JP4897813B2 - データ転送装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自己の格納しているデータを他の装置に転送するデータ転送装置、データ転送方法及びデータ転送プログラムに関する。
自動車に搭載される車載機では、登録情報(自宅位置、目的地位置など)や、GPS(Global Positioning System)により取得した車載機独自の情報を用いて、ナビゲーションを行う。これらの情報は経路などの学習機能に用いるため、車載機内に通常保存されるる。
しかし、これらの情報は、プライバシや企業機密に関わる情報であり、また、車載機は盗難の恐れもある。よって、セキュリティの確保が必要という課題がある。この課題に対し、従来では、ユーザ操作(音声による指示なども含む)によりセキュアなメモリへ情報を退避したり、携帯電話からの機器状態のチェックを行なうものなど、保護対象情報を持つ機器自身が自動的に情報の保護を行うものはなかった。
特開2004−361116号公報
前述の車載機器で扱う情報は、本来、車外で安全に管理し、乗車時に再度車載機に情報を入力する事が望ましい情報である。しかし、これに関して以下の課題があった。
(1)プライバシに関する情報を自動的に識別し保護対象を決定する手段がない。
(2)ユーザの操作なしに自動的に、安全な場所に保護する方法がない。例えば、終了の際にSDカード(登録商標)などのメモリに入れるなどはあるが、抜き忘れによる紛失は防げない。
本発明は、保護すべきデータを自動的に抽出し、抽出したデータを安全な装置へ自動的に退避する装置を提供する。
この発明のデータ転送装置は、
予め指定されたデータ記憶装置と通信する通信部と、
データを格納するデータ格納部と、
所定のイベントを検出するイベント検出部と、
前記イベント検出部が前記所定のイベントを検出した場合に、前記データ格納部が格納しているデータを前記通信部を介して前記データ記憶装置に転送するデータ管理部と
を備えたことを特徴とする。
前記イベント検出部は、
前記所定のイベントとして、自己である前記データ転送装置の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出することを特徴とする。
前記データ転送装置は、
移動体に装備されることを特徴とする。
前記イベント検出部は、
前記所定のイベントとして、自己である前記データ転送装置の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出することを特徴とする。
前記イベント検出部は、
前記所定のイベントとして、自己である前記データ転送装置が装備された前記移動体の停止状態を検出することを特徴とする。
前記データ格納部は、
保護の対象となる保護対象データが定義された保護対象データ定義情報を予め格納し、
前記データ管理部は、
前記データ格納部が格納している前記保護対象データ定義情報に基づいて前記データ格納部が格納しているデータの中から転送するデータを抽出し、抽出したデータを前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
前記データ格納部が格納する前記データは、
入手経路が管理されており、
前記データ格納部が格納する前記保護対象データ定義情報は、
前記データの前記入手経路と前記データが保護の対象となるかどうかとの対応関係を示す対応関係情報を含み、
前記データ管理部は、
前記データ格納部が格納している前記対応関係情報に基づいて前記データ格納部が格納しているデータの中から転送するデータを抽出し、抽出したデータを前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
前記データ格納部が格納する保護対象データ定義情報は、
保護するべきファイルを指定する保護対象ファイル情報を含み、
前記データ管理部は、
前記保護対象データ定義情報に含まれる前記保護対象データ定義情報に基づいて前記データ格納部が格納しているデータの中から前記保護対象データ定義情報が指定するファイルを抽出し、抽出したファイルを前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
前記データ管理部は、
前記データ格納部が格納しているデータを前記データ記憶装置に転送した場合には、前記データ格納部に存在するデータのうち転送したデータと同一のデータを消去することを特徴とする。
前記データ管理部は、
予め指定された前記データ記憶装置を優先順位を付けて複数認識しており、複数認識している前記データ記憶装置のうち優先順位が高く、かつ、通信可能な前記データ記憶装置にデータを転送することを特徴とする。
前記データ記憶装置は、
所定の問合せ情報に対する返信が可能であり、
前記データ管理部は、
前記イベント検出部が前記電源OFFイベントを検出した場合に前記所定の問合わせ情報として前記データ記憶装置にデータを転送することを予告する予告情報を前記通信部を介して送信し、前記データ記憶装置から前記予告情報に対する返信を受信した場合に前記データ格納部が格納しているデータを前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
前記データ格納部は、
保護の対象となる保護対象データが定義された保護対象データ定義情報を予め格納し、
前記データ管理部は、
前記データ格納部が格納している前記保護対象データ定義情報に基づいて前記データ格納部が格納しているデータの中から転送するデータを抽出し、抽出したデータを前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
前記データ格納部が格納する前記データは、
入手経路が管理されており、
前記データ格納部が格納する前記保護対象データ定義情報は、
前記データの前記入手経路と前記データが保護の対象となるかどうかとの対応関係を示す対応関係情報を含み、
前記データ管理部は、
前記データ格納部が格納している前記対応関係情報に基づいて前記データ格納部が格納しているデータの中から転送するデータを抽出し、抽出したデータを前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
前記データ格納部が格納する保護対象データ定義情報は、
保護するべきファイルを指定する保護対象ファイル情報を含み、
前記データ管理部は、
前記保護対象データ定義情報に含まれる前記保護対象データ定義情報に基づいて前記データ格納部が格納しているデータの中から前記保護対象データ定義情報が指定するファイルを抽出し、抽出したファイルを前記データ記憶装置に転送する。
前記データ管理部は、
前記データ格納部が格納しているデータを前記データ記憶装置に転送した場合には、前記データ格納部に存在するデータのうち転送したデータと同一のデータを消去することを特徴とする。
前記データ管理部は、
予め指定された前記データ記憶装置を優先順位を付けて複数認識しており、複数認識している前記データ記憶装置のうち優先順位が高く、かつ、通信可能な前記データ記憶装置にデータを転送することを特徴とする。
前記データ記憶装置は、
所定の問合せ情報に対する返信が可能であり、
前記データ管理部は、
前記イベント検出部が前記停止状態を検出した場合に前記所定の問合わせ情報として前記データ記憶装置にデータを転送することを予告する予告情報を前記通信部を介して送信し、前記データ記憶装置から前記予告情報に対する返信を受信した場合に前記データ格納部が格納しているデータを前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
前記通信部は、
保護の対象であることを示す保護指示情報が付加された保護指示情報付加データを送信する情報送信装置から保護指示情報付加データを受信し、
前記データ格納部は、
前記通信部が受信した保護指示情報付加データを格納し、
前記データ管理部は、
前記イベント検出部が前記所定のイベントを検出した場合に、前記データ格納部が格納している保護指示情報付加データを前記通信部を介して前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
前記データ管理部は、
前記通信部と予め指定された前記データ記憶装置とが通信可能かどうかを判定し、
前記データ転送装置は、さらに、
前記データ管理部が前記通信部と前記データ記憶装置とが通信不能と判定した場合に、前記通信部と前記データ記憶装置との通信不能を通知する所定の通知データを生成する通知データ生成部と、
前記通知データ生成部が生成した前記通知データを所定の装置に出力する外部出力部と
を備えたことを特徴とする。
この発明の携帯端末装置は、
予め指定されたデータ記憶装置と通信する通信部と、
データを格納するデータ格納部と、
自装置の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出するイベント検出部と、
前記イベント検出部が前記電源OFFイベントを検出した場合に、前記データ格納部が格納しているデータを前記通信部を介して前記データ記憶装置に転送するデータ管理部と
を備えたデータ転送装置から
前記データ管理部が転送したデータを受信する受信部と、
前記受信部が受信したデータを記憶する受信データ記憶部と
を備える予め指定された前記データ記憶装置である。
前記携帯端末装置は、さらに、
前記受信部が前記データ管理部からデータを受信した場合、受信したデータに基づいて前記データ格納部に格納されているとデータを更新するデータ更新部を備えたことを特徴とする。
前記データ転送装置の前記データ管理部は、
前記イベント検出部が前記電源OFFイベントを検出した場合にデータを転送することを予告する予告情報を前記通信部を介して送信し、前記予告情報に対する返信情報を受信した場合に前記データ格納部が格納しているデータを転送し、
前記携帯端末装置の前記受信部は、
前記予告情報を受信し、
前記携帯端末装置は、さらに、
情報を送信する送信部と、
前記受信部が前記データ転送装置から前記予告情報を受信した場合にユーザの所定の操作を受け付けることにより前記返信情報を生成し、生成した前記返信情報を前記送信部を介して前記データ転送装置に送信するデータ要求部と
を備えたことを特徴とする。
