JP4896722B2 - ステアリング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は自動車等の操舵系にアシストトルクを与えるためのモータを制御する電動式のステアリング制御装置に関し、特にモータ出力トルク制御部の異常を判定するための新規な技術改良に関するものである。
従来、電動式のステアリング制御装置は、データバスで相互接続されたメインCPUおよびサブCPUと、メインCPUからの駆動信号に応じてモータを駆動するモータ駆動回路と、メインCPUとモータ駆動回路との間に挿入された論理回路とを備え、メインCPUからの駆動方向信号を通過させる論理回路を、サブCPUの出力信号で駆動することにより、モータの駆動方向を制限するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
次に、上記特許文献1に記載された従来装置の動作について説明する。
メインCPUは、トルクセンサ等の各種センサからの検出信号に基づいて、モータの駆動方向等を演算するとともに、モータ駆動方向の演算結果を、データバスを介してサブCPUに送出する。
サブCPUは、トルクセンサからの操舵トルク信号と、メインCPUから入力されるモータ駆動方向とを比較し、両者が一致しない場合には故障(異常発生状態)と判定し、モータの駆動を禁止するための出力信号を生成する。
特許第2915234号公報
従来のステアリング制御装置は、以上のように構成されているので、例えばモータの角速度や角加速度に基づく外乱補償制御等、駆動方向と操舵トルクとが一致しないモータ駆動制御に適用することは困難であるという課題があった。
また、モータの駆動方向がメインCPUからモータ駆動回路に直接的に出力されない三相モータに適用することも困難であるという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡単な構成で複雑な制御機能を実現し、モータ出力トルク制御部の冗長性を実現したステアリング制御装置を得ることを目的とする。
本発明に係るステアリング制御装置は、運転者により操作される操舵系にアシストトルクを与えるためのモータと、少なくとも操舵系の操舵状態を検出する各種センサと、各種センサからのセンサ検出信号を取り込む入力処理部およびモータを駆動する出力処理部を有し、センサ検出信号に基づいて出力処理部に指令を与える演算処理部とを備えたステアリング制御装置において、演算処理部は、モータの目標出力トルクを演算するモータ目標出力トルク演算部と、モータの実出力トルクが目標出力トルクと一致するように、モータに流れるモータ電流をフィードバック制御して、モータへの印加電圧を演算するモータ出力トルク制御部とを有し、少なくともモータ出力トルク制御部は、複数の正演算部と、正演算部に対応した複数の副演算部とを含み、複数の副演算部の少なくとも一部の副演算部は、少なくとも一部の副演算部の演算結果と、複数の正演算部のうちの少なくとも一部の副演算部に対応した正演算部の演算結果との比較に基づいて、モータ出力トルク制御部の異常を判定するものである。
本発明によれば、簡単な構成で、モータ出力トルク制御部の冗長性を実現することができる。
本発明の実施例1に係るステアリング制御装置を示すブロック構成図である。(実施例1) 本発明の実施例1に係るロータ角度演算部副演算部の動作を示す説明図である。(実施例1) 本発明の実施例1に係るロータ角度演算部副演算部の動作を示す説明図である。(実施例1)
(実施例1)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例1について説明する。
図1は本発明の実施例1に係るステアリング制御装置を示すブロック構成図である。
図1において、ステアリング制御装置は、トルクセンサ1と、演算処理部2と、モータ3と、レゾルバ4とにより構成されている。
トルクセンサ1は、車両の操舵系の操舵状態(運転者の操舵トルクTs)を検出して演算処理部2に入力する。
モータ3は、例えば永久磁石界磁の同期電動機からなり、運転者により操作される操舵系に接続されており、演算処理部2の演算結果に基づく制御信号により駆動されて、操舵系にアシストトルクを与えて運転者の操舵力を補助する。
モータ3に設けられたレゾルバ4は、角度センサとして機能し、モータ3のロータ角度位置情報を検出し、ロータ角度に関する検出信号を演算処理部2に入力する。
演算処理部2は、ステアリング制御装置の要部を構成しており、各種センサからのセンサ検出信号を取り込むための入力インターフェース回路(入力処理部)21と、メインCPUを有する第1のマイクロコントローラ(第1の演算処理部)22と、サブCPUを有する第2のマイクロコントローラ23(第2の演算処理部)と、モータ3の相電流を検出するための電流検出回路24と、モータ3を駆動するためのインバータ(出力処理部)25aとを備え、センサ検出信号に基づいてインバータ(出力処理部)25aに指令を与える。
第1のマイクロコントローラ22は、目標出力トルク演算部正演算部221aと、モータ出力トルク制御部222と、異常判定部223aと、PWM演算部224aとにより構成されている。
