JP4896835B2 - 軟弱地盤の表層処理材 - Google Patents

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Description

本発明は、軟弱地盤の表層処理に関し、特に、現場で組み立てたり解体したりすることができ、運搬が容易であるとともに、自由なレイアウトで設置することができる軟弱地盤の表層処理に関するものである。
斜面の安定化工法や軟弱地盤の補強工法として、特許文献1や特許文献2に記載の技術が知られている。
これらの技術は、長い筒状織物を格子状に組み、この筒状織物の中にモルタル等の自硬性流体を注入して硬化させ、格子状の補強枠を形成して地盤を補強する工法である。
しかしながら、これらの工法には以下のような欠点があった。
すなわち、特許文献1では、筒状織物同士の交差部が積み重なるようになるため、モルタル注入後には、上側の筒状織物の下に大きな隙間があいて、地盤を押さえきれない場合や上載荷重を地盤に伝えられない場合があった。
さらに、交差部分が一体化されていないので、大きな荷重がかかると交点がずれてしまう場合がある。そのため、交差部の筒状織物同士をあらかじめ接着したり、モルタル硬化後に番線等で縛り付けたりすることが考えられるが、交点の接触面積は点に近いので、接続強度は小さく、また手間がかかりコスト高となる。
また、特許文献2では、筒状織物同士の交差部を積層ではなく、筒状織物同士を縫合して格子枠を形成させる方法が提案されている。
この方法では、特許文献1のように、筒状織物の下に大きな隙間ができたり、交差部で筒状織物同士がずれたりすることはない。
しかしながら、この構成では、貫通側の筒状織物にかかった圧力も交差部の接合部に作用するため、筒状織物の耐圧力に問題があった。
また、あらかじめ格子枠のピッチや寸法が固定されることから、例えば、木や柱、標識などの障害物がある場合、特に、枝が数mにもなるような木や既設の電柱などがある地盤を補強しなければならない場合には、これらの障害物を避けて格子枠を敷設させなければならず、格子枠の敷設が困難であった。
なお、そういった場合に木や電柱を撤去することも考えられるが、自然保護の問題があったり、電気を一時的に遮断したりする必要があり、現実的には困難である。
さらに、例えば、台風等の災害の復旧工事等で、早急に軟弱地盤上に仮設道路を構築する必要がある場合、地盤の事前調査ができていないのでピッチが固定されていると、対応できない場合があった。
特開2006−348481号公報 特開2005−163309号公報
本発明は、上記従来の軟弱地盤の表層処理が有する問題点に鑑み、現場で組み立てたり解体したりすることができ、運搬が容易であるとともに、筒状部材のピッチを自由に設定することができ、また、自由なレイアウトで設置することができる軟弱地盤の表層処理を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の軟弱地盤の表層処理は、内部に自硬性流体を注入して硬化させて使用する筒状部材と、該筒状部材の上面又は下面に配設された面状補強材とからなる軟弱地盤の表層処理材において、前記筒状部材を、筒状織物に少なくとも1対の相対向する開口部を形成し、該開口部に筒状織物で構成した筒体を貫通させて開口縁部と筒体とを接合するに当たり、該筒体の接合部間の長さを、内部に自硬性流体を注入したときの筒状部材の相対向する開口部間の距離よりも長く設定して接合するとともに、該筒体の内部に貫通部材を挿入して格子状に形成したことを特徴とする。
この場合において、筒状部材を構成する筒状織物の少なくとも開口部付近を筒体より大径に設けることができる。
また、貫通部材が筒状織物からなり、該貫通部材の筒体への挿入部を小径に設けることができる。
また、貫通部材が筒状織物からなり、該貫通部材の筒体への挿入部を大径に設けることができる。
また、貫通部材を気密性もしくは液密性を有する層を備えた筒状織物で構成することができる。
また、筒状部材を構成する筒状織物の端部を挟持部材により挟持して閉鎖するようにすることができる。
また、筒状織物に複数対の相対向する開口部を形成した筒状部材を用い、該開口部のうちの少なくとも1対の相対向する開口部を筒状織物に長さ方向にスライドファスナーを取り付けて開閉自在としたカバーホースによって外側から巻くことによって、該開口部を閉塞するようにすることができる。