この発明の携帯端末装置は、
移動体に装備されるデータ転送装置であって、
予め指定されたデータ記憶装置と通信する通信部と、
データを格納するデータ格納部と、
自装置が装備された前記移動体の停止状態を検出するイベント検出部と、
前記イベント検出部が前記停止状態を検出した場合に、前記データ格納部が格納しているデータを前記通信部を介して前記データ記憶装置に転送するデータ管理部と
を備えたデータ転送装置から
前記データ管理部が転送したデータを受信する受信部と、
前記受信部が受信したデータを記憶する受信データ記憶部と
を備える予め指定された前記データ記憶装置である。
前記携帯端末装置は、さらに、
前記受信部が前記データ管理部からデータを受信した場合、受信したデータに基づいて前記データ格納部に格納されているとデータを更新するデータ更新部を備えたことを特徴とする。
前記データ転送装置の前記データ管理部は、
前記イベント検出部が前記停止状態を検出した場合にデータを転送することを予告する予告情報を前記通信部を介して送信し、前記予告情報に対する返信情報を受信した場合に前記データ格納部が格納しているデータを転送し、
前記携帯端末装置の前記受信部は、
前記予告情報を受信し、
前記携帯端末装置は、さらに、
情報を送信する送信部と、
前記受信部が前記データ転送装置から前記予告情報を受信した場合にユーザの所定の操作を受け付けることにより前記返信情報を生成し、生成した前記返信情報を前記送信部を介して前記データ転送装置に送信するデータ要求部と
を備えたことを特徴とする。
この発明のデータ転送方法は、
予め指定されたデータ記憶装置と通信する通信部とデータを格納するデータ格納部とを備えたデータ転送装置が行なうデータ転送方法において、
イベント検出部が、自装置の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出し、
データ管理部が、前記イベント検出部が前記電源OFFイベントを検出した場合に、前記データ格納部が格納しているデータを前記通信部を介して前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
この発明のデータ転送方法は、
予め指定されたデータ記憶装置と通信する通信部とデータを格納するデータ格納部とを備えるとともに移動体に装備されるデータ転送装置が行なうデータ転送方法において、
イベント検出部が、自装置が装備された前記移動体の停止状態を検出し、
データ管理部が、前記イベント検出部が前記停止状態を検出した場合に、前記データ格納部が格納しているデータを前記通信部を介して前記データ記憶装置に転送することを特徴とする。
この発明のデータ転送プログラムは、
予め指定されたデータ記憶装置と通信する通信部とデータを格納するデータ格納部とを備えたコンピュータであるデータ転送装置に以下の処理を実行させる。
(1)自装置の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出する処理
(2)前記電源OFFイベントを検出した場合に、前記データ格納部が格納しているデータを前記通信部を介して前記データ記憶装置に転送する処理
この発明のデータ転送プログラムは、
予め指定されたデータ記憶装置と通信する通信部とデータを格納するデータ格納部とを備えるとともに移動体に装備されるコンピュータであるデータ転送装置に以下の処理を実行させる。
(1)自装置が装備された前記移動体の停止状態を検出する処理
(2)前記停止状態を検出した場合に、前記データ格納部が格納しているデータを前記通信部を介して前記データ記憶装置に転送する処理
この発明により、装置に記憶されたデータのうち保護したいデータを自動的に抽出するとともに、抽出したデータを自動的に、他の装置に転送することができる。
実施の形態1.
図1〜図10を用いて実施の形態1を説明する。実施の形態1は、データを転送するデータ転送装置が、自己の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出した場合に、格納しているデータを他のデータ記憶装置に、無線あるいは有線により転送する実施形態である。本実施の形態1におけるデータ転送装置によって、人の操作を必要とすることなく、自動的に、盗まれたくないデータを他の装置に転送することができる。
以下の実施の形態の説明では、「保護対象データ」及び「転送対象データ」という字句を用いている。「保護対象データ」とは、それ自体が必ず転送の対象となるデータを意味する。「転送対象データ」とは、転送されるデータである。あるデータが複数の構成データから構成され、構成データの少なくとも一つが保護対象データである場合、前記あるデータは、転送対象データである。どのようなデータを保護対象データ、あるいは転送対象データとするかについては、後述のように、ユーザが定義する。この定義により、転送するべきデータを自動的に抽出できる。
図1は、コンピュータであるデータ転送装置の使用例を示す図である。図1は、データ転送装置が、カーナビゲーション装置400として実現される場合を示している。カーナビゲーション装置400(データ転送装置)は、自己の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出した場合には、格納している「所定のデータ」を携帯端末装置500(データ記憶装置の一例)に転送する。そして、通常の設定では、カーナビゲーション装置400は、所定のデータを転送した場合、自己の格納しているデータのうち、転送したデータと同一データを消去する。なお、データのうち転送は必要であるが盗まれたとしても影響のないデータは、消去しない設定でも構わない。また、ここで携帯端末装置500とは、例えば、携帯電話、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistant:登録商標)などである。また、データ転送の無線通信には、例えば、Blue Tooth(登録商標)が使用される。
図2は、コンピュータであるデータ転送装置の別の使用例を示す図である。図2は、データ転送装置が、パーソナルコンピュータ600として実現される場合を示している。パーソナルコンピュータ600(データ転送装置)は、自己の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出した場合には、格納している「所定のデータ」を携帯端末装置500(データ記憶装置)に転送する。そして、カーナビゲーション装置400と同様、通常の設定では、パーソナルコンピュータ600、所定のデータを転送した場合、自己の格納しているデータのうち、転送したデータと同一データを消去する。
図3は、カーナビゲーション装置400あるいはパーソナルコンピュータ600として実現されるコンピュータであるデータ転送装置のハードウェア資源の一例を示す図である。なお、携帯端末装置500もコンピュータであり、ハードウェア資源は、データ転送装置と同様である。
図3において、データ転送装置は、プログラムを実行するCPU810(Central Processing Unit)を備えている。CPU810は、バス825を介してROM811(Read Only Memory)、RAM812(Random Access Memory)、表示装置813、操作キー814、通信ボード816、磁気ディスク装置820と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置820の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM812は、揮発性メモリの一例であり、ROM811、磁気ディスク装置820等の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部、格納部の一例である。
通信ボード816、操作キー814などは、入力部、入力装置の一例である。また、通信ボード816、表示装置813などは、出力部、出力装置の一例である。
通信ボード816は、無線あるいは有線により、携帯端末装置500等のデータ記憶装置にデータを転送する。あるいは通信ボード816は、無線あるいは有線により、他の装置からデータを受信する。
磁気ディスク装置820には、オペレーティングシステム821(OS)、ウィンドウシステム822、プログラム群823、ファイル群824が記憶されている。プログラム群823のプログラムは、CPU810、オペレーティングシステム821、ウィンドウシステム822により実行される。また、磁気ディスク装置820は、転送する対象となるデータを格納するデータ格納領域826を有する。
上記プログラム群823には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU810により読み出され実行される。
ファイル群824には、以下に述べる実施の形態の説明において、
「〜の判定結果」、
「〜の算出結果」、
「〜の抽出結果」、
「〜の生成結果」、
「〜の処理結果」として説明する情報や、データや信号値や変数値やパラメータなどが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。またファイル群824には、後述する保護対象データ定義情報1040や、付加情報リスト1050が記憶される。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。
ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU810によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・表示などのCPUの動作に用いられる。
抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、以下に述べる実施の形態の説明においては、データや信号値は、RAM812のメモリ、磁気ディスク装置820の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス825や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「手段」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM811に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU810により読み出され、CPU810により実行される。すなわち、プログラムは、以下に述べる「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、以下に述べる「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