目標出力トルク演算部正演算部221aは、トルクセンサ1からの検出信号(操舵トルクTs)に基づいて、モータ3の目標出力トルクに相当するq軸目標電流値Iq*を演算する。
モータ出力トルク制御部222は、目標出力トルク演算部正演算部221aで演算されたq軸目標電流値Iq*(モータ3の目標出力トルク)と、電流検出回路24からの検出信号(実相電流Iu、Iv)に基づいて演算されたq軸検出電流Iq(モータ3の実出力トルク)とが一致するように、モータ電流をフィードバック制御してPWM演算部224aを制御する。
異常判定部223aは、すべての演算結果に基づいて、第1のマイクロコントローラ22または第2のマイクロコントローラ23の異常を判定し、異常時にインバータ25aを停止させてモータ3への通電の遮断を指示する。
PWM演算部224aは、モータ出力トルク制御部222からのモータ相電圧信号(三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*)をパルス幅変調し、三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*から生成したPWM信号をインバータ25aに供給する。
インバータ25aは、PWM演算部224aからのPWM信号により駆動されてモータ3を駆動する。
モータ出力トルク制御部222は、フィードバック制御部正演算部225aと、印加電圧演算部正演算部226aと、印加電圧演算部副演算部226bと、ロータ角度演算部正演算部227aと、検出電流演算部正演算部228aと、検出電流演算部副演算部228bとにより構成されている。
フィードバック制御部正演算部225aは、電流検出回路24の検出値(実相電流Iu、Iv)から演算されたq軸検出電流Iqに基づきモータ電流をフィードバック制御する。
印加電圧演算部正演算部226aは、フィードバック制御部正演算部225aで演算されたq軸印加電圧値Vq*およびd軸印加電圧値Vd*を、モータ3の相電圧(三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*)に変換する。
印加電圧演算部副演算部226bは、三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*に基づいて印加電圧演算部正演算部226aの異常を判定する。
ロータ角度演算部正演算部227aは、レゾルバ4の出力信号に基づいてモータ3のロータ角度(電気角)θを演算する。
検出電流演算部正演算部228aは、演算されたロータ角度θと、電流検出回路24で検出されたモータ3の実相電流Iu、Ivとに基づいて、d軸検出電流Idおよびq軸検出電流Iqを変換する。
検出電流演算部副演算部228bは、演算されたロータ角度θと、モータ3の実相電流Iv、Iwとに基づいて、検出電流演算部正演算部228aの異常を判定する。
一方、第2のマイクロコントローラ23は、第1のマイクロコントローラ22に対して通信線100を介して相互接続されており、目標出力トルク演算部副演算部221bと、フィードバック制御部副演算部225bと、ロータ角度演算部副演算部227bと、PWM異常判定部224bと、インバータ出力電圧異常判定部25bと、異常判定部223bとを備えている。
目標出力トルク演算部副演算部221bは、トルクセンサ1で検出された操舵トルクTsと、目標出力トルク演算部正演算部221aで演算されたq軸目標電流値Iq*とに基づいて、第1のマイクロコントローラ22内の目標出力トルク演算部正演算部221aの異常を判定する。
フィードバック制御部副演算部225bは、モータ出力トルク制御部222内のフィードバック制御部正演算部225aで演算されたd軸印加電圧値Vd*およびq軸印加電圧値Vq*に基づいて、フィードバック制御部正演算部225aの異常を判定する。
ロータ角度演算部副演算部227bは、モータ出力トルク制御部222内のロータ角度演算部正演算部227aへの入力情報(角度位置検出信号sinθ、cosθ)と、ロータ角度演算部正演算部227aで演算されたロータ角度θとに基づいて、ロータ角度演算部正演算部227aの異常を判定する。
PWM異常判定部224bは、モータ3への印加電圧をモニタして搬送波周期を監視することにより、第1のマイクロコントローラ22内のPWM演算部224aの異常を判定する。
インバータ出力電圧異常判定部25bは、モータ3への三相印加電圧Vu、Vv、Vwをモニタして中性点電位を監視することにより、インバータ25aの異常を判定する。
異常判定部223bは、第1のマイクロコントローラ22内の異常判定部223aと同様に、すべての正演算部および副演算部の演算結果から正演算部の異常の有無を判定し、いずれか1つでも異常がある場合にはインバータ25aによるモータ3の駆動を遮断する。
図1に示すように、演算処理部2は、複数の正演算部として、目標出力トルク演算部正演算部221aと、フィードバック制御部正演算部225aと、印加電圧演算部正演算部226aと、ロータ角度演算部正演算部227aと、検出電流演算部正演算部228aとを有する。