本発明の軟弱地盤の表層処理によれば、内部に自硬性流体を注入して硬化させて使用する筒状部材と、該筒状部材の上面又は下面に配設された面状補強材とからなる軟弱地盤の表層処理材において、前記筒状部材を、筒状織物に少なくとも1対の相対向する開口部を形成し、該開口部に筒状織物で構成した筒体を貫通させて開口縁部と筒体とを接合するに当たり、該筒体の接合部間の長さを、内部に自硬性流体を注入したときの筒状部材の相対向する開口部間の距離よりも長く設定して接合するとともに、該筒体の内部に貫通部材を挿入して格子状に形成することにより、現場で組み立てたり解体したりすることができ、運搬が容易であるとともに、筒状部材のピッチを自由に設定することができるため、例えば、台風等の災害の復旧工事等で、早急に軟弱地盤上に仮設道路を構築する必要がある場合で、地盤の事前調査ができていないときでも、現場に合わせて筒状部材のピッチを自由に設定できるので早急に対策ができ、また、自由なレイアウトで設置できるため、台形型などの不定形の敷地にも現場で適宜組み立てて敷設することができ、障害物、例えば、大きな木や電柱がある場合でも容易に敷設することができる。
さらに、貫通部材が筒状織物から独立しているので、貫通部材にかかった圧力を筒状織物の接合部が負担することがなく、これにより筒状織物にモルタル等の自硬性流体を充填するときの耐圧力が向上する。
また、交差部で積み重ねないため筒状織物の下に隙間があくことがなく、地盤をしっかりと押さえることができ、また、複雑な縫合がないため製造が容易で、しかも長さ方向に継ぎ目がないので強度が安定する。
そして、特に、開口部に筒状織物で構成した筒体を貫通させて開口縁部と筒体とを接合するに当たり、該筒体の接合部間の長さを、内部に自硬性流体を注入したときの筒状部材の相対向する開口部間の距離よりも長く設定して接合することにより、表層処理材を柔軟にしてその運搬を容易にするとともに、縫製等により容易に接合することができ、さらに、筒状織物本体にモルタル等の自硬性流体を注入することにより、筒体は縮径して貫通部材を締め込むため、交差部を強固に接続することができ、また、筒状織物にモルタル等の自硬性流体を注入しても接合部に作用する力が減少し、耐圧力が向上し、また、モルタル等の自硬性流体の注入により筒体を縮径させ、貫通部材が細い場合でも確実に固定したり、貫通部材を挿入しない場合にはこの縮径により筒状織物の開口部を閉塞することができる。
また、筒状部材を構成する筒状織物の少なくとも開口部付近を筒体より大径に設けることにより、貫通部材を挿入した後に筒状織物にモルタル等の自硬性流体を注入しても、モルタル等の自硬性流体は貫通部材を乗り越えて筒状織物の長さ方向に充填され、また、開口部付近のみを大径にすることにより自硬性流体の量を節減することができる。
また、貫通部材が筒状織物からなり、該貫通部材の筒体への挿入部を小径に設けることにより、貫通部材をくさび効果で抜けないようにするとともに、モルタル等の自硬性流体が貫通部材の上下を通過しやすくなるため、筒状織物本体の交差部を太く形成せずにすみ、これにより、自硬性流体の総量を節約することができる。
この場合、現場合わせで筒状部材のピッチやレイアウトを調整する場合には、貫通部材の適当な箇所に帯や上記カバーホース等を巻いて小径にすることができる。
また、貫通部材が筒状織物からなり、該貫通部材の筒体への挿入部を大径に設けることにより、貫通部材にモルタル等の自硬性流体を注入すると、筒状織物本体に対して自動的に位置決めされ、また、くさび効果で抜けを防止することができる。
また、貫通部材を気密性もしくは液密性を有する層を備えた筒状織物で構成することにより、貫通部材内に空気や水等の流体を注入して圧力をかければ、非硬化の流体でも貫通部材は剛直になるので、表層処理はその機能を果たす。
そして、流体を抜けば、貫通部材は容易に筒状織物本体から抜き取ることができるため、撤去が簡単であるとともに再利用もできる。
また、筒状部材を構成する筒状織物の端部を挟持部材により挟持して閉鎖するようにすることにより、簡易に、かつ、低コストで、筒状織物の端部の処理を行うことができる。
また、筒状織物に複数対の相対向する開口部を形成した筒状部材を用い、該開口部のうちの少なくとも1対の相対向する開口部を筒状織物に長さ方向にスライドファスナーを取り付けて開閉自在としたカバーホースによって外側から巻くことによって、該開口部を閉塞するようにすることができる。
以下、本発明の軟弱地盤の表層処理の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図4に、本発明の軟弱地盤の表層処理の一実施例を示す。