図4は、実施の形態1におけるデータ転送システム1001のシステム構成図である。データ転送システム1001は、通信機器110と、通信装置200とを備える。
(1)通信機器110は、データ転送装置である。前記のように通信機器110は、カーナビゲーション装置、あるいはパーソナルコンピュータを想定する。ただし、これらに限定されない。
(2)通信装置200は、通信機器110から転送されるデータを記憶するデータ記憶装置である。通信装置200は、前述のように携帯端末装置を想定する。通信装置200は、通信機器110に予め通信先として登録されている。通信機器110は、通信部103を介して通信装置200と通信する。
通信機器110は、データ管理部101、データ格納部102、通信部103、電源管理部104を備える。
(1)データ格納部102は、通信機器110が扱うデータ1020、後述する保護対象データ定義情報1040及び付加情報リスト1050などを格納する。
(2)通信部103は、通信装置200と通信を行なう。
(3)電源管理部104(イベント検出部の一例)は、通信機器100が動作するための電源状態を管理する。電源管理部104は、自己である通信機器110の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す「電源OFFイベント」を検出する。
(4)データ管理部101は、所定のタイミングで、データ格納部102に格納されたデータ1020から転送するべきデータを抽出する。そして、データ管理部101は、電源管理部104による電源状態の検出結果に応じて、データ退避を行うか否かを判定する。また、データ管理部101は、退避済データの削除を行うか否かの判定を行う。データ管理部101は、データ退避を決定し、退避済データの削除を決定すると、通信部1003を介して通信装置200へデータの退避を行う。データ管理部101は、退避完了を確認した後、データ格納部102に存在する退避済データを削除する。
図5は、通信装置200(データ記憶装置)のブロック図である。前述のように、通信装置200は例えば携帯電話であるが、本実施の形態1に関連する要素のみを「〜部」として示した。
通信装置200は、受信部201、送信部202、データ記憶部203、データ要求部204、データ更新部205を備える。
(1)受信部201は、通信機器110が転送したデータを受信する。
(2)送信部202は、後述する返信情報などを送信する。
(3)データ記憶部203は、受信部201が受信したデータを記憶する。
(4)データ要求部204は、受信部201が通信機器110から後述する予告情報を受信した場合に、ユーザの所定の操作を受け付けることにより後述の返信情報を生成し、生成した前記返信情報を送信部202を介して通信機器110に送信する。これは、実施の形態6で説明する。
(5)データ更新部205は、受信部201が受信したデータに基づき、データ記憶部203に記憶されているデータを更新する。本実施の形態1で後述する。
次に、図6を用いて、データ管理部101が行なうデータ退避処理の動作を説明する。図6は、データ管理部101が行なうデータ退避処理の一連の動作を示す。
(S101:電源OFF要求の有無の判定)
データ管理部101は、判定処理ステップS101において、電源管理部104を用いて、電源OFF要求イベントの有無を判定する。データ管理部101は、ステップS101において電源OFF要求がないと判定した場合(S101でNO)、図示しない待ち処理を行いながら、電源管理部104が電源OFF要求イベントを検出したかどうかの確認を定期的に行う。データ管理部101は、判定処理ステップS101において電源OFF要求イベントが検出されたと判定した場合(S101でYES)、次の判定処理ステップS102において、データ転送先の有無の判定処理を行う。
(S102:データ転送先の有無の判定)
データ管理部101は、ステップS102において、予めデータ転送先として指定された装置(この例では図4の通信装置200)との通信が可能か否かを判定する。この判定は、データ管理部101が、通信部103を用いて行うことで実現可能である。また、このデータ転送先の有無の判定処理S102は、予め(あるいは定期的に)Pingその他、機器の状態情報を交換する等のコマンドを通信機器110と通信装置200との間でやり取りを行い、図示しないメモリなどに前記状態情報を格納し、定期的に更新して利用することにより可能である。判定処理ステップS102において、データ管理部101は、データ転送先があると判定した場合(S102においてYES)、判定処理ステップS103へと進む。一方、データ管理部101は、判定処理ステップS102においてデータ転送先が存在しないと判定した場合(判定処理ステップS102においてNo)処理を終了する。
(S103:転送対象データの有無の判定)
データ管理部101は、判定処理ステップS103において、転送対象データがあるか否かを判定する。転送対象データは、S104のデータ転送処理において、通信装置200に転送される。なお、このS103の詳細は、図7、図8を用いて後述する。
(S104:データ転送処理)
データ管理部101は、S103において転送対象データがあると判定すると、S104においてデータ転送を行なう。S104については、S103についての詳細な説明の後に、図9を用いて詳しく説明する。データ転送の終了により、データ退避処理は終了する。
(転送対象データの有無の判定処理データS103の詳細)
次に、図7、図8を用いて、図6における「転送対象データの有無の判定(S103)」の詳細を説明する。通信機器110のデータ管理部101は、図6のS103において、転送対象データの有無の判定する。まず、データ管理部101による転送対象データの有無の判定の概要を説明する。
(転送対象データの有無の判定の概要)
(1)図7(詳細は後述する)は、通信機器110で取り扱うことが可能なデータのデータリスト1022を示す。図7の列1304は、保護対象判定(D)である。列1304は、「宛先」というデータが保護対象かどうかを示す。「保護対象である」とは、転送されるべきデータであることを意味する。
(2)図7の場合、列1304を見ると「宛先」に対応する部分は、「保護」となっている。よって、データ格納部102のデータ1020に「宛先」というデータが存在する場合、データ管理部101は、データ格納部102に存在する「宛先」というデータを保護対象と判定する。このように、図7のデータリスト1022は、データ格納部102に存在するデータを保護対象として転送するかどうかを判定するために予め定義された情報である。後述の図8に示すように、データリスト1022と各種の定義表とが保護対象データ定義情報1040を構成する。データリスト1022は、保護対象データ定義情報1040の一部としてデータ格納部102に格納されている。データリスト1022は、予め人の操作により作成され、データ格納部102に格納される。
(3)データ管理部101は、データ格納部102が格納しているデータリスト1022に基づいてデータ格納部102のデータ1020の中から転送するデータを自動的に抽出し、抽出したデータを通信装置200に自動的に転送する。抽出のタイミングは、予め設定される。データ管理部101は、予め設定されたタイミングで保護対象のデータを抽出する。予め設定される抽出のタイミングは、例えば、何らかのデータを他の装置から取得したとき、あるいは通信機器110内で何らかのデータが生成されたような場合である。そして、データ管理部101は、電源OFFイベントの検出(S101のYES)を契機として、データの転送先が存在する場合には(S102のYES)、抽出された転送対象データが存在するかどうかを判定し(S103)、抽出された転送対象データが存在する場合には(S103のYES)、抽出された転送対象データを予め指定された通信装置200に転送する(S104)。
次に、図7のデータリスト1022を詳しく説明する。図7は、通信機器110において取り扱い可能なデータのリストである。ここで、「取り扱い可能なデータ」とは、列1301の「データ構成要素(A)」と列1302の「構成要素(B)」とを意味している。
データリスト1022において、
(a)列1301は、何らかのデータを構成する構成要素となる「データ構成要素名(A)」である。
(b)列1302は、「データ構成要素名(A)」を構成する「構成要素(B)」である。「データ構成要素名(A)」によっては種類が存在する。例えば、「データ構成要素名(A)」の「電話番号」を例にとれば、国内番号、携帯電話番号、特殊番号(警察や消防など)の種類が存在する。
列1302の「構成要素(B)」は、
(b−1)「データ構成要素名(A)」である場合もあり、
(b−2)プリミティブなデータの場合もあり、
(b−3)または、これらのリストである場合もある。
(b−1)の「データ構成要素名(A)である場合」とは、例えば、図7において、「データ構成要素名(A)」の「通信履歴」の「構成要素(B)」には「宛先」が存在する。一方、「宛先」は、「データ構成要素名(A)」(1行目)でもある。(b−1)はこのことを意味する。
(b−2)の「プリミティブなデータ」とは、「構成要素(B)」自身を構成するべき構成要素が存在せず、その「構成要素(B)」自身の定義で「構成要素(B)」が一意に定まる形式の場合である。
このプリミティブなデータの定義形式は、
(1)ユーザ定義(この通信機器110内で用いるアプリケーションのいずれかにおいて規定された定義であり、一般的に通用する規格に準拠したものではないもの)、
または
(2)規格(何らかの標準規格に準拠したもの)、
(3)準規格(ある程度通用する規格。電話番号の様なもの)
のいずれかである。
