JPH06219310A - コントローラのフェイルセーフ装置 - Google Patents

コントローラのフェイルセーフ装置

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JPH06219310A
JPH06219310A JP5009387A JP938793A JPH06219310A JP H06219310 A JPH06219310 A JP H06219310A JP 5009387 A JP5009387 A JP 5009387A JP 938793 A JP938793 A JP 938793A JP H06219310 A JPH06219310 A JP H06219310A
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signal
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吉典 山村
Hideki Sudo
秀樹 数藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】積分演算による誤差の蓄積に起因したフェイル
誤判定の畏れを解消し、より正確な故障判定を行なうこ
との出来るコントローラのフェイルセーフ装置を提供す
る。 【構成】メインとなる第1CPU4とサブとなる第2C
PU5に同じ入力信号θ、V、δRを与えて同じ制御演
算を行なわせ、第1CPU4の出力i1でアクチュエー
タ7を駆動する。また上記第1CPU4の出力i1と第
2CPU5の出力i2との誤差eiを減算器8で求め、誤
差eiが所定の許容レベルに入っているか否かによって
フェイル判定を故障判定器9で行なう。そして、第1C
PU4の後輪舵角サーボ演算部4−5から第2CPU5
の後輪舵角サーボ演算部5−5へ積分演算変数を送り、
それを第2CPU5における積分演算変数とすることに
より、各CPUの入力データ誤差による積分器の発散を
避けることができ、より正確な故障判断を可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、1つの制御対象に対
して複数(一般に2つ)のCPUを有するコントロー
ラ、例えば四輪操舵車両の後輪舵角を制御するコントロ
ーラ等のフェイルセーフ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】1つの制御対象に対して2つのCPUを
有するコントローラのフェイルセーフ装置の従来例とし
ては、例えば特開昭63−271540号公報に記載さ
れているものがある。上記の従来例に記載のように、車
両等の交通機関においては、コントローラの故障によっ
て誤制御や誤動作を生じることのないように、1つの制
御対象に対してメインとサブの2つのCPU(いわゆる
マイクロプロセッサ等の演算装置であり、RAM、RO
M等の付属物を含む)を用いて制御系を構成し、各々の
CPUで同じ演算を実行させ、両者の命令および処理デ
ータに不一致が生じた場合や、出力(制御対象を制御す
るための制御信号等)に所定の閾値以上の差が生じた場
合には、故障と判断して制御を停止する等のフェイルセ
ーフ機能を備えたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のコントローラのフェイルセーフ装置においては、次
のごとき問題があった。 (1)制御対象の状態を検出するセンサ等の出力は一般
にアナログ値であるため、通常は、A/D変換器を介し
てCPUにデータを取り込む。しかし、2つの独立した
CPUがA/D変換動作を行なう場合に、読み込みタイ
ミングのずれや各CPUのコンディション(例えば、A
/D変換の基準電圧)のわずかな違い、およびアナログ
信号に含まれるノイズの影響を考慮すると、各CPUが
A/D変換を行なったときに全く同じデータを共有でき
るとは言い難く、多少の誤差が発生する可能性が大き
い。制御した結果をフィードバックしないフィードフォ
ワード制御やフィードバック制御でも制御演算中に積分
演算が含まれていない制御であれば、上記のごとき多少
の誤差が生じても、その誤差が蓄積されないので、誤っ
たフェイル判定を生じる畏れは少ない。しかし、各CP
U内で行なわれる演算に、積分演算あるいは積分に相当
するフィルタ演算が存在した場合には、上記のような各
CPUに入力されるA/D変換データの差異がわずかで
も存在すると、それが蓄積されて行き、互いに比較した
い演算結果に大きな誤差が生じてしまう。例えば、メイ
ンとサブのCPUがあり、メインが実際の制御を担当す
るシステムにおいては、実際の制御をしていないサブの
CPUでは、指令値と実際の制御量とが一致していない
と積分の効果によって演算値を飽和するまで増大させて
しまう。そのため、メインとサブの演算結果を比較して