この軟弱地盤の表層処理は、格子状に組んだ筒状織物等にモルタル等の自硬性流体を注入して硬化させ、格子状の補強枠を形成して地盤を補強するものであり、並設した複数本の筒状織物1に、対をなして対向する複数の開口部11をそれぞれ形成し、該開口部11に筒体2を貫通して開口縁部と筒体2とを接合するとともに、各筒体2の内部に各々貫通部材3を挿入して格子状に形成している。
そして、筒状織物1と筒体2とからなる格子状の補強枠の上面又は下面(本実施例においては、下面)に面状補強材6を配設し、補強枠と面状補強材6とを番線等の結束部材7により縛り付けて一体化するようにしている。
筒状織物1は、例えば、経糸と緯糸が共にポリエステル繊維で、太さは1000d/3本、密度は経30本/インチ、緯15本/インチで織組織は平織りである。環状織機で織られており、緯糸が連続するスパイラル状の糸を有している。
筒体2は、本実施例では短尺の筒状織物からなるが、例えば、塩化ビニルやポリオレフィン等の硬質樹脂製のパイプ材で構成することもできる。
また、筒体2を筒状織物で構成する場合は、筒体2の接合部間の長さを、筒状織物1の開口部11間の距離よりも長く設けることができる。
この場合、筒体2の長さは、筒状織物1の直径+開口部11の直径、あるいは筒状織物1の断面の外周長さの1/2程度が適当である。
貫通部材3は、本実施例では、内部にモルタル等の自硬性流体が注入される長尺の筒状織物からなるが、ロープやパイプ、杆体によっても構成することができる。
貫通部材3を筒状織物で構成する場合は、気密性もしくは液密性を有する層を備えるようにすることができ、また、筒体2への挿入部を小径に設けたり大径に設けたりすることもできる。
面状補強材6は、織布、合成樹脂製のシート材等からなり、この面状補強材6によって、荷重分散が図られ、不均一な沈下の発生を防止するようにする。
直径130mmの筒状織物1の左右で対向する部分に直径100mmの開口部11を1mピッチであけた。
そして、直径100×長さ130mmの筒状織物を筒体2として開口部11に挿入し、この筒体2の両端と開口縁部を縫合して筒状織物本体を作成した。
この筒状織物1を、合成繊維製織布からなる面状補強材6を介して、複数本地面に並べ、それぞれの筒体2に貫通部材3として直径100mmの筒状織物を通していき格子状にした。
その後、貫通部材3の筒状織物にモルタルを注入し、次いで、筒状織物1にモルタルを注入し、格子枠を形成した。
最後に、補強枠と面状補強材6とを番線等の結束部材7により縛り付けて一体化するようにした。
貫通部材3には、直径100mmの一定径の筒状織物を用いた。
これに対し、筒状織物1には、直径100mmの一定径の筒状織物に1mピッチで直径150mmの大径部を設けた異径筒状織物を使用した。
そして、大径部の左右で対向する部分に直径100mmの開口部11を設け、この開口部11に筒体2として直径100mmの筒状織物を挿入し、この筒体2の両端と開口縁部を縫合して筒状織物1を作成した。
そして、筒状織物1の筒体2に貫通部材3の筒状織物を差し込んで、格子状の筒状織物を作成した。
その後、貫通側の筒状織物にモルタルを注入し、次いで、筒状織物1にモルタルを注入して硬化させ、格子枠を形成した。
なお、その他の構成は、実施例1と同様である。
直径130mmの筒状織物1の左右で対向する部分に直径100mmの開口部11を1mピッチであけ、直径100×長さ130mmの筒状織物を筒体2として開口部11に挿入し、この筒体2の両端と開口縁部を縫合して筒状織物本体を作成した。
一方、貫通部材3としては、図2(b)に示すように、熱可塑性樹脂よりなる硬質管31の、内面、外面又は肉厚内に筒状織布を配設して一体化した直径100mmのパイプ材を用い、このパイプ材を筒状織物1の筒体2に挿入して格子状にした。
その後、貫通側の筒状織物にモルタルを注入し、次いで、筒状織物1にモルタルを注入し、格子枠を形成した。
貫通部材3として使用したパイプ材は、例えば、90℃に加熱した状態における曲げ弾性率が1500kg/cm以下である熱可塑性樹脂よりなる硬質管31の内面、外面又は肉厚内に、90℃に加熱した状態における筒長方向の強度が30kg/cm以上である筒状織物32を配し、当該筒状織物32を前記硬質管31に一体化している。
このパイプ材は、硬質管31の加熱時の曲げ弾性率が低く柔軟であるので、屈曲の多い斜面でも容易に追従することができ、過度の摩擦抵抗が生じることがなく、小さい引込み力で筒体2に挿入することができる。
また、このパイプ材は、硬質管31と筒状織物32とが一体化されているため、筒体2に引込むときや加圧したときには、硬質管31と筒状織物32とが一体となって伸縮・膨脹することができ、また、筒体2への引込み力を筒状織物32が負担できることから、破断したり過度に伸長したりすることがない。