(b−3)の「そのリスト」とは、「構成要素(B)」が、他の「データ構成要素名(A)」と「構成要素(B)」とからなる場合を意味する。例えば、「データ構成要素名(A)」の「通信履歴」では、「構成要素(B)」は、「宛先、通信時刻、送受信データ・・・」を持つ。この場合、「宛先、通信時刻、送受信データ・・・」が前記の「リスト」である。また、「宛先、通信時刻、送受信データ・・・」のうち、「宛先」と「通信時刻」とは、「データ構成要素名(A)」でもある。また「送受信データ」は「構成要素(B)」のみに存在する。このように、リストである「宛先、通信時刻、送受信データ・・・」は、「データ構成要素名(A)」と「構成要素(B)」とからなる。これが(b−3)の意味である。
(c)列1303は、「規格(C)」である。「規格(C)」は、「構成要素(B)」が、前述した(1)ユーザ定義、(2)規格、(3)準規格のうち、いずれで定まるのかを示している。
(d)列1304は「保護対象判定D」である。「保護対象判定D」とは、「構成要素(B)」が保護対象となるかどうかを示す記載である。「保護対象判定D」において「保護」とは、「構成要素(B)」が保護対象であることを示す。また、「保護対象判定D」において「データ毎」の場合は、データ管理部101は、個々のデータ毎に、保護対象とするか否かを判定する。具体的には、データ管理部101は、次のように判定する。列1304の「保護対象判定D」における「データ毎」とは、「データ毎」と規定された「データ構成要素名(A)」あるいは「構成要素(B)」は、その「データ構成要素名(A)」自体、あるいは「構成要素(B)」自体では、保護されない(単独非保護)。例えば、「データ構成要素名(A)」の「通信時刻」は、「データ毎」であるので、「通信時刻」自体は保護対象ではない。一方、前記のように「構成要素(B)」は、リストを形成する。リストである「構成要素(B)」が、「データ毎」である「データ構成要素名(A)」あるいは「構成要素(B)」を有する場合に、「保護」である「データ構成要素名(A)」と「構成要素(B)」との少なくともいずれかを含む場合には、データ管理部101は、この「リスト」を保護対象と判定する。「データ構成要素名(A)」の「通信履歴」の「構成要素」である「宛先、通信時刻、送受信データ・・・」のうち、通信時刻は「データ構成要素名(A)」において「データ毎」である。一方、「宛先、通信時刻、送受信データ・・・」のうち「宛先」は「データ構成要素名(A)」において「保護」である。よって、「データ構成要素名(A)」の「通信履歴」の「構成要素」である「宛先、通信時刻、送受信データ・・・」は保護対象となる。また、「保護対象判定D」には「維持」がある。「維持」とは、通信機器110の動作終了時(電源OFF時等)に、不揮発性メモリに格納されるべきデータであることを意味する。また、「保護対象判定D」には「破棄」を指定することもできる。「破棄」とは、通信機器110の動作終了時(電源OFF時等)までに、削除されるべきデータであることを示す。
また、図7のデータリスト1022では、特定の種別の構成要素(B)の有する特定の形式(構成要素(B)に含まれるデータ構成要素(A)あるいは他の構成要素(B))に限り、「維持」や「破棄」を指定することも可能である。
「(1)規格」に対応するデータかどうか、あるいは「(2)準規格」に対応するデータかどうかは、そのデータ(構成要素(B))の形式、あるいはデータ(構成要素(B))に含まれる一部の形式により、自動的に、「(1)規格」に対応する構成要素(B)なのか、「(2)準規格」に対応する構成要素(B)なのかの判定が可能である。例えば、メールアドレスは、「アカウント名、@、ドメイン名」という形式を持つ。このため、データ管理部101は、後述の「定義表」を参照することで、「アカウント名、@、ドメイン名」の形式を含むデータを、メールアドレスと判定することが可能である。
また、電話番号は、長さに幅はあるものの、
国内:(0,市外局番,市内局番,加入者番号)
特殊:(警察消防等の1**などの緊急性、公共性、安全性の観点から重要な時や付加サービス用と番号)
などと形式が概ね決まっている。
よって、データ管理部101は、後述の「定義表」を参照することで、これらのデータを電話番号と判定可能である。また、「ユーザ定義」については、当然に、データ管理部101は、後述の「定義表」を参照することにより、「ユーザ定義」に対応するデータ(構成要素(B))を判定することができる。
図8は、保護の対象となる保護対象データが定義された保護対象データ定義情報1040を示す図である。図8に示すように、保護対象データ定義情報1040は、図7に示したデータリスト1022と後述する定義表とから構成される。
(1)規格−定義表1031は、規格により定まるデータ(構成要素(B))を定義する表である。例えば、図7の「データ構成要素名(A)」の「宛先」の「構成要素(B)」である「IPアドレス」は「規格」である。よって、データ管理部101は、規格−定義表1031を参照することにより、データの中から「IPアドレス」を識別することができる。
(2)準規格−定義表1032は、準規格により定まる構成要素(B)を定義する表である。例えば、図7の「データ構成要素名(A)」の「電話番号」の「構成要素(B)」である「国内番号」は「準規格」である。よって、データ管理部101は、準規格−定義表1032を参照することにより、データの中から「国内番号」を識別することができる。
(3)ユーザ定義−定義表1033は、ユーザ定義により定まる構成要素(B)を定義する表である。例えば、図7の「データ構成要素名(A)」の「宛先」の「構成要素(B)」である「宛先タグ付データ」は「ユーザ定義」である。よって、データ管理部101は、ユーザ定義−定義表1033を参照することにより、データの中から「宛先タグ付データ」を識別することができる。
(付加情報リストの生成)
図9は、付加情報リスト1050を示す。データ管理部101は、図8に示した保護対象データ定義情報1040を用いることにより、データ格納部102に現在格納されているデータであって、転送の対象となるべきデータに関する付加情報リスト1050を作成する。データ管理部101は、S103の転送データ有無の判定処理ステップの判定において、作成した付加情報リスト1050を用いる。
データ管理部101は、予め設定されたタイミングにおいて、付加情報リスト1050を作成し、データ格納部102に保存する。
以下に、図9の付加情報リスト1050を説明する。データ格納部102に格納されたデータ(転送の対象になるべきデータ)は、図9に示されるような付加情報リスト1050と共に保存される。
(1)列1401は、データID(E)である。データID(E)は、個々のデータ(複数のファイルなどに分割されたデータ群であっても良い)を特定する。
(2)列1402は、格納場所(F)である。格納場所(F)は、データ名(G)で示されるデータが格納されている場所を示す。
(3)列1403は、データ名(G)である。データ名(G)は、データ名(G)で示されるデータを示す。このデータ名(G)で示されるデータ全体が、通信装置200に転送される対象の転送対象データである。データ名(G)で示されるデータのうち、保護判定(I)が「保護」であるデータが、転送対象データとして転送される。図9では「電話帳」と「行き先設定情報」とが、「転送対象データ」である。
(4)列1404は、「データ構成要素名あるいは構成要素(H)」である。この列1404は、データ名(G)のデータに含まれるデータ構成要素名(A)あるいは構成要素(B)である。
(5)列1405は、保護判定(I)である。保護判定(I)は、データ保護に関する情報を持つ。保護判定(I)は、データ管理部101が、図7の「保護判定対象(D)」の値に基づき決定する。
さらに、列1401〜列1405について説明する
(1)データID(E)は、データを入手(有線、無線経由で外部より取得)、あるいは作成(アプリケーションが自動生成・計算、あるいは加工)する時に、データ管理部101が、通信機器110内で一意に定まるように決定する。
(2)格納場所情報(F)は、データ管理部101が、データ名(G)の示すデータが生成される時にアプリケーション毎に決定する、あるいは、情報の入力経路毎に決定する。
(3)更に「含まれるデータ構成要素名あるいは構成要素(H)」は、図7に示す通信機器110において扱い可能なデータ(データ構成要素名(A)あるいは構成要素(B)の少なくともいずれか)からなるリストである。
(4)また、保護判定(I)は、
(4−1)保護(保護対象とし、通信機器110から通信装置200へと、転送し保護を行う対象データ)、
(4−2)破棄(少なくとも通信機器110の終了時までに削除すべきデータ)、
(4−3)維持(維持すべきデータ)
のいずれかの値とする。この値は、前記のように、データ管理部101が、列1404における「含まれるデータ構成要素名あるいは構成要素(H)」に対応する保護対象判定情報(D)に応じて決定する。
(データ格納)
次にデータ格納について説明する。例えば、行1406の「電話帳」は、携帯電話から無線により通信機器110に転送されたデータであることを示している。その場合、データ管理部101は、「電話帳」の受信時にデータID(E)として0001を「電話帳」に与する。そして、データ管理部101は、ハードディスクの「/HD/Prvディレクトリ」にデータ名「電話帳」を付与し、格納する。
(付加情報リストの作成)
その際、データ管理部101は、携帯電話からの受信データ(前記の電話帳)の内容をみて、図8に示したように、規格−定義表1031〜ユーザ定義−定義表1033と、データリスト1022とを照らし合わせる。そして、データ管理部101は、「電話帳」に関して、図7に含まれるデータ構成要素名(A)あるいは構成要素(B)からなるリストを作成する。このリストが、列1404として示す「含まれるデータ構成要素あるいは構成要素(H)」である。図9の行1406では、データ管理部101が、リストとして、「電話番号、メールアドレス、・・・」を作成した場合を示している。このリストにおいて、データ管理部101は、一つでも保護対象が含まれる場合は、「保護判定(I)」を保護と判定し、列1405の項目に「保護」と格納する。図9の場合、「電話番号、メールアドレス、・・・」のうち、「メールアドレス」は、図7のデータ構成要素名(A)の構成要素(B)に示すように、「保護」である。よって、データ管理部101は、「電話番号、メールアドレス、・・・」の保護判定(I)を「保護」とする。