また、演算処理部2は、正演算部に対応した複数の副演算部として、目標出力トルク演算部副演算部221bと、フィードバック制御部副演算部225bと、印加電圧演算部副演算部226bと、ロータ角度演算部副演算部227bと、検出電流演算部副演算部228bとを有する。
すなわち、演算処理部2は、それぞれ冗長系演算部を構成する目標出力トルク演算部(目標出力トルク演算部正演算部221aおよび目標出力トルク演算部副演算部221b)と、フィードバック制御部(フィードバック制御部正演算部225aおよびフィードバック制御部副演算部225b)と、印加電圧演算部(印加電圧演算部正演算部226aおよび印加電圧演算部副演算部226b)と、ロータ角度演算部(ロータ角度演算部正演算部227aおよびロータ角度演算部副演算部227b)と、検出電流演算部(検出電流演算部正演算部228aおよび検出電流演算部副演算部228b)とを有する。
また、演算処理部2内において、モータ出力トルク制御部222は、少なくとも、正演算部である印加電圧演算部正演算部226aおよび検出電流演算部正演算部228aと、副演算部である印加電圧演算部副演算部226bおよび検出電流演算部副演算部228bとを有しており、正演算部および副演算部の各演算結果に基づいて、モータ出力トルク制御部222の異常を判定するようになっている。
また、ここでは、一例として、正演算と等価の処理内容でかつ比較的演算量の多い副演算を実行する印加電圧演算部副演算部226bおよび検出電流演算部副演算部228bは、処理速度の速いメインCPUを含む第1のマイクロコントローラ22内に実装し、簡略化した副演算を実行する他の副演算部に関しては、メインCPUよりも処理速度の遅いサブCPUを含む第2のマイクロコントローラ23内に実装している。
また、モータ3は、永久磁石界磁の同期電動機に限られることはなく、誘導機やベクトル制御以外のモータであってもよい。
図示したように、モータ3が多相(例えば、三相)モータの場合、モータ出力トルク制御部222内の印加電圧演算部正演算部226aは、多相モータの各相への印加電圧を演算し、印加電圧演算部副演算部226bは、印加電圧演算部正演算部226aの異常を判定する。
また、モータ3の種類にかかわらず、モータ出力トルク制御部222内のロータ角度演算部正演算部227aは、モータのロータ角度θを演算し、第2のマイクロコントローラ23内のロータ角度演算部副演算部227bは、ロータ角度演算部正演算部227aの異常を判定する。
具体的には、角度センサとして機能するレゾルバ4は、モータ3のロータ角度θに関するsinθおよびcosθの情報を含む角度位置検出信号を出力し、ロータ角度演算部正演算部227aは、角度位置検出信号に基づき、arctan(sinθ/cosθ)からロータ角度θを求める。
一方、ロータ角度演算部正演算部227bは、sinθおよびcosθの正負符号と振幅大小比較関係とに関する8通りの組み合わせから、45°の分解能で別途のロータ角度θ’を求め、正演算部の演算結果(ロータ角度θ)と副演算部の演算結果(ロータ角度θ’)との比較により、ロータ角度演算部正演算部227aの異常を判定する。
また、モータ3として三相モータを用いた場合、モータ出力トルク制御部222において、dq軸制御に関連した検出電流演算部正演算部228aは、モータ3(三相モータ)の少なくとも二相の電流検出値(実相電流Iu、Iv)を二軸直流電流(d軸検出電流Idおよびq軸検出電流Iq)に変換する。
一方、モータ出力トルク制御部222内の検出電流演算部副演算部228bは、少なくとも一相は、検出電流演算部正演算部228aが用いた相電流(図1においては、実相電流Iu)を用いずに、二軸直流電流を演算する。
すなわち、検出電流演算部副演算部228bは、モータ3(三相モータ)の各相電流のうちの少なくとも二相の電流検出値を二軸直流電流に変換するが、この際に用いる二相のうちの少なくとも一相は、電流正演算部が用いない相を含むことになる。
また、モータ出力トルク制御部222内において、フィードバック制御部正演算部225aは、モータ3(三相モータ)の各相電流(Iu、Iv)から変換された二軸直流電流(Id、Iq)を、二軸直流電圧(Vq*、Vd*)に変換してフィードバック制御し、dq軸制御に関連した印加電圧演算部正演算部226aは、二軸直流電圧(Vq*、Vd*)を、モータ3(三相モータ)の各相への印加電圧(三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*)に変換する。
また、モータ出力トルク制御部222内の印加電圧演算部副演算部226bは、印加電圧演算部正演算部226aからモータ3(三相モータ)への印加電圧に対応する三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*に基づき実際の中性点電位を演算し、中性点電位が妥当か否かにより印加電圧演算部正演算部226aの正否を判定する。
ここでは、後述するように、各副演算部は、各正演算部とは異なる数式により正演算部の検算を行うものとする。