システムの故障判断を行なうフェイルセーフ装置におい
ては、各CPUに何の故障もないのに、フェイルと誤判
断してしまう畏れがある、という問題があった。なお、
積分演算は指令値と制御量との定常誤差をゼロにするた
めの有効な方法であり、上記のごとき問題があっても、
積分演算をなくすことは得策ではない。 (2)各CPUが入力データをサンプルした後、相互通
信で互いに入力データを比較し、大差がなければメイン
CPUの入力データをサブCPUに送り、サブCPUは
メインCPUから送られてきた入力データを基にして計
算を行なうように構成されたシステムでは、相互の入力
データが同じである限り前述した積分演算の問題は生じ
ない。しかし、この方式の装置においては、ただ1回の
通信エラーが生じただけで、積分演算の蓄積が生じて定
常的なオフセットが残る。すなわち、通信エラーが基に
なってCPUシステムの故障が生じてしまうことにな
る、という問題があり、信頼性の面からも得策とは言え
ない。
【0004】本発明は上記のごとき従来技術の問題を解
決するためになされたものであり、積分演算による誤差
の蓄積に起因したフェイル誤判定の畏れを解消し、より
正確な故障判定を行なうことの出来るコントローラのフ
ェイルセーフ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するように
構成している。すなわち、請求項1に記載の発明におい
ては、下記第1の操作信号に応じて動作し、制御対象を
操作するアクチュエータと、上記アクチュエータの動作
状態を検出するセンサと、上記制御対象を所望の状態に
制御するための指令値を出力する指令値発生手段と、上
記センサからの信号と上記指令値とに基づいて上記第1
の操作信号を演算する第1の演算手段と、上記センサか
らの信号と上記指令値とに基づいて第2の操作信号を演
算する第2の演算手段と、上記第1の操作信号と上記第
2の操作信号とに基づいて上記第1の演算手段もしくは
上記第2の演算手段の故障を判断する故障判断手段と、
を備え、かつ、上記第1の演算手段と上記第2の演算手
段は、演算内容に積分演算もしくは積分演算と等価な動
作を行なうフィルタ演算を有するものであり、上記第1
の演算手段から上記第2の演算手段へ積分演算変数もし
くはフィルタ演算変数を送り、それを上記第2の演算手
段の積分演算変数もしくはフィルタ演算変数とするよう
に構成している。なお、上記アクチュエータは、例えば
後記図1の実施例におけるアクチュエータ7に相当し、
上記センサは、同じく後輪舵角センサ3に相当し、上記
指令値発生手段は、同じく後輪舵角指令演算部4−4、
5−4に相当し、上記第1の演算手段は、同じく後輪舵
角サーボ演算部4−5に相当し、上記第2の演算手段
は、同じく後輪舵角サーボ演算部5−5に相当し、上記
故障判断手段は、同じく減算器8と故障判定器9に相当
する。
【0006】また、請求項3に記載の発明においては、
第1の操作信号と下記第2の操作信号とを平均した値を
第3の操作信号として出力する平均手段と、上記第3の
操作信号に応じて動作し、制御対象を操作するアクチュ
エータと、上記アクチュエータの動作状態を検出するセ
ンサと、上記制御対象を所望の状態に制御するための指
令値を出力する指令値発生手段と、上記センサからの信
号と上記指令値と上記第3の操作信号とに基づいて上記
第1の操作信号を演算する第1の演算手段と、上記セン
サからの信号と上記指令値と上記第3の操作信号とに基
づいて上記第2の操作信号を演算する第2の演算手段
と、上記第1の操作信号と上記第2の操作信号とに基づ
いて上記第1の演算手段もしくは上記第2の演算手段の
故障を判断する故障判断手段と、を備えるように構成し
ている。なお、上記平均手段は、例えば後記図16の実
施例における平均値回路13に相当する。
【0007】
【作用】請求項1に記載の発明においては、メインとな
る第1の演算手段とサブとなる第2の演算手段に同じ入
力信号を与えて同じ制御演算を行なわせ、第1の演算手
段の出力でアクチュエータを駆動する。また第1の演算
手段の出力と第2の演算手段の出力との誤差を求め、そ
の誤差が所定の許容レベルに入っているか否かによって
フェイル判定を故障判断手段で行なう。そして、第1の
演算手段の積分演算部の出力変数を第2の演算手段の積
分演算の内部変数とすることにより、各演算手段の入力
データ誤差による積分器の発散を避け、より正確な故障
判断を可能にしたものである。また、請求項3に記載の
発明においては、2つの演算手段の演算出力の平均値で
アクチュエータを制御し、かつ、その平均値を各演算手
段に送るように構成したものである。このように構成し
たことにより、各演算手段で行なう演算結果をアクチュ
エータの動作に反映させることが出来ると共に、各演算
手段の入力データ誤差による積分器の発散を避けること
が出来、より正確な故障判断が可能になる。
【0008】
【実施例】以下、この発明を図面に基づいて説明する。
