JP4896527B2 - 原子力プラントの制御棒水圧供給システム - Google Patents

原子力プラントの制御棒水圧供給システム Download PDF

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Description

本発明は自然循環型沸騰水型原子炉を有する原子力プラントに関する。
沸騰水型原子炉を有する原子力プラントは、制御棒駆動系と、原子炉冷却材浄化系(以下、CUW系という)とを有している。
制御棒駆動系は制御棒駆動機構と制御棒駆動水圧系とから構成される。制御棒駆動機構は炉心を収容する圧力容器下部に設置され、制御棒を炉心に挿入又は引き抜きし、制御棒駆動水圧系は制御棒駆動機構を作動させる。制御棒駆動機構が電動駆動式の場合、制御棒駆動水圧系は、緊急停止(スクラム)時に制御棒を急速挿入するために使用する充填水を制御棒駆動機構に供給するラインと、制御棒駆動機構へのゴミの噛み込みを防ぐとともに冷却水として作用するパージ水を制御棒駆動機構に供給するラインとを有し、充填水とパージ水を制御棒駆動水ポンプによって供給する。また、制御棒駆動機構が水圧駆動式の場合、上記の充填水の供給ライン、パージ水の供給ラインに加え、制御棒を駆動して炉心の反応を制御する駆動水を制御棒駆機構に供給するラインを有している。
CUW系は原子炉冷却剤の水質維持を主目的とし、原子炉圧力容器から取水した炉水を、CUWポンプを使用して循環させてろ過脱塩装置によって浄化する設備であり、プラント通常運手時・停止時における冷却剤中の腐食生成物・核分裂生成物・溶解性無機物質などの除去機能、及び原子炉起動時など給水制御設備が機能しないときの原子炉水位制御機能を有する。
一方、沸騰水型原子炉にはインターナルポンプを廃した自然循環型があり、特開平10−268077号公報には、この自然循環型において、通常運転時にスクラム用の制御棒を炉心上方に保持し、スクラム時に制御棒を炉心上方から主に重力の作用によって炉心内に挿入する構成が提案されている。
この構成を採用した場合、スクラム時に制御棒を炉心下方から急速挿入するために備えられていた、スクラム用の充填水を供給するための強力な水圧制御ユニットが不要になり、制御棒駆動水圧系の簡略化が可能になる。また、自然循環型であるため、インターナルポンプへのパージ水の供給も不要となる。
特開平10−268077号公報
以上のように従来の自然循環型原子炉を備えた原子力プラントでは、スクラム時の充填水を供給するための強力な水圧制御ユニットが不要になり、制御棒駆動水圧系を簡素化した制御棒水圧系を構成することが可能となる。しかし、原子力プラント全体の構成に関しては、制御棒水圧系と別にCUW系を備える構成であり、それ以上の簡素化は検討されていなかった。
原子力プラントでは信頼性の維持、向上の他に、建設コスト低減による競争力の向上も必要である。また、建設コスト低減のための原子力プラントの簡素化は、動的機器物量を低減させ、メンテナンス作業の軽減や廃棄物量低減にもつながってくる。この観点から、自然循環型原子炉を備えた原子力プラントにおいて、機器の一部を兼用するなどして建設コスト低減や動的器物量の削減を行うことができれば、好都合である。
本発明の目的は、自然循環型原子炉を備えた原子力プラントにおいて、制御棒水圧系及びCUW系の機能を維持しながら、動的機器を削減して原子力プラントの信頼性を向上するとともに、メンテナンス作業・廃棄物量を低減して原子力プラントの建設・維持コストの低減も行える原子力プラントの制御棒水圧供給システムを提供することである。
(1)本発明は、上記目的を達成するために、燃料を有する炉心と、前記炉心を収納する圧力容器と、前記炉心の反応を制御する制御棒と、前記圧力容器下部に設置され前記制御棒を前記炉心に挿入又は引き抜きする制御棒駆動機構とを備え、スクラム時に前記制御棒を重力落下にて前記炉心内へ挿入する自然循環型沸騰水型原子炉を有する原子力プラントの制御棒水圧供給システムにおいて、原子炉冷却材浄化系ポンプが設けられた原子炉冷却材浄化系と、前記制御棒駆動機構へパージ水を供給する第1水圧ラインが設けられた制御棒水圧系とを有し、前記制御棒水圧系は前記原子炉冷却材浄化系ポンプの下流側に接続されており、前記原子炉冷却材浄化系ポンプは、前記制御棒駆動機構の駆動時及び停止時に、前記制御棒駆動機構へのパージ水を前記第1水圧ラインに供給するものとする。