(保護指示情報付データ)
また、この際、携帯電話から通信機器110へデータを転送する際に用いる送受信アプリケーション(あるいはプロトコル)において、データを保護するか否かに関する保護指示情報を通知するという実装も可能である。これは、例えば、図7において「電話帳データ」というものを扱い可能とし、その「電話帳データ」の構成要素(B)をXML(eXtended Markup Language)などで記述された保護指示情報付のデータという形式とすることで実現できる。例えば通信部103は、保護指示情報が付加された保護指示情報付加データを送信する携帯電話(情報送信装置)から保護指示情報付加データを受信する。データ格納部102は、通信部103が受信した保護指示情報付加データを格納する。データ管理部101は、電源管理部104が電源OFFイベントを検出した場合に、データ格納部102が格納している保護指示情報付加データを通信部103を介して通信装置200に転送する。これは実施の形態2の場合も、この実施の形態1と同様に実施できることは明らかである。
また、列1405の保護判定(I)の項目は、データを入力し、あるいは作成したアプリケーション毎に、データ管理部101が、「保護」、「破棄」、「維持」のいずれかを決定する実装であってもよい。
転送対象データ有無の判定処理ステップS103においては、データ管理部101は、転送対象データの有無を図9の保護判定(I)の値に従って行う。すなわち、データ管理部101は、保護判定(I)に「保護」と示されたものが存在する場合には転送対象データが有ると判定し、保護判定(I)に「保護」が存在しない場合には転送対象データが無いと判定する。データ管理部101は、転送対象データが有ると判定した場合(S103のYES)、データ転送の処理ステップS104へと進み、データ転送処理を行う。
以上が、S103の詳細である。
(S104:データ転送処理の詳細)
次に、データ転送処理ステップS104について、図10を用いて述べる。データ管理部101は、処理を開始すると、ステップS201において、転送対象データを決定する。例えば、データ管理部101は、保護判定(I)が「保護」であるデータIDと同一のデータIDのファイルを、全てデータ格納部102ら抽出する。なお、電話帳を例にとったデータ格納のところで述べたように、データ格納部102のファイルにはデータIDが付与されており、図9の付加情報のデータID(E)と紐付けされている。データ管理部101は、ステップS202にて、データ転送先判定処理のS101において存在することが確認された転送先(この設例では通信装置200)に、通信部103を介して転送対象データ(例えば図9の電話帳、行き先設定情報)を転送し、判定処理ステップS203へと進む。
(通信装置200)
このとき、データを受信する通信装置200は、データ更新部205が、受信部201を介して受信したデータ(例えば電話帳)にID情報を付加して管理する。通信装置200は、付加したID情報を用いて、受信したデータ(電話帳)と同じデータ(電話帳)を自身のデータ記憶部203に保持しているか否かを判定可能である。この場合、電話帳というデータ名(ファイル名)は同一であっても、当然、電話帳というファイルに含まれるデータ(データ構成要素名(A)あるいは構成要素(B))同士が同一とは限らない。そこでデータ更新部205は、
受信したデータ(電話帳)と同じデータ(電話帳)を既に保持していた場合、
(1)受信データで上書きする、
(2)受信データを別なデータとして保存する、
(3)差分をマージした版を最新版として保存する、
のいずれかを行うというデータ更新処理の実装も可能である。
また、データ更新部205は、常に自身のデータ(ファイル)を受信したファイルより優先度を高くする、あるいは逆に、受信したデータ(ファイル)の優先度を高くし、優先度の高いファイルで上書きするという実装も可能である。
判定処理ステップS203において、データ管理部101は、転送対象データのデータ転送を完了したと判定した場合(例えばTCPの様なACKによる送達確認機構のあるプロトコルを用いることで可能である)、処理ステップS204において、転送済みのデータをデータ格納部102から削除し処理を終了する。S204の際、データ管理部101は、図9の保護判定(I)が「廃棄」と指定されたデータを削除してもよい。また、このS204のデータ削除処理は、個々のデータ毎に行ってもよいし、すべての転送が終った時点で転送が完了したものについて行ってもよい。また、判定処理ステップS203において、転送が完了しなかったものについては、通常、削除せずに処理を終了するけれども、保護よりも削除を優先し、転送が終っていなくとも削除するあるいは、データごとに、このオプションを適用してもよい。
実施の形態1の通信機器110は、イベント検出部とデータ管理部とを備えたので、所定のイベントの検出時に、保護したいデータを自動的に通信装置200に退避することができる。
実施の形態1の通信機器110は、イベント検出部とデータ管理部とを備えたので、所定のイベントの検出時に、保護したいデータを自動車に置き去ることなく、自動的に退避することができる。
実施の形態1の通信機器110は、電源管理部とデータ管理部とを備えたので、電源OFF時に、保護したいデータを通信装置200へ自動的に退避することができる。
実施の形態1の通信機器110は、保護対象データ定義情報を格納するので、保護したいデータを自動的に抽出することができる。
実施の形態1の通信機器110は、データ管理部101が転送したデータを削除するので、転送したデータと同一データが盗まれることを防止することができる。
実施の形態1の携帯端末装置は、通信機器110から転送データを受信するので、容易に保護したいデータを退避することができる。
実施の形態1の携帯端末装置は、通信機器110から受信した転送データに基づき、自己の保有するデータを更新するので、保有するデータの使い勝手を高めることができる。
実施の形態2.
図11、図12を用いて実施の形態2を説明する。実施の形態1の通信機器110は、電源OFFイベント検出を契機としてデータを転送した。これに対して、実施の形態2の通信機器120は、自己の装備される自動車50(移動体の一例)の停止状態の検出を契機として、データを転送する。本実施の形態2におけるデータ転送装置によって、自動車50の停止により、人の操作を必要とすることなく、自動的に、盗まれたくないデータを他の装置に転送することができる。なお、以降では、通信機器(データ転送装置)が速度計測部を備えるときは、その通信機器は、移動体(一例として自動車)に装備されるものとし、速度計測部は、通信機器が装備される移動体の速さがゼロかどうかを検出する。
図11は、実施の形態2におけるデータ転送システム1002のシステム構成図である。図11は実施の形態1を示す図4の電源管理部104を速度測定部105に置き換えた構成である。図11に示すように、データ転送システム1002は、通信機器120と通信装置200とを備える。図11において、図4と同等または相当する構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
図11において、速度測定部105(イベント検出部の一例)は、自己である通信機器120(データ転送装置の一例)が装備された自動車50(移動体)の速さがゼロかどうかを検出する。即ち、速度測定部105は、自動車の停止状態を検出する。
実施の形態1の場合、データ管理部101は電源OFFの検出を契機としてデータを転送したのに対して、実施の形態2では、データ管理部101は速度測定部105が自己の装備される自動車50の停止状態の検出を契機としてデータを転送する点が異なる。他の動作は実施の形態1と同様である。
図12は、実施の形態2のデータ転送システムが使用される具体的な場合を示す図である。通信機器120(データ転送装置)は、カーナビゲーション装置400として実現される。また、通信装置200(データ記憶装置)は携帯端末装置500として実現される。速度測定部105は、自動車50の車輪の回転を示す車輪回転情報を入力し、入力した車輪回転情報の値に基づき自動車50の停止状態を検出することができる。あるいは、カーナビゲーション装置400はGPS(Global Positioning System)測位部(図示していない)を備えている。そして、速度測定部105は、GPS測位部から位置情報を入力し、入力した位置情報の時間変化から自動車50の停止状態を検出できる。
次に、図13を参照して実施の形態2におけるデータ退避処理の動作について説明する。図13は、データ退避処理を示すフローチャートである。図13は図6のフローチャートのS202に対して、S302のみが異なる。実施の形態1のS101では電源管理部104(イベント検出部の一例)が電源OFFイベントを検出したが、実施の形態2のS301では、イベントとして、速度測定部105(イベント検出部の一例)が、自動車50の停止状態を検出する。図13は図6と同様であるので間単に説明する。
(1)データ管理部101は、判定処理ステップS301において、速度測定部105を用い速度の状態から自動車50が停止状態にあるかどうか(速さがゼロかどうか)を判定する。データ管理部101は、判定処理ステップS301において速さが0ではないと判定した場合(判定処理ステップS301にてNo)、図示しない待ち処理を行いながら、定期的に速度測定部105の検出結果から速さ0(自動車50の移動停止状態)かどうかの確認を行う。
(2)データ管理部101は、判定処理ステップS301により速さゼロ状態(自動車50の移動停止状態)が検出されたと判定した場合(処理ステップS301においてYes)、判定処理ステップS302にてデータ転送先の有無の判定処理を行う。
以下のS302〜S304の処理は、図6のS102〜S104の処理と同様であるので、説明を省略する。
また、S304のデータ転送処理は、S204(図10)と同様であるので、説明は省略する。
実施の形態2の通信機器120は、速度測定部とデータ管理部とを備えたので、通信機器120が装備された自動車50が停止した場合に、保護したいデータを通信装置200へ自動的に退避することができる。
実施の形態3.