図1および図2は、この発明の第1の実施例を示す図で
あり、図1は制御系全体のブロック図、図2は機構部分
の斜視図である。なお、この実施例は、本発明を四輪操
舵車両の後輪舵角を制御するコントローラに適用した例
を示す。図1において、1は運転者によって操作される
ステアリングホイールの操舵角θを検出する操舵角セン
サ、2は車速Vを検出する車速センサ、3は後輪舵角δ
Rを検出する後輪舵角センサである。また、4はメイン
CPUとなる第1CPUであり、その内部機能として、
操舵角信号処理部4−1、車速信号処理部4−2、後輪
舵角信号処理部4−3、後輪舵角指令演算部4−4およ
び後輪舵角サーボ演算部4−5を示している。また、5
はサブCPUとなる第2CPUであり、その内部機能と
して、操舵角信号処理部5−1、車速信号処理部5−
2、後輪舵角信号処理部5−3、後輪舵角指令演算部5
−4および後輪舵角サーボ演算部5−5を示している。
また、6は電流制御アンプ、7は後輪の舵角を操作する
後輪操舵アクチュエータ、8は減算器、9は故障判定
器、10はリレー開閉装置、11はリレーである。な
お、上記の操舵角信号処理部4−1、5−1、車速信号
処理部4−2、5−2、後輪舵角信号処理部4−3、5
−3は、それぞれ操舵角センサ1、車速センサ2、後輪
舵角センサ3の信号をCPUで処理することが出来る信
号に変換する部分であり、例えば、センサがエンコーダ
の場合は処理部はパルスカウンタ、センサがタコジェネ
レータの場合は処理部はA/D変換器を用いることが出
来る。さらにCPU内のソフトウエアで処理することも
可能であり、その場合には各処理部はレベル読み込みポ
ートとなる。また、図2は上記後輪操舵アクチュエータ
7の部分を示しており、7−1はモータ、7−2はウォ
ームギヤ、7−3はウォームホイール、7−4はピニオ
ンギヤ、7−5はラック、7−6はタイロッド、7−7
はナックルアーム、7−8は後輪のタイヤである。
【0009】次に作用を説明する。本実施例において
は、第1CPU4と第2CPU5の2個のCPUを備
え、第1CPU4が主に実際の制御を行なう。すなわ
ち、第1CPU4から出力された値を用いて後輪操舵ア
クチュエータ7を制御する。第1CPU4に入力する信
号は、操舵角θ、車速V、後輪舵角δRである。これら
の信号は操舵角信号処理部4−1、車速信号処理部4−
2、後輪舵角信号処理部4−3の各信号処理部を通して
第1CPU4に入力される。第1CPU4の演算は2つ
の過程に分かれており、1つは後輪舵角指令演算部4−
4であり、他の1つは後輪舵角サーボ演算部4−5であ
る。後輪舵角指令演算部は4−4は、操舵角信号処理部
4−1と車速信号処理部4−2を通して得られた操舵角
θと車速Vから後輪舵角指令値δ1Rを演算する。この演
算については、例えば公知の特開昭61−67665号
公報(特願昭59−188153号)または「“四輪操
舵車の新しい制御法”計測自動制御学会論文集Vol.
23,No.8 昭和62年8月」に記載されている。
次に、後輪舵角サーボ演算部4−5は、後輪舵角信号処
理部4−3を通して入力される実際の後輪舵角δRと上
記の後輪舵角指令値δ1Rとから、実際の後輪舵角δR
指令値δ1Rに追従させるための電流指令値i1を演算す
る。この演算には、少なくとも積分演算が含まれてい
る。なお、一般的には、比例演算と積分演算と微分演算
とを組み合わせた、いわゆるPID演算が用いられる。
このようなPID演算については、例えば、公知の文献
「“ディジタル制御システム”下巻第444頁〜第44
5頁、1984年4月10日、第1刷発行、ホルト・サ
ウンダース・ジャパン社」に記載されている。また、電
流制御アンプ6は、後輪操舵アクチュエータ7に流す電
流iを電流指令値i1に追従させる。また、後輪操舵ア
クチュエータ7は、例えば図2に示すように、モータ7
−1に上記の電流iが流れるとトルクが発生し、ウォー
ムギヤ7−2を介して、ウォームホイール7−3が回転
する。このウォームホイール7−3と同軸上にはピニオ
ンギヤ7−4が連結されており、これによってラック7
−5を左右に動かす。そしてラック7−5がタイロッド
7−6を介してナックルアーム7−7を押し引きするこ
とにより、後輪のタイヤ7−8が左右に操舵されるよう
になっている。
【0010】次に、第2CPU5の動作を説明する。第
2CPU5は、サブCPUであり、コントローラの故障
判断のために設置するものである。すなわち、第1CP
U4と第2CPU5とに同じ操舵角θ、車速V、後輪舵
角δRを入力し、第1CPU4の出力である電流指令値
1と第2CPU5の出力である電流指令値i2との誤差
iを減算器8で求め、誤差eiが所定の許容レベルに入
っているか否かを故障判定器9で判定する。そして誤差
iが所定の許容レベル以上の場合には故障であると判
定し、リレー開閉装置10に信号を送ってリレー11を