このように、制御棒水圧系をCUW系ポンプの下流側に接続することにより、制御棒駆動機構が機能するために必要なパージ水の供給をCUW系ポンプによって行うことが可能となり、制御棒水圧系及びCUW系の機能を維持することができる。また、CUW系及び制御棒水圧系という2種類の系統における圧水の吐出をCUW系ポンプひとつで行うことにより動的機器を削減し、原子力プラントの信頼性を向上することができる。更に、動的機器物量が低減するので定期検査対象が減少し、メンテナンス作業が軽減できるとともに、機器交換などで発生する廃棄物量も減少し、原子力プラントの建設・維持コストを低減することができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記制御棒駆動機構は電動により駆動する制御棒駆動機構であるものとする。
これにより、電動により駆動する制御棒駆動機構を有する原子力プラントにおいて、制御棒水圧系及びCUW系の機能を維持しながら、動的機器を削減して原子力プラントの信頼性を向上するとともに、メンテナンス作業・廃棄物量を低減して原子力プラントの建設・維持コストの低減もできる。
(3)上記(1)において、好ましくは、前記制御棒駆動機構は水圧により駆動する制御棒駆動機構であり、前記制御棒水圧系は更に前記制御棒駆動機構へ駆動水を供給する第2水圧ラインを有するものとする。
これにより、水圧により駆動する制御棒駆動機構を有する原子力プラントにおいても、制御棒水圧系及びCUW系の機能を維持しながら、動的機器を削減して原子力プラントの信頼性を向上するとともに、メンテナンス作業・廃棄物量を低減して原子力プラントの建設・維持コストの低減もできる。
本発明によれば、自然循環型沸騰水型原子力プラントにおいて、プラントを構成する機器物量が低減し、原子力プラントの建設・維持コストを低減することができる。
以下、本発明に係わる原子力プラントの実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる自然循環型の沸騰水型原子炉を有する原子力プラントの制御棒水圧供給システムを示す概略図である。
図1において、原子力プラントは、自然循環型原子炉1と、制御棒水圧供給システム70を備え、制御棒水圧供給システム70は、原子炉冷却材浄化系100と、制御棒水圧系200を有している。
自然循環型原子炉1は、原子炉格納容器60内に配置され、かつ、燃料を有する炉心(図示せず)を収納する原子炉圧力容器2を備えている。この原子炉圧力容器2の下部には、制御棒を炉心に挿入又は引き抜きする制御棒駆動機構11が備えられている。この制御棒駆動機構11は、電動駆動式であり、常駆動時にはモータ(図示せず)によって駆動され、制御棒を炉心内へ挿入又は引き抜きし、スクラム時には制御棒を重力落下にて炉心内へ挿入する構成となっている。また、この原子炉圧力容器2の底部には底部ドレン吸込ライン29が、側壁には残留熱除去系吸込ライン28及び給水系ライン34が接続されており、頂部にあるヘッドスプレーノズル(図示せず)にはヘッドスプレーライン35が接続されている。底部ドレン吸込ライン28と底部ドレン吸込ライン29は、再生熱交換器3の上流側で原子炉冷却材浄化系(以下、CUW系という)100に接続され、CUW系100に炉水を供給している。
CUW系100は、原子炉冷却材の加熱・冷却を行う再生熱交換器3、原子炉冷却材を冷却する非再生熱交換器4、原子炉冷却材浄化系ポンプ(以下、CUW系ポンプという)5、昇圧ポンプ6、ろ過脱塩装置7を備えている。CUW系100は、まず原子炉圧力容器2に接続された残留熱除去系吸込ライン28及び底部ドレン吸込ライン29から原子炉冷却材として炉水を取水し、次に、この原子炉冷却材を、再生熱交換器3及び非再生熱交換器4によってろ過脱塩装置7に適した温度まで冷却した後、CUW系ポンプ5で昇圧し、ろ過脱塩装置7で非溶解性及び溶解性の不純物を除去する。CUW系の原子炉冷却材の出側は、再生熱交換器3を介して、原子炉圧力容器2に接続された給水系ライン34及びヘッドスプレーライン35に接続されており、浄化された原子炉冷却材は、通常時は再生熱交換器3で加熱された後、給水系ライン34によって原子炉圧力容器2内へ還元される。また、CUW系100は、CUW系ポンプ5の下流側に分岐点30を有し、この分岐点30に(つまりCUWポンプ5の下流側に)水圧ライン36を介して制御棒水圧系200が接続されており、浄化した原子炉冷却材を制御棒水圧系200にも供給している。