また、筒状織物32は圧力がかかっても殆ど拡径されることがないので、硬質管31が部分的に軟化の程度が異なっても局部的に膨脹することがない。
なお、その他の構成は、実施例1と同様である。
かくして、各実施例の軟弱地盤の表層処理によれば、内部に自硬性流体を注入して硬化させて使用する筒状部材と、該筒状部材の上面又は下面に配設された面状補強材とからなる軟弱地盤の表層処理材において、筒状織物1に少なくとも1対の相対向する開口部11を形成し、該開口部11に筒体2を貫通して開口縁部と筒体2とを接合するとともに、該筒体2の内部に貫通部材3を挿入して格子状に形成することから、現場で組み立てたり解体したりすることができ運搬が容易であるとともに、図3及び図4に示すように、筒状部材のピッチを自由に設定することができるため、例えば、台風等の災害の復旧工事等で、早急に軟弱地盤上に仮設道路を構築する必要がある場合で、地盤の事前調査ができていないときでも、現場に合わせて筒状部材のピッチを自由に設定できるので早急に対策ができ、また、自由なレイアウトで設置できるため、台形型などの不定形の敷地にも現場で適宜組み立てて敷設することができ、障害物、例えば、大きな木や電柱がある場合でも容易に敷設することができる。
さらに、貫通部材3が筒状織物1から独立しているので、貫通部材3にかかった圧力を筒状織物1の接合部が負担することがなく、これにより筒状織物1にモルタル等の自硬性流体を充填するときの耐圧力が向上する。
また、交差部で積み重ねないため筒状織物の下に隙間があくことがなく、地盤をしっかりと押さえることができ、また、複雑な縫合がないため製造が容易で、しかも長さ方向に継ぎ目がないので強度が安定する。
この場合、筒状織物1の少なくとも開口部11付近を筒体2より大径に設けることにより、貫通部材3を挿入した後に筒状織物1にモルタル等の自硬性流体を注入しても、モルタル等の自硬性流体は貫通部材3を乗り越えて筒状織物1の長さ方向に充填され、また、開口部11付近のみを大径にすることにより自硬性流体の量を節減することができる。
また、筒体2を筒状織物で構成することにより、表層処理を柔軟にしてその運搬を容易にするとともに、縫製等により容易に接合することができ、さらに、筒状織物1にモルタル等の自硬性流体を注入することにより、筒体2は縮径して貫通部材3を締め込むため、交差部を強固に接続することができる。
また、筒体2の接合部間の長さを、筒状織物1の開口部11間の距離よりも長く設けることにより、筒状織物1にモルタル等の自硬性流体を注入しても接合部に作用する力が減少し、耐圧力が向上し、また、モルタル等の自硬性流体の注入により筒体2を縮径させ、貫通部材3が細い場合でも確実に固定したり、貫通部材3を挿入しない場合にはこの縮径により筒状織物1の開口部11を閉塞することができる。
なお、開口部11を閉塞する場合には、図5に示すように、短尺の筒状織物41に長さ方向にスライドファスナー42を取り付けて開閉自在としたカバーホース4を外側から巻くようにすることが好ましい。
また、貫通部材3が筒状織物からなり、図6に示すように、該貫通部材3の筒体2への挿入部を小径に設けることにより、貫通部材3をくさび効果で抜けないようにするとともに、モルタル等の自硬性流体が貫通部材3の上下を通過しやすくなるため、筒状織物1の交差部を太く形成せずにすみ、これにより、自硬性流体の総量を節約することができる。
この場合、現場合わせでレイアウトを調整する場合には、図6(c)に示すように、貫通部材3の適当な箇所をタック33状に折り畳むとともに、図6(b)に示すように、帯や上記カバーホース4等を巻いて小径にすることができる。
なお、貫通部材3を折り畳んで小径にする場合は、貫通部材3の下部側をタック33状に折り畳むようにする。モルタル等の自硬性流体の注入圧力がかかると貫通部材3の上部側がキンクを避けて最大の体積になろうとし、タック33側にくの字状に曲がるため隙間が小さくなる。
また、貫通部材3が筒状織物からなり、該貫通部材3の筒体2への挿入部を大径に設けることにより、貫通部材3にモルタル等の自硬性流体を注入すると、筒状織物本体1に対して自動的に位置決めされ、また、くさび効果で抜けを防止することができる。
また、貫通部材3を気密性もしくは液密性を有する層を備えた筒状織物で構成することにより、貫通部材3内に空気や水等の流体を注入して圧力をかければ、非硬化の流体でも貫通部材3は剛直になるので、表層処理はその機能を果たす。
そして、流体を抜けば、貫通部材3は容易に筒状織物1から抜き取ることができるため、撤去が簡単であるとともに再利用もできる。