オフにすることにより、後輪操舵アクチュエータ7への
電源を遮断し、後輪の操舵制御を停止する。なお、δ2R
は、第2CPU5の後輪舵角指令演算部5−4で求めた
後輪舵角指令値である。
【0011】次に、図1においては、第1CPU4の後
輪舵角サーボ演算部4−5から第2CPU5の後輪舵角
サーボ演算部5−5へ積分演算変数を送るようになって
いるので、この点について説明する。まず、本実施例の
特性を説明するために、第1CPU4の後輪舵角サーボ
演算部4−5と、第2CPU5の後輪舵角サーボ演算部
5−5とにおける制御則として、周知のPID制御を用
いた場合について説明する。図3は、従来例について上
記のようにPID制御を用いた場合の構成を示すブロッ
ク図である。図3において、KI/Sは積分演算、KP
比例演算、KD・Sは微分演算を示す。なお、ここでは
簡単化のため、2つのCPUにおける後輪舵角指令値δ
1Rとδ2Rは等しいものとし、第2CPU5に入力される
実際の後輪舵角δR′にはA/D変換等による誤差によ
ってΔだけのオフセットが加わっているものとして説明
する。すなわち、δ1R=δ2R、δR′=δR+Δとする。
【0012】図4は上記のように設定した場合における
従来例のシミュレーション結果を示す特性図である。図
4に示すように、従来例では、第2CPU5に入力され
る後輪舵角δR′にΔのオフセットがあるため、電流指
令値i2は発散している。したがって減算器8の出力ei
がゼロとならず、故障判定器9はフェイルと誤判定して
しまう。
【0013】上記のごとき従来技術の問題を解決するた
め、図5に示すように、第2CPU5の積分演算の入力
信号e2として第1CPU4の積分演算の入力信号e1
同じものを与え、第2CPU5ではこの信号に基づいて
積分演算を実行することが考えられる。このようにすれ
ば、第2CPU5の入力データと第1CPU4の入力デ
ータに多少の誤差があっても、積分による蓄積は生じな
い。しかし、上記の第1CPU4から第2CPU5へ入
力信号e1を送るルートに通信エラーがあった場合に
は、その回数に応じて第2CPU5の電流指令値i2
オフセットが生じて行くという問題がある。そのため、
本実施例においては、積分演算のフィードバック信号を
第1CPU4から第2CPU5へ送る構成とした。図6
は、積分演算をディジタルコンピュータで行なう場合の
オイラー積分手法を用いて、積分演算部分(KI/Sの
部分)を展開したブロック図である。図6において、1
/Sの部分が積分器であり、KIの部分が利得部であ
る。入力をe(k)とした場合における積分演算KI/S
の出力yi(k)は下記数1式で示される。 y(k)=y(k−1)+Δt・e(k−1) yi(k)=KI・y(k) …(数1) ただし y(k):積分器出力 Δt:制御周期 図6から、積分演算にはZ~1を経由してy(k)のフィ
ードバックが行なわれていることが判る。したがって、
図5のように、第1CPU4からe1を送信した場合に
は、通信エラーでe(k)に誤った信号が入力される
と、以後ずっとその影響は出力yi(k)に反映されてし
まう。そこで、図7に示すように、第2CPU5におけ
る上記のZ~1を経由したフィードバックループを切断
し、第1CPU4の積分器出力y1(k)を第2CPU5
の積分演算のy1(k)として与えるように構成すれば、
仮に通信エラーが生じても次に正しい値を受けとった時
点で過去の通信エラーの影響が消されることになる。ま
た、第1CPU4で故障が生じて、誤ったy1(k)が送
られてきた場合には、e2(k)そのものは第2CPU5
で演算されたものであるから、第2CPU5の出力と第
1CPU4の出力には誤差が生じるので、故障の判断は
確実に行なうことが出来る。
【0014】図8は、上記図7に示した構成による本実
施例のブロック図である。図8においては、第1CPU
4の積分演算部KI/Sの積分器の出力y1(k)が第2
CPU5へ送られるように構成されている。なお、図8
における第2CPU5の積分演算部の詳細は、前記図7
と同様である。図9は、図8の実施例のシミュレーショ
ン結果を示す特性図である。図9から判るように、本実
施例では、第2CPU5に入力する実際の後輪舵角
δR′にA/D変換等による誤差が加わっていた場合で
も電流指令値i2は発散しない。したがって誤判定を生
じることがない。
【0015】次に、図10は、本発明の第2の実施例の
ブロック図である。この実施例は、ロバスト補償器を用
いた後輪舵角コントローラに本発明を適用した例であ
る。なお、ロバスト補償器を用いたコントローラとして
は、例えば「“デルタ演算子を用いて設計したロバスト
な自動車用位置決めサーボ系の制御器”計測自動制御学
会論文集 VOl.27,No.6」に記載されている。
【0016】図10において、図示した後輪舵角センサ
3、第1CPU4、第2CPU5、電流制御アンプ6、
後輪操舵アクチュエータ7、減算器8、故障判定器9、