制御棒水圧系200は、水圧ライン36に備えられた流量計40と、この流量計40によって流量を調節する流量調節弁9と、流量調節弁9の下流側に接続されたパージ水供給ライン16と、パージ水供給ライン16の下流側に接続された水圧制御ユニット(HCU)400と、水圧ライン41a及び水圧ライン42aとを備え、水圧制御ユニット400は、水圧ライン41a及び水圧ライン42aを介して制御棒駆動機構11に接続され、制御棒駆動機構11にパージ水を供給している。図中、簡略化のため制御棒駆動機構は2台のみ記載しているが、制御棒駆動機構はそれ以外にも複数あり、パージ水供給ライン16はそれぞれの水圧制御ユニットを介して、他の制御棒駆動機構にも接続され、それぞれにパージ水を供給している(他図も同様)。このパージ水は制御棒駆動機構11を熱から守る冷却水及び炉底部への異物混入を防止する目的として作用する。また、水圧ライン36は、分岐点30の下流側に分岐点31を有し、この分岐点31に水圧ライン8aが接続されている。水圧ライン8aはCUWポンプ5にパージ水を供給するものであり、この水圧ライン8aに設けられた昇圧ポンプ6は、CUWポンプ5へのパージ水の供給圧力が不足する場合にこのパージ水を昇圧して、所定の圧力を確保する。
次に、従来の制御棒駆動水圧系およびCUW系の説明をしつつ、本実施の形態の効果について説明する。
まず、図2及び図3を用いて、従来の改良型の沸騰水型原子炉を有する原子力プラントにおける制御棒駆動水圧系およびCUW系について説明する。
図2は、制御棒駆動水圧系の系統概略図である。図中、図1と同じ部分には同じ符号を付している。
図2において、原子炉80はインターナルポンプ(図示せず)を有する改良型の沸騰水型原子炉であり、インターナルポンプによって炉内の冷却水を循環させている。原子炉80の下部には電動駆動の制御棒駆動機構11Aが設けられている。また、この制御棒駆動機構11Aに対して制御棒駆動水圧系210が設けられている。
制御棒駆動水圧系210は、スクラム用の充填水および冷却用のパージ水として制御棒駆動機構11に復水を供給するものであり、制御棒駆動水加熱器18、サクションフィルタ19、充填水及びパージ水を昇圧する制御棒駆動水ポンプ20、駆動水フィルタ21、流量調節弁9、水圧制御ユニット410、各水圧制御ユニットへの充填水供給ライン26及びパージ水供給ライン16、水圧ライン8bを有している。充填水供給ライン26及びパージ水供給ライン16は水圧制御ユニット410を介して電動駆動式の制御棒駆動機構11Aに接続されている。
水圧制御ユニット410は、アキュムレータ22、スクラム電磁弁23、スクラム入口弁24を備え、通常運転時には、スクラム入口弁24は閉じられ、制御棒駆動機構11Aにパージ水を供給し、スクラム時には、スクラム電磁弁23によりスクラム入口弁24を開放して、アキュムレータ22によって加圧された充填水を制御棒駆動機構11Aに供給して制御棒50を急速挿入する。
以上のように構成した制御棒駆動水圧系210において、水圧制御ユニット410のアキュムレータ22、スクラム電磁弁23、スクラム入口弁23等の機器は、スクラム時に制御棒を炉心下方から重力に抗して強力な力で炉心内に挿入するための高圧充填水を供給するための必須の構成である。また、制御棒駆動水ポンプ20も、水圧制御ユニット410に供給される充填水を昇圧するものであり、スクラム時に制御棒を駆動するための高圧充填水を供給するための必須の構成である。このため、原子力プラントの構成の簡素化を行うことは困難であった。
図3は、CUW系の系統概略図である。図中、既出の図と同じ部分には同じ符号を付している。
図3において、原子炉80は、図2同様、改良型の沸騰水型原子炉であり、CUW系110は、CUW系ポンプ5の下流に分岐点30を有しておらず、原子炉圧力容器2から取水した原子炉冷却材をろ過脱塩装置7によって浄化した後、再生熱交換器3を介して炉心に還元するだけの構成となっている。
このように、改良型の沸騰水型原子炉を有する原子力プラントにおいては、制御棒駆動水圧系210とは別にCUW系110を備える構成となっている。
次に、従来の自然循環型の沸騰水型原子炉を有する原子力プラントおける制御棒駆動水圧系について説明する。