図14、図15を用いて実施の形態3を説明する。図14は、実施の形態3のデータ転送システム1003の構成図である。実施の形態3の通信機器130の特徴は次の(1)、(2)である。
(1)実施の形態3の通信機器130(データ転送装置の一例)は、実施の形態1で述べた電源管理部104と、実施の形態2で述べた速度測定部105との両者を備える。実施の形態3の通信機器130は、後述の図15で示すように、速度測定部105により自動車50の停止状態を検出した場合にはデータ転送処理を実行し、速度測定部105により自動車50が移動中であることを検出した場合には電源管理部104により電源OFFイベントを検出した場合にデータ転送処理を実行する。
(2)また、実施の形態3の通信機器130では、データ管理部101が、予め指定されたデータ記憶装置を優先順位を付けて複数認識しており、複数認識しているデータ記憶装置のうち優先順位が高くかつ通信可能なデータ記憶装置にデータを転送する。図14では、データ管理部101は、予め指定されたデータ記憶装置として、通信装置200と通信装置210とを記憶している。また、データ管理部101は、通信装置200を通信装置210よりも高い優先順位として記憶している。
図14に示すように、データ転送システム1003は、通信機器130と、通信機器130に予め通信先として登録され、通信機器130からデータを受信する通信装置200、通信装置210とを備える。
(1)データ管理部101は、データ格納部102に格納されたデータから保護対象するべきデータを抽出する。
(2)データ管理部101は、電源管理部104と速度測定部105とを用いて電源および自動車50の速さの状態に応じてデータ退避を行うか否かを判定し、および退避済データの削除を行うか否かを判定する。
(3)データ管理部101は、第一の退避先として指定された通信装置200へのデータ退避が可能か否かを判定し、可能な場合は通信装置200へデータを退避し、通信装置200へのデータ退避が不可能な場合は第二の退避先として指定された通信装置210へデータの退避を行う。
(4)データ管理部101は、退避の完了を確認した退避済データの削除を行う。
次に、図15を参照してデータ退避の動作を説明する。図15は、実施の形態3における保護対象データ退避の一連の処理を示す。なお、転送対象データの有無を判定するS405、及びデータ転送処理のS406は、図6のS103、S104と同様の処理である。
(1)データ管理部101は、S401において、速度測定部105を用いて自動車の速さから自動車が停止状態にあるかどうかを判定する。
(2)データ管理部101は、停止状態ではないと判定した場合(S401のNO)、S402において、電源管理部104を用いて電源OFF要求イベントの有無を判定する。
(3)データ管理部101は、電源OFF要求がないと判定した場合(S402のNO)、図示しない待ち処理を行いながら、定期的に、速度測定部105が速さゼロを検出しているかどうかを確認する。
(4)一方、データ管理部101は、速さがゼロ(停止状態)と判定した場合(S401のYES)、あるいは、電源OFF要求イベントが検出されたとの判定した場合(S402のYES)、S403において、データ転送先の有無を判定する。
(5)データ管理部101は、S403において、予め第一のデータ転送先として指定された通信装置200との通信が可能か否かを判定する。
(6)データ管理部101は、通信装置200との通信が可能と判定した場合(S403のYES)、通信部103からデータを転送する転送先として通信装置200を設定し、S405へ進む。
(7)一方、データ管理部101は、通信装置200との通信が可能でなと判定した場合(S403のNO)にはS404へ進み、代替転送先の有無の判定を行う。
(8)S403の判定は、実施の形態1の場合と同様に、通信部103を用いて行うことで実現可能である。また、このデータ転送先の有無の判定処理は、予め(あるいは定期的に)Pingその他、機器の状態情報を交換するなどのコマンドを通信機器130と通信装置200との間でやり取りを行い、図示しないメモリなどに状態情報を格納し、定期的に更新して利用することも可能である。
(9)S404において、データ管理部101は、第二のデータ転送先として指定された通信装置210との通信が可能か否かを判定する。
(10)データ管理部101は、通信装置210との通信が可能であると判定した場合(S404のYES)、通信部103の転送先として通信装置210を設定し、S405へ進む。
(11)一方、データ管理部101は、代替のデータ転送先が存在しないと判定した場合(S404のNO)、処理を終了する。S404の判定は、S403と同様に、通信部103を用いて実現可能である。また、この判定処理S404は、S403と同様に、予め(あるいは定期的に)Pingその他、機器の状態情報を交換するなどのコマンドを通信機器130と通信装置との間でやり取りを行い、図示しないメモリなどに状態情報を格納し、定期的に更新して利用することも可能である。
(12)S405において、データ管理部101は、転送対象データがあるか否かの判定を行う。なお、前記のように、実施の形態3の転送対象データの有無を判定するS405、及びデータ転送処理のS406は、図6のS103、S104と同様の処理であるので、説明は省略する。
実施の形態3の通信機器130は、優先順位をつけたデータの転送先を複数認識しているので、保護したいデータをより確実に退避することができる。
実施の形態4.
図16、図17を用いて実施の形態4を説明する。図16は、実施の形態4のデータ転送システム1004の構成図である。実施の形態4の特徴は、次の様である。実施の形態4の通信機器140(データ転送装置の一例)は、実施の形態3の通信機器130に対して、さらに、通知部106(通知データ生成部)と、外部出力部107とを備えた。通知部106は、転送データの転送先の装置と通信できない場合(転送先の装置が存在しない場合も含む)に、データ管理部101の制御により、外部出力部107へ出力する通知データを作成し、作成した通知データを外部出力部107に出力する。「通知データ」とは、後述の外部装置(ディスプレイやスピーカなど)に通知させるための制御情報である。外部出力部107は、通知部106から通知データを入力すると、入力した通知データに従って、グラフィックや音声などを外部装置(ディスプレイ、スピーカ、あるいは振動装置など)に出力する。
(データ管理部101の機能)
(1)データ管理部101は、データ格納部102に格納されたデータから保護対象とするべきデータを抽出する。
(2)データ管理部101は、電源管理部104と速度測定部105とを用いて電源の状態および自動車の速さの状態に応じてデータ退避を行うか否かおよび退避済データの削除を行うか否かの判定を行う。
(3)データ管理部101は、退避先として指定された通信装置200へのデータ退避が可能か否かを判定し、可能な場合は退避すべきデータを通信部103を介して、通信装置200へデータの退避を行う。
(実施の形態4におけるデータ管理部101の特徴点)
(4)また、データ管理部101は、通信装置200へのデータ退避が不可能な場合は、通知部106を用いてデータ退避が不可能な旨を通知するデータ(画像、テキスト、音声)を選択して通知データを生成し、生成した通知データを外部出力部4001に出力する。
(5)データ管理部101は、退避の完了を確認した退避済データをデータ格納部102から削除する。
次に、図17を用いてデータ退避処理の動作を説明する。図17は図15と類似である。図17は、図15に対して破線で囲んだS504、S505が追加されたフローチャートである。
(1)データ管理部101は、S501において、速度測定部105を用い速さ状態(自動車50の停止状態)を判定する。
(2)データ管理部101は、速さがゼロではないと判定した場合(S501のNO)、S502において、電源管理部104を用いて電源OFF要求イベントの有無を判定する。
(3)データ管理部101は、電源OFF要求がないと判定した場合(S502のNO)、図示しない待ち処理を行いながら、定期的に速度測定部105における速さ(自動車50の停止状態の)の有無の確認する。
(4)一方、データ管理部101は、速さがゼロ(自動車50が停止状態)であると判定した場合(S501のYES)、あるいは、電源OFF要求イベントが検出されたと判定した場合(S502のYES)、S503においてデータ転送先の有無を判定する。
(5)データ管理部101は、S503において、始めに、予めデータ転送先として指定された通信装置200との通信が可能か否かを判定する。
(6)データ管理部101は、通信装置200と通信が可能と判定した場合(S503のYES)、通信部103の転送先として通信装置200を設定し、S506へ進む。
(7)一方、データ管理部101は、通信装置200と通信できない判定した場合(S503のNO)、S504へ進み、警告を発生させるか否かを判定する。S504の判定条件は後述する。なお、S503の判定は、実施の形態1等と同様に、通信部103を用いて行うことで実現可能である。
(8)S504において、データ管理部101は、データ転送先である通信装置200との通信が不能である旨を外部出力部107を用いて外部装置(スピーカ、ディスプレイなど)に通知するか否かを判定する。図16では外部装置の例として表示装置を示した。S504の判定は、次のように行う。すなわち、データ管理部101は、通知部106が警告用データ(通知データ)を保有しているかどうか、及び保有するデータを外部出力部107を介して出力可能な装置(スピーカ、ディスプレイなど)があるかどうか(あるいは使用可能か否か)によって決定する。データ管理部101は、通知部106が警告用データ(通知データ)を保有し、かつ、保有するデータ(通知データ)を外部出力部107を介して出力可能な装置があることを確認した場合、警告すると判定する。
(9)データ管理部101は、警告を発生させると判定した場合(S504のYES)、S505の通知処理へ進む。データ管理部101は、通知部106によって選択された通知データを、外部出力部107を介して指定された出力装置に出力し、処理を終了する。通知部106は、予め警告用のデータの優先度を持つ。通知部106が有する各データは、出力可能な外部装置の種別を指定して管理されている。データ管理部101は、優先度の高いものから、どのデータを用いるかを決定することができる。
(10)以降のS506、S507の処理は実施の形態1等と同様である。
実施の形態4の通信機器140は、通知部と外部出力部とを備えたので、データを転送するべき装置にデータを転送ができない場合、ユーザは、容易に知ることができる。
実施の形態5.