リレー開閉装置10、リレー11の部分、および図示し
ない操舵角センサ1、車速センサ2の部分は、前記図1
と同様であり、第1CPU4と第2CPU5の内部の機
能が図1とは異なっている。図10において、Hは定常
ゲイン1のローパスフィルタ、B、R、Lはそれぞれ所
定の特性を有するディジタルフィルタである。
【0017】図11は、図10の実施例における片方分
(第1CPU4または第2CPU5のいずれか一方分)
の後輪舵角サーボ演算系を示すブロック図である。図1
1において、一点鎖線で囲んだ部分12はロバスト補償
器、Pは制御対象(図10の電流制御アンプ6と後輪操
舵アクチュエータ7の部分に相当)、P0は制御対象P
のノミナルモデル、Hは定常ゲイン1のローパスフィル
タである。そして、制御対象Pを下記数2式で表し、δ
RRからδR(δRRは後輪舵角指令値、δRは後輪の実舵
角)までの規範伝達特性(規範モデル)Gmを下記数3
式で表した場合に、
【0018】
【数2】
【0019】
【数3】
【0020】ディジタルフィルタB、R、Lの特性を、
下記数4、数5式を満たすように決定することにより、
δからδまでの伝達特性をGmに一致させることができ
る。 RA(Z~1)+Z~10LQ(Z~1)=Am(Z~1) …(数4)
【0021】
【数5】
【0022】また、ロバスト補償器12を付加したこと
により、外乱や制御対象のパラメータ変動が後輪実舵角
δRに与える影響を押さえている。例えば、外乱dが図
11に示した位置に加わり、しかも制御対象PはP0
らP0(1+ΔP)にパラメータ変動を起こしているとす
る(ただしΔPは制御対象のパラメータ変動)。このと
きrxに対する出力δRは下記数6式に示すようになる。
【0023】
【数6】
【0024】したがって、H=1が成立するような周波
数領域では、 δR=P0x が成立し、rxからδRまで特性はP0に一致する。
【0025】なお、本制御系では、表面上は積分器は現
われないが、図11に破線で示したループは等価変換に
よって積分器と同等の性質を有することがわかる。すな
わち、図12に示すように、Hは定常ゲイン1であるか
ら、1/(1−H)は定常ゲインが無限大であり、積分
と等価である。したがって、本制御系の構成を用いて前
記図1と同様にメインとサブの2つのCPUでシステム
を構成した場合には、前記と同様の問題が生じる。その
ため、本実施例においては、前記図7に示したのと同様
に、第2CPU5の積分のフィードバックループを切
り、第1CPU4からの信号を与えるようにしている。
具体的には、図10において、第1CPU4の出力i1
を第2CPU5のローパスフィルタHの入力として与え
ている。なお、図13はその部分のみを示したブロック
図である。
【0026】図14は、従来例のシミュレーション結果
を示した特性図、図15は、本実施例のシミュレーショ
ン結果を示した特性図である。なお、この特性は、第2
CPU5に入力されるδR′として、前記第1の実施例
と同様に、Δのオフセットを加えた場合を示す。図14
の従来例においては、オフセットΔのために第2CPU
5の電流指令値i2が発散している。一方、図15に示
す本実施例では、第2CPU5の電流指令値i2の発散
はなく、オフセットΔに応じた出力誤差が得られてい
る。したがって誤判定を生じることがない。
【0027】次に、図16は、本発明の第3の実施例を
示すブロック図である。図16において、13は平均値
回路であり、その他の部分は前記図1の同符号を付した
部分と同じである。図1の実施例と異なるところは、本
実施例においては、第1CPU4の後輪舵角サーボ演算
部4−5の演算結果である電流指令値i1と第2CPU
5の後輪舵角サーボ演算部5−5の演算結果である電流
指令値i2との平均値を平均値回路13で求め、その平
均値を制御演算結果として電流制御アンプ6を介して後
輪操舵アクチュエータ7を駆動するようにすると共に、
上記の平均値をそれぞれ後輪舵角サーボ演算部4−5と
後輪舵角サーボ演算部5−5へ送り、それらの演算部に
おける演算に用いるように構成したことである。この実
施例における片方分(第1CPU4または第2CPU5
のいずれか一方分)の後輪舵角サーボ演算系は、前記図
11と同様に表すことが出来る。したがって、そのよう
な制御系を用いて、第1CPU4の出力でのみアクチュ
エータの制御を行い、第2CPU5の出力は、フェイル
判断のための比較用として用いる構成を取った場合に
は、仮に双方の後輪舵角指令値が同一であっても、双方
のCPUで後輪舵角のA/D変換値にオフセットが僅か
でもあると、図18にシミュレーション結果を示すよう
に、第2CPU5側の出力が発散するので、故障判定器
9は、直ちにフェイル状態と誤判定してしまう。上記問
題点は、第2CPU5で演算した値が、後輪舵角に全く
反映されない構成となっているために起こる。したがっ
て本実施例においては、図16に示すように、第1CP
