とする円弧状を進むように、各油圧ジャッキ25の高さが自動的に調整されるようになっている。
そして、図9に示すように、二本目のスポークワイヤ26を張れる状態まできたら作業台車7の移動を一旦停止させ、スピンドル部9とリム14との間に二本目のスポークワイヤ26を展張する。また、この段階でブレーキトラスBを、その長さがブレーキトラスBの約2倍とされたブレーキトラスBeに取り替える。
図11に示すように、二本目の仮支材13のスピンドル部9への取り付けが終了したら、一本目の仮支材13とリム14との結合点と、二本目の仮支材13とリム14との結合点との間に、タイワイヤ27を展張する。
図12に示すように、三本目の仮支材13のスピンドル部9への取り付けが終了したら、二本目の仮支材13とリム14との結合点と、三本目の仮支材13とリム14との結合点との間に、タイワイヤ27を展張する。
図14は、二十八分割されたリム14の十六番目のリム14の施工が終了した段階の正面図、図15は二十八分割されたリム14の二十番目のリム14の施工が終了した段階の正面図、図16は二十八分割されたリム14の二十四番目のリム14の施工が終了した段階の正面図、図17は二十八分割されたリム14の二十八番目のリム14の施工が終了した段階の正面図である。
そして、図17に示すように、二十七番目のリム14の他端部と、二十八番目のリム14の一端部との結合、および、二十八番目のリム14の他端部と、一つ目のリム14の一端部との結合は、作業台車7上で行われることになる。このように、一つのリム14の他端部と、これに隣接配置される他のリム14の一端部とは、すべて作業台車7上で行われることになる。
また、図19は、仮支材13のうちの三本を残した状態で、四本目の仮支材13の、半径方向において最も内側に位置する部材を、スピンドル部9の所定位置から取り外し、作業台車6上に下ろしたところの図である。
そして、図20は、すべての仮支材13の取り外しとすべてのタイワイヤ27の取り外しが完了し、リム14の架設工事が完了したところの図である。
この後、リム14の所定箇所に図示しないキャビン(あるいはゴンドラ)が取り付けられ、駆動用の駆動装置等が設置されて、観覧車が完成する。
ブレーキトラスBsは、その先端部に受け部(図示せず)を備えるとともに、櫓状に組み上げられたものであり、上述したブレーキトラスB,Beと同様、その先端部に設けられた受け部を掛合させて、仮支材13、リム14、およびスピンドル部9が他方向(例えば、図5において反時計方向)に回転してしまうことを防止するものである。また、ブレーキトラスBsは、地盤G中に埋設された、コラム用基礎1とは独立した別の基礎F1,F2の上に立設されている。
また、ブレーキトラスBsは、地盤G中に埋設された、コラム用基礎1とは独立した別の基礎F1,F2の上に堅固に固定されているので、より安定した反力点をブレーキトラスBs上に構築することができて、架設作業における安全性をより向上させることができる。
また、これらクランプ機構付き推進装置15のクランプ機構16のみでリム14に制動力を付与することができる(リム14が他方向(反時計方向)に回転してしまうことを防止することができる)ので、ブレーキトラスB,Be,Bsを二次的なセイフティ機構とすることができる。
3 コラム
7 作業台車
9 スピンドル部
13 仮支材
14 リム
14a レール
15 クランプ機構付き推進装置
16 クランプ機構
17 推進機構
24 作業足場
25 ジャッキ
26 スポークワイヤ
B ブレーキトラス
Be ブレーキトラス
Bs ブレーキトラス
F1 基礎
F2 基礎
Claims (7)
- 複数個に分割されたリムを順次つなぎ合わせていくとともに、つなぎ合わされたリムを、これらリムに設けられたレールをクランプするクランプ機構と、このクランプ機構全体を一方向に押し進める推進機構とを備えた、少なくとも1個のクランプ機構付き推進装置により一方向に回転させながらリム全体を架設していく観覧車の架設方法であって、
前記少なくとも1個のクランプ機構付き推進装置により、つなぎ合わされたリムを一方向に回転させる際には、前記推進機構と別々に作動する前記クランプ機構が作動させられ、つなぎ合わされたリムが他方向に回転するのを防止するようにしたことを特徴とする観覧車の架設方法。 - 複数個に分割されたリムを順次つなぎ合わせていくとともに、つなぎ合わされたリムを、これらリムに設けられたレールをクランプするクランプ機構と、このクランプ機構全体を一方向に押し進める推進機構とを備えた、少なくとも1個のクランプ機構付き推進装置により一方向に回転させながらリム全体を架設していく観覧車の架設方法であって、
前記少なくとも1個のクランプ機構付き推進装置により、つなぎ合わされたリムを一方向に回転させる際には、前記推進機構と別々に作動する前記クランプ機構が作動させられ、前記クランプ機構の作動が解除される際には、つなぎ合わされたリムが他方向に回転することを防止するブレーキトラスの受け部を、前記リムに当接させることを特徴とする観覧車の架設方法。 - 複数個に分割されたリムを順次つなぎ合わせていくとともに、つなぎ合わされたリムを、これらリムに設けられたレールをクランプするクランプ機構と、このクランプ機構全体を一方向に押し進める推進機構とを備えたクランプ機構付き推進装置により一方向に回転させながらリム全体を架設していく観覧車の架設方法であって、
観覧車の中心部に位置するスピンドル部とリムとを接続する仮支材あるいはスポークワイヤが、略鉛直状態で取り付けられることを特徴とする観覧車の架設方法。 - 複数個に分割されたリムを順次つなぎ合わせていくとともに、つなぎ合わされたリムを、これらリムに設けられたレールをクランプするクランプ機構と、このクランプ機構全体を一方向に押し進める推進機構とを備えたクランプ機構付き推進装置により一方向に回転させながらリム全体を架設していく観覧車の架設方法であって、
つなぎ合わされたリムを一方向に回転させる際に、地上を走行する作業台車の、作業足場上に設けられた複数本のジャッキ上に支持されたリムが、つなぎ合わされたリムの結合点が、観覧車の中心からつなぎ合わされたリムの結合点までの長さを半径とする円弧上に位置するように、前記作業台車の移動にあわせて前記複数本のジャッキを動作させることを特徴とする観覧車の架設方法。 - コラム用基礎の上に立設された少なくとも二本のコラムと、
これらコラムの内側端部に配置され、架設中のリムに設けられたレールをクランプするクランプ機構、およびこのクランプ機構全体を一方向に押し進める推進機構とを備えたクランプ機構付き推進装置と、
一端部に前記リムに設けられた水平材を支持する受け部が設けられ、他端部が前記コラム用基礎もしくは前記コラム用基礎とは独立した別の基礎に取り付けられたブレーキトラスとを具備してなることを特徴とする観覧車のリム架設装置。 - 前記コラム用基礎とは独立した別の基礎に取り付けられるブレーキトラスが、櫓状に組み上げられていることを特徴とする請求項5に記載の観覧車のリム架設装置。
- 地上を走行するとともに、作業足場上に、前記複数個に分割されたリムを支持する複数本のジャッキが配置された作業台車を具備してなることを特徴とする請求項5または6に記載の観覧車のリム架設装置。
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