また、第1および第2のマイクロコントローラ22、23は、通信線100を介して相互通信可能に接続されており、第1のマイクロコントローラ22内の各正演算部221a、225a、227aの異常を判定するための各種データは、通信線100を介して、第2のマイクロコントローラ23内の各副演算部221b、225b、227bに入力される。
また、第1および第2のマイクロコントローラ22、23内の異常判定部223a、223bは、モータ3への通電および遮断を制御する通電遮断制御部を含み、通電遮断制御部によるフェイルセーフ処理機能として、複数の正演算部221a、225a、226a、227a、228aのうち少なくとも1つが異常と判定された場合、または、インバータ出力電圧異常判定部25bおよびPWM異常判定部224bの少なくとも1つが異常を判定した場合には、モータ3および操舵系を含む装置全体を保護するために、インバータ25aからモータ3への通電を遮断するように構成されている。
さらに、第1および第2のマイクロコントローラ23の少なくとも一方は、異常判定部223a、223bと関連して、モータ3への通電遮断機能をチェックする通電遮断機能検査部を備えている。
通電遮断機能検査部は、起動時チェック機能として、ステアリング制御装置の起動後のモータ3の駆動制御が開始される前に、異常判定部223a、223bによりモータ3への通電遮断機能が正常に動作するか否かを少なくとも1回チェックし、通電遮断機能が異常と判定された場合には、同様にモータ3および操舵系を含む装置全体を保護するために、モータ3の駆動制御を禁止し、ステアリング制御動作を実行しないように構成されている。
なお、図1においては、ハードウェア構成として、複数の正演算部および副演算部のうちの副演算部の一部を、第1のマイクロコントローラ22とは異なる第2のマイクロコントローラ23内に構成したが、複数の正演算部および副演算部のすべてを同一のマイクロコントローラ内に構成してもよい。
また、図1の構成例に限らず、複数の正演算部および副演算部のうちの任意の一部を、第1のマイクロコントローラ22とは異なる第2のマイクロコントローラ23内に個別に構成してもよい。
次に、本発明の実施例1による冗長系を含むステアリング制御装置の処理動作について説明する。
まず、第1のマイクロコントローラ22において、目標出力トルク演算部正演算部221aは、トルクセンサ1で検出された操舵トルクTsに基づき所定の演算処理を行い、モータ3を駆動するためのq軸目標電流値Iq*を算出する。
目標出力トルク演算部正演算部221aで算出されたq軸目標電流値Iq*は、フィードバック制御部正演算部225aに入力されるとともに、通信線100を介して、第2のマイクロコントローラ23内に実装された目標出力トルク演算部副演算部221bに入力される。
一方、モータ出力トルク制御部222内のロータ角度演算部正演算部227aは、レゾルバ4からの角度位置検出信号sinθ、cosθに基づき、arctan(sinθ/cosθ)の演算によりロータ角度(電気角)θを算出する。
ロータ角度演算部正演算部227aで算出されたロータ角度θは、印加電圧演算部正演算部226a、検出電流演算部正演算部226aおよび検出電流演算部副演算部228bに供給されるとともに、通信線100を介して、第2のマイクロコントローラ23内に実装されたロータ角度演算部副演算部227bに入力される。また、ロータ角度演算部副演算部227bには、通信線100を介して、電気角θの演算に用いられた角度位置検出信号sinθ、cosθが供給される。
検出電流演算部正演算部228aは、電流検出回路24で検出された相電流値Iu、Ivと、ロータ角度演算部正演算部227aで算出されたロータ角度θとに基づき、以下の式(1)を用いて三相/二相変換(dq変換)を行い、d軸検出電流Idおよびq軸検出電流Iqを算出する。
Figure 0004896722
式(1)で算出された変換後のd軸検出電流Idおよびq軸検出電流Iqは、二軸目標電流値Id*、Iq*との偏差が個別に算出された後、フィードバック制御部正演算部225aに入力される。
フィードバック制御部正演算部225aは、二軸目標電流値Id*、Iq*と、式(1)に基づく二軸検出電流Id、Iqとの偏差に基づき、PI制御を行うことにより、二軸目標印加電圧値Vd*、Vq*を生成する。
二軸目標印加電圧値Vd*、Vq*は、印加電圧演算部正演算部226aに入力される。また、q軸目標印加電圧値Vq*は、通信線100を介して、第2のマイクロコントローラ23内に実装されたフィードバック制御部副演算部225bに入力される。
印加電圧演算部正演算部226aは、dq軸目標印加電圧値Vd*、Vq*と電気角θとに基づき、以下の式(2)を用いて、二相/三相変換(dq逆変換)を行い、三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*を算出する。
Figure 0004896722
式(2)で算出された三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*は、PWM演算部224aおよび印加電圧演算部副演算部226bに入力される。