U4で演算した電流指令値i1と第2CPU5で演算し
た電流指令値i2との平均値を平均値回路13で求め、
その平均値を電流制御アンプ6に対する電流指令値と
し、第1CPU4と第2CPU5の両方共、自己の演算
結果がアクチュエータの動作に反映されるように構成し
ている。
【0028】図17は、図16における第1CPU4と
第2CPU5の部分、および平均値回路13の部分を示
すブロック図である。図17に示すように、第1CPU
4で演算した電流指令値i1と第2CPU5で演算した
電流指令値i2とが、平均値回路13の加算器で加算さ
れ、ゲイン1/2のアンプを通ることによって平均値が
求められる。そしてその平均値が制御対象Pに与えられ
ると共に、両方のCPUのロバスト補償器を構成するロ
ーパスフィルタHの入力となっている。なお、具体的に
は、制御対象P内の電流制御アンプ6に入力される電流
指令値をA/D変換したものをローパスフィルタHへ入
力するように構成する。図19は、本実施例のシミュレ
ーション結果を示す特性図である。なお、ここでは簡単
化のため、2つのCPUにおける後輪舵角指令値δ1R
δ2Rは等しいものとし、第2CPU5に入力される実際
の後輪舵角δR′にはA/D変換等による誤差によって
Δだけのオフセットが加わっているものとして説明す
る。すなわち、δ1R=δ2R、δR′=δR+Δとする。図
19から判るように、本実施例の場合は、i1とi2とは
等しくなり、したがって減算器8の出力ei(ei=i1
−i2)は一定値となり、フェイル誤判定が生じること
はない。
【0029】次に、これまでの説明においては、制御演
算系に積分演算を含む場合の問題点を解決するものにつ
いて説明したが、制御演算系に微分演算を含む場合にも
フェイル誤判定を生じる場合がある。以下、説明する。
例えば、特開平1−134601号公報に記載されてい
るように、複数のCPUを用いたコントローラのエラー
監視および修正に関する技術として、制御の中間結果を
複数の同期化されたCPU間でやりとりし、その中間結
果の偏差に基づいてエラー判断を行なうものがある。し
かしながら、このような従来のコントローラのフェール
セーフ装置においては、中間結果を算出するロジック
に、入力に対して微分的な演算を行なうものが含まれて
いた場合には、各CPU間の僅かな入力タイミングのず
れによって中間結果に偏差を生ずる場合があり、演算プ
ロセスにエラーがないにもかかわらず誤フェール状態に
陥る畏れがある、という問題点があった。
【0030】以下、上記のごとき問題を解決する実施例
を説明する。図20および図21は、一実施例を示す図
であり、図20は、車両の後輪舵角制御に適用した場合
の全体構成を示す模式図、図21はコントローラ内の構
成を示すブロック図である。まず、図20において、ス
テアリングホイール31による回転運動はコラムシャフ
ト32によってギアボックス33に伝達され、タイロッ
ド34の直線運動に変換される。タイロッド34の直線
運動はナックルアーム35の揺動運動に変換され、それ
によって前輪36が転舵される。この際、コラムシャフ
ト32の回転角度は、操舵角センサ45によってコント
ローラ38に伝達される。車両41には、車両の前後方
向速度を検出する車速センサ37、コントローラ38、
サーボアクチュエータ39が搭載されており、サーボア
クチュエータ39にはギアボックス40が接続されてい
る。そしてサーボアクチュエータ39の運動は、ギアボ
ックス40、タイロッド44、ナックルアーム43を介
して後輪42に伝達され、後輪の舵角を制御する。な
お、後輪実舵角センサ47は後輪の実際の舵角を検出す
るセンサである。
【0031】図21は、上記のコントローラ38の内容
を示すブロック図である。図21において、第1操舵角
値算出部101は、操舵角センサ45の信号に基づいて
第1操舵角値θS1を算出する。また、第1車速値算出部
102は、車速センサ37の信号に基づいて第1車速値
1を算出する。そして第1目標後輪舵角算出部103
は、第1操舵角値θS1と第1車速値V1から第1目標後
輪舵角δR1を算出する。また、第2操舵角値算出部20
1、第2車速値算出部202、第2目標後輪舵角算出部
203は、上記と全く同様の構成であり、それぞれ第2
操舵角値θS2、第2車速値V2、第2目標後輪舵角δR2
を算出する。また、後輪舵角サーボ演算部104は、後
輪実舵角センサ47によって検出された後輪実舵角δR
を第1目標後輪舵角δR1に追従させるために、サーボア
クチュエータ39に供給する目標電流値iSを算出す
る。また、電流アンプ108は、後輪舵角サーボ演算部
104によって算出された目標電流値iSに従った電流
iをサーボアクチュエータ39に供給する。また、診断
部105は、第1目標後輪舵角δR1と第2目標後輪舵角
δR2の差から、コントローラの演算プロセスを診断し、
その差が所定値以上である場合に異常と判断し、F/S