特開平10−268077号公報には、インターナルポンプを廃した自然循環型の沸騰水型原子炉において、スクラム用の制御棒を炉心上方に保持し、スクラム時には制御棒を重力落下によって挿入する技術が記載されている。この原子力プラントでは、この構成によって改良型の沸騰水型原子炉の制御棒駆動水圧系ではスクラム時に制御棒を急速挿入するために必須の構成だった水圧制御ユニット内のアキュムレータ、スクラム電磁弁、スクラム入口弁等の機器を廃して、制御棒駆動水圧系を簡素化することができる。ただし、この場合でも、改良型の沸騰水型原子炉を有するプラントと同様、制御棒水圧系とは別にCUW系を備える必要がある。
このように自然循環型の沸騰水型原子炉を備えた原子力プラントでは、制御棒駆動水圧系210からスクラム時に必要な高圧充填水を供給するための機器を廃し、制御棒駆動水圧系を簡素化することができるが、それ以上の簡素化は検討されていなかった。
このような従来技術に対し、本発明は自然循環型の沸騰水型原子炉を備えた原子力プラントにおいて制御棒水圧供給システムの更なる簡素化を図るものである。この目的のために本発明は次の点に着目した。
スクラム時に制御棒を重力落下にて挿入可能な自然循環型の沸騰水型原子炉では、重力に抗して制御棒50を炉心に挿入させる強力な水圧制御ユニットが不要なため、制御棒50の急速挿入に必要な高圧水を供給するための制御棒駆動水ポンプ20は制御棒水圧供給システムに不要になる。また、CUW系ポンプ5の吐出圧力は通常運転時の原子炉の炉圧よりも高い圧力であるため、パージ水を供給するには十分な圧力を確保することができる。さらに、CUW系を使うことにより、ろ過脱塩装置7によって浄化された清浄な炉水を制御棒駆動機構11に供給することが可能になるため、ゴミの噛み込み等による機器故障のリスクを減少させることができる。また、原子炉停止時もCUW系ポンプ5を駆動し続けているため、原子炉停止時でもパージ水を供給し続けることが可能である。また、CUW系と制御棒水圧系は共に炉水を循環させて機能する系であり、両者を接続しても炉水量のバランスを崩すことなく原子力プラントを構成することができる。
本実施の形態は、上記知見に基づき、CUW系100のCUWポンプ5の下流に分岐点30を設け、この分岐点30にパージ水供給ライン16を有する制御棒水圧系200を接続し、CUW系ポンプ5をパージ水供給用のポンプとして兼用し、かつCUW系100のろ過脱塩装置7によって浄化された炉水をパージ水として供給するものである。
以上のように構成した本実施の形態によれば、原子力プラントから制御棒水圧系における専用の制御棒駆動水ポンプ20やサクションフィルタ19等を廃することが可能になり、原子力プラントの簡素化と小型化を実現することが可能になる。これにより、原子力プラントの信頼性を維持しながら、原子力プラントの建設・維持コストの低減が可能になる。
また、制御棒駆動水ポンプ20等の動的機器物量を原子力プラントから低減したことにより、定期検査対象が減少し、メンテナンス作業の軽減が可能である。さらに、同様に、機器交換などで発生する廃棄物量も減少するので、原子力プラントの維持コストをさらに軽減することができる。
また、CUW系100に制御棒水圧系200を接続したことにより、ろ過脱塩装置7によって浄化された清浄な炉水をパージ水として制御棒駆動機構11に供給することが可能になり、ゴミの噛み込み等による機器の故障のリスクを減少させることもできる。しかも、原子炉停止時もCUW系ポンプ5は駆動し続けているので、原子炉停止時でも制御棒駆動機構11にパージ水を供給することができ、さらに確実に機器の故障のリスクを低減することができ、原子力プラントの維持コストの低減をすることが可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図4を用いて説明する。
図4は本発明の第2の実施の形態に係わる自然循環型沸騰水型原子炉を有する原子力プラントの制御棒水圧供給システムを示す概略図である。図中、既出の図と同じ部分には同じ符号を付している。
図4において、原子力プラントは、自然循環型原子炉1Aと、制御棒水圧供給システム70Aを備え、制御棒水圧供給システム70Aは、原子炉冷却材浄化系100と、制御棒水圧系300を有している。