PWM演算部224aは、三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*に基づいて生成したPWM信号をインバータ25aに供給することにより、モータ3を駆動して目標出力トルク(所要のアシストトルク)を発生させる。
次に、本発明の実施例1によるステアリング制御装置の冗長系の動作について説明する。
まず、第1のマイクロコントローラ22内のモータ出力トルク制御部222の外部に位置する目標出力トルク演算部正演算部221a、PWM演算部224aおよびインバータ25aに関し、第2のマイクロコントローラ23内の目標出力トルク演算部副演算部221b、PWM異常判定部224bおよびインバータ出力電圧異常判定部25bによる異常判定(妥当性検証)動作について説明する。
第2のマイクロコントローラ23内において、目標出力トルク演算部副演算部221bは、トルクセンサ1により検出された操舵トルクTsと、第1のマイクロコントローラ22から通信線100を介して入力されたq軸目標電流値Iq*とに基づいてインターロックを行う。
PWM異常判定部224bは、入力インターフェース回路21を介して、パルス幅変調されたモータ3への三相印加電圧Vu、Vv、Vwを直接モニタし、モータ駆動信号の搬送波周期を監視する。
同様に、インバータ出力電圧異常判定部25bは、入力インターフェース回路21を介して、モータ3への三相印加電圧Vu、Vv、Vwを直接モニタして、三相印加電圧Vu、Vv、Vwの中性点電位を監視する。
以上の目標出力トルク演算部副演算部221b、PWM異常判定部224bおよびインバータ出力電圧異常判定部25bの動作は、もっぱら第1および第2のコントローラ22、23の外部に現れる信号を用いて装置の妥当性を検証するものである。
すなわち、目標出力トルク演算部副演算部221bは、モータ出力トルク制御部222への入力信号(q軸目標電流値Iq*)と操舵トルクTsとの関係の妥当性を検証し、PWM異常判定部224bおよびインバータ出力電圧異常判定部25bは、モータ出力トルク制御部222からの出力信号(モータ3への相電圧Vu、Vv、Vw)の妥当性を検証している。
次に、図1とともに図2および図3を参照しながら、モータ出力トルク制御部222内の演算部に関する異常判定(妥当性検証)動作について説明する。
図2および図3は第2のマイクロコントローラ23内のロータ角度演算部副演算部227bの動作を示す説明図である。
図2および図3は、ロータ角度演算部副演算部227bで算出されるロータ角度θ’(領域R1〜R8)を示しており、図2および図3において、各領域R1〜R8は、sinθおよびcosθの正負符号と振幅大小比較結果とに関する8通りの組み合わせにより設定されている。
図1において、第1のマイクロコントローラ22内のフィードバック制御部正演算部225aの異常を判定するフィードバック制御部副演算部225bは、前述のように、第2のマイクロコントローラ23内に実装されている。
フィードバック制御部副演算部225bは、第1のマイクロコントローラ22から通信線100を介して入力されたq軸目標印加電圧値Vq*が所定の正常範囲内にあるか否かを監視し、q軸目標印加電圧値Vq*が正常範囲を逸脱した場合に、フィードバック制御部正演算部225aが異常であると判定する。
一方、印加電圧演算部正演算部226aの異常を判定する印加電圧演算部副演算部226bは、第1のマイクロコントローラ22内に実装されており、以下の式(3)の関係を満たすか否かに基づいて、三相目標印加電圧値Vu*、Vv*、Vw*の中性点電位(印加電圧演算部正演算部226a)の正否を監視する。
Figure 0004896722
もし、式(3)を満たさない場合には、印加電圧演算部副演算部226bは、印加電圧演算部正演算部226aが異常であると判定する。
一方、第1のマイクロコントローラ22内のロータ角度演算部正演算部227aの異常を判定するロータ角度演算部副演算部227bは、前述のように、第2のマイクロコントローラ23内に実装されている。
ロータ角度演算部副演算部227bは、レゾルバ4からロータ角度演算部正演算部227aへの入力情報(角度位置検出信号sinθ、cosθ)と、ロータ角度演算部正演算部227aで算出されたロータ角度θとを、第1のマイクロコントローラ22から通信線100を介して取り込み、角度位置検出信号sinθ、cosθに基づき、ロータ角度演算部正演算部227aの異常を判定する。
すなわち、ロータ角度演算部副演算部227bは、図2および図3に示すように、sinθおよびcosθの正負符号と振幅大小比較結果とに関する8通りの組み合わせから、45°の分解能で別途にロータ角度θ’(領域R1〜R8)を算出し、自身で算出したロータ角度θ’とロータ角度演算部正演算部227aで算出されたロータ角度θとを比較し、ロータ角度θが算出領域内にあるか否かに基づいて、ロータ角度演算部正演算部227aの正否を判定する。
最後に、検出電流演算部正演算部228aの異常を判定する検出電流演算部副演算部228bは、第1のマイクロコントローラ22内に実装されており、電流検出回路24で検出した実相電流Iv、Iwと、ロータ角度演算部正演算部227aで演算したロータ角度(電気角)θとに基づき、以下の式(4)を用いて三相/二相変換(dq変換)を行い、d軸検出電流Idおよびq軸検出電流Iqを算出する。