図18、図19を用いて実施の形態5を説明する。実施の形態5は、入手したデータの入手経路に基づき、データを転送するかどうかを決定する場合等を示す。
図18は、実施の形態5のデータ転送システム1005の構成図である。データ転送システム1005は、通信機器150と、通信装置200と、所定の情報を提供する情報入力装置300とを備える。情報入力装置300は、通信機器150で扱うデータを通信機器150に送信する。
(1)通信機器150のデータ管理部101は、情報入力装置300が送信したデータをデータ格納部102に格納する。
(2)データ管理部101は、データをデータ格納部102に格納する場合に、入手経路を管理する。すなわち、データ管理部101は、情報入力装置300からデータを取得した場合、情報入力装置300から入手したことを示す入手経路情報をデータに付加して記憶する。
(3)また、データ格納部102が格納する保護対象データ定義情報は、入手経路とデータが保護の対象となるかどうかとの対応関係を示す入手経路―定義表5031(対応関係情報)を含む。
(4)データ管理部101は、通信装置200にデータを転送する場合に、保護対象データ定義情報に含まれる入手経路―定義表5031に基づいてデータ格納部102に格納されてデータの中から転送するべきデータを抽出する。すなわち、データ管理部101は、入手経路―定義表5031に基づいて後述の付加情報リスト5050を作成する。
実施の形態5の通信機器150(データ転送装置の一例)は、実施の形態1の通信機器110に対して、図19に示す保護対象データ定義情報5040を有する。保護対象データ定義情報5040は、図8の保護対象データ定義情報1040に対して、データの入手経路と、そのデータが保護対象となるかどうかとの対応関係を示す入手経路―定義表5031と、保護対象とするべきファイルを指定する保護ファイル―定義表5032(保護対象ファイル情報)とを含む。
図20は、データ管理部101により作成される付加情報リスト5050である。付加情報リスト5050を説明する。なお、通信機器150のデータ退避の動作は、実施の形態3の通信機器130と同様であるので、図15のフローチャートを参照して説明する。
データ管理部101は、実施の形態1の図9の付加情報リスト1050に代え、付加情報リスト5050を作成する。付加情報リスト5050は、図9の付加情報リスト1050に対して、列1505の「入手経路(J)」が追加されている。データ管理部101は、S405の判定処理において、既に作成している付加情報リスト5050を用いて、転送対象データの有無を判定する。
「入手経路(J)」は、図18の通信部103が情報入力装置300から入手したデータに関する種別が設定される。
種別は、例えば、
(a)携帯電話経由、
(b)VICS(Vehicle Information and Communication System)経由、
(c)GPS受信機経由、
(d)設定アプリケーションによるユーザ入力あるいはアプリケーション内部で生成されたデータ、
(e)出荷時のプリインストール
などである。
(1)例えば行1507に記載された「電話帳」は、携帯電話を経由し取得したデータであることを示す。実施の形態1では、データ管理部101が「含まれるデータ構成要素名あるいは構成要素(H)」により「保護」、「破棄」、「維持」を決定した。実施の形態5ではデータ管理部101は、「入手経路(J)」に応じて「保護」、「破棄」、「維持」を決定する実装でもよい。図19に示す保護対象データ定義情報5040は、入手経路―定義表5031を持つ。例えば、入手経路―定義表5031は、「「電話帳」の入手経路が携帯電話の場合には「電話帳」が保護対象となる」という定義を有する。データ管理部101はこの定義に基づき、携帯電話から取得した「電話帳」を保護判定(I)において「保護」と判定することが可能である。
(2)また、保護判定(I)の項目は、データを入力または作成したアプリケーションにより作成されたファイル毎に、「保護」、「破棄」、「維持」を決定する実装でもよい。データ格納部102が格納する保護対象データ定義情報5040は、保護するべきファイルを指定する保護ファイル−定義表5032(保護対象ファイル情報)を含む。 データ管理部101は、保護ファイル−定義表5032に基づいて、データ格納部102が格納しているデータの中から保護ファイル−定義表5032が指定するファイルを抽出し、抽出したファイルを通信装置200に転送する。
(3)また、データ管理部101は、実施の形態1で述べたように、「含まれるデータ構成要素名または構成要素(H)」に基づき保護判定(I)の値(保護、破棄、維持など)を決めてもよい。
(4)また、実施の形態1で述べたように、通信機器150は、保護対象であることを示す保護指示情報が付加された「電話帳」(保護指示情報付加データの一例)を情報入力装置300(情報送信装置)から受信する。データ管理部101は、「電話帳」をデータ格納部102に格納する。そして、データ管理部101は、データを転送する場合、データ格納部102に格納されている「電話帳」を通信部103を介して通信装置200に転送する実装でもよい。
(5)上記の(1)〜(4)は、図19の保護対象データ定義情報5040に定義することで、自由に組み合わることができる。データ管理部101は、上記の(1)〜(4)の組み合わせにより定義された保護対象データ定義情報5040に基づき付加情報リスト5050を作成し、転送するべきデータを判定する。
実施の形態5の通信機器150は、保護対象データ定義情報に入手経路−定義表(対応関係情報)を含むので、保護したいデータを柔軟に設定し、自動的に抽出できる。
実施の形態5の通信機器150は、保護対象データ定義情報に保護ファイル−定義表(保護対象ファイル情報)を含むので、保護したいデータを柔軟に設定し、自動的に抽出できる。
実施の形態5のデータ管理部101は、イベント検出部が所定のイベントを検出した場合に、データ格納部102が格納している保護指示情報付加データを通信部103を介して通信装置200に転送するので、保護したいデータを柔軟に設定し、自動的に抽出できる。
実施の形態6.
図21を用いて実施の形態6を説明する。実施の形態6は、データ転送装置からデータ記憶装置にデータを転送する前に、データ転送装置がデータ転送を予告する問合せをデータ記憶装置に送信する実施形態である。実施の形態1で述べた電源OFFイベントを検出した場合を例に説明する。
図21のカーナビゲーション装置400(データ転送装置)は実施の形態1で説明した通信機器110に相当し、携帯端末装置500(データ記憶装置)は通信装置200に相当する。カーナビゲーション装置400は図4を参照して説明し、携帯端末装置500は図5を参照して説明する。
(1)カーナビゲーション装置400のデータ管理部101は、電源管理部104が電源OFFイベントを検出した場合には、データを転送することを予告する問合せ(予告情報)を通信部103を介して携帯端末装置500に送信する(S1)。
(2)携帯端末装置500の受信部201は、カーナビゲーション装置400から問合わせを受信する。
携帯端末装置500は、問合せを受信すると、その旨を表示部に表示する。この表示により、携帯端末装置500のユーザは、問合せに対する所定の操作が可能となる。
(3)データ要求部204は、受信部201がカーナビゲーション装置400から問合せを受信した場合にはユーザの所定の操作を受け付けることにより問合せに対する返信情報を生成し、生成した返信情報を送信部202を介してカーナビゲーション装置400に送信する(S2)。
(4)カーナビゲーション装置400のデータ管理部101は、通信部103を介して返信情報を受信した場合には、データ格納部102が格納しているデータを携帯端末装置500に転送する(S3)。
上記では、実施の形態1を例に説明したが、自動車の停止状態を検出する実施の形態2についても同様に適用することができる。あるいは、実施の形態3〜実施の形態5についても適用できることは明らかである。
実施の形態6のカーナビゲーション装置400は、問合せを送信し返信があった場合のみデータを転送する。よって、携帯端末装置500側は、データ転送の必要が無い場合には、データを受信しないことが可能となる。
実施の形態6の携帯端末装置は、カーナビゲーション装置400から転送されるデータを受信するかどうかを決定することができる。このため、ユーザは、必要のない場合は、データの受信を拒否することができる。
実施の形態7.