また、筒状織物1の端部の処理を、図7に示すように、筒状織物1にモルタル等の自硬性流体を注入した状態で、筒状織物1の端部を挟持部材5により挟持して閉鎖するようにすることにより行うことができる。
なお、挟持部材5は、本実施例においては、ねじ51を操作して押圧部材52によって、筒状織物1の端部を締め付ける形式のものを使用したが、これに限定されず、モルタル等の自硬性流体を注入した状態で、筒状織物1の端部を挟持して閉鎖することができるものであれば、その形式は特に限定されるものではない。
これにより、簡易に筒状織物1の端部の処理を行うことができるとともに、挟持部材5は、従来、筒状織物1の端部処理に使用していたボールバルブ等のように使い捨てでなく、筒状織物1の内部に注入した自硬性流体が硬化した後、取り外して再利用することができるため、資材コストを低廉にすることができる。
以上、本発明の軟弱地盤の表層処理について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、実施例に記載した構成を適宜組み合わせるなど、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
本発明の軟弱地盤の表層処理は、現場で組み立てたり解体したりすることができ、運搬が容易であるとともに、筒状部材のピッチを自由に設定することができ、また、自由なレイアウトで設置することができるという特性を有していることから、例えば、台風等の災害の復旧工事等で、早急に軟弱地盤上に仮設道路を構築する必要がある場合でも容易に対応することができ、また、台形型などの不定形の敷地にも現場で適宜組み立てて敷設することができる。
本発明の軟弱地盤の表層処理の一実施例を示す筒状織物の斜視図である。 同軟弱地盤の表層処理を示し、(a)はその部分的な組み立て図、(b)は貫通部材の一例を示す断面図である。 同表層処理を示す組み立て図(筒状部材のピッチを大きく設定した場合)である。 同表層処理を示す組み立て図(筒状部材のピッチを小さく設定した場合)である。 貫通部材とカバーホースを示正面図ある。 貫通部材の挿入部を示し、(a)は貫通部材を小径に設けた断面図、(b)は貫通部材をタック状に折り畳んで小径に設けた断面図、(c)は(b)の長さ方向直交断面図である。 挟持部材の説明図である。
1 筒状織物
11 開口部
2 筒体
3 貫通部材
31 硬質管
32 筒状織物
33 タック
4 カバーホース
41 筒状織物
42 スライドファスナー
5 挟持部材
6 面状補強材
7 結束部材

Claims (7)

  1. 内部に自硬性流体を注入して硬化させて使用する筒状部材と、該筒状部材の上面又は下面に配設された面状補強材とからなる軟弱地盤の表層処理材において、前記筒状部材を、筒状織物に少なくとも1対の相対向する開口部を形成し、該開口部に筒状織物で構成した筒体を貫通させて開口縁部と筒体とを接合するに当たり、該筒体の接合部間の長さを、内部に自硬性流体を注入したときの筒状部材の相対向する開口部間の距離よりも長く設定して接合するとともに、該筒体の内部に貫通部材を挿入して格子状に形成したことを特徴とする軟弱地盤の表層処理材。
  2. 筒状部材を構成する筒状織物の少なくとも開口部付近を筒体より大径に設けたことを特徴とする請求項1記載の軟弱地盤の表層処理材。
  3. 貫通部材が筒状織物からなり、該貫通部材の筒体への挿入部を小径に設けたことを特徴とする請求項又は記載の軟弱地盤の表層処理材。
  4. 貫通部材が筒状織物からなり、該貫通部材の筒体への挿入部を大径に設けたことを特徴とする請求項又は記載の軟弱地盤の表層処理材。
  5. 貫通部材を気密性もしくは液密性を有する層を備えた筒状織物で構成したことを特徴とする請求項1、2、3記載の軟弱地盤の表層処理材。
  6. 筒状部材を構成する筒状織物の端部を挟持部材により挟持して閉鎖するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4記載の軟弱地盤の表層処理材。
  7. 筒状織物に複数対の相対向する開口部を形成した筒状部材を用い、該開口部のうちの少なくとも1対の相対向する開口部を筒状織物に長さ方向にスライドファスナーを取り付けて開閉自在としたカバーホースによって外側から巻くことによって、該開口部を閉塞するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の軟弱地盤の表層処理材。
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