Figure 0004896722
検出電流演算部副演算部228bは、式(4)によるdq変換結果と、前述の式(1)に基づく検出電流演算部正演算部228aのdq変換結果とを比較し、両者が一致するか否かにより、検出電流演算部正演算部228aの正否を判定する。
以上のように、複数の正演算部に対応した複数の副演算部を用いて冗長系の演算処理を行うことにより、演算処理部2内で複数に分割されたすべての正演算部を検証することができる。
次に、フェイルセーフ機能を有する異常判定部223a、223bによるモータ3の駆動制御遮断動作について説明する。
第1および第2のマイクロコントローラ23内の異常判定部223a、223bの少なくとも一方は、上述したすべての正演算部および副演算部の演算結果から、正演算部の異常の有無を判定し、いずれか1つでも異常があると判定された場合には、インバータ25aによるモータ3の駆動制御を遮断する。
これにより、前述のように、モータ3および装置全体を保護することができる。
また、第1および第2のマイクロコントローラ22、23の少なくとも一方は、異常判定部223a、223bと協働して、起動時の初期チェック動作を行う。
すなわち、前述のように、起動後に異常判定部223a、223bによる遮断機能が正常に機能しているかどうか調べ、もし異常があれば、インバータ25aからモータ3への通電を遮断してステアリング制御を動作させないようにする。
これにより、前述のように、モータ3および装置全体を保護することができる。
以上のように、本発明の実施例1によれば、例えばdq軸上で永久磁石界磁の三相モータを制御する複雑な構成のモータ出力トルク制御部222の冗長系を比較的簡単に実現することができる。
なお、上記実施例1では、電流検出回路24が二相電流(Iu、Iv)を検出したが、3つの相電流(Iu、Iv、Iw)を検出するように構成してもよい。
この場合、検出電流演算部副演算部228bにおいて、電流検出回路24の異常を判定することもできるという効果がある。
(実施例2)
上記実施例1では、正演算と等価の内容でかつ比較的演算量の多い副演算に関しては、処理速度の速いメインCPUを含む第1のマイクロコントローラ22内で実行し、簡略化した副演算に関しては、メインCPUよりも処理速度の遅いサブCPUを含む第2のマイクロコントローラ23内で実行したが、サブCPUとして比較的高速処理が可能なものを用いて、すべての副演算処理をサブCPU(第2のマイクロコントローラ23)内で実行するように構成してもよい。
この場合、副演算として、正演算と完全に同一の演算式を用いても、十分な検証ができるという効果がある。
例えば、第2のマイクロコントローラ23内において、ロータ角度演算部副演算部226bは、8通りの領域R1〜R8からなるロータ角度θ’(図2、図3参照)を求めるのではなく、正演算部と同一の演算を行い、角度位置検出信号sinθおよびcosθからロータ角度θを求め、正演算部の演算結果と比較することにより、ロータ角度演算部正演算部226aの異常を判定することができる。
同様に、第1のマイクロコントローラ22内において、検出電流演算部副演算部228bは、正演算部と同一の演算を行い、三相モータの各相電流のうち少なくとも二相の電流の検出値を二軸直流電流に変換し、正演算部の演算結果と比較することにより、検出電流演算部正演算部228aの異常を判定することができる。
また、印加電圧演算部副演算部226bは、正演算部と同一の演算を行い、二軸直流電圧を三相モータへの各相印加電圧に変換し、正演算部の演算結果と比較することにより、印加電圧演算部正演算部226aの異常を判定することができる。
さらに、第1および第2のマイクロコントローラ22、23を用いたが、同一のマイクロコントローラで全ての正演算および副演算を実行してもよい。
この場合、正演算および副演算を等価な内容でかつ異なる演算処理に設定することにより、十分な検証を行うことができる。
また、単一のマイクロコントローラを用いた場合には、サブCPU(第2のマイクロコントローラ23)が不要となり、前述の効果に加えて、さらに簡単な構成で冗長系を実現することができるという効果がある。
(実施例3)
さらに、上記実施例1において、例えば検出電流演算部副演算部228bは、検出電流演算部正演算部228aの式(1)とは位相の異なる相電流の式(4)を用いてdq変換を実行したが、正演算部と同じ相の電流または電圧に、位相をずらした行列を乗算してもよい。
この場合、副演算での乗算処理が増えるが、副演算のプログラム構成を正演算と完全に同一にすることができるので、前述の効果に加えて、プログラムの作成を容易にすることができるという効果がある。
すなわち、検出電流演算部副演算部228bは、三相モータの各相電流のうちの少なくとも二相の電流検出値から、正演算部と等価な演算結果が得られかつ正演算部とは異なる行列を用いて二軸直流電流を変換演算し、正演算部の演算結果との比較に基づいて正演算部の異常を判定することができる。