信号を出力する。そしてF/Sリレー106は、診断部
105からF/S信号が与えられるとオフになり、バッ
テリ107から電流アンプ108への電流供給を遮断す
る。第1目標後輪舵角算出部103と第2目標後輪舵角
算出部203は同一の構成をとっている。そして、第1
目標後輪舵角δR1は下記数7式で求められる。 δR1=θs1・K1(V1)+Sθs1・K2(V1)+S2θs1・K3(V1)…(数7) ただし、S:微分オペレータ K1、K2、K3:車速V1毎に設定される比例定数 (車両運動の安定性と応答性を向上させるように適宜設
定した値) 第2目標後輪舵角δR2についても同様に下記数8式で求
められる。 δR2=θs2・K1(V2)+Sθs2・K2(V2)+S2θs2・K3(V2)…(数8) 上記のような算出法を用いた場合、第1操舵角値θs1
第2操舵角値θs2の微分項の定数(K2、K3)の設定如
何によっては、速い操舵が行なわれた場合に、操舵角セ
ンサ45からの信号の僅かな取り込みタイミングのずれ
や車速値Vの僅かなずれに起因して、図22に示すよう
に、δR1とδR2には大きな偏差が生ずる場合がある。そ
のような場合には、各演算プロセスは正常であるにもか
かわらず、診断部105が異常と誤判断し、フェール信
号を発生してしまう。しかし、図22から判るように、
各センサ信号の取り込みタイミングがずれた場合でも、
演算プロセスが正常である限り、δR1とδR2は時系列的
にわずか(演算サイクル間隔程度)のずれが生じるのみ
であり、全体としてややずれた波形になる。そのため、
例えば、時点TにおけるδR2の値δR2(T)と同じく時
点TにおけるδR1の値δR1(T)とを比較すれば、偏差
は大きいが、δR2(T)と1ステップ前のδR1(T−1)
との偏差は非常に小さい。したがって、現在の値では偏
差が大きい場合でも、過去の演算サイクルを数ステップ
遡って比較し、その値が小さい場合には異常と見做さな
いように構成すれば、誤判定を避けることが出来る。上
記のごとき知見に基づき、本実施例においては、診断部
105は、現在の演算サイクルで算出された第1目標後
輪舵角δR1(制御の中間結果)と、現在から過去の所定
ステップまでの演算サイクルで算出された何れかの第2
後輪舵角目標値δR2(制御の中間結果)との差が所定の
値より小さい組み合わせが存在するか、或いは現在の演
算サイクルで算出された第2後輪舵角目標値δR2と、現
在から過去の所定ステップまでの演算サイクルで算出さ
れた何れかの第1目標後輪舵角δR1との差が所定の値よ
り小さい組み合わせが存在する場合には、コントローラ
の計算プロセスは正常であると判断するように構成して
いる。図23は、上記診断部105における演算内容を
示すフローチャートである。図23において、εδは正
常−異常判定の閾値、Nは過去に遡る所定ステップの数
である。上記のように構成することにより、コントロー
ラの信頼性を保ちつつ、誤フェールの発生を抑えること
ができる、という効果が得られる。
【0032】なお、以上の説明は、2CPUシステムを
想定したものであるが、一般的な複数CPUシステムに
対しても応用可能であり、かつ、1CPUシステム内で
演算プロセスを多重化した場合にも応用可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、第1CPU(メイン)と第2CPU(サブ)で同じ
演算を行なわせ、かつ、第2CPUの積分動作による入
力誤差の蓄積を避けるような信号を第1CPUから第2
CPUに送るように構成したことにより、各CPUの入
力データ誤差による積分器の発散を避けることができ、
より正確な故障判断が可能になる。また、多少の通信エ
ラーが生じてもサブCPUがメインCPUから正しいデ
ータをもらった時点で各CPUの出力を一致させること
ができる、という効果が得られる。また、2つのCPU
の演算出力の平均値でアクチュエータを制御し、かつ、
その出力を各CPUに送るように構成したものにおいて
は、各CPUで行なう演算結果をアクチュエータの動作
に反映させることが出来ると共に、各CPUの入力デー
タ誤差による積分器の発散を避けることが出来、より正
確な故障判断が可能になる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のブロック図。
【図2】本発明の第1の実施例の機構部の斜視図。
【図3】従来の演算部をPID制御で構成した場合のブ
ロック図。
【図4】図3の従来例におけるシミュレーション結果を
示す特性図。
【図5】積分演算による誤差の蓄積を避けるためのPI
D制御系の一例のブロック図。
【図6】従来の積分演算系を示すブロック図。
【図7】第1の実施例における積分演算系のブロック
図。
【図8】第1の実施例をPID制御系に適用した場合の
ブロック図。
【図9】第1の実施例におけるシミュレーション結果を