図22〜図25を用いて実施の形態7を説明する。実施の形態7は、データ転送方法及びデータ転送プログラムに関する。実施の形態1あるいは実施の形態2で説明した通信機器(データ転送装置)のデータ管理部101等の各構成要素の動作は互いに関連している。この一連の動作を、データ転送装置が行うデータ転送方法として把握することができる。
図22、図23は、実施の形態1(電源OFFイベント)、実施の形態2(停止状態イベント)に対応するデータ転送方法を示すフローチャートである。
図22において、
(1)S601において、電源管理部(イベント検出部)が、自装置の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出する。
(2)S602において、データ管理部101が、電源管理部が電源OFFイベントを検出した場合に、データ格納部が格納しているデータを通信部を介して通信装置(データ記憶装置)に転送する。
図23において、
(1)S701において、速度測定部(イベント検出部)が、自装置が装備された自動車(移動体)の停止状態を検出する。
(2)S702において、データ管理部101が、速度測定部が停止状態を検出した場合に、データ格納部102が格納しているデータを通信部を介して通信装置(データ記憶装置)に転送する。
また、データ転送方法は、コンピュータであるデータ転送装置に実行させるデータ転送プログラムとして把握することができる。 図24、図25は、実施の形態1(電源OFFイベント)、実施の形態2(停止状態イベント)に対応するデータ転送プログラムを示すフローチャートである。
図22において、
(1)S801は、自装置の動作に用いる動作用電源の遮断処理を示す電源OFFイベントを検出する処理である。
(2)S802は、電源OFFイベントを検出した場合に、データ格納部が格納しているデータを通信部を介して通信装置(データ記憶装置)に転送する処理である。
図23において、
(1)S901は、自装置が装備された自動車(移動体)の停止状態を検出する処理である。
(2)S902は、停止状態を検出した場合に、データ格納部102が格納しているデータを通信部を介して通信装置(データ記憶装置)に転送する処理である。
実施の形態7のデータ転送方法により、保護したいデータを自動的に転送することができる。
実施の形態7のデータ転送プログラムにより、保護したいデータを自動的に転送することができる。
実施の形態1におけるデータ転送システムの使用例を示す図。 実施の形態1におけるデータ転送システムの別の使用例を示す図。 実施の形態1における通信機器のハードウェア構成。 実施の形態1におけるデータ転送システムの構成図。 実施の形態1におけるデータ記憶装置のブロック図。 実施の形態1におけるデータ管理部によるデータ退避処理を示す図。 実施の形態1におけるデータリストを示す図。 実施の形態1における保護対象データ定義情報を示す図。 実施の形態1における付加情報リストを示す図。 実施の形態1におデータ管理部によるデータ転送処理を示す図。 実施の形態2におけるデータ転送システムの構成図。 実施の形態2におけるデータ転送システムの使用例を示す図。 実施の形態2におけるデータ管理部によるデータ退避処理を示す図。 実施の形態3におけるデータ転送システムの構成図。 実施の形態3におけるデータ管理部によるデータ退避処理を示す図。 実施の形態4におけるデータ転送システムの構成図。 実施の形態4におけるデータ管理部によるデータ退避処理を示す図。 実施の形態5におけるデータ転送システムの構成図。 実施の形態5における保護対象データ定義情報を示す図。 実施の形態5における付加情報リストを示す図。 実施の形態6におけるデータ転送システムの使用例を示す図。 実施の形態7におけるデータ転送方法を示すフローチャート。 実施の形態7におけるデータ転送方法を示すフローチャート。 実施の形態7におけるデータ転送プログラムを示すフローチャート。 実施の形態7におけるデータ転送プログラムを示すフローチャート。
符号の説明
A データ構成要素名、B 構成要素、C 規格、D 保護対象判定、E データID、F 格納場所、G データ名、H 含まれるデータ構成要素名あるいは構成要素、I 保護判定、J 入手経路、 50 自動車、70 GPS衛星、101 データ管理部、102 データ格納部、103 通信部、104 電源管理部、105 速度測定部、106 通知部、107 外部出力部、110,120,130,140,150 通信機器、200 通信装置、201 受信部、202 送信部、203 データ記憶部、204 データ要求部、205 データ更新部、210 通信装置、300 情報入力装置、400 カーナビゲーション装置、500 携帯端末装置、501 受信部、502 送信部、503 データ記憶部、504 データ要求部、600 パーソナルコンピュータ、810 CPU、811 ROM、812 RAM、813 表示装置、814 操作キー、816 通信ボード、820 磁気ディスク装置、821 OS、822 ウィンドウシステム、823 プログラム群、824 ファイル群、826 データ格納領域、1001〜1005 データ転送システム、1020 データ、1022 データリスト、1031 規格−定義表、1032 準規格−定義表、1033 ユーザ定義−定義表、1040 保護対象データ定義情報、1050 付加情報リスト、5022 データリスト、5031 入手経路−定義表、5032 保護ファイル−定義表、5040 保護対象データ定義情報、5050 付加情報リスト。

Claims (5)

  1. 予め指定されたデータ記憶装置と通信する通信部と、
    データを格納するデータ格納部と、
    所定のイベントを検出するイベント検出部と、
    前記イベント検出部が前記所定のイベントを検出した場合に、前記データ格納部が格納しているデータを前記通信部を介して前記データ記憶装置に転送するデータ管理部と
    を備え、
    前記データ転送装置は、
    移動体に装備され、
    前記イベント検出部は、
    前記所定のイベントとして、自己である前記データ転送装置が装備された前記移動体の停止状態を検出し、
    前記データ格納部は、
    保護の対象となる保護対象データが定義された保護対象データ定義情報を予め格納し、
    前記データ管理部は、
    前記データ格納部が格納している前記保護対象データ定義情報に基づいて前記データ格納部が格納しているデータの中から転送するデータを抽出し、抽出したデータを前記データ記憶装置に転送すると共に、
    前記データ格納部が格納する前記データは、
    入手経路が管理されており、
    前記データ格納部が格納する前記保護対象データ定義情報は、
    前記データの前記入手経路と前記データが保護の対象となるかどうかとの対応関係を示す対応関係情報を含み、
    前記データ管理部は、
    前記データ格納部が格納している前記対応関係情報に基づいて前記データ格納部が格納しているデータの中から前記入手経路との関係で保護対象となる転送するべきデータを抽出し、抽出したデータを前記データ記憶装置に転送することを特徴とするデータ転送装置。
  2. 前記データ管理部は、
    予め指定された前記データ記憶装置を優先順位を付けて複数認識しており、複数認識している前記データ記憶装置のうち優先順位が高く、かつ、通信可能であることの確認済の前記データ記憶装置にデータを転送することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
  3. 前記データ格納部が格納する保護対象データ定義情報は、
    保護するべきファイルを指定する保護対象ファイル情報を含み、
    前記データ管理部は、
    前記保護対象データ定義情報に含まれる前記保護対象データ定義情報に基づいて前記データ格納部が格納しているデータの中から前記保護対象データ定義情報が指定するファイルを抽出し、抽出したファイルを前記データ記憶装置に転送することを特徴とする請求項記載のデータ転送装置。
  4. 前記データ管理部は、
    前記データ格納部が格納しているデータを前記データ記憶装置に転送した場合には、前記データ格納部に存在するデータのうち転送したデータと同一のデータを消去することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
  5. 前記データ記憶装置は、
    所定の問合せ情報に対する返信が可能であり、
    前記データ管理部は、
    前記イベント検出部が前記停止状態を検出した場合に前記所定の問合わせ情報として前記データ記憶装置にデータを転送することを予告する予告情報を前記通信部を介して送信し、前記データ記憶装置から前記予告情報に対する返信を受信した場合に前記データ格納部が格納しているデータを前記データ記憶装置に転送することを特徴とする請求項1記載のデータ転送装置。
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