同様に、印加電圧演算部副演算部226bは、フィードバック制御部からの二軸直流電圧から、正演算部と等価な演算結果が得られかつ正演算部とは異なる行列を用いて、三相モータへの各相印加電圧を変換演算し、正演算部の演算結果との比較に基づいて正演算部の異常を判定することができる。

Claims (21)

  1. 運転者により操作される操舵系にアシストトルクを与えるためのモータと、
    少なくとも前記操舵系の操舵状態を検出する各種センサと、
    前記各種センサからのセンサ検出信号を取り込む入力処理部および前記モータを駆動する出力処理部を有し、前記センサ検出信号に基づいて前記出力処理部に指令を与える演算処理部と
    を備えたステアリング制御装置において、
    前記演算処理部は、
    前記モータの目標出力トルクを演算するモータ目標出力トルク演算部と、
    前記モータの実出力トルクが前記目標出力トルクと一致するように、前記モータに流れるモータ電流をフィードバック制御して、前記モータへの印加電圧を演算するモータ出力トルク制御部とを有し、
    少なくとも前記モータ出力トルク制御部は、
    複数の正演算部と、
    前記正演算部に対応した複数の副演算部とを含み、
    前記複数の副演算部の少なくとも一部の副演算部は、前記少なくとも一部の副演算部の演算結果と、前記複数の正演算部のうちの前記少なくとも一部の副演算部に対応した正演算部の演算結果との比較に基づいて、前記モータ出力トルク制御部の異常を判定することを特徴とするステアリング制御装置。
  2. 前記複数の副演算部のうちの少なくとも一部の副演算部は、前記少なくとも一部の副演算部に対応した正演算部とは異なる数式により、前記少なくとも一部の副演算部に対応した正演算部の検算を行うことを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
  3. 前記モータは、多相モータからなり、
    前記複数の正演算部は、前記多相モータの各相への印加電圧を演算する印加電圧演算部正演算部を含み、
    前記複数の副演算部は、前記印加電圧演算部正演算部の異常を判定するための印加電圧演算部副演算部を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステアリング制御装置。
  4. 前記モータは、前記モータのロータ角度を検出するための角度センサを有し、
    前記複数の正演算部は、前記ロータ角度を演算するためのロータ角度演算部正演算部を含み、
    前記複数の副演算部は、前記ロータ角度演算部正演算部の異常を判定するためのロータ角度演算部副演算部を含むことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
  5. 前記角度センサは、前記モータのロータ角度θに関するsinθおよびcosθの情報を含む角度位置検出信号を出力し、
    前記ロータ角度演算部正演算部は、arctan(sinθ/cosθ)から前記ロータ角度θを求め、
    前記ロータ角度演算部副演算部は、前記角度位置検出信号sinθおよびcosθの正負符号と振幅大小比較関係とに関する8通りの組み合わせから、45°の分解能で別途のロータ角度θ’を求め、
    前記ロータ角度θと前記別途のロータ角度θ’との比較に基づいて、前記ロータ角度演算部正演算部の異常を判定することを特徴とする請求項4に記載のステアリング制御装置。
  6. 前記角度センサは、前記ロータ角度θに関するsinθおよびcosθの情報を含む角度位置検出信号を出力し、
    前記ロータ角度演算部正演算部は、arctan(sinθ/cosθ)から前記ロータ角度θを求め、
    前記ロータ角度演算部副演算部は、前記ロータ角度演算部正演算部と同一の演算を行うことにより別途のロータ角度θ’を求め、
    前記ロータ角度θと前記別途のロータ角度θ’との比較に基づいて、前記ロータ角度演算部正演算部の異常を判定することを特徴とする請求項4に記載のステアリング制御装置。
  7. 前記モータは、三相モータからなり、
    前記複数の正演算部は、前記三相モータの各相電流のうちの少なくとも二相の電流検出値を二軸直流電流に変換する検出電流演算部正演算部を含み、
    前記複数の副演算部は、前記検出電流演算部正演算部の異常を判定するための検出電流演算部副演算部を含むことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
  8. 前記検出電流演算部副演算部は、前記三相モータの各相電流のうちの少なくとも二相の電流検出値を二軸直流電流に変換し、
    前記検出電流演算部副演算部が用いる電流検出値のうちの少なくとも一相は、前記検出電流演算部正演算部が用いない相の電流検出値であることを特徴とする請求項7に記載のステアリング制御装置。
  9. 前記検出電流演算部副演算部は、前記三相モータの各相電流のうちの少なくとも二相の電流検出値から、前記検出電流演算部正演算部と等価の変換結果が得られかつ前記検出電流演算部正演算部で用いる行列とは異なる行列を用いて、前記二軸直流電流に変換することを特徴とする請求項7に記載のステアリング制御装置。