自然循環型原子炉1Aは、第1の実施の形態同様に原子炉圧力容器2を備え、原子炉圧力容器2の下部に制御棒駆動機構12を備えている。制御棒駆動機構12は、水圧駆動式であり、常駆動時には制御棒水圧系300から供給される駆動水によって駆動され、スクラム時には第1の実施の形態同様、重力落下により制御棒を緊急挿入する構成となっている。
CUW系100は、第1の実施の形態と同様に、CUW系ポンプ5の下流側に分岐点30を有し、この分岐点30に(つまりCUWポンプ5の下流側に)水圧ライン36を介して制御棒水圧系300が接続されており、浄化した原子炉冷却材を制御棒水圧系300にも供給している。
制御棒水圧系300は、水圧ライン36に備えられた流量計40と、この流量計40によって駆動水の流量を調節する流量調節弁9と、流量調節弁9の下流側に接続されている水圧ライン38と、水圧ライン38の下流側に接続されているパージ水の圧力を調節する駆動水圧力調整弁13及び駆動水の圧力を確保する流量安定化弁14と、駆動水圧力調整弁13及び流量安定化弁14の下流側に接続されている水圧ライン39と、水圧ライン38に設けられた分岐点32に接続されている駆動水供給ライン10と、水圧ライン39に設けられた分岐点33に接続されているパージ水供給ライン16と、駆動水供給ライン10及びパージ水供給ライン16の下流側に接続された水圧制御ユニット400Aと、水圧ライン41b及び水圧ライン42bとを備えている。水圧制御ユニット400Aは、水圧ライン41b及び水圧ライン42bを介して制御棒駆動機構12に接続され、制御棒駆動機構12に駆動水とパージ水を供給している。水圧制御ユニット400Aは、常駆動切換弁15a〜dを有しており、これら常駆動切換弁15a〜dは、制御棒駆動機構12に供給される駆動水の方向を切り換えて、制御棒50の駆動方向を制御する。また、水圧ライン36は、第1の実施の形態同様、分岐点31を有し、この分岐点31においてCUWポンプ5にパージ水を供給する水圧ライン8aが接続されている。水圧ライン8aには昇圧ポンプ6が設けられている。
CUW系ポンプ5によって昇圧されて、CUW系100から制御棒水圧系300に供給された原子炉冷却材は、流量計40によって流量を測定され、流量調節弁9で適切な流量にされた後、一部は水圧ライン38の分岐点32で分岐して駆動水供給ライン10によって水圧制御ユニット400Aに駆動水として供給される。水圧制御ユニット400Aに供給された駆動水は常駆動切換弁15a〜dによって適宜方向を切り換えられ制御棒を駆動する。例えば、水圧ライン42b側に給水する場合は、常駆動切換弁15a及び15dを開、常駆動切換弁15b及び15cを閉にし、反対に水圧ライン41b側に給水する場合には、常駆動切換弁15b及び15cを開、常駆動切換弁15a及び15dを閉にする。
一方、分岐点32を経由した原子炉冷却材は、圧力調節弁13で適切な圧力に減圧された後、パージ水供給ライン16によって水圧制御ユニット400Aに供給され、制御棒駆動機構12にパージ水として供給される。流量安定化弁14は、常駆動時における常駆動切換弁15a〜dの開閉により発生する駆動圧の低下を、弁を開閉することによってパージ水の一部を駆動水として振り分けることで防止し、駆動圧を確保するために機能している。
次に、従来の制御棒駆動水圧系を説明しつつ、本実施の形態の効果について説明する。
まず、図5を用いて、従来の改良型の沸騰水型原子炉を有する原子力プラントにおける制御棒駆動水圧系について説明する。
図5は、従来の制御棒駆動水圧系の系統概略図である。図中、既出の図と同じ部分には同じ符号を付している。
図5において、原子炉80Aは改良型の沸騰水型原子炉であり、原子炉80Aの下部には水圧駆動の制御棒駆動機構12Aが設けられている。また、この制御棒駆動機構12Aに対して制御棒駆動水圧系310が設けられている。
制御棒駆動水圧系310は、図2で示した制御棒駆動水圧系210と異なる構成として、駆動水供給ライン10と、圧力調節弁13と、流量安定弁14と、冷却水供給ライン37と、上記水圧制御ユニット420とを有する。水圧制御ユニット420は、図2で示した水圧制御ユニット410の構成に加え、常駆動切換弁15a〜dと、スクラム出口弁25とを有している。