示すブロック図。
【図10】本発明の第2の実施例のブロック図。
【図11】第2の実施例における制御演算系を示すブロ
ック図。
【図12】第2の実施例における積分演算系を示すブロ
ック図。
【図13】第2の実施例における第1CPUから第2C
PUへの信号伝達経路を示すブロック図。
【図14】従来例におけるシミュレーション結果を示す
ブロック図。
【図15】第2の実施例におけるシミュレーション結果
を示すブロック図。
【図16】本発明の第3の実施例のブロック図。
【図17】第3の実施例における制御演算系を示すブロ
ック図。
【図18】従来例におけるシミュレーション結果を示す
ブロック図。
【図19】第3の実施例におけるシミュレーション結果
を示すブロック図。
【図20】微分演算による誤判断を解消するための一実
施例の模式図。
【図21】微分演算による誤判断を解消するための一実
施例のブロック図。
【図22】微分演算のタイミングのずれによる目標後輪
舵角δRの演算値のずれを示す特性図。
【図23】図21の実施例の診断部105における演算
内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…操舵角センサ 4−1、5−1…操
舵角信号処理部 2…車速センサ 4−2、5−2…車
速信号処理部 3…後輪舵角センサ 4−3、5−3…後
輪舵角信号処理部 4…第1CPU(メインCPU) 4−4、5−4…後
輪舵角指令演算部 5…第2CPU(サブCPU) 4−5、5−5…後
輪舵角サーボ演算部 6…電流制御アンプ 7−1…モータ 7…後輪操舵アクチュエータ 7−2…ウォームギ
ヤ 8…減算器 7−3…ウォームホ
イール 9…故障判定器 7−4…ピニオンギ
ヤ 10…リレー開閉装置 7−5…ラック 11…リレー 7−6…タイロッ
ド 12…ロバスト補償器 7−7…ナックル
アーム 13…平均値回路 7−8…後輪のタ
イヤ θ…操舵角 i1、i2…電流指令値 V…車速 ei…誤差 δR…実際の後輪舵角 Δ…オフセット δ1R、δ2R…後輪舵角指令値

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記第1の操作信号に応じて動作し、制御
    対象を操作するアクチュエータと、 上記アクチュエータの動作状態を検出するセンサと、 上記制御対象を所望の状態に制御するための指令値を出
    力する指令値発生手段と、 上記センサからの信号と上記指令値とに基づいて上記第
    1の操作信号を演算する第1の演算手段と、 上記センサからの信号と上記指令値とに基づいて第2の
    操作信号を演算する第2の演算手段と、 上記第1の操作信号と上記第2の操作信号とに基づいて
    上記第1の演算手段もしくは上記第2の演算手段の故障
    を判断する故障判断手段と、を備え、 かつ、上記第1の演算手段と上記第2の演算手段は、演
    算内容に積分演算もしくは積分演算と等価な動作を行な
    うフィルタ演算を有するものであり、上記第1の演算手
    段から上記第2の演算手段へ積分演算変数もしくはフィ
    ルタ演算変数を送り、それを上記第2の演算手段の積分
    演算変数もしくはフィルタ演算変数とするように構成し
    たことを特徴とするコントローラのフェイルセーフ装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のコントローラのフェイル
    セーフ装置において、上記第1の演算手段から上記第2
    の演算手段へ送る演算データは、積分演算の出力値また
    は積分演算と等価な動作を行なうフィルタ演算の出力値
    であり、それを上記第2の演算手段の積分演算変数もし
    くはフィルタ演算変数とすることを特徴とするコントロ
    ーラのフェイルセーフ装置。
  3. 【請求項3】下記第1の操作信号と下記第2の操作信号
    とを平均した値を第3の操作信号として出力する平均手
    段と、 上記第3の操作信号に応じて動作し、制御対象を操作す
    るアクチュエータと、 上記アクチュエータの動作状態を検出するセンサと、 上記制御対象を所望の状態に制御するための指令値を出
    力する指令値発生手段と、 上記センサからの信号と上記指令値と上記第3の操作信
    号とに基づいて上記第1の操作信号を演算する第1の演
    算手段と、 上記センサからの信号と上記指令値と上記第3の操作信
    号とに基づいて上記第2の操作信号を演算する第2の演
    算手段と、 上記第1の操作信号と上記第2の操作信号とに基づいて
    上記第1の演算手段もしくは上記第2の演算手段の故障
    を判断する故障判断手段と、を備えたことを特徴とする
    コントローラのフェイルセーフ装置。
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