  10. 前記検出電流演算部副演算部は、前記検出電流演算部正演算部と同一の演算を行うことを特徴とする請求項7に記載のステアリング制御装置。
  11. 前記モータは、三相モータからなり、
    前記モータ出力トルク制御部は、前記三相モータの各相電流から変換された二軸直流電流を二軸直流電圧に変換してフィードバック制御するフィードバック制御部を含み、
    前記複数の正演算部は、前記二軸直流電圧を前記三相モータの各相への印加電圧に変換する印加電圧演算部正演算部を含み、
    前記複数の副演算部は、前記印加電圧演算部正演算部の異常を判定するための印加電圧演算部副演算部を含むことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
  12. 前記印加電圧演算部副演算部は、
    前記三相モータへの印加電圧の中性点電位を演算し、
    前記印加電圧演算部正演算部から前記三相モータへの印加電圧の中性点電位と、前記印加電圧演算部副演算部で演算した前記三相モータへの印加電圧の中性点電位との比較に基づいて、前記印加電圧演算部正演算部の異常を判定することを特徴とする請求項11に記載のステアリング制御装置。
  13. 前記印加電圧演算部副演算部は、
    前記フィードバック制御部からの二軸直流電圧から、前記印加電圧演算部正演算部と等価の変換結果が得られかつ前記印加電圧演算部正演算部で用いる行列とは異なる行列を用いて、前記三相モータへの印加電圧に変換し、
    前記印加電圧演算部正演算部から前記三相モータへの印加電圧と、前記印加電圧演算部副演算部で変換した前記三相モータへの印加電圧との比較に基づいて、前記印加電圧演算部正演算部の異常を判定することを特徴とする請求項11に記載のステアリング制御装置。
  14. 前記印加電圧演算部副演算部は、
    前記印加電圧演算部正演算部と同一の演算を行うことにより前記三相モータへの印加電圧を算出し、
    前記印加電圧演算部正演算部から前記三相モータへの印加電圧と、前記印加電圧演算部副演算部で算出した前記三相モータへの印加電圧との比較に基づいて、前記印加電圧演算部正演算部の異常を判定することを特徴とする請求項11に記載のステアリング制御装置。
  15. 前記モータは、三相モータからなり、
    前記複数の正演算部は、前記三相モータの各相電流から変換された二軸直流電流をフィードバック制御する電流フィードバック制御部正演算部を含み、
    前記複数の副演算部は、前記電流フィードバック制御部正演算部の異常を判定するための電流フィードバック制御部副演算部を含むことを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
  16. 前記複数の副演算部は、前記複数の副演算部に対応する前記複数の正演算部と同一の演算により、前記複数の副演算部に対応する前記複数の正演算部の検算を行うことを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
  17. 前記複数の正演算部および前記複数の副演算部は、同一のマイクロコントローラ内に構成されたことを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
  18. 前記複数の正演算部は、第1のマイクロコントローラ内に構成され、
    前記複数の副演算部は、前記第1のマイクロコントローラとは異なる第2のマイクロコントローラ内に構成されたことを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
  19. 前記第1および第2のマイクロコントローラは、通信線を介して相互接続されており、
    前記複数の正演算部の異常判定に寄与する所定のデータは、前記通信線を介して、前記複数の副演算部に入力されることを特徴とする請求項18に記載のステアリング制御装置。
  20. 前記モータへの通電および遮断を制御する通電遮断制御部を備え、
    前記通電遮断制御部は、前記複数の副演算部により前記複数の正演算部のうちの少なくとも1つが異常と判定された場合には、前記モータへの通電を遮断することを特徴とする請求項1から請求項19までのいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
  21. 前記通電遮断制御部の通電遮断機能をチェックする通電遮断機能検査部を備え、
    前記通電遮断機能検査部は、
    前記ステアリング制御装置の起動後の前記モータの駆動制御が開始される前に、前記通電遮断制御部による前記モータへの通電遮断機能を少なくとも1回チェックし、
    前記通電遮断機能が異常と判定された場合には、前記モータの駆動制御を禁止することを特徴とする請求項20に記載のステアリング制御装置。
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