制御棒駆動水圧系310は、スクラム時には、水圧制御ユニット420内のスクラム電磁弁23によってスクラム入口弁24とスクラム出口弁25を開き、アキュムレータ22により加圧された充填水を水圧制御ユニット420を介して制御棒駆動機構12Aに供給して、制御棒50を炉心内に急速挿入する。常駆動時には、第2の実施の形態同様、駆動水供給ライン10によって供給される駆動水を常駆動切換弁15a〜dを適宜開閉して、水圧制御ユニット420を介して制御棒駆動機構12Aに供給し、制御棒50の駆動を行う。また、制御棒駆動水圧系310は、冷却水供給ライン37によって、制御棒駆動機構12Aに冷却水を供給し、制御棒駆動機構12Aの冷却を行っている。
自然循環型の沸騰水型原子炉を備えた原子力プラントでは、水圧駆動式の制御棒駆動機構12を備える場合でも、制御棒駆動水圧系310からスクラム時に必要な高圧充填水を供給するための機器を廃し、制御棒駆動水圧系を簡素化することができるが、電動駆動式の制御棒駆動機構を備えた原子炉の場合と同様、それ以上の簡素化は検討されていなかった。
本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様、CUW系100のCUWポンプ5の下流に分岐点30を設け、この分岐点30にパージ水供給ライン16及び駆動水供給ライン10を有する制御棒水圧系300を接続し、CUW系ポンプ5をパージ水及び駆動水供給用のポンプとして兼用し、かつCUW系100のろ過脱塩装置7によって浄化された炉水をパージ水及び駆動水として供給するものである。
これにより、本実施の形態においても、原子力プラントの簡素化と小型化を実現することが可能になり、第1の実施の形態同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係わる自然循環型沸騰水型原子炉を有する原子力プラントの制御棒水圧供給システムを示す概略図である。 改良型沸騰水型の原子炉を有する原子力プラントにおける、制御棒駆動水圧系の系統概略図である。 改良型沸騰水型の原子炉を有する原子力プラントにおける、CUW系の系統概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる自然循環型沸騰水型原子炉を有する原子力プラントの制御棒水圧供給システムを示す概略図である。 沸騰水型の原子炉を有する原子力プラントにおける、制御棒駆動水圧系の系統概略図である。
符号の説明
1 自然循環型原子炉
1A 自然循環型原子炉
2 原子炉圧力容器
5 原子炉冷却材浄化ポンプ
10 駆動水供給ライン
11 制御棒駆動機構(電動駆動式)
12 制御棒駆動機構(水圧駆動式)
16 パージ水供給ライン
26 充填水供給ライン
30 分岐点
50 制御棒
60 原子炉格納容器
70 制御棒水圧供給システム
70A 制御棒水圧供給システム
100 原子炉冷却材浄化系(CUW系)
200 制御棒水圧系
300 制御棒水圧系

Claims (3)

  1. 燃料を有する炉心と、前記炉心を収納する圧力容器と、前記炉心の反応を制御する制御棒と、前記圧力容器下部に設置され前記制御棒を前記炉心に挿入又は引き抜きする制御棒駆動機構とを備え、スクラム時に前記制御棒を重力落下にて前記炉心内へ挿入する自然循環型沸騰水型原子炉を有する原子力プラントの制御棒水圧供給システムにおいて、
    原子炉冷却材浄化系ポンプが設けられた原子炉冷却材浄化系と、
    前記制御棒駆動機構へパージ水を供給する第1水圧ラインが設けられた制御棒水圧系とを有し、
    前記制御棒水圧系は前記原子炉冷却材浄化系ポンプの下流側に接続されており、
    前記原子炉冷却材浄化系ポンプは、前記制御棒駆動機構の駆動時及び停止時に、前記制御棒駆動機構へのパージ水を前記第1水圧ラインに供給することを特徴とする原子力プラントの制御棒水圧供給システム。
  2. 請求項1記載の原子力プラントの制御棒水圧供給システムにおいて、
    前記制御棒駆動機構は電動により駆動する制御棒駆動機構であることを特徴とする原子力プラントの制御棒水圧供給システム。
  3. 請求項1記載の原子力プラントの制御棒水圧供給システムにおいて、
    前記制御棒駆動機構は水圧により駆動する制御棒駆動機構であり、
    前記制御棒水圧系は更に前記制御棒駆動機構へ駆動水を供給する第2水圧ラインを有することを特徴とする原子力プラントの制御棒水圧供給システム。
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